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2006.04.27

「竹島問題の基礎知識」

◆云うまでもなく、領土問題です。

本稿は、所謂「竹島問題」に関する基礎的な情報を、筆者の感情、主観をできるだけ排除し、提供することを目的とする。

竹島は、島根県の隠岐島北西約160キロの位置にある。

日本の住所では、「島根県隠岐郡隠岐」である。東島と西島、及び約30の岩礁(水中に隠れている岩:広辞苑第五版より)から成る。

全面積は0.23平方キロメートルというから、東京の真ん中にある日比谷公園ほどの広さである(なんだか、馬鹿馬鹿しくなってきません?)。

水源が無く岩場ばかりで、人が住める場所ではない。しかし、韓国はここに警備隊を常駐させている(ご苦労なことだ。さぞや退屈だろう)。

また、住んでいないが、ここに住民登録をしている韓国人もいる。

「竹島問題」とは何か?この小さい岩場が日本の領土なのか、それとも韓国の領土なのか?それだけのことである。


◆何故、揉めるのか。

ご承知のとおり、韓国は日本が竹島を日本領だと主張することを、「かつて日本が朝鮮半島を植民地支配していた帝国主義、ナショナリズムの名残りである。」

というか「まだその意識があるんだろう?」というので話が面倒になるのだが、それについて感想を述べると、私の主観が入るので、保留する。

もう一つ。

何故、揉めるのかというと、日韓両国とも領有権の根拠を史料、つまり古文書(こもんじょ)に求め、両国とも自国に有利な解釈をするからである。


◆そもそもは「アシカ」(動物の)が目的だった。

隠岐島の人々は20世紀初頭、皮革を取るためにアシカ猟を始めた。1903年のことである。

翌年、隠岐島の人達が、明治政府に対して、「竹島を日本の領土に編入し、自分たちに貸してくれ」、と頼んだ。

明治政府は、この島が無人島で、どこの国の領土でも無いことを確認した、として、1905年1月、日本の島根県の一部とすることを閣議決定した。



その約一ヶ月後、当時の島根県知事が、竹島を島根県に編入する告示を発した。それが2月22日である。

昨年、その100周年だと云って、また宣言したから、韓国と揉めたのは記憶に新しい。

竹島の編入宣言の9か月後、日韓併合となる。つまり、日本は朝鮮半島を日本にしたのである。


◆第二次大戦後、一旦手放す。

第二次世界大戦で負けた日本は朝鮮半島の領有を放棄した。

このときに、竹島も放棄したのか否か、がまた、めんどうくさい問題なのである。



敗戦の翌年、1946年1月連合国総司令部(GHQ)のマッカーサーが、日本の行政権が及ばない島の名前を列挙せよという指令を出し、そのリストに「竹島」は含まれていたのだ。

しかし、このとき、これらの島が最終的に何処の国に属するかは別に決めるという内容も宣言されていた。

そこで、日本の言い分としては、1946年に、竹島が自動的に韓国領になったと言う論理はおかしい、と主張するのである。

一方韓国は、「連合国が竹島に関してはっきりした方針を出さなかったと云うことは、竹島は日本のものではなくなった→韓国の領土になった」と主張するのである。


◆サンフランシスコ講和条約

サンフランシスコ講和条約というのは1951年9月8日にサンフランシスコで調印された、日本と第二次大戦の連合国48カ国との平和条約である。

要するに、これで、戦争は終わり。敵対関係は終わりという訳で正式には「対日平和条約」という。



このときの文書に、日本は「済州島、巨文島及び鬱陵島を含む朝鮮」を放棄することが書かれているのだが、竹島は含まれていないのである。

これで、また、揉めるわけである。

日本は「放棄する」と云っておらず、サンフランシスコ講和条約により、日本が主権国家としての地位を取り戻したのだから、「竹島」は日本のものだ、と言う。

韓国は、「名前が出ている島は単に例として挙げられただけであり、竹島の名前が例示してなくても、日本が放棄した朝鮮の領土に含まれる」と主張するのである。


◆本稿の目的は客観的事実の説明だが、一言だけコメント。

冒頭に書いたとおり、私は、本日は客観的事実の提示に努めているのでコメントは避けるべきだが、ここだけ一言。



韓国云々(うんぬん)ということではなく、一般論として述べる。

法律(条約は国際法であり、法律の一種ということができる)というものは拡大解釈すると、何のために明文化したのかわからなくなる(法的安定性を失う、という)ので、

原則として、拡大解釈を認めるべきではない、と思う。

その意味で韓国の主張は、くどいようだが、感情を排し客観的に判断しても、妥当ではないと思料する。

コメント終わり。


◆「揉め事」を当事者が解決できるわけがない。

個人であろうが、企業間であろうが、国家間だろうが、はっきり言えば、人間は自分のことしか考えていない。
だから、争いごとが起きて、当事者が解決するのは、非常に難しい。

そのため、人間は「紛争の当事者いずれとも利害関係を持たない第三者が判定を下す」裁判という制度を考え出した。

国家間のもめごとは国際司法裁判所で取り扱う。

日本はここに提訴しようと韓国に持ちかけたが、韓国は「日韓に領土問題は存在しない(独島は韓国領であることはあきらかだから)ので、その必要はない」と応じない。

国際司法裁判所は、先方から調停にのりだす、という制度が無い。

紛争当事国双方が了承して初めて審理が始まるので、これではどうしようもない。


◆まあ、そんなところです。

「竹島問題の基礎知識」はこれぐらいです。

実際はこれに国際法上の「領海」(排他的経済水域)の問題が絡んでくる。これは、またいずれ。

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