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2006.05.12

中央青山監査法人を処分して問題解決でしょうか?

◆記事1:金融庁が中央青山監査法人に業務停止命令

[東京 10日 ロイター] 金融庁は10日、カネボウ旧経営陣による粉飾決算事件に関連して、4大監査法人の一角を占める中央青山監査法人(東京都千代田区)に対し、一部業務停止を命令した。

4大監査法人への業務停止処分は初めて。

停止の対象は、証券取引法や会社法に基づく「法定監査」業務などで、期間は7月1日からの2カ月間。

金融庁はカネボウ粉飾決算で会計士の不正を防げなかった同監査法人の内部管理体制に重大な不備があったと判断し、異例の厳しい処分に踏み切った。

ただ、処分期間中に有価証券報告書や半期報告書の提出期限を迎える企業に関しては、例外として監査を認める。

監査法人は業務停止処分を受けると、企業との監査契約が無効となり、中央青山に代わる一時監査人を「遅滞なく」選任しなければならない。

処分をきっかけに今後、中央青山からの顧客流出が加速する可能性が出てきた。

金融庁はまた、関与した公認会計士についても、2人を登録抹消、1人を1年間の業務停止処分とした。(ロイター) - 5月11日6時38分更新


◆記事2:2005年2月7日衆議院予算委員会会議録より抜粋

【引用開始】

○岩國委員 総務大臣、厚生大臣、お忙しいでしょうから、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。

次に、西武鉄道の株式の問題について質問させていただきます。

西武鉄道の株式取引について、違反状態で長年取引が継続されておったということは大変残念なことであります。

こうした点について、金融庁としては、いつから違反状態が発生し、その結果として不測な損害をこうむった投資家は、投資金額はどれぐらいなのか、徹底的にこれは調査すべきじゃありませんか。

きょうも、この瞬間も、違反状態にある株式が東京証券取引所で取引されているんじゃありませんか。

そういう疑惑の中で、取引所の中で取引されているものには違反状態にあるものはないんだという潔白宣言がいつできるのか。どうぞお答えください。

○伊藤国務大臣 委員が御指摘をされた事例も含めまして、昨年の秋以来、不適切な事例が続いております。

私どもといたしましては、証券市場の信頼性を確保するためには、適切なディスクロージャーが極めて重要であると考えておりまして、

こうした観点から、国民のディスクロージャー制度に対する信頼を確保していくために、その対応策を昨年の十一月、そして十二月に公表をさせていただいたところでございます。

その中の対応策の一つ一つを強力に進めていくことが重要だというふうに考えておりまして、今、その違反状況を是正していくことが重要だというお話がございました。

この対応策の中でも、開示企業すべてに対して、有価証券報告書の正確性、これを自主的に点検をしていただきたい、その要請をさせていただいて

すべての開示企業から報告をいただいたところでございます。

その報告の内容を私どもとして精査をして、そして適切なディスクロージャーをさらに進めていくための対応策というものをさらに進めていきたいと考えているところでございます。

○岩國委員 私がお伺いしているのは、潔白宣言がいつまでにできるというめどは全くないのかどうかということ。もう一度お答えください。

○伊藤国務大臣 今、答弁をさせていただきましたように、昨年の十一月、そして十二月に公表させていただいたこの対応策、その一つ一つを強力に推進していくことが重要だというふうに考えております。

先ほど来お話をさせていただいているように、まず開示企業の自主的な点検、これを要請させていただいたところでございますし、

また、各取引所においても、その上場のあり方について、これを見直していただくことを要請させていただいて、その要請を踏まえて見直しについて実施をされているところでございます。

そうしたさまざまな施策というものを展開しながら、委員から見ても、そして投資家から見ても、日本の証券市場の信頼性というものは間違いないものである、

そういうふうに信頼性というものを確保できるために、私どもとしても一生懸命努力を続けてまいりたいと考えております。

○岩國委員 私の質問に二度も答えていただけなかったということは、要するに、潔白宣言はきょう現在も出せないし、しばらくの間、疑惑の、違反株式の取引はきょうもあしたも続けられるということですね。

【引用終わり】


◆コメント:中央青山監査法人が会計監査している企業は2,300社ある。カネボウ以外粉飾していないのか?

