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2005年9月

2005.09.30

「拒否できない日本」に書いてあることは、米国大使館の日本語ページで読める。

◆コメント:昨年4月20日に発刊された、文春新書「拒否できない日本」がネット書店で買えない。

 

 この噂を聞いたときは、「まさか」と思ったのだが、本当ですね。

 今、Amazonで検索したら、「該当する商品はありません」というメッセージが表示されたのには驚いた。

 「品切れ」、でも、「絶版」でもなく、あたかもこの本は、最初から存在しなかったかのような扱いになっている。


◆【訂正】「拒否できない日本」Amazonにて、著者名で検索出来ました。

 

 読者の方からご指摘頂きました。訂正して、お詫びいたします。


◆この本は、米国の日本への内政干渉の実態を詳細に書いた本なのです。

 

 私は8月28日の日記「小泉首相が、郵政民営化にあれほどムキになる理由。」の中で、

 平沼赳夫前経産相に毎日新聞がインタビューした記事を引用した。

 その中で、平沼氏があまりにもズバリと本当のことを話したので、逆にこちらが驚いた一節がある。

 それは、小泉首相が何故これほど、郵政民営化に情熱を傾けるのか、という事に関して、
 

「米国から日本に毎年来ている年次改革要望書を見ると、最右翼に郵政の株式会社化が書いてある。

 345兆円の郵政資金は彼らにとって、のどから手が出るほど魅力的なものなんでしょう。

 何が小泉純一郎という政治家をここまで駆り立てているか、いろいろ想像すると、やはり米国との約束が一番じゃないかという気がしますよ。」

 と、述べている部分である。

 この一冊の新書本は、アメリカが毎年10月下旬に日本に提示する「年次要望書」の存在と内容を明らかにしたことで物議を醸したのだ。

 「年次要望書」は「要望」というより「命令」、に近い。

 即ちすごい内政干渉で、アメリカは日本をアメリカと同じ制度の国にしようとしているフシがある、

 ということを丁寧に説明してある本なのである。


◆オンライン書店に慣れてしまっているが、そこらの本屋へ行けば売っている。

 

 最近はAmazonなどオンライン書店があまりにも便利なので、これに頼る人が増えたせいか、

 あまりにも当たり前の事実、つまり普通に商品を並べている本屋が街にはまだいくらでもあることを忘れているのではないか。

 小さな本屋には無いかも知れないが、ある程度の本屋へ行けば買えますよ。

 「拒否できない日本-アメリカの日本改造が進んでいる」(関岡英之著、文春新書、税抜き700円)。


◆年次要望書そのものが在日アメリカ大使館の日本語サイトに堂々と掲げてある。

 

 あまりにも、堂々と掲げてあるので、アメリカ人というのは、どういう神経なのだろうと思ってしまう。

 


 ちょっと目を通すだけでも唖然としますよ。

 商法改正から、司法制度改正、医療システム改革とか、

 完全に日本の問題。つまり、日本人が国会で審議して決めるべき事を、

 アメリカの日本に関する専門家が、細かいことまで調べ抜いて、ああせよ、こうせよ、と、書いていることが明らかなのだ。

 郵政民営化もアメリカの要求だという平沼さんの証言は本当だった。

 構造改革だの何だの言っていた小泉さんだが、やはり、バックはアメリカでした。

 一昨日の私の記事も一緒にお読みいただけると、合点がいくだろう。

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2005.09.28

企業収益は順調に伸びているが、民間給与は7年連続で減少。 しかし、定率減税廃止

◆記事1:企業収益の改善とその日本経済への含意(日銀調査統計局論文より抜粋)

 http://www.boj.or.jp/ronbun/05/ron0509a.htm

景気が回復を続ける中、企業の収益は2002年度以降、大幅に増加している。今回の企業収益の改善には、

(1)幅広い業種で収益が高水準になっていること、

(2)固定費が大幅に削減され、その後も総じて抑制されていること、

(3)緩やかな物価下落と増収増益が並存してきたこと、といった特徴がある。


◆記事2:<民間給与>7年連続で減少 景気回復を反映せず

 

 民間企業に勤める人が04年の1年間に得た平均給与は、439万円と前年を5万1000円

(1.1%)下回り、7年連続で減少したことが国税庁の「民間給与実態統計調査」で分かった。

 景気回復が給与に反映されていない実態を浮き彫りにした。一方、所得税額は前年を3339億円(3.9%)

 上回り、4年ぶりに増加した。

 調査によると、昨年1年間を通じて民間企業に勤めた給与所得者は前年から13万人(0.3%)減の

 4453万人で3年連続の減少。給与総額も2兆8529億円(1.4%)減の195兆4110億円。

 正社員より賃金の安いアルバイト・パートタイマーや転職者の増加などの雇用形態の変化が、

 これら減少の背景にあるとみられる。(共同通信)


◆記事3:自己負担の限度額アップへ 高額療養費の定額分見直し (共同通信)

 

 厚生労働省は28日、医療費が高額になった場合に患者の自己負担を抑える仕組みである高

額療養費制度で、自己負担の限度額を引き上げる方向で検討を始めた。年末までに取りまと

める医療制度改革の政府、与党案に盛り込む。上げ幅などは今後検討する。



 70歳未満の場合、現行制度では1カ月の医療費から24万1000円を差し引いた額の

1%に7万2300円(定額分)を加えた額を自己負担の限度月額とし、超過分は高額医療費

として保険から支給されるのが原則。



 今回はこのうち定額分の引き上げが検討される見通し。2003年度からは保険料の算定に

 月収だけでなく賞与の額も反映されており、厚労省はこれまで月収を基準に算定してきた定額分

 にも賞与分を反映させるべきだとしている。 - 9月28日20時44分更新


◆記事4:定率減税見直し、来年度税制改正で経済情勢見極めつつ議論=首相 (ロイター)

 

 小泉首相は28日午後、衆院本会議での前原民主党代表による代表質問で、定率減税の見直し

 に関する方針を聞かれ、2006年度税制改正で、経済情勢を見極めつつ議論するべきだと答えた。



 前原代表は、政府税調は、「2006年度において定率減税を廃止」と答申しているが、自民党の

 マニフェストには「政府税調の考え方はとらない」と明記していると指摘。そのうえで、

 「国民の誰もが定率減税の廃止はないと確信しているはずだが、谷垣財務相は選挙後に廃止の

 方向を打ち出した」として、国民への公約違反、背信行為だと批判した。



 これに対し、小泉首相は、定率減税は、暫定的な税負担の軽減措置で、経済情勢に応じて

 その規模に応じて見直されるべきだとした。そのうえで、「残り半分については2006年度

 税制改正でこれまでの議論を踏まえ、経済情勢を見極めつつ議論するべきだ」と答えた。

 谷垣財務相は20日の記者会見で、定率減税の全廃に関して、「これまでの議論も踏まえて、

  経済情勢などをきちんと分析して結論を出すべきことだ」と述べた。そのうえで、「全体とすれば、

(景気は)堅調だと思うので、いくつかの不安要因はあるが、大きく言えば、昨年半分廃止した

 流れは変わっていないのではないか」と語った。 - 9月28日15時19分更新


◆コメント1:企業収益は増えている。

 

 私は、選挙前、9月7日に【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。

 という文章を書いたけれども、そこで予想、というか、殆ど明らかだったことがやはり起きてしまった。

 記事を読めば殆どコメントが不要なぐらいである。



 要するに会社の収益(儲け)は増えている。これは、下のグラフでも分かるだろう。

20050928213046

 今年になって下がっているではないか、というのは、早とちり。

 これは「企業収益の伸び率」である。前年同期に比べて何パーセント増えているか、である。

 今年は、ペースが鈍化しているが、それでも、前年比10%以上、儲けは増えている。


◆コメント2:しかし、企業は給料を上げないので、個人所得は減り続けている。

 

 企業収益は2002年頃から増えているのに、サラリーマンなどの所得はずっと減っている。

 逆の云い方をすれば、(それだけが要因ではないが)売り上げが増えても、従業員の給料を

 上げないから、企業収益が増えているのだ。


◆コメント3:にも関わらず、首相と財務相はサラリーマン増税を実行すると平然と述べている。

 

 だから、【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。で書いたとおりでしょう?

 選挙期間中、小泉首相サラリーマン増税に反対だ、と言っていたが、選挙で勝ったら、サラリーマン増税ではなくて、

 「定率減税の廃止」を実行するのだという。同じ事だ。言葉の問題だ。要するに増税だ。そんなの詐欺だ。

 財務相もよくもまあ・・・。景気が良いからって、サラリーマンの給料は減り、企業収益は

 順調に増えていることなど百も承知のくせに・・・。


◆コメント4:更に高額医療費自己負担が増える。

 

ただでさえ、所得が減り続けているのに、病人を抱える家計では、増税に加え、医療費の負担が増えるのである。


◆コメント5:法人税減税はそのまま。

 

 9月21日に書いたが、経団連は、来年4月で取りやめる予定だった、法人税減税を引き続き続けるように、与党に要望した。

 選挙期間中、奥田経団連会長は、自民党支持を訴えた。

 自民党は大企業にその意味で、借りがある。だから、法人税は減税はそのまま続ける。


◆コメント6:予想通りになっている。

 

 要するに、政府のやろうとしていることは、強者に優しく、弱者には冷たい経済政策だ。

 こうなることは、選挙前から目に見えていたので、【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。

 を書いたのだが、現実になったのは、誠に残念である。



 なお、公務員はどうなっているか。最後に記事を載せる。

 選挙前、人事院は、公務員給与を4.8%下げろ、という勧告を出していた。これも嘘だと私は書いた。


◆記事5:国家公務員 年収4000円下げ 人勧完全実施

 

 政府は二十八日の給与関係閣僚会議と閣議で、平成十七年度の国家公務員給与について、

 一般職の年収ベースで平均四千円の引き下げとなる人事院勧告の完全実施を決めた。

 また十八年度から五年かけ段階的に都市部に手厚く配分するよう給与構造の大幅改正を求めた勧告についても実施を決めた。

 開会中の特別国会に関連法案を提出する。



 構造改正では、地方で公務員給与が民間の水準を上回っているため、基本給を平均で4・8%引き下げた上で、

 民間賃金の高い都市部に勤務する職員には地域手当を支給する。

 人件費総額はあまり変えずに配分方法を見直す内容だが、国家公務員に準じて給与改定して

いる地方公務員にも同様の制度が導入されれば、地方では総額削減に直結することから影響は大きい。



 そのほか、年功序列的な昇給制度を是正、勤務実績に応じた査定昇給制度なども導入する。

 十七年度の給与改定は、月給を0・36%引き下げる一方、期末・勤勉手当(ボーナス)は〇・〇五カ月分増やし、年四・四五カ月とする

 月給の引き下げは二年ぶり。


◆コメント7:年間たったの4000円ですよ。年間ですよ。これが「公務員給与カット」だそうだ。

 

 要するに、月給(基本給)は減らすが、都市部に務める役人には地域手当を創設し、それで補う。

 月給は減るが、収入は殆ど減らない。ボーナスは増やすのだそうだ。

 因みに、この件に関しても、9月7日に指摘したとおりである。

 こんな予想が当たっても嬉しくも何ともない。

 今日のニュースを読んでご覧なさい。

 小泉首相は「今回の選挙で、自分は郵政民営化のみならず、全ての政策で国民の支持を得た」と豪語している。

 もう、「何でもあり」なのだ。

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2005.09.27

選挙戦で埋もれたニュース「安保理改革 G4案、採決断念」なんとアメリカが中国と協力して反対しているのです。

◆記事1:安保理改革 G4案、採決断念 常任理入り戦略見直しへ

 

 政府は二十日、日本、ドイツ、インド、ブラジルの四カ国(G4)が国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指して共同提出した「枠組み決議案」の採決を断念する方針を固めた。

 これで日本の常任理事国入りは絶望的となった。

 大票田であるアフリカ連合(AU)との決議案一本化が不可能になったことを受け、枠組み決議案採択に必要な加盟国の三分の二以上の確保は不可能だと判断したためだ。

 政府は今後も外交の主要課題に常任理事国入りの実現をすえる方針だが、米国や中国などの強い反対を踏まえ戦略の抜本的見直しを迫られるとともに、

 日本の常任理事国入り支持を取り付けるため巨額の政府開発援助(ODA)をばらまいたとされる外務省の責任論も浮上しそうだ。(産経新聞) - 8月21日2時47分更新


◆記事2:米首都に10万人超 イラク駐留反対訴え

 

 【ワシントン=有元隆志】米軍のイラク駐留に反対する十万人規模のデモと集会が二十四日、ワシントンで行われた。

 二〇〇三年三月のイラク戦争開戦後、首都での反戦デモとしては最大規模だ。

 ただ、イラクでは新憲法承認のための国民投票など重要な政治日程を控えており、ブッシュ大統領は米軍の即時撤兵論に強く反論している。

 警察当局は正確なデモ参加者数を確認していないが、米ワシントン・ポスト紙(電子版)は参加者を「十五万人以上」と伝えた。

 デモ主催者が当初予想された十万人を超えたことで、米国内で反戦機運が高まっていることを示すものとしている。ロンドンでも同日、一万人が参加して、イラクからの英軍撤退を求めた。

 米国でのデモには、イラクで息子が戦死し、八月にブッシュ大統領が休暇を過ごすテキサス州クロフォードで抗議活動を展開したシンディ・シーハンさんも参加。

 シーハンさんはホワイトハウス南側の広場で開かれた集会で、「この戦争を終わらせるためには人々の行動が必要」と訴えた。

 イラクでの米兵の死者はこれまで千九百人を超えている。現在約十四万七千人が駐留しているが、十月に行われる新憲法承認のための国民投票、十二月の総選挙に向けて、武装勢力の攻撃は激しさを増している。
 今回のようなデモが行われる要因のひとつとして、いつまで駐留を続けるのか期限が明確でないなか、米軍の戦死者が増え続けていることがあり、

 大統領の支持率も低下している。(産経新聞) - 9月26日2時36分更新


◆コメント:G4(日本、ドイツ、インド、ブラジル)の常任理事国には米中が共闘を組んで反対していた。

 

 記事1のニュースが流れたのは、もう一ヶ月以上前なので、今更の感はあるけれども、

 何せ、衆議院が解散されて13日後、マスコミ報道は選挙一色で、このニュースは埋没してしまった感があるので、取り上げる。

 よく読んで下さい。

 日本は、安保理改革と称して、ドイツ、インド、ブラジルと協力して国連安全保障理事会入りを目指していたが、反対が強く、

 採決に持ち込んでも無駄だろうということで断念した。反対したのは中国と米国である。

 中国は腹立たしいが、意外ではない。

 発展途上国の中国は常任理事国ぐらいしか、日本に優越感をかろうじて覚えることが出来る要素がない。

 日本に入られたら、アジア唯一の常任理事国だ、と威張れなくなる。このため、中国はムキになってアフリカ諸国に対してまで反日キャンペーンを繰り広げた。

 しかし、問題は、米国である。「この裏切り者」と言いたい。

 反対の理由は色々と述べているが要するに後付け理由である。

 米国の本音は、日本が常任理事国という国連の最高機関に入り、対等の立場になることは面白くないということである。はっきり言えばレイシズム。

 彼らにとって、日本はあくまで「子分」である。外交儀礼上は対等のようなフリをしているが、彼らの意識においては違うのである。



 日本は国連分担金の世界最大の拠出国であるばかりでなく、私はいまだに反対だが、アメリカの要求に応じて、イラクに自衛隊を派遣し、

 アメリカの要求に応じてイラク復興資金を50億ドル拠出すると約束した。

 当時の川口外相は役目が果たせたとか何とかバカなことをいっていた。


◆小泉首相は米国に見捨てられつつあるのかも知れぬ。

 

 小泉首相は衆議院の3分の2を獲得して、「権力という麻薬にとりつかれている」(中曽根元首相)ようだが、それも、アメリカのバックアップがあってこそ、なのだ。

 ブッシュ自身は、はじめから、ホワイトハウスで小泉首相を「小泉軍曹」と呼んで、バカにしている。

 まさか、と思われる方は、第38回 海外メディアが伝えた小泉・郵政解散劇の評判 - nikkeibp.jp - 立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」の3ページ目を読んでご覧なさい。

 少々、引用させていただくと、
 


 もう30年ほど前になるが(大平内閣の頃だったと記憶する)、あるとき、日本のトップ官僚の最右翼的立場にある人と、くだけた懇談をする場に居合わせたことがある。

 はじめその人は、私が「角栄研究」の筆者と知って警戒心をもって私に接していたが、座がかなりくだけてきたところで、いきなり、私に向き直って、

 「立花さん、あなたは、日本の政治(政策)を動かしているパワーの中で最大のものは何だと思いますか?」と正面きった質問をぶつけてきた。

 私は自民党の大派閥のボスたち、財界、圧力団体、イデオロギー的指導者、大マスコミなど、一般にその問いに対する答えと考えられているものをいろいろならべたが、

 彼はニコニコしながら、その答えのすべてに頭をふり、その後で、スパッと、

「アメリカの意志ですよ」といった。

 残念ながら、わが国はこういう国なのである。

 話が逸れるが、だからこそ、9月23日に書いたが、後藤田さんが中曽根内閣の官房長官だったときに、

 アメリカが要求してきた、ペルシャ湾への掃海艇派遣を「絶対だめだ」といって、中曽根首相を説得したのは立派なのだ。下手をすれば命の危険があったからである。



 話を戻す。小泉はブッシュに支えられている。

 ブッシュと小泉が友好関係にあるなどというのは、戯言である。

 アメリカの報道官は「小泉首相はアメリカにとって折り紙付きの友人である」と美辞麗句を並べているが、

 それなら、何故、G4のうち、せめて日本は常任理事国入りさせろ、と中国に言わなかったか?

 繰り返すが、アメリカは中国と協力して、日本の常任理事国入りに反対したのだ。

 ところが、ざまあみろ。当の「親分」はアメリカ国内での支持率を急速に失いつつある。

、最近ハリケーンの対応が遅かったことで、国内から猛烈な非難を受けている上に、

 記事2にあるとおり、イラク戦争の遷延化に伴い、つい、2日前、ワシントンに何と10万人を超える米国市民が結集して、

 「イラク駐留反対デモ」が行われた(先日、イラク戦争開始以来米国兵士の死者数が1,900人を超えた、というニュースも引き金になったのであろう)。

 近年にない、大規模デモである。

 ブッシュは相当やばい。ということは・・・。


◆ブッシュが「日本どころじゃない」、と見限ったら、小泉政権は意外と脆いだろう。

 

 小泉首相は、衆院選で盤石の基盤を築いた、と大いばりだが、忘れてはいけない。政界は一寸先は闇である。

 国政選挙は当分無いけれども、今回の選挙で、小泉首相はもの凄い恨みを買っている事を忘れてはならない。

 いつ、マグマのように地中で渦巻いている怨念が結束して反撃に出るか分からぬ。

 そのとき、ブッシュの援護射撃を得られなかったら、小泉純一郎氏はどうなるか、分かったものではない。


◆憲法改正に関して:これだけ、便宜を図った日本の常任理事国入りを、米国は反対した。それでも信用するのか。

 

 なにやら憲法第9条を改悪して、集団的自衛権の行使を可能にするべきだという御仁が多いが、

 この場合の集団的自衛権は、言うまでもなく、米国を同盟国として認識している。

 一体どこまで人がいいのか。

 三たび繰り返すが、これほどアメリカに便宜を図った日本の常任理事国入りをアメリカは反対したのですよ?
 その程度にしか我々を見なしていない国なのだ。

 それでも、集団的自衛権の行使可能にして、アメリカに滅私奉公していれば、有事の際に米国が本気で日本を守ると思っているのか。

 第一、米国は、年がら年中戦争している。

 日本の集団的自衛権行使を認めたら、日本は極端な話、世界中へ飛んでいって、米国の「お手伝い」をして武力を行使することになる。

 憲法改正はアメリカの圧力によるものだ。これでも、憲法第9条を改正するのか。


【追記】

  この種のテーマを取り上げると、メールやブログのコメント欄にしばしば反論があるが、

  その殆どの場合、「個別的自衛権」と「集団的自衛権」の区別すら分かっていない。

  ENPITUのindexでは、全文検索があるから、そこで、「集団的自衛権」(ついでに個別的自衛権)と入力して

  検索してください。両者の違いは過去、何度も説明している。

  私は、日本国民の「平和的生存権」を確保するための個別的自衛権を否定したことはない。ところが大抵のひとは集団的自衛権との差異を認識していない。

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後藤田氏について、書き足りないので、また書く。

◆Yahoo!検索ランキング4位に「後藤田正晴」

 

 私は、一種の情報収集活動を生業(なりわい)としている。

 というと、何か諜報機関か公安か、と思われそうだが、それは言えません。

 そうかもしれないし、そうでないかも知れない。

 それはどうでもいい。

 いずれにせよ、情報収集といっても、なにもスパイ映画のようなことをするのではない。

 どこの国の情報機関も同じだが、情報源は殆どが、オープン・インフォメーション、つまり、誰でも手に入れることが出来る、一般に公開された情報なのだ。

 ただ、商売だから、普通の人が無視してしまうような記事から、貴重なヒントを得たり、新聞だったら記事よりも写真の方が雄弁に事実を物語っていることもある。

 目の付け所が違う。別の云い方をすれば、独特の「嗅覚」が求められる。



 それはともかく、何を書きたいかというと、私が今日驚いたのは、Yahoo!検索ランキングをチェックしていたところ、

 確か、午前11時30分頃だったと思うが、検索キーワードの4位が「後藤田」になっていたことである。失礼ながら、長老政治家が亡くなっても検索上位に来たことは、ほとんど無いのである。

 人々の関心の高さを、端的に表している。


◆「これほど惜しまれた死は珍しい」(岩見隆夫氏 毎日新聞特別顧問)

 

 岩見氏はよくテレビに出ているからご存じの方も多いと思う。

 失礼ながら一見、クセのある人物に見えるけれども、主張は非常にバランスが取れていて、合理的だ。

 毎日新聞に毎週土曜、岩見隆夫の「近聞遠見」というコラムを書いている。

 同時に、日曜の朝6時からTBSで放送される(従って、あまり見ている人はいない)時事放談という番組に出ているので、

 後藤田さんと一緒に出演した事がたびたびあった。

 というか、旧知の仲なのだ。現場の政治記者だったころから、現役バリバリの後藤田さんをよく知っている。

 岩見氏が最新号で、「これほど惜しまれた死も珍しい」と書いている。同感である。

 ネット検索を観察し、或いはブログで、後藤田正晴氏逝去を真面目に取り上げているエントリーが多いのを見ると、それは、本当であることがよく分かる。

 信じられなかったら、ココログのホームページの右側にココログ全文検索の欄があるから、

「後藤田正晴」と入れてサーチしてご覧なさい。あまりにも沢山のブログがヒットすることに驚くだろう。


◆後藤田さんに関して、非常に詳細かつ簡潔にまとめた方がおられる。

 

 このサイトは大変にありがたい。

 http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/3429/ijin/gotouda.htmlである。

 後藤田さんに関する、極めて詳細かつ簡潔な資料である。


◆後藤田さんの最後の言葉は、「時事放談」8月21日放送分にもかなり詳しく載っている。

 

 私は、9月23日に後藤田さんの言葉を引用したが、それは、この時事放談の発言から抜粋したのである。

 迂闊だったが、時事放談のWebサイトには、過去の出演者達の発言の要旨が記録されている。

 後藤田さんの最期の出演での発言は8月21日分に記録されている。

長くなるが引用する。
 

 ― 今回の解散は?

