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2005年8月

2005.08.31

郵政民営化の詭弁を検証する。(衆院選前解説シリーズ1)

◆郵貯・簡保の何が問題なのか。

 

 国民が郵便貯金に預けたお金、簡易保険の掛け金として払ったお金。それが350兆円あるわけです。

 民間金融機関、つまり、銀行ならば、預かった預金を、その預金につける利息よりも高い利率で、企業などに融資(貸し出し)をして、その金利の差(利ざや)で儲けます。

 また、銀行同士で短期間のお金の貸し借りをしたり、株式、外国為替、債券のディーリングを行って、収益を上げました。

 株でも、為替でも、債券でも、安いところで買って、値上がりしたところで得れば、差益が出ます。

 しかし、これは、一歩間違えば大損します。かなり大きなリスクがあります。専門家がいないとできません。

 郵便局や簡易保険には、そのような業務は認められていませんでした。

 とはいっても、何らかの利益を上げないと、貯金に利息を付けることが出来ません。

 そこで考え出されたのが、財政投融資という制度です。



 郵便局や簡保が集めた350兆円は、旧大蔵省の資金運用部という所にそのまま預けます。

 こうなったら、大蔵役人のやりたい放題です。民間企業のように、株主総会があるわけではないので、どのように350兆円を運用したか、誰にも見えません。

 殆どは、今や巨額の赤字を抱える道路公団とか、住宅公団など「特殊法人」へ貸し出されていました。

 こういうところに、カネを貸して、恩をうっておけば、大蔵役人は道路公団とか住宅公団に天下りができます。

 ところが、道路公団というのは、構造的に儲からないので、今や40兆円ものお金が返してもらえません。

 くりかえすと、

 

国民→郵貯・簡保→大蔵省の資金運用部→特殊法人(道路公団など)→大赤字

 が当たり前と思われていました。

 また、郵貯はご存じのように、小泉政権になってからどんどん発行される赤字国債(税金では予算がたりないから、債券というものを発行して、借金をすることです)の最大の買い手です。

 郵貯がいくらでも引き受けますから、国の借金はみるみる間にふくれあがり、今や700兆円という、気の遠くなるような金額になりました。


◆2001年に制度改革が行われ、郵貯は、財務省にお金を預ける(預託する)ことが禁じられました。

 

 何故なら、大蔵役人に郵貯・簡保のカネを預けると、無駄にしてしまうからです。

 もともと国民がつましい生活を切りつめてやっと預けた大切なお金を、とても返してもらえそうにない、道路公団などに貸し付けてしまう。これは大問題だ、と言うわけです。

 こういう経緯があり、2001年、制度改革が行われ、建前上、郵便貯金は自分で資金の運用方法を考えて、もうけを出さなければいけないことになったのです。

 また、道路公団などの特殊法人は、「財投機関債」という債券を発行して、金融市場から、自分で道路を造るのに必要なお金を調達しなければならなくなったのです。


◆しかし、実態は変りませんでした。

 

 2001年から、郵貯や簡保に、国民から預かった350億円を上手く運用して、自分で利益を出せといっても、そんな仕事を経験した人は郵便局にはいませんから、むりな話だったのです。

 また、特殊法人(道路公団など)も大赤字ですから、そんなところが「財投機関債」(国の保障が付いていないのです)を発行したって、誰も買いません。
 特殊法人から見れば困ったことに、大蔵省資金運用部と言うところは最早、廃止になりましたから、特殊法人は喉から手が出るほど欲しい、郵貯・簡保の資金を借りることが出来ないのです。


◆財投債というインチキが始まりました。

 

 このような状況の下で、財投債というものが出来ました。

 これが、ひどいんです。

 どういう事かというと、自分でお金を調達出来ない特殊法人(道路公団など、です)に代わって、新たに財投債という国債を政府が発行して、郵貯・簡保に引き受けさせましたのです。

 そして、郵貯は国に代金を支払いますね?国はその資金を結局、また特殊法人に融資する、という措置が取られるようになりました。

 この仕組みは、民営化しても残るでしょうね。

 何故なら、先ほどのべたとおり、郵貯簡保には、融資とか、市場での投資、投機を通じて利益を出す専門家がいないからです。


◆小泉さんの倒錯的論理。

 

 小泉純一郎内閣総理大臣というひとは、しばしば、常人には到底理解できない論理を展開します。

 今回も同様です。

  国の赤字がどんどん植えるのは、郵便局がいくらでも赤字国債を引き受けるからだ、というのです。

 郵貯・簡保を民営化すれば、今よりも効率の良い資金運用方法を選択するだろうから、赤字国債を引き受けなくなる。引き受ける人がいなくなれば、国債の発行残高も減るだろう、というのです。

 無茶苦茶です。国債を郵貯に無理に押しつける、そういう資金の流れを作ったのは、他ならぬ小泉政権そのものなのです。

 それを、国債を買う郵便局があるから、赤字国債をつい、発行してしまうのだ、と言っているのです。

 違うでしょう?原因と結果を逆にして誤魔化している

 それは、財政再建を標榜している小泉内閣が、借金を減らす方法に真面目に取り組まなかったからです。

 こういうのを、古来、日本語では「盗人猛々しい(ぬすっとたけだけしい)」というのです。

 他の問題点に関しては、また、後日書きたいと思います。

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2005.08.30

記者クラブでの党首討論要旨

◆背景説明:本日、日本記者クラブにおいて行われた、党首討論(記者との質疑応答)の記録である。

 

 本日、日本記者クラブにおいて、各政党党首が一堂に会して、党首討論が行われた。

 こういう大事なことは、出来るだけ多くの有権者が見ることが出来る、週末に行うか、平日なら、夜に行うべきだ。

 月曜日の午後など、有権者の中心である勤め人は見ることが出来ない。勿論、各家庭のDVDだか、HDDレコーダに録画は可能だが、討論会が行われること自体を知らなかった人も多いだろう。

 そこで、討論要旨をウェブサイトに載せている新聞は無いか、捜してみた(夕刊には絶対間に合わない。明日の朝刊には載るだろう)が、全国紙は根性ないね。どの社も載せていない。
 色々探したら、本来、外為や金利や株のディーラー向けの情報を提供している、ブルームバーグという会社のWebサイトだけが、【衆院選05】6党首激突、討論・質疑応答の詳報-日本記者クラブ を掲載していた。

 一応リンクを貼ったけれども、ご承知の通り、ニュースサイトの記事は数日から数週間で無くなってしまう。

 そこで、私は、Blogないし、日記は「記録」という機能があるわけだから、自分で、保存しておくことにした。

 但し、全文は長すぎるし、党首討論そのものは、小泉首相が、例によって、すぐに話をすり替えて、はっきり言って余り討論になっていない。

 それよりも、討論の後に行われた、マスコミ各社と各党代表、特に、小泉首相との質疑応答が参考になると思うので、その部分を残すことにした。

 日頃は頼りないマスコミだが、今日は、歯に衣着せぬ、鋭い質問を小泉首相にぶつけており、なかなか、いい。

 興味を持たれた方は、上にリンクしたWebページをローカルに保存しておくことをお奨めする。なお、私のコメントは途中、青文字で記している。


◆【衆院選05】6党首、質疑応答の詳報-日本記者クラブ (抜粋)


 ◆【質疑応答】

 

【郵政解散】

――今回の解散は、参院で否決されて、衆院を解散した。議会制民主主義を否定するものだという意見がある。また郵政民営化の是非を問う国民投票と位置付けているようだが、解散権の乱用ではないか。(全くその通り。国政選挙たる衆議院選挙を、郵政民営化の是非を問う選挙だ、という小泉首相は、議院内閣制が分かっていない。)

首相:「これは異例といえば異例だと思う。1法案に対して、小泉内閣の改革の本丸だと位置付けてきた。だからこの重要性はよく理解していただけたと思っている。法案が否決されるということは、小泉内閣に対する不信任と同じだと申し上げてきた。その中で、衆参の意見が違ったが、結果的に国会は否定した。郵政民営化は必要ないと」

首相:「そこで異例中の異例だと思うが、解散に踏み込んで国民に聞いてみたいと。これは憲法にのっとって手続きしているわけだ。野党は衆院で内閣不信任案を提出した。そういうことから、これは私は憲法にのっとって正式な手続きを踏んで解散した。憲法違反ではない。あとは国民がどう判断するかだ」

――参院不要論があるが。

首相:「これは2院制の中で、いつも議論がある。衆院と同じような結論を出すなら参院はいらないのではないか。有害だという議論がある。これは今後、多くの方が政治的な議論されると思うが、今回は衆院選で国民が郵政民営化は必要だという結論を出せば、参院も今までの対応と違ってくると思う」

――小泉さんの努力があまり見えず、最初から解散に踏み切りたかったのではないかという観測もあったが。

首相:「私は解散よりも郵政法案の成立を心から望んでいた。まさか衆院で通過したものが、参院で与党が野党と一緒になって廃案にすることは、想定していなかったわけだ。こういうことはまさかしないだろうと。しかししてしまった。その時は私は前から、解散という言葉を使わなくても不信任だという覚悟でやっていると。それを真に受けなかったのだろう」(だから、最初から解散するつもりだったのかどうかを訊いているのだよ。質問に答えろ。)


【郵政民営化 】

――自民党内で反対が出たのは、自らの責任問題ではないか。理解を求める努力が足りなかったのではないか。(そうだ。行政府たる内閣が、議会に政策を理解して貰って、信任を得るのが議院内閣制というものだ)

首相:「自民党も野党も全部反対の法案だった。本音は民営化反対なんだ。だからまさに政治分野の改革だと思っている。なぜ『民間にできることは民間に』と言いながら、与野党が郵政関係の公務員の要請ばかりに振り回されている。公務員が選挙運動、選挙支援してくれてありがたいという構造を直さないといけない。しかし国民全体の利益はどうなるのかと憤りを常々持っていた。これは経済問題のみならず政治改革だ。本当に国民が公務員の既得権を守るという構造を許していていいのかということを白日の下にさらして国民の意見を聴きたいから解散に踏み切った」(つまり、脈々と続いてきた、特定郵便局長に支持された旧田中派をぶちこわしたいというのが、小泉氏の郵政民営化の一つの大きな動機だが、それを「国民のため」と称するのは偽善なのだ)

――衆院選後に与党が過半数を維持し、特別国会で郵政法案の審議が始まったとしても、構成が変わっていない参院でまた法案が否決されたら総辞職するのか、それともまた解散するのか。

首相:「まだ選挙の結果は分かっていない」

――首相の基本的な民主主義観をうかがっている。首相自身が納得するまで解散をし続けるのか。 (いいぞ。そのとおりだ。小泉首相は議会は首相に必ず賛成するべきものと考えているフシがある。それは専制君主と変わりがない。)

首相:「私はね、人によっては変人以上と言う人がいるが、自分では穏やかな常識人だと思っている。自民党、公明党に過半数の議席を与えてもらえれば、参院で反対していた自民党議員のかなりの部分が賛成に回ってくれると確信している」(そんなこと、分からないじゃないか。何ら合理的根拠がない)

「民主党だって郵政民営化に変わってきたから、自民党も変わっていくと思う」

岡田氏:「郵政民営化法案には反対だ」

――小泉首相の任期は2006年9月まであと1年余りしかないが、衆院選は今後4年間の政権運営をゆだねることになる。小泉首相は政治責任を担えるのか。あと1年しか命のない人が解散した。 (同感である。私も8月24日の日記で全く同じ疑問を呈した)。

首相:「それは議院内閣制だし、党の公約だ。今回初めて自民党の候補が郵政民営化に賛成だ。私の任期は来年9月までだ。それまでに民営化法案を成立させたい。党の公約だから、後に引き継ぎは党の公約に基づいてやってもらう。あと1年間精一杯やる」 (自分が精一杯やるかどうかじゃなくて、お前さんが辞めた後、同じ政策が継承される保障はどこにあるのか?と訊いているのだ)

――そうであるなら、ポスト小泉の方向性を示すべきではないか。 (賛成。)

首相:「イメージはずいぶん出ているのではないか。相当、ポスト小泉を狙っている人がいるのではないか。あと1年、私がこれで国民から支持を得て過半数の議席を得れば、1年の間に今、名前が挙がっている人たちから『われこそは次の首相だ』という分かりやすい姿勢を国民に示してくるだろう」 (全部、小泉首相個人の希望的観測であり、何の約束にもなっていない)

――首相が解散したことをめぐり、世論調査では支持が高いことをどう見ているのか。(大衆は、ものを考えないということだ)

岡田氏:「私は順序は違うと思うが、しかし解散の権限は首相にあるから異論を唱えるものではない」

志位氏:「今の議論を聞いていて、小泉首相は郵政民営化一本に絞って他のことは一切言わない。そして郵政民営化法案を9月の国会に通すといっている。そうなると9月までの公約しか言わず、あとは全部白紙委任で任せろというものだ。それは民主主義を壊す独裁政治だ」

福島氏:「わたしは争点隠しだと思う。郵政民営化はもちろん重要な問題だが、この4年4カ月の小泉政治の下では雇用、福祉、平和、靖国、外交の問題を前々争点にしないのは無責任だ」

――郵政民営化こそが改革の本丸だと主張しているが、自民党のマニフェスト(政権公約)で、例えば戦略的外交ができないという構成になっているが、これはいくらなんでもこじつけではないか。
首相:「郵政民営化は経済活性化のためにある手段だ。世界のグローバル化、変化に対応できるような態勢を取っていくということだ。経済発展なしに戦略的な外交も進んでいかないと取っていただければいいのではないか」(郵貯・簡保は国債を引き受けるために、340兆円の大部分を使ってしまっている。民営化しても、手持ちのカネがない。カネを作ろうとしたら、国債を売るしかない。そんなことをしたら、国債価格が暴落、金利が急騰して、景気にはマイナス要因にしかならない。経済活性化にはつながらない。仮に、奇跡が起きて経済が活性化したところで、戦略的外交とは何を意味するのか。また、それと郵便、又は、郵貯・簡保がどのように関係するのか、全く、不明である。)

――自公が過半数を取ったとしても、参院自民党の構成は変わらない。郵政法案に反対した参院の自民党議員の態度が変わるだろうという期待だけなのか。法案を修正して参院議員に協力を求めるのか。何か手はあるのか。

首相:「反対した参院の方々の中には、中身以前の問題だとか、私のやりかたが気にくわないとか、解散など、できっこないとか、いろいろな方がいた。そのなかで郵政民営化は国民が反対していると思って反対している方もいると思う。今回、郵政民営化が最大の争点になった。国民の大多数が郵政民営化賛成という判断を下してくれれば、『ああ、そうだったのか』と考え直してくれる方がかなりいると思っている。だから法案の中身は基本的に変えない。そして支援、協力を得られるように努力していく」

――過半数の241ぎりぎりでも大多数の国民が賛成したと言えるか。

首相:「それはそうだ。国民の大多数が賛成ということだ」 (どうして、過半数ぎりぎり=国民の大多数の賛成になるんだよ?)

――自公が過半数を獲得した場合、小泉内閣の郵政民営化に対する国民の信任が下されたと受け止めるか。それともそう考えないのか。

岡田氏:「基本的には考えていない。つまり今までの小泉さんの説明の仕方は、すべて郵政問題が解決したらバラ色の日本になるという説明だ。日本国民が真に受けているとは思わないが、真実を語っていない。どこが行財政改革になるのかを一つひとつ説明すべきだ。国民が幻覚に陥って選挙に勝ったとしても、賛成しようと思わない。選挙で勝ったからといって、国民の立場に立ってあの法案には信念を持って反対だ」

――基本的に郵貯・簡保の民営化に反対ではないという立場だから、どういう民営化がいいのかを議論する機関を設置する考えはあるか。

岡田氏:「まず今の質問は、われわれが政権を取れないことを前提にしている。私は政権を取るつもりでいる。今の公社は中期計画が4年だ。あと2年残している。この間にきちんと議論して、方向性を決めるべきだ。そして縮小はそれと並行して段階的にやっていくという考え方だ」

岡田氏:「当面2年間は公社のままだ。その後に方向性を決めて、民営化についての良いプランができれば民営化に向かって進めていけばいい。直ちに民営化すればいいということではない。政府案も10年後だ」

――簡保・郵貯の規模を縮小していくということだが、赤字経営になる可能性が高いのではないか。その場合、人員削減と赤字補てんのどちらを取るのか?

岡田氏:「郵便事業については国が責任を持つべきだ。ただどの程度までやるかは納税者の判断だ。郵貯・簡保については税金を投入すべきではないと考えている。規模を縮小するといっても、今までは大き過ぎる。非常に肥大化していたものを適正規模にする。その過程で、仮に成り立たないということであれば、それは身の丈にあった形に持っていかなければならない」

――郵便局を減らしてはならないという方針のようだが、先細りは避けられないのではないか。そうなると巨額な資金投入が必要ではないか。

志位氏:「2016年に完全民営化が終わった時点の試算だが、民営化した場合には郵貯銀行が600億円の赤字になる。しかし公社のままなら1300億円の黒字だ。結局、郵政民営化すると、預金保険料を払わなければならない。預金保険料を郵貯に払わせるというのは、無理やり赤字にするということだ。(現状で)十分やっていけると思う。米国や日本の大銀行が『郵便局は邪魔だから潰してしまえ』という圧力によって動いているのが郵政民営化だ。それを一番一生懸命やっているのが小泉さんだ」


【刺客】

――首相は衆院選の党公認に関して非情な対応をして「刺客」問題が話題になっている。心は痛まなかったか。

首相:「いやぁ、私は綿貫先生の顔を見ると心が痛む。本来、30数年間、綿貫先輩は大学の先輩でもあるし当選回数も私より1期上。一番仲が良かった2人だ。おそらくどの他の国会議員よりも一緒に飯を食い、酒を飲み、歌を歌った。『肝胆相照らす』というような仲だった2人が、今、反対、賛成で敵味方で刺客騒ぎだ。政治は非情だと思っている」 (だから、何を言いたいんだよ?)

「しかし反対派だけだと国民に選択肢がないので、仕方なく賛成の候補者を出そうということだ。賛成のなかにも、程度によって自民党に戻ってもらおう、出て行ってもらおうとはできない。その意味で本当に心苦しかったが、反対の方は仕方ないということだ」 (イエスマンだけを周囲に置いて成功した指導者はいないのだよ。)

――新党は理想に燃えて新鮮な印象があるが、国民新党は新鮮味に欠け、政策もあまり具体的ではない。反小泉の気持ちは分かるが。

綿貫氏:「志を同じくしている人たちが今、やむを得無所属になっている。例えば小泉さんの言ったことに何でもはいというのではなく、ここは違うといえるような集団にならなければならない。今一番危ぐしているのは、昭和13 年の近衛内閣の時に、国家総動員法という重大な法律を国会が始まる前に閣議決定して政党にかけたものだから大反対になった。その時に『解散だ』と言ったものだから皆がおびえた。そこで委員会で付帯決議を付けて賛成、本会議も賛成となった。それが独裁選挙になって大東亜戦争になった。とてもよく似ていて非常に危ない」

【勝敗ライン】

――過半数の241議席を1議席でも割った場合は退陣するのか。

首相:「退陣する」 (よく覚えておきましょうね。この言葉)

岡田氏:「民主党政権ができなければ代表にとどまらない。目指すところは単独政権だ」

――民主党が単独過半数を取れなくても、国会の首相指名選挙まで代表を辞めずに岡田代表として首相指名選挙に臨むということか。

岡田氏:「もちろんそうだ。首班指名で、民主党以外からわざわざ岡田に投票するとう人を拒む必要はない。私は代表をただちに投げ出さない。(党内で)次の選挙が行われるから、そのときまで続ける」

――公明党はどんなことがあっても自民党と連立を組むのか。

神崎氏:「この選挙結果については、自民党とともに責任がある。自民党が去るのならわれわれも下野する」(そもそも政教分離に違反している。違憲だ。)

「われわれは自民党と連立政権を組んでいるわけだ。小泉さんが続投できない場合でも、連立は維持すると思う」


【自公選挙協力】

――小選挙区で比例とバーターできるのは、むしろ郵政反対派の方が多いなどと赤裸々に述べているが、選挙戦術を率直に述べ過ぎているのではないか。当選至上主義が自己目的化しているのではないか。このため選挙結果次第で民主党と組むという見方が出てきているが。

神崎氏:「郵政民営化の是非を問う選挙だと位置付けている。郵政民営化賛成の候補をできるだけ応援していく方針だ。実際、今まで推薦した数もかつてない規模を推薦している。自公で過半数を確保することに全力を挙げている。民主党と組むことはまったく考えていない。私どもは今の政治に責任を持っているし、自公でこの選挙で審判をいただくわけだ。その責任を感じてしっかり取り組んでいる」

――自民党は八代英太前衆院議員を比例代表候補とすることを見送ったようだが。

首相:「八代さんと私は親しいんだ。しかし親しいからといって、今まで障害者問題に熱心に取り組んできたから高い評価をしている。『できたら立候補を断念して協力してくれないか。いずれ郵政問題が片付けばまた一緒に協力できるのではないか』という話をしていた。しかし反対した方は公認しないということでご理解いただきたいということだ」 (この話は、私はどうでも良い)

――最初から約束はなかったということか。

首相:「ええ。『信頼関係を保っておこう。いずれ郵政問題が片付けばまた一緒に協力できるのではないか』という話をしているのであって、公認とはまた別の話だ」

【消費税など】

――消費税率アップを明言しないのは無責任だという指摘があったが、2007年度の抜本改革の時に、本当に消費税率を上げないで税制の抜本改革ができるのか。

首相:「2007年度というと来年暮れの税制改正になる。来年の税制改正は企業に対する課税と、個人所得に対する課税、あるいは利子配当など、いろんな現在の課税をどのように見直すかという議論が行われると思う。その時点で、社会保障制度と関連するし、財政再建をどうしていくかと。今のように国債依存度が40%も続くということはできないから、その段階で、財政再建、どのような税負担が望ましいかという議論が出てくると思う」

「しかし私は、今、財源が足りないから消費税を上げると言うと、歳出の見直しが緩んでしまう。私の役割は行財政改革をやることだ。首相在任中に財源が足りないから増税で賄うことはしない」

――向こう4年間を見越した選挙だから、首相も消費税に関する方針を示すべきではないか。

首相:「これは私が示すまでもなく、タブーを設けることなく、消費税、所得税、法人でも、全体的に議論してもらいたい」

――2007年度の時点で消費税率を引き上げないで住むことはあり得ないのではないか。

首相:「私は2007年は早いと思う。消費税(引き上げ)を仮にやりたいという人が出てきたとしても、07年(の引き上げ)は早いと思う」 (自分は辞めた後だから知ったことではないのだろう)


【靖国問題】

――日中、日韓関係は小泉首相の靖国神社参拝問題をめぐり、ことし靖国参拝する考えは変わらないのか。

首相:「これはどんな質問をされても適切に判断するとしか言いようがない。外交上、お互いの立場があるから、中国自身もよく分かってくれている。経緯などでああだ、こうだと言える問題ではない。私は日中関係がおかしいと言われるが、靖国神社に参拝しなければ中国との関係がうまくいくとは思っていない。30年、40年後に日本の戦没者に敬意を表することにいろいろ言われているが、(参拝を)やめればすべて2国間関係がうまくいくとは思っていない」

「日中交流、日韓交流は、かつてないほどあらゆる分野で交流が進んでいる。経済、文化、スポーツでもだ。その中で今後の日中、日韓友好を考えていくべきではないか。中国、韓国が『靖国神社参拝しないでくれ』と言って、そのようにして関係がうまくいくという問題でもない」

