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2005年6月

2005.06.29

オーディオブックというもの。アイ文庫ってご存じですか?

◆プロによる日本語の朗読を聴くと、大変興味深い。

 

  日本語を朗読する専門家のなかで、もっとも、なじみが深いのは、NHKのニュースアナウンサーであろう。

 あれも、勿論、大変な仕事だ。

 我々は母国語である日本語を朗読することなど、極く、易しいことであると考えがちになるが、それは、とんでもない勘違いである。

 ウソだと思ったら、あなたの手元にある新聞のどの記事でもよい。 ほんの一節でよいから声に出して読み、録音して、自分で聴いてみると良い。

 プロのアナウンサーの発音、イントネーションが如何に明瞭で、訓練を要するものであるか、良く分かるだろう。そして、自分の音読が如何にモゴモゴしていて、何を言っているのかわかりにくいことに唖然とするであろう。


◆小説の朗読を聴いてみるともっと面白い。

 

 ニュースが悪いというわけではないが、文学作品は、どの言語においても、その表現力を最大に引き出す「言葉の芸術」である。

 勿論、黙読していても十分に面白いのだけれども、これを、音声の専門家、すなわち、俳優さんや声優さん達が如何に表現するかを聴くと、大変に興味深い。

 最近、偶然に発見した、アイ文庫というサイトを拝見、拝聴した。

 ご覧になれば分かるが、無料、有料のコンテンツがあり、今は、漱石の「草枕」の音読を無料で聴くことが出来る。

 勿論、一度に全部を音読したら、大変な時間になるので、毎日少しずつ配信している。

 私の好きな「坊っちゃん」などは既に無料の配信は終了しているが、とにかく、色々な媒体を用いて、CD通販もしているし、電子文庫パピレスにオーディオブックのコーナーがあるとは、知らなかったが、電子書店パピレス 検索:[発行]アイ文庫をご覧になれば分かるように、既にかなりのオーディオ・ブック(「音声本」とでも訳すのでしょうかね?)を買うことが出来る。

 勿論、プロの声優さんが朗読する、という付加価値が加わっているので、紙の本に比べたら割高だ。

「坊っちゃん」は11節に分けて売られていて、それぞれが、525円するから、全部買ったら、5700円以上する。しかし、面白い。


◆余談だが、ロンドンでは現代小説のオーディオブックを、普通に本屋で売っていたのです。

 ロンドンに駐在していたときに、現地の本屋に行って驚いたのは、あちらでは、文学作品を朗読したテープ(当時はまだテープでした)を、古典は勿論、現代のミステリー、サスペンスのたぐい(フリーマントル、ジェフリー・アーチャー、フレデリック・フォーサイス、パトリシア・コーンウェルなどなど)がどんどん売られているのだ。

 これは、別に「文盲」や「視覚障害者」の為ばかりではない。

 一応インテリ層の人間に確認した(イギリスは階級社会だ)のだが、「詩や小説を聴く」という習慣は、以前から定着しているのだそうだ。

 日本で思いつくのは、落語のテープ(もっと昔は落語のアナログレコード、LPというやつ)だ。これは、昔から沢山ある。ところが、どういう訳か、散文の文学作品をプロが朗読したものを聴くという習慣がない。

 どうして、この違いが出たのかは、考え出すと、一冊の本ぐらい書けそうだから、ここでは、止めておく。


◆自分の文章をプロに音読してもらったら・・・と想像して見る。

 

 さて、文豪の作品のが音読されているのを聴いて、ふと、考えた。

 恐れ多くて、今、そんなことを依頼する気はないのだが、一度でよいから、自分の書いた文章の中で、比較的出来が良いものを、プロの声優さんが音読してくださったら、どのように聞こえるだろう、と想像してしまった。

 因みに、アイ文庫さんでは、それなりのものをお支払いすれば相談に乗ってくださるようで、問い合わせフォームがある。

 いやー、でも、やっぱり、ちょっと、恥ずかしいな。

 それでも、将来的には、結構、役者さんの仕事として面白い分野になるのではないだろうか。

 面白いというか、他にも役者さんは大勢いるし、劇団はあまた存在しているが、失礼ながら、大抵、芝居などというのは儲からないから、とりあえず、経済的な基盤を確立する一手段となりうるのではないか、と考えたのだ。

 日本で、モノやサービスを売るのに成功するためには、「ブーム」を作ることだ。短期間で燃え尽きるかもし知れないが、少なくとも、「ブーム」の最中の日本人の熱狂はすごいから、かなりの収益を産むはずである。

 自分の文章ばかりではない。仲の良い友人の文章を、プロに朗読して貰ってCDにして、プレゼントしたら、結構喜ばれるのではないか。

 うーむ。ここまで書いて考えたのだが、これは、内容にもよるだろうね。

 あまりにもくだらん、下世話ばかり書いてあるブロッグを音読しても仕方があるまい。却って、相手が恥ずかしい思いをすることになりかねない。音読する役者さんなり声優さんもあんまり乗らんだろう。この辺が難しいところだね。商売としては。


◆とにかく、プロの朗読を聴いてみることをお奨めする。

 

 自分の文章のことは、とりあえず、置いておく。

 まずは、「草枕」を聴いてください。 感心しますよ。 なるほどねえ、と。

 朗読するとき、その役者さんが、何処で間をとるか、どのように抑揚をつけるか。流石プロだけのことはある。素人には思いつかない解釈があるものだ。と感動する。

 ところで、なぜ、私が、朗読に興味を持ったのか、自己分析してみてわかった。

 これは、かなり、音楽の演奏に似たところがあるのだ。

 音楽では、ご承知の通り、楽譜上で、音符の長さ(音価といいます)、音程、リズム、テンポ、音の強弱が、細かく作曲者によって指定されている(但し音色ははっきり指定出来ない)。それでもなお、同じ楽譜を弾いても、演奏家によって、驚くほど解釈の違いがある。

 小説の音読は、音声面での作者の指定は一切ないから、一層、俳優さん・声優さんの裁量に委ねられる。

 だから、本当は、クラシック音楽のCDのように、同じ「坊ちゃん」でも、色々な人が朗読したものが、手にはいるようになったら、かなり面白いと思う。

 そこまで望むのは現状、難しいけど、まあ一度、アイ文庫で「プロの朗読」を聴いてごらんになることをお奨めする。

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世界の名画をパソコンで鑑賞=仏ルーブル美術館が新サイト←いいですね。これ。

◆記事:世界の名画をパソコンで鑑賞=仏ルーブル美術館が新サイト

 

 【パリ28日時事】世界の名画を所蔵するパリのルーブル美術館が28日、新しいインターネットサイトを公開した。3万5000点以上の作品をパソコン上で鑑賞できるのが特徴となっている。

 新サイトは、従来版に比べ閲覧作品数が数十倍に増え、約1500の主要作品には解説が付くなど利用者に配慮した作りが特徴。検索エンジンで見たい作品を探したり、最新技術を使って絵画の細部の拡大や彫刻などを全方位から見ることもできる。 (時事通信) - 6月28日23時2分更新


◆コメント:こういう絵を描いたのも、人間なんですね。

 

 ルーブルのサイトは、以前から、勿論ありました。

 ルーブルのみならず、海外の美術館、博物館のサイトは、惜しげもなくコレクションをオンラインで見せてくれる。

 The British Musium(大英博物館)のサイトは日本語で丁寧なサイトマップが載っている。

 ルーブルも大英博物館も、海外旅行で寄ったことがある人は大勢いるだろうけど、覚えていないでしょ?

 大英博物館だったら、ツタンカーメンと、入り口近くのロゼッタストーンぐらいでしょ?覚えているのは。

 勿論、その国に行って、理屈や背景の知識がなくても、不朽の名画や考古学的資料を自分の目で見てみるっていうのはいいことですけど初めて行ったときは何だか良く分からない。


◆ルーブルの新しいサイト、いいですよ。

 

 Webでは詳しい解説が載っているから、海外旅行に行ったことがある人も、未だのひとも思いをはせながら、その気になれば何時間でも見ていることができます。

 ルーブルは日本語は無いけど、英語の説明はかなりある。たとえ、英語の解説が読めなくても、こういう、月並みですが、超一流のコレクションを見ると、気が休まります。

 ここが、ルーブルのホームページ(トップページ)ですね。

 そして、絵が見たかったら、Home - Collection - Curatorial Departments - Paintings - Selected Works と進めば、西洋美術史に燦然と輝く名画の数々を見ることができます。

 まあ、こういうのは、理屈抜きで。

 いや、いいんですよ。理屈(西洋美術史とか、技術的なこととか、個々の画家の生涯とかね)を知りたくなったら勿論勉強すればよいのです。

 私が申し上げたいのは、多くのひとは、西洋古典音楽とか、美術とかは、「お勉強」してからじゃないと、聴いたり、見たりしてはいけないのではないか、と、勝手に思いこんで敬遠しているので、それは、違いますよ、ということなのです。

 「この絵(音楽)は何を訴えようとしているのか」なんて考えなくてよろしい。とりあえず、見て、聴いて、いいな、と思えたら得でしょう?それでよいのです。

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2005.06.27

クラシック音楽のMP3とMIDIのサイト「bbo」←これは、大したものだ。感心した。

◆コンピューター音楽と言っても侮れないですね。

 

 そんなこと今更常識だと言われるかも知れないが、こと、クラシック音楽に関しては問題が多かった。

 アコースティックな楽器はエレキギターなどに比べて、遙かに複雑な音色をしている(細かく説明すると長くなるが、多くの倍音を含んでいるということだ)。

 MIDIは、ご承知のとおり、音データそのものではなく、コンピューターに内蔵された音源(ソフトシンセなんていいますね)、或いは、外部音源の特定の音色(楽器)のどの音を出せ、という指示を記録したファイルにすぎず、実際にどういう音がするかは聴く側の音源の程度によって、音の鳴り方が全く違ってしまう。

 オーケストラ曲のMIDIを打ち込んでいるような人は、オタクだから、すごい音源で確認していることが多い。8万円も10万円もする。

 ところがこちらは、そこまでカネを出すぐらいなら、CDか実際のコンサートに行った方が良いから、そのような高価な音源を持っていない。

 すると、なんともいえず、薄っぺらい、携帯の着信音みたいな音になり、とても、「管弦楽」の響きからはほど遠い。

 特にヴァイオリン・ソロは、ハーモニカみたいな音になってしまう(弦楽合奏の方が本当っぽい音が出やすいのは不思議だ)。


◆MIDIを高級音源で演奏したものをMP3に変換したのは、聴ける。

 

 一方、実際のハード音源で演奏したのをMP3で記録したファイルを公開しているサイトがあるが、MP3は「音そのもの」のファイルであり、かなり良い音がする。 これを、仕事でやっている人がいる。 黙々と、クラシックオーケストラ曲のMIDIを作り、これをローランドのSC8850という10万円以上もするハード音源で演奏し、MP3に変換して、公開している会社があるのだ。

 クラシック音楽のMIDIデータとMP3(Broad Band Orchestra)というページがある。

 ずらりとクラシック、しかし、親しみやすい曲が並んでいる。

 これは、Web製作なども手がける会社なのだが、この(bbo=ブロード・バンド・オーケストラ)という名物ページがそのまま社名になっている。

 今日現在、135曲アップしてあるが、これは、bboの一人の社員だけで、全て打ち込んだそうだから大したものだ。

 カネを払わなくても一番左のPlayをクリックすると、専用のプレイヤーが演奏してくれる。

 どれから、聴いてもいいけれど、たとえば、「アルルの女組曲1よりメヌエット (minuetto)」(第一組曲ですよ。第二ではない)をクリックしてみてください。あれ?どこかで聴いたことが・・・・。 最近、テレビコマーシャルで何度も流れているから、絶対に聞き覚えがあるはず。

 それ以外も、どれも素晴らしいのですけどね。



 真ん中辺りに、ホルストの組曲「惑星」の一部がアップされている。「木星」を聴いてください。平原綾香とかいう娘の歌と比べてどちらが好みかは人それぞれお任せするが、本来は、こういうフル・オーケストラの分厚い響きの中で聴くメロディーなのだ。あんな、甘ったるい歌い方をされると発狂しそうになる。

 景気が良くて、短いのが良い、というひとは、「惑星」のすぐしたに、一行だけ、ハチャトゥリヤンの「剣の舞」がある。

 これは、聴いたことがあるとおもいますよ。トロンボーンのグリッサンドがもの凄く印象的ですね。


◆「序奏とロンド・カプリチオーソ」という名曲

 

 それから、是非お奨めしたいのは、下から三分の一ぐらいのところ。★がついている、サンサーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」という、独奏ヴァイオリンと、オーケストラの為の小品なのですが、もう、文句のつけようが無い名曲です。

 本当は、この曲の最高の演奏は、韓国人女性ヴァイオリニスト、チョン・キョン・ファが、この前までN響の音楽監督をしていたシャルル・デュトワと三〇年前にロンドン・デッカ(という、クラシックCDの世界三大レーベルがあるのです)で録れたものだと思うのです。

 韓国人だろうが、何人だろうが、関係ありません。チョンキョンファは紛れもない、天才ヴァイオリニストです。

 日本にも何度も来て、N響と共演しています。弟は指揮者のチョン・ミョンフン。



 話は、逸れてしまうけど、著作権という知的財産権を尊重しなければならないことは、勿論承知している。

 しかし、こういう名演を紹介したい!という時は本当に歯がゆいね。

 出来ることなら、このチョンキョンファの「序奏とロンド・カプリチオーソを、どこかに私がアップして、皆さんに聴いていただきたいものだ。

 何故かというと、何せ古いCDなので、今は絶版みたいなのですよ。CDコードだけ、書いておこう。 F35L-50369です。

 ヴァイオリンソロ=チョンキョンファ、指揮=シャルル・デュトワ、オーケストラ=ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(ロンドンのオーケストラです)


◆それは、ともかく、bboを聴いてみてください。

 

 あらかじめ書いておくが、ここでは、ダウンロードは無料では出来ません

 企業の製品として提供しているのだから、市場経済の社会では当然です。

 作品の質が高いので、有料でも、私は不満がない。1,500円払うと、30曲(トラック)ダウンロードできる。1曲50円で、MP3とMIDIとオーケストラスコア(管弦楽の総譜といいます。指揮者が見るのと同じ楽譜です)をPDFでダウンロード出来る。これは、非常に良心的です。

 スコアが付いているMIDIなりMP3のサイトは他に知らない(勿論、楽譜だけネットショップで買うことはできるが)。



 最後にお断りしておくが、私と、この会社とは何の利害関係もない。

 この記事を読んで誰かが、1,500円を支払ったからといって、私にリベートが入るわけではない。私はそういうケチな人間ではない。

 あまりにも優れているのに、世に知られていない、良心的なサイトを皆さんに紹介しているのです。

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[米BSE2頭目]「輸入再開の議論は粛々と進めよ」(読売新聞社説)←読売の論説はこれほどバカだったのか?

◆記事:[米BSE2頭目]「輸入再開の議論は粛々と進めよ」(読売新聞社説)

 

 米国内でBSE(牛海綿状脳症)に感染した2頭目の牛が確認された。

 しかし、日本が検討中である米国産牛肉の輸入再開問題に、直ちに影響する事態とは言えまい。審査を担当する食品安全委員会の専門家グループは、粛々と議論を進めるべきだ。
 米国での最初のBSE感染牛は、カナダから輸入されたが、今度は米国生まれの可能性が高い。カナダと米国の牛肉市場が密接な関係にあることを考えれば、米国生まれの感染牛が出ることは、ある程度予想されたことだ。しかも、8歳を超える高齢の肉牛である。

 日本が輸入再開を認めるかどうか検討しているのは、20か月齢以下の若い牛が対象だ。

 米国側は、対日輸出分については、20か月齢以下であることを保証し、BSEの原因となる異常プリオンがたまりやすい脳や脊髄(せきずい)など特定危険部位を完全に取り除くことを約束している。

 そうであれば、日本側の輸入再開の条件は、基本的に満たされている。

 米国の2頭目の感染牛は、昨年11月に簡易検査で陽性となった。確認検査に回したところ、その時は「シロ」と判定された。その後、米農務省の内部監査局の勧告で再検査し、日本や欧州で実施されている「ウエスタンブロット法」という高精度の手法で調べた。

 その結果は陽性で、英国の専門機関の検査で最終確認された。

 米国の確認検査に問題があることがわかり、米農務省は今後、日本などと同じ手法で検査する方針を示した。正しい判断と言えよう。BSE汚染がどれだけ進んでいるかを正確に知ることが、対策の第一歩となるからだ。

 精度を上げれば、感染牛の確認数が増えることが予想されるが、肝心なのは、危険な牛肉を市場に出さないことだ。米国でも、特定危険部位を除去する対象の牛を広げることなどが、消費者の信頼を高めるのに重要だろう。

 日本では、2001年9月に初めてBSE感染牛が見つかって以来、全頭検査が行われてきた。これまで450万頭を検査し、20頭の感染を確認した。

 最も若い感染牛が21か月齢だったため食品委は先月、20か月齢以下の牛について、検査しなくても問題はないとの報告をまとめた。全頭検査という、世界でも異例の措置を解除するのは当然だ。

 国際的には30か月齢以上の牛をBSE検査の対象とするのが普通だ。日本の検査対象を世界標準にそろえることも、今後の検討課題である。(2005年6月26日1時53分 読売新聞)


◆コメント:こんなバカが大新聞の論説なのか。

 

 読売新聞は、米国で2頭目のBSEが出たが、米国産牛肉の輸入に向けて議論を続けるべきだ、と言っているのである。

 開いた口がふさがらない。信じられないほど、バカ。

 

米国の確認検査に問題があることがわかり、米農務省は今後、日本などと同じ手法で検査する方針を示した。正しい判断と言えよう。BSE汚染がどれだけ進んでいるかを正確に知ることが、対策の第一歩となるからだ。

 何が、「正しい判断と言えよう」だ。バカ。

 今まで、アメリカは、問題がある検査法しか施していなかったのに、「米国牛肉は安全」と言い続けてきたことに対して、この読売論説委員は何も言及していない。

 次は日本の牛肉検査体制について述べた、この一節。

 
最も若い感染牛が21か月齢だったため食品委は先月、20か月齢以下の牛について、検査しなくても問題はないとの報告をまとめた。全頭検査という、世界でも異例の措置を解除するのは当然だ。

 「世界でも異例」なら、解除するのは当然なのか?

 世界で異例であろうがなかろうが、厳密な検査を施して、何が悪い?全頭検査を続けることのデメリット(簡単に考えられるのは、手間とコスト)があるのか?何も触れていないではないか。バカ。

 そもそも、「今まで、BSE感染が確認されたもっとも若い牛が生後21ヶ月だったから、20ヶ月以下は検査しなくても良いだろう」という論理がおかしい。素人が考えても非科学的だ。

 「今まで感染が発見されたもっとも若い牛が生後21ヶ月である」ことは、「今後20ヶ月未満で感染牛が発見されない」ことを何ら保証しないではないか。19ヶ月がいずれ見つかるよ、きっと。

 次。

 

米国側は、対日輸出分については、20か月齢以下であることを保証し、BSEの原因となる異常プリオンがたまりやすい脳や脊髄(せきずい)など特定危険部位を完全に取り除くことを約束している。

 めまいがしてきた。読売はアメリカが平気でウソを付くことを経験から学んでいないのか?

 第一、アメリカの畜産業は、個々の牛がいつ生まれたか、記録がないのだ。

 日本のように、一頭ずつ記録を取っていない。肉質から「推定する」他、方法がない。

 当然、厳密には、牛の月齢は分からず、肉質から、月齢の近似値を「推定」しているにすぎない。20ヶ月未満の肉牛である保証は何処にもないのだ。

  驚くべき事に、この社説は更に愚かしい主張をしている。

  国際的には30か月齢以上の牛をBSE検査の対象とするのが普通だ。日本の検査対象を世界標準にそろえることも、今後の検討課題である。

 アホ、バカ。まぬけ。 読売は、「国際的には30ヶ月齢以上の牛をBSE検査対象にするのが普通」だから、日本もそれに合わせるべきだ」というのだ。

 わざわざ、検査基準を甘くして、リスクを増大させる必要がどこにある。

 実際に21ヶ月の感染牛の例があったという「歴史的事実」は、「世界の常識が必ずしも正しくない」ことをなによりも雄弁に物語っているではないか。国際的といわれるとすぐ参ってしまう。「ガイジンに弱い日本人」のレベルだぞ。これは。

 こんな奴を論説にする、読売ってのは、その程度か。他も大同小異なんだろうな。

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2005.06.25

米で2例目のBSE感染牛、追加検査で確定 ←1種類の検査で「米国牛肉は安全」と言っていたアメリカ。日本は3種類の検査を併用。

◆記事:米で2例目のBSE感染牛、追加検査で「クロ」確定

 

 米農務省は24日、米国で2頭目となるBSE感染牛の発生が確認されたと発表した。

 この牛はいったんは陰性と判定されたが、日本や欧州が採用する高精度の検査で陽性となり、英国の検査機関が最終的に感染を確認した。

 米農務省は今後、BSEの検査方法の精度を日欧並みに高める方針を表明し、「生後20か月以下の牛肉に限っている牛肉の対日輸出再開交渉には影響はない」としている。

 しかし、米国式の検査で陰性と確認された牛が“逆転陽性”となったことで、米国産牛肉の安全性への懸念が高まるのは確実。早ければ8月と見られていた日本の米国産牛肉輸入再開がさらに遅れる可能性も出てきた。(読売新聞) - 6月25日12時18分更新


◆コメント:検査に2週間もかけるなよ。それも、英国に検査を依頼しないと、結論が出せないのか?

 

 あのねえ。「新たなBSE感染牛」の疑いを米国の農務省が発表したのは、6月10日なのです。結果が出るのに2週間もかかった。しかも、アメリカは自国の検査では陰性か陽性か判断できず、英国に依頼した。それも随分お粗末だと思いませんか?

