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2006.06.16

海上自衛隊の情報流出の深刻度

◆コメント:長々と書き写す理由。

私は、6月10日付の日記「防衛省」法案を閣議決定 臨時国会で成立目指す←ダメ。と書いた。

その理由の一つとして、海上自衛隊から流出した情報は国家の安全保障に関わる、「ハンパではない」超重要機密事項だったらしいからだ。

だが、それだけでは、軍事に素人の私たちには良く分からない。



週刊文春の5月25日号に、現役の自衛官(情報流出とは関係無い人物)に、洩れた情報の深刻さを鑑定して貰った記事があった。

先日引用したかったのだが、あいにく捨ててしまったので、Yahoo!オークションでもう一度、「週刊文春」を買った。そこから引用する。


◆コメント2:蛇足ながら、本当は、今週は岩城さんの事だけ書きたいのだ。

愚痴になって申し訳ないが、ホンネを言えば、今週は、岩城さんの事だけ書きたいのだ。

岩城宏之さんのことだけを書いても、一年ぐらい話題が続くのではないかと思われるほど、書きたいことがある。

だが、情報は遅くなるほど価値が薄れる。11日に自衛隊のことを書いたばかりなので、今のうちに補足しておくことにする。


◆記事:週刊文春5月25日号「自衛隊情報流出で米軍引越代3兆円丸呑みの危機

海上自衛隊の現役通信隊員に、小誌(週刊文春)が入手した内部資料を見せると、驚きの余り一瞬息を呑んだ後、こう言い放った。

「うわ。最悪。周波数の生の数字が全部出てるじゃないですか。これはアメリカも一緒に使いますからね。『特設UHF戦術系予想履域図』なんて、中国には滅茶苦茶おいしい資料でしょう。有事の際、どこに特設UHFアンテナを立てて、どこまで電波が届く、という内容ですから。あんまり凄いんで驚きましたよ。こんな資料が流出していたなんて・・・」

内部資料とは、佐世保地方隊所属の護衛艦「あさゆき」の海曹長が私物のパソコンに入れていた海自の秘密文書。

今年二月、ウィニーをつうじてインターネット上に流出したことが発覚した。その量たるや膨大で、フロッピーディスク290枚分にも及ぶ。



海自は、流出した情報は「秘」扱い以下のものだけで、より秘匿性の高い「機密」や「極秘」は含まれていなかったとして事態の沈静化をはかってきたが、

実は防衛上重大な情報、しかも日本だけではなく、アメリカとその同盟諸国も懸念せざるを得ない内容が流出していたのである。



小誌取材班は、艦長経験者を含む複数の海上自衛隊関係者に流出した資料の検証を依頼した。

冒頭で証言を紹介した現役の海自隊員は流出資料に目を通す前から、「まずいのはコールサイン(通信でお互いを呼び出すときの符合)でしょう。」としてきしていた。

流出した情報には平成十五年五月十三日、「あさゆき」のコールサインは「4XHZ」、六月二十五日は「6LSZ」とはっきり記してある。

◆「今、有事ならどうなる?」

「全部隊の航空機、艦艇のコールサインは毎日変えることになっていて、それを一覧表にした冊子がありますが、

毎年、専門の印刷業者に頼んで更新するようなシロモノで、すぐには変えられません。

訓練中、強風でコールサイン表が飛ばされて海に落ちたときなど、50人がかりで捜索したそうですよ」



海自とアメリカ海軍とはニックネーム形式のコールサインで通信するが、その資料も流出した。

たとえば、「あさつき」は「GLITTER VENUS」とある。同隊員が「最悪」と表現した無線通信の周波数は、
「使用機器、用途、略符、周波数まで全部生のままで出ています。空自、陸自、海上保安庁との通信で、毎日どの系統を使っているのかが分かる図もありますね」(冒頭の現役通信隊員)

