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2006年4月

2006.04.29

<あしなが育英会>奨学金希望者が過去最多 格差拡大影響か←貴方も目の前のPCから募金できる。

◆記事:<あしなが育英会>奨学金希望者が過去最多 格差拡大影響か

病気や災害、自殺などで親を亡くした学生を支援する「あしなが育英会」(玉井義臣会長)に、高校進学の奨学金を希望した中学卒業生が今春、過去最多の1360人になった。

奨学生の総数も増え、年間の貸与予定総額は93年の発足以来初めて20億円を超えた。

同会は「大企業が景気回復する一方で、母親のパート収入が減った遺児は高校進学もあきらめざるをえない」と格差拡大の実態を訴え、寄付を増やす新たな方法を検討している。

同会が今年度、奨学金貸与を予定する高校・大学生らは5343人。貸与額は20億5000万円で、前年度の実績より8・3%増えた。

貸与している母子家庭の平均勤労年収は131万円で、一般家庭の3割未満という。

奨学金は学生街頭募金や定期的に寄付をする「あしながさん」に支えられているが、繰越金は年々減っている。

秋には新規あしながさん募集キャンペーンを実施し、ホームページからも寄付できる仕組みも導入する。

春の街頭募金は30日まで、全国250カ所で行われる。郵便振替(00140―4―187062 あしなが学生募金事務局)は随時受け付け。



◇善意無駄にせぬ

「奨学金を知らなければ、娘の高校受験は難しかった」。埼玉県の母親(44)はそう話す。昨秋、乳がんの手術を受け、今年1月には会社員の夫がくも膜下出血で急逝。

学校に同会の奨学金を紹介され、長女(16)は県立の進学校に合格した。

工場でのパートは時給750円。抗がん剤の副作用で月の半分も働けず、社会保険を払うと手取りは2万円程度の月もある。高校の月額授業料とほぼ同額だ。

高校生になった娘は毎日、夜遅くまで勉強している。

母親は「善意を決して無駄にせぬよう、娘も頑張り、私も早く元気になりたい」という。(毎日新聞) - 4月29日21時3分更新


◆コメント:ゴタゴタ理屈を言う前に、皆、ひとり300円募金すれば良いのだ。

本人に責任がないのに、経済的に困っている人がいる。学校にすら進学できない子供がいる。

余裕がある人は、困っている人を助けるべきだ。

私はいつも、論理性とか、合理性とか理屈っぽいことを書くが、本件に関して、小難しい理屈は要らぬ。



総務省統計局のデータによれば、平成16年4月1日の現在、日本の総人口は1億2770万人である。

うち、子供(15歳未満)は1781万人である。子供でもケータイやらiPodを持っているのだから、募金できない筈はないが、とりあえず外して考える。

つまり、日本に「大人」は約1億1千万人もいる。

その中には、記事に書かれている、奨学金を必要とする人も含まれているわけだが、後述するが、5000人とか6000人だ。誤差の範囲内と言って良い。

1億1千万もの大人がいて、病気や災害、事故・自殺などで親を亡くした家族、こどもたちを助けられない社会があって良いのだろうか?

高校進学の奨学金を希望した中学卒業生が今春、過去最多の1,360人

同会(あしなが育英会)が今年度、奨学金貸与を予定する高校・大学生らは5,343人。合計6,703.人。

潜在的にはもっといるだろうが、とりあえず、たった6,700人だ。

世の中には他にも困っている人はいるだろう。それは分かっている。

しかしながら、1億人の大人がいて、6,700人の子供達が困っているのを助けられない、という状況はどう考えても理不尽だ。

一人10円でも10億円。100円なら100億円だ。

今年度の奨学金貸与(寄付じゃないよ。貸すんだよ)額が20億5000万円だという。100億円あれば、随分助かるだろう。

くどいようだが、一人100円の募金もイヤだというのは、あまりにも冷たくないか?


◆貴方は今、目の前のPCから直ちにあしなが育英会に募金出来る。

前段落の見出しに一人300円と書いたのは、Yahoo!ボランティアから、あしなが育英会に募金する最低金額が300円(最高3,000円)だからだ。リンク先には他の募金も色々あるが、全部の状況を説明するときりがないから、今回は「あしなが育英会」に話を絞る。
募金は、ここから行う。

壁紙をカードで購入した代金が、募金になる。壁紙自体はたいしたことはないが、関係ない。


◆自殺遺児が小泉純一郎を訪ねたときの冷たい顔が私は忘れられないのである。

あしながについては過去に何度か書いた。これが、一回目。これが、二回目だ。
募金を必要とする人は他にもいることは承知しているが、私が「あしなが」に固執するのは、以前、交通遺児の代表が首相官邸を訪れ、小泉首相に陳情したときの映像が脳裏に焼き付いて離れないからだ。

小泉純一郎は、その子の目を決して見ようとしなかったのである。
その氷のように冷たい表情が、少年の失望した表情と共に、記憶から消したくても消えないのである。なんという男だ、と思った。



「冬ソナ」のチェ・ジウや、日韓親善大使の「藤原紀香」や、フィギュアの「荒川静香」と面談したときの表情とのあまりの違い!

私は「こいつは、まっとうな人間ではない。」と確信している。


◆「偽善」と言いたければ言うがいい。

もう一度書くと、「あしなが育英会」とは事故・自殺・病気などで親(主に父親)を失い経済的に困窮し、進学したくても出来ない子供を援助するシステムである。

口座振替で毎月1,000円募金するという方法もあるし、街頭募金に応ずるのも良いが、兎にも角にも、今の世の中、このPCとネットに接続できる環境と、カードがあればすぐに募金できるのである。



「募金をしない理由」はいくらでも考えることが出来る。

「カネを出して良いことをしたつもりになっている偽善者」などと、言う奴もいる。自己陶酔というわけか。てめえは単なるケチのくせに。

「たかがカネ」じゃないぞ。たとえ、千円だろうが、500円だろうが、私が額に汗して働いたカネだ。



そういうことを言いたければ言うがいい。

私はいつもあしながにネットで募金している。

私自身、病気をしたから会社の給料は半分に、ボーナスは三分の一だ。しかしそれでも食える。

子供を学校に通わせることも出来る。こうしてパソコンまで買っている。まだ平気だ。



記事を読んで頂きたい。

父親が亡くなった上に、母親が乳ガンになり、ただでさえ安いパートの給料なのに、月の半分も働けず、手取りが月に2万円という家庭があるという。

これを黙ってみていられるものか。

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「ヴァルトビューネDVD」続報、「スクリーマーズ~サーカス・マーチ名曲集」やたらと上手い吹奏楽。

◆「ヴァルトビューネ」DVD、喜んで頂けたようです。

先日、ベルリンフィルが毎年行う野外コンサート、「ヴァルトビューネ」(ピクニック・コンサート)のことを書きました。

その中で、1993年に小澤征爾さんが振ったヴァルトビューネ1993 ロシアン・ナイトは楽しいですよ、とお薦めしたのですが、実際に買って聴いた(見た)という方から、大変楽しかったと感想を頂きました。有難うございました。

実際楽しいですよ。くるみ割り人形、剣の舞の他、私は忘れていたのですがボロディンの「だったん人の踊り」という曲があります。これはどこかで聴いたことがある、と言う方が殆どだと思います。

曲の中頃、オーボエが吹くメロディーを聴いて「美しい」と感じる人はとても多いでしょう。

これを聴くと、私は「切なさ、懐かしさ、郷愁」という言葉をいつも連想します。勿論、きくひとそれぞれ、勝手なイメージで聴けば良いのです。

とにかくベルリンフィルは皆名手ですけど、この時はシュレンベルガーという人だと思うのですが、背筋がゾクゾクするほど美しい。



クラシックでDVDというとオペラを考える方が多いでしょうが、コンサートも「見る」ものなんですよ。

フィギュアスケートのおかげで、日本人全員が、トゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」というアリアの名前とメロディーを覚えました。

だけどね。あれはオペラのほんの一部のそのまた一部、全体の百分の一ぐらいなんですから。

「トゥーランドット」全曲聴くか見るかしてご覧なさい。つまらんよ。たまらないよ。耐えられないよ。私はオペラは好きじゃないですね。バレエの方がいいですよ。

ロンドンにいましたから、ロイヤル・バレエで熊川哲也氏がプリンシパルだった頃に、「ジゼル」(という有名なバレエ)を始めとして何度も見ました。吉田都さん(今も現役)も見ました。あれは美しい。

人間の身体の動きの美しさ、ということです。

話が逸れましたが、そういうわけで、ヴァルトビューネ1993 ロシアン・ナイトはますます自信を持ってお薦め出来ます。

他の指揮者もどれも、皆楽しいです。


◆「スクリーマーズ~サーカス・マーチ名曲集」(イーストマン・ウインド・アンサンブル)

私は、この日記では、アメリカに関しては圧倒的に批判的な記事が多いですが、アメリカにも良いものは沢山有ることぐらい分かっています。

私がそれを実感する最も手っ取り早い方法は、やはり、音楽です。

今日御紹介するのは、イーストマン音楽学校というアメリカ有数の名門音楽学校の吹奏楽団が、サーカスの時に演奏する景気が良い音楽ばかりを集めたものです。

私はアメリカが嫌いになりそうだと、心の平衡を保つために、このCDを聴くことがあります。スクリーマーズ~サーカス・マーチ名曲集です。

「サーカス」「マーチ」「吹奏楽」というとバカにする人がいるでしょうが、まあ聴いてみなさいって。あまりの上手さに驚きます。

録音は何と1950年代ですから、私の生まれる前なのに、CDの音質は信じられないほど良好です。

リンクを貼った国内版のページだと試聴できないので、全く中身は同じですが、こちらの輸入盤のページに飛んで下さい。そこでは試聴できます。

この試聴用音源、いくら何でももう少し音質を何とかしてほしいけど、それはともかく、手始めに、トラックナンバー7“The Circus Bee”を聴いてください。

吹奏楽では当たり前ですが弦楽器は(例外的にコントラバスを含む場合がありますが)いないので、必然的に管楽器は吹きっぱなしになります。

最初からラッパが軽快な速いメロディーをすらすら吹いていますがこの音はトランペットに似ていますが、ちょっと柔らかいでしょう?コルネットという楽器で吹いています。試聴用音源の終わりでちょこっとしか聞こえませんが、コルネットの速い動きに呆気にとられていると、トロンボーンのこれもまた、とても速いパッセージが出てきて驚きます。

「えっ!トロンボーンって、こんな速いの、吹けるの?」と思われることでしょう。


◆この指揮者はフレデリック・フェネルという人です。

イーストマン音楽学校(音楽学院)はれっきとしたクラシックの音楽学校で、何もイーストマン・ウィンドアンサンブルはサーカス音楽ばかりを吹いていたわけではありません。

大変レパートリーが広いのですが、この吹奏楽団を作ってずっと指揮者を務めていたのがフレデリック・フェネルという、吹奏楽の世界では知らない人がいないぐらいの有名人です。

一昨年無くなりましたが、晩年、日本の佼成吹奏楽団の指揮者をしてくれていました。夢のような話でした。


◆すこし凹んだときなど、最適。

本当に気持ちが落ち込んだときというのは、何をしてもダメで、音楽を聴く気持ちにすらならないものです。

すこし回復しても、いきなり明るい曲を聴いてはダメらしいですね。

音楽療法では「同質性の原則」というらしいけど、暗い気持ちの時は暗い曲から聴き始めて、次第に明るくしてゆく。

気持ちが暗いのに、明るい音楽でドンチャン演られると余計に落ち込むからです。

しかし、大抵そこまで落ち込む事はない。日常のちょっとしたことで元気が無いというときなど、この「スクリーマーズ」は大変気持ちを明るくしてくれます。

単に明るいのではなく、きちんとした音楽性に裏付けられた、コントロールされた演奏だからです。

アメリカ人がよく口にする、“Are you happy?”という言葉が聞こえてきそうな音楽です。

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2006.04.28

「自分が感じていることが必ずしも正しく事実をとらえているとはかぎらない」ので、「認知療法」は普通の人にも参考になる

◆うつ病診断リストを考案したベックという精神科医が提唱した「認知療法」

このような話にやんごとなきお方を引き合いに出すことは不敬の極みであるが、

一般にも報じられており(月刊文藝春秋など)、オープン・インフォメーションとなっているので、書かせていただく。

皇太子妃雅子さまが適応障害と診断され、医師団が薬と共に試みた精神療法を、読者諸氏は覚えておられるだろうか。

雅子さまに効果があったといわれる治療法の一つが、「認知療法」(Cognitive Therapy)というものである。



これは、ペンシルバニア大精神科教授、アーロン・ベック氏がうつ病の治療の為に考案した治療法である。

アメリカでは30年ぐらいの歴史があるらしいが、日本で試みられるようになったのは、1980年代以降のことで、一般人にも知られるようになったのは、比較的最近である。

ちなみに、ベックは、患者(かも知れない人)が自分で自分が治療が必要な程度の抑うつ状態にあるのか、

或いは単なる軽い気分の落ち込みなのかを判定する(勿論完全にこれだけで診断できるわけではないが)ための、「ベックのうつ病調査票」

を作ったことでも知られる。


◆認知療法は、元来はうつ病の治療を目的としている。

如何なる病気でも、万能薬や治療法があることは稀であり、一人一人、病気と薬、治療法の相性がある。

一つの病気に対して複数の治療法や薬が併存していることが、その何よりの証拠である。

素人判断で間違った対処をしては、病状(もしも何かの病気ならば)を悪化させることに成りうる。

だから、本当に具合の悪い人は専門医の診察を受けた方が良いことは論を待たない。餅は餅屋である。



それでは、何故、素人の私が専門的なことを取り上げるかというと、認知療法は、うつ病の人でなくても、使えるからである。

繰り返しお断りしておくが、うつ病の本当に重いときは、これから書くことを読む気力もないはずだから、それは、まず、医師の診察と治療(服薬)、そして休養が必要である。

認知療法は、理屈っぽい人に向いている。

西欧的・論理的思考に慣れている、あるいはそれを好む人に有効である場合が多い、と書いていた専門医がいたのを記憶している。


◆「認知の歪み」を自覚することに尽きる

私たちは、世の中を視覚や聴覚によって得た情報を元に、今自分の属する場はどのような状態にあるか。自分はどのような役割を果たしているのか、などを判断している。

しかし、その判断が、「世の中」や「自分」を「正しく」認識した上に成り立っているかと言えば、必ずしもそうではない。



たとえば、極端に悲観的な人は、一度新しい仕事で失敗をして、しかもそれが大きな問題をもたらすものではないのに、「自分はもうダメだ」などと落ち込む。

また、失敗したことが無いのに、「今度こそ失敗するに違いない」という観念に囚われて、いてもたってもいられない、という人もいる。

どちらも人に危害を加えるわけではないが、要するに、日常用語で言えば「取り越し苦労」が激しい。



これをベック氏は「認知の歪み」とか「自動的否定思考」と呼んだ。

要するに、「心の癖」なのだ。

それがあまりに続くと本当に抑うつ状態、又は、本格的なうつ病(Major Depresion)に発展してしまうことがある。



そこで、アーロン・ベック氏は、このような「認知の歪み」のパターンを分析した。

認知療法を受けるものは、治療を受けるのだが、実際には自分で、自分の「認知の歪み」を認識すればよいのである。


◆認知の歪みの種類


  1. 「全か無か」思考:物事を全か無か、白か黒か、という二分法で見てしまい、中間の部分、グレーの部分を考えに入れようとしない思考パターン。ちょっとでも失敗すると、「全てがお仕舞いだ」という風に考えてしまう。 完全主義がこの思考パターンを導きやすい。実際の日常は、いいところ6割、まずいところが3割、どちらともいえないところが1割という具合にあやふやな、ファジーな部分で成り立っている。

  2. 一般化のしすぎ:一つか二つの事実を見て「すべてこうなんだ」と思い込む傾向。一度か二度起きたことが、この先永遠に起きるような気がしてしまうこと。

  3. 選択的抽出:うつ状態にあると自分の関心がある、特に悪いことばかりに目がいってしまいがちである。過去を振り返っても失敗したことばかり選んで思い出してしまい、身の回りで起きていることもトラブルばかりが目に入る。自分が悪いところだけをみている、ということを自覚できなくなってしまう。

  4. マイナス思考:良いことが見えなくなるのみならず、何でもないことや、いいことまで悪い方、悪い方に捉えてしまう。

  5. レッテル貼り:「一般化のしすぎ」や「選択的抽出」が極端になった状態。ちょっとした失敗体験をもとに、それが自分の本質であるかのように自分にレッテルを貼ること。「自分がダメな奴だ」というのが典型的なパターン。実際には成功した経験もあるのだが、それらは捨象されてしまう。

  6. 独断的推論(心の読みすぎ):僅かな根拠から、相手の心を勝手に推測し、事実とは違う、あるいは全く事実無根の結論を下してしまうこと。うつ状態でいると、誰かが自分の後ろでひそひそ話をしているだけで、「自分の悪口を言っているに違いない」と一方的に傷つき、結局全てが嫌になってしまう。この背景には「他者評価絶対主義」がある場合が多い。つまり、「他者の評価こそが自分の価値の全てを決めている」という極端に歪んだ認知。これに対して「普通の」態度は、他人の評価を受け入れつつ、自分で自らの良い点も認めていく、という、他者の評価と自己評価のいずれをも尊重する態度である。

  7. 拡大解釈と過小評価:自分の持つ様々な資質の中でも、悪いところばかりをことさら大きく重大なこととして捉え、逆に、自分の長所は小さく見積もってしまう。

  8. 感情的決め付け:「自分がこう感じているのだから、現実もそうであるに違いない。」と誤って思い込むこと。うつ状態にあると、冷静に考えればたいした事態ではなくても、「こんなに大変な思いをしているのだから、実際に大変な場面に直面しているのだ」と思い込み、打ちひしがれ、「取り返しのつかないこと」と思い込んでしまう。確かにうつ状態だと、ほんの些細な失敗でも、「一巻の終わり」「絶体絶命」のように感じてしまうが、客観的には大した事が起きているわけではない。

  9. 「~すべき、せねばならない」思考:何をするにおいても、「こうすべきだ」「常にこうあらねばならない」という厳しい基準を設定してしまう思考パターン。「常に明るく振舞っていなければならない」などというのが典型的な例。結局自分を追い詰め、窮地に立ってしまう。 こういう厳しい基準を常に自らに課していては、大抵のことは失敗に思えてしまい、自己嫌悪に陥ってしまう。

  10. 自己関連付け:身の回りで起きる良くない出来事を何でもかんでも自分の責任だと思ってしまうこと。

◆紙に書いてみるのである。

勿論全ての項目に当てはまるという人は少ないだろうが、いくつかの項目に関しては自分も該当すると言う方もおられるのではないだろうか。

それは、別に人格が強いとか弱いとかではない。くどいようだが、「認知が歪んでいる」のだから、正せばよいのだ。

認知療法では、このような歪んだ認知を、「客観的」「合理的」な考え方に変えていく「訓練」をするのである。で、その手法の一つが「書く」ことである。

例えばある朝、会社に出社し、上司に挨拶したのに、機嫌の悪そうな声しか返ってこなかった。

そこで、普段なら平気な人でもうつ状態のときは、「自分は上司に嫌われているのではないか」「何か重大な失敗をしたのではないか」と思い込んでしまう。



そういう時に、「認知の歪み」を自覚し、修正するのである。

「自分は上司に嫌われているのではないか」という思考パターンは上に挙げた項目の6、「独断的推論(心の読みすぎ)」に当たるのではないか、と。

何故なら、事実はわからないからだ。「その上司はたまたまその日の朝に奥さんと言い争いをして機嫌が悪かっただけかもしれない。」と考えることも可能である。

あるいは、落ち込んでしまった人は3.「選択的抽出」に陥っているかもしれない。

その上司はかつて自分の仕事を評価してくれたことがあったのに、うつ状態だと、悪いことばかり、つまり叱られたことばかりが思い出されてしまう。



認知療法ではこのように自分が習慣的に陥ってしまった否定的な自動思考を(全てでなくてよいのですが)日記風に書き出し、

それは冷静な立場からは別の見方が出来ないかということを、その横に書き出していく、という作業を行う。

最初は面倒だけれども、幸いパソコンを利用すれば、そのような対照表は簡単に作ることが出来る。

表を作る気力がないのであれば、気持ちが落ち込んだときに、「認知の歪みのパターン」を書いたメモを時々見て、

「ああ、いまの自分は、このパターンにあてはまっているな」と自覚するだけでも、効果がある。


◆うつ病の人でなくても取り越し苦労の多い人。楽観的すぎる人いずれも応用できる。

「認知療法」で検索するとあまりにも多くの本を見つけてしまうので、代表的なものを一つだけ紹介する。いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法だ。

著者は、アーロン・ベック氏ではなく、デビッド・D.バーンズという人だが、バーンズ氏はベック氏の弟子である。ベック氏の方法論をそのまま踏襲しているといっていい。



今、私の綴るこの駄文を有難いことに読んで下さる読者のおひとりは、この本を読んで実践してみたら、憂鬱な気分が劇的に好転したと仰っていた。



尤も、始めの方で書いたとおり、万人に有効であるとは限らないし、重いうつ病のひとは、あまり理屈っぽく考えると、却って良くないかも知れない。

私が「認知療法」と、この書物を紹介したのは、

1.自分が感じていることが、事実を正しく把握しているとは限らない。

2.どうしても、否定的な思考が先行して苦しい人は、それを客観的に自分で観察して矯正することが可能である。

ということを強調したかったからである。

興味を持たれた方は一度本を手にとってみてはいかがだろうか。

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2006.04.27

「竹島問題の基礎知識」

◆云うまでもなく、領土問題です。

本稿は、所謂「竹島問題」に関する基礎的な情報を、筆者の感情、主観をできるだけ排除し、提供することを目的とする。

竹島は、島根県の隠岐島北西約160キロの位置にある。

日本の住所では、「島根県隠岐郡隠岐」である。東島と西島、及び約30の岩礁(水中に隠れている岩:広辞苑第五版より)から成る。

全面積は0.23平方キロメートルというから、東京の真ん中にある日比谷公園ほどの広さである(なんだか、馬鹿馬鹿しくなってきません?)。

水源が無く岩場ばかりで、人が住める場所ではない。しかし、韓国はここに警備隊を常駐させている(ご苦労なことだ。さぞや退屈だろう)。

また、住んでいないが、ここに住民登録をしている韓国人もいる。

「竹島問題」とは何か?この小さい岩場が日本の領土なのか、それとも韓国の領土なのか?それだけのことである。


◆何故、揉めるのか。

ご承知のとおり、韓国は日本が竹島を日本領だと主張することを、「かつて日本が朝鮮半島を植民地支配していた帝国主義、ナショナリズムの名残りである。」

というか「まだその意識があるんだろう?」というので話が面倒になるのだが、それについて感想を述べると、私の主観が入るので、保留する。

もう一つ。

何故、揉めるのかというと、日韓両国とも領有権の根拠を史料、つまり古文書(こもんじょ)に求め、両国とも自国に有利な解釈をするからである。


◆そもそもは「アシカ」(動物の)が目的だった。

隠岐島の人々は20世紀初頭、皮革を取るためにアシカ猟を始めた。1903年のことである。

翌年、隠岐島の人達が、明治政府に対して、「竹島を日本の領土に編入し、自分たちに貸してくれ」、と頼んだ。

明治政府は、この島が無人島で、どこの国の領土でも無いことを確認した、として、1905年1月、日本の島根県の一部とすることを閣議決定した。



その約一ヶ月後、当時の島根県知事が、竹島を島根県に編入する告示を発した。それが2月22日である。

昨年、その100周年だと云って、また宣言したから、韓国と揉めたのは記憶に新しい。

竹島の編入宣言の9か月後、日韓併合となる。つまり、日本は朝鮮半島を日本にしたのである。


◆第二次大戦後、一旦手放す。

第二次世界大戦で負けた日本は朝鮮半島の領有を放棄した。

このときに、竹島も放棄したのか否か、がまた、めんどうくさい問題なのである。



敗戦の翌年、1946年1月連合国総司令部(GHQ)のマッカーサーが、日本の行政権が及ばない島の名前を列挙せよという指令を出し、そのリストに「竹島」は含まれていたのだ。