 米国は、世界最大の牛肉生産国で、最大の牛肉輸出国なのだから、当然、BSEの検査法に関して、世界で最も信頼性が高くなければならない。

 下手をすりゃ、他国民をクロイツフェルト=ヤコブ病(現在、治療法無し)にしてしまうかも知れないのだから、当然だ。


◆コメント2:BSEの検査法には、主に3種類ある。日本は全て実施している。

 

 BSEであるかどうか判定す検査方法には、少なくとも3種類ある(他にも有るのかもしれないが、そこまでは、知らん)。

 それは、次の通り。


  1. ウェスタンブロット法:電気泳動によって検体に含まれる全ての蛋白を分子量によって分離した後,抗プリオン蛋白抗体により異常プリオン蛋白を検出する。異常プリオン蛋白と正常プリオン蛋白では分子量が異なるので,分子量の違いにより擬陽性を排除できる。一度に検査できるのは数検体。
  2. 免疫組織化学検査:通称,免疫染色。固定,薄切した組織を抗プリオン蛋白抗体により染色する。プリオン蛋白が組織中に存在する様子を観察できるため,組織所見との関連を見ることができる。
  3. 病理組織検査:固定,薄切した組織を染色して鏡検する。組織病変の有無を確認する。

 日本は、2001年の全頭検査開始当初から、この3種類の検査を全ての牛肉に実施して、3種類の検査のどれか1つでもひっかかったら、「BSE陽性とする」という、最も厳密な方法を採用してきた。


◆コメント3:米国は「BSEの検査方法は1種類(一回)で十分だ、と言っていたのだ。」

 

 米国は、昨年から日本に対して「牛肉の輸入を再開しろ」としつこく迫っている。

 しかし、米国は、今まで、「免疫組織化学検査」しかやっていなかったのである。

 それでは危なくてしかたがないから、日米協議において、日本側は、「せめて、ウェスタン・プロット法も実施せよ」とアメリカに要求したが、アメリカ側は譲ろうとせず、「免疫組織化学検査は、国際的に認められた『ゴールド・スタンダードだ』などとほざいていた


◆コメント4:昨日になったら、急に言うことが変わったアメリカ。

 

 ところが、今回、2頭目(2頭目の訳がないけどね)のBSEが出たら、米国農務省は、これからは、ウェスタン・プロット法もやる、と言い出した。

 今まで自分たちが言っていたことを忘れたふりをして、

 

「免疫組織化学検査にウェスタン・プロット法を追加することは、両方の検査で確認するという『世界的潮流』に沿ったものだ」

 というステートメントを発表した。

 私は、アメリカ人は、いくら何でももう少しフェアになることを期待していたが、やはり甘かった。

 アメリカ人は、「今までの我々の主張は誤りだったことを認める」と言えばいいのに、絶対に言わない。

 だから信用できない。


◆コメント5:「我々は過ちを犯した」と絶対に言わずに世界に迷惑をかけ続ける、米国という国家。

 

 話は逸れるが、イラク戦争も同じだ。

 あれほど、「大量破壊兵器の脅威」を強調し、イラクには絶対に大量破壊兵器といって戦争を始めておいて、結局大量破壊兵器は全く見つからなかった。

 この戦争のおかげで、世界がどれほど迷惑したか分からない。

 にもかかわらず、世界に対して謝罪しない、この傲慢さ。

 私は、ジョージ・ブッシュを絶対に許さない(まあ、先方は痛くも痒くもないでしょうがね。そういう問題じゃないんだよ)。


◆コメント6:要するに米国は米国牛がBSEに感染している可能性が高いと知りつつ、日本人に食わそうとしていたのだ。

 

 アメリカは、そもそも、ネイティブアメリカンを惨殺して成立した国家で、要するに白人のアメリカ人は皆、人殺しの子孫である。

 だから、不思議ではないのだが、奴らは、BSEに感染しているかも知れない肉を、そうと知りながら、平気で日本人に食わせようとしていた。これは、レイシズム(人種差別主義)の現れである。

 尤も、公式の外交協議でそのような情緒的な発言をしても意味がない。

 とにかく、「貴国は、検査結果により、急に検査方法を増やすなど、食品管理体制に問題があり、日本国としては牛肉の輸入を再開することなど、もってのほかだと考えている」とはっきり伝えるがいいだろう。

 役人さん、頑張れよな。

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2005.06.24

炎天下5時間…拉致被害者家族らの座り込み1日目終了←小泉、お前はそれでも人間か?

◆記事:炎天下5時間…拉致被害者家族らの座り込み1日目終了

 

 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会と支援組織「救う会」のメンバーらが政府に北朝鮮への経済制裁発動を求めた国会前での座り込み行動の第1日目は24日午後3時過ぎ、終了した。

 参加したのは、家族連絡会21人、救う会約80人。このほか、北朝鮮で医療支援を行い、同国の飢餓の実態を証言したドイツ人医師、ノルベルト・フォラツェン氏や元北朝鮮工作員の安明進氏らも加わった。

 炎天下、5時間に及んだ座り込みを終え、東京・永田町で会見した家族連絡会代表の横田滋さん(72)は暑さで顔を上気させながら、「大勢の方に声をかけていただき、声援の大きさに励まされた」などと語った。

 両会は25、26日も座り込みを行い、東京・永田町の星陵会館で集会を開く予定。(読売新聞) - 6月24日20時47分更新


◆記事2:<小泉首相>拉致座り込み「制裁すれば解決する状況でない」

 

 小泉首相は同日、座り込みについて「家族はつらいでしょうが、経済制裁すれば解決するという状況では現在ない。よく関係国の判断を尊重して協力していかないといけない」と記者団に語った。 (毎日新聞) - 6月24日12時56分更新


◆コメント:72歳の横田滋さんが、30℃の炎天下で座り込んでも、何とも思わない内閣総理大臣

  

 横田めぐみさんの父上、横田滋さんは72歳だ。今日の東京は今年初めての真夏日だった。

 私も都心に通勤するから、暑さは良く分かる。

 ちょっと用事で外に出て、会社に戻ると、汗が顎先から滴り落ちる。

 決して誇張ではない。会社で着替えている暇などないから、やったことはないが、下着をぞうきんのように絞ったら、きっと、かなりの汗が絞れると思う。

 そんなところに、拉致被害者の家族は、今日、5時間も座り込みをしたという。明日も明後日も続けるそうだ。

 勿論、それなりに、準備はなさっただろうが、この暑さは危険だ。まかりまちがえば、熱射病で命に関わる。

 横田めぐみさんのご両親をはじめ、拉致被害者の家族は、たとえ、自分の寿命が縮まっても、娘を、息子を、家族を取り戻したい、という鉄のような意思を表現したのである。


◆コメント:北朝鮮拉致工作員を読むと非常に明らかだ。

 

 北朝鮮は、「日本人を拉致した」と認めている。拉致された日本人が北朝鮮に、今この瞬間も生きている。

 横田めぐみさんが拉致されたことが殆ど隠しようのない事実であることがわかったのは、今日、座り込みに参加した、元・北朝鮮特殊工作員、安明進氏が、スパイ養成所である「金日成政治軍事大学にいた頃、「自分の教官が『新潟から拉致してきた少女の話』をしていた」ということを、韓国に亡命した後、1997年に証言したからだ。

 日本からは、その後、入れ替わり立ち替わり、警察庁の公安や外事課、外務省の官僚が、こっそりと訪れて、何度も面談を申し入れてきたという。

 要するに、日本政府は、今、横田めぐみさんがどこで、どのような地位にあるのか、どういう扱いを受けているのか、殆ど全て承知している。その上で助けようとしない。

 日本人は皆、安明進氏本人が書いた北朝鮮拉致工作員という文庫本を読んでみると良い。

 日本の外務省や、警察は全てを知りながら、逆に安明進氏にこれを一般に口外しないように口止めをした、というひどい事実も分かる。


◆コメント:おい、小泉。お前はそれでも人間か?

 

 あまりにも、むごい仕打ちだ、と思う。

 横田めぐみさんの「遺骨」が偽物と判明してから半年も経つのに、政府は何もしない。

 北朝鮮に誘拐された日本人を救い出すことよりも、郵便局の方が大事なのだそうだ。

 そして、記事2の誠意のないコメント。「経済制裁をすれば拉致問題が解決する訳ではない」という。

 それならば、他の解決方法を考えろよ!

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「自衛隊が標的」と断定 サマワのイラク軍司令官←日本が法治国家なら、自衛隊は引き揚げるしかない。

◆記事1:「自衛隊が標的」と断定 サマワのイラク軍司令官

 

 【サマワ23日共同】イラク南部サマワで、陸上自衛隊の車列付近で起きた爆発について、イラク軍サマワ地区司令官のアイワフ・カリム大佐は23日「自衛隊が(宿営地外で)初めて標的となった」と述べ、爆発が陸上自衛隊を狙ったものだと断定した。

 大佐は「犯人に対し、直ちに反撃を加える」と述べ、捜査に全力を挙げる方針を示した上で「日本の友人に謝罪する」と語った。犯人像については「現時点では特定できない」と述べるにとどまった。

 サマワの警察当局は、現場近くの民家の所有者ら数人を拘束したが、事件との関連は明らかになっていない。(共同通信) - 6月23日22時5分更新


◆コメント:宿営地を片付けるのには時間がかかる上、陸路を用いるのだ。即刻撤退せよ。

 

 私は、自衛隊をイラクへ派遣することに関してははじめから反対だった。

 この日記では、約2年前に、自衛隊をイラクへ派遣することに反対する理由。という記事を書いた。それ以来、只の一度も考え方が変わったことは無い。同趣旨の記事も何度書いたか分からない。ウソだと思ったら、Indexページの検索欄に「自衛隊」と入力してみてください。関係ない記事もあるが、ずっと、イラクへの自衛隊派遣に、私が反対であることはお分かり頂けるはずだ。



 物事を混同する人がいて、たまに、私が「自衛隊を」非難しているかのように勘違いして、メールを送ってくる方がおられる。

 私は「自衛隊」を非難したことは一度もない。自衛隊は政治家の決定に遵っているに過ぎない。

 私は、「自衛隊をイラクに派遣した、小泉内閣」を批判しているのである。

 何故、反対か。

 詳しく説明するととてもながくなる。

 1つ目はイラクに自衛隊を派遣する最大の理由は「小泉純一郎内閣総理大臣がアメリカ合衆国大統領、ジョージ・ブッシュの庇護を得たいから」であり、それはつまり、小泉首相の私欲である。政治家の私欲によって、日本国を防衛するべき組織である自衛隊を海外に派遣するべきではない。

 2つ目。イラクを自衛隊に派遣する根拠となっている法律は、イラク復興支援特別措置法(正式の名称はもっと長い)であるが、この法律において、自衛隊が活動できる地域は、次の通り。

イラク復興支援特別措置法第2条第3項

対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとする。

 文言(もんごん)が、意味を為していない。

 この法案を審議していた当時は、イラク戦争が始まってから、数ヶ月しか経っておらず、まだ、イラクの国内情勢は混沌としていた。

 したがって、「自衛隊の活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」など存在するわけが無かったのに、「自衛隊は人助けに逝くのです。戦争をしに行くのではありません」と国民に言い訳するために、こういう形式的で無意味な文言を作ったのである。


◆自衛隊が行くところが非戦闘地域だと言った、日本の総理大臣。

 

 イラク復興支援特別措置法第3条第2項が無意味であることは、小泉首相自身が認めている。

 この人は、本当に頭が悪く、「何処が非戦闘地域か、私(小泉首相)に分かるわけがない」とか、常に恥の上塗りをするのだが、その極致とも言うべきものが、昨年11月10日衆議院国家基本政策委員会合同審査会(所謂党首討論)における民主党の岡田代表とのやりとりである。

○岡田:自衛隊のサマワにおける活動について、総理はサマワは非戦闘地域であると、こういうふうに言われました。非戦闘地域であるという、断言されたその根拠は何なんでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 根拠といえば、戦闘が行われていないということ、だからこそ非戦闘地域である。(発言する者あり)

○岡田克也君 じゃ、総理、お尋ねしますが、お尋ねしますが、その議論の前提としてイラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イラク特措法に関して言えと、法律上、いうことになればですね、自衛隊が活動している地域は非戦闘地域なんです。(発言する者あり)

○岡田克也君 私が申し上げたのは、イラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってくれと言ったんです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは定義は、それは文書を持ってくればすぐ言えますよ。党首討論ですから、考え方を言っているんです。私は、特措法というのは、自衛隊が活動する地域は非戦闘地域である、これがイラク特措法の趣旨なんです。(発言する者あり)

○会長(北澤俊美君) 御静粛にお願いします。御静粛にお願いします。

私は、こういう人を内閣総理大臣として支持する有権者の責任も重い、と思う。


◆自衛隊の宿営地は簡単には片付けられないし、陸路クウェートまで行かなければならない。

 

 サマワの宿営地は、林間学校のキャンプではないから、1日や2日でたためるものではない。

 400m四方の敷地のなかに、ありとあらゆる設備が備え付けられている。

 これらを全部片付けて、宿営地のフェンスを解体して、トラックに積んで、クウェートまで陸路戻らなければならないのだ。

 サマワには、自衛隊の輸送機が離着陸できる場所が無いのだ。

 クウェートまでの道のりも、当然、ゲリラにしてみれば、格好の攻撃場所となる。早くしないと、危ない。早くしても、危ないけどね。


◆実は民間人が自衛隊の荷物を運ぶのですよ。

 

 これは、以前、一回だけこっそり書いた。公然の秘密。

 自衛隊がサマワに宿営地を築くにあたり、膨大な物資を輸送したのは日本の運送会社だ。民間企業である。

 これが、バレると政府としてはヤバい。

 何故なら、政府は「万が一危険が伴うかも知れないから、武装できる自衛隊を派遣するのだ」と主張していたからだ。

 ところが実際は、その、危険なところまで、すごい数の運送会社のトラックが、クウェートから物資を運んだのだ。

 これは、自衛隊=防衛庁では秘密になっているらしいが、自衛隊に一人の知り合いもいない、一般市民の私まで知っているぐらいだから、実際は筒抜けだ。知っている人は知っている。


◆手遅れかも知れないが早く引き揚げることだ。

 

 「一回攻撃されたぐらいで、自衛隊が引き揚げる、ということになったら、世界の笑いものになる」、とか言うバカがきっといるのだろう。

 関係ない。

 日本は法治国家である。

 日本の国法である「イラク復興支援特別措置法」は、戦闘が行われる可能性があるところでは、自衛隊は活動してはいけないと、規定している。

 国権の最高機関たる国会が決定した法律の規定を、自衛隊、いや、自衛隊に命令を下す、内閣が無視することは許されない。

 「自衛隊は、イラクに残るべきか否か」という議論の余地はない。

 法律の文言に忠実に遵えば、自衛隊は撤退する、という選択しか、あり得ない。

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2005.06.22

日本の高度成長期は最早終わったのに、いまだに世の中は忙しすぎる。

◆どうして、日本はこれほど、せわしないのだ。

 

 戦後、わずか15年で復興した日本は、1960年代、池田勇人首相内閣が「所得倍増計画」を提唱し、高度経済成長期が始まった。

 その後、1973年のオイルショックまで、毎年10%の経済成長率を維持するという、世界史上類を見ない、奇跡の大発展を遂げた。 私のオヤジなんかは、その頃サラリーマンをやっていたので、本当に大変だったけれども、今思い出すと、それでも、世の中は今よりのんびりしていた。


◆昔はNHKテレビは6時に始まり、夜の12時には終了していたのです。

 

 これは、既に私は小学生だったので、はっきりと記憶しているが、NHK総合テレビの1日は朝6時のニュースから始まったのだ。

 その当時は、女性がニュースを読むなどという「発想」がNHKにも、世の中にも無く、地味なスーツを着たベテランのアナウンサーがにこりともせずに、20分間のニュースを読むのだった。

 その後、6時20分からは、何と、「明るい農村」という農家向けの番組を、ローカルではなく、全国放送で、7時まで放送したのである。

 私は、子供心に「いくら何でも、東京の学生やサラリーマンまでが、毎朝『明るい農村』を見ても仕方がないのではないか」とおもった。

 だが、ずっとその体制が続いていたところを見ると、特段のクレームは来なかったのだろう。今ほど、人心がカリカリしていなかったのだ。


◆今は、何と朝4時半からニュースをバリバリ流しているが本当に必要な人はどれぐらいいるのだろう。

 

 80年代か、90年代か、世の中が、段々眠らなくなってきた。

 勿論、昔だって、病院、警察、消防署などには当直がいた訳だが、一般人が、これほど、夜中中起きていることは無かった。

 テレビに話を戻すと、今、番組表を見ると、NHKも民放も、殆ど24時間ぶっ続けで番組を放送している。これは、必要ないと思う。

 番組が無くなれば、みんな寝るよ。

 朝のニュースに関しても同様である。

 朝4時のニュースを本当に必要とする人が全くいないわけではない。

 例えば、為替や債権のトレーダーはニューヨーク市場の様子を知りたいだろうが、彼らはテレビよりも、専門の有料情報サービス(ロイター・テレレート)が昔からあるので、そちらを利用すると思う。

 一般の勤め人で、4時半からのニュースがどうしても必要だという人は、殆どいないとみていいだろう。

 何かの医学記事で読んだが、「早起きは三文の得」も程度問題で、人間、早い時刻にねても、余り早起きすると、却ってストレスが溜まり、健康に良くない、という。


◆夜中に皆が寝れば、かなり電力消費量が減り、地球温暖化防止に(焼け石に水だけどね)。

 

 世の中を見回すと、テレビとそれを見ている人だけではなく、24時間営業の(又は殆どそれに近い)商売が今はとても多い。

 コンビニ、ファミレス、都会の飲食店。本屋。レンタルビデオ(DVD)店。

 企業も、かつての成長期に深く深層心理にしみこんだ、長時間労働こそ美徳という幻想にとらわれているが、今は、それほど長く働く必要は無いはずだ。

 私は、何時までも日本人が、この強迫的(脅迫じゃないですよ)な、労働への執着と、いつも何かをして、何か目標を立てて、「自己を陶冶し」「人格を向上させなければならない」という、高度成長期の呪縛から解き放たれるべきだと思う。


◆日本で最初に週休2日を採用した松下幸之助

 

 いうまでも無く、戦後日本経済の立志伝中の人、経営の神様、松下電器産業の創立者、松下幸之助氏は、高度成長期で、国民の所得が確実に増えているにもかかわらず、新製品の売り上げが伸び悩むという、企業としての「スランプ」に陥ったとき、周囲の反対を押し切って、週休2日制を導入した。

 当時の日本のサラリーマンにしてみれば、1週間に2日間も休む事など、殆ど「罪悪」で、社員の抵抗が強かった。

 しかし、松下幸之助氏は人間洞察の天才だったのだろう。鶴の一声で、週休二日が決まった。

 「働き過ぎ」→「ストレスで良いアイディアが出ない」→「良い商品開発が出来ない」→「売れない」という図式がお見通しだったのだ。

 その証拠に、週休2日制を採用して暫く経ったら、社員のモチベーションが急速に回復し、松下電器の収益は改善したというから、驚きだ。


◆ましてや、今は不況なのだから、無理に仕事をするフリをしても仕方がない。

 

 現在の日本は長いデフレ不況からいまだに脱出できていない。

 無理に仕事を作り出しても、所詮、本来必要のない仕事だし、それをやったところで、企業収益が改善しないのだから、給料が上がるわけでもない。

 こういうときは、諦めて、早く帰って、夜中はぐっすり寝た方が、結局、好結果をもたらすのではないだろうか。

 とりあえず、テレビ局は、深夜の放送を止めましょう。

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2005.06.21

「100万人のキャンドルナイト」…東京←「地球温暖化を防ぐのは恐らく手遅れ」(地球環境概況2000)

◆記事1:省エネ考える「100万人のキャンドルナイト」…東京

 

 夏至の21日、夜景スポットの電灯を消して省エネや環境問題を考えるイベント「100万人のキャンドルナイト」が東京・六本木で行われた。

 六本木ヒルズ52階にある展望台「東京シティビュー」では午後8時からの2時間、フロアの明かりが消され、集まった人たちが、眼下に広がる大都会の夜景とは対照的な静かな夜を楽しんだ。 (読売新聞) - 6月21日22時17分更新


◆記事2:温暖化問題楽しく伝えたい 環境相が小学校で授業

 

「自分たちの行動で地球をどれだけ温暖化から守れるかを楽しく伝えたい」と、小池百合子環境相が20日、東京都江戸川区立中小岩小学校(佐々木定治校長)で教壇に立った。

 5年生の総合学習の時間に、児童約70人に対し、パネルを使いながら、南太平洋の島国ツバルは温暖化が進むと海に沈む可能性があることを説明し、温暖化の主な原因とされる二酸化炭素削減のために「冷房の設定を28度にする」「過剰包装を減らす」などの身近な取り組み方も紹介。

 小池環境相は「国会の動きもあるが、特別授業は重ねていきたい」と話している。(共同通信) - 6月20日13時3分更新


◆コメント:深刻な事態はちゃんと伝えなければだめだ。

 

 以前から、この日記(ENPITUは2002年4月から、ココログとエキサイトblogには昨年11月から、同じ文章を載せています)を読んで下さっている方は、またか、と思われるだろうが、ちょっとご辛抱下さい。

 地球温暖化ということは漸くこのごろ少し、真剣に話題になり始めた。

 Yahoo!ニュースには、チーム・マイナス6%に参加しようという、政府広報へのリンクが貼られている。しかし、甘い。


◆尤も権威ある、環境に関するレポート、国連環境計画の「地球環境概況2000」

 

 温暖化問題を含む、地球環境に関する尤も権威のあるレポートは、1999年に30カ国、800人の科学者などの共同調査・研究によってまとめられた、地球環境概況2000という報告書である。

 リンクを貼ったのは、その最後に近い部分、「概況と提言」という章で、日本語に訳されている。

 これは、非常に怖い。 要点を記す。

地球規模の水循環は、今後数十年間に予想される需要を満たすことができそうもない。

土地劣化が農業の生産性と可能性を押し下げている。これらの損失は、農地の拡大や生産性の向上によってもたらされた改善の多くをうち消している。

熱帯林の破壊の速度が速く、取り返しのつかない損失を防ぐことができない。失われた森林を取り戻すには何世代も必要であり、森とともに失われた文化は決して回復できない。


  • 環境悪化が目に見えるようになるまでには時間がかかり、政策立案者の反応も遅いため、地球上の多くの種が、すでに失われたかあるいは絶滅の危機に瀕している。かつて地球上に見られた多様な生物種の全てを保存するには手遅れである。

  • 多くの海洋漁業では、過剰捕獲が続けられており、資源の回復は遅い。

  • 人間の活動により、世界のサンゴ礁の半数以上が危機に瀕している。そのうちのある程度は生き残るであろうが、多くは手遅れである。

  • 開発途上地域の多くの大都市において、大気汚染問題が深刻化し、多くの住民の健康を損ねている。

  • 温室効果ガスの排出量増加により、地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れであり、更に、京都議定書において合意された多くの目標は達成されないかもしれない。


 恐ろしいでしょう?