――靖国神社の問題は自然に発生したのではなくて、小泉首相が持ち出したから問題になっている。有権者としては、指導者が靖国を参拝するのかしないのかを見極めたいだろうと思う。この場で腹の内を話してはどうか。 (記者が正しい。)

首相:「これははっきり申し上げている。今も申し上げた通り、適切に判断する。私の実績を見ていただければ、どういう行動を取るかお分かりいただけるのではないか」 (適切に判断するのは、全ての職業人の常識。)

――必ずいくけれども時期は考えるということですね。

首相:「そういうことも言わない方がいい。外交だから中国当局もよく理解している」

――首相は就任時に8月15日に参拝すると表明した。これまで8月15日ではないが。 (2001年、小泉純一郎氏が首相に就任したときの公約には、「どのような反対があっても、必ず、8月15日に靖国神社に参拝する」という項目が、含まれていたのだ。)

首相「適切に判断した結果だ」 (だからさ。わざわざ「不適切に判断した」という奴はいないんだよ。)

(後略)。


◆コメント:小泉首相には言語はあるが、思想がない。

 

あまりにも長くなるので、途中で終わらせていただいたが、大体の様子は分かるでしょう。

 記者の質問に対して、ピタリと照準の合った答えが返ってこない。何だか訳の分からない言葉の羅列である。

 小泉純一郎内閣総理大臣には、言語はあっても、思想が無い。

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2005.08.29

小泉首相が、郵政民営化にあれほどムキになる理由。

◆記事:<郵政法案>平沼赳夫前経産相に聞く (7月22日付毎日新聞) 「撃つ---郵政改革」シリーズ

 

 今まで自民党は何回か不祥事で危機にひんし、出て行った人もいたが、私は最後まで踏みとどまって党を立て直すのが一番いいと思ってやってきた。でも、最近の状況には愛想が尽きている。

 恫喝(どうかつ)で党議拘束をかけ、違反したからといって除名や除籍になるんなら、筋を通す政治家として名誉なことだ。

 解散になって無所属で戦うのも選択肢の一つだし、51人造反したわけですから、綿貫勉強会を続ける中で同憂の士が集まれば、新しい流れ(新党)になる。追加公認を期待してというさもしい根性じゃなくて、筋を通して、正々堂々と戦っていきたい。

 法案の内容もさることながら、50年培ってきた党内民主主義を破壊するようなことが繰り返されたら本当に恐ろしいことになる。私を行動に駆り立てた要素の半分以上はそういう思いです。今度の修正案はまず合同部会で審議して、その上で総務会にかけなきゃいけないのにいきなりでしょ。

 我々は何も党内抗争をしようというわけじゃない。私も郵政改革は必要だと思ってますよ。膨大な郵貯資金、簡保資金が、不必要な公共事業や特殊法人の事業に使われてきた。そういうのを正す理念で郵政公社化法ができて、4年間みっちりやってその時点で判断することになっているのに、折り返し地点で何でこんなに拙速にやるのか。

 米国から日本に毎年来ている年次改革要望書を見ると、最右翼に郵政の株式会社化が書いてある。

 345兆円の郵政資金は彼らにとって、のどから手が出るほど魅力的なものなんでしょう。

 何が小泉純一郎という政治家をここまで駆り立てているか、いろいろ想像すると、やはり米国との約束が一番じゃないかという気がしますよ。

 サミットの前に、特別委員会メンバーまで差し替え、恫喝の限りを尽くして通すなんて異常。選挙の結果、民主党と公明党が組んで政権取る可能性だってある。そういうところまで追い込んだ小泉さんの責任は本当に大きい。 (毎日新聞) - 7月21日19時25分更新


◆コメント:やっぱり、アメリカだったか。

 

 小泉首相に直接会ったことも無いので、その人格について、単なる印象から徒に、中傷めいたことは書くべきではない。

 しかし、私はどうしても気になっていたのだが、彼が郵政民営化を論ずるときのエネルギーは、明らかにバランス感覚を欠き、常軌を逸している。

 結局何も論理的説明は無い。おかしいな、とおもっていたら、やっぱりアメリカだった。ひどい話だ。


◆その話は、後で書くが、まず、郵便に関して。

 

 郵政民営化案では、郵政事業を、窓口サービス、郵便、郵貯、簡保に分けるという。

 民営化すれば、よりよいサービスを期待できるというが、たとえば、郵便に関して、今のサービスがそんなに「悪い」と感じている国民がいるだろうか?


◆郵便は全国の国民が等しく同等のサービスを受けられなければならないというのは、国際法の命ずるところでもあるのだ。

 

 1875年、スイスのベルンで発足した万国郵便連合(UPU=Universal Postal Union)という国連の機関があり、日本も加盟国である。

 この組織が定めた万国郵便条約では、

 「加盟国の国民は、だれもがひとしく、ユニバーサルサービス(全国普遍的なサービス)で同じような郵便サービスを受けられなければならない」と規定している。

 先日、東北の田舎を車で走ったが、どんな過疎地にも郵便局は存在する。つくづく感心した。

 尤も、その所為で、郵便事業は赤字なのだが、しかし、これは、赤字であるからこそ官(国)がやるべきなのではないかと思うのである。

 首相官邸サイトの郵政民営化パンフレットを読むと、民営化されても郵便局の数は減りませんとかいているが、郵便局が民営化されたら、民間会社になるのだから、その経営方針に国が介入することは、余程不祥事でもない限り、行うべきではない。

 民間会社にいちいち介入するのなら、日本は社会主義国だということになる。

 したがって、民営化されたら、間違いなく、不採算店は閉鎖される。

 これは、国際郵便条約に違反するのである。

 そもそも、国際法をもちだすまでもなく、あの広大な土地にポツンポツンと民家があるような地域で、一カ所しかない郵便局がなくなったら、本当に困るだろう。


◆小泉首相は、他人に反対されたり、人の意見を聞くのが大嫌いだそうだが、ひとりだけ、例外がいる。ジョージ・ブッシュだ。

 

 週刊ポスト7月22日号「変人・小泉純一郎の腹の底」という記事を読んだ。

 週刊誌だから、面白おかしく書きたがるのは百も承知だが、新聞記事などとクロスチェック(突合)してゆくと、真実の輪郭が見える。

 国税の査察なども、週刊誌は念入りにチェックしているのだ。

 話がそれたが、この記事は「小泉首相を十年間にわたり、最も身近で取材してきたジャーナリスト」、須田慎一郎氏が書いたものである。

 私が一番気になったのは、次の箇所。

 「良くも悪くも、小泉首相は他人の話に聞く耳を持っていない。意見されたり、反論されたりするのは苦手、というより、大嫌いだ。」

 と言う箇所。冗談じゃない。そんな人間を国家の指導者にしてはいけなかったのだ。これは我々国民の責任だ。

 しかし、私が見る限り、というか、多くの人がご存じのように、彼はアメリカに圧力をかけられたら、一も二も無く唯々諾々と従う。

 別の表現を用いるならば、彼はジョージ・ブッシュの忠実な家来であることに無上の喜びを感じるようだ(ブッシュはホワイトハウスで、小泉首相を、「小泉軍曹」と呼び、バカにしているそうだ。なんたる国辱。)


◆金融改革プロジェクトで、不良債権を減らすと騒ぎ出したのも、訪米直後から。

 

 2002年9月、小泉首相は911テロから1年目の追悼式に出席するために渡米した。

 そのとき、ブッシュは、小泉に、「日本の銀行の不良債権は、未だ随分あるようだな」(「なんとかしろよ」)と圧力をかけた。

 それからである。小泉首相が「景気が良くならないのは、銀行の不良債権があるため、銀行の新規貸し出しが行われず、必要な資金が企業に回らず、設備投資などが出来ないからだ」という、完全に間違った持論を展開し始め(どのように間違っているかは、ちょうど一年前の日記に書いたのでお読みいただきたい)たのは。

 そうはいっても、自分では金融政策など何も分からない小泉首相は、竹中金融相に丸投げした。

 竹中はプロジェクトチームを組織して、その意見を全面的に採用した。

 大銀行に金融庁が立て続けに検査に入り、これも不良債権、あれも不良債権、といって、立ち直りかけている企業への貸し出しまで無理矢理返済させて、多くの企業が潰れた。

 アメリカは小泉首相に何故このようなことを命じたかというと、これで、自己資本比率が足りない銀行には、公的資金を注入し、国有化し、財務体質を改善させて、もう一度、株式市場に上場したところを、自分の国(アメリカ)の所謂ハゲタカファンドに安く買わせ、株価が上がったところで売って、儲けさせることにあった。

 大もうけさせて貰ったアメリカのファンドは当然ブッシュさまさまとなり、選挙の時の資金源、かつ、集票マシーンとして使える。


◆郵貯・簡保を民営化する。340兆円を民間企業が管理するということは、アメリカのファンドに買われてしまうかも知れないと言うことだ。

 

 多少なりとも、日本経済に関心のあるサラリーマンなら、340兆円民営化、と聞いて、あの新生銀行の悪夢を思い浮かべるのではないか。

 今や新生銀行と呼ばれる旧長期信用銀行は経営破綻したときには、一時国有化されて、債権処理のために公的資金が8兆円も投じられた。

 その財源は我々の税金である。

 そして、それらの処理が終わった後に、日本政府は新生銀行を、リップルウッドという投資会社にわずか10億円で売却した。

 一度は上場廃止になった銀行が再び上場することが出来たのは、公的資金を8兆円も使って、財務体質が良くなったからだ。

 再上場直後に、リップルウッドは新生銀行の株を買い、短期間で値を上げた株を売却して、2000億円の儲けを出し、まだ、大量の株を保有していて、その含み益が7500億円もある。1兆円も儲かったのだ。

 もう一度整理すると、

 小泉政権は、日本国民の血税を8兆円も新生銀行に投じた。

 その新生銀行をたった、10億円で、リップルウッドに売った。

 10億円で新生銀行を買ったリップルウッドは、1兆円、儲かった。

 郵貯簡保に預けてあるのは公的資金とか言う人がいるが、あれは全て国民が預けた「民」のカネである。それは、今は国が預かっているから、アメリカと言えども買えない。

 しかし、欲しくて仕方がない。小泉首相は、そのアメリカの求めに応じようとしているのである。

 郵貯・簡保が民間企業になれば、株を買い占められたらおしまいだ。

 アメリカのファンドは新生銀行の時のような、しかも桁違いの大もうけの機会を狙っている。

 だから、ブッシュは小泉首相に郵政民営化を要求する。 冒頭の記事における平沼氏の発言はそういうことだ。


◆小泉首相は、日本などどうでもよい。アメリカの意向の方が大事なのだ。
 

 8月8日の小泉首相の記者会見鬼気迫るものがあり、大衆は一遍で騙された。
 しかし、勘違いしてはいけない。彼にとって、日本の未来など、知ったことではない。

 小泉首相は「自民党をぶっ壊す」としきりに言うが、本当にぶっ壊したいのは、日本国そのものなのではないだろうか。

 小泉首相は、日本国民の公共の福祉よりも、米国政権に可愛がられることの方が大事な人なのである。

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2005.08.28

道路公団民営化のいい加減さを見ると、郵政改革が真面目に検討されているとは思えない。

◆できるだけ、冷静、客観的に考えました。

 

 私は、何が何でも、小泉首相のあら探しをしたいわけではない。

 8月7日にも書いたが、個人的に、もしも、小泉首相と知遇を得たら(あり得ないが)、

 あの人も私も音楽好きだし、ロンドンに住んでいたことも共通している。 だから、雑談をしたら面白いおっさんだろうと思う。

 しかし、ある政治家を人間的に好きか嫌いかということと、彼(又は彼女)の政治的理念の評価は峻別しなければならぬ。

 だから、極力、冷静、客観的に考えてみた。
 その結果、やはり政策と、政治的姿勢に問題があると考えざるを得ない、という結論に達した。


◆衆議院が解散された、8月8日の演説をおぼえてますか?

 あのときに、小泉首相は「郵政民営化は、行財政改革の第一歩。」と叫んでいた。

 では、道路公団民営化はなんだったのか?

 今、日本には、「道路公団」が4つある。

 

  •  日本道路公団

  •  首都高速道路公団

  •  阪神高速道路公団

  •  本州四国連絡橋公団



 これが、10月1日から民営化される。

◆10月1日に発足する新会社の社長は、全員、旧道路公団幹部という、露骨さ。

 

上の四公団のうち、日本道路公団は3つに分割されるので、民営化後は6つの株式会社になる。

 民営化される、ということは、あたりまえだが、民間企業になることだ。

 だから、その会社を運営するのは民間人であり、お役人ではなくなる、と考えるのが普通の発想である。

 4月に新会社の「会長」は早々と発表された。彼らは民間から登用された。

 ところが、である。「社長」はすべて、民営化前の道路公団の経営陣がそのまま横滑りするのである。

 具体的には、

 


  •  東日本高速道路会社(東京)は日本道路公団理事の井上啓一氏(60)

  •  中日本高速道路会社(名古屋)は道路公団総合情報推進役の高橋文雄氏(57)

  •  西日本高速道路会社(大阪)は道路公団理事の奥田楯彦氏(60)

  •  首都高速道路公団の後継会社となる首都高速道路会社社長には首都公団理事長の橋本鋼太郎氏(64)

  •  阪神高速道路公団の後継会社である阪神高速道路会社社長には阪神公団理事長の木下博夫氏(62)

  •  本州四国連絡高速道路会社社長は本州四国連絡橋公団総裁の堀切民喜氏(73)


 
◆「郵政民営化は、行財政改革の第一歩。」と8月8日に小泉首相は叫んでいたが、道路公団民営化は何だったのか?

 

 上の人事を見ただけでも怪しい。

 長い間、土木建築業者と道路公団の役人の「談合」はほぼ公然の事実であったが、ちょうど1年前から、民営化を前に、これを放っておいてはいけない、というわけで(政治家も役人も、土建屋も本当に悪いとは思っていないと思うが)、鉄鋼製橋梁(橋梁とは「橋」のことです)談合事件で公正取引委員会などの捜査が入った。
 だが、こういうときの、常套手段で、一番偉い奴は「知らなかった」とシラを切り、中間管理職の課長級が逮捕される。

 所謂「トカゲの尻尾切り」である。それで済んだことにする。日本の悪習である。 



 会長は民間、しかも、道路建設と関係が深く、橋梁工事で問題となった、新日鐵や神戸製鋼所の出身。

 社長が道路公団出身。

 もの凄く、意地悪く言えば、会長と、社長で談合が可能である。

◆記事:高速道6社の会長予定者「談合しません」宣誓

 道路関係4公団民営化推進委員懇談会が23日あり、10月に発足する高速道路会社6社の会長就任予定者が出席し、橋梁(きょうりょう)談合事件に絡み、「新会社の会長として談合は一切しない、させない」と不正の根絶を宣誓した。

 不正行為で生じた損害には賠償を求める方針も示した。

 猪瀬直樹委員が「二度と談合はしないと宣誓してほしい」と求めたのに応じた。

しかし、談合組織加盟社の役員だった2人は、事件を「遺憾」としたが、就任辞退の考えのないことも表明した。

 橋梁談合をめぐっては、東日本高速道路会長になる八木重二郎氏が副社長を務めていた新日本製鉄と、西日本高速道路会長となる石田孝氏が専務だった神戸製鋼所が談合組織に加わっていたことが判明し、起用を疑問視する声もある。 2005年08月24日07時45分 (朝日新聞)

あまりにも、人をバカにしている。

何が、「宣誓」だ。せめて念書を書かせて署名捺印させろ。何十年も「当然の慣習」として談合を行ってきた連中なのだ。

鋼鉄製橋梁に係る談合にしても、一般人が「駐車違反で運悪く違反キップを切られ」たと言うぐらいの認識であるに違いない。


◆道路問題の本質

 

 人事の話はこれぐらいにしよう。

 道路公団民営化とはなんだったのか?

 日本の高速道路料金は非常に高い。(イギリスは全国何処まで走っても完全に無料だ)。そして、いつまでたっても無料にならない。

 これは、各高速道路が独立採算制になっておらず、プール制という方式を採用しているからだ。

 つまり、日本で一番儲かっている高速道路は東名高速道路で、とっくに建設費を通行料金から得た収益で取り戻している。

 独立採算なら、東名高速は今頃、無料のはずだ。

 しかし、プール制を採用しているため、東名高速がいくら稼いでも、赤字の高速道路の維持・運営費や、財投から借りた資金の返済に回されてしまうのだ。

 今、存在している高速でも、採算が取れていないところが沢山あるのだから、もうこれ以上、新しい高速道路は造るべきではないというのが、道路公団民営化の議論が始まった頃の多数意見だったのである。


 ◆政財官の癒着と猛烈な反対。

 

 ところが、道路族議員、つまり土建屋と癒着している国会議員の猛烈な反対にあった。 

 また、道路公団の役人にとっても、道路建設を行う土建屋は、大切な「伝統的」天下り先である。

 道路公団は暇な役所だが、役人を辞めても、土建屋の役員になって、毎日座っているだけで高い給料を貰い、億単位の退職金を得られる。

 役人を辞めるときにも多額の退職金を受け取っている彼らは、笑いが止まらない。

 こんな「美味しい」既得権を失ってなるものか、というわけで、ここからも妨害がはいった。


◆結局、まだ、2000km以上も、明らかに赤字となる高速道路を造ることが決まってしまったのだ。

 

 とにかく、既得権を守ろうとする、政治家・土建屋・道路公団役人の結託はすさまじく、道路公団民営化法案はすっかり骨抜きになってしまった。

 現在、道路公団が財投、つまり、郵貯と簡保から借りたカネ40兆円もある。

 黒字の高速道路はすくないから、利子を払うこともままならない。郵貯・簡保から見れば、もの凄い不良債権である。

 これ以上、無駄な高速道路を造るべきではない。これは中止になるはずだった。

 しかし、結局、道路公団民営化前の予定はそのまま続く。

 これからも、新しい(儲かりそうもない)高速道路の建設が続くのだ。 その総距離は2000kmにもなる。

 この法案を作ったのは、「民営化推進委員会」で、首相直轄の諮問委員会である。

 にも関わらず、小泉首相は何も言わなかった。


◆結論:小泉首相は郵政民営化をして「この程度の改革ができずに・・・」と言っていたが、道路公団で既に頓挫している。

 

 小泉首相は、「郵政改革ぐらいできずに構造改革ができるか」と訳の分からないことを言っていた。

 それをいうなら、、道路公団民営化で、「この程度のことしか」出来なかった内閣が、郵政民営化で突如革新的な結果をもたらすことができるのか。

 甚だ疑問である。

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2005.08.27

金融都市東京もテロ標的 アルカイダ計画と仏判事←小泉さん、「テロには屈しない」でしょ?自分は死なないものね。

◆記事1:金融都市東京もテロ標的 アルカイダ計画と仏判事

 

 【ロンドン26日共同】フランスの国際テロ捜査の第一人者、ジャンルイ・ブリュギエール予審判事は26日付の英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、国際テロ組織アルカイダが東京、シンガポールなどアジアの金融センターに対するテロ攻撃を準備していると警告した。

 同判事は具体的な根拠は示さなかったが、「この地域の国、特に日本が標的にされる可能性があったことを示す複数の情報がある」と語った。

 イラクに自衛隊を派遣している日本がテロ攻撃の対象になるとの見方は従来もあったが、テロ捜査のベテランの警告だけに、各国の治安当局は警戒強化を迫られそうだ。 同判事によると、シドニーも標的の一つ。(共同通信) - 8月26日11時0分更新


◆記事2:<テロ幹部>フランス人デュモン被告、12月に初公判 

 

 【パリ福島良典】日本に潜入していた国際テロ組織アルカイダの幹部とされるフランス人リオネル・デュモン被告(34)の公判が今年12月5日、仏北部ドゥーエの重罪院で始まる。

 同裁判所が25日、毎日新聞の電話取材に明らかにした。判決言い渡しは12月16日の予定。

 デュモン被告は仏北部ルーベを拠点に活動していたイスラム教改宗者の犯罪集団「ルーベのギャング」の主要構成員。

 96年の現金輸送車襲撃、警官殺害などの罪に問われ、01年10月に被告欠席のまま無期懲役の判決を受けている。逃亡していたが、03年12月、ミュンヘンで逮捕された。(毎日新聞) - 8月26日10時33分更新


◆コメント:小泉首相や日本の殆どのひとにとっては他人事(ひとごと)なのでしょうね。

 

アルカイダは、日本政府が自衛隊のイラク派遣を決定した2003年末、「自衛隊が一歩でもイラクの地に足を踏み入れたら、東京を攻撃する」との声明を発した。

 アルカイダによるテロは、今まで起きていないが、だからといってアルカイダ、又はイスラム過激派がテロを諦めているわけではないのは、ロンドンのテロを見れば明らかである。

 あれは、イギリスがアメリカを支持して大勢兵隊をイラクへ送り、イラク人を殺傷した事に対する報復である。

 イラク戦争で米国を支援するのはブレア首相だが、イギリス一般市民は、何万人もが毎週末、トラファルガースクウェアで反戦デモを繰り広げていた。

 ヨーロッパの他の国々でも同様だった。

 しかし、イラクないし、イスラム社会から見れば、英国は全体として「敵」だったのだ。時間の経過は関係がなかった。

 ロンドンテロはイラク戦争開始(2003年3月20日)から、2年4ヶ月以上も経ってから、実行された。

 犠牲になったのは、イラク攻撃を決定したブレア首相でも政府高官でもなく、戦争に反対していた、一般庶民であった。


◆日本は武力を行使してはいないが、アメリカの味方であるという一点で、イスラム原理主義者やアルカイダから恨まれている。

 

 アルカイダや、イスラム過激派が、こんな遠くの日本までやってきてテロなんか出来る訳がない、と考えるのはあまりにも楽観的にすぎる。

 記事2を読めば分かるとおり、日本に潜伏しているアルカイダが実際にいたのである。

 また、日本の自衛隊は、武力を行使していないから、米国や英国ほど恨まれていないから、まさか本当にテロリストが標的にするはずがない、という考えも甘い。

 日本でテロを実行すれば、「直接武力を行使したわけではない国ですら、テロに狙われる」というショック、恐怖感を世界に与えることが出来る。

 世界中に「恐怖による」混乱をもたらすことは、テロリストの望むところである。


◆東京が狙われるとは限らない。

 

ファイナンシャルタイムズのインタビューを受けたフランスの諜報専門家は、東京の金融センターが狙われやすいといった。

 そういわれれば、日本政府や国民の警戒心は東京中心部に向いてしまう。

 だが、予想通りにテロリストが動く保障は全くない。フィナンシャルタイムズの記事を逆手にとり、日本に潜伏しているテロリストが狙う場所は他にもいろいろある。

 例えば、新幹線。

 タバコの箱ぐらいの大きさのプラスチック爆弾があれば、飛行機を墜落させることができるそうだ。

 新幹線は誰でも簡単に中に入ることが出来る。

 200数十キロで走る新幹線にプラスチック爆弾を仕掛けられたら、目も当てられない。



 また、日本の原子力発電所は警備が甘いので有名である。

 原発を襲って、水槽に入れている使用済み核燃料を、空気に晒せば、強い放射能をまき散らす。 

 放射能は風に乗って、遠くまで拡散する。要するに核攻撃を受けたのと同じ事になる。さぞや、ガン患者が増えるでしょうね。


◆そうは言ってもやはり、東京は一番危ない。
 

 私は、フランスの専門家が、テロの標的になりやすいと指摘した、東京の真ん中の金融街の辺りに勤め先がある。

 他人は大げさだと笑うかも知れないが、一昨年、テロの警告があったとき、私は万が一を想定して遺書を書いた。



 自分はイラク戦争の前から、イラク戦争には反対していたし、イラク戦争を日本政府が支持することにも、自衛隊をイラクに派遣することにも、一貫して反対してきた。

 だが、運が悪ければ、一環の終わり。The end. だからである。

 小泉首相は、テロなどより、郵便局が大事だろうから、多少国民が死んでも、例の如くバカの一つ覚えのように、「テロには屈しない」と言い続けるであろう。

 そういうことを言えるのは、自らは絶えず厳重な警護に守られ、何処にあるのか良く分からない首相官邸にいれば、安全だからである。

 古今東西、生命の危険に晒されるのは、戦争に反対していた、市井の一般人である。

 という次第である。

 念のため、再び遺書を認(したた)めておくとするか。

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2005.08.26

「郵政、郵政と言われて、拉致問題の『ら』さえ聞こえてこない。」(横田早紀江さん)

