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2005年5月

2005.05.31

社会保険庁の予算流用。一度もイベントを行っていないのに、6億円の予算を獲得、流用。←相変わらずだな。

◆記事1:2005/4/20 架空イベントで、6億円の予算をもらって、別に流用 社会保険庁 

 本日、ながつま昭は、谷垣財務大臣、村瀬社会保険庁長官らに、衆議院決算行政監視委員会で、架空予算要求問題、公共事業費膨張問題に関する質疑をした。

社会保険庁が、毎年11月に実施する年金週間(1週間)で、3つのイベント(コンサート等、エアロビ大会、綱引き大会)を、それぞれ47都道府県で開催することとし、平成10年~15年までの6年間、毎年、財務省に予算要求をして、合計6億円もの予算をもらっていたことが判明。

この6年間、本イベントは、一度も開催されていない。

この“架空”予算は、厚生年金保険料と国民年金保険料を半分づつ財源としている。

架空のイベントに付いた6億円の使途は、一部流用され、一部は国庫に返却されたというが、詳細は不明とのこと。
損保ジャパン副社長から社会保険庁に来た村瀬長官も、「不適切」と認め、自分が以前、所属した会社では、このようなことはなかったと答弁した。ウラ金となって、おかしな用途に使われていないか、現在、社会保険庁に詳細を調査させている。その他、すべての社会保険庁の予算をチェックして架空請求など問題を報告するように強く求めた。(ながつま昭衆議院議員 年金問題サイト)


◆記事2:2005/4/28 社会保険庁、6億円の架空イベント予算 江角マキコさんのテレビCMなどに流用

 本年4月20日に、ながつま昭が衆議院の決算行政監視委員会で指摘した、社会保険庁の6億円の架空イベント予算に関して、その流用先の一部が判明した。ながつま昭に対する、社会保険庁の回答によると、架空イベント予算の一部が、江角マキコさんのテレビCM費用に流用され、一部は、年金勘定に返却されていた。

平成15年度の「年金週間に関する事業予算」で、年金週間周知のためのポスター作成費(※)として、広報予算を1億5139万7000円しか、要求していないにも係わらず、実際には、広報予算として江角マキコさんのテレビCM、新聞広告、雑誌広告、電車中吊り広告、パンフレット、ポスターに3億7900万円の年金保険料が使われたことが判明した。

ポスター以外は、予算要求項目に無いもの。この3億7900万円全額が、大手広告代理店一社に支払われた。

予算要求に無いカネが使われた形だが、このカネの一部に、架空イベントで付けた予算が流用されていた。

実態に近い形で予算要求をしたら、財務省に予算をカットされる。

だから、例年と同様の通り易い予算項目で、とりあえず予算を取ってしまい、それを別に流用する。

このようなことが恒常的に行われていたとすれば大問題。(ながつま昭衆議院議員 年金問題サイト)


◆コメント:社会保険庁は本当に消えてくれ。

 

 昨日、江草さんが「道路公団なんかぶっつぶせ」と、書いてておられたが、全くごもっともである。

 鋼鉄製橋梁工事建設に関わる談合組織に加盟している土建屋に日本道路公団から天下りしている人間のなかには、何もせずに、年収1000万の者がいるという。
 これを読ませていただいてから、私は、昨年の4月26日、国民年金掛け金がなんと、5兆6千億円も他の目的に流用されているという話を書いたのを思い出し、その後どうなっているか調べてみた。


◆ながつま議員の仕事は画期的だ。

 

 昨年、年金掛け金の気の遠くなるような流用について知ったのは、民主党の長妻昭衆議院議員のホームページにおいて、である。

 私は、民主党議員なら、誰でも支持するというわけわけではない。つまり「民主党バンザイ人間」ではない。

民主党は、まだ、非常にまとまりが無くて、政権担当能力を有しているとは言い難いというのが正直な感想であるけれども、ながつま議員と、もとメリルリンチ上級副社長でその後、出雲市長を務めた岩國哲人氏の仕事は、高く評価されるべきものである。

 ながつま議員は、何しろ、坂口厚生労働大臣の口から直接、「他の目的に流用された年金掛け金の合計額は5兆6千億円だ」という答えを引き出したのであるから、それだけでも歴史的な功績だといっていい。


◆社会保険庁はいくらでも膿が出てくる。

 

 現在、ながつま議員のホームページの年金問題サイトをみると、もう、全部書ききれないぐらいの、言語道断な話が並んでいる。

 たとえば、社会保険庁は毎年、11月の「年金週間」に47都道府県の各々で、3つのイベント(コンサート、エアロビクス大会、綱引き大会)を実施するから、といって、毎年、財務相との予算折衝において、予算を請求し、平成10(1998)年~15(2003)年で合計6億円を受け取っている。

 しかし、実際には、コンサート、綱引きなどのイベントは、「ただの一度も行われていない」のだというから驚嘆する。これは、詐欺ではないか。


◆6億円のうち3億5千万は江角マキコのテレビCMに使われていた。

 

 架空のイベントの為に予算をもぎ取り、本来は予算で要求していなかった、テレビCMの製作費用に充てたのだという。

 本当は、年金週間の広告費用はポスターだけで、それならば、1億円台で済むのだ。

 しかし、その通りに財務省に申告したら、予算をどんどん削られてしまうので、本当はやるつもりのない架空のイベントが行われることにして、6億円をぶんどっていたのだ。

 ぶんどった財源は、無論、我々が納めた年金保険料だ。

 その上、昨年、自民党によって強行採決された、「年金改革法」で、次第に年金の料率が上がっていくことが決まっている。

 要するに「正直者が馬鹿を見る」社会を作るのが、「構造改革」ですか?総理?

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2005.05.30

小泉内閣支持率、6か月ぶりの5割台←「優先的に取り組んで欲しいこと」を無視する内閣を支持する国民

◆記事1:小泉内閣支持率、6か月ぶりの5割台

  

 読売新聞社が14、15の両日に実施した全国世論調査(面接方式)で、小泉内閣の支持率は、4月の前回調査より3・6ポイント増の51・4%となり、昨年11月の調査以来、6か月ぶりに5割台に達した。不支持率は37・0%と1・7ポイント減った。

  小泉内閣を支持する理由(複数回答)としては「これまでの内閣より良い」が46%で最多。これに「一応実績をあげた」「政治姿勢が評価できる」(各28%)――などが続いた。4月下旬に発足から5年目に入ったこともあり、政権の「安定感」を支持理由とする人が前回比4ポイント増え、15%となった。

 小泉内閣に優先的に取り組んでほしい課題(複数回答)では、

 トップが「景気対策」62%で、

 「年金など社会保障制度改革」56%、

 「北朝鮮問題」35%などの順。

 関連法案の国会審議を控える「郵政3事業の民営化」は10%と同2ポイント減で17項目中14番目。

国民の関心は依然として低い。(2005年5月16日21時26分 読売新聞)


◆記事2:<消費者物価指数>5年8カ月連続マイナス 東京都区部5月

 

 総務省が発表した東京都区部の5月の消費者物価指数は、価格変動の激しい生鮮食品を除く総合指数は前年同月比0.4%下落の97.1となり、5年8カ月連続の下落だった。

原油価格高騰の影響で、ガソリンや灯油が上昇したが、4月までと同様、電気代や電話料金の値下げによる影響で全体の物価水準が押し下げられた。(毎日新聞) - 5月28日21時24分更新


◆記事3:4月の全国消費者物価指数0・2%減、7か月連続下落

 

 総務省が27日発表した4月の全国の消費者物価指数(2000年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除いた総合指数で97・7と、前年同月に比べて0・2%下落した。7か月連続の下落で、下落幅は3月より0・1ポイント縮小した。(読売新聞) - 5月27日10時57分更新


◆コメント:「優先的に取り組んで欲しいこと」を無視する内閣を支持する国民

 

 世論調査の対象は無作為に抽出されるから、常日頃から、政治・経済などという「面倒くさいこと」を考えている人が回答者とは限らない。世の中、むしろそうではない人の方が多い。だから、世論調査において、論理的に矛盾した結果が出ても不思議は無い。

 不思議はないけれど、もう少し関心を払っては如何ですか、と言いたくなる。

 だって、そうでしょう。

 

小泉内閣に優先的に取り組んでほしい課題(複数回答)では、トップが「景気対策」62%で、「年金など社会保障制度改革」56%、「北朝鮮問題」35%などの順。関連法案の国会審議を控える「郵政3事業の民営化」は10%と同2ポイント減で17項目中14番目。国民の関心は依然として低い。

 というのに、小泉内閣は国民の関心がしたから3番目のことを最重要課題として行っている

 そもそも郵政民営化をおこなって、どういうメリットがあるのか、説明が足りない、と答えた人が、8割もいるのである。

 みんな、何がよいのか分からない、「郵政民営化」一点張りの内閣を支持するのは、おかしいのではないか。

 それでも、同時並行的に「国民が取り組んで欲しいこと」」の筆頭に掲げられている、「景気対策」で実績が上がっているのならばよいが、実際には、記事2、記事3を見れば明らかなとおり、東京都区部の消費者物価指数は、なんと5年8ヶ月連続で下落。全国ベースでも7ヶ月連続の下落。

 要するに、デフレは全然止まっていない。今は長くデフレ不況が続いているのだから、物価の下落を止めなければ、景気対策が実効を上げているとは言えないのだ。

 5月23日に書いたことと、そのリンク先で書いたことを読んでいただけると有難いのだが、金融担当大臣や、官房長官は、不良債権を減らした、と得意そうに宣言しているが、そもそも何のために不良債権を減らさせたのかといえば、デフレを止めるためだったことは忘れたふりをしている。


◆素朴な疑問

 

 結論的に繰り返すが、今の内閣は、国民が切望する「景気対策」には真剣に取り組まず、国民の関心が17項目中14番目でしかない郵政民営化、しかもそれによってどういうメリットがあるのか、国民の8割は良く分からないといっている、郵政民営化を最優先課題に据えているのである。

 どうして、支持できるのか?不可思議である。

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2005.05.28

全日空クルー、社内規定に違反し乗務12時間内に飲酒

◆記事1:全日空クルー、社内規定に違反し乗務12時間内に飲酒
 

 全日空は27日、今月5日の秋田発羽田行き872便に搭乗予定の機長、副操縦士、客室乗務員ら計8人が、乗務12時間以内の飲酒禁止という社内規定に違反し、約1時間超えて飲酒していたと発表した。
 同便の運航は、東京から急きょ送り込んだ交代要員のクルーが担当したが、客室乗務員5人はそのまま同便に搭乗していた。全日空では「安全上の問題はなかった」としているが、社内規定に違反しているとして8人全員について、乗務停止などの社内処分をした。 (読売新聞) - 5月27日14時36分更新

◆記事2:乗務前の飲酒で13人処分 「基本姿勢に問題」と謝罪
 

 機長や客室乗務員ら計8人が社内規定に違反し乗務前に飲酒していた問題で、全日空は27日までに、8人を所属長による訓戒とするなど計13人の処分を決めた。
 8人以外の処分は、運航本部長と客室本部長がけん責、8人の上司3人が所属長による厳重注意など。
 全日空は27日午後、久保小七郎常務らが国土交通省で記者会見し「再発防止に努めたい」と謝罪。「規定順守への意識がルーズで、乗務員としての基本姿勢に問題があった」と述べ、8人を当面の間、乗務停止とした。
 全日空によると、機長(37)ら3人の運航乗務員は4日夜、限度時間を過ぎて飲酒したことに気が付き対応を協議。5日午前1時ごろ、乗員室に乗務ができないことを連絡し、交代の機長らは羽田空港から自家用車を運転し秋田空港に駆け付けたという。 (共同通信) - 5月27日18時53分更新

◆コメント:JALだけではないのですね。
 

 企業は、従業員の不祥事をなるべく匿そうとする。だから、本当に起きている「不祥事」はこれら記事になっているものの、何倍もある、と推測できる。全日空で乗務前12時間以内に、酒を飲んでいたのは、今回の計8人だけではないだろう。そして、今回が初めてではないのだろう。  これは、多分、内部告発により発覚し、記事になったのだろうが、それはともかく、パイロットは少なくとも乗務前の体調には万全の配慮をするものだと思っていただけに、恐ろしい。
それにしても、酒を飲んでいた乗務員の処分は「訓戒」? ということは、日本人は、何でもすぐ忘れるから、ほとぼりが冷めたら、このパイロットはまた飛行機を操縦するのですか?
 ふざけるなよ。車の運転免許じゃないんだぞ。永久に飛べなくするべきだ。
 何故か?
 酒飲みというのは、概して、酒に関してはだらしがないからである。
「もう2度と飲んで失敗しません」といっても必ずといっていいほど同じようなことを繰り返すのが酒飲みである。
 私は、酒飲みは、公共交通機関の運転士、操縦士として不適格者だと思っている。 

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中国は、日本側の「まだ、会うつもりでいる」という申し出を受け入れるべきだ。 (フィナンシャル・タイムズ)

◆コメント:欧米のメディアとしては、FT(Financial Times)が初めて先日の「中国ドタキャン」問題を、社説で取り上げた。

 5月24日付で、私は、「日本は泰然自若としていればよい」と書いた。

 書いたけれども、その後、前回の反日デモのときほど、欧米の新聞がこの話を取り上げないので、この件に関しては、どのように見られているのか、少し気になっていた。

 そうしたら、本日付の英国"Financial Times"紙が、社説で取り上げた。



 やはり、日本が、中国の「ドタキャン」の後で、あまり大げさに騒がなかったことが、好意的にとらえられているようだ。

 勿論、FT紙一社が欧米全ての意見を代表しているとは言えないだろうが、4月の反日デモの頃から色々な新聞を読んで、彼らの見方はほぼ一致して、どちらかといえば、日本に大して好意的である、という「トレンド」を、少なくとも私は感じている。

 したがって、やや早計、ないし、楽観的に過ぎるかも知れぬが、他の新聞が社説を書いても、多分同じ方向を向くと思われる。

 中国にとって致命的だったことは、いくら、日本の首相が靖国神社を参拝することに反対だとはいえ、「自分の方から申し込んでおいた会談を、ろくに挨拶もせずに、直前にキャンセルし、しかも明らかにウソであると分かるような言い訳をした」ということで、国家を代表して訪れた者の行為としては、話にならないほど非礼、かつ、小児的だったことだろう。

 外交に関して海千山千のヨーロッパの連中から見たら、「何をガキのようなことをやってるの?」という印象なのだろう。

 そこまではっきり書いてはいないが、次に、本日付Financial Times紙社説を訳したので、お読みいただきたい。

 引用元は、

 FT.com / Editorial comment - Political perils

http://news.ft.com/cms/s/31eb1d08-cd83-11d9-aa26-00000e2511c8.html

 である。


◆記事:(日中関係の)政治的危機

 

 中国における、反日デモ騒ぎで、険悪になった日中関係は、ひとまず修復されつつあったのだが、それも束の間、このアジアの2大経済大国は、決してお互いの為にならないのだが、また、面倒な対立関係に陥ってしまった。



 新たな両国間の緊張は、今週、訪日した中国の呉儀副首相が、以前から日程が決まっていたにも関わらず、小泉純一郎内閣総理大臣との会談を勝手にキャンセルして、帰国するという侮辱的な行為に走ったことに端を発している。

 呉儀副首相は突然、会談キャンセルは「緊急の(国内の)公務」が生じた為だと言っていたが、それが、見え透いたウソであることは、すぐにばれた。

 彼女はそのまますぐにモンゴルに向かったのである。

 小泉首相は、第二次大戦の戦没者と共に、所謂「戦犯」が合祀されている靖国神社への参拝を、頑固に繰り返していることが、中国の非礼な行為に関係しているかも知れない。

小泉首相は、呉儀首相が来日する前日、国会における答弁で、「靖国神社参拝に関して、諸外国は内政干渉するべきではない」とぶち上げたのである。さらに、小泉氏は中国を挑発するかのように、中国の賢人、孔子の有名な、「罪を憎んで人を憎まず」という一節を彼の行為を正当化するために使った。

この言葉自体には、あまり意味がない。

はっきり言うと、呉儀副首相の極めて異例かつ非礼な、キャンセルという事件が無かったら、世界の誰も、小泉首相のスピーチに関心を示さなかっただろう。

中国外交の稚拙なところは、小泉首相を「靖国問題」で追い詰めようとすればするほど、逆に小泉首相はムキになって参拝を止めなくなることは目に見えていたのに、それをやってしまい、両国を外交の袋小路に入り込ませてしまったことである。



こんなことを続けて、もっとも、損をするのは、両国自身の経済である。

日本と中国だけで、アジアのGDPの85%を占め、互いに最大の貿易の相手国なのである。

小泉総理は、呉儀副首相の非礼に、さすがに唖然としていたが、呉儀副首相が去った直後に、自分はまだ、いつでも中国の高官に会うつもりだ、といってのけた。

どちらの国の政府も国内のナショナリズムの圧力を受けて、悩みの多いところであろう。

しかし、北京は、もし本当に日本との関係を改善したいのであれば、つまらない小手先外交は止め、小泉首相の申し出に応ずるべきだ。

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2005.05.27

飛行中の日航機の座席でボヤ騒ぎ←JALに業務停止命令を発し、隅から隅まで点検するべきだ。

◆記事1:飛行中の日航機の座席でボヤ騒ぎ

 

 26日の夜、飛行中の日本航空機の座席から煙が出て消火器で消し止めるトラブルが起きました。

 日本航空や国土交通省によりますと、座席のボヤ騒ぎがあったのは午後7時10分、那覇発、羽田行きの日本航空1926便の747ジャンボジェット機です。

 詳しい状況はまだ分かっていませんが、飛行中「25のBかC付近」の座席から煙が上がったという事です。

 煙は、消火器で消し止められたという事です。1926便には乗員乗客あわせて298人が乗っていましたが、けがなどはありませんでした。

 管制塔によりますと、機長からは緊急着陸の要請はなく、午後9時29分、飛行機は無事羽田空港に着陸したという事です。

 日本航空によりますと、座席には3センチ程の焦げた跡があったという事で、警視庁などでボヤの原因を調べています。(26日 22:56)[26日23時13分更新](JNNニュース)

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20050526/20050526-00000069-jnn-soci.html


◆記事2:滑走路に自衛隊機、全日空機着陸やり直し/那覇空港(沖縄タイムス (24日8時24分))

 

 管制と空自対立

 二十三日午前十一時四十分ごろ、羽田発那覇行きの全日空123便ジャンボ機(ボーイング747―400型機、乗員乗客五百七十六人)が那覇空港に進入したが、滑走路上に航空自衛隊の戦闘機二機が出ていたため、着陸をやり直した。

 戦闘機はエンジンの試運転中だった。

 着陸やり直しの原因をめぐり、試運転の時間が通常より長かったとする管制側と、通常通りだったとする空自側の言い分が食い違っている。けが人はいなかった。

 全日空機が米軍嘉手納ラプコン(航空機進入管制システム)の許可を受けて那覇空港に向け進入する中、同空港の管制官が空自のF4戦闘機二機に対してエンジン試運転のため滑走路に入る許可を出した。 

 国土交通省大阪航空局那覇空港事務所は「全日空機の着陸までに余裕があると判断した」と説明する。

 ところが、全日空機が同空港からの距離約五キロ、高度百メートルほどまで降下した時点でも戦闘機が滑走路上に出ていたため、管制官が全日空機に着陸やり直しを指示。全日空機は再び上昇した。

 那覇空港事務所は「自衛隊機が滑走路から離脱するのに通常より時間がかかった。管制官の判断ミスではない」と指摘。一方、空自南西航空混成団は「通常通り、最大でも五分間の試運転だったと認識している」と説明した。ただ、双方ともに時間についての正確な記録はないとしている。

 全日空機は管制の指示を受けて着陸をやり直し、定刻から四十五分以上遅れた午後零時十二分に着陸。機内では機長が事情を説明し、混乱や苦情はなかったという。

 戦闘機は、緊急発進(スクランブル)に備える四機のうちの二機。毎日一回、午前中に滑走路上に停止してエンジンを試運転する。空自は「出力を全開にするので、地上の物件に損害を与えないよう滑走路上で試運転する必要がある」と説明する。


◆コメント:どうして、毎日飛行機のトラブルが起きるんだ。

 

 どうにも、不吉な予感がする。

 記事1の「事件」を単体で見ると、大したことではない。しかし、大局的に観察すると、大きな問題だ。

 第一に、5月21日にも書いたが、あまりにもトラブルの頻度が高い、ということである。

 それとも、航空業界というのは、ずっと以前から、このような機体の構造的な問題や、運行管理体制を原因とするトラブルが、毎日のように起きていたが、我々に情報が伝えられなかっただけなのだろうか?いずれにしても、問題じゃないか。

 第二に、航空業界の特定の職種だけが問題を起こしているのではなく、操縦士、客室乗務員、整備士、管制官、全てが(一度にではないが)ケアレスミスをしていることだ。

 パイロットは、管制官の離陸許可を得ないうちに離陸する。

 客室乗務員は、食事を運ぶカートを、収納場所に入れた後、ロックし忘れ、着陸時に通路にカートが飛び出しそうになった。

 整備士に関しては、まだ、整備士のミスであると断言は出来ないが、飛行中に部品の一部が脱落する、というアクシデントが頻繁に起きている。

 そして、航空管制官は、今日の記事2でいえば、着陸してくる旅客機があったのに、その滑走路に自衛隊機が入ることを許可した。

 おい、たるんでるんじゃないか?


◆コメント(続):死人が出ないと、動かない、役所という組織。

 

 尼崎の列車事故が起きるまでは、旧式のATSを使っていた

 旧式のATSとは、列車が停止信号に近づくと警告音を発するが、最終的に、速度を抑えるのは、運転士に任されるものである。

 このたびの事故の後、責任を問われつつある国交省は、アワを食って、ATS-P(「パターン制御式速度照査機能付きATS」)に取り替えようとしている。

 ATS-Pは運転士に任せきりにせず、危ないと判断したら、コンピュータが自動的に、列車の速度を落とすシステムで、新幹線には昔から使われていた装置である。

 何故在来線には取り付けられていなかったかと言うと、要するになるべくカネを使いたくないからである。

 107名の死者を出して、初めてこの新型ATSに取り替える。まさに、日本の役人の仕事を象徴している。それじゃ、遅いんだよ。


◆飛行機が落ちる前に、業務停止命令を発して、隅から隅まで点検しろ。

 

 JALが当分飛ばなくなったら、確かに困る人は多いだろうが、私は断行するべきだと考えている。

 放っておいて、また、1985年8月12日の悪夢を目の当たりにするのとどちらを選ぶか?

 考えるまでもないことだ。



 尼崎の列車事故でお嬢さんを亡くされた、元国鉄のエンジニアもしていた技術者の方が、毎日新聞の投書欄で、「日本中の総点検をするべきだ。日本中がたるんでいる。役所は何かが起きないと動かないが、このままでは大変なことになる。」という趣旨の手記を寄せられていた。

 我々素人が見ているだけでも、明らかに、何かが狂っている、という印象を受けるが、その上に専門家がそこまでおっしゃるのだから、よほどのことだ。

 こういうことは、最悪を想定して動くべきなのだ。

 今日発売された「週刊文春」によれば、小泉首相は5月19日に、新宿歌舞伎町の風俗店が建ち並ぶところを「視察」してはしゃいでいたそうだが、それどころじゃないでしょう、総理。

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2005.05.26

ココログで「地震雲」が話題のキーワードになっているが・・・。←非常時に対する備えで最も簡単だが重要なことはなにか。

◆各地で「地震雲」を見た、との情報が寄せられているそうですが。

 

 @niftyが運営するblogサービス、「ココログ」では、その日の話題のキーワードを集めた「ココフラッシュ」というページがあり、今日は、話題のキーワードの上位に、地震雲が挙げられている。

 しかし、これは、あまり意味を為さない。

 何故なら、日本では、ほぼ毎日、どこかで必ずと言っていいほど。地震が起きているからである。気象庁の関連組織で、「防災化学研究所」のHi-net 高感度地震観測網というサイトがある。

 この中で、震源マップのページを見れば(プルダウンメニューで、地域、若しくは全国図を選択できる)、文字通り日本中、どこでも地震の震源に成り得ることが分かる。

 とにかく地震は毎日起きている。だからそのどれかと「地震雲」を結びつけて、「やはり、地震雲は本当に地震の前兆だ」と、後付けで主張することができる。


◆「防災」は文字通りの意味では、不可能だ。

 

 揚げ足をとるのが目的ではないのだが、「防災」という単語は、変だ。

 防災の「災」は言うまでもなく地震・台風などの自然災害(最も、災害というのは、人間の都合による表現で、本来は自然現象というべきだろう)を指す訳だが、人間の力で、地震や台風を「防ぐ」ことは出来ない。

 だから、「防災」という日本語は意味を為していない。



 問題は、大地震が起きたとき、及びその後、何が出来るか、ということだが、これは、その瞬間、自分がどのような場所にいるかで、全く危険度が違うから、全員に共通する「生き延びる方法」は存在しない。

 運を天に任せるしかない。助からないときは、何をしても助からないさ。


◆それよりも、普段から心がけておくべきことがある。

 

 地震ではないのだが、以前から、少なくとも首都圏では、通勤電車が信号機の故障などでしばしば止まる。

 今日も東海道線が4時間も止まったそうだ。

 今日は、車中に閉じこめられた人がいたかどうか知らないが、過去においては、駅と駅の間で、止まってしまい。何千人という乗客が電車に乗ったまま、身動きが取れなくなることが何度もあった。



 何か、ヤバいと思いませんか?