 最近は、より一層悲観的な予想も出ている。

 2025年には、世界人口の大半である50億人が水不足になり、今後100年以内に、中国で米の生産が8割減、ブラジルやインドでは小麦の収穫が大幅に低下する。

 日本は食糧自給率が低いから、水も食い物も不足するわけである。


◆海面上昇による水没

 

 これは、南極大陸の氷の量が想像できないので、想像しにくいのも無理もないが、南極の気温は、1940年代と比較すると、約2.5℃上昇している。

 それだけでも、神奈川県に匹敵する大きさの氷の塊が溶け出している。

 今後、100年間で5.8℃(これは地球全体)気温が上昇すると、海面が50cmから1m上昇する。

 1m上昇したら、数十カ国が水没。一番先に水没することが確実と言われている国、ツバルでは、国民の移住大計画を策定中。

 その他、バングラデシュ・モルジブなど。オランダも危ない。ハワイも勿論危ない。

 東京も大阪も、かなり内側まで水没する。わざわざお台場なんぞにビルを建てるのは愚の骨頂。


◆とにかく、水と食料が不足すると言うことは・・・・。

 

 何を意味するか。答えは簡単。人類は滅びるだろうということである。

 無論、これらは、科学者の予想が正しいことが前提となる。

 しかし、地球全体の気温の上昇、それによる海面上昇、水不足、食糧不足、異常気象の多発、などに、真っ向から異論を唱える有名学者が出てこないところを見ると、素人の私は、多分、「地球環境概況2000」の予想は正しいのだろうと、状況判断せざるを得ない。


◆これだけ深刻なことを「キャンドルナイト」とか「楽しく地球温暖化を考える」などといって誤魔化すべきではない。

 

 100万人のキャンドルナイトのサイトをご覧なさい。

 こりゃ、ロウソク屋の宣伝かい?

 全然深刻さがない。

 実際に深刻な問題は、深刻さを強調しなければダメだ。

 一昨日から、今日(今日は夏至だ)まで、3日間、夜の8時から10時まで、「電気を消してロウソクの明かりで好きな人と過ごす」とか・・・。

 そうじゃないでしょう(イライラ)。 そういう、悠長な問題じゃないのだ。


◆本当は殆ど絶望的。

 

 政府もマスコミもはっきり言いなさい。

 「このままでは、人類は滅亡します」と。

 あのね。京都議定書というのは、CO2の「排出量を減らす」ことを目的とするだけなのだ。

 つまり、温暖化の進行をほんの気持ちだけ、遅くできるかも知れない、という程度の効果しかないのである。

 仮に、CO2濃度を現状に保とうとするなら、一挙に、全世界がCO2排出量を70パーセント減らさなければならないと言われる。

 ところが、どうだ。京都議定書が目標とするのは、日本の場合なら、1990年の排出量より、6パーセント減らすというもの。はっきり言って、お話にならない。

 そして、もしも、今、この瞬間、CO2濃度を固定出来たとしても、温暖化の進行は数十年続くのだ。

 だから、地球温暖化の進行を食い止めるのは恐らく手遅れ、と専門家が言うわけである。

 全世界の政府は、全世界の人間を真っ青にさせるぐらい、アピールするべきだ。

 それで、事態が改善する保証は何もないが、今は、世界中の殆どの人間が、事の深刻さを全く知らない、ということが、最大の問題である。


◆全く別の話題ですが・・・Music Batonなるものが。

 

 私の駄文にお付き合い下さっている、読者のneaさんから、Music Batonというのが送られて来ましてですね。

 以下の質問に答えて、同じ質問を5人に送れっていうのですが、誰が始めたのか分かりませんけど、まあ、そう変なものでは無いので、自分の分だけ、答えますね。

 後は5人に送れというのは、ちょっとご迷惑だといけないので(私は迷惑じゃないですよ、neaさん。)止めておきます。

 どなたか送って欲しい方いらっしゃったら、お申し出下さい、って言ったら、ダメなんだよね?こういうの。

 いきなり送られてくるのが、面白いんでしょ?まあ、いいや。

■コンピュータに入ってる音楽の容量は?

767MB。ipodなど、携帯用MP3プレーヤは持っていない。外で音楽を聴くことは無いからです。

■今聞いている音楽は?

今は聴いていない。私、「ながら」で音楽聴かないです。

■最後に買ったCDは?

ショパン「バラード、スケルツォ全曲」(アシュケナージ)ロンドン/デッカ ポリグラム

■よく聞く、もしくは思い入れのある5曲

モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」、マーラー:交響曲第五番嬰ハ短調、ウェーバー:リューベツァール序曲、バッハ:二つのヴァイオリンの為の協奏曲、ハイドン:トランペット協奏曲、

■次にまわす人5人:勘弁してくだせえ。

以上です。なんか、恥ずかしいな・・・。こういうの、クラシックが混じると白けるんじゃない?

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お奨め:ロンドンのClassic fm

◆インターネットラジオは星の数ほどありますね。

 

 便利な世の中になったもので、今は、インターネットラジオで、世界中の放送を聞くことが出来る。

  語学の勉強にも勿論使えるけれども、 私は、昼間も仕事で、ずっとPCを睨んでいるし、時には英文を訳さなければならぬ。

 帰宅後も元気があるときはよいが、疲れているときは、日本語のニュースを読むのも聴くのも面倒になることがある。

 こういうときは、私は、海外のクラシック専門局を流しっぱなしにしておく。

 勿論、これだって、曲と曲の間でトークが入るし、ニュースも流すのだが、英語だから、真剣に聴こうとしなければ、気にならない (これが、日本語だと、意味が分かってしまうので、どうしても、条件反射的に内容を理解しようとして、また、頭を使ってしまい、疲れる)。


◆ロンドンの民放局でClassic fmという局がある。

 

 もともとは、勿論、普通の無線局だが、今は日本にいてもネットで聴くことができる。ヨーロッパやアメリカには、このような、クラシック専門放送局が星の数ほどあり、中には、すごくマニアックでバルトーク(という作曲家)の作品ばかり放送している局さえある。

 何故、私が、英国ロンドンの、Classic fmという局を推すかというと、正直に言えば、完全に個人的な思い入れである。

 12年前にロンドンに行き、まだ、家族は日本にいる(海外赴任というのは、亭主が先に現地へ赴き、家を探して、受け入れ体制を整えてから、妻子を呼び寄せる。つまり、数ヶ月の孤独な時間を過ごさねばならぬのだ)ときに、ラジオでも聴いて、少しはリスニング能力を向上させようか、と思って買ったラジオでたまたま、最初に聴いた(偶然受信した)のが、このClassic fmだったので、今でも、これを聴くとひどく懐かしいのである。

 このラジオ局は、あまり真面目でないところがよい。

 日本人は真面目だから、例えばNHKのFM放送は(最近全然聴いていないが)、交響曲ならば、一曲演奏するのに2時間もかかる、ブルックナーの大曲をそのまま放送することも稀ではない。

 厳密なことを言えば、交響曲は確かに全曲が一つの音の構築物なので、部分だけ聴くのは邪道だ、ということになるが、それは、クラシックがどうしても「お勉強」と切り離せない日本人ならではの現象である。


◆西洋人のクラシックとのつきあい方はもっと気楽だ。

 

 Classic fmを聴いて驚いたのは、10分以上の曲はまず、放送しないことだ。

 ドボルザークの「新世界より」なんて、シンフォニーとしては長い方ではないのだが、それでも全曲は滅多にやらない。

 第4楽章だけ、とか、第2楽章だけ、とか、常に「ブツ切り」なのだ。

 勿論、これは人によって好き嫌いが分かれるところだろうが、西洋人は好きなように西洋音楽を聴いているということは、良く分かる。


◆疲れたとき、このラジオ、いいですよ

 

 外国語だから、というのが却って幸いしている。分からないところは無視できる。
 これがトップページだが、中央の上の方にある、 "listen live"とというところをクリックすれば、Realか、Window Media Playerがインストールされていれば、聴ける筈。


◆おまけ:英語のお勉強に最適だが、あまり知られていないBBCのページ

 

 本稿の主旨からは外れるが、英語の,特にリスニングの練習をなさりたい方。

BBCのサイトの中に、BBC World Service | Learning Englishというコーナーがある。

 今はウィンブルドンの特集なんか載ってますな。

 だが、リスニングはニュースが一番易しいので、Words in the Newsというページに行きましょう。

 そうすると、簡潔にまとめられた短いニュースの記事が読める。

 スピーカーの形のアイコンをクリックすれば、BBCのアナウンサーによる原稿の朗読が聴ける。

 下には、記事の中で使われたキーワードが英語で説明してある。

 但し、リスニングの能力は、原稿を目で追いながら音声を聞いても、いつまで経っても、向上しないんですね。

 最初は何十回も聴くというのが基本ですね。音を音として覚えてしまうというか。

 しかし、他にも手はあります。ただ聴くのが苦痛だという人は、原稿見ても良いから、アナウンサーの発音、イントネーションをなるべく真似して、少なくとも100回。出来れば500回ぐらい音読すると良いと思います。

 アポロ月面着陸放送の同時通訳で、西山千さんと一緒に活躍なさった、「同時通訳の神様」國弘正雄先生は、中学の頃、教科書を1000回も音読し、その後、手当たり次第に音読したのが、英語力の基礎になった、とはっきり書いておられます。

 トロイの遺跡を発見したことで知られる、考古学者(といっていいのかね)のシュリーマンの自伝、「古代への情熱」(岩波文庫)という本ほど面白い本はあまりないけど、この中でも、驚くほど同じようなことが書かれている。

「私(シュリーマン)は、あらゆる語学の習得を容易にする方法を発見した。(中略)非常に多く音読すること(以下略)」

 自分で出せる音は聴き取れるし、何百回も音読すると身体が覚えるのですね。

 なんだか、くたびれていて、滅茶苦茶な文章になってしまったが、これにて、筆を置きます。

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2005.06.19

硫黄島で戦没者追悼式、「『二度と戦争をしてはならない』と強く思った。」(小泉首相)←硫黄島まで行かないと分からないのですか?

◆記事:硫黄島で戦没者追悼式、首相ら100人が出席

 

 小泉首相は19日、太平洋戦争で日米両軍が激しく戦った硫黄島(東京都小笠原村)を訪れ、政府主催の「戦没者追悼式」に出席した。

 現職首相の硫黄島訪問は初めて。首相は「終戦から60年が過ぎ去った。悲惨な戦争の教訓を風化させることなく、各国との友好関係を発展させ、世界の恒久平和の確立に積極的に貢献する」とあいさつし、「不戦の誓い」を新たにした。

 硫黄島では日本側2万1900人、米側6821人が戦死した。

 首相は式典を終え、米兵戦死者のための「米軍将兵の碑」などを訪れた後、「すさまじい、苛烈(かれつ)な戦闘地だった。戦った兵士を思うと、『二度と戦争をしてはならない』と強く思った。日本軍も米軍も、祖国、家族のため、心ならずも戦わざるを得なかったのだろう」と記者団に語った。(読売新聞) - 6月19日20時23分更新


◆コメント:「二度と戦争をしてはいけないと思った」?その割には、自民党って物騒なことばかり言ってますね。

 

 小泉首相は、首相就任当時から、「集団的自衛権を行使できるようにして、国際貢献」したい、というようなことを何度も言っている。

 自民党のホームページで憲法調査会の議事要旨というのを、面倒くさいけど、読んでみると、大部分の奴は集団的自衛権の行使は当たり前といっている。

 「集団的自衛権」とは、「自国と密接な関係にある他国に対して第三者による武力攻撃があった場合に、自国が直接に攻撃されていなくても、第三者による武力攻撃を実力をもって阻止・排除する権利」である。

 要するに、連帯保証人みたいなもので、日本が攻撃されていなくても、日本と密接な関係にあるアメリカが戦争を始めたら、これを助けるために、世界の何処へでも自衛隊を派遣しなければならない。どう考えても、日本が戦争に巻き込まれるのは不可避であるといっていい。



 しばしば、日本が攻撃されたときに、日米安全保障条約にのっとって、米国と共同して、我が国を守るのが、「集団的自衛権の行使」だ、という意見を読むが、違う。

 日本が他国から侵略・攻撃されたときに、日本国民の生命を守るのは、日本国にとって、個人における正当防衛と同じで、当たり前であり、これは、日本国の個別的自衛権の行使である。アメリカがこれを助けるのは、「アメリカの集団的自衛権の行使」である。

 集団的自衛権の行使を認めることが国際貢献になるというのもよく小泉さんは言っているが、繰り返すけれども集団的自衛権の行使とは戦争の助っ人をするということで、戦争に加わると言うことは、人殺しの手伝いをすることに、他ならない。そんな国際貢献はしなくても良い。そもそも、有事の際にアメリカが本気で日本を守ると思っているのがおめでたい。


◆イラク戦争を支持した結果どうなったか?

 

 イラク戦争は、アメリカがイラクに大量破壊兵器がある、と言いがかりをつけて始めた戦争で、日本政府は世界で一番早く、公式にこれを「支持する」と言ってしまった。

 しかしながら、結局、最終的に大量破壊兵器は見つからず、何のことはない、一番の大量破壊兵器はアメリカ合衆国そのものであったという喜劇だった。

 日本はそれでも、あの戦争は正しかったといっているが、バカではないか?

 Yahoo!ニュースのトピックスで、イラク戦争という項目があるから、これを「はてなアンテナ」にでも登録して、毎日点検するといい。

 毎日、毎日、これでもか、というほど、人が死んでいる。

 イラクの主権は昨年六月にイラクに委譲されたのであるが、どういう根拠があるのか分からないが、アメリカはイラクに居座り続けている。

 昨日もイラクの武装勢力を50人殺害した、と得意気に発表している。本当に人殺しが好きな国だ。


◆武力を提供しても国際平和をもたらすことはない。

  

 Yahoo!ニュースのイラク戦争を毎日読んでいれば、世界一の経済大国であり、軍事大国であるアメリカが、圧倒的な兵力を用いても、イラク人を屈服させることは出来ず、イラク人のアメリカ人への憎悪がつのり、悪循環に陥るばかりだ、ということが分かるはずで、そういう国に集団的自衛権でおつきあいしていたら、仲が良かったイラクと日本の仲まで悪くなるばかりである。


◆結論:「二度と戦争をするべきではない」と考えるのなら、憲法改正して、自衛隊を軍隊にして、集団的自衛権の行使を可能にすることなど止めるべきだ。

 

 自民党には危ない奴が大勢いて、前・防衛庁長官だった石破茂などという軍事オタクの元銀行員は、防衛庁長官になる以前、2002年5月の衆議院憲法調査会で、「国を守ることが奴隷的苦役であるような国なら、国家に値しない」と発言して物議を醸した。

 これは、従来の政府見解は、「徴兵制は本人の意思に反し、兵役という役務の提供を義務付けるもの」であるため、強制的な苦役を禁止した憲法18条などに反する」という解釈に異を唱えているだ。危ない奴でしょう?

 因みに、憲法18条は次の通り。

 第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

 もしも、小泉首相が、今日硫黄島で言った「二度と戦争をするべきでないと思った」というのが本心ならば、憲法第九条を改正して、自衛隊を軍隊にして、武力の行使を容認して、徴兵制を施行して、集団的自衛権の行使を認めるなどという政策は、その思想の正確に180度逆を向いているのであるから、絶対にやってはいかん。と私は考えます。

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「駆け込み乗車は自己責任? JR中央線車掌が車内放送」 司馬遼太郎さんの「風塵抄」を思い出した。

◆駆け込み乗車は自己責任? JR中央線車掌が車内放送

 

 JR中央線の快速電車の閉まりかけたドアをこじ開けて乗った男性客に、車掌(48)が「けがをした時はお客さまの責任」と車内放送していたことが17日、分かった。

 JR東日本は、駆け込み乗車があった直後には車内放送せず、普段の運行時に注意喚起のアナウンスをするよう指導している。

 車掌歴29年というこのベテラン車掌は「強引な駆け込み乗車に感情的になった訳ではないが、この言い方はまずかった」と反省しているという。

 JR東日本によると、4日午後3時すぎ、国分寺駅(東京都国分寺市)を発車する高尾発東京行き快速電車で、強引な駆け込み乗車があり、発車直後に車掌が「駆け込み乗車はおやめください。そのような乗り方でけがをした時は、お客さまの責任になります」と放送した。(共同通信) - 6月17日17時15分更新


◆コメント:客商売にはモノの言い方がある。

  

 これは、既に江草さんが、十分に書いておられるのだが、思い出したことが一つ。

  それから、実際に、当の「中央線」を毎日利用している人間の立場から、気がついたことを少し。

  思い出したのは、故・司馬遼太郎氏のエッセイ集「風塵抄」にある「威張る話」という一文である。

  それによれば、明治初年、国鉄職員は「官業様」であり、腰にサーベル(刀)を吊っていた。サムライだったのだ。

 つまり、士農工商の「士」であり、「民百姓をのせてやっている」という意識があったのだという

 「企業風土というものは、その企業が誕生した頃の時代の気分や精神が体質遺伝してゆくものらしい。」 と、司馬さんは書いている。

 司馬さんご自身の体験も書かれている。

 

「私が新大阪駅の改札口を通過したとき、どのフォームに行けばいいかということを改札掛(がかり)にきいたところ、かれは氷のような表情で、あごをちょっと右にしゃくっただけだった。

 「むこうですか」

 辞を低くしてもう一度きいた。

 「うむ」

 ともいわず、ふたたびあごをわずかにひいた。ほれぼれするような威張り方だった。

 話が逸れるが、こういうことに関して、「駅員の態度はなんだ!」というのは、普通だ。

 そう書かずに、「ほれぼれするような威張り方」という言い回しができるのが、司馬遼太郎さんの司馬遼太郎さんたる所以(ゆえん)だろう。読んでいて、つい、吹き出してしまう。

 司馬さんは、勿論直接存じ上げないが、他の作家や、編集者、画家の安野光雅(あんのみつまさ)さん(知らない人は調べて下さい)など、司馬さんを知る人で、司馬さんのことを悪く言う人を私は知らない。作家の井上ひさし氏など、「あたまのてっぺんから、つま先まで紳士だった」と、追悼文に書いていた。

 ところで、今回の「問題」を起こした車掌は車掌歴29年だという。

 国鉄が民営化されたのが昭和62(1987)年だから、この車掌は「国鉄」に入社していたのだ。

 司馬遼太郎さんの「仮説」が正しいとすれば、この人には、まだ、「お上」の意識が残っていたのかも知れないな。とおもった。



 それから、もう一つ。ものの言い方、ということである。

 江草さんが書いておられるように駆け込み乗車は大変危険で、これによって多数に迷惑がかかる。江草さんの仰ることは、正しい。これは、嫌味でも何でもない。正論だ。

 だからこそ、このベテラン車掌は、そのことを第一に表現するべきだったのである。

「駆け込み乗車により、ダイヤが乱れれば、何十万人に迷惑をかける。だから止めて下さい。」といえばよい。これは合理的だ。

 ところが、「怪我をしても自己責任です」という言葉は感情が先走っている。感情がもろに発露されると、正しいと分かってももめ事に発展しやすい。

 もし、当日駆け込み乗車をした客が怒って、車掌室に怒鳴り込んだら、ダイヤは一層乱れただろう。その意味で、この車掌自身が言うとおり「言い方がまずかった」

 言い方を変えれば、客商売をする人間として、客の心理洞察が不十分だと、まあ、ちょっと大げさだが、そのように言えなくもない。


◆中央線の車掌は客がドアに挟まれていることを知っていても、滅多にドアを再開閉しない。

  

 これはしょっちゅう経験することなのだが、朝の中央線の混み方は尋常ではない。

 駆け込み乗車ではなくても、ドアが閉まる瞬間に、偶然、電車内部から一瞬押し出されるような形で、ドア付近の客が外側にはみ出て、閉まるドアに挟まれることがあるのだ。

 私は、なんども、そういう人を「救出」した。

 つまり、閉まろうとするドアをこじ開けるのだが、あの電車のドアが閉まる力はもの凄い。大の男が二人がかりぐらいで渾身の力で引っ張らないと開かないのである。

 そして、私が問題だと思うのは、乗客が挟まれていることを、ホームの駅員も車掌も、間違いなく認識している。全部のドアが閉まらないと、ランプが消えないのだ。にも関わらず、ドアを開けようとしないケースが多いのである。

 「人がドアに挟まれていることを認識しながら、何もしない」のは、傷害の未必の故意があるといわれても仕方がないのではないか。

 ほんの一瞬、1秒だけ、もう一度ドアを開ければ、挟まれている人を容易に助けることができるのに、多くの場合、車掌は「駆け込むからいけないのだ」という意識で「制裁」をくわえているのだろうか、ほったらかしなのだ。あれこそ、ダイヤ遅延の原因になると思う。

 ドアを無理にこじ開けることにより、ドアが故障して閉まらなくなり、本格的に大運行障害になったことさえ、何度もある。

 要するにお互い様だ。駆け込みは良くない。だからといって、ドアに挟まれた客を放置する車掌も良くない。

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2005.06.18

<国会延長>自民、公明両党の賛成多数で可決←それどころじゃ、ないだろう?

