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2006年10月

2006.10.31

悪いニュースと良いニュース。共に大きく取り上げられていないものから。

◆記事1:温暖化の損失、大恐慌に相当と 英報告書が警告 (CNN Japan)

http://www.cnn.co.jp/business/CNN200610300027.html

ロンドン――英政府は30日、地球温暖化に関する報告書を発表し、温暖化を放置すれば、

経済的損失は1930年代の大恐慌や2度の世界大戦に相当する規模になると警告した。

報告書は英政府の委託で、ニコラス・スターン元世界銀行上級副総裁らが執筆。

現在のペースで温暖化が進んだ場合、世界各国の国内総生産(GDP)の最大20%に上る損失が予測されるとしている。

一方、温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を抑えるために必要なコストは、世界のGDP総計の1%前後にとどまると述べ、

「経済成長と環境保護を両立させることは可能だ」と強調している。

これについて、ブレア首相は「現政権が出す中で、将来に関わる最も重要な報告書」とコメント。

「温暖化が起きているという科学的証拠はすでに動かし難い。今すぐ行動を起こさなければ、遠い将来でなく、

われわれが生きている間に大惨事が起きる」と述べた。

またブラウン財務相は報告を受け、温暖化防止へ向けた「国際的な取り組み」の重要性を指摘。

欧州連合(EU)が全体として、温室効果ガスの排出量を2020年までに30%、

2050年までに60%削減するとの目標設定を提案している。 (2006.10.30Web posted at: 21:13 JST- CNN)


◆コメント:あまりコメントは要らないと思いますが・・。

つい先日、「地球温暖化悪循環に シベリア湖底のメタン大量放出」という記事を書きました。

そこから更に国連環境計画という組織がとっくの昔に発表したレポート、「地球環境概況2000」へのリンクが貼ってあります。

同レポートには「地球温暖化を防ぐのは恐らく既に手遅れ」と述べられていることなども説明してあります。ご参照下さい。


◆記事2:10月に様々な国際音楽コンクール上位入賞を果たした日本人(注:順不同。JIRO編)

◆ビエニアフスキ国際バイオリンコン:桐朋女子高・鈴木愛理さんが2位

【ベルリン共同】ポーランド西部ポズナニで28日まで行われた第13回ビエニアフスキ国際バイオリンコンクールで、

桐朋女子高校音楽科2年の鈴木愛理さん(17)、東京都出身=が2位に入賞した。賞金は2万ドル(約235万円)。

優勝は地元ポーランドのアガタ・シムチェフスカさんで、3位も同国のアンナマリア・スタシキエウィチさんだった。

32人が14日からの予選で演奏し、8人が最終審査に勝ち残った。

「バイオリンのショパン」と呼ばれたポーランドのバイオリニスト兼作曲家の名前を冠した同コンクールは5年に一度開かれ、

若手バイオリニストの登竜門として知られている。(毎日新聞 2006年10月30日)



◆国際ハープコンテスト:千田さんが3位入賞

【エルサレム前田英司】弦楽器のハープ演奏の分野で最も権威があるとされる「第16回国際ハープコンテスト」の最終審査が23日エルサレムで開かれ、

東京都世田谷区の千田(ちだ)悦子さん(28)が3位に入賞した。

同コンテストは35歳以下の若手演奏者を対象に3年に一度開かれており、

今年は世界各地から書類選考を通った15カ国23人が出場した。

最終選考に残った千田さんはこの日、オーケストラとの協奏に加えて、独奏曲を披露した。
千田さんは小学3年生からハープ演奏を始め、海外留学経験がない「純国産」のハープ奏者という。

3位入賞に千田さんは「ここまで来れると思わなかったので満足している」と笑顔で話した。(毎日新聞 2006年10月24日)



◆バイオリン:17歳の正戸里佳 中2から注目され、パガニーニ・コンクールで3位

◇やっと賞歴できました

◇勉強になった審査員の講評、2000人の大拍手受け幸せ

「やっと賞歴ができました」と笑みがこぼれる。イタリア・ジェノバで行われた第51回パガニーニ国際バイオリン・コンクールで3位に入った正戸里佳。

桐朋女子高3年、17歳という若さで「やっと」と言うのも妙だが、これまで中学3年で受けたヴィエニャフスキ・ジュニア・コンクールをはじめ、

ロン・ティボー、今年の5月のモーツァルト国際コンクールまで、立て続けに最終予選のセミ・ファイナルどまりだったからだ。

広島県の中学2年のとき全日本学生音楽コンクール大阪大会1位を得て以来注目を浴び、国際コンクールの入賞を期待されていただけに、

今回もプレッシャーが強かったのではないだろうか。

「舞台に出ると落ち着くタイプで、プレッシャーはないのですが、今回は風邪をひいていて渡航する前から熱が下がらず、

本選も熱冷ましをしても37度あった。演奏中にセキがでないか、それが心配で。でも予選、本選とも弾き始めたらセキが止まってくれました」

この人は音が美しい。最近の日本人バイオリニストの間では弦に弓を強く吸い付かせて音を出す方法が全盛だが、

彼女は弦と弓の間にあつれきをおこさずに共振させて楽器全体を共鳴させる。やわらかく、温かい美音が生まれるゆえんだ。

それ故に、強さに欠ける面もあり、音楽性と技術を両立させているにもかかわらず、コンクール向きではないとも見られていた。

「セミ・ファイナルのたびに、スークさんをはじめ国際コンクールの審査員のいろいろなバイオリニストに講評していただいたのが、

とても勉強になりました。フレージングもすべて言葉から来ているということを徹底して学びました。

だから今回はきちんと弾ければ本選に残るはずだ、と信じていました」

本選の1日目のチャイコフスキーの協奏曲の1楽章を終えた曲間に、聴衆から大きな拍手がわき起こった。

「あとで係の人から、あなたの演奏を聴衆はいちばん喜んでいたね、と言われてうれしかった。

なぜあなたが1位でないのか、とも言われましたが、2000人の聴衆が聴いて大きな拍手をしてくれただけで本当に幸せです」

(【梅津時比古】毎日新聞 2006年10月17日)



◆ハノーバー国際バイオリン・コンクール:杉村香奈さんが3位

◇ハノーバー国際バイオリン・コンクール(ドイツ) ▽3位=杉村香奈

(毎日新聞 2006年10月18日)



◆ジュネーブ国際音楽コンクール:ピアノ部門 菊地裕介さんが3位

◇ジュネーブ国際音楽コンクール・ピアノ部門(スイス) ▽3位=菊地裕介

(毎日新聞 2006年10月18日)


◆コメント:この他、日本では毎コンが行われていました。

毎コンについては、過去に何度も書いております。

音コン本選たけなわ「ここ一番」で実力を発揮する、ということの厳しさ。、等です。

他にもあります。検索はエンピツの目次ページに検索欄があります。これが、一番使い易いと思います。

「毎コン」で検索してみてください。

中には、毎コンとはあまり関係のない記事も混じってしまいますけど、悪しからず。



今では「日本音楽コンクール」と言っていますが、もともと、戦前に(戦前ですよ!)毎日新聞社主催で始まったものなので、

ずっと「毎日音楽コンクール」、通称「毎コン」でした。

いまだにクラシック関連の人々は「毎コン」と呼んでいるようです。

日本で一番権威があるコンクールです。今年が75回目でした。



今年の各部門の入賞者がここに載っています

コンクールで優勝したからと言って、必ずしもその後大成するとは限りませんが、

日本で音楽家をを目指す若者にとっては、「毎コンに出る」というだけで、大変な決心なのです。

そして、演奏部門(他に作曲部門があります)に限って見ても、今年は声楽、ピアノ、バイオリン(この3つは毎年必ずあります)、

クラリネット、トランペットの各部門があり、それぞれ第一次予選では、百数十人が受けるのです。

そして第二次予選へ進めるのは20人前後。

本選に残れるのは、各部門4人ぐらいなわけです。本選に残るだけでも大変。

第一次予選で落とされた大部分の人々も、受けるからには本選まで残る覚悟で課題曲を練習しているのです。

でも、本当に残るのは、何十分の一な訳です。

「コンクールなんて・・・」と言うのは簡単ですが、「じゃ、貴方、受けてご覧なさい」ってなものです。


◆安藤美姫選手も立派ですが、全然世間に知られずに頑張っている、「音楽家をめざす若者」がいます。

フィギュアスケートでは、トリノオリンピックでの雪辱を果たした安藤美姫選手の健闘が話題になっています。

あれは、本当に立派だと思います。それについては私も全く異存はないです。



しかし、クラシック音楽など、誰も見向きもしてくれない。

くれないけど、世界の檜舞台で上位に入賞している音楽家の卵がこれほどいるのですよ、ということを伝えたくて、延々と記事を引用しました。

各国際コンクールの「格」は全部は、私は良く分かりません。

ヴィエニャフスキというバイオリンのコンクール、ジュネーブ国際コンクールってのは、有名です。

それでも、要するにコンクールというのは、毎コンと同じで、一曲だけ練習するなんてそんな甘いコンクールは無いのですから(NHKのど自慢じゃないのです)、

優勝しなくても上位に残るまでの苦労は、想像を絶すると思います。

音楽(クラシック)に関しては、毎コンを始めただけあって、毎日新聞が一番詳しく、速く伝えます。



少し、話が逸れます。

上の記事の中に、署名記事で「梅津時比古」という名前がありますが、この方は日本で一番優秀な音楽評論記者だと思います。

本も出ていて、ものすごくロマンティックな文章を書く人です。

今は論説みたいな立場なのでしょう。月に2回くらい、音のかなたへというコラムを書いています。

これが、何冊も本になっています。「日差しの中のバッハ」などお薦めですが、高いね。結構。

但し、ときどき演奏会評で、滅茶苦茶に酷評することがあり、「何もそこまで書かなくても」と思うことはあります。

こればかりは主観の相違なので、どちらが正しい、という話ではありませんが。



良いニュースと言っても音楽の話ばかりになってしまいましたが、前述したとおり、あまりにも世間に知られない、

つまり報道されない世界なので、集中的に私が取り上げた、という次第です。

それでは、今日はこの辺で。


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2006.10.29

「カール・ベーム&ウィーン・フィル(1977年日本公演)」(DVD)30年ぶりですね。ベーム先生。お久しぶりです。

◆カール・ベームという指揮者が最晩年、ウィーン・フィルを率いて、日本に来たのです。

今日は、クラシックのDVDをお薦めします。

カール・ベーム&ウィーン・フィル(1977年日本公演)です。

言うまでもありませんが、DVDで価格が高めですから、関心をお持ちになったら、ということです。

(普段、CDをお薦めするときも、当然そういうことです。)



昔、オーストリアの大指揮者、カールベーム(1894年8月28日 - 1981年8月14日)という人がいました。

私が物心ついた頃には、既に世界的に高い評価を受けていました。ウィーン・フィルは昔から日本人が最も好むオーケストラです。

この両者の1回目の来日が、1975年に実現しました(ベームは60年代にも来ていますが、話がややこしくなるのでその話は省きます)。

ベームは当時、既に80歳を超えていました。



コンサート会場は、NHKホールでした。3月16日、17日にそれぞれベートーベンの7番、ブラームスの1番を演奏しました。

あまりの鬼気迫る名演に、ホールはものすごい熱狂的な拍手・歓声に包まれました。

最も冷静な演奏会評を書く、音楽評論家、吉田秀和さん(おととい受勲が決まった、との報道がありましたが、それはどうでも良いことです)までが絶賛しました。



この時の聴衆の反応はカール・ベーム自身、全く予想外のものでした。

彼は老齢にも関わらず、近い将来の再来日を即断したそうです。事実、2年後に再来日しました。お薦めするDVDはこのときのライブです。

(なお、75年の1回目の公演もDVD化されて、

今回カール・ベーム&ウィーン・フィル(1975年日本公演)発売されました。


◆私が「音楽」に本気になるきっかけが、77年公演だったのです。

実は、私自身は今、書いた、「75年公演」を良く覚えておりません。

受験と重なっていたこともありますが、多分、まだ、「音楽」にさほど興味が無かったのかもしれません。



しかし、77年の来日公演までの間に、自分が楽器を習い始めたこともあり、急速にクラシック音楽への興味と知識が高まっていました。

とはいっても、ベーム、ウィーン・フィルのチケットなど。高校生には高くて買えません。

例えお金があったとしても、何日も徹夜して並ばなければならず、

(昔はそうやって、チケットを買ったのです。尤も、徹夜しなければならないのは、ウィーンフィルとベルリンフィルだけなのですが・・)