しかし、このとき、これらの島が最終的に何処の国に属するかは別に決めるという内容も宣言されていた。

そこで、日本の言い分としては、1946年に、竹島が自動的に韓国領になったと言う論理はおかしい、と主張するのである。

一方韓国は、「連合国が竹島に関してはっきりした方針を出さなかったと云うことは、竹島は日本のものではなくなった→韓国の領土になった」と主張するのである。


◆サンフランシスコ講和条約

サンフランシスコ講和条約というのは1951年9月8日にサンフランシスコで調印された、日本と第二次大戦の連合国48カ国との平和条約である。

要するに、これで、戦争は終わり。敵対関係は終わりという訳で正式には「対日平和条約」という。



このときの文書に、日本は「済州島、巨文島及び鬱陵島を含む朝鮮」を放棄することが書かれているのだが、竹島は含まれていないのである。

これで、また、揉めるわけである。

日本は「放棄する」と云っておらず、サンフランシスコ講和条約により、日本が主権国家としての地位を取り戻したのだから、「竹島」は日本のものだ、と言う。

韓国は、「名前が出ている島は単に例として挙げられただけであり、竹島の名前が例示してなくても、日本が放棄した朝鮮の領土に含まれる」と主張するのである。


◆本稿の目的は客観的事実の説明だが、一言だけコメント。

冒頭に書いたとおり、私は、本日は客観的事実の提示に努めているのでコメントは避けるべきだが、ここだけ一言。



韓国云々(うんぬん)ということではなく、一般論として述べる。

法律(条約は国際法であり、法律の一種ということができる)というものは拡大解釈すると、何のために明文化したのかわからなくなる(法的安定性を失う、という)ので、

原則として、拡大解釈を認めるべきではない、と思う。

その意味で韓国の主張は、くどいようだが、感情を排し客観的に判断しても、妥当ではないと思料する。

コメント終わり。


◆「揉め事」を当事者が解決できるわけがない。

個人であろうが、企業間であろうが、国家間だろうが、はっきり言えば、人間は自分のことしか考えていない。
だから、争いごとが起きて、当事者が解決するのは、非常に難しい。

そのため、人間は「紛争の当事者いずれとも利害関係を持たない第三者が判定を下す」裁判という制度を考え出した。

国家間のもめごとは国際司法裁判所で取り扱う。

日本はここに提訴しようと韓国に持ちかけたが、韓国は「日韓に領土問題は存在しない(独島は韓国領であることはあきらかだから)ので、その必要はない」と応じない。

国際司法裁判所は、先方から調停にのりだす、という制度が無い。

紛争当事国双方が了承して初めて審理が始まるので、これではどうしようもない。


◆まあ、そんなところです。

「竹島問題の基礎知識」はこれぐらいです。

実際はこれに国際法上の「領海」(排他的経済水域)の問題が絡んでくる。これは、またいずれ。

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2006.04.26

「無思考」を「プラス思考」と称する欺瞞

◆読者の方からヒントを頂いたことを予めお断りしておきます。

私は、同じ文章をエンピツ、ココログ、エキサイトブログの3カ所に掲載している(エキサイトは最近更新をサボりがちです。済みません)。

本稿は、その3つのうちのいずれかの読者の方からヒントを頂いたものであることを予めお断りしておく。

ブログの本来のあり方からすれば、ここでその方の文章にリンクを貼るべきところであるが、

ブログには、変なエロサイトからスパムTBを送ってくる者がしばしばいるので、その読者(仮にAさんと呼ばせていただく。)に、つまらぬTBが流れてゆく恐れがある。

そういうご迷惑をおかけしたくないので、何処のどなたかは伏せさせていただく。非礼をお許し頂きたい


◆Aさんの主張。

Aさんのお仕事は、マスコミ関係若しくはそれに近いという事だが、私とご本人とは勿論全く面識が無い。

先日、上記3カ所のうちのどれかにコメントを頂いたので、Aさんのブログを読ませていただき、非常に共感を覚えたエントリーがあった。

それは、

「何でも、プラス思考をしていれば、世の中上手くいく(或いは世の中で上手く生きてゆける)という考え方が間違っている」

ということである。

Aさんはマスコミ関係の仕事をしておられるわけだから、当然、世の中の「問題点」を取り上げることが多い。

必然的に、今の日本が確実に悪い方へ向っていることを感じるという。



ところが世の人々は、とりあえず、毎日のメシには困らないし、特に都会に住んでいれば、なんだかんだと楽しいことがある。

しかし、楽しいことばかり考えていれば「何とかなるさ」というのは「ポジティブシンキング」(positive thinking)の勘違いではないか。

現存する世の中の問題がこのまま発展したら、如何なる深刻な事態に発展するかという「マイナス思考」も、必要だ。

以上が、私の主観に基づいて要約したAさんの思想である。


◆全く同感である。

私もそれを考えていた。後付けではない。

3月11日の記事(官公庁の情報流出に関する文章)で私は、
「リスク・コントロールは「マイナス思考」で無ければだめだ。」

と書いた。「リスクコントロール」は日本語で「危機管理」と云う。

危機管理はマイナス思考が出来ない人間には務まらない。



考え得る最悪の状況を想定し、それでも対処できるような体制を構築するのが、「官」でも「民」でも、危機管理責任者の仕事である。

リスク・マネージャーが脳天気な楽天主義者で「あれも大丈夫だろう。こんなことも滅多に起きないから、そこまで考えなくていいよ」という人物だったら、危なくて仕方がない。

私はそのようなに考えていたので、Aさんのご意見には非常に共感を覚えた。

そして、もう少し考えているうちにあることに気づいた。


◆「深刻な問題」「考えたくない現実」から目を背けることを「プラス思考」と云っているのではないか?

世の中には本当に、困難にぶつかっても、それを良い方向に解釈することが出来る人がいる。

話が大げさになるが、松下電器産業の創始者、故・松下幸之助氏へのインタビューなどを読むと、松下氏は本当に正真正銘のプラス思考だったことが分かる。

それは、脳天気なプラス思考ではなく、世の中の凡人ならば「辛い」とかんじることでも、氏はなにかしら、そこから「収穫」を得るのである。

詳しく書くと長くなるので省く。松下幸之助氏に関する逸話などいくらでも本がある。ネットでも調べられるから、一度、ご覧になることをお薦めする。

とにかく、松下氏は、「プラス思考の天才」である。



しかし、昨今の世間の「プラス思考」は質が異なる。

面倒くさいこと。気が滅入ること。放っておけば世の中が大変なことになるという事実から目を逸らしているだけだ。

厳しい云い方をすれば「現実からの逃避」である。

子供じゃないのだから、気が滅入るような問題にも敢えて目を向けるべきなに、「無思考」を「プラス思考」と勘違いしている。

「地球温暖化?大したこと無いだろ?」

「小泉首相がブッシュの傀儡政権だろうがなかろうが、毎日の暮しが楽しければ、それでいい。難しいことを考えても仕方がない」

「年金?まあ、何とかなるだろ?」

「国債発行残高が何百兆円とかいってるけどさ。別に俺たち関係ないじゃん?」

これでは、バカである。

今一度繰り返す。

「プラス思考」と「面倒くさい問題を考えないこと」を混同してはいけない。

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2006.04.25

「脱線事故 周りの言動で心に傷」←「アンダーグラウンド」(村上春樹)がとっくに指摘している。

◆記事:脱線事故 周りの言動で心に傷 (NHK)

107人が死亡し、555人がけがをしたJR福知山線の脱線事故から、25日で1年になります。

NHKが事故でけがをした乗客にアンケートしたところ、事故で体や心が傷ついただけでなく、事故のあと、周りの人の言動などで心に新たな傷を負ったという人が回答者の半数近くを占め、

心のケアに周りの理解が欠かせないことが明らかになりました。



NHKは、福知山線の脱線事故から1年になるのを前に、事故でけがをした乗客のうち、連絡先のわかったおよそ450人にアンケートへの協力を依頼し、35%にあたる157人から回答を得ました。

この中で、東京都精神医学総合研究所がまとめたPTSDについての設問に基づいて尋ねたところ、回答者の39%にあたる59人が、事故を思い出して眠れなくなったり、神経が過敏になったりするなど、

PTSDになっているおそれが高いことがわかりました。

さらに、事故のあと、周りの人の言動などによって新たに心の傷を負うことが「たびたびあった」という人と、「何度かあった」という人が合わせて66人で、回答者の43%を占めました。

中には、「無理をしているのに、職場で『笑顔が足りない』と注意されて深く傷ついた」という人や、「事故から1週間ほどで、肉親に『もう大丈夫だろう』と言われ、つらかった」という人もいました。

兵庫県こころのケアセンターの加藤寛研究部長は「周りの人が回復が遅いと見ると、被害者はますます孤立してしまう。心の傷があって当然だと、周りが受け入れることが大切だ」と話しています。(04/24 05:37)


◆コメント:福知山線の事故に限ったことではないのです。

本題と全く関係がないが、この記事がどうして敬体(俗にいう「です、ます調」のこと。「である。」「だ」を常体という)かというと、

NHKのニュースサイトに載っている記事であり、ほぼニュースの原稿をそのまま載せているからである。

NHKホームページのニュースは簡潔な文章である。

あるプロのナレーターは、毎日これを初見(練習しないでいきなり通して読むこと。元来音楽用語。初めての曲を楽譜をみてすぐに演奏すること。

この能力が高いと「あの人は初見が利く」と表現する)で早めに音読することを日課にしているという。


さて、本題であるが、この記事に書かれていることは、作家の村上春樹氏が地下鉄サリン事件の被害者を一人ずつ訪ねて、インタビューを行い、

本にまとめた「アンダーグラウンド」(講談社文庫)を読んだことがある人にとっては、少しも意外ではない。

この本には、地下鉄サリン事件が起きたときに聖路加精神科医長で、その後、九段下にメンタルクリニックを開業した中野医師へのインタビューが載っている。

これを読むと、地下鉄サリン事件の被害者の相当数が、我々には到底想像出来ないような精神的、肉体的苦痛を受けていることを知り、愕然とする。

因みに、比較的、悲惨な事故現場になれている救急隊員や、警察官の中にも、あまりの惨状を目撃したことにより、PTSDになるひとが多いのだ。



PTSDはフラッシュバックと云って、事件の場面が何の前触れもなく脳裏に蘇り、パニック状態になるのが最も良く知られた症状だが、それは「精神症状」であるが、肉体的な症状を伴うこともある、という。

中野医師によれば、何人かの患者さんは、地下鉄サリン事件の数週間後から、ひどい頭痛に悩まされるようになり、それが始まると仕事にならない。

ところが、職場の人々から「お前が弱いのだ。だらしがないのだ。根性が無いのだ」と非難され、泣く泣く仕事を辞めた人もいるという。

どれほど、悲しく、悔しいだろう。その無念は察するにあまりある。


◆犯罪・事件の被害者に嫌がらせをする人間の心理

事故・事件の被害者にまわりが辛く当たるのは、一つには、「死」という災いの場にいた人は「汚れた」存在だ、と見なしたがる民族的心理的傾向があること。

もう一つは、約3年前に書いた、犯罪の被害者を非難する人間の心理をご参照頂きたい。

心理学者の説明によれば、人間には「世の中は公平であるべきだ」という信念がある。そして、「自分だけは不幸な目に遭いたくない」という感情がある。

だから、「犯罪の被害者は、何か本人に落ち度があったから、そういう目に遭ったのだ」、という理由付けをしたがるのだそうだ。

そうしないと、「何も悪いことをしていないのに、ある時突然、犯罪に巻き込まれる可能性が、自分にもある」(そのとおりなのだ。)、と云うことになる。

それを認めたくない心理が、犯罪被害者を非難する、という行動に走らせるのだ。


◆世の中知らないことばかりなのだ、という意識を持つ。

先日、東大の小柴名誉教授の講義について書いた。

小柴先生は立派な学者というのは、「分からないことが如何に多いかを痛感している人だ」と仰っていた。

小柴先生は学問に関して述べておられたわけだが、学者ではなくとも、世の中の事象全般に関して同様の意識を持つことは大切である。

つまり、世の中には自分がいくら考えても想像もつかないこと(この場合は、事件や事故の被害者、遺族の精神的・肉体的苦痛)があるのだ、ということを自覚することだ。

それができる人が増えるほど、理不尽な苦痛に苦しむ人が減る筈だ。

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2006.04.24

<衆院千葉7区補選>民主公認、太田氏当選 自民を破る←小泉さん、「改革は止めない」って関係ないことをいうのでしょ?

◆記事:<衆院千葉7区補選>民主公認、太田氏当選 自民を破る

衆院千葉7区(松戸市北部、野田市、流山市)補欠選挙は23日投開票され、民主党公認の前千葉県議、太田和美氏(26)が、

自民党公認の前埼玉県副知事、斎藤健氏(46)=公明党推薦=ら4氏を破り、初当選した。民主党の小沢一郎代表は初陣を勝利で飾り、「偽メール問題」で失墜した党の再生に足がかりを得た。

総力戦の末に敗れた自民党は「小泉改革路線」に痛手を負った形で、今秋の総裁選にも微妙な影響が出そうだ。

補選は自民党の松本和巳前衆院議員が陣営の公選法違反事件に絡んで辞職したことに伴い実施された。

政策面では明確な争点がなく、小泉純一郎首相の最後の国政選挙で勝利して「小泉改革の総仕上げ」につなげたい自民党と、小沢新体制の基礎固めを目指す民主党の「政治決戦」となった。

両党とも地元企業、各種団体回りを行うとともに、沿線各駅ごとに国会議員団を配置するなど異例の補選となった。

太田氏は26歳7カ月。自民党の杉村太蔵衆院議員より2週間誕生日が遅く、現職では最年少国会議員となる。選挙戦では「自民党が勝てば、地域格差が広がる」と主張。

小泉改革の負の面とされる「格差社会」に焦点を当て、「負け組ゼロの社会にしよう」と訴えた。

地元出身の利点を生かすため、自転車で住宅地や農業地域など選挙区内約374キロを支持者とともに走り、「庶民の味方」をアピールした。

小沢氏も農業地域を遊説し、市街地中心の首相との対立軸を鮮明にすることで、無党派層だけでなく一部の保守層にも食い込んだ。

斎藤氏は過去最多の221人の公募から選ばれたが、立候補表明が遅れたことや、知名度不足による出遅れが序盤戦で露呈。

危機感を持った党本部は、安倍晋三官房長官ら「ポスト小泉」候補のほか、昨年9月の衆院選で初当選した「小泉チルドレン」を投入した。

公明党の全面支援も受けたが、「小沢効果」で上げ潮ムードの民主党に及ばなかった。

共産党公認の徳増記代子氏(53)は自民、民主両党を批判して、無党派層への支持拡大を目指したが、浸透し切れなかった。

無所属2人は力が及ばなかった。(毎日新聞) - 4月23日22時43分更新


◆コメント:少々溜飲が下がった。

たかが、というのは、不謹慎かも知れないが、これほど党首クラスが応援に駆けつけた補欠選挙は、あまり記憶にない。



偽メール問題の直後で、民主党は空中分解寸前であった。

小泉首相の支持率(小泉を支持する人が存在することが、私には信じられないのだが、それは、今日は、いい。)や公明党の組織票を考えれば、与党は楽に勝てるだろうと思われた。



ところが、この千葉の一補選に、崖っぷちに立たされた民主党が小沢代表、No2の管直人氏、鳩山幹事長、渡部恒三国対委員長など、総力を挙げて臨んだのは当然だとしても、自民党までもが、焦っていたようだ。

小泉内閣総理大臣、最も人気のある政治家、安倍官房長官。サラブレッド麻生太郎外相。これは完全に胡散臭いが、一応幹事長の武部が、前回の衆院選と同様に声を張り上げ

先にのべたように公明党はいつも通り組織票を固めていたはずなのに、負けましたね。


◆小沢代表の選挙戦は田中角栄方式なのだ。

小沢代表の選挙戦は地味だったが、日本人の伝統的な心理的傾向、「庶民性」を強調したのが勝因だろう。

それから、とにかく歩き回った。高い宣伝カーの上からではなく、キッコーマンの労働組合にまず挨拶に行き、ビール箱を重ねた台にのって街角で演説し、自転車で町中を走った。

これは全く田中流だ。

小沢一郎は田中角栄の最後の弟子だが、田中の秘書でやはり既に故人となった早坂茂三の「オヤジと私」(集英社文庫)によれば、田中角栄は、新人の立候補者が訪ねてくるとこう言ったそうだ。

「辻説法を5万回、個別訪問を3万件やれ。そうすれば当選できる。県境の沢に入り、4,50人の村でも訪ねろ。

そして、じいさん、婆さん、親父さん、カミさん、息子と娘、嫁と婿、その名前と顔を覚えろ。村の鎮守様や寺の由来を覚えろ。

とにかく歩きまくれ。雨が降っても雪が降っても、かんかん照りでも、毎日、辻説法をやれ。例え3人しか聞いてくれる人がいなくても、全身汗まみれで信念を云え

一ヶ月後、そこに行け。100人の人が集まる。選挙に僥倖はない。流した汗が多いものが勝つ」

記事を読めば分かるだろうが、小沢代表は候補者本人ではないが、実行したことは、ほぼ、角栄の教えに従っている。確かに勝った。


◆本当はそういうことで、当選が決まるようではいけないのだ。

選挙において有権者は、候補者の政治思想を評価して投票行動を行うべきであり、あの人はいい人だとか、握手をしてくれたとか、そういうものではない。

云い方を変えれば、「選挙の投票は情緒的な選択であってはならぬ」ということだ。



ところが、残念ながら今の日本の有権者(特に田舎)は、政策など何も知らない

意味が分かりやすく「改革をとめるな」という、実際には何も改革していない人の言葉に見事にだまされ、騙されたことにも気が付かなかった。

最近になって漸く「格差が出来て当然だ」という、小泉首相の思想、しかも「強者の側に立った思想」に疑問を感じ始めたのだろう。



私は、昨年9月11日の衆議院選挙のときにそれを痛感した。

投票日までの間に、私は何度となく、「郵政民営化だけが争点の選挙」などという主張が間違っていること。

それ以前に衆議院を解散したことが、解散権の濫用であること。郵政民営化が実現したら、何が起きるか(今の民営化案の問題点)。

「郵政民営化だけが争点」といいながら、小泉首相は絶対過半数を獲得したら、絶対に増税(定率減税の廃止)や、医療費の本院負担の引き上げなどを行うだろう、

という類の記事を必死に書いたが、その間は何の反論もなかった。



しかし、投票日にとんでもない結果が出たらそれまでは反論できなかったくせに、結果だけみて、嫌がらせのメールを送ってくる奴が何人もいた。

選挙でどちらが勝ったかという「結果」だけが、彼らが、「小泉首相の政策が正しい」と判断する根拠なのである。


◆まだ、小沢代表がどのような政治的思想を表明するか分からない。

小沢代表がどのような政治的思想を持ち、実現しようとしているのは、まだ定かではない。

従って、今日の結果だけで民主が勝った、自民が負けたとか騒ぐのは、軽率だ。

だが、書いておきたいことがある。

私は3年前から一貫して主張しているのは、

イラク戦争という、正当性の無い「人殺し」を「正しい」と評価し、「公約を破っても大したことではない」と公言する人物は、それだけでも内閣総理大臣にふさわしくない、と評価せざるを得ない。

ということである。この思想(というほどではないが)は今も変らない。

小泉首相は、多分、今日の感想を聞かれたら、お得意の論点すり替え術で、「改革は止めない」とか全然関係の無いことを云うのだろう。

私は、極力情緒を排するよう努めているが、今日ばかりは少々、ざまあみやがれ、という気分である。

今日自民党が勝つぐらいなら、最早日本人に何を書いても仕方が無いので、日記を止めようかな、と思っていたのである。

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2006.04.23

「共謀罪 野党反発、大荒れ審議入り 衆院法務委」←DVDをコピーすることを相談しただけで、逮捕されるんですよ

◆記事1:共謀罪:野党反発、大荒れ審議入り 衆院法務委

犯罪の実行を事前に話し合っただけで罪に問える「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法などの改正案の審議が21日、衆院法務委員会で始まった。

審議入りに反対する野党側委員が委員長席に詰め寄り、政府案と与党修正案の提案理由説明はやじと怒号でほとんど聞き取れない事態になった。

共謀罪を巡っては「内心の自由が脅かされる」「市民団体に適用されかねない」といった批判があり、過去に2度廃案になり、昨秋の特別国会でも継続審議になっていた。

批判を考慮した与党は21日、(1)何らかの準備行為を成立の要件にする(2)犯罪を活動目的とする団体に対象を限る--との修正案を提出した。

これに対し、民主党は「与党の修正は不十分」として、独自の修正案を固めた。共謀罪の対象を国境を超える国際犯罪に限定する規定などを盛り込んでいる。

毎日新聞 2006年4月21日 12時59分


◆記事2:共謀罪:衆院法務委で審議が紛糾、どこが問題か

犯罪の実行を事前に話し合っただけで処罰できる「共謀罪」の審議が21日の衆院法務委員会で始まった。

審議入りに抗議する野党委員が委員長席に詰め寄るなど紛糾し、今後の審議も波乱含みだ。

共謀罪への懸念は与党側も認めており、処罰範囲を限定する修正案を同日提出した。民主党も独自の修正案を出す方向だ。共謀罪のどこが問題になっているのか。

■適用団体は? 「政府や企業への嘆願を相談する私たちの日常的な活動が、犯罪にされる危険がある」。

今月19日、約170の市民団体が「共謀罪に反対するNGO・NPO共同アピール」を発表し、「共謀罪が自分たちに適用されかねない」と訴えた。

こうした批判を念頭に、与党修正案は共謀罪の対象を「犯罪を実行することを目的とする団体」に限定した。

与党側は「正当な目的を持つ団体は対象にならない」と説明する。

共謀罪に反対してきた日本弁護士連合会は「一定の評価はできる」としつつも、「正当な団体が途中から犯罪目的に変わったり、

団体の一部だけが犯罪目的を共有する場合はどうするか不明確」と指摘する。



 ■内心の自由は 

「単なる合意で処罰されれば、内心の自由が脅かされる」という批判も根強い。既遂の処罰を原則とし、例外的に未遂罪や予備罪を定める日本の刑法体系を根本から覆す、という刑事法学者らの指摘もある。

