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2006.09.18

ソプラノの 森麻季という人、日本音楽史上最高の声楽家ではないかと思います。お薦めCD。

◆こんなに上手い人を聴いていなかったとは、不覚。

森麻季(もり・まき)というソプラノ歌手がいます。

オペラでもリートでも宗教曲でも何でも歌えます。

叙情的な「リリック」から技術の極み「コロラトゥーラ」という非常に難しいのまで、こなせます。

ものすごい上手さと美しい声。世界に誇る日本人歌手と言っていい。

声楽家になるために生まれてきた人なのではないかと思います。



しかし、恥ずかしながら、最近まで私は森麻季さんを知らなかった。不覚。

家内が矢鱈と上手いソプラノがいるから聴いてみろとしつこく薦めるので、先日CDを注文して、昨日届いたのです。



私は常々書いているとおり、「音楽」というとまず、オーケストラの音が頭の中で鳴り響くぐらいオーケストラが好きなので、

どうしても、歌は発見が遅れるのですが、今回は感激しましたね。


◆ドミンゴのコンクールで優勝したのです。

三大テノールというと、ドミンゴ、カレーラス、パバロッティです。世界中を回っていますね。

もちろん、彼らは、本来あれが商売じゃないんですよ。オペラ歌手なんだから。

それぞれ別の仕事をしているのが本来の姿なのですが、「三大テノール」をやるとものすごく切符が売れて儲かるので、

ついには、何とかスタジアムみたいなところで、マイクを使っているわけです。

あれで私は激怒しました。

「馬鹿野郎!マイク使うなら、クラシックの歌うたい(歌手のこと)なんざ、さっさと辞めちまえ!」

と、ここで、また声楽家に偏見が入りました。

ところがドミンゴ主催なのか、名前を貸してるだけなのか、とにかくドミンゴの声楽コンクールがあり、

森麻季さんは、ここでドミンゴに認められたのが幸いした。

クラシックの音楽家も、名前が知られるようになるには運が必要です。


◆カーネギー・ホールでのリサイタル・ライヴです。

今日、お薦めするのは、2003年5月、カーネギー・ホールにおけるリサイタルのライヴです。

説明が長くなるので結論だけ書きますが、カーネギーでリサイタルを出来るということはそれで、世界的なレベル。

「超一流」の太鼓判を押されたも同然です。目が眩むほどの名誉です。

厳密に言うと、カーネギーデビューが成功したらってことです。

で、森麻季さんは完全に成功しています。

こんな美しい、透明な声は初めてです。ただ、声がよくても歌が上手くなければダメですね。

テクニックということです。声はある程度先天的なものがありますが、テクニックは勉強(練習)しかありません。

で、森麻季さんの声のコントロールは完璧なのです。
はっきり言って、歌の人は、音楽家の中では、音程が悪い人が多いです。

そりゃ、他の流行り歌(はやりうた)の歌手とは次元が違いますよ。

しかし、一番耳が良いのは弦楽器のプロです。弦は耳が悪い人はなれません。

その耳の良さは人間わざとは思えない。1Hzの違いを聞き分けてしまう。

歌の人はそこまで分からないです。普通は。

ところが、森麻季さんは歌の前かなりピアノをやっていたらしく、ということは、幼いときから聴音の訓練を受けていたと思われます。


◆おすすめは、これ。

前置きが長くなってしまいました。

上述した、カーネギーデビューのCDは、あなたがそばにいたら~Bist du bei mirです。

全部、ブラボーです。

4曲目。ヘンデル歌劇「リナルド」より「涙のながれるままに」は、今まで「私を泣かせて」と訳されていた曲です。

私はこの歌が大好きなのですが、森麻季さんの演奏を聴くと、改めてこれほど美しい歌だったのか!と驚嘆します。

そういう風に聴衆に感じさせる音楽性が素晴らしい。ボロボロ泣けます。

日本に西洋音楽が輸入されてから150年。数え切れないほどの人が声楽を勉強しましたが、

森麻季さんは、まず、間違いなく、その歴史の中でソプラノからバスまで含めた全ての歌手の頂点に位置する人だと思います。

これは、聴かないと損です。本当に。


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コメント

天は2物を与えずといいますが、森麻季さんは正しくこの2物を与えられた天の傑作です。
オペラは舞台で発表されますので声だけでなく容姿も重要な要因になります。
彼女なら、世界のどこでオペラを歌っても受け入れられます。日本人には
めずらしい国際レベルのオペラ歌手です。