そこまでする気力が、私にはありませんでした。



このDVDカール・ベーム&ウィーン・フィル(1977年日本公演)には、

1977(昭和52)年3月2日、NHKホールで演奏された、ベートーベンの6番、5番、アンコールの「序曲・レオノーレ第3番」の全てと、

演奏後いつまでも続く、会場の熱狂的拍手・歓声、ステージに駆け寄って、カールベームと握手をしようとする観客の様子が収められています。


◆ウィーンフィルの錚々たる顔ぶれ(伝説的・・・)。

77年公演当時82歳だったカールベームは、無論、全盛期より衰えていますが、まだ、しっかりしています。

芸術に対する冷徹なまでの厳しさが、厳しい表情に表れています。

ウィーンフィルのメンバーは勿論、錚々たるものです。

コンサートマスターに故・ゲアハルト・ヘッツェル先生。サブ・コンマスにはキュッヘル氏。

第一クラリネットはアルフレート・プリンツ先生。第一トランペットは伝説のアドルフ・ホラー教授。



私は、世俗的権威(内閣総理大臣、社長)にはほとんど全く敬意を感じませんが、こと音楽に関しては、もうダメなのです。

会ったこともないのに、心の中で「我が音楽の師」と思っているので、「先生」とか勝手に尊称を付けてしまいます。

指揮者はもう少し冷静に見ているので(自分で音を出す訳じゃありませんから)、付けないのです。

全然、論理的じゃありませんが、まあ、私の中では、できあがった価値観なので、お付き合い下さい。

その他、このDVDには77年来日メンバーの名前が載っていますが、

全てのコンマス、全ての首席奏者をはじめ、ほとんど「総動員」です。

如何に、カール・ベームが2回目の来日を重んじていたかわかります。


◆「運命」のものすごい気迫。

77年公演のプログラムがベートーベンばかりなのは、ベートーベン(1770~1827)の没後150年だったからです。

それに何と言っても日本人はベートーベン大好きですから。



DVDの解説には伝説の「田園」とありますが、

私は、交響曲第5番(「運命」ですね)、そしてアンコールの「レオノーレ第3番」を多くの方に聴いて、見て頂きたいと言わずにいられません。

仮に、世界中の他の人々がどんなにけなすことになっても、

私はこれらの演奏を評価することにかけては、一歩も譲りません。絶対に譲りません。



鬼気迫るような、という日本語はこの時のために存在したのではないか、と言いたくなります。

ベームの厳しい目が「ただの1音もゆるがせにするな!」と全ての楽員に訴えているかのようです。

更に、メンバーの様子が尋常ではない。

あの伝説の名コンサートマスター、ゲアハルト・ヘッツェル先生、クラリネットのプリンツ先生、トランペットのアドルフ・ホラー教授が、

それぞれの音楽的経験・技術・才能、持てるもの全てをかけて、渾身の演奏を「本気で」、これ以上本気になれないほど、本気で、行っている。



管を倍管(通常1人のパートを2人で演奏すること)にしているので当然と言えばそうなのですが、

ウィーンフィルのフォルティッシモのすごさ。フォルティッシモでも、プレストでも乱れないバランス、音色、アンサンブル。

コーダに入ってからのティンパニのすさまじい強打。今のウィーンフィルでは聴けません。

当時、私はNHK FMの生中継でこの演奏を聴いたのです。

一昨日、森麻季さんに関するエントリーで、

人間は、本当に感動したら、ブラボーなどと叫ぶどころか、拍手もできなくなります。あまりの素晴らしさに身体がしびれ、

心臓を鷲づかみにされたような、殆ど胸苦しささえ覚えて、動けなくなります。知らない間に、ハラハラと涙がこぼれます。

と書きました。

私が生まれて初めて、そのような経験をしたのが、この、ベーム・ウィーンフィル77年の「運命」を聴いたときなのです。



30年ぶりにあの感激が蘇りました。

いや、その後、色々な演奏を聴いた後で、聞き直してもより一層感動するのですから、

たとえ、細かいアンサンブルの乱れがあったとしても、そんなことは問題ではないのです。

希代のマエストロ、音楽家による、歴史に残る名演としかいいようがありません。


◆少しだけ、試聴を

本当はいけないけど、どうしても言葉では限界があります。

「運命」の3楽章からフィナーレへの移行部と、フィナーレのプレスト。ボリュームは、こういうのはやや強めに。

そしてその後の猛烈な拍手・歓声をお聴き下さい。→

拍手は最後まで聴かなくてもいいですけど。ときおり拍手に波がある。

マエストロ(指揮者)が舞台の袖に引っ込むと若干弱くなり、ステージに姿が現れると、再び「ワーッ」と盛り上がるので、こうなるのです。

この長い拍手の後、アンコールの「序曲 レオノーレ第3番」が演奏されました。それが、また、火のような演奏で、

もっとすごい拍手になる。いつまで経っても終わらないので、オーケストラは全員引き揚げます。

そして、マエストロだけが何度も舞台に現れ、観客はステージ間際に殺到し、ベームと握手を交わします。

ウィーンフィルのメンバーは、客のあまりの熱狂が心配で、

「マエストロ。もう少し遠くから、会釈するだけにしてください」と頼んだのですが、カール・ベームは

「私は客にこれほど熱狂されたのは初めてだ。私がよろけて落ちて死んでも、それで本望なんだ」

と仰っていたそうです・・・。

とにかく。

「本当の音楽」とは、こういうものを言うのです。

繰り返しますが、このことに関して、私は一歩も譲りません。


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2006.10.28

<履修不足>「所管をしている教育委員会そのものに責任があるんじゃないか」(伊吹文部科学相)←責任者は貴方でしょ?

◆記事:<履修不足>350回の補習も 不安渦巻く生徒たち

受験を控えた高校3年生を巻き込んで、全国に広がった高校の履修単位不足問題。

伊吹文明文部科学相は27日、「(単位不足の高校生に)特別な配慮は難しい」と補習授業を厳格に実施することを求めたが、

岩手県には50分授業を350回も受けなければならない生徒たちがいる。「そんなに受けられるのか」「受験に影響する」。

生徒たちには不安が渦巻く。一方、北九州市の高校では補習授業が始まった。



同日午前、伊吹文科相は「卒業証書を出すまでの間に学習指導要領に決めた通りの授業は受けていただく。

特別な配慮は難しい。みんなが決めたルールを守るところから社会の秩序は成り立っている」と述べた。さらに責任の所在について

「所管をしている教育委員会そのものに責任があるんじゃないか」と言及した。

こうした文科相の発言を受け、各学校は来年3月までに厳格に補習授業を実施する必要に迫られている。

しかし、盛岡市の私立盛岡中央高では、普通科特進コースの3年生51人の履修不足は10単位に上る。

履修が必要なのは世界史B、家庭基礎、情報A、芸術の4科目。50分の補習を計350回受けなければ卒業できない。

(以下略。)


◆コメント:教育行政における構造上の致命的欠陥

伊吹文部科学大臣の言うことは理屈は尤もだが、現場のみに責任を負わせようとする姿勢、

「現実的妥当性」(実際問題として、これから受験生が350時間、受験に関係のない授業を受けること)には疑問が残る(日本史や世界史を全然やらないのは問題だけどね・・・)。

各学校にも、勿論問題がある。しかし、根本的な問題は、教育行政の構造上の欠陥である。

(全国的に、本来受けさせる授業を履修科目をあえて履修させていないということは、カリキュラム自体に無理があるのだろうが、本稿では、その点に関しては保留する)。



現在の日本の教育行政では、大雑把に言うと、文科省は教育内容と教科書を決めるだけである。

そして、都道府県の教育委員会が教員人事を決める。

さらにその下に市町村(及び東京都は23区)の教育委員会があり、学校の設置管理を行っている。



常識的には国の教育行政の大元は文科省にある筈だが、実際には文科省は都道府県の教育委員会に「指導・助言」を行うことしかできない。

すなわち、個別の学校で如何なる深刻な問題が起きていても、文科省が直接的に関与することができないのである。


◆教育委員会は元教師だから、問題を見て見ぬふり。

今回表沙汰になった「履修不足問題」はずっと前から恒常的に行われたことが容易に想像され、

各都道府県、市町村の教育委員会が、それを知らなかったわけがない。

ところが、教育委員会は、元教師が中心になって構成されている為、現場(学校)を監督する立場にあるにも関わらず、

現場を「かばう」のである。今回の「履修不足問題」に限らず、いろいろな問題、不祥事が隠蔽されるのは、このためだ。イジメを親が教育委員会に訴えても相手にされない。

本件に関しては親は多分知っていてもいなくても文句を言わなかっただろうが、

世界史や日本史を全然知らない学生が増えるのは国家的な問題である

(歴史を知らないから、平気で日本を戦争ができる国にしよう、などという戯言(たわごと)を吐くのである)。

このような、「構造上の欠陥」があるとしても、

国が「知らない。所管している教育委員会の責任だ」と逃げて良い訳がない。


◆「国→学校」が可能な制度にせよ。

前の小泉内閣は、「小さな政府」ということをしきりに言っていた。一見、良さそうなイメージを想起するが、こう言うときに問題となる。

国が個別の問題に過剰に関与すべきではないとしても、今回のように全国的に問題が広がっている場合は、国の出番だ。



この問題を学校、教育委員会などに任せておいたら、まず、学校と教育委員会の間、

そして教育委員会内部での責任のなすりつけ合いで時間が浪費されることは、殆ど目に見えている。

安倍首相は、特段の配慮をするように指示したとかなんとか、さきほどニュースで言っていた。

今すぐには無理としても、前述したような多重構造を、場合によっては無視して、国が、現場を指導できるべく、制度を改変するべきだ。



当面は、今の教育行政の構造がどうであれ、国の教育行政の究極的な責任は文科省にある。

文科省を統括するのは文部科学大臣であり、文部科学大臣は言うまでもなく行政府たる内閣の一員である。

つまり、最終的には、本件は行政府たる内閣、特にこれを代表する内閣総理大臣の責任である。

真面目に対処していただきたい。


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2006.10.27

ソプラノの森麻季さんは世界最高水準の音楽家です。

◆森麻季さんの新譜「愛しい人よ~イタリア・オペラ・アリア集」を聴いて動けなくなった。

いつも、私の駄文をお読み頂いてありがとうございます。実は、今日は、いつにもまして、まとまりのない文章になる怖れがあります。



森麻季さん新しいアルバム、愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集を聴いたところです(最初のカスタマーレビューを書きました。書いてから掲載されるまでに若干時間がかかります)。

実は、まだ、全曲は聴いていないのです。それは、勿体なくて、一日で急いで全部を聴くべきではないと思ったからです。

人間は、本当に感動したら、ブラボーなどと叫ぶどころか、拍手もできなくなります。あまりの素晴らしさに身体がしびれ、

心臓を鷲づかみにされたような、殆ど胸苦しささえ覚えて、動けなくなります。知らない間に、ハラハラと涙がこぼれます。

今日の私がその状態なのです。


◆森さんは、「日本音楽史上最高」どころではない、「世界第一級の芸術家」です。

声楽家・ソプラノの森麻季さんのことは、以前御紹介しました。
エンピツならば、ここに

ココログならばここに、それぞれログがあります。

どちらも同じ内容で、タイトルは

「ソプラノの 森麻季という人、日本音楽史上最高の声楽家ではないかと思います。」

となっています。今、自分の不明を恥じています。

森麻季さんは、日本云々ではない。世界最高水準の音楽家・芸術家です。

たまたま、前回私のブログにご本人からコメントを頂いたから、とかそういうことではありません。

私は30年以上クラシックを聴いています。あらゆるコンサートやリサイタルに行きました。

ロンドンに住んでいた頃は、本場のオペラも聴きました。今までの音楽鑑賞歴の名誉にかけて、断言しているのです。


◆私の祖母も声楽家でした

さらに、打ち明けてしまいますが、私の祖母はもう20年近く前に他界しましたが、

明治28(1895)年生まれ(19世紀ですよ!)でありながら、当時としては珍しく、

東京音楽学校(芸大の前身)声楽科というところで、ロシア人の先生について本気で声楽を学んだアルトでした。

勿論、森さんと比べるのも失礼なレベルですが、発声は今にして思うと正しく学んでいた。

それは、子供心に「本当に訓練した人間の声はこれほど豊かな響きをもつのか」という驚きとして、私の記憶に残りました。

だから、声楽をまともに勉強することがどれ程大変か、少しは分かるのです。



祖母のロシア人の先生の写真は今も実家のピアノの上にあります。しかし、これは余談でした。

要するに、私は単に頭に血が上って、森麻季さんを絶賛しているのではない、といいたいわけです。


◆どのように上手いのか?

新しいCDの最初の4曲はドニゼッティ、ベッリーニという19世紀前半のイタリアの作曲家のオペラから抜粋したアリアです。

時代としては、二人ともロッシーニとヴェルディの中間に位置するひとですが、非常に技巧的な歌唱を歌い手に要求します。

クラシックの声楽には、他では絶対にできないことをします。

こればかりは、クラシックの声楽の訓練を基礎から受けなければ絶対に歌えない。

典型的なのが、「コロラトゥーラ」です。



要するに、声で器楽的な速い音型を歌うのです。テンポが速いということではなく、音の動きが細かい。

歌謡曲に16分音符で何小節も歌う曲など絶対にありません。歌えないからです。

細かい音符で音階な動きや、分散和音的な音の動きをするためには、

都度、横隔膜で息を区切るという技術を会得しなければなりません。

息を区切る筋肉の動きと音程を変化させる筋肉の動きのタイミングがすこしでもずれると、何が何だか分からなくなる。



楽器に例えると分かります。

弦なら、要するに、左手の指が弦を押えるタイミングと右手の弓の返しが合わなかった場合、

管楽器ならば、タンギングと指が合わなかった場合を考えてください。

もう、何を弾いているのか、吹いているのか分からないですよね。



声楽は弦における「弓の返し」、管楽器における「タンギング」に相当することを横隔膜でやっているわけです。

ところが、息を区切ることに意識が向きすぎて、身体に余計な力が入ると、肝腎の声の質が損なわれます。

息をほんの少し区切るけれど、全体としては、吐く息のスピードが遅くなってはいけない。

音を長く伸ばしたときと同じぐらい美しい音色が保たれていなければならない。

こういうことが、素人の想像を絶するぐらい難しいわけです。細かい話はこの辺にします。


◆技巧と音楽性の共存

とにかく、森麻季さんは、前回も書きましたが、そういう声のコントロールを驚異的なレベルにまで高めておられる。

これは、ものすごい訓練の賜でしかありません。

勿論才能もあるけど、才能だけではこのようになりません。声の魔術師のようです。

声域もすごい。

譜面で言うと、中央のドから2オクターブ上のド。さらにその短3度上の変ホという、とてつもない高音をなんなく当てておられます。

演奏家が実際の演奏で使う音域は、肉体的な本当の限界よりも狭いのです。余裕がないといけないのです。

つまり、森麻季さんが実際の演奏でこのEsを使うということは、練習でならば、その半音上のEとか、

さらに半音上のF、もう半音高いFisまで出せるのでしょう。

CDに収められている変ホ(Es)は、金属的にならず、なお柔らかさを保っていて、見事なものです。プロ中のプロです。



ただ、楽器でも歌でも、テクニックがあると、テクニックの誇示が前面に出てしまう音楽家が意外と多い。

技術とともに、音楽性、芸術性を兼ね備える人は少ないのです。

僭越ですが、森麻季さんには、歌手、いや全ての音楽家に何よりも大切な「歌心」がおありになります。


◆随分イタリアでは苦労なさったのですね。

今回のCDはイタリアオペラをおさめているけれども、森麻季さんはイタリアに留学しているときは、随分苦労なさったのですね。

世の中が不公平であること、差別ということが実際にあるのだ、ということが分かった。とか、

独り暮らしで、言葉も完全に分かるわけではないことから、寂しくて教会で泣いていた、

と書いておられます(トップランナーでもドイツの方が合っていたようなことを仰っていました)。



それだけ辛くても、歌がお好きだったのですね。どうしても歌手になりたかったのですね。

プロになるためには、勿論才能と努力が必要ですが、私のブログの読者でプロの音楽家の方が、

「何としてでも、プロになってやる」という気持ちが絶対必要だ、と仰っていました。苦しい世界ですね。

しかし、森麻季さんは大輪の花を咲かせました。



森さんの歌に、技巧だけではなく、常に優しさがあるのは、人の世の辛さ、苦しさ、悲しみなどを経験なさったことが絶対に生きていると思います。

自分の歌を聴く人を幸せにしたい、という気持ちで歌っておられると思います。

それがこちらを泣かせるのです。

ただ、最後にもう一度念を押すと、それだけでは、演歌・浪花節になってしまいます。

気持ちだけではなく、大変な修練を積まれ、今なお続けて高度なテクニックを維持していらっしゃるからこそ、

多彩な表現が可能なのです。


◆森麻季さんは世界最高レベルの芸術家だと思います。

この日記で何度書いたか分かりませんが、私は中学生のときに、

既に故人となった指揮者のカールベームが「音楽の友」のインタビューで述べた言葉が忘れられません。ベームは、

「人間の存在を少しでも明るく照らし出すことが、芸術家に与えられた使命だと信じています」

といいました。

それ以来、私の中で、これが芸術、芸術家を判定する基準となりました。

森麻季さんは、まぎれもなく、世界最高レベルの芸術家です。


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2006.10.26

「地球温暖化悪循環に シベリア湖底のメタン大量放出」以前から、危惧されていたことが現実に・・・。

◆記事:地球温暖化悪循環に 湖底のメタン大量放出 (東京新聞)