 それは、トイレに行きたくなったらどうするか?ということだ。

 去年か一昨年、どの路線だか忘れたが、真夏のある日、夜10時頃、東京からの下りの電車がやはり何らかの技術的な要因で、駅と駅の間で立ち往生して、満員の客が2時間も閉じこめられた。繰り返すが、このときだけではない。何度もそういうことがあった。


◆電車に乗る前には、出来れば必ず用を足しておくことだ。

 

 こういうことをはっきり書く人が全くいないので、私が書く。

 私は、この手のニュースを聞くと、いつも思うのだが、電車に閉じこめられた人の中には、尿意か便意を催して、真っ青になった人が必ずいたはずだ。

 特に、真夏の夜の下りなんて、ビールなどをたらふく飲んだ後の人が多いだろう。

 当然、生理現象が起きる。そのときに電車が駅と駅の間で、何時間も止まったら、本当に悲惨だ。

 こうなったら、ますますはっきり書くが、満員の電車の中で、ついに耐えきれずに、糞尿を漏らしてしまった乗客がいるはずだ。

 これは、事情が事情なので仕方がないのだが、自分だったら、と想像してご覧なさい。

 これ以上の生き恥の晒し方はない。

 男なら、もはや我慢の限界となったら、非常レバーでドアを手動でこじ開けて外に飛び出して、排泄すればよいが、若いお嬢さんなど、そうもいかないでしょう。

 かと言って、人前で耐えられなくなったら・・・、死んだ方がマシでしょう?

 私は、この文章を、笑い話として書いているのではない(但し、自分が閉じこめられた、という経験は無い)。


◆人間は、食えないより、出せない方が苦しいのだ。

 

 人間は、3日間飲まず食わずでも死なないが、3日間排尿しないでいることは不可能だ。

 真面目な話として読んでいただきたいのだが、普段から、「乗る前には、トイレ」の習慣を身につけておくことだ。

 上の段落で書き忘れたが、超高層ビルのエレベータも同じこと。

 もし、大地震が起きて、火事が起きなくても、ビルが崩壊しなくても、何時間もエレベーターが動かなくなる可能性は高い。こちらは、もっと密室状態だから、より悲惨である。

 要するに、地震に備えて、常に懐中電灯を持っているとか、非常食のカロリーメイトと水を持っているとか、そんなのは、二の次だ。

 乗り物に乗る前に、尿意、便意が無いか、確かめて、少しでも危なそうなら、トイレに寄っておくこと。

 これこそ、災害対策の最も重要なことの一つだ。

 くどいようだが、これは、冗談交じりで書いた文章ではない。

 私は大まじめだ。

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2005.05.25

副首相帰国は「靖国」が理由、中国認める←日本は怒り狂う必要はない。

◆コメント1:完全に、中国に非があるのだから、騒ぎ立てる必要はない。

 

 この「ドタキャン」事件はですね。世界中の何百というメディアが報じています。

 まだ、社説にまではなっていないし、私だけで世界中の新聞全てをチェックすることは出来ないが、今まで読んだ限りにおいては、「中国の行動は正しい」と書いている欧米の新聞は一つもありません。

 たとえば、ニューヨーク・タイムズはこんな記事を載せている。

引用元は、

Tokyo Voices Anger Over Beijing's No-Show - New York Times

http://www.nytimes.com/2005/05/24/international/asia/24cnd-china.html?pagewanted=print

です。


◆ニューヨーク・タイムズ24日付記事:「日本では、中国の会談キャンセルに怒りの声が高まっている」

 

 東京では、中国の呉儀副首相が、先方から(小泉首相に)会いたいと言っておきながら、直前にこれをキャンセルしたという非礼に対する、日本政府高官達の非難の声が渦巻いている。

 この、礼儀を尊ぶ国(訳注:日本のこと)では、今日、内閣の閣僚が次々に、憤然とした様子でテレビカメラの前に現れた。

 特に、町村外務大臣は、「中国は、ただの一言も謝罪しない。これは国際社会に共通する外交儀礼に反している」と、厳しく中国を非難した。

 外相は、また、今回の小泉首相と、呉儀副首相との会談は、5月7日に京都で、町村外相と中国の李肇星(りちょうせい)外相が会談したときに、中国側から申し込んできたものである、という経緯を強調した。

 また、一層、事態を悪化させているのは、呉儀副首相は、同じ日の午前中には経団連の奥田会長をはじめとする財界の要人には積極的に会談を持っていながら、内閣総理大臣との会談を直前でキャンセルした、という事実である。

 南山大学の国際関係論を専攻する、ロビン・リム教授は、「中国は、日本人の中で、比較的中国に理解がある人々の同情を集め、同時に、あからさまに、小泉首相をコケにする、という目論見だ。」という。

「このような行為は、必ず、しっぺ返しをくらうだろう。対中強硬派として知られる、安倍晋三が次の首相になる可能性を高めただろう。」(以下、略)


◆コメント2:中国政府の目論見は何か。

 

先日の、アジア・アフリカ会議で、小泉首相が正式に謝罪した後、世界はこれを、「日本は謝罪した」と、明確に認識した。

 ワシントンポストの社説は、当時激化していた反日デモに言及し、「ここまで、日中関係を悪化させた責任は、全て中国にある」と書いた。

 英国のフィナンシャル・タイムズ紙は「既に日本は少なくとも21回も、こうした謝罪を重ねているのである。日本では、中国が60年前の戦争をあまりにも執拗に持ち出すことについて、いい加減にしろ、という憤慨が国民の間に蔓延していることを考慮に入れれば、小泉首相が、国際会議の席で再び謝罪したという事実は、軽視されるべきではない。中国共産党の指導者達は、いい加減、この日本の謝罪を受け入れる寛容さを示すべきだ。そうしなければ、中国はけちな田舎者と見なされるであろう。」とやはり、日本に同情的だった。

 アジア・アフリカ会議の前にも、既に同じく英国のTimes紙は、反日暴動を抑えようとしない中国政府に対して、「日本は過去に17回も公式に謝罪し、3兆円もの資金援助を実行した。中国は一体これ以上、日本に何をして欲しいのか明確にするべきだ。」 と書いた。



 中国政府にしてみれば、これほど、自分たちにばかり非難が集中するとは思わなかった。

 中国の一般市民の不満の大きな要因は、中国が実質的に市場経済化したことにより、貧富の差が著しく広まったことにある。

 中国政府は、これまでは、その吐け口を日本にすることに、成功してきた。

 しかし、いくら情報統制をしているとはいえ、中国の一般市民が、インターネットを通じて、他国のメディア経由で、天安門事件や、毛沢東が1958年から1962年にかけて実施した「大躍進政策」の所為で生じた飢饉のために、3千万人の市民が餓死したことなどを知れば、彼らの憎悪の矛先が、中国共産党になる可能性は十分にある。

 共産党はなんとか、それだけは避けたい。

 だから、このあたりで、また、「靖国神社」を持ち出し、国民に対して、「ほら見ろ、日本は全然反省していないぞ」とけしかけたいのだ。


◆コメント3:日本は泰然自若(たいぜんじじゃく)としていれば良いのだ。

 

 町村外相の発言は正しいが、今回の出来事は、国際社会で、外交に携わる者なら、誰に訊いても、「中国が悪い」と答えるに決まっている。

 中国の副首相が、日本の首相に(既に地位がこちらの方が上ですね)会いたいというから、日本国は、内閣総理大臣のスケジュールを調整して、呉儀副首相と会談する時間を確保しておいてやったのだ。

 それを、すっぽかして、しかもウソの理由だった。

 中国では何一つ、呉儀副首相が緊急帰国しなければならないような、大事件は起きていなかった。

 さらに、昨日は「緊急の公務」だといいながら、今日になったら、「靖国神社」が帰国した理由だ、とヌケヌケと言ってのけた。

 どこから、どう見ても、中国が悪い。今回の「ドタキャン事件」に関しては。

 こういうのに、まともに反応しては、ダメ。



 内閣総理大臣名義で、こういえばいいのだ。

 

「先日は、お会いするのを楽しみにしておりましたが、突然の公務とのことで、やむを得ませんでしたね。ところで、お見受けするところ、貴国は、平穏が保たれているご様子ですから、是非近いうちにおいで下さい。お待ち申し上げております」

 世界はどう見るか?

 中国は「日本の靖国問題の考えかたが気にくわないから、外交儀礼を敢えて無視したんだ!」と駄駄っ児になる。

 これに対して、日本は寛容に振る舞う。大人である。

 国際社会で、株を上げるのは、中国か、それとも、日本か。

 明らかですね。

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2005.05.24

<銀行決算>不良債権半減、目標達成へ 大手4グループ←不良債権が減ればデフレを克服できる、と竹中平蔵は言っていた。

◆記事1:金融庁ホームページ、「2002年2月12日竹中金融担当相 記者会見要旨」から抜粋。

 竹中大臣:「そもそもデフレの要因として何が重要であるかということで、これは不良債権問題によって金融仲介機能が低下しており、それによって、日本銀行がマネタリーベースを高めても、それが信用乗数を通してマネーサプライの増加につながらないと、まさにそこにデフレの非常に大きな要因があるという診断を議論したわけで、(以下略)」


◆記事2:<銀行決算>不良債権半減、目標達成へ 大手4グループ

 

 大手行の05年3月期決算の発表が23日午前、みずほフィナンシャルグループを皮切りに始まった。

 企業業績の回復などに伴い、各行の不良債権残高は減少。

 貸出金など総与信に占める不良債権比率を05年3月末までの3年間で半減させる政府の目標を、4メガバンクをはじめ7大グループすべてが達成したとみられる。(毎日新聞) - 2005年5月23日12時35分更新


◆記事3:1―3月期のGDP、実質年率5.3%増

 内閣府が17日朝発表した1―3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.3%増、年率換算で5.3%増だった。2四半期連続のプラス成長。成長率は前期(2004年10―12月期)の前期比0.0%増、年率0.1%増を上回り、2004年1―3月期以来の大きさとなった。輸出が落ち込んだものの、個人消費が堅調だったほか、民間設備投資も伸びた。

 名目GDP成長率は前期比で0.6%増、年率換算で2.3%増となった。総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期比1.2%下落で、下落幅は前期の0.4%の下落から拡大した。 (5月17日付 日経NET)


◆記事4:着実に回復もデフレ継続 竹中経財相

 

 竹中平蔵経財相は17日、内閣府が発表した1-3月期の国内総生産(GDP)を受けた記者会見で、名目成長率が実質成長率を依然下回っていることについて「実体経済は着実に回復しているが、デフレは続いている」と述べた。(共同通信) - 5月17日11時36分更新


◆コメント1:つまり、小泉政権のデフレ対策は間違っていた、ということだ。

 

 記事1は竹中平蔵氏が金融担当大臣を務めていたときの記者会見の一部を抜粋したものだ。

 要するに、竹中平蔵氏は「デフレ不況の原因は、銀行の不良債権が大量に残っていて、これが足かせとなり、新規の貸し出しが出来ない。その結果、新たに設備投資を行いたい企業が、おカネを借りることが出来ず、景気が回復せず、デフレスパイラルに陥っている」、という考え方である。

 これに対して、私は、昨年8月24日「不良債権は不況の原因ではない。結果なのだ」不良債権が減少すれば、デフレは止まるはずでしたね?竹中さん?などで、竹中氏の政策は間違っている、と書いた。

 やはり、間違っていた、と判断せざるを得ない。

 先週GDPが発表されたら、日経は記事3にあるように、「1―3月期のGDP、実質年率5.3%増 」という伝え方をしたが、これは、ナンセンスである。実質GDPと名目GDPがある。 実質は量で、名目は金額だと思えばよい。

 記事3に書かれているけれども、実質の成長率が年率換算5..3%なのに、名目の成長率は年率換算2.3%と大きく下回っている。 モノやサービスの生産は増えているが、名目、つまり実際に手にする売り上げの増加率が少ない。これは、物価が下がり続けている証拠だ。

 だから、記事4で竹中経済相は「デフレは継続している」と認めざるを得なかった。


◆コメント2:「デフレが継続している」って、それで済ませる気か?

 

 くどいようだが、記事1を読めば明らかで、竹中大臣は、銀行の不良債権を減らせば、デフレはなくなる、といっていたのだ。

 記事2は、銀行は、国から命ぜられたとおり、不良債権削減の目標を達成した、ということを報じている。

 ところが、コメント1に書いたとおり、実際には、デフレは止まっていない。

 記事4で明らかなように、竹中大臣自身がデフレは続いていることを認めている。

 要するに我が国の経済政策担当大臣は、明らかに間違った政策運営を行っていたことが、はっきりしたと言っていい。


◆コメント3:こういうときに、マスコミは何故、だまっているのか。

 

 記事3の日経の見出し「1―3月期のGDP、実質年率5.3%増 」を見たときには、「またか」と思いましたね。

 経済専門紙ともあろうものが、何をやっているのだ。

 デフレの最中に、「実質GDP」を見ても仕方がない。「名目」、すなわち、実際の「もうけ」が増えなければ、不況から脱したとは言えない。

 そのようなことは、日経は百も承知なのに、政府の機嫌を取るかのように、「実質5.3%増」だと。

 真面目にやれ。



 金融庁は、民間金融機関が収益目標に達しないと、「業務改善命令」を内閣総理大臣名義で発する。

 民間の責任を問う役所は、自らの経済運営の失敗の責任を誤魔化している。内閣の誰も責任を取らない。

 小泉首相なんて、あれほど「不良債権」と騒いでいたのに、完全に忘れたフリをしている。

 そして、新聞もテレビも、そのことについて、深く追求しない。

 無能だ。

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2005.05.23

<金融庁>個人情報漏えい防止で みちのく銀行に是正勧告 ←たしか、金融庁もフロッピー半年で2枚紛失しましたね?

◆記事1:<金融庁>個人情報漏えい防止で みちのく銀行に是正勧告

 

 金融庁は20日、みちのく銀行に対し個人情報保護法に基づき、個人情報漏えいを防ぐために必要な措置を取るよう求める是正勧告を出した。

 また、東北財務局は同日、代表取締役の指示で行員の不祥事を報告しなかったなどとして銀行法などに基づく業務改善命令を出した。いずれも6月20日までの改善計画提出を求めている。(毎日新聞) - 5月20日22時8分更新


◆記事2:金融庁、資金洗浄の疑いある個人情報を紛失( 2004年 10月18日 読売新聞)

 

 金融庁は18日、国内の2つの金融機関から今年7月下旬に郵送で受け取ったフロッピーディスク計2枚を庁内で紛失したと発表した。

 金融庁によると、紛失したのは、大量の出入金などマネー・ロンダリング(資金洗浄)と疑われる口座取引の情報。組織犯罪処罰法に基づき、同庁は金融機関に、こうした取引を見つけたら金融庁に報告するよう義務づけている。金融機関が7月27日に発送し、金融庁が翌28日に受け取った記録が残っている。

 ところが担当者は受け取った覚えがなく、金融機関に確認して8月4日に紛失に気づいた。

 上司が海外出張や夏休みで不在で、9月初旬まで報告せず、上司も10月中旬まで幹部に報告しなかった。金融機関には紛失の事実を伝えずにディスクを再提出させた。

 2枚のうち1枚は流出しても実害のない架空の試験データだが、もう1枚は実際の口座取引の金融機関名と取引者名、金額、取引場所などが記録されていた。

 フロッピー内のデータは暗号化されておらず、専門家なら解読できるという。

 記者会見した五味長官は「個人情報に対する重要性の認識が職員に足りず、内部管理態勢も有効に機能していなかった。金融機関を監督する立場として深くおわびする」と陳謝した。


◆記事3:金融庁プレスリリース: 「オフサイトモニタリングにおける金融機関データの所在不明について」(平成17年2月3日発表)


  1. 今般、金融機関より監督局銀行第一課に提出された、オフサイトモニタリング報告に関する金融機関データを含むフロッピーディスクのうちの1枚が、当庁内で所在不明とな っていることが判明いたしました。

  2. 当該フロッピーディスクには個人情報は含まれておらず、フロッピーディスク内のデータは暗号化されていますが、金融機関の監督を行う立場の当庁において、このような事件が発生したことは極めて遺憾であり、深くお詫び申し上げます。

  3. 現在、事実関係の調査を行っており、この調査結果を踏まえて徹底した再発防止策等を講じてまいります。



◆コメント:コメントするまでもないです。

 

 みちのく銀行が責任を追及されるのは当然だ。

 銀行は、「信用」だけで成り立つ商売である。

 預金者が自分の財産の一部であるおカネを、赤の他人に預けるのは、決して、それを運ぶ途中で無くしたり、ましてや使い込んだりしないだろう、という「信用」を銀行に対して与えているから、である。

 また、これは、プライバシーに関わる情報についても、同様だ。

 銀行の顧客は、自分の財産がいくらあるか、借金がいくらあるかなどの秘密にしたい情報を、銀行は決して、他に洩らさないことを、当然、期待している。

 銀行は、顧客の財産を含めたプライバシーの一切をを絶対に他にもらしてはならない、という「法的責任」がある。4月から個人情報保護法が施行され、その法的責任は、一層重くなった。
 プライバシーの漏洩が「日常茶飯事」になったら、誰も預金しなくなり、銀行はつぶれ、いままでその銀行から定期的に運転資金を借りていた企業は、たちまち資金繰りに窮して倒産する。斯くして、日本経済はとんでもない混乱状態に陥るだろう。

 金融機関は、従って、極めて重要な社会的機能と、責任を負っている。

 その銀行がよりによって、131万人分の顧客情報が書き込まれたCD-ROMを「紛失」した、というのは言語道断。銀行免許を取り消されても仕方がないぐらいの話である。


◆ことの重大さにもかかわらず、金融庁が発したのは、「是正勧告」

 

 是正勧告ってことは、ないでしょう(と、少なくとも私は思う)。

 最低、内閣総理大臣名で、業務改善命令を出すべきだ。

 金融庁が、妙に寛大な処置をする理由は、明解である。自分も同じ失敗をしているので、余り偉そうなことを言えないのだ。

 記事2と、記事3をお読み頂くと分かるが、昨年10月と、今年2月、全く同じようなミスを金融庁は繰り返した。個人情報が書き込まれている、FDを「紛失した」のである。

 昨年、金融庁は、UFJ銀行を検査して、UFJが不良債権の資料を組織的に「隠蔽」し、検査忌避という重罪を犯した廉(かど)で刑事告訴まで行った。


 しかしねえ。皮肉な言い方をすれば、UFJは資料を隠していたが、紛失はしていませんでしたね。従って、その資料に何が書かれていたかは、一般人には分からない。銀行の中にあるんだから。

 一方、金融庁の「紛失」というのは、要するに、その記録媒体に含まれている情報が「何処に行ってしまったか、分からない」ということだ。

 つまり、個人情報が、だれに見られるか分からないのであるから、大変に危険な話なのだ。

 金融庁は、言うまでもなく、民間金融機関の監督官庁である。

 半年に2回もこのような重大ミスを犯した役所が、民間金融機関に「是正勧告」や「業務改善命令」を出しても、あまり迫力がない。

 昨日は、国交省が検査に入っている最中だというのに、トラブルが相次ぐ日本航空のことを書いた。

 国交省は4月20日から検査を行っているはずなのに、一体何を見ているのか、それでも監督官庁か?と云いたい。



 金融庁も同類である。

 マスコミは、金融庁がみちのく銀行に是正勧告を出した、という報道を行うときに、「ところで、金融庁が紛失したフロッピーはどうなったのですか?」と言う質問をぶつけて、記事にするべきだ。

 「お上」の大本営発表だけを伝えて、「お上」にたてつくのは、止めておこう、と言う訳か?

 尼崎列車事故の時に、JRの誰がボーリングや、宴会や、ゴルフをしていたのか調べ上げたエネルギーは、本来、こういうときに発揮されるべきだ。

 

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2005.05.22

「日航、今日だけで、機体のトラブル2件」 JALは本当にヤバいのではないか。

◆記事1:エンジン異常燃焼、日航機が伊丹空港に緊急着陸

 

 21日午前8時40分ごろ、日本航空の大阪(伊丹)発長崎行き2371便(MD―90型機、乗客166人)が離陸直後、2つあるエンジンのうち右側エンジン内で異常燃焼を示す計器表示が出たため、飛行中に急きょエンジンを停止するトラブルがあった。

 同機は左側エンジンだけで飛行を続け、同9時すぎに伊丹空港に緊急着陸した。乗客にケガはなかった。

 同機は片側のエンジンだけでも離着陸できるよう設計されている。日航でトラブルのあったエンジンを調べたところ、異常燃焼が起きた跡があったという。日航は別の機体を用意し、約2時間15分遅れで出発した。(読売新聞) - 5月21日11時19分更新


◆記事2:広州行き日航機が臨時着陸=防氷装置に不具合表示-関空

 

 21日午前11時35分ごろ、名古屋付近上空を飛行中の成田発中国・広州行きの日本航空603便ボーイング767-300型機で、エンジンや機体に付く氷を溶かす「防氷装置」の不具合表示がつき、午後0時3分、関西空港に臨時着陸した。乗客乗員80人にけがなどはなかった。 (時事通信) - 5月21日19時1分更新


◆コメント:日航さん、123便から20年目でしょ?

 

 最近、異常に航空機関連のトラブルが多いことを、5月9日に指摘した。

 国交省は、4月20日から日航に立ち入り検査に入っている。

 監督官庁の検査中は、どんな業界でも、普段よりも緊張感が高まり、ミス、トラブルは少なくなるか、全く起きなくなるのが普通なのだ。

 ところが、日本航空は、全く国交省など眼中にないかの如く、当局検査開始後もトラブルが相次いでいる。


◆コメント:考えられる原因 。

  

今日の緊急着陸のうち、記事2の1件は、防氷装置の異常を示すサインが計器に表示されたので、念のため、関空に着陸したというものだ。

  今の季節の日本では可能性が低いが、飛行機の翼に氷がこびりついたままだと、離陸に必要な揚力が得られず、墜落することがある。



  1982年1月13日、ワシントン・ナショナル空港から飛び立ったエアフロリダ社のボーイング737が、離陸後、上昇できず、滑走路の先にある凍りついたポトマック川に墜落。

 あまりの低温に体力を奪われ、当初生きていた乗客も次々に亡くなった。

 この飛行機の、CVR(コクピット・ボイス・レコーダー)には、離陸前に、冬期飛行の経験の乏しい機長が、副操縦士から「アンチ・アイス(防氷装置)は?」と訊かれ、即座に「オフ。」と答えている音声がはっきり残っていた。

 だから、今日は大して問題でなかったのは、既に5月の暖かい季節だったから、という結果論に過ぎず、これが真冬だったら、「墜落につながる、重大な整備上の不備、または、機体の欠陥」になったかも知れないのである。
 もう1件は、最も重要なエンジンのトラブルで、本来あってはいけないことである。
 飛行機の整備を行うのは航空整備士であるが、最初から資格を持っているわけではなく、まずは現場で4年以上の実務経験を積んで、初めて、国家資格である「一等(又は二等)航空整備士」の試験を受験できる。

 一等整備士は旅客機。二等整備士はセスナなどの小型機の整備にあたる。

 航空各社は、エンジンに関しては、一等整備士が点検しなければならないことにしている「はず」なのだ。そこがどうなっているか。

 そして、一等航空整備士といっても、全ての飛行機の整備士としているわけではなく、機種毎に限定されている。

 例えば、ボーイング777の一等整備士の資格だけしか持っていない者は、他のメーカーは勿論、同じボーイング社の他の機種に関しても、「一等整備士」として認定されないのだ。

 そういうことが、厳密に遵守されているか?