投稿: 河合 英男 | 2013.09.13 02:07

戸塚 幸さん、こんばんは。 JIROです。

ご感想を、ありがとうございます。

>森麻季 というソプラノを初めて聴きました。

それは、羨ましい!というのは皮肉でも何でもなくてですね。

これから、森麻季さんの演奏を次々に知ることができるというのはラッキーです。

とにかく何を歌っても上手いので、私は毎回、驚嘆しています。

Amazonで検索するとすぐに見つかりますが、

ピエ・イエス http://amzn.to/17Omw5v

愛しい友よ イタリア・オペラ・アリア集(これは、コロラトゥーラの技巧全開です)

http://amzn.to/17OmGtN

麗しき瞳よ ヘンデル・アリア集

http://amzn.to/17OmN8P

アヴェ・マリア 

http://amzn.to/17OmTgA


4つの最後の歌(R・シュトラウスですね)

http://amzn.to/17On0c4

どれも素晴らしいのです。

オペラ、宗教曲、歌曲、小品集、

どれを歌っても、戸塚さんが、おっしゃるように、今までの日本のソプラノとは全く、次元の違う

上手さと音楽性です。

是非お聴きになって下さい。

投稿: JIRO | 2013.07.01 21:12

森麻季 というソプラノを初めて聴きました。

今までの日本人のソプラノとは違う!
存分に、思いのままに声を出している。
大口あいて体中が共鳴している。
かっこいいけどかっこつけていない。

好きになりそう!
もっと聴きたい!!

投稿: 戸塚 幸(ミユキ) | 2013.06.28 23:11

華麗さん、はじめまして。

>三大ソプラノや三大バスもあるのでしょうか?

無いと思います(^^ゞ

投稿: JIRO | 2010.07.16 03:18

はじめまして、三大テノールは有名ですが!
三大ソプラノや三大バスもあるのでしょうか?

投稿: 華麗 | 2010.07.16 01:50

安子さん、超亀レスで、申し訳ない。
日本人のオペラ歌手が海外で歌うというのは、本来奇跡なわけです。

「蝶々夫人」以外は西洋人のストーリーに音楽を付けたものですから、
西洋のオペラ主催者から見れば、そこに東洋人を加える「必然性」が無い。明らかに視覚的な違和感がありますからね。

それでも、外人が「頼む。ウチ(の歌劇場)に出てくれ」と、先方から頼みに来る。というのは、並大抵の上手さではない、と言うことです。外人と同じ程度の上手さなら、外人を使えばよいのですから。

今週、森麻季さんご自身がコメント欄に書いてくださったように、イタリアオペラのアリアを録れた森さん2枚目のCDが出ます。

聴いたら、また感想を書こうと思います。

正直なところ、最近、天下国家を論じるのに疲れました。

投稿: JIRO | 2006.10.22 22:52

森麻季さん、アメリカ(ワシントンDC)ですがトップランナーを今見ています。(ほぼ放映日か数日後にNHKのみですが見れるのです)何度見てもご本人の声と信じられなくて「なんとまあ、オペラ歌手の真似が上手な女優さんなんでしょう!・・・と思ってしまうくらいです。目をつぶって聞いてみるとやはり、典型的なオペラ歌手の女性(いわゆるちょっと大きめ)の方かと思ってしまうのです。
ワシントンで初舞台をされたあの日、私たちはどうなるのだろう、どうなるのだろうと不安でたまりませんでした。(今でもまだやはり不安はあります)麻季さんも泣かれましたが、聞いていた私も泣いてしまいました。音楽って本当にありがたい。そう思いました。今後もご活躍されるよう願っています。(DCにもまだ来ていただけると嬉しいです)

投稿: 安子(バージニア) | 2006.10.02 15:17

JIROさん、よかったですねえ!
さすが。うらやましい!素直さの勝ち!

