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2006.07.25

「ドミニカ移民」にあれほど同情しながら、北朝鮮拉致被害者には無関心な、内閣総理大臣。

◆7月21日の総理会見「一日一小泉」における質疑応答。

記者:ドミニカ移民に対して今日、総理は談話を発表されましたが、談話にはどのような思いを込められたのでしょうか。

小泉:遠く離れた、移住地で大変な苦労をされた。しかも思っていたところとは違ってね。とても農業が出来るような土地ではなかったと。

そういう点で、政府としても、反省すべき点があると、大変ご苦労をかけたなという思いをね、率直に談話に込めたんです。

そしておかげさまで、50周年記念式典の中で、ドミニカ共和国ともこれから友好裡に発展していこうと、

そういう思いのうちに50周年の記念式典を行う運びになれてね、良かったと思っています。

記者:原告団には直接どのような言葉で謝罪の気持ちを伝えたのでしょうか?

小泉:ご苦労をかけた、と。皆さんの努力・苦労は我々の想像を超えるようなご苦労があったと思う。

これは私は、移住する方の努力とか苦労ってのは大変なんですね。

日本人がここまで国際社会の中で信頼されるというのは、移住者の方々の努力とか、海外に出ている企業のみなさんの努力多いんですね。

何故か?

日本人は真面目だと。約束を守ると。勤勉だと。現地の人より努力しているという、実際の活動があるんですよ。

だから日本人てのは信頼あるんですよ。これは海外旅行するとね、移住者だけじゃありません。企業の社員を見てもそうです。

現地の人から信頼されるというのは、もう、日常の行動を見ているのですよ。これは大きいですね。

他の国民とは違って、一目置かれているというのは、実際に日本を離れて、働いている人達の毎日毎日の行動が大きいと、痛感してます。

記者:移民問題に対する総理の思い入れの強さはどこから来るのでしょうか?

小泉:会ってみればわかりますよ。ひとたび国を離れて生活してみれば分かります。

気候も違う。言葉も違う。風習も違う。食べ物も違う。そこで一生を過ごそうと思って日本を離れるんですよ。苦労は並大抵のものではないです。

(文章化=テープ起こし by JIRO)