◆記事1:家族連絡会など、北への対応巡り首相に質問状提出

 

北朝鮮による拉致被害者の家族連絡会と支援組織の「救う会」は24日、内閣官房拉致問題連絡・調整室を訪れ、小泉首相への質問状を提出した。

 北朝鮮側が提出した横田めぐみさんのものとする遺骨が偽物だったことが判明し、細田官房長官が「厳しい対応を取らざるを得ない」と経済制裁を検討する考えを示してから8か月が経過したため、質問状では、「いつまで北朝鮮の対応が変わるのを待つのか」などとして、小泉首相の回答を求めている。(2005年8月24日20時50分 読売新聞)


◆記事2:横田夫妻が応援演説 拉致議連メンバーら対象に

 

拉致被害者家族会代表の横田滋さん(72)と妻の早紀江さん(69)が25日、拉致議連事務局長代理で衆院東京4区から出馬する民主党の松原仁前衆院議員の決起大会で応援演説した。

 横田さんらは今後、郵政民営化関連法案に反対し、無所属で大分1区から出馬する前拉致議連事務局長の衛藤晟一前衆院議員らを個人として応援する方針。

 横田さんは「拉致議連に入っている国会議員は一部で、活動しているのは数人。拉致被害者を救出するため、松原氏を国会に送り出してほしい」と述べるとともに、北朝鮮への経済制裁の必要性をあらためて訴えた。

早紀江さんも「郵政、郵政と言われて、拉致問題の『ら』さえ聞こえてこない。(拉致問題が)埋没してしまっている」と語った。(共同通信) - 8月25日22時47分更新


◆コメント:小泉首相は郵政民営化の是非だけを問う極めて単純な選挙だという。

 

 日本中が小泉首相の調子の良さに、騙されている。殆ど、集団催眠だ。

 今日発売された週刊文春には、林真理子氏がエッセイを連載しているが、読んで唖然とした。

 そのまま引用したら知的財産権の侵害となるが、こうなったら黙っていられない。

 

 「あの記者会見を見て私も拍手喝采をしたひとりだ」

 「こうこなくっちゃ。やっぱり小泉さんだワ」

 「自分の思うことは命がけでやる。文句あっかというあの強気は小泉さんでなくては出来なかったろう」

  こういう人が日本中にいるので支持率が高くなるのだろうが、誠に残念である。

 「自分の思うことは命がけでやる」って、本当に小泉首相が命を賭ける訳がない。

  また、「思うことを命がけでやる」のが偉大であるならば、自爆テロの実行犯は一番立派な人間なのだろう。



 仮にも国政選挙、政権選挙である。郵便局単一項目で投票してよい訳がないことが、分からないのか。

 サラリーマン増税はしない、といっているが、定率減税の見直しを止めるとは言っていない。

 これは、実質増税だ。というようなことが、どうして分からないのか。

 しかし、それよりも北朝鮮拉致被害者家族はもっと気の毒だ。完全に無視されている。


◆横田早紀江さんの嘆きはまことに尤もである。

 

 小泉首相が、薄情なことは今更始まったことではないが、彼に引きずられて国民も拉致問題の存在を忘れて良いわけがない。

 国民が忘れそうなら、マスコミが問題を提起するべきだ。

 しかし、記事1は、ネットだと分からないが、実際の紙面では大手各紙とも社会面のベタ記事(下のほうに小さく掲載される記事)なのである。

 それは、あたかも、政府にこの問題を取り上げるなと恫喝されているのではないかと思われるほど、不自然に小さな扱いである。


◆小泉首相は面倒くさいから誤魔化そうとしている。国民がそれに同調したらダメだ。

 

 今更言うまでも無いことだが、北朝鮮は、日本国の主権を侵害し、工作員が不法に入国して、一般市民を拉致するという言語道断の犯罪を犯しており、金正日はそれを公式に認めているのだ。

 ところが、日本政府は小泉首相の2回目の訪朝で、最初に連れ戻した5人の家族を連れ帰った時点で、もうこの問題を終わりにしようとしている。

 誘拐された自国民を他国から救い出すという当たり前のことをとりあげず、郵政民営化だけが今回の選挙の争点だという論理は、私にはどうしても理解出来ない。

  記事2で東京4区から立候補する松原仁前衆議院議員は、ずっと拉致問題に携わってきた数少ない国会議員なので、横田早紀江さんは応援演説に立ったのである。

 今一度繰り返す。

 小泉純一郎内閣総理大臣は北朝鮮による日本人拉致問題は既に片付いた事にしようとしている。

 国民は、郵政一点張りの彼の調子良さに同調し、横田さん達のことを忘れてはいけない。

 救う会全国協議会のサイトにあるこの声明文(他にも何度も政府に要求を出しているのだ)ぐらい、読んでもいいでしょう。

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2005.08.25

郵政民営化、小泉首相に関する素朴な疑問

◆民営化が始まるのは、2007年度からだが、小泉首相の任期は2006年(来年)9月まで。責任取れない。

 

 これは、極めて素朴な疑問である。

 小泉首相は、郵政民営化が自分の政治的信念だというが、仮に自民党が9月11日の選挙で過半数を獲得して郵政法案が成立したとしても、郵政民営化が始まるのは、2007年度からである。

 しかし、小泉首相は来年の9月で任期が切れる。

 小泉純一郎君がいなくなった後、与党が今言っている通りのことを実行することは、全く担保されていない。


◆郵貯と簡保を民営化することにより、多額の資金が民間にまわり、経済が活性化するとは思えない。

 

 日銀はずっと、低金利政策を続けていて、市中銀行に資金は沢山あるが、民間企業はどんどん民間銀行に借入金を返済しており、銀行貸し出し残高は減り続けている。

 要するに、資金の需要がないのである。

 こういうときに、郵貯と簡保を民営化したところで、別にマネーの流れに大きな変化が起きるとは思えない。金融市場を攪乱するだけ迷惑だ。


◆郵政公社4部門を4つの会社にしたら、今よりも多くのひとが必要になる筈だ。

 

 今は、郵政事業は日本郵政公社が運営しているが、2007年から民営化が始まると、郵政公社の四部門、郵便、郵貯、簡保、窓口ネットワークをそれぞれ、独立した別会社にするのである。

 地方の小さな郵便局では、最低限の二人で運営している小さな郵便局が多い。

 四つの部門が別会社になるということは、それぞれの会社の人間が各々の郵便局にいなければならず、余計に人数が増える。

 組織をスリム化するどころか肥大化してしまう。

 民間の発想では「合理化」とは、「統合」することだが、正反対に「分割」してしまうのが、如何にも実際の商売を知らない政治家や役人の考えることだ。


◆民営化したら、収益を自力で上げなければならないが、投資・融資の専門家が郵便局にはいない。

 

 郵貯・簡保は今まで財投にお金の運用を任せていた。

 財投は道路公団や住宅公団に資金を貸し付けて、それが巨大な不良債権になっている。

 そのような不良債権を抱えた状態で、国ではどうしようもないから、民間人何とかしてくれというのは、無責任。

 また、今まで財投に資金運用を任せていた郵貯・簡保は、民間金融機関になるわけであるから、自力で収益を上げなければならない。

 銀行の資金の運用とはまず、融資、それから、金融市場でのディーリング、債券市場(外国の債券も含む)に投資し、または、債権を短期的に保有して売買益を稼ぐ債権ディーリングを行うことである。

 今の郵便局にはだれもそんなノウハウを持った人はいない。収益が上がらず、赤字となり、万が一資金繰りを間違えば、潰れる。

 潰れたら、預金者(郵便局が預かるのは「貯金」だが、銀行は「預金」しか扱えない)が預けた金は戻ってこなくなる。


◆切手:郵便局に取って「債務」だが、発行残高が分からない恐ろしさ。
 

 郵政事業が民営化されたら、郵便切手は「郵便事業株式会社」が発行する。

 こういうものを民間事業にしてよいのか。

 というのは、切手というのは、窓口に客が来たら、必ず売らなければならない。ところが、これが全部使われるとは限らない。

 切手を郵便局の窓口に持っていって払い戻してくださいといわれたら、断れない。つまり、郵便事業株式会社にとって「債務」なのだが、勿論現在までに、莫大な量の切手が発行されているわけである。

 切手が何故問題かというと、通貨(お金)や国債と違って発行残高が分からないのである。

 そんなものは大した額じゃないだろうというのは、とんでもない話で、バブルの景気の良いときには、企業がもの凄い量を買ったのである。

 何故なら、切手を購入した場合、これは「経費」と見なされるので、節税の一手段となったからである。

 この、不気味な「債務」。一体いくらあるか分からない債務を郵政公社は抱えている。

 民営化したあとで、潰れたら大変だから、その前に換金しておこう、と各企業が考え、一遍に持ってこられたら、一体どうなるのか。

 下手をすれば一瞬にして資金繰りに窮して潰れるかも知れない。

 このように、「債務がいくらあるのか分からない」というとんでもない状態、いわば、「爆弾を抱えた状態」の金融機関を民営化するのは、あまりにも危険である。


◆年金:国会議員年金は結局存続するのですか?

 

 「聖域なき構造改革」なんて小泉首相は調子の良いことを言うが、それならば、まず、国会議員から範を垂れるべきではないかと思う。

 自民党はマニフェストで、この点について言及していない。民主、公明は廃止と書いている。

 国会議員を10年務めると、国会議員年金がもらえる。議員を辞めた後、65歳から支給される。最低でも年間412万円(一ヶ月34万円)である。

 そして、在職年数が10年を超えると、1年につき、年間支給額が8万円ずつ増える。

 したがって、例えば、20年つとめたら、412+8×10=492万円(月額41万円)も、支給される。この財源の7割は国民が納める税金である。

 小泉首相は、郵政改革だ!と叫んで、あと一年経ったら首相も辞めて、なんなら国会議員を辞めても悠々自適なんです。

 こういうのを、「聖域無き構造改革」というのだろうか?

 以前、この日記でも書いたが、大手商社、伊藤忠商事の経営再建に取り組み見事成功を収めた丹羽社長は、社長就任後、1年半も無給で働いた。

 そして天下の伊藤忠商事の社長が社長車の送迎を辞めさせ、毎日、一般社員と同じように徒歩と電車で通勤した。電車通勤は今でも続いている。

 トップがこういうことをしたら、皆一生懸命になりますよね。

 小泉さん、わかります?

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2005.08.23

小泉政権における金融行政の不備に関する一考察

◆小泉内閣による金融行政の杜撰(ずさん)さ:【西武鉄道】上場してはいけない株式が40年も取引されていたというお粗末。

 

 西武鉄道は、有価証券報告書(有価証券報告書とは、証券取引法上で用いられる用語で、要するに決算書。貸借対照表と損益計算書が中心。その他にもあるが。)に株主に関する虚偽表示を行い、2004年12月17日、東京証券取引所から上場廃止の処分を受けた。

 上場廃止されたことにより、西武鉄道の株券は紙くず同然になったわけで(何せ、株式市場で売買出来ないのであり、株価はゼロになったのだ)、これによって、西武鉄道に投資していた一般個人投資家が受けた損害は計り知れない。

 西武鉄道の上場廃止に当たっては、当然証券取引等監視委員会(金融庁の一部署)が監査を行い、また、国税庁の調査が入っているから、西武鉄道の株主がいくらで何株買ったのか承知してiいることは間違いない。

 従って、投資家が受けた損害額も、おおよその額はすぐに分かるはずなのだが、公表しないのである。

 これは、金融行政が違法な株の上場を40年間も見抜けなかったという「大失態」の全貌が明らかになることを恐れるための隠蔽としか、考えられない。

 西武鉄道の株は、本来株式市場に上場する要件を満たしていない「違法な」株であったにもかかわらず、40年も東証で売買されていた。

 そして、それを監督官庁である金融庁は看過していた。その責任は非常に大きいことなのだが、誰も責任を取らない。内閣の責任だが、内閣総理大臣は全く答えない。

 新聞は、何故もっと大きくこの点を指摘しないのか。

 さらに、西武鉄道は、違法な株によって得た資金から、自民党に政治献金していた。

 過去10年間だけでも、自民党は西武鉄道から1億円の政治献金を受け取っていた

 違法行為を行っていた会社から政治献金を受け取っていたことが明らかになった以上、当然これは、返金するべきである。

 自民党が西武鉄道に返金したという報告はされていない。

 そして、くどいようだが、そのことをマスコミは国民に伝えない。


◆金融庁は、他の会社は虚偽表示していないという確認が未だに出来ていない。

 

 西武鉄道が有価証券報告書に虚偽の表示をし、カネボウも粉飾決算を匿していたことが明らかになった。バレたら、上場廃止になる。

 そして悪事は遅かれ早かれ、バレる。

 カネボウは産業再生機構の管理下に入り、勿論上場廃止になった。

 このような、日本有数の大企業がウソの決算書を出していたのは、とんでもないことである。

 本来、東京証券取引所に上場する基準を満たしていない株が、他にもどれだけ出回っているか、分からないのである。

 金融庁は、とりあえず、何か対策を取りました、と言わなければならないので、昨年11月16日には、ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応についてとの声明を発表し、上場企業に対して、有価証券報告書の記載に間違いは無いか、もう一度調べて報告せよ、と指示を出した。

 その結果、いくつかの企業が「間違えていました」といってきたが、これは、大した問題ではないことばかり。数字の書き間違えの類ばかりである。

 それはそうなるだろう。なにせ、企業の自主点検に基づく自主報告なのである。


◆上場基準を満たしていない株式が今日も東京証券取引所で取引されているのだろう。

 

 上場基準とか、上場廃止基準については、東京証券取引所のサイトに上場審査基準概要が載っているので、眺めるだけでいいから、見てください。 本来、東京証券取引所に上場するには、これだけの要件を充足していなければならないのです。



 ところで、各企業は一応、自分の会社の帳簿を点検して金融庁に報告したわけであるが、本当に故意に粉飾決算を行っている企業が、バカ正直に「粉飾してます」と白状するわけは無い。

 だから、金融庁はこの報道発表を行ってから今日で280日経つが、いまもって、「現在、東京証券取引所で取引されている株式は全て、上場基準を満たしています」という「太鼓判」を押さず、世間がこのことを忘れるのをひたすら、待っている。

 冗談じゃない。

 西武鉄道や、カネボウのような会社が他にもあるとしたら、その会社に投資している人(株主)はある日、大損する危険がずっとつきまとうのである。

 日本で証券市場を見張るのは証券取引等監視委員会という組織の仕事だが、これは、金融庁内の一部署に過ぎない。

 アメリカでは、証券取引委員会(SEC=Securities and Exchange Commission)は強大な権限を持ち、また、市場での違法行為に対する罰則が厳しい。

 昨年から今年にかけて、ワールドコムというアメリカの長距離電話会社の不正会計が大事件に発展した。

 最高経営責任者(CEO)のエバーズという人は現在63歳なのに、なんと、25年の禁固刑の判決を受けた。要するに、終身刑だ。本人は控訴したが、まだ結果は分からない。 

 日本では殺人事件でも25年は滅多にない。

 日本の不正会計に関してもそれぐらいの罰則を課すように、法を改正することはできるだろうか?多分無理だろう。

 理由は、日本では(アメリカでも勿論同様だろうが)政財界の癒着があるからだ。

 先に述べたとおり、例えば自民党は、違法な株式を40年間も平気で上場させていた西武鉄道から長年にわたって、政治献金を受け取っていたのである。

 政治家はだれでも、カネが要る。潰れそうな会社ならば、政治家も義理立てしないが、黒字で、とりあえず安定している大企業ならば、少々上場基準に抵触していて、それを証券取引等監視委員会に指摘され、泣きつかれたら、無碍(むげ)には扱えないだろう。


◆小泉首相は「構造改革が進んだ」というけれども、実際は、変っていない。

 

 小泉首相は、何も考えず、「ここまで構造改革が進みました」というが、 今まで書いたとおり、金融行政に関して細かく見ると、全然体制が出来ていない。

 さらに、これからもっと恐ろしいことが起きる。

 現在のように、日銀がずっとゼロ金利政策を維持しているときに、株式市場が上昇基調にあるというのは、極めて危ない。必ず暴落する。

 今、日本の株式を買っているのは主に外国投資家だ。いずれ、大量に買った株を大量に売って差益を得ようとしていることは間違いない。

 繰り返すが、必ず、株式市場は暴落するのである。そのときに、金融当局は市場のパニックにどのように対処するのか。

 日銀・金融庁は互いに協議して、対策を練り、シミュレーションしているのだろうか?

 本稿で取り上げたような話は、一般紙には殆ど載らない。

 金融業や金融行政は専門性が高いので、一般国民には、殆ど説明などしなくても文句は出ないのである。

 また、政治家も、選挙の街頭演説で、私が今まで書いたような話をしても誰も聞かないから、取り上げない。
 ところが、お分かり頂いたと思うが、話題にならなくても非常に危険な状態が存在するのである。

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2005.08.22

堀江などニュースにするな。バカマスコミ。

◆堀江など、国会議員に立候補するだけで、国民を愚弄している。

 

 選挙報道は政策を論ずるべきで、「政治家ニュース」になってはいけない、と昨日書いた。

 だから、こういう稿を起こすのは、自己矛盾も甚だしいことは、分かっている。

 しかしながら、これだけはどうしても許せないので、書かせていただく。

 小泉純一郎は、ふざけるのもいい加減にしろということだ。

 広島の有権者は、まさか、あれを当選させるほどのバカではないと思うが、堀江が目の前に来たら、喜んで握手している。

 大方、田舎で刺激がないから、「有名人」が来ると嬉しいのだろう。

 それにしても、あんな男まで担ぎ出す小泉純一郎には、国民をナメるのにもほどがある、と言いたい。


◆あんな者は最も政治家になってはいけない人間である。

 

 皆、知らないのだろうか?はてなブックマークでは130人以上も登録しているから、実際に読んだ人はその何倍もいるはずだ。

 江川紹子ジャーナル ~ 社会のこといろいろ ~である。

 江川紹子氏と言えば、自らも命を狙われかけたのにも関わらず、それに屈せず、オウム真理教の実態と奴らが関係した事件を取材し続け、裁判まで見届け、冷静で、客観的な情報を世の中に送り続けた、極めて優秀なジャーナリストである。

 フリージャーナリストであるから、身軽と言うこともあるが、大新聞の記者のように組織の後ろ盾が無いので、危険も大きい。

 リスクを全て自分独りで抱えて真実を追究する使命感は大したものである。現在の日本のジャーナリストで最も優秀な一人だろう。

 その江川氏が堀江貴文にインタビューしている



 このころは、まだ、堀江はニッポン放送とフジテレビを手中にすることに自信を持っていたので、異常なほどの自信過剰である。

 無礼、失礼、無恥、厚顔。不遜、尊大、鉄面皮。といって良かろう。

 このインタビューで堀江貴文は、メディアを買収したら、新聞を発行するつもりだといっている。

 そして、その新聞に載せる記事の選択はインターネットを通じた人気投票で決めるのだそうだ。

 いくら世界の一大事であろうが、日本の一般人に興味が無いことは「ゴミ」だそうだ。

 メディアが「これは大事な情報だから」と、国民が大して関心のないことを「押しつける」のは、「傲慢」なのだそうだ。

 この論理で行くと、杉田かおるの離婚が一面トップになり、景気も、北朝鮮拉致被害者も、イラクへの自衛隊派遣も、教育問題も殆ど取り上げられないということが起こりうる。

 彼(堀江貴文)によれば、「それで、いいじゃないですか」となる。


◆堀江は郵政も年金も北朝鮮もどうでも良いのだ。

 

 テレビを見ていたら、「若い人に、政治に興味を持って貰いたくて、出馬した。」と堀江は云っている。ウソをつくな。

 今回、堀江は亀井に対抗するため、小泉純一郎に担ぎ出されたわけだから、郵政民営化に賛成などといっているが、本心はそんなことは彼にはどうでも良いことだ。堀江貴文は世の中、つまり、自分以外の人間が幸福になろうが、不幸になろうが、障害者が困難な状況に追いやられようが、知ったことではないのだ(気の毒だが、幼少時に母親の愛情を十分に受けなかった人間が、このタイプの人間になりやすいと言われる)。

 
 堀江貴文氏にとっての「良い世の中」とは、「自分が金儲けをしやすい世の中」である。それ以外の基準は無い。

 国会議員は、国民全体に奉仕する公務員である。

 従って、堀江氏のような人間は最も国会議員に適さない人間である。

 こんな男を、代議士に立候補させたこと自体、殆ど犯罪的な行為で、小泉純一郎は国民を愚弄(ぐろう)している、としか表現できない(堀江は形式は無所属だが、当選すれば自民党に入る算段だ)。


◆堀江は「煙突男」と同じだ。

 

 堀江もどうせ落ちると思っているだろう。しかし、とりあえず、世間の話題になりたいのだ。

 この男は、テレビがわーっと集まって、「時の人」になり、テレビに登場出来れば、それでいいのだ。

 ニッポン放送、フジテレビとのゴタゴタのときは、テレビに始終登場できて、かなり満足したが、その後「時の人」では無くなってしまった。

 選挙に立候補すれば、世間の注目を浴びることが出来る。しかも現職の内閣総理大臣に頼まれたのだから、大得意だ。

 だから、わざと、マスコミが騒ぎ立てるような選択をした。

 堀江は、「広島で、亀井静香に対抗して立候補するので無ければ嫌だ」、と小泉に言ったのだろう。

 こういう男をマスコミが真剣に取り上げるべきではない。



 何故か?メディアが騒げば騒ぐほど、奴は嬉しいのだ。もともと天下国家に興味がないような人間にマスコミが振り回されてはいけない。



 最近少なくなったが、 「煙突男」というのがときどき、現れるでしょ?