地球温暖化の進行でロシア・シベリア地方の湖の下に閉じ込められていたメタンが気泡になって上昇し、

大気中に大量に放出されていることを、米国とロシアの共同研究グループが突き止めた。

メタンの作用で温暖化がさらに進む「悪循環」が始まったとみられるという。



メタンは二酸化炭素の二十三倍という強力な温室効果ガス。

従来ほとんど注目されてこなかったこの形でのメタンの放出を考慮して同グループが試算した結果、

シベリアの湿地からのメタン放出量はこれまでの推定より最大63%も増えることが判明。

今後、温暖化影響評価の見直しなどが必要になる可能性もある。



米アラスカ大のケイティ・ウォルター博士らのグループは、二〇〇三年四月から〇四年五月までシベリアの湖で特殊な装置を使ってメタンの泡を連続観測。

人工衛星の画像の解析や飛行機による観測結果を加えて放出量を試算し、大量放出の事実を確認した。

同博士は、温暖化で凍土が解けたため湖の面積が拡大し、メタンの放出量が増えて温暖化をさらに進める、

という形態の「悪循環」が始まったと指摘している。



シベリアでは近年温暖化が進み、調査地点周辺でも一九七〇年から現在までの間に年平均気温が二度ほど上昇した。

この影響でメタンの泡を大気中に放出する湖の面積が広がり、二〇〇〇年の放出量は七四年と比べ58%増えたことも明らかになった。

博士は「今の温暖化傾向が続けば、シベリアなど北極域の湖の地下に蓄えられた大量のメタンが泡になって大気中に放出され、

温暖化をさらに加速させる可能性が高い」と警告した。

<メモ>メタン

炭素と水素の化合物で、天然ガスの主成分。

地表から宇宙空間に放出されるエネルギーを途中で蓄える「温室効果」は二酸化炭素よりずっと大きく、

現在の温室効果の2割近くはメタンによるとされる。有機物が腐ったり発酵したりする時に発生。

湿地や湖沼の底泥などからの自然発生もあるが、農業活動の拡大や廃棄物の埋め立て地の拡大などの影響で、

大気中に放出される量が増加傾向にあるといわれる。


◆コメント:悪い予感が当たってしまった。

地球温暖化は、一般に考えられているよりも深刻である。

パニックが起きるとでも思っているのか、日本のマスコミが取り上げたことは殆どないが、

1999年、国連環境計画(UNEP=United Nations Environment Programme)という組織が、

30カ国、800人の専門家により、地球環境についてまとめたレポートがある。



それが地球環境概況2000である。

リンク先を見れば分かるとおり、概要(概要だけでもPDFで20ページにもなる)は全て日本語にも訳されている。

そして、さらにその要点をまとめた、概況と提言というページがある。

この、概況と提言だけでもご覧になることをお薦めしたい。

結論は驚くほど絶望的である。そこには次の通り記されている。

  • 地球規模の水循環は、今後数十年間に予想される需要を満たすことができそうもない。

  • 土地劣化が農業の生産性と可能性を押し下げている。これらの損失は、農地の拡大や生産性の向上によってもたらされた改善の多くをうち消している。

  • 熱帯林の破壊の速度が速く、取り返しのつかない損失を防ぐことができない。失われた森林を取り戻すには何世代も必要であり、森とともに失われた文化は決して回復できない。

  • 環境悪化が目に見えるようになるまでには時間がかかり、政策立案者の反応も遅いため、地球上の多くの種が、すでに失われたかあるいは絶滅の危機に瀕している。かつて地球上に見られた多様な生物種の全てを保存するには手遅れである。

  • 多くの海洋漁業では、過剰捕獲が続けられており、資源の回復は遅い。

  • 人間の活動により、世界のサンゴ礁の半数以上が危機に瀕している。そのうちのある程度は生き残るであろうが、多くは手遅れである。

  • 開発途上地域の多くの大都市において、大気汚染問題が深刻化し、多くの住民の健康を損ねている。

  • 温室効果ガスの排出量増加により、地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れであり、更に、京都議定書において合意された多くの目標は達成されないかもしれない。


◆これが何を意味するのか。

それは、地球環境概況2000の、環境の現状 いくつかの統計資料に書かれている。


  • 1996年の世界の二酸化炭素排出量は約239億トンであり、1950年の総量の4倍となり、過去最高を記録した。

  • モントリオール議定書がなければ、オゾン層破壊物質の量は2050年までに現在の5倍となっていたであろう。

  • 1996年現在、約4630種のほ乳類の25%と9675種の鳥類の11%が絶滅の危機に瀕している。

  • もし、現在の消費傾向が続くならば、2025年には地球上の3人に2人が水問題に直面することになる。

  • 世界中の珊瑚礁の半数以上が、人類の活動により潜在的に脅かされており、人口の集中する地域では80%が危険な状況にある。

  • 有害化学物質にさらされることにより、出生異常からガン発生まで、人類はおびただしい数の悪影響に巻き込まれている。地球規模の農薬使用により、年間350万人から500万人の急性の農薬中毒者が発生している。

  • 世界の乾燥地帯の約20%において人類の活動が土壌劣化を起こしており、10億人以上の人々の生計基盤が危険な状況にある。



色々書いてあるが、
「2025年には地球上の3人に2人が水問題に直面する」

という項目だけでも十分に恐ろしい。

このレポートはなるべく刺激的な表現を避けているが、水が無くなれば、言うまでもなく、人間は生きていられない。

直接的にもそうだし、淡水が不足する(地球上の氷河は貴重な淡水資源だがこれが、どんどん溶けて、なくなりつつあるのだ)と、

農作物の生産が打撃を受ける。食糧自給率の低い日本はその意味でも大変である。


◆つまり、放っておけば人類は滅亡するであろう、ということだ。

東京新聞が書いているのは、特にロシアの永久凍土の下に数万年前に閉じこめられた、温室ガス効果がCO2よりも遙かに高いメタンガスが噴出しつつある、ということだ。

これは、以前から言われていたことで、私は、3年前に初めて書いた

その後、もう少し詳しく書いた記事が「ロシア大統領顧問、京都議定書批准に反対=WWF」地球温暖化が進行すると、ロシアが消えるである。

入門編として、お読み頂きたい。


◆京都議定書はCO2「排出量」を減らすのであり、CO2総量は減らない。

地球温暖化に関する最もグローバルな条約は京都議定書であるが、世界で一番多くCO2を排出している米国が、これを批准しないのだ。

それはさておき、京都議定書は何を目標にしているかというと、各国の「CO2排出量」を減らそうというだけであり、

排出そのものをゼロにしようとする計画ではない(現実的にそれは不可能)。

つまり、京都議定書の目標が達成されたとしても、CO2の排出は続き、大気中のCO2濃度そのものは増え続ける。

従って、温暖化を止めることはできない。



日本は何もしなくて良いというわけではないが、もともと世界第2位の経済大国であるにもかかわらず、

日本のCO2排出量は世界全体の5%に過ぎない。日本が「チームマイナス6%」などといっても、焼け石に水である。

アメリカ、ロシア、中国が最もCO2を出している。これらが何とかしないとどうしようもない。

実際は、これらの国が少々CO2排出量を減らしてもまだ、全然楽観できない。


◆「百万人のキャンドルナイト」などとチャラチャラしている場合ではないのだ。

先に述べたとおり、日本は早い時期から「省エネ」という概念があったので、CO2排出量の相対的に少ないが、

地球温暖化は人類存亡に関わる問題である。

1年に何日か「百万人のキャンドルナイト」などとチャラチャラした催しを行っても、

何の意味もないことを政府は国民に認識させるべきである。

深刻な問題を深刻ではないようにアピールする政策は間違っている。


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2006.10.25

N響 カーネギーホールで公演/さくらちゃん募金目標額達成。/新潟中越地震から2年。

◆記事:N響 カーネギーホールで公演

7年ぶりにアメリカを訪問して公演活動を行っていたNHK交響楽団は23日、

ニューヨークのカーネギーホールで最終公演を行い、会場を埋めた聴衆を魅了する演奏を披露しました。



毎年海外公演を行うNHK交響楽団は、今回7年ぶりにアメリカを舞台に選び、

今月14日のロサンゼルス公演を初日に、フィラデルフィアやボストンなど7都市で演奏を行いました。

最終日の23日の演奏はニューヨークのカーネギーホールで行われ、

武満徹作曲の現代音楽「鳥は星形の庭に降りる」からバルトークのピアノ協奏曲、

そして合唱付きのラベルの組曲「ダフニスとクロエ」というバラエティーに富んだ曲目で臨みました。



会場のカーネギーホールはクラシック音楽の殿堂と呼ばれていますが、

「ここでの演奏は気合いの入り方が違う」とメンバーが語るとおり、最終日にふさわしい滑らかで美しい演奏が披露されました。

会場を埋めた聴衆からは熱演に大きな拍手が送られ、

指揮を務めた世界的ピアニストでもあるウラディーミル・アシュケナージ音楽監督も惜しみない拍手に満足した様子でした。

感想を聞かれた観客らは口々に「曲目の選び方もよく、すばらしい演奏だった」などと話していました。

NHK交響楽団はこのあと帰国し、来月1日から日本での定期公演を再開する予定です。(NHK)


◆コメント:CARNEGIEは、まだ演奏会評が書かれていないので、18日付のを訳します。

これは、カーネギーホールの6日前、18日にニューブランズウィック(New Brunswick)という、

フィラデルフィアとNYの中間あたりに位置す街だそうです。人口43,000人だって。

随分と珍しいところで演ったのですね。
この地の地元の新聞社の演奏会評です。全部書くと長すぎるので、抜粋します。記事のURLは、

http://www.nj.com/entertainment/ledger/index.ssf?/base/entertainment-1/116132429499370.xml&coll=1

NHK an unexpected pleasue(NHK交響楽団の予期せぬ名演)

この日のコンサートのクライマックスは、「ダフニスとクロエ」第一組曲と第二組曲。

オーケストラの魔術師、モーリス・ラベルが創りあげた「音の絵巻物」の如き色彩感に富んだ作品であるが、

アシュケナージの指揮は、圧倒的な波のように押し寄せる音の洪水のなかに、宝石のように、繊細で煌めく音をちりばめることに成功していた。

NHK交響楽団の音は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団やロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

(引用者注:いずれも世界の超一流オーケストラ)の洗練されたそれと比較したら、少し劣るかも知れないが、

それでも、一点の濁りもない音、聴き手の心を揺さぶる、色彩感豊かな音を保ちながら、

強烈な陽光を思わせるような、輝かしく圧倒的な音量でクライマックスを迎え、曲を締めくくった。

ふう。ゲージュツを表現した英語は難しい。

「予期せぬ名演」というのは、要するに、N響はいままで、ニューブランズウィックで公演したことがなかったので(そりゃ、そうでしょうな)、

この記事を書いた記者も多分日本のオーケストラなど、初めて聴いたのでしょう。

とにかく、褒めていることは分かるでしょう?

