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2006.03.06

「量的緩和解除に慎重――自公の政調会長代理」←日銀はそんなことは分かっているのだ。

◆記事1:1月全国消費者物価(除く生鮮)は前年比+0.5%、98年3月以来の高い伸び

[東京 3日 ロイター] 総務省によると、1月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、前年比0.5%の上昇だった。

12月の同プラス0.1%から伸び率が拡大し、4カ月連続で前年比ゼロ%以上となった。0.5%の上昇は、消費税率引き上げの影響が出た98年3月の前年比プラス1.8%以来の高い伸び。

量的緩和政策解除が近づくなか、全国コアCPIは解除時期を見極める材料として注目が集まっている。

日銀は、全国コアCPIの伸びが安定的にゼロ%以上となることを解除の条件のひとつに挙げてきた。

市場関係者の間では、1月の数字次第で、早ければ3月9日の日銀決定会合で解除となる可能性も指摘されていた。


◆記事2:(3/5)量的緩和解除に慎重――自公の政調会長代理

自民党の甘利明政調会長代理は5日のNHK番組で、消費者物価指数の伸びなどを受け日銀が3月に量的緩和政策を解除する方向で調整に入ったことについて「まだもう少し見極める必要があるのではないか」と述べ、

解除に慎重な姿勢を示した。

同時に「日銀の独立性は尊重しなければならない。解除せよとか、するなとか言うことではないが、デフレ脱却にきちんとした確信が持てるという判断の下に対応してほしい」と指摘した。

同番組に出演した公明党の山口那津男政調会長代理も「デフレ脱却しきったと言えるかどうかは、もう少し様子を見る必要がある」と強調。

デフレ脱却という判断は時期尚早かとの質問に対し「そういう印象を持っている」と述べた。〔共同〕


◆記事3:谷垣財務相、市場安定化対策が重要・量的緩和政策解除後

谷垣禎一財務相は4日朝の日本テレビの番組で、量的緩和政策を解除した後の日銀の金融政策について「日銀もある程度展望を示しながら、マーケットに不安を与えないように考えると思う。どうしていくかは私たちも注視している」と述べた。日銀が解除後に打ち出す政策運営の「目安」などを通じ、市場安定化に十分に配慮することが解除に向けて重要だとの考えを示したものだ。


◆コメント:日銀はそんなことは百も承知だ。金融政策に関しては日銀はプロだ。任せておけ。

日銀は金融政策といって、市中に出回るお金の量を常に細かく監視して、量を調整する。市中のお金を増やしたいときは、民間の銀行など金融機関から手形や債券を買い入れる。その代金が市中に出回る。

これが金融緩和政策である。(逆に金融引き締めとは、マーケットで債券や手形を売り、資金を引き揚げる。お金の総量が減るから、金利が上がる訳である)。

この操作をオープン・マーケット・オペレーションという。

以前は、金融政策の手段たるオープン・マーケット・オペレーションの目標とする数値は、無担コール金利という金利の水準で決められていた(世界的に見ても、金融政策は金利水準を目安にするのが普通だ)が、

2001年3月、デフレ(物価が下がり続ける状態)を克服するために、「量的金融緩和」を採用したのである。もう少し詳しいいきさつは、以前、「消費者物価マイナス脱す 量的緩和、解除へ一歩」←日銀の「解除条件」を良く読め。に書いたので、ご参照頂けると有難い。

そこにも書いたが、日銀は量的緩和策を解除するときの条件として消費者物価指数が数ヶ月連続してプラスになること以外にも、考慮すべき点を掲げている。

量的緩和を解除したからと言って、金利が急に上がらないように、即ちゼロ金利政策は実質的には継続する、と、毎回福井日銀総裁は明言している。



本来、日銀当座預金は6兆円ぐらいあればよいのに、今は何と30兆円から35兆円になるようにしているのが量的緩和策で、これは、市中に流通する通貨量が異常に多くなる可能性があるわけだ。

まかり間違えばすごいインフレとなるのであるから、どこかで量的緩和を解除しなければならないのは当然である。

しかし、政治家や主として海外の投資家は「量的緩和解除」=「金融引締め政策への転換」と誤解しているフシがあり、だからこれほど騒ぐのである。

マスコミの経済担当記者は、そうではないことをよく説明するべきなのだが、不十分である。

日銀に関して素人向けに書かれた本はいくらでもあるから、それを読んでみれば、日銀が如何に細かく通貨量を観察し、微妙な調節を繰り返しているか、その「職人芸」に誰もが驚くはずである。

「金融政策」は完全にその道のプロの世界であり、彼らを信頼するべきで、政治家が余計なことを--しばしば恫喝的ですらある--言うべきではない。

まかり間違ってハイパーインフレが起きたら、「量的緩和解除はまだ早い」と言っている政治家達は責任をとるつもりなのだろうか。

そうではない。そのときはそのときで、「日銀がタイミングを間違えたからだ」というのだろう。それなら、黙って、日銀に任せておけ。

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