◆記事:<国会延長>自民、公明両党の賛成多数で可決

 

 衆院は17日夜の本会議で、19日で切れる今国会の会期を8月13日まで55日間延長することを自民、公明両党の賛成多数で議決した。延長国会で与党は郵政民営化関連6法案の成立を図るが、野党は廃案を目指しており、自民党内の反対派の動向が焦点となる。

同党執行部は法案修正に向けた調整を進めるとともに、反対派の切り崩しに全力を挙げるとみられ、衆院での採決が予想される7月上旬から中旬にかけ緊迫した局面を迎えそうだ。

 会期延長の議決に先立ち民主、社民両党は「郵政特別委員会の設置を強行した」として、川崎二郎衆院議院運営委員長の解任決議案を提出。同日午後の本会議で採決され、与党の反対多数で否決された。(毎日新聞) - 6月17日22時34分更新


◆コメント1:郵政法案なんかどうでも良い。飛行機を何とかしろ。

 

 国会の会期延長は、云うまでもなく、郵政民営化法案を採択したい与党と、阻止したい民主党の勢力争いの結果であるが、そのような政治家の権力欲で郵政事業の行方を決められては困る。が、本当は私は郵便局など今はどうでもいい。

 それよりも、この日記上で毎回取り上げているとおり、最近の航空機事故の発生頻度は明らかに異常であり、今までは墜落には至らなかったが、このまま問題を放置したら、20年前と同じ大惨事が起きる可能性が十分に考えられる。


◆コメント2:5月から今日までに、非常に重大な事故が、少なく見ても4回起きている。

 1.機内急減圧:5月8日、ニューヨークから成田へ向かっていた日本航空47便に、ディ・コンプレッション(いわゆる急減圧)が発生しました。同機は北海道の南東約370km付近の太平洋上を高度1万1000mで航行中でしたが、機内の与圧が急激に低下したため、急遽高度3000mまで「緊急降下」し、新千歳空港に緊急着陸。

2.<全日空>高度計に不具合、管制官の指示と異なる高度で飛行

 長崎発羽田行き全日空664便(ボーイング767―300型機、乗員・乗客96人)が高度計に不具合を生じ、約600キロにわたり管制官が指示した2万9000フィート(8800メートル)より上空の3万4000フィート(1万400メートル)を飛行した。と異なる高度で飛行していたことが分かった。

 同社は「周囲に他機はなく危険はなかった」としているが、国土交通省は14日、ニアミスの可能性もあったとして調査を始めた。

3.<日航トラブル>着陸後滑走中にタイヤ2本外れる 羽田空港

 これは、一昨日書いたので詳細は省く。

4.トイレに煙、操縦席にも充満…全日空機が緊急着陸

 17日午前10時55分ごろ、大阪(伊丹)空港発高知行き全日空1609便(DHC8―402型、乗客・乗員64人)のプロペラ機から、離陸直後に「操縦室内に煙が充満している」と国土交通省大阪空港事務所に連絡があった。

 同機は約15分後に同空港に引き返し、無事緊急着陸した。乗客らにけが人はなかった。兵庫県伊丹市消防局によると、操縦室後部のトイレで煙が充満し、操縦室に流れ込んだ可能性があるという。 同機は午前10時35分離陸予定だったが、出発が遅れ、同48分に飛び立っていた。(読売新聞) - 6月17日14時19分更新



1.はパイロットを30年務めた人が書いていたが、30年間機内急減圧、緊急降下など、一度も経験したことがないという。素人が考えるよりも遙かに重大なアクシデントであるらしい。

2.飛行機は磁方位0(真北)~179つまり、東向きに飛ぶときと、180(真南)~360、西向きに飛ぶとき、それぞれ、選択できる高度が法律で決まっていて、その中から、管制官が指示した高度を飛ぶのだが、高度計が正しい高度を示さなかったら、東向きと西向きが接近し、最悪、衝突、空中分解となる。

3.これも一昨日書いたが、全日空もJALも機体の整備を中国の工場になんか任せないで済むように、国交省はなんとかしろよ。

4.今日起きたばかりの事故だが、操縦席からトイレまで、煙が充満って、乗っている客は生きた心地がしなかったのではないだろうか。


◆コメント3:郵政民営化はどうなろうが、誰も死なない。飛行機は落ちれば人が死ぬ。政治家は郵便局ばかり見ている。

 

 これらの事故を見ていると、飛行機が墜落するような事故が起きていないのは、単なる偶然(というか、幸運)に過ぎず、20年ぶりの大惨事が何時起きてもおかしくないように思われる。

 しかし、自民党も民主党も、一体何を考えているのか、口にするのは、郵政民営化法案のことばかりだ。

 しかも、それは、互いの勢力争いの道具としてつかわれているだけだ。 それどころではないだろう? 新聞を読まないのか?

 毎日航空機事故が起きているのに、国交省の責任を追及しない野党も、マスコミも怠慢である。


◆コメント4:野党もマスコミも飛行機が墜落することを期待しているのか? 
 

 もしも、旅客機が墜落すれば監督官庁である国交省の責任だが、行政権に関しては内閣は連帯して責任を負うのだから、小泉政権は、厳しく責任を追及されることになる。

 野党はもしや、そうなることを望んでいるのではないか?といいたくなる。マスコミは、派手な事故が起きれば、新聞は売れる、テレビは視聴率を稼げる。

 ひどい国だ。

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2005.06.17

中国「反日デモ、謝罪問題は存在しない」 ←後で、必ず吠え面をかくときが来るのです。それは・・・。

◆記事1: 中国「反日デモ、謝罪問題は存在しない」

 【北京=吉田忠則】中国外務省の劉建超副報道局長は16日の定例記者会見で、4月の反日デモで北京の日本大使館の窓ガラスなどが割られた事件で日本政府が中国側に謝罪を求めている問題について「謝罪問題は存在しない。すでに解決済みだ」と述べた。

そのうえで「中国は国際法と国際慣行に基づき責任ある態度で関係する問題を処理する」と強調した。 (日経)(20:44)


◆記事2:中国、豪雨で200人死亡 西部は干ばつで飲料水不足(共同通信) - 6月6日18時13分更新

 

 【上海6日共同】中国南部の湖南、貴州、広東各省などを中心に全国16の省、自治区、直轄市で5月末から豪雨が続き、洪水や山崩れにより少なくとも204人が死亡、79人が行方不明となった。

 新華社電などが6日までに政府の被害まとめ速報として報じた。 被災者数は1706万人に達し、家屋13万7900戸が倒壊した。

 一方、中国西部の雲南省など11の省では干ばつが深刻で、住民1108万人と家畜637万頭が飲料水不足に見舞われているという。 

 南部では今週も豪雨が予想されており、4日に開かれた国家洪水・干ばつ対策総指揮部の会議で回良玉副首相は「防災対策や救済措置を迅速に進める必要がある」と全国に指示した。


◆記事3:【中国】中国の水不足深刻、2030年には最悪レベルに (サーチナ・中国情報局) - 6月9日9時39分更新

 

 建設部の仇保興・副部長は7日に行われた記者会見で、中国の水不足の現状を説明した。国連の関連組織の基準によれば、現在、中国の水不足の状況は「軽度」に分類されるが、2030年にはもっとも深刻化し、「中度」に分類されると予測されている。8日付で中国新聞社が伝えた。

 2004年、中国の1人あたりの水資源保有量は2220立方メートルで、世界的にみても少ない水準。これが2030年には人口の増加などにともない、1760立方メートルまで減少するものとみられる。

 仇・副部長は、中国の水資源の分布が不均衡であることを指摘。全国的にみれば人口の3分の1を占める華北地域の水保有率は、わずか6%にとどまり、チベット自治区などの西南地域と大きな隔たりがあることを挙げた。

 また、南部地域の水質汚染も深刻化。北京などでは地下水の過度なくみ上げによる地盤沈下も問題になっている。


◆コメント1:中国の水不足は深刻ですよ。

 

 中国といえば、長江と黄河という大河があり、水資源は十分にあるように思われるが、記事3で中国の当局が自分で認めているように、今後、水不足が進行することは、殆ど明らかなのである。

 中国の国土は広いから、水資源の絶対量は多いけれども、ご存じの通り、人口もまた、多すぎて困っている国だから、一人当たりの水資源は必ずしも豊富とは言えない。

 中国では、日本からのODAのおかげでインフラが整備され、生活用水、工業用水の使用量がどんどん増えた。

 2001年の水の使用量は1965年の2倍であり、2030年には、供給量を上回ると予想されている。

 何しろ中国が不便なのは、国土が広すぎるので、まんべんなく水を供給するのが難しい、という点にある。

 多分地球温暖化の影響だろうと思うが、記事にあるとおり、中国南部では、突如、雨雲が発達して、豪雨により200人が死んでいるが、同じ時に、雲南省など西部の11の省では干ばつに苦しんでいる。


◆コメント2:中国は、いずれまた、日本の援助を必要とするだろう。

 

 現在、中国が水資源問題対策として構想を練っている「プロジェクトX」は、「南水北調」といって、長江から、もの凄く長いパイプラインと、運河を作って、水不足になり安い地域(西部だけではない。北京など北部も不足している)へ水を運ぶ計画である。

 これには、10年以上の時間と5000億元(384億円)もの資金が必要なのだそうだ。

 へへへ。

 そんな技術と資金を完全に自分たちだけで何とかできるのでしょうか? 

 そういうときは、反日デモも何も無かったような様な顔をして、揉み手をしてすり寄ってくるのが中国人という人々ですが、あれほど、日本人の事を罵倒なさって、領事館に暴力を振るって、謝らない、とおっしゃるなら、日本は知らん顔をしましょうよ。

 今のうちに、日本に謝っておいた方がいいのではないですか?

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2005.06.16

全日空やJALが機体の整備を中国の工場に委託している、ということを知っていましたか?

◆記事1:日航機、着陸時に前輪外れる…乗客3人けが

 

 15日午前10時ごろ、東京・羽田空港で、新千歳発の日本航空1002便(ボーイング767―300型機、乗客210人)が着陸した際、滑走路上で突然、機体の前脚タイヤが2本とも外れ、誘導灯などを破損して止まった。

 同便は自走できなくなったため、日航は滑走路にバスを出し、約1時間後に乗客全員を飛行機から降ろした。同社によると着陸時の衝撃で、乗客3人が首に痛みを訴え、うち1人が空港診療所で治療を受けた。

 着陸の際、衝撃を受け止める主脚のタイヤがパンクするケースはあるが、前輪が損傷を受けるのは異例。

 国土交通省では、操縦や整備に問題がなかったか調査を始めた。警視庁でも、業務上過失傷害の疑いもあるとみて、関係者から事情聴取するなど、調べを進める方針。(読売新聞) - 6月15日14時37分更新


◆記事2:(2002年11月14日付朝日新聞より)中国の整備工場でジャンボ機の配線、わざと切断

 

 全日本空輸や日本航空が機体の整備を委託している中国の工場で、人為的とみられる電気配線の切断や警報装置の紛失が発覚し、国土交通省が同工場に対し、臨時の安全性確認検査を行っていたことが12日、わかった。

同省は、全日空と日航に対し、同工場で整備を行った機体の安全を再確認するとともに、今後、受け取り時の検査を徹底するよう指示した。

 トラブルがあったのは、中国・アモイ市のTAECO社。整備改造の事業場として、国交省をはじめ米国などの航空当局の認定を受けており、日本では全日空と日航が年間計10機前後の整備を委託している。

 国交省などによると、10月中旬、全日空が整備を委託したボーイング747型(ジャンボ)機で、発電機制御系統の電気配線が切断されているのが、エンジン試運転のチェックで発覚した。

 その後の検査で、客室のトイレから客室乗務員に連絡するための電気配線でも切断が見つかった。また、整備のため取りはずした地上接近警報装置のコンピューターが紛失していたこともわかった。

 故意の切断や盗難の疑いもあるとして、中国警察当局が捜査しているほか、TAECO社では、ガードマンの配備や監視カメラの設置など警備が強化された。


◆コメント:本来、このような、憶測に基づく週刊誌的コメントを書くべきではないが・・・。
 

 今朝、共同通信の速報で、日航機の脚に関係する事故が起きた、という第一報を聞いたとき、「あっ」と思った。

 ちょうど2週間前にジャンボ機主脚部品破断 という事故があり、ここで触れたばかりだった。

 また、5月9日、今年に入ってからの航空機関連トラブルが異常に多いという事も書いた。

 冷静に考えると、今日の事故は要するにパンクであり、専門家に云わせると、パンク自体は格別に珍しいことではないが、ノーズギアが2本一度に、というのは、覚えがないという。

20050615235717

 事故としては、ジャンボ機主脚部品破断が、着陸時に起きたら、本当に怖い。

 脚が折れてしまうわけだから、胴体を滑走路にこすりつけながら、すさまじい熱を発して、滑ることになり、下手をしたら、火災が発生する。


◆あまりにもコスト削減に走り過ぎていないか。

 

 航空関係者のWebサイトで今日の事故について、コメントしている人がいないか、インターネットで検索してみたけれども、まだ、状況の全貌が確認できていない所為もあるし、 仲間内で情報交換している最中なのか、あいにく、見つからなかった。

 ただ、一つ目がとまったのは、ある航空評論家のコメントで、ここ数年、航空会社は世界的に経営が難しいのでコスト削減が著しい、という話だ。

 911テロ、SARSで、旅客数が減る。つまり、売り上げが落ちている。

 一方、原油価格が高騰しているため、コストがかさむ。

 新興のアジアの格安運賃航空会社も出てくるので、運賃を上げるわけにはいかない。

 企業が収益を確保しようとしたら、提供する、モノやサービスの価格を上げるか、コストを切りつめるか、その両方を同時に行うのが常識だが、今書いたとおり、安売り競争が激しいので、運賃を引き上げるわけにはいかず、コストを切りつめるしかない。

 そのしわ寄せが安全面に出てきているのではないかという。


◆中国の工場に整備させるのは、今はヤバいよ。

 

 いや、こういうことを書いてはいけないのは分かっています。

 今日事故を起こした飛行機が中国の工場で整備されたことがあるのかどうか、現時点では全く分かりません。

 しかし、である。

 記事2をお読みいただきたい。

 3年前に中国の整備工場で「わざと配線を切断」した奴が、中国にいたのである。ぞっとする。 云うまでもなく、ここ数ヶ月の中国の反日感情は3年前の比ではない。

 もしも、中国の工場で整備した飛行機が事故を起こそうものなら、原因が判明する前から、とんでもないいざこざに発展するだろう。

 そんなことになったら、喜ぶのは金正日将軍様だけだ。


◆「公的資金」を多少注入してもいいから、優秀な日本人整備士が整備してくれ。

 

 日本政府は、銀行がつぶれそうなときには、自己資本を増強するために公的資金を注入する。

 銀行の監督官庁は金融庁、航空会社の監督官庁は国交省で、全然関係ない。

 ただ、もし、整備不良で飛行機が事故を起こしたら、起きてからでは遅い。

 飛行機が事故を起こしたら、要するに全員死んじゃうのだから。

 多少税金使ってもいいから、日本の飛行機は日本で点検整備出来るようにしてやるべきだ。

 繰り返すが、もし、なにかあったら、何百人という人間が一度に死ぬんだぞ。

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2005.06.15

「新しい歴史教科書」がけしからん、という人、本当に、読みましたか?

◆「新しい歴史教科書」を読んでみた。

  

 我が日本国のような自由主義社会では、思想・言論の自由が認められている。

  歴史的事実をどのように、解釈して、どのように表現するかは、自由である。

  しかし、或る思想や表現に賛成するか反対するかは、まず、その思想・表現を知らなくてはならない。

  それは、分かっているけれど、何せ忙しくて、私は今まで「新しい歴史教科書」なるものを読んでいなかった。

  これではいかんと思い、扶桑社の「新しい歴史教科書」を読んだ。


◆この教科書が外交問題を生ぜしめるほどの問題を含んでいるとは認められない。

  

 4月に中国で「教科書問題に抗議して」反日デモが起きたのは、記憶に新しい。

  私は断言するが、当時のデモに加わった連中は、この教科書に何が書かれているか、全く知らないであろう。

  この本が「日本のアジア侵略を美化」している、という人は、一体、どういう言語理解能力を持っているのだろうか?


◆日本の汚点も明瞭に記してあるよ。

 

 例えば、満州事変のきっかけとなった、1931年の「柳条湖事件」については、こう書いてある。

 

1931(昭和6)年9月18日午後10時20分頃、奉天(現在の瀋陽)郊外の柳条湖(りゅうじょうこ)で、満鉄の線路が爆破された。

 関東軍はこれを中国の仕業だとして、ただちに満鉄沿線都市を占領した。しかし、実際は関東軍が自ら爆破したものだった。これが満州事変の始まりである。

 という具合である。

 日本にとって、都合が悪いことを史実に忠実に記録している。


◆他国が「侵略を美化」と指摘しているのは、多分、ここ。

 長くなるので、所々割愛するが、276ページ「大東亜戦争」(太平洋戦争)

 
1941年、12月8日午前7時、人々は日本軍が米英軍と戦闘状態に入ったことを臨時ニュースで知った。 (中略)

 同じ日に、日本の陸軍部隊はマレー半島に上陸し、イギリス軍との戦いを開始した。

 日本軍は(中略)英軍を撃退しながら、翌年2月には、わずか70日でシンガポールを陥落させ、ついに日本は、イギリスの東南味支配を崩した。

 フィリピン・ジャワ・ビルマなどでも、日本は米・蘭・英軍を破り、結局100日ほどで、大勝利のうちに緒戦を制した。

 これは、数百年にわたる白人の植民地支配にあえいでいた、現地の人々の協力があってこその勝利だった。この日本の緒戦の勝利は、東南アジアやインドの多くの人々に独立への夢と勇気を育んだ。

 この辺りの記述「だけ」を切り取って恣意的に解釈すれば、日本が東南アジアに出て行ったことを賛美している、ということになるだろう。

 が、その後、日本が調子に乗って、「大東亜共栄圏」などという概念を作り、戦局が悪化してからは、アジア各地域へ戦争への協力を求め、過酷な労働を強要し、その結果、フィリピンやマレーでは、抗日ゲリラ活動が見られるようになったことが、はっきりと書かれている。

 決して、ノーテンキに、「日本は東南アジアで良いことをした」と認識しているわけではない。


◆中国の(官製)メディアが特に怒ったのは、東京裁判に関すること。

 中国政府宣伝用新聞、人民日報の日本語版は今年4月12日に、「新しい歴史教科書」の東京裁判に関する記述に怒り狂っている。

 

この教科書はまた極東国際軍事裁判の日本A級戦犯に対する判決を公然とくつがえそうとしている。
周知のように、第2次世界大戦後、中国、アメリカ、イギリス及び旧ソ連など11カ国からなる極東国際軍事法廷は日本の戦犯を厳しく審理し、最後に東条英機ら7人のA級戦犯に絞首刑を言い渡し、1948年12月23日にそれを執行した。今回検定に合格した歴史教科書は法廷が「戦争犯罪で国の首脳に判決を下したのはこれまでの歴史に例がない」と公然とわめきたて、「東京裁判にはいまなお定説がない」という妄言を言い放った。これらの戦犯に対する判決をくつがえそうとする彼らの企みは歴然としたものである。


◆この教科書は偏向したり、歪曲しているのではなく、Everything is relative(全ては相対的だ)という立場なのだ。

 

「新しい歴史教科書」は極東国際軍事裁判について、


  • この裁判の根拠は、日本が9カ国条約(1922年ワシントン会議において日・米・英・仏・伊・中・オランダ・ベルギー・ポルトガルの9ヵ国で結ばれた,中国に関する条約。以後ボリビア,デンマーク,メキシコ,ノルウェー,スウェーデンも加わった。第1次大戦後の日本の中国進出抑制のため米国が主唱したもので,中国の主権・独立の尊重と門戸開放・機会均等などを規定。)と不戦条約に違反したことを、理由に開かれたものだが、九カ国条約には、違反した国の指導者を裁判にかけて処刑することを認める規定はない。

  • 裁判官は全て戦勝国の人間だったし、検察側の証拠は、殆どそのまま認められるのに、弁護側の証拠は、ろくに吟味することもなく全て却下された。

  • 東京裁判で唯一国際法の専門家だった、インドのラダ・バール判事は、「この裁判は、国際法上の正当性を欠く」として、全員の無罪を主張したが、GHQは同判事の意見書を全く顧みず、これ以降、裁判を批判することを禁止した。


等の点で、法的正当性を疑問視する声もあった、という、他の歴史教科書には書いていない、「歴史的事実」を書いているだけだ。

むしろ、日本の大多数の教科書は東京裁判の結果だけをそのまま記述するだけで、後世の人間としての歴史的批判の観点がない、という点で不自然であるとすらいえる。

「新しい歴史教科書」は、物事は全て相対的であるという事実を示している。

東京裁判とて、必ずしも正しいとはいいきれず、現に、はっきりと法的正当性を否定する人物すらいたことを併記しているわけで、むしろこのような柔軟性がある歴史の見方、言い方を変えれば、連合国側におもねるばかりではなく、敗戦国側から東京裁判を見ると、納得できない点がいくつもある、ということを著しているという点において画期的なのである。

それを、いきなり、「日本の軍国主義」と決めつける方が、硬直的、情緒的思考であり、知性に欠ける。

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2005.06.14

「宝塚―尼崎間で走行実験、非常ブレーキ再現」 ←つまり、いまだに事故の真相は不明なのだ。

◆記事1:宝塚―尼崎間で走行実験、非常ブレーキ再現

 

 国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は13日、脱線事故が起きたJR福知山線宝塚―尼崎間で、原因究明のための走行実験を始めた。

 事故車両と同型の試験列車で、脱線した快速電車が繰り返した非常ブレーキ作動を再現。全地球測位システム(GPS)も使い、これまでに回収した様々なデータと照合し、快速電車の走行状況を特定する。実験は16日まで行われる。

 試験列車には、事故調の調査官らが乗車。始発駅だった宝塚駅では午前10時10分ごろから、快速電車が自動列車停止装置(ATS)の作動で2度にわたって非常ブレーキで停止した状況を再現した。約70メートルオーバーランした伊丹駅でも非常ブレーキを作動させ、ダイヤへの影響などを確認した。