 銭湯などの煙突によじ登って、周囲の人が騒ぎ出すと「飛び降りるぞ!」という(最近少ないのは、銭湯が少なくなったからだろう)。

 ここで、世間が「止めろ!早まるな!」と説得したら、「煙突男」の思うつぼなのだ。

 騒いで欲しいのだ。構って欲しいのだ。

 こう言うときは、「どうぞ、飛び降りてください」といって、皆が完全に無視すれば良い。

 すると、絶対に「煙突男」は意気消沈して、「降ろしてください」、とベソをかき出すのだ。

 堀江君と「煙突男」の心理は、本質的に同一である。

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選挙はゲーム(遊び)ではない。勝敗予想を立てる前に、政策を検証しろ。

◆マスコミの政治ニュースはいつも「政治家(又は政治家になりたがっている奴)ニュースだ。

 

 新聞には、各党のマニフェストが載っているが、自民党のあの120項目をただ並べても仕方がない。

 その中で何が要点か、国民が判断する指針(本当は国民が自分で全部やるべきだが)、を可能な限り客観的、中立的に提示するのが新聞屋の仕事である。

 しかしながら、この点において及第点を与えられる新聞は、少なくとも全国紙には、現時点では、存在しない。

 新聞が載せているのは、相も変わらず、どの選挙区で郵政反対派にどの刺客が振り分けられ、これが、民主党票をどれぐらい食うか、という類の記事が中心である。

 これは、政治記事、政治ニュースではない。「政治家」ニュースである。

 そんなことは、選挙が済んでからコメントをすればよろしい(それですら、選挙報道の本質ではない)。

 徒(いたずら)に、ある選挙区では自民現職が有利だとか、そのたぐいの記事を載せるのは、一種の大衆心理操作であり、行うべきではない。

 日本人はもともと「他の人たちと同じように行動すること」が行動規範となる民族である。失礼ながら、地方において、この傾向は一層顕著である。

 したがって、他の有権者の思惑などは知らない方がよいのである。


◆では、何を報道するべきか:本日は、とりあえず2点。まず、環境。

 

 この日記では、過去何度も取り上げたとおり、地球環境は危機的な状況にある。

 国連環境計画が1999年に発表した、地球環境概況2000「概況と提言」を読めば分かるが、「地球温暖化を防ぐのは恐らく既に手遅れ」とのことである。


 この結果、淡水資源が不足するのが直接的には最も大きな問題である。

 また、大陸における砂漠化の進行により、作物の収穫が漸減する。海洋資源(食料としての魚)の減少が進む、と、同レポートは指摘している。

 つまり、水と食い物が無くなるということだ。 そして、言うまでもなく、水と食い物が無くなると言うことは、人類が絶滅するということだ。

 郵政民営化も、景気も、年金も、人類が存続することが大前提であることは、あまりにも当たり前だが、その大前提が危機にさらされているというのに、どの政党も、これを認識していない。

 そして、マスコミも指摘しない。


◆国家安全保障:集団的自衛権を認めてはいけません。

 

 環境の次は、「国家の安全を如何に守るか」という問題を各政党(及び、選挙が公示されれば候補者)がどのように考えているのかを、良く見極めるべきだ。

 日本国が無くなってしまったら、他のことを論じても意味がないからである。

 私は今までに何度も「日本に集団的自衛権の行使を認めてはいけない」と書いたが、そのたびにメールを頂く。

 「現実に北朝鮮という脅威が存在するのであるから、お前の言うことは、空想的平和主義だ」とか何とか書いてある。

 何を言っているのか分からない。というか、書いている人が基本的なことを理解していない。
 北朝鮮が攻めてきたとして、それに反撃するのは、日本の「個別的自衛権の行使」というのである。集団的自衛権は関係ない。

 私は、自衛隊が不要だ、と書いたことは、一度もない。

 国家を防衛するために必要な軍事力(本当は、「必要最小限の実力」と書かなければいけないのだが、それはどうでもよい)の保有とはいえ、第9条2項に照らし違憲だから、ダメだ、と書いたことは、過去全ての日記を読んでいただければ分かるが、ただの一度もない。それほど単純バカではない。

 仮に北朝鮮が攻めて来たら、黙ってじっとしていて、殺されなければならないという理由は無いからである。

 個人の家庭に例えれば、自宅に強盗が入ったら、撃退しようとするのが当然で、そのときに、多少相手を殴るのは仕方がない。これを国家に当てはめたのが、「個別的自衛権」だと思えばよかろう。

 日本国憲法第9条第2項に「戦力は一切保持しない。国の交戦権を認めない」と書いてあるじゃないか、と激烈な「平和主義者」は反論するかも知れないが、それは、もう少しよく考えて下さい。

 日本国憲法は、当然個別的自衛権を認めていると思われる。その根拠は何か?

 日本国憲法は、前文で、国民の「平和的生存権」は守らなくてはいけないと謳っている。したがって、その目的を完遂するための個別的自衛権、及びその手段としての武力の保有は当然の前提として想定していると解釈できる。当たり前なので、明文化していないだけであると思われる。


◆集団的自衛権の行使を認めるとどうなるか。 

 

 「国の交戦権を認めない」というのは、防衛ではなく、自分から外国に攻めていってはいけないという意味である。

 これが「憲法は集団的自衛権の行使を禁止しているという、長年の政府の公式見解である。

「集団的自衛権」とは、「自国そのものが、何者か(どこかの国)の攻撃・侵略を受けていなくても、同盟関係にある国が攻撃されたら、自国の領土が攻撃されたものと同等に見なして、反撃する権利」である。

 日本が、戦後60年、ただの一発も武力行使をせず、外国の国民を殺傷しないで済んだのは、9条第2項が集団的自衛権を禁止しているおかげである。

 韓国は、これに相当する条文がないから、ベトナム戦争の時に、アメリカに「命ぜられて」大勢、ベトナムに出兵して、ベトナム人を大勢殺した。

 日本は第9条があったからこそ、ベトナム戦争に巻き込まれずに済んだのである。

 私は、今のイラクへの自衛隊派遣ですら違憲だと思うが、それでも、鉄砲を撃たないで済んでいるのは、日本国憲法第9条の歯止めがあるからである。

 9条がなかったら、サマワの宿営地でじっとしていることなど、外国が認めない。


 ◆海外のインテリ層は、「日本は憲法で武力行使を禁じられていること」を十分承知している。

 

 海外の新聞を読むと大変良く分かるのだが、世界の主だった国のインテリ層は、いずれも、「日本は憲法で禁止されているので、武力行使はできない」ということを完全に所与の条件として認識している。

 これは、The Economistも、Financial Timesも、アメリカの新聞も、アルジャジーラも、同様である。

 そして、少なくとも私は、日本国憲法第9条をを批判し、改正すべきだという海外の論説は読んだことがない。

 世界も認めるこの画期的な規定をわざわざ放棄するべきだという人の気が知れない。

 但し、今の自衛隊法、自衛隊法施行令、自衛隊法施行規則、内閣法などを厳密に解釈すると、どこかの国から先制攻撃を受けてから、反撃に出るまで、殆ど喜劇的に馬鹿馬鹿しい、時間を要する手続きを必要とするので、これら行政法を改訂して、迅速に対応できるようにすればよいのである。


◆アメリカの言うことに従って集団的自衛権を持たないと、いざというとき守ってもらえないというのは、大笑い

 

 アメリカと日本は、安全保障条約を締結している。

 日本が攻撃を受けた時に、アメリカに守ってもらうために、日本もアメリカの云うことを聞いて、集団的自衛権の行使を可能にするべきだという人が多いが、甘い。

 日本が集団的自衛権を行使出来るようになったら、アメリカの小間使いになるだけだろう。

 そして、有事の際、アメリカが日本を守ってくれるというのは、さらに甘い。

 2003年、当時のアーミテージ国務副長官(あの、スキンヘッドの、熊みたいな大男ですよ)が来日して、日本に対してイラク復興から逃げるな(Don't walk away) とか、「これはお茶会じゃないぞ」とか散々日本政府を恫喝し、それに震え上がった小泉首相がイラク派兵を一も二も無く決めた。


◆アメリカの忠実な番犬になってもアメリカは日本を守らないだろう。

  

 このときのアーミテージ国務副長官の言葉を、私は鮮明に記憶している。

 

「日本への攻撃(北朝鮮やら、イスラムテロ組織のこと)は、アメリカ本土への攻撃と見なす」

 一見、頼もしい。だが、良く読んで下さい。彼は「日本が攻撃されたら、それは、アメリカが攻撃されたと同等に見なす」と言っているが、

 

「日本を第3国の攻撃から守ってみせる」。

 とは、絶対に言わない

 アメリカは、パールハーバーも実は全部暗号を解読していたのに、ルーズベルトはわざとハワイの太平洋艦隊には知らせず、日本に奇襲攻撃をさせて、「汚いジャップ」のイメージをアメリカ国民に植え付けることに成功した。

 この、「相手に先に攻撃させておいてから、猛然と反撃する」のがアメリカが大好きなやり方なのだ。

 だから、テポドンが飛んできても、元々技術的にも無理だし、アメリカは放っておくことはほぼ、間違いがない。

 先に攻撃させて、わざとらしく、「よくも、やりやがったな」といって、北朝鮮に反撃する、というだけのことだ。

 だから、アメリカが日本を守ってくれるだろうというのは、甘いというのだ。

 大体、見れば分かるでしょう。何の証拠も実は持っていなかったのに、「イラクは大量破壊兵器をもっている」と言って戦争を始め、後になって「あれはウソでした」と平気で言う奴らなのだ。

 どうして信用するのか。


◆各党はどういう安全保障構想をもっているか。

 

 上で述べたことを知った上で、各党はどのような構想を持っているのかを各自が検討するべきである。

 マニフェストだけでは、分からない。新聞社から、各党に質問状を出すなりなんなりして、突っ込んで取材して欲しい。しないなら、私がする。

 環境と防衛しか取り上げられなかったが、長くなったので、今日は、ここまで。

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2005.08.21

二日間、留守をしまして失礼しました。コメント・TB、リンク、ありがとうございます。

◆震度6の二日後の宮城県に行って参りました。

 

 滅多に私事は書かないのですが、少々、ご辛抱を。

 この二日ばかり更新を怠りました。

 何故かというと、ようやく休暇が取れまして、二日ばかり、妻子を連れて大急ぎ旅行ですが、宮城県の松島(あの、日本三景の一つの松島です)と、会津高原に行っていたのです。

今日(8月20日)の夕方帰宅しました。

 宮城県では震度6の大地震があったばかりで、極く常識的に考えると、キャンセルするべきかと思いましたが、1.愚息が以前から松島と言うところに是非行ってみたいと言っていたこと。2.自分の身体の調子がここのところ芳しくなく、来年はもう旅行など行けるかどうか分からないこと、を考慮し、かつ、現地では余震は収まっている、という情報を確認した上で、自分で、車を走らせて出かけました。

 単なる偶然ですが、東京の多摩地区の自宅から、松島海岸までの走行距離が殆どぴったり400kmであることに驚きました。


◆トラックバック、コメント、リンク、など下さった方々へ:レスが遅れて申し訳ありません。

 

 この2日間で、エンピツのJIROの独断的日記JIROの独断的日記ココログ版JIROの独断的日記エキサイト版にそれぞれ、リンク、コメント、トラックバック等、頂戴しておりますが、かかる事情により、レスが遅くなっておりまして、誠に申し訳ございません。

 なるべく早くお返事させていただきますので、しばし、お待ちいただければ幸いです。


◆宮城県を実地に見て、日本人は大したものだと思いました。

 

 たかだか1日滞在しただけで結論を述べるのは、やや軽率のそしりを免れないのは承知です。

 それでも敢えて書きますが、倒壊している家屋はおろか、殆どの建造物は、まったく損傷を受けていません。

 私が止まったホテルも、どこをどう見ても、大地震の後とは、思えない。壁にひび割れぐらいあるかな?と予想していたのですが、全く関係無い。

 松島は、8月16日に起きた大地震の震央から、100kmぐらいの所にあります。

 あの地震の揺れは東京でも震度4を記録し、さらに、遙か近畿にまで及んでいるわけです。

 ですから、松島町は非常に大きなエネルギーをうけているはずなのですが、驚くほど、町内は被害を受けていない(倒壊している家など、一つもないのです)。

 宮城県では、過去に何度も大地震を経験しているので、その教訓が生かされて、建造物は、かなりの強度を確保しているのではないでしょうか。この辺りが流石日本人だと思います。

 こういうことを他国と比べるのは、不謹慎かつ、相手の国に失礼ですが、例えば、イランでも大地震はなんども起きているわけです。

 そのたびに石を積み上げた家が崩れて下敷きになって、多くの犠牲者が出る。

 それは気の毒なのですが、驚くのは、その後、イランの人々は全く同じ材料で同じ構造の、つまり石を積み上げただけの家を造るわけです。

 で、また、地震があるとそれが崩れて、下敷きになる人が出る。

 あのニュースを見る度に気の毒ではあるが、何だか知恵がないな、と思わざるを得ないです。

 日本人は、大地震に遭えば、そこから何かを学ぶ訳です。

 戦後、完全に焼け野原になった日本の各都市が僅か10数年で、世界が驚嘆するほどの復興を遂げたのは、日本人の優秀さ、勤勉さを物語る歴史的事実ですが、その日本人の優秀さは失われていない、と思います。

 阪神・淡路大震災の教訓が新潟中越地震で生かされていないというような批判もありましたが、勿論、細かい事を見ればそういうこともあるでしょうが、それは、評価の基準がかなり高い訳です。

 地震の度に同じ材料、同じ構造の石の家を造って、次の大地震で同じ被害者を出す、というのとは、はっきり言って次元が違います。


◆マスコミが与えるイメージと現実との乖離

 

 マスコミは、今回の宮城県沖地震に関して、仙台市のプールの吊り天井が落下して多数の負傷者が出た事ばかりを、やたらと強調して何度も放送しました。

 落下した天井の破片を施設の従業員が片付けているところ、大きな穴が開いた天井、実際に被害に遭った方々の「ショックを隠せない」様子。

 あればかりを見せられていると、私たちは、なんとなく、仙台市や宮城県全体で、他にもあの規模の「大事故」があったのではないか、という想像をしてしまいます。

 ところが、現実は(私が24時間で見た限りの情報ですから、見落としが有るのかもしれませんが宮城県内は大分走りました)、あれほどひどい被害は、多分あのプールだけです。

 あれは「例外」なのです。こういうのを「ミスリーディング=misleading判断を誤らせるような」な報道だ、というのだと思います。

 松島海岸からは、松島観光の遊覧船も、通常のダイヤ通り運航されていました。

 あの立派な瑞巌寺でも、石灯籠が倒れているとか、そういうことは一切ないのです。

 マスコミは、センセーショナルな映像を求めます。それは、はっきり言って視聴率を取らなければならないからです。それを考慮に入れなければなりません。

 マスコミが取り上げる「惨事」が「一般的」であると、簡単に判断しない方がいい。マスコミに、「ミスリード」されていないか、ある程度懐疑的な見方をした方が良いと思います。


◆衆議院選挙も同じだと思うのです。

 

 衆議院選挙に関する報道も同じだと思います。

 多くのマスコミは「郵政民営化の是非を問う選挙ですが」と言います。そういわれると、そうなのかな?と思います。これもミスリーディングな報道だと思います。
 それぞれの番組は、世の中の人々の一番の関心が「郵便局」にあるという統計的事実(世論調査の結果)を提示していません。小泉首相の発言をそのままオウム返しにしてはいけないと思います。

 小泉さんは、人心攪乱術にひじょうにたけていて、「郵政民営化の是非を問う選挙だ」というと、テレビのワイドショーは「郵政民営化、是か非か?」という話題の取り上げ方をします。

 どうして、「小泉劇場」の盛り上げ役になるのか。テレビが郵政・郵政というと、本当に大事なことのような気がしてくるけれども、国民の本心は少なくとも7月までは違ったのです。

 6月13日の読売新聞の世論調査では、国民の関心は、

 


  1. 景気対策

  2.  年金など社会保障制度

  3.  北朝鮮

  4.  雇用対策

  5.  治安・犯罪対策

  6.  少子化対策

  7.  教育改革

  8.  税制改革

  9.  外交政策

  10.  財政健全化

  11.  環境対策

  12.  食品安全対策

  13.  防衛

  14.  防災等危機管理

  15.  政治改革・倫理改革

  16.  郵政民営化


 というわけで、16番目でやっと「郵政民営化」が出てくる。

 因みに1位の「景気対策」を上げた人は60.3%。「郵政民営化」を挙げた人は7.5%です。

 他の新聞社が行った世論調査でも傾向は同じです。

 日経が6月16日~19日にかけて行った世論調査では、トップが年金・福祉、2番目が景気、郵政民営化は11番目。

 東京新聞が7月7日に行った世論調査では、トップが社会保障制度改革(年金など)、2番目が景気対策、3位が財政再建で、郵政民営化は7番目。

 順位は少しずつ違うけれども、衆議院が解散されて小泉首相が「今度の選挙は郵政民営化選挙だ!」と叫ぶ前は、国民は、明らかに「郵政民営化」を優先事項と見なしていなかったと思います。少なくとも小泉純一郎氏が云うような「最優先課題」だとは、絶対に、考えていなかったと言い切っていいでしょう。

 ですから、何だか知らないけど、小泉首相のご機嫌取りに傾いているテレビ局の「郵政民営化、反対か、賛成か」という「誘導尋問」に引っかからないことです。

 そもそも、郵政民営化されたら、具体的に何がどうなるか、有権者が全て理解しているとは到底思えない。

 テレビ局だってそれは分かっているはずです。ですから、まず、「郵政民営化で何が変わり、国民にどういうメリットとデメリットがあるのか」を解説するべきだとおもうのですが、わざとそれをしないで、「改革、賛成か、反対か?」と一般国民に訊く訳です。

 すると、「『改革』だから、賛成でいいんじゃないの」という反応になってしまうと思います。

 それでは、ダメでしょう、そのためにマスコミには解説委員というのがいるんだから、解説するべきです。


◆最後に自民党のマニフェストについて、気がついたことを少し。

 

 上に書いたとおり、世論調査を見る限り、国民は郵政民営化を最優先課題と見なしていないのに、小泉首相は無理矢理、「いや、これが一番大事なことなんだ」と暗示をかけようとしています。既にかけていると言っていい。

  「主権在民」です。日本国の主権者は国民ですから、国民が、「郵政は後でいい」といっているのに、それを無視して、「何故、今、郵政民営化が最優先課題なのか」についての論理的説明もなく、ただ「殺されてもいい」とか言っているようではいけません。

 国民が常に絶対に正しいとは限りませんけれども、小泉首相は自説に自信があるのなら、合理的説明が出来るはずではないでしょうか?

 自民党のマニフェストを読むと、まず、医療制度改革が、ボカしてあります。これは、また、衆議院で多数党となったら、国民の負担を増やす可能性が高いです。

 憲法改正については、改正案を出すといっているけれど、憲法改正といったら、第9条のことに決まっているのに、9条とは絶対言わないし、どのように変えるのか、書かずに誤魔化している。これも極めて危険な動きです。

 北朝鮮に関しては「拉致問題の解決なくしては、日朝国交正常化なし。拉致問題の解決に全力を尽くす」とありますが、これは、前回の衆議院選挙と同じ事をかいているだけ。
 そもそも、どうなったら、「拉致問題が全面的解決」と見なすのかが述べられていない。期限も言わない。これなら、永久に「全力を尽くしているんです」と言い続ければ、ウソにはならない。

 この辺が政治家の狡いところです。
 その他に関しては、また、次号以降で書きたいと思います。

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2005.08.17

何が「刺客」だ。選挙戦の本質は政策論争だろう。真面目にやれ。小泉。マスコミ。

◆議院内閣制では、内閣は議会の信任(賛成)を得なければならない。

 

 一体、小泉純一郎は議院内閣制を何と心得ているか。

 議院内閣制とは、「議会の信任を、行政府である内閣存続の必要条件とする統治の仕組み」である。

 そもそも、アメリカの大統領制と異なり、日本では、内閣は国会に対して連帯して責任を負う。

 行政権は内閣に属する(日本国憲法65条)のであり、内閣総理大臣が一人で勝手に何でも決めてはいけない(アメリカでは行政権は大統領に属する。小泉首相は、自分を大統領と勘違いしているフシがある)。

 内閣総理大臣は国会が指名するのである(日本国憲法67条)。

 これが、議院内閣制である。

 繰り返すが、内閣は、国会の信任を得なければならない。

 何か政策を実行するときには、事前にその「案」を国会に説明し、国会が納得し、採決し、賛成しなければ、その政策を実行に移してはいけないのである。

 普通ならば、議会の多数党(自民党)の党首が内閣総理大臣なのだから、スムーズに事が運ばれるのだ。

 今回の政変が普通ではないのは、小泉首相は自民党党首だというのに、郵政民営化に関して、自分の党からさえ、反対者が続出したということである。

 繰り返すが、これは、議会の信任が得られていないのであるから、ここは謙虚に、郵政民営化法案を初めから考え直さなければいけなかったのだ


◆ところが、議会の多数党(自民党)が賛成しないのが「けしからん」という発想になっているのが、小泉首相なのだ。

 

 議会の信任を得られないのであるから、郵政民営化法案に不備があるのではないか、と、考えなければならないのに、小泉首相は、絶対君主の如く、「自分の案は絶対に正しい。反対した、議会(国会)のメンバーが悪い」という考え方をしている。

 根本的に間違えている。


◆衆議院選挙をするからには、国政全般に亘る公約を提示するべきなのに、「郵政民営化の是非を問う選挙だ」というのは誤りだ。

 

 衆議院の機能は参議院よりも優越している(衆議院の優越)。衆議院の意思は参議院のそれに優越するのだ。

 衆議院は、国政全般に重大な責任を持っている。

 衆議院選挙を行うときは、従って、各党は有権者に対して、日本国をどのように導こうとしているか、様々な分野に関して提示しなければならない。

 「郵便局」だけで、衆議院選挙の投票が決せられてはいけない。


◆北朝鮮拉致、憲法改正、景気対策、年金、教育、福祉に関して、小泉首相は何も言わない。

 

 自民党のホームページに行くと、なるべく目立たないように、「小泉改革宣言」が掲げてある。

 私が特に気になるのは、北朝鮮日本人拉致問題の早期解決を目指す、と言う項目だが、1年9ヶ月前の衆議院選挙、昨年7月の参議院選挙のときから、全く事態に進展が無いのは周知の通りである。


◆炎天下、経済制裁を求めて、72歳の横田滋(めぐみさんの父君)らが5時間も抗議の座り込みをしたのに、平然としている小泉君。

 

 6月24日、一向に動こうとしない政府に業を煮やして、北朝鮮による拉致被害者家族が、経済制裁の発動をもとめ、国会前で5時間にもわたって座り込みの抗議行動を行った。

 横田めぐみさんの父、横田滋さんは72歳である。こんな事をして、身体によいわけがない。

 ご本人は、自分の命が縮んでも良いから、娘を北朝鮮から取り返してくれ、と訴えているのである。

 ところが、このときの、小泉首相のコメントは

 

「家族はつらいでしょうが、経済制裁すれば解決するという状況では現在ない。よく関係国の判断を尊重して協力していかないといけない」と記者団に語った。 (毎日新聞) - 6月24日12時56分更新

「経済制裁すれば解決すると言う状況ではない」のなら、どういう状況であるのか、内閣総理大臣として説明すべきだ。

 北朝鮮なんて、国力が日本の200分の1しかない、その気になれば一捻りで潰せる国なのだ。 経済制裁が出来ないなら、どういうほかの方法があるのですか?