防衛庁は「わが国の防衛に与える影響を最小限に抑えるべく、必要に応じて速やかにその内容の変更を図るなどの対策を講じた」と発表したが、通信隊員に言わせると、

「周波数は総務省から割り当てられているものだから、すぐには変更できません。実際、うちの艦では前のままですよ」

とのことだ。


◆コメント3:要するにどういう事態かというと(無線に関して)、自衛隊の無線が全部中国と北朝鮮に聞かれているということ。

つまり、自衛隊内部の通信、米軍との通信に用いる周波数が全部、バレているから、中国も北朝鮮も、海上自衛隊の通信を自由に傍受できる、という事態なのである。

傍受できるだけでなく、万が一、有事の際には(周波数がバレているのだから)強力な妨害電波を中国や北朝鮮が流してきて、自衛隊の通信系統が大混乱に陥ることが十分に考えられる。

という。今まで何も起きていないのが、むしろ不思議なぐらいなのだ


◆記事2:最高機密の暗号関連文書が洩れてしまった。

くだんの海曹長のパソコンから流出した情報で最も深刻なのは、

「暗号書表一覧」。「極秘」となっている「H規約表B第55号」、「ツ乱数表(第51号)」、「非常用暗号書(G部分区用)(第51号)」など五十八の暗号書名の一覧表である。

尤もこれは、暗号書そのものではなく、暗号書のリストが流出したのである。

しかし、暗号を解読する際の手がかりとなる情報も流出してしまったのである。

更にまずいことに米国から供与された、日米同盟に関わる暗号に関する情報が含まれている。



平文を暗号文に変換するためには、暗号機と「規約」と呼ばれる入力ソフトが必要である。

「規約」は暗号文を作成する度に新しいものが使用され、フロッピーディスクなどに複数保存されている。そして、一定の保存期間を過ぎたら破棄される。

今回の情報流出で問題なのは、流出した資料の中には、どの規約がどの期間に使われ、いつ破棄されたかを記録した一覧表が入っていたのだ。



以前、国会で防衛秘密に関する資料について情報開示請求が為されたとき、防衛庁はこの「規約の名称と使用期間」を「不開示」とした。

その理由は、「これを開示したら、相手方の暗号を解読する作業が促進され、暗号化した通信の内容を知られる可能性が生じる」というものだった。


◆コメント4:しかもよりによって・・・

しかも、よりによって流出した一覧表は、「特定特別防衛秘密」に指定されている「AKAT3662」などの暗号規約に関するものなのである。

「特定特別防衛秘密」とは、米国から供与された秘密の中でも「特別の保護を要する」と指定されたものである。

どういうことかというと、今回の情報流出により、米軍の暗号までが解読される可能性が高まってしまったのである。

アメリカが怒っていないはずが無い。


◆コメント5:ますます、「拒否できない日本」にしてしまったかも知れない。

今月末、小泉首相は訪米する。

今日のニュースによると、かねて小泉首相は、エルビス・プレスリー邸を見学したがっていたが、今回はブッシュ大統領夫妻がみずから、プレスリー邸を案内してくれるのだそうだ。



自衛隊の大失態がブッシュの耳に届いていないはずはない。それにも関わらず、小泉首相に対する異例の歓待。

何だか嫌な予感がする。

アメリカ側は、今回の失態の代償に何かを求めてくるだろう。例えば牛肉。

しかし、一自衛官の失策により、日本国民が、BSEに感染しているかも知れない米国産牛肉を輸入するかどうかは、別の話である。



自衛隊が軍事機密情報を誤って流出させた「から」、日本国民が危険な牛肉を食べなければいけない、という理屈は、論理の飛躍である。



欧米人はこういうときでも、絶対に誤らない。

「故意ではない。過失である。ヒューマンエラー(人間だから失敗することもあるさ)だ」、と平然といってのける。

小泉首相には無理と思うが、簡単に相手の要求にYesと言わないでいただきたい。我々一般国民が防衛庁のミスの償いをする義務は無い。

長くなったが、先日私が、防衛庁の「省」昇格などもってのほかだ、と書いた理由もお分かり頂けるのでは無かろうか?

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