与党修正案は、共謀罪が成立する要件に「犯罪の実行に資する行為」を付け加えた。

現場の下見や凶器購入資金の調達などが該当するという。

単に共謀しただけでは処罰しないというわけだが、日弁連は「精神的な応援なども『資する行為』に含まれる可能性があり、ほとんど歯止めにならない」と批判する。

■600以上の罪が対象

 共謀罪の対象となる「4年以上の懲役・禁固にあたる罪」は600以上に及ぶ。

日弁連は「該当する罪をもっと限定できないか」と主張するが、法務省は「『4年以上』は国際組織犯罪防止条約に基づく規定で変えられない」と主張する。

民主党は対象を「5年以上」に改めた上で、国境を越える国際犯罪に絞る修正案をまとめる予定だ。

     ◇

杉浦正健法相は21日の閣議後会見で「できるだけ早期に成立させたい」と意欲を見せ、与党側も「28日に委員会で採決したい」と野党側に迫っている。

民主党は、週明け以降の委員会の欠席も含め対応を検討している。
<共謀罪>

4年以上の懲役・禁固にあたる犯罪が「団体の活動として犯罪実行のための組織により行われる場合」の共謀を罰する。

国連組織犯罪防止条約を批准するための法整備の一つで、具体的には組織犯罪処罰法を改正して盛り込む。

改正案は過去に2度廃案となり、3度目の提案となった昨秋の特別国会でも継続審議となっていた。(毎日新聞)(最終更新時間 4月21日 21時21分)


◆国会会議録 2005年10月26日 衆議院法務委員会における関東学院大学足立教授の発言(←非常に説得力があります)

衆議院のサイトに、国会会議録検索システムがあるので、「簡単検索」をクリック。

すると検索画面になるので、発言者欄に「足立」、「検索語」に「共謀罪」と入力して検索ボタンをクリックすると、検索結果1件とでます。
検索結果一覧表示、をクリックすると、次の画面になります。
ここで、「法務委員会」をクリックすると、昨年10月に参考人として呼ばれた関東学院大学法学部、足立昌勝教授の共謀罪の正当性の無さを実に法理論的に、明快に説明しています。
◆コメント:国際的組織犯罪防止のが目的ならば、明らかに適用範囲が広すぎる。

こんな法律が成立したら、治安維持法と同じですよ。日本もいよいよ終わりです。



そもそも、共謀罪法案を可決しなければならない理由として与党が掲げているのは、

「国際的組織犯罪防止条約とサイバー犯罪条約批准のための国内法措置」です。

つまり、テロリスト集団などが本来の標的であって、アメリカの911テロと同じようなことが起きるのを防ぐためには、犯罪が起きてからでは遅すぎる。

だから、テロリスト(組織的犯罪集団)が日本に潜伏して(それは、日本人か外人か分かりません)犯罪を計画していることが明らかになったら、その時点で一網打尽にしよう、

という条約が締結されたわけで、それに合うように国内法を変える、ということですが、それにしては、適用範囲が広すぎます。



記事にもあるとおり、与党が成立させようとしているのは、「本当に犯行に及んだ場合、刑罰が懲役四年以上になる罪」というのですが、そうするとテロリズムとは関係ないことでも、他人と相談(冗談でも)し、合意(冗談でも)したら、そのこと自体が犯罪だ。というのだから、強引すぎます。

例えば、著作権を侵すCDやDVDの違法コピーは、著作権法で罰則が定められており、「五年以下の懲役」となっていますから、共謀罪に含まれます。

繰り返しますが、実際にコピーしなくても、貴方が誰かからコピーしてくれと頼まれて、「いいよ」と同意したら、共謀罪成立です。

その後、思い直して、やっぱり止めた、と言ってもダメなのです。これは恐ろしい。



犯罪と刑罰に関しては、「行為」が罰せられるのが、基本です。「或る行為が社会に与えた損害に対して刑罰が科せられる」のが、近代刑法の基本的な考え方です。

確かに例外はあるのです。共謀しただけで罰せられる行為が。

ただしそれは、非常に重大な行為です。

例えば、刑法第七十七条の内乱罪。

クーデターを起こして、日本の統治機構をひっくり返そうとしたものは死刑なのです↓。

第七十七条  国の統治機構を破壊し、又はその領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をした者は、内乱の罪とし、次の区別に従って処断する。

一  首謀者は、死刑又は無期禁錮に処する。

これは(↑)実行に移した場合ですが、この「内乱罪」は実行に移さなくても、犯行の陰謀・予備(準備すること)が発覚しても、
第七十八条  内乱の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の禁錮に処する。

ということになります。



また、刑法で一番重いのは「外患誘致罪」といいます。
第八十一条  外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。

外国と通じて、日本国を攻撃させたら、刑罰は「死刑」のみ。そしてこれは、実行に移した場合ですが、内乱罪と同じように外患誘致の予備・陰謀は罰せられる。
第八十八条  第八十一条又は第八十二条の罪の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の懲役に処する。


◆頭の中で、犯罪を考えても、何もしなければ罰せられるべきではないでしょう。

共謀罪が良くないのは、「考えることだけで犯罪になる」ということです。

実際には、頭の中で考えていても口に出したり、メールでやりとりしなければそういうことを考えているのは、誰にも分かりません。

しかし、例え口に出したとしても、冗談の場合があります。

ところが、ある言葉が、冗談か冗談でないか、を客観的に証明する方法はないので、多分、冗談だといっても捕まえられることになってしまうと思われます。

具体例は、幾つか関連サイトを見たところ、共謀罪(キョウボウザイ)ってなんだ? というサイトに「事例集」があるので、ご覧になることをお薦めします。


◆ニュースの重大性は、竹島問題、人殺し中学生の比ではないのです。

共謀罪を本格的に適用するためには、犯罪計画の合意を証拠として残さなければなりません。

そのためには、警察が我々の電話による会話を盗聴したり、メールを検閲することにならざるを得ません。

それは、憲法で禁止されているのです。
日本国憲法 第二十一条   【 集会・結社・表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密 】

第一項 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

第二項 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。


今日は、韓国と日本の縄張り争い(竹島問題)や中学生のガキが痴話喧嘩の末に人殺しをした、というセンセーショナルなニュースが運悪く入ったので、世の人々の関心はそちらに傾いていますが、

そんなことより、共謀罪が成立するかも知れない、というニュースの方が遙かに、比較にならないほど重大・深刻なことです。

こんなのが成立したら、日本は、思想の自由が認められていない中国や北朝鮮のことをバカにできない、同じ穴のムジナになってしまう、といっても過言ではありません。

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2006.04.22

お薦めCDシリーズ シュターツカペレ・ドレスデンの「金と銀」←きれいですよー。

◆世界最古のオーケストラ「シュターツカペレ・ドレスデン」

シュターツカペレ・ドレスデンというのはオーケストラの名前です。

日本語にすると、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団になります。

ドレスデンというのはドイツの一番東にあるザクセン州(因みにドイツに連邦州は16あるそうです)の州都です。

そこにある国立歌劇場のオーケストラ。オペラが専門なのですが、コンサートもやります。

シュターツカペレ・ドレスデンは「世界最古のオーケストラ」と言われています。本当はもっと古いのがあったのですが、廃れてしまったので現存のオケでは世界最古ということです。

勿論古ければ良いってものじゃないですね。ドレスデンが有名なのは古いからではなく上手い、そして「音」です。

重厚な、生で聞くと聴き手の全身の細胞に、「ズシン!」という重量感のある音が届く。それがたまらなく好きだという古くからのファンが多いのです。

歴代の指揮者のリストを見ると、ワーグナーとかウェーバー(オペラの「魔弾の射手」とか、ピアノ曲「舞踏への勧誘」を書いた人。

「舞踏への勧誘」は後にベルリオーズがオーケストラ用に編曲したものもしばしば演奏されます)。など、すごい顔ぶれです。


◆「クラシック通」の方はブルックナーを聴けとかいうでしょうが・・・

それでですね。

ドイツのオーケストラは、ドイツの作曲家ベートーベン・ブラームス・ブルックナーを演奏するのがもっともしっくり来るわけですが、

シュターツカペレ・ドレスデンは特に「ズシン!」ですから、ブルックナーを聴けと五月蠅い人が多いです。



しかし、その「ズシン!」で、普通は軽く演奏されがちなウィンナーワルツなどを演奏したCDがあります。

ウィンナ・ワルツ・コンサートです。

あまりにも平凡なタイトルなので見逃しがちなのですが、実は大変な名演が録音されています。

曲目は、


  1. 喜歌劇「こうもり」序曲(J.シュトラウス2世)

  2. ワルツ「ウィーンの森の物語」op.325(J.シュトラウス2世)

  3. ワルツ「天体の音楽」op.235(ヨーゼフ・シュトラウス)

  4. 喜歌劇「ウィーンの朝・昼・晩」序曲(スッペ)

  5. ワルツ「金と銀」op.79(レハール)

  6. ポルカ「浮気心」op.319(J.シュトラウス2世)


です。

「喜歌劇」とは「オペレッタ(オペラよりコミカルで軽いもの)」の訳です。「こうもり序曲」は楽しいですよ。うきうきしてくる音楽です。

ですが、何と言っても、このCDの白眉は「金と銀」ですね。

こういう曲はポップスコンサートで小編成で軽くさらっと演奏されてしまうことが多いのです。

ところが、このときにシュターツカペレ・ドレスデンの指揮者(音楽監督)だった、ルドルフ・ケンペという人は偉いです。

ものすごく真面目に大編成のオーケストラにして、ひじょうに深い音を引き出しています。大変な名演奏だと思います。


◆「金と銀」だけでもお薦めです。

同じ曲でも指揮者によって全然違って聞こえる、名演にも平凡な演奏にもなってしまいます。そこが、オーケストラの面白いところです。

このCD、ルドルフ・ケンプ指揮、シュターツカペレ・ドレスデンによるレハール作曲「金と銀」は名演になったほうの最も素晴らしい例だと思います。

これほど素晴らしい演奏を言語で表現する能力を、私は残念ながら持っておりません。月並みですが「涙が出るほど」美しい。


◆何でも「レッテル貼り」(先入観に支配されること)は禁物です。

さらに、恥ずかしながら告白すると、私はこのCDを聴いたときに、「金と銀」のメロディーの美しさに漸く気が付きました。

これほど美しいメロディーは大作曲家でもあまり残していないと思うのです。

レハールはオペレッタの作曲家で、他には「メリーウィドウ」という有名なオペレッタがあります。

しかし、はっきりいって世間では、「オペレッタ作曲家」はベートーベン、ブラームス、ブルックナーよりも「格」が低い作曲家と見なされています。

私も、そういう「レッテル」に引きずられていました。



「金と銀」なんて、既に何度聴いたか分からない、「クラシック入門曲」で、「オペレッタ」で、という意識が先行して、それまでは「聞き流し」ていたのです。

それが、名指揮者と超一流オーケストラが本気で演奏すると、これほど美しいのだ。ということ。先入観で音楽を聴いてはいけない、ということが良く分かりました。



弦楽器群の奏でるメロディーとハープの音が重なり、陶然とします。

ですが、ただ、漠然と「うっとりムード」で通しているのではありません。

文章に段落があるように、一つの曲は、幾つかの部分から成り立っています。

その変わり目のところをいい加減に弾くと、締まりのない演奏になってしまいますが、ケンペはそこが見事です。

区切れ目のところでは思い切り、バスとティンパニを「ズシン」と響かせるのです。このメリハリが何とも巧みなのだと思います。

フォルテはきちんとフォルテ。ピアノはピアノで弾く。当たり前のことですが、その対照が名演奏の一つの要因になっているのではないかと。

素人考えですが、私はそのように考えました。

「金と銀」のこれ以上の名演は多分、無いでしょう。これは、お薦めです。

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2006.04.20

「イラク派遣 国連輸送も支援 空自の任務拡大検討」←国連より米軍支援を強化しようとしていることが問題なのだ

◆記事:「イラク派遣 国連輸送も支援 空自の任務拡大検討」

政府がイラクで輸送活動を行っている航空自衛隊の任務を拡大、国連の人員・物資輸送の支援を検討していることが十八日、分かった。

陸上自衛隊撤収前の実施も視野に入れる。空自の任務拡大では、米軍の物資輸送などに重心がシフトするため、イラク復興支援特別措置法に基づく基本計画を変更する方針も固めた。

現在、国連はイラクで「国連イラク支援派遣団(UNAMI)」を活動させている。人員は五百人程度で、バグダッドを拠点にイラク全土と隣国のヨルダンやクウェートとも往来。

憲法起草作業や昨年十二月の国民議会選挙といったイラクの政治プロセスや人権問題への助言、人道復興支援の調整など活動内容は多岐にわたる。

だが、国連職員の移動や物資輸送は、米英軍の輸送機に便乗しているのが実情だ。

輸送機に空きがなければ後回しにされるなど不便で、国連は日本政府に「イラクでの国連活動を今後、拡大していく」との方針を示した上で、輸送機の提供を要請してきた。

これを受け、防衛庁では、イラク南部とクウェート間で自衛隊や米軍の物資輸送などにあたっているC130輸送機を国連に提供することを検討している。

ただ、空自の任務拡大は、イラク南部サマワに駐留する陸自部隊の撤収を念頭に、米軍に対する輸送支援の強化を軸に調整を進めており、政府は国連に「米政府を通じて交渉してほしい」と回答している。

また、空自はバグダッドなどに空輸拠点を拡大し、米軍輸送機の肩代わりをする方針を固めている

人道復興支援にあたる陸自部隊が今秋にも撤収した場合、米軍向けの輸送が中心になり、活動の軸足を安全確保支援に移すことになる。

しかし、現行の基本計画は、「人道復興支援活動に支障を及ぼさない範囲で、安全確保支援活動を実施」としており、基本計画を変更して安全確保支援にシフトすることを明記する方針だ。

一方、サマワの陸自部隊は五月までの予定で第九次イラク復興支援群が活動中だが、政府は今月中に後続部隊となる十次群の派遣を決定し、来月上旬に編成・派遣命令を出す予定だ。 (産経新聞) - 4月19日3時25分更新


◆コメント:何度でも書くが、米軍物資輸送は約束違反かつ違憲だ。

この問題は何度書いたか分からないほどだが、何百回でも書いてやる。

イラクに自衛隊を派遣することを政府が閣議決定した、2003年12月9日の小泉首相記者会見を読んで下さい。

最初に小泉首相が憲法前文を読み上げ、自衛隊海外派遣の正当性を主張した(これにも文句があるが今は触れない)。

その後、マスコミ各社との質疑応答があった。

そのときの一問一答は、今でも、首相官邸ホームページ、小泉内閣総理大臣記者会見[イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画について] において、読むことが出来る。

そこで、首相は明確に述べている。

【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。

【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。

【質問】 行わない。

【小泉総理】 行いません。
【質問】 それは、実施要項の中とかで担保されるんですか。

【小泉総理】 そうです。

【質問】 そういうことですか。

【小泉総理】 はい。復興支援活動であります。日本は戦争に行くのではありません。自衛隊は復興人道支援活動に行くんです。

◆ところが、(武器弾薬の輸送が)行われているのだ。

何故断言するかと言えば、クウェートに派遣された航空自衛隊の自衛官が認めているからである。

◆武装米兵の輸送実施 C130、空幕長が認める

【クウェート8日共同】航空自衛隊トップの津曲義光航空幕僚長が空自部隊派遣先のクウェートを訪問。

8日に記者会見してC130輸送機によるクウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していたことを初めて明らかにした。

イラク復興支援特別措置法に基づく空輸が始まって約1カ月。空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。

津曲空幕長は過去の輸送任務について「米兵や(連合軍の)軍属を運んだことはある」と答え、さらに

「武器、弾薬を単独で運んだことはない」と説明。輸送した米兵が小銃など軽火器類を携行していたことも認めた。
これまでの輸送回数や状況については「20回弱の任務を実施したが、(地上からの)攻撃はなかった」と述べ、武装勢力によるテロはなく安全だったことを強調。

タリルやバスラの空港があるイラク南部は「比較的安全」との認識を示した。(共同通信)[2004年4月8日13時26分更新]

◆武装兵士を輸送していることは武器弾薬を輸送しているということだ。

米英軍の武装兵士を航空自衛隊の輸送機がクウェートからイラク各地の米軍基地へ輸送している。

日本の同盟国である米国は、イラクで「イスラム反米勢力」と戦闘状態にある。

「反米勢力」は国家ではないから、戦争ではないという役人や政治家がいるが、そういうのを屁理屈というのだ。

実際に弾丸が飛び交い、劣化ウラン弾が使用され、放射能をばらまいている。行為の実質において、「戦争」である。

そして、冒頭の産経新聞の記事によれば、

空自はバグダッドなどに空輸拠点を拡大し、米軍輸送機の肩代わりをする方針を固めている。

人道復興支援にあたる陸自部隊が今秋にも撤収した場合、米軍向けの輸送が中心になり、活動の軸足を安全確保支援に移すことになる。

のだそうだ。


◆自国が攻撃されていないのに、戦争中の同盟国を支援することは「集団的自衛権の行使」に相当し、違憲である。

「空自はバグダッドなどに空輸拠点を拡大し、米軍輸送機の肩代わりをする方針を固めている」

だと?ふざけるな。米軍輸送機の肩代わりなら、絶対に武器弾薬を輸送することになる。違憲である。



日本国憲法は、集団的自衛権の行使を禁止している、というのが政府の公式見解である。

異論を唱える者は大勢いるが、公式見解が変更になったという事実を私は知らない。



「集団的自衛権とは何か」を知らず、調べもせずに反論してくる若い衆がいる(文章を読めば意味を理解していないことが一目瞭然なのだ)。それぐらい調べて欲しい。



集団的自衛権とは、

「自国が直接攻撃を受けなくても他国への攻撃を自国への攻撃と同等と見なして、反撃のために、武力を行使することが出来る権利」

である。

アメリカは常にどこかで戦争をしている国である。

日本に集団的自衛権の行使を認めたら、自衛隊は世界中に飛んでいって、米国の人殺しの手助けをすることになる。

日本が攻撃されたときにこれを防衛するのは個別的自衛権の行使である。謂わば正当防衛であり、日本国憲法はそれまで否定しているわけではない。

何故なら、前文において国民の平和的生存権を保障しているからだ。


さて、「集団的自衛権の定義」を字面(じづら)だけで見ると、クウェートにおいて航空自衛隊が米軍の武器弾薬を輸送することは、

武力行使ではないから、良いじゃないか?と思う人が多いようだ。

違う。


◆後方支援は武力行使の一部だから、認めてはダメだ。

日本が自衛隊をやたらと海外に派遣したがるようになったのは、1991年の湾岸戦争からである。

このときはイラクがクウェートを侵略したので、国連安保理が多国籍軍の派遣を決めた。

日本は多国籍軍のために、130億ドル(当時のドル円相場は132円近辺。132円で円貨換算すると1兆7160億円)もの大金を拠出したが、自衛隊の派遣は拒否した(それが正しい)。

そうしたら、日本はカネだけで血を流さなかったと嘲笑され、フセイン政権を倒した西側諸国の先勝パーティーに日本は呼ばれず、世界の笑いものになった。ということになっている。

そして、その「トラウマ」が防衛庁=自衛隊と、日本政府に残り、PKO法案、周辺事態法案(調べて下さい)など、自衛隊を海外に派遣する法律を次々に作った。

イラク戦争に自衛隊を派遣できる(私に言わせれば出来ない)根拠法は、「イラク復興支援特別措置法である。

(注:法律を調べるときは、法令データ提供システムで「法令索引検索」「法令名の用語索引」という検索欄にイラク復興支援特別措置法をコピー&ペーストして下さい。)

イラク復興支援特別措置法第三条は次の通り。

第三条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一  人道復興支援活動 イラクの国民に対して医療その他の人道上の支援を行い若しくはイラクの復興を支援することを国際連合加盟国に対して要請する国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号又はこれに関連する政令で定める国際連合の総会若しくは安全保障理事会の決議に基づき、人道的精神に基づいてイラク特別事態によって被害を受け若しくは受けるおそれがあるイラクの住民その他の者(以下「被災民」という。)を救援し若しくはイラク特別事態によって生じた被害を復旧するため、又はイラクの復興を支援するために我が国が実施する措置をいう。

二  安全確保支援活動 イラクの国内における安全及び安定を回復するために貢献することを国際連合加盟国に対して要請する国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号又はこれに関連する政令で定める国際連合の総会若しくは安全保障理事会の決議に基づき、国際連合加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動を支援するために我が国が実施する措置をいう

この中の「安全確保活動」は米軍に対する「後方支援」なのである。

後方支援とは、戦争をしている米国の武力行使に必要な物資・サービスを提供することである。

自衛隊自身はただの一発の弾丸すら発射しなくても、武力行使に加担していることになる。

現行憲法は現実に武力行使を禁止しているのだから、「武力行使」の範囲は広く、厳格に解釈するべきである。

繰り返す。

「日本はイラクから攻撃されていないが、米国を手伝って、米軍の物資を運ぶ後方支援を行っている。これは、明らかに集団的自衛権の行使であり、違憲である。」

◆新聞・テレビ、それでもジャーナリストか?

産経新聞は記事の中で平然と、

「空自の任務拡大は、イラク南部サマワに駐留する陸自部隊の撤収を念頭に、米軍に対する輸送支援の強化を軸に調整を進めており、政府は国連に「米政府を通じて交渉してほしい」と回答している。」

と書いている。

それでもジャーナリストか。

首相が約束を破ったのがこれほど明らかなのに、何も書かないのか。

産経だけではない。どの大新聞もテレビも同じだ。

小泉首相が2003年12月9日、明確に「武器弾薬の輸送はしない」といっておきながら、わずか四か月後には、自衛官自身が武装兵士を輸送していることを認めた。

何処のメディアも全然問題にしなかった。



小泉政権は、今度は、「この度、サマワの陸自を撤収するので、その分空自が米軍輸送機の肩代わりをすべく、頑張ります」と言っているのだ。

ジャーナリストなら、「そんな大事なことを国会で討論しないで勝手に決めるな。」と批判するべきだ。



有権者もいい加減気が付くべきだ。

イラク戦争は何の正当性もない。単なる人殺しだ。人殺しを支援することが正しいのか。

アメリカの人殺しを支援すれば、北朝鮮がノドンかテポドンを撃って攻撃してきた場合に、米国が日本を守ると本気で思っているのか?