 私には、この問題の方が、郵便局よりも遙かに重大だと思うが、小泉首相は全く関心が無い。

 誘拐された同胞を救おうとしないで郵便局に熱中している男が宰相としてふさわしいのか?どうして、支持率が50%もあるのか。神秘的である。


◆景気が良くなっている、と新聞はプロパガンダ報道をするが・・・。

 

 本当に景気は良くなっているのだろうか。

 生活保護を受給者はこの5年で10万人から14万人に増えた。

 自殺者は7年連続3万人を超えている。こんな先進国は、世界の何処にもない。

 8月12日に今年4-6月期にGDP(国内総生産)速報値が発表された。

 実質GDPは前期比+0.3%(年率換算+1.1%)。

 名目GDPは前期比+0.0%だった。

 実質とは「量」であり、「名目」とは金額である。

 インフレの時には、経済活動の規模、モノやサービスの生産量が増えなくても、物価の上昇により、自然にもうかる。だから、名目GDPを物価上昇率(GDPデフレータ)で割って、正味の経済活動の成長はどれぐらいかを見る必要がある。インフレの時は確かに実質GDPに注目するべきである。

 しかしながら、今の日本は、10年もデフレ(deflation=モノ・サービスの価格が下がり続けること)なのである。大事なのは、実際のもうけが増えること。つまり、「名目GDP」が増えているかどうかなのだ。

 ところが、今年の4-6月期の名目GDP成長率はゼロ。

 実質は年率換算1.1%増えている(生産量は増えている)のに、名目(金額=もうけ)が増えていない。デフレが止まっていないということである。

 しかし、新聞各社は経済専門紙の日経まで、あたかも政府の機嫌を取るかのように、実質GDP成長率ばかり取り上げて、「3四半期連続のプラス!」などと、さも良いことが起きているかのごとき錯覚を国民に与えている。

 アホか。GDPデフレータが前年同月比マイナス0.8%じゃ、何も意味は為さない。

 小泉君はしきりに景気は回復していると思うが、不況の根源であるデフレはいまでも進行していることに着目するべきだ。つまり、小泉政権の経済政策は失敗なのだ。


◆このようなことが選挙の時には話題になるべきで、誰が誰の「刺客」か、などとふざけるんじゃない。マスコミも小泉の悪ふざけを煽るな。

 

 今まで述べたように、選挙における投票行動は、様々な要素を考慮するべきなのである。

 決して、郵政民営化一点に注目してはいけない。

 ましてや、郵政民営化に反対した自民党議員に小泉首相が「刺客」を放つなどということは、選挙をオモチャにして遊んでいるのであり、言語道断だ。

 それなのに、マスコミは、政策やマニフェストを取り上げても、大衆には難しくて視聴率が取れないから、亀井の刺客に東ちづるが出るらしいとか、下らないことばかり伝えている。

 自分たちの使命は何か、をよく考えろ。 物事の軽重を理解出来ないのか?


◆郵貯だけで自民党支持するととんでもないことをやるぞ。

 

 いい加減、国民は経験から学ぶべきだと思うのだが、小泉純一郎君は一旦選挙に勝つと、十分検討してから行うべき事を、独裁的にいきなり実行してしまう傾向がある。

 2003年11月9日の衆議院選挙で、公明との連立与党で、絶対安定多数を確保したら、国会でろくに議論もせず、12月9日自衛隊イラク派遣をいきなり閣議決定した。

 また、最も最近行われた選挙は、昨年7月の参議院選挙であったが、そのときには、増税の話など全く公約になかったのに、先日の国会でサラリーマン増税を決めた。

 今回、たまたま、こういう展開になり衆議院選挙があったのは、幸いである。

 ここで、はっきり、小泉政権は支持しないという国民の意思を表さないと、増税、国民の医療費負担の増加、障害者援助のカット。北朝鮮問題は打ち切り。憲法改正など、やりたい放題のことをやるだろう。

 以上の点をよく考えて、9月11日に(また、随分縁起の悪い日を選んだものだ。911テロの日でしょ?)投票しましょうね。 

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2005.08.16

郵政民営化の是非を問う選挙なんて、バカな選挙があるか。自衛隊はいつまでイラクに置いておくのだ。

◆小泉首相は、アジテーション(扇動)は天才的だ。

 

 小泉首相は、衆議院を解散して、今度の選挙は、郵政民営化の是非を問う選挙だ、という。

 しかし、不思議なことに、自民党のサイトにアクセスして、「小泉改革宣言」という部分を見ても、「官から民へ」という箇所に挙げられているのは道路公団の事ばかりで、郵便局の事など書いていない。

 今回の選挙では、郵政が最も大事なことではない。

 郵便局の事などよりも、前回の国政選挙から、いや、2001年に小泉純一郎氏が内閣総理大臣になってから、今まで、どれだけのことをしたのかというすべてを総合的に判断するべきなのだ。

 郵便局というのは、巨額の資金を国民から預かっているが、別に倒産寸前でも何でもなく、黒字であり、郵便配達に致命的破綻が生じているわけではない。優先順位は低い事なのだ。

 小泉首相の巧みな話術(巧みというのかねえ・・・)に騙されてはいけない。

 首相は「イラク復興支援特別措置法」における「非戦闘地域」の定義も言えないくせに、こういう国民を煙に巻くことにかけては、天才的である。

 参議院で郵政法案が否決されたら衆議院を解散して、「今度の選挙は郵政民営化に関し、民意を問う選挙だ」とか、短い言葉で言うから、一般大衆には分かりやすい。

 だから、皆、すぐ騙されて、支持率が上昇する。


◆サマワに陸上自衛隊がいまだに駐留する必然性は如何に。
 

 イラクにいる自衛隊と言うと、まず、サマワの陸上自衛隊を指すほどである。その陸上自衛隊も一体どういう活動をしているのか、良く分からない。

 分からないのも無理はなく、日本のマスコミでサマワに常駐している者は一人もいない。

 バグダッドで、海外のメディアが報道していることを聞いて、日本にレポートすることもあるが、大体の情報は、なんと、市ヶ谷の防衛庁の建物の中で発表されたことを記者が聞いて、そのまま記事にしている。

 太平洋戦争中の「大本営発表」そのままではないか。

 ところで、先週、サマワでは大暴動が起きたという。

 民衆が暴動を起こしただけでは、「戦闘地域」とは言えないだろうが、果たして、いつまでも、陸上自衛隊を駐留させておく意味があるのか、小泉首相の説明が聞きたい。

 サマワの宿営地を造るのに、344億円の税金が使われているし、サマワに駐留する500人の自衛官には、何の責任もないが、彼らには1日2万5千円の特別手当が支払われている。

 危険な場所にいるのだから当然だという議論もあるが、そもそもそんな危険な場所で、イラク人でも出来る給水事業とか、土木工事を続ける必然性があるのか、甚だ疑問である。


◆航空自衛隊のことが全く伝わってこないのは何故か?

 結論から言うと、憲法に違反しているからである。

 イラク復興支援特別措置法で規定された自衛隊の仕事は二つ。

 一つ目は、「人道支援活動」。これは、陸上自衛隊がやっている、給水作業、土木工事、医療援助。

 二つ目は安全確保活動。これは、米英軍を支援すること。

 具体的には、クウェートから、航空自衛隊の輸送機が米英軍の物資をイラク各地の米軍基地に運んでいる。

 交戦中の米国の兵站(武器・食料などの補給)を担当することは、「後方支援活動であり」、後方支援活動無くしてアメリカの武力行使はあり得ないのだから、日本は交戦中の同盟国に対して集団的自衛権の行使を行っていることになり、これは、憲法に違反しているという重大な事実である。
 これほど、重大な事実をマスコミも野党も何故追及しないのか?何をボヤボヤしとるのだ。

 素人の私ですら、それぐらいのことは分かるのだから、ブンヤ(新聞記者、転じてマスコミ一般をさす)が知らないわけはないのに。

 念のため、何故、私が航空自衛隊が米英軍の武器を運んでいる、と断言できるか、また、この件に関し、事前に首相は何と発言していたかを示す。


◆小泉純一郎内閣総理大臣は、武器弾薬の輸送は行わない、とはっきり述べた。

 

 首相官邸のサイトには、いまでも、自衛隊のイラク派遣を閣議決定した、2003年12月9日の記者会見の一問一答がはっきり記録されている。

 小泉内閣総理大臣記者会見[イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画について]というページの最後のほうにある、 記者の質問と、首相の答弁を読んで下さい。

【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。

【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。

【質問】 行わない。

【小泉総理】 行いません。

【質問】 それは、実施要項の中とかで担保されるんですか。

【小泉総理】 そうです。

【質問】 そういうことですか。

【小泉総理】 はい。復興支援活動であります。日本は戦争に行くのではありません。自衛隊は復興人道支援活動に行くんです


◆記事:武装米兵の輸送実施 C130、空幕長が認める(2004年4月8日共同通信)

 【クウェート8日共同】航空自衛隊トップの津曲義光航空幕僚長が空自部隊派遣先のクウェートを訪問。8日に記者会見してC130輸送機によるクウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していたことを初めて明らかにした。

 イラク復興支援特別措置法に基づく空輸が始まって約1カ月。空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。

津曲空幕長は過去の輸送任務について「米兵や(連合軍の)軍属を運んだことはある」と答え、さらに「武器、弾薬を単独で運んだことはない」と説明。輸送した米兵が小銃など軽火器類を携行していたことも認めた。

これまでの輸送回数や状況については「20回弱の任務を実施したが、(地上からの)攻撃はなかった」と述べ、武装勢力によるテロはなく安全だったことを強調。タリルやバスラの空港があるイラク南部は「比較的安全」との認識を示した。(共同通信)[4月8日13時26分更新]


◆コメント:小泉純一郎君は、このように、簡単に約束を破るのです。

 

 上に引用した質疑応答と、共同通信の記事を比べれば、明らかでしょう。これを、ウソと言わずして、何というのか?

 私は、小泉首相は平気で公約を破る政治家なのに、何故、皆さんそのことを簡単に忘れてしまうのか、と思う。

 国債残高30兆円を超えないといいつつ、小泉首相になってから、100兆円も残高が増えた。

 首相は、これを「これぐらいの公約違反は大したことではない」といって、平然としていた。

 イラク戦争が始まった時に、いち早く米国の行動を支持したのは小泉首相だが、その理由は、「イラクが大量破壊兵器を持っているから」、であった。

 その後、アメリカは、イラクが大量破壊兵器を保有している証拠を全く持っていない事が分かった。

 小泉首相は、それでも「今でも、イラク戦争は正しかったと思っている、と答弁した」

 大量破壊兵器を理由に戦争を始めて、それがウソだったのに、なお支持するとは、筋が通らぬ。


◆衆院選で考えるべき事

 

 今度の選挙で郵政民営化を少しは考慮に入れても良いが(これも、随分無理があることは、今後順次書くつもりである)、それよりも、小泉首相が首相在任期間中に、如何に平気な顔でウソをついたり、公約を破ったかということに対する審判が下されるべきだと思われる。

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2005.08.15

「きけ わだつみのこえ」を読んだことがありますか?(その2) 書き写したから読んでみて下さいな。

◆読んで下さいと言っても、なかなか読んでもらえないようなので・・・。

 

 表題に「(その2)」を付けたのは何故かというと、「きけ、わだつみのこえ」に関してはちょうど2年前にも書いたからである。

 二年前は、まだ、この日記(今はココログとエキサイトブロッグにも同じ文章を載せている)は、今ほど多くの方に読んで頂いていなかった。

 今は、有難いことに、何百人もの方が毎日、駄文に目を通してくださる。

 そこで、再び、「『きけ、わだつみのこえ』を読んで下さい」と訴えたい。

 私が読んだ本の中で、これほど「戦争の悲惨」を強く、直裁的に、読者に訴える書物は他に無いと思うからである。今回は、2年前よりも手間をかけた。原文を引用する。


◆「きけ わだつみのこえ」とは何か。 

 

 この本は何かというと、戦没学生の遺書を本にまとめたものである。右も左も、何の宗教も関係が無い。

 太平洋戦争後期から、一般の大学生が徴兵された。学徒動員という。

 6000人もの10代・20代の若者が無理矢理(表向きは非常に「名誉なこと」と言わなければならなかった)特攻隊に「志願」させられた。

 「どうせ」敵艦につっこんで死ぬ訳であるから、片道分の燃料しか積まない戦闘機に乗り、飛行機ごと、敵陣に突っ込んで「玉砕」した。

 しかし、多くは、相手に突っ込む前に敵に打ち落とされた。全くの犬死であった。 

 亡くなった若者の多くは、いざ明日出撃する、つまり、「明日自分は死ぬのだ」、と確実に分かっている状況で、驚くほど理路整然と、如何に戦争が下らないかを説き、一刻も早く日本はこのバカな戦争を止めるべきだと訴えている。

 「きけ わだつみのこえ」は複数の出版社から刊行されている。

 どれでも良いが、一番手に入りやすいのは岩波文庫である。

 また、最近、電子書籍になっていることを発見した。

 電子書籍というのは、規格が統一されていないので、苛立たしいところがあるけれども、これは、e-booksである。

 ここに、新版 きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記及びその第二集がある。


◆そうはいっても、お金を払ってまで読みたくないと言う人のために、私が引用します。

 

「きけ、わだつみのこえ」の冒頭に掲載されている、あまりにも有名な名文を、途中一部カットして、そのまま転載させていただく。

 著者は、 上原良司(うえはらりょうじ)氏。

 1922(大正11)年9月27日生。長野県出身。

 慶應義塾大学予科を経て、1943(昭和18)年、経済学部入学。

 1943年12月1日、松本第五〇連隊に入隊。

 1945年5月11日、陸軍特別攻撃隊員として、沖縄嘉手納湾の米機動部隊に突入戦死。陸軍大尉。享年、22歳。


◆この格調高い文章を書いたのは22歳の青年である。この青年は翌日、沖縄の海に散った。

 

以下、引用する文章を読むにあたり、よーく覚えておいていただきたいのは、
 


  • この文章を認めた青年は、翌日、自分の生命が、国家の強制により確実に失われることを知っていた(つまり、完全に死を覚悟している)、ということ。

  •  この文章を書いたとき、僅か22歳だったこと。その驚くべき精神的習熟。すでに確立した、自己の思想を持っていた、ということ


 である。

 【引用はじめ】
 所感

 栄光有る祖国日本の代表的攻撃隊ともいうべき陸軍特別攻撃隊に選ばれ、身の光栄これに過ぐるものなきを痛感いたしております(引用者注:筆写の本心は正反対だが、とりあえず、冒頭にこのようなことを書かないと、検閲にひっかかり、家族の手に届かない恐れがあったのだ)。

 思えば長き学生時代を通じて得た、信念とも申すべき理論万能の道理から考えた場合、これはあるいは、自由主義者と言われるかも知れませんが、自由の勝利は明白の事だと思います。人間の本性たる自由を滅ぼす事は絶対に出来なく、例えそれが抑えられているがごとく見えても、底においては常に闘いつつ最後には必ず勝つということは、彼のイタリアのクローチェ(注:イタリアの哲学者。1986-1952)も言っているごとく真理であると考えます。

 権力主義全体主義の国家は一時的に隆盛であろうとも、必ずや最後に敗れることは明白な事実です。我々はその審理を今次世界大戦の枢軸国家(日本・ドイツ・イタリア。つまり、三国同盟を結んだ国)において見ることが出来ると思います。ファシズムのイタリアは如何、ナチズムのドイツはまた、既に敗れ、今は権力主義国家は土台石の壊れた建築物のごとく、次から次へと滅亡しつつあります。

 真理の普遍さは今、現実によって証明されつつ、過去において歴史が示した如く、未来永久に自由の偉大さを証明して行くと思われます。自己の信念の正しかったこと、この事はあるいは祖国にとって恐るべき事であるかも知れませんが、吾人(引用者注:「我々」の意)にとっては嬉しい限りです。現在のいかなる闘争もその根底を為すものは必ず思想なりと思う次第です。既に思想によって、その闘争の結果を明白に見る事が出来ると信じます。

 愛する祖国日本をして、かつての大英帝国のごとき大帝国たらしめんとする私の野望はついに空しくなりました。真に日本を愛する者をして立たしめたなら、日本は現在のごとき状態にはあるいは追い込まれなかったと思います。世界どこにおいても方で風を切って歩く日本人、これが私が夢見た理想でした。

 特攻隊のパイロットは一器械に過ぎぬと一友人が言ったことは確かです。操縦桿を採る器械、人格もなく感情もなく、もちろん理性もなく、ただ敵の航空母艦に向って吸いつく磁石の中の鉄の一分子に過ぎぬのです。理性を持って考えたなら実に考えられぬ事で、強いて考うれば、彼らの言うごとく自殺者とでも言いましょうか。精神の国、日本においてのみ見られる事だと思います。一器械である吾人は何も言う権利もありませんが、ただ願わくば愛する日本を偉大ならしめられん事を、国民の方々にお願いするのみです。

 こんな精神状態で征ったなら、もちろん死んでも何にもならないかも知れません。故に最初に述べたごとく、特別攻撃隊に選ばれたことを光栄に思っている次第です
。 

 飛行機に乗れば器械に過ぎぬのですけれど、いったん下りればやはり人間ですから、そこには感情もあり、熱情も動きます。

 愛する恋人に死なれたとき、自分も一緒に精神的には死んでおりました。天国に待ちある人、天国において彼女と会えると思うと、死は天国に行く途中でしかありませんから何でもありません。

 明日は出撃です。

 勿論発表すべきことではありませんでしたが、偽らぬ心境は以上述べたごとくです。なにも系統だてず、思ったままを雑然と並べた事を許して下さい。

 明日は自由主義者が一人この世から去って行きます。彼の後ろ姿は淋しいですが、心中満足で一杯です。

 言いたいことだけを言いました。無礼をお許し下さい。ではこの辺で。

 出撃の前夜記す

 【引用終わり】


◆コメント:これでも、日本の憲法を変えて、戦争が出来る国に逆戻りするべきだと思いますか?

 

 最近は、想像力の乏しい若者が多い。

 戦争がいかなる悲劇かをよく考えないで、日本に集団的自衛権の行使を認めるべきだとか、交戦権を認めるべきだとか、核武装するべきだとか、、好戦的な主張をする人がいる(それ自体は、今の日本では思想の自由を侵してはならないから、許されることなのだ。残念ながら)。

 しかしながら、上に引用した、故・上原良司氏の文章を読めば、「戦争になると、国家は個人に対して、どんなにやりたいことがあっても、どんなに大切な家族がいても、死ぬことを強要する」、と言うことが分かる筈である。22歳にしてこれほど、思想を錬磨した優秀な人材が、何千人も無駄に死なされたのである。それが戦争である。かかる悲惨が繰り返されて良いとは私には思えない。
 上原氏の文章を読んで、なお、「戦争をしたい」という人は、気の毒だが知能が低いか、人間の悲しみを理解する感受性が欠落しているのではないかと思う。

 上原氏の遺書は、何百ページにもわたる「きけわだつみのこえ」の、最初のたった一文だけである。このあと、延々と、涙なくしては読めない文章が続く。

 日本を戦争が出来る国に逆戻りさせたいと考える思想の自由は認める。しかし、そう主張する前に、きけわだつみのこえは読むべきである。

 それでも、戦争をしたいのなら、戦争になったら、まず自分から志願して下さい。と申し上げる。 

 もう一つ。

 小泉内閣の支持率が上昇しているそうだが、彼は憲法九条を改正し、自衛隊を軍隊を呼び、日本の集団的自衛権の行使を認めようとしている人物であることを、思い出していただきたい。

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2005.08.14

123便にまつわること。コクピットクルーのお子さんたち。

◆昨日、書き忘れたこと。コクピットクルーのお子さんたち。

 

私にとって、123便墜落事故の重みはあまりにも大きく、1年に1回、8月12日にだけ、「ああ、そういえば今日が『あの日』だったよなあ。」で済ませることが出来ぬ。

だから、続けて、書く。

 昨日、放送された、TBSの「ボイスレコーダー」では取り上げられていたが、高浜機長のご令嬢は、なんと、今で言うCA,つまりスチュワーデスになったのだった。

 これは、当時、新聞に載ったと記憶している。

 あの記事を読んだとき、私は、暫く、動けなかった。

 母君はさぞや反対なさりたかっただろうが、ご本人の「お父さんと同じ空を飛びたい」という気持ちに、感動した。

 更に、驚いたのは、123便の他のコクピットクルー(運航乗務員)、すなわち、佐々木副操縦士、福田航空機関士のご子息は、2人ともパイロットになったという事実を知ったときである。

 「執念」、という二文字が頭をよぎった。



 パイロットや、鉄道運転士など大量輸送機関の操縦に携わる人々は、よく言われるように、「人の命を預かっている」。

 その責任は岩のように重い。

 「乗客は私の命だ。どんなことがあっても守ってみせる」というパイロットの手記を読んだことがある。

 それぐらいの覚悟、使命感が必要な仕事なのだ。



 ところが、残念なことに、日航123便のクルーたちは、それを全う出来なかった。

 自らの生命が失われることよりも、「乗客を目的地まで安全に送ることができなかった」無念、は、私の如き素人の想像を遙かに超えるものだったに違いない。

 しかし、娘、息子達は、その無念さが分かったのだろう。

 パイロットの子供だからである。

 だから、自分たちが一生、安全な飛行を続けることにより、父の果たせなかった夢を受け継ぎたい、父の無念を晴らしたい、と思ったのだろう。

 パイロットに関して言えば、あの仕事はなろうと思ってなれるものではない。

 肉体的な条件や適性がかなり厳密に吟味され、高度な知能と、運動神経がなければ、そもそも、訓練生になれない。

 だが、2人とも、パイロットになった。やはり、「執念」であろう。

 私は、立派だと思った。目頭が熱くなった。


◆無論、乗客の遺族のことを忘れてはいけない。 

 

 遺族の方が作ったおすたかレクイエムというサイトがあるのは、ご存じだろうか?

 悲しいが、私は、こういうものを避けてはいけないと思うのだ。

 最近、遺族会が出版した、過去20年の家族の思いの集大成とでも言ったら良いのだろうか、 茜雲―総集編という本がある。つい最近出版されたばかりだ。

 読んだら、辛いだろうと思う。が、読まなければいけない。 

 そう考えたので、私は、この本の注文を出した。

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2005.08.13

「ボイス・レコーダー」(TBS)視聴後、雑感。

◆TBSは真面目に描いていましたね

 

 見なかった人はごめんなさい。

 ドラマとドキュメンタリーを併せた構成にして良くまとめましたね。

 一応、一般庶民が見た場合、高浜機長の遺族がこの20年間味わってきた悲しみ、絶望、というようなことが、印象に残るでしょう。それは、正しい。

 実際、誰かの手によって、本来は、絶対に一般に公開されることがない、コクピット・ボイス・レコーダーが、リークしたのは、5年前でした。



 2000年8月8日のTBSの夕方のニュース番組、「ニュースの森」で、なんと、ボイスレコーダーの音声が電波に乗って、全国に放送されたわけです。

 この時のニュースキャスターは、松原耕二氏(現在はニューヨーク特派員)だったのですが、彼は、もともと記者です。

 とはいっても、日航123便が墜落したときには、入社2年目の駆け出しで、まだ、記者としては経験豊富とは言えない年齢でしたが、とにかく、自分で遺族の取材に携わった経験があるのです。

 デスクに命じられて、遺族会結成の動きを探るとか、やりたくないけれどやらなければならない辛い仕事だったようですが、非常に誠意をもって、遺族に接したので信用されたのですね。(その時の経験を、昨日も紹介したけれど、勝者もなく、敗者もなくという本に書いています)。

 ちょっと余談になりますが、8月12日は松原氏の誕生日だそうです。

 だから、というわけではないでしょうけれども、2000年8月8日のニュースの森でボイスレコーダーを放送したときも、扇情的ではなく、報道に「情」がありました。


◆2000年8月8日、初めてあのボイスレコーダーの音声を全国民が聞いたのです。

 

 この実際の音声が公開された意味は大きかった。

 それまでも、ボイスレコーダーに記録された会話を文字に起こしたものは、公表されていたのですが、文字ではやはり、コクピットの緊迫感が伝わらない。

 だが、あの音声を聞けば、機長、副操縦士、航空機関士の、最後まで全身全霊で、機を何とか立て直そう、と頑張っていたことがわかる。

 これで、まず、遺族が随分慰められた。そして、コクピットクルーの遺族が救われた。



 ドラマでは、最後近くに山本学扮する、「遺族の一人」が、

 「高浜機長の奥様ですね。機長は最後の最後まで頑張ってくださったのですね。ありがとうございました」と言ってくれた。片平なぎさ扮する奥さんは、泣き崩れます。

 劇中でも描かれていたけれど、高浜機長の未亡人への嫌がらせはすさまじかったのです。というか、あんなものじゃなかった。

 「500人も人を殺しておいて、お前ら(機長の遺族)はよくおめおめと生きていられるな」という類の嫌がらせ電話が毎日何十回も、何年も続いたのです。

 奥さんの精神的苦痛は察するにあまりある。そもそも事故の原因は分かっていなかったのです。機長の操縦ミスであるなどという報告は一切無かった。

 よしんば、万が一、機長に責任があったとしても、「機長の奥さん」に何の責任があるのですか。

 卑怯じゃないですか。

 ただでさえ、悲嘆に暮れているパイロットや乗務員の家族に、自分の名は名乗らずに嫌がらせの電話をするなどという卑劣な行為は絶対に正当化出来ません。

 しかし、奥さんは、高浜機長が生前「飛行機で起きたあらゆることの最終責任は機長である自分にあるのだ」と何度も言ってたから(パイロットは皆、その覚悟で操縦桿を握るわけです)、一切口答えせずに、只ひたすら 「申し訳ありません」を繰り返していた。

 いたけれど、肚(はら)の中では、百万語が煮えくりかえっていたことでしょう。それでも、それを誰にも言えないで我慢していた。

 ところが、ボイスレコーダーの音声が放送されたことにより、山本学のようなことを言ってくれる乗客の遺族が大勢現れた。

 劇中、奥さん役の片平なぎさの号泣は、高浜機長の奥さんの15年間にわたる無念が漸く慰められた、ということを表現した訳です。

 乗客・乗員、それぞれの遺族の悲しみを改めて思ったのでしょう。2000年8月8日「ニュースの森」での松原キャスター(記者)は、コメントを述べるつもりが、感極まり、涙があふれて、殆ど聴き取れないほどでした。

 同じ音声はテレ朝のニュースステーションでも使われていたけれども、久米宏はそこまで思い入れが無いから、単なる「史料」としての扱いでした。

 あの時の報道に関してはTBSが間違いなく全マスコミの中で最も優れていたと思います。


◆ボイスレコーダーが何故、放送局の手に渡ったか

 

 劇中では、匿名の封筒が日航パイロットで独自の事故調査を続けていた竹中直人のもとに送られてきた。他の放送局にも。

 なんと、資料保存期限を理由に、当時の運輸省は123便事故調査報告書、その他関係資料を全て廃棄処分にしようとしていたのですね。これは本当らしい。

 520人が亡くなった大事故の資料を闇に葬り去ろうとしていたわけです。日本政府は。

 おかしいですよね?