後藤田 :「僕は無理があったんではないかと思いますね。参議院で法律案が否決になったんですよね、

その時に重要な法案であれば、院内の手続きとして両院協議会でどう扱うかを決めてそして場合によれば衆議院で再審議という事ですね。

だけどもあの状況じゃ時間的にも、また票数も否決になる事は確実ですよね。

しかし、やはり民主主義というのは手続きが一番大事なんですよね。ならば、院内の手続きを踏んだ上で解散というのが当然ではないのかな。私は手続きが粗雑すぎるのではないかと思うんですよね。

それから、もう一点はやはりこの法律案が否決だったんですね、ところがその法律案を解散後は郵政法案の闘いの選挙だとおっしゃる。

代議制民主主義というのは憲法改正の様に国民投票にかけるなら、憲法で決まっていますから良いですけどね。

やはり、代議制の場合、立法府で通らなかった法律案を実質的に国民投票にかけるのと同じような手続きになりつつあるんですね。

これは私は代議制の上から見ても少し行きすぎではないのかな。

3番目は、非公認。私は、これは当然だと思います。37名の反対派は…。

しかし、それへの立て方が、少し無理ではないのか強引すぎますよと、見方によれば極悪非道なやり方ではないのか。

国民というのは感情で動くわけですから、あんまり強引な事をやるとしっぺ返しを受けると…。

そこらはやはりお考えにならないかんのではないかなと。

まぁ、こういった事を色々考えましてね、政治は厳しい闘いですから、こういう成り行きもある意味においてはやむおえんなと思いながらも、

もう少し情味のあるやり方というものでやらんといかんのはないかなぁと、こんな気がしますね」

― 政界再編は?

後藤田 :「いや、再編よりも、自由民主党というものは、あまり非情な政治はやってもらいたくない。

それから、民主党に対しては野党第一党というものはどういうものだと、自由民主党とあなたどこが違うんですかと、そこをはっきりしてもらいたい。

あるいは、公明党に対しては、やはり福祉と平和の立党の精神、これをいつまでも守ってもらいたい。

あとは共産党と社民党ですね。共産党はマルクス主義はやめて当面は共産党という党名を改めて日本の政治の中で、

社民党と一緒になって、社会主義的な政党としての柱を一本立ててもらいたいと、こんな気がしますけど…」

― 『官』から『民』へについては

後藤田 :「今の『官』から『民』へという時に、私は是非言いたいのは、一体『官』が担当しなければならない境界点はどこまでで、

それから、利潤というものを美徳としておる『民』が引き受ける事が出来る限界はどこだと。

そこの分界線を明示しないままに、『官』から『民』へ、それは少し乱暴だと…。議論でもう少し定義をしてもらいたいと。

そうでないからこそ、現在イラクで何が起きてますか、軍事会社じゃないですか。

株式会社が大変な高い値段で戦の一部を引き受けてやっている戦いなんて、これは国の役割ですよ。

それが民間会社になっている、こんなべらぼうな話があるわけがない。

しかし、うっかりすると『官』から『民』へと何でも境界なしにいうことは、私は非常に危険性がある。

これはもう少し真剣に分界点を示して、ここまではこれは『民』に任していいではないかと、ここまでか『官』がやらなきゃいけないんだと…」


◆後藤田さんは「これは遺言だ」といっていたそうだ。

 

 岩見隆夫の「近聞遠見」の最新号を読んで、ギョッとした。

 詳細はリンク先(当分無くならないはずだ)をご参照いただきたいが、岩見氏によれば、

 

本番前の打ち合わせで、後藤田は

 「どうしても言っておかなければならないことがあるんだ。これは遺言だからな」 とつぶやいたという。

 スタッフは、おやっ、と思った。ひょっとすると、死期が近いことを予感しているのではないか。

 しかし、いつもどおりに後藤田はしゃきっとしていた。案ずることはあるまい。先日も

 「来年のことはわからんぞ」 と笑っていたぐらいだから。

 番組が始まり、司会者が 「選挙となると、現役のころを思い出して血が騒ぐ?」と問いかけると、後藤田は

 「騒がんさ。よくぞあんな修羅場におったもんだ。ぼくは(旧徳島全県区で)いつも同士打ち、しかも相手は総理大臣(三木武夫)だから」

 と軽く応じた。 しかし、本題に入ると、とたんに熱を帯び、眼光険しく、背筋がぐっと伸びる。

 ということだ。

 そして、その後、先ほど長々と引用した発言が始まるわけである。

 実際の放送ではもっと話しているはずだ。 



 ひょっとしたら、後藤田さんは本当に死期を悟っておられたのかも知れぬ。

 私の愛読するある日記の作者は、「後藤田氏は、第3次小泉内閣が発足する2日前に亡くなられたが、

 これは、後藤田氏が国民に警鐘を鳴らしたのだ。政治家としての「最期のカード」を、これ以上はない、 というタイミングで使われたのだ。

 自分のその思いは殆ど確信に近い」

 と書いておられた。 私は、これには、感銘を受けた。

 こういうことは、理屈ではない。人は自殺なら別だが、この世を去るタイミングを調整出来る者ではない。

 そんなことは、言われずとも承知している。

 しかし、後藤田さんのすさまじい、民主主義と平和への執念を思うと、この日記作者は、真理を洞察しているように、私には思えるのだ。

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2005.09.26

ショパンのワルツとか、どうですか?

◆ショパン・コンクールってのが、ついに始まりました。

 

 一昨日からワルシャワでは5年に一度のショパンコンクールが始まってます。

 とにかく、世界一権威のあるピアノ・コンクールです。

 「クラシック」、「権威」と聴いただけで、反感を覚える人もいるでしょうね。 まあ、そう、ムキになりなさんな。

 ここでいう「権威」とは、「評価が正しい」ということなのです。

 上手いピアニストは若い人でも沢山いますよ。そりゃもう、並のピアニストだって、子供の頃は神童と言われていたのだから。

 だから、テクニックなんかはもうできあがっている人ばかりなのですね。そんなのは、最低条件(にもならないかな?)。

 但し、ただ、「上手い」というだけではダメで、将来そのピアニストがどれぐらい伸びるか。

 難しく言うと、どれだけ、この先音楽的に成熟するか、ということを見極めるのは大変難しい。
 はっきり言って、そういう天賦の才があるかどうかは、天賦の才がある人にしか分からんのです。

 ショパンコンクールで優勝した人が、その後全員世界的なピアニストになったわけではないけれど、アシュケナージ、アルゲリッチ、などなど、

 もの凄い大家は、皆、若い頃、ショパンコンクールで優勝したり、2位になっている。

 それだけ審査員の耳が確かだということ。それから、聴衆。これは一般人だけど、彼らの評価が厳しい。これは採点には影響しないけど、

 耳が肥えた客ばかりというのは、弾く人間にとっては怖いよ。

 権威があるというのはそういうことです。


◆ショパンっていうと、ナヨナヨした感じがします?

 

 なんか、病弱で、神経質で、ジョルジュ・サンドに捨てられて非業の死を遂げた「ピアノの詩人」ということになりますね。日本だと。

 まあ、そう言うこともあるけど、彼はピアノ曲しか書かなかった人(厳密に言うと、他にもあるが、要するにピアノだけですよ)だけど、大変な数の作品を遺してますね。

 作曲ってのは、ナヨナヨしてたら出来ないんですよ。

 勿論、インスピレーションっての?創作力という才能は不可欠だけど、それだけじゃ、ダメなのです。

 単純に音符を書く作業だけでも、大変な気力と体力がいりますよ。

 楽譜が読めない人でもショパンの楽譜を一度開いてみるといいですよ。目が回りそうです。


◆ショパンはモノまねが上手かったらしいよ。

 

 これはね。どこで読んだか忘れたけど、友人達の証言が残ってるのです。シューマンとか、リストとかベルリオーズとかのね。

 写真を見ると如何にも、陰気くさいけど、実際のショパンは他人のモノマネがやたら上手くて、

 これら作曲家の友達が集まる場所では、しばしば、「お前、なんかやってみせろよ」と請われ、そうするとすぐにノッて来たらいいですよ。

 バカ受けしたらしい。

 人間の性格、人格ってのは、単純じゃないのですよ。


◆ショパンはね。一度聴いてみてもいいとおもいますよ。おすすめ曲1つめ。

 

 これは、CDで薦めたいのも沢山あるけど、折角、iTunes Music Storeが使えるようになったから、そこから、2曲。いずれも有名なやつ。

 ショパンのピアノ曲といっても、ソナタ、エチュード、プレリュード、ポロネーズ、マズルカ、スケルツォ、ノクターンとかいろんなグループがあるのです。

 で、取っつきやすいのは、ワルツです。子犬のワルツとか、名前ぐらい聴いたことがあるでしょ?

 1曲目。ロマンティックとしか言いようがない。私にはこれを言葉で表現できる才能がないです。

 ただね。私はこれを生まれて初めて聴いたとき、背筋がゾクゾクっとした。こんな美しい曲があるかと思ったね。

 Waltz No. 7 in C Sharp Minor, Op. 64, No. 2 3:20 Vladimir Ashkenazy

 ワルツ第7番、嬰ハ短調、作品64の2って意味です。3分ちょっと。

 今、N響の指揮者になっているアシュケナージが弾いたもの。とにかくね。この人は音が美しい。

 それからルバートが抜群。

 この曲に限らず、ショパンの殆どの曲に言えるけど、ただ弾いてもダメなのです。一定のテンポでずっとこの曲を弾くピアニストがいたら、ぶん殴っていいです。

 ルバート、正しくは、テンポ・ルバートといって、一曲の中でも、その部分に最適なテンポはなにか、というのをそれぞれピアニストが自分で考えて、テンポを変化させて弾くのです。

 それでこそ、ショパンのロマンチシズムが表現できる。 

 どのようなルバートを取るか、によって、そのピアニストの音楽性が出るのです。(ショパン以外の作曲家の作品でも勿論ルバートしますが、ショパン弾きは特にそこで、才能が見えてしまうのです。)

 イン・テンポ(一定のテンポ)でショパンを弾くのは、芝居になぞらえたら、台詞の棒読みと同じ事。問題外。

 アシュケナージは勿論、抜群。

 iTunes Store URLは、Waltz No. 7 in C Sharp Minor, Op. 64, No. 2です。


◆2曲目「華麗なる大円舞曲」

 

 これは、どこかで聴いたことがある人多いのではないかな。結婚式とかで弾く人がいるから。

 ただ、素人だと大抵下手だからね。面白くない。

 これは、景気がいいです。「華麗なる大円舞曲」という訳は、誰がやったのかしらないけど、ぴったりです。

 これの聞き所。細かい、マニアックな話なんで余り気にしなくていいです。

 言葉で表現するのは難しいが、途中、同じ音を6回連打する音型が何度も出てくるのです。

 プロなら出来て当たり前だけど、普通の人がこの曲を練習すると、ここが、かなり難しい。

 同じ指で6回叩くのではないのです。それじゃ、このテンポでは、無理。

 ピアノでは親指から小指に番号が振ってあって、右手なら親指が1,小指が5ということになってます。

 それで、楽譜を見ると、この6回同じ音が続くところでは、同じ鍵盤を指を変えて3,2,1,3,2,1とやるのです。

 中指、人差し指、親指を素早く入れ替えて同じ鍵盤を叩く。かなり練習しないと、音の粒が揃わない。

 音の間隔が違ったり、強さが均等にならなかったりするわけです。

 まあ、アシュケナージは天才だからね。そうことで余り苦労しなかったと思うけど。

 聴いている分には、別に難しくなさそうな箇所が、演奏する側にとっては意外に難しいことがありますよ。という例です。

 iTunes Store URLは、Waltz No. 1 in E Flat, Op. 18 "Grande Valse Brillante"Vladimir Ashkenazyです。

 いずれもご存じ、150円。 まあ、300円ぐらいならいいでしょ? 騙されたと思って聴いてみてください。

 

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2005.09.25

郵貯・簡保は民営化か廃止 前原氏、対案に明記方針←よく考えた方がいい。

◆記事:郵貯・簡保は民営化か廃止 前原氏、対案に明記方針

 

 民主党の前原誠司代表は24日午前、政府の郵政民営化関連法案の対案として提出する同党の独自法案に、

 郵便貯金・簡易保険の将来的な民営化または廃止を明記する方針を明らかにした。

 前原氏は「民営化もしくは廃止という形で明記してもらおうと思っている。

 民営化と廃止の両方を書いたらいい。(民営化と廃止に)あまり大きな違いはない」と述べた。大阪市で記者団の質問に答えた。

 同党の衆院選マニフェスト(政権公約)は、郵便貯金と簡易保険の規模縮小を盛り込んだが、

 経営形態については「政府系金融機関との統合も含め、あらゆる選択肢が可能」とするにとどまっていた。(共同通信) - 9月24日11時2分更新


◆コメント:郵政民営化について(だけではないが)の、非常に貴重な情報源がありました。

 

 知っている人はとっくに知っておられるだろうが、私は、恥ずかしながら最近になって、初めてその存在を知った。

 ビデオニュース・ドットコムという、日本で初めてかつ唯一のニュース専門のインターネット放送局である。

 同社の「サイト説明」の一部を引用させていただくと、
 

【ビデオニュース・ドットコムとは】

 ビデオニュース・ドットコムは、日本人ビデオビデオジャーナリストの草分けとしてテレビ朝日ニュースステーションやTBSニュース23などで精力的なジャーナリスト活動を行ってきた神保哲生(じんぼうてつお)が、「日本にも広告に依存しない独立系の民間放送局が必要」との考えのもとで1999年11月に立ち上げた日本初のニュース専門のインターネット放送局です。

 【広告に依存しない報道を目指して】

「報道本来の役割を全うするためには、広告に依存しない収益構造が必要となるが、そのためには、多くの視聴者の方々に浅く広くサポートしていただくシステムを作る必要がある」との認識に基づき、ビデオニュース・ドットコムは2001年より有料会員制を採用。一部のプレミアムコンテンツをご視聴いただくためには、1ヶ月525円(税込み)の会員登録が必要となります。

 視聴者の方々に毎月の会費をご負担いただくことで、スポンサー圧力を受けない良質な報道を目指します。

 というわけで、なによりも、広告(CM)に依存しないというのは大変に勇気のある行動であり、画期的なシステムである。

 選挙戦の最中も、全国紙、テレビは、郵政民営化の本質的な問題を取り上げず、自民党優勢の世論調査を繰り返し発表していた。あれを見る度に、

 マスコミは国家権力の広報機関に成り下がってしまったかと思われた。

 そして、最早この国では、真実を知ることは不可能なのかと思っていたら、幸運にも教えてくださる方がいて、ビデオニュース・ドットコムを知った。

 選挙前、もう少し早く発見して、ここでも紹介したかった。悔しい。

 このインターネット放送局は本当に大事な情報は無料で配信している。


◆荒井広幸参議院議員の説明を、とにかく聴いてみるべきだ。

 

 その、無料配信されているビデオ(オン・デマンド)の一つに、一貫して郵政民営化に反対して、小泉首相に睨まれ、

 一回衆議院で落選して参議院で復活した、あの荒井広幸氏に、神保哲生氏が長時間に亘ってインタビューしているものがある。

 荒井広幸氏は、衆議院で郵政民営化反対から賛成に寝返った、あの有権者への裏切り者たちと比較するのが失礼なぐらい、

 徹頭徹尾、民営化反対論者で、どんな迫害を受けようがその持論を曲げないのは、立派だと思う。

 勿論、荒井氏は、単なる総理への反発心で反対、などという幼稚なレベルではない。

 長年、各国の郵便事情、郵政民営化した国のその後の状況などに関してよく勉強し、通暁している。

 情報、統計に裏付けられた荒井氏の論理は、極めて妥当である。


◆小泉首相は、郵政民営化の問題点を理解していない、と思われる。
 

 荒井議員は、今回、選挙前に、小泉首相に会って議論したい、と申し込んだが、何度頼んでも断られたそうだ。

 そうだろうと思う。小泉首相の民営化法案は、素人の私が考えても、問題があると思われた。
 そのことは、郵政民営化の詭弁を検証する。(衆院選前解説シリーズ1)
 郵政民営化、小泉首相に関する素朴な疑問など、何回か書いたが、

 荒井氏の説明を聞いて、私の考えていたことが、それほど見当違いではないことが分かった。

 小泉首相が何故荒井氏との議論を拒んだのは何故かと言えば、 議論に勝てるだけの自信が無い、というのが本当のところだろう。

 首相が、選挙期間中、「劇場型選挙演説」に徹したのは、その方が大衆に受け入れられやすい、という理由もあるが、

 小泉首相自身、恐らく、郵政民営化の全体像、将来に及ぼす影響が良く分かっておらず、論理的な説明が出来なかったからだろうと思われる。


◆前原代表は、よく考えて発言しないと恥をかくぞ。

 

 前原代表は「防衛・安全保障オタク」で、民主党内部でも「得意分野が偏りすぎているのでは」と危惧する声があると聞く。

 どうやら、それは、本当らしい。「とにかく自民党に対抗しよう」と、拙速な結論を出すべきではない。 恥をかくぞ。



 簡保は誰でも加入できる唯一の保険である。

 最近、コマーシャルや新聞広告で、外資系生保がやたらと好条件の商品を掲載している。

 ところが、世の常で、うまい話にはウラがある。

 読者諸氏は、この次に新聞で、生保の広告、それも非常に「美味しい」ことばかりを強調している広告を見かけたら、

 紙面の一番下の隅に書かれている「但し書き」をよく読まれると良い。

 「職業によっては、加入出来ない場合がある」という意味のことが書いてある。

 民間会社にしたら、どうしてもそうなる。民間企業は株主の利益を優先しなければならないから、必然的に、そうなる。

 前原代表は、郵貯・簡保は民営化又は廃止といっているが、そんなことをしたら、国民なら誰でも入れる保険が 無くなってしまうではないか。

 それでも、民営化、若しくは廃止する合理性があるのか?民営化と廃止が同じようなことだ、というのも乱暴な議論だ。


◆何はともあれ、一度聴いてみてください。

 

 少々長いけれども、郵政民営化法案の全貌が良く分からないが、何となく賛成、という人には特に勧めたい。

 「私が郵政民営化に反対する本当の理由が上から4番目にある。

 これを聴くと、これほど重要な問題点を、国民に正しく、分かりやすく提示しなかった、大新聞やテレビ各局が、如何に怠慢であったか、良く分かる。

 ビデオニュース・ドットコムは貴重なメディアだ。

 一ヶ月525円ぐらい払う価値は十分にある。日経4日分(560円)より安いのだから。

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2005.09.24

<納税者情報盗難>47万人分保存のPC2台 東京国税局 責任者は財務相ですよね?

◆記事:<納税者情報盗難>47万人分保存のPC2台 東京国税局

 

 東京国税局は16日、局内で保管していたノート型パソコン2台が盗まれた可能性が高いと発表した。

 1台には納税者約47万人分の個人情報が保存されていたおそれもあるが、データ流出は確認できていないという。

 同国税局は15日に、窃盗容疑で警視庁丸の内署に被害届を提出した。



 同国税局によると、パソコンは徴収部と課税2部からそれぞれ1台ずつ紛失。

 課税2部のパソコンにはデータは入っていなかったが、徴収部のパソコンには、収入1000万円以上の個人事業者の氏名、住所、

 電話番号、生年月日などの個人情報が入っていた可能性があるという。

 作業終了後に消去する取り決めだったが、消去されたかは確認されていない。 

 パソコンはパスワードを入力しないと起動しないうえ、データは暗号化されているため、同国税局はデータ流出の可能性は低いとみている。

 同国税局は「国民の皆様方の信頼を損なうもので誠に申し訳なく、深くおわびします」とコメントを出した。

問い合わせは、同国税局徴収部管理課(03―3216―6855)まで。(毎日新聞) - 9月16日21時15分更新


◆コメント:マスコミは、「マドンナ議員」(下らん!)や、あのバカなガキのことなど、取材している場合ではない。

 

 冒頭に引用したニュースは、知らない人が多いのではないか。

 16日はまだ国会が始まっていなかったのに、テレビ局は当選した「マドンナ議員」(料理研究家に天下国家が論じられるのか?)を追いかけ、

 自民比例35位で代議士になってしまった、あまりの程度の低さにこちらの気が遠くなりそうな、頭の悪いガキ(流石の武部も頭が痛いらしい。

 何せ、この坊やは、自分の両親について話すとき、「おとうさんとおかあさんが、~と、おっしゃっていました」という日本語を用いる、

 正真正銘、超弩級のバカである)をおもしろがって取材している場合ではない。

 この男の子は、 「グリーン車、乗り放題!」などとはしゃぐので、武部から「お前は口を利くな」といわれているらしい。



 こいつの歳費も我々の税金から出るのですね。

 国民が一生懸命に働いて納めた税金がこいつの給料になるのですな。なるほどね。


◆国税庁が個人情報を盗まれた?個人情報保護法を作ったのは、国ですよね?

 

 47万人分の個人情報が保存されていた、国税庁のPCが盗まれたらしい。ですって???

 盗まれた可能性が高い?断言できないのですね?

 つまり、本当は単に無くしたのかも知れないわけだ。

 例えば、国税局の役人がパソコンを持ち出し、帰宅途中に飲んで酔っぱらって、どこかに置き忘れた可能性もあるのだ。

 それでは、あまりにもひどい失態で、役所として国民に示しがつかないので、盗まれた可能性がある、などと曖昧なことを言っているのかも知れぬ。

 十分あり得る。

 推測でものを言ってはいけないのが原則だが、昨年は金融庁が個人情報の入ったフロッピーディスクを、僅か半年の間に2回も紛失しているのだから、

 役所仕事のいい加減さが疑われても仕方がない。



 国税局つまり国税庁は、財務省の外局だ。

 無くしたにせよ、盗まれたにせよ、管理不行き届きである。

 直接の責任者である国税庁長官はもとより、本局たる財務省の責任者、谷垣財務相の責任について、何故マスコミは触れないのだ。

 谷垣 禎一 (たにがきさだかず)財務相は、何食わぬ顔で第3次小泉内閣に入閣したが、無責任ではないか。

 勿論、小泉首相は何も知らないか、知らないフリをしているが、知らないでは済まされない。

 こういう日々の細かい仕事を杜撰にしておいて、「構造改革」など、出来るわけがない。



 個人情報保護法をわざわざ作り、今年の4月から施行して、民間企業その他に対して個人情報が洩れないよう、

 きちんと管理せよといっているのは、他ならぬ日本政府なのだ。

 その国の役所が、よりによって42万人もの個人情報を紛失しながら、責任の所在を明確にせず誤魔化しておいて、

 民間に偉そうに監督・指示できるというのか?


◆コメント2:粉飾決算問題。カネボウと監査法人で思い出したが・・・。

 

 民間企業のモラルも低下している。

 事もあろうに、東証一部上場企業であったカネボウは、実際には利益が出ていないのに、出ているように記した虚偽の有価証券報告書を作成していた。

 証券取引法では、上場会社は内閣総理大臣に財務諸表を提出しなければならず、その財務諸表は公認会計士又は監査法人(同じ事。公認会計士を大勢雇って、

 会社の財務諸表の点検を商売にしている会社を「監査法人」というのだ)の監査証明を受けなければならないとされている。



 これは、勿論、株式市場に流通する会社が、上場基準を満たす財務状態にあることを確実にするためである。

 儲けが出ていなかったり、大きな負債を抱えていて、もしかしたら潰れるかも知れないような会社の株が証券取引所で取引されていたら、

 投資家が大損害を受け、証券市場に混乱を招くからである。



 ところが、カネボウと監査法人はグルになって、嘘の財務諸表(正確には財務諸表は商法の用語、同じ物を証券取引法では有価証券報告書というのだ)

 を作っていたというとんでもない事態が発覚して大騒ぎなのだ。


◆粉飾決算といえば、昨年、西武鉄道が問題となったが、自民党はこの会社から献金を受けている。

 

 実は、ご承知のとおり、同様の大事件は既に昨年、西武鉄道グループで発覚していた。

 同社は数十年にわたり、虚偽の表示をした有価証券報告書を内閣総理大臣に提出していた。

 つまり、本来、証券取引所で取引されてはいけない株式が長い間、公然と売買されていて、国もそれに気づかず(或いはそのフリをして)放置していた。

 これを重大視した、民主党の岩國哲人衆議院議員は、昨年10月から、衆議院予算委員会、財務金融委員会で本件につき追及した。詳しくは氏のホームページ、

 「ツツミ隠して五十年」(2005年3月7日付)を参照されたい。

 同議員によると、「与党・自民党の答弁では、過去10年間に政治資金収支報告書に記載された、西武鉄道・コクドグループから受け取った政治献金は一億円だ」という。



 政治資金収支報告書はだれの監査も受けないから、10年間で1億円が本当かどうか、誰も分からない。

 小泉純一郎内閣総理大臣ですら、これ以外受け取っていない、と断言できない。 限りなく黒に近いグレーの臭いがする。 がそれはともかく、

 自民党は、違法に上場し、経営者が逮捕までされている会社から、少なくとも1億円の政治献金を受け取っていたことが判明したのである。

 岩國議員はこの政治献金は返金するべきだと、予算委員会などで主張している。

 私は極めてまっとうな論理であると思うが、自民党が今日に至るまで、西武鉄道に1億円返金したという話は報ぜられていない。

 そのことを指摘、批判する新聞の論説も無い。

 そもそも、東京証券取引所に上場されている他の企業の中にまだ他にも虚偽記載をしている会社はないのか?