イラク復興の為に、日本は50億ドルと他国と桁違いの拠出金を提供し、アメリカ人から「日本は世界のキャッシュ・ディスペンサーだ」とまで言われ、

そこまで侮辱されながら、アーミテージがやってきて、「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」と一喝したら震え上がって、自衛隊派遣を決めた。

そこまで譲歩したというのに、日本が国連安保理に加盟しようとしたら、アメリカは中国と結託してこれを邪魔したのである。



そして、アーミテージ前国務副長官の狡猾な一言を私は忘れない。彼は言った。
「日本への(第三国からの)攻撃は、米国本土への攻撃と同等とみなす」

よく読んでいただきたい。

北朝鮮のミサイルが日本に落ちたら、アメリカへの攻撃と見なす、といっているだけだ。

「日本を、他国の攻撃から守ってみせる」とは絶対に言わない。

ここに、アングロサクソンのずるさが端的に表れている。


◆小泉語録「コイズム」より。

ここに一冊の面白い本がある。コイズム

小泉純一郎氏が若者向けの雑誌に載せていた連載を本にまとめたものだ。



166ページ。集団的自衛権について、小泉純一郎氏はこう語っている。

「僕の考え方はどうかというと、憲法のどこを読んでも集団的自衛権が認められるとは思えない。憲法の拡大解釈は非常に危険だ、というのが基本的なスタンスだ」

さらにご丁寧にも、自衛隊の海外派遣に関しては、168ページ。
「僕は自衛隊のPKO派遣のときも反対した。国際協力をダメといっているわけではない。むしろ積極的に行うべきだと思うけど、現行の憲法では、自衛隊の海外派遣はどう考えても無理がある。」

お分かりの通り、小泉首相は、かつて、自分が反対していたことを、全て実行している。

人間の思想が変化してはいけないとは言わないが、学生ならまだしも、既に政治家になった人物の発言である。

これほど、見事180度言うことが変るのは、「思想が変化した」、というよりも、元々「思想が無い」証左である。

次の日曜日に千葉7区衆院補選がある。

千葉の有権者は、そういう人をまた、支持するのだろうか?

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1961年4月19日、エドウィン・O・ライシャワーハーバード大学教授、駐日大使として着任。

◆ライシャワー博士のような、本当に日本(人)を知る人がアメリカにいないのが悲劇なのだ。

故・エドウィン・O・ライシャワー、ハーバード大学教授は、専攻は日本史です。アメリカ有数の、というよりも、「世界的日本史学者」でした。

私はこの日記で過去数回、ライシャワー先生のことを書いています。

最初は教育に関しての稿でした。

ライシャワー先生は、晩年の名著、且つライフワークと言っても良いかと思いますが、ザ・ジャパニーズ―日本人という本の中で

「例えば「生」という字の発音は12種類あるが、そのいずれにするかを決定するのは、主として、文脈、前後関係から判断するしかない。このような、恐るべき表記法を持つ言語にもかかわらず、高い識字率(低い文盲率)を実現しているのは、日本人の教育に掛ける情熱の証しとして、賞賛されて良い」

と、書いてくださっています。

この、ザ・ジャパニーズ―日本人は日本古代史から現代史まで概説した上で、

アメリカの学者ではない一般人でもある程度教養がある人なら、「日本人とは何か?」を理解できるように書かれています。

「言語」という章があり、そこでは、上でごく一部を引用しましたが、その他に、日本語が世界の言語の中でもかなり孤立した位置にあり、日本人にとって英語を習得するのがどれほど大変なことか、

丁寧に説明してくださっています。

日本語訳を担当したのは「同時通訳の神様」と呼ばれ、ライシャワー駐日大使の通訳も務めた、「只管朗読」で有名な國弘正雄氏です。

ライシャワー博士が翻訳者として指名したそうです。

英語を勉強したい特に学生諸君には、是非原著、Japaneseを読んで頂きたい。

世界有数の教養人が書いた日本人論ですが、これほど読みやすい英語があるだろうか、と驚きます。



昔、ラジオの文化放送は夜、「百万人の英語」という英語講座を毎日放送していたのですが、水曜日は謂わば「原書講読」の日でした。

その講師が國弘先生で、教材がこの“The Japanese”、という時期がありました。

そして、何と毎回この「言語」の章から1パラグラフですが、ライシャワー教授(その頃はとっくに米国に帰り、ハーバードで教えておられました)が自著を朗読した録音が聴けたのです。

AMラジオだから音質は近年のデジタル音源とは比較にならないけれども、今から思うとなんとも贅沢な番組でした。


◆専門はものすごく難しいのです。

ライシャワー教授の父君は宣教師で、ライシャワー教授は日本生まれなのです。ごく幼い時期を日本で過ごしたことが、日本への親近感と日本史への興味につながったわけです。

ザ・ジャパニーズ―日本人は一般向けの本ですが、本来、ライシャワー教授は日本史の専門家です。

円仁(794-864)という平安時代の僧侶が、「最後の遣唐使」として838年から847年まで唐に滞在しました。

円仁はその間、中国のいろいろな場所を見て歩きました。その記録が、「入唐求法巡礼行記(にっとうぐほうじゅんらいぎょうき)」という、私など何度聞いたりみたりしてもタイトルさえ覚えられない史料です。

これをライシャワー教授はなんと英訳しています。日本人が読んでもさっぱり何が書いてあるか分からない資料を読んでいるのです。

日本史の専門家だから当たり前とはいえ、アメリカ人でこれほど日本に通暁した人は珍しい。

そういう方が駐日大使を務めて両国民の相互理解に貢献した功績は大変なものです。

本当は政治などに関わらず、ずっと研究を続けたかったでしょうに。


◆ところが、暴漢に刺された・・・。

駐日大使時代、1964年、ライシャワー大使が日本の精神障害の少年に太腿を刺される、という大事件が起きました。

ライシャワー博士は日本語ペラペラで、笑顔を絶やさない、紳士でした。それまでそんなアメリカ人、ましてや大使はいなかったので、ライシャワー博士は日本人からも慕われていました。

歴代、最も日本人に尊敬された駐日米国大使だと思います。

ですから、この事件のすぐ後から、大使が入院している病院やアメリカ大使館には、日本中から見舞いの手紙が殺到しました。

「どうか、このことで、日本人を誤解しないでください」という手紙が多かったそうです。

そのようなことを言われなくても、ライシャワー博士の日本への思いは変ることはなかったのですが、博士は「大変感激し」た、と、ずっと後ですが、NHKの特番で話していました。



ただ(これは司馬遼太郎氏がエッセイ集「風塵抄」で書いていますが)、ライシャワー大使はまもなくハワイのアメリカの病院に転院したのです。

それは日本人医師が嫌だったのではなく、ひとつには、輸血により、肝炎に感染してしまったこと。

もう一つは、当時の日本の病院があまりにも汚かったので、見舞いにくる米国側の要人たちが、「日本はアメリカ大使をこんな汚い病院に入院させたのか」と誤解するといけない

(するに決まっている)という配慮だったそうです。非常に細やかな配慮をなさるお人柄だったのです。


◆「ライシャワー博士の最終講義」

博士は1980年、ハーバード大学を退官するに当たって、特別最終講義を行いました。その様子はNHKが録画して日本でも放映されました。

講義には日本史専攻だけではなく、学内から学生、院生が殺到し、立錐の余地もないほどでした。

ライシャワー博士の講義は、日本人の特質を細かく説明し、日本人を理解するために必要な知識を学生に与えて下さいました。

今、ライシャワー博士のような碩学がアメリカにいないのが、米国政府の日本への無茶な要求の背景にあると思います。残念です。

博士は、1990年9月1日に他界されました。偉大な生涯でした。

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2006.04.19

「<金融相>「グレーゾーン金利」廃止方向で検討へ」←金利を下げたら借りる奴が余計に増えるのではないか。質屋を復活させよ。

◆記事:<与謝野金融担当相>「グレーゾーン金利」廃止方向で検討へ

与謝野馨金融・経済財政担当相は18日、閣議後の会見で、利息制限法の上限金利(年15~20%)と、出資法の上限金利(同29.2%)との間にある「グレーゾーン(灰色)金利」について、廃止する方向で検討に入る方針を明らかにした。

与謝野金融担当相は「最高裁が判例で一定の考え方を示した以上、行政府、立法府とも真剣に考える義務がある」と述べ、近く金融庁と法務省で法改正に向けた協議に入ると表明した。

今後は、一本化する上限金利の水準が議論の焦点になる(後略、続きはこちらからどうぞ)。


◆コメント:どうしてサラ金が存続するのか?借りる奴がいるからだ。

どうしても、この国は、政治家もマスコミも国民も一面的な思考に陥りがちである。

サラ金がこの世から無くならず、高い金利を維持しているのは、それでもカネを借りに来る奴がいるからである。
サラ金がカネを貸し、借りる奴がいる。これは、金銭消費貸借契約であり、契約締結時点で金額、金利、期間(返済期限)が決まっている。

本当は、期日が来ても借りたカネを返さない方が悪いのである。



もっとも、「闇金」というのはまた別で、これは借入人がカネを変えそうとしても受け取らず、利息を上乗せして無理矢理継続したり、借入人が返済しようとしたら、連絡が取れず、

ずっと後から「とっくに返済期限は切れてまっせ。延滞利息はらってもらいますよ」とやる。これは、貸す方も本当に悪人である。


◆金利を下げたら、また調子に乗って借りる奴が増えるのではないか?

上で考察したとおり、「サラ金による取り立て被害」という云い方はあまりにも一面的な物の見方である。

サラ金に言わせたら、期日になっても元本はおろか金利すら取れないのだから、自分たちこそ被害者だ、と言いたいのではないか。

そもそも、サラ金からカネを借りる奴はそのカネでパチンコや他のギャンブルにカネをつぎ込んで、負けがこんで、首が回らなくなったような、だらしのない奴が多い。

金融庁は、むしろ、業者に命令して金利を異常に引上げさせ、年100パーセントぐらいに設定したら、さすがに借りる人間は減るのではないか。


◆質屋を復活させてはどうだろうか?

昔から高利貸しというのは洋の東西を問わずいたわけで、それは「「ベニスの商人」を読めば明らかだが、

日本では現在の消費者金融が隆盛を誇る以前は「質屋」が庶民用金貸し業者だった。

周知の通り、質屋からカネを借りたければ「質草」と呼ばれる「担保」を持ち込み、それに応じて少しばかりのお金を調達したわけである。



担保と言っても勿論不動産ではなく、着物、指輪、宝石、時計(昔は「舶来品」の時計は高かったのだ)、書画骨董の類である。

期日に返せないときは、最初に差し入れた担保が没収されるが、それ以上カネを取り立てられる訳ではない。

質草を失うことは残念だったろうが、債務からは解放されるのだから、ある意味非常に健全である。



また、質草に入れるものがなくなれば、お金を借りられなくなるから、金の使い道もよく考えるだろう。

今は、オークションがあるから質屋など流行らない、という反論が出そうだから予めのべておくと、そもそもこのパソコンがあるから、簡単に街金からカネを借りたりできるのだ。

パソコンは中古の需要も旺盛だから、質草にはもってこいの品である。

金に困った奴はまずこれを質草に入れることになろう。

さらに、質屋から借金する時には、直接品物を質屋に持参し、その場でキャッシュを受け取ることが出来るから、オークションのような詐欺の心配もない。

やはり質屋だ。借金は無いに越したことはないが、質屋で借りられるぐらいが丁度いい金額なのだ。

やたらと質屋のメリットを強調したが、念のために書き添えると、私は質屋ではないし、親類縁者、友人知人に質屋がいるわけでもない。

質屋からも街金からもカネを借りたことは、無い。

以上。

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2006.04.18

「ベルリン・フィル、ヴァルトビューネ」(ピクニック・コンサート)」←音楽は、楽しい。

◆昨夜「ベルリン・フィル、ヴァルトビューネ」2005を教育テレビで放送していました。

昨日のうちに書くつもりだったのですが、興奮冷めやらず、書けませんでした。

昨日の夜NHK教育テレビ「芸術劇場」で「ベルリンフィル・ピクニック・コンサート」を放送していました。

ベルリン・フィルが毎年6月頃にベルリンの北西地区のシャルロッテンブルク(Charlottenburg)にある「ヴァルトビューネ(Waldbuehne)の野外音楽堂」で行うコンサートです。

野外なので、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートよりももっと気楽です。聴衆は何と2万人も来ます。

皆、芝に横になったり、サンドイッチをつまんだり、ビールを飲んだり、自由です。勿論服装もTシャツとか普段着です。線香花火で遊んでいる人までいます。

幼い子供を連れてきても構いません(普通のコンサートには連れてこないのが世界の常識です)。

そんな風に気楽に世界一のオーケストラの演奏を聴けるのです。羨ましいなあ。


◆「音楽って楽しいなあ」と素直に思えるのです。

私は残念ながら行ったことはありませんが、毎年NHKが放送するのを楽しみにしています。

というのは、ヴァルトビューネでは、聴衆がリラックスしているので、ベルリンフィルのメンバーも普段の演奏会よりはリラックスしているけど、絶対に手を抜いたりしません。

本当にいつも名演なのです。そして、聴衆はサンドイッチなど食べているけど、ちゃんと音楽の勘どころを押さえていて、名演奏の後には大変な歓声と拍手が湧きます。

やはり「西洋音楽の遺伝子」が身体に組み込まれているのでしょう。

聴衆も音楽家も指揮者も皆、笑顔です。こういう風景を見ていると、「ああ、音楽ってたのしいなあ」と思うのです。

世界中、このように音楽を聴いて、皆が楽しく平和に過ごせたらどんなに良いだろう・・。と考え、私は泣きそうになりました。


◆昨日は、フランスもの(フランスの作曲家の作品)が中心だったのです。

毎年、ロシアものとか、スペインとか、あるのですが、昨日はフランスものだったのです。

ラベック姉妹というフランス人の美人姉妹ピアニストがおりますが、この人達をゲストにプーランクという作曲家の「2台のピアノの為の協奏曲」と、

サンサーンスの「動物の謝肉祭」を演りましたが、ラベック姉妹は美人だから呼ばれたのではありません。ベルリンフィルはそういうことはしない。

上手くなければ絶対にベルリン・フィルのソリストには呼ばれないのです。実際に滅茶苦茶上手かったですね。ラベック姉妹。

それから、動物の謝肉祭の中にチェロ独奏曲の代名詞、「白鳥」があるのですが、これが美しかったですねえ・・・・。

実に夢のように美しい。やはりベルリンフィルってすごいです。

全員がソリストとして通用する音楽性と技術を持っている、ということです。


◆そして、「ボレロ」を演りました

今調べたのですが、私は過去において、随分何度も「ボレロ」のことを書いています。

「ボレロ」のトロンボーン 芸術の厳しさが最初で、ラベルの誕生日です。「ボレロ」って知っていますか?とか、今日は、「ボレロ」が初演された日。音楽あれこれ。とか。

何かしら、かこつけて、ボレロのことを書いていますね。何度聴いてもいいですね。きのうも名演だったなあ。



最初のフルートソロはエマニュエル・パユ、という2枚目フランス人奏者でした。

あの人は23歳でベルリンフィルの首席になったのです。

日本が大好き。日本食が世界で一番好きだそうです。私は見られなかったけれども、「徹子の部屋」に出たこともあるらしいですね。

彼のフルートを堪能したい方は、モーツァルトの協奏曲のCDあたりから聴くのがいいでしょう。



話を音楽に戻します。

ボレロの冒頭のフルートソロというのは、フルートにとっては一番低いオクターブを使い、最低音の「ド」の音が出てきます。パユは、このドを朗々と響かせていましたね。見事です。

そして、トロンボーン!

過去に何度も書いたのが、リンク先をご覧になると分かるけれど、ボレロのトロンボーンソロっていうのは本当に難しい。

曲が始まってから7分間ぐらい一度も音を出さないでいて、いきなり、「ソロで」「最高音域のBフラットから」吹き始める。

ちょっと間違えると一音上か下の音が出てしまうんです。そして、ソロの終わりは低音です。



昨日も上手かったねえ・・。惚れ惚れしてしまいました。

私はコンサートでも滅多なことでは「ブラボー!」と叫ぶことは殆どないのですが、昨日はテレビに向って「ブラボー」で、スタンディング・オベーションをしてしまいました。


◆序曲「ローマの謝肉祭」ベルリオーズ

話が前後しますが、ラベック姉妹などが出る前、ベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」という、有名な曲を演りました。独立した曲です(レスピーギの「ローマの松」じゃないですよ)。

「序曲」という言葉を音楽のタイトルに付けるとき、二つのケースがあります。一つ目は、「本当の序曲」つまり、歌劇の序曲の場合です。、「歌劇フィガロの結婚序曲」という具合。

この場合、「序曲」は後ろに来ます。

二つ目。歌劇があるわけじゃないけど、独立した序曲という形式がありまして、その代表格が、この、ベルリオーズの「序曲 ローマの謝肉祭」やベートーベンの「序曲 レオノーレ第3番」です。

そのときは、このように「序曲」を曲名の最初に付けるのが習慣となっています。



それはさておき、「序曲ローマの謝肉祭」は、序奏部では長いコールアングレ(イングリッシュ・ホルン)の牧歌的なソロがあります。

その後俄然、生命力のほとばしる、本当に、イタリアの燦々と輝く太陽を彷彿とさせるようなワクワクする音楽になります。リズムのキレの良さが肝心です。

中でも活躍するのが、タンバリンです。ベルリオーズは、タンバリンパートを二人の打楽器奏者で演奏する用に指示しています(楽譜上で)。

これを時々一人で演らせる指揮者がいますが、ダメ。

ローマの謝肉祭と云ったら、何が楽しみって、二人のタンバリンソリ(ソロを複数で弾くのをソリといいます)なんだから。カッコ良いんだ。これが。

曲の最後は金管を中心としたフォルティッシモのアッコード(和音)が華やかに空気を貫きます。

この最後の音を聴くと、これほど楽しい曲なのに、私はいつも泣けてしまうのです。

ああ、これが、オーケストラだ!これが金管だ!何たる、輝かしさ。何たる音楽の喜び!


◆「ヴァルトビューネ」のDVD楽しいですよ。小澤さんとか。

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートのみならず、このヴァルトビューネもDVDになっています。

小澤さんは、わたしの覚えているのは、1993年と2003年ですが、ヴァルトビューネ1993 ロシアン・ナイトが楽しいですよ。

「ロシアン・ナイト」というと、何だか怪しげですが、要するにチャイコフスキーの「くるみ割り人形」とかボロディンの「だったん人の踊り」(絶対、聞いたことあると思います。皆さん。)とか、「剣の舞」とか。

「剣の舞」なんてパーカッション(打楽器)とブラス(金管)がノリにノッて演奏してます。でも、そういうときでもいい加減な、乱暴な演奏にならないのがさすが天下のベルリンフィル。

Amazonで「ヴァルトビューネ」でDVDを検索してみると、他にも面白いのがあります。

あの3大テノールの一人、ドミンゴが指揮をした年があります。

今年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートを振った、マリス・ヤンソンス氏も実は数年前にヴァルトビューネを振っています。

クラシックは堅苦しいと言う方。こういうのを見て下さいな。

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2006.04.16

「<中教審方針>英語必修化に教師が尻込み 混乱や動揺も?」←文部科学省は何故これほど馬鹿なんだ?

◆記事:<中教審方針>英語必修化に教師が尻込み 混乱や動揺も?

中央教育審議会の外国語専門部会が先月「小学校高学年で英語を必修にする」との方針を示した。

アジア各国で必修化が相次ぐ中、英語コミュニケーション能力の育成が不可欠と判断したものだが、現場の教師は「発音に自信がない」と尻込みし、自治体教委は「親のプレッシャーが強まる」と不安を募らせる。

「学校英語教育の大きな転換」(文部科学省幹部)というが、混乱や動揺を引き起こしそうだ。

◆アレルギー

東京都内の“英語教育先進地”北区。04年度から区立小全38校の全員が、週1時間英語を学ぶ。

カードゲームやインタビューなど年間40時間。泣きどころは「先生たちに英語アレルギーがある」(区教委指導主事)ことだ。

「私は『さんきゅうべりまっち』の世界。こんな発音で教えちゃまずいわよね」。昨年度、総合学習で英語を教えた都内の区立小女性教諭(41)は、50代の同僚から不安を打ち明けられた。

小学教員免許の取得に英語は必要ない。女性教諭が学んだ英語は大学1年が最後。

「会話ゲームが中心で英語力は必要ない」と本人は総合学習を苦にしないが「プロ意識の高い先生ほど『発音が間違ってないか』という不安が相当ある」と同僚の気持ちを代弁する。

◆自治体側の懸念
文科省によると、全国に約2万3000校ある公立小学校のうち、昨年度93.6%が英語に取り組んだ。しかし、大半は特定の学年にほんの少し触れさせた程度だ。

北区と接する足立区で、英語に取り組んだ学校は昨年、区立小72校中49校(68.1%)にとどまった。

足立区教委は昨春、小学教員を集め、英語導入に向けた検討会を発足させた。

しかし、ある指導主事は「先生により力に差があるのも事実。『隣のクラス担任に比べ、わが子の担任は』と親のプレッシャーがのしかかるのでは」と懸念する。

◆教育産業は歓迎

英語必修化について、進学塾は私立中の受験に影響がないため事態を静観するが、英会話教室は熱い視線を送る。

最大手NOVA(大阪市中央区)は99年に小学生の教室を全国展開し、00年には外国人指導助手の派遣も始めた。広報担当者は「英語の必修化でマーケットは確実に広がる」と期待する。

民間調査機関によると語学スクールの市場規模は04年度約3600億円で、前年度より減ったが、幼児子供向けの英語スクールは、少子化にもかかわらず堅調だ。

04年度910億円で、初めて全体の4分の1を超えた。



◇英語必修化検討の背景

中教審が小学校の英語必修化を検討する背景には、英語への取り組みの質と量が学校や自治体間で異なる現実を是正しようという狙いもある。

小学校の英語への取り組みは、02年度導入の総合学習でなし崩し的に始まった。一方、学習指導要領に縛られない教育特区でバイリンガル養成を掲げる自治体も現れた。

実際、東京都内の北区と足立区の取り組みには差があり「英語の出来不出来が社会的格差につながりかねない」と懸念する親もいる。
必修化といっても、中教審は道徳のような扱いや総合学習での取り組みを想定し、教科として英語を教え、点数をつけることは当面、考えていない。

私立中学校も学習指導要領下で、入試に英語を課すことはできない。とはいえ、近年の英語教育熱が必修化で一段と熱を帯びるのは確実だ。(毎日新聞) - 4月15日12時4分更新