 この日は計9本、14日以降は1日3本の試験列車を走行させる予定。(読売新聞) - 6月13日12時41分更新


◆記事2:脱線現場で車両試験=非常ブレーキなど再現-モニター記録と照合へ・事故調

 

 兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は13日、脱線車両と同編成の試験車両を使い、非常ブレーキや駅ホームでのオーバーランも再現する走行試験を実施した。

 車両には脱線した快速電車から取り外した車両モニターを搭載。16日まで4日間、尼崎-宝塚間で実験を行う。 事故調が実際の車両を使い、本格的な走行実験を実施するのは初めて。 (時事通信) - 6月13日12時1分更新


◆コメント:「実際に車両を走らせる実験まで行うのは初めて」が意味するところ。

 

 今日で、尼崎の列車脱線事故からちょうど、7週間が経過した。

 7週間ということは、四十九日(しじゅうくにち)だが、四十九日の法要は一昨日、「西国三十三所観音霊場」の寺院で既に行われたそうだ。犠牲者のご冥福を祈ります。



 引用した記事に書かれているとおり、事故調査委員会はなんと、事故現場で、事故を起こしたのと同型の車両を用いて、当時の運転を再現する実験を始めた。

 事故調査委員会が、実際の車両を用いて、事故現場を走らせるのは、長い日本の鉄道の歴史でも初めてだそうだ。

 これは、何を意味するか、といえば、そこまでしないと、真実が明らかになりそうにない、ということに他ならない。

 私は、事故が起きた直後から何度も、「現時点では、『事故の全貌は不明である』ということだけが、唯一の『真実』である」と書いた。

 その状況は今も変わっていないのだ。つまり、
 現時点では、今なお、事故の原因は不明である。


◆事故の原因が不明なのだから、特定の人物や組織の責任であるかどうかも不明なのだ。

 

 これも、私は、繰り返し書いた。

 明らかなことは「JR西日本、福知山線の線路上を走る鉄道車両が脱線・転覆し、運転士を含めて107名の死者が出た」ということだけだ。

 事故の原因が分からないということは、事故の原因が人的なものか否か、すら、まだ分からないのである。

 別の言い方をすると、JR西日本の列車が脱線転覆したからといって、それが、必ずしもJR西日本の責任とは分からないのだ。

 過去にそういう事故があった。

 1978年に、東京と千葉を走る、営団(当時の)地下鉄東西線が、荒川の鉄橋の上で(東西線は、一部の地区では、地上を走るのである)竜巻に巻き込まれて、2両だけだが転覆した。

 これは、何と、鉄道車両が左右に揺れる、その固有振動数と竜巻の風が真横から列車に吹き付けるタイミング(周期)が偶然にも合致してしまったために、転覆したらしいことが、後に判明した。

 「とんち一休さん」で重い釣り鐘を指一本で動かす方法と同じである。

 物体を、その固有振動数で振幅させるときには、最小の力で足りるという話である。

 これは、不幸な偶然としか言いようが無く、営団地下鉄に責任を負わせるのは、あまりにも酷だった。

 だから、今回も、意外な事故原因が判明する可能性は、ある。

 念のため、書き添えるが、私は、「JR西日本に責任が無い」と述べているのではない。
 「この事故は、誰の責任かまだわからない。誰の責任とも言えない可能性もある」という、「現時点での客観的事実」を強調しているのである。


◆事故の責任がJR西日本にあると断定した人々は、よく考えるべきだ。

 

 私としては随分穏やかな表現を意識的に用いている。

 今にも感情が爆発しそうなので、抑えているのだ。

 事故直後、まだ、何の真実も明らかになっていないのに、JR西日本の経営陣を罪人扱いした、報道に従事する人々。

 弔問に来た、JR西日本の職員に向かって、「夫(妻、息子、娘)を返せー」と叫んで、殴りかかった遺族。

 その映像を、視聴率稼ぎの為に全国に放映した、各テレビ局。

 事故現場の献花台に控えるJR西日本職員に暴力を振るった、「被害者の知人」

 事故とは何の関係もない、JRの女性運転手をホームでけっ飛ばし、線路に落ちそうにさせた男(この女性運転士は恐怖のあまり、乗務が出来なくなってしまった)。

 電車がぶつかったマンションをJRが買い取るといったら、ここぞとばかり金儲けのチャンスに利用しようとした人。

 いずれも、よく考えていただきたい。

 はっきり言えば、反省しろ、ということだ。

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2005.06.12

「新たなBSE感染牛の疑い=英で最終確認へ-米農務省」 ←イギリスに検査を依頼しないとわからないの?

◆記事1:新たなBSE感染牛の疑い=英で最終確認へ-米農務省

 

 【ワシントン10日時事】米農務省は10日、BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)に感染した疑いのある牛が一頭発見されたと発表した。

最終的判断のため、同省は検体を英国に送り、厳密な検査を行う。検査結果は数日で明らかになるという。農務省ではこの牛の月齢について「かなり高齢だと聞いている」(報道室)としている。 (時事通信) - 6月11日13時2分更新


◆記事2;<BSE>米で感染疑い牛1頭発見 日本の輸入再開に影響も

 

 【ワシントン木村旬】米農務省は10日、牛海綿状脳症(BSE)に感染した疑いのある牛1頭を発見したと発表した。この牛は既に死んでおり、同省は最終的な確認のため、検体を英国の研究所に送る。数日以内に結果が出る見通しだ。BSE感染牛と確認されれば、米国では03年12月以来、2例目となる。

 米国での最初の感染が確認されて以来、日本は米国産牛の輸入を禁じてきたが、米側は「米国牛は安全」と主張し、日本の食品安全委員会が輸入再開の審議に入っている。しかし、2例目の感染が確認されれば、同委員会の審議にも影響し、輸入再開時期も遅れる可能性がある。

 農務省によると、この牛は感染牛の特徴である正常に歩けない「へたり牛」で、予備的な検査で陽性、1種類目の確認検査では陰性だったが、2種類目の確認検査で再び陽性反応が出たという。会見したジョハンズ米農務長官は「(この牛は)食品として流通していない」と述べたが、同省は牛の年齢や生育地などは公表していない。
 同省は、昨年6月から約37万頭の牛を検査しており、その検査の中で今回の牛が見つかった。

 ◇日本では「クロ」に

 米国農務省が確認検査として実施したのは「免疫組織化学検査」と「ウェスタン・ブロット法」と呼ばれる2種類の方法。いずれも、日本でもBSEの確認検査に使われている。日本では、どちらかの検査で陽性となった牛は、BSEとして扱われてきた。

 日本政府の食品安全委員会は今後、米国からの牛肉輸入再開について、安全性を検討する。米国内でBSEがどれだけ広がっているかは、検討の重要な材料になるとみられる。米国で2頭目のBSE牛が出れば、検討結果に影響を与える可能性がある。(毎日新聞) - 6月11日13時2分更新


◆記事3:(昨年7月13日付)米、危険牛の76%は未検査・農務省監察官報告書

 

 【ワシントン13日共同】昨年末に初の牛海綿状脳症(BSE)が確認された米国で、2002会計年度(01年10月―02年9月)からの約2年間に中枢神経障害の兆候が表れ処分された牛680頭のうち、約76%に当たる518頭がBSE検査を受けていなかったことが13日、農務省監察官が議会下院へ提出した報告書案で明らかになった。

 神経障害の兆候がある牛はBSE感染の恐れがあるため、「危険度の高い牛」の相当数が検査されず感染が見過ごされていた可能性がある。農務省は、米国でBSEが広がっている可能性は低いとしてきたが、報告書案は「(政府の)主張の信頼性を低下させる」と指摘した。


◆記事4:元米農務省検査官「米のBSE隠し、99.9%確信」

 

 【ワシントン=吉田透】米農務省の元食肉検査官だったレスター・フリードランダー氏は12日、カナダ下院の公聴会での証言で、同省が米国内で新たなBSE(牛海綿状脳症)の牛を見つけながら秘匿していることを「99.9%確信している」と述べた。

 ジョハンズ米農務長官は同日、記者団に対して「(フリードランダー氏の告発は)真実ではない」と全面否定。どういう動機で事実と違う主張をするのか理解できないと指摘した。(2005年4月13日 日経)


◆コメント1:米国でBSEが発見されたのはこれが「2頭目」なのだそうだ。いい加減にしろよな。

 

 アメリカは世界最大の牛肉供給国でありながら、1986年に英国で初めてBSE(牛海綿状脳症)が発見された後も、全然、これを重大視せずほったらかしにした。

 アメリカにおける畜産業は、日本人のそれに比べ、管理の精度が信頼できない。

 何しろ、個体別に管理していないのである。

 日本は全ての牛がいつ、何処で生まれたか、記録されているが、アメリカ人にそういう几帳面さはない。

 牛の月齢が分からないのに、「生後20ヶ月未満の牛はBSE検査の対象から除外しよう」と主張するのだ。

 一体、アメリカ人はどういう頭の構造をしているのか。

 すでにクロイツフェルト=ヤコブ病に脳を冒されている人間が半分ぐらいいるのではないか、と皮肉のひとつも言いたくなる。

 アメリカで今回BSEの疑いのある牛が発見され、そうだとしたら、アメリカでは2頭目なのだそうだ。


◆コメント2:日本ですら、2001年10月から昨日までに20頭のBSE感染牛が見つかっているのですよ。

 

 日本の旧厚生省も1986年に英国で初めてBSEが発見され、1995年には、BSEと人間のクロツフェルト・ヤコブ症候群との因果関係が疑われ出したのに、2001年の1月までは、英国産の肉骨粉がBSEの感染源で危険だと知りつつ、禁輸措置をとらなかった。

 だから、日本の食品衛生管理行政も、お粗末と言わざるを得ず、あまり偉そうなことは言えない。

 それでも、2001年10月から、食肉牛の全頭検査を開始し、約1ヶ月後2001年11月21日に、日本初の感染例が北海道の猿払(さるふつ)町の酪農家が育てた5歳の牛でみつかった。

 それ以来、今月は6月2日にBSE19頭目を確定診断。今月はたまたま続いたが、6月6日には、BSE20頭目を確定診断された。


◆コメント3:アメリカと日本の牛肉生産量

 

 アメリカの年間牛肉生産量は、約1200万トンで、日本は多くても40万トンである。

 アメリカは日本の30倍の牛肉を生産していて、しかも、BSEに関して特別な対策も取っていなかったのに、過去から、現在までにたった2頭しかBSEに感染していなかったというのは、常識的に判断して、少なすぎる。


◆コメント4:アメリカは感染牛を発見しても秘匿している、と元アメリカの食肉検査官が証言している。

 

 記事3と4は、なかなか、すごい。

 要するに、アメリカは、狂牛病特有の中枢神経症状(脚がふらついて、まともに歩行が出来ない、など、見て明らかな症状)が出ている牛ですら、四分の三は検査しないのだそうだ。

 それに加えて、元食肉検査官の証言によれば、BSE感染が判明しても、匿しているらしい。

 そういう牛肉を、アメリカは日本に対して「米国牛肉は安全だ」といって、輸入を再開しろと迫っているのだ。

 一体、どこまで悪党なんだ。アメ公ってのは。


◆コメント5:アメリカは自分でBSEの判定が出来ないのだ。

 

それに加えて、あきれるのは、アメリカは独自でBSE感染牛肉かどうかの判断が出来ないことが判明したことである。

 冒頭に引用した記事1の見出しを 読んで下さい。
 

「新たなBSE感染牛の疑い=英で最終確認へ-米農務省」

 へー。アメリカってBSEの最終判定をイギリスに頼むんだ?

 ノーベル賞学者が200人もいる国だが、間抜けな話だ。
 これは、アメリカが、如何に食品衛生関連の研究を軽視し、技術(検査法とかね)開発を行っていなかったのか、を物語っている。


◆コメント6:日本が輸入を再開しないと、米国の畜産業が困窮する、というのも、ウソだ。

 

日本が米国産牛肉の最大の輸入国だった(2003年12月から禁輸)ことは確かだ。

 アメリカの牛肉輸出量全体の36%に相当する42万トンを輸入していたのである。

 しかし、その42万トンはたいした量ではない。

 コメント3で書いたとおり、アメリカの年間牛肉生産量は約1,200万トンである。

 日本の輸入量42万トンは、全体の3.5%を占めるに過ぎない。
 あとは、国内市場で売るか、他の国への輸出しているのだ。日本の3.5%など、微々たるものではないか。

 仮に、日本の輸入が永久になくなっても、全く問題無いはずだ。


◆結論:アメリカ牛肉を輸入してはならない。

 

アメリカは、

 


  • 牛肉をまともに検査せず、あるいは、検査する技術が不十分である。

  •  アメリカは、実際にはBSE感染牛がいたのに、それを匿して、「米国の牛肉は安全だ」と嘘をついている。

  •  アメリカの牛肉の輸入を再開しなくても、アメリカの食肉業界が困ることはないし、仮に困ったとしても、それは、いい加減な食品管理をしてきたアメリカ自身の責任であり、日本の知ったことではない。


 よって、一体、どれぐらいBSEが蔓延しているか実態が不明で、危険極まりない米国産牛肉は、いくら米国政府の圧力を受けても、輸入を再開するべきではない。

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靖国と教科書問題に関する、 韓中両国による主張の非合理性を指摘する。

◆記事:衆議院会議録 6月2日予算委員会、岩國哲人議員の質問と小泉首相の答弁

 岩國議員:私は、四年前、客員教授を引き受けております天津の南開大学というところで、教科書のことが問題になりました。靖国のことが問題になりました。私も、行きたくないなという気持ちも心の中にはなかったわけではありません。しかし、行きました。案の定、私の講義が終わってから中国の大学生から質問が出ました、教科書の問題について。私は答えました。日本は常に少数意見というものを尊重する。

あの教科書は自由選択に任されて、結果的には〇・〇一%。九九・九九%の人はそうでない歴史教科書を選んだということ。

常に少数意見を認め、そして尊重するという国の方が、本当はしなやかで強い国ではないかと私は思う、決して中国のことを申し上げているわけではありませんと。

多くの学生の半分だけは、私の話を聞いて頭を縦に動かしてくれました。残り半分は頭がとまっていました。

しかし、私は、正直に自分の思うままに説明してよかったと思います。



 私は、総理も中国の地を踏んで、一日も早く、二十一世紀を支える、そして次の世代を支える日本の若い人のためにも、中国の若い人たちに総理の考えを、なぜ靖国に参ることは正しいと、そして他国からあれこれ言われるべきことではないということを、総理の信念を、場合によっては東京都知事さんと御一緒にでも結構です、中国の若い学生に向かって、私のようにクラスの中で、授業の中でお話しになったらどうですか。

 総理、そういう機会があれば、中国の大学の中へも入って学生と一緒に議論していただけますか。大学の私の学生たちと一緒に。大勢とでは問題ならば、たとえ一人とでも結構です。そういうお気持ちはありますか。お答えいただけませんか。



○小泉内閣総理大臣 私の考え方というのは、たび重なる中国首脳との会談でも申し上げております。

学生との対話をするかどうかでありますが、それは政治家の判断です。いつすべきか、すべきでないか。人に言われてするべきものではないし、時期を見なきゃいけないと思っております。私は、いつ対話をした方がいいか、しない方がいいか、それは自分で判断したいと思っております。


◆コメント:岩國議員の質問は非常に適切だと思います。

 

 この日の予算委員会では、岩國議員の前に民主党の岡田代表が靖国問題で質問しているけれどもこれは、余り感心しない。

 なぜかというと、岡田代表は、サンフランシスコ講和条約を持ち出してきました。 この条約は、1951年9月に締結されたものです。

 内容は、第2次大戦における戦勝国(正式には「連合国」といいます。具体的には、オーストラリア、カナダ、セイロン、フランス、インドネシア、オランダ、ニュー・ジーランド、パキスタン、フィリピン、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国です)と日本が、これを以て戦争のことは最早終わりにしましょう、という条約です。

 最初にこう書いてある。

第一条(a) 日本国と各連合国との間戦争状態は、第二十三条の定めるところによりこの条約が日本国と当該連合国との間に効力を生ずる日に終了する。
(b) 連合国は、日本国及びその領水に対する日本国民の完全な主権を承認する。

 もう、戦争状態は完全に終わりだ。と明記してあります。

 但し、それには、条件があって、そのひとつに極東国際軍事裁判(東京裁判)の判決を日本が受け入れること、というのが盛り込まれているのです。

 
第十一条 日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基くの外、行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。


 要するに東京裁判の判決の通りにしなさいよ。と言っているわけですね。

 民主党の岡田代表は、日本はこのサンフランシスコ講和条約で極東国際軍事裁判の判決を受け入れることを受諾したのだから、A級戦犯という概念も認めたことになる。そのA級戦犯が合祀されている靖国神社に総理大臣が行くのは間違っている、と主張しています。

 私は、それはおかしいと思います。

 日本は確かにサンフランシスコ講和条約を承認、批准しました。

 しかし、この条約には、A級戦犯という概念は出てこないし、ましてや、戦犯の墓をどこにするか、とか戦犯が合祀されている神社に内閣総理大臣が行ってはいけないという記述は無いのです。

 確かに、6月4日に書きましたが、東京裁判で有罪になった25人を「A級戦犯」と呼ぶことは、国内では慣習的に定着しています。
 いずれにせよ、「A級戦犯」は、東京裁判とサンフランシスコ講和条約を前提とした概念だということになりましょう。

 ところで、中国は連合国では、無いのです。

 中国やアジア諸国もA級戦犯が合祀されている靖国神社に日本の内閣総理大臣が参拝することはいけないというけど、そもそも、何ら法的根拠がない。感情論です。

 中国は、上に列記した連合国のメンバーに入っていません。 サンフランシスコ講和条約とは無関係なのです。

 野党は、与党を常に監視して、批判するのが商売ですが、こういう中国や韓国などの不合理な反日感情を理由するのは、良くないと思います。


◆中国は日本の「軍国主義化」というけれど、核保有国である中国にそんなことを言う権利は無い。

 

 中国をはじめとする、今の国連安全保障理事会常任理事国は全て核保有国です。

 中国は隣の日本が原爆が2発も投下されて、どれほどの地獄と化したか、百も承知なわけです。

 それなのに、その後に核兵器を作っている。これこそ軍国主義です。

 最近では、より小型の戦術核兵器の開発にも余念がないといいます。中国の方がよほど軍国主義かつ、非民主的です。

 中華思想という言葉があります。

 中国人にとっては、中国が宇宙の中心です。

 私はイギリスに駐在しているとき、ヨーロッパのどんな田舎に行っても中華料理屋があるので、大変驚きました。

 話してみると分かるのですが、彼らにとって、地球上の何処であろうが、自分がいるところは中国なんです。

 いくらでも、領土を広げたいのです。中国人の方がよほど危ない。


◆岩國さんが言うように、様々な歴史の記述がある世の中の方が健全だ。

 

 岩國議員は中国の大学に講義に行って、「常に少数意見を認め、そして尊重するという国の方が、本当はしなやかで強い国ではないかと私は思う」と述べた、とのことです。

 その考え方自体、正しいし、それを中国人に取り囲まれている場所で発言したのは、大変立派だと思う。

 なかなかおっかなくて言えないですよ。

 で、岩國さんの質問で気持ちが良いのは、罠にかけるとか、権謀術数を用いるのではなくて、「首相も、信念があって靖国神社に参拝することをつづけているのであれば、『何故、自分はそうするのか』を私が講師をしている大学に行って、率直に話していただけませんか」というところです。

 そうですよね。信念があるのならば、行って説得してこい、といいたいけれど、小泉首相は論理性が皆無だから、説得は難しいでしょうね。


◆「日本政府や歴史を歪曲している教科書を認めている」と騒ぐ中国人、韓国人の99.・・・・%は実際にその教科書を読んだことがない。

 

 私は靖国神社より、教科書問題に他国が注文をつけることこそ、内政干渉だとおもいます。

 ある歴史的事実が、かなり客観的な資料で記録されていたとしても、それを、仮に100人の人間が文章にしたら、100とおり、全部異なる表現になると思います。

 日本人が戦争で中国人を殺したのは確かだとしても、単に「殺害した」と書くか、「惨殺した」と書くか、「虐殺した」と書くかは、書き手の裁量に委ねられるべきです。

 何故なら、我が国では、

 

「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」(日本国憲法第21条第1項)

 からです。

 中国や韓国の言い分は、日本の全ての歴史教科書は、「戦時中、日本は、中国人、韓国人を弾圧、虐待、暴行、惨殺し、ことに南京大虐殺では30万人もの中国人を殺した」と「書かなければいけない」ということですよね?

 そんなことを、日本政府が教科書の出版社に命令することは出来ません。

 それは、民主主義の崩壊です。言論、表現の自由という基本的人権を剥奪することになるからです。

 ところが、その無茶なことを「やれ」と、中国、韓国は公然と要求するわけです。

 中国人も、韓国人も、日本の歴史教科書が「歪んで」いると主張する前にちゃんと調べるべきです。

 私の倅は中学生ですが、中学の歴史の教科書(日本書籍)は、別に歪んでないですよ。一部引用します。

 
1937年7月7日、北京郊外の盧溝橋で日本軍と中国軍との衝突が起こり、宣戦布告もないまま、日本軍は中国との全面戦争を始めた(日中戦争)。

 年末には、日本軍は首都南京を占領したが、その際、20万人ともいわれる捕虜や民間人を殺害し、暴行や略奪もあとをたたなかったため、厳しい国際的非難を浴びた(南京事件)。

 これを書いていない教科書が一つだけあったからといって、日本が軍国主義というのは、やはり、客観的に見て、おかしい。


 ◆教科書、実際に読んだことないでしょ?