 金融庁は、西武鉄道の問題が発覚してから(この発覚の過程もはっきりしないのだ)、50日も経って、やっと全上場企業に、

 「有価証券報告書の自主点検」を指示した。自主点検である。もしも、長いことインチキをしてきた会社があったとしたら、

 ここで、突如、白状するわけがない。

 このような、いい加減なことがまかり通っているのが、今の日本である。


 ◆追加:記事:民主・山田衆院議員、2支部に制限額超える寄付金

 

 民主党の山田正彦・衆院議員(63)(比例九州ブロック)が2003年、旧自由党と民主党の二つの政党支部に対し、

 政治資金規正法の制限(2000万円)を超える計2425万円の寄付をしていたことが24日わかった。

 山田氏によると、旧自由党に所属していた03年1月から8月にかけて、「自由党長崎県第3総支部」に11回、計1815万円を寄付。

 民主党と合併後は、「民主党長崎県第3区総支部」に同年11月から12月にかけて4回、計610万円を寄付した。(読売新聞) - 9月24日12時47分更新


 ◆コメント:480人全員調べたら如何でしょう?
  

 これは、寄付を受け取ったのではなくて、政党支部に制限金額を超える寄付金を支払った、ということですね。

 とはいえ、勿論法律の規定に違反していることに間違いない。

 この種の記事では珍しくないことだが、事実がどのような経緯で発覚したのかに関して全く書かれていない、のが奇妙なことである。

 今回の衆議院議員選挙では定足数ぴったり、480人が選出されたわけだが、全員の政治資金収支を点検してみてはどうだろうか。

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2005.09.23

「後藤田正晴元官房長官死去」 一貫して論理的な主張を持っていた政治家だった。

◆記事:後藤田元副総理が死去、91歳=カミソリの異名、護憲派の論客

 

抜群の情報収集力と的確な判断力から「カミソリ」の異名で知られた後藤田正晴(ごとうだ・まさはる)元副総理が19日午後8時53分、肺炎のため都内の順天堂大病院で死去した。91歳だった。

 徳島県出身。密葬は親族のみで執り行われた。「お別れの会」を東京、徳島で行うが日取りなどは未定。喪主は妻松子(まつこ)さん。(時事通信) - 9月21日15時1分更新


◆コメント:つい最近まで、健在だったのに。残念。

 

 何故、残念かというと、正論を述べる人だったからだ。

 後藤田さんは東大法学部から「内務省」という警察・地方行政・選挙などを統括する戦前の役所に入った。

 内務省は1947年に廃止になったけれども、その後、警察庁長官まで上り詰めたエリート役人だ。

 新聞を読むと「カミソリ」の異名を持っていたと必ず書いてあるが、それは、今の誰かさんみたいに、自分に反対する人間をばっさり切り捨てるということではなくて、

 カミソリのように鋭い頭脳、明晰な判断力を持って、はっきりと「言うべき事」を言う人だった、という意味だ。
 
 後藤田さんが偉かったのは、私欲に固執しなかったことだろう。

 そりゃ、人間だから多少の権力欲などあったかも知れないし、

 政治家だから汚い手を使ったことも有るかも知れない(←本当は亡くなったばかりの故人にこういう事を言ってはいけません)が、

 総理に、という声もあったのに辞退した。晩年は「いつまでも現役にいるべきではない」と言って、まだ元気だったが引退した。

 そう言うところを私は「私欲がない」と言っているのである。

 そして、もう一つ、大事なこと。

 後藤田さんは、思想が一貫していた。

 私は覚えている。

 後藤田さんが、第一次中曽根内閣の官房長官の時に、ペルシャ湾に自衛隊の掃海艇(機雷を取り除く為の船舶)を出せというアメリカの強い要求があった。

 ところが、後藤田さんは、「絶対にいけない」とテコでも譲らなかった。「これを認めるなら自分は官房長官を辞める」といってまで、中曽根氏を説得し結局止めさせたのだ。

  それまで、私は、「後藤田さんて、何だかいろいろ権謀術数を駆使して権力をほしいままにしているのだろうな。頭いいからな」

 と、失礼ながら、色眼鏡で氏を見ていたのだが、この時は驚き、感心した。

 今、そんなことを総理大臣に言える人がいますか? 郵政反対派があっという間に賛成派になる世の中だ。



 後藤田さんは、自民党だけど、徹底的に護憲派。別に左とか右とか関係が無い。

 回想録を読むと、その主張の根拠は常に変らない。

 「自分自身が戦争に行っているから、その時の経験から分かるが、軍隊というのは、必ずエスカレートして、行き過ぎた行動を取るものだ」、ということと、 

日本はアメリカのいいなりになりすぎだ」、

 という2点に集約されるのだ。 この思想は不変だった。

 だから、小泉首相がイラクに自衛隊を派遣したことを終始批判していた。

「イラクへの自衛隊派遣は間違っている。小泉は戦争を知らない」って言っていましたよ。

 官房長官の時から、変っていない。一貫している。

 主張を変えないのは、それなりの思想があるからで、本来、そういう人でなければ、政治家になってもらっては困る。

 郵政民営化に反対していたのに、小泉首相から公認を外されたらあっさり寝返って、郵政民営化賛成に票を投ずる代議士なんて信用できない。

 ここで反論があるだろう。

 一貫していると言えば小泉首相も「郵政民営化が一番大事だ」と言い続けている点において、一貫しているではないか、と。

 確かに。

 しかし、間違った方向に一貫していても仕方がない。

 小泉首相の主張には論理性がない。何故郵政民営化が一番大事なことなのか。ついに、最後まで論理的な説明がなかった。

 「これが行政改革の始まりなんです」

 何故?郵政を変えても、国の政治が全て良くなるわけがない、ということぐらい中学生でもわかるであろう。



 後藤田さんが亡くなって、氏の発言を改めて読み返してみた。

 そこには、やはり論理性・合理性がある。同じ「一貫性」の持ち主でもここが大きな違いだ。

 何しろつい先日まで、健在だったのだから、8月8日に郵政民営化法案が参議院で否決されて、小泉首相が衆議院を解散したときも、見ていたのである。

 そして、こういう言葉を残している。

 

「代議制民主主義だよ、日本は。立法府で通らなかった法律案を、(衆院解散によって)実質的に国民投票に掛けるのと同じような手続きになりつつあるのは、代議制の上からみて、行きすぎではないか。憲法改正のように、国民投票の手続きが憲法で決まっているならよいのだけどね」(8月21日の民放テレビで)

 91歳である。本来、もうどうでも良い、と知らんふりをしていてもいいのに、最後まで「論理」を貫かれた。これは、立派だ。

 小泉総理は後藤田さんのこの最後の言葉をもう一度よく読んで頂きたい。

 後藤田正晴氏のご冥福を祈る。

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2005.09.21

特別国会で共謀罪成立期す 反対論依然根強く ←犯罪を計画(冗談でも)しただけで、逮捕されるのです。

◆特別国会で「共謀罪」成立期す 反対論依然根強く

 

 政府、与党は重大犯罪について、実行されなくても謀議に加わるだけで処罰可能とする「共謀罪」を盛り込んだ組織犯罪処罰法などの改正案を21日召集の特別国会にあらためて提出、成立を期す。

 改正案は2003年の通常国会に提出されたが、野党や市民団体が「共謀罪の要件が分かりにくく、適用対象が犯罪集団に限定される保証はない」と強く反発。

 継続審議や廃案を繰り返し、今年6月に衆院法務委員会でようやく審議入りしたものの、衆院解散に伴い、廃案となった。

 特別国会には、同じ内容の法案が提出されるが、反対意見は依然根強く、与党側からも「国民の理解を深めるため時間をかけるべきだ」との指摘がある。

 ただ与党が衆院定数の3分の2を上回る議席を得たことで、どのような審議日程を組むかも焦点となる。(共同通信) - 9月17日16時43分更新


◆参考:「共謀罪」とは。

 

 「犯罪の相談(冗談でも)をしただけで、犯罪と見なす」、と言うことです。

 元来は、国連が2000年に採択した、「越境組織犯罪防止条約」の批准の為に必要とされる立法だ、と法務省は言い訳しています。

 つまり、マフィアとか、アルカイーダとか国境を越えて縦横無尽活動する「組織的犯罪集団」による犯罪を未然に防ぐために、

 怪しい奴は見張っておけるような法律(というか、罪名ですね)を作る、という大義名分なのです。

 しかし、恐ろしいことに、法務省案では「国際的・組織的」犯罪ではなくても、「懲役4年以上の刑に相当する犯罪を、団体で遂行することを共謀した者」に適用範囲が広がっているのです。

 懲役4年以上の刑が科せられる構成要件は、500件を遙かに超えます。

 あるサイトの専門家の説明は次のようになっています。

 

新たに導入されようとしている「共謀罪」は、長期四年以上の刑期を定めるあらゆる犯罪(合計では500を超える)について、「団体性」があれば(「二人以上で」と読め!)、犯罪の合意だけで共謀罪が成立するというものだ。 犯罪の「合意」とは二人以上の者が犯罪を行なうことを意思一致することだけであねへそれ以上の行為、たとえば「誰かに電話をかける」「凶器を買う」といった犯罪の準備行為に取りかかることは処罰の要件となっていない。

 共謀罪ができるとどんな事態が起こるのだろうか。Aと知り合いのBがCをやっつけようと合意したとする。AとBにはこの段階で傷害の共謀罪が成立する。

 Bがこの会話の録音テープを持って警察に出頭すればBは刑を減免され、Aは、何の準備も始めていなくても逮捕され、三年以下の懲役刑に処せられることとなる。

 Aがこの会話は単なる冗談であったと主張しても、Bが検察宮側の証人として法廷に出廷して、「Aは真剣でした」と証言すればおそらくその主張は認められないだろう。

 このように、共謀罪のもとでは、」犯罪はなにか他人の利益を現実に侵害することというよりも、人が「悪い意思」を持つことそのものが犯罪とされてしまうのだ。

◆コメント:与党が3分の2ですから審議無しに可決可能です。恐ろしい世の中です。

 

 巨大与党が誕生し、衆議院定数の3分の2を超えたということは、何でも出来てしまうと言うことです。

 気にくわない議員を辞めさせることすら、首相の胸三寸で決まってしまう。

 それはとにかく、この共謀罪が成立したら、引用した弁護士の方の説明にもあるようにうっかり冗談も言えませんよ。

 そして、お分かりと思いますが、犯罪の準備をしなくても、つまり物的証拠が何ら無い段階でも犯罪行為を共同して行おうという会話が、それ自体、犯罪になる。

 これは、必然的に国民が至るところで盗聴されることを意味します。

 国家は恐ろしいことを考えますね。でも、現実にこの法案が審議されるのです。

 正確には、くどいようですが(記事にもあるとおり)、衆議院定数の3分の2を超える議席を与党が獲得していますので、

 全然討論しないで、いきなり採決しても、今の自民党なら、小泉氏に誰も逆らえないので、あっと言う間に決まってしまいますね。

 そういう状態なのです。日本は。

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「廃止の流れ変わりない サラリーマン定率減税で財務相」←ところが法人税減税はそのまま。

◆記事1:廃止の流れ変わりない 定率減税で財務相

 

 谷垣禎一財務相は20日の記者会見で、2007年にも全廃の方向となっている所得税と住民税の定率減税について「昨年に半分の廃止を決めたが、そういった流れは変わっていない」と述べ、減税打ち切りが基本路線との認識をあらためて示した。

 景気の現状については「企業業績が好調で、それが家計や消費に広がっていく動きが基本的にある。大局的には緩やかな景気回復が続いている」と述べた。(共同通信) - 9月20日12時38分更新


◆記事2:IT投資促進税制の延長を 経団連が提言

 

 日本経団連(奥田碩会長)は16日、2006年度税制改正について、06年3月に期限切れを迎える、コンピューターのソフトウエアなどの取得価格の10%を法人税額から差し引く「IT投資促進税制」の延長などを求める提言をまとめた。近く、政府・与党に要望する。

 IT投資促進税制は03年度税制改正で導入された3年間の時限措置で、企業のIT投資を対象に税額控除か取得価格の50%の特別償却を認める制度。

 経団連は「日本企業のIT投資の水準は全体としては米国や韓国などに比べ劣っている」として期限延長を求めた。

 同様に06年3月に期限切れを迎える研究開発促進税制の税額控除率の上乗せ措置についても延長を要望している。(共同通信) - 9月16日18時22分更新


◆コメント:既得権益を享受する集団がシフトしただけではないか。

 

 首相は、選挙期間中。「郵便局員は警察官の数よりも多い。一部の人間の特権階級を守るのでは、国民政党とは言えない。」とテレビCMで主張していた。

 郵便局員は確かに公務員だが、郵政公社は独立採算であり、税金は投じられていない。

 ただ、国民にとって、「公務員」という地位が保証された「安定した」職業に対する嫉妬心がある。

 嫉妬心は醜い。ところが、小泉君が威勢良く「これは改革なのだ」と叫んでくれた。

 そのおかげで、「そうだ、改革に賛成するのは良いことなのだ」と、上手く自己欺瞞することが出来た。

 郵便局員は、国民の公務員への鬱憤の体(てい)の良い吐け口になった。

 郵政族も、支持基盤という既得権益を喪失した。


◆公務員の替りに企業経営者が喜んでいる。

 

 経団連の奥田会長は、今回の衆議院選挙に限らず、一民間企業の経営者なのに、以前から、国政に対して公式発言をし過ぎる嫌いがあり、

 一体、何様のつもりだ、と丸の内、霞ヶ関、永田町界隈では噂されていたが、今回の選挙でも、あまりにもはっきりと自民党支持を表明した。

 「やり過ぎ」だというのは、魂胆が見え見えだからである。

 トヨタをはじめ、上場企業の3分の1以上が史上空前の利益を上げているのだ。

 しかし、従業員の所得は、企業収益にスライドして増えていない。

 つまり、会社だけがトクをしている。

 小泉首相は、財政再建に当たって、歳出削減では間に合わない。増税もやむを得ないという。

 私が記憶するところでは、小泉首相は、選挙期間中、しきりに「サラリーマン増税を薦めた税制調査会の答申を無視する」といっていた(9月7日の自民党が勝利すると、こういうことが起きるをご参照下さい)。

 ところが、選挙で自民党が勝利を収めたら、予想通り、手のひらを返したように、記事1の通り定率減税を廃止すると明言している。

 そして、記事2では経団連の奥田会長が、(選挙の時に支持してあげたのだから)法人税減税は来年3月で廃止される予定だが、減税を続けてくれ、とヌケヌケと頼むつもりでいる。

 小泉首相は当然これに応じるだろう。


◆法人税増税、所得税減税維持が本当だろう。

 

 小泉首相は、なんだかんだ云って、儲かっている企業の減税措置は延期して、

 収入が減って困っている(統計によれば昨年から預金の取り崩しが起きている)勤め人から余計税金を取ろうとしている。

 自民党守旧派の既得権益を破壊したといって小泉首相は得意気だ。

 しかし、現実には、郵便局ではなく、事業法人(民間企業)の既得権益を守ろうとしている。

 要するに、対象がシフトしただけだ。

【為参考】法人税率推移
20050921205043

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2005.09.20

iTunes Music Store から おすすめクラシックを選びました。

◆iTune Music Store 日本版のクラシックにもなかなか良いものがあります。

 

 私は、iPodで音楽を聴くつもりは無いのですが、iTuneはプレイヤーとしては便利なので以前からインストールしていました。最近アップグレードしましたね。

 日本では、iTuneはもっぱら、手持ちのCDをiPodで聴けるファイル形式に変換するソフトとしてしか認識されていませんでした。

 しかし、私は以前から気がついていたのですが、少なくともクラシック音楽の分野では、iTune Music Storeには、かなりの名盤(レコードの時代の人間はどうしてもこの言葉を使います)が揃っていたのです。

 けれども、アメリカとヨーロッパのユーザーしか音楽のダウンロード購入が出来なかった。

 これは、やや大げさに言うと、如何にも理不尽だなと、と思っていたのです。
 この度、日本でもストアが使えるようになりました(アメリカやヨーロッパより、ずっと選択肢が少ないのですけどね。クラシックは)。

 これは、なかなか重宝(ちょうほう)です。

 CDならばまるまる一枚買うしかないけれども、ダウンロード購入の良いところは、好きな曲だけ買えるということです。

 あまり、クラシックに馴染みの無い方に薦めるときでも、この曲のこの楽章、150円ですから、騙されたと思って聴いてみてください、といえるのは非常に便利です。


◆天才フルーティストが奏でるバッハを紹介します。

 

 今日は、フランス人とスイス人の両親を持つ、フルーティスト、エマニュエル・パユ(Emmanuel Pahud)、という人が演奏するバッハの、かなり親しみやすい曲を紹介します。

 パユは、1970年生まれ。この人です。

Pahud


 10歳でパリ音楽院を首席で卒業(これがどれほどすごいことかはいずれ書きます)し、有名な先生に習って、

 若干23歳で世界一のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者になります。

 信じられません(尤も彼の師匠のペーター・ルーカス・グラーフという人は、フルトヴェングラーという大指揮者に請われて、19歳でベルリンフィルの首席奏者になったというから、気絶しそうです)。

 ベルリン・フィルなんてものはいくら練習したって、入れないのです。天賦の才が無ければダメです。

 因みに、このベルリン・フィルのメンバー表の左上、

 1.Violinen(第一ヴァイオリン)というところ、上から三行目を見て下さい。

 Toru Yasunaga 1. Konzertmeister(安永徹、第一コンサートマスター)とあります。

 ベルリンフィルのコンサートマスターが日本人である、ということがどれほどもの凄い実力を要するか、

 どれほど、誇らしいことかは、以前書きましたので、是非、お読み下さい。


◆エマニュエル・パユ バッハ管弦楽組曲第2番。

 

 フルートで演奏できる、バッハの曲は沢山ありますが、フルートというのは、どこか寒々としがちです。

 しかし、この管弦楽組曲は小編成のオーケストラの伴奏でフルートがソロを担当する、当時としては珍しい「組曲」で、華やかです。

 華やかなのですが、美しく、もの悲しい。またあるときは毅然と、あるときは非常に技巧的に、と色々な性格の曲が組み合わさっていて、飽きません。

 はじめは序曲ですが、その後は、ロンド、サラバンド、ブーレ、ポロネーズ、メヌエット、バディネリと続きます。

 ロンド、とか、サラバンドとかいうのは踊りの種類です。

 組曲というのはこういう舞曲(実際にそれに合わせて人が踊るかどうかは別として)が何曲も集まって、全体で1曲になります。

 序曲は6分ぐらいかかりますが、後は殆ど3分以内の短い、しかし美しい音楽です。

 iTunes Store URLは最初の「序曲」がhttp://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?playlistId=75369370&s=143462&i=75369270です。 

 iTunesを既にインストール(無料)している方は、自動的にここに飛びます。

 全部ダウンロードしても1000円ちょっとですから、大したこと無いですが、

 個人的な趣味で薦めるとしたら、 IV. Bourree I-II-I(ブーレ)をまず150円で買ってみてください。

 I-II-Iというのは、ブーレIに続けて中間部にブーレIIという、もの悲しいけれども実に実に美しい部分があって、また、ブーレIに戻る。

 普通はブーレIもIIも同じテンポで通しますが、パユはIIでぐっとテンポを落としています。

 なるほど、こういう吹き方もあるか、と思いました。

 パユは、テクニックと音楽性を兼ね備えた、本当の音楽家だと思います。

 ブーレが気に入ったら、次の「ポロネーズ」。これは毅然とした3拍子。

 次の「メヌエット」は難しい箇所はどこもない。リコーダーでも吹けるくらいです。 でも、どうしてでしょう。

「懐かしい」という感情を起こさせるメロディーなのです。そこがたまりません。

 最後、バディネリ。これは、もうフルーティスト、特にパユのような抜群のテクニックを持った人にとっては、腕の見せ所です。速い曲ですが、1分半。

 という具合に、もしも1曲を気に入ったら、買い足していかれてはどうでしょう。よければ、遡って、序曲やサラバンドも。



 余談ですが、パユは日本が大好きなんですね。日本食が世界で一番好きなのだそうです。

 何年も、毎年のように来ているけれども、毎回、必ず違う料理が出てくるのに驚嘆するそうです。

以前、「徹子の部屋」に出て話していました。

 私はビデオにとって、かなり興味深く見ました

 ちなみに、黒柳徹子のお父様は、昔のN響のコンサートマスターですし、弟さんも数年前定年になりましたが、ずっとN響のヴァイオリニストでした。

 「徹子の部屋」に、クラシックの音楽家をときどき招待するのは、そういう背景があるのです。

 パユは、写真を見ると典型的な二枚目ですけど、そう言う話を聞くと、親しみが湧きます。

 長くなりましたので、今日はこの辺で。

 久しぶりに音楽の話を書くことが出来て、嬉しかったです。

 最後までお付き合い下さり、有難うございました。

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2005.09.19

前原氏会見「改憲、自民と協議」 要領が悪いね。

◆記事:前原氏会見「改憲、自民と協議」 公明、はや大連立を懸念

 

 民主党の新代表に選ばれた前原誠司氏(43)は十七日、都内のホテルで就任の記者会見に臨み、憲法改正について「民主党は改正が必要だという立場だ。改正を必要としている政党としっかり議論する中でまとめていく」と述べ、自民党とも協議する考えを示した。

 憲法に自衛権を明記することを持論とする前原氏の代表就任とあって、会見では憲法改正に関する質問が相次いだ。(産経新聞) - 9月18日2時34分更新


◆コメント:まだ、海のものとも山のものともつかぬが、下手だなあ・・・。

 

民主党新代表に決まった前原誠司氏は、最初の記者会見でいきなり改憲論をぶちまかした。それは思想の自由だが、下手だと思った。

 自民党も改憲を推進しようとしている。3分の2を超える議席を獲得してしまったのだから、憲法改正の発議が可能である。

 その後国民投票で過半数を得られれば、あっさり憲法は改正される。

 お子さんのいる方。お子さんが兵隊に取られるかも知れないですよ。

 しかし、自分がそういう選択を1週間前にしたのだから、文句は言えないですよ。分かっていますね?



 さて、民主党は、選挙期間中、自民党の政策をしきりに批判していた。

 それなのに、選挙で大敗し、若い代表に代わり、最初の記者会見で自民党の政策に賛成するのは如何にも、軽率。

 これでは、あたかも選挙の敗北の結果、巨大与党にすり寄っているような印象を、有権者に与える。



 私個人としては、集団的自衛権の行使には断固として反対(抗議メールを送ろうとしている人、個別的自衛権と集団的自衛権の違いを勉強してからにしてくださいね?)である。
 だから、民主党の新代表が、選出された翌日に、いきなり「集団的自衛権は限定的に認めるべきだ」という発言をするのを聴き、何だか、世の中が嫌になってしまった。

 どうして、どいつもこいつもバカなんだ?

