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2006.05.11

「国民投票法案提出は困難 与党単独に公明難色」←何のことでしょう?

◆記事:国民投票法案提出は困難 与党単独に公明難色

憲法改正手続きを定める国民投票法案は10日、今国会への提出が困難になった。

民主党が同日の与党との国対委員長会談などで共同提出に応じられないとの姿勢を崩さず、公明党が憲法にかかわる法案を与党だけで進めることに強い難色を示したためだ。

公明党幹部は10日、記者団に「民主党を置いて、自公だけで憲法改正に突き進む構図は良くない。3党で提出しなければならないとの強い思いは公明党内に共通している」と明言。

自民党参院幹部も「与党単独では出すだけで審議できないのだから、意味がない」と指摘した。

自民、公明、民主の3党は、民主党の小沢一郎代表が与党との国民投票法案共同提出に加わらない意向を表明したのを受け、衆院憲法調査会特別委員会理事が協議。

民主党の枝野幸男氏は「共同提案は難しい状況だ」と述べたのに対し、公明党の斉藤鉄夫氏は「3党合意で提案することが最も望ましい」と述べた。(共同通信) - 5月10日23時26分更新


◆コメント:一体何を決めようとしているのかというと・・・。

自民党は憲法改正をしたいわけです。

どうしてかというと、一番の理由はアメリカからの要請です。

2004年に2004年に当時のアーミテージ国務副長官が日本記者クラブで行ったスピーチを読むと、

日本が集団的自衛権を行使するように、「最後は国民が決めることだ」とやんわりプレッシャーをかけています。


◆国会では、何を決めようとしていたのでしょう?

日本国憲法の改正については、憲法自体の中に条文があります。
日本国憲法 第九十六条   【 憲法改正の手続 】

第一項 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

第二項 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを交付する。

◆総議員数とは?

総議員数とは総議員数だろうと言いたくなるが、そうはいかないのです。

法律で衆議院、参議院それぞれの議員の数が決められているが、しばしば欠員が生じるのです(死んだりして)。

そのとき、総議員の三分の二とは、欠員・欠席数をも含めた、つまり法律で定められた定足数の3分の2なのか?

或いは、今実際に在籍している議員の3分の2なのかということが、憲法96条からははっきりしない。

余談ですが、いずれにしても、今だったら、自民党、公明党、民主党が全員賛成しないと可決されないから、まず憲法改正は無理です。


◆国民投票法案とは?

憲法96条を読むと、「国民の過半数の賛成を必要とする」と書いてありますが、国民とは、常識的に有権者の事でしょうが、有権者総数の過半数なのか、投票数の過半数なのか分かりません。

更に、投票だとしても、投票の中から無効票を除いた有効票の過半数なのか、無効票も数えるのか、ということも、日本国憲法には何も書いていない。

それをはっきりさせようと言うことと、事務手続きを定めた法律が無いので、それを決めよう、と言うことです。


◆改憲論議における、「思考の硬直性」

今、「改憲」といったら、要するに戦争放棄の第9条が最大の焦点ですが、現在の議論は専ら、「自衛隊の合憲性を認めることを明記する」とか、「自衛隊ではなく軍隊にする」とか、

「集団的自衛権(日本が攻撃されていなくても、日本と軍事同盟を結んでいる国、要するにアメリカが攻撃を受けた時に、これを日本への攻撃と同一として、アメリカを攻撃した第3国に反撃できる、という権利)を認める」など、戦争に巻き込まれやすい方向にしか話が進まないのですが、これは、おかしいのではないでしょうか?

思考の硬直性と書いたのはそういうことです。



つまり、正反対の議論、即ち、「集団的自衛権の行使は認めない」という「改憲」論もあってしかるべきなのに、そちらは全く話題に上がらない。


◆私が「改憲草案」を書けといわれたら。

私は、日本が外国の攻撃を受けたら、国民を守るために、武力を用いる、つまり、「個別的自衛権」を行使するのはやむを得ないと思います。

あたりまえですよね。外国に攻められて、ボケっと見ていて占領されちゃったら、独立国じゃない。

日本国憲法前文にも、その点については、「平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と書いてあります。

だから「自衛隊をなくそう」などとアホなことは書きません。



ただ、今の9条には「集団的自衛権の行使を禁止する」とは書いてないから、危ないのです。

アメリカは戦後、ずっと世界のどこかで戦争に関わっていますから、日本に集団的自衛権の行使を認めたら、絶対、巻き込まれます。

「集団的自衛権」で「権利」だから、必ずしもそうではない、などと言う人がいますが、そんなわけがないじゃないですか。

現在、政府の公式見解は「集団的自衛権を有しているが、憲法上の制約で行使できない」と言うことになっていますが、アーミテージに脅かされたら、一遍で海外に自衛隊をイラクに送ってしまった。

それでも、集団的自衛権を公式に認めないから、武力行使できない。つまりイラクで鉄砲を撃たないで済んでいるのですよ。

認めたら、軍隊というのはエスカレートするから、絶対に戦闘状態になりますよ。


◆それでは、どのように書くかというと・・・

私も法律を勉強しましたけど、制定に携わったことはないので、専門家が見たら、穴だらけかも知れませんが、とりあえず、考えました。

9条の制約を強化します。

【私案 憲法第9条への追加】


  • 第3項 我が国が、他国から、武力による威嚇、また、武力の行使を受けていないとき、日本と軍事同盟関係にある他国が、第3国から武力攻撃を受けた際、または、第3国と戦争状態に陥った際に、これを我が国への武力攻撃と同一視し、或いは我が国が戦争状態に陥ったと見なし、同盟国を支援することを「集団的自衛権」の行使と定義し、我が国の「集団的自衛権」の行使は永久にこれを認めない。なお、「同盟国を支援すること」とは、直接的な武力行使のみならず、戦争状態の同盟国に対する後方支援、同盟国が第3国を攻撃する際に有利となる軍事的その他の情報の提供をも含む。

  • 第4項 我が国が、核兵器を製造・保有すること、核兵器又は、その部品、原料となる物資を製造し、他国に提供すること、核兵器を保有する同盟国が核兵器を用いて第3国を攻撃する場合の拠点として、我が国領土内の施設利用を許可することは、永久にこれを認めない。

  • 第5項 本条の各項の変更は、96条(憲法改正の手続き)にかかわらず、永久にこれを認めない。


これぐらい徹底して、丁度良いと思います。

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コメント

まあ、それもこれも、アメリカが先制攻撃による一方的な侵略を「自衛権の公使だ」とかほざくから、話がややこしくなってるわけですね。

投稿: 非国民 | 2006.05.12 02:14

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