【為参考】一日一小泉


◆コメント:ドミニカ移民にこれほど、同情心を覚えるなら、北朝鮮拉致被害者にはどうして冷淡なのか。

ドミニカ移民に限らず、ブラジルにもメキシコにも、またハワイにも、国が与えた誤った情報に基づいて移住し、辛酸をなめたひとは大勢いる。

その中でドミニカ移民に対してのみ謝罪するのは、不公平ではないかと思う。



この日の記者会見では、小泉純一郎氏としては珍しく、記者の質問に対する答えが、きちんとしたセンテンスになっており

(フレーズ=句、ではないという意味)、発言内容も大筋では間違っていないのだが、気が付かないうちに、話の対象をすり替えている。



「海外へ移住する人の覚悟は並ではない」、のは正しいが、ドミニカ移民は、「本当の事を知っていれば、移住などせず、無駄な苦労をしなくて済んだと」いって、

日本政府に賠償を請求しているのだ。

「その苦労が並じゃなかったはずで、彼らの努力が海外の日本人の評価を高めることに貢献した」と云われても不本意であろう。



第一、ドミニカ移民は、現地では安い賃金で重労働を強いられて、疲弊しきったのである。

現地民が日本人を正しく評価していたら、それなりの経済的成功と社会的地位を獲得しているはずで、このような訴訟が起きるはずがない。



但し、同じく自らの意志で海外に移住して、幸い成功し、現地において相応の社会的評価を得たた日本人もいるのも事実だ。

小泉首相の言葉はこのような人々に対して向けられるべきである。

ドミニカ移民に対してはただ謝るしかない。


◆海外駐在員の努力に対する首相の評価は正しいが、それならもう少し気を配ってやれ。

企業の海外駐在員の苦労が日本の名を世界に知らしめたと言っても過言ではない。その意味で小泉首相の評価は正しい。

日本が世界第2位の経済大国と成り得たのは、勤勉な労働力、すぐれた科学技術、その応用としての製品開発力があったことと、

その商品を実際に外国に行って、日本人のことなど眼中に無かった、欧米人やアラブ人、

ときにはアフリカの内陸部、世界の何処へでも飛んでいった「商人」がいたからである。



この、主として昭和40年代の海外駐在員の様子を知るために、深田祐介氏の新西洋事情 を、

一度で良いから読んでみて下さい。



深田祐介氏は、昭和50年にこの本を発表したが、当時日本航空の事務方のサラリーマンだった(後に作家に転職する)。

仕事の合間、週末にせっせと書きためた本である。エッセイストに与えられる賞としてはかなり名誉な、大宅壮一賞を、

プロの物書きではなくて、サラリーマンが受賞したので有名になった。



深田氏自身、このような本を書くぐらいだから、当然海外駐在経験があり、ロンドンやら何カ所かの支店に勤務した。

そのときの自らの体験と、同時期に海外で苦労した商社マン、メーカーの海外営業の人。海外で日本食レストランを始めた人、

などの本当は「苦労話」なのだが、巧みなユーモアを交えて重苦しくならないように、軽妙な文章で読みやすく書かれた大変に面白い本である。

まだサラリーマンというものをやったことのない、学生さんが読んでも面白いだろう。

なお、新・西洋事情というタイトルは福沢諭吉が100年前に書いた「西洋事情」から来ている。

この本によって、「プロジェクトX」が放送される数十年前に、多くの日本人が「海外駐在員の苦労」を知ったのである。



お断りしておくが、私も海外駐在を経験したので、この本を褒めているのではない。自分が苦労したと言いたいのではない。

私は、この本が書かれた18年後の海外駐在員で、私が経験した程度のことは、昭和40年代の先輩諸氏に比べたら苦労のうちに入らない。

それでも、やはり、昔も今も共通する困難は確かにある。だから、この本を読むと泣けてくる。



前置きが長くなったが、小泉首相の言葉は正しいのだが、その割に日本国は日本の発展に尽力した海外勤務者に対して配慮がなさ過ぎると思う。

ロンドンのような大都会で、最盛期には日本人が4万人~5万人(家族を含む)も済んでいる場所ですら、

日本政府が派遣した医師はロンドンの北部と南部に一人ずついるだけで、街の開業医の域を出ない。

つまりすこしやっかいな病気になると現地の病院を紹介してくれるが、英語が苦手な奥さんに通訳がつくわけではない。

虫垂炎になったら、イギリス人に手術して貰うしかない。



歯医者は日本政府派遣の歯科医は皆無である。日本人の歯科医はいるが、保険などないから、馬鹿高い。

私は仕方なく、イギリスに帰化した中国人歯科医に診てもらった。

何処がどう痛むのか英語で説明するのですぞ!

何故中国人にしたかというと英国人歯科医はちょっと悪化した状態の歯をすぐに抜いてしまう、と言われていたからである。

手先の器用さはやはり東洋人が優る。幸い親切な医師で、何も問題は無かった。しかし、日本人歯科医がゼロってのは無いでしょう?

日本国内で歯科医はそれほど不足していましたっけ?