 遵守されていて、なおかつ整備不良が起きるのであれば、いくつかの可能性が考えられる。

 一つは、整備士の試験は通っているものの、実際の整備士の技量が低下していること。

 もう一つは、整備士の「やる気」が無くなっていることである。

 もしも、そうだとしたら、容易に考えられる原因は、コクピットクルー(パイロット)・CA(客室乗務員)と地上職(整備士のみならず、本社で事務をとったり、予約業務に携わっている女の子など)との給与格差が大きすぎるために、地上職が「やってらんねえよ」という気分になってしまった、ということである。

 特に日航は、昔から、この問題で、経営陣と地上職の組合がもめているのは、有名な話なので、気にかかる。


◆コメント:航空関係者はもう一度、123便のCVR(コクピット・ボイス・レコーダー)を聴いてみるといい。 日航、このままだと本当にまずいよ。
 

 決して、123便の事故を興味本位で語るつもりはないが、この音声だけは、何度聞いても、胸が苦しくなる。

 しかし、いくら辛くても、聴いてみるべきだ。

 油圧系統が全く作動しなくなり、要するに、ハンドルが効かなくなった車を動かしているような状態だった、123便のコクピットクルーは、多分、異常が起きた、1984年8月12日18時23分のすぐあとには、「これは、もうダメだ」と直感していたはずである。

 にも関わらず、ボイスレコーダーに残された会話は、墜落する、まさにその直前まで、彼らが全力で機体の体勢を立て直そうと懸命な努力を完遂したことを、はっきりと物語っている。

 墜落10数秒前まで「あたま(機首)上げろ!」、「パワー!」と矢継ぎ早に叫び続けた高浜機長。そして、副操縦士、航空機関士は立派だった。

 123便の飛行ルートがフラッシュで表示され、それに音声がシンクロさせてある日航機墜落までの軌跡というサイトがある。

 ここに残っている生々しい、悲しい音声を、航空関係者は、もう一度聴いてみるべきだ。

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2005.05.20

にんげんドキュメント 「N響チューバ奏者38年ぶり交代の舞台裏・若き挑戦者」 ←涙が出てしまった。再放送25日深夜

◆テレビ番組:NHK今晩23時。にんげんドキュメント 「N響チューバ奏者38年ぶり交代の舞台裏・若き挑戦者」

 

 にんげんドキュメント◇80年近い歴史を持つNHK交響楽団の一員になろうと夢見るチューバ奏者の池田幸広さんにスポットを当てる。昨年4月、池田さんは37年ぶりに行われたN響のチューバ部門のオーディションを突破し、仮入団を許された。正式入団を果たすには1年間の試用期間を経て、全楽団員の3分の2以上の支持を集めなければならない。大阪での仕事を辞め、家族とともに東京に引っ越してきた池田さんの収入は半減した。彼の挑戦の陰には、ベテラン奏者の多戸幾久三さんの引退があった。38年にわたってチューバ奏者を務めてきた多戸さんは、池田さんにそのすべてを伝えようとしている。(Yahoo!のテレビ番組紹介ページより引用)


◆コメント:オーケストラ・プレイヤーになる、ということ。(放送前執筆分)

 

 私も当然のことながら、まだ見ていないから、この番組が面白いかどうか分からないが、書かずにはいられなかった。

 自分が興味の有ることが、他人にとって興味が有るとは限らないことなどは、百も承知である。

 しかしながら、世の中の人々に「本当の」音楽家になるということが、如何に大変であるか、を知って頂きたくて(それが、「大きなお世話」で有ることも分かっている)、この文章を書いている。

 今日のような番組は恐らく、もう、一生、見られない。

 テューバ奏者のオーケストラ・オーディションから、試用期間(これが精神的に厳しいのだ。オーディションに受かっても、1年後に「やっぱり、君は、うちのオーケストラに要らない、と言われたら、その場で失業なのだ)を経て正式採用のドキュメンタリーなんて。

 今日も、NHK職員の不祥事が報道されたが、こういうのは、やはり、NHKしか放送できない(視聴率を考えたら、民放では絶対に企画段階でつぶされるだろう)。



 クラシックの音楽家は音楽大学または、その付属高校に入学するときに実技試験(その他に、ピアノ、聴音、ソルフェージュ、学科)を受け、受かったら、毎年実技試験を何度も受け、卒業試験を受け(卒業演奏で失敗したら、卒業できない)、それに合格しても、一般の職業に比べれば、雇用機会はゼロに等しい。

 管楽器奏者は、日本のどこかのオーケストラで欠員が生じなければ、新しい団員を募集しない。

 滅多にないから、オーディションがある、といえば、日本中から音楽家が殺到する。

 フルートやオーボエ、クラリネットだって、滅多にチャンスがないのだ。つまり、オーディションが無いのだ。

 ましてや、テューバ。

 テューバという金管楽器の最低音部を受け持つ楽器は、オーケストラのコンサートでは、ステージに出ることの方が少ない。

 モーツァルト、ベートーベンでは使われない。

 ワーグナー、ブルックナー、マーラーなど後期ロマン派の大編成の曲にのみ使われる。

 非常に例外的に、ベルリオーズの「幻想交響曲」では、二本のテューバが使われる。

 ドボルザークの新世界に出番があることはあるが、第2楽章で最初の4小節と終わりの4小節に音を出すだけなのだ。



 そんな「脇役」なら、別に上手くなくても良いか?

 とんでもない話である。低音を英語でベースという。ベースには「基礎」「土台」という意味もある。

 そう。低音は音楽の「土台」なのだ。

 「ド・ミ・ソ・ド」という和音は、一番低い「ド」を聴いて、その上に積み上げる。

 低音部の責任は、想像以上に重い。

 だから、テューバの出番が少ないからと言って、これを軽視するようなオーケストラは、それがプロのオーケストラであるらば、あり得ない。

 と言うわけで、見ていない番組だけど、終わってからでは遅いので、書いた。

 文章を推敲している暇がない。今日はこれにて、アップします。

 乱文、ご容赦のほど。


◆番組視聴後追記:全楽団員満場一致による、正式採用

 

 池田さんは、すごい。

 N響で、1年間試用期間後、全ての楽員による投票で、正式採用になるか否かが決まる。

 結果は、全員一致による「合格」だった。

 N響で全員一致なんて、聴いたことがない。

 見ていて、涙が出た。

 N響の正式団員になるまでの、池田さんの研鑽。

 38年間N響の低音を支え続けた、多戸幾久三さんのテューバの響き(一体、私は何十回聴いただろう・・・)

 芸術の厳しさ・・・。色々な思いが私の中で交錯した。

 胸がいっぱいになった。


◆【追記】再放送予定判明。
 

 NHKの「にんげんドキュメント」のサイトに再放送予定が載っている。

  チューバ 一吹きにかける~38年ぶりの奏者交代~

  総合テレビ:5月26日(木)午前1時05分~(25日・水曜深夜)

  とのこと。興味をお持ちになった方は是非ご覧になることをお奨めします(深夜ですから、録画なさる方が多いでしょうが)。

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「尼崎脱線事故 速度や時間解析に1カ月以上必要 事故調」←マスコミは技術的なことを全く伝えない。

◆記事:尼崎脱線事故 速度や時間解析に1カ月以上必要 事故調

 

 兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は17日の記者会見で、事故を起こした快速電車の速度や時間の解析について1カ月以上かかるとの見通しを明らかにした。同電車の運行状況を記録するモニター制御装置やATS(自動列車停止装置)記録装置のデータに誤差やばらつきがあるためで、始発の宝塚駅以降、事故に至るまでの各駅など地上のデータ分析や測量を進め、詳細な時間や距離、速度の推移の確定を急ぐ。

 モニター制御装置は非常ブレーキの前後5秒間の速度や時刻、ドアの開閉時刻などが記録され、5、7両目搭載の2台からデータを回収。ATS記録装置は先頭車両にあり、信号機やATS地上子(ちじょうし)(発信機)、駅などを通過した速度、時刻、位置のデータが一定時間残る。今回は現場手前の塚口、猪名寺、伊丹駅付近まで計256件のデータが残っていたという。

 また、マンションの手前約60メートルで車両が衝突した電柱の脇に落ちていたパンタグラフの左端には、電柱のアース線の被覆材が付着し、電柱の約4メートル手前の補助電柱にも高さ2.5メートル付近に車体上部がこすった跡があることも判明。車体がカーブ外側に大きく傾き、横倒しで脱線したことを改めて裏付けた。

 事故調は先頭車両がマンションに突っ込んだ際、立体駐車場の梁(はり)と見られる金属棒が、運転室を貫いた写真などを公開した。 (毎日新聞) - 5月18日10時33分更新


◆コメント:事故原因が特定されていないのに、責任追及ばかりに熱心なマスコミと大衆。

 

 国交省の事故調査委員会が事故車の速度と時間の解析に、十分な時間をかけるということは、怠慢では無くて、「真理」を明らかにするためには、それだけの責任が必要だからだろう。

 「電車が脱線する」という場合には、それなりの物理的要因と、その物理的要因を生ぜしめた技術的要因のあらゆる可能性を考えなければならない。

 いろいろなブロッグを拝見すると、「運転士のスピードの出し過ぎが原因だと思う」とか「気がする」などという記述をしばしば見かけるが、何の根拠もなく、そのようなことを安易に書くべきではない。

 これには、マスコミにも責任がある。

 彼らは、JR西日本の運行管理体制、教育体制など、二次的なことばかりをあげつらうが、まず、なによりも、「電車は何故脱線したのか」を突き止めなければ、管理体制に問題が合ったのかどうかも論じられないはずである。


◆電車が脱線するときに考えられる要素

 

 一般論として、電車が脱線する場合に考え得る原因には、次の4つがある。


  1. 列車(車両)の構造的欠陥、又は整備不良

  2. レールをはじめとする、軌道側の様々な設備の問題

  3. 運転士の操縦の問題

  4. 1~3が複合した場合。

 現在までに分かっているのは、福知山線の事故列車は、半径300mのカーブに、制限速度である70Kmで侵入するべきところ、100キロを超えるスピードが出ていたらしいこと。

 その結果、左方向に強い遠心力が車両に加わり、転倒・脱線した、と言うことである。

 5月6日に事故車の車掌がカーブ直前で、列車のスピードが120kmだった、と「証言」しているが、これは、車掌の記憶に基づく話であり、証拠としては不十分である。

 だからこそ、事故調査委員会は、事故を起こした列車の1・4・.5.7両目に設置された「モニター制御装置」を詳しく分析する必要があると考えているのである。


◆車両の技術欠損の「可能性」

 

 事故を起こした列車は、脱線する前に、普通以上に左右に振幅していた、という証言がある。

 電車の車体には揺れを制御するために、下のような「空気バネ」が装着されている。

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 これは、格段あたらしい装置ではなく、昭和20年代から存在していたものである。自動車にたとえればサスペンションである。

 長くなるので、引用は省略するが、5月5日の毎日新聞は、この空気バネに言及している。

 それによれば、事故調査委員会の計算によれば、仮に、事故車両が、300R(半径300m)のカーブに、時速107kmで侵入したとした場合、時速70kmのときの2倍から3倍の遠心力がかかるが、それだけでは、脱線に至らない、という。

 しかし、同時に左側の空気バネの気圧が著しく低下していた場合、当然、車体は左側に傾斜するので、空気バネが正常に機能していた場合よりも、転覆・脱線する可能性は高くなる。つまり、進行方向左側の「空気バネ」がパンクしていたのではないか、という「仮説」を展開している。


◆左右の空気バネをつなぐ、「差圧弁」という装置があるのだ。

 

 毎日新聞の5月5日の記事は、他社に比べればかなり勉強していると言っても良いが、中途半端である。

 列車は、安定して走行するためには、左右の車輪にかかる重さ(輪重差)が均等になっていなければならない。

 車両整備の時には、当然、念入りにこれを調整するのである。

 さらに、走行中に空気バネの左右どちらかがパンクした場合、これに対処するための「差圧弁」という装置があるのだ。

 下の写真で分かるとおり、差圧弁は左右の空気バネをつないでいる。

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 差圧弁は左右の空気バネにかかる圧力の差が大して大きくないときは、作動しないが、片方がパンクして、著しく左右の輪重差が大きくなりそうなときには、差圧弁が開いて、空気バネの気圧を均等に保つようにする仕組みになっている。

 これらが、全くの受け売りであるが、私が仕入れた「客観的」情報である。


◆速度超過だけではない可能性がある。

 

 専門家の意見を色々読ませていただいて、理科系に弱い私の頭脳で理解出来たのは次の通りである。


  1. 車両の状態が普通ならば、本来時速70kmが制限速度の300Rのカーブではあるが、ここに時速100kmちょっとで侵入したぐらいでは、速度そのものによって転倒・脱線するとは考えにくい。

  2. 左側の空気バネが、カーブの手前で何らかの原因によりパンクしていたとしても、差圧弁が正常に作動していれば、輪重差は最小限に抑えられ、車体が大きく左側に、傾いていたとは考えにくい。

  3. ただし、差圧弁に技術的欠損が存在し、空気バネがパンクする、という悪条件が重なっていた、と「仮定」すれば、事故車両は当然、右300Rのカーブで大きく左側に傾斜し、容易に脱線する状態になっていたであろう。


◆以上は、「理論的推論」であり、「証明」されたわけではないことを、理解しなければならない。

 

 このようにして、理論上、いくつかの「仮定」を重ねれば、事故発生のメカニズムを「想像」することが可能である。

 しかしながら、私は幾度となく繰り返してきたが、真理は解明されていない。

 従って、推測、しかも、何の理論的裏付けもなく、運転士をはじめとする、特定の責任が明らかになったような誤解を与える報道をするべきではない。

 一般人も、事故原因が解明されたかの如き「錯覚」に陥っては、いけない。

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2005.05.19

「ウズベク避難民、キルギス国境沿いに1万人」 ウズベキスタンでは何が起きているのか。

◆記事1:「ウズベク避難民、キルギス国境沿いに1万人」

 

 【モスクワ=五十嵐弘一】軍による反政府暴動鎮圧が多数の犠牲を生んだ中央アジア・ウズベキスタン東部の情勢を巡り、ロシア紙「独立新聞」は17日、新たな流血を恐れて国外脱出を図るウズベク人約1万人が東の隣国キルギスとの国境沿いに集結している、と報じた。

 これらの群衆が難民として流入した場合、経済・政治基盤の脆弱なキルギスの情勢を不安定化させる懸念も浮上している。

 独立新聞によると、暴動のあったアンジジャンからの「大量の避難民」が国境近くのパフタアバド地区に集結、一部はキルギス側ジャラルアバド州への国境線突破を試みている。他の国境沿いの地区でも脱出を図る人々が集まっている模様だ。同紙はまた、これより先に、約1000人がキルギス側への越境に成功、キルギス政府は国境沿いにテント村を設営して難民を収容していると伝えた。


◆コメント:ウズベキスタンはどこにあって、何が起きているのか。

 

 ウズベキスタン近隣諸国の地図がこれです。

Uzbekistan

 私は、これらの旧ソ連に属していた中央アジアの国々については、本当に何も知らないので、調べました。

 一番簡単な説明は、これです。

 

▼ウズベキスタン (東奥日報)

 中央アジアの内陸国。旧ソ連時代の1990年にカリモフ・ウズベク共産党第一書記が大統領に就任し、現在3期目。大統領の強権体質が指摘されている。99年にキルギスで日本人拉致事件を起こしたイスラム武装勢力、ウズベキスタン・イスラム運動が同年、大統領暗殺未遂事件を実行。カリモフ政権は、アフガニスタンの旧タリバン政権と関係が深かった同運動など過激派組織を徹底的に弾圧。アフガンでのテロ組織掃討作戦を続ける米軍のために国内基地を提供している。(共同)

 何となくわかりますね。さらに、BBCにはかなり詳しい解説が掲載されていました。

 

ウズベキスタン概要

 ウズベキスタンは、かつてのシルクロードの途中に有る国で、Bukhara(ブハラ)やサマルカンドは、東西文化の接点として非常に栄えた街である。

 サマルカンドは世界最古の都市の一つである。ブハラは荘重な建築物が数多くあることで知られる。

 ウズベキスタンは、中央アジアで最も人口密度が高い国であり、また、最も強力な軍隊を保有している。

 国内では、公然と体制に反抗することは、一切許されず、マスコミは、国家によって厳しく統制されている。

 ある国連の報告書によれば、ウズベキスタンでは、「反乱分子」に対する「組織的な拷問」が公然と行われている。

 政治的統制の厳しさは中央集権的な「計画経済」政策にも、見事に反映されている。

 経済改革は遅々として、実現しない。

 世銀が2003年に発表して報告書によれば、ウズベキスタンは、旧ソビエト連邦に属していた国々の中で、国民の生活水準が最も悪い国家である。

 また、ヨーロッパ復興開発銀行は、カリモフ政権があまりにも人権を無視しており、一向に改善の様子を見せないので、経済的援助を削減しているという。

 それに、加えて、ここ数年は、中央アジアで急速に活性化しているイスラム武装原理主義者の台頭によって、ウズベキスタンの治安は急激に悪化している。

 1999年に首都で起きた爆破事件では、十余名が死亡した。カリモフ政権は、これはイスラム過激派の仕業であり、大統領を暗殺し、国内を混乱させようとする試みだとして、非難の声明を発表した。

911テロのあと、ウズベキスタン政府はアメリカに軍の駐留拠点を提供したことによって、「ご寵愛」を得ている。国連の人権監視団体は、これによって、国際社会が、ウズベキスタンで恒常的に行われている、政府による国民の弾圧と拷問に対して、国際社会に情報がますます伝わりにくくなっている、と指摘している。


◆世界有数の驚異的に非近代的な(北朝鮮も勿論そうだが)国。

 

 今の大統領は旧ソ連時代からずーっと大統領を務めていて、つまり、全然民主化されていないのですね。

 それで、以前からくすぶっていた、独裁政権に反対する国民の一部が、反政府暴動を起こし、カリモフ大統領は、多分意識はソ連の頃から変わっていない、専制君主ですから、軍隊によって、これを鎮圧しようとして、市民に多くの死者が出た。

 これはまずいと、国連が気にしている。

 何故かって、国連は、現代において、このような非民主主義的な政権により、多くの国民が弾圧されて、殺されるのを知ったら、黙っているわけにはいかないですよ。

 ところが、ここでもまた、アメリカがじゃまをしている。


◆こんなところにまで、アメリカは影響力を広めて、事態を悪化させている。

 

 つまり、ウズベキスタンは、アフガニスタンに近いので、アフガンに潜んでいると言われるビンラディンの一味とか、ザルカウィの仲間を探して、捕まえる、或いは、攻撃して殺害する(いつまでたっても捕まえられませんけど)前線基地として、アメリカには大変都合が良い。

 そして、アメリカに対して、基地を提供するといってくれているのは、独裁者カリモフ大統領だから、彼が非民主的人権弾圧を行っても何も言わない、と言うわけです。


◆アメリカは「世界を民主化する」とかいっていましたよね?

 

 アメリカは、イラク戦争を仕掛けてから、大量破壊兵器が無い、と分かったら、急に、「イラクを民主化することが、アメリカの責任なのだ」と言って、話を誤魔化していましたが、民主主義を重んじるのであれば、国家権力が「組織的に国民を拷問にかける」ような、民主的、という体制と正反対にある国に、何も言わないでいいんですかね?

 それどころか、カリモフ政権が転覆しないように、肩入れしているじゃないですか。 

 こういうところ、本当にアメリカ人(だけではないけどさ)って、狡いし、非人道的ですね。

 本当は、ウズベキスタンの難民が流入している、隣の国、キルギスのことまで書かなければいけませんが、今日はひとまず、ここで擱筆(かくひつ)します。 

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2005.05.18

不世出の名手、モーリス・アンドレ(クラシック・ソロ・トランペット奏者)。

◆モーリス・アンドレのことなら、何度でも書きます。

 

 このところ、列車事故の話を書いていて、次第に気持ちが鬱々としてきたので、好きな音楽の話題を書きたいのです。

 モーリス・アンドレと言う人物は、フランスのトランペット奏者です。

 過去に、何度もこの場で書いたのですが、トランペットとモーリスアンドレの演奏は私がこの世で最も好きなものの一つなのです。何度も書かざるを得ないのです。

 何度書いても、音楽はやはり、聞いていただくしかない、と分かっていながら、書かないではいられない。

 5月21日がアンドレの誕生日なのですが、そのときにまた事件・事故等があると書けなくなるので、書けるときに書いておきます。



 「不世出の名手」という表現があります。以前、この表現を用いたら、「不世出?モーリス・アンドレ、メチャメチャ有名ですよ?」とレスが来て、呆気にとられました。「世に出ていない」という意味に勘違いしたらしいのです。 

 「不世出の」とは、「滅多に世に現れないほど秀でている」という意味です。

 モーリス・アンドレこそ、間違いなく、「不世出の名手」です。何十年か100年に一人出るかどうかの天才的なトランペット奏者です。


◆トランペットの高音が柔らかいのです。

 

 トランペットは音が大きい楽器です。

 100人のフルオーケストラがff(フォルティッシモ)で音を出したとき、第一ヴァイオリンの2列目の人の音は聴き取れませんが、トランペットの音は全オーケストラを突き抜けてきます。勿論pp(ピアニッシモ)で吹けば、オーボエやフルートの音の陰に回ることができます。


 モーリス・アンドレは勿論ffもppも出せます。

 出せるのは当たり前ですが、最弱音から、最強音までの音量の差(ダイナミックレンジと言います)が非常に広いのです。

 トランペットの高音の大きな音は、下手な人(私のような者)が吹くと、金属的で、刺激的、つまりうるさいのですが、アンドレは、もの凄い高音域を吹いても、柔らかい音がします。ココがすごいんです。



 トランペットと言ってもいろいろありまして、映画になった「スウィング・ガールズ」。ああいうのは、ジャズのビッグバンドと言います。

 それから所謂「ブラスバンド」、皆さんの中学や高校にも有ったと思いますが、「吹奏楽」ですね。

 彼らは、全て「Bフラット管」という楽器、一種類しか使いません。

 詳しく説明すると長くなるので簡単にいいますが、この楽器は楽譜上の「ド」を吹くと、実際には、「シのフラット」、つまり一音(長二度)低い音が出ます。

 こういう楽器は、他にもホルン、クラリネット、サクソフォーンなどがあります。移調楽器といいます(全てがBフラットではありません。クラリネットはBフラットもありますが、A管、つまり楽譜上の「ド」を吹くと、一音半低い「ラ」の音が出る楽器があります。他にもあります)。

 とにかく、ジャズ、ブラスバンドのトランペットはBフラット管だけでいいのです。

 クラシックのオーケストラや、ソロでは、何本も使い分けます。調性がいろいろです。

 勿論、Bフラットの楽器一本あれば、全ての音階を吹くことが出来ますが、楽器が良く鳴る調(キー)と鳴らない調があるのです。それで、いくつかを使い分けます。


◆ピッコロトランペットの神業

 

 クラシックのオーケストラのトランペットはBフラットの他にC管(これは楽譜上の音と、実際に出る音が同じ)、D管(一音高い音がでる)などを使い分けます。

 モーリス・アンドレは、更に高い音域の楽器を用いるのです。Bフラット管は吹きません。まず吹かない。

 何故なら、彼がレパートリーの中心にしているバロック音楽は、ピッコロ・トランペットと呼ばれる、普通より音域が高い楽器を用いた方が、音楽に合うのです。

 一番音域が高いのは、ピッコロBフラット管といいまして、普通のトランペットよりも、一オクターブ高いのです。

 これを演奏するのは、本当にしんどいし、難しいのです。

 バッハの「ブランデンブルク協奏曲第2番」は、このピッコロB♭で吹くのですが、これを、いつでも吹けますよと言う人はプロでもあまりいないのです。

 しかし、モーリス・アンドレは実に簡単そうに演奏します。どの楽器でもこれが名人の特徴です。 難しい曲なのに、易しそうに聞こえるのです。無駄な力が全身から脱けている証拠です。