「ベルリンフィルやコンセルトヘボウにはやや劣るが」って、これはけなされているのではない。すごい賛辞ですよ。

比べている対象が、本当の世界の超一流オーケストラなのですから。

ベルリンフィルについては私は、既に、随分書きました。



「コンセルトヘボウ」も世界の五本指に入るであろう、オランダの「超一流」オーケストラです。

昔は、「アムステルダム・コンセルトヘボウ」と称していたのですが、

1988年に創立100年を機に、女王陛下から、「ロイヤル」の称号を賜って、

「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」になったのです。

「コンセルトヘボウ」とは「コンサートホール」という意味です。



話が逸れましたが、ベルリン・フィルやら、コンセルトヘボウは当たり前ですが、西洋人のオーケストラ。

メンバーの殆どが、これまた当然ながら西洋人。西洋音楽の遺伝子を持っている人たち。



日本人は、2000年以上も歴史のある西洋音楽をたった150年前からやり始めたのです。

それで、世界の一流と比べられるまでになったのは、奇跡的だと思います。

なお、カーネギーで演奏したのは、23日の月曜で、演奏会評が紙面に載るのは、明日か明後日ぐらいでしょう。

ニューヨーク・タイムズの評論は恐らくもっと厳しいと思いますが、

カーネギーで弾かせて貰えるだけで、相手が「このオーケストラは世界レベルだ」と認めている証拠なのです。

私は、誇らしいと思います。


◆記事無しコメント1:さくらちゃんを救う会、今日、目標額達成。

ちょうど、3週間前に、「さくらちゃんを救う会」難病女児の募金に批判に関する文章を書きました。

今日、「さくらちゃんを救う会」のサイトをみたら、目標額を超える金額が集まっていました。

救う会は直ちに、受付を閉め切りました。

随分ひどい中傷があったけど、結局良識ある、善意の人々も大勢いるということですね。


◆記事無しコメント2:新潟中越地震から昨日で2年。

新潟中越地震は、2年前の10月23日、午後5時56分に発生しました。

毎日新聞によると、約2年を経た今年の9月末現在、まだ、仮設住宅に1672世帯、5315人が住んでいる。

震災直後の半分にしか減っていません。復興が進まない。

新潟県は必死にやっているけど(やってないのですか?新潟の方、教えてください)、地方自治の原則といったって、限度がある。



私は、国が関わるにしてもいろいろなアプローチがあると思いますけど、非常に変だと思います。

この2年の間に、日本国は新潟は放っておいて、数千キロも彼方のイラク・サマワに500人ずつ自衛官を派遣して、

自衛官はあちらで道路を補修したり、水汲みしたり、医療を手伝ったり、学校を建てたりしていたわけでしょ?

サマワってのは、比較的安全で、住民がみんな住むところがないわけでも、怪我をしていた訳でもないんでしょ?

そういうところに500人も自衛官が行く。



過去何度も書きましたが、これは自衛隊を批判しているのではありませんよ。

自衛官は命令に従って任務を遂行したのですから。

問題は、自国内にこんなに困っている人がまだいるのに、そちらは放っておいて、

アメリカの顔色を窺って、別にそれほど困っていないサマワに500人ずつ2年間も駐留させた日本政府のものの考え方です。

自衛隊ってのは、他の国で道路補修するよりも、まず、日本国民の為に存在するのではないでしょうか。

震災直後、「現地視察」のパフォーマンスをした政治家が沢山いました。

昨日の犠牲者追悼式には、何人出席したのでしょうか?


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2006.10.23

自民党に共謀罪を成立させてはいけません。/森麻季さんの新譜今週発売。

◆記事:『共謀罪』法案 今週審議入りか(2006年10月23日 東京新聞)

国民の猛反発を買い、二〇〇三年三月の国会提出以来、成立が見送られ続けてきた「共謀罪」法案。

来年七月の参院選を見据え、現在の臨時国会で成立させたいはずの与党だが、なぜか「重要五法案」からはずしている。

野党は「死んだふり」と断定するが、早期審議入りはあるのか。外務・法務両省が反対派の日本弁護士連合会に激しく反論しているのも「アリバイづくり」なのか。 (市川隆太)



今月五日に開かれた自民・公明両党の幹事長、政調会長、国対委員長会談で、共謀罪は臨時国会の「重要五法案」からもれた。

ちなみに重要五法案に入ったのは

▽教育基本法改正案

▽テロ対策特別措置法改正案

▽防衛省昇格法案

▽国民投票法案

▽北海道道州制特区推進法案-だ。

政界関係者らは「重要法案入りしなかった以上、今国会成立の目は少ないとみるのが永田町の常識」と解説する。



ただ、不人気な共謀罪の審議が次の通常国会にずれ込めば、与党にとっては次期参院選で苦戦する要因にもなりかねない。

それだけに野党側は、重要法案からはずしたのはあくまで“死んだふり”で、実は間もなく審議入りし、

一気に強行採決してくる可能性もあるとみている。(後略)



(記事URL:http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20061022/mng_____tokuho__000.shtml)

(念のため、ウェブ魚拓(ウェブサイトのキャッシュを保存するサービス)で保存しておきました。それは、↓です)

http://megalodon.jp/?url=http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20061022/mng_____tokuho__000.shtml&date=20061022190007


◆共謀罪とは何か。(復習)

国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を実施するために新設される犯罪(2005年通常国会で法案は廃案)。

法定刑の上限が4年以上の犯罪を組織の活動として組織的に実行することを共謀した者は、原則と異なり犯罪実行前に処罰できる。

組織の不正権益獲得等の目的で同じ犯罪を共謀した者も同様。2人以上の者が共同して犯罪を実行すれば共同正犯として処罰され(刑法60条)、

犯罪の全体について責任を問われる。共謀に基づき犯罪が実行されれば、共謀のみに加わった者も共同正犯となりうる(共謀共同正犯)。


◆過去ログより、共謀罪に関する項目

私が、この日記(ブログ)で「共謀罪」について取り上げた記事をいくつか。

2005年09月22日(木) 特別国会で共謀罪成立期す

「共謀罪 野党反発、大荒れ審議入り 衆院法務委」←DVDをコピーすることを相談しただけで、逮捕されるんですよ。

<共謀罪>密告者は罪を免れることをしっていますか?


◆コメント:衆院補選勝利に勢いづいて、共謀罪を成立させてはいけません。

こういう問題は、如何にも面倒くさい。私だって、そうなんです。

今日は、一日体調が悪い。できれば、こういうことを考えたり、書いたりしたくないです。



しかし、こういうことから目を逸らすのは、「無思考」を「プラス思考」を称する欺瞞だと思います。

共謀罪とは何かについては、上の説明や私が過去に書いた記事を読んでいただければ大体分かると思います。

要するに、

「懲役4年以上の刑に相当する犯罪を、団体で遂行することを共謀した者」

はそれだけで、何の準備をしていなくても(犯罪の実行はおろか、その準備すらしていなくても、相談して合意したら)、

「合意したこと自体」が犯罪とされてしまうのです。


◆隠謀社会、密告社会を作り、うっかり冗談も言えなくなりますよ。

この法案の嫌らしいところは、「共謀罪」を利用して、他人を貶めることが可能な点です。

つまり、だれか貴方を「気に入らない」と思っている人物が、貴方に冗談で4年以上の犯罪(著作権法違反でもいいのです)の実行を仄めかすようなことを言って、

貴方が(冗談でも)同意したところを録音し、その人が録音した証拠を持って警察に自首すれば、その「密告者」は罪を免れ、貴方が犯罪者になるのです。


◆しかし、共謀罪反対者に有利なスクープがありました。

全国紙は根性がなくて、この問題に真っ正面から反対を唱えませんが、東京新聞が熱心なのです。

既に、読んだ人はいるでしょうが、

「実は、以前、自民党も、共謀罪は日本に馴染まないと力説していた」ことが明らかになりました。

◆記事:政府、国連で『共謀罪』批判(10月2日付 東京新聞)

(記事:http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20061002/mng_____sei_____001.shtml)

(同記事キャッシュ:http://megalodon.jp/?url=http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20061002/mng_____sei_____001.shtml&date=20061023204514)

「国際組織犯罪防止条約を批准するには、共謀罪創設が不可欠」とする政府が、実は、国連で「共謀罪は日本の法体系になじまない」と主張し、

共謀罪を導入せず条約に加わろうとしていたことが、一日、民主党や日本弁護士連合会の調査で明らかになった。

共謀罪必要論を根底から揺さぶる事実だけに、臨時国会で野党の厳しい追及を受けるのは必至の情勢だ。

国連審議を伝える外務省公電の分析で分かった。国連条約は第五条(原案当時の三条)で共謀罪や参加罪の導入に触れている。

導入は義務づけではないとの条文解釈もあるが、政府は「同条で義務づけられた」と解釈している。

共謀罪は英米法、参加罪は独仏などの大陸法になじむといわれ、最も狭義の参加罪は「犯罪を行わなくとも、単に犯罪組織に加入すれば罪になる」結社罪を指す。

条約原案は共謀罪や結社罪の導入を促していた。

公電によると、一九九九年三月の国連審議で、日本政府が条約原案を「日本の法体系になじまない。英米法、大陸法以外の法体系の国々が受け入れられるようにしなければならない」と批判、

「国内法の基本原則に従って」「組織犯罪集団の関与」などの文言挿入を要求し認められた。

さらに、結社罪ではなく「犯罪組織に参加し、犯罪に貢献することを認識して行為する」ことを罰する「広義の参加罪」に変更するよう求めた。

こうした日本側主張の一部が受け入れられ、条約最終案は米国などとの協議を経て、日本政府が提案した。

日本には共謀共同正犯理論や教唆罪、ほう助罪があるため「広義の参加罪」なら、ほぼ現行法のまま条約批准可能とされる。

日弁連関係者らは「政府が、日本の法体系を壊さずに批准しようと条約原案を変更させたことがはっきりした。共謀罪必要論の虚偽を示す重要証拠だ」としている。

導入に前のめりな安倍晋三首相らは民主党などの厳しい追及を受けそうだ。

解説するまでもありませんが、東京新聞の記事が意味するのは、

現在の政府の主張、すなわち、「国際組織犯罪防止条約を批准するには、共謀罪創設が不可欠」というのは、一貫した主張ではない、ということです。

いい加減です。



そもそも、一般的に、ある国が条約に署名・承認しても、各国に持ち帰って賛成が得られず批准しないということは、別に国際法違反ではない。珍しいことではない。

京都議定書なんか、アメリカも署名しているのですよ。しかし、批准しない。

共謀罪が成立せず、批准しなかったとしても、国際法違反とは言わない。

以前、武部元自民党幹事長のバカが、「これ以上、引き延ばすと条約違反になる。」と言っていましたが、そういうことはありません。

このような、治安維持法みたいな時代錯誤的な法律は、安倍晋三君は好きそうです

(実際、記者会見で「共謀罪の成立は必要だ」と言っています)が、ダメですよ。見た目の柔和さに欺されては。

すごく危険な思想の持ち主ですから。


◆今週は森麻季さんの新しいCDが出ます。

以前、「ソプラノの 森麻季という人、日本音楽史上最高の声楽家ではないかと思います」という記事で御紹介し、

(これに対してご本人からコメントを頂戴して大変感激、かつ、恐縮しました)、丁度その頃、NHKの「トップランナー」に出演なさって、

一躍人々に知られるところとなった、ソプラノの森麻季さんの新譜(2枚目)、

愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集が10月25日に発売になります。

私は、今までCDの紹介、お薦めをするとき、聴く前に書くことは無かったのですが、前回のCDがあまりに素晴らしかったので、お知らせします。

聴いたら、また書きます。


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2006.10.22

「N響 北米公演、最初のLAでスタンディング・オベーション」←どうして、こういう「いい話」を伝えないのかね。

◆御礼:夢の途中、気に入っていただけたようで、嬉しいです。

昨日は随分、アクセスしていただきました。

著作権は勿論侵してはならないのですが、こういうとき、実に悔しい。

全曲通してお聞かせしたいのですけどね。さすがにできない。

若干訂正しますが、映画の主題歌としての「セーラー服と機関銃」は、それ以前から存在していた「夢の途中」とは、

殆ど同じですが、一番の歌詞が若干違うことに気が付きました。

いずれにせよ、良い歌だとおもいます。音楽は不思議です。

1オクターブの中で、あれほど切ない歌ができてしまうのですね。

所謂「さび」の前の部分、「夢の途中」の歌詞でいうと、

今を嘆いても、胸を痛めても、ほんの夢の途中

というところは、最後の音を除いてみると、移動ドで書くと、「ラララ、ラシドシラ」の反復なのです。

わずか1音半の音域で、同じ音型を3回繰り返しているだけなのに、それが、たまらなく胸に迫ります。

本当に不思議です。まだ、曲は下に貼ってありますから、よろしければ聴いてみて下さい。

ホンのサワリだけですが・・・。


◆記事:N響2006年 アメリカ公演 現地リポート10月14日

NHK交響楽団は、現在、アメリカ公演を行っています。

今回はまず西海岸のロサンゼルス、サンフランシスコ、そして東部に移りフィラデルフィア、ニューブランズウィック、

ボストン、パーチェス、最後にニューヨークと、7都市で7公演を、音楽監督ウラディーミル・アシュケナージさんの指揮、

ソリストにフランスの人気女性ピアニスト、エレーヌ・グリモーさんを迎えて行います。



N響アメリカ公演一行115名は、去る12日夕方、新東京国際空港(成田)を全日空機で出発、

日付変更線を越えて同日の昼にロサンゼルス空港に降り立ちました。

この時期、当地は朝夕は少し冷えますが、昼間は歩くと少し汗ばむぐらいで暖かく快適です。

アメリカ公演最初は、そのロサンゼルスで10月14日14時から、マチネー・コンサートとして行いました。

会場は、ウォルト・ディズニー・コンサートホール。

N響の客演でも評判の高いエサ・ペッカ・サロネン率いるロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地として、