 

 高校生のお子さんがいる方、または、数年前まで高校生だった若い方を除くと、日本人も高校の歴史教科書を読むことなど、普通できません。

 しかし、各県に必ず一つは教科書を配布する書店として、文部省から指定されている店があります。

 教科書特約供給所の一覧表があるので、参考にして下さい。

 東京なら、大久保(総武線の東中野と新宿の間。山手線の新大久保じゃないですから、ご注意。)にある第一教科書に行けば、全ての出版社のあらゆる科目の教科書が揃っています。個人にも普通に売ってくれます。教科書だから、安いですよ。


◆韓国がしつこく日本の謝罪を要求するのは、条約違反だ。

 

 韓国と日本は1965年に日韓基本条約と、同時に、日韓基本条約の関係諸協定,日韓請求権並びに経済協力協定(財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)を締結しています。

この中で、

 

第2条第1項

 両締約国は,両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産,権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が,千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて,完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。

 と、明記されているのです。

 言うまでもなく、このとき、既に戦後20年も経っていて、日本が無理矢理韓国にこの協定を調印させたわけではない。

 韓国の自由意思に基づき、同意したのです。

 ここで、「韓国の請求権は完全に解決された」のですから、この後、いつまでもぐずぐず言うのは条約違反です。

 何のために条約を締結したのか分からない。


◆何時の時代も大衆は不勉強で感情的ですが、

 

 今の時代はこのようにして、法令とか条約を簡単にインターネットで調べることが出来るわけです。

 中国は検閲が厳しいからダメでしょうが、少なくとも韓国人はこの条文を読むことができます。韓国語の正文もあるのですから。

 調べられることを調べないのは、怠慢です。

 そして、根拠を確認もしないで、感情だけを生にぶつけるのは、教養の無い人がやることだと思います。

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2005.06.11

大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソです。

◆フジ子・ヘミングが上手い、と思う方。他のピアニストの演奏も聴いてみましょう。

 このピアニストを最初に取り上げたのは、てっきりフジテレビのバカかいずれにせよ、民放だとおもっていたのだが、そうではなくて、NHKだと知って唖然とした。

 結論から述べるが、この人物はプロの演奏家として、十分な音楽性も、テクニックも持っていない。特異な経歴と風変わりの容貌は、テレビ屋にとっては、格好の数字を稼げるキャラクターであろうが、何が「魂のピアニスト」だ。

日本人は浪花節が好きだから、「心で歌う」というと珍重され、「テクニック」というと「冷たさ」を連想するようだ。

芸術は、確かに精神活動だが、表現するに必要なテクニック、しかも、素人とは次元の違うテクニックを持っているようでなければ、プロフェッショナルとはいえない。

ジュリアード音楽院で数々の名ヴァイオリニストを育てた鬼教師、イワン・ガラミアン教授の"Cry now. Play later."(今泣いて、後で弾け)とは、そういう意味である。

◆あんなトロいのは、「ラ・カンパネラ」ではない。

 他人がどんな音楽のどんな演奏を好もうが、私がとやかく言うべきでないことぐらいは、私とて承知しているが、このオバサンばかりは我慢がならん。

 リストのピアノ曲などというものは、テクニックを「見せる」ためにある。音楽的な価値という点では、ショパンや、シューマンや、ましてやモーツァルトやバッハと比べるのも失礼な作曲家なのだ。

 ラ・カンパネラはもともと、ヴァイオリンの奇才、パガニーニのヴァイオリンコンチェルトの主題をそのまま使って書いたピアノ曲だ。それに、リストがさまざまな修飾を施して、ピアノ独奏用の曲にした。

とにかく難しいテクニックのてんこ盛りである。それを如何に、スピード感を維持して弾ききるか、というのがピアニストのうでの見せ所なのだ。

 ところが、フジ子・ヘミングのテンポ設定は遅すぎる。早く弾けるのに独自の解釈で遅く弾いているのではない。本来のテンポでは弾けないから、遅く弾いているのだ。彼女がチェコのオーケストラ(天下のチェコ・フィルではない、2流どころ)とチャイコフスキーのコンチェルトを合わせるのを聴いて、良く分かった。

 絶対的なテクニックが不足しているのである。

 プロのピアニストたるもの、「カンパネラ」に限らず、楽譜に指定された、本来のテンポで弾けないのなら、その曲を客の前で弾いて、或いは録音をして、カネを取るべきではない。

 そういう人物が、マスコミに乗せられて、自分が上手くなったつもりでいる。他のピアニストで「カンパネラ」を聴いたことがない人はそれでだませるだろう。

 しかし、他の音楽家や長く音楽を聴いている聴衆はあきれている。私は、演奏家をこれほど酷評するのは初めてだ。それほど、許せないほど、ヘタクソなのである。

◆【追加】コメントを書き込む前に。

このエントリー(記事)をアップしてから5年が経ちますが、当ブログで最もアクセスが多い記事なのです。
コメントを書いて下さるのは、原則的に有難いのですが、あまにも幼稚で、ただ罵詈雑言が羅列してある
ようなものは、レスをするのもアホ臭いので、IPアドレスがわかりますから永久にコメント書き込み不可に
させていただきます。
そして、フジ子・ヘミングさんのピアノがヘタクソだといわれて、反論なさるのは結構ですが、その前に、
比較的最近(2010年2月)書いた、自分と他人の区別が付かない人々。
という文章をご一読頂きたいと思います。これは、

自分が良い演奏だと思うのなら、「それが分からないJIROはバカだ」と思っていればいいではないか。
という趣旨です。ご参考までに。

◆【追加】本物のラ・カンパネラを聴いてご覧なさい。

ときどき、テレビで思い出したように「フジ子・ヘミング」を放送すると、このエントリーへのアクセスが増える。
今日(2007年07月01日(日))も何かやったらしいですね。
折角だから、本物の「ラ・カンパネラ」をお聴かせしましょう。



これが、本来のテンポと、ダイナミックス(音の強さ)なのです。
お分かりになったでしょうか。

続きを読む "大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソです。"

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国語力の低下(続き)

◆様々な情報を頂きました。

 

 昨日、私は、中学生並の語彙力しかない大学生が、語彙・表現力を身につけるにはどうしたらよいのか?ということを書いた。

 そして、具体的な方法として、シソーラス(類語辞典)を用いること、を第一番目に上げ、「書物ではあまり類語辞典はない」と書いたところ、教えてくださる方がいて、Amazonで調べたら、確かに結構、色々とありますね。失礼しました。


という具合である。


◆しかし、本当の問題は、語彙が乏しいという自覚を持つかどうかだ。

 

 語彙を増やすためには、まず、語彙の乏しい人間が、「自分の語彙は乏しい」ということを認識した上で、さらに「それは、恥ずかしいことであり、語彙を増やそう」という意思を確立することが前提となる。

 しかし、大学生にもなって、「鶴の一声」という言葉を知らないという学生は、そもそも、「言葉」「言語」に対する関心が著しく低い人々だと考えられる。

 こういう人が、果たして、「語彙増やす方法」を知ったところで、それを実行に移す可能性はあるのか、と考えると、余り期待できそうにない。

 これは、困った結論で、それでは、どうしようもない。


◆こうなったら、強制するしかない。

 

 こうなったら、語彙が少ないと、社会に出られない、という仕組みを構築するしかない。

 本来、大学入試で国語の試験の点数の比重を大きくすることを期待したいが、無名私立大学は、とにかく経営を考え、バカでもよいから、学費を払ってくれる学生をある程度確保しなければならないので、易しい問題を出してしまうだろう。

 企業も同様である。

 所謂一流企業に入るような学生は、既にある程度の日本語の運用能力を身につけているだろうから、そちらは放っておいてよいだろう。

 だが、中小企業で、何が何でも人が欲しいという場合には、贅沢は言っておれない、と考え、敬語が使えなくても採用してしまうだろう。

 それなら、民間に任せてはダメだ。


◆一定の国語力に達していないものは、大学を卒業できないと文部科学省が決めたらどうだい?

 

これは、問答無用で、文部科学省が、漢字の読み書き、作文能力、敬語の習得などを全ての大学で毎年、全ての学年で実施する。そして、あまりにもお粗末な国語力しか持たない者は卒業させない。

 優秀な学生はばかばかしいだろうが、公平を期すため、つきあってもらう。

 このようにすれば、国語力をつけるインセンティブが生じる。

 逆の言い方をすれば、あまりにも貧困な日本語運用能力しか持たない者は、就職できないぞ、という状況を創出するのだ。

 「語彙を増やす興味」がなくても「語彙を増やす必要」を強引に作り出すのだ。


◆リンク集を御紹介します。

 

 これは、この日記の読者諸氏のご参考になればという趣旨である。

 一つはテープ起こし等■検索おすすめサイトその1■というのだが、テープ起こしに関係なく使えると思う。夥しい数の辞書・事典類が載っている。



 もう一つは、国語力とは関係がない。 かなりミーハーである。まあ、たまにはいいでしょう。

 テレビドラマデータベース

 これは、何とたった一人の、TV業界人ではない、素人が構築したデータベースである。たかがテレビドラマと仰る無かれ。

 ココまで完璧なサイトを作るのは尋常な労力ではない。聴くところによれば、TV屋さんすら、参考にしているそうだ。脱帽。



 最後に、私事ながら、週末で、かなり疲労が溜まっている。文章に変なところがあったら、ご容赦のほど。半分意識が朦朧としているのです。

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2005.06.10

<日本語の語彙力>私大生の19%「中学生並み」←対策を提言しなければ、意味がない。

◆記事:<日本語の語彙力>私大生の19%「中学生並み」

 

 大学生の語彙(ごい)力が低下していることが、大学、短大の中堅校を対象にした調査で分かった。

 独立行政法人メディア教育開発センター(千葉市)が実施し、私立大1年生の19%、短大1年生の35%が「中学生レベル」と判定された。補習や授業で「日本語技法」「日本語コミュニケーション演習」などを開講する大学が増えているが、調査はこうした大学側の不安を裏付けた。

 同センターの小野博教授らは02年、中・高校生約20万人に予備調査を実施。この結果に基づいて、日本語力を「中1」から「高3以上」までの6レベルに分けた。

 一方、「読む・書く・話す」といういわゆる「日本語力」は、語彙の豊富さから類推できるため、今回の調査用に75の言葉の意味を選択肢から選ぶマークシート方式の「日本語力判定テスト」を作成。19大学、6短大と国立高等専門学校の計26校の昨春の新入生7052人に、このテストを受けてもらい、予備調査結果と照らし合わせてレベルを判定した。

 その結果、「鶴の一声」「露骨に」などの意味が分からない「中3レベル」以下の学生の割合は、国立大(3校)で6%、私立大(16校)で19%に上った。

 短大では35%と、3人に1人が中学生レベルだった。

 国立高専は4%にとどまった。

 大学の授業を理解するには、高校レベルの日本語力が必要とされる。

 98~00年に実施した同様の調査では、中学生レベルの割合は国立0.3%、私立6.8%、短大18.7%。語彙力の低下ぶりが目立つ。

 小野教授は「ゆとり教育、活字離れに加えて、学科試験を課さないAO入試や推薦入学など大学入試が多様化したため、私立大では多様な学生が混在する状況だ。短大も日本語の補習なしでは授業が成り立たなくなる心配がある」と指摘する。【元村有希子】(毎日新聞) - 6月8日3時11分更新


◆コメント1:まあね。ブンヤ(新聞記者)ってのは、大げさに書くからね。

 

 センセーショナリズムと言うほど、大げさな話題ではないが、まあ、その一種だ。

 つまり、まず、認識しておかなければならないのは、マスコミは、「悪い方を過度に強調する」という悪癖を有することだ。

 私立大学の学生というが、言うまでもなく、私立大学には、ピンからキリまである。

 当然、優秀な人間の方が少ない。名前を聞いたことも無いような私立大学は、東京だけでもゴマンとある。ましてや、地方の女子大なんて、到底分からない。短大まで入れたら、そりゃ、バカも大勢いるだろうさ。

 この調査は、そういう、昔、大宅壮一(おおやそういち)というジャーナリストの言うところの「駅弁大学」(wikipediaに説明が載ってますから、調べてください)まで含めているのだろう。

 Web日記やBlogは必ずしも年齢・身分を明らかにしないから、確証は無いけれども、私が時折読むBlogや日記を書く大学生の文章は、極めて語彙も豊富だし論旨も明解である。だから、さほど悲観はしていなかったのだが、考えてみれば、本当に語彙に乏しいバカは文章なんか書けないから、Blogも開設しないだろう。


◆コメント2:それにしても、この調査も新聞記事も不親切だ。

 

 本件は、確かに好奇心をそそられるテーマであるが、読んだあと、何となく不愉快だ。

 それは、何故か?

 この調査をおこなった、「独立行政法人メディア教育開発センター(千葉市)」にしても、調査結果を記事にした毎日新聞、記事を書いた「元村有希子」記者も、「このままでは、大学での授業(大学は「講義」といいたいですね)が成り立たなくなる心配がある」という結論を導いて、終わりだからだ。

 心配なら、対策を考えなさいよ。

 言いっぱなしでは、無責任というか、あたかも「独立行政法人メディア教育開発センター(千葉市)」と毎日新聞と、読者が、優越感に浸ることが、この調査と記事の目的なのではないか、と嫌味を言いたくなる。

 それでは、事態は改善しないでしょう?


◆コメント3:語彙増強の方法に関する考察。

 

私は国語教育の専門家ではないので、思いつくままに書かせていただく。

1.類語辞典を使う。

 英語の勉強をある程度本気でやっている人はご存じだろうが、英語には、Vocabulary builderという種類のドリル本が何種類もある。"Word Power Made Easy"とかね。日本には残念ながらああいうものがない。
 それではどうするか。

 英語にはThesaurus(シソーラス)という、類語辞典がたくさんある。 

 これもまた、日本には、ほとんど無い。と思ったら、ネット上にありました。

 日本語も類語を辿ることで、かなり、ボキャブラリーの増強が期待できる。

 幸い、ネット上にシソーラス(類語)検索というサイトがあるので、これを毎日眺めることを習慣にする。



2.国語事典を「読む」

 国語辞典を、意味の分からない単語の意味を調べるときや、漢字をしらべるために引くのは普通のことだが、それすら習慣になっていないひとは、まずその習慣を意識して、努力して身につけるべきだが、それだけでは間に合わない。

 毎日、「知らない日本語の言葉を覚えよう」という、主体的意思をもって、国語辞典を読むということは、実は小説家など、プロの文筆業者ですら、行っている、極めて有効な方法である。

3.新聞記事でも社説でも良いから「音読する」。

 近頃、ボケ防止のために音読が推奨されているが、音読には他にも効用がある。

 黙読している場合、読み方が分からない漢字、意味の分からない言葉があっても、飛ばして読み進めることができる。

 だが、音読を、ある程度のスピードで行うと、当然のことながら、読めない漢字があれば、そこで止まる。意味の分からない言葉があれば、かならず、イントネーションやリズムが崩れる。

 つまり、自分が分からない言葉を明確に認識するために音読は有効だ。一日10分でもよいでしょう。

4.名作を「書き写す」。

 名作ってのは、要するに、夏目漱石、森鴎外(これは少し難しすぎるかも知れぬ)、芥川龍之介、志賀直哉などの作品である。

 これらのいずれか一つの作品で良い。そして全文でなくても良いので、只ひたすら、繰り返し書き写す。

 あの短編も長編も上手い、浅田次郎氏ですら、ひたすら志賀直哉の文章を書き写した時期があったという。天賦の才だけではないのである。

 私は大学受験で一浪したが、予備校で、教え方が上手いので非常に人気があった現代国語の講師が、「文章の本意が分かりかねるときは、私は、書き写してみます」というのを聴いて、大いに感動して、以来、真似をするようになった。

 人間、何かを習得しようという場合、一見、愚かしい、無駄に見えることを、それでもひたすら続ける、「愚直の一念」が必要なのではないでしょうか。

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2005.06.08

「情報はその国の国力に比例する。従って日本は世界第一級の情報を持っている。」佐藤優元外務省 主任分析官

◆記事:「国家の罠」対談 佐藤優・外務省元主任分析官と御厨貴・東大教授より、抜粋。

 

 ◇平成の奇書「国家の罠」

 国際学会をめぐる背任罪などで執行猶予付き有罪判決を受けた佐藤優・外務省元主任分析官(控訴、休職中)の著書「国家の罠(わな)外務省のラスプーチンと呼ばれて」(新潮社)が話題だ。

御厨貴(みくりやたかし)東京大教授(日本近代史)は毎日新聞の書評で「平成の奇書」と評した。二人が外交などについて語り合った。



御厨: 佐藤さんは自らの事件を「国策捜査」と位置付けたが、キータームになると思った。言いたいことは明快で、「冤罪(えんざい)」でも「検察ファッショ」でもなく、国家は一つの生き物でその生存を脅かす突出した動きがあると司法の手によって断罪されるということだ。もう一つ、司法にはある種むき出しの怖さ、つまり一度ここに持っていくと決めたら絶対にそこに落とし込んでいく怖さがあるということだ。

佐藤 情報の世界では琴線の隣には逆鱗(げきりん)があると言う。その触り方を間違えたのかもしれない。

(中略)

御厨 日韓で歴史共同研究が行われている。しかし、日本には歴史には真実があり話し合えば共有できる真実にたどりつくという楽観主義があるのに対し、他の国はそんなことは夢にも思っていないのだからうまくいくはずがない。

佐藤 (中略)ロシアは他国の歴史認識に文句を言ったら、対立を深めるだけだということをよく理解している。

(中略)

御厨 中国が靖国参拝中止を主張しているのは、日本国内が賛否二分しているのに乗じたゆさぶりだろう。小泉首相の性格から言って靖国参拝は絶対に変えない。それを前提にしたうえで政治的決断を考えるべきだろう。

 佐藤 ゲームだということを理解すべきだ。ゲームの勝敗は土俵の作り方で決まる。

 中国が台湾問題と同じくらいに恐れているのは、新疆ウイグル自治区におけるウイグル人の民族主義とイスラム原理主義だ。あの地域に関する日本の研究や情報量は世界一級だ。それをもとに「国の西側の問題で頭が痛いのになぜ東の日本とも対立するのか」という交渉もできる。

御厨 佐藤さんは情報活動の専門家だが、日本にも情報将校のような人間は戦前からいた。軍隊をいかにコントロールするかで情報は必要だった。戦後は経済成長の一方で軍事力とまったく向き合わずにきたため、情報の使い方が分からなくなったのではないか。

佐藤 その通りで情報は必要に迫られてのものだ。ただ情報はその国の国力に比例する。従って日本は世界第一級の情報を持っている。問題は国家がそれをうまく集約し使えるかどうかだ。その思いも伝えたくて本を書いた。


◆コメント1:やはり、国家は「化け物」だ。ということ。

 

 昨年、1月27日の日記で私は、学生時代に国際政治学の教授から聴いた、

「国家とは、おそろしいものです。強大な警察力と軍事力で身を固めて、目的のためなら、一般の人が想像もつかない手段を使うことさえ厭わない、化物だと思っておいたほうがよいでしょう。」

 という言葉を鮮明に覚えている、という意味の事を書いたけれども、この佐藤優氏のエピソードを読むと、あの教授の言葉は本当だった。と改めて感じる。

 それは、「記事」のはじめの御厨(みくりや)東大教授の言葉に集約されている。

 
「国家は一つの生き物でその生存を脅かす突出した動きがあると司法の手によって断罪されるということだ。もう一つ、司法にはある種むき出しの怖さ、つまり一度ここに持っていくと決めたら絶対にそこに落とし込んでいく怖さがあるということだ。」

 今日、引用した記事は、毎日新聞の夕刊2面に載っている特集記事で、これだけきわどい記事を掲載できる、ということは、まだまだ、日本は民主的(佐藤優氏が経験したことは、超非民主的だが)だと思った。中国なんか比べものにならない。別の記事で、脇に逸れるから引用しないが、中国当局はインターネットのWebサイトも全て検閲して、認可制にする、という情報を、今日、日本のメディアが報じている。

 佐藤優氏は、ロシア問題の情報分析専門官で、膨大な貴重なロシア関連情報を日本にもたらした、本物の情報のプロだが、詳しすぎたのが、仇になり、「国策捜査」(国が、時代の「けじめ」をつけるために、ある個人を「いけにえ」にすること、だそうだ)により、刑事被告人にされてしまったのである。その経過は、国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれてという本に書いてある。

 読んでいると冷や汗が出る。佐藤氏はよくもまあ、この本を出す前に「抹殺」されなかったものだ。頭の良い人だから、勿論殺されない程度ぎりぎりのところで止めておいたのだろう。そして本を出版してしまったら、もう国家も彼を消せない。あまりにも因果関係が明らかになる。



 佐藤氏は捕まって、検事から、「(君が)勝てる訳がないだろう?これは『国策捜査』なんだ」といわれたそうだ。

 国策捜査なんて言う言葉は、勿論、建前上は民主主義国家において、あってはならないものだ。

 つまり、「時の政権の意思により、司法が動いて、都合の悪い人物を、何でも良いから適当な罪名をくっつけて、有罪にしてしまい、社会的に葬り去る」ことだ。

 言うまでもなく、近代国家の建前は三権分立。司法権は独立していなければならない。日本国憲法にも、

 「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」(第76条第3項)

 と明記されている。が、そんなのは、実際には、嘘っぱちだということだ。残念ながら。


◆コメント2:「外交はゲームだ」というプロの言葉

 

 私がコメントしたいもう一つのテーマは、「国家の恐ろしさ」はさておき、この外交・情報のプロ中のプロの言葉だ。

 御厨(みくりや)東大教授は、中国が、靖国問題を持ち出すのは、この件に関して日本国内の世論が二分しているのを良く分かっていて、それに揺さぶりをかけるために、敢えて挑発的な発言を繰り返しているのだ、という。そうでしょうね。

 そして、佐藤氏がそれに同意して「これはゲームだということを理解するべきだ」と発言している点に注目したい。

 つまりですね。

 中国は日本と歴史認識が一致することがこの先も無い、ということが、良く分かっている。日本が全面的に謝罪することもないと言うことも分かっている。自分たちの要求が非合理的だと言うことも分かっている。

 その上で、日本攻撃を繰り返している。日本が同じ土俵に立って、まともに反論しても、絶対に中国は「分かった」とは言わない。

 日本がムキになって、暴言を多発して、アジア、ひいては国際社会で孤立すれば、中国がアジアのリーダーシップを握ることに役立つ。その手に乗ってはいけない。と、佐藤氏は、いっているのだ。