 最近は、セルゲイ・ナカリャコフという、ロシアの天才的な坊や(もう、「青年」になってしまいましたけど)が登場したり、上手い人は大勢いますが、彼らとて、モーリス・アンドレの演奏に影響を受けなかったということは、あり得ない。

 モーリスアンドレがいたから、クラシックのソロトランペット奏者、などという地位が確立されたのです。(その前に、アドルフ・シェアバウムがいた?詳しいですね、貴方。分かってますから。はい。)


◆おすすめCD

 

 一枚目。これは、今年の2月5日にお奨めしたのですが、トランペット・ヴォランタリー(トランペットとオルガンのための音楽)、です。

パイプ・オルガンとトランペットは非常に音色の相性がいい。古い録音ですが、殆ど古さを感じさせません。

 このCDは、読者のuyouyoさんが絶賛してくださいました。

 トランペットを吹く方でなくても、喜んで頂けて、非常に嬉しかったです。

 二枚目は、ベスト・オブ・モーリス・アンドレというのです。一枚目に紹介したのと重複する曲もありますが、なんか、編曲もあるし、ハイドンの協奏曲の第一楽章だけとか、ごちゃ混ぜ。オムニバスっていうんですね。こういうCD。けれど、演奏が上手いことは間違いない。かなり楽しいです。

 最後は、アメリカのAmazonのサイトに行って頂きます。

 二枚組で、Trumpet Concertos(トランペット協奏曲集です。

 正確にいうと、トランペット協奏曲ばかりではなくて、例えば、以前紹介した、バロック時代のヴェネツィアの作曲家、マルチェルロのオーボエ協奏曲をトランペットで吹いています。

 しかし、バロックの頃というのは、楽器の指定が今ほど厳密ではないので、いいのです。

 例えば、バッハもバイオリンの曲をチェンバロという鍵盤楽器用に自分で編曲したり、色々なことをやっています。

 アメリカのAmazon、つまり、本家ですね。このサイトはご覧になれば分かりますが、CDを試聴出来るのです。

 一番目の曲がブランデンブルグ協奏曲第二番です。

 上から三番目が第三楽章。これを聴いてみてください。

 いきなりトランペットの細かい音の動きで始まります。先ほど書きましたが、易しそうに聞こえますが、実はものすごくテクニックが必要な曲なのです。

 ご参考までに、海外から取り寄せるときのコストですが、これは、ほぼ、14ドルですから、円換算すると約1,500円。

 送料がざっくり言って1,000円です。10日ぐらいかかります。4日ぐらいで取り寄せると、送料が19ドルを超えます。送料だけで2,000円以上するということです。

 ですから、無理にアメリカから取り寄せることはないですけど、試聴が出来るというので、書いて見ました。

 とにかく、これが、超一流のトランペットの演奏であることは、間違いありません。

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2005.05.17

「記者会見冒頭、カカクコム経営陣が謝罪 」←どう考えてもおかしい。

◆記事:「ソフト、ハード、運用の全てを刷新」価格.com、23日をめどに復旧 。(internet watch impress)

 

 「今回の攻撃は、レベルの高いものだったという感触を得ている。23日をめどに復旧を目指す価格.comの新しいシステムでは、ソフト、ハード、運用の全てを刷新する」。カカクコムの穐田誉輝代表取締役社長兼CEOは16日、同社の価格比較サイト「価格.com」が不正アクセスに遭った事件についてこうコメントした。


◆記事:価格.comの不正アクセスは原因は解明されたものの、被害規模の把握にはいたらず(RBB)

 

 価格.comが不正アクセスの被害を受けた事件だが、同社の代表取締役社長兼CEOである穐田誉輝氏は「昨日(15日)に、原因は解明している」と明らかにした。しかし、被害の規模はまだ把握できていないようだ。

 この不正アクセスにより、ユーザに与えた可能性がある直接的な被害は、ウイルスの感染と、メールアドレスの流出の2点。しかし、ウイルスの感染は「トレンドマイクロ、シマンテック、マカフィーからの感染報告はない」としている。メールアドレスの流出についても、「調査中」としているため、流出の件数や確定はできないとしている。(中略)

 最後に、「(ウイルスをばらまくなど)加害者になったことを深くお詫びします。このような犯罪が再び起きないように、警察には100%協力していく」とした。 (RBB TODAY) - 5月16日20時12分更新


◆コメント:被害者が謝らなければならない国、日本。

 

 どう考えても、おかしい。

 先日来、JR西日本の脱線事故についてコメントしているので、読者の方から、多くのメールを頂戴する。

 まだ、返事をお出ししていない方があって、ここで非礼をお詫びします。必ず、書きます。

 ただ、とても興味深いというか、さもありなん、というメールを頂いた。

 その方はフランス語が堪能でいらしゃる様子で、今回の事故について、知り合いのフランス人に感想を聞いたところ、彼の国の考え方からすれば、「現時点でJR西日本社長が謝る必要は無い。何故なら、事故の原因は不明だからだ。また、事故現場の献花台に立っているJR職員に罵声を浴びせたり、ましてや暴力を振るうことなど、絶対にあり得ない」といわれたとのこと。これは、もう説明の必要も無いだろうが、JR西日本の他の社員は事故に関して責任は無いからである。



 私は、フランス人が特に好きでも何でもないが、客観的に考えて、フランス人の論理に共感を覚える。

 フランスばかりではない。

 BBCは虐待されたJR職員のために相談窓口が開設されたという長い記事を書き、日本では「Kigyo Sekinin」(企業責任)と言う言葉があり、有る組織で誰かが問題を起こすと、その組織の従業員全員の責任となる、不思議な慣習がある、と紹介している。皮肉である。

 日本には、日本の精神風土に基づく社会的慣行があるわけで、何でも全てを欧米に合わせる必要はさらさら無いが、こと、この問題に関しては、私はフランス人や、イギリス人の感覚と、ほぼ同じだ。


◆何でも謝るのは、やめにしませんか。

 

 不正アクセスでサイト閉鎖を余儀なくされた価格.comの社長が記者会見を開いたが、冒頭深々と頭を下げて謝罪している

 この光景はJRよりもさらにおかしい。

 価格.comは被害者である。

 悪いのは、同社のサイトに不正にアクセスして、サイトを改ざんした人間に決まっている。

 勿論、私も日本企業にずっと勤めている人間だから、この場合、「結果的に、価格.comのサイトにアクセスした利用者がウィルスに感染したから頭を下げる」、という「日本的倫理」が存在すること自体は、百も承知である。

 だが、価格.comが犯人で有るかの如く、頭を下げなければならないという習慣は、不合理だ。こればかりは何十年経っても、私は納得できない。

 価格.comの社長は、JR事故のあとだから(全然事故の種類はことなり、死者の一人も出していないのだが)、「とにかく謝っておかないと、まずい」と判断したのであろう。


◆「謝罪の大安売り」をするから、「謝罪の価値」が低くなるのだ。

 

 変な言い方だが、日本人社会では理屈ではおかしいと分かりつつもとにかく、「事実の全貌が分からなくても、何かあったら、とりあえず頭を下げる」という習慣が出来ていて、それが当たり前になっている。

 だから、JR脱線事故の様な惨事が起きたときにもすぐに謝るのだが、謝るのが当たり前になっているので、「死者を出したような会社はただの謝り方では許されない」、という感覚が、日本人の遺伝子に組み込まれているのではないか。

 いくら何でももう少し論理的になるべきではないか。

 JRならば、原因はまだ、分からない。従って、誰に責任が有るのかは、特定できず、謝る必要はない、と言う考え方が出来ないものだろうか?

 価格.comも、勿論、同様である。

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2005.05.15

「制動数秒不能」運転士ら証言 脱線同型車両 ←「事故の真相は未だ分からない」と何度も書いた。

◆記事1:特集「尼崎JR脱線事故」 「制動数秒不能」運転士ら証言 脱線同型車両 (神戸新聞ニュース 5月14日)

 http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/00003121sg300505141400.shtml

 尼崎JR脱線事故で、脱線した快速電車と同じ207系と呼ばれる車両などで、一時的にブレーキが利かなくなる「オーバーロード」(OL)と呼ばれる現象が多発していることが十四日、複数の運転士らの証言で分かった。高速から減速した際、乗用車のエンジンブレーキに当たる「電力回生ブレーキ」が突然利かなくなり、圧縮空気を使いブレーキパッドで車輪を締め付ける「空気ブレーキ」への切り替えまでに、数秒間の「制動の空白」ができるという。

 事故現場のカーブ手前でも複数の運転士がこうした経験をしたと証言。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(事故調委)は事故との関連性に注目している。

 電力回生ブレーキは、モーターを回す抵抗を制動力に変え、減速させるエンジンブレーキのような仕組み。制動と同時に、モーター回転で発生した電気を架線に戻すことができるが、急制動で還流する電気が架線電圧を急上昇させた場合、モーターのショートなどを避けようと、車両自体が回路を遮断する。

 その後は空気ブレーキが強まりフォローするが、切り替わるまで一、二秒の空白が生じ、一時的にブレーキが利かない状態になるという。

 事故を起こした快速電車は七両編成。二、三、五両目にモーター車があり、高速時は電力回生ブレーキで、低速時は空気ブレーキで主にカバーしている。

 兵庫県警尼崎東署捜査本部の調べでは、快速電車は車体から回収されたモニター制御装置の記録から、カーブが始まる手前約三十メートルで非常ブレーキが作動したとみられ、直前の速度は百八キロだった。

 同乗していた車掌(42)の供述などによると、非常ブレーキ作動地点近くまで制限速度の百二十キロ程度で走行していたといい、事故調委は、制限速度七十キロのカーブに近づく中、高見隆二郎運転士(23)=死亡=が減速しようとした際、OLが発生した可能性も考えられると指摘。

「十回運転すれば三回はOLが起こる」との現役運転士の証言もあり、十分に減速できないままカーブ始点に迫ったことが、非常ブレーキ作動につながったとの見方もできる、という。


◆記事2:脱線車両「ブレーキ甘い」 複数の現役運転士証言  (共同通信 2005年05月15日)

 http://topics.kyodo.co.jp/amagasaki/

 兵庫県尼崎市のJR福知山線で脱線した快速電車について、同線で乗務する複数の現役運転士が14日までに、「同僚の間でブレーキの利きが甘い車両として知られていた」などと証言した。

 死亡した高見隆二郎運転士(23)は事故の前、川西池田駅と伊丹駅で相次いでオーバーラン。何度も非常ブレーキをかけるなど不自然な運転をしていたことが既に判明しており、尼崎東署捜査本部は、車両の特性と事故の関連についても調べを進めている。

 運転士らによると、電車は同じ型式であっても、個々の車両にはブレーキの利き方や加速の具合にそれぞれ特有の“くせ”がある。スムーズな運転のためには、その把握が不可欠という。 


◆コメント:過密ダイヤの所為だとか、運転手が悪いと断定した人々(含、マスコミ)がいた、と記憶している。

 

 尼崎における鉄道事故の直後から、冷静・客観的な報道を求められる筈のマスコミは、「過密ダイヤ」や「過酷な勤務」など、もっぱら、JR西日本の人事・教育・総務など、会社の管理体制が引き起こした事故であると決めつけるようなニュースを流し続けた。

 一部では、カーブ前に「列車のスピードが126kmに達していた」ことをつたえ、運転士の操縦ミスである、という印象を与えかねない記事・ニュースが伝えられた。

 私は、この事故が起きてから、「事故の真相はまだ不明だ」と何度も書いた。

 それは、5月11日「「マスコミ批判に同感」という人が非常に多いが、」における、「技術的調査の詳細を待たねばならない。」の段落。

5月7日「過密ダイヤないか確認求める」「今分かっている事実は、「事故原因は不明である」ということだけだ。」の段落。

5月6日「運転士が緊張しすぎて却って危険だ」「事故原因は特定されていない。」の段落

などをご参照頂ければお分かりになるだろう。

 事故の調査報告が出るまでは、みだりに予断を許すような情報は流すべきでないのである。


◆車両自体の構造的欠陥が事故の原因であった「可能性」が、出てきた。

 

 上に引用した2つの記事を読むと、JR西日本や運転士個人の責任とは言い切れない可能性が生じた、と考えてもよいと思われる。

 記事1と記事2の内容は、似ているが異なる。

 記事1は、事故車両と同型の「207系」で、「一時的にブレーキが利かなくなる現象が多発していた」ことを指摘し、「207系」車両の、構造的欠陥の可能性を示唆する。

 つまり(どこのメーカーか分からないが)、この鉄道車両の設計又は、製造過程にミスが有ったかもしれない。ということである。 

 これは、5月6日で、私が例に挙げた、日航123便のケースと、類似点がある。但し、123便の場合は、設計ミスではなく、メーカーの修理ミスが原因だった、という点で尼崎列車事故とはことなる。



 記事2は、「207系」車両の中でも、特に、事故車は「ブレーキの利きが甘い車両として知られた」という。

 これは、個別の、車両特有の欠陥があった可能性を示唆している。

 別の言い方をする。

 機械は、大量生産されるものでも、「当たりはずれ」があるものだ。読者諸氏の多くはご自分のPCや自動車でそれを経験したことがあるはずだ。

 要するに記事2はこの事故車も「はずれ」の部類だったかも知れない、ということだ。


◆しかし、「まだ、真相が完全に明らかになったわけではない」のが唯一の真実だ。

 

 私は、改めて問いたい。

 事故直後から、 未だ真相が分からないのに、 JR西日本の人事管理責任か収益重視の過密ダイヤ編成が原因であるかの如き追求をし続けた、マスコミ。

 その尻馬に乗って、献花台に控えている、JR西日本の直接責任がない職員に罵詈雑言を吐き、暴力を振るった人。

 他の路線の女性運転士を蹴って線路に落ちそうにさせ、その女性運転士がノイローゼで乗務でき無くさせた人。

 弔問に来たJR職員に、「人殺し!息子(やら、夫やら、)返せ」と叫んで殴りかかった人。

 は、仮定上の問題だが、もしも、車両が原因で事故が起きたことが判明したら、どうするつもりですか?

 この場合でも欠陥車両を使ったJRだけが悪い、と言い張るのだろうか?

 確かに、JRの責任が、全く無くなるわけではないだろう。

 車両の欠陥について、現場から管理者へ情報が伝わっていなかったか、伝わっていても、無視した「可能性」は残る。早く事故車両の使用を停止していたら、事故は起きなかったということは、「理屈では」可能だ。

 しかし、「JRだけの」責任とは言えなくなる。

 何故か。

 車両の欠陥があったとして、欠陥の程度、種類、にもよるだろうが、鉄道会社は、自分で鉄道車両を作っているわけではない。

 全てをあらかじめ発見することを要求するのは酷だ。

 例を挙げる。

 仮に、あるバス車両メーカーがブレーキに欠陥があるバスを製造して、バス運行会社に売り、その欠陥が原因で、乗客を乗せたバスが事故を起こして死者が出た。

 このとき、バス会社「だけ」が悪いのか?ということである。そうではないでしょう?

「製造物責任」(製造物の欠陥から生じた損害に対して製造者などが負う責任)という法的責任が、メーカーには、あるのだ。

 いずれにせよ、「事故の原因は完全に明らかになったわけではない」のが、今なお、ただ一つの真実である。


◆真相が分かっていないのに、特定の組織、人物の責任と決めつけた行動は、いずれにせよ、間違っている。

 

 日航123便の時に、事故調査報告が発表されていないにもかかわらず、「事故は全て日航が悪いのだ」と決めつけた人たちと、今回の列車事故において、やはり、まだ、最終事故調査報告結果が出ていないのに、「事故の全ての責任はJR西日本にある」と決めつけた人は同じ穴のムジナだ。

 それは、たとえ、調査がすすんで、また結論が変わり、最終的な調査報告が、「やはり車両に欠陥は無かった」、ということになったとしても、同様である。

 「真相が明らかでないのに、特定の組織や人物の責任である、と殆ど断定していた人々の行動」は間違っている。


◆結論

1. 尼崎列車事故で、事故原因が車両自体の構造的・技術的なものである可能性が出てきた。

2. しかし、まだ、真実の全てが明らかになったわけではない。

3. 真実が明らかになっていないのに、JR西日本の経営責任、若しくは運転士個人の資質、モラルの問題であるかのような予断を与えたマスコミ報道は間違っている。

4. マスコミ報道の尻馬に乗って、正義の味方づらをして、JR西日本職員を罵倒し、或いは、彼らに暴行を働いた一般市民の行動は、間違っている。

以上。

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2005.05.14

1年前のトップニュース「首相が22日再訪朝 被害者家族帰国の可能性」 拉致問題はどうなったのか。

◆記事1:(2004年5月14日)首相が22日再訪朝 被害者家族帰国の可能性

 

 小泉純一郎首相は14日、北朝鮮にいる拉致被害者家族の帰国を含む日朝間の懸案解決に向けて、金正日総書記と会談するため22日に平壌を再訪問することを決めた。

14日午後に公明党の神崎武法代表らと会談して了承を得た後、正式発表する。

 首相の訪朝は2002年9月以来、2回目。前回と同様に政府専用機で平壌入りして日帰りする日程で調整。

 日本側は拉致、核、ミサイル問題の進展によって包括解決に道筋を付けることを再訪朝の前提条件としてきたことから、最優先課題の被害者家族帰国問題が進展、家族が専用機に同乗して帰国する可能性が出ている。 こう着していた日朝協議は中断している正常化交渉の再開など大きく動きだす見通し。(共同通信)


◆記事2:(2004年5月22日)家族8人の帰国を了承 金正日総書記

 政府関係者によると、北朝鮮の金正日総書記は小泉純一郎首相に対し、拉致被害者家族8人の帰国を了承した。後は日本側で調整するよう求めたという。(共同通信)[2004年5月22日15時45分更新]


◆記事3:「第162回国会における小泉内閣総理大臣施政方針演説」(平成17年1月21日)より抜粋

 

 北朝鮮による拉致問題は、国民の生命と安全に関わる重大な事項であります。

 拉致被害者5名とその家族8名の帰国が実現しましたが、なお安否の分からない方々について、先般提出された再調査結果は誠に遺憾であり、北朝鮮に対して厳重に抗議し、一日も早い真相究明と生存者の帰国を強く求めています。

 「対話と圧力」の考え方に立って、米国、韓国、中国、ロシアと連携しつつ粘り強く交渉し、拉致、核、ミサイルの問題を包括的に解決し、両国関係の正常化を目指します。


◆コメント:拉致問題は一体どうなってしまったのか。

 

 言うまでもなく、人間の記憶には限界があり、「ニュース」に限っても、過去1年間の重要な項目を全て書け、と言われても無理だ。

 だから、私は、新聞記事をPCのハードディスクに保存して、かつ、こうして日記をつけている。(この形式はBLOGと呼ばれるが、そんなことは、どうでもいい)。

 自分で文章にしていると、当然、何もしないよりは記憶に残る。

 今日、私は、去年の今頃、何かあったな、と思い、しかしそれが何かはっきりしないので確かめたら、上で引用したとおり、小泉首相が2回目の平壌訪問の意向を電撃的に発表したのがちょうど1年前の今日なのであった。

 これは、その約2ヶ月後の7月11日に参議院議員選挙を控えていたからである。

 北朝鮮訪問を発表する前、去年の4月頃から、年金改革法案を巡り、法案そのものというよりも、国会議員の年金未納が次々と明るみに出て、自民党がヤバい状況にあったのである。尤も、それを糾弾していた、民主党の菅代表も未納だった(その後、武蔵野市役所の手続きミスであることが分かった)とわかり、国会全体がスキャンダル合戦で目も当てられない状況となっていた。

 そこで、小泉首相としては、北朝鮮訪問で何とか点数を稼ぐ必要があったのだ(それだけが理由ではないだろうが)。

 実際に、小泉首相は先に帰国していた拉致被害者5人の家族を日本に連れて帰った。

 1997年から、2002年にかけて、日本政府が公式に「拉致被害者」として認定したのは、わずか15人だが、実際には400人を超えると言われている。

 無論、日本政府はそれを知っている。が、400人を認定したら、大変な仕事になるので、見捨てている。


◆小泉純一郎氏にとって、北朝鮮による日本人拉致問題は終わっている。

 

私は、「小泉内閣メールマガジン」を購読しているが、注意深く点検してみると、明らかに拉致問題への言及を避けていることを感じる。

 それでは、首相官邸ホームページにアクセスして、トップページに「北朝鮮」或いは、「朝鮮民主主義人民共和国」の文字があるかどうか、Ctrl+Fで検索してみた。カスりもしなかった。

 記事3は今の国会(今は、国会の会期中なんですよ)開会の時に、小泉首相が行った「施政方針演説」の中で、「北朝鮮による日本人拉致問題」について述べた部分だけを抜粋引用したものだ。

 施政方針演説の原稿は全体で、11,904文字である。北朝鮮に関して言及した部分は220文字で、全文のわずか1.8%を占めるのみだ(文字数をカウントするソフトで調べた。全角を1文字として計算している)。

 無論、文字数が多ければよいと言うものではないけれども、小泉首相がこの問題を大変重要な問題であると認識していたら、もう少し何か言うことが有りそうなものだと思う。

 一時期、北朝鮮への制裁も辞さない、と気焔を上げていた安倍晋三・元内閣官房副長官も、最近は、どのような目論見があるのか、良く分からない。

 分からないから、安倍晋三氏のサイトを見てきた。 一生懸命探したら、夕刊フジへの連載で今年の2月5日に、拉致問題に触れている。触れてはいるが、実際の進展が無ければ、評価しようがない。


◆拉致されている国民がいるのに、郵政民営化ばかりを強調することは異常である。

 

 そうでしょう?今の内閣は、小泉首相自身が「郵政民営化内閣」だと言っているわけだが、そんな内閣があっていいのだろうか?

 自国民が北朝鮮の工作員にさらわれて、そのこと自体を北朝鮮が認めていて、拉致された人々がまだ、東京から直線距離でわずか1,300km弱の平壌のどこかにいる、ということが、分かっている。

 今の内閣の面々は、そんなことは重々承知しているのに、それよりも、「郵政民営化」ばかりを馬鹿の一つ覚えのように繰り返す。

 念のため書くが、「行政権は、内閣に属する」(日本国憲法 第65条)のです。「内閣総理大臣」に属するのではない。だから、全ての内閣の構成員、要するに、全ての大臣ですよ。彼らは連帯して責任を負うのだ。だから、首相がいくら郵便局が好きでも、これを放置しておくのは他の内閣のメンバーの怠慢でもあるのだ。

 どうして、新聞も、こういうことを書かないで、北朝鮮の核実験とか、話題を逸らせるの?

 日本に打ちゃあしねえよ。こっちのカネと食い物が喉から手が出るほど欲しいのだから。

 まず、さらわれた同胞を助けようとしないで、郵便局に熱中する政治家というのは、明らかに、Sense of proportionを欠いているし、このことを問題視しないマスコミも、同様である。

 だが、政治家やマスコミをそうさせている究極の責任は、国民にある。

 政治家は、「拉致問題」を軽視しても、国民は関心がないので、次の衆議院選挙に影響しない、と判断しているから、真面目に取り組まない。

 新聞は、拉致問題を継続的に大きく取り上げなくても、売り上げ(部数)に影響がないから、取材しない。

 国民の無関心が、横田めぐみさん達の帰国を遅らせている。

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2005.05.13

不適切発言でおわび…読売・大阪本社 ←本当に反省しとるんかい!!