 集団的自衛権とは、「自国が全く攻撃されていない場合でも、同盟関係にある国家が第3国の攻撃を受けた場合、これを自国への攻撃と同等に見なし、第3国に対し武力行使を認める」事を意味する。

 つまり、アメリカと一緒になって、自衛隊が世界中を飛び回って人殺しの手伝いをすることになるのだ。

 私には、日本が、戦争=人殺しをする国に変らなければならない必然性が認められない。

 集団的自衛権の行使を可能にして、アメリカに一所懸命奉仕すれば、日本が北朝鮮に攻撃されたときに、アメリカが日本を守る、と、国民は本気で信じているのであろうか。

 あのね。ボブ・ウッドワードの「ブッシュの戦争」など翻訳されている本を読んでご覧なさい。

 あの分厚い本で、日本のことなど、ただの一行も書かれていない。

 日本など、アメリカ人にとってはどうでもよいことなのだ。

 アメリカは日本を大切にするフリをしているのは、日本を極東での前方展開能力の基地として見ているからだ。

 「黄色いサル」がいくら死のうが、関係ないのである。



 とにかく、アメリカは何一つ証拠は持っていなかったのに、「イラクは大量破壊兵器を持っている確かな証拠がある」と嘘をついた。

 つまり、言いがかりをつけて2003年3月20日に戦争を始めて、イラクで何万人もの無辜の民を殺して平然としている連中なのだ。

 こんなヤクザな国と一緒になって人殺しをする国になりたいのだろうか?日本国民は。そんなことをしてまで生き延びたいですか?

 そうですか。それなら、もう、言うことはありません。

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2005.09.18

「憲法のどこを読んでも集団的自衛権が認められるとは思えない」(小泉純一郎)

◆出典は、昨日取り上げた「コイズム」(小泉純一郎著)です。

 

 Amazonの古本(マーケットプレイス)で500円台から買える(送料は別)。

 「コイズム」は多くの政治家が出す、自己宣伝用のプロパガンダ本だ。永田町には、こういう本を書く専門のゴーストライターがいるそうだ。

 「コイズム」に関しては、小泉純一郎氏が話した内容を、読みやすく文章化したものだ。専ら若い、政治の「せ」の字も知らないような高校生・大学生をターゲットにしている。

巻末では、10人の女子高生(平成8年当時、高2、高3)と「座談会」を開き、「コッカイギインて、なにしてるんですかー?」とか訊かれている。(^_^;

 馬鹿馬鹿しい本ではあるけれども、私が、こんな本でも何故買ったかというと、

 1.ある本に対して評価を下すならば、兎にも角にも、実際に読んでみなければ、話にならない。

 2.情報にカネを惜しんではならない(限度がありますがね)。

 という原則にのっとっている。

 だから私は、 話が逸れるけれども、この日記ではアホくさくて取り上げていないが、「マンガ・嫌韓流」も、「のだめ・カンタービレ」も読みましたよ。

 まあ、いいです。これは。


◆コメント:印象に残った記述。(直接引用、間接引用 併用ですみません。)


  1. 集団的自衛権に関して(166ページ) 「僕の考え方はどうかというと、憲法のどこを読んでも集団的自衛権が認められるとは思えない、憲法の拡大解釈は非常に危険、というのが基本的なスタンスだ」。

  2. 「僕は、自衛隊のPKO派遣のときも反対した。国際協力をダメといっているわけではない。むしろ、積極的に行うべきだと思うけど、現行の憲法では、自衛隊の海外派遣はどう考えても無理がある」 「だから、自衛隊を海外に派遣するのであれば、その前に憲法を改正して、スッキリとした形で行うべきだ」

  3. 「こっち(日本)は(米国に)守ってもらっている立場だけど、だからといって、米国のいいなりになる必要もない」

  4. 「若い読者諸君も政治家を見るときには、どれだけその政治家が自分の発言に責任を持ち、ホンネで有権者に訴えているかに注目して欲しい。ゴマカシ、二枚舌を使っていないか。自分の耳と目で確かめて欲しい。これは政治家を見極める重要なポイントといっていいね」


◆所感:ははあ。恐れ入りやして、ごぜえやす。

 

 なるほどね。自分の発言に責任を持たないといけないのですね。小泉純一郎氏によれば。なるほど、なるほど。そうですか。

 そう言っているご本人の変節ぶりを見ると、誠に興味深い。

 尤も、公平を期する為に書くが、彼の主張の全部が全部間違っているわけではない。たとえば、

 赤字国債のこれ以上の発行は危険だ、とかね(但し、自分が首相になったらどんどん発行しているところが、すごい)。



 「美談」もある。

 国会議員は25年務めると、「永年在職議員表彰」というのがあって、歳費(給料)とは別に、月々30万円の特別交通費の支給があるのだそうだ。

 とんでもないですな。

 これを、小泉純一郎は「要りません」と断ったそうだ。

 本当かどうかは確認できない。

 なにしろ、自己宣伝用の本だから、そういう「美談」は当然強調するだろう。

 そして都合の悪い話が全く書いていないと言うところが、胡散臭い。当然何かヤバいこともあるでしょうに。

 そう言う話は全く書いていない。



  それはさておき、大衆を感心させるのが上手いんだよ。この人。

 「一つの仕事を25年務めるなんて、普通のことだ。サラリーマンなら皆やっている。国会議員を特別扱いする理由はない」なんて云っている。

 これで、一般大衆は、感激してしまう「立派な人だ」と。

 しかしですね。
 他にもまだ国家議員の特典は沢山ある。それらは小泉氏が首相になった後にも廃止していない。
 例えば、国会議員年金は何故廃止しないのか?

 25周年表彰を辞退した、ということだけで、手放しで絶賛するわけにはいきません。少なくとも、私は。


◆何と言っても、すごいのは、「集団的自衛権」に関するスタンスのコペルニクス的転回。

 

 これは、この本を買った最大の収穫(?)である。

 

「憲法のどこを読んでも、集団的自衛権の行使が認められるとは思えない」

 「現行の憲法では、自衛隊の海外派遣は、どう考えても無理がある」


 と実際に書いているのですよ。小泉純一郎は。



 それがどうだ。

 イラク戦争を世界で最初に公式に支持した国は、日本である。

 その後、政府・与党はイラク復興支援特別措置法を強行採決し、憲法を拡大解釈して、自衛隊をイラクに派遣して、米軍の後方支援に当たらせることを決めた。

 平成8年の小泉純一郎氏の解釈によれば、純然たる違憲行為だ。全部許されない行為の筈だ。

 いや、小泉君が言わなくても、明らかに違憲だ。後方支援は武力行使の一翼を担っているからである。

 いずれにせよ、よくもまあ、これほどいけしゃあしゃあと、変節出来るものだ。

 私に「小泉さんの、のらりくらりは政治家として必要な資質です」と書いてきたバカがいたが、のらりくらりどころじゃない。180度の方向転換だ。

 「米国のいいなりになる必要はない」といっているが、歴代総理で、これほど、米国のいいなりになっている人物は珍しい。



 彼はいっている。

 「政治家を見るときには、どれだけその政治家が自分の発言に責任を持ち、ホンネで有権者に訴えているかに注目して欲しい。ゴマカシ、二枚舌を使っていないか。自分の耳と目で確かめて欲しい。」

 言われなくても、私はずっと前から彼を観察している。そして信用できないと考えていた。

 その考え方は、残念ながら間違っていなかったことを「コイズム」で確認できた。

 小泉支持者、反対派、いずれにも一読をお奨めする。

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2005.09.17

「小選挙区比例代表並列制は亡国への道だ。」←さて、だれの言葉だとおもいますか?

◆問題:以下は、誰の発言だと思いますか?
 

 いきなり、クイズみたいだが、こちらは真面目である。

 以下、引用するのは、今も現役の日本の某政治家が、若者向けに書いた(というか、文体を 見る限り、

口述筆記であることは殆ど間違いないが、それは、今はどうでも良い。


◆資料:今も書籍として発売されている、ある政治家の言葉より、小見出し抜粋。

・小選挙区比例代表並列制は亡国への道だ。

・落選した者が生き返るのだから、憲法違反だ。

・勝負の決め手は(政策内容よりも)サービス合戦だ。

・一党独裁、ファッショになる危険性が・・・。

・僕は選挙制度見直しを公約に掲げて戦う。


◆コメント:金曜になると、クタクタ。

 

 今日はあまり真面目な政治評論とは言えない。疲れていて集中力が足りない。

 毎日、結構大変なんですよ。資料を検索し、分からないことは調べて、必要ならデータをそろえて、

 まともな原稿を書くのは。

 昨夜なども原稿をアップロードした1分後ぐらいでそのまま倒れて眠ってしまったらしく、

朝起きたら、パソコンの前に倒れていた。別に病気ではないのですが。
 
 金曜日になると、蓄積された疲労がたまっているので、キーボードを叩きながら、うつらうつら

 していることも多い。

 要するに、今日はちょっとふざけていると思われるかも知れないが、これでも必死に寝ないようにして

 書いておりますのでご承知おき頂けると有難い、ということです。


◆正解:「資料」は小泉純一郎氏の発言だ

 

 小泉純一郎本人が1995年から1997年まで「ヤングマガジン・エグゼクタ」に連載した記事をまとめた、『コイズム』という本がある。

 引用した箇所は、本を買わなくても、ネットで見ることが出来る。

 それをご覧になれば明らかだが、当時、小泉氏は、小選挙区比例代表並列制に強く反対しており、

 「次の選挙」では、「選挙制度改革」を公約にして戦う、と言っている。


◆小泉君が昔から変らないこと

 

 そして、読者諸氏はもうお気づきだろうが、先日の選挙の際、小泉首相は、8年前、自らが

「亡国への道」として掲げた「小選挙区比例代表並列制」の「問題点」を見事なまでに、勝利への手段

 として用いていて、結果も彼の予想通り、一党独裁を実現しているのだ。

 このことから、分かるのは次の2点。
 
 


  • 以前から、小泉氏は「改革」を公約に掲げるのが、好きだったこと。

  •  しかし、結局、何も改革は実現していないこと。である。


 これは、殆ど感動的、という表現を用いたくなるほどである。


◆ コメント:「改革」のキーワードで有権者を幻惑し、結局達成できない。

 

 選挙は民主主義の根幹に関わる重大な制度だ。政治家、若しくは政治家を志す人間ならば、

 選挙に関して、一貫した思想をもっているべきなのだ。

 8年前の小泉首相は、小選挙区比例代表並列制に反対し、

 それを撤廃する「政治制度改革を行うことを公約にするといっている。

 ところが現実には、小選挙区比例代表並列制は現在も続いている。

 これは、小泉純一郎氏が、選挙制度改革を実現できなかった証拠である。

 今回の選挙戦では、道路公団民営化、年金改革、北朝鮮拉致被害者、景気(デフレ)対策には何も触れず、

 議論もされずに終わってしまったが、

 これもまた、以前の公約とその結果を思い出させると、どれも実行できていないので

 世間の関心を逸らせることが、絶対に必要だったからだろうと推測出来る。

 郵政民営化を支持する人は、骨抜きにならないか、よく観察することだ。

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「小選挙区比例代表並列制は亡国への道だ。」←さて、だれの言葉だとおもいますか?

◆問題:以下は、誰の発言だと思いますか?
 

 いきなり、クイズみたいだが、こちらは真面目である。

 以下、引用するのは、今も現役の日本の某政治家が、若者向けに書いた(というか、文体を 見る限り、

口述筆記であることは殆ど間違いないが、それは、今はどうでも良い。


◆資料:今も書籍として発売されている、ある政治家の言葉より、小見出し抜粋。

・小選挙区比例代表並列制は亡国への道だ。

・落選した者が生き返るのだから、憲法違反だ。

・勝負の決め手は(政策内容よりも)サービス合戦だ。

・一党独裁、ファッショになる危険性が・・・。

・僕は選挙制度見直しを公約に掲げて戦う。


◆コメント:金曜になると、クタクタ。

 

 今日はあまり真面目な政治評論とは言えない。疲れていて集中力が足りない。

 毎日、結構大変なんですよ。資料を検索し、分からないことは調べて、必要ならデータをそろえて、

 まともな原稿を書くのは。

 昨夜なども原稿をアップロードした1分後ぐらいでそのまま倒れて眠ってしまったらしく、

朝起きたら、パソコンの前に倒れていた。別に病気ではないのですが。
 
 金曜日になると、蓄積された疲労がたまっているので、キーボードを叩きながら、うつらうつら

 していることも多い。

 要するに、今日はちょっとふざけていると思われるかも知れないが、これでも必死に寝ないようにして

 書いておりますのでご承知おき頂けると有難い、ということです。


◆正解:「資料」は小泉純一郎氏の発言だ

 

 小泉純一郎本人が1995年から1997年まで「ヤングマガジン・エグゼクタ」に連載した記事をまとめた、『コイズム』という本がある。

 引用した箇所は、本を買わなくても、ネットで見ることが出来る。

 それをご覧になれば明らかだが、当時、小泉氏は、小選挙区比例代表並列制に強く反対しており、

 「次の選挙」では、「選挙制度改革」を公約にして戦う、と言っている。


◆小泉君が昔から変らないこと

 

 そして、読者諸氏はもうお気づきだろうが、先日の選挙の際、小泉首相は、8年前、自らが

「亡国への道」として掲げた「小選挙区比例代表並列制」の「問題点」を見事なまでに、勝利への手段

 として用いていて、結果も彼の予想通り、一党独裁を実現しているのだ。

 このことから、分かるのは次の2点。
 
 


  • 以前から、小泉氏は「改革」を公約に掲げるのが、好きだったこと。

  •  しかし、結局、何も改革は実現していないこと。である。


 これは、殆ど感動的、という表現を用いたくなるほどである。


◆ コメント:「改革」のキーワードで有権者を幻惑し、結局達成できない。

 

 選挙は民主主義の根幹に関わる重大な制度だ。政治家、若しくは政治家を志す人間ならば、

 選挙に関して、一貫した思想をもっているべきなのだ。

 8年前の小泉首相は、小選挙区比例代表並列制に反対し、

 それを撤廃する「政治制度改革を行うことを公約にするといっている。

 ところが現実には、小選挙区比例代表並列制は現在も続いている。

 これは、小泉純一郎氏が、選挙制度改革を実現できなかった証拠である。

 今回の選挙戦では、道路公団民営化、年金改革、北朝鮮拉致被害者、景気(デフレ)対策には何も触れず、

 議論もされずに終わってしまったが、

 これもまた、以前の公約とその結果を思い出させると、どれも実行できていないので

 世間の関心過去の逸らせることが、絶対に必要だったからだろうと推測出来る。

 郵政民営化を指示する人は、骨抜きにならないか、よく観察することだ。

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2005.09.16

民主党後継、岩國さんの名前が何故でない?/ 郵政反対派の得票数の方が多かった。

◆記事:民主党後継 前原、菅氏が出馬表明…小沢氏も立候補の動き←岩國さんはどうした?

 

 民主党の前原誠司「次の内閣」防衛担当(43)は15日夕、都内のホテルで記者会見し、

17日の党代表選に出馬する意向を正式に表明した。菅直人前代表(58)も都内で記者団に対し、出馬する考えを示した。

 小沢一郎副代表(63)も立候補に向けた動きを強めており、代表選をめぐる党内の動きは大詰めを迎えている。

 前原氏は記者会見で、「解党的な出直しが必要だ。国民の負託に応えなければいけない。民主党を再生し、闘う集団に変えていく」と強調した。

 さらに、郵政民営化関連法案をめぐる同党の対応について、

「労働組合の意向に従う議員がいたから、(先の国会で)対案を出せなかった。衆院選の最大の敗因だ。

選挙の途中には、 郵便貯金の預入限度額削減などに言及し、『民主党がぶれた』との印象を持たれた」と指摘した。また、党運営に関し、

〈1〉既得権との決別〈2〉闘う議員集団への変身――などを盛り込んだ「基本姿勢」を発表した。

 一方、小沢氏は15日夜、都内で鳩山由紀夫・元代表と会談した。鳩山氏は、小沢氏が出馬する場合は支援する考えを伝えた。

小沢氏周辺は、旧社会党系グループの幹部に「小沢氏は出馬する」と伝え、協力を求めており、出馬の方向が強まっている。



 菅氏は15日夜、都内で自らが率いるグループの会合を開き、代表選への対応を協議した。

グループ内では、「小泉首相と論戦で真っ向から対抗できるのは菅氏しかいない」として菅氏の出馬を求める声が出た。

菅氏は16日に記者会見し、正式に出馬を表明する考えだ。

 民主党は15日午後、党本部で両院議員総会を開き、岡田代表が17日に辞任し、同日中に代表選を実施することを正式に了承した。

総会は、衆院選惨敗の総括を優先するよう求める意見が相次いで紛糾し、予定時間を大幅に超過した。(読売新聞) - 9月15日23時58分更新


◆コメント:若ければ良いと言うものではない。

 

 夜のテレビで民主党が後継選びについて、議論している風景が映し出されたが、

 若造が「岡田さんの指導力」云々(「うんぬん」。「でんでん」じゃないよ)とか批判めいたことを言ったりして、大いに揉めていた。

 小泉純一郎に睨まれることを恐れ、郵政民営化反対から賛成に回った自民党の奴らよりは、

自由に党首を批判できること自体は良いのだが、タダでさえ、惨敗を喫して、「民主党は、 頼りにならない」というイメージが固定しつつあるのだ。

 テレビカメラが入っている時には、もう少し要領よくやれと言いたい。

 それはさておき。

 何故、岩國哲人さんの名前が出てこないのか。

 9月3日に書いたが、私は、岩國さんが内閣総理大臣になるべきだと考えている。

 衆議院の会議録で予算委員会、法務委員会、郵政民営化特別委員会などにおける岩國さんの代表質問、質問を読むと、他の国会議員と、能力の次元が違うことがわかる。

 そりゃそうでしょう。

 皆さんあまりピンと来ないだろうが、世界最大の投資銀行、メリルリンチの上級副社長を何年も務めた人である。

(数ヶ月前に、ホリエモンに金を貸して、結局自分だけ大儲けした、 リーマン・ブラザーズと勘違いしないでくださいよ。)

 アメリカの投資銀行の役員になるというのは、実力無くしては絶対になれない。

 日本のようになんとなく要領が良くて、出世しそうな上司にすり寄って、コバンザメ出世するのとは訳が違う。

 担当分野で問題が起きたり、担当が収益部門なら、儲からなければすぐに責任を追及されクビになる。

 そういう激烈な競争社会を生き延びてきた人は、迫力が違うのだ。

 ろくに民間経験がなくて、国会で居眠りをしている連中と、次元が違うのは当然だ(国会議員には「勤務評定」が存在しない)。



 その上、苦労人だ。

 御本人はそういう云い方はされたくないかも知れぬが、確か高校生の時に父上が他界され、

 岩國さんはアルバイトをしながら、苦労して東大に合格したのである。 つまり、失礼だが、貧乏の辛さもご存じである。

 こういう人が指導者になるべきだと思うのは、私だけであろうか?

 私は、これ以上の人は滅多に現れないだろうとおもう。この群を抜いて優秀な人材を持ちながら、民主党 は何を考えているのか。実にセンスが無い。

 43歳の前原君なんてダメですよ。自民党の海千山千に勝てるわけがない。


◆解説とコメント2:郵政民営化反対票が勝っていた。3419万票 VS 3389万票。

 

 別の話題。これは、民主党代表選出とは、関係がない。先日の選挙結果分析に関する話。

 9月13日の日記にかいたが、得票率の差は 自民5対民主4だった。

 議席数では、負けたが、これは小選挙区制のなせる技だと。

 だが、より一層驚くべき記事を見つけたのです。

 15日付の日刊ゲンダイによれば、11日の総選挙における、小選挙区の投票を詳細に分析すると、

 郵政民営化に賛成した自民・公明両党の公認候補の得票数は、3389万7275票。

 一方、郵政民営化に反対していたのは、民主、社民、共産各党の公認候補と、自民党の造反組、それから、新党の候補の得票数の合計は、3419万4372票だそうだ。

 反対派の得票数の方が30万票ほど多い。



 今の日本の法律では、憲法改正以外、法案に関して国民が直接投票するということは無いから、あくまで仮定上の話だが、

 この話が本当だとすると(私には検証できないから、「本当だとすると」なのだ)、郵政民営化に関して国民による直接投票が行われたら、

 単純計算上は、郵政民営化法案は否決されていた、という結論になる。

 小泉さんは「国会では、『郵政民営化は暴論だ』といわれているが、有権者からは、圧倒的な支持を得た」、と得意の絶頂であったが、

 冷静に数字を分析すると、それほどでもない。反対の方が多い、ということ。



 今朝、HNも名乗らず、メールアドレスも明らかにせず、「いい加減民主党の敗北を認めろ」と書いてきた言葉遣いを知らぬ若造がいたが、

 そういうことを書く以前に、ここ数日の私の文章をよく読んでください。

 9月13日の稿、「コメント」の3行目で、私は、

 「勿論、実際に国会で効力を有するのは議席数だから、圧勝、惨敗と言うのは、間違いではない。」

 と書いているでしょう。

 しかし、それが全てではないのだ。 制度のあり方でたまたま、議席数は自民の圧勝になったが、

 実際の得票数は、また別の話だということは、客観的事実として認めるべきだ。

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2005.09.14

「郵政否決で解散は違憲」 選挙無効求め宇都宮市議提訴←論理は正しいのです。

◆記事:「郵政否決で解散は違憲」 選挙無効求め宇都宮市議提訴

 

 郵政民営化関連法案が参院で否決されただけで衆院を解散したのは憲法に違反するとして、

宇都宮市の西房美市議が14日、解散を受けた今回の衆院選(栃木1区)の無効確認を求める訴訟を東京高裁に起こした。

 訴えのなかで同市議は、法案の否決を理由に衆院の解散が許される条件について言及。「衆 院の優越を定めた憲法59条にのっとり、

 衆院で法案を再議しても3分の2以上の賛成が得られず、両院協議会で結論が得られなかった場合に初めて解散が許される」と主張。

 「その手続きを踏まず、法案が参院で否決された直後に衆院を解散するのは憲法が予定していない暴挙で、解散権の乱用。

 憲法を無視した解散を受けて行われた今回の衆院選は、違憲無効」としている。 2005年09月14日13時31分


◆衆議院解散に関わる憲法の規定:7条。59条。69条。

 第七条【天皇の国事行為】

天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。


  1. 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
  2. 国会を召集すること。
  3. 衆議院を解散すること。
  4. 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
  5. 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
  6. 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
  7. 栄典を授与すること。
  8. 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
  9. 外国の大使及び公使を接受すること。
  10. 儀式を行ふこと。

第五十九条   【 法律案の議決、衆議院の優越 】

第一項 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

第二項 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

第三項 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを妨げない。

第四項 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる



第六十九条   【 衆議院の内閣不信任 】

内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。


◆解説・コメント 要するに、内閣総理大臣に衆議院解散権は無い。ということを、言いたい訳です。

冒頭の記事で報道されていることは、9月11日の選挙は違憲であり、無効であるという判断を司法(裁判所)に求めるわけで、前例が多分無いと思います。

ですから、かなり思い切った行動です。

しかし、まるっきり無茶な主張ではありません。



衆議院の解散には二種類があります。

1.天皇が、内閣の助言と承認により、衆議院を解散する場合。

2.衆議院が内閣不信任案を可決し、又は信任の決議案を否決したとき(これは、まず、ありませんが)、内閣は総辞職するか、衆議院を解散する。

今回は、内閣不信任決議案が可決されたわけでも信任案が否決されたわけでもないので、「7条解散」です。

7条解散では、内閣が7条解散を決定し、閣僚全員が「解散詔書」に署名しなければなりません。それを、内閣総務官が皇居に持参して、

天皇の御名御璽(署名、捺印)を頂戴して、 衆議院に持ち帰り、詔書原本は内閣官房に保管するのです。で詔書と同じ文面の伝達書を

官房長官から事務総長。事務総長から衆議院議長に手渡し、

「日本国憲法第7条により衆議院を解散する」

「バンザイ!」

 となります(何故バンザイなのか、誰も説明出来ません)。



 いずれにせよ、憲法のどこをひっくり返して熟読しても、「内閣総理大臣に解散権がある」とは、書いて無いんです。

 解散を決めるのは内閣です。それは、行政権は内閣に属し、国会に対し て連帯して責任を負う(六十六条第三項)からです。

 小泉純一郎内閣総理大臣は、しかし、独りで決めてしまい、内閣の他の閣僚は黙って従ったということですから、解散権濫用の疑いがある。



さらに、日本国憲法第五十九条の規定は次の通りです。

第五十九条   【 法律案の議決、衆議院の優越 】

第一項 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

第二項 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

第三項 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを 妨げない。

 つまりね。

 法律案を決めるときは、原則衆議院と参議院両方の賛成が必要なのです。

 しかし、「衆議院優越の原則」があるから、参議院で否決されても衆議院でもう一度投票して3分の2以上で可決したら、法案は成立するのです。

 そうなのだけれども、これは、法的強制力はないけれど、出来れば両院協議会(国会法88条に規定があります)という会議を開いて、

 衆参両議院から選ばれた、10人の代表がよく話し合いなさいよ。と。こういう事です。

 「国会は国権の最高機関であり国の唯一の立法機関(第41条)」ですから、法律を決めるときは吟味に吟味を重ねなさいよ、

 ということを憲法は要求していると考えられるのです。

 ところがですね。

 小泉首相は、衆議院で可決、参議院で否決したら、もう一度衆議院で投票することもなく、また、両院協議会を開くこともしなかったのですね。

 衆議院で僅差で可決、参議院で否決、だったわけですから、もう一度よく法案の内容を吟味するか、両院協議会を開くべきだったのに、

 両方ともやらないで、いきなり、衆議院解散だ!