中央監査法人が行政処分を受けたのは、カネボウの粉飾決算を見逃した・・どころではなく、粉飾のやり方をアドヴァイスしたことが明らかになったからである。

だが、中央青山監査法人を業務停止にすれば済む話ではないのだ。これは、構造的な問題である。しかも極めて単純な構造である。何故、今回のような事態が生ずるのか?

監査される会社は、監査法人にとって、「お客さん」だからである。

あまり厳しい監査をすると、「お前には、もう、頼まない」と言われかねない。必然的に監査になれ合いが生ずる。

中央青山が監査していた会社だけでも、2,300社もあるという。違法な株(上場基準を満たしていない株)を上場しているのは、カネボウだけだろうか?


◆民主党の岩國哲人議員が、カネボウが発覚する前に、金融庁に警告していた。

記事2は少々長いが衆議院の会議録の一部である。



私は、昨年9月11日の衆議院選挙に先立って、岩國哲人さんが現職の国会議員の中で、最も優秀な人であり、岩國さんが党首となった民主党が理想だと書いたことがある。

この質疑を読めば分かる。他の国会議員で、こういう質問を金融相にした(或いはできる)者は、いない。



岩國議員に関しては、過去の記事で詳説したので、ここでは簡単に書くにとどめる。

分かる人には分かるだろうが、岩國議員はかつて、世界最大の証券会社(厳密にはちょっと違うのだが)、メリルリンチ本社の上級副社長だったひとだ。

株式市場の事など、隅から隅まで知っている。

記事2の予算委員会で岩國さんが問題視したのは、西武鉄道株が上場基準を満たしていないのに、数十年もの間、東京証券取引所に上場し、売買されていたという事実。

それを監督官庁である金融庁(金融庁が出来る前は旧大蔵省)が見逃していたという、行政府の責任である。


◆他に違法な株は取引されていないか?と訊かれて当時の伊藤金融相は「企業が自主点検中」と答えた。

岩國議員は、当時の金融相、松下政経塾出身のトッチャンボーヤ、伊藤金融大臣に、

「西武鉄道以外にも、上場基準を満たしていない株式が上場されているはずだ。金融庁は調べたのか?いつまでに調べ終わるのか?」

と尋ねた。すると驚くべき答えが返ってきた。
「上場会社に、有価証券報告書に誤りはないかどうか自主点検するよう要請している」

というのだ。アホか?

西武鉄道と同じように、故意に違法な株を上場させている会社があったら、馬鹿正直に、「すみません。嘘の決算をしていました」と白状するわけがない。

岩國議員が危惧したとおり、この予算委員会の後、カネボウの粉飾決算が発覚した。

天下の大企業、西武鉄道とカネボウが粉飾していたのだ。これが、不正の全てと考えられますか?


◆行政府の監督責任を追及すべし。

証券取引等監視委員会が上場企業を片っ端から検査するべきなのだが、日本の証券取引等監視委員会では、人数が少なすぎて、全部を検査出来ないのだ。

しかし、だからといって、放置して良いわけがない。

証券取引等監視委員会はここのところ、たびたび、財務・経理経験者の採用広告をサイトに載せているが、公認会計士レベルの会計の専門家はそう簡単には集まらない。

今一度書くが、これは、行政府、即ち内閣の責任である(金融庁は内閣府の外局。証券取引等監視委員会は金融庁内の一部署なのだ)。

内閣を代表・統括する責任者は、言うまでもなく内閣総理大臣である。

野党は、粉飾していた企業、監査法人のみならず、小泉純一郎内閣総理大臣の監督責任を追及するべきなのである。

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