◆コメント:考え得るありとあらゆる馬鹿な「方針」を決める「文部科学省」という役所。

国家公務員第1種試験(昔は国家公務員上級試験といった)に合格した者を俗に「キャリア」、「キャリア組」と呼ぶ。

同じ国家公務員でも2種や3種とは「格」「身分」が違い、出世の速さもまるで違う。というか、別の体系なのだ。

役所の中ではキャリアはあたかも人種が違うかのごとく振る舞い、彼ら自身、とくに財務省キャリアは自分のことを「この世で最も優れた人間」と思っている。



しかし、「偽メール事件」で天下に馬鹿さ加減を晒した永田元議員がその「大蔵キャリア」だったのだから、なかなか笑わせてくれる。

あそこまでのバカは珍しいのだろうが(そう願いたい)、あの程度の若造が他にも多少はいると推測せざるを得ず、「キャリアが優秀だ」という認識が幻想なのは明らかである。



それでも、国家公務員第1種試験で最も成績が良かったのが財務省に行くのであり、最も成績が悪い者が文部省(今の文部科学省)に配属となることは昔から有名である。

その所為かどうか知らないが、文部科学省は凡そ考え得る、ありとあらゆる「愚策」を実行する。

近年では「ゆとり教育」を導入し、土曜日を休みにして、「総合学習」という要するに「自習時間」と大差ない時間を週に2時間も3時間も導入したがために、算数、国語の授業時間を減らした。

その結果、加速度的に子供がバカになってしまい、あわてて「見直し」たのが、「愚策」の典型である。


◆国語が出来ないのに、英語どころじゃない。

公立小学校における教育水準がここ20年ぐらいの間に低下してしまったのは、近くの小学校で授業の様子を見れば明らかである。

とりわけ、国語は全ての学問の基礎であるのに、そのレベルの低さは目を覆いたくなるぐらいの有様だ。

小学校高学年の作文がかつての1年生か2年生のレベルだし、そもそも教科書を音読させてもまともに読めない者が異常に多い。

それは、「なんだこれは!」と叫びたくなるような、悪夢のような、しかし、現実なのである。


◆「言葉」は「こと(事)」の「は(端)」なのだ。

「言葉」という単語の語源は「事の端」だという説がある。

この場合、「事」とは「知識」を意味している。「事」を表現するから、「事の端」即ち「言葉」である。



当然のことながら、人間は知っていることしか話すことが出来ない。知識が無くては話すことがない。

国語力が低下するのと知識が低下するのは悪い相乗効果である。

国語力がないから、知識を吸収出来ない。知識が増えないから、話すこと、書くことがいつまで経っても幼稚なのである。

「事」を持たない子供に、他の国の「言葉」を教えても意味がない。



外国語の勉強を始めるに当たっては、まず、「母国語たる日本語の語学力が相当程度確立していること」と、日本語で話すことができる「知識をもっていること」が前提となる。


◆語学教師は専門職だ。

日本人が日本人に英語を教える場合、或いは英語に限らず外国人がその母国語を日本人に教える場合必要なことは何か。

いずれの場合も、まず教師本人が、語彙、文法、語法、発音の知識を伴う、外国語の高度な運用能力(読み、書き、話し、聴く)を備えていなければならないのは言うまでもないが、

その他にそれを人に「教えるための技術」の習得が要求される。

日本人が英語を学ぶときに陥りやすい間違い、欠陥に通暁し、それらを矯正する方法、という類の知識を持ち、手段を習得することは、それ自体「専門技術」である。



今の案は無茶である。現場の教師が自信が無いといっているそうだが、当たり前である。これまで英語を教えたことがない、つまり自分も英語が出来ない教師に英語を教えろ、と云っているのだ。



それは、例えば、貴方が全くピアノを弾けないのに、他人にピアノを教えろ、と云われているのと同じ事である。

ヤマハピアノ教室で「バイエル」を習って、翌日に自分が昨日習ったことを人に教える、という事態を想像してみると良い。これで自分を「ピアノ教師だ」と称するのは詐欺に近い。

文部科学省の計画はそういうことを平気でやろうとしているのだ。

また、現場の教師が「発音」を不安に思うのは正しい。「発音」は語学の一要素であって、全てではないが、日本では非常に軽視されがちである。

ネイティブと全く同じになる必要は無いが、発音をおろそかにしてはいけない。
外国に住むと分かる。発音が下手だとバカにされやすい。これはこれで先方の勘違いなのだが、「知能が低い」と思う奴らさえいるのだ。



いずれにせよ、「語学学習の初歩段階において『発音』は二の次で良い、」というのは、完全な誤りだ。

最初に「他の言語は日本語とは全く異なる音声体系を有している」ということを認識させないから、日本人の英語(発音)はカタカナ英語(発音)になるのだ。


◆今、英語の達人と云われている人達は、皆中学で習い始めたのだ。

高度な語学力を必要とする専門職の一つが通訳者であることは周知のとおりだ。

日本語で、同時通訳の神様と云われる、國弘正雄、村松増美、小松達也、鳥飼久美子と云った人々(いずれも、もう、現場の第一線ではないが)は、小学校から英語を習っていない。

今のような語学用の電子機器やPCなどが無いころに、中学から英語を習い始めて、それでも外国人が驚くほどの英語力を習得した。

更に遡れば、はじめから英語で(しかも、ネイティブが驚嘆するほど格調の高い文体で)「Bushido(武士道)」を書いた、新渡戸稲造も、英語で詩を書いた夏目漱石も、小学校(現在の学制に当てはめた場合)から英語を習い始めたのではない。


◆本人がやる気にならなければ、早くから学校で教えても絶対に上達しない。

語学は、学校の授業で習えば話せるようになるものではない。

本人がやる気になり、自宅で繰り返し音読し、英文を書き、あるいは独力で英語の本を読んでやろうという意気込みがなければ、絶対に上達しない。

そもそも、役所の覚悟が中途半端だ。記事の終わり近く。

必修化といっても、中教審は道徳のような扱いや総合学習での取り組みを想定し、教科として英語を教え、点数をつけることは当面、考えていない。

そんな生半可なことなら、止めるが良い。

現在の公立小学校では、私たちの頃よりも遙かに覚えることが少ないのに、それすらこなせていないのである。

新しい言葉など、教えることも出来なければ、必要もない。それどころではない。文部科学省は、まず国語力の低下に危機感を抱くべきである。

喜んでいるのは「NOVA」だけじゃないか。

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2006.04.15

「東大の講義をビデオポッドキャスト」小柴先生の講義に感銘を受けました

◆記事:「東大の講義をビデオポッドキャスト」

東京大学は4月12日から、講義のビデオポッドキャストを始めた。ノーベル物理学賞を受賞した小柴特別栄誉教授などの講義映像を、Webサイトから無料でダウンロードできる。

講義情報のネット公開プロジェクトの一環で、大学の講義や公開講座の映像を配信する。

第1弾として、小柴栄誉教授や小宮山宏学長など4人が「物質の科学」をテーマに1、2年生向けに講義した映像の冒頭20分を配信した(ITmediaニュース) - 4月13日11時24分更新


◆コメント:有難い世の中である。

私は、毎日朝から晩まで様々な情報を収集することを仕事にしている。

中心となるのは政治経済の分野で、だからこのような日記・ブログを書く気になったわけである(余談だが、4月15日で、エンピツに登録してから4年になる)。

それでも、色々な情報源を見ている間に、仕事には無関係だが非常に面白そうな記事を見かけることが毎日必ずある。

今日(4月14日)も、偶然、上に掲げた記事を見つけたが、仕事中にpod castingを訊くヒマは無いし、そもそも会社のパソコンにはiTunesなどインストールしていないので、物理的にも不可能である。



で、帰宅後聞いてみた。

東大のポッドキャスティングだけのことはあって、題名が

「学術俯瞰(ふかん)第一回:小柴昌俊『宇宙と素粒子-物質はどのように作られたのか』」

と重々しい。

ところが、小柴先生のお話は驚くほどやさしく、丁寧なものだった。感激してしまった。

そこで、講義の冒頭をほんの一部だが、文字におこしてみたので、お読みいただきたい。
皆さんこんばんは。

今日、私がこのシリーズの最初に喋ってくれ、と云われたのは、「物質はどのようにして生まれてきたか」と言うことなんですが、実はね。これは、大変に難しい問題なんですよ。

あのね。あなた方はそう思わんかも知れないけどね。立派な学者っていうのはね、「沢山のことを知っている人」じゃないの。

「知らないことがこんなに沢山あるぞ」と言うことを痛感しているのが、立派な学者なんですよ。

そういう意味でね。私の今日の話の中でね。「こういうことも分かってないんだぞ、ああいうこともわかってないんだぞ」ということが沢山出てくるのを、あなた方は知ることになると思う。

それともう一つ。

今日の講義は文化系の人も聞いているということをさきほど知らされたんだけど、私の講義には数式は一切使わない。だから虚心坦懐に聴いてください。



まず最初に物質はどのようにして作られたのかという大問題なんですけどね。これはね。皆さんも知っているように、どの宗教でも「宇宙の始め」というおとぎ話が出てきます。

ですから、今から百年以上前の人達に、「この世の中はどうやって始まったんだ?」って訊いたら、必ず「神様」を持ち出してきたはずです。

で、神様を持ち出してきて説明するってのは、一番“easygoing”なの。ってのは、神様ってのは何でも出来ることになってますからね。

それでね。神様を持ち出さないで理解しようとし始めたのが、あなたがたも、もう知っていると思うけど、「ルネッサンス」という動きですよね。



じゃあ、今、振り返ってみて、「物質はどういう風に出来たのか?」と言う問題を考えた人が、もう何年も前からいます。

今から半世紀以上前に、ロシア生まれの物理学者で、ジョージ・ガモフという人がいました。

或いは皆さんの中で、「不思議の国のトムキンス」という本を読んだことがある人がいるかも知れないけど、それを書いた人です。

このガモフって人がね。「宇宙の一番最初はどうなっていただろうか」ということを頭の中で考えました。で、どういう結論に達したかって云うと、

我々の宇宙の一番最初は、うんとエネルギー、つまり温度が高くて、密度がとても高い「中性子」という粒子の塊だったのだ、と、そういう風に「仮定」したんですね。

科学ってのは、大体、最初ゼロから全部説明するなんてことは無いわけね?

必ず、こういう「仮定」から出発して「じゃ、こういうことが説明できるか?」という論法になるわけです。


◆感想:冒頭を聴いただけで感銘を受けた。

この後、合計20分間の放送なので講義の一部しか聞けないのだけれども、私は、いやしくもノーベル物理学賞受賞者である小柴先生の講義を自宅で、無料で聞かせていただけることを忝なく思った。

お話の内容も興味深いが、小柴先生のお人柄に惹かれる。



世の中には大したことがないのに偉そうな顔をする学者もいる。

「自分は頭が良いから、頭の悪いお前らに教えてやるのだ」、という雰囲気をぷんぷんと臭わせるような話し方をする学者もいる。

反対に、「それでも学者か?」とこちらが問い質したくなるぐらい、大衆に迎合的で、テレビに出演しては小遣い稼ぎばかりしている者もいる。



小柴先生は、そのどれにも当てはまらない。「権威」を笠に着るというところが皆無である。

そもそも、小柴先生ぐらいの大先生にもなると、素人にも(文系の学生にも聞いているし、恐らくポッドキャスティングを通じて一般人が聴くこともしっておられただろう)分かるようにかみ砕いた話をする、などということは、面倒がったり、「自分のような『偉い』学者の仕事ではない」と公言する人すらいる。

ところが小柴先生は、可能な限り易しくかみくだいて、ゆっくりと話しておられるが、講義の中に、今なお「サイエンスへの情熱」を感じて、私は胸が熱くなった。

それは、ご自身の「サイエンスへの情熱」もさることながら、「若い人たちにサイエンスに興味を抱いて欲しい」という情熱、が伝わるからである。


◆「何が分からないのか、を自覚しているのが偉い学者だ」という一言。

私が文字に起こした「講義録」(?)の冒頭をもう一度お読みいただきたい。

あのね。あなた方はそう思わんかも知れないけどね。立派な学者っていうのはね、「沢山のことを知っている人」じゃないの。「知らないことがこんなに沢山あるぞ」と言うことを痛感しているのが、立派な学者なんですよ。

私は、この言葉を伺って、深く得心がいった。

生意気盛りの学生は「当たり前だ」で終わらせるだろうが、そうではない。

この言葉に小柴先生の小柴先生たる所以(ゆえん)があるのだと思う(「だと思う」という書き方をしたのは、私は直接先生に接したことがないからである)。

私は四十年以上生きてきたが、これほど謙虚な言葉を率直に口にする学者を知らない。



先ほど書いたばかりだが、学者のみならず、世の中の「賢い人々」の中には、「自分はこれも知っている、あれも知っている。こういう難しい理論も理解出来る。お前ら分からないだろう?」という態度を露骨にする者が大勢いる。

それどころか、自分が知らないことを「知らない」と言えず、分からないことを「分からない」と認めたがらない人も大変多い。

こういう人達とは対照的に、ノーベル物理学賞受賞者の小柴先生は、「自分、又は今の科学では分からないことがまだまだ、沢山ある」と自覚しているのが立派な学者だ、と仰る。

賢明なる読者諸氏にはお分かりだと思うが、念のために僭越ながら補足させていただくと、小柴先生が自らを「立派な学者」だと公言しているのではない。

小柴先生は学者の「あるべき姿勢」を示し、ご自分もそう自戒して勉強してきた、と仰りたいのである。


◆カスタマーレビューでは誰もそのことに触れていない。

何事にも人それぞれ、異なった感想を持つのが当たり前だが、ちょっとがっかりした。

iTunesでカスタマーレビューを読むと、小柴先生がこれほどかみ砕いて話してくださるのを聴いて感激した、尻切れトンボで(何せ20分だから)がっかりした、何だか良く分からない、難しすぎ、など様々だが、

要するに、講義の本来のテーマ、「物質がどのように作られたか」というテーマにのみ囚われているのである。

それはそれで当然かもしれないが、私が強調した冒頭の一言の重みに触れている者がいないのは残念ですな。



やはり若い人には分からないのだろうね。

いろいろ経験し、色々な人間を世の中で見たことがないと、今、小柴先生の講義(それがほんの一部でも)を聴ける自分の幸運や、小柴先生のような人物が滅多にいるものではない、ということは分からない。

ある程度はやむを得ない。しかし、「何だか良く分からない、難しすぎ」とわざわざ書き込む馬鹿にはあきれる。


◆すぐ諦めるな。

ここ数年、企業の現場でも、新人の「忍耐力のなさ」が話題になることが多い。

困難な仕事に遭遇すると、すぐ嫌になり放り出す。

ちょっと叱ると、男の子が泣く(会社でですよ?)。泣くだけならまだしも、一回叱ったら辞めてしまったというのもいる。



勿論、そうではない人の方が多いのだろうが、この「何だか良く分からない」奴はどうせ一度しか聴いていないのだろう。分かろうと努力する習慣が身に付いていないのだ。

そもそも大学の講義は一度しか聴けないものだ(自分で録音しない限り)。それをポッドキャスティングでは何百回でも聴けるのである。それを利用しようとしない。

また、講義とは学者が一生をかけて勉強したことの一部分を説明しているのだ。

ましてや小柴名誉教授はノーベル物理学賞受賞者であり、いくら易しく説明してくださると云っても、次元が違う。

ちょっと聴いただけで、理解出来るだろうと考える方が僭越である。


◆文句を付けることばかり考えていては、ダメだ。

ネット上に見られる、本の感想や、今回の講義の感想を読んでも分かるのだが、世の中、あら探しにばかり夢中になり、「そこから何かを得よう」という気持ちが弱い人が多い。

今回のポッドキャスティングに関して云えば、講義が尻切れトンボだろうが、何かを得られたはずで、それを自覚しようとしないから文句ばかりになる。

本も同様である。一冊丸ごと全面的に大賛成、とか面白くて読み出したら止まらない、などという本は滅多にないのだ。それでも「何か」は得られる。

得られるかどうかは、読み手の姿勢によるのだ。



私は、小柴先生の

「立派な学者っていうのはね、『沢山のことを知っている人』じゃないの。『知らないことがこんなに沢山あるぞ』と言うことを痛感しているのが、立派な学者なんですよ。」

この言葉を伺っただけで、講義(の一部)を聴いた甲斐があったと思っている。

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2006.04.14

「NHK職員、カラ出張」←職員の不祥事はNHKに対する受信料不払いを正当化しない。

◆記事:NHK 職員がカラ出張 1762万円着服、懲戒免職に

NHKは11日、報道局スポーツ報道センターの大下哲史チーフプロデューサー=CP=(43)が、01年1月から今年4月までの約5年間に計242回のカラ出張申請を行い、

旅費や日当1762万円を着服していたと発表した。同日付で大下CPを懲戒免職処分にするとともに、警視庁に被害届けを出すことを検討している。

NHKは一連の不祥事や受信料不払い急増を機に改革に取り組んできたが、そのさなかに続けられていた不正だけに、視聴者の反発を呼びそうだ。

NHKによると、大下CPは00年6月から札幌放送局でスポーツ中継業務を担当、昨年6月に現在のスポーツ報道センターに異動となり、主にサッカーの試合中継を担当していた。

カラ出張旅費を申請する際、いったん航空券を購入して領収書を入手し、その後、転売するなどしていたという。今月初旬、東京から福岡、大分を経て東京に戻る日帰り出張の旅費申請。

不審に思った上司に追及され、カラ出張を認めたという。着服した金は服飾費や飲食費にあてていたが、全額弁済している。

また、NHKは理事2人と大下CPの当時と現在の上司計12人を出勤停止や減給などの処分にした。

NHKの橋本元一会長は同日、「視聴者の皆様の信頼を取り戻すため、全力で改革に取り組んでいる矢先に、信頼を再び損なう行為が明らかになったことは痛恨の極みで、心からおわび申し上げます」

などとするコメントを出した。(毎日新聞) - 4月12日9時41分更新


◆記事2:受信料不払いの罰則化容認 民放連会長、NHK改革で

日本民間放送連盟の広瀬道貞会長(テレビ朝日会長)は12日、共同通信の取材に対し、NHK受信料の支払い義務化を容認する姿勢を示し、「不払い者への罰則導入もやむを得ない」との考えを表明した。

広瀬会長は、NHKの受信料不払いが全世帯の約3割に達し、支払っている視聴者の間に不公平感が広がっていると指摘。

支払いを義務化して罰則を導入する場合には、NHKのチャンネル数を削減して受信料を引き下げるなど「全員が公平感を持って払う仕組みを作ることが重要」と述べた。

NHKの経営体制については「NHKの経営委員会には常勤の経営委員を置き、国会や政府に責任を持たせる必要がある」と語った。(共同通信) - 4月12日18時14分更新


◆コメント1:「またこれで、NHK受信料を払わない理由が出来た」とほくそ笑んでいる人がいるのでしょうね。

同じことを何度も書くのは疲れるものである。

昨年、NHK職員が放火犯だったことが発覚した時に、私は「<NHK記者逮捕>視聴者の不信感に再び火」←受信料不払いの理由にはなりませんよ。という記事を書いた。その時と全く論理は同じなのでご参照いただきたいのだが、それだけでは手抜きなので、もう一度書く。

「NHK受信料の支払は法律上の義務ではない」

「経営体質が納得出来ない」

「職員が不祥事を起こす」

ことは、いずれもNHK受信料不払いの理由にはならない。


◆コメント2:NHKはインフラ(社会資本)なのですよ。

NHKはインフラ(インフラストラクチャー。社会資本。道路・港湾・鉄道・通信・電力・水道など)である。民放も放送はできるが、全国津々浦々まで電波を届けることができるのはNHKだけだ。

緊急時に一斉に全国民に連絡するシステムを確保するためには、NHKが絶対に必要である。



昨日書いたばかりだが、郵政民営化と同様である。

日本の放送局が全て民放になったら、人口数百人の離島まで電波を届かせるために、施設を作る、などという不採算なことは絶対にしないだろう。

だから、受信料で運営するしかないのだ。

「受信料の支払は法律上の義務でないから支払わなくても良い」という人は、単なるケチで、払わなくても罰則が無いから払わないだけではないか。

ところで、受信料を支払わない貴方。NHKを絶対に見ないのですか?

トリノオリンピックで2月23日(現地時間)荒川静香選手が金メダルを獲得したとき、最高視聴率は31.8パーセントを記録した。

受信料を払っていない人、まさか、見たんじゃないでしょうね?

見て払わない人は、何故、自分が払わなくても見られたのか、考えただろうか?

何故かと云えば、視聴者の7割に相当する人々が真面目に払っているからである。


◆コメント3:インフラ(社会資本)なのだから、国民が平等に負担するのは当然である。

前段落で、受信料を払わない人はまさか、NHKをみていないでしょうね?と書いたが、実はそれは関係ないのだ。

「自分は車を運転しないから、高速道路建設に使われる分、税金を安くしてくれ」、という人はいないだろう。

「自分には子供がいないから、学校建設に使う分だけ税金を安くしてくれ」という人はいないだろう。

「自分は健康だから、保険料を下げてくれ」という人はいないだろう。

NHKとて同様である。税金じゃないから、罰則がないだけだ。


◆コメント4:「経営体質が不満」という方。具体的に指摘してください。

「NHKの経営体質が気に入らないから受信料を払わない」という人もおられる。

「経営体質」ねえ・・・。

そういう方々に伺ってみたいのだが、NHKがどういう経営体質ならば、払うのか?

A4のレポート用紙一枚に、要点をまとめて提出できますか?

経営体質と言ったって、色々な要素がある。

経理、資金運用の現状と計画、設備投資計画など(要するに財務ですね、)、人事(人事評価システム、給与体系など)、新技術開発の現状と計画、番組編成、番組内容、等々。

放送業界に関しては全くの素人の私でも、すぐにこれぐらいの項目を思いつく。

「NHKの経営体質が気にくわない」という方は、当然、これらを把握しておられる訳ですよね(知らないのに、気にくわないもへったくれもないはずだ)?

仮に、NHKの経営体質をよく研究し、知っていたとしても、人それぞれ思想が違うのだから、視聴者全員が納得する「経営体制」を構築することなど、出来るわけがない。

即ち、「経営体質が気に入らない」ことはいずれにせよ、受信料不払いの正当化事由には成り得ない。


◆コメント5:NHKにも国家権力は介入するだろうが、民放はもっと制約がある。核燃料再処理の例。

記事2を読んで下さい。民放連の会長まで、受信料不払いに対する罰則もやむを得ない、と言っている。

民放だけでは出来ないことをNHKがやっていることを理解しているからだ。

例えば、以前、テレビ朝日「報道ステーション」が、核燃料リサイクルの問題点を特集で取り上げようとした。

核燃料再処理、核燃料リサイクル、プルサーマル等という言葉を聞いたことがあるでしょう?