◆記事:脱線事故会見巡る不適切発言でおわび…読売・大阪本社

 

 読売新聞大阪本社は12日、尼崎脱線事故記者会見での同社記者の不適切な発言について、社会部長名で談話を出した。

         ◇

 脱線事故をめぐるJR西日本幹部の記者会見で、読売新聞大阪本社の社会部記者に不穏当・不適切な発言があり、読者の読売新聞およびジャーナリズムに対する信頼を傷つけたことはまことに残念です。読者や関係者に不快感を与えたことに対し、深くおわびします。大阪本社は事実を確認した段階で、ただちに当該記者を厳重注意のうえ、既に会見取材から外すなどの措置を取っています。

 本社は日ごろから、日本新聞協会の新聞倫理綱領、読売新聞記者行動規範にのっとり、品格を重んじ、取材方法などが常に公正・妥当で、社会通念上是認される限度を超えないよう指導してきました。今回の事態を重く受け止め、記者倫理の一層の徹底を図ります。

 JR西日本の記者会見は記者クラブ員のほか、新聞、テレビ各社から常時100人から50人の記者が出席して事故発生の4月25日から連日開かれています。

 当該記者は、5月4日から5日未明の幹部の会見で、事故直後の対応や天王寺車掌区の社員がボウリング大会や懇親会を開いていた問題の説明を求め、「あんたら、もうええわ、社長を呼んで」などと声を荒らげたり、感情的発言をしたりしていました。

 JR側の説明が二転三転したため、会見は全体として詰問調になったようですが、当該記者の発言の一部は明らかに記者モラルを逸脱していました。
 この模様がテレビや週刊誌で報道されると、読者から叱責(しっせき)や苦情が寄せられました。使命感や熱心さのあまりとはいえ、常に心がけるべき冷静さを欠いたと言わざるを得ません。日ごろの指導が生かされなかったことに恥じ入るばかりです。

 脱線事故報道では今も、社会部などの記者70人前後が取材を分担、遺族らの声に耳を傾け、事故原因やその背景など、惨事の真相に迫る努力を続けています。引き続き全力で取材に取り組みます。  大阪本社社会部長 谷 高志 (2005/5/13/03:09 読売新聞 )


◆コメント:JR西日本に対しての謝罪の言葉が無いじゃないか。

 

 この文章を一瞥すれば、読売新聞は問題の所在を理解していないことが明らかである。

 まず、読売新聞は記者が非礼を働いたJR西日本に対して謝罪するべきである。

 読売新聞は、何故、読者が怒ったのか、本気で考えたのか? 

 記者会見の席で、いくら事故を起こした当事者とはいえ、ただひたすら頭を下げるJR西日本社長らに対して、たかが一新聞記者があそこまで、横柄な態度で、横暴な口をきく権利はない。取材する人間とて、礼を失するべきではない、と考えたからである。

 従って、読売新聞は、本当に問題のありかを理解して、反省するのであれば、事故に関する全貌は未だ明らかになってはいないが、あのガラの悪い記者と大阪本社の最高責任者がJR西日本に出向いて、頭を下げるべきなのである。

 それを済ませてから、その事実も含めて、新聞紙上でJRと読者に反省の弁を述べるべきなのである。

 ところが、実際はどうか?

 私は、読売新聞がJRに直接頭を下げたという事実をいまだに、知らない。

 その上、上に引用した「談話」が意識しているのは、読者(読売新聞購読者)のみであり、JRに対する謝罪の言葉は全く含まれていない。

 繰り返すが、本当に反省しているなら、まず、直接暴言を吐いた相手である、JRに対して謝る筈なのだ。

 そして、責任者だけではなく、あのガラの悪い記者本人の実名と反省文と顔写真を載せるべきだ。JR経営陣の実名も顔写真も載せたのだから。

 狡いではないか。


◆反省しているのではない。読売新聞購読を解約されるのが怖いだけだろう。

 

 要するに、記者の態度に腹を立てた読者が新聞購読を止めるのが怖いから、形だけのこんな談話を載せただけなのだ。

 「謝りました」という形式だけだ。しかも、ただひたすら謝っているのではない。「使命感や熱心さのあまりとはいえ」と言い訳をしている。

  潔くない。あんな態度が「使命感」から出てきた訳がない。傲慢なだけじゃないか。



 読売新聞のサイトをご覧になると、一体どこに、この謝罪文が載っているのかわからない。本当に謝罪するなら、トップページに誰の目にも入るように、レイアウトすべきだろう。上の謝罪文は社会面に他の一般の記事に紛れるように、小さい見出しが出ているだけなのだ。これが社会面だが、すぐには見つけられないでしょう?


◆本日(13日)付 読売新聞の社説は・・・

 

 読売新聞は、自分が謝っているときに他のマスコミを批判する資格はない、ということすら分からないようだ。

 今日の社説の表題を見てご覧なさい。なかなか、笑える。

 [TBS盗用問題]「報道倫理に対する背信行為だ」だってさ。

 その社説は次のセンテンスで始まる。

 

「盗みとウソ――。二重の背信行為に、怒りを通り越して、あきれてしまう。」

  私どもは盗作はしていません。態度が悪いだけですというわけか。他人のことを言えた義理じゃないだろう。 この、馬鹿新聞め。

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<TBS>新たに記事盗用22件 計39件に  まさか、TBS職員は宴会など開いていないでしょうね?

◆記事:<TBS>新たに記事盗用22件 計39件に

 

 TBSの公式ホームページに掲載されていたコラム「ダッグアウト」が、毎日新聞などの記事を盗用していた問題で、TBSは12日、新たに計22件の盗用が見つかったと発表した。これで、盗用された記事は計39件となった。

 新たに見つかったのは毎日新聞から8件、読売新聞10件、朝日新聞4件。1本のコラムに複数の記事から盗用していた例もあり、盗用によって書かれたコラムは18本増え、計35本になった。

 TBSは11日、計17件の盗用があったと発表。その後、盗用したTBSテレビ編成制作本部スポーツ局担当部長(47)からさらに事情を聴くとともに、新聞各社のデータベースで検索するなどして新たな盗用を確認した。最初の盗用は、コラムの掲載が始まった約2カ月後の01年5月だったことも新たに分かった。

 同社広報部は「関係者に改めて深くおわび申し上げるとともに、今後も別の調査方法を検討して、さらに綿密な調査を行う」としている。(毎日新聞) - 5月12日23時14分更新


◆コメント:まさか、TBS職員は宴会など開いていないでしょうね。
 

 TBSは、他のマスコミと同様に、「JR西日本の職員が、尼崎鉄道事故当日、及びそれ以降、ボーリングをしていた、ゴルフをしていた、宴会を開いていた」ことが問題である、と報道・批判していたわけですね。

この盗作問題という「不祥事」が発覚したのは5月10日ですが、その日以降、まさか、宴会で酒を飲んでいた社員などいないのでしょうね?当然ですね。

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2005.05.12

18歳少女に首輪、監禁104日…24歳男を逮捕←「被害者」にも問題があることは明らか。

◆記事:18歳少女に首輪、監禁104日…24歳男を逮捕

 

インターネットのチャットで知り合った当時18歳の兵庫県の少女(19)を、東京都内のホテルや自宅で3か月以上にわたって監禁したとして、警視庁捜査1課は11日、札幌市中央区南1東6、無職小林泰剛容疑者(24)を監禁容疑で逮捕した。

 小林容疑者は少女に首輪をつけるなどして拘束し、暴行も加えていたという。都内で別の女性が同様の被害に遭っているといい、小林容疑者がかかわっていた疑いがあるとみて、捜査1課で余罪を追及する。

 調べによると、小林容疑者は昨年3月8日、兵庫県の無職少女を渋谷区のホテルに呼び出し、顔を殴るなどして、「見張り役にお前の顔を覚えさせた。もう逃げ出せないからな」と脅迫。同日から同6月19日までの104日間、都内の複数のホテルや、小林容疑者が当時住んでいた足立区のマンションに、少女の首に首輪を付けて鎖でつなぐなどして監禁した疑い。

 小林容疑者は同2月ごろ、チャットで知り合ったこの少女と懇意になり、メールでやり取りをしていた。3月ごろになって突然、「実家にヤクザを送り込まれたくなかったら、東京まで出てこい」と少女を脅し、交通費として少女の銀行口座に3万円を振り込んで東京に呼び出していた。

 監禁中には、少女に殴るけるの暴行や性的な乱暴を加え、「ご主人様」などと呼ばせていた。また、兵庫県の実家に「安心して」とウソの電話をかけさせていた。少女は6月、すきを見てマンションから逃げ出し、近くの弁当店に駆け込んで助けを求めたという。

 小林容疑者は今年4月、札幌市中央区のマンションに引っ越していた。

 調べに対し、小林容疑者は「おれは統合失調症だ。覚えていない」などと供述しているという。

 小林容疑者は2001年8~10月、北海道江別市の自宅で知人の女性2人(当時19歳と21歳)に熱湯をかけたり、包丁で足を切ったりしたとして、傷害罪などに問われ、03年8月、札幌地裁で懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けていた。(読売新聞) - 5月12日1時55分更新


◆コメント:そんな男に会いに行く奴があるか。

 

 本当は、有罪判決が確定するまでは、無罪の推定をしなければいけないのですが、小林泰剛容疑者は、まあ、間違いなく、悪い奴です。

 それは、そうなのですが、言っちゃ悪いが、被害者の女の子も悪い。

 チャットで知り合った男が、銀行口座にカネを振り込んで、「東京まで出てこい」という。

 男が邪(よこしま)な意図を持っていることは、明らかです。

 そんなところに、ノコノコ出かけてゆくのも、如何にも間が抜けている。

「(東京に来なかったら)実家にヤクザを送りこむ」と脅迫されたそうだが、その脅しにのって、東京へ出て行ったら、ますます深みにはまることは、目に見えている。

 たるんでるよ、と先ほど書きましたが、訂正します。親か警察に相談するべきでした。18歳でしょう?それぐらい出来てもいいと思います。

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「尼崎駅での接続も重圧に 乗り換え時間わずか2分」 利用者が10分早く自宅を出れば良いのですよ

 兵庫県尼崎市で脱線事故を起こしたJR福知山線の上り快速は、多くの通勤客が東海道線に乗り換える尼崎駅での接続時間が2分程度しかなく、高見隆二郎運転士(23)=死亡=は接続電車に遅れないよう焦り、尼崎駅に急いだ可能性があることが12日、分かった。
 接続する電車に間に合わない場合、乗客は尼崎駅で約7分間のロスをすることになるという。伊丹駅などのオーバーランで1分半の遅れを抱えた高見運転士は、定時運行に加え、乗り継ぎの乗客に不便を掛けられないと言う重圧も感じていたとみられる。(共同通信) - 5月12日19時23分更新

◆コメント:乗客の圧力も事故の一因だったのに、JRを「人殺し」とは何ですか。
 

 この記事からごく自然に推測できるのは、、過去に福知山線がダイヤよりも遅れて尼崎駅に到着して、それが原因で東海道線に乗り遅れた乗客からJR西日本にクレームが来たことがあるのだろう、ということです。そうでなければ、運転手がそれほどのプレッシャーを感じることは無かったはず。
 ということは、客も悪いのではないでしょうか?(ということは、世の中の問題ですね。後述。)
 普段は、JRに「遅れるな」とプレッシャーをかけ、遅れまいとした運転手がスピードを出しすぎて、事故を起こしたら、JR西日本全職員を人殺し呼ばわり。
 勝手なことを言い過ぎなのではないでしょうか。自分の都合しか考えていないということではないですか。
 「乗り遅れたら7分待つことになる」って、この電車は9時台でしょう?全然、早起きの必要はない。十分余裕を持って自宅を出られる筈です。
 だから、利用者は、自宅を10分早く出れば良いのですよ。
 サラリーマンなら、というか、少なくとも私の職場では、もしも、途中で電車に遅れが出てもいいように、早めに出勤するのが常識ですがね。
 乗客が悪いということは、時間に几帳面すぎる日本人の「文化」に問題がある、ということで、これはもう、随分多くの方がblogで書いておられますね。
 つまり、電車が遅れた結果、会社や学校に遅刻しても、冷たい目で見られることがない、という世の中になればいいのですね。
 出来ないことは、無いと思います。

 それにしても、尼崎駅での「乗り換え事情」など、すぐに分かるでしょうに、どうして、今まで報じられなかったのでしょうか。
 マスコミの恣意(悪意)を想像せざるを得ません。

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2005.05.11

「マスコミ批判に同感」という人が非常に多いが、マスコミは読んでいないようだ。

◆実は、私はblogも開いている。

 

 「ENPITU」と「日記才人」からアクセスして下さる方はご存じない方が殆どだろうが、実は私は@niftyの「ココログ」にblogアカウントを持っている。

 blogの名は、何の工夫もなく、JIROの独断的日記ココログ版である。昨年11月に開設した。

 内容は、ENPITUに書いてあるものと、全く同じである。

 Blogを開設した動機は、単なる好奇心である。 「土佐日記」風に書けば、「皆がすなるblogといふものを、我もしてみむとてするなり。」ということである。

 当初は、ENPITUで時事問題を書き、ココログでは音楽など別のことを書こうと思ったのだが、一日に、そういくつも日記を書くほど余裕がない。結局、ENPITUのミラーサイトのような存在になった。

 今まで、blog特有のメリットをあまり感じなかったが、尼崎の列車事故に関して連日記事を掲載するようになり、やっと、blogの便利さが分かった。

 「トラックバック」と「コメント」を上手く使うことにより、自分と同じ考え方をしている方に、「私もこういうことを書いていますよ」というシグナルを送ることが出来るし、メールを用いなくても(勿論、メールも使用可能だが)、コメントにより、意思の疎通が容易に出来る。


◆尼崎鉄道事故から16日目。

 

 尼崎鉄道事故から今日で16日目である。

 この間、私は、10回、この事故に関して稿を起こした。その全てはココログに掲載した。

 それに対して、本日までに79件のトラックバックを頂戴した。

 驚くべき、と言うよりも、当然のことながら、良識ある方々は皆同じ考えで、要するに、みなさん、マスコミの「JR西日本バッシング」に対して、批判的な意見である。

 Web日記で読んで下さっている方も大勢いらっしゃるので、勿論ENPITUを閉鎖するようなことはしないが、ENPITUや日記才人の読者の方は、是非、JIROの独断的日記ココログ版もご覧頂きたい。

 既に書いたとおり、内容は、全く同じだが、blogでは、それに対して、どのような意見が寄せられているか、ということをトラックバックにより知ることが出来るのが、Web日記には無いメリットである。

 更に云えば、特に私の日記を経由しなくても、ブログ:ココログ:トップ:@niftyのココログ全文検索という画面右側の検索窓に、例えば「JR マスコミ」と入力してご覧になると良い。もの凄い数のblogがヒットする。その殆どがマスコミの報道姿勢に対して批判的なことに気がつかれるであろう。


◆JR西日本OBの嘆き

 

 今日、読者の方から、お便りを頂戴した。仮にAさんとさせていただく。

 Aさんの御尊父は、JR西日本のOBである。

 現役当時は非常に真摯に仕事をなさっていて、それだけに今回のことに胸を痛めておられるという。

 許可を頂戴していないのでお名前は伏せたまま、一部抜粋引用させていただく。

「退職前は駅勤務でしたが、若い頃は信号支区勤務で『1秒の迷いや失敗が多くの人の命を奪う事になる』と精神的にも肉体的にもいつもきちんと整えておかなくてはならないと四六時中仕事の事ばかり考えている鉄道バカだったのです。」



 既に引退なさったものの、連日のJR西日本バッシングのテレビ報道を見る度に、肩を落とすお父様の様子を見るのがつらく、Aさんは、GW中、テレビを付けなかったという。全くAさんのお父上の胸中は、私などの想像を遙かに超えたものであろう。


◆JR西日本のデータから分かる客観的事実。

 

 JR西日本は人殺しだ、などと罵倒する前に、まず、企業の実態を把握する必要がある。

 JR西日本批判をしている人は、まず、この会社のサイトを良く読むべきである。

 今回は関係ないが、大きな事件を扱う東京地検特捜部も、国税庁査察部も、まず、オープン・インフォメーション(新聞・雑誌・Webサイトなどのように、誰でもアクセスできる、公開された情報)を丹念に読むことから、ヒントを得るという。


◆JR西日本は毎日469万人を輸送している。

 

 JR西日本の1日あたりの列車運行本数は8000本であり、毎日、469万人を輸送している。

 平成16年(昨年)1年間で、延べ、約17億1200万人を輸送した。その殆どの乗客は安全に目的地に到着している。

 JR西日本が操業を開始した1987年から、2004年までで、累計4964万本の列車を運行し、その殆どは無事故であった。

 この間、輸送した乗客は、延べ291億人である。

 信楽高原鐵道事故では、42人、先日の尼崎の脱線事故では、107人が死亡した。


◆JR西日本が人殺しというが、安全に輸送した4,689,893人を無視するのは、不公平だ。

 

 107名もの人命を失ったことは、間違いなく大変な悲劇である。

 しかし、先日の事故原因は最終報告が出ていない。依然、不明である。

 マスコミの報道の問題点に関しては、既に多くが語られているから、省略するが、客観的な報道を実現するためには、上の段落に書いたようなこと、 つまり、2件の重大事故だけを強調して、「JR西日本が過去17年間で290億人以上の乗客を、安全に目的地まで送り届けた」、という歴史的事実(これは、明らかに立派な業績である)を無視するべきではない。

  私にメールを下さった、A子さんの父上の如く、真摯に誠実に任務を遂行する人がいて、初めて可能であったことは云うまでもない。


◆技術的調査の詳細を待たねばならない。

 

 事故原因は、このところ毎日書いているが、特定されていない。

 テレビニュースは、事故車が事故発生現場の直前で、時速126kmで走行していたというが、今までに、他の運転士は、どれぐらいのスピードで走っていたのかが分からなければ、126kmという数字がどの程度の異常値なのか分からない。

 また、「直前」というが、通常、問題のカーブの手前何メートルの地点から、どの程度の強さでブレーキを作動させれば安全なのか。事故車は、何メートル手前からブレーキをかけ、カーブでのスピードは正確には、時速何キロメートルだったのか。

 そのスピードで同型の列車に同数の乗客が乗った状態で、カーブを走行すれば、必ず脱線するのか。つまり、物理的必然だったのか、などの点が明らかにされなければならない。

 現在の発表によれば、「事故車両から回収されたモニター制御装置の表示によると、電車はカーブ手前の直線区間を最大時速百二十六キロで走行。非常ブレーキは、制限速度七十キロの右カーブ開始地点の手前約三十メートルで作動し、その時点での時速は百八キロだった。モニターは誤差があり、事故調は数値の特定を進める。」
 となっている。つまり、カーブでの速度は最終的には判明していない。


◆JR西日本全職員に当たり散らすのは止めろ。

 

 そして、これは、別の読者の方から頂いたメールで述べられていたのだが、「仮に、JRに事故の責任があったとしても、弔問に訪れた別のJR職員を殴ったり、罵倒したりすることは、行き過ぎである」、という意見がある。私も全く同感である。

 同じ組織に属していたとしても、一般の社員に、今回の事件の責任を負わせようとするのは、強引かつ、理不尽、である。

 例えば、JR西日本の総務・経理の職員が、今回の事故を防ぐ為に何らかの行動を事前に取ることが出来たとは、到底、思えない。

 別の路線の運転士や車掌だって、無理だろう。

 JRの職員=JRではない。

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ココフラッシュで、「マスコミ批評」前日比増 第1位

雑談日記さんの呼びかけで昨日「ココフラッシュ」のユーザーカテゴリに誕生した「マスコミ批評」だが、今日のココフラッシュ「キラキラカテゴリ」(前日に比べて、このカテゴリを使っているココログの数が増えた割合の高いカテゴリ)で「マスコミ批評」が1位になっている。
順位はさておき、如何に、JRに関するマスコミ報道に関心を抱いている人(多くは批判的である)が多いか、の証左である。

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◆JR西乗務員へ嫌がらせ120件 脱線事故後に相次ぐ 心理学的考察

◆JR西乗務員へ嫌がらせ120件 脱線事故後に相次ぐ 2005年05月11日00時12分 (朝日新聞)

 

 JR宝塚線(福知山線)の脱線事故後、JR西日本の乗務員を狙った悪質な嫌がらせ行為が相次いでいる。

 同社が8日までに確認できただけでも、120件に上る。

 事故当日のボウリング大会開催など一連の「不適切な行為」(同社)の発覚直後には、女性運転士がホームでけられてけがをする傷害事件も発生。レール上に石などが置かれる事件も多発しており、同社の3労組は10日、安全運転に協力を求める異例の共同声明を出した。

 同社によると、120件の内訳は暴行・傷害2件、職務妨害18件、乗務員が「暴言」と感じた行為100件。

 脱線事故が起きた4月25日午後9時すぎ、大阪駅の神戸線ホームで乗務予定の電車を待っていた20代の男性運転士に向けて中身が入った清涼飲料水の缶が投げつけられた。運転士にけがはなかった。

 天王寺車掌区の社員らが事故当日にボウリング大会を開いていたことが発覚した後の今月6日午前9時半ごろには、同じ神戸線のホームで乗務を終えて電車を見送っていた20代の女性運転士が背後から足首をけられて軽傷を負った。本人から被害届を受けた大阪府警が傷害容疑で捜査している。

 無言の抗議が運転士にとっては大きなプレッシャーになっている行為も続発。事故から2日後の4月27日、大津駅に入った電車の運転席後ろのガラスに「命」と書かれた紙がはられているのを運転士が発見。同日、大阪駅に着いた別の電車にも同じ字が書かれた紙が逆さにはりつけられているのが見つかった。

 乗客に「人殺し」と言われるなど、乗務員が暴言と感じた行為も後を絶たないほか、レール上に石や自転車などが置かれる列車往来危険容疑事件も今月8日までに計23件起きているという。

 こうした行為に対し、同社は「乗務員が動揺して運転に支障が出るおそれがある」と判断。9日、社員のメンタルケアを専門にした電話相談窓口を設けた。

10日夕、帰宅ラッシュで混雑する大阪駅で乗務を交代した男性運転士は「事故前よりも緊張し、肩が凝るようになった。平常心を保つように努めています」と話した。

 一方、同社最大労組のJR西労組など3労組のまとめでは、7日現在の嫌がらせ行為は180件を超えた。

 4月27日には、京都電車区の20代の女性運転士が事故の救出状況を報じた新聞を突きつけられたり、運転中に別の乗客から「JRは人殺しだ」と言われたりした。

 女性運転士は精神的苦痛を訴えて4日間の休暇を取り、復帰した今も内勤をしているという。

 このほか、「運転する様子をビデオ撮影された」「速度計の表示を大声で読み上げられた」と、事故前なら気にならなかった乗客の行為に過敏になっている運転士もいるという。

 3労組の幹部の一人は「批判は甘んじて受けるが、乗客の生命をおびやかすことにつながる行為は許されない」と話している。


◆コメント:これは、自我防衛機構の「投影」ではなかろうか?
 

 つい2日前に取り上げた問題であるが、問題が解決していない以上、別のアプローチで論ずるしかない。

 「投影」に関して説明する前に一言書いておきたい。

 朝日新聞は、よくもいけしゃあしゃあと、こんな記事を書けるものだ。

 お前らの所為で、又、事故が起きるかも知れないんだぞ。このマッチポンプ野郎。

 何が、「(JR)社員のメンタルケア」だ。

 社員のメンタルヘルスに危害を加えている元凶がお前らだぞ、朝日。他のブンヤ(新聞記者の蔑称)ども。

 それにしても、何故、これほどまでに、世の中の人々はJRを攻撃するのか?

 無論、4月25日に起きた事故は取り返しが付かないものである。

 無くなった方々のご冥福を祈る。


◆大勢の死も一人の死もその重みは完全に同一である。

 

 一度に107人が、何十年に一度しか起きないような事故で亡くなったこと自体は確かに大惨事であるが、突然、人が事故で亡くなる、ということならば、毎日のように、日本のどこかで交通事故で人が死んでいる訳である。

 その場合、無くなった方が一人だとしても、本人にとっても遺された家族にとっても、これは悲惨な出来事である。他に人が沢山無くなっていようがいまいが、人一人の死の重みは完全に同一である。

 何を言いたいかというと、大事故で無くなった方はお気の毒であることは云うまでもないが、大事故で大勢無くなったからといって、一人一人の死の悲劇性が、交通事故で無くなった一人よりも、大きいわけではない、ということだ。


◆私も悲惨な記憶がある。

 

 他人事(ひとごと)だから、そんな冷たいことが云えるのだ、と仰るかも知れぬが、それは、違う。私も間接的に、ひどい目に遭ったことがある。



 随分昔のことだ。

 私の親戚の者が日本のある場所で、高速道路を走行していた。

 すると、突然、前を走っていたトラックが荷崩れを起こし、大きな石(漬け物石ぐらいの大きさ)が、すぐ後ろを走っていた、私の親戚の車のフロントガラスを直撃した。そしてそのままフロントグラスを貫通し、運転していた親戚の顔面を直撃したのである。

 奇跡的に、車は横転せず、ガードレールをこすりながら止まったが、その車には運転していた者の妻子が同乗していたのである。

 目の前で、父親の頭が滅茶苦茶につぶれるのを見てしまったのだ。

 警察や救急隊が駆けつけたとき、一家の主を失った子供と妻は、一時的に、発狂しかけていたらしく、意味もなく、高速道路をとぼとぼと歩いているところを保護されたという。

 私の身内には医師が多いが、大きな石をまともに頭部にくらった遺体は、医師ですら青ざめるほどの悲惨な損傷を受けていたので、子供だった私たちは、見ない方が良い、といわれた。たしか、大人ですら、見ない方が良い、と云われていた。だから、葬儀でも最後まで見ることが出来なかった。

 荷崩れを起こしたトラックとその運転士は捕まらなかった。遺族は誰にも文句を言えなかったのであるが、偉かった。「運が悪かったと諦めるしか、仕方がない」と云い、恨みがましいことは云わなかった。断っておくが、多額の保険金が入ったのではない。云っても仕方がないことを云わなかっただけである。

 それに比べれば、今度の遺族は、JRの社長は謝りに来る。慰謝料も出る。マスコミが取り上げる。突然の不幸に同時に襲われた人が大勢いる。尤も、マスコミはない方が良いかもしれないが、とりあえず怒りを発散できるでしょ?