2003年にダウンタウンの中心地にオープンしました。

このホールは、アニメーション映画の王様ウォルト・ディズニーの未亡人リリアン・ディズニーさんが、

ロス・フィル専用ホールの建設資金にと寄付したことから、この名前が付けられたものです。



そのディズニー・コンサートホールに、ほぼ満席のお客さまがお見えになりました。

曲目は、前半がグリモーさんのソロでブラームスの「ピアノ協奏曲第1番」です。

グリモーさんはフランス生まれですが、ドイツ・ロマン派音楽を得意としており、

とくにブラームスのこの曲はCDもリリースされ、評判になっています。

彼女の端正で真摯な演奏に、会場はブラボーの声とともに大きな拍手、そしてスタンディング・オベーションとなりました。



後半は、ドビュッシーの交響詩「海」とエルガーの「変奏曲『なぞ』」。

「海」では、アシュケナージさんがイメージする色彩的で変化に富む音の綾を楽員が見事に応えていました。

「なぞ」はエルガー自身が創作したテーマと14の変奏から成る作品です。これらの変奏曲は、エルガーと関係の深い人々を描いており、

それぞれの人物像をアシュケナージさんはきっちりと表現していました。

最後の変奏曲はエルガー自身を描いたものですが、このホールの重低音から繊細な高音まで出せるちょっとユニークなデザインのパイプオルガンが加わり、

洒脱なエルガーの作品を盛り上げていました。

演奏が終わるや否や、会場から万雷の拍手が沸き起こり、やがてブラボーの嵐、そしてスタンディング・オベーションへと変わっていったのです。



N響アメリカ公演、初日のロサンゼルスでは、こうして大成功のうちに終了。

ふだんロス・フィルを聴いているアメリカ人のお客さまからは、
「N響の精緻でエネルギッシュな演奏に感激した。ロス・フィルよりすばらしいところがたくさんある。」

と、うれしい感想をいただきました。


◆コメント:どうして、「良い話」を伝えないのかなあ・・・。

私は、以前から何度も書いているのだが、マスコミは、世の中の悪い面を優先して報道する。

マスコミが伝えるのは、現実の世界で起きていることの、一部に過ぎない。読者にとっては疑似現実である。

勿論、「悪い話」の報道が不要だとは、言わない。「北朝鮮核実験」の話が全く国民に伝わらないのでは困る。

だが、現実には「良いこと」、「善い行い」、「めでたいこと」も起きているのに、

それらを伝えないと、国民は「世の中良いことは全くない」という錯覚に陥る。精神的に不健康だ。


◆N響は今年の6月、韓国公演を行い、やはり大成功だった。

詳しくは、N響ソウル公演、大成功。←やはり芸術は偉大です。に書いた。

様々な雑誌や本が、韓国人は全員、日本人を嫌っているかのごとき印象を読者に与える記事を書く。

しかし、マスメディアが伝える情報は「彼らが選んだ、現実のごく一部」であることを忘れてはならない。

メディアの言うことが本当なら、そもそも韓国人が日本のオーケストラのチケットを買う訳がないし、

公演の最中に舞台に飛び乗って、楽員をぶん殴るような輩がいてもおかしくないはずだが、

そんなことはただの一度も起きていない。



話を今進行中の北米公演に戻す。

今日(21日)はニューヨーク公演をしている筈で、明日か明後日のニューヨークタイムズの音楽論説委員の演奏会評

(NYタイムズの首席音楽評論家の権威は日本では想像できないほどである。またそうなるだけの実力がある。

専門家と同じぐらい音楽を勉強した、音楽専門記者が書くのである)が楽しみである。


◆音楽家がどれほど「国際貢献」しているか、政治家も役人も、マスコミも国民も分かっていない。

N響は今から46年前、1960年に初めての海外公演(殆ど世界一周と言って良いぐらい)を行った。

はっきり言って、今のN響よりは、メンバー一人一人の技術は低かっただろう。

しかし、決して大げさではなく、このとき、世界は「驚嘆」したのである(英語で言えば、be surprised at ではなくbe astonished atという感じだったらしい)。

「日本にこんなに上手いオーケストラがあったのか!」

ということである。それで、西洋人の日本人を見る目がだいぶ変った。

旧西ドイツのヘルムート・シュミット首相は自ら玄人はだしのピアノを弾くが、

かつて、Newsweekの取材に応じて、
「ドイツのオーケストラで活躍している多くの日本人演奏家は、日本のどんな政治家、外交官、財界人よりも、日本人のイメージを向上することに貢献している」

と断言した。そういうことを日本の中枢部の人間もマスコミも全く分かっていない。


◆外国へ行って戦争する国になって、尊敬されるわけがないだろう。

憲法を改正し、集団的自衛権の行使を可能にして、日本を戦争ができる国にする、と今の内閣総理大臣は言う。

しかし、「国際貢献」と称して、自衛隊を海外へ派遣してアメリカの人殺しの手伝いをしても、誰も尊敬してくれない。

人を殺して尊敬された国はない。

尊敬されたいなら、美しい芸術を創る、或は演奏する、優れた芸術家を育てるべきだ。

岩城宏之さんのおかげで、戦争中、日本人に身内を殺されたオーストラリア人が、日本人への恨みを忘れようと決心したエピソードがある。

是非、ご参照いただきたい。



自衛隊を海外に派遣するなら、まず、陸海空の自衛隊にそれぞれ上手い音楽隊があるのだから、彼らを派遣してはどうかね?

安倍内閣総理大臣も他の政治家も、そんなことを考えてみたこともないだろうが。


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2006.10.21

「夢の途中」が懐かしいのです。

◆人間は思いこみ、先入観にどうしても囚われる。

先日、1989年に行われた、日本初の生体肝移植について、自分にとっては完全に定着した記憶なので、

日本人なら誰でも知っている逸話であるかのごとき錯覚に陥っていたが、

考えてみれば手術から17年を経ているのであるから、若い人にとっては初めて聞く話なのだ、

という少し考えれば分かることに気が付かなかった、という話を書いた。

この類のことは、多くの人に起きるようである。


◆私は「クラシックしか聴かない」と書いたことは一度もないのである。

私は、音楽の中でクラシックが断然好きだが、「クラシックしか聴かない」とブログで書いたことは、実はただの一度もない。

ところが、音楽の話を書くときは、99%、クラシック音楽のことを書くので、読者から

「お前はクラシックしか聴かないが」と、完全に断定した前提のもとにかかれたメールを頂戴したことがあった。

これも、「印象に起因する思いこみ」である。

音楽のことぐらい、どちらにせよ、大したことはないから、どうでもいいが、

我々は、人を評価するときに、相手から受けた印象や想像を客観的事実と錯覚する。

その人にレッテルを貼り、一度、レッテルを貼ると、それを再検証する、つまり別の面から考えてみると言うことはまずしない。

どうも、人間にはそういう傾向があるようだ。それは自覚しておいた方が良いと思う。


◆クラシックが最も優れていると言う思いに変わりはないが、来生たかおはすきなのですよ。昔から。

私は、「クラシックしか聴かない訳ではない」と書いたが、他人様に迎合する気はさらさら、ない。

ロックだかヘビメタだか知らないが、電気を用いて音量を上げ、しかもでかい汚い音しか出さないようなのは、

私は、「音楽」と認めていない。それぐらい偏狭である。

しかし、人間、そう単純ではないのも、また、事実である。

圧倒的にクラシックが好きだが、それ以外にも、ごくまれだが、好きな曲がある。

今日、また、テレビで「セーラー服と機関銃」を見た。

何故、見たくなるのか? 理由の一つを今日、はっきり自覚した。

主題歌、来生たかお作曲「夢の途中」が好きなのである。

来生(きすぎ)たかおという人の作った歌はが割と好きだ。

旋律がロマンティックで美しい。

今はどうやって食っているのかしらないが、

四半世紀前には大人気だった、中森明菜という当時は「アイドル歌手」だった人物がいる。

彼女のデビュー曲が「少女A」だと勘違いしている人が多いが、それは間違いで、

デビュー曲は来生たかお(詞は姉上のえつこ氏)氏の「スローモーション」という曲である。

その他、シルエット・ロマンス(大橋純子)、Goodbye Day(誰のために書いたか忘れた)、はぐれそうな天使(これも忘れた)

など、いずれも良い。作曲者自ら歌って、何枚もCDを出している。

iTunes Music storeというダウンロード配信のカタログは、クラシックは私には全然物足りないが、

あそこには、今はどうか定かではないが、「歌謡曲」という、今では殆ど死語となったジャンルがあり、

私はむしろ、そちらで重宝している。子どもの頃の懐かしい曲がある。


◆昔は無かった、「夢の途中」来生・薬師丸デュエット・バージョンなんてのも、ある。

「セーラー服と機関銃」が映画化されたときは、「セーラー服と機関銃」という曲名で、薬師丸ひろ子が歌ったが、

これは元来、「夢の途中」という曲で、来生たかお本人も歌っている。けだるい雰囲気がなかなか良い。

気が付いた人は少ないと思うが、この曲は音域が1オクターブ内に収まっているので、誰でも歌える。

但し、調性(キー)は歌い手によって様々である。

あまり、理屈っぽいことは、避けるべきかも知れぬが、たまたま発見したので、覚え書きとして記す。



現在のドラマの主題歌としての「夢の途中」は主演の長澤まさみが歌っているが、彼女の声域に合わせたのであろう。ト短調である。


来生氏がソロで歌うときは、嬰ハ短調である。


ところが、来生・薬師丸バージョンのときは、薬師丸がへ短調である。

長澤まさみより、2度(一音)低いだけだが、随分、落ちついた、大人びた響きとなる。

なお、来生・薬師丸バージョンにおける、最初の来生氏のソロはロ短調で始まり、後に薬師丸に合わせてヘ短調にしている。


これ以上書くと、ボロが出そうなので止めておく。



西洋音楽は24の調性をもっているが、調性がかわるだけで、曲の印象まで変化するというのは、

専門家に言わせれば、「当たり前」なのだろうが、私は、単純に「面白いな」と思ったので、記録しておくのである。


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2006.10.20

BSE(牛海綿状脳症)で検索された方が多いようなので、復習します。

◆1980年~1996年にイギリスかフランスに一日でも滞在した人は献血できないのです。

これは、厚生労働省の出した、昨年3月7日に発表した通達(ちょっと面倒ですが)を読むとはっきり書いてある。

1986年に英国で初めてBSE(牛海綿状脳症、所謂狂牛病)の症例が発見されました。

異常タンパク質プリオンが原因で起きるプリオン病で、牛に発症するのをBSEといい、人間のプリオン病はクロイツフェルト・ヤコブ病といいます。

特に、BSEの牛から感染したと思われるのを変異性クロイツフェルト・ヤコブ病と呼んでいます。



初めは、BSEとクロイツフェルト・ヤコブ病は関係ないと思われていたのですが、BSEが最も多数発見されたイギリスで、

通常とは違うクロイツフェルト・ヤコブ病による死者が連続して出たので、関係が有りそうだと言うことで、大騒ぎになりました。


◆BSEの原因とされる肉骨粉が使われ始めたのが1980年なのです。

肉骨粉とは、牛、豚、鶏、の肉をとった後のクズ肉、脳、脊髄、内臓、血液などを加工して牛に食わせていた飼料で、

これらの部分にはBSEの原因となる異常プリオンが特に多く含まれているので、多分、肉骨粉が牛のBSEの病因ではないかとされています。

それを使い始めたのが1980年。そして英国で牛の特定危険部位の流通がきちんと規制されたのが、1996年なのです。



ですから、その間は異常プリオンで汚染された肉骨粉を食べた牛の肉がイギリスでは普通に食用として流通していたのです。


◆その間BSEの牛の肉を食べたら、必ず変異性クロイツフェルト・ヤコブ病になるわけではない。

例え、BSEに感染している牛の肉を食べたとしても、上で述べたとおり、脊髄、脳、目などとくに危ない「特定危険部位」を食べていなければそんなに心配要らないと思います。

ただ、厚生労働省(に限らず役所の常ですが)は、やることが、いい加減だったり、妙に厳密になったりして、ヘンなのですが、

「万が一ということがあるので、この期間にイギリスかフランスに一日でも滞在した人はBSE感染牛の肉か危険部位を食べて、

変異性クロイツフェルト・ヤコブ病に罹っているかも知れない、と考えているのです。

クロイツフェルト・ヤコブ病の潜伏期間は長く、10年とされていて、今のところ治療法がないのです。

だから、「悪いけど、献血しないでください」と言われるのです。

私など、1993年から4年間イギリスにいたので、もう、全然できません。

しかし、帰国して10年近く経ちますがクロイツフェルト・ヤコブ病は発症しておりません。

さんざん、あちらの牛肉を食べたのですがね。


◆そこまで厳密なことを言うくせに、簡単にアメリカ産牛肉の輸入を再開した日本政府。

アメリカで最初にBSEが見つかったのは2003年12月23日です

(それまで見つからなかったのは、検査していなかったから或はいい加減な検査しかしていなかったからであることはほぼ明らかです。

ヨーロッパで肉骨粉が問題になった後もずっと規制しなかったのですから)。

翌日、日本を初めとする各国は直ちにアメリカ産牛肉の禁輸措置をとりました。



しかし、アメリカの食肉業者団体から、圧力をかけられ、ブッシュ大統領が昨年11月来日して、小泉首相に対し輸入再開を要求しました。

小泉君はブッシュの言いなりですから、すぐに輸入再開が決定され、2005年(昨年)12月下旬、輸入再開の運びとなりました。



ところが、それから一ヶ月も経たないうちに、アメリカは日本との合意に違反して特定危険部位である脊髄がついている肉を送ってきました。

日本はまた、アメリカ産牛肉の輸入を禁止しました。



にもかかわらず、また米国の圧力に屈して、今年8月7日から輸入を再開しています。

これらの肉は、日本政府の査察団が検査して、肉の処理過程に問題がない、35カ所の処理場で処理された肉であることになっています。

ですが、そんなことは、すぐに偽装できます。

また、安全だとされた処理施設が今も同じような処理をしているか、分かりません。極めていい加減です。



前述のとおり、クロイツフェルト・ヤコブ病の潜伏期間は10年、若しくはそれよりも長いのです。

10年後、現在責任者である役人はどこかに天下りしているし、政治家もずっと公衆衛生の仕事をしているわけではないので、

国民がクロイツフェルト・ヤコブ病に罹ろうが、知ったことではないのでしょう。ひどい話です。


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2006.10.19

「小沢・安倍、党首討論」私的速記録(一部)及び所感。

◆「小沢・安倍、党首討論」私的速記録(一部)

【小沢民主党代表】

北朝鮮の核実験は世界の平和に対する希求を踏みにじるものでありますから、このような行為に対して毅然とした対応をすることに対しては、私も異論はありません。

そういう中で、国連決議が為されました。国によってどのような措置を講ずるか、ということは、

それぞれの国によって差異があるようですけれども、アメリカは船舶の検査もやりたいという風に考えていると、報道を通じて聴いております。

そして、日本も、手伝って欲しい、という意向を持っている、ときいております。そういうアメリカの要請やら、

勿論日本の拉致問題等々のこともあり、核実験問題ですから、それは出来るだけのことをするのは良いんですけれども、今の政府の状況をみておりますとね。

やれ、周辺事態法の認定がどうだとか、そうしないと船舶の検査が云々とか、ま、そういうような議論が為されていると、報道からきいております。

しかし、このような、ま、総理もまだそこまでは考えているとかいないとか、ご答弁があったようですけれども、

そういう政府部内の「場渡り」な、その場しのぎのやり方が、余計日本政府の対応に混乱を来しているのではないかという気がしております。

総理は、-この際、お訊きしたいのですが、-「周辺事態法」が想定している事態、或は対応する行為と、

国連つまり国際社会の合意の下になされた決議が今回ありましたが、制裁行為というような、その両者は基本的にどういう性格を持ったものだとお考えですか?



