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2006.01.12

世のため、人のため」という言葉を聞かなくなりましたね。

◆『洪庵のたいまつ』(司馬遼太郎)

 

 http://www.ne.jp/asahi/ca2/kirsch/tsushin19.htm

 から転載させていただきました。



 世のために尽くした人の一生ほど、美しいものはない。

 ここでは、特に美しい生涯を送った人について語りたい。

 緒方洪庵のことである。

 この人は、江戸末期に生まれた。

 医者であった。

 かれは、名を求めず、利を求めなかった。

 あふれるほどの実力がありながら、しかも他人のために生き続けた。

 そういう生涯は、はるかな山河のように、実に美しく思えるのである。

(以下、『洪庵のたいまつ』をお読み下さい。下の方に載っています。)


◆コメント:緒方洪庵ほどでなくても「人のために」できることはありますよね。
 

 私は司馬遼太郎さんの小説やエッセイが好きだが、

 この、小学生のために特別に書き下ろした「洪庵のたいまつ」を読んだときには、暫く本から目が離せなかった。

 「世のために尽くした人の一生ほど、美しいものはない。」

 全くそのとおりだが、こうした「真理」(と、云っていいとおもうのである)をズバリと書いた司馬さんも素晴らしい。

 この一文だけでも珠玉のように美しい。



 しかしながら、最近は人のために尽くす人間がバカ扱いされる世の中のようである。

 急に下世話な話になるが、今日、次のようなニュースを読んでがっくり来た。

◆楽天がキャンペーン中止 ポイント不正取得続出で

 インターネット上で仮想商店街を運営する楽天が、新規入会者を対象に商品購入の割り引きなどに使えるポイント提供のキャンペーンを実施したところ、

 1人が複数の会員登録をするなど不正な方法でポイントを獲得するケースが相次ぎ、

 キャンペーンを中止したことが11日分かった。

 楽天は自社や全日本空輸など提携先のサイトで、

 新規会員に対し1ポイントが1円相当の楽天ポイントを300-500ポイント程度付与するキャンペーンを

 12月上旬から今年1月末までの予定で実施。

 複数の提携先のポイントを組み合わせると1人当たり2000ポイント程度の獲得が可能となる仕組みだった。

 (共同通信) - 1月11日13時3分更新


 先日、「プロジェクト X」は、やはり、良い。

 で書いた内容とも関係するが、こういうことが起きるのは、要するに、今の日本では、

 「自分さえ、上手いことやってカネを手にして遊んで暮らせれば、

 他人なんかどうなったって知るものか」という考え方、

 しかも、不正をしても構わない、騙される方が悪いのだ、

 と云ってはばからない一般市民が増えているということである。

 不正をしても構わないという思想は明らかに間違っている。

 それなら、自分が泥棒に入られても文句は言えない。


◆「世のため人のため」にできる、一つの例。

 

 私が子供の頃は、まだ、「世のため人のため」という思想は立派な考え方だとされていた。

 「不正をしても自分さえ得をすれば良い」、という人からみれば、きっと「正気の沙汰とは思われない」だろう。



 具体的に世のため人のためといっても、緒方洪庵ほど立派なことは誰でもできるものではない。

 昨日、Yahoo!を見ていて偶然気が付いたが、Yahoo!ボランティアというコーナーがある。

 仕事を持っている人がさらにボランティア活動をするということは、相当な覚悟と体力、精神力を必要とする。

 散々偉そうなことを書いてきたが、私はとてもその気力がない。


◆ネット募金なら簡単にできる。

 

 幸い、インターネット募金というコーナーがあった。

 真っ先に見つけたのは、あしながさん奨学金だった。



 ずっと以前から活動しているあしなが育英会である。

 交通事故や自殺遺児が進学を助ける募金である。

 単発でも可能だし、毎月、たとえ500円でも口座引き落としで募金できる。

 勿論、自分の名前は育英会事務局が管理しているが、奨学金を受け取る交通事故遺児や、自殺遺児には分からない。

 ここが良いところである。

 但し年に一回、育英会の助けにより進学できた子供から手紙が届く。

 これほど嬉しい手紙はあまり世の中に無いと思う。


◆今まではネット募金できなかったのだ。

 

あしなが育英会は紛れもなく「人のために」なっている。

 ところが、今までは手続きが面倒だった。

 まず、ファックスかネットで、郵便振替又は銀行口座からの自動引き落としの用紙を郵送してくれるよう、

 育英会事務局に依頼する。送られてきた書類に記入して、また育英会に返送する。という形だった。

 カードが使えなかったのだ。

 このため、実際に募金が始まるまでに時間がかかった。

 この度(といってもいつ始まったのか、私は分からないのだが)、インターネット募金から、

 クレジットカードで、単発の募金ができるようになった。



 Yahoo!IDを持っていることと、Yahoo!ウォレットでカードの登録をしなければならぬが、

 既に持っている人が多いだろうし、持っていなくても登録は無料である上に、簡単に手続きをすることができる。

 その上で、ログインして、育英会の「壁紙」を購入する、という形で募金をするのだ。

 壁紙自体は、失礼ながら特に感心するできばえではないが、

 寄付が目的だから、何でも良いのだ。金額は一口300円~3,000円。


◆現在の募金総額、いくらだと思います?

 

 Yahoo!は毎日何百万という人々が利用しているが、2006年01月12日(木)01時22分現在、

 Yahoo!ボランティアを通じての募金総額は、わずか、130,900円である。

 上に書いたとおり、募金額は最低300円からなので、仮定上の話だが、

 Yahoo!を利用する人が全員毎日1円寄付しただけで、数百万の資金が集まる。累積したらすごい金額となる。



 遺児達が必要としているのは、大した金額じゃないのだ。

 あしなが育英会によれば、

 

全額を病気や災害や自死(自殺)の高校や大学生の遺児の奨学金として、大切に使わせていただきます。

 貸与月額は公立高校25,000円、私立高校30,000円、大学生40,000円または50,000円です。

 月々2万5千円が払えなくて高校へ行けない。40,000円が払えなくて大学へ行けないなんて、可哀想じゃないか。

 本人には何の責任もないのだから。


◆「募金しない理由」を考える暇があったら、募金した方がいいのではないでしょうか?

 

 昨日書いた「少子化」と同じで、募金とかボランティアも「しない理由」はいくらでも考えられる。

 偽善だとか、カネを払っていいことをした気になっているとか、結局自己満足が目的だろうとか。

 それでも、いいじゃないですか。

 おカネを寄付すれば(たとえ300円でも)、確実に「人のため」になるのだ。

 やらない言い訳を考える間に、500円の壁紙でも一枚買ってご覧なさい。

 余程、人格に問題がある人でない限り、それで嫌な気持ちになる、ということは、ありません。

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