投稿: ken | 2006.09.28 10:24

あ、あの・・・。
森麻季さん、ご本人ですか?
拙ブログにご本人のコメントを頂けるとは、無上の光栄。
素人が分かったようなことを書いてしまいましたが、ご勘弁のほど。
極度の感激から何を書いて良いか言葉がでません。
月並みですが、今後のご活躍を心より祈念いたします。
今一度、わざわざ、当ブログへお越し頂きましたことに、
御礼申し上げます。
ありがとうございました。

投稿: JIRO | 2006.09.27 02:38

JIRO様 こんなにクラシックのこと、声楽のことをわかってくださっている方に、高い評価を頂けてとても光栄です。先日NHKのトップランナーという番組に出演したことをきっかけに、ご推薦頂いたCDがアマゾンのクラッシックベストセラーCDで1位になりました。まだまだ未熟な演奏ですが、この10月にイタリアのオペラばかりを入れたCDが新しく発売されます。よろしければこれからも応援頂ければ幸いです。ありがとうございました。

投稿: 森 麻季 | 2006.09.26 22:52

kenさん、ありがとうございます。こちらこそご丁寧なレスを忝なく思っております。

>初代ウルトラマン放映のときに小学1年生でした! 「オーケストラがやって来た!」が大好きでした。

あ、それでは、殆ど同じ世代ですね(笑)。

CD、いまだに国内版高いですね。ナクソスなんて格安のレーベルが出てきて、
あんなの私が学制の頃は当然ありませんが、学生さんで色々聴いてみたいとい
うような人は、何しろ1,000円しないんですから、あっちへ言ってしまいますね。

ナクソスや関連レーベルでは、日本のオーケストラまで録れていますからね。
伊福部昭さんの前衛的な作品とか、外山雄三さんの「管弦楽のためのラプソデ
ィ」を都響がナクソスから出していたり、ハンガリーのフンガロトンは「武蔵
野音大オケによるベートーベンのシンフォニー(何番か忘れましたが)を録れ
てるのですから、驚きます。

フォンテックという小さいレーベルなど、録音が優秀なのですが、何しろ、大
資本が助けないと、CMも流せません。ところがどうしても日本の政財界のエ
ラい人たちで、そういうことに手を出してみようという人はいないのですよね。


>JIROさんの本記事は、音楽家が日本人だ、という事自体には何のハンディもな
>い、ということを私に思い出させ、反省させてくれました。そのことへの感謝
>が、私の文には抜けていたかもしれません。

いえいえ、ご謙遜には及びません。非常に真摯に音楽を愛し、多くの人々に知っ
て貰いたい、というkenさんのお気持ちは、貴ブログを拝読すると良く分かり
ます。

「麻雀オジサンのブル8」、いい話でしょう?

きっかけがあれば、こういうことが、続発(?)する可能性はあると思うので
すが、その「きっかけ」にさえ、なかなか届いて貰えないのが残念なところです。

微力ながら、駄文がこのような「きっかけ」になることがあれば、と、毎回、
祈るような気持ちで音楽について綴っております。

投稿: JIRO | 2006.09.24 13:53

kenさん、コメントをありがとうございました。
貴ブログにてコメントさせていただきましたので、重複は避けますが、大変貴重なご意見に感謝申し上げると共に、kenさんの音楽への情熱を貴サイトからひしひしと感じました。
今後ともよろしく御願い申し上げます。

投稿: JIRO | 2006.09.24 12:44

拙文に丁寧かつ深いコメントを頂き、本当にありがとうございました。
私のトシ・・・初代ウルトラマン放映のときに小学1年生でした! 「オーケストラがやって来た!」が大好きでした。
昨年、ある音楽事務所の人と話をしていて、有名ホールを拠点にしている優れたオケでも集客に相当苦労している旨を伺いました。宣伝するほど、演奏会をするほどに赤字ということもあるそうで。。。クラシックの場合、CDも、国内盤の方が高いでしょう? で、海外盤が出ていれば、そっちを買う。ロックやジャズにはそんなことは殆どないのに。国内オケは9割9分国内盤ですから、なかなか売れないし・・・かくいう自分も買わずじまいです。所詮はクラシックは欧米のもの、という感覚が、好きになればなるほど染み付いてしまうのかも知れない。私は私を私のブログで叱っているのかもしれません。
JIROさんの本記事は、音楽家が日本人だ、という事自体には何のハンディもない、ということを私に思い出させ、反省させてくれました。そのことへの感謝が、私の文には抜けていたかもしれません。
その先は・・・コメントに綴って下さった通り、いろいろ難しいですね。また考えてみたいと思います。
取り急ぎ御礼まで。
本日の記事もいい記事でした(拝読しました)。麻雀オジサンのブル8の逸話には、非常に訴えかけてくるものがあります。

投稿: ken | 2006.09.23 16:14

何度も拝読し、感じるところがあり、記事を綴ってトラックバックさせて頂きました。
ご寛恕お願い申し上げたく存じます。

投稿: ken | 2006.09.21 20:33

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受信: 2006.09.27 20:15

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