ところが「リサイクルだからいいことじゃないか」という単純な話ではないのである。

それに関しては、私も素人だが、以前「再処理政策継続の中間報告 15日に地元に伝達 」 再処理工場は原発より、危険なのですという記事でまとめたので、ご覧頂きたい。

さて、その危険性についてテレ朝が取り上げようとしたら、番組のスポンサーである有名電気関連企業から、猛烈なクレームが来た。

この会社は家電を作っているから誰でも知っているが、核燃料リサイクルの設備も手がけており、実現すれば大儲けなのだ。

だから、核燃料の再処理の問題点を国民に知らせるな、とテレビ局に詰め寄ったわけである。

何度も書くが、民放にとって「スポンサーは神様」であるから、逆らえない。特集はボツになった。

この話は某現職若手衆議院議員がメールマガジンに書いていたのだが、暫く経ってから彼のサイトを見たら、通常、メルマガのバックナンバーは全て載っているのに、この件について書いた稿は削除されていた。

(わかりますね?政党も大企業からの多額の献金で支えられているのです。)

勿論、NHKにも圧力はあるだろうが、民間企業をスポンサーとする民放よりは自由度が高い。


◆コメント6:個人の不祥事は、彼(又は彼女)が属する法人に対する債務を免除しない。

「こんな不祥事ばかり起こす会社にカネなど払えるか!」という人もおられよう。

しかし、NHKとの受信契約の相手方は、あくまでも法人たるNHKであり、不祥事を起こした職員ではない。

従って、個々の職員が不祥事を起こしたからと云って、NHKに対する債務が消滅するという論理は成り立たない。

それは、「<NHK記者逮捕>視聴者の不信感に再び火」←受信料不払いの理由にはなりませんよ。で例を挙げたが、もう一度書いておく。

「NHK職員が放火犯であったから(繰り返すがまだ無罪だが)、受信料の支払いをしなくても良い」という論理は、

「或る企業に属する人間が犯罪を犯したら、その会社から、財・サービスを購入しても、それに相当する対価の支払い債務は消滅する」という論理である。

すると、次のような主張をしても構わない、という結果になる。実際に存在する企業名を使わせていただいたが、あくまで仮定上の話である。

架空の名称を使うよりも、現存する固有名詞を用いた方が、分かりやすいからである。例えば、


  • 日産自動車の職員が通勤途中に痴漢行為をはたらいたら、日産自動車からクルマを購入して、まだ、ローンを支払っている最中の人間は、ローン残高の支払い義務が消滅する。

  • NTTの職員が女性のスカートの中を盗撮したら、電話料金は払わなくて良い。

  • 東京ガスの社員がひき逃げをしたら、ガスはタダで使いたい放題。
  • ソニーや富士通やNECや、IBMの職員が万引きをしたら、パソコン店から、それらの会社のパソコンを勝手に持ち出し、料金は一切支払わなくても構わない。

  • 石油元売り各社の社員が、酔っぱらって他人に怪我をさせたら、その会社のガソリンスタンドで、いくらガソリンを入れても、ガソリンは無料だ。



このように考えると、「NHK職員、カラ出張」→「受信料不払い」が全然正当な理由にならないことがお分かりになるのでは無かろうか。

今日は、NHKのエラい人が国会に参考人招致されて、散々虐められたようだが、これは日本独特の習慣だ。

不祥事を起こしたのは大人だ。横領がれっきとした犯罪であることを知った上で横領したのだから、本人が悪いのである。

NHKが悪いとすれば、経理上の監査が甘かったということであるが、それは二次的な責任である。

或る個人が犯罪行為に及んだとき、その責任は行為者本人に帰するのであり、彼の職場の責任ではない。NHKの上司が謝る必要は無いのだ。

それとも、日本の会社(NHKは株式会社ではないが、似たようなものだ)は、大学を出た新入社員に「犯罪を犯してはいけません」と、教え諭さなければいけないのだろうか?

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2006.04.13

「時間外窓口サービス廃止へ 郵政公社、3600局で」←私は、昨年6月4日、「郵政民営化に必然性が認められない」と書きました。

◆記事:時間外窓口サービス廃止へ 郵政公社、3600局で

日本郵政公社は12日、郵便物の集配拠点となっている全国約4700の郵便局の再編に関連し今年9月以降、約3600局で順次、郵便物の引き受けなどの時間外窓口サービスを廃止する方向で検討を始めた。

将来的には現金自動預払機(ATM)の取扱時間も短縮する意向だ。

2007年10月の郵政民営化を控え人員配置を効率化、コストを削減するのが狙い。

公社は何らかの代替措置で利用者へのサービス低下を防ぐとしているが、過疎地などでどこまで現状のサービスを維持できるのか不透明で、自民党や地元から反発が出そうだ。(共同通信) - 4月12日9時50分更新


◆コメント:郵政民営化選挙で小泉を圧勝させ、今更、「反発」しても遅い。

「だから、いわんこっちゃない」と云う言葉を、したり顔で問題が起きた後から書くのは狡い。

しかし、私は昨年、民営化には反対だという私見を、小泉内閣の郵政民営化プランには、緊急性、必然性が認められない。と題して書いたので、云わせて貰う。

「だから、いわんこっちゃない」

尤も、正確に書くならば、私は「時間外サービスの廃止」については触れていない。だが、そういう細かい各論が問題なのではない。

そもそも、私が昨年書いた文章の内容には何の独創性も、ひらめきもない。常識で考えればわかる、余りにも当たり前のことだったのだ。

つまり、「民営化される」ということは、「郵便局が商売人になる」ことなのだから、必然的に、採算が取れないサービスや営業拠点は廃止される。

民間企業になる以上、収益の極大化が目標となる。そのためにはコストを可能な限り切りつめるのは、当然なのだ。


◆「甘受すべき不利益」

共同通信の記事の最後に、

「過疎地などでどこまで現状のサービスを維持できるのか不透明で、自民党や地元から反発が出そうだ。」

と書いてあるが、それは理屈に合わない。



「郵政民営化選挙」で、自民党を圧勝させたのは、自民党に投票した有権者だ。

自民党は、選挙前や選挙期間中、民営化しても過疎地の人々が不便にならないようにする、といっていたが。

少し考えれば、そんな言葉は選挙用であることは見え透いていたし、政治家は平気で約束を破ることは、経験則から明らかだ。

郵便局を民営化したら、不採算店が切り捨てられるのは、自明の理だった。


◆結論:

この記事の内容に限って云えば、「時間外窓口サービス廃止」によって受けるであろう不便さは、有権者の選択の結果である(死票も非常に多かったが)。

不便になっても仕方がない。

こう言うのを「当然甘受すべき不利益」(本当はいやだが、我慢しなければならないこと)というのだ。

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2006.04.12

<横田めぐみさん>夫は韓国人拉致被害者 政府が正式発表←それだけ発表しても仕方ないだろう。

◆記事1:<横田めぐみさん>夫は韓国人拉致被害者 政府が正式発表

政府は11日午後、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの娘キム・ヘギョンさん(18)と韓国人拉致被害者の金英男(キムヨンナム)氏(44)について

「血縁関係が存在する可能性が高い」とのDNA鑑定結果を正式に発表した。これにより金氏がヘギョンさんの父親と科学的に立証され、北朝鮮が日本と韓国から拉致した被害者を結婚させていたことが裏付けられた。

安倍晋三官房長官は同日の記者会見で「(めぐみさんの夫は)金英男氏でほぼ間違いないだろう」と結論づけた。

政府は11日、めぐみさんの両親・横田滋さん、早紀江さん夫妻と金氏の家族に鑑定結果を報告。

韓国政府には外務省の佐々江賢一郎アジア大洋州局長から来日中の千英宇(チョンヨンウ)朝鮮半島平和交渉本部長に電話で連絡し、拉致問題解決へ向けた協力を要請した。

北朝鮮に対しては佐々江局長が来日中の金桂冠(キムゲグァン)外務次官に鑑定結果を直接伝え、拉致問題の真相究明や生存者の帰国など誠意ある対応を要求。金次官は「本国に持ち帰る」と答えた。

金氏は78年8月、高校生のときに韓国南部の全羅北道・群山市内の海水浴場で失そうした。

外務省によると、DNA鑑定は金氏ら韓国人拉致被害者5人の家族から血液や毛根などの提供を受け、ヘギョンさんの血液と照合した。

金氏については母と姉の血液などを使い、ヘギョンさんと血縁関係にある可能性が神奈川歯科大の鑑定で99.5%、大阪医大で97.5%との結果が出た。(毎日新聞) - 4月12日0時12分更新


◆コメント:ダラダラやってるんじゃないよ。早くしろよ。

横田めぐみさんは、1964年10月5日生まれで、1977年11月15日、北朝鮮に拉致された。

彼女が北朝鮮に誘拐されたことは、1988年に、元北朝鮮の工作員だった安明進氏が出版した北朝鮮拉致工作員という本ではっきり書かれている。

誘拐されてから約30年。北朝鮮に誘拐されたことがはっきりしてから18年も経つ。



その間、日本政府は見て見ぬふりをしていたと言って良い。小泉首相は北朝鮮に2回訪問して、5人の拉致被害者とその家族を日本に連れてきたが、あれだけで充分と考える日本人がいるだろうか?

ところが小泉首相は、、まるで関心が無い。

私は、昨年8月に衆議院が解散され、9月に選挙が行われたときに、小泉純一郎内閣総理大臣が、「今回の選挙は郵政民営化の是非だけが問われる選挙です」と繰り返すのをみて、

この人の頭の中はどうなっているのだろうか?と考えた。



日本国に北朝鮮の拉致工作員が密入国したと言う段階で、それは日本の主権を侵害している。

ましてや、日本国民がその不法入国者により北朝鮮に連れて行かれ、今この瞬間も彼の地で生きていることがはっきりしているのに、それは、放っておいて、郵便局の方が大事なことなのだ、と小泉は考えた訳である。

そんな、馬鹿な話が有っていいものか。

日本政府は、横田めぐみさんのご両親が、失礼ながらご高齢であるのを見て、亡くなるのを待っているのではないか、と思われる。そういわれても仕方がない。

小泉首相は先日、荒川静香選手とオペラを見て、次の週末には有名人を集めて「桜を見る会」を開くそうだ。

遊んでばかりいないで、娘が誘拐されてからの横田夫妻の29年間を想像していただきたいものだ。


◆今日の発表にも、苛々する。

横田めぐみさんの夫が拉致された韓国人だった。分かった。それはいい。だが、どうやって早く横田めぐみさんを助けるんだ?

私だって、出来ることなら、北朝鮮などひねりつぶしてやりたい。

しかし、仮に(憲法で禁じられているからあくまでも仮定上の話だ)日本が北朝鮮に武力を行使したら、「人質」に取られている横田めぐみさんや他の拉致被害者が殺されることは、ほぼ間違いない。

それだけは何としても避けなければならない。



私は、以前、この日記で、北朝鮮にラジオを大量に密輸して、北朝鮮国民に、この世には、指導者を批判されても殺されない自由が認められる世界があること、食い物がふんだんにある国が存在することを知らしめ、

憤慨させて、彼ら自身が蜂起することにより、北朝鮮を内部崩壊させることは出来ないだろうか。と書いたことがある

実際にそれを試みたドイツ人医師を中心としたNGOがあるのだ。

その時は、残念ながら上手く行かなかったが、一昨日同じような試みが以前から行われつつあることを知った。

日本の新聞はろくに報じない。

情報源は韓国三大紙のひとつ、朝鮮日報日本語版のサイトだ。

◆記事2:日本の市民団体、自由北朝鮮放送を支援

日本の市民団体「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)」が、韓国で脱北者が運営するインターネット・ラジオ放送の自由北朝鮮放送(www.freenk.net)を支援する。

救う会側は9日、放送を支援するための日本委員会を今月12日発足し、同会の西岡力副会長が委員長に就任すると明らかにした。

「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の横田滋代表も顧問として参加する。日本支援委員会は、拉致被害者救出活動の一環として、募金活動を展開する予定だ。

 自由北朝鮮放送は昨年12月、北朝鮮全域を対象に短波放送をはじめており、北朝鮮当局の妨害電波の送出にもかかわらず、米国の市民団体の支援を受け、別の周波数に変えながら放送を続けている。

(朝鮮日報 2006/04/08 08:36)

私の検索の仕方が悪いのかも知れないが、日本のメディアでこれを報じたのは産経新聞だけだった。

「自由」の存在を知らしめることは効果的だ。

最も強力に洗脳されているはずの拉致工作員だった安明進氏ですら、訓練の最終過程で、北朝鮮の中に造られた、工作員に韓国で怪しまれずに行動することを覚えさせる為の、

ソウルそのものと云って良いほどの「模擬都市」(があるのだそうだ)で過ごすうちに、「何だ。こっちの方が(北より)余程楽しいじゃねえか?」と思い始め、遂に、亡命を決意したのである。



少し話が、逸れる。

韓国人というと目の敵にする若者が多いが、安易な一般化は止めるべきだ。

勿論、朝鮮日報が日本批判の記事を書くこともあるが、客観的な文章を書こうとする論説委員が三大紙には確かにいる。

同じ朝鮮日報の4月3日の社説は、【社説】嘘つき政治家が追放される日本、権勢振るう韓国とのタイトルで、直接的な表現ではないが、「日本を見習え」と言う論旨を展開している。


◆何処の国でも話の分かるインテリがいるのだ。

昨年、中国の反日デモが起きたときに、欧米の新聞が日本を擁護する社説を随分何度も載せた。それらを、ヘタクソだが、私は翻訳し、日記に載せた。

中国の「選択的記憶」ワシントン・ポスト社説Times(英国)社説「中国政府は、これ以上日本に何を求めるのか」「(中国の)平和的な発展」だって?(ワシントンポスト社説)「日本は謝罪した(Financial Times社説)」「今度は、中国が謝罪する番だ」(ウォールストリートジャーナル 4月25日付 社説などである。

本稿の本題から外れてしまったけれども、要するにいずこの国でも大衆は感情で行動するが、合理的にものを考える人々がいる。それは、韓国も同じだ、と述べたかったのです。

以上。

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2006.04.11

「小沢代表、首相の靖国参拝を批判…A級戦犯合祀に問題←合祀されているか否かは関係ない。

◆記事1:小沢代表、首相の靖国参拝を批判…A級戦犯合祀に問題

民主党の小沢代表は9日のNHKの報道番組で、小泉首相の靖国神社参拝問題について「小泉氏の(参拝で)は駄目だ」と批判した。

その理由として、「俗にA級戦犯と言われる人たちは戦争で死んだわけではない。日本の国民に対し戦争を指導した大きな責任があり、

本来靖国神社に祭られるべきではない」とA級戦犯の合祀(ごうし)に問題があることを挙げ、「戦争で亡くなった人たちの御霊(みたま)を守る本来の靖国神社の姿にかえり、

天皇も首相もちゃんと参拝すればいい」と述べた。

来年の参院選に関しては、「参院選で与党側の議席の過半数割れを何としても実現する。そうすれば、与党は片側(だけの過半数)になる。

『ポスト小泉』がだれでも大して変わらない。我々がしっかりすれば、国民は支持してくれる」と語った。 (読売新聞) - 4月10日11時5分更新


◆記事2:A級戦犯合祀に介入できず=靖国参拝批判に反論-小泉首相

小泉純一郎首相は10日昼、小沢一郎民主党代表が首相の靖国神社参拝を批判したことについて「中国がいけないと言うからいけないのか、戦没者に哀悼の念を表するのがいけないのか、よく分かりませんね」と反論した。

また、小沢氏がA級戦犯合祀(ごうし)を改めるべきだと主張したことに関しても「政府が言うべきことではない」と指摘した。

首相官邸で記者団の質問に答えた。 (時事通信) - 4月10日15時0分更新


◆コメント:内閣総理大臣は在任中、24時間、365日国家機関である。

内閣総理大臣は行政府の長であるから、国家機関である。私人として参拝したというが、内閣総理大臣の地位に有る限り、1日24時間、1年365日公的な機関です。だからこそ、常に護衛が付き、食事に行くときや、観劇に出向くときにも公用車の使用が許されているのです。
私人として参拝するなら、自分で首相官邸から、誰も護衛を伴わず、徒歩なり、自転車なり、タクシーを拾うなりするべきです。

小泉首相がそのような形で靖国神社に参拝した、という話は見たことも聴いたこともありません。



靖国神社に小泉純一郎内閣総理大臣は参拝するべきではない、という意見を表明すると、総理本人も世論もムキになって「中国や韓国のいいなりになるのかっ!」と激昂しますが、

どうして、それ以前に、政教分離を定めた日本国憲法第20条第3項を思い出さないのでしょう?

日本国憲法第20条【 信教の自由、国の宗教活動の禁止 】

第一項 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

第二項 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

第三項 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

多分、小泉首相という人は、憲法を隅から隅まで読んだことがないのでしょうね。

内閣は行政府で、その長が内閣総理大臣ですが、

日本国憲法 第六十七条 第一項 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。

のです。さらに、
第九十八条 第一項 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

と定められています。さらに、
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

のです。ところで、或る行為が憲法に違反しているかどうかは、誰が判断するのでしょう?

第八十一条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

最終的に憲法適合性を判断するのは最高裁ですが、通常の学説は「現行憲法では,裁判所が一切の法律・命令・規則又は処分の実質的な憲法適合性の審査権をもつことを認めた〔憲81〕。

すべての裁判所がこの権限をもつが,最高裁判所は終審裁判所としてこの権限をもっているので,憲法の具体的意味は,終局的に最高裁判所によって確定されることになる。」と解釈しています。

下級審(地裁、高裁)も違憲・合憲の判断を下す権限を与えられているのです。



記憶に新しいところでは、昨年9月30日、大阪高裁はH17. 9.30 大阪高等裁判所 平成16年(ネ)第1888号 損害賠償請求控訴事件で、「よって,被控訴人小泉が被控訴人国の内閣総理大臣として敢行した本件各参拝は,政教分離原則に違反し,明確に違憲である。」との判断を下しています。

このとき、この部分は判決主文ではなくて、「傍論」に相当する部分だから、無視せよという意見がありました。

しかしながら、我が国の裁判制度には憲法裁判所は存在せず、違憲訴訟というのは単独で起こすことが出来ない。このため付随的違憲審査制を採用しています。

これに関しては、私が、2005年10月9日の日記で説明しているので、読んで下さい。


◆司法権の独立

三権分立は市民国家の常識です。初めにこの思想を「法の精神」という本で書いたモンテスキューは1755年没。250年前です。我が国の憲法にも、

日本国憲法第76条第3項「すべて裁判官は,その良心に従ひ独立してその職権を行ひ,この憲法及び法律にのみ拘束される」

と明記してあるのです。

しかし、小泉首相というのは、そんなことも分からず、10月25日に、小泉首相の公式参拝、憲法違反でないという「閣議決定」を行っています。

今日も、記者に「介入できない」と云っていますね。

司法の判断を無視して良いということですね?独裁制国家ですか?ここは?

問題外。司法が「違憲だ」と判断した行政府の長の行為を、行政府自身が「合憲だ」といってしまっては、日本は「三権分立」の意味も分からないアホだ、ということになります。


◆結論

戦犯が合祀されているか否かにかかわらず、また近隣諸国が何と言っているかが問題なのではないのです。

我が国の法規と、首相の参拝の実態を考え、「内閣総理大臣の公式参拝は違憲だ」、と司法が判断したのですから、内閣総理大臣は公式参拝を行ってはいけないのです。

おしまい。

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2006.04.10

「日本の中学生が1、2位 仏、バイオリンコンクール」←誰も知らないだろうから、取り上げる。

◆記事1:日本の中学生が1、2位 仏、バイオリンコンクール

【パリ7日共同】フランス北部ブーローニュシュルメールで開かれた若手バイオリニストの登竜門、「メニューイン国際コンクール」のジュニア部門(16歳未満)で6日、宮城県多賀城市の中学1年、郷古廉君(12)が優勝、東京都世田谷区の中学2年、三浦文彰君(13)が2位になった。

郷古君は仙台育英学園秀光中等教育学校1年。5歳の時からバイオリンを始め、2004年には全日本学生音楽コンクールの小学生の部で優勝した経験がある。

今回のコンクールではショーソンの「詩曲」など3曲を演奏した。

三浦君は東京学芸大付属世田谷中2年。コンクールではバッハのバイオリン協奏曲2番などを演奏した。(共同通信) - 4月7日21時40分更新


◆記事2:メニューイン国際バイオリン・コン:ジュニア部門 日本人が1、2位独占

日本の音楽関係者に7日、入った連絡によると、フランスのブーローニュ・シュール・メールで6日まで開かれていた第11回ユーディ・メニューイン青少年国際バイオリン・コンクールのジュニア部門(15歳以下)で

日本の郷古廉(ごうこすなお)君(12)=仙台育英学園秀光中1年=が1位、三浦文彰君(13)東京学芸大付属世田谷中2年=が2位に入った。

同コンクールは若い演奏家の世界的な登竜門の一つで、これまでジュニア部門では神尾真由子さんが優勝している。

郷古君は一昨年の第58回全日本学生音楽コンクール小学校の部全国1位、三浦君は同東京大会2位。

郷古君は音色への感性、ボーイング(弓づかい)の良さなど豊かな才能で小学生のころから大きな注目を集めていた。【梅津時比古】(毎日新聞 2006年4月8日 東京朝刊)


◆コメント:この手のニュースは、全く無視されるが、大変な重みを持っているのだ。

クラシックを題材にしたマンガがよく売れているらしいが、私は、あの表紙を見ただけで、「作者がクラシックを好きで描いているのではない」ことが良く分かる。

細かく指摘することも出来るが余りにも大人げないから、止めておく。

あのマンガの読者は、クラシックの曲の名前をちょこっと知っていると、何となくカッコいい、というので読んでいるのかと思ったら(それでも不愉快だが)、

Amazonのカスタマーレビューで、「クラシックを題材としてこれほど笑えるマンガは無い」というコメントを読み、一挙に血圧が上がった。

ちゃらちゃら、笑っていられる世界ではないのだ。


◆私が、専門家でもないのに、書く理由。

「本当の」音楽の世界は生やさしいものではない。ということを私はこれまでも何度も書いてきた。

玄人が読んだら「知ったかぶりしやがって」と思うだろうし、素人は「きどりやがって」と思うだろう。それも承知している。



だが、プロは上手くて当たり前で、お客様である素人に向って「自分たちがやっていることはこんなに大変なのですよ」というようなことを云わないし、また、云うべきではない。

だからと云って誰も何も云わなければ、素人はこの想像を絶する厳しい世界を知らずに、「いいとこの坊ちゃん、お嬢ちゃんが苦労もせずに、世間も知らずに気取った音楽を弾いている」と考えるだろう。

私にはそれが、我慢できない。

だから、何と言われようが、知ったかぶりと云われようが、書く。

「音楽は崇高な芸術である。本当の音楽家になるために要求される訓練の厳しさは、絶対に一般人の想像の及ぶところではない」


◆弦楽器は日本人に向いている。

オーケストラの楽器の中では、弦楽器、木管楽器が日本人に合うようだ。

金管楽器は狩猟民族の楽器である。狩りの信号として使われたわけである。日本人は今ひとつである。



世界で活躍している一流の弦楽器奏者はユダヤ人とアジア人である。何故かは分からない。

白人でも純粋のアングロサクソンとか、ドイツ人の源流・アーリア民族はヘタクソである。

私はロンドン駐在中、頻繁にコンサートで欧米の一流オーケストラを聴いた。ベルリンフィルもウィーンフィルも、何度も聞いた。

しかし、こと、弦楽器に関しては、サイトウ・キネン・オーケストラが一番優秀だったと、断言できる。

会場に来ていた英国人が「信じられない」と驚嘆していたのを思い出す。


◆郷古廉君、三浦文彰君、おめでとう。

私は、今回入賞した二人の演奏を聴いたことがないので評価は出来ない。はっきり云って、この年齢では、これからどれぐらい伸びるか、何とも言えぬ。

日本の弦楽器、ことにバイオリンのレベルは非常に高く、単に「上手い」という子なら、私たち素人が聴いたら天才としかいいようがない才能がゴロゴロいる。

ショーソンのポエム(詩曲)やバッハのコンチェルトなどは、完全にプロのリサイタルやコンサートで弾かれる「芸術」作品であるが、将来プロになるつもりなら小学生で弾けて当たり前なのである。



