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2006.08.09

6月14日に可決した「健康保険法等の一部を改正する法律案」の内容は、あまりにも酷だ。

◆高齢者の医療費があがる。長期入院患者は全額負担。

今更、書いても、と思ったが、知らないよりは良いだろうと思い、取り上げることにした。

約2か月前、6月14日、参議院本会議で「健康保険法等の一部を改正する法律案」が自民・公明の強硬採決により、可決された。

これによって、次の事が現実となる。


  1. 今年10月から、現役並の所得がある70歳以上の人の医療費窓口負担は、2割から3割に引き上げられる。「現役並」の基準は夫婦2人の世帯で年収520万円である。

  2. 2008年4月からは、所得の多寡をとわず、70歳以上の全てのひとの窓口負担が1割から2割に引き上げられる。

  3. 入院患者については「療養病床」(慢性的な病気で長期間入院している人の病床)に入院している70歳以上の人の食費と居住費が、今年10月から全額自己負担になる。いきなり、月3万円の値上げで、9万円になる。2008年4月からは、全額負担の適用年齢が65歳から69歳の人に拡大され、この場合、月13万円の入院費になる。



◆高齢者が新たな年金保険料を天引きされる。

2008年4月から、75歳以上の人は全て「高齢者医療制度」に加入させられ、平均年間6万円の医療費(病気じゃなくても)を年金から「天引き」される。

国民健康保険の加入者だと65歳から「年金天引き」が行われる。


◆高齢者だけではない。高額療養費(人工透析など)の自己負担率も上がる。

高齢者のみならず、入院や手術が必要となったとき、「高額療養費」においても患者負担が増額される。

人工透析の場合は、所得が一定額以上の患者は、自己負担額が倍になる。


◆どさくさ紛れの強行採決。

この法案が、可決したころ、世の中はワールドカップサッカー(6月9日~7月9日)が始まったばかりで浮き足立っており、面倒くさいニュースは国民の多くが注意を払わない事が予想された。

また、折しも、村上ファンドに福井日銀総裁が投資していたことが明るみに出て大騒ぎになり、ますます、医療制度「改革」法案のことなど、考えなかった。

そして自民・公明による強行採決である。



医療財政が本当にどの程度逼迫しているかの説明がなく、仮に少子高齢化に鑑み国民の負担が増加するのはやむを得ないとしても、

長期入院患者や、慢性的な病人はもともと働けないか、給料が上がらず、その上医療費で家計が苦しい。

このような、一番苦しい人々からまず金をむしり取る必然性がない。まず、比較的余裕があるところから取るのが順序だろう。

私は、昨年、障害者自立支援法案が成立した時にも書いた。

月収が10万円に満たない障害者の負担を増やすのは、酷い。



昨年亡くなった、後藤田正晴・元官房長官の「時事放談」での発言を集めた日本への遺言

という本に、次のような一節がある。

小泉政権は「強者の論理」が強すぎる。

やはりどんな時代になっても、

立場の弱い人、気の毒な人は出ている。

ならば、そういう人に対して

政治の光をどう当てるかということは、

政治を担当する者の、大きな責任だと思う。


私が付け加える事は、全くない。賛成だ。

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コメント

TACさん、こんにちは。

私も、既に他界しましたが、かつて実家で一緒に住んでいた祖母が、今でいうところの認知症になり、最後は
寝たきりとなり、其れが何年も続き、遂に自宅では面倒を見ることができなくなり、入院させた経験がありま
す。、父がまだ健在でしたから、どうにか経済的にやりくりできましたが、経済的なことばかりではなく、精
神的なストレスがものすごかったことを記憶しています。

おっしゃるとおり、現政権は明らかに「弱者を虐待」しているとしか思えず、日本人はあまりにもおとなしす
ぎるのではないかと思います。

本文で書き損ねましたが、どうして「医療制度改革」で国の負担を減らすかといえば、例の「拒否できない日
本」にあるとおり、米国の圧力が背後にあるとおもいます。近年、「何歳からでも入れる」「医師の診断書も
要らない」外資系の保険会社のコマーシャルが目立ちますが、ようするに、公的補助で賄いきれない分、民間
保険で賄いなさい、ということで、それと規制緩和により、外資系保険会社の参入を容易にしたのが同時です。


アメリカの金融界を支配し、政権に殆ど直接的に影響力を持つ、ロックフェラーや、イギリスのユダヤ財閥、
ロスチャイルドが結局、背後にいるのでしょうね。

投稿: JIRO | 2006.08.14 01:56

先生、ご無沙汰しております。コメントをありがとうございます。

NEET論は以前から拝読しておりますが、今回改めて通読させていただいている最中です。

素人の私ごときが申し上げるのは僭越ながら、日本におけるNEET論で、これほど多角的な考察は他にないので
はないかと、驚嘆している次第です。わざわざお知らせいただいて、大変に恐縮です。

今後とも、勉強させていただきたいと存じます。
よろしく御願い申し上げます。

投稿: JIRO | 2006.08.14 01:34

我が家も高齢者をかかえていますので、多少元気な今の時点では何とかなっていますが、両親が倒れたら大変なことになるでしょう。

英米式「グローバリズム」を口実に「企業の国際競争力」を問題にして、強者救済・弱者圧迫を続けてきた小泉政権ですが、それがセーフティー・ネットの破壊と経済格差の拡大につながり治安を悪化させて、普通の人々の希望を奪い続けています。自分のブログにも書きましたが、保険や年金制度も、外国人労働者の受け入れをきちんとして税金等の負担も行うようにすれば条件は今までのデーターとは大きく変わっていきます。「グローバル化」を口にするなら、それをすれば良い。普通に働いているだけの外国人と接する機会はそれなりにあるので、本当にそう思います。外務省や闇経済関係者の利権を守るためだけの労働鎖国政策ではないか、それによって外国人労働者も酷い扱いを受けているし、ごまかしのデーターで恐怖を煽られている一般国民も酷い目にあっているのです。

とにかく、流れを変えなければ……と思います。

投稿: TAC | 2006.08.09 12:29

jiro様

御無沙汰しております。あまり勤勉なブログ執筆者ではありませんが、ニート論を纏めてみました。また、しばらく休載しますので、その前にトラックバックします。

 本業のほうにも精力を使わないといけないので。このあたりが、ブログ執筆者の懸案の課題になるでしょう。

ところで、小泉政治はこの数十年間の自民党政治の総決算ではないかとおもいます。中曽根政治以来の四分の一世紀の政策の結果でしょう。それ自体をここで論じることはできないので、その現象形式の一つであるニート論を纏めてみました。

投稿: ichiro | 2006.08.09 12:19

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