とムキになって、陛下の御名御璽を頂戴してしまったのですね。



 一応、解散詔書には全閣僚の署名はあるけど、それは小泉さんが睨んでるから、署名せざるを得なかった。

 内閣でよく話し合って決定するべき解散を、自分独りでごり押しした。しかし、内閣総理大臣独りで決めて良いことではないのですね。



 宇都宮市の西房美市議という人を私は存じませんが、この方はそういう論理で、9月11日の選挙は、憲法に違反していると言っているわけです。

 現実問題として、この選挙が無効だとなると、えらいことになる。

 原状回復(民事用語ですけど、元通りの状態にするということ)しなければならないとすると、

 新しく当選した、「落下傘候補」は、国会議員の地位を返上しなければならない。失業者になります。

 落ちた人は戻れて良いでしょうけど、すったもんだの大騒ぎになることは、間違いありません。

 憲法の規定では、司法権は独立していて、裁判官は憲法と法律のみに従って判決を出せばよいのですが、実際には政府が介入するでしょうね。

 だから、「無効である」という判決が出る可能性は低い。

 しかし、憲法は日本国の最高法規なのに、与党は、憲法に定められた手順をおろそかにした、

 ということを国民全体が認識するのは、悪いことではない、と、私は思います。

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2005.09.13

「小泉首相: 郵政法案半年延期指示。 システム開発、間に合わず」←「殺されても良いから」と言う割に、随分簡単に延期するのですな。

◆記事1:中曽根氏ら11人賛成 郵政法案で旧亀井派

 

 自民党参院旧亀井派の中曽根弘文会長(元文相)は13日午後、都内で記者会見し、21日召集予定の特別国会に再提出される郵政民営化関連法案への対応について、自身を含めて先の国会での参院採決で反対した同派議員11人(離党した荒井広幸議員を除く)全員が賛成に転じることを明らかにした。

 これにより参院採決で反対、棄権・欠席した28人の自民党参院議員の20人以上が賛成を表明する意向を示したことになる。(共同通信)


◆記事2:10月にも民営化法案成立 

 

 自民、公明両党は11日、合わせて320議席余りを獲得する衆院選大勝を受け、引き続き小泉純一郎首相(自民党総裁)の下で連立政権を維持することを確認した。

 首相は郵政民営化関連法案を特別国会に再提出し成立を急ぐ方針。

 衆院選結果を踏まえ、自民党参院の法案反対派に賛成に転じる動きが拡大する見通しで、法案が10月中にも成立するのは確実となった。(共同通信) - 9月12日3時27分更新


◆記事3:郵政民営化、2007年10月に半年延期…首相が指示

 

 小泉首相は13日午前、首相官邸で竹中郵政民営化相と会談し、特別国会に提出する郵政民営化関連法案について、民営化開始時期を半年遅らせ、2007年10月に修正するよう指示した。

 竹中氏が会談後、記者団に明らかにした。

 先の通常国会で廃案になった郵政民営化関連法案は、民営化開始時期を「07年4月」と定めていた。

 しかし、法案成立が遅れたため、民営化開始時期も遅らせる必要に迫られた。

 法案の付則に定められていた危機管理規定は、民営化のための情報システムの開発が大幅に遅れた場合、民営化開始時期を半年間遅らせることを盛り込んでいた。

 民営化開始時期を07年10月に修正した場合でも、半年遅らせる危機管理規定は法案に残る見通しのため、民営化開始は最も遅い場合08年4月となる。(読売新聞) - 9月13日12時49分更新


◆コメント:「殺されても良い」とまで言っていた、郵政民営化をあっさり半年延期するのですね(笑)

 

 記事1によると、8月に民営化法案に反対した人も、みんな小泉さんに魂を売り渡したようですね。

 「もう二度と逆らいません。お許し下さい」というわけですか。惨めですね。

 自民党員は小泉純一郎の奴隷ですな。封建時代でしたっけ?今は。

 民営化賛成に転じた方々に申し上げたい。

 「恥」という言葉をしっていますか?
 まあ、今更云っても仕方がないか。彼らも食わなくちゃいかんからね。


 それより、小泉純一郎内閣総理大臣。「半年延期」とは何事ですか。

 小泉さんは「殺されても良いからなんとしても郵政民営化をやり遂げるんだ」と言っていたと記憶しています。

 それほどの情熱があるのなら、まだ、1年7ヶ月も先の計画を、よくもそれほど簡単に延期できますね。



 記事3によれば、竹中大臣は、延期の理由を「法案成立が遅れたため」としています。

 もともと、何かあったときのために民営化開始時期を半年遅らせる「危機管理規定」があるとのことですが、そういう問題ではない。



 法案成立が遅れたといっても、参議院で法案が否決されたのが8月8日です。

 そして、記事2によれば、10月中には法案は成立するそうです。どんなに遅く成立しても10月31日。

 8月8日から10月31日までの日数は84日間です。

 どうして、民営化がいきなり半年遅れるのですか?

 そりゃ、新しい組織を立ち上げるのは、年度初めの4月1日か、年度の下半期の最初の日、10月1日がキリがいい。

 そんなことは、こちらとて承知しています。
 でもね。くどいようですが、まだ、1年7ヶ月もある。84日間ぐらいの遅れを取り戻すことは出来ると思うのですが。

 民間企業としてやっていくならそれぐらいの根性が必要ですよ。



 選挙戦の最中から、小泉首相には「絶対の勝算」がありましたよね。

 ならば、その間、エンジニアに準備は続行させておけば良かったじゃないですか。そうすれば、間に合った。


◆コメント:揚げ足取りではない。所詮、郵政民営化にその程度の関心しか持っていないのですよ。小泉君は。

 

 ということを言いたいのです。

 何ですかこのざまは。

 確かに彼は狡猾だから、郵政民営化の開始期日に関しては、公約に入れていません。だから公約違反ではありません。

 けれども、そういうことではない。

 姿勢の問題です。やる気の問題です。もう、たるみ始めているではないですか。

 選挙で大勝し、造反組も完全に支配下に置いた。国民からの信任も厚い。
 半年ぐらい遅らせたっていいじゃないか。文句ある奴はいるか?え?というわけです。

 選挙の2日後に「郵政民営化半年延期」 (O.O;)(o。o;)?



 やっぱり、こんなものなんですよ。この人は。

 歴史的大勝利を収めてから、もともと強い自己愛がより一層肥大しているのでしょう。

 この写真をご覧なさい。顔つきが変っている。

20050913Koizumi02


 小泉氏の、ふんぞり返った態度。

 そして、ほら、取り巻き連中の、おどおどした態度。青木さんなんか頭上げられない。安倍晋三氏の上目遣い。

 これは、最早、「殿と家臣」ですよ。

 あーあ、やってしまいましたね。絶対君主登場。

 こう言うのを見て、「ヤバいな・・・」と思わなくてはいけません。

 日本滅亡への序曲になりますよ。放っておくとね。

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選挙分析 得票数は自民47% 民主36% なのに議席数4対1! 小選挙区の最大の欠点=死票の多さ。

◆記事:衆院選 得票率、自民47%/民主36% なのに獲得議席4倍

 

 今回の衆院選小選挙区の有効投票総数のうち自民党候補の得票の占める比率は47・8%、民主党候補は36・4%であることが毎日新聞の集計で12日、分かった。

 自民党は定数300の小選挙区で7割以上にあたる219議席を獲得、民主党は4分の1以下の52議席にとどまっており、得票率以上に議席数に差がつく小選挙区制度の傾向をまざまざと映し出した形だ。

 今回の選挙の小選挙区の総有効投票数は、約6806万票。自民党の得票数は全国総計で、3251万票余り。一方、民主党は2480万票余。

 しかし、当選者が1人の小選挙区制度では、次点以下の候補者に投じられた票は、惜敗率として比例代表の復活当選に反映される以外は「死票」となる。

 当選者が2人以上の中選挙区制と比べ、得票率と獲得議席のかい離が大きくなる特徴を反映、議席数で4倍以上の差がついた。

 象徴的なのは東京都のケース。都内25小選挙区の有効投票総数のうち自民党候補は約50%、民主党候補は約36%の得票だったが、獲得議席数は「23対1」だった。毎日新聞 2005年9月12日 東京夕刊


◆お礼:皆様、メール、コメント、TB、有難うございます。

 

 はじめに申し上げます。

 ENPITU日記才人(この2つは実質同じですね)、JIROの独断的日記ココログ版JIROの独断的日記エキサイト版、それぞれの読者の皆様から数多くのメール、トラックバック、コメントを頂き、全ての方から、激励のお言葉を頂戴しました。

 個別のコメントなど返させて頂きますが、遅くなるといけませんので、まずはこの場にて

 心より、御礼申し上げます。皆様からエネルギーを頂戴いたしました。



 日記才人経由で駄文をお読み頂いている自然如様は、花鳥風月のみならず、時事風俗も巧みに和歌にお詠みになる方で、私はいつもその日本語の美しさに感嘆していますが、本日は、大変ご親切なメールと共にリンクのお申し出のみならず、恐縮にもバナーまで作って下さいました。

 有難うございます。ENPITUからではリンク出来ない(私が、技術的に。)ので、ココログから、リンクさせて頂きたいと存じます。



 これからも、ますます、小泉首相・与党のみならず、広く世間に目を向けて書いて参りたいと思います。

 音楽の話も、です(今は、毎コンの最中です。実は身内の娘がヴァイオリン部門に出ます。私は、自分が出る訳でもないのに、緊張しております。こんな事ではプロになどなれなかったのも当然です)。


◆コメント:議席獲得数の差=得票数の差ではない。錯覚だ。要するに自民対民主=5対4じゃないか。

 

 この毎日新聞記事は、なかなか、良い。

 というか、本当は、他の新聞だって政治部ならそれぐらい気がついているだろうに。書きなさいよ。各紙とも、「自民圧勝、民主惨敗」ばかり書くからうっかり見落とすところだった。

 勿論、実際に国会で効力を有するのは議席数だから、圧勝、惨敗と言うのは、間違いではない。

 しかし、昨日、自民の超地滑り的勝利(英語でいうと、Landslide victory)にショックを受けた人の多くは、

「日本人の3分の2は自民党に入れたのか!」

 という気持ちだったのではないか。

 どの新聞を見てもテレビを見ても、自民圧勝、民主惨敗と書いてあるから、つい、そのとおりだと思いこむ。

 だが、物事を一面的にとらえると、判断を誤る。とにかく、記事をよく読んで下さいよ。3分の2が自民党に投票したのではない。

 得票率は自民対民主が47%対36%。

 大雑把に言えば、5対4ではないか。


◆選挙区制の変遷。

 

 小選挙区とは一つの選挙区から1人しか当選者を出さない。つまり、議員の総定数と等しくなるように、国全体を分割する方式。

 今の衆議院総定数は480議席だが、1994年の公職選挙法改正により比例代表併用となったので、480議席のうち、300議席が小選挙区で選出される。

 その前は、中選挙区(大選挙区という云い方もあるが)制がずっと日本の選挙制度だった。

 これは一つの選挙区から3人~5人の当選者を出す。すると同じ選挙区に同じ党から複数の候補者が出る。

 こうなると自民党派閥全盛期だったから、選挙=党内派閥争いの場、であった。

 派閥を拡大しようとして、ボスがカネをばらまく。とにかく選挙にはやたらとカネがかかる。金集めが上手い田中角栄が最大派閥になったわけである。

 実際、中選挙区だと面積が広いから、走り回らなければならず、カネがかかる。

 しかし、色々な民意を反映させることが出来る、というメリットがある。


◆小選挙区制の採用と特徴。

 

 小選挙区制を採用するようになったのは、そのほかに、中選挙区だと農村部と都市部では農村部に多くの議席を配分していたので、

 一票の価値に不平等が生じ、憲法の保障する法の下の平等に反するという判決が出たからだ。

 小選挙区だと、一つの選挙区は小さいから、さほどカネはかからない。

 だが、小選挙区の最大の欠点は死票が多くなるということだ。

 今回の選挙は、それが、もろに出た。謂わば、「小選挙区制のレバレッジ効果」。

 レバレッジは「梃子(てこ)」の意。先物取引とか、外為証拠金取引などの金融商品の分野で、この言葉をよく使う。

 私のブログには「自分も自民に入れたが、ちょっと自民が取り過ぎかな、と思った」というコメントを書いた方がいらっしゃるぐらいなのである。

 毎日新聞の記事にあるとおり、甚だしいのは、東京で、得票率では、自民対民主=50対36、なのに、議席数は23対1。


◆「圧勝、惨敗」はこの選挙制度の「特徴」なのだ。

 

 ちょっと風向きが変れば、どうなったか分からないのである。

 繰り返して書くが、得票数は自民:民主=47:36なのだ。

 今回は、小泉君というキャラがいたからいいけど、次の国政選挙にはいない。

 今回のように郵政民営化一本だけでというわけには行くまい。


◆だから、黙ってはいけないのです。

 

 ココログで、小泉圧勝を嘆く暇は無いという、大変力強いTBを頂戴した。

 太平洋戦争前は、軍部独裁を目の当たりにして、国民が黙ってしまったから、軍人がますます勢いづいたのだ、と。

 なるほど。仰るとおりだ。

 これまで通りガンガン書くぞ。昭和初期にはブログは無かった。

 今は、ある。この差は、大きい。 

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2005.09.12

自民党歴史的勝利←国民の歴史的かつ致命的判断ミスですな。

◆記事:<衆院選>自公で300議席突破

 

 11日投票が行われた第44回衆院選は、12日午前0時半すぎ、自民と公明の議席が合わせて304議席となり、300議席を突破した。公示前の自公の議席である246議席を大幅に上回った。

 毎日新聞の独自集計によると、12日午前0時半現在の当選・当選確実者は自民278、民主96、公明26、共産6、社民3、国民新党2、新党日本0、新党大地1、無所属18。【デジタルメディア局】(毎日新聞) - 9月12日0時50分更新


◆コメント:考えろ、考えろ、考えるんだ(IBM創業者の言葉)

 

 多数決原理により、自民党が与党となり、その党首である小泉純一郎がが引き続き内閣総理大臣を務める、という結果となった。

 このような結果をもたらした国民の判断は間違っている。



 もう少し、物事を「考える」べきだ。

 ものを考えれば、小泉政権続投の危険性が分かりそうなものだ。

 それは、9月7日9月10日、そして、9月11日の日記を読んでいただくだけでも、分かるとおもいます。

 とにかく、自分たちだって相当いかがわしいことをしてきたはずの老練な自民党の長老たち、中曽根、宮沢(この人はそんなに老獪じゃないけど)、野中、後藤田、という連中さえ、「ちょっと、あいつ危なすぎるんじゃないか」というほどの、存在なのである。小泉という人間は。

 今回の刺客騒動で、自民党の連中はすっかり去勢されてしまい、小泉に逆らえなくなる。

 本当にファシズムの危険がある。まさに、国民の「歴史的判断ミス」である。

 そういう結果をもたらしたのは国民自身の責任だから、今後、何があろうが、「自己責任」であると自覚するべきである。

 最後に。

 選挙戦の最中には、自分の政治的思想を明らかにしないで、小泉支持なのか、反小泉なのか、旗幟(きし)を鮮明にせず、結果を見てから、「ほら、いわんこっちゃない。自民党が勝っただろう?」というようなコメントをブログの世界でも見かける。これは、卑怯だ。

 私は、自分の思想が間違っているとは、今でも思っていない。

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2005.09.11

「郵政事業は独立採算で、税金は使われていない。」ことを知らないですか?小泉君に騙されないでください。

◆コメント:しまった。

 

JIROの独断的日記ココログ版に頂いたTB(トラックバック)で知ったのだが、NHK特集に出演した小泉首相が、

「全国の警察官総数よりも郵政職員の数が多い。一番公務員を減らすには郵政民営化だ。」

と発言したのですか? しまった。不覚だった。見逃した。


◆郵便局員を減らしても財政支出は削減されない。まず、国会議員を減らせ。

 

 アホか。郵政事業は、税金で運営されているのではない。郵政公社は独立採算だ。常識である。

 郵便局員を減らしても、税金は元々使われていないのだから、財政改革にはならない。

 小泉純一郎が、

 財政支出削減→人件費削減→公務員を減らす→一番数が多いのは郵便局員

 というつもりで本気で言っている(もしかするとあの知ったかぶりのバカは、本当に事実を知らない恐れがある)としたら、とんでもないことだ。

 繰り返す。郵便局員を減らしても、国家財政の改善にはならない。

 小泉のバカは本当に知らないのではないか。とにかく勉強しない男だからね。


◆まず、国会議員の数と給料とボーナスを減らし、国会議員年金を廃止せよ

 

 税金で食っているのは、小泉さん、あなた方国会議員でしょう。

 何故、最初に国会議員の数を減らし、給料とボーナスを減らすと言わないのですか。

 何故、国会議員年金を廃止すると言わないのですか(国会議員年金に関しては、2003年1月21日2003年12月18日をご参照)。国会議員年金の財源のうち7割は税金です。

 国会で居眠りしている国会議員より、炎天下、自転車や原付で郵便を配達している郵便局員の方が余程勤勉ですよ。

 大体、小泉純一郎内閣総理大臣。

 あんた、独身でしょ。毎回500万円以上もボーナスを受け取ってますね。改革、改革、というなら、大抵、トップがまず賞与返上するのですよ。


◆郵便はユニバーサルサービスなんだから、上手くいっているものを変えるべきではない。

 

 赤字国債を財投債と名前を変えて、相変わらず、郵便局に買わせてる政府こそ、悪の元凶。

 詳しくは、「郵政民営化の詭弁を検証する。」(衆院選前解説シリーズ1)をお読み頂きたい。

 郵便事業などという公共性が高く全国津々浦々にまで行き届かなければいけない普遍的サービス(ユニバーサル・サービス)である。

 旧国鉄のような大赤字を抱えている訳でもない。黒字会社をわざわざいじる必要は無い。

 なによりも、今の郵便局のサービスに不満がある国民は、果たしてどれぐらいいるのか。

 とにかく、小泉は、政略にかけては知恵があるが、国家を運営する上での基礎学力が完全に不足している。

 自民党に投票してはいけない。

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2005.09.10

小選挙区と比例区に重複立候補が可能な制度の問題。小泉氏の首相としての不適格性

◆小選挙区と比例の重複立候補が可能な現在の選挙制度には問題がある。

 

 今回、郵政民営化法案に反対した全ての衆議院議員の選挙区には、これを落選させるべく「刺客」が送り込まれたのは、もう、うんざりするほど、マスコミが報じている。

ところが、マスコミは現象面ばかりを取り上げ、面白おかしいワイドショーにしてしまい、この選挙の争点及び現在の選挙制度の問題点の指摘に、あまりエネルギーを割かなかった。 

 これは、よろしくない。

 「刺客」という言葉は、もともとマスコミが言い出したのだ。

 大衆の好奇心を集め、テレビの視聴率、新聞の売り上げを増やすために大きく貢献したに違いない。

 今年の流行語大賞を「刺客」にしても良いぐらいだが、流石にこのような物騒な単語は選ばれないだろう。


◆「刺客」は例え小選挙区で敗れても、比例の上位にランクされているので、どっちみち当選する。有権者の選択の意味がない。

 「刺客」に関して、小泉首相は、ある時、何処の局か忘れたが、取材されて、こう説明していた。
 

「郵政民営化に反対する人たちの選挙区には、民営化に賛成する候補者も立てないと、有権者に選択肢が与えられない、与党としてそれは無責任なので、このような手段を取った」

 一見、もっともに聞こえる。これが、天才的詭弁術の使い手、小泉純一郎の真骨頂である。

 「刺客」たちは、同時に比例代表にも登録されている。しかも、皆、上位である。だから、例え、小選挙区で落選しても、比例で復活する。

 これでは、仮に、有権者が、郵政民営化に反対する候補者に票を投じても、賛成する議員はどっちみち、国会議員になってしまうのである。

 従って、小泉首相が云うことは、ウソで、有権者に真の選択肢は無く(落としたい候補を落とすことが出来ないからだ)、どちらに投票しても、郵政民営化賛成議員が既に20名は投票を待つまでも無く当確なのだ。

 そんなことは百も承知のくせに前述の如く「有権者に郵政民営化是か非かの選択肢を与えるため」というウソを平気でつくのが小泉純一郎という人なのだ。


◆今更遅いが、選挙法を改正せよ。

 

 重複立候補は、できないように関係諸法令をを改正するべきだ。

 それから、インターネットでの選挙活動が禁じられているというのは、直ちに撤廃するべきだ。

 選挙期間中でも、有権者が、何時でも分からないことを問い合わせることが出来るようにするべきだ。

 また、候補者も、例えば、今回郵政民営化造反議員は、自民党執行部の誰から、いつ、どのような圧力を受けたのかを公表できるように、法律を整備するべきであろう。

 圧力をかけたら、それが瞬間的に全国民に知れ渡るようになれば(何なら音声ファイルもサイトにアップロードすればよい)、如何に「自民党執行部が汚い手を使うか」が良く分かるだろう。

 秘密にするから、国民は「何があったのかな・・・」と勝手な想像を巡らせる。

 そして、これは収集がつかなくなるかも知れないが、各党首と、あらかじめ抽選で選ばれた有権者がチャット討論するのも良かろう。

 加われない人は、メールでその場で質問出来るようにするか、それが出来なくても最小限ROM出来るという場が有ればよい。

 候補者の演説会なんて、わざわざいかないでしょ? 少なくとも都会ではいかない。誰も。

 タダ酒を飲みたい、近所の商店主のオヤジが行くだけ。意味がない。

 どっちが勝っても、妨害された候補者は、選挙後、洗いざらい暴露することだ。


◆投票、開票が公正に行われているということを、国民は確認できない。

 言いたくないが、小泉首相がこれだけ汚いことをやるようでは、不正投票、不正開票が行われない、という保証は、何処にもない。

 皆、まさか、と思っているだけに、意外に盲点なのだ。

 有権者が投票所で投票する間、選挙管理委員が監視しているが、選挙管理委員が、買収されていないという確証が無い。

 こっそり、投票用紙を書き換える(今の投票用紙は出来ないこと担っているらしいが、鉛筆で記入することに拘るところが、怪しい)かも知れない。

 開票の時にも不正のチャンスはいくらでもある。特定の政党の票を故意に破棄する(ポケットに入れてしまえば分からない。たまったら、こっそり処分する)。

 このような疑惑を払拭するためには、投票所、開票所にライブカメラを様々な角度で設置して、監視するぐらいのことが必要である。

 ただし、誰が監視するか。という問題があるのだが。その監視する人間が、不正を見つけても見逃すかも知れない、と考え出すと、きりがない。

 いっそ、これも映像をネットに流して、日本中の人が全国どこの投票所、開票所の様子も見られるようにするか。


◆清濁それぞれ。

 