 日本が持っている情報は世界第一級で、中国が台湾以上に恐れている、「新疆ウイグル自治区におけるウイグル人の民族主義とイスラム原理主義」に関しても、日本が、多分世界一詳しい。よその国の情報機関は、日本からその情報を入手したがっている。

中国は世界に弱みを知られたくない。

だから、それを「取引」(「駆け引き」というべきか。)に使うことが出来る。というわけだ。

 なるほど。餅は餅屋だ。このレベルになると、これはもう、情報のプロにしか分からないことで、こういう話が、一般紙の夕刊に載ることは珍しい。



 こちらの毎日新聞の原文を読んで、保存しておいた方がいいですよ。

 今日は、私のコメント、本当は要らないです。とにかく、この記事を読むことを薦めます。

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2005.06.07

政治家は「クールビズ=地球温暖化対策」などと言って遊んで、他の問題を誤魔化すな。

◆エアコンを止めなければ意味が無いのだ

 

 何が「クールビズ」だ。焼け石に水、いや、それ以下だろう。

 地球温暖化対策の原因は化石燃料を燃やして発電したり、車を走らせる事によって排出されるCO2だと言われている。

 国会議員が薄着になっても、どうせ、国会の中はガンガンエアコンを効かせているのだろう。それでは、全く意味がない。
 エアコンを止めていたら、国会議員達が汗を拭う仕草が観察できるはずだが、衆議院インターネット審議中継を見る限り、代議士達が上着をぬいでいるだけだ。

 見てご覧なさい。だらしなく見えるだけである。本気でCO2を減らそうというのなら、エアコンを完全に止めて、汗だくになって審議しなければ、国民に範を垂れることなど出来まい。「エアコンの温度設定を1℃上げる」なんて、生ぬるいことで、CO2排出量が減るわけがない。

 やろうと思えば、できますよ。人類数百万年の歴史でエアコンなんて使い出したのは、つい最近なんだから。

 日本人は少し前まで、夏だって、エアコンというものが、そもそも存在しなかったのだから。

 電車にもエアコンは無かったのだよ。
 地下鉄はもっと後まで無かったんだよ。

 学校にも会社にも、自宅にも、車にも、エアコンなんてなかったんだから。


◆日本はそもそも、世界全体の5%しか、CO2を排出していない。

 

 日本が何もしなくても良いとはいわないけれども、要するに、既にやっているから、減らしにくいのだ、という点は十分にアピールして構わない。

 石油ショックの頃から、日本は非常に積極的に省エネに取り組んだから、世界第2位の経済大国であるにもかかわらず、全世界のCO2排出量のわずか5%を占めるに過ぎない。

 世界一の経済大国アメリカと比べれば、如何に日本が、頑張ったかわかる。

 アメリカは、世界最大のCO2排出国である。全世界のCO2の20%は、アメリカが出している。

 にもかかわらず、京都議定書を批准しない。


◆地球温暖化のことなど良く分かっていないくせに「クールビズ」で他の問題を誤魔化している、国会

 

 地球温暖化については、過去に幾度も書いたので、本日はこれ以上書かないが、私が腹が立つのは、政治家がなにかこういう「鳴り物入り」のことを起こすときは何かを匿そうとしている可能性が高いからである。

 匿す、というほどでなくても、別の問題から注意を逸らせようとしていることが多いのだ。


◆北朝鮮はどうする。年金はどうなる。デフレはどうする。

 

 北朝鮮は、このまま、拉致問題は解決したことにしようとしているのがありありと分かる。

 北朝鮮に拉致されている日本人をほったらかしにして、郵政民営化を話し合っている国会があってよいのか?

 年金改革は、どうなったのか?

 未納対策は?

 議員年金を廃止するとかいっていたのは、どうなったのか?

 社会保険庁の年金掛け金の流用はどんどん明らかになっているのに、あの役所は解体しないのか?


◆テロ特措法が延長されたのを知っている人は少ない。

 5月28日にこんなニュースがあったのです。
 

◆<テロ特措法>2年延長へ 海自派遣の長期化検討 政府

 政府は28日、11月1日に期限切れとなるテロ対策特別措置法を2年間延長する方針を固めた。秋の臨時国会で期限延長の法改正案を提出する予定。これを受けて防衛庁は、同法に基づきインド洋で活動中の海上自衛隊の派遣規模を縮小するなど派遣長期化を念頭に置いた体制をとる検討に入った。政府はイラク復興特別措置法に基づきイラクに陸上自衛隊を派遣しているが、将来的にイラク撤退を優先させる意向で、対米関係上、インド洋の活動は継続させる必要があると判断した。(毎日新聞) - 5月29日3時6分更新

 これは、自衛隊の海外派遣を正当化する法律で、これが最初に成立するときも、違憲だという反対論が強かったものなのに、一度決まった法案だからといって、国民にまともな説明もないまま、「延長する方針を固め」るべきではない。


◆小泉首相の政治資金流用疑惑はうやむや。

 

 小泉首相の政治資金流用疑惑という、かなり、大問題に発展しそうな問題が昨年の臨時国会の会期中から、あった。

 

◆小泉首相:関係する2政治団体が500万円以上、使途不明(2004/10/18毎日新聞)

小泉純一郎首相が関係する二つの政治団体が、同じ事務所に同居しながら、両団体とも家賃などの事務所費を別々に、昨年の政治資金収支報告書に記載していたことが分かった。

事務所が入居するビル所有者は「2団体分は受け取っていない」と話しており、年間500万円以上の政治資金が流用された疑惑が浮上した。政治資金規正法の改正が今国会の焦点の一つとなる中、首相自身を巡る「政治とカネ」の問題が問われそうだ。

 政治団体は、首相が代表の「自由民主党神奈川県第11選挙区支部」と、首相の実弟、正也氏が代表を務める「小泉純一郎同志会」。選挙区支部は96年から、神奈川県横須賀市小川町のビル3階にあり、00年以降は毎年、700万円前後の事務所費を計上している。

同志会は76年に設立。同市内の首相の自宅敷地に事務所を置いていたが昨年3月25日付で、選挙区支部と同じ部屋に移転した。

昨年の両団体の政治資金収支報告書によると、選挙区支部の事務所費は約696万円で、ほぼ例年通りだった。しかし、同志会も約505万円を計上していた。

 どうして、この話を野党が追及しなくなったのか?

 どういう裏取引があったのか?と、勘ぐられても仕方がない。つまり、

 


  • 野党も同じようなことをしている。

  •  全く別の、スキャンダルになりそうな弱みを自民党に握られているから、迂闊に追及できない


 のではないか?と国民に思われても仕方がないのだが、国民自体が、小泉首相の政治資金疑惑など、完全に忘れている。


◆国会はもうすぐ閉幕する。

  

  今は、国会の会期中である。第162回国会の会期は、1月21日から、6月19日だった。要するに来週で終わり。

  この150日間で一体どういう成果があったのか、最後に内閣総理大臣にまとめて説明してもらいたいものだ。

  多分、小泉純一郎内閣総理大臣は、覚えていないだろう。それは、国民が説明を要求しないので、覚えている必要がないからでもある。

  時間の経過とともに、全てのことが、なんとなくうやむやになる、日本人社会の特質が仇となっている。

  会期が終われば、国会議員の先生方は、我々国民の血税を用いて、ファーストクラスで欧米に海外視察にお出かけになる。

  視察とは、名ばかりで、現地の大使館の職員に何から何まで面倒を見させて遊び歩く、楽しい夏休みが待っている。

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2005.06.06

お奨めCD 「ショパン:12の練習曲」(マウリツィオ・ポリーニ)

◆「ベストクラシック100」とかいうCDが売れています。

 

 最初に断っておきますが、わたしは、「人間に生まれたからには、音楽、クラシック音楽が好きである『べき』だ」、などというアホなことは考えておりません。

 嫌いな人がいて、当たり前。「嫌いだ」という自由があってこそ、こちらも心おきなく「好きだ」といえるんです。

 ところが、どうも、最近は、レコード会社の戦略が、とにかく売らなくてはいけないので、「クラシック音楽を聴くというとカッコいい。」とか、「ハイソ(ハイ・ソサエティー=上流階級)っぽい」という、一部の人のとんでもない勘違いに目をつけているようですね。

 クラシックを聴くのがハイソ?

 ヘソが茶を沸かしてしまいます。

 クラシック聴くのは、普通のことです。聴きたい人が聴けばいいんです。前もって「お勉強」なんて、全く必要ない。

 芸術はそういうものではありません。聴くのは普通に聴けばいいのです。

 ベートーベンなんて、あんなにおっかない顔した肖像画ばかり残っているけど、「私の音楽は皆(大衆)のものだ。皆に聴いてもらいたい」と言っていました。

 本心だと思います。



 ただし、聴くのだったら、折角だから良い演奏を聴いてもらいたいと思います。

 レコード会社は、「何でも良いから、沢山曲を詰め込んで、安く売る」という趣旨のクラシックのCDを盛んに売っているようです。

 まあ、それが、きっかけで好きになる人もいるはずだから、悪いとは言わないけれど、最初は、やはり、評価が定まった、名盤というのを聞くのがいいですね。

 最初に、上手い人の演奏を聴くと、下手なのを聞いたときに、すぐ分かります。

 ところが下手な方を基点にして物差しが出来てしまうと、上手い下手が分からない。それではつまらんです。


◆「演奏が上手い」、ということ。

 演奏が上手い、という場合に分かりやすいのは、例えば、「子犬のワルツ」(というショパンの曲があるのです)をやたら早く弾いてみせるというようなのがあります。こういうのは、「指がよく回る」といいます。

 しかし、指が回るだけでは感動しないです。ところが、テクニックがなかったら、もっとダメです。

 表現手段として、高度なテクニックはどうしても必要なのです。

 ココが難しいところなのです。テクニックを追求するあまり、音楽が軽くなってしまう、という現象がよく、あるのです。



 しかし、本格的に上手い人というのは、こちらがため息をつきたくなるぐらい、テクニックがあるのですが、同時に音楽的なのです。

 その上、さらに「個性」というのが加わって、姿を見なくても音を聴けば、「あ、これは、あの人の演奏だ!」というような独自のスタイルを持った人が稀に現れます。こういうのが、本当に「上手い」人です。歴史に名を残すような演奏家は、皆、例外なく、そのような「個性」を持っています。

 今日、御紹介するピアニストも、間違いなく、歴史に名を残す人です。


◆マウリツィオ・ポリーニという人のショパンのエチュード(練習曲)集を聴いてください。

  ショパン:12の練習曲をお奨めします。

 

 損をした気持ちには、決して、ならないでしょう。

 これは、もう、聴いていただくしかないです。

 ポリーニという人はイタリア人です。イタリア人というのは、ヨーロッパのなかでは、どちらかというとバカなんですが(大昔のローマ帝国の頃に能力を使ってしまったのでしょうか・・・)、ポリーニは18歳の時に、世界一由緒正しい、権威のあるコンクール、ショパンコンクールで優勝しました。1960年です。

 普通なら、ここからもう、ソリストとして活躍していいのですが、ポリーニは真面目な人で、その後10年間は演奏会は開かず、練習をつづけたのです。

 そうして、音楽と技術が熟成しきったところで、この、アルバムが発売されました。

 この演奏を聴いて、世界中のクラシック聴きは、全員椅子から転げ落ちました。



 なんという、完璧なテクニック。すさまじいパワーと息が詰まりそうなほどの繊細さとの共存、あふれ出る音楽性。

 テクニックだけに絞って言いますと、この曲集はエチュード(練習曲)という名前ですが、歴とした演奏会用の曲。しかも、全てがもの凄く難しく書かれています。

 1曲目から聞いてください。

 厚い低音に支えられて、すさまじい早さで分散和音を弾き続ける右手のテクニックが、最早、文句のつけようがない。

 一つも「曖昧な音」がないのです。完全に鳴っているのです。

 私は、このCD、何度聞いたか分からないんです。すごいことは分かっているのですが、それでも、聴いてみるとまた唖然としてしまうんです。

 これこそ「本当に上手い」演奏なのです。

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2005.06.05

どうして、日本は言われっぱなしになりますかね。

◆靖国神社以前の問題なのですが。

 

 あまりにも、しょっちゅう騒がれるから、皆さんもご承知でしょうが、中国や韓国、その他アジア諸国が、「小泉首相が『戦犯』を合祀してある靖国神社を参拝するのは、けしからん」というわけです。

 何故なら、戦犯を祀ってある、神社にお参りをするのは、彼らに敬意を表していることになり、日本が第2次大戦中にアジア近隣諸国に対して加えた危害に対する反省が足りないからだ、ということですね。


◆A級戦犯とは何か

 

 戦犯の中で特に所謂東京裁判、正確には極東国際軍事裁判で有罪とされた25名だけを「A級戦犯」というわけです。

 東京裁判の原告は、米、英、中、ソ連の他7カ国。全て戦勝国。裁判長はオーストラリアのウェッブ。首席検察官は、アメリカのキーナン。

 原告が挙げた「罪名」は、「平和に対する罪」「殺人の罪」「通常の戦争犯罪と人道に対する罪」ということなのです。滑稽です。


◆そもそも、裁判といえない。

 

 私は、この日記で過去に何度も書きましたが、裁判とは、事件や、紛争とは、無関係の公的な第3者が刑罰や、紛争の解決方法を決める制度であります。
 東京裁判は、紛争、つまり戦争の当事者の一方(勝者)が他方(敗者)を裁くという行為であり、裁判という制度の本質を完全に逸脱しています。勝者が敗者を裁いて、罪人だという。そういう結果になるのは、裁判が始まる前からあまりにも明らかで、こういうのを「茶番」というのです。


◆東条英機が戦犯なら、ルーズベルトも戦犯だ。

 

 日本ばかり反省するのは、おかしい、と言わないとダメだと思います。

 アメリカでも良識のある人は分かっているけれども、戦争の勝った負けたという結果はどうでも良い。

 その間、国家として他国民を組織的に殺したのは、第2次大戦に参加した、どの国も同じであり、人道に対する罪は完全に同一であります。

 ルーズベルトは真珠湾攻撃が行われることを知りながら、アメリカ人の反日感情をあおり立てるために、わざとハワイの太平洋艦隊にこの情報を知らせなかった。

 つまり、同胞を見殺しにした。



 そして、勿論、1945年8月6日、B29「エノラ・ゲイ」が広島に原子爆弾「リトル・ボーイ」を投下して、24万人が亡くなりました。非戦闘員は殺してはいけないのに。

 これは、テロなんです。しかし、紛れもなく、ルーズベルトが許可したことなんです。

 東京裁判の罪名をもう一度見てください。「殺人の罪」「人道に対する罪」。全くルーズベルトがやったことそのものです。

 たまたま戦勝国だから、戦犯と呼ばれない。

 戦犯などというのは勝者が決めた勝手な概念です。



 アメリカは広島の地獄の如き惨状を知りながら、3日後に2発目を長崎に落としたのです。これもルーズベルトの許可があってのことです。

 アメリカ人に聞くと、戦争を終わらせるために必要だったというが、2発目まで落とす必要は絶対にない。

 何故、こういう事が出来たかといえば、はっきりいって、レイシズム(人種差別)です。

「黄色いのが多少死んでも構わんさ」ということです。


◆日本もひどい目に遭っているんだぞということをいうべきなのです。

 

 日本人の道徳観からすると、「それは、元々日本が、中国を・・・・」ということになるが、そうやって遠慮してなんにも言わないから、外人は何時までも言ってくる。

 日本が、東京裁判というデタラメ裁判を受け入れた時点で本来は、もう、お互い言いっこなし、なのです。

 日本も、もっと言えばいい。「非戦闘員を24万人も殺戮した米国の行為は永遠に許されない罪だ。」とかね。

 言わないから、よりによって、アメリカ人てのはどういう神経をしているのか、2003年12月15日に、広島に原爆を投下した「エノラ・ゲイ」という飛行機を復元してスミソニアン博物館で展示を始めました。

 これなんか、ギャンギャン文句言わなきゃダメですよ。いくら何でも、無神経にもほどがある。

 「日本には、まだ、原爆の後遺症で苦しんでいる人がいる。犠牲者の遺族も生きている。貴国の無配慮はあまりにも、軽率である」と。


◆靖国はどうでも良い。論理的に。

 私は総理大臣が靖国神社に参拝するかどうかは関心が無い。

 そうではなくて、もっと論理的に、「『戦犯』という概念は、裁判制度の本質に鑑み、無意味である。人道に対する罪という観点からは、戦勝国といえども日本と同等かそれ以上の罪を犯しているのであるから、第2次大戦に参加した諸国は日本に対してばかり反省を促すべきではない」と他国に反論すべきだ、と考えています。

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2005.06.04

小泉内閣の郵政民営化プランには、緊急性、必然性が認められない。

◆民営化のデメリット

 

 小泉内閣の方針通りに郵政公社を民営化すると、次のような弊害が生ずるであろう。

過疎地や、住宅地でも採算に合わない立地の郵便局が閉鎖され、お年寄りなどでも歩いていける、身近な郵便の窓口が失われる。

実際にドイツでは、民営化の後、それまでは約3万もあった郵便局が1万2千に減ってしまった。 その上、郵便以外の郵便貯金、簡易保険の窓口が無くなってしまう。

 また、小泉内閣は、民営化のメリットのひとつとして、民営化された郵便会社や郵便銀行からの税収が入ることを挙げているが、そう簡単ではない。

現状、既に、佐川急便、ヤマト運輸、日通などがしのぎを削って利益を上げて、税金を納めているのに、実質的に国が過半数の株を保有する「国営民間郵便会社」が新規参入したら、競争が激化して、佐川、ヤマト、日通、郵便がこぞって、値下げとサービス競争で顧客を獲得しようとする。

 結果的に、利益は下がる、コストは上がる、ということになり、今まで、3社で多いときには100億もの税金を納めていたのが、全員赤字に転落して、税収減になる可能性が高い。

 どうして、わざわざ黒字で頑張っている会社を赤字にしなければならないのか。


◆日本政府に郵政民営化を要求しているアメリカの郵便は国営である。

 

 アメリカ国内を流通する郵便は、実に世界全体の郵便の四割を占めると言われている。

 このアメリカでも、郵政民営化の議論が持ち上がったことがある。比較的最近の話だ。

 2003年7月31日に米国大統領宛に提出された報告書には、

 

「民営化は郵便サービス及び民間市場を混乱させる恐れ、また単一の民間企業がユニバーサルサービスを提供するのは、まず不可能。むしろ、米国郵便庁を公的な機関として維持し、業務内容の再検討、組織の見直しにより効率性と将来への適応性を向上させることが望ましい」

 と、極めて明確に書かれており、結局民営化は見送られた。

 そのアメリカが日本に郵政民営化を迫っていることが小泉首相が郵政民営化にムキになっている一つの理由だが、アメリカも無責任だ。ひどい話である。


◆他の外国も失敗している。

 ドイツは先に書いたとおり、民営化したら、郵便局の数が激減してしまったので、民間会社の筈なのに、政府が株の大部分を持って、あれこれと後から、補完的なサービスを提供させているが、それぐらいなら、はじめから民営化などしなければよかったのだ、と言われている。

 ニュージーランドは他国に先がけて、郵政事業を民営化したら、何と、外資に買収されてしまった。

 たとえて言うなら、日本の郵便局を民間会社にしたら、リーマンブラザーズに買われてしまったようなものである。

 郵便は、自国民の便宜を図るためにある制度なのに、外資に買収などされたら、徹底的にリストラ、不採算部門・地域切り捨てということになり、公共の福祉が損なわれる。

 ニュージーランドは仕方がないので、もう一度、国営の郵便事業を構築したのだ。

 これでは、まるで、喜劇である。 


◆世論調査によれば、「郵政民営化」は、日本人が政府にやって欲しいこと17項目のうち、14番目でしかない。

 

 5月29日に、もう少し詳しく書いたが、読売新聞が5月に行った世論調査によると、小泉内閣に実行して欲しいことの筆頭は「景気対策」(62%)、「年金など社会保障制度改革」56%、「北朝鮮問題」35%で、「郵政民営化」は10%。

◆記事:自殺者7年連続で3万人突破

昨年1年間の全国の自殺者は3万2325人で、過去最悪だった一昨年より6・1%(2102人)減ったことが2日、警察庁のまとめでわかった。統計を取り始めた1978年以降、4番目に多く、7年連続で3万人を超えた。

 このうち全体の4割以上を占める30~50歳代男性(1万3402人)の動機で最も多かったのは、借金苦や生活苦など。景気に明るさが見える一方、所得の二極化が進み、経済的に追い詰められる働き盛りの男性の姿が浮き彫りになった。

 男女別では男性が2万3272人(一昨年比6・8%減)、女性が9053人(同4・3%減)。男性では60歳以上が7015人と最も多く、50歳代の6128人、40歳代の4074人、30歳代の3200人が続いた。

 遺書があった1万443人の動機を見ると、病苦などの「健康問題」が4087人と最多で、負債や生活苦などの「経済・生活問題」が3436人、「家庭問題」が1009人などとなっている。ただ、30歳代、40歳代、50歳代の男性だけに限ると、最も多かった動機は、いずれも「経済・生活問題」で、それぞれ382人、702人、1235人に上った。(読売新聞) - 6月2日12時54分更新


◆コメント:やはり、優先順位をまちがえているのではないでしょうか?

