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2006.06.30

「<拉致問題>めぐみさん『94年に自殺』金英男さん会見」←本当のことを言うわけはないが・・。

◆記事:<拉致問題>めぐみさん『94年に自殺』金英男さん会見

【ソウル堀山明子】日本人拉致被害者、横田めぐみさんの夫とみられる韓国人拉致被害者、金英男(キムヨンナム)さん(44)は29日、北朝鮮・金剛山のホテルで記者会見した。

韓国共同取材団によると英男さんは、「めぐみさんは94年4月に自殺した」などとする北朝鮮当局の主張通りの発言を繰り返した。

04年11月、めぐみさん拉致の事実調査のため訪朝した日本政府代表団に提出した「めぐみさんの遺骨」が後に偽物と判明した問題については

「私とめぐみに対する侮辱であり、耐え難い人権じゅうりんだ」と反発した。

さらに自分が北朝鮮に拉致されたことを全面否定。「私の問題はこれで幕を下ろしたい」と拉致問題の幕引きを宣言した。

記者会見は約45分間行われ、母崔桂月(チェゲウォル)さん(78)と姉金英子(キムヨンジャ)さん(48)も隣に座った。

めぐみさんの娘キム・ヘギョンさん(18)も同席する予定だったが、直前に取り消された。

めぐみさんの病状について英男さんは「うつ病による精神分裂だった。好転した時に自殺しようとすることが何度もあった」と述べた。

また「めぐみは幼いころ事故で脳に大きな損傷を受けたと話していた」と語り、体調悪化がうつ病を誘発させたとの見方を示した。

また北朝鮮はめぐみさんの死亡時期を93年3月から94年4月に訂正したため、信ぴょう性に疑いが出ているが、

英男さんは「いろいろ説があるが、別の機会があれば話す」と回答を避けた。(毎日新聞) - 6月29日22時54分更新


◆コメント:素人診断はいけないけれど、プロは書かないだろうから。

金英男氏はこれまでの北朝鮮政府と符丁を合わせているだけであろうと思われる。

つまり、横田めぐみさんが自殺した、ということについて、である。しかし、これが、如何にも「とってつけたような」状況説明なのである。



こう言うときにこそ、医学生諸君や精神医療従事者は何か書いていただきたいのだが、プロたるもの、これだけの状況説明で安易に判断を下すことが出来ないであろう。

それも無理もない。そこで、私が調べて書いた。

結論。横田めぐみさんの「自殺」に関わる供述がおかしい。

第一に、めぐみさんが幼い頃に頭部外傷を負い、それがうつ病発症の遠因だったということ。

うつ病の原因は大別して、


  • 内因性(本当の端緒は不明ながら、脳内神経伝達物質のバランスが、何かの拍子に崩れること)

  • 反応性(環境の変化、進学、就職、転校、転職、昇進、引越しなどによる環境の変化がもたらすストレスが原因と考えられるもの)、

  • 症候性(身体疾患に伴い、発症するうつ病。内分泌疾患(甲状腺ホルモン分泌異常など)、膠原病、ステロイド治療中の疾患)となっている。


本によれば、頭部外傷がうつ病の原因となることも皆無ではない、とあるが、通常、外傷後数ヶ月以内に発症するのであり

怪我をして何十年も経てから、突如それが原因でうつ病になるという例は、無い(勿論、私が調べた限りにおいて、である)。


◆決定的におかしな発言「うつ病による統合失調症だった」

うつ病は、脳内神経伝達物質セロトニン及びノルアドレナリンのバランスが崩れることが原因と考えられている。

他方、(この翻訳者は「精神分裂」という言葉は使用不可であることをしらないようだが)統合失調症は、同じ脳内神経伝達物質ではあるが、

ドーパミンが過剰に分泌されることにより、幻覚・幻聴・妄想などの「陽性症状」が起きる疾患であり、それによって自殺することは無い。



あえて、統合失調症とうつ病を関連づけるなら、逆である。

統合失調症といえども、陽性症状だけを呈する症例ばかりではなく、気分が落ち込む「陰性症状」というのもある。

これからうつ病と殆ど変らぬ状態になることはある。



だから、「うつ病が原因で統合失調症になり、自殺した」という金英男氏の説明は素人が聞いてもおかしいのである。


◆本稿は医学論文ではない。横田めぐみさんは生きているだろう、と言いたいのだ。

以上述べたことはプロが見れば、ツッコミどころの宝庫だろうが、そんなことは問題ではない。

横田めぐみさんは、帰国を許された5人の拉致被害者よりも「要職」についているらしい。金正日の息子、金正男の日本語教師を務めたとも言われている。



位が高くなるほど、国家の機密事項を沢山知っているはずで、それが、北朝鮮が横田めぐみさんを手放さない理由であると考えるのが、妥当である。

元北朝鮮工作員安明進氏の北朝鮮拉致工作員を読むと、

一層その確信が高まる。


◆要約:何を言いたかったかというと、

日本人が、金英男氏の証言をただひたすら、「嘘だ」と言うだけでは能がないので、医学的矛盾点を指摘したのである。

医学は高度に専門的な領域である。素人がなまじ知ったかぶりをするわけではない。それも十分承知している(私は医師の孫である)。



しかし、プロは書いたら責任が生ずる。下手なことはかけないだろう。

だから、ハズれても、指摘した点が頓珍漢でも、失うものがない私が、敢えて書いた。

ただ、「めぐみさんは生きているに違いない」と「信念」を繰り返すより、すこしでも北朝鮮の発言の矛盾点を指摘した方が現実味を帯びる。

それが、本稿の目的である。

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» 拉致問題、真の対話と圧力を実行せよ。 [閑話ノート]
“北朝鮮金剛山”劇場の“金英男氏家族の再会と記者会見”劇が閉幕した。 金英男氏はすべての出演(出番)が終わると、台本の入っている高価そうなドキュメント・バックを北の当局者に返した。 本劇場の最大の特徴は、予め用意された北朝鮮の脚本と舞台演出家によって、 マインド・コントロールされた悲劇の主人公、金英男氏自らに語らせたことである。 拉致されたことを自ら否定し、自分(金英男氏)は救出されたのだと。 妻(横田めぐみさん)は死亡したのだと。。。 死亡... [続きを読む]

受信: 2006.07.02 06:50

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