【安倍首相】

周辺事態安全確保においては、それがどういう事態かということについていえば、

「そのまま放置すれば、わが国への武力行使につながる怖れのある事態」ということになっており、

それがどういう事態かということについては、さらに政府は六つの類型を示していると思います。

周辺事態の安全確保については日米の同盟というわが国の基本的な安全保障体制の基盤の上に立って、

周辺事態にどのように対処できるかを定めたものであるという風に認識しております。

と同時に、現在国際社会において、この北朝鮮の挑戦的な行動に対して、国連決議を行い、厳しい措置を伴う、

強制力のある決議が為されたわけでありまして、この決議を実効たらしめるために、現在国際社会の中で協力をしていく、と。

日本も何が出来るかを関係国と連携・協議しながら、現在検討をしている訳でございます。



その中にありまして、当然、関係各国が対応していくわけですが、

その中でも特に、日米同盟の関係と国際社会の取組を切り分けると言うことではなくて、

まさに、日米同盟を国際社会の中での協力にさらにいかしてゆく、と言うことも必要ではないか、とわたくしは思います。

今、小沢さんが質問された、「どのように性格が違うのか」ということですが、

国際社会の一致した取組の中で、この問題をとにかく、北朝鮮に対してこのまま国際社会の懸念に応えずに、

更に挑発的な、脅威を与える行動を取っていくのであれば、事態は北朝鮮にとってもっともっと悪い方向に向って行く、

と言うことを理解させる必要があるわけでありまして、そこで、まあ、今、国際社会で協力をしているわけでございます。

その中で、日本は、当然、同盟国である米国と緊密に連携を取りながら、国際社会でも対応するし、

また、日米でも対応していくことも求められているのではないか、と思っております。



【小沢代表】

今の総理のお話も、要するに日米同盟、安保条約、これは「日本の」安全保障に関わる取り決めですよね。

そして、「周辺事態法」というのも、「そのまま放置すれば武力攻撃の怖れがあるようなこと」など、日本の平和と安全に重要な影響を持つ事態、と、第1条で説明しています。

それは要するに「日本の安全」、日本の「武力攻撃の怖れがある」という、謂わば「有事」の事態を想定した法律です。

そして、国連で決議が行われたのは、日本の有事を前提としているわけでは無いのです。「国際社会の平和を乱す行為」に対して、

国際社会が制裁を加えようと、いうことを決めたわけです。

今、私が申し上げているのは、日本の有事に関する所謂、直接攻撃を受けるかも知れない、という事態を想定した法律を国際社会の、

所謂国連憲章第7章の41条、この「一般的な制裁行為」に適用しようとするのは、それは、無理なんじゃないですか、ということを言っているんです。



じゃあ、「それではどうすればいいんだ?」という人がいます。

どうすればいいかは、簡単明瞭なことでありまして、国際社会の共同作業に、日本がきちんと参加する」という政府の原則を作れば、それで良いわけであります。

(今は)それが全く無いから、結局「アメリカから要求された。どうしよう。それじゃ、『周辺事態法』でも援用するか」という話になってしまうのだと思うのです。

ですから、あくまで日米同盟は勿論大事ですし、これがあって、日本の安全保障がまっとうされるということは、私もそう、思っております。

しかし、「日米」だけで世界全体の平和を守る話ではありません。安保条約も、日本の、大きめに地域を解釈しても極東の平和を守るのが限界であります。

これは、ずっと長年、政府が色々言ってきたことでありますが、論理的にも、日本の安全に直接関わることの為の日米安全保障条約である、と。

日本とは全く関係のない地球の裏側までアメリカについて行く、という条約ではない、と思います。

世界の色々な紛争については、国連の合意の下で加盟国が、それぞれの事情に応じて、出来るだけ参加して、

そして平和を守ってゆこうと言うのが私は日本国憲法の論理であろうと考えておりますし、国連憲章も、個別的自衛権・集団的自衛権は自然権として認める、と。

しかし、地球全体としては、皆で合意した上で、平和に対する挑戦、或は平和を乱す行為を鎮圧する、という論理構成になっているわけであります。

安保条約自体もそうです。国連憲章の枠内です。

もし日本が攻撃されたとき、国連で決定を下すまでタイムラグがあるから、国連がくるまでは日米が共同作業で(第3国からの攻撃に対して)反撃すると。

しかし、国連の決定があったときには、日米の共同作業は終了する、ということになっています。

ですから、国際社会全体の平和を守る。紛争を解決する。そういうときに日本は国際社会でどういう役割を果たしていくのか。

そして、勿論日本国憲法に抵触することのない、きちっとした枠内でそれに参加してゆく、という原則をきちんと立てることが、大事だと思うのです。

ですから、何かあったから、アメリカから何か言われたから、当面はとにかく適当に何かやろうという考え方は、

私はその場渡り的なやり方は、結局、国を誤った方向へ導くことになるとおもいます。

ですから、安倍総理も、日本人の独自性とか言うことを強調されるわけですから、国益に重大な利害を及ぼす今度のような事態に関しては、

はっきりとした原則を分かりやすく国民に示していただきたいと思って、質問させていただいたのです。(後略)



【為参考】

この後を聴きたいひとは、衆議院インターネット審議中継にアクセスし、当然ながら、「日本語」をクリック。

画面ひだり側にカレンダーが現れるから、10月18日をクリック。

国家基本政策委員会合同審査会(党首討論)をクリック。小沢一郎をクリック。

(最初に利用するときは、Window Media Playerにするか、RealPlayerにするか、選択する画面が出る)


◆コメント:正式の会議録は掲載されるまで時間がかかる。

安倍首相と小沢一郎民主党代表の党首討論の一部を衆議院インターネット審議中継から、文字に起こした。

音声情報とと文字情報には、当然、一長一短が当然ある。

音声は、衆議院テレビ(審議中継)を聴くとお分かりになるとおもうが、何しろ映像と音声なので、

質疑応答のときの発言者の声の調子や顔つきで、これは、本気だろう、とか、

これは痛いところを突かれて狼狽しているな、という「雰囲気」が一目瞭然である。



但し、音声だと、速すぎて聴き取れなかったり、発言者は完結したセンテンスで話すことはむしろ少ないので、

ちょっと聴いただけでは、何を言って言いたいのか、分かりづらいことがしばしば、ある。

文字にすると、何度も、自分が理解可能な速度で、読み返せるので、理解しやすい(尤も、小泉前首相のように、文字にしても意味不明な人もいる)。

殆ど全ての会議録(議事録。本会議や各委員会文字情報)を衆議院・参議院ともにそのサイトで読むことができる。

ただし、翌日すぐにではなく、一週間かかることも珍しくない。それで、私が自分で、一部ではあるが、やってみたのである。

明日の新聞には「党首討論」の「要旨」は載るだろうが、

要旨だと「雰囲気」が一層分かりにくくなるので、私はできるだけ、音声をそのまま文字にした。


◆コメント:小沢代表は正しい事を言っている。

本当は冒頭の議事録をもう少し続けて書くべきなのだ。この質問の後、安倍首相は、また、興奮気味になり、

「私は、地球の反対側まで自衛隊を派遣するなどとは一言も言っていない」

とか、

「自国民を守るために、あらゆる手段(法律)を動員するのが政府の責任だ」

と、答弁している。



構想力の範囲が違うのである。小沢代表が言っているのは、北朝鮮への対応のみならず、一般論から入っている。

そして、北朝鮮に対する国連決議が成立したことをいいことに、これは武力行使を認めていないが、

アメリカはそんなことを無視して、武力を行使するかも知れない。

日本政府は、いくら北朝鮮が危ないといったって、ずるずるとアメリカと一緒になって、

憲法違反の武力行使、集団的自衛権の行使をすることがないように、気をつけなさいよ、というのが、

小沢代表が言いたかったことであるように、思われる。ポリシーをはっきりさせ、国民に説明せよ、と。



ここに、日米安全保障条約全文が載っている。

日米安全保障条約 第1条

締約国は、国際連合憲章に定めるところに従い、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。

締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に逐行されるように国際連合を強化することに努力する。

第1条は、当然なのだが、国連憲章が日米安全保障条約の上位規範であることを、明記している。

2003年、あの、ゴリラのようなアーミテージ前・国務副長官が来日した際に、「日米安保条約は国連憲章より上だ」と発言したことがある。

2003年12月23日に日経のインタビューに対してはっきりそう述べている。

私はこれを読んであまりにもあきれたので、リンク先の記事を書いたのだ。

国連憲章は、原則として武力行使を違法としている。従って、国連憲章が定める例外の場合を除いては、日米安全保障条約を理由に武力を行使してはいけないのである。

例外となる二つの場合に関しては、13日の記事で説明した。


◆周辺事態法は集団的自衛権の行使を可能にするので問題だと言われているのだ。

アメリカは国連の制裁措置とは別に独自の制裁として北朝鮮の船舶の臨検をしよう、日本も手伝え、と言っている。

北朝鮮の船に乗り込む為には、当然相当強引にやらなければならず、銃撃戦になる可能性も高い。

周辺事態法を適用すると、日本は、そういうアメリカを助けなければならず、それは国連憲章に違反する。

ずるずると武力行使が大好きなアメリカの言う通りにしたら、どんどんエスカレートしてゆくぞ、

と小沢氏は警鐘をならしているのではないか。

日米安全保障条約 第3条

締約国は、個別的及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる。

周辺事態法は本当は、後方支援を認めるのであるから、違憲であるし、日米安保条約も憲法の範囲内で、と明記しているのだ。


◆「国連が決定を下したら、共同作業を止めなければならない」とは何のことか。

小沢代表も限られた時間で質疑を行っているので、端折り気味である。

日米安全保障条約 第五条

各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

前記の武力攻撃及びその結果として執ったすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従って直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執ったときは、終止しなければならない。