 普通、これほどの大事故の資料ならば永久保存にするべきでしょう。

 それを、たったの15年で全部捨てようとしたのは、匿さなければならない、まだ、国民が知らない重大な事実があるからだ、と推察するのが最も自然です。

 それを、放っておけないと考えて内部告発した人物が(運輸省に)いたわけですね。そこはあまり詳しくドラマにすると誰だか分かってしまうので、さらっと流していたけど。
 とにかく、資料破棄なんて、とんでもないことですよ。

 繰り返しますが、とんでもないことをしようとしていたからには、それなりの「とんでもない」何かがある、と考えなければいけません。

 それは、ネットで少し検索すれば、読み切れないほど、諸説紛々であることがわかります。

 なかには、自衛隊か在日米軍の誤射だ(つまり、間違って撃墜された)というようなのまであるけど、それはちょっと荒唐無稽ではないかと思います。


◆航空関係者の間ではタブーらしいですね。

 

 事故当時、ずっと、123便と交信していた所沢の東京コントロールでは、123便の話題はタブーだそうです。このことに深入りすると命が危ないと言う人までいる。

 また、パイロットは、誰も「圧力隔壁の破断による油圧系統の損傷」を信じていないそうです。

 ここからは、全く何の確証もない、つまり「噂」ですが、私の印象として、一番多いのは、米軍機との接触により、垂直尾翼その他が破壊されたという説ですね。

 明らかにやばいですよね。本当だとしたら。ただでさえ、在日米軍を快く思わない人がいるんですから、それが事実なら、大変な騒ぎになる。

 だから、闇に葬った、と。あくまで「うわさ」です。

 今日のドラマが良く出来ていたけれど、エンディングがすっきりしなかったのは、それが理由です。

 いずれにせよ、「123便が墜落した、本当の原因は何かとんでもないことらしいが、闇に葬り去られようとしている」という噂があることは、覚えておいて良いかもしれないですね。

 「国家」はこういうとき、「なんでもあり」、ですから。怖いです。

 話が長くなりましたけど、今日のドラマでは、そこまでは描かれていなかったので補足しました。


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2005.08.12

日航123便はあの30分が全てではないのだ。

◆最近、123便、ボイスレコーダー で検索して来る人が多いが、

 

 ここ数ヶ月、アクセス解析を見ていると、「123便」、「ボイスレコーダー」(又はCVR=コクピットボイスレコーダー)などのキーワードで検索して来られる方が多いようだ。

 ある程度の年配の方は、あの事故の悲惨さがあまりにも強烈に脳裏に焼き付いているから、今更、そういうことはしないだろう。

 多分若い方々であろう。

 無論、事故の真相を知ろうとすることは自由である。しかし、真摯な態度が望まれる。

 5月21日の日記でリンクした、音声とFlashを合成したサイトを見た人も多いだろうが、単なる興味本位では困る。

 リンク元を辿ってゆくと、このサイトのことを「面白いから、一見の価値あり」というような書き方をしている奴がいたが、匿名でも冗談でも口が裂けてもそういうことを書いたり言ってはいけない。

 今夜、123便の話はドラマとして放送されるらしい。あの悲劇をドラマなどにして良いものかどうか分からない。


◆墜落したあとに本当の悲劇がある。

 123便が異常を感じてから墜落するまでは、僅か30分である。

上でリンクした、フラッシュと音声との合成サイトはさらにそれを縮めている。

 だが、事故に関わった人々、遺族は言うまでもなく、遺体を検屍した、地元の医師、歯科医、遺族との交渉に当たって、過労死した日航職員、もう、とても語り尽くせない。

 日航123便の地獄は、1985年午後6時23分から墜落するまでの30分だけではなく、それからの数日間、数ヶ月間、数年間にも亘って続き、遺族にとっては今も続いているのだ。

「あの30分」だけを聞いて、分かったような気持ちになるべきではないし、分かったようなことを言ったり書いたりすべきではない。


◆少なくとも次の本を読まれたい。

 

墜落遺体日航ジャンボ機墜落―朝日新聞の24時沈まぬ太陽(山崎豊子)全巻勝者もなく、敗者もなく(松原耕二著、TBS記者。なお、123便のみを取り上げた本ではない)


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 明後日13日(土)未明、2時から4時頃、ペルセウス座流星群 が極大になります。綺麗ですよ。

◆3大流星群があります。

 

 毎年、比較的安定して(勿論、晴れていればですが)見ることが出来る三大流星群に、1月のしぶんぎ(りゅう座)流星群、12月のふたご座流星群と、8月13日頃に極大となるペルセウス座流星群があります。

 「何とか座」流星群という名前が付いていますが、それは、その星座の付近が中心になって(必ずそうなるとも限らないのですが、大体。)流星が飛び出して来るように見えるということです。

ペルセウス座というのは、何千光年も離れた星団などを結んだ便宜的な呼称ですね。そんな遠くから、流星が飛んでくるのではありません。


◆彗星が通った後に残っている塵の中を地球が通過するときに見えるのが流星群です。

 

 太陽系には9つの惑星だけが有るわけではありません。

 何千という小惑星や、彗星が太陽の周りを回っています。

 小惑星と彗星の違いは、前者は、太陽の周りを回っているけれども、9つの(先日、太陽系10番目の惑星が見つかって大騒ぎでしたが、今はまだ、確定していないので、9つと書いておきます)惑星ほど大きくないもの。

 後者(彗星)はもの凄く細長い楕円軌道上を回っていて、氷で出来た小さな天体のことです。

 大抵は、一度地球に近づいても、次は何千年も経たないと見られない。ハレー彗星は比較的、頻繁に地球のそばに来るけれども、それでも76年周期です。

 それで、彗星自体には、滅多に間近でお目にかかれませんが、細長い軌道をビュン、と飛んでいくときに、長い尾を引いていますね。あれはごく小さい塵なのですが、いつまでも散らばっているわけです。

 地球は、規則正しく、太陽の周りを回っているから、毎年ある時期になると、何十年も前に通った彗星が残した塵の中に突っ込むのです。

 すると、大気圏に入ってきた塵は光を発して燃え尽きるわけです。それが、流星群の正体です。


◆2001年のしし座流星群がすごかったけど、今年のペルセウス座流星群もかなり、いけそうです。

 

 2001年秋のしし座流星群は、私、ベランダから肉眼で見ていただけでしたが、一般に空が明るくて天体観測に不向きだといわれている、この東京ですら、唖然とするほど、沢山の流星=流れ星を見ることが出来ました。

 圧巻でした。絶句しますよ。

 思いがけないところから、びっくりするほど明るい彗星が、ヒュン!と飛んでゆくのは、人間がいくら人工的な光のショーを演出してもかなわない。

 因みにしし座流星群は毎年見られるとは限らないので、3大流星群には、入っていません。


◆明後日の未明です。

 

 明日の深夜、明後日の未明です。性格には8月13日(土)の午前2時から4時ぐらい。

 皆さんのお住まいの場所によって方角が若干違うけれど、ネットで「ペルセウス座流星群」で検索すれば、いくらでも情報があります。

 流星群は、塵に過ぎないのですが、あれほど美しいのですよねえ・・・。

 宇宙は神秘的です。

 太陽系が属する、この円盤状の銀河系は直径10万光年(半径5万光年)ぐらいなんですね。 太陽系は円盤の真ん中から3万光年ぐらいの所を円盤の中で移動しているわけです。

 この銀河系の中だけでも2000億個もの星があるというのです。

 そして、宇宙全体には、このような円盤状の銀河が500億個とか1000億個もあるようなのです。

 我々の銀河系に最もよく似ていて、お隣(一番近く)にある銀河はアンドロメダ銀河ですが、我々のところから、220万光年ものかなたにあります。

 「220万光年」のアンドロメダが「お隣さん」なのです。



 気の遠くなるような大きさですね。宇宙は。ロマンティックだと思います。


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2005.08.11

衆議院選挙は、一政党党首(小泉君)の復讐の道具ですか?

◆記事1:<衆院選>「造反組」つぶし徹底 広がる「小池ショック」

 

 郵政民営化法案に反対した「造反組」を追い落とすため、小泉純一郎首相が最初に放った矢は小池百合子環境相だった。10日、小池氏は、造反組の小林興起前衆院議員が出馬する東京10区(豊島区と練馬区の一部)で立候補する意向を示した。突然、対抗馬を立てられることになった小林氏は「(古代)ローマの将軍が囚人を猛獣と戦わせるようなもの」と激しく批判した。(毎日新聞) - 8月10日13時34分更新


◆記事2:<衆院選>竹中氏くら替え有力 亀井氏に対抗か 自民検討

 

 自民党は10日、竹中平蔵郵政民営化担当相(参院比例選出)を次期衆院選候補として擁立する方向で検討を始めた。

 郵政民営化法案に反対した亀井静香元政調会長の選挙区、広島6区からの出馬が有力視されている。地元県連と調整したうえで、週内にも正式決定する。

 同党は法案に反対した党前衆院議員37人を公認せず、対抗馬を立てることを決めている。造反を主導した亀井氏の対立候補として竹中氏を擁立することで、「郵政選挙」をより鮮明にする狙いがある。(毎日新聞) - 8月10日15時4分更新


◆記事3:反対37人全員が「弁明書」提出=郵政法案採決、「党議背いていない」と綿貫氏

 

 自民党政治倫理審査会(笹川堯会長)は10日、郵政民営化法案の衆院本会議採決で反対票を投じた37人に対し、求めていた弁明書の受け付けを締め切った。

 反対派は弁明書提出は個人の判断としてきたが、執行部によると、綿貫民輔元衆院議長をはじめ、亀井静香元政調会長、平沼赳夫前経済産業相ら37人全員が提出した。

 反対派が活動拠点とした党郵政事業懇話会(会長・綿貫氏)は、「党議に背く行為をしたとは考えていない」と、投票行動の正当性を主張する「所信」を作成。綿貫氏は弁明書に代えてこの所信を提出した。 (時事通信) - 8月10日23時1分更新


◆コメント:選挙をなんと心得ているか。復讐の手段なのか。

 

 近代国家における国政選挙は、普通選挙である。つまり、選挙権は、納税額、財産、社会的地位、性別、教育、信仰などによって制限されることはなく、全ての成人に等しく与えられる。

 日本国憲法第15条第2項は「公務員(注:国会議員は公務員です)の選挙については、成年者による普通選挙を保障する」と明瞭に述べている。

 さらに、第44条では、「両議院の議員及びその選挙人の資格は,法律でこれを定める。但し,人種,信条,性別,社会的身分,門地,教育,財産又は収入によって差別してはならない」と念を押している。


◆普通選挙の根拠は「国民主権」にある。立候補者は国民の意向を無視してはならない。

 

 普通選挙が民主的国家において認められている根底には、「国民主権」の思想がある。

 国の政治のあり方を最終的に決定する権利は、国民にあるのであり、その国民の意思を代表し、行政府にこれを実行せしめるのが国会議員の役目である。

 日本国憲法第41条、「国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である」という規定はそれを象徴的に表現している。

 全ての有権者は自由意思の主体として平等であり、国の運営の仕方を考え、自らの理想に最も近似している候補者を選び、民意を国政に反映させる権利と義務を負うのである。


◆小池百合子や竹中平蔵は、郵政民営化法案に反対した議員を落選されるために立候補するなら、国会議員になどなるな。

 

国会議員に立候補する者は、従って、何よりも先に、国政における様々な問題、課題、理想に対して、いかなる比重を置き、いかなる順番で、いかなる方針で、いかなる方法を用いて、それらを具現するのはを、誰にでも分かる平易かつ合理的な説明をするのが、選挙期間中の仕事である。それを、小泉の狗となり、造反議員への「お仕置き」のために立候補するならば、そんな人間は税金の無駄だ。辞めろ。


◆国家財政を立て直す方法はあるのか?

 

 橋本、小渕、森、小泉内閣の8年間で国債は300兆円も増加した。GDP(国内総生産)が500兆円だというのに、国債発行残高は700兆円もあるのだ。

 国債とは、国の借金である。こんな財政状態に陥った国は人類史上初めてだ。

 昨年だけをみても、1年間の税収が45兆円にたいして、国債の利払い(元本ではない。借金の利息の支払い)が18兆円もある。借金そのものを返す余裕がない。

 普通の家庭になぞらえるなら、45万円の月給が出たら、サラ金へ大あわてで走り、18万円の利子を支払い、その場で、家計の不足分18万円をそのサラ金から借りる。

 この結果、借金の残高はどんどん増え、従って、利息の支払いも増え続け、やがては一家心中でもするしかない、という状態なのだ。

 こういう問題に各候補者はいかなる対処方法を考えているのか。はっきりさせろ。


◆ここにも郵政民営化の問題がある。

 

郵貯・簡保が国債を大量に引き受けているから、今までは、借金700兆円と言われても、誰も、ピンと来ずに「ふーん」と言っていれば良かった。 

 郵貯、簡保は、資金の運用を財務省資金運用部というところに任せていた。

 ところが財務省資金運用部は、その金を道路公団など特殊法人に貸し付けているが、これが巨額の不良債権になっている。

 仮に、郵貯・簡保が民営化されれば、大量に抱えた国債の運用をこなせるのか。不良債権を処理できるのか。

 郵貯・簡保は国民から貯金を預かっており、これに対して利息を支払わなければならない。そのためには、資産を運用して儲けを出さなければならないのだ。

 資産運用に失敗して、とりあえず、収益を上げようと、手持ちの国債を売却されたらどうなるか?

 国債の価格が暴落する。債権の価格が下がると、利回りは上昇する。つまり、金利が上がってしまう(その理屈は調べて下さい)。

 ゼロ金利ですら、不況から脱することが出来ない今の日本で、金利が上がったら、半永久的に不況のままになるだろう。


◆「国会議員になれるかどうか」を考えて、信念を曲げるな。
 記事3は如何にも情けない。命乞いをしている。恥を知らないのか?

 自分が信念を持って、郵政民営化に反対したのなら、今でも「反対だ」と主張するべきだ。

 「自民党公認」を取り消されたら、とたんに、「い、いや、別に反対ってわけじゃないんですけどね、エヘヘ」とこれほどみっともない姿があるか。

 選挙を、「復讐」の道具に用いようとする小泉陣営、「思想」よりも私欲を優先させる造反議員。

 いずれも、国会議員たる資格は、ない。

 ◆P.S. 今日(8月10日)は、実は私の誕生日で、偶然にもモーツァルトの最後のシンフォニー、交響曲第41番が初演された日なので、音楽の話でも書きたかったのですが、なかなか上手くいかないものです(笑)。

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2005.08.10

ディスカバリー無事帰還。←よかった。本当によかった。

◆記事1:ディスカバリー、エドワーズ空軍基地に無事着陸

 

 【エドワーズ空軍基地(米カリフォルニア州)=古沢由紀子】野口聡一さん(40)ら7人の宇宙飛行士を乗せたスペースシャトル「ディスカバリー」が、米太平洋時間9日午前5時11分(日本時間9日午後9時11分)、エドワーズ空軍基地に着陸した。

 シャトルの発着基地となっている米航空宇宙局(NASA)ケネディ宇宙センター(フロリダ州)への帰還を目指したが、滑走路付近に雷雲が発生するなど、着陸を試みた8、9日とも天候が悪かったため断念した。

 今回を含めシャトルが無事帰還した計112回の飛行のうち、エドワーズ空軍基地への着陸は50回目。若田光一さん(42)が2000年10月に乗った時も、同基地に帰還した。

 ディスカバリーは、先月26日に打ち上げられた。2年半前のコロンビア空中分解事故後、NASAが講じた数々の安全対策を検証することを最大の任務とし、飛行中も機体に傷がないか点検を続けた。

 国際宇宙ステーションにドッキング後、野口さんと同僚のロビンソン飛行士(49)が3回にわたって船外活動に挑み、史上初となる宇宙での機体補修などを実施した。飛行時間の合計は13日と21時間32分で、地球を219周した。

 野口さんら7人は、身体検査などを受けた後、家族らが待つテキサス州へ向かう。ディスカバリーは、整備のため、ボーイング747に載せてケネディ宇宙センターへ空輸される。(読売新聞) - 8月9日21時25分更新


◆野口飛行士のメッセージ(昨日ディスカバリーから日本に向けて発したものを、私が文字に起こした)

 (注:メッセージの前に野口さんが、折り鶴を無重力状態で飛ばしてみたり、あやとりをしたり、子供の頃にしたであろう遊びをやって見せて、さらに「世界でたった一つの花」をキーボードで弾いた)

日本のみなさん、こんにちは。ディスカバリー号から野口がお伝えしました。

日本は夏休みですよね。特に日本の子供達に、将来、夏休みにどんな遊びが出来るのかな、というのを考えて貰いたくて、こういうビデオを作ってみました。

夏休みまだ続きますけれども、宇宙のこと、それからみなさんの未来のこと、自分の持っている夢のことを考えて、楽しく過ごしてください。

JAXAでも夏休みの間、色々と楽しいイベントがありますけれども、今年は日本でロケットの実験が始まってちょうど50年にあたります。

今回僕はこのモデルロケット(と言いながら、長さ30センチぐらいの小さいオモチャのようなロケットをカメラに向けながら)、えー、これはモデルじゃなくて本物のロケットなんです。

この50年前に本当に打ち上げられたロケットをお借りして、国際宇宙ステーションに持ち込みました。

大きな夢というのは、実現するまでにすごく時間がかかることがあります。

このロケットも50年前に初めて打ち上げられてから、随分長い時間をかけてついに宇宙ステーションまで来た訳ですけど、皆さんの夢も長い時間をかけて、いつか実現するように、祈っています。

それでは、近い将来、日本で直接皆さんとお話できることを楽しみにしています。さようなら。(笑顔で手を振る)


◆コメント:宇宙飛行士の皆さんはどうして、あんなに純真な心を持ち続けられるのだろう?

 

 今回のディスカバリーは、離陸直後に、前回「コロンビア号」が着地16分目に爆発、空中分解したときと同じように、耐熱タイルが剥がれたというニュースが伝わっていたので、大気圏再突入の時には気が気ではなかった。

 着陸のようすはNASAがインターネット経由で生中継していたので、私は着陸15分前ぐらいから、ずっと見ていた。

 次第にディスカバリー号の例の飛行機の形が明らかになったと思ったら、あっという間にタッチダウン(着地)した。思わず、目頭が熱くなった。

 昨日、野口さんのメッセージを聞いて、なんとしても無事に戻って欲しいと思った。

 野口さんのみならず、どうして、宇宙飛行士というのは、あれほどまでに、完璧に優秀で、しかも、いい人達なのだろう?

 優秀なのは、まだわかる。

 全員、もともと、一流の科学者である。つまり、皆大学の物理や化学やその他それぞれの科学的専門分野のドクター(博士)である(向井千秋さんはほんとにドクター(心臓外科医)だった)。

 ただでさえ優秀な人が、厳しい宇宙飛行士訓練生採用試験と、厳密な身体検査(500項目もある。水虫があってもだめ)に合格をしたわけで、それだけでも私のような浅学非才の凡人から見たら、神様のような人たちだ。

 そんな彼ら、彼女らが、さらに、厳しい訓練を経て、最終的に残って、初めて宇宙飛行士になれるのであるから、全く想像もつかないぐらいの才能や知力、強靱な精神力を持ち合わせた人々であることは、想像がつく。


◆子供の頃の夢を持ち続けた人々なのだろう。

 

 普通の人間社会では、これぐらい、群を抜いて優秀だと、必ず、鼻持ちならない人間がいるものであるが、宇宙飛行士の人々は本当に子供のような純粋な美しい心を持ち続けていることに驚く。

 聖人君子とは彼らを表現するために存在する言葉ではないかと思われるぐらいだ。

 初めて宇宙を飛んだ日本人は毛利衛さん(厳密に言うとTBSの記者だが、科学者ではないので、飛んだだけだった)である。

 毛利さんが、スペースシャトルから、紐とリンゴを使って、「何故、スペースシャトルや人工衛星は地球の周りにいて落ちてこないのか」という、初歩的な物理の「講義をしたのだが、そのときの、生き生きと輝く、毛利さんの声や表情から、その人柄を直感的に理解できた。

 「この人は、科学をするために、純粋に宇宙に行きたくて宇宙飛行士になったのだ」ということが、良く分かったのである。

 そこには、優越感も虚栄心も功名心も名誉欲もない。

 ただ、「宇宙に行きたい。」という夢があっただけなのだ。

 純粋な気持ちや心は、人を動かす。私は強烈な印象と感動を覚えた。良く覚えている。


◆みんないい顔をしている

 

 もっとも、毛利さんは初めての宇宙飛行士だったから、毛利さん個人が特別に素晴らしい人柄を持っておられるのかと思った。

 ところが違った。

 その後に続いた、向井千秋さん、土井隆雄さん、若田光一さん。そして、今回の野口さん。

 皆同じように聡明で、情熱的で、それなのに謙虚で、真面目で、優しい人たちなのだった。

 私は、彼らが日本に帰ってきて、子供相手の催しなどでも真剣に話しをしているときの姿をみて、同じような情熱、生命力、そして、「宇宙から地球を見た経験がある者にしか備わらない大きさ」を感じた。

  JAXA(宇宙航空研究開発機構)の日本人宇宙飛行士の皆さんのこの素晴らしい笑顔をご覧なさいよ。

 邪念を持っている人間は、絶対にこういう顔にはなれないのだ。


◆「宇宙からの帰還」という本を読んだことがありますか?