「メニューイン」とはバイオリニストの名前である。既に故人だが、自分自身大変な名人だった。

名人でも、後進の育成に全く興味を示さない人が多いが、メニューインは、若い才能の発掘に極めて熱心だった。東洋人

の感性が好きだったようだが、下手な奴を上手いということは絶対になかった。



現在の審査員は、世界各国の専門家から構成されている。

はっきり云うと、白人は東洋人に西洋音楽の優れた才能があることなど、出来ることなら認めたくないのである。

今回のコンクールで日本人が1位と2位を取ったということは、どうにもこうにも文句の付けようがない、彼らを差し置いて、彼らよりも下手な西洋人を優勝させるわけにはいかなかった、ということだ。

下手な奴を優勝させたら、そのコンクールは権威を失うからである。

このように考えてみると、日本の二人の少年が成し遂げた偉業は、正確に、そしてもっと大々的に報道されるべきだ。

但し、テレビ局がよくやる愚行だが、この子たちを「スター」又は「芸能人」のように扱ってはならぬ。

彼らの「修行」は始まったばかりなのである。

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2006.04.09

「医師不足で産婦人科が休診中、名護に防衛医官を派遣へ」1名では無理だ。

◆記事:医師不足で産婦人科が休診中、名護に防衛医官を派遣へ

政府は8日、産婦人科医がいないため2005年4月から休診している沖縄県名護市の県立北部病院産婦人科に防衛医官1人を派遣することを決めた。

同市の要請を受けたもので、防衛医科大学校の教官を中心に人選し、4月中の派遣を目指す。

米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題で、国と名護市が基本合意に達したことを受け、移設への地元住民の理解を得る助けとしたい考えだ。

沖縄本島の名護市から北の6市町村には、産婦人科は北部病院と名護市内の2診療所しかない。

帝王切開や異常出産などに対応できる救急施設は北部病院だけだ。しかし、同病院で辞職などが続き、産婦人科医がいなくなってからは、救急患者は車で30分以上離れた県立中部病院などに搬送されている。

こうしたケースは昨年4月から今年2月末までに79件あったが、搬送時間がかかるため、病院到着前に救急車内で出産した例もあった。

沖縄県は全国の大学などに産婦人科医の派遣を求めていたが、応じる医師がいなかった。このため、名護市の島袋吉和市長が3月6日に額賀防衛長官と会談し、防衛医官の派遣を要請していた。

派遣される防衛医官は自衛隊員であるため、那覇市の自衛隊那覇病院所属とし、勤務先を北部病院とすることで調整している。

ただ、今回は1人しか派遣できないことから、交代勤務の医師が3~4人必要となる、救急対応が可能な24時間診療は難しく、時間を限った診療となる見通しだ。(読売新聞) - 4月9日11時58分更新


◆コメント:大病院ではないか。

この記事の書き方はあまり上手くない。

「沖縄の在日米軍再編問題」と「沖縄県立北部病院に産婦人科医が一人もいないこと」とは別個の問題なのに、一つの記事で2つの問題に触れるから、因果関係が有るかのごとき錯覚に陥る。

因みに、沖縄における在日米軍再編問題とは、普天間基地を名護市のキャンプ・シュワブという既に米軍が訓練場(っての?)が有る場所に移すことで揉めている、という話である。

日本政府と沖縄県知事は合意したが、名護市長はあくまで反対を表明している。



◆国内の医師不足をよそにイラクに医官を派遣している国。

ところで、名護市の位置はここであり、病院周辺付近の地図がこれである。


さらに、沖縄県立北部病院のサイトを少し眺めれば分かるとおり、327床、診療科目も各科にわたる大病院である。

産婦人科医不足は噂に聞くが、特にこの病院が取り上げられたことには何か特別な理由があるのか?

たまたま米軍再編で名護市が話題に上がっているから、この病院のことを取り上げたのか?

どうせ取り上げるなら、全国的・普遍的な診療科目偏在に関しても書かないと、素人には、問題の核心(個別の問題なのか、一般的な問題なのか)が分からない。



ただ、本件に関して言えることは、政府は防衛医官一名の派遣を決めたと云うが、沖縄県立北部病院のサイト外来診療表を見れば、素人ですら産婦人科だけ一名というのは無茶であることが分かる。

そもそも、規模の大小にかかわらず、産婦人科医が一人というのは(他科も同様だろうがここでは省く)無理だ。

日本政府は、多分、沖縄県立北部病院に(仮に)4名の産婦人科の防衛医官を派遣したら、医師不足に悩む全国の病院から、同様の要請が殺到することを警戒しているのであろう。



しかし、防衛医官といえば、イラクには陸・海・空それぞれの自衛官が多数派遣されており、当然その中には医官が何名も含まれている(産婦人科医がいるのか否かは分からぬ)。

サマワの陸自の医官は、現地医療を助けているようで、その行為自体は良いことだ(しかし、私は「政策としての」イラクへの自衛隊派遣にはいまだに反対だ)が、

自国の沖縄県で産婦人科医がいない地域に、たった一名の防衛医官を派遣し、方や、それよりも多くの防衛医官を外国に派遣するのは、診療科目が違うとか何とか以前に、優先順位を間違えていると云わざるを得ない。

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2006.04.08

「大統領の許可で機密漏えい イラク情報、米紙記者に」「小沢代表」

◆記事:大統領の許可で機密漏えい イラク情報、米紙記者に (共同通信) - 4月7日9時41分更新

【ワシントン6日共同】米中央情報局(CIA)工作員名漏えい事件で起訴され公判中の前副大統領首席補佐官、ルイス・リビー被告が、ブッシュ大統領の許可を得て、

イラクに関する機密情報を米紙記者に漏えいしたと供述していることが6日、公判に提出された検察側資料で分かった。

イラク機密情報の漏えいで、大統領本人が許可したとの供述が表面化したのは初めて。

ホワイトハウスを舞台にした不祥事への大統領の直接関与疑惑が浮上したことで、野党民主党は責任追及を開始。

今後、大統領が公判に証人出廷を求められる前代未聞の事態も予想され、低支持率にあえぐ政権への信頼がさらに失墜する事態になった。

ただ、米メディアによると、大統領は機密情報を開示する権限を持っているため、法的責任を問われることはないとみられる。


◆コメント:ブッシュ窮地。「純一郎」など構っていられぬ。

記事は、「米中央情報局(CIA)工作員名漏えい疑惑」に関わる話である。



イラク戦争を始める時に、ブッシュはイラクが大量破壊兵器を保有している確たる証拠を持っていなかったことがばれて窮地に追い込まれた。

これを部下の所為にしようとしたのである。

アメリカの駐在ガボン大使、ウィリアム氏はもともと、イラク戦争を始めようとするブッシュ大統領に批判的だった。

しかし、ウィリアム氏はイラク戦争前に、CIAの依頼により、ニジェールを訪れた。

ウィリアム氏は調査を行った結果、ブッシュ政権が主張する「イラクがニジェールからウラン購入を試みたとの情報が疑わしい」と報告した。

ブッシュは気にくわない。何とか大量破壊兵器情報をでっち上げようとしているのに、部下であるウィリアム氏が自分の思惑と正反対の報告を提出したからである。

そこで、(政治家というのはどこの国でも汚い・・)ブッシュはウィリアム氏への「報復」として、彼の妻がCIA工作員であることを、マスコミにリークしたのである。

何故「報復」になるのか、というと、情報工作員の氏名は国家機密である。他国に駐在している工作員(スパイ)がスパイだと知れたら、生命の危険があるのだ。



実際にリークしたのは、副大統領首席補佐官のリビー氏と、カール・ローブ大統領上級顧問の二人で、要するにブッシュの側近。

いくら高官とはいえ、国家機密を漏洩することは重大な犯罪なので、リビー副大統領首席補佐官は取り調べを受けている。

その過程で、リビー氏は、イラクに関するこの他の機密情報をも、マスコミにリークしていたことを認めているが、それは自分の裁量だけではなく、大統領本人の承認を得ていた、と昨日証言したのだ。


◆コメント:大統領自ら「大量破壊兵器情報でっちあげ」を指示していた、ということだ。

つまり、大統領自らが国家機密をマスコミに故意にリークすることを許可したのである。

それによって、米国の世論をイラクに敵対的な方向に誘導し、イラク戦争の正当性(何度も書いたとおり、大量破壊兵器があろうがなかろうが、イラク戦争は違法なのだが)を強調しようとしていたのである。

イラク戦争での米国兵士の死者数は2003年3月20日(日本時間)の開戦時から2300人を超えた。

負傷者は公式発表では1万7千人台だが、実際には、それよりも遙かに多いと云われている。

ブッシュの支持率は下がる一方。


◆コメント:市民討論会で「これほど恥ずべき、恐ろしい指導者はいない」と面と向って罵倒されたそうです。

ブッシュはテロ対策と称して、何でもやる。市民の電話は令状無しに盗聴されている。

ノースカロライナ州の大学における、市民との対話集会(?)で、一般人がキレた。

◆記事:米大統領、盗聴謝罪せず 聴衆から厳しい批判

【ワシントン6日共同】ブッシュ米大統領は6日、ノースカロライナ州シャーロットの大学で「テロとの戦い」に関して演説。

テロ対策の一環として行っている令状なしの国内盗聴に対して聴衆から厳しい批判を浴びたが、「謝罪するつもりはない」と突っぱねた。

大統領がこの種の演説を行う時は、支持者が会場を埋めるケースが多いが、この日は聴衆の1人が

「あなたは自由の尊さを語る一方で、私の電話を盗聴している。これほど恥ずべき、恐ろしい指導者はいない」と批判する異例の展開になった。

大統領は「私はあなたのお気に入りではないらしい」と会場の笑いを誘ってから、米国が中枢同時テロのような大規模テロに再び襲われるのを防ぐために必要なことは何でもやると強調。

「謝罪するかって? 答えはもちろんノーだ」と、盗聴を正当化した。(共同通信) - 4月7日11時1分更新

ここまで罵倒された米国大統領は見たことがない。

云うまでもなく、ブッシュ個人について云えば、大統領に3選はないのだから、どうでも良いようなものだが、ブッシュ政権の失策は共和党の不支持につながる。

共和党に致命的ダメージを与えた大統領として歴史に名を残したくない。だから、ふて腐れる訳にはいかないのだ。自業自得とはこのことだ。


◆コメント:日本の民主党代表が小沢になったこと。

日本の政局に付いてもひとこと。前原のガキが降板しただけでも、民主党には良いことだ。



小沢が代表になっても自民党は「余裕」のフリをしているが、そんなはずはない。

第一に、小沢は、小泉より、頭がよい。

第二に、小沢は、小泉より、遙かに汚い手を使うことが出来る(天下一品である)。

第三に、小沢は、小泉はが目の敵にしている、旧田中派の筆頭である。違う政党とはいえ、平然としていられるわけがない。

小泉が田中を憎むのは、小泉の師である故・福田赳夫がかつて総裁の座を巡って、田中角栄本人及び田中の援護を受けた大平正芳に負けるという屈辱を味わったからである。

異常なまでの執念深さだ。

小泉が「自民党をぶっ壊す」といったのは、「田中派をぶっ壊す」ということだったのである。

繰り返すが、小沢一郎は、田中角栄の愛弟子である。

小泉は、仇敵が目の前に現れて、何かの拍子に激昂する場面があるだろう。小沢はそこを利用して、致命的失言を小泉から引き出そうとするだろう。



小泉は、ブッシュにはもはや構って貰えず、この世で最も憎い田中派が野党党首になった。

議論になったら小泉は絶対に小沢には勝てないから、党首討論が見物(みもの)である。

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2006.04.07

「株価、2000年7月11日以来の高値」債券価格急落しているから危ないですよ。

◆記事:東証大引け・急反発しTOPIXは14年ぶり高値、優良株が上昇

6日の東京株式市場で日経平均株価は急反発し、高値引け。終値は前日比245円35銭(1.42%)高の1万7489円33銭で3営業日ぶりに年初来高値を更新し、2000年7月11日以来の高値水準となった。

好調な企業業績やファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の改善を背景に、国内外の機関投資家や個人が幅広い銘柄に買いを入れた。

東証株価指数(TOPIX)も上昇し、2000年2月7日に付けたIT(情報技術)バブル時の高値を上回り、1991年11月15日以来、14年5カ月ぶりの高値水準となった。


◆コメント:長期金利、見てますね?

私は、株にも債券にも投資していないけれど、だからこそ書けるのです。

株でも債券でも為替でもコモディティでも、投資なり投機している人が相場について語ると、「ポジション・トーク」になります。ポジションとは「持ち高」のこと。売り持ちか、或いは買い持ちか。

市場参加者が市場に関して語ると、自分に都合の良い相場予想を、半ば無意識的に述べることになってしまうのです。これはどうしようもない。とにかく客観性に欠けるのです。



金利といってもいろいろあるが、ややこしくなるから一つだけ。現物債(日本国政府が発行している債券、国債です)10年物の金利を見てみます。

日経のサイトの中のこのページに「長期国債利回り」という箇所がある。1.870% で終わっています。前日終値比+0.035%。

大したこと無いと思うかも知れませんが、金利の世界で一日に35ベーシスポイント上昇というのは、「急騰」といっていい。最近、毎日上がっています。

ということは、債券価格は下がる一方な訳です(債券は価格が上がれば金利は下がる。下がれば逆になる。それはちょっと長くなるから、興味のある人は調べて下さい。

株をやるような人は当然知っていなければなりません。直接関係なくても、です)。


◆銀行は国債を保有している、債券価格が下がると含み損が膨らむ。

株式市場では、今日などは値上りした銘柄が圧倒的に多いけど、影響力の強いのは銀行株です。みずほFGがついに100万円台に戻ってきた。

今日の証券会社のコメントを幾つかしらべました。まだまだ上がると言っている人が多い。

皆が上がると云っているときは危ないですね。近々暴落しますよ。きっと。



銀行は国債を大量に保有しておりますが、金利が上がるということは、債券価格は下がり続ける。

銀行が保有している債券の含み損はどんどん膨らんでいることでしょう。

どうするか?

こういうときは、含み損がいくら以上になったら、或いは、なりそうだったら、損切りしなければならないというルールがあるのです。各社ごとに。

銀行だけではない。生保も証券会社も、皆、そういうルールを定めて、じーっと監視しています。監視する部署を「ミドルオフィス」といいます。

勿論、含み損(益)をリアルタイムで把握するシステムを各社構築している。

それをしていなければ、金融庁検査で「リスク管理体制不備」という指摘をされてしまいます。

損切り限度を超えたら、大量の債券が売られます。

すると金利が高騰します。



今、日本の株を買っているのは金額ベースなら外人のほうが多い。今日のNIKKEI NETにこういう記事がある。

◆外国人の株買越額、7カ月ぶり高水準

財務省が6日発表した3月26日から4月1日までの対内・対外証券投資(指定報告機関ベース)によると、外国人投資家の日本株買越額は6710億円となり、昨年9月4―10日以来、約7カ月ぶりの高水準となった。

株価上昇期待から、資金が株式市場に向かったとみられる。中長期債券や短期証券では売却が上回り、対内証券投資は191億円の売り越し(資本の流出)となった。

先日、日銀が量的緩和策を解除した話を書きましたが、市場参加者は今度は「いつゼロ金利政策が解除されるか」という点に注目している。

外人は特に気にしている。

銀行が国債を損切りで売ったために長期金利が高騰することと、日銀の政策とは直接関係ないのです。

ところが、マーケットというのは、そういう「論理」で動いているのではない。「論理」で相場が予想できるなら、誰でも100%の確率で儲かるはずです。

現実には、決してそうはならない。

いずれにせよ、銀行が損切り売りをしなければならないと言うことは、銀行の収益を悪化させる。→銀行株が売られる。大変ですよ。

先ほど書いたとおり、銀行だけではないが、ずっと低迷していた銀行株が上昇していることが東証株価を牽引しているという面は確かにあります。

銀行株が売られ出したら、ここ一ヶ月で1兆円ぐらい日本株を買っている外人投資家が売り始めます。

日経平均株価は暴落するでしょうね。早めに利食った方がいいです。深追いしてろくなことはないです。


◆一応書いておこう(責任はご自分で、ということ)。

相場は自己責任でやってください。この文章は何らかの行動を喚起するものではなく、私個人の感想を綴ったものに過ぎません。

読者の株式投資(投機)損益に筆者は責任を負いません。

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2006.04.06

「日航機の“開扉”着陸、車輪格納庫内ピストン損傷で」 これは最早、業務停止命令だな。

◆記事1:日航機の“開扉”着陸、車輪格納庫内ピストン損傷で

大阪・伊丹空港で2日午後、日本航空のMD―90型機が、車輪の格納庫の扉が閉じないまま着陸したトラブルで、同社は5日、同機の格納庫内部のピストンが金属疲労のため壊れていたことを明らかにした。

この結果、油圧用のオイルが漏れて圧力が下がり、扉が閉まらなくなったとみられる。

同社はこれまでに、メーカーからの指示で、保有する同型機16機のうち10機のピストンを改修しているが、今回トラブルを起こした機体は未改修だった。

同社では、6月までに保有全機の改修を終えたいとしている。(読売新聞) - 4月5日22時37分更新


◆記事2:機長遅刻で日航欠航 事故の渋滞間に合わず

日本航空は4日、機長が遅刻したため、午前8時神戸発鹿児島行きと折り返しの計2便が欠航したと発表した。

機長は午前7時までに神戸空港に到着しなければならなかったが、大阪府箕面市の社宅からタクシーで同空港に向かう途中、阪神高速道路で交通事故による渋滞に巻き込まれ、約1時間半遅刻した。

同便に乗る予定だった乗客約70人は全日空機で鹿児島に向かった。

日航によると、主要空港は非常時に代わって乗務する機長がいるが、神戸空港は配置していなかった。

日航は「ご迷惑をお掛けして申し訳ない」としている。(共同通信) - 4月4日11時20分更新


◆記事3:整備ミスで日航、国に再発防止策提出…担当常務は降格

日本航空によるMD―87型機の整備ミス問題で、同社は5日、社内調査結果と再発防止策を国土交通省に提出した。

日航はこの問題に絡み、整備本部長の遠藤寿一常務を、取締役に降格させる人事を発表した。

社内調査によると、問題が発覚した先月20日夜、担当整備士が羽田空港から北海道・新千歳空港に向かい、主脚部品に亀裂があるかどうかの点検を行ったが、

この際、羽田空港の配送担当者7人が点検に必要な薬剤を送り忘れた。しかし、担当整備士はこの薬剤を使わないまま異常なしと判断し、点検を終えた。

この理由として、同社は、担当整備士が

<1>薬剤を使わなくても、別の試験で亀裂を発見できると思いこんだ

<2>薬剤を改めて取り寄せると時間がかかり、翌日以降の運航に影響を与えると考えた

――などとした。



この日、西松遥・次期社長が会見し、「安全最優先の意識を改めて現場にも徹底させ、緊急点検時の器材発送の手順や役割分担を明確にするなどして再発防止に努めたい」などと述べた。

(読売新聞) - 4月5日20時39分更新


◆解説1:日航の運航トラブル

日本航空では、管制官の離陸許可を受けずに旅客機が滑走を始めたり、客室乗務員が緊急脱出装置をセットし忘れるなどの運航トラブルが相次ぎ2005年3月、国土交通相から事業改善命令を受けた。

その後もタイヤ脱落や部品取り違えなど安全にかかわるミスが後を絶たず、乗客のJAL離れが進んだ。

日航ジャンボ機墜落事故からちょうど20年目の同年8月12日には、福岡空港離陸直後のDC10のエンジントラブルで部品が市内に落下。火を吹く映像が放映されると一段と客足が遠のき、経営にも深刻な影響を与えている。

運航トラブルによって、05年度は国際線と国内線を合わせ300億円の収入減になると日航は予想している。


◆解説2:日航の内紛

日本航空グループの役員4人が2月10日、新町敏行(しんまち・としゆき)社長ら経営トップ3人の退陣を迫り、表面化。同調する管理職の署名は300人を超えた。

新町社長は副社長と専務の退任には同意したが、自身は続投に強い意欲を見せ抵抗、4人と協議を続けていた。

個人大株主の糸山英太郎(いとやま・えいたろう)元衆院議員も4役員とは別に、社長退陣を要求していた。


◆コメント:飛行機の整備不良は乗客の生命に直結するのに、業務停止命令を出さないとは国交省はどういう了見だ?

日本航空だけではないのだが、昨年から異常なほど航空機の運航トラブルが続いている。

それも、エンジンから火を噴いたとか、着陸後点検したら、重要な部品が脱落していた(飛行中に剥がれて、落ちていた)という重大な整備不良なので、私は途中まで取り上げたけれども、その後、郵政民営化→衆議院選挙で暫く、手が回らなかった。



だが、今年になってからも、上に載せたような、整備不良が続いている。(ちなみに、スカイマークでも「スカイマークに厳重注意修理期限9カ月超過問題」が報じられている)。


◆コメント2:中国の工場の整備は続いているのか。

私が昨年非常に驚いたのは、日航も全日空が、経費節減の為に飛行機の整備を中国の工場に委託していたという事実で、日記でも「全日空やJALが機体の整備を中国の工場に委託している、ということを知っていましたか?」という記事で取り上げた。

記事3にあるとおり、本日、JALが国土交通省に整備ミス再発防止策を国交相に提出したというので、原本に当たってみた。



整備作業の確実な実施に関する再発防止策について(ご報告)という文書であるが、何処にも外部に整備を委託していたことなど記されていない。

そういうことは、無いことになっているのか?いくら日本人の整備士だけしっかりやりますと云ったって(それすらアテにならないが)報告としては不十分だ。

中国の工場への整備は本当のところ今までどれぐらいの割合を委託していて、今後どうするつもりなのか、全く述べられていないのは、故意に言及を避けていると想像されても仕方がない。


◆コメント3:パイロットが遅刻というのも、日本人としてはすごいね。

世界的にはしばしば起きていることで、日本人が非常に几帳面だった、と、一回ぐらい甘く見逃してやっても良いかな、と思ったが、やはりダメだ。



客や仲間のクルーに迷惑をかけるから、というのは云うまでもない。

さらに重大な問題は、今回、待たされた乗客は、ANAに乗り換えたので、遅刻したパイロットは操縦しなくて済んだわけだが、もし、1時間半遅刻した機長が操縦しなければならなかった場合を想定してみる。

本人が通常の人格の持ち主であるならば、その、「大勢の乗客・乗員に迷惑をかけた」という自責の念に囚われて、肝心の操縦に全神経が集中されなくなる可能性が大きい。それが、問題なのだ。



パイロットとか、プロの運転手、また、白バイやパトカーで警邏する警察官などは、「乗務する日の朝、決して夫婦げんかをするな、つまらないことで言い争うな。」というのが心得だそうだ。

それは、云うまでもなく、下らないことでも、朝から喧嘩をすればイライラして事故につながりやすいという経験則に基づいているのである。


◆コメント4:日本航空の問題の相当な部分は組合乱立問題だろう。

日本航空には、客室乗務員、機長、機長以外のパイロット、整備士、その他地上職など、組合が乱立している。

ここに、日本航空客室乗務員組合のサイトがある。

さらにその中に日本航空の労働組合 という図があるので、ご参照いただきたい。

どうしてこうなったかを知るためには、山崎豊子さんの沈まぬ太陽を読むのが早いと思うが、作品自体が長いから、いずれにせよ、覚悟して読まないと、分からない。



とにかく、上に少しだけ「日本航空の内紛」という解説を載せたが、これは、氷山の一角のそのまた片隅の「氷のかけら」にもならない話で、実は何十年も続いている大問題なのだ。


◆コメント5:これだけ問題が多い会社が飛行機を飛ばしていいの?