 考えようによってはまだ、良い方なのです。

 私達一族郎党は、誰にも文句を言えなかったのですよ。仕方が無い。遺族が言うとおり、運が悪かった、と諦めるしかない。

 いくら、積荷を落としたトラックが憎いといっても、他のトラックの運転手に暴力を振るって良い訳がないのだ。

 ましてや、事故で身内や友人を失った訳でも何でもない奴が、事故とは直接関係の無い、女性運転士に恐怖のあまり乗務が不可能になるほどの暴行を働くことなど許されるわけがない。


◆精神分析でいうところの「投影」。

 

 前置きが長くなったが、要するに、何故多くのひとが、自分とは直接関係がない事故なのに、JR西日本に対して嫌がらせをするかという問題であるが、これは、フロイトが始めた精神分析でいうところの、「投影」という心理作用ではないかという気がする。

 人間は、受け入れがたい事実に直面したときに、自我が崩壊するのを防ぐために、無意識のうちに自我を守る心の仕組みを持っていて、これを「防衛機制」と言う。

 あらゆる防衛機制の基本となるのが「抑圧」で、要するに、自分が持っている資質や感情で、自分が好ましくないと思っているものを、無意識下に押し込めることである。

 「投影」とは、自分が持っている好ましくない感情を認めたく無いが為に、これを他人が持っている感情だ、と無意識のうちに誤魔化し、その他人を攻撃することにより、自分の感情を否定しようとする行為である。


◆つまり、自分も現場から勤務に向かった運転士や、ボーリングに行ったJR職員と同じなのだ。

 

 同じなのだ、と断定するのは正確ではない。

 JR西日本の職員に対して嫌がらせをする人々は、「自分が同じ局面に立たされたら、やはり、現場で救助作業に加わらずに、職場へ向かったであろうし、宴会があったら、皆と一緒に酒を飲んでしまっただろう」ということが分かっているのだ。
 分かっているが如何にも不謹慎であり、自分がそういう人間であるとは、簡単に認めたくない。

 このようなとき、自分が直視したくない、自分の好ましくない性格・資質・感情を否定するために、他人に押しつけるのである。

 これが「投影」である。

 今回、投影の対象となったのが、JR職員だった、ということではないだろうか。


◆人間の心の動きのパターンを知っていれば、ある程度、自己制御できる。
 

こいつは、臨床心理士でも、精神科医でもないのに、何を偉そうに言いやがる、と思う方もおられよう。

 しかし、ここで書いたようなことは、ちょっと百科事典で調べれば分かることで、私が知っていたからといっても自慢にも何にもならない。

 私が言いたいのは、人間には、自我が崩壊するのを防ぐための「防衛機制」という無意識下で生ずる心の動きがある、ということを、たとえ素人でも知ると知らないでは、大違いであるということだ。

 知っていれば、自らの心を完全にとはいかないが、ある程度、制御(コントロール)出来るはずなのだ。

 JR西日本の職員に暴力を働いている人たちが、それを知らないことだけは、間違いがない。 

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2005.05.10

航空機トラブルがこれほど続いているのに、何故それらの詳報がないのですか?

◆コメント1:福知山線関連報道に接して、思ったこと。「マスコミも随分不祥事を起こしているが、まさかその  当日や翌日に宴会など開かなかったのでしょうね?」

 

福知山線の事故から2週間が経っているのにも関わらず、マスコミは憑かれたように、どうでも良い些事を針小棒大にあげつらっている。

 そこまでしつこく、JRの宴会やらゴルフやら、ボーリングに拘るのですね? それならば、マスコミ各社、とりあえずはテレビ局2社に質問したい。

◆人殺しの片棒を担いだTBS

 TBS。この会社は、過去にも書いたが、いまだに存続している方がおかしい。

 周知のとおり、TBSがオウム真理教の幹部に、オウム被害者の会を担当していた坂本弁護士のビデオを見せたが為に、坂本弁護士一家は、なんと赤ん坊まで、オウム真理教により惨殺され、地面に埋められた。

 その後、TBS幹部は国会に証人喚問に呼ばれて、「オウムにビデオを見せたと言う事実はあったのか?」と質問されたときに、何と、「見せていない」とウソをついたのである。

 このような不祥事がばれた後も、平然と「報道機関」と名乗る神経はどこから来ているのか?

 勿論、この全ての不祥事が明るみに出た日、その後当分、TBS社員は誰一人として、酒を飲んだり、遊びに行ったりしていないのでしょうな?



◆視聴率を操作し、やらせも発覚した日本テレビ。

 昨年、日本テレビの社員が視聴率モニターを設置している家庭に赴き、自社の番組を見てくれと依頼した、という不正が発覚した。

 また、ニュース番組の中での特集で、「ヤラセ」を半ば公然と行っていることも発覚した。

 視聴率は、本質的なことがらではないが、「やらせ」というのは、マスコミの根本に関わる大問題である。

 それは、「ウソ」を「真実」と偽って、国民に伝えることであり、「事実を、可能な限り客観的に伝える」という報道機関の本質から完全に逸脱した言語道断の行為だからである。

 この事実が発覚した日、及びその翌日以降、日本テレビの全社員は、ただの一人も酒を飲んだり、遊びに行ったりしていないのでしょうな?

 行ったに決まっている。誰かテレビ局の人間、内部告発しろよ。


◆コメント2:航空機の整備不良と見られるトラブルが相変わらず続いているのに、どうして重大視しないのか?

 

 今年の初めから今までの間に、私が分かるだけでもこれだけのトラブルが起きている。 (日付はニュース日付)


  • 新千歳空港で1月、管制官の許可が出る前に日航機が離陸滑走を始め、管制官の指示で停止し離陸をやり直すトラブルがあったことが3月1日、分かった。日航はこのトラブルを国土交通省に約1カ月報告せず、同省は日航に厳重注意した。

  • 3月2日午後7時ごろ、青森空港で、札幌行きの日航2808便MD81(乗客乗員46人)が誘導路を走行中、除雪した雪だまりに右翼先端をぶつけライトを破損した。乗客らにけがはなかったが、同機は欠航した。

  • 3月3日 羽田空港で3月3日に、女満別から到着した日航1184便エアバスA300(乗客乗員150人)が、管制官から指示された誘導路を通り過ぎるトラブルがあったことが4日、分かった。 日航は「管制指示違反に当たる可能性がある」として国土交通省に報告したが、同省は「報告義務が生じる状況ではなかった」としている。

  • 3月11日 韓国・ソウル近郊の仁川空港で3月11日、日航機が管制官の意図に反して滑走路に入り、この滑走路に向け降下中だった韓国機を管制官が回避させていたことが12日、分かった。日航が同日、国土交通省に報告した。

  • 3月16日 羽田発札幌行きの日航機が16日、緊急時に作動する脱出用スライドのスイッチの切り替えをせずに運航していたことが17日、分かった。客室乗務員の確認ミスとみられ、日航は国土交通省に報告した。

  • 3月22日午前9時すぎ、広島発羽田行き日航1600便エアバス300-600(乗客乗員136人)の機長から「操縦室内で煙のにおいがする」と羽田の管制塔に連絡があった。 同機は午前9時半、羽田空港に緊急着陸したが、機体に異常はなく、けが人もいなかった。日航などがにおいの原因などを調べている。 羽田空港には緊急着陸に備え、消防車が待機した。

  • 3月22日 福島空港でJAL機尻もち 滑走路灯破損

  • 3月22日午後8時40分ごろ、オーストラリアのブリスベーン発成田行き日航762便のジャンボ機が、成田空港に到着後の機体点検でエンジン付近のパネルの一部が脱落していることが分かった。

  • 3月27日午前8時すぎ、ジャカルタから成田空港に到着した日航726便ボーイング777の左翼からゴム製部品が脱落しているのを整備士が発見した。空港は2本の滑走路のうち1本を午前8時16分から7分間閉鎖して調べたが、部品は見つからなかった。発着便に影響はなかった。

  • 3月30日午前1時15分ごろ羽田空港で、けん引車で誘導路を移動中の日航ジャンボ機の左翼が、空港外周のフェンス監視用カメラの支柱に接触し損傷した。ジャンボ機には誰も乗っておらず、けん引車の作業員2人にもけがはなかった。

  • 4月5日 日航機の部品の一部が欠損 全日空機も部品脱落

  • 4月7日 高松空港に7日夜到着した羽田発の日航1411便エアバスA300で、エンジン付属部品のボルト1本が脱落しているのを整備士が発見した。羽田、高松両空港で8日朝、滑走路を点検したが見つからなかった。

  • 4月12日 日航は12日、社内規定で資格を満たしていない副操縦士が、計3便で離着陸をしたことを明らかにした。 日航によると、6カ月以上の経験がない副操縦士は、教官資格がない機長と乗務した場合、離着陸時に操縦することが禁じられている。この副操縦士は発令後5カ月余りで資格外だった。

  • 4月14日 成田空港に14日午後、到着したホノルル発の日航73便ジャンボ機の翼にある部品の一部が欠けていたことが、到着後の機体点検で分かった。

  • 4月17日 17日午後6時ごろ、成田発香港行き日航735便DC10(乗客乗員約200人)が離陸のため誘導路を移動中、操縦装置などを動かす油圧系統の一つが異常を示した。 同機は駐機場に引き返し、点検のため滑走路が約8分間閉鎖された。乗客は代替機に乗り換えて、約3時間遅れで出発した。

  • 4月22日 全日空便が無許可滑走 機長、管制指示を「失念」 小松空港

  • 5月1日  <管制ミス>羽田空港、閉鎖中のA滑走路に日航機着陸

  • 5月2日  4月30日、午後6時半ごろ、羽田空港を離陸した秋田空港行き日本航空1267便(乗員・乗客100人)で、油圧系統の装置が通常より低い値を表示した。秋田空港着陸後、滑走路に油が漏れていたため、同空港は滑走路を約1時間閉鎖した。

  • 5月2日  5月1日午前10時50分ごろ、中部国際空港発パリ行き日本航空437便(乗員・乗客232人)が離陸後、空調装置の異常が表示され、成田空港に着陸した。乗客219人は着陸から約7時間後の午後7時半、同社の別の飛行機に乗り換え、パリに向け出発した。

  • 5月3日  日航機、翼からゴム部品脱落=到着7時間後に判明-成田空港

  • 5月8日  <日本航空>NY発成田行きの機内で減圧、新千歳に着陸

  • 5月8日  高度計に異常、マニラ行き日航機が関空着陸


◆記事:<北側国交相>安全総点検で現場査察、羽田空港やJALなど

 

 北側一雄国土交通相は2日午前、東京・羽田空港の同省東京空港事務所で、緊急安全総点検の実施状況を査察した。先月29日に管制官のミスから閉鎖中の滑走路に旅客便を着陸させた問題を受けて、異例の国交相査察となった。監察チームを1カ月派遣して原因を検証させるとともに、13日までに改善策を報告させたうえで処分も行う方針だ。問題を起こした管制官チーム(18人)は当面業務から外し、再教育を実施する。(毎日新聞) - 5月2日12時56分更新


◆コメント:「官僚的形式主義」に陥らないことを祈る。

 

 査察チームが一ヶ月日航の管理体制、特に整備部門を重点的に監査するというのは当たり前だ。

 部品が脱落する。油が漏れていた。機内減圧で8000メートルの急降下。

 素人がこれだけ見ても、多分、整備不良が原因だと思われる。

 8日の機内減圧、急降下では、乗客は生きた心地がしなかった、などといっているが、要するに、与圧系統の故障だろう。



 日本に限らず、役所の検査というのは形式的なことが多い。

 「実際に何を点検したのか」、と言う報告が、国民に対してなされることは無い。報告を求めない国民も悪い。

  だから、「とにかく、国交省は、航空会社へ行って監査しました」という、「体裁」を整えると安心してしまうのが、役所というものである。


◆コメント:マスコミは起きてしまった事故ばかりを追わずに、事故を「防げ」

 

 今回の件で、明らかになった通り、国交省は、何かトラブルがあれば、航空会社に監査に行くが、普段はほったらかしなのである。

 または、もしも、国交省が、航空会社に対して定期的に監査をしていたのであれば、JALのトラブル続きはどういうことか?

 見るべきところを点検出来ていなかったことになり、やはり、監督官庁としての責任が問われるのだ。

 マスコミはこういうところには、見て見ぬふりをする。それでもジャーナリストか。

 JR西日本の職員のうち、宴会やゴルフをしていたのは誰か、と言うようなことはどうでも良い。

 はっきり言って、とにかく、事故は既に起きてしまったのだ。

 マスコミの次の仕事は、これから、起きるかも知れない事故を防ぐ様に、監督官庁にプレッシャーをかけること。
 若しくは、そうなるように、国民の注意を喚起することだろう。

 それとも、マスコミという人種は、実は、20年前の123便の如き惨劇がまた起きて欲しいのか?

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2005.05.08

運転士や車掌などへの嫌がらせ、事故後70件…JR西 マスコミはJR幹部が自殺するまで許さないつもりか。

◆記事:運転士や車掌などへの嫌がらせ、事故後70件…JR西

 

 JR福知山線の脱線事故後、JR西日本管内で、運転席後方のガラスに「命」と印刷された紙が張られたり、女性運転士がホームでけられ線路に落ちそうになったりする嫌がらせ行為が約70件も相次いでいることが、7日わかった。

 事故以降も後を絶たないオーバーランや不祥事も影響しているとみられている。

 西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組)などによると、4月27日夜、JR東海道線の大阪駅に着いた新快速電車の運転席後方のガラスに「命」と書かれた紙が上下逆さまに張られているのが見つかった。同様の張り紙はこれまで計6回あった。

 今月6日には、大阪駅ホームで電車を見送っていた女性運転士が、男性に足をけられ、ホームから転落しそうになったという。

 このほか、▽東海道線・野洲駅で、男性駅員が「尼崎の事故でたくさん死んでいるのにJRは何をしてるんや」と言われ、顔を殴られた▽福知山線・宝塚駅で、若い車掌が乗務員室から引きずり出された▽大阪駅で、運転士がコーラの缶を投げつけられた――などが相次いでいる。(読売新聞) - 5月8日10時57分更新


◆コメント:運転士をおびえさせて、ことが改善すると思っているのか? 

 

「・・・などが相次いでいる」って、そういうふうに、世間を煽っているのは、マスコミだろう?読売新聞さんよ。

 5月4日に「被害者の知人」だといって、JR職員をこづき回している男がいた。いい加減にしなさい。という稿を上げたが、この記事はもっとひどい。

 マスコミがJR西日本を叩くのを見て、自分も「正義の味方」の大義名分で、その実、単なる憂さ晴らしをする人間がこんなに多いのか。

 マスコミの大衆操作は、こと、blogの世界では上手く作用しておらず、むしろ逆で、インターネットの世界では、マスコミを叩く人が多く、世間の良心に安心したのだが、この記事を読んで、悲しくなった。

 云うまでもないことだが、「女性運転士がホームで蹴られ、線路の落ちそうになった」というのは、これだけで明らかに暴行罪(2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金または拘留若しくは科料)である。

 けがをしたら傷害罪となり、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金となる。

 云うまでもなく、これは、刑事責任のみに注目したのであり、これとは、別個に民事上の責任が生ずる。

 つまり、この運転士がけがをした結果、必要とした医療費、入院、手術を必要とすることになったら、けがをさせた人間にその費用の損害賠償請求訴訟を起こすことが出来る。そうなれば、これらの費用に加え、務めを休んだことによって失った、「得べかりし利益」(働いていたら、得られたはずの給料)や、訴訟費用も払わねばならなくなる可能性が高い。

 刑事責任に話を戻すが、この女性運転士が線路に転落しそうになったときに、もしも、列車がホームに入りつつあるタイミングであり、女性運転士を蹴った人間がそれを認識していたら、殺人罪の未遂の刑事責任を問われる可能性が十分にある。ただでは済まない。


◆コメント:要するに、マスコミと世間は、JR西日本幹部の誰かが自殺するまで許さないつもりなのか。


 

 とんでもないことを書くようだが、じつは皆、意識しているはずである。

 垣内剛JR西日本社長のあの憔悴ぶりを、演技と見る人もいるようだが、私には、そうは思えぬ。

 実際に何件、被害者宅を訪問し、何回土下座したか分からぬが、その中のかなりのひとから、人間の屑の様に罵倒され、土下座している画像を、マスコミは頼みもしないのに、全国に放映する。

 自分が彼だったらと、想像してみると良い。耐えられますか?

 記者会見の席での、垣内社長の土気色の顔色と、やや虚空を漂うような目はあたかも亡霊のようである。

 マスコミはそれにとどめを刺すかの如く、情け容赦無く語気を荒げて、詰問する。この光景を見て恐ろしいと感ずるのは私だけであろうか?



 何故恐ろしいのかと言えば、マスコミ、ひいては世論が暗に、垣内社長か他のJR西日本幹部が自殺することを「予想」もしく「期待」していることを感ずるから、である。

 何故そう感ずるのか?過去に何度も、鉄道事故ではないが、似たような例があるからだ。

 日本社会には、「死ねば許す」という、甚だ、残酷な一面がある。

 自殺はいかん。死んでも責任は取れないなどというのはきれいごとだ。そういう人は、現代日本史を調べてみればよい。

 戦後の疑獄事件の度に、自殺者がでる。ロッキード疑獄、安宅産業、イトマン事件の時など、何人死んだか、分からない。

 これらの事件では、今回の鉄道事故のように、人が何百人も死んだわけではない。それでも、こういう結果を招く。 世間の無言の圧力により、実際には何も悪いことをしていない、政治家の専用車の運転士まで、自殺「させられる」。

 そして、死ぬことにより「みそぎ」を済ませると、彼が属する集団へのマスコミや世間の風当たりは、急速に弱まるのである。



 また、イラクで人質に取られ、生きて帰って来た、高遠さんら3人は、日本に帰国してから、散々な「リンチ」を受けたが、その後、同じイラクで人質に取られて殺された故・香田証生君には何の非難も無かった。

 客観的にみれば、高遠さんの1件があって、それでもなお、「自分探し」の目的でイラクに入った香田氏の方が一層非難されてもおかしくないのに、死ねば、全てが許される。それが日本人の社会なのだ。

 今回は、実際に、事故により、100名を超える人が亡くなった。

 私には、マスコミは、さすがに口には出さないが、「誰かが死んで、当たり前」若しくは「死ぬべきだ」と、考えているように見える。

 そうなるのは、それなりの精神風土が日本社会にあるからで、私は、大変良くないことだと考えている。

 だから、JR西日本を叩きすぎてはいけない、と書き続けている。

 念のため書き添えるが、人に自殺をしろ、と云ったり、その実行を容易にするようなことを行うのは、いずれもれっきとした犯罪である。

 刑法第202条、自殺教唆及び自殺幇助。まとめて、「自殺関与罪」という。

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過密ダイヤないか確認求める=鉄道31社に指導-国土交通省←マスコミは問題を指摘しないのですか?

◆記事1:過密ダイヤないか確認求める=鉄道31社に指導-国土交通省

 

 JR福知山線脱線事故を受け、国土交通省は6日、全国の鉄道31社に対し、列車ダイヤに無理がないか緊急点検するよう各地方運輸局を通じて指導した。JR西日本で不備が指摘された列車自動停止装置(ATS)についても、今月末までに基準を満たしているか報告を求めた。

 同省によると、列車ダイヤは最高速度や曲線区間の速度制限、旅客の乗降時間などを基に鉄道各社が独自に算出。作成する際には一定の余裕を持たせるが、実際に無理がないかの確認を求める。 (時事通信) - 5月6日22時1分更新


◆コメント1:こういうところでマスコミが問題点を指摘するべきなのです。

 

 この記事を読んで、どこか、おかしいと思いませんか? 

 国交省は、「鉄道各社にダイヤの点検を命じ」た、とありますね?

 私は、そもそもダイヤが過密になるのは、それなりの需要が有ったからであり、鉄道会社の「手落ち」と解釈するべきではないと思うのです。 

 しかし、今は、そのことには目をつぶるとして、よろしい。国交省が、他の鉄道会社が、福知山線と同じような「無理な運行ダイヤ」を組んでいないか、点検しろというのです。

  ここが、おかしいですね。

 列車のダイヤなどというものは、国交省が自分で調べられるのに、各鉄道会社に「調べて今月末までに報告しろ」と云っているのです。

 時刻表なんて、今やインターネットで調べられますね。国交省は何故、手元でさっさと調べないのでしょうか?

 それとも、インターネットに載っているダイヤは実はウソで、それとは別に「本当の運行予定表」が存在するのでしょうか?

 その可能性は低い。インターネットや、今でも昔ながらに全国の駅のキオスクで販売している紙の「時刻表」と、実際の電車の発着時刻がまるで違っていたら、時間にうるさい日本人ですから、必ず何かクレームが付く筈です。

  だから、ダイヤは国交省が、鉄道会社からの報告を待つまでもなく調べられるはずなのです。

記事には、「実際に(ダイヤに)無理がないかの確認を求める」とありますが、それを調べるのは監督官庁であるべきです。


  しかも、その報告の提出期限。 

  鉄道会社がこの点検結果を報告する期限は、5月末となっています。まだ24日間もありますね。その間に、事故が起きたらどうするのですか?

 「本当に、事故を誘発するほど危険な運行ダイヤがあるかもしれないのならば、国交省が一日も早く、自ら動いて、調べるべきでは無いか?」という疑問が生じなければなりません。そこで、「国交省の『緊急点検』は少しも『緊急』ではないではないか」 という批判を行うのが、マスコミの仕事でなければなりません。

 ボーリングや宴会に出ていたJR西日本の職員のうち何人が事故の深刻さを認識していたか、などと云うことよりも、よほど重要な事柄なのです。


◆コメント1(続):ダイヤに問題が有ったら、どうするのか?

 そもそも、調べるまでもなく、大都市は程度の差こそあれ、「過密ダイヤ」で運行していることは、日本中の多くの人が知っています。
  福知山線のダイヤが過密で有るとするならば、東京の山手線なんて、どうなるのでしょう?「超過密ダイヤ」です!。
  東京か東京近郊に住んで、ラッシュアワーの山手線に乗ったことのある人ならば、分かるでしょう。

  特に、日本一、乗降客が多い新宿駅の山手線のホームに立ってみれば、分かります。1分~1分半間隔で電車が入る。そのたびに何千人もの人が乗降し、遅れることなく、発車するのです。列車間の間隔は常に、1km~2kmでぎっしり詰まっているはずです。単純にこの数字を見れば、明らかに危険なのです。しかし山手線は、何十年も一回も衝突事故を起こしていません。

  こういう場合は、どのように判断するのでしょう?国交省は、「山手線の運行列車本数を今の2分の1にせよ」、という「業務改善命令」を発するのでしょうか?そんなことをしたら、大変なことになります。多くの人が会社や学校に間に合わなくなる。それで良いのか?