 

 20年以上も前に出版された、宇宙からの帰還という本がある。

 立花隆が、アポロの宇宙飛行士達に、非常に長い時間をかけて丹念にインタビューし、本にまとめたものだ。

 全ての宇宙飛行士が口をそろえて言うのは、宇宙から見た地球の美しさ、神秘的な美しさ、である。

 厳密に科学的思考の訓練を受けた科学者である宇宙飛行士達が、まず、「美しさ」に言及することは極めて、興味深い。

 ある飛行士は言った。

 

「宇宙から地球を見れば、地球は文字通りひとつなんだ。全体で一つなのだということが、一瞬にして分かる。そして、人間同士が領土や宗教やイデオロギーを理由に殺し合うなどと云うことが、どれだけ下らないことか、身体で分かる。それは大げさではなくて、本当に文字通り、腹を抱えて大笑いするほど滑稽なことだとわかるんだ」

 この言葉は強烈だった。 また、月面に降り立った飛行士の何人もが神の存在を確信して、科学者から宣教師になってしまったというからおどろく。


◆日本人宇宙飛行士の皆さんもきっと同じような体験をされたことであろう。

 

 野口さんは、帰還前の最後の交信(スペースシャトル乗員全員が画面に映り、NASAのスタッフと話す)で、「宇宙ステーションでの活動をしてみて、世界中の人が平和のために協力することができると確信しました」といっていた。

 野口さんや、今まで飛んだ日本人宇宙飛行士の皆さんも、きっと、美しい地球を見て、感ずるところが有ったのだろう。

 とにかく、野口さん、ご苦労様でした。良かった。

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2005.08.09

自・公で過半数得られなければ退陣…首相が明言 ←「郵政以外のことを何もしなかった解散」ですな。

◆記事:自・公で過半数得られなければ退陣…首相が明言

 

 小泉首相は8日夜、衆院解散を受けて首相官邸で記者会見し、衆院選の目標議席について、「自民、公明両党が過半数を得られるよう全力を尽くす。過半数を得られなくても反対勢力と協力することはない。過半数を得られなければ退陣する」と明言した。

 また、「国民に(郵政民営化は)本当に必要ないのか聞きたい。今回の解散は『郵政解散』だ」と述べ、郵政民営化を最大の争点とする考えを強調した。(読売新聞) - 8月8日21時43分更新


◆記事2:銀行貸出残高、91か月連続の減少

 

 日本銀行が8日発表した7月の貸出・資金吸収動向(速報)によると、全国の銀行の貸出平均残高は前年同月比2・4%減の377兆1216億円となり、7年7か月連続で前年同月の実績を下回った。ただ、減少率は2か月連続で縮小し、98年8月の同2・3%減以来の小幅な減少率となった。 (読売新聞) - 8月8日11時48分更新


◆記事3:デモ暴徒化、60人死傷=警察発砲、外出禁止令-陸自活動に影響・サマワ

 

 【サマワ8日時事】陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワで7日、電力不足や失業問題に抗議し、ムサンナ州知事の辞任を要求する大規模デモ隊が暴徒化し、警察官が発砲した。保健当局によると参加者少なくとも1人が死亡、警官を含む約60人が負傷した。8日未明には市内のイラク軍施設付近で爆発があった。これまでに軍車両3台が破壊され、1台が強奪された恐れがある。 (時事通信) - 8月8日11時1分更新


◆記事4:「陸自報じるな」と脅迫状 サマワ地元メディアに

 

 【サマワ8日共同】陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワで、地元有力紙アッサマワとムサンナ・テレビに対し、陸自の活動を報道しないよう警告し、従わねば「社員を殺害する」などとする脅迫状が送りつけられていたことが8日分かった。両メディア関係者が明らかにした。

 脅迫後、両メディアは陸自絡みの報道を一時停止。脅迫の狙いは、復興支援活動に対する市民の支持を遮断し、陸自を孤立化させることにあるとみられる。治安が不安定化する中で、陸自の活動は新たな問題に直面した。 サマワでは7日、暴徒化したデモ隊と警官隊が衝突、1人が死亡し約60人が負傷するなど不穏な情勢が続いている。

 脅迫状は7月下旬に届き(1)陸自との協力停止(2)陸自の活動を称賛しない(3)陸自と英軍の活動を報じない(4)イスラム戦士の抵抗運動を「テロ」と表現しない--ことを要求。

 応じなければ「社員を殺害するか拉致し、または事務所を爆破する」と脅している。(共同通信) - 8月8日22時5分更新


◆コメント:「郵政解散」というか、「郵政民営化のことばかり言っていたツケが回った解散」ですね

 

 小泉首相は、まだ分かっていない。 

 尤も、昨日まで分かっていなかった人が、今日になって急に全てが理解出来るわけはないので、その意味では、無理もない。

 小泉氏に関して問題視されていることは、なにか?

 郵政民営化をどうするのかを論じなくてもよいとまでは言わないが、国民の気持ちは、「それよりも、先に、処理するべき問題が沢山あるのではないですか?」ということであろう。


◆不良債権が減れば銀行貸し出しは増え、デフレも解消される、と言っていましたね。

 

 竹中郵政民営化担当大臣は、言うまでもなく、前職は金融相だった。

 彼が、2002年2月12日に内閣府で行った(金融庁は内閣府の外局だ)記者会見の記録が今でもはっきり残っている。

 小泉首相が金融相に任命した竹中大臣は、金融プロジェクトチームの進言に従い、金融庁が銀行にどんどん検査に行って、不良債権と思われるのに、銀行が不良債権に入れていないものを、不良債権であることにして、それらを片っ端から処理させた。

 銀行の不良債権が減れば、銀行貸し出しが増え、民間が設備投資に必要な資金貸し出しが増えて、景気が好転する、と言っていたのである。

 この記者会見の頃と現在を比べると、銀行の不良債権残高は激減し、今年の4月には金融庁長官が、「不良債権問題脱却宣言」を行ったほどなのだ。

 ところが、記事2に有るとおり、不良債権が減っているにも関わらず、銀行貸し出しは91ヶ月(7年7ヶ月)連続して、前年同月比マイナスとなっている。

 明らかに政策の誤りである。

 政治家とて、間違えることはあるだろうが、竹中大臣からも、その実質上の上司たる小泉首相からも、この件に関して全く説明がないのはおかしい。


 ◆コメント2:小泉首相自ら音頭を取って送り込んだ、自衛隊がいるサマワでついに暴動だそうですが。

 

 この数ヶ月、小泉首相の頭の中は、郵政民営化が殆どを占め、イラクに自衛隊を次々に派遣していることなど、完全に忘れていたのではないだろうか。

  記事3と4を読む限り、非常に安全と言われていたサマワの治安もなにやら物騒になりつつある。

  イラク復興支援特別措置法では、自衛隊が活動する地域は「非戦闘地域」に限られる。

  「非戦闘地域」とは、イラク復興支援特別措置法の定義では、

  「現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる」地域のことを指す。

  これが、狡いところで、戦闘行為とは「国際的な武力紛争、つまり、国家、または、それに準ずる集団が、宣戦布告して、紛争解決のために武力行使を行うこと」なのである。

 したがって、テロリストは国家ではなく犯罪者だから、テロリストにロケット弾を撃ち込まれたからと言って、直ちにサマワが非戦闘地域ではなくなるわけではない。というのが、防衛庁の説明だ。

 こういうのを「屁理屈」という。

  自衛隊の戦闘地域を非戦闘地域に限るという文言(もんごん)の本当の目的は、自衛官の安全を確保することである。

  だから、相手が国家であろうが、テロリストであろうが、サマワが危険になっていないかどうか、自衛隊の最高司令官である内閣総理大臣は絶えず目を光らせていなければならないはずだが、小泉首相は、このパラグラフの冒頭に書いたとおり、自衛隊派遣という「既成事実化」してしまったことには関心がない。


◆コメント3:その他

 

 年金改革に関してどうなったのか、説明がない。 5兆6千億の年金掛け金を流用していた社会保険庁は解体するのか?

 東京から、僅か1200キロの平壌で生きているに違いない、横田めぐみさんに関しては、つい先日も、元・北朝鮮拉致工作員、安明進氏が決定的な証言を行ったのに、このまま、知らんふりをするつもりでいるのが、あまりにも露骨に小泉首相の態度に出ている。

 衆議院の解散、総選挙で問題にされるのは、「郵政民営化の是非」ではなく、総合的に見て、今までの小泉純一郎内閣総理大臣の仕事ぶりである。


◆去年の参議院選挙では公約になかった、サラリーマン増税を決めたことを忘れるな。

 

 そうだ。

 書き忘れたが、つい先日サラリーマン増税を決めた。去年の参院選では、公約に増税のことなど一言もなかった。詐欺だ。

 小泉首相は、国民にやると言ったことはやらないし、やると言っていないことを勝手にやる、という危険な傾向がある。


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2005.08.07

首相「殺されてもいい気構えだ」、森氏の翻意要請拒否←9日の長崎と15日の戦没者追悼式はどうでもよいのですね?

◆首相「殺されてもいい気構えだ」、森氏の翻意要請拒否

 

 小泉首相は6日夜、首相公邸で森前首相と会談し、郵政民営化関連法案が否決された場合の対応などを協議した。

 森氏は「党も国民も心配している。この時期に選挙をして、どういう意義があるのか」と衆院解散の回避を求めた。首相は「(郵政民営化は)おれの信念だ。殺されてもいいぐらいの気構えでやっている」と拒否した。
 森氏はなおも、「法案可決で努力した人たちが解散で路頭に迷ったらどう責任を取る」と迫った。首相は「おれは総理大臣だ。郵政民営化をずっと言い続けてきた。絶対に可決する。可決のため努力してくれ」と応じた。

 森氏が「あなたも変人以上だな」とこぼすと、首相は「それでいいんだ」と語ったという。

 会談後、森氏は「はっきり言って、さじを投げた。解散阻止なんてできない」と記者団に語った。(読売新聞) - 8月6日23時9分更新


◆コメント:駐日米国大使が9日、長崎の原爆犠牲者追悼式に出席するという案があったが、ホワイトハウスの反対で取りやめ、だそうです

 

 河野太郎(河野洋平のジュニア。親父さんの生体肝移植で、自らドナー=臓器提供者となり話題になった)衆議院議員のメールマガジンは「ごまめの歯ぎしり」といって、支持者以外の人間--私もそうだが--にかなり読まれている。

 昨日の彼のメルマガによると、8月9日(火)、長崎の原爆犠牲者追悼式に駐日米国大使が出席するという案があったらしいが、本国(ホワイトハウス)の「激しい反対」に遭って、取りやめになったそうだ。

 厳密に調べていないので、100%自信をもって断言することはできないが、広島・長崎における原爆犠牲者の追悼式に駐日米国大使が出席したことは、未だかつて無い。

 民間の米国人で追悼式に参加する人は大勢いる。

 私が鮮明に記憶しているのは、作曲家・指揮者であった故・レナード・バーンスタイン氏(あの、「ウェストサイドストーリー」の作曲者ですよが日本に来て、8月6日の早朝から、ロウソクを持って、日本人と一緒に、鎮魂歌を歌っていた光景である。なかなかできることでない。

 このことからも分かるように、追悼式は死者を追悼するための儀式であり、核廃絶を訴えるけれども、アメリカに対する恨み辛みを叫ぶと言うような、野蛮なことはしない。

 追悼式にアメリカ人が居たために、袋だたきにされた試しはない。この辺りが日本人のインテリジェンスである。

 だから、米国大使が出席して、戦争の勝ち負けは別に死者を弔っても良さそうなものだと思う。

 特に、日本は近年、アメリカが勝手にはじめたイラク戦争の後始末のために、50億ドルもの支援金を拠出することを決めているし、私は今も反対だが、自衛隊をイラクへ派遣した。

 ますます、原爆犠牲者追悼式や8月15日に、武道館で行われる「全国戦没者追悼式」に、アメリカ大使が出席するぐらいのことをしてくれても良さそうなものだ。

 出席しないのは、セキュリティ(大使の警護)の問題ではないだろう。自国(米国)の原爆で殺された20数万人の犠牲者を弔うという意思を見せたくない、ということであろう。

 「ホワイトハウスから猛烈な反対」ですか。そうですか。やはり米国は日本をその程度にしか見なしていないのですな。
 にもかかわらず、日本人で、「米国と一緒に戦争をすることが出来るようにするために、日本は集団的自衛権の行使を可能にするべきだ」、と主張する人がいる。気が知れない。

 とにかく、アメリカ大使は9日の長崎に出ない。

 問題は、明日8日に衆議院を解散すると、日本の首相も衆議院議長も、9日の長崎と15日の終戦記念日に不在となることである。


◆相手が韓国人や中国人だと何でも言うが、白人には何も言えない日本人。
  

 話が逸れるが、漫画の嫌韓流とかいう本が飛ぶように売れているらしい。そんな本出してどうするの。韓国人(黄色人種)相手に態度がでかくても誰も感心しないよ。

  日本人は、同じ黄色い肌の人間には横柄だが、白人を相手には全然強く出られない。というか、殆ど何も言えない。

  これほど露骨に相手によって態度を変えるのはみっともない。

  そもそも、「嫌韓流」という発想。政治や外交を論じるときに、好悪という「情緒」を基準に、ことを運ぶべきではない。
  司馬遼太郎の「燃えよ剣」において、(これは小説であり、勿論本当に本人がそう発言した記録があるわけではないが)土方歳三のセリフに

 「好き嫌いを述べるのは女子供のやることだ。男は仕事に好き嫌いを持ち込むべきではない」

 という趣旨のものがある。同感である。

 こう書くと、「お前は、米国を散々嫌って居るではないか」、とか、「あなた、小泉さんが嫌いでしょう」とか言われそうだが、私は「好き嫌い」で書いているのではない。

 私は、アメリカのクリーブランド交響楽団は確実に世界の5本指に入る超一流オーケストラであると考えている。彼らの演奏を聴くのは大好きである。

 ボストン・ポップス管弦楽団(ボストン交響楽団が夏の間だけ、名前を変えるのだ)=アーサー・フィードラー指揮、による「ルロイ・アンダーソン名曲集」、ことに「トランペット吹きの子守歌」、「トランペット吹きの休日」は、一体、何千回聞いて、自分でも何百回吹いただろう?

 シカゴ交響楽団で50年間首席トランペット奏者をつとめた、「肝心なところで絶対にミスしない」ことで知られ、世界中のオーケストラトランペット奏者から「神様」と呼ばれている、アドルフ・ハーセス氏を尊敬している。

 しかしながら、だからといって、「米国のイラク侵攻が正しい」とは、口が裂けても言えない。

 一方、小泉首相に関しては、私は、彼の政策が間違っていたり、十分な説明をしていないことが、彼の職務に鑑み不適当であるということを述べている。

 個人的に好きとか嫌いとか関係はない。むしろ、(あり得ないが)個人的に知り合いになったら、小泉さんも私も音楽好きだし、ロンドンにいたことがあるし、話をしたら結構面白いおっさんだろうと思う。

 だが、それと、彼の仕事に対する評価は、全く別の次元の話である。

 「『日本人は、白人に対してものが言えない』というがお前はいえるのか?」と問われれば、まだ、少ししか書いていないが、アメリカ人の読まれることを想定して、JIRO's words from Tokyoという英語のBlogを開いた、というのが、私の答である。


◆8日に解散したら、9日の長崎と15日の戦没者追悼式に出る首相も衆議院議長も居ないということですな?

 

 いうまでもなく、8月6日、9日、15日は、日本人が絶対忘れてはいけない日である。政治的思想の如何に関わらず、戦争で亡くなった人を忘れるべきではない。

 明日、参議院が郵政民営化法案を否決したら、小泉首相は衆議院を即刻解散するのだそうだ。

 衆議院議員は解散の瞬間、議員ではない、ただの人になる。

 内閣総理大臣は国会議員の中から選ばれなければならないから、解散したら、首相は一旦、居なくなる。衆議院議長も国会議員ではなくなる。

 すると、大事な、9日の長崎と15日の日本武道館には、首相も衆議院議長も不在ということになる。日本の政治家がこの日をおろそかにして、いいのですかねえ?

 解散しても構わぬが、せめて、日本人にとって一番忘れてはならない日のセレモニーにおける仕事を済ませてから解散するべきではないだろうか。

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2005.08.06

郵政法案、参院特別委で可決…8日採決←解散もいいですけど。なんか変ですね。

◆記事:郵政法案、参院特別委で可決…8日採決

 参院郵政民営化特別委員会は5日夕、郵政民営化関連法案を自民、公明両党の賛成多数で可決した。

民主、共産、社民の野党3党は反対した。

法案採決後、<1>民営化後も郵便局網や郵便、貯金、保険サービスを現行水準で維持する<2>民営化移行期の前後で持ち株会社による郵便貯金銀行などの株式の持ち合いや連続的保有を妨げない――ことなどを政府に求める付帯決議を与党の賛成多数で採択した。

 同法案を採決するための参院本会議は8日午後1時に開かれる予定だ。採決は記名投票方式で行われ、円滑に進めば1時間以内で採決結果が判明する見通しだ。(読売新聞) - 8月5日22時5分更新


◆コメント:会期延長して、郵政民営化「可決か否決か」しか話題になっていない。

 

 全て、馬鹿げている。

 国民の立場からすれば、どうして会期延長してまで、これほど性急に郵政民営化法案を通さなければならないのか、分からない。

 また、民営化に賛成する側も反対する側も、その理由を言わない。つまり議論が尽くされていないということだ。

 それならば、引き続き議論するのが本来の姿で、それでこそ、「議会制民主主義」というのではないか。



 それを、小泉首相は、「党内で自分に反対する奴が多いのなら、衆議院を解散するぞ。解散したら自民党は負けるぞ、それでもいいのだな?」 と言っているのである。

 民営化の必要性、必然性をきちんと説明しないで、「脅迫」により、自民党員が皆自分に賛成するようにし向ける。 全然民主的ではない。



 民営化反対派は、「民営化すると、どのようなデメリットがあるか」を述べずに、ただ「反対だ」というから、当然、巨大集票マシーンである全国特定郵便局長会の支持を失うことだけが怖くて、民営化に反対しているのだ、と見なさざるを得ない。


◆政治的空白を作るべきではない、というが、とっくに空白化している。

 

 以前にも書いたが、国民の関心は、景気、年金(社会保障)、北朝鮮、などが上位にあり、郵政民営化など、世論調査では、17項目中の14番目か15番目なのだ。

 国会の会期を延長し、ということは、その分経費がかかるので、税金が使われているというのに、国会議員達は、「15番目」に関してのみ、「可決か否決かどちらに付くか」、互いの腹の内を読むことに必死であり、これは、政治でも何でもない。

 国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である。

 議員達の私利私欲のために、ダラダラと会期を延長して税金を使うんじゃないよ(もっとも、例年でも、この時期、国会議員の先生方はファーストクラスに乗りヨーロッパへ「海外視察」という遊びを楽しみ、散々税金の無駄遣いをしてくれているのですがね)。


◆「民営化法案否決は、小泉内閣のに対する不信任決議だというなら、まず、内閣総辞職が筋なのけどね・・・。

 

 順序から言えば、国家存亡に関わる緊急事態ではないのだから、郵政民営化で意見が分かれるならば、引き続き、臨時国会(9月に始まる)で議論するべきだ。

 しかし、今までの経緯からすると、小泉首相からはは民営化の必然性に関して、或いは民営化された場合に想定される、主に過疎地におけるデメリットに関して、十分に納得のゆく説明を期待できない。

 ならば、行政府たる内閣は連帯責任だから、内閣が総辞職するのが、筋として、次の選択肢である。

 ところが、民営化に反対している側も、何度も繰り返しているとおり、全国の特定郵便局長さんたちの票を失うのを恐れているだけで、真に公共の福祉を考えている議員など殆どいない。



 世論調査を見ると、解散総選挙に賛成する人の方が多いのは、そういう(今に始まったことではないが)国会議員の浅ましさにうんざりしていて、こんなことなら、「フリーズした国会をリセット、再起動した方が良いのではないか」、と考えているのであろう。

 うーん。ところがですねえ。

 解散総選挙で、民主党が政権を取ったところで、全然まとまりがないから、はっきり言って頼りない。

 7月18日にこの日記で書いたとおり、私が見る限りにおいては、岩國哲人さんが現職の国会議員で、飛び抜けて有能な人材であるから、彼を首相にしようと言うことで、民主党が挙党態勢を敷くなら、支持しても良い。

 だが、岡田君は未だ辞めたくなさそうだし、なにを言っても、文句ばっかり付けて自分は何もしない小沢一郎がいるから、簡単に挙党態勢ができそうにもない。

 というわけで、前回は解散総選挙全面支持だった私だが、この数日、どうしたものか、考えあぐねている。

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大阪豊中で38・4度 今夏の全国最高を記録 ←温暖化ですよ・・・・。

◆記事:大阪豊中で38・4度 今夏の全国最高を記録

 

 太平洋高気圧に覆われた日本列島は5日、各地で真夏の日差しが照り付け、大阪府豊中市では午後2時すぎに、今夏の全国最高となる38・4度を記録するなど、猛烈な暑さに見舞われた。

 気象庁によると、このほか堺(大阪)で38・2度、館林(群馬)37・6度、福崎(兵庫)37・3度、熊谷(埼玉)37・2度などとなり、各地で37度を超えた。

 今夏最高の暑さとなったのは帯広(北海道)34・4度、福島36・7度、前橋36・2度、金沢34・9度、大阪37・0度、京都36・9度など。6日も太平洋高気圧の勢力は強く、全国的に猛暑が続くという。(共同通信) - 8月5日19時51分更新


◆コメント:地球温暖化と無関係ではないでしょう。

 

 ここ一週間の暑さは、私のいる東京でもすさまじいが、全国的に同様の傾向を示しているようだ。

 暑いだけならまだしも、落雷で亡くなる方が多いのに驚く。

 7月31日には千葉県白子町中里海岸で落雷があり、当初9人が重軽傷と、伝えられていたが、翌日1人が亡くなった。

 8月3日、秋田県鹿角市十和田大湯のJA敷地内で、クレーンの運転をしていた方が落雷で死亡。

 8月4日、長野県松川町の「松川青年の家」のキャンプ場の炊事場に落雷があり、中学一年の男子生徒が一時心肺停止となったが、その後回復するものの、重傷。

 8月5日、落雷の影響で約4300世帯が断水 宇治・伊勢田町と小倉町一帯  - 京都

 8月5日、午後7時15分ごろ、島根県邑南町上亀谷の特別養護老人ホーム内の「ゆめあいの丘」広場に雷が落ち、盆踊り大会に参加していた子どもを含む10人が手や足に軽傷を負った。


◆雷と地球温暖化

 

 これほど、落雷による死傷者やその他の被害が連続して起きたのは、私の記憶にはない。

 雷と言えば積乱雲(入道雲)が発生させるものである。

 積乱雲は、地面が高温になり、、激しい上昇気流が発生し、その時に、地表付近の水蒸気が一緒に高く上昇するが、高空では、冷やされて、氷の粒となって出来る。

 氷の粒同士が上昇気流で煽られて激しくぶつかると、静電気が生じる。

 積乱雲の上のほうにはプラスの電荷がたまり、雲の下層にはマイナスの電気がたまる。

 下層のマイナス電荷が強くなると、地上にはプラスの電荷が発生する(静電誘導)。 その電位差が大きくなると、落雷が起きる。

 つまり、雷が多発するということは、激しい上昇気流を発生させるほど、地面が熱せられることが多くなったということで、それには地球温暖化が関係しているという仮説を立てることは、それほど無謀ではないと思料される。


◆他の国でも異常気象

 

 昨年は中国で、今年はインドのムンバイという街で大洪水が起きて、7月27日だけども140人が亡くなっている。

 わが国はスマトラ沖大地震のときには、自衛隊を派遣して救出活動に当たらせたが、今や、政治家の先生方は郵便局に夢中でなにもしない。


◆郵政民営化どころではないのだ。

 

 クールビズというのは、本当に下らない。

 ああいうのを「形式主義」というのだ。

「温暖化対策を考えていますよ」という「ポーズ」だけが大切なのだ。

 軽装、薄着にしたって、国会の中ではガンガンにエアコンを効かせている。これでは、温室効果ガスを減らすことに、何ら貢献していない。

 郵政民営化よりも先にやることは沢山ある。

 消費者物価は5年10ヶ月下落し続けている(東京都区部)。デフレはどうするのだ?