 理想主義を貫いて、青臭いことを書けば、本来、政治が汚くては困るのである。

 しかし、今回ほど、政治家、政界の「汚さ」を国民に知らしめた選挙も珍しい。

 私は、こじつけかもしれないが、分かったのだ。芸能人がしばしば、選挙に担ぎ出され、案外簡単に引き受ける理由が。

 彼らには、共通する資質(?)がある。

 一つは、強い自己顕示欲。

 普通のまっとうな一般庶民は、宣伝カーの上にたって、あの、キュウリの束か白菜のようにぶっといマイクの束を握りしめ、

 不特定多数の人間の注視の中、大声を張り上げて演説することなど、恥ずかしくて出来ない。

 政治家は(それだけが、必要な資質ではないが)、旺盛な自己顕示欲が無ければならない。

 そして、芸能人が自己顕示欲が強い人たちであることは、言うまでもない。

 また、芸能界も政界も、「立身出世」の為に手段を選ばぬ汚い世界であることも共通している。

 両者とも、カタギには想像もつかないぐらい、汚いことが横行する世界。

 要するに、乱暴に括れば、政治家と芸能人は、同じ穴のムジナなのだ。 住んでいる世界の空気がにているのだろう。



 選挙が終わったら、出来ることなら、暫くは音楽の話ばかり書きたいと思っている(そうもいかないだろうけどね)。

 人間の汚い面についてばかり書いていると、実に嫌になる。



 昨日、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を久しぶりに聴いた。

 第1楽章の冒頭、すぐにソロ・ヴァイオリンが、背筋がゾクゾクっとするほど美しい旋律を奏でる。

 ジノ・フランチェスカッティという、既に故人であるが、世界的な名手が、ソロを弾いているCDで聴いた。

 この音楽は、完全に評価が定まった、文句のつけようのない、完璧な作品である。これに関しては誰も異論を唱えない。

 そして、作られてから、200年経っても色あせない。

 優れた芸術作品の美は永遠である。

 しかし、200年、一つの政党、政権が生き残ることはない。

 芸術は、欲にまみれた政治の世界よりも高潔で長生きする。汚い者は滅びる。



 断っておくが、まだ、選挙の結果は分からないことは、言うまでもない。

 最後に申し述べる。


 ◆小泉純一郎は、内閣総理大臣として不適格である。

 

 不適格である理由は、数え上げればキリがないが、いくつか列挙する。

 


  1. この選挙戦の間、ずっと、郵政民営化の事にしか言及しなかった。北朝鮮に拉致されている日本人の救出より、郵便局の方が大事だというのは、物事の軽重を判断できないか、分かっていて、敢えて無視しているかのいずれかである。前者ならば、宰相たるにふさわしい知能を有していない。後者ならば、人格に問題がある。

  2.  イラク戦争という、明らかに国際法上、違法な行為を支持した。イラク戦争はイラクが大量破壊兵器を持っていようがいまいが違法であった。挙げ句に、アメリカが「『イラクが大量破壊兵器を持っている証拠がある』というのは嘘だった」と明言した後も、小泉首相は「今でもあの戦争は正しかったと思っている」とい言い張るのみで、その論理的根拠を全く示さなかった。憲法で、平和国家を標榜する日本国の宰相が、違法な武力行使を正しいと認識すること自体、許されない。それは、日本国憲法第99条の「公務員の憲法遵守義務」に違反している。

  3.  自民党員の、思想・良心の自由を侵している。基本的人権を抑圧する人物が民主国家の指導者になるべきではない。



 以上。

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2005.09.09

参院造反者に意向確認、反対なら離党促す…特別国会前←こういうのを「ファシズム」といいます。

◆記事:参院造反者に意向確認、反対なら離党促す…特別国会前

 

 自民党参院執行部は8日、衆院選で与党が過半数を獲得し、政府が直後の特別国会に郵政民営化関連法案を再提出する場合、先の通常国会で同法案に反対や欠席・棄権した党参院議員に対し、特別国会前に賛否の最終的な意向を確認する方針を固めた。

 反対を表明した場合は国会などの役職から外し、自主的な離党を促す考えだ。

 参院執行部としては、再度の否決は何としても避ける考えで、すでに派閥ごとに各議員の意向を探り始めている。(読売新聞) - 9月9日3時16分更新


◆コメント:郵政民営化の是非を問う選挙なんてものではない。ヒットラーの出現を認めるか否かを選択する選挙だ。

 

 街で見かける人々はみんなのんきな顔をしているが、どれぐらい恐ろしいことが起りつつあるのかわからないのか?

もの凄い、ファシズム政権が出来てしまうかも知れないかどうかという、瀬戸際だ。

 小泉首相の精神は、基本的にヒトラーや金正日のそれと同一だ。自分と意見が違うことを許さない。流石に、今のところ、政敵の生物学的生命を奪うことは出来ないというだけだ。



 第一、この選挙、スタートから間違っている。

 日本は議会制民主主義。国会は国権の最高機関。国民の代表。しかも参議院の半数は去年改選されたばかり。つまり、議会の決定は国民の決定。

 それが、議会制民主主義。この政治形態が嫌なら、全ての法案に全ての有権者が国民投票する制度に変えることだ。だれも働いている暇が無くなるが。



 とにかく、その立法府の一つである、参議院が小泉内閣の「郵政民営化法案」を「否決」したのである。

 「もう一度民意を問う」と小泉は言ったが、立法府たる参議院の決議が「民意」なのだ。

 これで「解散」では、議会制民主主義の意味がなくなる。今回の解散は明らかに解散権の乱用である。


◆コメント:憲法が保障する「思想・良心の自由」を侵す総理大臣がいて良いわけがないだろう

  

 ファシズムの気配は以前から有ったが、最近、あきらかなのは、自民党執行部が、郵政法案反対の立場で衆院採決を棄権・欠席し、賛成を拒んだ古賀誠元幹事長、高村正彦元外相、小渕優子ら14人に、公認の条件として<郵政民営化賛成>の確認書を提出させたことだ。

 公認権をタテに、節を曲げろ、自分の主張と逆のことを書け、と国会議員に強制したのである。これは、違憲だ。


  • 日本国憲法 第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

  • 第98条 第1項  この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

  • 第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


 冒頭で引用した記事で報じられた自民党参院執行部の行為、「郵政民営化法案に反対するなら、党を辞めろ」と圧力をかける」ことも、日本国憲法に抵触することは議論の余地がない。
 これでも、自民党に入れるひとは、ファシズムを求める人だ。

 本当にそれでよいのですか?

 ファシズム【fascismoイタリア・fascismイギリス】(「広辞苑第五版」)


  1. 狭義には、イタリアのファシスト党の運動、並びに同党が権力を握っていた時期の政治的理念およびその体制。

  2. 広義には、1.と共通の本質をもつ傾向・運動・支配体制。第一次大戦後、多くの資本主義国に出現(イタリア・ドイツ・日本・スペイン・南米諸国・東欧諸国など)。全体主義的あるいは権威主義的で、議会政治の否認、一党独裁、市民的・政治的自由の極度の抑圧、対外的には侵略政策をとることを特色とし、合理的な思想体系を持たず、もっぱら感情に訴えて国粋的思想を宣伝する。


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2005.09.08

「マニフェストを完全に中立的な立場で採点する」サイト

◆マニフェスト 突き合わせて、チェックなんかしていられない。

 

各党のマニフェストを比較しやすいように、表形式にしたものが、新聞紙面やサイトの至る所にある。
 しかし、いくら大事な選挙とは言え、国民は選挙のために生きているわけではないし、私のような勤め人は帰宅してから、自民党の120項目を読む気には、なかなかならない。それでも何とか少しずつ、読んで、書いている。書いているが主観が大幅に混入していることは否めない。


◆「ローカル・マニフェスト推進ネットワーク」による評価

 

日曜日に「世論調査による、世論誘導。(略)」という稿で御紹介した選挙専門サイト、選挙情報専門サイト「ELECTION」の中に、神吉の選挙コラム.-「政党マニフェスト評価」という新しいページを見つけた。

 ここでは、「ローカル・マニフェスト推進ネットワーク」という、マニフェスト型選挙をより実効的なものにすることを目的とした民間人ネットワークが、原文を拝借すれば、「完全に中立的な立場に立って、政党マニフェストの評価を下記のような基準で試みたので、投票の際の判断材料の一つとして参考にしてもらえれば、幸いである。」とのこと。

 個人的な所感を述べれば、完全に中立というのはやはり難しいのではないかと思うが、それでも、各新聞がバラバラの視点、基準、判断方法で書いている特集記事などを読むよりは、遙かに参考になるのでおすすめする。
 マニフェストは、英国発祥の制度(慣習?)なので、それの評価の仕方も英国では確立されている。

 ローカルマニフェスト推進ネットワークの評価基準もこれに倣(なら)っている。SMART基準というのだそうだ。

 SMARTは偶然(聡明な)という意味を持つが、ここでは、次の5つの基準の頭文字を取っているのだ。

 


  • S=Specific(明確な→明確性) 政策が具体的に何をどうするのか、はっきりしているか。

  •  M=Measurable(測定可能な) 政策遂行期限、数値目標が明記されているか。

  •  A=Achievable (達成可能な) 手段、費用、財源、プロセスなどが明示され実現可能か判断できるか。

  •  R=Relevant (関連がある。妥当性がある) 政策がお互いに矛盾せずに、整合性がとれているか。妥当性があるか

  •  T=Timed   (期限付きの)   それは、そのまま、期限がはっきりしているか、期限と言っても、政策に取りかかる期限、ある一定水準に達する期限など色々ある。

 


◆各政策を5つの要素で、1点~5点で評価する。あとは、各自ご覧下さい。

  ここでは、

 「郵政改革」「財政再建」「経済・産業・金融」「年金改革」「政治改革」「地方分権・地方行政」「子育て支援・教育」「外交」

 の8項目に関して、評価がされており、それぞれの項目に関して、

 

  • 書かれていて、良く分かる=5点。

  •  書かれていて 分かる  =4点。

  •  書かれていないが分かる=3点。

  •  書かれているが、良く分からない。=2点。

  •  書かれておらず、分からない=1点


◆今日の独断的コメント 現政権政党と野党のマニフェスト(公約)を同列に論じるのはおかしいのではないでしょうか?

 

 毎日、ご賛同のコメントやトラックバックを多数頂戴するが、何日か一度、反論、ないし単なる嫌がらせのメールなども頂く。

 反論の多くは、「お前は自民党の年金政策、税制、その他を批判するが、民主党も似たようなことを言っているぞ。」或いは「民主党のマニフェストにもはっきりしないところがあるぞ」というご趣旨ある。

 私は、各論に関しては、どんな政党も完璧な政策などないと思っているので、特に重要な個別項目、例えば憲法改正(だか改悪)などに関して以外はいちいちお答えしない。

 但し、強調したいのは、「自民党は、現在の政権政党だ。」という当たり前だが重大な事実である。

 小泉首相は2001年4月に内閣総理大臣になるときに公約を発表したが、それらを全て破り「公約なんか破っても大したことがない」と言った総理大臣だ。

 道路公団民営化は、不採算道路の建設を凍結するために、始めたことなのに、結局、利権構造を崩すことが出来なかった。

 年金改革も途中で投げ出した。昨年、国民が納めている年金掛け金を、社会保険庁が5兆6千億円も無駄遣いしていることが発覚して、民間人を社会保険庁長官に登用したが、いまだに 無駄遣いは止まっていない。

 北朝鮮日本人拉致問題に関しては、何の進展もなく、上のSMARTでいう、T(Timed=期限付き)で無いため、いつまで経っても、自民党のWebサイトを見ると「全力で努力しています」と書いて、誤魔化しているが期限のない仕事は仕事ではない。

  そして、今度は、「郵政民営化こそ、構造改革の第一歩なのです。」と臆面もなくいう。どういう頭の構造をしているのか。

 「構造改革の第一歩」ってじゃ、小泉さん、今までの4年半、何してたの?

 一般論として書くと、「現政権の今回の選挙における公約を評価するに当たっては、過去の同党の公約とその実現度をよく考えるべきだ。」ということになろう。

 現在の政権政党が、前回の公約を何も達成できていないとしたら、どうしてその政党(今の日本ならば自民党)の今回の公約に対して"Reliability"(信頼性)を付与することが出来よう。

 無論、政権を取った事が無い政党はもっとReliabiltyが未知数である。

 しかし、負の実績がある党よりはマシである。負の実績とはマイナスからのスタート。

 政権担当経験が無い政党はゼロからのスタートだからである。

 民主党が胡散臭いという。それは、「情緒的判断」である。

 自民党がウソをついたことは、「歴史的事実」である。

 こちらから、伺いたい。何故、過去にこれほどウソばかりついた人が日本の宰相にふさわしいと考えられるのか?

 貴方も彼と同じぐらい、ウソをつき、約束を破るから、あんなのは当たり前、ということですか?

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2005.09.07

【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。

◆「小泉首相の任期中は、消費税を上げない」2007年から上がる

 

 自民党のサイトにアクセスすると、自民党政権公約2005という項目がある。

 その中で(自民党の)120の約束というセクションを開いてみてください。

 なるほどね。上手いこと考えるね。

 120項目も真面目に読む有権者など、いないだろうと考えていることが良く分かる。

 実際、読む気がしなくなるように出来ているのである。一応、当たりの柔らかいことが書いてあるが具体性に欠けるので、結局、自民党が何をする気か分からない。

 そのうちに、眠くなってきて、「ま、いいか」となる。

 ところが、そう思って油断していると、大事なことは書いてあるのだ。

 120の約束の9番目。009。「歳出・歳入一体の財政構造改革を実現」を見て下さい。

 7つ項目がある。7つ目の更にその小項目の2番目つまり、約束009全体の最後にこう書かれている。

 「19年度を目途に、社会保障給付全般に要する費用の見通し等を踏まえつつ、あらゆる世代が広く公平に負担を分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する。

 ご覧の通り。

 自分の任期中は増税しないが、増税の仕組みはしっかり作って、置きみやげにしてあげますよ。と言うのが、小泉君の本音である。


◆「サラリーマン増税しない。」はウソ。
 

 選挙前、サラリーマン増税を政府の税制調査会が提案(答申といいますね)したが、流石に「増税する」というのはまずいと思ったのか、税制調査会の見解は採用しない、といっているが、そんなわけはない。

 税制調査会なんてものは、表向きは、有識者による、政権から独立したシンクタンク(研究所みたいなもんですよ)だと言うことになっているが、そんなこと誰も信じていない。

 その時の政府の意向に合うような答申をすることになっている。

 政治家は狡いから、「専門家に検討して貰ったら、やはり増税が必要だと言っています」という形を取るわけだ。

 そして、今回、選挙だから「税調(税制調査会)の答申は採用しない」といっているが、元々、小泉純一郎内閣総理大臣は、

 「公約なんて破っても大したことはない」

 と言う人だから、彼が今約束していることは、全て反故(ほご)にされると考えておいた方が良い。


◆既に、サラリーマン増税を決めている。小泉首相が再び政権を取ったら確実に実行される。

 

 今年に入ってから、定率減税の見直し(限度額20万→10万)、配偶者控除(36万円)の廃止を決めている。実質的に、増税以外の何者でもない。

 そのくせ、企業に対する法人税減税は全然減らさない。上場企業の三分の一が史上最高利益を上げているのに、従業員の給料には反映されていない。だから、まず、法人税減税を見直すべきである。

 企業に冷たくしないのは、政治献金が目当てであることは云うまでもない。


◆医療費本人負担を増やす。

 

 小泉君は、国民が医者にかかったときの負担額を引き揚げるのが大変お好きなようだ。

 1997年、この「窓口負担」割合を1割から2割に増やしたのは、当時の厚生大臣だった小泉純一郎氏である。

 その五年後、2002年7月、首相になって1年経過後、2割負担を3割負担に引き揚げた。

 この時、当時の丹羽厚労相は「診療報酬を引き下げたから、健康保険財政には余裕がある。これは、改革ではなく単なる、国民の負担増だ」と言って反対した。

 しかし、他人に反対されるのが大嫌い(このような幼稚な心理の持ち主が首相で良いのか?)な小泉首相が押し切った。

 ところが、つい最近、厚生労働省が当時の国民医療費を7年間で1兆3000億円以上も過大に公表していた事が明らかになった。

 例によって、役所は担当者を更迭して、話を終わらせようとしているが、要するに、健康保険財政の「危機」を演出するために、小泉政権がウソの国民医療費を発表していた疑いが濃いのである。


◆国家公務員の給料カットもウソ。

 

 人事院は、小泉首相に調子を合わせて、「来年度の公務員給与を4.8%引き下げる」勧告をした。

 が、誠に狡いことに、同時に、大都市で働く役人に支給されていた「調整手当」(基本給の12%)を「改変」し、新たに、基本給の18%の「地域手当」を新設する。

 基本給をカットして、一応(公務員以外の)国民を納得させておいて、こっそり「手当」で補填しようというのだ。


◆年金で高齢者を圧迫。

 

 既に今年1月から、年金受給者に適用されていた、50年以上も続いていた「老年者控除」が廃止された

 それまでは、65歳以上で所得1000万円以下の高齢者に一律50万円認められていた控除である。これが、無くなった。

 同時に年金受給者に適用される公的年金等控除の額が約20万円減った。

 それにより、平均的サラリーマンだと年間10万円の増税になる。将来的には、この公的年金控除をゼロにしようとしている。

 年金受給額が月額17万円という平均的なサラリーマンでさえ、毎月の税負担は2万円増える


◆今、30代以下のサラリーマンの年金は、「月額10万円」

 

 また、昨年の税制改正では、マクロ経済スライドという訳の分からない制度が導入された。

 国の財政状況を理由に、年金支給額を目立たないように少しずつ減らしてゆくシステムである。

 これを「悪用」すると、現在30代以下の世代では、年金月額10万円にもなってしまう。更に年金支給開始70歳という案もある。

 これらの計画は、全て小泉純一郎の了解の下で(といっても、本人は細かいことは忘れているに違いないが)進んでいる。


◆「官から民へ」などと云って、民間人を優遇しようとしているかのような台詞に騙されてはいけません。小泉氏は異常に冷酷です。

 

 このように、基本的に損をするのは、民間人。更に、年寄り。所得の少ない者ほど不利。

 よく言われるように、小泉政権の政策は、国民を「勝ち組」と「負け組」の2種類に峻別するような状況を創出する可能性が極めて高い。

 私はそういう世の中を作るのが政治の目的であってはならないと考えている。当たり前ではないか。弱者に篤(あつ)く、強者に薄くが政治の基本ですよ。

 今勝ち組のつもりの貴方。貴方もも明日、車にはねられて、半身不随になったら、おしまいですよ。超負け組ですよ。小泉政策の下では障害者自己負担率を上げようとしてるんだから。

 とにかく小泉純一郎内閣総理大臣の政策を見れば見るほど、彼の冷酷な正確が浮かび上がる。

 20年ぶりに会いにきた、三男に会わずに追い払ったという話を聞いた頃からおかしいなと思っていたが、彼の冷酷さは筋金入りのようだ。

投票日に、他に入れる政党がないから、と言って、いい加減な気持ちで自民党に投票すると苦労しますよ。

 他の政党(民主党)だって頼りないけど、やらせてみなければいつまで経っても頼りない。

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2005.09.06

「テレビによる世論誘導」が行われつつあるそうです。真実ならば、ファシズムですね。

◆記事:テレビ・ファシズムの危機性高まる。投票日の9月11日に向けてテレビと新聞による「小泉賛美・野党攻撃」の偏向報道の強化が「再び指示された」と、内部からの訴え。

 【おことわり】

選挙まで余り日がないことと、事の重大性に鑑み、失礼して引用させていただきます。

引用元は政治評論家の森田実氏のサイト内にある、森田実の時代を斬るというコーナーです。昨日付のページ。URLは

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/

です。

【引用開始】

2005年森田実政治日誌[313]

テレビ・ファシズムの危機性高まる。投票日の9月11日に向けてテレビと新聞による「小泉賛美・野党攻撃」の偏向報道の強化が「再び指示された」と、内部からの訴え。

テレビ界ウォッチャーのQ君から電話がかかってきた。

「9月11日の投票日に向けて、テレビ局の上層部から、現場に対して“民主党攻撃を強化せよ! 徹底的にやれ! 視聴者の偏向報道批判など問題ではない! 小泉政権を守れ! 何がなんでも勝利させろ! 放送法違反などという批判は気にするな!”との強い指示があったと、テレビ局内部の友人から知らせがきました。

テレビ局上層部は“小泉首相を勝たせるためにはどんなことをしてもかまわない。誤報もおそれるな”という姿勢だそうです。

おそろしいことになってきました。テレビ局は狂気です。ファシズムです。このことを国民に知らせてくれませんか。

テレビ局は異常です。これをとめるには、視聴者が、テレビ局へ電話等で抗議するしか方法がないと思います。

各野党からも抗議する必要があります。候補者はみなマスコミをおそれ、遠慮しています。

新聞は、記事と世論調査と投書欄で情報操作しています。

日本は危機です。テレビと大新聞が、小泉政権・自民党・公明党の宣伝隊になってしまいました。

日本人の心が権力者とその手先のマスコミによって弄ばれています。」



私はこう答えました。「Q君。落ち着いて対応しましょう。いまは冷静になることが大切です。国民全体が冷静になれば、狂気のテレビは、国民から浮いてしまいます。悪いテレビへの抗議は必要です。テレビと大新聞が小泉政権の手先になっていることを国民に知らせましょう。大切なのは投票前の最後の一週間です。悪いテレビが悪事をしないようきびしく監視したいと思います。」マスコミの影響力は巨大ですが、抗議すれば、内部の良識派が動きやすくなるだろう。マスコミ内部の良識派に期待したい。

【引用終わり】


◆コメント:テレビまでもが、そこまで支配されているのですか・・・・・・。

 

 勿論、無断引用はいけないが、選挙まで日が迫っている上、事が事だけに、引用しても森田氏からクレームが無いと信じたい。

 根も葉もないこととは思われない。

 私は一昨日、世論調査による世論誘導が行われている気配が濃厚である、という趣旨の文章を書いた。

 しかし、テレビ各局に民主党を攻撃させ自民党を勝たせろと圧力をかける、とは・・・。そこまでやるとは考えなかった。

 今まで、NHK、民法各局が、党首討論、或いは各政党代表による討論番組を放送していたが、それを見ている限りにおいては、司会者が故意に自民党に有利な方向に議論を操作しようというような気配は感じなかったので、まさか、と思っていたが、どうやら、私が甘かったようだ。政治家はどんな汚い手も使うのだった。

 考えてみれば、現政権がなりふり構わず、新聞まで利用するのであれば、当然、一層、特に、大衆に影響力の大きいテレビを利用しようとするであろう。

 そんなことがあるのかと言えば、例えば自由の国と言われるアメリカは政府によるマスコミ統制が厳しいので有名だから、日本において同様の事があってもおかしくない。

 理屈はそうなのだが、我が日本国まで、実は言論の自由は無いのか、と認識するのはなかなか辛いものである。



 何だか、俺はもう、全て嫌になってきたよ。



 とにかく、森田氏のサイトの情報が現実の現象、傾向としてテレビ番組に現れてくるかどうか、よく見極める必要がある。

 古館・筑紫や、テレビに登場する「知識人」「文化人」の発言が、これから、投票日に向かって、与党礼賛・民主批判になってきたら、怪しいということだ。

 そうなったら、本気で抗議してやる。本当だったら、日本は民主国家ではない。全体主義国家だ。

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2005.09.05

「竹中郵政民営化大臣に関する疑惑」を覚えていますか?(「小泉氏のターゲットはIQが低い層」本当にあるのですね。)

◆記事1:竹中氏の疑惑関与を追及 不信任案提出と鉢呂氏 (6月16日付 共同通信)

 http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2005061601000998

 民主党の鉢呂吉雄国対委員長は16日午前の記者会見で、竹中平蔵郵政民営化担当相の秘書官の知人の会社が郵政民営化の政府広報を随意契約で受注したことに関し「竹中氏が(口利きを)見逃し、容認した疑いもある。内部情報があり、(実態を)明らかにしていく」と述べ、竹中氏の関与がなかったか追及していく考えを示した。

 鉢呂氏は、竹中氏について「これまでも衆院総務委員会の欠席問題、(歴代郵政相の国会答弁を)『政治家の信条』とした発言など、閣僚としての資質に著しく欠ける状況だ。不信任決議案提出という対応になる」と述べ、竹中氏の不信任決議案提出を明言した。 ただ、具体的な提出時期には言及しなかった。