  このように、「過密ダイヤでないか報告を求める」とは、一見、妥当な対策に聞こえますが、運行ダイヤに関しては、「問題」が有ったとしても、現実を考えると、そう簡単に解決できる話ではないのです。マスコミはこういうところまで踏み込んで、報道して頂きたい。


◆記事2:ATS装置にも速度記録=数十秒間、詳細な経過解明へ-JR福知山線脱線事故調

 

 兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は7日、先頭車両にあった列車自動停止装置(ATS)の関連機器に、数十秒にわたり速度記録が残されていたことを明らかにした。

 計測位置の特定も可能なことから、事故調は脱線時のスピードや衝突に至る詳細な経過を解明する手掛かりになるとみて調べている。 (時事通信) - 5月7日19時0分更新


◆コメント2:今分かっている事実は、「事故原因は不明である」ということだけだ。

 

 私はここ数日、同じことを書いているので、くどいのですが、大事な認識だと思うので、繰り返します。

  要するに、今なお、「何が原因で事故が起きたのか、全貌は解明されていない」という一点だけが、明らかな事実なのです。

  「何が原因が分からない」からこそ、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、ATS関連機器に記録された、事故車の位置と速度の変化を詳細に調べる必要がある、と、云っているわけですね。原因が既に分かっているのならば、そんな、面倒くさいことはしないですね?

  原因は、不明なのです。ですから本当は、JR西日本の管理責任云々を述べるのは、時期尚早なのです。


◆記事3:「JR西ええじゃないか踊り」朝日新聞5月6日付コラム、「素粒子」

 

《素粒子》 2005年 5月6日(土)付

 JR西ええじゃないか踊り。

 ①事故原因は置き石で、ええじ ゃないか、ええじゃないか。

 ②役員が賞与を返上すれば、ええじゃないか、ええじゃないか。

 ③乗り合わせた運転士がさっきと脱線現場を離脱しても、ええじ ゃないか、ええじゃないか。

 ④隣で死傷者多数出ようとも、 ボウリング遊びと飲み会で、ええじゃないか、ええじゃないか。

    ×   ×

 万太郎急逝して42年。 <湯豆腐やいのちのはてのうすあかり>


◆コメント3:散々JRの社長を怒鳴りつけて取材をしていたジャーナリストさんが、一番不謹慎ですね。  

 朝日新聞という新聞は、若い頃に読んだことがあるが、最近は随分長いこと読んでいないのです。

 不愉快になるからです。

 ですから、私はこの記事(?)が掲載された紙面を手元に持っておりません。ネット経由で入手した情報です。しかし、何回かクロスチェックしたので、記事3の内容は間違い無く、金曜日の朝日の夕刊に載っていたはずです。

 これを書いた人間は、時事風俗を、「エスプリを交えて」「巧みに風刺」したつもりなのでしょうか?

 これは、冗談にも何もならない、単なる悪ふざけです。

 朝日新聞にJR社員が宴会をしていた、と非難する資格は無い。この「コラム」を読んだ遺族で不愉快にならない人がいたら奇跡です。

 朝日新聞は、「正義の味方」のフリをして、実はこの鉄道事故が起きたことにより、とっておきの「ネタ」、これだけで当分食っていける「ネタ」が出来たことを、世の中で一番喜んでいる連中なのではないでしょうか?

 とにかく、問題外。言語道断。

 なお、問題の「素粒子」の最後にある「万太郎」とは、小説家、戯曲家、俳人の久保田万太郎(1889年~1963年=明治22年~昭和38年)のことです。

 「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」は万太郎の俳句の代表作で、これ自体は別に不真面目なものではありませんが、この日のコラムで引用する意味が、私には良く分からない。 

 とにかく、この日の「素粒子」を書いた奴はバカに相違ありません。

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2005.05.07

マスコミがJRを追い詰めすぎだ。運転士が緊張しすぎて却って危険だ

◆記事見出一覧:全国のJRで、オーバーランが続出(日付は記事日付)


  • 4月30日JR西、またオーバーラン 6日連続、見習い運転士が。(共同通信)

  • 5月3日 常磐線 170メートルオーバーラン 運転士「考えごとしていた」(産経新聞)

  • 5月4日 指導運転士もオーバーラン JR西、同じ電車が2度 (共同通信)

  • 5月4日 <オーバーラン>JR山陽、東海道線で1時間半に3件相次ぐ (毎日新聞)

  • 5月5日 150メートルオーバーラン JR中央線 猿橋駅で (共同通信)

  • 5月5日 大和郡山駅でもオーバーラン=車両数勘違い-JR西日本 (時事通信)

  • 5月5日 JR奈良線でオーバーラン 10メートル行き過ぎ 黄檗駅で (共同通信)

  • 5月6日 北陸線で45メートルオーバーラン=見習い運転士、タイミング遅れる-JR西 (時事通信)


◆コメント:JR職員を過度に緊張させることにより、新たな危険が生じている。

 

 マスコミは相変わらず、JR西日本の職員が、事故当日にボーリングをしていたとか、宴会を開いていたとか、詰まらぬことを追いかけている。

 情けない。全ての新聞社がゴシップ誌になってしまったのか。今頃、何を言ったところで、仕方がない。



 事故以来、マスコミの取材の仕方はあまりにも傲慢かつ殆ど恫喝的である。

 記事1でここ一週間のオーバーランの見出しだけを拾ったが、普段からこれほどオーバーランが起きているとは考えにくい。

 尼崎の事故以来、JR西日本のみならず、日本中の電車(地下鉄を含む)の運転士が普段より緊張しているはずである。 

 「万が一にでも事故を起こしたら、自分も叩かれるし、会社にあれほど迷惑をかけるのか」、という殆ど「恐怖心」に近い心理、或いは恐怖心そのものが、日本中の電車の運転士に過度のプレッシャーを与えているのだろう。

 仕事に緊張感は確かに必要だが、緊張しすぎると、普段出来ることも出来なくなってしまうのが人間であることぐらい、誰でも分かるだろう。

 その意味からも、マスコミは冷静な報道をするべきだ。

 そもそも、あの横暴な口の利き方。あの興奮した様子。

 冷静さを失った人間に、客観的な記事が書けるのだろうか。


◆事故原因は特定されていない。

 事故の原因は未だ分からない。



 1985年8月12日に日航123便が墜落した直後から、日本航空社員への風当たりは強く、亡くなった機長の奥さんのところにまで、「良くおめおめと生きていられるな」などの嫌がらせが殺到した。

 しかし、事故の最終報告書によれば、事故機は、以前、着陸時に尾部を地面にぶつける、いわゆる「尻餅」事故を起こした経緯があった。

 日本航空は、その修理を飛行機の製造元であるボーイング社に依頼した。

 ボーイング社は、圧力隔壁を修理する際に、マニュアルの指示では3枚の板に両側からリベット(釘のようなもの)を反対側に貫通するまで打ち込まねばならなかったのだが、実際には、貫通せず、途中までしか打ち込まなかった。

 このため、その後、長い時間をかけて隔壁にヒビが入り、ついに事故当日、圧力隔壁が破壊され、その壊れた隔壁の一部が油圧系統のパイプを全て切断し、飛行機をコントロール不能にしてしまった。という事情が判明した。

 圧力隔壁の状態まで機長に把握せよというのは無理である。日航123便の墜落の責任は機長には、無かった。

 このように、ずいぶんと時間が経ってから意外な事故原因が浮かび上がることが、実際にあるのだから、まだ、完全に運転士の運転ミスと断定して良いのかどうか、わからない。

 実際、こういう記事もある。

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◆列車脱線・ストッパーに異常な傷跡

 

 事故の衝撃で折れ曲がった旋回運動を抑えるためのヨーダンパー。

 車体の極端な上下運動を防止するストッパーに異常な傷跡があったことが6日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで分かった(同委員会提供)(時事通信社)21時27分更新




 専門家では無いので、このことに関しては詳細は分からないが、「車両自体の欠陥、金属疲労の類が原因ではない」とは、完全に言い切れない、ということではないだろうか。


◆フェアな報道を希望する。

 今回の一回の事故が全てであるかのような錯覚を受けるが、統計によれば、鉄道事故による死者数は過去数十年にわたって漸減もしくは、ほぼ低位で安定していることは、国交省の「鉄道運転事故による死傷者の推移」というこのグラフを見れば、一目瞭然である。

 昭和50年の3分の1に減っている。

 勿論、この資料は、JRのみならず、日本中の鉄道事故に関する統計であるから、厳密にはJR各社の事故件数推移は分からない。しかし、JR各社の旅客の合計が日本最大であることは容易に推察可能であり、JRの事故が増えていれば、これほど、事故件数は減らなかったはずである。

 しかし、何が何でもJRを「悪者」に仕立て上げたいマスコミ各社はこのような統計には全く触れない。 これは、不公平である。

  本来、こういうことを書くことこそが、マスコミの仕事であり、素人は理屈も分からず興奮している、というものである。

 今や、様々なblog等を拝見すると、一般人の方がよほど落ち着いて、論理的に思考しているのに、マスコミは完全に頭に血が上って、JR西日本社長を怒鳴りつけている。

 いくら何でも口の利き方があるだろう。

 物事を伝えるプロと素人が逆転しては困るのである。

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2005.05.05

「心のケア相談100件超す 救急隊員も」「脱線事故で家族失った小中学生24人、心のケア実施へ」

◆記事1:心のケア相談100件超す 連休中も窓口開設(神戸新聞ニュース 5月3日)

 尼崎JR脱線事故を受けて、兵庫県や地元市が設けた「心のケア」の特別相談が、二日までの六日間で百件を超えたことが分かった。県や尼崎、西宮、神戸市は相談窓口開設を連休中も継続し、それぞれ八日まで延長する。

 県によると、こころのケアセンターなどに寄せられた相談は七十一件。本人からは「連休明けに電車に乗るのが怖い」「一人でいるのが怖い」などの訴えが多いという。家族からも「(本人と)どう対応していいのか分からない」などの相談があった。

 また、現場となった尼崎市の保健所には二日までに、事故の負傷者やその家族、救急隊員らからの相談が三十二件。

 そのうち頭痛、吐き気など身体症状は三件、「夜眠れない」「事故の光景が何度も浮かぶ」などの精神症状は二十九件という。

 また市民が多数犠牲になった西宮、神戸市も数件の相談があり、窓口を八日まで延長する。

 時間はいずれも午前九時から。電話番号は下記の通り。


  • 県こころのケアセンター TEL078・200・3010(午後5時まで)

  • 尼崎市保健所 TEL06・4869・3016(午後5時半まで)

  • 西宮市保健所(江上町) TEL0798・26・3160(午後5時半まで)

  • 西宮こころのケアセンター(戸崎町) TEL0798・63・3318(午後4時半まで)

  • 神戸市こころのケアの特別電話相談 TEL078・672・1556(午後5時まで)


◆記事2:脱線事故で家族失った小中学生24人、心のケア実施へ(読売新聞) - 5月5日8時30分更新

 

 JR福知山線の脱線事故で、親やきょうだいを亡くした小中学生が少なくとも24人に上ることが、4日わかった。

 子どもたちの深い喪失感は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)につながる恐れもあり、各市町教育委員会は連休明けにカウンセラー(臨床心理士)を派遣し、ケアを進める方針だ。

 同線沿線の各市町教委が公立小中学校を調査したところ、親や兄、姉が犠牲になった小学生は14人、中学生は10人だった。

 阪神大震災で家族を失った遺児のケア施設で顧問を務める清水将之・関西国際大大学院教授は「学校を中心に長期的に見守る体制を築くことが重要」と話している。 (読売新聞) - 5月5日8時30分更新


◆コメント:ボーリング大会など、どうでも良い。遺された人々の心のケアに注力せよ。

 

 阪神淡路大震災の後、PTSD(心的外傷後ストレス障害 Post-Traumatic Stress Disorder)が、日本でも知られるようになったが、元々はベトナム帰還兵症候群と呼ばれていたものだ。

 人間は、極度の外傷的な猛烈なストレス(=トラウマ)を受けると、数週間から、数ヶ月後に、そのトラウマを、突然、思い出したくないのに、思い出してしまい、これをフラッシュバックというのだが、恐怖でパニック状態に陥ったり、吐き気やめまいを起こしたり、本当に倒れてしまうこともある。

 今は、事故から10日ほどしかたっていないので、まだ、PTSDとは言えず、「急性ストレス反応」(Acute Stress Reaction)と呼ばれるものだが、電話相談者の言葉にある「事故の光景が何度も浮かぶ」などは、PTSDの症状とほぼ同じである。

 PTSDの専門家が書いた本によると、精神的外傷となるようなストレスを受けた場合、つまり、今回の事故の現場に立ち会った人、生き残った被害者、家族を失った遺族、現場で救助作業に携わった人で急性ストレス反応を示している人は、早期治療を行わないと、PTSDに移行してしまうおそれがあると言うことだ。

 記事1にあるとおり、救助隊員で電話相談に悩みを訴えてくる人も多いという。これは、今回に限ったことではなくて、この職業の人々にはしばしば起きることだ。

 人を助けた人が自分が心の苦しみを負うというのは、誠に気の毒であり、何とか早く治療して欲しい。

 人間、見た目にけがをしていなくても、健康とは限らない。「心の大怪我」も、肉体のそれと同様に、緊急の治療を必要とするのである。

 何故なら、最近読んだのだが、極度のストレスは「脳を壊す」のだという。

「壊す」とは、脳内の神経細胞が新しく生まれなくなるということだ。日本の研究者が突き止めた。

 

◆PTSD、脳を「壊す」 ストレスで神経新生せず (北国新聞 2005年3月11日)

 恐怖体験で起こる心の病「心的外傷後ストレス障害」(PTSD)で、ストレスを受けてから五日後に突然、脳内の神経細胞が新しく生まれなくなることを、金大大学院自然科学研究科・薬学部の米田幸雄教授(神経化学)がマウス実験で突き止めた。

 ストレスが「脳を壊す」ことを明らかにしたのは世界で初めて。

 PTSDの治療法の開発につながる成果として期待されている。

 というわけで、何と言うことであろう。PTSDは脳を破壊するのだ。

 大人を軽視して良いというわけではないが、記事2に載っている、大人ですら耐えきれぬほどの精神的苦痛を受けた、親を失った子供達のこころのケアには念には念を入れるべきである。


◆コメント(続き):政府は専門家を組織して急派すべきだ。

 

 すっかり忘れていたが、事件が起きた日、首相官邸には対策委員会だか、調査室というものが発足したはずである。

 ところが、事故から数日間は、午前と午後に行われる官房長官の記者会見で、事故に関して判明したことなどを発表しているが、4月28日(木)午前を最後に何も言わなくなっているのである。何という無関心。

 小泉首相は、現在、南西アジアとヨーロッパを歴訪しており、のんびりした顔をしている。

 その出先から、尼崎の惨状に対して特別な配慮をしているように見えない。本当に、この国の指導者は肝心なときに役に立たない。

 前段で述べたとおり、事故現場に居合わせた各方面の人々、或いは被害者の遺族、事故で親を失った子供などは、緊急の精神医学的治療を必要とするのである。

 しかも、精神科なら誰でも良いというものではない。精神科医にも専門分野が有る。その中で、PTSDの専門家は日本に少ないのだから、それだけに、このような緊急事態には、指導者の鶴一声で、彼ら専門家をまとめて、スペシャルタスクフォースとして、現地に送り込むぐらいの配慮をするべきである。



 思い出した。5年前の5月3日、西鉄バスジャック事件が起きたのだ。

 あの時のバスの運転士さんは、自分から数メートルの場所で乗客が少年に喉を掻き切られて、血しぶきを上げて亡くなった、そのあまりにも悲惨な光景が忘れられず、それきり、バスの運転席に座れなくなり、ついに、退職したのだった。今でも、フラッシュバックがあるという。

 それは、そうだろう。ベトナム帰還兵は30年経ってもフラッシュバックがあるというのだから。

 だからこそ、一刻も早い、治療の開始が必要だ、と、私は先ほどから繰り返しここで書いているのである。



 人間の記憶は皮肉なものだ。

 覚えたいことはなかなか覚えられないのに、 忘れたいことは、忘れられない。

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2005.05.04

「被害者の知人」だといって、JR職員をこづき回している男がいた。いい加減にしなさい。

◆被害者側の立場に「のみ」立った扇情的報道、行動は止めろ

 

 今日の夕方、日本テレビのニュースを見ていたら、ひどい映像に出遭ってしまった。

 先週の列車事故の被害者の「知人」だ(遺族ではない)と称する男が、現場の献花台に控えているJR西日本の職員の頭を小突き、髪の毛を掴んで揺さぶり、挙げ句に胸ぐらを掴んだ。その間、ずっと聴くに堪えない罵声を浴びせているのである。

 「ワシの知り合いはのー。おまえらに殺されたんじゃー。よくも平気で生きていられるなおまー。挙げ句に運転手が(事故列車に)乗っていたのにそのまま逃げたそうやないかー。敵前逃亡やでー。」という調子である。


◆あら探しもいい加減にしろ。

 

 被害者の知人? それが何を偉そうに?

 なんだよ、「敵前逃亡」ってのは?

 どの新聞もマスコミも申し合わせたように、事故車に乗っていた運転士が救助活動をせずに、業務に向かったことをけしからん、と云う。

 それは、おかしい。

 運転士であり、自分の乗務があれば、普通そちらに向かうだろう。

 行かなかったら、出るべき電車が出なくなる。そうなったらなったで、マスコミや世間は文句を言うに違いない。

 「現場で救助活動にたずさわり、自分の乗務を忘れた運転士が二人いた」と。



 自分に当てはめて想像してみることだ。

 現場から勤務に向かった二人の運転士がけしからんという人。仮に、自分が運転士でなくてもよい、今の職業で現場に遭遇し、その朝大事な会議があったとして、自分が欠席したら会議にならないという状況で、おまえさんは、「自分ならば、それでも救助を優先した」と、全く迷うことなく言い切れるのか?


◆「被害者側の人間なら」暴行を働いてもよいのか?

 

 日テレのニュースに映ったオヤジのけしからんことは、罵声を浴びせるばかりでなく、JR西日本の職員に対して、明らかに物理的に暴力を振るっている、と言うことである。

 この様子では、多分、テレビではさすがにまずいというので放映しないが、本気でJR職員を殴った奴が、何人もいることだろう。

 しかも、遺族でもない。被害者の知人だという。JRの職員が絶対に口答え出来ないこと、抵抗しないことを知った上でやっているのだ。

 事件が悲惨だったら、「被害者側」の人間は何を言っても、何を行っても許されるのか?

 今度殴られたら、JR職員は警察を呼べばよい。暴行は歴とした犯罪だからだ。人を殴った人間は、暴行の罪で刑罰を受けるのだ。

 「被害者の知人」だからJR職員に暴行を働いても良いのか?

 良くない。全く良くない。たとえ遺族でも、良くない。

 被害者側の人間ならば、JR職員に暴行を働いても構わないというのであれば、全ての被害者の勤務先の全社員、通学していた全ての学校の全学生は、無条件で、JR西日本の職員をぶん殴っても良い、という理屈になる。そんな無法な状態が許されないことは自明である。

  事件の悲劇性と、暴行の違法性とは全く別個の問題である。

 そして、「自力救済の禁止」(仕返し、仇討ちをしてはならない、ということ)が近代法治国家の大原則であることぐらい、高校生でも知ってるだろう。

 事故が起きて辛いのは、遺族だけではない。 

 JR西日本の職員やその家族まで、肩身の狭い思いをしているのだ。その一人一人には責任はないにも関わらず。

 それなのに、家族は、嫌がらせを受け、子供が学校で虐められたりしている。

 繰り返すが、JRは決して抵抗・反論出来ないと分かっていて、これに対して様々な精神的・肉体的苦痛を加えるのはいくら事件が悲惨だったからと言っても、卑怯だし、法的にも許されない行為なのだ。


◆扇情的な報道が、さらに感情的な行動を惹起している。

 

 腹立たしいのは、JR職員に暴行を働く男ばかりではない。、献花台に立っていたJR西日本の職員が殴られるのを、「これは美味しい画像(え)だ」(嫌な言い方だが、これがマスコミの本音だろ?)とばかりに、カメラに納め、暴行を止めなかったテレビ局の職員。そういうのを下司(げす)な根性というのだ。

 単に下司では、済まない場合もある。

 法的責任が問われるかも知れないのだ。幇助(ほうじょ)という。

 状況によっては、暴行罪の幇助犯(共犯の一種、他人の犯罪の実行を容易にすること。見て見ぬふりをして、暴行を止めなかっただけで、幇助とされた判例もある)になるかも知れない。

 法的云々はともかく、このような映像を流しておいて、これはいけませんね、という「キャスター」はいなかった。

 つまり、少なくとも日本テレビは、この暴力を妥当であると考えているのだろう。その態度が間違っている。


◆繰り返す。客観的事実だけを伝えよ。

 一昨日書いたばかりだが、マスコミは、視聴率を求める余り、センセーショナリズムに走るべきではない。それは、不幸な人間を増やすだけだ。全く関係の無い視聴者まで、不快にするだけの情報を流すぐらいならば、事件の最終調査結果が出るまで、何も伝えない方が良い。

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ピアノの本当の美音。アシュケナージのモーツァルト

◆ウラディーミル・アシュケナージ

 

 今シーズンからN響の音楽監督は、ウラディーミル・アシュケナージという人です。旧ソ連から亡命した人です。

 その半生記を書くと長くなるので割愛します。

 とにかく、世界中の音楽ファンなら誰でも知っているこのような超有名人が、ついに日本のオーケストラの指揮者になったのかと思うと、30年間N響を聴いてきた私にとって、感無量です。

 自分で書くのも何ですが、聴く側だといっても、30年っていうのは並じゃないですよ。

 N響の今の若い楽員さんが生まれる前から、聴いているんだから。下手したら、彼よりはN響を知っている。

 なんてね。勿論弾く側の苦労に比べれば、大したことは有りません。



 さて、アシュケナージは、もともとピアニストです。最近、なんでも「超」をつけますが、この人が世界的にみて、「超一流」のピアニストであることは、好みの問題を通り越して、誰もが認めざるを得ないでしょう。

 アシュケナージのピアノは何がすごいか。勿論テクニックはある。それは、もう滅茶苦茶に上手い。

 しかし、何よりも彼を世界的たらしめたのは、その唖然とするほど美しい音色です。


 楽器は不思議なもので、同じピアノを弾いても、一人一人、違う音色がするのです。科学的にどう解釈するかは音響物理学とか何とかいう学者さんの分野でしょうが、要するに、同じフェルトを貼った、木のハンマーが鋼鉄の線を何トンという力で張ったものを叩くわけです。

 そのハンマーアクションの構造というのはとても複雑で、「よくもまあ、こんな仕組みを考えたものだ」と思います。

それはさておき、このハンマーは勿論、ピアニストが鍵盤を押さえることによって動くわけですから、動き出してから、弦(ピアノ線)に当たるまでの、わずかな加速度の違いが、音色の差になっているものと思われます。


◆モーツァルトピアノ協奏曲23番、27番の一枚は死ぬほど美しい。

 

 理屈はこのぐらいにして、それでは、アシュケナージの美音を堪能するのに、何から聞くのがよいかというとですね、簡単に選ぶのなら、ショパン夜想曲全集ですね。

「夜想曲」とは、「ノクターン」を日本語にしたものです。

 これはもう、どうにもこうにも、文句の付けようがない。

 日本の音楽評論の第一人者で、吉田秀和さんという方がいらっしゃいますが(ホロヴィッツが初めて日本に来たとき、あまりにひどい演奏だったんですが、これを「ヒビの入った骨董品」と形容したことで有名です)、吉田さんは、「このCD集の唯一の欠点は、全てが、あまりにも完璧な演奏であることだ」と言ったぐらいなのです。

 ちなみにこういう、沢山の曲が入った全集を聴くとき、真面目に最初から全曲通して聞く必要は全くありません。

 好きなところから聴いて、好きなところで止めればよいのです。

 それで、例えば、DISK2の8曲目、夜想曲第20番嬰ハ短調ってのを聴いてください。「戦場のピアニスト」で有名になったそうですが、私は見ていないのでしりません。とにかく、圧倒されます。そう、圧倒されるんですね。



 これに対して私は、まず、ショパンよりも先にモーツァルト:ピアノ協奏曲第23番&第27番をお奨めします。これは、「圧倒される」というよりも、「優しく包み込まれる」という感触です。参考までに書きますが、これはコンチェルトの「弾き振り」です。つまり、アシュケナージがピアノ協奏曲のソロを弾きながら、自分のパートが休みの時には、オーケストラを指揮しているのです。

 私は、この演奏を聴いたときに、「この世にこれほど美しいピアノの音色があったのか!」と思いました。

 曲は勿論素晴らしいです。モーツァルトってのは、駄作が無いのです。その中でも、この2曲は特に有名な部類に属します。ここのAmazonのカスタマーレビューの人と奇しくも私も同じことを思いました。

 つまりですね。この後、モーツァルトのピアノ協奏曲23番が大好きになりまして、いろんな古今東西の演奏を聴いてみたのですが、どうしても、このアシュケナージほど美しいピアノの音は聴けないのです!