何度も同じような整備ミスによるアクシデントを繰り返す会社に対して、航空機の運航を禁止しない国交省(昔の運輸省)というのも不思議な役所だが、

それはご多分に漏れず、日航をはじめとする航空会社が役人の天下り先になっているからである。

役人の老後の生活を確保するために、国民は整備不良の飛行機に乗り続けることを余儀なくされる国。それが、日本である。

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2006.04.05

マーチでも聴いて元気を出してください(その2)

◆コメント:約一年ぶりにマーチのお薦め。

マーチ(行進曲)に関しては何度も書いたような気がしていたが、記憶とはまことに曖昧なものである。

昨年2月にマーチ(行進曲)で元気を出してください。を一度書いただけだった。



毎日時事問題を書いているが、決して楽しくない。随分前のことで、しかも読者の方から頂いたメールなので、こんなことを書いてはいけないのだが、

「いつも、元気一杯の日記を楽しみに読んでいます」

と云ってくださった方がいた。その方には大変申し訳ないが、ガクっと来た。

全然違う。元気でも何でもない。

ここ半年でげっそり痩せた。久しぶりに会った人が皆ギョッとして「どうしたのだ?」と訊く。

ガンかもしれない。この痩せ方は。どうでも良いけど。いずれにせよ、書いた後は必ず憂鬱になる。



私にとって「時事問題」は「ネタ」ではない。カウンターの数を増やすために書いているのではないのだ。



世の中の理不尽なこと、どうしてもおかしいということを書かずにいられずに書くのだが、毎日、書くまでが大変億劫である、気が滅入る。

そのため、いつも書いている間、ものすごく怖い顔をしているらしい。先日家人に言われて初めて知った。

最近は特に、余りにも世の中がどうしようもなく思えてきて、毎日憂鬱だ。



こういうときは、本当は何をしてもダメなのだが、とりあえずマーチを聴く。


◆アップルじゃなくて、Sonyのダウンロードサービスからお薦め。

Sonyの音楽配信サービスサイトは、音楽ダウンロード・メガサイト Mora [モーラ]ですね。

まず、ここから、無料でダウンロード出来るSonicStageという音声ファイルダウンロード・再生ソフトを入手(DL、インストール)するわけですが、

私のようなオッサンでも簡単にできるんだから誰でも出来るでしょう。

ポップスだのロックだのは私は興味がないから、クラシックを探していたら、曲目や演奏家が、妙に偏っている。

Sonyでこの仕事を担当している部署にはクラシックに精通した人がいないことが一目で分かる。

そうはいっても、ときどき掘り出し物がある。今日はその中からマーチを見つけたのでご紹介したい。


◆陸海空自衛隊音楽隊によるマーチ集。

自衛隊に関する政治的な議論は今日は一切無し。

陸・海・空各自衛隊には、いずれも音楽隊があり、代表的なのはそれぞれの「中央音楽隊」だが、それだけではない。各地に存在している。

身分としては自衛隊音楽隊のメンバーは勿論「自衛官」だが、そんな形式的肩書きはどうでもよろしい。彼らはれっきとしたプロの音楽家である。

定期演奏会も開いていて、そこでは、本来オーケストラで演奏する曲目だが、サンサーンスの交響曲第3番とかリムスキー・コルサコフのシェエラザードなど、

難しい(というかプロなら当たり前なのだが)曲を取り上げている。見事な演奏である。



しかし、ここでは、吹奏楽の原点、マーチをダウンロード販売しているので紹介する。

集中力を高めるマーチというのだが、「集中力」という言葉が何故ついているのかとおもったら、

昨年、「あるある大事典」で、「マーチを聴くと集中力が高まる」という特集が放送され、それを見た人が買いに来るためだそうだ。

集中力が高まるかどうかは知らない。

私の場合、マーチを聴き始めたら、自ずと音楽自体に集中してしまうから、マーチを聴きながら何かの勉強をすることなど絶対に不可能なのだが・・。



大きなお世話だが、音楽を聴くときには「これを聴くと、得をする」というケチな発想は止めた方がいい。

音楽そのものに人を慰める力があるのだから、「ヒーリング・ミュージック」という特別な音楽は存在しない。あれはレコード会社の戦略以外の何者でもない。



話がそれたが、紹介したアルバムはスーザだけではなく、タイケの「旧友」とか、「双頭の鷲の旗の下に」など、誰でも知っているマーチが19曲含まれていて980円。

お得ではないでしょうか。

しかも、これはネットでしか買えないのだ。これに相当するCDは、無い。陸海空別々の「マーチ集」を買うしかない。



演奏は、大変美しい。マーチにありがちな、やたら「1、2,1,2,」というリズムを必要以上に強調した演奏ではなく(これをやると「運動会の入場行進風」の幼稚な印象を聴衆に与える)、

陸・海・空とも、横の線、つまりメロディーの流れを大切に、レガートに近い演奏で、ハーモニーを重んじているのが良く分かるのである。

その上、肝心なところでは、キチッとアクセントを決めていて、ピシッと揃い、気持ちが良い。粗野なffは決して出さない。とても音楽的な演奏だ。


◆陸海空各自衛隊のマーチ演奏におけるテンポ設定の相違。

面白いのは、指揮者が違うから当たり前だが、陸・海・空で少しずつテンポ設定がことなることだ。

航空自衛隊が一番早くてメトロノーム速度で118ぐらい。

陸上自衛隊が遅いときは108ぐらい。大抵。115ぐらい。

海上自衛隊は陸上と航空の中間ぐらいである。

こういうことはどうすれば分かるかというと、リンクを貼ると悪いので、Tempo Counterというソフトを検索してみてください。

すぐ見つかる。ごく小さいソフト。PCなどが普及する前から、テンポを図る機械はあったのです。文字通り。テンポ・カウンターってのが。

メトロノームはテンポを確かめる為に音を発する機械である。

Tempo Counterは、逆。こちらが音楽に合わせてEnterキーを叩くと、メトロノーム速度にして数字を表す。

やってみると分かると思うが、なかなか一定のテンポ(間隔)でたたけませんよ。つまり、一拍ごとにわずかながら、早くなったり遅くなるのが普通のひと。

プロのパーカッションの人達はこういうのをやらせると見事に一定のテンポを維持する。

たったこれだけのことでも、プロと素人はちがうのである。

それは兎も角として本日は、このデジタル・マーチ・アルバムをお薦めします。

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2006.04.03

国の非常勤職員給与980億円、大半「物品費」で支出←非常勤以前に、公務員(国家、地方)給与30兆円を減らせ。

◆記事:国の非常勤職員給与980億円、大半「物品費」で支出

中央省庁が正規の職員とは別に雇用している「非常勤職員」に対し、2005年度、少なくとも計約980億円の給与が支払われていたことが3日、わかった。

非常勤職員は計約13万6000人に上り、給与の多くは、物品購入などに充てる「庁費」の名目で予算要求されており、これまで総額は明らかにされていなかった。

政府は今年度から5年間で国家公務員の定員5%削減(約1万7000人)を目指しているが、非常勤職員はその対象外。予算上の制約もなく、不透明さが問題となりそうだ。

民主党の渡辺周衆院議員が全府省庁に関係資料を要求し、同日午後、衆院行政改革特別委員会でこの問題を追及する。

それによると、支払い給与の総額が最も多かったのは、厚生労働省(社会保険庁分などを含む)で、約4万8199人に約569億円が支払われた。

国土交通省の1万2772人に対する143億円、国税庁の5891人に約75億円が続いた。それぞれ、事務の補助や、測量や製図作成の助手など行政の補助業務を行っている。

総務省によると、自衛隊員や国会職員などを除く一般職員の国家公務員は05年7月現在約30万人で、人件費は年間3兆284億円。

定員や人件費は、総定員法や政令などで年度ごとに決められている。

ところが、非常勤職員については、各省庁の長の承認で自由に決めることができる。

予算上、「非常勤職員手当」の名目で支出されているのは全体の2割(約201億円)程度で、大半は本来、物品などの購入に充てられる「庁費」で要求されていた。

中には「家庭用品等試験検査費」や「感染症流行予測調査費」などの名目もあり、予算書からはその実態がうかがえない。

各省庁でも、「地方組織ごとに管理しており、本庁では細かく把握していなかった」(国交省)というのが実情だ。(読売新聞) - 4月3日14時33分更新

(以下省略。全文は、ここに保存しておきます。


◆コメント1:民間だったら、有価証券報告書の虚偽表示は犯罪だ。ホリエモン見ればわかるだろう。

日本人には未だに「お上」が「偉く」、「民」は「お上の言う通りにしていればよい、という意識が残っているのだろうか。


いくらなんでも、国の非常勤職員に支払っている給与の総額が今まで明らかになっていなかったというのはひどい。

民間会社の場合、証券取引所に上場する会社は、証券取引法に基づき、有価証券取引所(有価証券取引所というのは証券取引法用語で、大雑把に言えば「決算書」。

株式会社は決算期毎に、貸借対照表、損益計算書、営業報告書を作ることが、商法でも義務づけられている)を、内閣総理大臣に提出しなければならない。

そして、有価証券報告書の虚偽の記載をすることは、「犯罪」である。

如何に、「お上」がいい加減な仕事をしているか、良く分かるだろう。

何故、「お上」は国民の血税を使っているのにいい加減でよいのか?誰も説明できまい。



役所は「決算書」に準ずるべきものを作るけれども、民間のように「株主総会」で報告する義務もない。

今回は何が問題かというと、国の非常勤職員の人件費は当然人件費とし計上されなければならないのに、「物品費」と嘘をついていたことである。明らかに虚偽表示である。

ところが、国の役所の会計に関して虚偽表示をした場合の罰則規定は何処にもない。

民間が嘘の決算書を出したら犯罪だが、役人が同じことをしても犯罪にならない。

これは、憲法の定める、「法の下の平等」に反する。細かいことを云うな?と仰る方。

役人の給料は私たちが納めた税金である。何にも感じないですか?貴方が役人なら当たり前と思ってるだろうけどさ。



話がそれるが、先の衆議院選挙で小泉首相がものすごく狡かったのは、

「郵便局員は警察官より多い。公務員の特権を許して良いのですか!」

とテレビで叫んでいたことだ。

郵政公社は独立採算であり、郵便局員の給料には税金は全く使われておらず、全て切手やはがきの売上げなど、自分で給料分を稼いでいるのをわざと匿したのだ。


話を戻す。

何故、人件費を物品費にしたかというと、国の非常勤職員の給与が民間に比べて優遇されていることがバレるのがやばいからである。

繰り返すが、役人の給料は私たちが納めた税金である。


◆コメント2:民間は血の滲む重いでリストラしてきた。次は国家公務員と地方公務員だ。

民間企業は文字通り、血の滲む努力を重ねてリストラを断行した。

次は「官」の番だ。

公務員の数を減らし、給料を下げなければ「聖域無き構造改革」にならない。



いいですか。

平成18年度の国家・地方を合わせた一般歳出は120兆円である。

この四分の一、30兆円が公務員人件費なのだ。

公務員の数は、国家・地方合計で400万人。総人口の3パーセントに過ぎない。

総人口比、3パーセントの「お役人様」の給料に一般歳出予算の四分の一が割り当てられているのだ。

一般歳出予算の財源は国民が額に汗して働いて納めた税金である。


◆コメント3:さらに、特別会計から「天下り役人」の人件費が支払われている。

国の予算には、一般会計の他に、「特別会計」がある。

特別会計とは、

「国が特定の事業を行う場合、特定の資金を保有してその運用を行う場合、その他特定の歳入をもって特定の歳出に充て、一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合」に限って設置することが認められている会計(財政法第13条2項)

である。

特別会計予算は約400兆円だ。そのうち200兆円が天下り役人の人件費と云われる。


◆コメント4:こんなことが許されて良いのか。

地方公務員も絶対に多すぎるし、給料が高すぎる。

東京都が運営する都バスの運転士の年収が一千万円を超える。

小学校の給食のおばさんの退職金が五千万円も支払われていたことが発覚して問題になっている。

都バスや給食も大事な仕事だが、世の中には、もっと苦労して、遙かに少ない収入で苦しんでいる民間人がいる。

それを考えた場合、その民間人が納めた税金から出た給料で、公務員が民間よりも高収入を得るのは、嫉妬と言われようが何と言われようが、納得がいかない。

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2006.04.02

「イラク陸自撤収、下旬にも決断-政府」 アメリカの大量破壊兵器情報に関する「ガセネタ」をそのまま信じた日本政府。

◆記事:イラク陸自撤収、下旬にも決断=治安権限の移譲見極め-政府

政府は1日、イラク南部ムサンナ州サマワに駐留する陸上自衛隊の撤収時期について、イラク新政権発足を待たず、今月下旬にも決断する方針を固めた。

米英軍などが近く「ムサンナ州での治安権限移譲は可能」と判断する可能性が出てきたためで、政府はこれを受け、早期に英豪軍とともに陸自撤収を開始する方向で米英豪3国と調整したい考えだ。

これに関連し、政府関係者は「自衛隊撤収は必ずしも新政権発足が前提ではない。治安権限をイラクに渡しても大丈夫かどうかで判断される」と指摘した。

新政権発足は5月にずれ込む可能性があり、いつまでも待っていては駐留が長引くだけとの判断もあるとみられる。  (時事通信) - 4月1日17時1分更新


◆コメント:ガセを簡単に信じた永田議員が問題になるのなら、大量破壊兵器に関するアメリカの「ガセネタ」をそのまま信じた小泉政権の自衛隊派遣は何故、問題にならないのか。

記事によれば、陸自は撤退するそうだが、そんなに淡々と書いて良いのか?

小泉首相は2003年3月20日、アメリカがイラク戦争を始めたときに、ブッシュが正当化事由として掲げた「イラクが大量破壊兵器を保有している」という説明をウラも取らずに「事実」と認定し、アメリカの武力行使を支持したのである。

ところが、「大量破壊兵器」はガセだった。

それは、2004年1月28日、アメリカの大量破壊兵器情報が嘘だったことが、イラクの大量破壊兵器捜索を指揮した米中央情報局(CIA)元特別顧問、辞任したデビッド・ケイ氏の証言で明らかになっている。



尤も、過去に何度も書いたことを、また繰り返すが、仮にイラクが本当に大量破壊兵器を持っていたとしても、イラク戦争は国際法上、違法なのだ。

つまり、

1.元々正当化事由になり得ない「イラクの大量破壊兵器保有」を根拠としたアメリカの武力行使を支持したことが、大問題である。

2.そのうえ、その「大量破壊兵器情報」はアメリカがでっち上げたガセネタだったのに、日本政府は独自に調べることもせずにこの存在を信じたのである。永田と大差ない。


という失策を私は強調したいのである。

「偽メール」は武部と息子の名誉の問題だが、イラク戦争では「ガセネタ」に基づいたアメリカの攻撃で、イラク人が3万人以上殺されたのである

永田議員のアホさ加減は今更云うまでもないから、書かない。

しかしながら、マスコミや世間は、「偽メール」問題でこれほど大騒ぎをするのならば、アメリカの「ガセネタ」を信じてイラクに自衛隊まで派遣し、アメリカの人殺しに加担してしまった(そして、今までに自衛隊派遣につぎ込んだ税金はいくらなのか、全く説明がない)日本政府の責任はどう考えるのであろうか?

「同盟国の云うことだから信じるのは当然」、というのなら、「信頼できる情報源と思っていたので信じた」永田議員と何ら変わりはない。

また、「日本には、CIAほどの情報収集能力を持つ組織がない」のは、言い訳にならない。

情報収集能力がないのであれば、アメリカの「大量破壊兵器情報」を検証出来ないのだから、検証できない情報を信じるべきではなかったのである。

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2006.04.01

ハイドンの誕生日なのでお薦めの曲とCDを紹介します。

◆「クラシック」(古典派)ってのは、ハイドンが始まりなんですよ。

3月31日はハイドンの誕生日です。

広義の「クラシック」(音楽)は、西洋古典音楽(17世紀から20世紀まで)の総称になっていますが、厳密に言うと「古典派」音楽という意味です。

大雑把に書くと、ハイドン、モーツァルト、ベートーベンの時期を指します。他にも大勢いますけど。



それより前、バッハとか、ヘンデルとか、テレマンは「バロック(しばしばクイズの問題になりますが、「バロック」とは「歪んだ真珠」という意味だそうです)音楽」というのです。

そして、ショパンとか、ブラームスとか、シューマンとかは「ロマン派」というのです。

因みに

ハイドンは、1732年3月31日~1809年5月31日。

モーツァルトは、1756年1月27日~1791年12月5日。

ベートーベンは、1770年12月17日(正確にはこれは洗礼を受けた日付)~1827年3月26日。

3人とも生きていた(重なっている、という意味です)時期があるのですね。

余談ですが、ハイドンはモーツァルトの作品を聞いて、父親(レオポルド・モーツァルト、といいいます)に云ってます。

「私は、名誉を重んずる人間として神に誓って申し上げますが、ご令息(モーツァルトですな)は、私の知る限り、最も優れた作曲家です」

こういうことは、自分も天才だから、分かるんです。


◆ハイドンはモーツァルト、ベートーベンに比べると地味ですが、専門家は大天才だといいます。

ハイドンは交響曲を104曲も作曲しています。

勿論、ずっと後のマーラーとかブルックナーなどに比べれば、楽器編成(使われる楽器の種類)は小さいし、曲の長さも短いです。

ところが、以前、岩城宏之さんの文章を読んで、私は「へえ」と思ったのですが、専門家から見ると、ハイドンの交響曲は相当高度な作曲技術を使っているのだそうです。

ちょっと楽譜を見ると簡単そうなのですが、そうではない、と。

「これだけ複雑というか、綿密に設計して、交響曲を104曲も書いたのは大変なことで、一般人は大したことはないと思っているかも知れないが、ハイドンこそ、大天才だ」ということだそうです。


◆お薦めの曲とCD

ハイドンは「交響曲の父」と言われていますが、実は交響曲だけではないのです。

後の協奏曲の形式の原型を作ったのもハイドンだし、弦楽四重奏を初めて書いたのも(ここ、ちょっと自信ないです)、ハイドンです。

だから、本当は「クラシックの父」なのですね。



ハイドンの交響曲は、特に93番から最後の104番までが有名且つ傑作で「ザロモン・セット」といいます。

ロンドンの興行主、ザロモンという人物に依頼され、ロンドンで演奏されるために書かれたのです。

「驚愕」(びっくりシンフォニー。現代の人間が聴いても、全然びっくりしない)とか、「時計」(昔、文化放送の「百万人の英語」のテーマ曲でした。)などが有名です。

私の個人的趣味では、「太鼓連打」が好きです。

曲の冒頭が当時としては画期的で、ティンパニ・ロール(「ロール」と「トレモロ」は違います、というような話も書きたいけど、余りにもマニアックになるので、止めます)で始まるのでこういう愛称が付いたのです。

輸入盤だと“Drum Roll”と書いてあります。


◆シンフォニー:お薦めは31番「ホルン信号」

他にも、いくらでもお勧めはあるのですが、この曲は、当時としてはかなり珍しいのではないかと思います。

4本のホルンが大活躍します。

この時代のホルンは今のように、指で押さえて音程を変化させる「バルブ」というシステムがない、ただの金属(真鍮)の管で、自然倍音だけで吹いたのですから、演奏はものすごく難しかったと思います。

それでも、ハイドンが書いたのは、「吹ける人がいた」証拠です。誰も吹けないのを書いても仕方がないですから。

お薦めCDは輸入盤になりますがHaydn Symphonies Nos. 31&45です。

上手いですよ。


◆協奏曲:チェロとトランペット。いいですよ。

私は、ヘタクソな素人ラッパ吹きですが、クラシックのラッパ吹きでハイドンの協奏曲を練習したことがないという人がいたら、偽物です。

何故なら、ハイドンとフンメル(という作曲家)しか、まともなトランペット協奏曲など書いていないのですから。絶対にこの2曲は練習する。

現代作曲家でジョリヴェというフランスの人が何曲もトランペット協奏曲を書いてくれたのですが、残念ながら、全然つまらないです。

メロディー(というのかな・・・)、音の動きが不自然なのです。

音楽は、その本質に鑑み、歌と不可分のものですから、「歌」を感じるメロディーが無い音楽は、少なくとも私にはあまり魅力がありません。

ハイドンの協奏曲の主題は極めて単純で、要するに「ドレミファソラシド」なのですが、如何にも美しい。



チェロ協奏曲ですが、現在、オーケストラの演奏会でチェロ協奏曲がプログラムに含まれているとき、7~8割はドボルザークのチェロ協奏曲です。

それ以外には、シューマン、サンサーンス、ショスタコービッチ、エルガー、ボッケリーニぐらいではないでしょうか。



ドボルザークのチェロ協奏曲も名曲ですが、ドボルザークはボヘミアの人です。ドボルザークだけではなく、東欧の作曲家の作品には、わずかながら、東洋的な要素があります。



ハイドンはチェロ協奏曲を2曲書いています。

私は、ニ長調の2番が大変美しいと思います。何しろ宮廷音楽ですから、品が良いのです。「雅」(みやびやか)という文字が頭に浮かぶのです。

トランペット協奏曲はモーリスアンドレ。チェロはフランスの名手アンドレ・ナヴァラが弾いた、このCDは名盤です。

チェロのソリストはヨーヨーマと、マイスキー(ロシア人)が抜群に有名です。以前、マイスキーが演奏したハイドンを聴きましたが、やや、「テクニック誇示」の感がありました。

「そんなに速く弾かないでも貴方が上手いことは知っているから、もう少し伸びやかに歌ったらどうですか?」ということです。

ナヴァラの演奏は品が良いと思います。音も極めて美しい。

というわけで、今回のお薦めはこの一枚に致します。

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