更にメンタルヘルスの問題である。

これは駐在員よりも、奥さんに問題が出る場合が多い。もちろん言葉が第一の原因となる。

私の家内は幸い人付き合いが好きで、主に日本人だったが知り合いが大勢出来た(英語は驚異的に下手なままだったが)し、

生来クヨクヨしない人間なので、ノイローゼの心配は無いだろうと思っていたが、その予想は的中した。



しかし、人間、十人十色である。

「人間に生まれたからには社交的でなければならない」という理屈はないだろう。

また、人には得手不得手がある。数学は得意だが、英語は苦手だという人がいて当たり前だ。

引っ込み思案で英語が全然話せないと、日本人とも英国人とも付き合わず、

買い物に行ってもちょっとした会話が出来ないのを必要以上に苦にして、次第に抑うつ状態になる奥さんは、かなりの数に上る。



また、日本人が多数居住する地域に住むと、独特の「奥さんコミュニティ」が出来る。

あまり説明は要らないと思うが、女性の人間関係はなかなか難しい。はっきり言ってネチネチと嫌らしくなりがちだ。

ときにはイジメに遭う人も出る。こうなると最悪で、毎日異国の地で家の中で泣いている。

幼い子どもがいると育児ノイローゼが重なって、一層危険な状態となる。

これは、極秘とされていたが、1996年~1997年にかけて、日本人駐在員の奥さんが立て続けに自殺し、

日本式棺桶の供給が間に合わなくなるほどだったことがある。

企業はこういうことをひた隠しにするから日本で話題になることは絶対に無かったはずだ。



在外公館(英国なら英国大使館、領事館など)は、そういう情報を知っているくせに見て見ぬふりをする。

日本人がいる全ての外国には無理だと思うが、可能な限り精神科医とカウンセラーを常駐させるべきである。



長くなるが、あと二つだけ。



一つ目。日本政府は、海外駐在員の奮闘が日本の発展に寄与したと思うのなら、

彼らの子女が帰国したときの受け皿(帰国子女用のクラス、又は学校)を増やすべきだ。

これは、運の善し悪しがあり、日本語が中途半端な年齢で英語圏に住み、しかし、英語がネイティブ並になるとは限らず、

その状態で帰国内示が出ると、日本語も英語も中途半端で、他の勉強も正確な知識が身についていない、という悲惨なことになるのである。

こうした子どもには、専門家による教育が必要だが、公的な施設で「帰国子女」を対象とした学校は無い。



最後の一つ。小泉首相はドミニカ移民にひどく同情的である。

確かに気の毒だが、彼らは少なくとも移住を自由意思に基づいて選択し、日本に帰ってくることも出来た。

ドミニカ移民に苦労をかけたと謝罪するのなら、全く自分の意思に反して北朝鮮に拉致され、帰国もままならない横田めぐみさんたちに関して、

小泉首相はどうしてあれほど無関心なのだろうか。ドミニカ移民以上に理不尽な苦労をしているのは拉致被害者だ。

一体、あの人の頭の中はどうなっているのだろうか?

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コメント

マスコミが本当に御用新聞、御用テレビなんですよね。
本文中でもリンクを貼っておりますが、ぶら下がり会見の様子を、一日一小泉などで見ると、質問している「小泉番」が、学校を出たて(実際は入社何年目の記者か分かりまんが、そのように私には聞こえてしまうのです)の、兄ちゃん、と姉ちゃんなんですよ。あれじゃ舐められますよね。

昔は総理番記者は政治部のベテランがやるのが当たり前で、時の総理大臣に鋭い質問を飛ばしていましたが、今は、明らかに記者の側が気圧されており、オドオドと、小泉首相を怒らせないように、顔色を窺いながら質問している。あれじゃダメですよ。小泉君の回答を聞けばツッコミどころの宝庫なのに、そのまま「はあ、そうですか」とすごすご引き下がる。あんなことなら、記者など止めて貰いたいですね。

投稿: JIRO | 2006.07.27 22:30

謝罪すれば絵になる。しかも一瞬で済み、宣伝効果は抜群である。メディアコントロールに対する嗅覚の鋭い判断だと思います。それに対して拉致問題は難しい課題をたくさん抱えていて下手に手を出せばさらにヤヤコシイことにもなりかねない。そういうことに関わっていてはメディアコントロール効果は薄くなる。だから、冷淡なのでしょうね。私は、そんな首相を支持していませんし、もちろん選挙でも与党には投票していません。一応、日本という風土には愛着がありますから……。

一方で、そんな簡単な手によってコントロールされてしまう日本のマスコミも情けないと思います。というよりも、マスコミの能力の低下が、この国の不幸の原因のひとつなのかもしれません。

とにかく、声をあげていかなければ…と思います。

投稿: TAC | 2006.07.26 23:20

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