 最初にこういう、本当の超一流の大天才が書いた名曲を、超一流の演奏で聴かないと、損です。間違った尺度が出来てしまう。

 ここから後は、書こうかどうしようか迷ったのですが、相手はカネを取っているプロだからはっきり書かせていただきます。

 このごろ、なんとかヘミングなんてオバサンがもてはやされています。これも、テレビの影響です。しかし、違う。あの人は技術もなければ美しい音も無い。

 ああいうのを褒める人は、忌憚なく言わせてもらいますが、ピアノを知らない人です。

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2005.05.03

マスコミ取材の見識 尼崎鉄道事故から1週間

◆尼崎事故から1週間であることぐらい分かっている。

 

 今日のマスコミ報道は、予想していたこととは云え、「事故から1週間を経て、悲しみから到底抜け出せない家族」や「JR西日本幹部を怒鳴りつける家族」の映像を流し、如何にも沈痛な、偽善的なトーンでナレーションを加えていた。

 新潟中越地震の時にも、マスコミ各社は顰蹙を買っていた

 今回も同じようなことをしているような気がしてならない。

 遺族が「どのようなお気持ち」か、普通の人間ならば、訊かなくても、想像できる。

 遺品を手にして泣き崩れる姿を全国に放映されて嬉しい遺族がいるわけがない。

 同情するフリをして、結局数字(視聴率)が取れる画像を編集することに血道を上げている。


◆JR西日本の経営責任

 

 JR西日本に関して、「過密なダイヤを組み、過度に収益を重視した経営体質が、無茶な運転を運転士に強いた」ことがやたらと強調されている。

 どうやら、人材の育成の面で長期的展望に欠け、30代の中堅がおらず、若手の社員が、粗製濫造気味に運転士にさせられていたということらしい。

 そうだとしたら、それは、問題であろう。

 だが、事故調査の最終報告が出ていない時点で、状況証拠だけで、どこまでもボコボコに叩くというのは、どうか?

 鉄道会社が安全を軽視して良いわけがないが、民間企業である以上、収益を重視しなかったら、バカであり、株主に訴えられても仕方がない。

 安全だけを重視するならば、全ての列車を時速30km以上で走らせないようにすれば、脱線はしないだろうが、そんなことをしたら、乗客が暴動を起こすか、全て阪急に取られていたであろう。

 過密ダイヤはけしからん。だが、安全性を向上させた上で、今後も同じ頻度、ダイヤで運行せよ、というのは、論理的に無理がある。

 何でもよいから、JRさえ叩けば数字が取れるという、マスコミの計算が働いている。

 「新幹線並の、つまり、過速度を感知したら、自動的に制動をかける、ATSの導入が望ましい」、というような多少なりとも建設的な論説は出ないのか。


◆マスコミに人を裁く権利はない。

 

 テレビニュースを見ていて気になるのは記者だかなんだかしらないが、JRの社長や社員に向かって(彼らは未だ刑事被告人でもなければ、起訴もされていないし、それどころか、逮捕もされていないのである)、怒鳴りつけるような口調で質問していることだ。

 あれでは、質問というよりも、尋問、取り調べである。

 それは、マスコミの仕事ではない。司法警察員の仕事である。

 司法警察員であっても、検挙した人間を無闇に乱暴に人間の屑のように扱って良いとは、六法全書のどこを見ても書かれていない。


◆当事者が感情的になるのは無理もないが、マスコミが煽るべきではない。

 

 要するに、マスコミは「本当に確かに判明したこと」と「まだ、判明していないこと」を峻別して分かりやすく報道するのが第一の任務であり、それを見てどう判断するかは、視聴者に委ねられるべきなのだ。

 ところが、マスコミ、それも特に、「視聴率」という呪縛にとらわれた民間放送局は、事実を必要以上に感情的に描写して、冷静な判断の妨げになっている。

 JR西日本が使命感に欠けている、と批判するマスコミは、自らの使命は何かを今一度熟考する必要がある。

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2005.05.02

「バグダッド・バーニング―イラク女性の占領下日記」というサイトと本があります。

◆日常にかまけて忘れそうになるが、イラクでは今日も人が殺されている。

 

 尼崎の鉄道事故で100名を超える方が亡くなり、中には大勢の若者がいた。

 若いお嬢さんで、早くに母上を亡くされ、父上と兄上の面倒を見ながら(つまり、主婦の役目を果たしつつ)勉強し、ようやく少し余裕が出来て、生まれて初めての海外旅行(韓国)に行く、楽しい日々が始まるはずのときに、空港へ向かうためにあの電車に乗り合わせたが為に、ささやかな幸福も奪われた。

 留守中、家族が不自由しないように、電子レンジの使い方とか、納豆のかき混ぜ方とか、細々としたことをメモにして残していった、優しいお嬢さんであった。

 ご本人と家族の無念を思うと、胸が苦しい(私は今、本当に苦しいのである)。


◆事故で亡くなった人が気の毒なら戦争で毎日人が死んでいることをも思い出すべきだ。

 

 日本人が、まず、日本国内の出来事に目を向けるのは自然なことであるが、テレビ・新聞・インターネットを少し読めば、例えば中東では、毎日人が死んでいることが分かるはずである。

 イラク戦争が始まってから、今日までで773日になる。

昨年、2004年10月29日にイラク戦争が始まってから死亡したイラク人の数が10万人を超えたというニュースが流れた。

その後も、死者数は増え続けている。現在は戦争というよりも、内戦に近いけれども、いずれにせよ、人が死んでいることには変わりはない。


◆イラク戦争を開始したのはアメリカである。

 

 2003年3月20日にイラク戦争を開始したのは、アメリカ合衆国である。

 この戦争に正当性は無かった。

 そもそも、現在の国際社会では、戦争は原則的に違法行為なのである。

 その根拠は、国連憲章という国際法である。これを読むと、国際紛争は、平和的に解決しなければならないということが明記されている。

 但し、例外、つまり武力の行使を容認するケースが2つだけある。

 1つは、自衛権を行使する場合(第51条)。

 他国が侵略してきて、これに対して自国民を守るために武力を用いることはやむを得ない。日本の国内法(刑法)になぞらえれば「正当防衛」である。

 もう1つは、やたらと好戦的で、他国への攻撃を行いあるいは、他国を侵略する国が有った場合、これを鎮めるためには、国際社会が団結して武力で対抗するしかない、と国連安全保障理事会がやむを得ず決定し、多国籍軍の派遣を決めた場合である(第42条)。


◆イラク戦争は2つの正当化事由、いずれにも該当しない。 

 

 イラク戦争を始めたとき、ブッシュ大統領はその理由として、イラクは大量破壊兵器を保有しており、その大量破壊兵器はテロリストの手に渡り、明日にでも、アメリカ本土が911と同じような攻撃を受けるかも知れない、というものだった。

 結果的に、大量破壊兵器は存在しなかった。開戦前、アメリカ合衆国は「イラクが大量破壊兵器を保有している、確かな証拠がある」と述べていたが、後の証言で、実はそんな証拠は存在していなかったことが分かった。

 しかしながら、仮定上の問題として、もしも、イラクが本当に大量破壊兵器を保有していたとしても、国連憲章が認める武力行使の要件を満たすものではなかった。イラクが実際にアメリカを攻撃してきたならば別であるが、イラクはそのような動きは全く見せていなかった。したがって、イラク戦争は自衛権の行使とは言えない。

 また、国連安全保障理事会は、国連原子力委員会の査察の報告を受け、さらに数ヶ月イラク国内を査察する必要があると考えており、直ちに多国籍軍をイラクへ派遣するべきだ、という意見は全くなかった。

 要するに、どこからどう見てもイラク戦争は、正しくないのである。


◆イラク戦争の「大義」という言葉を使うバカ

 

 日本の政治家もマスコミもイラク戦争が始まった2003年から昨年にかけて、しばしばこの「イラク戦争の大義」という言葉を用いた。

 戦争に関する国際法の規定が存在するというのに、「大義」などという定義が曖昧な言葉を使うべきではない。

 先に書いたように、現代国際社会では、原則として武力行使は違法なのである。

 議論をするならば(後に述べるとおり、議論の余地など存在しないのだが)、「イラク戦争の正当性の法的根拠」というべきである。

「大義」という言葉を使っている連中は、「大量破壊兵器が見つかったら、イラク戦争は事後的にでも正当化される」と思っていたのであろうが、不勉強にもほどがある。


◆そもそも、議論の余地など無いのである。

 

 イラク戦争に大義はあるか、などと国会で話しているのをみて、国会議員の無知さ加減に腹が立った。

 国際法、国連憲章を読めば、議論の余地はない。

 イラク戦争は違法行為である。


◆イラク人なら死んでもよいのか。

 

 日本国内で100人が事故でなくなったのは悲惨である。事故の原因は多分何らかの過失であろう。

 だが、故意ではない。戦争は、故意による殺人である

 イラク戦争は、ジョージ・ブッシュが故意に始めた人殺しである。
 イラクでは、10万人、しかも多くは無辜の女性や子供が、銃弾やロケット砲や爆弾で頭を吹っ飛ばされ、或いは体中が肉片となって飛び散って亡くなっている。

 何万人という親が子供をなくし、何万人という子供が腕や脚をもがれ、挙げ句、孤児になった。

 これを気の毒だと思わない人が、日本人に、いる。

 小泉純一郎内閣総理大臣である。彼は一貫して「イラク戦争は正しかった」といっている。



 私は、イラク戦争が始まる前も始まるときにも、始まった後も、一貫してこれに反対してきた。それは、過去の日記をお読み頂けば、お分かりになるだろう。

 そして、日本がこの戦争を支持することは正しくない、ということも、一貫して主張してきた。今もその考えは変わらぬ。

 従って、私は、小泉首相の考え方は正しくない、と判断している。


◆「リバーベンドの日記」を読むと良いですね。

 

 イラク戦争における「アンネの日記」といわれている。リバーベンドという、開戦時24歳だった女性が、戦火のイラクの様子を綴った日記、blogである。いまもWeb上で続いていて、日本人の翻訳者が訳してくださっているBaghdad Burningというサイトがある。

 この日記の、一番最初、開戦時の部分は、バグダッド・バーニング―イラク女性の占領下日記という本になって売られている。

 繰り返すが、事故で人が亡くなってもこれほど辛い。

 ましてや、戦争で人が亡くなると云うことは、明らかに他の人間の悪意によって、その命が失われた、ということなのだ。

 だから、遠い場所での出来事とはいえ、戦争を看過すべきではない。

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2005.05.01

「閉鎖滑走路に着陸許可」何だか、日本人、たるんでいません?

◆記事1:閉鎖滑走路に着陸許可=「忘れて」管制ミス-事故調が調査・羽田空港

 

 29日午後9時39分ごろ、補修工事のため閉鎖中だった羽田空港のA滑走路に、帯広発の日本航空1158便エアバスA300型機(乗員乗客51人)が着陸した。管制官が工事日程を忘れていたのが原因で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は事故に準ずる重大事案「重大インシデント」として調査を始めた。

 工事開始前のため、滑走路上に関係車両などはなく、けが人はなかった。同省は日航側に謝罪するとともに、担当した管制官18人を業務から外し、再教育を行うことを決めた。  (時事通信) - 4月30日14時0分更新


◆記事2:閉鎖滑走路への着陸誤指示 管制官ら全員が失念

 

 羽田空港で29日夜、工事のため閉鎖されたA滑走路に日航機が着陸したトラブルで、国土交通省は30日、管制官ら管制グループ18人全員が滑走路閉鎖を失念し誤った指示を出したのが原因と判断、同省航空・鉄道事故調査委員会は重大事故につながる恐れがあったとみて、調査官3人を羽田空港に派遣し調査を始めた。

 国交省は航空法違反で処分する方針。また降下中の別の日航機が、着陸をやり直していたことも分かった。

 事故調委は管制交信記録を分析するなどして、詳しい状況を調査。指示を出した管制官(35)は事情聴取に「漠然とは閉鎖があることは頭の隅にあったが、昨日がその日との認識はなかった」と話しているという。 (共同通信) - 4月30日16時41分更新


◆記事3:JR西、またオーバーラン 6日連続、見習い運転士が

 

 30日午後5時ごろ、大阪府高槻市富田町1丁目のJR東海道線摂津富田駅で、西明石発京都行きの普通電車が停止位置を約4メートル行き過ぎた。JR西日本では、尼崎脱線事故を起こした快速電車のオーバーラン以降、6日連続の発生。

 JR西日本によると、見習い中の運転士(22)がブレーキのタイミングを誤ったという。指導のための運転士(26)が同乗していた。電車に遅れはなかった。 (共同通信) - 4月30日20時48分更新


◆コメント1:飛行機と鉄道が全てではないが・・・・。

 

 どうも、日本人の仕事へのモラルが下がっているような気がする。

 正確に言えば、モラルが低い人の全体に占める割合が、じわりじわりと上がっているような印象を受ける。

 私の場合、それを感じ始めたのは、三菱自動車が「明らかに構造上の欠陥があり、これを放置すれば事故を引き起こす可能性がある。」との報告が技術者からなされていたのに、「リコールするとカネがかかる」という驚くべき理由で、経営陣がこれを無視した、という昨年の出来事を知ってからである。

 世界に冠たる、高い技術に裏付けられた、高品質を誇るべき日本の製造業-戦後日本経済発展の立役者-が、「人の命に関わる欠陥を抱えた商品を、放置した」という事実は、悪夢のようであった。

 これは、単に一人の経営者の人格の問題というよりも、日本人の精神のあり方の変化を象徴しているように思われた。


◆コメント2:管制官18人全員が「忘れていた」で済むか!

 

 同じ、公共交通機関に関することではあるが、先日の尼崎の事故に関しては、まだ、原因は究明されていないので、コメントするべきではないと考える。

 しかし、今日の管制ミスはひどいぞ

 閉鎖滑走路に着陸許可を出した。18人の管制官の誰もがそのミスに気がつかなかった。

 閉鎖滑走路は、工事のために閉鎖されていた。

 今回、事故が起きなかったのは、たまたま幸運に恵まれたからである。


◆コメント3:大惨事になった可能性は十分にある。

 

 もしも、この滑走路が工事の為に路面がボコボコだったら、飛行機は着陸後、脚を壊して胴体をこすり、火を噴いたかも知れぬ。

 今日は天候が良く、パイロットも、管制官の着陸許可を得た上に、自らの目視確認で、滑走路上に障害物を認めなかったからこそ、ランディングを決断したのだろうが、天気の悪いときには、視界200メートルとか、最悪100メートルで着陸する場合もある。

 その場合は、パイロットは、管制官を信じて着陸するのである。「この滑走路の前方には何もありませんよ」と管制官がいちいち告げるわけではないが、「着陸許可が出る」とは、管制官が滑走路の安全をパイロットに保証している、ということであるから、その言葉を信じてランディングを決行するのである。

 もしも、今日の閉鎖滑走路付近の天候が悪く視界不良で、しかも、当該滑走路上に、工事用機械(ブルドーザーなど)が存在していたら、どうなったであろう。

 パイロットはその訓練過程において、「タッチ・アンド・ゴー」といって、一旦、着地した後、直ちにフラップを戻してエンジン出力を最大に引き揚げて、再び離陸上昇する、という操作を会得している。

 しかし、空母に着艦する軽い戦闘機ならまだしも、巨大な旅客機が着地後、たとえば、前方数百メートル上の障害物を発見して、直ちに、タッチ・アンド・ゴーの体勢に入っても、間に合うかどうか分からない。間に合わなければ、ぶつかるだけだ。

 要するに、今日は、たまたま、事故は起きなかったが、運が悪ければ、時速200kmぐらいで突っ走る旅客機が、ブルドーザーに激突し、爆発炎上、全員死亡の大惨事になっていた可能性も十分にあったのだ。その意味では、身の毛もよだつほど、恐ろしいミスである。

 なにを大げさな、と言う人は危機管理=リスク・コントロールが何かを理解していない人である。

 リスク・コントロールは最悪の事態を想定するべきだからである。


◆コメント4:先日掲載したが、3月以降の航空関係の「事故には至らなかったミス」をもう一度掲げる。

 本日、モモリーネ様の日記で取り上げてくださったが、私の4月26日の日記で取り上げた、航空関係で最近多発している、「ミス」「小事故」を掲げる。


  • 新千歳空港で1月、管制官の許可が出る前に日航機が離陸滑走を始め、管制官の指示で停止し離陸をやり直すトラブルがあったことが3月1日、分かった。日航はこのトラブルを国土交通省に約1カ月報告せず、同省は日航に厳重注意した。

  • 3月2日午後7時ごろ、青森空港で、札幌行きの日航2808便MD81(乗客乗員46人)が誘導路を走行中、除雪した雪だまりに右翼先端をぶつけライトを破損した。乗客らにけがはなかったが、同機は欠航した。

  • 3月3日 羽田空港で3月3日に、女満別から到着した日航1184便エアバスA300(乗客乗員150人)が、管制官から指示された誘導路を通り過ぎるトラブルがあったことが4日、分かった。 日航は「管制指示違反に当たる可能性がある」として国土交通省に報告したが、同省は「報告義務が生じる状況ではなかった」としている。

  • 3月11日 韓国・ソウル近郊の仁川空港で3月11日、日航機が管制官の意図に反して滑走路に入り、この滑走路に向け降下中だった韓国機を管制官が回避させていたことが12日、分かった。日航が同日、国土交通省に報告した。

  • 3月16日 羽田発札幌行きの日航機が16日、緊急時に作動する脱出用スライドのスイッチの切り替えをせずに運航していたことが17日、分かった。客室乗務員の確認ミスとみられ、日航は国土交通省に報告した。

  • 3月22日午前9時すぎ、広島発羽田行き日航1600便エアバス300-600(乗客乗員136人)の機長から「操縦室内で煙のにおいがする」と羽田の管制塔に連絡があった。 同機は午前9時半、羽田空港に緊急着陸したが、機体に異常はなく、けが人もいなかった。日航などがにおいの原因などを調べている。 羽田空港には緊急着陸に備え、消防車が待機した。

  • 3月22日 福島空港でJAL機尻もち 滑走路灯破損

  • 3月22日午後8時40分ごろ、オーストラリアのブリスベーン発成田行き日航762便のジャンボ機が、成田空港に到着後の機体点検でエンジン付近のパネルの一部が脱落していることが分かった。

  • 3月27日午前8時すぎ、ジャカルタから成田空港に到着した日航726便ボーイング777の左翼からゴム製部品が脱落しているのを整備士が発見した。空港は2本の滑走路のうち1本を午前8時16分から7分間閉鎖して調べたが、部品は見つからなかった。発着便に影響はなかった。

  • 3月30日午前1時15分ごろ羽田空港で、けん引車で誘導路を移動中の日航ジャンボ機の左翼が、空港外周のフェンス監視用カメラの支柱に接触し損傷した。ジャンボ機には誰も乗っておらず、けん引車の作業員2人にもけがはなかった。

  • 4月5日 日航機の部品の一部が欠損 全日空機も部品脱落

  • 4月7日 高松空港に7日夜到着した羽田発の日航1411便エアバスA300で、エンジン付属部品のボルト1本が脱落しているのを整備士が発見した。羽田、高松両空港で8日朝、滑走路を点検したが見つからなかった。

  • 4月12日 日航は12日、社内規定で資格を満たしていない副操縦士が、計3便で離着陸をしたことを明らかにした。 日航によると、6カ月以上の経験がない副操縦士は、教官資格がない機長と乗務した場合、離着陸時に操縦することが禁じられている。この副操縦士は発令後5カ月余りで資格外だった。

  • 4月14日 成田空港に14日午後、到着したホノルル発の日航73便ジャンボ機の翼にある部品の一部が欠けていたことが、到着後の機体点検で分かった。

  • 4月17日 17日午後6時ごろ、成田発香港行き日航735便DC10(乗客乗員約200人)が離陸のため誘導路を移動中、操縦装置などを動かす油圧系統の一つが異常を示した。 同機は駐機場に引き返し、点検のため滑走路が約8分間閉鎖された。乗客は代替機に乗り換えて、約3時間遅れで出発した。

  • 4月22日 全日空便が無許可滑走 機長、管制指示を「失念」 小松空港


◆コメント5:「管制ミス」とは、どれぐらい危ないことか。

 

こういう事件があったのを覚えていませんか?2001年の出来事です。

◆日本経済新聞2001.2.3【14版1面】━

 1月31日、静岡県焼津市付近の上空で日航機同士が異常接近(ニアミス)し、羽田発那覇行き907便ジャンボ機の乗員乗客計42人が重軽傷を負った事故で、国土交通省は2日、「管制官が接近を回避するため航空機を降下させる際、便名を呼び間違えて指示した」との調査結果を発表、管制ミスが事故の原因となったことを明らかにした。

 同省航空局は同日、管制を担当した東京航空交通管制部(埼玉県所沢市)の管制官2人に対し、事情聴取を実施。

 その結果、当該空域の管制資格を取得するための訓練中だった管制官(26)が、航空機の接近を回避するため、着陸予定の釜山発成田行き958便(DC10型機)を降下させるつもりで、誤って907便を呼び、降下指示を出していたことが分かった。

 907便は指示通り、降下を開始。管制官は言い間違いに気づかず、混乱したまま指示を続け、両機は約1分半後にニアミスした。

 当時、管制卓には教官役の管制官(32)が付き添っていたが、この管制官も管制ミスに気づかなかった。

 この後、しばらくして、指導を受けていた管制官(の卵)も指導を行っていた管制官も、自らのミスの大きさにより、PTSDだか、パニック障害になったと記憶している。

 だからといって許されるわけではないが、本人達が如何に重大なミスだったかを一番良く理解していたのであろう。とにかく、航空管制官の責任は重いのだ。


 長くなるので、多くは触れないが、その責任の大きさの割に、航空管制官の給料は驚くほど安い。責任だけ負わせて給料は安い。

 一方で、地方公務員なんてのは、一日中市役所の出張所で新聞を読んでいるだけ、のようなオヤジがいつまでも辞めず、辞めるとなると結構な額の退職金を手にする。この国は、税金の配分がおかしいのだ。


◆コメント6:しかし、それにしても、たるんでいる。

 

尼崎の列車事故の数日後には、こんな事故もあった。

 

◆<磐越事故>高速バスが横転 3人死亡、3人重傷 猪苗代町

 28日午前6時ごろ、福島県猪苗代町の磐越道上り線の磐梯河東IC―猪苗代磐梯高原IC間で、大阪発仙台行きの高速バスが横転し、3人が車外に放出され全身を強く打つなどして死亡、3人が重傷で近くの病院に搬送された。また、他の14人は軽傷だという。上り線は同20分から同区間で通行止めになっている。(毎日新聞) - 4月28日8時57分更新

 これは、運転士がよそ見をしていたのが、事故の原因であることが判明した。

「プロの運転士が」「高速道路で」「よそ見」?

 素人の私ですら、よそ見をして運転をしたことなど、ないぞ。

 そして、冒頭に引用した記事3「JR西日本オーバーラン6日連続」。

 運転していたのは見習いだが指導官がそばについていて、ブレーキングが遅れるのか。

 いっそ、電車も自動車教習所の教習車のように、教官用の副ブレーキを設置してはどうか。


◆コメント7:原因はいろいろ考えられるだろうが・・・。

 

 非常に月並みな、だれでも思いつくことと云えば、今の日本は、もはや、高度成長期のような経済成長は期待できず、昔のように「長く務めていれば、自然に給料が上がってゆく」という世の中ではなくなっていることだ。一言で言えば、「働きがいがない。」

 真面目に働いていても、給料を減らされたりする。

 努力しても報いが無いという世の中では、モラルが下がる可能性は高い。

 しかし、それでは、給料を上げれば、「オーバーラン」や「航空機の整備不良」や「航空管制官のミス」が根絶するとは保証できない。

 私のように頭の悪い人間に云えることは、ただひとつ。

 無闇に「向上」しようとしなくて良い。

 誰もが「自分の普通の仕事を」「ちゃんとやる」ことだ。

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