◆記事2:「国会からの手紙」(民主党中村てつじ前衆議院議員のメルマガ)

 「国会からの手紙」第220号:郵政民営化担当大臣(竹中平蔵)の疑惑

◇ 郵政民営化PRチラシをめぐる疑惑

皆さんは、「郵政民営化ってそうだったんだ通信」をご存知でしょうか。

折込チラシ(フライヤーというそうです)で、政府案が提出される前の2月に地方を中心に1500万部が配布されたものです。

このチラシの制作について、政府は、郵政民営化担当大臣(竹中平蔵)の政務秘書官の知人、谷部貢氏が経営するスリード社に1億5600万円の随意契約で発注をしました。

スリード社は、2004年3月創業、社員2名の有限会社です。このような業者になぜ随意契約でこのような大きな仕事が発注されたのかが、疑惑として浮上してきたわけです。

会計法と予算決算及び会計令によって、よほどの緊急性がある場合または代替がきかない場合以外には、160万円以上の随意契約は認められていません。また、相見積もりを取ることも義務づけられています。

そのルールを無視した契約は、郵政民営化の広報を利用して私腹を肥やしていたのではないかという疑念を生じさせています。

この件により、衆議院「郵政民営化に関する特別委員会」は、非常に緊迫した状態になっています。竹中大臣の辞任につながる可能性も出てきました。 


◆コメント1:民主主義の起源は「税金の使い道を監視する」ということだ。

 

 民主党の中村てつじ議員らが問題にしていたことの内容は、氏のメルマガバックナンバー6月22日号をお読みいただくと良く分かる。

  中村議員が問題にしているのは、竹中郵政民営化担当大臣が、知り合いに郵政民営化PR用のチラシを作らせた事である。

  予算決算及び会計令という政令がある。この99条は、

第九十九条  会計法第二十九条の三第五項 の規定により随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。

一  国の行為を秘密にする必要があるとき。

二  予定価格が二百五十万円を超えない工事又は製造をさせるとき。

三  予定価格が百六十万円を超えない財産を買い入れるとき。

と、これが二十五まで続くので省きますが、

要するに、国が一定金額以上の物(「財産」)と書いてありますね?)を民間から買うときには、特定業者と国の癒着を防ぐために、かならず、複数社から見積もりを取るか、競争入札させるかしなくてはいけないのです。

私など東京にいる物は見たことが無かったのですが、地方では今年の2月に「郵政民営化ってそうだったんだ通信」というチラシが合計1500万枚配布されたとのこと。

このチラシを国が発注した相手先は、竹中郵政民営化大臣の政務秘書の知人が経営するスリード社という、社員2名の会社だそうです。しかも、予算が1億5千万円もする。

予算決算及び会計令第99条第三号では、160万円を超える財産を買うときは、随意契約をしてはいけない。ということですから、明らかに違反している。


◆コメント2:そんなこと、いまさら・・と言ってはいけないのです。

 

 そもそも、税金は、公共サービスの資金として、直接の反対給付無しに、国民の富の一部を差し出す物ですから、その徴収は必ず法律の規定に基づいてなられなければなりません(租税法律主義)が、納税者たる国民に側にも、税金が不正に使われていないか、監視する義務があり、これが民主主義の起源の一つなのです。

 だから、郵政民営化のパンフレットぐらい何処へ注文してもよいではないか、と言って済ませてはならないのです。

 日本国民には、この「納税者意識」が薄いのです。

 このため、一昨日書いたような架空請求118億円などということを、ヤクニンどもが平気で行うようになるのです。


◆コメント3:このパンフレットの内容は問題ですな

  

 チラシとは別に、一つの資料が、中村議員らによって、暴露された。

  「小泉内閣支持者はIQが低い」というような週刊誌ネタが数週間前から話題になっていましたが、私はまさかそこまで露骨な証拠は無いだろうと思いこんでいたのです。

  迂闊でした。本当に、そういう内容なのです。多分、小泉首相はこの戦略をかなり気に入っています。

  多分竹中氏が作らせたのでしょうが、有限会社スリードと株式会社オフィスサンサーラという、いずれも従業員が2人しかいない、零細広告屋(広告代理店、かっこよく言えば、キャンペーン企画・提案会社)による「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」というレポートです。まあ、2ページ目から3ページ目だけでいいので、読んでみて下さい。

 既に、散々、ネットで書かれたと思いますけれども、今一度書きます。

 この計画は、国民を三つの層に分類しています。


  • A層 【財界勝ち組企業、大学教授、マスメディア、都市部ホワイトカラー】構造改革にポジティブでIQが高い。エコノミストをはじめとして基本的に民営化の必要性は感じているが、これまで、特に道路公団民営化の結末からの類推上、(郵政民営化の)結果について、悲観的な観測を持っている。

  • B層 【主婦&子供、シルバー層】   具体的なことはわからないが小泉首相のキャラクターを支持する層、構造改革にポジティブでIQが低い

  • C層 【構造改革抵抗守旧派】    構造改革にネガティブでIQが高い。


 この中で、B層にターゲットを絞ってラーニングプロモーション(啓蒙的な宣伝とでも訳しましょうか)をおこなうこと。道路公団民営化、年金問題民営化などのネガティブがイメージを想起させないこと。

 を提案しているのです。


◆コメント4:小泉首相が全面的にこの提案に満足したかどうかは知らないが、かなり影響を受けていることは、ほぼ間違いない。

 

 つまり、小泉首相は、インテリ相手にまともに郵政民営化を論じると、道路公団民営化は頓挫したじゃないか(僭越ながら、私も8月27日に書いた)といわれ、年金問題も一向に進展していないじゃないかという弱みを指摘される(再び、僭越ながら、私は9月1日にかいた)ので、まずい。

 あまり、知識が無くて、小泉首相をイメージだけで支持している層に、良いことばかりを教え諭すように繰り返しアピールすればよい、と言うわけです。

 これで、小泉が如何に有権者をナメているか、良く分かるでしょう? 小泉首相を支持する人々は「IQが低く、こいつらだけ騙せばいいのだ」、と思われているのです。

 それでも、小泉首相支持ですか?

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2005.09.04

世論調査による、世論誘導。 過去の世論調査と実際の得票率。他

◆コメント:全国紙が投票日1週間前に同時に世論調査結果を掲載、しかも、全て「自民過半数確保」。

 

 全国紙(朝日、読売、毎日、日経)は本日付朝刊トップに、いずれも世論調査結果を掲載している。

 そして、申し合わせたように、「自民、単独過半数の勢い」というたぐいの見出しを付けている。まあ、見てくださいよ。


◆記事1:自民、単独過半数の勢い 衆院選情勢全国調査       (共同通信)

  

 http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2005090401000063

 共同通信社は第44回衆院選について1-3日の3日間、全国の有権者約15万3600人を対象に電話世論調査を実施、取材を加味した上で現時点での情勢を探った。

 300小選挙区、全国11ブロックの比例代表(定数180)ともに自民党が優勢で、同党は単独で過半数の241議席を確保する勢い。
 公明党も堅調で解散時勢力の34議席を維持する可能性が高い。
 これに対し、民主党は比例代表や東京など大都市部の小選挙区で振るわず、解散時勢力の175議席を下回る公算が大きい。
 「郵政民営化への賛否」を争点化させた小泉純一郎首相の戦術が功を奏している格好だ。

  郵政民営化法案に反対した前議員らが結成した2新党は苦戦を強いられている。

 ただ、大都市部以外では民主党が健闘している小選挙区もある上、35・9%の人が投票態度を「決めていない」と回答しており、今後情勢が大きく変化する可能性もある。(了)


◆記事2:自民優勢、過半数の勢い 与党安定多数も 本社情勢調査     (朝日新聞)

 

 http://www.asahi.com/politics/update/0904/002.html

 朝日新聞社は総選挙公示翌日の8月31日から9月3日にかけて、全国の有権者を対象に電話調査を実施し、全国取材網の情報も加えて選挙戦序盤の情勢を探った。

その結果、

(1)自民は優勢で単独過半数(241議席)の勢い

(2)公明は公示前より議席を減らす見通し

(3)民主は後退し、170議席を大きく割り込む可能性がある

(4)共産、社民はともに1ケタの議席にとどまる見込み――などの情勢が分かった。連立与党は安定多数(252議席)を確保する見通しだ。[2005年09月04日03時18分]


◆記事3:自公、過半数超す勢い…読売調査                   (読売新聞)

 

 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20050904it01.htm

 読売新聞社は、11日投票の第44回衆院選を前に、8月31日から9月3日までの4日間、全国の有権者約15万5000人を対象に世論調査を行い、全国総支局などの取材を加味して終盤の選挙情勢を探った。

 与党の自民、公明両党の合計獲得議席は241の過半数を超す勢いだ。特に、郵政民営化実現を訴えた自民党は、全国的に支持を広げており、単独過半数に迫っている。

 民主党は、強みを見せてきた都市部で伸び悩んでいる。郵政民営化反対を掲げる無所属候補らも苦戦している。

 ただ、小選挙区選では3割、比例選で2割が投票する候補者や政党を挙げておらず、情勢は残り1週間で変わる可能性がある。


◆記事4:衆院選世論調査:自民党、単独過半数の勢い 中盤情勢     (毎日新聞)

 

 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050904k0000m010141000c.html

 毎日新聞は、11日に投票を迎える第44回衆院選について1日から3日にかけて、特別世論調査(電話)を実施するとともに全国の取材網を通じて中盤情勢を探った。

 自民党は前回の03年衆院選で苦戦した東京や埼玉など首都圏で大きく巻き返し、単独過半数(241議席以上)を確保する勢いだ。

 逆に民主党は地盤にしてきた都市部で振るわず、公示前議席を割り込みそうだ。

 郵政民営化反対派の無所属や新党も苦戦が目立つ。

 ただ、投票態度を明らかにしなかった人が小選挙区で約3割、比例代表で約2割いることから、終盤で情勢が変わる可能性もある。


◆記事5:(9/4)与党が安定多数の勢い、民主は苦戦・本社調査        (日経)

 

 http://www.nikkei.co.jp/senkyo/200509/elecnews/20050903d1e0300g03.html

 日本経済新聞社は11日に投票日を迎える第44回衆院選を前に全国世論調査を実施し、情勢を探った。

 全480議席のうち自民は小選挙区で強みを発揮し、比例代表を合わせて単独過半数をうかがっている。

 公明も堅調で、与党で安定多数の252議席を超える勢いだ。

 民主は苦戦する選挙区が目立ち、選挙前勢力の177議席の確保は微妙な状況だ。


◆コメント:全国紙は与党の御用新聞か?

 

 毎回、選挙となると、投票日のちょうど一週間前に、全国紙が申し合わせたように、最新世論調査結果を発表し、多くの場合、「与党優勢」と書く。

 今回の世論調査が行われた時期も、ほぼ各社同じで8月31日~9月3日である。つまり、先週の水曜日から土曜日(昨日)である。

 水曜日~金曜日の昼間に、一般家庭に電話したところで、答えられるのは、主婦か学生か、お年寄りであろう。

 サラリーマンには、殆ど聴けていないはずだ。土曜日に休みのサラリーマンもいるが、全体としては前サンプル数における、サラリーマンの比率はさほど高くない、と容易に推察できる。

 郵政民営化とは何か。年金改革とは何か。自民党はサラリーマン増税を直前になって引っ込めたが信用できるか。任期が後1年しかない総理大臣が4年間の政策について公約を述べるのは、無責任ではないか。

 こうしたことについて、明確な概念を持った上で、世論調査に回答した人が果たしてどれぐらいいるか。

 また、何故、複数の新聞社が同時に世論調査を行い、投票日一週間前の今日、同時に1面トップに載せ、同じコメント「自民、単独過半数」と書くのか?偶然とは思えない。世論操作の意図が窺える。


◆記事2:<衆院選>元レバノン大使の天木氏、首相地元から出馬

 

 03年3月のイラク戦争開戦を支持した日本政府を批判し外務省を退職した元レバノン大使、天木直人氏(58)が、30日公示の衆院選に小泉純一郎首相の地元、神奈川11区(横須賀、三浦市)で無所属での出馬を決めた。

 26日に表明予定で、天木氏は「会見して決意を明らかにしたい」と話している。

 郵政民営化を争点にしたい首相に、イラク戦争での責任を追及する構えだ。

 天木氏は69年外務省に入省。01年にレバノン大使に就任した。開戦前後に2回、川口順子外相(当時)あてに「戦争回避のため最後まで外交努力をすべきだ」などと訴えた公電を打電、全在外公館にも転送した。

 その後外務省から勇退を求められ、03年8月退職した。同省は「意見具申と退職は無関係」としている。

 天木氏は退職後、外交評論家として自衛隊派遣など米国寄りの外交政策を批判する講演活動や執筆活動などを続けている。「さらば小泉純一郎!」などの著書もある。

 同選挙区には民主党の斎藤勁(つよし)参院議員(60)、共産党の瀬戸和弘氏(53)が出馬を表明している。(毎日新聞) - 8月25日15時6分更新


◆コメント;全国紙が一斉に無視している事実。小泉さんの選挙区で立候補した、元外交官の天木氏。

 

 今回は、郵政法案に反対した自民党候補に対して小泉首相が放った「刺客」が選挙戦前半の話題となった。

 しかし、最もセンセーショナルな刺客といえば、小泉首相の選挙区に自ら対抗して立候補した天木直人氏であろう

 天木直人氏は、元レバノン駐在の日本大使であり、イラク戦争開戦前に、小泉首相に対して、米国を支持しないよう直接電報を打って、その後外務省に呼び戻されてクビにされた人だ。

 天木氏の著書、 さらば外務省や、さらば小泉純一郎!等を読まれるが良い。政財界の腐敗ぶりに気が遠くなりそうだ。

 天木氏は、しばらくココログで、「マスメディアの裏を読む」というブログを綴っていたが、今は、止めている。

 それを本にしたのがウラ読みニッポン―新聞ではわからないことがわかる本である。

 最後の本についてのカスタマーレビューには、「批判に感情がこもりすぎている」と書いている人がいるが、私にはそう思えない。

 正しいことを主張してクビになって何の感情も湧かなかったら、人間としてはむしろ異常だろう。

 ブログで「マスメディアの裏を読む」を書いていた頃から、氏の文章は、しばしば感情にあふれていたが、それは決して不合理なものではなく、正義感に由来する怒り、これを日本語で、「義憤」というが、正に、義憤に満ちていたのであり、異常なものとは言えない。

 たとえ、「義憤」に駆られて書いたような場合でも、氏の文章から論理性が損なわれていることは無かった。

 それどころか、一般紙で報道される普通の情報、オープン・インフォメーション(誰でも入手できる公開された情報)から、ここまで、事実を読み取れるものか、と、毎回感心して読んでいたのを覚えている。

 今回、天木氏が小泉純一郎の選挙区に立候補したことを、「感情的になりやすい外交官が、イラク戦争反対を総理大臣に直訴して、外務省をクビになった恨みからくる嫌がらせ」としか考えないのは、あまりにも表層的である。

 それは、天木直人氏のホームページをご覧になればわかるだろう。

 というわけで、天木氏が小泉首相の地元から立候補を決めたという事実は、非常に注目されるべきニュースだと思うのだが、各紙は記事2のように、ベタ記事でなるべく目立たないように、小さく取り上げただけで、後は黙殺した。だらしがない。

 ホリエモンなど取材する暇があったら、天木さんの主張を取材するべきだったと思う。


◆参考資料:過去2回の世論調査と、選挙における得票率の比較。

 マスコミ全社と比較したい所だが、そこまで調べられなかったが、NHKの世論調査と実際の選挙における得票率は、以下の通り。

・2003年11月衆議院議員選挙

 (NHKの世論調査)


  • 2003年 8月   NHK世論調査   自民31%  民主06%(小泉内閣支持率53%)

  • 2003年 9月   NHK世論調査  自民32%  民主09%(小泉内閣支持率61%)

  • 2003年 10月  NHK世論調査   自民36%  民主10%(小泉内閣支持率62%)


 (選挙結果)

2003年衆院選   得票率       自民 35%    民主37%



・2004年7月参議院議員選挙

 (NHKの世論調査)


  • 2004年 4月  NHK世論調査  自民34%  民主11%(小泉内閣支持率53%)

  • 2004年 5月  NHK世論調査  自民34%  民主10%(小泉内閣支持率53%)

  • 2004年 6月  NHK世論調査  自民34%  民主12%(小泉内閣支持率54%)


 (選挙結果)

2004年7月参院選  得票率      自民30%     民主38%

 つまり、全国紙の直前世論調査といえども、存外当てにならない、ということだ。要するに浮動票が読めないのである。


◆参考資料2:インターネット世論調査結果は全国紙のそれと全く異なる。

 

 既にご存じの方も多いだろうが選挙情報専門サイト「ELECTION」というWebサイトがあり、やはり世論調査を実施している。

 最新の結果は第44回世論調査というところに載っているから、ご覧になることをお奨めする。

 どういう団体が運営しているのかと思ったが、政府広報オンラインが、わざわざ現政権に不利な情報が載るのにリンクを認めているぐらいだから、そうデタラメではないはずである。

 ここに掲載してある事が事実だとすると、調査のサンプル数は全国紙には遠く及ばないが、40代から60代の男性の比率が高い。

 彼らは社会の主軸となって働いている人々だから、大新聞の世論調査よりも、「民意」を正しく反映している可能性が高い。


◆結論

 

 要するに、世論調査は「他人の過去のある時点における選択」を数値化した、というだけのものである。

 そこで多数を占める意見が、必ずしも「正しい」とは言えない。

 選挙における投票行動は各有権者が、情報を収集して、自らの能力の限りをつくして分析判断して、自由意思に基づき、自ら決定すべきである。

 蛇足ながら付け加えるが、国家は新聞を使って世論を誘導しようとするべきではない。

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「お前はどこの政党の誰を支持するのだ」とのお訊ねがありましたので(既に書いてるんですが)。

◆岩國哲人氏が民主党党首となり、民主党が政権を取るのが理想です。

 

 読者の方から、「お前は、小泉はダメだというが、それならば、どの政党を支持して、誰が内閣総理大臣になるべきだと考えているのか」という質問をいただきました。

 勿論、過去の私の日記を全て読んでいただいている方は少ないでしょうし、読んでも、いちいち覚えられませんから、むりもないのですが、

 実は、8月6日、既にはっきりと書いています。ここがエンピツ、 ここがココログです。

 結論は、私は、民主党は岩國哲人氏が党首になるべきであると考えています。そして、理想的形態は、その民主党が政権を取ることです。

 私は、8月8日(衆議院が解散した日)まで国会議員だった人の中で、岩國さんが内閣総理大臣に最適任だと考えています(後述しますが、能力の高さが桁外れだからです。その上、人情を解するひとだからです。)

 しかし、どういう訳か、岩國さんは民主党幹部に名を連ねないのです。 ですから、私の「理想的」な姿では無けれども、次善の選択として、民主党に入れます。

 岩國さんは幹部になっていないけれども、民主党が彼を重んじていることは、衆議院会議録の検索システムで岩國哲人(いわくにてつんど)と入れてみれば分かります。

 予算委員か、法務委員会、郵政民営化特別委員会、本会議で、実に正鵠を射た質問をぶつけ、閣僚や、内閣総理大臣をたじたじとさせています。



 岩國のさんの能力を正確に理解しなければ、民主党は彼をこれほどたびたび重要な委員会、本会議で代表質問させないはずで、その意味で(岩國さんの能力をきちんと評価出来るという点において)、民主党は、一部の人が云うようないい加減な党でも、危険な党でも無い、と考えます。

 岩國さんの著書は沢山ありますが、今、Amazonで調べたら、男が決断する時―国際金融界から出雲市長へしかヒットしませんが、これは、世界最大の投資銀行メリルリンチの上級副社長を辞めて、出雲市長になった時のいきさつを書いた本です。

 その他にも古本か、オークションで、「出雲からの挑戦」、「ウォール街発新日本論」、「一月三舟」(何冊か続編が出ている)などがあるので、調べてみて下さい。

 私が岩國さんが「人情を解する人だ」と判断したのは、これらの著書からです。そこまで書くとあまりにながくなるので、ここでは省きます。それに、こういうことは、各自本を読むなり、話を聞いて判断するべき事でしょう。


◆民主党には、他にも顕著な業績を上げた議員がいる。

 

 他にも、民主党には、私の知る限りにおいて、めざましい政治的業績を上げた優秀な議員がいます。

 日本人はすぐに忘れるけれども、「薬害エイズ事件」の全貌が明らかになったのは、菅直人氏が厚生大臣になって、役人に命じて資料を全部開示させたからです。この一時だけでも、彼は、日本政治史に名を残す存在です。


 菅直人氏のことを何となくムシが好かないとか、要するに好き嫌いの感情を持つのは自由ですが、この「薬害エイズ」のおける功績は、好き嫌いとは別個に正当に評価されなければなりません。

 また、一見地味で、誰も手をつけない社会保険庁の実態を調べて、5兆6千億円の年金掛け金流用を暴露したのは、同じく民主党のながつま昭議員です。

 さらに、8月25日の日記に書きましたが、東京3区から立候補する、松原仁前衆議院議員は、他の国会議員が誰も見向きもしなかった頃から、北朝鮮拉致問題被害者の家族を援助し続けていることを、知る人はい知っています。

 だからこそ、横田早紀江さん(横田めぐみさん)の母君)は恩義に感じて、応援演説に立ったのです。平沢某みたいにテレビに映る時だけ、さも拉致被害者の味方みたいな顔をして、その実何もしていない自民党議員と訳が違うのです。H代議士は今や、拉致被害者家族の方から愛想を尽かされてしまいました。


◆1位なしの2位
 

 私は民主党の言うことなら、何でも賛成、バンザイ、というほどの単純バカではありません。

 ただ、民主党は、自民党よりはマシなのです。



 私の好きな音楽の話を少し書かせて貰います。

 今年は、5年に一度行われる、世界で最も権威のあるピアノコンクール、「ショパンコンクール」の年です。もうすぐ始まります。

 ショパンコンクールの優勝者は、1位とは限らないのです。

 「ショパンコンクールの1位」という栄光を与えるにふさわしい、才能・音楽性・技術を持った参加者がいない、だれも、「ショパンコンクールの1位」には値しない、というとき、「1位」は空席となり、「1位なしの2位」が最高の評価になります。

 最近では、1985年に、当時19歳のスタニスラフ・ブーニンが1位となりましたが(この年日本人の小山実稚恵さんが4位になってます。ショパンコンクール4位とは、並大抵のことではありません)。

その次1990年、さらにその次1995年、2回続けて1位無しでした。

2000年、なんと15年ぶりに1位の栄冠に輝いたのは、中国人のリ・ユンディという青年でした。

それから、早くも5年が経ちました。

今年の「予備審査」は9月23日に始まり、結果が9月30日に発表され、それから、やっと第1次予選が、10月3日に始まり、本選の結果が発表されるのは10月21日。全日程が1ヶ月以上もあるのです。

 (本当は、私は、政治なんかより、こういう話ばかり書いていたいな・・・)。



 話がそれましたが、人間の暮らしにおいては、「1位なしの2位」の選択をする方が、むしろ圧倒的に多い、と言うことを述べたいのです。

 当たり前のことですが、日本人1億2千万のうち、有権者は1億3百万人ぐらいです。 そして、1億人一人一人、「国への要求」が異なるのだから、全ての有権者を100%満足させることが出来る政党などというものは、世界のいずれの国でも、未来永劫、存在し得ないのです。

 どうしても、全て自分が満足する政策を持つ政党が欲しかったら、自分で政党を立ち上げるしか方法はありません。

 ですから、「次善」という選択をすするしかない。そして、「1位なしの2位」ということを急に思い出したので、書いたのですが、話が冗漫になりました。


◆民主党に関する考察

 

 私が民主党のマニフェストを読んで一番気になるのは憲法問題です。

 憲法といったら9条に決まっているのに、あからさまにそれを避けて、皇位継承権の事に触れているのにこれは、不自然です。

余程、党内で9条に関して、方向性が決まらないのでしょうか。

岡田さんは、昨年、訪米時に、「自衛隊の海外での武力行使」について言及していたはずですが、正確なところが分からない。どう考えているのか知りたいです。

知りたいので、メールを送って問い合わせました。返事はまだ返ってきません。そりゃ、今は忙しいでしょうね。


◆民主党が一枚岩でないのは、むしろ健全。

 

 また、「民主党が一枚岩ではない」、ということは、よく言われ、私も認めますが、それはある意味で健全な姿だと思います。それは自民党を観察すれば分かります。

 こんど、小泉首相が再び政権を取ったら、実質「小泉党」になってしまいます。

 彼の周りは「イエスマン」ばかりになるでしょう。

 それから、民主党のサイトを見ると、民主党沖縄ビジョン【改訂】 というのがあります。

 沖縄の特殊性に鑑み、また、本土依存的傾向から脱却するために、あれこれと方策が述べてあるのですが、冒頭に「独立」とか「一国二制度」という言葉が使われていています。

 独立といっても、日本国から独立させると言う意味ではないのです。

 ところが、そういうことをよく読まないで、言葉尻だけとって、「正気の沙汰とは思われない」とか、「こんな危ない政党に日本は任せられない」というメールを送ってくる人がいます。

 まあ、落ち着いて。これは、まだ、「ビジョン」でしょ?つまり、「試案」ということです。「公約」ではない。

 民主党が政権をとったら、必ず実行すると言っているわけではない。だからマニフェストに載せてないのでしょう。

 そういう、まだ、「アイディア」の段階なことに拘ってカリカリしても仕方がないと思います。事には軽重があります。


◆自民党に関する考察

 

 そう。物事には軽重があるのです。

 公約(それがどのようなものであれ)を破って平然としているような政党は、信用できない。

 小泉首相がどれぐらい公約を破ってきたかは一昨日書きましたので、お読み下さい。

 また、過去の選挙から得た国民の審判の結果を平然と無視する政党も信用できない。

 昨年は、年金問題が国会議員自身の未納問題などがあって、未だ紛糾しているのに、自民党は年金改革法案を強行採決したのです。

 その後、七月の参議院選挙で、かろうじて自公連立で過半数を維持したものの、大幅に議席を失い、小泉首相は責任問題すら問われたのです。 ところが、小泉首相は「逆風のなかで、皆よく頑張った」などと、例によって適当なことをいって、責任を取らなかった。

 また、この時の選挙結果は(自民、民主、両党の議席の変化)は、年金法案への有権者の不満が見事に現れていたのに、見直す必要は無い。とはねのけた。

 私は、どうして、こういう政治家を支持できるのかが不思議です。



 先ほど書いたばかりですが、繰り返します。

 今度の選挙で、小泉首相が再び政権を取ったら、自民党は実質「小泉党」になってしまい、彼の周りは決して彼に逆らわない、「イエスマン」ばかりになってしまいます。

 誰も意見できない。諭すことも出来ない。反論できない。いままでもその傾向が強かったのが、一層顕著になることは間違いがない。

 これは、民主政治ではありません。独裁制というのです。

 党内で様々な意見があって、ゴタゴタしていても、誰かの鶴の一言で除名させられない民主党の方が、余程マシだとおもいます。

 以上が現時点における私の政治的思想の一部を文章化したものです。 

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2005.09.02

「架空予算など95件118億円、12府省庁で昨年度」←こういうのも郵政民営化をすれば、全部解決するのですね?

