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2006.02.12

「医療改革法案を閣議決定」←自民党が衆院選挙で勝ったらこうなる、と私は9月7日に書きました。

◆記事1:医療改革法案を閣議決定

 

政府は10日、医療制度改革関連法案を閣議決定し、国会に提出した。

 伸び続ける医療費を抑制するため、高齢者に応分の負担を求めるほか、入院日数の短縮や生活習慣病予防に積極的に取り組む。

 政府は今国会で成立させ、早いものは今年10月から実施する考えだ。



≪医療制度改革スケジュール≫

  【平成18年10月】
 


  • 現役並み年収の70歳以上の患者窓口負担率を2割から3割に引き上げ

  •  長期入院する70歳以上の食費と部屋代(光熱水費相当)を自己負担化


  【20年4月】
 

  • 70-74歳の患者窓口負担率を1割から2割に引き上げ

  •  乳幼児の窓口負担率2割の対象を、3歳未満から小学校入学前に拡大

  •  保険運営主体の健康診断事業を一部義務化

  •  75歳以上を対象にした健康保険を新設


  【20年10月】
 

  • 政府管掌健康保険(政管健保)を公法人化

  【24年4月】
 

  • 介護型療養病床を廃止

(産経新聞) - 2月11日3時20分更新


◆記事2:負担増は最大14・5万円 定率減税の半減で (共同通信)- 12月30日18時30分

 

 所得税と個人住民税の定率減税の減税幅が、来年から半分になる。

 半減は所得税が1月徴収分から、個人住民税は6月からで、負担増は年間最大14万5000円。

 景気への配慮から2段階で廃止される。残り半分も2007年に廃止され、家計に重くのしかかる。

 定率減税の半減により、来年は夫婦と子ども2人の世帯の場合、年収500万円で約1万8000円、

 年収700万円で約4万1000円それぞれ負担が増えることになる。



 07年からは全廃となり、

 年収700万円の家庭(夫婦、子ども2人)では現在より約8万2000円の実質増税となる。

 同年からは三位一体改革に伴う地方への税源移譲で、所得税率も現在の4段階から「5、10、20、23、33、40%」の6段階に変更。

 住民税は5、10、13%の3段階に分かれている税率が10%に一本化される。

 ただ、個人の税負担は税率変更後も基本的に変わらない。


◆コメント:選挙前、「自民党が選挙で勝ったら、こうなる」と書いた。

 

 私は、選挙前、9月7日、小泉首相は「郵政民営化だけが争点の選挙だ」と云っているが、

 自民党が勝ったら、その他の政策も信任されたものと見なすだろう。

 その結果こういうことが起きる。という記事を書いた。

 【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。を読んで下さい。

 順番が前後するが、定率減税の廃止による実質増税を行うこと、

 医療費の本人負担が増えるであろうことなど、細かいところは違っていても、政策の方向性は、予想したとおりだ。

 断っておくが、予想が当たったことを自慢しようという、幼稚な話ではない。

 こんな予想が当たっても嬉しくも何ともない。


◆コメント:人間社会に格差はつきものだが、小泉首相は強者側の論理に立ちすぎるのが問題なのだ。

 

 「自由な競争を通して、よりよい製品やサービスが開発され、結果的には社会が豊かになる。」

 というのが資本主義の発想だから、小泉首相が云うまでもなく、格差が出来るのは当たり前である。

 一生懸命働いた人間と、家に閉じこもり、働かず、税金も納めないNEETが同じ生活を送ることが出来たら、

 それは、むしろ不公平で、両者間には、格差が生まれるのが当然である。



 昨年、91歳で亡くなり、これほど亡くなって惜しまれた政治家はいない、と云われた、

 故・後藤田正晴氏が生前、TBSの「時事放談」で述べた言葉が、

 後藤田正晴 日本への遺言という本になった。

 その中に次のような発言が収められている。

 

「小泉さんは日本を変える、政治を変えると言うが、強者の論理が強すぎる。やはりどんな時代になっても、立場の弱い人、気の毒な人は出ている。ならば、そういう人に対して政治の光をどう当てるかということは、政治を担当する者の大きな責任だと思う」

 全くそのとおりである。

 これが、問題の核心を指摘している。

 「機会の平等」、「敗者が再挑戦出来る社会」という、おなじみ、「小泉ワンフレーズ・アピール」は、一見かっこいい。

  このたぐいの、響きの良い、しかし、実は大変問題があることをさらりといってしまうことにかけて、小泉純一郎氏は殆ど天才である。


◆どう頑張っても平等な機会を得られないことだってあるのだ。

 

 不可抗力により平等な機会が与えられなかったり、予期せぬ不幸に襲われる可能性はだれもが持っている。

 貴方も私も明日、クルマにはねられ、脊椎損傷で下半身不随となり、

 のこりの人生を車椅子を用いて過ごさなければならなくなる可能性がある。

 また、素行の良くない親のもとに生まれ、虐待される子供がいるのだ。

 これは、本人の責任ではないのに、社会的弱者になってしまうわけである。

 このような「格差」を放置、あるいは、拡大させて良い訳が無い。 



 若い頃、懸命に働いて、その結果年を取って病気になった人もいるだろう。

 それを、老人医療費がかかりすぎるという、そろばん勘定だけで、済ませて良いのか。

 小泉内閣には、「不幸な人、辛い境遇にある人を助けるにはどうするか?」という「情」が感じられない。

 それが、致命的な欠点なのである。

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コメント

harayosi-2さん、コメント、ありがとうございます。

医療制度、税制、年金制度などは、ある程度本腰を入れて理解しようとしないと分からないのですが、

多くの人は「面倒くさい」ので、なんとなく、政府にされるがままになっていきます。

そのような中で、harayosi-2は何年も前から医療制度改革について意識なさっていたとのことですから、

ご立派です。

小泉首相はあれでもひ弱な方で、一般に政治家というのは、身体頑健でなければ務まらないので、病気や障害を抱えた人への同情心が薄いのではないかと思います。

それにしても、小泉政権の改革は単なる、弱いもの虐めに見えてなりません。

今後ともよろしくお願いいたします。

なお、レスが非常に遅くなりました非礼をお詫びいたします。

投稿: JIRO | 2006.02.24 19:05

9.11が動機で、ブログをはじめました。
医療制度改革については、何年も前から発信してきましたが、残念というか、むなしいという気分になります。
 しかし、ささやかでも発信を続けてゆく以外にないと思い返し、MLだけではなくブログを立ち上げた次第です。
 関連するテーマで、いくつかTBさせていただきます。

投稿: harayosi-2 | 2006.02.12 16:05

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