日本が他国されたら、自衛権を行使する。アメリカは集団的自衛権を行使できるから、日本を助ける(ことになっている)。

しかし、国連安全保障理事会が、国連憲章の規定どおり、日本を助けるべく、多国籍軍を送ってくれるなど、何らかの措置をとったときには、

日本もアメリカもただちに、自衛の為の武力行使を止めることにする。という意味である。


◆地球の反対側まで、云々(小沢代表)とは何のことか。総括。

小沢代表が、

日米同盟は勿論大事ですし、これがあって、日本の安全保障がまっとうされるということは、私もそう、思っております。

しかし、「日米」だけで世界全体の平和を守る話ではありません。安保条約も、日本の、大きめに地域を解釈しても極東の平和を守るのが限界であります。

これは、ずっと長年、政府が色々言ってきたことでありますが、論理的にも、日本の安全に直接関わることの為の日米安全保障条約である、と。

日本とは全く関係のない地球の裏側までアメリカについて行く、という条約ではない、と思います。

と、発言して、この後、安倍首相は「私は地球の裏側までなどと言っておりません」と興奮気味に答弁しているのである。

確かに安倍首相は、北朝鮮がらみでそのようなことを言ってはいないが、

官房長官時代、小泉首相に迎合して、「日本がイラク戦争を支持したのは正しい」と何度も発言している。

地球の裏側まで行かないが、自衛隊をイラクに派遣して、アメリカの手助けをしているのは、地球の裏側まで行かないが、

このときの小泉首相の論理は同盟国たるアメリカを手伝うのは当然だ、というものだった。言うまでもなく、イラクは極東ではない。

小沢代表はそもそも、日米安保条約が想定しているのは日本の有事、

百歩譲っても極東における有事を想定したものであるから、安保条約を根拠に、

自衛隊を世界各国へ派遣するべきではない、と言っているのではないか。



何故、北朝鮮だけを話題にしないで、このような一般論を展開するのかといえば、私の想像だが、

安倍首相はかねて、憲法改正を主張し集団的自衛権の行使と認めるべきだとか、先制攻撃もあり得る、という思想を完全に公にしている。

小沢氏は、「そういうことを軽々しく言わないで、今の憲法で何ができるか考えなさいよ」、と諭したいのではないかと感じたのである。が、

これは、あくまで私の主観である。

本当は、このような記事を書く前に、小沢氏の著書も読んでおくべきなのだが、少々忙しく、読めない。

小沢氏の思想を推定した上でのコメントなので、根拠に乏しいが、党首討論を聴いた所感は以上である。

ということで、今夜はご容赦のほど。


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2006.10.17

「小泉前首相の外遊、約8億1000万円=退任前の4回分」←障害者の負担を増やして、自分は8億円かけて豪遊ですか。

◆記事:小泉前首相の外遊、約8億1000万円=退任前の4回分-政府答弁書

政府は17日午前の閣議で、小泉純一郎前首相が退任前に行った4回の外遊に要した費用は、約8億1500万円だったとする答弁書を決定した。

答弁書は「外国訪問は戦略的に実施されており、わが国の国益に資する成果を上げている」と強調している。

費用の内訳は、

6月末のカナダ・米国訪問が約2億5200万円。

サンクトペテルブルク・サミット(主要国首脳会議)に出席した7月のロシアなどへの訪問は約2億6800万円。

8月中旬のモンゴル訪問は約9800万円、同下旬のカザフスタン、ウズベキスタン訪問は約1億9700万円だった。

アジア欧州会議(ASEM)に参加した9月のフィンランド訪問に関しては「大部分が精算中」としている。

(時事通信) - 10月17日13時1分更新


◆コメント:5年間でじゃないですよ。任期最後の2か月で8億円使ったのです。

9月18日に小泉経済政策検証総括という記事を書いた。

それもご参照いただきたいのだが、小泉政権の柱の一つは「財政の健全化」だった。



それには2つの方法があった。


  1. 政府が支出を増やして経済を活性化させ、税収を増やすことによって、赤字を減らす。

  2. 歳出を減らす。


小泉は経済のことなどまるで分からないので、竹中に丸投げした。

竹中は経済を活性化させても税収は増えないといって、財政支出を削減した。

財政支出には、「義務的支出」、つまり年金や障害者手当などの社会保障費と「裁量的支出」がある。



裁量的支出とは、利権である。

役人の天下り先を確保するために、民間企業に恩を売るべく、事業を発注する等、財務省の役人の裁量に任される部分だ。

役人は、「裁量的支出」には手を付けず、何と、「義務的支出」を減らした。

そのため、丁度一年前の10月15日、「障害者自立支援法」が成立した。


◆障害者自立支援法の何がひどいのか。

この法律ができるまでは、障害者の所得に応じて、公費(国のカネ)負担額が決められていた。

ところが、「障害者自立支援法」は、障害の程度、種類(知的、精神、身体)、障害者の所得は全く考慮せず、

利用した福祉制度によって、決まった金額の支払を一律に義務づけるものだった。

これが如何にひどいことか。

障害が重いほど、高収入を得られるような仕事には就けなくなるし、利用する福祉制度も多くなる。常識で考えればわかることだ。

重い障害を持つ人の収入は、驚くほど少ない。

2004年、大阪障害センターが、30都道府県の四千数百人の障害者を対象にして行った調査によると、

受け取っている年金(障害者年金)・手当の額は51,000円 が約60%で最も多く、3万円未満が30%強。

何とか働けるという障害者の就労収入(要するに給料)は、77%が月額1万円にもならない。

月収が一万円に満たない人に対して、「障害者自立支援法」は「もっとカネを払え」と告げたのである。

「死ね」と言っているのに等しい。あまりにひどいので、今年修正案が出来たが、

とにかく小泉改革とは、「ヒルズ族」を称揚し、「障害者は厄介者だから、死んでください」という「改革」だったのである。


◆月収一万円の障害者から金をむしり取った張本人は、会期延長を拒み、外国で遊んでいた。

今年の通常国会(第164回通常国会)は、1月20日に開会し、6月18日に閉会した。

通常国会の会期は国会法で原則150日と定められているが、必要なら延長することができる。決して珍しいことではない。



特に、164回では、まだ「教育基本法」など重要法案が山積していて、当然延長するべきところだった。

野党のみならず、与党の内部でも延長すべきだとの声が噴出していたのに、小泉首相の「延長はない」の鶴の一声で、閉会してしまった。

しかも、そのときの理由が、

「私は9月に退任する。総裁選もあり、外交もある。閉会中もやるべきことが山積している。そういう観点から延長は必要ないと思った」

という驚くべきものだった。無茶苦茶である。

総裁選は、自民党という一政党内部の行事で、国政とは関係ない。

外交は行政府の仕事である。内閣総理大臣は行政府の長。

国権の最高機関である国会が、「まだ審議することがある」と言っているのに、

行政府の長の一言で審議を終わらせてしまうとは、本来あってはならないことだ。


◆外交で何をしたか?「プレスリーごっこ」である。

重要法案の審議を中途半端で、終わらせてしまった、もう一つの理由は、

直前に、福井日銀総裁が村上ファンドに投資していたという大スキャンダルが発覚し、

国会を延長すると、行政府たる内閣、ひいては、内閣総理大臣がつるし上げを食うのが目に見えていたからである。

あまりにも、見え透いている。狡い男だ。



そして、「大事な外交」とは何かと言えば、例の醜態。アホのブッシュでさえ、あきれたという「プレスリーのものまね。」

モスクワサミットで、コサックダンスを踊り、はしゃぎ過ぎ、また、アホのブッシュに「少し静かにしていたらどうか」とたしなめられた。国辱である。

さらに、モンゴル、カザフスタン、ウズベキスタン歴訪は目的が全く分からない。

小泉君から国民に対して報告がない。首相退任目前で、行けるうちに、国民の血税を用いて物見遊山をしていたわけだ。



そして、そのわずか2か月の「外交」で使ったカネ(くどいが、我々の収めた税金である)がなんと8億円。

緊縮財政を唱え、改革を止めるなと、バカの一つ覚えのように言っていた本人が一番無駄遣いをしていたというこの事実。

昨年9月11日に小泉率いる自民党に投票した有権者はどのような感想をお持ちなのであろうか。

「小泉改革を評価する」のですか。


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プロの音楽家になる、ということは、並大抵のことではありません。

◆大人げないのは百も承知ですが。

のだめカンタービレというマンガが随分売れているそうですね。

今日からドラマでやっているそうですね。見ませんでした。
皆さんおたのしみのようです。プロのクラシックの音楽家まで、面白がって読んでいるそうです。

音大生も、喜んでいる人がいるようです。

だから、私のごとき、素人が余計な口出しをするべきではない、ということを、理屈では理解しようとするのですが、

あのマンガの表紙だか、広告だかに、「こんなに笑えるクラシック音楽があったのか」という文字を見たとき、

自分が子どもの頃から、愛してきたものを冒涜されたようで、悲しい、という感情を覚えました。

それは、怒りへと転化しました。

もう、この件についてはくどくど言わないようにしますので、一回だけ書かせてください。

笑えるクラシック音楽など、存在しないっ!

どうも失礼しました。

音楽家になるということは、どういうことか。

ベートーベンの「エグモント序曲」のライブ録音をアップします。


◆これは、プロではありません。

あまり、オーケストラになじみのない方が聴いたら、何も言わなければ、プロの演奏だ、と言われても不思議に思わないでしょう。

実際は、これは某音楽大学付属高校(音高=おんこう、などといいます)の器楽専攻学生によって編成されたオーケストラです。
どの楽器を聴いても、技術的には、もう、できあがっています。

特にオーケストラで、一番大事な弦楽器。第一バイオリン、第二バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス。

どのセクションも半数は1年生、15歳か16歳です。それで、もう立派なオーケストラの音がします。

それでも、これから何年も研鑽を積むのです。そして、それでもプロになれるかどうかは、分からない。そういう世界です。

今までアップした音楽では一番長い。でも10分はかかりませんから、ちょっと我慢して聴いて下さい。

曲の終盤に向って、音楽が爆発します。ベートーベンの、音楽に対する火のような情熱、が感じられます。


◆良いティンパニです。女の子です。

どの楽器もいいのですが、トランペットもティンパニも女の学生さんなのです。

音楽の世界ほど、男女平等の世界は無いのではないでしょうか。上手ければ、男でも女でも良いのです。

特に、このティンパニは、良いティンパニ奏者だと思います。

少なくとも私は好きです。

オーケストラの中でティンパニが如何に響くべきかということが分かっていると思います。

やや音が堅いのは、堅めのマレット(バチ)を使っているからです。

エグモントは、この音で良いと思います。

繰り返しますが、プロの音楽家になるということは、高校生で、既に技術はできあがっているような人が、

さらに、何年も一心不乱に勉強して、初めて、なれるか、なれないか、ということなのです。

ちゃらちゃら、放課後話をしている人はあまりいないと思います。まあ、ドラマはそれではストーリーにならないから、

仕方がないですね。


◆パリ音楽院について。

あと、もうひとつだけ。マンガそのものをよんだわけではなく(お断りしておきますが、マンガそのものに偏見はありません)、

ウィキペディアで調べたのですが主人公は、

パリ音楽院(コンセルヴァトアール)のピアノ科に留学しているとか・・・。

コンセルヴァトアールのピアノ科ですか。

ここはすごいですよ。作者はわかっているのだろうか・・・。

つまりですね。年中幾度となく試験(勿論実技)があります。

ピアノの学生の審査でも、技術だけを見ないように、

審査員の先生は、弦楽器や、管楽器や、作曲科など、いろいろな分野から、都度選ばれます。

学生の「音楽」そのものを評価するためです。

ある学生が、ある試験で、採点が80点だったとしましょう。次のテストで、また、80点だったとしましょう。

どうなるとおもいますか?

退学です。

何故か?向上していないから。

岩城宏之さんが実際に取材したそうですから、本当でしょう。

だから、「パリ音楽院で学ぶ」と経歴に書いてある人は多いけれども、

「パリ音楽院卒」は滅多にいないのですね(他の楽器は、知りません)。

まあ、そういうことです。



これ以上書くと、険悪なムードになりますので。筆を置きます。

音楽を専攻する高校生のオーケストラの演奏で、ベートーベン作曲「エグモント序曲」をどうぞお聴き下さい。


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2006.10.16

「<北朝鮮核実験>「あったの」「なかったの」依然未確認」←にもかかわらず、「周辺事態」だと騒ぐ政府の危なさ。(予算委員会音声追加)

◆記事:<北朝鮮核実験>「あったの」「なかったの」依然未確認(毎日新聞) - 10月15日9時20分更新

北朝鮮の核実験発表から5日後の14日、米側から朝鮮半島周辺上空で放射性物質を検出したとの知らせが日本政府にもたらされた。

実験の可能性を示した「揺れ」以外で、初めての証拠となるのか。

国連安保理は、制裁採決へ向け協議を続ける。瀬戸際外交が専門の北朝鮮は、再実験に踏み切るのか。その可能性を探った。

■米軍が「北朝鮮周辺」で放射性物質検出したが

「米軍が朝鮮半島周辺の上空で核実験を行った際に検出される放射性物質を確認した」。

実験発表以降、初めてとなる放射性物質検出のニュースが14日、飛び込んできた。

しかし、核分裂反応で生じる放射性物質が大気中から検出されたとしても、それだけで核実験があったと断定するのは難しい。

宇宙から常に地球に降り注いでいる放射線(宇宙線)が大気中の物質に当たって生じたり、原子炉から放出された可能性もあるからだ。

地下核実験で検出されやすいのは、核分裂の際に出てくるキセノンやクリプトンなどだ。

「希ガス」と呼ばれるこれらは、他の物質に吸着しにくい性質を持っているからだ。

しかし、地球の大気中には欧州などの核燃料再処理工場から放出されたクリプトン由来の放射能が1立方メートル当たり1.5ベクレルあり、

微量の検出では実験実施の根拠にはならない。また、ヨウ素131やバリウム140などが検出されれば、核実験の疑いが高いとされる。

その元素が存在できる期間の目安となる「半減期」がヨウ素131は約8日、バリウム140で約13日と、

いずれも寿命が短く自然界では本来観測されないからだ。ただ、これも検出量が微量な場合は確認が難しい。

こうしたごく微量な放射性物質の変動を見極めるには、各観測点で定期的に大気中の放射性物質を測定して、基準となる量を知っておく必要がある。

核実験全面禁止条約(CTBT)に基づく監視・観測では、24時間放射性物質の量を測っているため、異常な変動があれば分かるが、

今回国内の観測地点で変動は確認できていない。また、国内の基地から飛んだ米軍の観測では、

そうした日常のデータが蓄積されているか分からず、変動をキャッチできたかは不透明だ。

過去にも核実験があったと疑われたが、観測できなかった例がある。核兵器を秘密裏に開発、保有していた南アフリカのケースだ。

79年9月に米偵察衛星が南アフリカ沖のインド洋上で核爆発が疑われるせん光を観測。

米政府は、放射性物質の確認作業を続け、豪州の羊の甲状腺からヨウ素131を検出したが微量だったため、

核実験によるものかどうか判定できなかった。


◆コメント:事実認定があいまいなまま、急速に戦時体制へ移行しようとしていますよ。結構危ない状態だよ。

14日、アメリカが、北朝鮮が核実験を行ったという場所で、放射能を検出した、と発表した。

私は、放射能は普通の状態でも存在するのだから、それだけでは、北朝鮮が核実験を行ったことの物的証拠にはならないとかいた

そのことを更に詳しく説明しているのが、上の毎日新聞の記事である。

要するに、未だ、真実は明らかとなっていないのである。

しかし、さすが、タカ派の安倍首相。北朝鮮が核実験を行ったとの声明を発表したこと自体が、

有事法制で言うところの「周辺事態」だ、と言い始めています。政府見解によれば、周辺事態とは、

放置すれば直接の武力攻撃に至る恐れのある事態など、日本周辺地域における日本の平和と安全に重要な影響を与える事態

というのである。。

何度も書くが、いまだに核実験が本当にあったのか否か、確認できていない。

そういうことを一番精密に24時間監視している、核実験全面禁止条約機関(CTBTO)は、

放射能や、核分裂の際に発生する物質(キセノンやクリプトン)を検出していない。

酒乱で有名な自民党の中川政調会長は「日本の核保有議論は、大いにあって良い」などとテレビで発言している。

北朝鮮にかこつけて、急速に日本が右旋回しそうである。


◆週刊現代の記事について質問され、怒鳴りまくった安倍首相

10月11日、参議院予算委員会で、民主党の森ゆうこ議員が、安倍首相の拉致被害者奪還の具体策を問い質したが、具体案は何も出てこない。

そして、週刊現代のスクープについてきかれたときの激怒は普通ではない。

これが、10月11日参議院予算委員会で週刊現代の記事に関する佐藤議員の質問と安倍首相の「激怒」の一部である。明らかに、一部カットされている→
なにか、怪しい。

なお、電子ブック書店のeBookJapanでは、過去の週刊現代、週刊ポストの記事を、「記事単位」で購入できる。

毎週木曜日にその週の月曜日に発売された最新号が電子ブック化される。ここに、週刊現代がある。

安倍首相の記事だけ、42円で買うことが出来る(前もって、クレジットカードを登録する(他の支払方法もあったはず)、

専用ソフト(ビューアー)をインストール(無料)するなど、若干の手間はかかるが、大したことはない。

ただし、当然ながらここからプリントアウトしたり、ファイルコピーは出来ない。

念のために、一言かきそえるが、私はこの書店と利害関係を持つ者ではない。


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2006.10.15

「セーラー服と機関銃」の原作者に関する補足的情報。/今日の一曲「キャンディード」序曲」

◆天下国家ばかりを書いて憂鬱なので、好きなことを書かせていただく。

毎日、時事問題について書いている。読み返すと、簡潔明瞭にまとめられない、冗漫な文章しか書けない、自分の知能の低さに自己嫌悪に陥る。

しかし、それでも、この程度の文章を書くに際して、「常識」のみで済ませることは少ない。。

毎回、情報を複数のソースで確認したり、分からない専門用語を調べるために、

ネットで百科、イミダス、現代用語の基礎知識、新聞の過去記事有料検索サービス、Financial Times、Wall Street Asia,The Economist,Britannica on lineなどを購読している。

情報はタダではない。相応の対価を支払うべきだ。本当は、青山繁晴氏のリポートなど読みたいのだが、

極めて高度な情報が含まれているため、年間10数万円の購読料がかかるし、読んだら書きたくなるが、

それは、決してしてはいけないことなのである。



カネにまつわる品がない書き出しとなったが、もう一度だけ、書かせていただく。

この程度の駄文を素人の私が書くに当たってもそれなりの準備は必要なのだ。

言うまでもなく、私はニートでもフリーターでもオーナー社長さんでもないので、時間は限られる。

書き上げたときは嬉しいかというと、そうでもない。毎日、世の中の問題の深刻さを知り、憂鬱になる。

そこで今日は、軽い話を書かせていただく。


◆どうして、今時、「セーラー服と機関銃」なの?