 拉致問題や、環境問題、イラクの自衛隊はどうなっているのか?

 多分、国会議員は誰も考えていない。

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2005.08.05

「原爆を投下したことを後悔していない」(原爆を投下した爆撃機の乗員)--BBC

◆記事:エノラ・ゲイ(広島に原爆を投下した、B-29爆撃機)の乗員「後悔していない」(BBC)


 原文は、

Enola Gay crew 'have no regrets'

http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/4743061.stm

です。



 【抄訳】

 広島に原子爆弾を投下した、爆撃機の未だ健在の搭乗員たちは、原爆投下60周年を機に、共同声明を発表した。

 現在もまだ健在な「エノラ・ゲイ」の搭乗員は、ポール・ティベット(パイロット)、セオドア・ヴァン・カーク(ナビゲーター、適切な日本語訳が分かりません)、モリス・R・ジェプソン(weapon test officer 兵器試験技官とでも訳すのか)の3人だが、彼らは繰り返し、謙虚に(訳注:humblyという単語なのです。こう訳さざるを得ない)宣言(proclaim)する。

 「原子爆弾の使用は、当時の歴史的局面においてやむを得なかった。我々は、後悔していない」

 彼らは、過去60年間、一貫して、その姿勢を貫いている。


◆解説&コメント:3人の本心は全く反対だと思います。

 

 最初に書いてしまうけれども、このいまだに生きている3人の言っていることは、彼らの本心じゃないと思います。

 エノラゲイの搭乗員で既に死亡した人もいるわけですが、いくら自分が軍人で上司の命令に逆らうわけにはいかなかったとはいえ、

 自分が犯した罪の大きさに耐えきれず発狂してしまった人。自殺した人もいるのです。

 この3人にしても自分たちが投下した原爆で24万人もの非戦闘員を殺したことに、過去60年間、一度も何の疑念も抱かなかったと言うことはあり得ないと思います。

 本当に、自然な感情として、あの行動は正しかったと思っているならば、さすがに忘れることはないにしても、あまり意識に上ってこないと思うのです。意識に上らなければ、声明など出さない筈なのです。

 それなのに、原爆投下からあと2日で60年という日に、わざわざ「あの作戦は正しかった」と、一見、日本人を挑発するようなことをマスコミを通じて発表するのは、、そのように自分に言い聞かせないと、自我が崩壊してしまうからだと思います。

 この発言は、一種の「自己防御機制」だと思います。つまり、自我(エゴ)を防御するために、わざと本心とは全く逆のことを声高に主張しているのだと思います。

 だから、このじいさん達の言葉をそのまま額面通りに受け取ってムキになる必要は無いとおもいます。


◆BBCは大変、真摯にこの歴史的悲劇を取り上げています。
 

 これは、日本のマスコミよりも余程真剣に作っていると言っていいぐらいです。

 被爆直後から現在に至るまで、広島の復興の様子を写真で載せています。

 これは、気持ち悪い写真はありませんから、ご覧になっても大丈夫です。

 1945年に完全に焼け野原となった広島と現在の広島を対比することによって、原爆の破壊力とそれがもたらした悲劇が良く表現されています。


◆ON THIS DAY(今日は何の日)の8月6日は殆ど全て「広島」に関する記事で占められています。

 

 当たり前じゃないかというなかれ。日本の新聞で、ここまでの紙面を作る社は無いでしょう。

 BBC ON THIS DAY | 6 | 1945: US drops atomic bomb on Hiroshima(1945年8月6日、アメリカが広島に原爆を投下)という書き出しから始まり、当時のトルーマン大統領が原爆投下を命ずるに至った経緯が詳細に記述され、その破壊力が如何にすさまじく、どれほど悲惨な結果をもたらしたか、について、まだご健在の被爆者やその子供、孫、の証言を引用しながら説明しています。可能な限り主観を排除して書かれています。

 英国は、勿論「連合国」です。つまり、戦勝国ですが、こういうところは、大変「フェア」だと思います。

 また、投書欄「核の脅威は小さくなったのか?」には、世界中の人々の意見が書き込まれています。

 ここは、どうしても賛否両論です。

 勿論、中には感情的に、「日本人は南京でもっと多くの中国人を殺したじゃないか」という類もあるけれども、全体としては概して、冷静です。

 あるロシア人は「いかなる、政治的、戦略的理由があったとしても、このような大量殺戮は断じて、永久に許されない。世界から、一刻も早く核兵器をなくすべきだ」という熱い書き込みをしています。

 アメリカ人のMilicさんは、「私は、原爆が日本に投下されたことを大変遺憾に思う。私が思うに、原爆が使用された目的は、とにかく早く戦争を終わらせること。それによって、ソビエトが参戦する機会を奪うことだった。殺された日本の人々は始まりつつある冷戦時代の犠牲になったのだ。私の意識の中では、原爆を開発して、それを実際に使ったという事実は、永遠にアメリカの歴史の汚点として残る」と書いています。

 とても率直な意見だと思います。


◆コメント:日本も核武装すべきだという日本人や、ブッシュ大統領には、是非広島の原爆資料館を訪れていただきたい。

 

 百聞は一見にしかずというのは、本当です。

 あれは、実に、言語に絶するショックを受けます。資料館だけで殆どトラウマに近い打撃を受けるのですから、実際に体験した方々の胸中は察するに余りあります。

 かつて、私が行ったとき、見知らぬアメリカの若者が「アメリカ人でいることが恥ずかしくなった」とうなだれていました。

 あまりにも気の毒なので、「君が生まれる前に起きたことに関して、君は責任はない。そう落ち込むなよ」と声をかけたのですが、彼は、まだ呆然としていました。



 このように、戦争を体験しなくても、情報を集める努力により、かなりその悲惨さは想像できます。

 西洋人にとって日本というのは、日本人が想像するより、遙かに遠いので、なかなか、一般の欧米人は広島の資料館にこられないでしょうが、せめて、BBCのサイトを多くの世界中の若者が見てくれると良いと思います。

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2005.08.04

偽造カード法は不公平だ。

◆記事:偽造カード法が成立 原則補償、来年2月に施行へ

 

 偽造・盗難キャッシュカードによる被害補償を、金融機関に義務付ける与党提出の預金者保護法(偽造カード法)が3日、参院本会議で可決、成立した。施行は来年2月の見通し。 

 偽造・盗難カードによる被害の急増に対して、金融機関による補償制度を確立し、揺らいだ金融システムへの信頼を取り戻すのが狙い。国内でもようやく欧米並みの補償制度が整ってきた。

 偽造カード法は、現金自動預払機(ATM)を通じた預貯金の不正な引き出し被害に対して、金融機関が原則的に被害を全額補償する。預金者に過失がある場合は、金融機関が立証責任を持ち、過失の程度に応じて補償割合を減らす。

 与党は「過失の立証が実際は難しく、ほとんどの場合に全額補償されるだろう」と説明している。(共同通信) - 8月3日10時47分更新


◆コメント:偽造カードで人のカネを盗む奴が一番悪いのに、それを捕まえられない警察の責任は追及しないのか?

 

 銀行は信用で成り立っている。従って、顧客から預かった預金を万全の注意を持って管理するのは当然である。

 管理が甘く、預金者以外の者に預金を払い戻したら、確かに銀行の責任が無いとは言えぬ。

 ところが、悪い奴というのは悪いことにかけては天才的で、次から次へと新手の手段を考案する。

 それをあらかじめ全て予想することは、同じぐらい悪い発想を持った人間でなければ難しい。

 今日の国会の決議は、一番悪い奴を捕まえることに関してなんら、新しい方針を打ち出していない。

 盗む奴が一番悪いのに、それを捕まえることが出来ない警察の責任には一切言及しないで、銀行が全部補償すればいいのだ、と言う議論はは、不公平だ。

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やや、easiness(安易さ)に傾きすぎている日本。

◆教育テレビ「趣味悠々 かんたんピアノレッスン」を見て思う

 

 世の中、色々道具が出来たり、便利なシステムが出来たりして、良いこともあるが、最近の日本を見ていると、何事もあまりにも簡単に済ませたり、簡単に諦めて容易な選択をする風潮があるように思える。

 世間が、所謂「専門バカ」(自分の専門領域にしか関心を示さず、他のことは一切お構いなし、という人)だらけになっても困る。

 しかし、一方で、人間があることを身につけようとするときは、基礎から時間をかけて、相当のエネルギーを意識的に、集中的に注がなければ、ものにならないという事柄も多く存在することは間違いがない。



 NHK教育テレビで毎週水曜日の夜に、中年から(失礼ながら)初老にかけての、一般人(素人)で、生まれて初めて楽譜に接し、ピアノの鍵盤に触れる、というおじさんたちが、僅か3ヶ月で、ビリー・ジョエルの「Honesty」(うんと易しく編曲したものとはいえ、とりあえず、両手で別の動きをする、つまり、かりそめにも「ピアノ音楽」)を弾きこなせるようになろうというのだ。

 なんと、最終回には、スタジオで(と言うことは、全国に放送されるのだから、いくら教育テレビの低視聴率の番組とはいえ、数万人の前で)発表会(子供の街のピアノ教室で言うところの「おさらい会」ですね)をやろう。というのだが、はっきり言って、無責任な企画だと思う。


◆だって、オタマジャクシが全く読めない人が・・・・。

 

 物事には、順序がある。

  ピアノを弾くのにも、最低必要とされる知識がある。

 この番組における、「生徒」のおじさん達はドレミファソラシドが分からない状態だったのだ。いまでもあまり分かっていない。

  ドレミファソラシドがそれぞれ、どの鍵盤に相対しているか。ドレミファソラシドは楽譜ではどのように書き表されるのか(右手のト音記号と左手のヘ音記号では位置が異なる)。

  このようなことを、まずは、覚えていくら退屈でも、暫くは単調な練習をしなければならない。

 「急がば回れ」という。これを身につけないことには、どうしようもない。これは、精神論ではない。

  例えば、「バイエル」の最初のほうでは、何度も同じようなことを繰り返す。
 「ドミドミ・ソドドド・レレレレ・ミミミミ」と右手で弾き、左は、「ドー・ドー・ドー・ドー」とやっている。如何にも音楽的には幼稚である。

  しかしながら、これまで動かしたことのない指の動きをマスターするには、こういうことから始めるしかない。


◆天才でない限り、3ヶ月では曲は弾けない

 

 厳密に言えば、“Honesty”の「超イージー編曲版」は弾けるようになる人がいるだろう。

 しかし、それ以外の曲は弾けないだろう。 また、ゼロからやり直しだ。

 基礎が無いということは、そういうことだ。


◆大人だって、基礎からやっても間に合う。プロにはなれんがね。

 

 大人になってからピアノを習い始めて弾けるようになるかと問われても、一概には答えられない。

 はっきり言えば、かなりの程度は才能に依存する。いくらやっても、無駄、と言う人もいる。

 やってみなければ分からぬ。

 大人とは言えないが、本当にあった話。

 高校生になってから、ピアノを習い始めて、音楽大学(音大と言ってもピンからキリまであるが、割と有名なところ)に入ってしまった子がいる。

 これですら、目の玉が飛び出るほどの「奇跡」なのである。そういうこともごく稀にはある。


 中年から初めてピアノに接して、プロになるのは、ほぼ100%、不可能である。

 だが、別にプロ並に上手くならなくても、十分に楽しめる音楽的な作品は沢山ある。
 基礎から真面目に繰り返しを厭わず、「継続は力なり」を信じて、バイエルや音階練習を続ければ(ここで大切なのは、短気を起こして、或いは見栄を張って、すぐに速いテンポで弾かないことだ)、ソナチネや、バッハの2声のインヴェンション、3声のシンフォニアなどは弾けるようになる。

 バカにしてはいけない。これらは、プロのピアニストですらCDに録音する、れっきとした演奏会用の曲なのだ。

 楽器の練習とは本来そういうものだ。


◆難しいものは難しいのだ。

 

 ここまで読まれた方の中には、「まあ、堅いことを言いなさんな。Honestyしか弾けなくても、本人が楽しければいいじゃないか」と思った方もおられよう。

 そういう方は、来週の水曜日の教育テレビ「趣味悠々」をご覧なさい。3人の中年男性の表情の何と暗いこと。気の毒なほどだ。

 要するに、何にも身に付いていないのである。

 九九を覚えないまま高校生になって微積分の授業を聞いているような気分だろうと思う。

 「簡単ピアノレッスン」という副題がついているが、3ヶ月で人前で曲を弾けるまでになろうなどという「いい加減」なことをすると、却って辛いのである。

 最後の発表会では、恐らくあがりまくって、曲が止まってしまい(音楽演奏中の事故で「止まる」ことより大きな事故はあり得ない)、もう何が何だか分からなくなり、ピアノなど二度と見たくもない、ということになりかねない。痛々しい。

 難しいものは難しいのだ。難しいことをごまかして、簡単だと言ってはいけない。

 難しいことを、練習して、薄皮をはがすようにではあるが上達していくのが、本来の楽しさである。

 電子オルガンなどで、キーを押さえているだけで、楽器が一曲勝手に弾いてくれる、という商品がある。

 易しいには違いない。しかし、全然面白くは無いだろう。

 私はやらないが、テレビゲームだってそうだろ?簡単にクリアできるのは面白くないだろ?

 難しいのをクリアした方が達成感があるだろ?

 テレビゲームと楽器の習得とは次元が違うが、感覚としては、まあ、そういうことだよ。


◆一つのテレビ番組が日本の全てを象徴しているとは言わないが、

 

 ある程度は象徴している、と感じるのである。

 何でも、簡単に済ませようとすること。

 少し困難に出遭うと諦める。嫌になって止めてしまう。努力をしない。

 そういう心理的傾向が、色々な社会の「たるみ」として現れているように、思われる。

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2005.08.02

「郵便局は「国民の資産」=小泉首相、反対派に配慮-参院特別委」 ならば、民営化するべきではないのではないでしょうか?

◆記事:郵便局は「国民の資産」=小泉首相、反対派に配慮-参院特別委

 

 小泉純一郎首相は2日午前の参院郵政民営化特別委員会で、郵政民営化後の郵便局配置について

 「郵便局ネットワークは国民の資産だ。国民の利便に支障が生じないようにする」と述べ、全国に約2万4000ある郵便局網の維持に努める考えを示した。

 また、金融の全国一律サービスの確保に関しても「過疎地などの郵便局で、金融サービスが提供されるよう努力する」と強調した。

 同日の審議は、郵政民営化法案の採決に向けた中間的総括との位置付け。自民党内の攻防は一段と激化しており、首相の答弁は、反対派内でもとりわけ賛否を留保している参院議員らに配慮したものだ。 (時事通信) - 8月2日13時1分更新


◆コメント:小泉純一郎内閣総理大臣が指導者としての資質に欠ける2つの致命的な傾向。

 

 私は、小泉純一郎内閣総理大臣は指導者として、適性が欠けていると思う。

 それは、情緒的な選択(つまり、「虫が好く好かない」ということ)を完全に排除して、冷静に観察し、二つの点に集約できる。



 一つは、「不勉強であること」つまり、正しい、客観的な情報を積極的に入手し、理解し、咀嚼し、記憶しようとしないことである。

 例示すると、「イラク戦争は正しいと思っている」、と国際社会に向けて公言してしまう。

 これは小泉首相の「思想」でも「意見」でもない。

 国連憲章、日米安全保障条約の2つの国際法を熟読すれば、アメリカがイラクへ武力侵攻したことは、国際法に反していることが、もはや、議論の余地もないほど明らかである。

 これを「支持する」という所を見ると、彼は、この二つの法律を読んだことが無いと推測せざるを得ない。



 くどいが、もうひとつだけ。

 イラクへの自衛隊派遣問題に絡む答弁。

 イラク復興支援特別措置法における「非戦闘地域とはなにか」と民主党の岡田代表に訊かれたが答えられなかった
 そもそも、イラク復興支援特別措置法を無理矢理成立させたのは小泉首相だ。

 そして、このの法律は僅か21条(附則を除く)で構成されている。
 日本国憲法は103条、刑法は264条、民法にいたっては、1044条もある。司法試験に合格しようとするなら、これぐらいは全部覚えてい無ければならない。勿論、その他にも、刑事訴訟法、民事訴訟法、商法に始まり、民事執行法、手形小切手法、著作権法と、勉強すればキリがないが、司法試験に受かろうとするならば、それぐらいは覚悟せねばならぬ。

 それを考えたら、イラク復興支援特別措置法全21条ぐらい覚えているべきだ。



 日本国の総理大臣が司法試験受験生と同程度の法律に関する知識を持つ必要は無いかも知れない。

 だが、いくら何でも、自分で作った、たった21条のイラク復興支援特別措置法における「非戦闘地域」に定義にも答えられず、「自衛隊が活動する場所が『非戦闘地域』だ」と答弁し、国民を唖然とさせた。

 因みに、内閣総理大臣は、自衛隊法により、、自衛隊の最高司令官と定められている。

 サマワが「非戦闘地域」で無くなれば(私はもともと、非戦闘地域ではないと考えているが)、内閣総理大臣は直ちに自衛官の安全を確保しなければならない(イラク復興支援特別措置法第9条)のであるから、何が「非戦闘地域」か分からないようでは、無責任のそしりを免れない。


◆もう一つの致命的な点。それは、「論理的思考能力の欠如」。

 

 今日、冒頭に引用した記事をお読みいただきたい。 発言の内容自体は、実はある程度筋が通っている。

 郵便局は国民の財産。 そう。日本は狭い国土に山が多い。

 大きい消防車が入れない僻地では、郵便局が代々、防災の中心的存在、司令塔になっているケースが多い。

 近頃は田舎でも、昼間は若い夫婦が働きに出て、老人が一人家に取り残されているという世帯も多い。

 お年寄りにとっては、郵便局は郵便を取り扱うだけではない、いざというときに頼りになる存在なのだ。

 これは、大都会で暮らしている人間にはわかりにくい。


◆民営化したら、国が口を出せなくなるのだということが、小泉首相は分かっていないように思われる。

 

前の段落で説明したとおり、ある意味では、小泉首相の発言は正しい。

 問題はその後である。

  

(小泉首相は)郵政民営化後の郵便局配置について「郵便局ネットワークは国民の資産だ。国民の利便に支障が生じないようにする」と述べ、全国に約2万4000ある郵便局網の維持に努める考えを示した。また、金融の全国一律サービスの確保に関しても「過疎地などの郵便局で、金融サービスが提供されるよう努力する」と強調した。


 小泉首相は、自分が何を言っているのか分かっているのか?

 民営化するのであれば、郵便局は民間企業になるのだから、国が滅多なことで口を出してはいけない。

 民間企業の経営方針を政府が支持するようでは、日本は、資本主義経済を採用する国家とは言えない。 社会主義国である。

 それなのに、小泉首相は、民営化したあとも、郵便局の利便性に配慮するという。

 それは、結局国営のまま、ということではないか。

 今日の発言は、小泉首相自身、実は郵便局は国営のままの方が良いと考えていることの証左ではなかろうか。

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郵政民営化は要するに政争の具だから、国民にピンと来ないのだ。

◆記事:亀井派の永岡洋治衆院議員、自宅で首つり自殺

 

 1日午前10時5分ごろ、自民党の永岡洋治衆院議員(54)(茨城7区、当選2回)が、東京都世田谷区上祖師谷2の自宅で、階段の手すりにネクタイを結んで首をつっているのを家族が発見、119番通報した。

 病院に搬送されたが、約2時間後に死亡が確認された。警視庁成城署は、自殺とみて関係者から事情を聞いている。遺書は見つかっていないという。

 永岡議員は7月末、選挙区の茨城県古河市に帰り、30、31日には地元の行事に出席していた。上京予定を1日早めて31日夜、世田谷の自宅に戻ったという。同事務所は「なぜこういうことになったのか分からない」と話している。

 亀井派に所属しており、郵政民営化法案を巡っては、党総務会では反対したものの、先月5日に衆院で5票差で可決された際は賛成に回った。

亀井派の同僚議員の秘書は「(郵政問題が)死を選ぶような理由だとは到底思えない。何か思い詰めるようなことがあったのだろうか」と話した。
 1日夕方以降、自宅には党関係者らが次々と弔問に訪れた。亀井静香・元政調会長は、「あってはいけないことが起こった」と、沈痛な面持ちで語った。


◆コメント:郵政民営化の問題点と対処について、全く国民に説明がない

 

 またか。と思う。

 永岡代議士は亀井派である。

 亀井派は、郵政民営化に反対している。亀井派の集まりでは、永岡代議士は「郵政民営化反対」の意見だった。

 しかし、衆議院での投票の直前、自民党の中枢部から「反対に投票したら、次の選挙で応援してやらないぞ」と脅かされ、つい、民営化賛成に投票してしまった。

 これで、亀井派の中では裏切り者扱いされ、週刊誌にも名前が出て、それを大変気に病んでいたという。

 気の小さい人だ。もともと、政治家には向いていなかったのだろう。非常に気の毒だ(皮肉ではない。本当にそう思う)。


 ◆郵政民営化法案を巡っての動きは、推進派も反対派も如何にも醜い。

 

 【推進派の胡散臭さ】

 推進派には、何故、先日、元・北朝鮮拉致工作員、安明進が国会で証言したとおり、北朝鮮に拉致されている、日本人の同胞がいるのにもかかわらず、郵便局を先にやらなければならないのか、と問い質したい。

 また、民営化したあと、過疎地の郵便局は本当に維持されるのか、はっきりとした答えがない、というような、法案そのものに曖昧な点がある。

 【反対派の胡散臭さ】

 一方、反対派は、国民の利益を考えて民営化に反対しているのではない。

 特定郵便局長が自民党保守勢力にとって、強力な集票マシーンであり、郵便局が民営化されたら、彼ら(特定郵便局長会)の支持を失う。

 すなわち、選挙に当選できるか、極めて怪しくなる。そういうことばかり考えている。


◆こういうのを「国民不在」という。

 

 今の政局では、各々の政治家が自らの派閥と、他の派閥の力関係を比べたり、小泉首相のように、自分の名前を歴史に残すために、何でも良いから郵政民営化法案を通したい、
 など、要するに、政治家エゴばかりにプライオリティがおかれている。
 郵政事業が民営化されたあと、国民には、今の郵便や、郵貯・簡保の利便性が確保できるのか、説明が為されていない。

 政治家にとって、一般庶民は、選挙の時を除いては虫けら同然なのだろう。「国民不在」とはそういう状態だ。


◆郵政民営化法案は否決されて、衆議院解散、総選挙が望ましい。

 

 これだけ、国民が舐められていてはたまらない。

 参議院で郵政民営化法案が否決されれば、衆議院解散と言われている。

 大新聞の論説委員どもは口をそろえて、「それは、避けるべきだ」、と書いているが、どうしてかわからない。

 郵政民営化にしろ、サラリーマン増税にしろ、国民の真意を問うべき重大な問題である。衆議院解散がのぞましい。

 今、総選挙をしたら、民主党が与党になりますから、民主党は必死に準備してくださいね。

 郵政事業より、まず、北朝鮮の日本人を救出して欲しいものだ。

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