◆記事:架空予算など95件118億円、12府省庁で昨年度

 

 経済産業省所管の特別会計などで表面化した「支出実態のない予算付け」が、各府省庁の一般会計などでも横行していたことが明らかになった。

 来年度の概算要求に合わせ、財務省が全府省庁に洗い出しを命じたのに対し、未公表の総務省を除く12府省庁すべてが架空予算の計上や予算流用の事実を報告。問題のある予算付けは、昨年度だけで95件計約118億円に上っていた。政府が掲げる歳出削減努力を全く無視したかのような中央官庁のずさんな会計処理が浮かび上がった。

 問題のある予算付けの公表件数が最も多かったのが、各府省庁の予算を監督する立場にある財務省。昨年度は、架空計上、流用、過大計上などが13件の予算で行われ、そのために計9億円近くが計上されていた。

 例えば、「課税資料収集のための家屋利用状況照会経費」は昨年度までの3年間、使われた事実が全くないのに、毎年6300万円を計上。

 「国税庁情報ネットワークセキュリティ監査」は昨年度2億4600万円が計上されたが、支出は1300万円だけだった。

 実態を伴わない予算の合計額が最も多かったのは経産省。電源開発促進対策特別会計の広報費で架空予算の計上などが発覚していたが、他の特別会計や一般会計でも同様の問題が見つかった。

「国際エネルギー消費効率化モデル事業費」では、昨年度55億8000万円が計上されたが、支出はわずか4800万円。支援対象国との交渉が難航したことが原因という。

 公表された問題事例の中には、支出の可能性がほとんどないのに何年にもわたって同額の予算が計上され続けていた例も多い。法務省は今年度までの5年間、「弁護士業務検討会経費」として毎年600万円を、警察庁は同4年間、「東南アジア諸国等警察長官会議の開催経費」として毎年900万円をそれぞれ計上していたが、そうした検討会や会議は一度も開かれていなかった。

 実態のない予算は原則として、各府省庁に支払われないことになっているが、別の費目への流用や、翌年度への繰り越しが行われることもあり、透明性の面から問題が指摘されている。

 財務省主計局では「予算の執行責任は各省庁にあり、細かい支出先まで確認できなかった。今後は厳格に査定していきたい」としている。(読売新聞) - 9月2日10時40分更新


◆コメント1:これで、国民に増税の要求をする気かよ。

 

 経済産業省、財務省、を含む12省庁が、予算編成のときに、実際には必要の無い無駄な税金を獲得していた。

 税金を無駄遣いした。或いはしようとしていた、ということですね。

 1つの役所のひとりの役人だけが、そういう悪いことを企てたというのなら、まあ、そいつをクビにして許してやってもいい。

 しかし、12省庁が同じ事をしていたということは、これが「霞ヶ関」(中央官庁の集まっている場所、転じて行政府を意味する)の「常識」であり、役人どもは、なんら罪悪感を持たずに、このような不正を行ってきたのでしょうね。

 昨年度だけで118億円。

 こういう事をしたら、民間企業なら、担当者、課長、部長、担当役員は懲戒解雇、降格、辞任するのが当たり前です。


◆コメント2:役所は、立法府ですか、司法ですか、それとも行政府ですか?

 

 殆どは行政府ですね。役所、役人といっても例えば、裁判官も公務員ですが、彼らは、司法権に属する。だから、厳密に書いたのです。

 経済産業省、財務省、国交省、外務省、厚生労働省、などなど、全て行政府です。

 行政権の責任はだれにあるのでしょう。

 


 

  •  日本国憲法第65条 行政権は内閣に属する。

  •  日本国憲法第66条 第3項 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ  

  •  日本国憲法第72条 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。


 


 
 行政権は内閣に属する。内閣というのは、何とか大臣の集合体です。あの大臣達が日本の行政府です。

 そして、憲法66条3項にあるとおり、内閣は行政権の行使について連帯して責任を負う。ある大臣が、他の大臣に向かって、「お前の役所の不祥事だろ?おれは知らねえよ」と言ってはいけない、と言うことです。

 そして、内閣総理大臣は、行政各部を指揮監督する権利(指揮監督権)を持っている。

 権利であるけれども、その地位からして、何か不都合が起きたときにはこれを正す責任を有していると言っていいでしょう。

 憲法には文言がないけれども、内閣総理大臣が閣議を経ないでも行政各部に対し指導助言等の指示を与える権限を有することが判例で認められているのです。田中角栄のロッキード裁判における、最高裁大法廷判決です(最大判平成7・2・22刑集49・2・1<ロッキード事件丸紅ルート>)。


◆コメント3:小泉首相は、これら各官庁が恒常的に予算の架空請求をしていたことを見逃したことに関し、任期の最初に遡って責任があります。

 

 これは、もの凄い不祥事ですよ。

 こんな不祥事が慣例として行われていたことを、内閣の誰もが問題にしなかったということになる。

 知らなかったわけがない。観て見ぬふりをしていたのでしょう。

 各大臣はなるべく長い間、大臣の椅子に座っていたい。 そのためには、役人の「多少の不正」には目をつぶって、味方につけた方がよい。

 これが、政治家という奴らの計算です。

 小泉首相だって、知らないわけがない。自分も大臣をやっていたことがあるし、昨日の今日、代議士になった訳じゃない。

 そして、コメント1:で確認した通り、行政権は内閣に属し、内閣全体を指揮監督するのは内閣総理大臣なのです。

 従って、官庁の架空請求の最終責任は、小泉純一郎内閣総理大臣に帰するのです。


◆コメント4:夕方になったら、急にこのニュースが報道されなくなったよ。

 

 この状況は、あまりにヤバいので、2005年09月02日(金)22時38分現在、何処の大新聞のWebサイトを観ても、トップページにこのニュースは載っていない。

 最初(今日の午前中)は結構騒いでいたのですよ。上に載せた記事の時間を見てください。午前10時40分。

 ところが、午後から夕方に賭けて、どの新聞のサイトも引っ込めた。国から恫喝されたのでしょう。

 言論の自由が無いのは、今に始まったことではない。民主主義国家ではないのですね。日本は。


◆コメント5:これが、解散前だったら、即時に内閣総辞職すべき事態だ。

 

 8月8日に衆議院が解散しないで、小泉内閣が今も続いていたら、総辞職をせざるを得ない事態なのです。

 小泉首相はなんだかんだ、責任を下に押しつけて、決して辞めようとしないでしょうが、行政府たる内閣が部下である各官庁の役人をきちんと監督できておらず、最高責任者の内閣総理大臣もなにも気がついていなかったのですから、当然総辞職が筋です。


◆コメント6:役人のインチキ予算請求を見逃して、構造改革もへったくれもない

 構造改革と称し、増税、社会保険料の引き揚げ、医療費自己負担率の引き上げ、色々企んでいる小泉首相ですが、中央官庁、しかも「自分たちが日本人の中で最も優秀だ」と思いこんでいる、バカの集まり財務省の役人が、税金を不正に使って或いは、予算を不正に請求して当たり前だと思っている。

 それで、「歳出はこれ以上減らせない。増税しかない」と首相はいう。

 いい加減にしろよ、この野郎。

 尤も、小泉首相は「郵政民営化が全ての構造改革の基本」(どう考えても異常な思考・・・)といっています。

 ですから、郵政民営化法案さえ通れば、来年から、官庁の予算不正請求は、パタリと途絶えることでしょう。

 めでたし、めでたし。


◆コメント7:今度の選挙で小泉支持と言う人は、不祥事は一向に構わないと言うことですね。

 

 繰り返しますが、もしも、今も小泉内閣が続いていたら、総辞職を要求されなくても、自らするべきなのです。

 9月11日に自民党を支持して小泉首相を続投させることは、同時に、役人に対して、「税金無駄遣いしてもいいよ」と言い、 行政府たる内閣、及び、その指揮監督権を有する首相は、いい加減な仕事しても良いよ、と日本国民が「お墨付き」を与えることを意味します。

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特殊法人の無駄遣いを正す為に郵便局を民営化するなら、年金は何故民営化しないのか(解説シリーズ3)

◆小泉純一郎ほど、公約を破って平然としている政治家も珍しい

 

 小泉純一郎氏ほど、公約を次々と破る人も珍しい。

 2001年4月、小泉純一郎氏が首相に就任したときの公約には、すくなくとも、

(1)靖国神社にはいかなる反対があっても、8月15日に参拝する。

(2)ペイオフは予定通り、2003年度から実行する。

(3)国債発行枠30兆円を超えない 

が含まれていた。


 国民全員が認識している(かどうか怪しいが)とおり、小泉首相は、全ての公約を守らなかった。

 どうして、最初の公約を全部破った人間が、今度は公約を守るだろう、と皆さん考えるのだろうか?


◆昨年の参院選時の「小泉改革宣言」には、「年金制度の抜本的改革」が最重要項目の一つだった。

 

 「小泉改革宣言」には、

「年金、医療、介護について、少子高齢化社会の下、若者と高齢者が支え合う、公平で持続可能な制度を構築する。年金制度は基礎年金の国庫負担部分を二分の一に引き揚げる」

 とある。 

 国庫負担分が増えれば、国民が支払う、保険料掛け金は軽くなるはずである。

 しかし、参院選後、小泉首相が云いだした年金改革法案は、全然、違った。

 国庫負担の引き上げは無かった。

 その代わりに、サラリーマンの年金保険料は2割引き上げられて、受給額は3割削減された。

 今現在46歳以下の人が年金を受け取る頃には、払い込んだ年金保険料の累計額よりも、受け取る年金額の方が少なくなる。

 少子高齢化で年金保険料を引き上げざるを得ないのならば、そのように、合理的に説明するべきだ。

 負担を軽くすると公約しておいて、選挙が終わったら、負担を重くする。

 これでは、詐欺だ。


◆公務員共済、国会議員年金は、そのままなのは不公平だ。

 

 サラリーマンの年金(厚生年金)負担は重くなるのに、公務員共済は保険料はサラリーマンと同じなのに、受け取る金額はサラリーマンより2割ほど、多い。

 これも「改革する」と、小泉首相は云っていたのに、手つかず。

 国民に一層重い負担を課すのであれば、まず、国会議員から範を垂れるべきだ。

 私は2年半前から、国会議員年金を廃止(普通の国民と同じ、国民年金に加入すればいい。議員年金はおそろしく優遇されている)するべきだと主張しており、昨年の参院選前、一度小泉首相もそれを口に出したのだが、やはり、身内から反対にあったのか、自分も欲しいのだろう。いつの間にかうやむやにした。

 そして、昨年、次から次に、年金未納国会議員が発覚して、現役閣僚も多く含まれていた。 あの連中は、その後、未納分を支払ったのか、私は報告を読んだり聞いたりした覚えはない。

 「年金制度の抜本的改革」を標榜するのであれば、そのけじめもきちんとつけるべきだ。


◆年金は何故民営化しないのか?

 

小泉首相によれば、郵政民営化の目的の一つは、道路公団などが郵貯のカネを無駄遣いするから、郵貯を民営化して「官」から切り離すのだということである。

 その(まやかしの)論理については、一昨日の日記で解説したので、よろしければ、お読み頂きたい。

 一昨日は、説明がややこしくなるので書かなかったが、道路公団などの特殊法人に資金を貸していた大蔵省の資金運用部が使った金は、郵貯簡保だけはない。

 社会保険庁に入る年金保険料(掛け金)もまた、莫大な財源であった。

 公的機関(郵貯・簡保)から特殊法人への資金の流れを遮断するというのが本気ならば、当然、社会保険庁も民営化されるべきである。

 しかも、言語道断なのは、社会保険庁に集まった金は、特殊法人に流れるだけではない。

 我々が納める年金掛け金は、社会保険庁の職員のマンション建設費、様々な娯楽施設の建設費、公用車の購入代金、社会保険庁職員やその家族がつかうスポーツクラブの会費、職員が観るミュージカルのチケット、職員専用ゴルフ練習場のボールにまで流用されていたのだ。

 その額は昨年6月、民主党のながつま昭議員が国会で暴いたが、実に5兆6千億円というとてつもない金額なのである。

 このことが暴露された後、社会保険庁改革を唱え、民間人が長官に任命されたが、年金掛け金の流用が完全になくなった証拠は無い。

 リンクしたページをご覧頂くと分かるが、当時の坂口厚生労働大臣が自ら申告したのであるから、間違いなかろう。というか、実際にはもっと多いはずだ。


◆郵政民営化が構造改革の入り口というが、道路公団、年金、結局変らないじゃないか。

 

 道路公団の新しい社長はみんな、今の各道路公団の横滑りだ。

 将来、年金財源が足りなくなるから、といって、昨年、年金改革法案を強行採決して、その法律に基づき、今度の選挙後の10月からは、年金保険料をまた値上げされるのである。

 年金保険料(掛け金)が6兆円近くも、他の目的に流用されるのを放置しておきながら、財源不足だから、国民に負担させるとは何事か。

 とにかく、小泉は、約束を必ず破るのである。
 衆議院は、解散がなければ、この先4年間の任期があるが、首相は来年9月で任期が切れる。

 公約なんて、全く当てにならない。

 とにかく、この男だけは、一刻も早く権力の座から引きずり下ろさないと、まずい。

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2005.09.01

郵便局が銀行になれるか。(衆院選前解説シリーズ2)

◆問題点1:形式的なことだが、郵政民営化委員会は詰めが甘い
 

 郵政民営化後、4つの会社に分かれるわけです。で、民間会社になるにはそれなりの名前を付けなければないのです。

 郵便貯金事業は郵便貯金銀行という名称になるようですが、国会の議事録を読んでいたら、どうもこれは問題があるようです。

 質問をしているのは、民主党の岩國哲人議員。

 答えているのは、法務省の寺田民事局長です。

 何しろ、この前まで法務大臣だった南野(のうの)知恵子という人は、「初心者ですから」という、こちらが目眩を起こしそうな発言をして有名になった人で、何を訊いても分からないので、政府参考人として、寺田民事局長が呼ばれたのです。


◆衆議院会議録:法務委員会 17号 平成17年5月13日より抜粋。

 ◆岩國委員:次に、商号の問題についてお伺いいたします。

 この商号について、どういう社名が禁止されておるのか。その点について、二十四条ですか、商号についての規定があります。

こういう、誤解を与える、不正な取引につながるおそれのある社名は認められないということでありますけれども、具体的に最近どういう会社名が問題になったのか、お教えいただけませんか。

◆寺田参考人:我が国にとっては基本的には後者、つまり商号は自由に定めるという原則をとっております。

 しかしながら、そこには全く制約がないわけではございませんで、商業登記法の二十四条に「登記すべき事項につき無効又は取消しの原因があるとき。」という条文がございますので、これにひっかけまして、公序良俗に反するあるいは違法を連想させるというような商号についてはこれを規制しております。

 例えば、最近の例でございますと、公安調査機関というような商号が許されないというような例がございます。

 また、道路公社株式会社でありますとか、その他公的団体を連想させるということも許されないわけで、その中には、明示的に個別の法律によってそのような文字を商号で用いることができないということを定めた一連の法律がございます。

 住宅供給公社、首都高速道路公団などがそういう例でございます。

 実際にそういう申請がされたということはございませんが、これは法律上もうこれが禁止されているということでございます

◆岩國委員 そういう公的な機関であるかのごとく詐称する、これからもそういう人たちがいると思います。

 例えば、政府機関でもないのに政府機関であるかのごとく思わせる、県の名前、市の名前を使って会社の名前の上にかぶせる、そういうものは禁じられているとはっきり局長はおっしゃいましたね。

 では、日本郵政株式会社というのはどうですか。

 政府の政という字が入っています。私は、政府の政というのが入った会社名を聞いたことがありません。

 それは、まず取引所に上場されるべきではありません。まるで政府の一機関が上場を許されているというようなことは、全く前例がないこと。

 風の便りに聞くところによりますと、政府の一部では日本郵政株式会社という会社の設立を計画していらっしゃる。

 これは、商業登記法によって禁じられていることを、政府みずからが違法行為をやろうとしているということであって、こんなことを、同じ政府が会社法で近代化を目指し、公開性、信頼度を高めるといいながら、信頼度を裏切るような政の字を使っている。(後略)


◆コメント:商業登記法上、公的な機関を連想される名前を民間会社が名乗ってはいけないということも、調べてなかったわけです。

 

 このような細かい会議録の内容は、新聞にも載らないし、名前なんかどうでもいいじゃないか、という人もいるかも知れないが、問題だと思いますよ。

 素人じゃないのだから。

 綿密に現行法規を調べておかなければいけません。

 郵政民営化が実現したら、郵便貯金株式会社という名前にする、と昨年12月から政府はしきりに言っていた。

 言っていただけではなくて、実際に民営化するなら、その為に法律を作らなければならない。それは、いくつかの法律の集合体で、それを総称して「郵政民営化法案」にして、先日参議院で否決されたわけです。


◆コメント:法務省の民事局長によれば、郵便貯金株式会社という名前の会社は設立登記できない。

 

 会社法というのがありまして、株式会社を作るときは、人間が生まれたときに出生届をだすように、「設立の登記」をしなければならない。
 ところが、上の法務省の寺田政府参考人(法務省の民事局長です)によれば、公的機関と間違えそうな名称での設立登記の申請をしても認められない、とはっきり言っている。

 国会は、設立できない会社のことを一生懸命議論していたことになる。

 これは、「国の唯一の立法機関」としては、かなり恥ずかしい。これに気づいたのは岩國哲人衆議院議員しかいなかったのですから。


◆コメント:国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である(日本国憲法第41条)

 唯一の立法機関、つまり、国会の仕事は、法律を作ることなのだから、国会議員というのは、本来、相当高度な法律の知識を持っていなければならないはずです。

 何でも丸暗記していれば良いというものではないが、私は、国会議員に立候補する人は、少なくとも日本国憲法は全部暗記しているべきだと思います。

 憲法が日本国の最高法規なんですから。第9条だけ覚えていればいいってものじゃない。

 いずれにせよ。憲法丸暗記はともかく、もっと、厳密に法律の整合性を確認してから法案を提出するべきです。 


◆問題点2:完全民営化して、郵貯が民間銀行になっても、資金運用が出来ない。

 

 郵貯・簡保で340兆円のお金を国民から預かっているのです。
 小泉案だと、郵貯は将来100%民営化して、民間銀行になる。
 そして、2016年には資金規模は140兆円、そのうち35兆円をリスクマネー、リスクマネーというのは、貸し出しとか、もっと難しいシンジケートローンなどですが、これで運用して、経常利益を6000億円出す。

 と、いとも簡単そうに書いてある。

 そんなのは、無理ですよ。

 何十年も金貸しのプロをやっている今の民間銀行だって、例えば、東京三菱の貸出金の残高が35兆円、三井住友銀行が50兆円なんですよ。

 それを、融資とかシンジケートローンを何十年もやっているスペシャリストが吟味を重ねて運用して、何とか利益を出している。

 お金を貸すには、まず、顧客を開拓しなければならない。外回りの営業職が必要です。そんなことが出来る職員がいるのでしょうか。

 そして、誰にでもお金を貸したら、返してもらえなくなって不良債権が必ず出るのだから、貸出先の財務状況をちゃんと決算書から読み取って、将来性を吟味して、貸しつけても大丈夫かどうか、判断しなければならない。これが、融資課員の仕事です。一種の職人技です。

 また、融資は、とにかくお客さんから預かった大事なカネを他に貸し出すのだから、少し大きな金額になったら、支店長の権限では認可出来ないようになっている。

 どうするかというと、どんな金融機関でも、本店に審査部という部署がある。そこには、更に高度な判断が出来るプロがいなければならない。

 審査部の認可があって初めて融資が出来る。

 審査部員を務められる郵便局の職員がいるのでしょうか。



 さらに、各金融機関には、内部監査の専門家がいる。

 融資でも預金の事務でも、為替や債券、金利のディーリングをするにあたって、ちゃんと銀行内で厳密に定められたルールを守っているか。本当は審査部の認可がいるような融資を支店が勝手に、実行していないか。

 こういう事を、現場に抜き打ちで言って、検査する。

 こういう事は、自分も長いこと、融資に携わっていた人間でなければ判断できない。

 そして、言うまでもなく、郵便貯金銀行には、そんな人材はいません。

 内部監査機能がない金融機関など、許されない。

 もしもそんなところがあったら、金融庁の検査が入ったら、業務改善命令、最悪のときには、業務停止命令がでるのですよ。


◆民営化すれば良いというものではないんです。

 

 小泉首相は、民営化のかけ声ばかりで、民営化すればよりよいサービスが受けられるなんていいますが、上で指摘したように、こんな危ない銀行はないのです。

 完全民営化までにどのようにして、この問題を解決するのか、と言う具体案が、今の郵政民営化計画には何も盛り込まれていない。

 これはもう、単なる思いつきで、きれい事だけを並べているにすぎないのです。

  だから、私は民営化には反対です。

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