 

 先進国で、自殺者が7年連続で、3万人を超えている国など、ない。

 インターネットを通じて知り合った者同士の自殺が「急増」なんて書いてあるが、55人でしょう。全体は3万人ですから、本質的な問題ではない。

 その他の動機を見る限り、景気が全てではないにしても、収入が安定若しくは漸増し、将来の年金にも不安が無いという経済的に安定した状態が具現すれば、自殺者数が減ることは、ほぼ、間違いがないと思われるが、政府はこの件に関しては、驚くほど冷たい。

 いいですか。

 殺人事件や傷害致死で亡くなる人は、1200人ぐらい。

 交通事故死も9000人程度。

 自殺が3万人超。 明らかに異常だ。

 郵便局を民営化して、突如景気が上向くとは、考えられぬ。

 小泉内閣は、やるべき事の順番を間違えているように、思われる。

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2005.06.02

<盗難カード法案>原則的に金融機関の全額補償、打ち出す

◆<盗難カード法案>原則的に金融機関の全額補償、打ち出す

 

自民、公明両党は2日、偽造・盗難キャッシュカードの被害補償を金融機関に義務付ける法案の要綱を了承した。

 焦点になっていた預金者過失の軽い盗難カードの被害については、補償割合を75%と明記。預金者過失の証明責任を全面的に金融機関に負わせることで「全額補償が原則」との方向性を打ち出した。


◆全銀協、約款の改定を急ぐ 自主補償は足並みの乱れも

 

自民、公明両党が2日、偽造・盗難キャッシュカードによる預貯金引き出し被害の補償を金融機関に義務付ける法案を決定したことを受け、全国銀行協会(全銀協)は自主ルールである約款の改定作業を急ぐ方針だ。

 ただ、この法律が年末ごろに施行されるまでの間、約款に基づく自主的な補償をいつから始めるかをめぐっては、各行の足並みの乱れも予想される。

 偽造・盗難カード被害の補償について、全銀協は与党の議論の推移をにらみながら、既に約款の改定を始めている。

しかし、加盟行の意向を集約しながらの作業となるため、この法律が成立してから少なくとも1カ月程度はかかる見通し。


◆コメント:偽造はともかく、盗難カードを銀行に全額補償させたら、悪いことをする奴が出るに決まっているではないか。
 

偽造カードを偽造と見破ることが出来ずに、預金を支払ってしまった場合に銀行が補償するのは、まだ分かる。

 しかし、盗難カードで預金を引き出された場合も、銀行が全部悪いの?

 悪い奴が二人グルになれば、銀行からいくらでもだまし取れるではないか?

 キャッシュカードの持ち主Aが知り合いBに、わざとカードを渡す。

 Bは、勿論、暗証番号を聞いているから、簡単にカネを引き出す。出来るだけ沢山。

 そこで、頃合いを見計らって、Aが

「カードを盗まれた。残高が減っている。使われてしまったのだ。おい、銀行、補償しろ」

 と、いう具合である。

 最近、日本人も、悪い奴が多いからね。バレなければ、悪いことをしても構わないのだ、というとんでもない輩が多いから。
 これに応じなければならないとしたら、銀行は、次々につぶれてしまいますね。ペイオフ解禁されましたから、一定額以上は戻りませんよ。いいのでしょうか?

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世界のお巡りさん コンサート(4月30日~5月6日)という、イベントがあったのです。やはり芸術は国境を越える。

◆世界の警察音楽隊によるコンサートが、愛知、東京、横浜、千葉で行われたのです。

 

 これは、毎日新聞主催によるものである。

 毎日新聞は、新聞のなかでは、最も音楽に縁が深い。

 日本で最も権威のあるクラシック音楽のコンクールは、毎日新聞の音楽コンクールである。

「日本音楽コンクール」が正式名称らしいが(途中NHKが入ったから)、皆「毎コン」と呼ぶ。

 毎日新聞が70年以上も前(戦前ですよ!)にはじめた事業で、ずっと「毎コン」と言われてきたからである。

 「毎コンに出る」ということが、どれほどの覚悟を要することかは、2002年10月23日とか、昨年8月27日に書いた。


◆中国、韓国、イタリア、フランス、アメリカ、シンガポール6カ国の警察音楽隊が日本に来ていたのだ。

 

 海外からは、ニューヨーク市警察、パリ警視庁、イタリア国防省警察、ソウル特別市地方警察庁、シンガポール警察、そして中国から初参加の北京の中国首都警官楽団と、6カ国の音楽隊が参加した。

 日本からは、警視庁、愛知県警、大阪府警、神奈川県警、千葉県警の音楽隊が出演した(必ずしも同時にではない。)

 一つには、愛知博覧会があったからだろうが、こういう催しは海外でも開催されている。

 昨年、警視庁音楽隊は、パリで開かれた同様の催しに招待され、パリ警視庁音楽隊と親睦を深めて帰ってきた。今回は、日本が招待したわけだ。良いことをした。

 毎日新聞に、各地のコンサートの様子が書かれているのだが、全部引用すると長くなりすぎるので、私が要約する。

 それでもかなり長くなるが、少しばかり辛抱して、お読みいただきたいのである。

 それは、「音楽は国籍や、民族を越え、憎しみを超越する」という実例をご覧頂きたいからである。


◆EXPOホール(愛知博覧会)でのコンサート

 

 4月30日には、9つのバンド(音楽隊=吹奏楽団)が演奏した。

 ニューヨーク市警察音楽隊がパフォーマンスを交えて楽しい演奏を行い、会場は大きな拍手と笑いで包まれた。

 ソウル特別市地方警察庁音楽隊は「冬のソナタ」のテーマを演奏して、喝采を浴びた。

 中国首都警官楽団は平均年齢25歳だが、この日の為に数ヶ月前から合宿を行った成果を披露し、客席から「ブラボー」が飛んだ。

 5月1日にもEXPOホールでの演奏が行われたが、この日は警視庁女性警察官のカラーガード隊「MEC」と、警察の音楽隊としては、世界最高峰に近い、パリ警視庁音楽隊が初共演した。

 両方とも忙しく、ガクタイ用語でいうところの「ブッツケ」(練習無しでいきなり本番演奏すること)に近かったが、成功を収め、警視庁の林隊長と、パリ警視庁のフィリップ・フェロー隊長は手を取り合って喜んだ。


◆東京公演(5月3日、4日)

 

 東京公演では、まず、シンガポール警察庁音楽隊が、国内4民族の多様性と調和をイメージした「カルチュラル ミックス」というオリジナル曲を演奏した。

 それぞれの民族衣装や結婚式用のドレスを着た太鼓奏者らが愉快なダンスに合わせて演奏し、聴衆も一緒になってリズムをとった。アムリ・ビン・アミン隊長(44)は「異なる民族が共存しているシンガポールという国を、日本の人たちに知ってほしかった。最高の演奏ができた」と声を弾ませた

 次はイタリアだ。ここは、上手い。イタリア国防省警察カラビニェーリは、長崎を舞台にした歌劇「蝶々夫人」など日本にゆかりのある曲を中心に演奏した。

 アンコール曲が終わるとスタンディングオベーションが止まらなかった。「日本の人たちが私たちを歓迎してくれている気持ちが、強く伝わってきた」。マッシモ・マルティネッリ隊長(39)は演奏後も興奮した様子だった。


◆横浜公演(5月5日)

 横浜公演は、横浜市中区の大さん橋ターミナルCIQプラザと横浜赤レンガ倉庫で行われた。

 パリ警視庁、中国首都警官楽団、シンガポール警察、神奈川県警の音楽隊が演奏した。

 中国首都警官楽団は、「歌唱祖国」など4曲を披露。李欣さん(30)が奏でる二胡の切ない音色も聴衆を魅了した。

 指揮者の〓燕平さん(50)は「初の日本公演で緊張したが、温かい声援を受けて良い演奏ができた」と満足そう。日中関係にも触れ、「対立から生まれるものは何もない。コンサートをきっかけにもっと友好を深めたい」と語った。

20050506Policechoukan


 横浜では、音楽家同士の親睦会が盛り上がり、漆間巌警察庁長官(60)が即興でピアノ演奏をする場面もあったそうだ。写真を添える。

 いいじゃないですか。警察庁長官がピアノを弾くなんて。


◆千葉公演(5月6日)

 

かなりのハードスケジュールだ。この日が最終日。

千葉県警、ニューヨーク市警察音楽隊、ソウル特別地方警察庁音楽隊。

 千葉県警は、女性警察官のカラーガードの先導で行進曲「ミリタリー・エスコート」などを演奏。関根剛二隊長(59)は「ディズニーシーという場所柄を考え、明るく親しみやすい曲を選んだ」と話した。

 特に見物客の人気を集めたのがニューヨーク市警察だった。サングラスをかけた大柄な警察官たちが、軽快で楽しいリズムの曲と共に行進を始めると、手拍子をしながらパレードに加わるカップルも。制服姿の修学旅行生たちも駆け寄り、記念撮影をしていた。

 同隊のトニー・ジオージオ隊長(44)は「笑顔で演奏して、初めて観客からも笑顔をもらえる。エキサイティングな演奏ができて満足」と喜んだ。

 ソウル特別市地方警察庁の朴在寛隊長(55)は語る。「どの会場も観客の反応の良さに驚いた。風が気持ちいい5月にコンサートをできたことも素晴らしかった」


◆コメント:要するに、音楽が「恨み」や「憎しみ」を生んだり、増長することはないのですよ。

 

 先日、指揮者の岩城宏之さんの、感動的なエピソードを書いた。

 戦争中、日本軍に親兄弟を殺され、日本人を心底憎んでいたオーストラリア人音楽家が、岩城さんと音楽をするにつれて、その恨みはもう忘れようという気持ちに変わった、という話である。その話といい、今回の話と言い、私は、音楽(芸術)的感動を共有したもの同士は、たとえ、人種や国籍が異なっても、憎しみ合うことは出来なくなる、という確信を深めた。



◆こういうコンサートは、何処でも良いけど、テレビで放送して欲しかったね。

 

随分長く、コンサートの様子を「説明」したが、空しい。

 所詮、音楽を言葉で表すことは出来ない(少なくとも私には)からである。

 こういう、気持ちの良いイベントこそ、テレビの出番だったんだけどなあ。

 出来れば、コンサートそのものだけではなくて、演奏終了後の、音楽家(肩書きは警視庁音楽隊だから、オーボエ奏者が、巡査とか、巡査長とかいうんだけれども、そんなことはどうでも良い)の交流とかを映像で映して欲しかった。

 楽隊ってのは、同じ楽器同士だと、言葉が通じなくても、何となく話が出来てしまうのである(無論、外国の音楽大学に入って、きちんとレッスンを受けようと言うような人は、語学も頑張らないとダメですよ)。



 以前、テレビで見ました。
 N響が中国公演を行ったことがあるのです。N響と北京交響楽団の合同演奏会(一緒に一つのオーケストラになって演奏する)があったのです。

 N響の団員の皆さんは、北京交響楽団の人々と言葉は通じないのに、あたかも旧知の間柄の如く楽しげに身振り手振りで話していました。

 ドイツのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が、何と、ユダヤ人の国、イスラエルのイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団と合同演奏をしたときの、お互いの分け隔ての無い表情。あの、ホロコーストの加害者と、被害者が、楽しそうに一緒に音を紡ぎ出すその瞬間。

 それらを見たとき、わたしは、世界に平和をもたらすものがあるとすれば、それは武器でも論争でもなく、音楽(芸術)だ、と確信したのです。

 言うまでもなく、昨今、国際関係はずっとギスギスしている。

 アジアでは、日本、中国、韓国は気まずい。

 そういうときに、テレビが今回の催しのような「国境、国籍を超えて楽しむ人々の様子」を放送することは、皆さんが想像する以上に大切なことだと思うのです。


◆協賛各社(スポンサーですな)
 

 最後に、この、金儲けには役に立たない催しに、協力した企業名を挙げて、その功績を称えよう。

 

協賛 トヨタ自動車、東日本旅客鉄道、NTTドコモ、東海旅客鉄道、東京海上日動火災保険、東京電力、プロミス、三菱商事、三菱重工業、三菱地所、佐川急便、荏原製作所、大塚製薬、オリエンタルランド、協和発酵、KDDI、清水建設、住友不動産、大成建設、三井物産、森ビル、アサヒビール、伊藤忠商事、キリンビール、セコム、全日警、綜合警備保障、東京ガス、同和鉱業、丸紅、三井住友海上火災保険、三井住友銀行、ローソン、小田急電鉄、ダイキン工業、東京急行電鉄、みずほフィナンシャルグループ、ファンケル、工藤建設、京浜急行電鉄(毎日新聞 2005年6月2日 東京朝刊による)

 ご覧なさい。IT業界なんて、無きに等しい(ドコモがいる)、ソフトバンクも、ライブドアも、楽天もいないよ。

 マスコミも、主催者である毎日新聞以外は知らぬ存ぜぬ。

 こういうところで、企業の格(格付け機関がつける格じゃないよ。品格ということ)が出る。

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2005.06.01

ジャンボ機主脚部品破断 日航、全日空全機点検←なんか、危ないなあ。

◆記事1:日航ジャンボ主脚、離陸直前に部品破損…シドニー

 

【シドニー=樋口郁子】日本航空によると、30日午前11時半ごろ、シドニー空港の国際線ターミナルから滑走路へ向かう途中の関西空港行き778便ボーイング747型ジャンボ機(乗員21人、乗客160人)の主脚の付け根の部品が破損する事故があった。

 空港の係員などが異常音に気づいて事故を発見、同機は出発を取りやめた。乗客にけがはなかったという。乗客は31日の同便などに振り替えられた。

 破損したのは、左翼の主脚を回転して格納する際の軸となる部分で、離陸前の点検で異常はなかった。主脚を含む着陸装置は2002年2月に交換しており、通常、部品の交換は8年ごとに行うという。

 事故を受け、日航は、所有する全ボーイング747型と747―400型計79機の主脚部分の点検を行った。(読売新聞) - 5月31日20時44分更新


◆記事2:ジャンボ機主脚部品破断 日航、全日空全機点検

 

 シドニー空港を30日に出発しようとした関西行き日航778便ジャンボ機(乗客乗員181人)の主脚部品が破断するトラブルがあり、オーストラリア航空当局は事故につながる恐れがあったと判断、31日までに原因調査を始めた。

 この部品が破断するのは珍しく、日航は保有する全ジャンボ機79機の主脚部品を緊急点検するとともに国土交通省に報告。国交省の連絡を受け、全日空も全ジャンボ機37機を点検した。両社の点検は、31日中に終わる見通し。

 日航によると、日本時間の30日午前10時半ごろ、同機が駐機場からけん引車で移動を始めた際、機長らが何かが折れるような音を聞いたため出発を中止。

点検したところ、左翼主脚の付け根付近の部品に破断が見つかった。

同機は出発を取りやめ778便は欠航。けが人はなかった。(共同通信) - 5月31日20時11分更新


◆コメント:冗談じゃないよ。

 

 あまり、大きく取り上げられなかったニュースだけれど、相当怖い話だ。

 飛行機の主脚というのは胴体のちょうど真ん中の当たりにある車輪群です。

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 飛行機が着陸するときは、ご存じの通り、機首は少し上を向いていて、まず、この主脚の方から、滑走路に着地します。

 その瞬間、摩擦熱で煙が出ますよね?あの巨大な飛行機の全重量の90%は主脚にかかるそうです。

 その後で、機首というか、コクピット(操縦席)の下の当たりにある車輪(ノーズギア)が着地するわけです。


◆今回は離陸前だったが、主脚部品破断が、離陸滑走中、または、着陸時に起きたらどうなるか。
 

 そこまで極端なことは無いことを祈りますが、機体を支える脚が折れたら、ただじゃ済まないですよね。

 検索してみたら、つい最近、4月22日中国東方航空機が、着陸時に主脚の全車輪がパンクした、という事故はあったのです。だが、主脚そのものが折れてはいない。

 脚が折れたら、当然、機体が傾いて、翼が滑走路を擦りますよね。そんな姿勢になったら、パイロットは機体をコントロールできないでしょう。

 旅客機の燃料(灯油、石油です)は主翼に詰まっている。翼は燃料タンクを兼ねているのです。

 それを考えると、今回は運が良かったけれども、相当恐ろしい。


◆同じことばかり書くが、どうして、これほど、航空業界のトラブルが絶えないのか。 

 

 先日も同じ疑問を呈したけれども、何せ、かなり専門的な限られた人々の世界なので、本当のところが分からないのです。

 私は、最近わずか10日で、3回も航空業界の話題を取り上げました。あまりにもトラブルが目立って、異常だと思ったからです。

 5月21日にも書きましたたが、国交省は4月20日から、日航に立ち入り検査をしている。

 1ヶ月以上も検査しているのに、その間も次々にトラブルが起きている。

 一体、国交省はどういう監査をしているのでしょうか? 形だけの検査では困るのです。

 私は、国交省が自ら全ての飛行機の点検をしろ、と言っているのではありません。

 各航空会社の航空機整備点検体制は、実際にどうなっているのか、良く見極めて、問題点を指摘し、1週間以内に(こういうのは通常1ヶ月以内だが、人命に関わることだから、そんな、悠長なことは言っていられない)、業務改善計画を提出しろ、と言う具合に、もう少し気合いを入れて、検査してくれませんか?監督官庁でしょ?

 なんだか、本当にヤバいですね。

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NHK受信料契約28万件減、受信料収入は68億円減←要するにケチで払わないだけだろ?

◆記事:NHK受信料契約28万件減、受信料収入は68億円減

 

 NHKは31日、2004年度決算をまとめ、麻生総務相に提出した。一連の不祥事による受信料拒否・保留の拡大で初の減収となった受信料収入は、68億円減の6410億円。

 30万件増をめざしていた契約総数は28万件減の3661万件、契約率も前年度比1・1ポイント減の80・2%と、いずれも初めて減少した。

 NHKによると、事業収入は、「冬のソナタ」の関連出版などの副次収入が25億円増となったことなどから26億円減にとどまり、6667億円となった。

 また、地上デジタル放送設備などの建設費が拡大したが、経費削減を進めた結果、事業運営費は過去最大の減少額となる98億円減の5648億円に圧縮し、事業支出は6592億円に抑えた。余剰金は33億円減の3億円となり、かろうじて収支均衡を保ったが、実質、減収減益になった。(読売新聞) - 5月31日21時9分更新


◆コメント:受信料を払うことを拒否すると、企業体質が改善するのか?

 

 以前、「NHK受信料不払い70万件」 一部の不祥事は受信料未納の理由にはならない。という文章を書いた。今回もほぼ同内容だが、思想が変わらないので、もう一度書く。

 前回、書いた後、「NHKへの受信料を支払うことに関して、確たる法的根拠は無い。」と、得意げに反論するメールがきた。

 「不祥事がけしからんから納得の行く体勢が出来るまでは払わない」、と、正義感を大義名分としている人もいた。

 また、受信料の算出根拠に納得がいかないから、払わないと言う人がいた。

 特に、最後の人(算出根拠を理由とする人)は、所得税や住民税の算出根拠には納得がいっているのだろうか?

 計算してみたこともないに違いない。



 要するに、「NHKは予算の受信料は、法的根拠も今ひとつ弱いし、払わなくても税金のようにペナルティが無いから、自分ぐらい 払わないでも大丈夫だろう」という発想だろう。単なるケチじゃないか。

 それで、良いのだろうか?

 NHKに受信料を払わない尤もらしい理由をつけているが、番組は見ているのでしょう?

 それは、例えばニュースは、やはりNHKは全国何処でも見ることが出来るし、精度が100%ではないだろうが、チャラチャラした、漢字も読めないアナウンサーがいる、民放よりはマシであることをしっているからでしょう。

 それなのに、みんながカネを払うのを止めたら、NHKも本格的にダメになってしまうと思うのだが。


◆NHKは管理職の給与を引き下げたが・・・。

 

 私の自宅の近くにNHKの社宅があるが、おどろくほど、汚い。

 なんだこれは!というぐらい汚い。

 NHKは出演タレントの間でも(日本薄謝協会)と言われるほどギャラが安いので有名なのだが、社員(その社宅には、アナウンサーとかいるんですよ)の給料はタダでさえ、安い。それを更に下げるというのはどんなものかな。

 給料がさがって、やる気を出す人間というのはあまりいない。

 皆さんご立派なことを言ってるけどね。

 自分が一生懸命働いていても、同一企業の他の何人かが使い込みをしたからといって、世間からがんがん叩かれて、給料を下げられてご覧なさい。

 やる気なくなりますよ。


◆民放は構造的に質の高い番組はつくれないのだ。

 

 民間企業の広告収入を収益源とする民間放送局は、構造的に、真実の報道など出来ないのである。

 まず、大広告主のことは批判出来ない。スポンサーから、資金提供を断られそうな番組、つまり資料率の低い番組は作れない。

 だから、ニュース番組で、「ラーメン特集」や「デパ地下」特集をやる。ニュースでも何でもない。教養のかけらもない。

 番組の劣悪さは、殆ど限界的である。



 日本テレビ、つまり、読売新聞グループというのは、全国紙グループの中で、唯一、グループ内に「読売日本交響楽団」というシンフォニーオーケストラを持っているのに、クラシックなんて、絶対に視聴率が取れない、ということは、スポンサーがつかないから、完全に、無視している。

 毎月一回水曜日の夜の3時に何か放送していたと思うが、そんな番組を見るものはいない。

 かくして、視聴率を至上課題に据える民放は、大衆に迎合し、際限なく低俗になる。


◆情報を得るのにタダですまそうという根性が間違いなのだ。

 

 NHKに不祥事があったことをきっかけに「しめしめ」とばかり、自分ぐらい払わないでいいや、と思った人が大勢いたのだ。

 その結果、受信料の減少は本当にNHKの経営に影響を及ぼすほどになった。

 こういう状態が続ければ、NHK職員だって、アナウンサーが画面に映ったときに、民放より丁寧なだけで、要するにタダの人間だから、やる気をなくして、余計にまずいことが起きたり、番組をまともに作る気がしなくなるだろう。

 情報というのは、タダで得られるものもあるが、質の高い情報は、本来対価を支払って入手するものである。

 こういうたとえ方もできる。

 必ずしも質が高いとは言えないが、ある新聞社の社員が不祥事を起こしたからといって、朝、駅の売店から、その新聞をタダでかっぱらう人はいないでしょう。

 新聞は、紙に印刷されていて、さわれるから、かっぱらいにくいが、電波は目に見えないので、かっぱらいやすい。

 「NHKの職員が不祥事を起こしたから、受信料を払うのをやめる。しかし、ニュースは見る」、というのは、ただで新聞をかっぱらうのと同じことだ。

 前に書き忘れたが、「NHKの体勢が納得がゆくものになるまで」受信料を払わない、等という人。

 全ての視聴者に納得が行く体制とか、番組なんてあるわけがないではないか。そんな条件を満たせるわけがない。


 結論。何でも、カネを払わなくても罰せられないものは、払わないで済ませようというのは、みっともない。

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