数週間前からJRの駅のホームに、秋のドラマの「番宣」ポスターが貼ってあり、その一つが、「セーラー服と機関銃」だったので、さすがに驚いた。

これは、四半世紀前に薬師丸ひろ子が主演で映画化されたが、元は赤川次郎氏の小説である。



ドラマが進行するにつれ、ストーリーの荒唐無稽さに、驚く方が多いと思うが、

原作者の赤川氏は事情により、所謂「ライト・ノベル」作家になったが、本来教養人である。



赤川氏は、苦労人である。福岡生まれ福岡育ちだったが、父上の仕事の都合で上京し、東京の国立市にある桐朋学園に編入した。

なお、音楽大学として、特に、ピアノと弦では日本最高水準にある桐朋学園大学音楽学部というのがある。これは、クラシック関係者は「きりとも」と呼ぶ。

発音が同じだが、文字が異なる「東邦音楽大学」が存在し、これと混同しないためである。

ただ、言っては悪いが、教師・学生の音楽的レベルは、「きりとも」に対して「東邦」は問題外である。



因みに、桐朋学園大学音楽学部の附属高校は、何故か、桐朋女子高等学校(音楽科)しか存在せず、

男の高校生も音楽を専攻するものは、「桐朋女子高等学校」の生徒なので、非常にきまりが悪い。

ベルリン・フィルのコンサートマスター、安永徹さんや、ピアニストの清水和音氏など、後の一流音楽家は

「高校の頃、通学定期を買うために駅の窓口で学生証を見せる度に『桐朋女子高等学校』とかいてあるので、実に恥ずかしかった」と書いている。

それはそうだろう。しかし、いまだに変っていない。何とかすればよいものを。


◆赤川氏が在籍したのは「桐朋中学校・高等学校」で、音楽とは関係がない。

組織としては、大元に、「学校法人・桐朋学園」があり、男子校も、音大も、桐朋女子もその傘下に属するが、互いに交流はない。

赤川次郎氏が通っていた、男子校の桐朋中学・高校は普通の学校だが、かなりレベルの高い進学校である。

毎年、東大・一橋に大勢合格するような学校なのだが、赤川氏は気の毒なことに、父上の事業が破綻して、経済的な理由により、大学進学を断念せざるを得なかった。

桐朋高校卒だが、学歴は高卒、という人は非常に稀であり、ご本人も辛かったと思う。

高校卒業後は町工場のような零細企業で働きながらも、創作活動は学生時代から始めており、社会人になってからも続けていた。

小説を書くような人は、当然のことながら自身読書家である。

上でも述べたが、赤川氏は、エッセイなどを拝見すると古今の名作に通暁した教養人である。



その赤川氏が所謂、「ライト・ノベル」という分野から書き始めるのは、特別なことではない。

他の作家で、後年、大人向け本格ミステリーを書いて名声を博すに至ったような人でも、

最初数年はライト・ノベルという中学生か高校生向けの小説を書いていた、という話を、しばしば聞く。



赤川次郎が何故、この分野にとどまっているかについては、文学・出版業界の知り合いがいないから分からない。

ネットで調べれば、恐らく有ること無いことが沢山書いてあるに違いないが、「噂」は、参考にしたくない。

以下は、完全に無根拠の、私の「想像」以外の何物でもないことをお断りした上で敢えて記す。

最も考えられるのは、「ライト・ノベル」の分野で「あまりにも売れてしまった」ということであろう。

こうなると、次から次への同種作品の注文が各出版社から持ち込まれ、断り切れなくなる。



私は、赤川次郎氏の作品は、2,3作しか読んだことがないのである。

「セーラー服と機関銃」の原作は、比較的初期の作品であるが、本として出版された3年後、1981年には薬師丸ひろ子主演で映画化された。


◆角川映画ブーム

この当時角川出版の社長で、後に麻薬取締法違反で起訴された角川春樹氏が時代の寵児としてもてはやされていた。

(私は、失礼ながら、角川氏の顔を見ると、どうしても、元・N響コンサートマスターである、ヴァイオリニストの徳永次男氏を思い出す。)



この角川春樹が、出版社としてはそれまで誰もやらなかった、「まず、映像化して、若い一般大衆に作品に対する興味を抱かせれば、本も売れる

」という手法で様々な大衆文学を映像化して、成功した。

故・横溝正史氏の一連の作品も、原作が書かれてから数十年を経て、映画化を通じて爆発的に売れるようになったのである。

角川春樹氏が如何なる基準で映画化する対象を選定していたかは知らないが、とにかく「セーラー服と機関銃」は映画化された。


◆荒唐無稽さに驚く。

私は、昔も今も、全然映画好きではなく、前評判が高い作品をならんでまで見に行くと言うようなことは絶対に面倒くさくてしないから、

「セーラー服と機関銃」は、テレビで何度も放映されたのを見ただけである。



後から文句を付けるほど簡単なことはない。本作品のストーリーはとてつもなく荒唐無稽であるけれども、

兎にも角にも、この発想が頭に浮かぶということはただごとではない。

赤川氏は今年で書き始めて30年だそうで、作品数は480、売れた本の冊数は3億冊になるという。



「所詮、ライト・ノベル、子ども向けの本だろ」と言うのは簡単だが、後から後から生まれてくる「若者」に読み継がれる何か普遍的な面白さが有るに違いない。

ブログを書いている人なら、分かるだろう。我々はカネを取らないが、

プロの物書きは、読者が「カネを払っても読みたい」とおもうような作品を、ずっと書かねばならないのだから、その苦労は察するにあまりある。


◆ここまでひっぱって、何を言いたいかというと、赤川氏のクラシック音楽家との対談集をお薦めしたいのである。

赤川次郎氏は、音楽の専門教育を受けたわけでも、楽器を演奏するわけでもないが、

かなりクラシックがお好きである。読めば、分かる。



赤川氏の小説を出版するような会社とは比較にならないほど地味だが、ずっとクラシック音楽関係の本、楽理書、楽譜を専門とする「音楽之友社」という会社があり、

そのシンボル的出版物が「音楽の友」という月刊クラシック雑誌である。

この雑誌の1989年5月号から、14回にわたり、赤川氏が当時(中には今でも)、クラシック界の第一線で活躍する音楽家と対談するという企画が発案され、実行された。



対談相手は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスター、安永徹氏、オーボエの宮本文昭氏、作曲家ですでに故人の武満徹氏、

世界で本当に活躍している日本人テノールとしては多分唯一の存在、市原多郎氏、ショパン・コンクール4位のピアニスト、小山実稚恵氏など、錚々たる顔ぶれである。



赤川次郎について書かれた文章で、このことに触れているものが殆ど無いので、本稿で取り上げたのである。

これは、決してレベルの低い対談ではない。



勿論、音楽家たちは、相手は音楽に関しては素人であるから、高度に専門的な議論は出ないが、非常に興味深いエピソードが沢山出てくる。

僭越ながら、この私が読んで、へえ、と思うぐらいだから、本当である。


◆安永さんは「ツァラトゥストラ」のソロは「出来れば、演りたくない」

安永さんが、一番弾いていて嫌なのは、リヒャルト・シュトラウスという作曲家の交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」のソロ

(コンサートマスターは、普段第一バイオリンの他のメンバーと同じ譜面を弾いているが、いろいろな作品で、ソロを弾く。

挙げるとキリがないが、リムスキー・コルサコフの「シェエラザード」は冒頭から、主人公シェエラザード

(あの「千夜一夜物語のシェエラザード、である)のテーマを弾く。

この曲はコンサートマスターのソロがヘタクソだと、どうにもこうにも、話にならない)だそうだ。


◆宮本文昭氏は、オーボエが3つに分かれてケースに収納されているのは、安物だからだと思った。

オーボエの宮本氏が楽器を始めたのが中学三年で、

ある日、声楽家の父君が楽器を買ってきて、ケースを開けたら、楽器は3つの部分に分かれて収納されていた

(どの、オーボエもそうだし、大抵の木管楽器は、このように分解した状態で保存し、吹くときにジョイント部を結合して一本になるのだが)のを見て、

「ああ、ウチはカネが無いから、三つに分かれた(安い)楽器しか買えなかったのだな」と思ったが、

それを口に出してはオヤジのプライドを傷つける、と気を遣い、何も言わなかったそうで、単純に面白い。


◆小山実稚恵氏はショパンコンクールの間ヒマなので、詰め将棋をしていた。

ピアニストの小山実稚恵氏は、全く留学経験がないのに、チャイコフスキー、ショパン、の二大コンクールで上位入賞を果たした唯一の日本人だが、

かなり天然ボケ気味である。

ショパンコンクールは予選から本選まで一ヶ月以上かかるので、途中ずっと練習するのにも飽きて、

当時覚えたばかりの「詰将棋」で暇を潰していたそうだ。これぐらい度胸が良くなければ、ソリストにはなれない。


◆お薦めの対談集

というわけで、「セーラー服と機関銃」も結構だが、

多分、赤川ファンも、クラシックファンも見向きもしていないであろう赤川次郎のばっくすてえじトーク―クラシックという地味な本をお薦めしたい。

Amazonで唯一のカスタマーレビューを書いているのは、他ならぬ、私である。


◆今日の一曲:「キャンディード」序曲」(バーンスタイン)

バーンスタインは、ミュージカル「ウェスト・サイド物語」の作曲者だが、

若い頃から、ニューヨーク・フィルハーモニック(日本語では、「ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団」と表記されることがあるが、

英語の正式名称には「管弦楽団」に相当する単語は無い)で大暴れする指揮者として有名だった。指揮台でしばしばジャンプするのである。



しかし、晩年は指揮者としての活動が殆どでしかも若い頃カラは想像できないほど非常に円熟して、ウィーンフィルとのマーラーなどの名演を遺している。

御紹介するのは、「キャンディード」というオペレッタの序曲である。



極めて高度な作曲技術を駆使していることは、楽理(音楽理論)を勉強していない者でも、想像がつく。

美しい旋律がある一方、絶えず曲想が、全く想像を超えて変化する。

ジェットコースターに乗せられたような気分、とでも言おうか(無論、絶叫する恐怖感は無い)。



もっと具体的に言えば拍子が数小節で変る。それが、速いテンポの中で、幾度となく繰り返される。

プロは慣れたものだが、こういう曲は、一拍数え間違えたら、どこで入る(弾き始める、吹き始める。叩く)のか分からなくなる。

慣れるまではどの楽器の奏者も、指揮者も一瞬も気を抜けないと思われる。

これは、やはり天才の作品だ。今までの静かな作品とは対極的である。たまには、良かろう。

どうぞ→


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◆【追加】10月14日はバーンスタインの命日であった。偶然発見しました。

「クラシック・ファン」というと、主だった作曲家の生年月日を丸暗記しているのだろう、と思っている人がいるそうだが、

とんでもない勘違いである。

やはり、

クラシック音楽=学校における「音楽の授業」の延長上にあるもの

という図式を、人々は頭に描いているのであろうか(しかし、私は同時に、「芸術は大衆に迎合するべきではない」と信じている)。

ところで、年譜を見ていて驚いたが、

この記事の日付10月14日はバーンスタインの命日だった。

私が、そうとは知らずに、「キャンディード序曲」をアップしたのである。

こういう偶然もあるのですね。それだけ。以上。おしまい。

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2006.10.14

「北朝鮮が核実験を行ったとは確定出来ていない」のが現時点における客観的事実である。(14日追加情報を含む)

◆記事1:北の「核実験」確定できない可能性=分析作業の難航示唆-米報道官

【ワシントン13日時事】スノー米大統領報道官は13日、北朝鮮の核実験実施発表に関して、

「(核実験だったかどうか)分析責任者はまだ、判断を下していない。確定的な発表はないかもしれない」と述べ、

確定できない可能性もあるとの見通しを示した。スノー報道官は記者団に、「分析は期限を設定できる作業ではない」と語り、

関連情報の収集・分析が難航していることを示唆した。(時事通信) - 10月14日1時4分更新


◆記事2:<北朝鮮核実験>放射性物質出ず CTBTO観測結果

核実験全面禁止条約機関(CTBTO)準備委員会は13日、ウィーンで、条約に署名した各国を集めて特別会合を開き、

地震波など、北朝鮮の核実験監視のための各種の観測データを議論した。

核爆発の確認に重要な判断材料となる放射性物質は、「これまで検出されていない」との観測結果が報告された。

一方、核実験が原因となった可能性がある地震のマグニチュード(M)を従来のM4.0(誤差M0.3)から、M4.1(同0.1)と評価し直した。

日本では、全国36府県などが行った12日午前9時までの観測で、大気中で放射性物質は検出されていない。

しかし、CTBTOの観測は精度が高く、自治体の観測では分からない微量元素も検出できるため、データが注目されていた。

日本政府は「現時点では放射性物質が出ていないということで、核実験ではなかったとの判断はまだできない」

としており、今後も観測データの収集などを続けるという。(毎日新聞) - 10月13日22時55分更新


◆記事3:対北決議、きょうにも採択=米が安保理各国に提示(時事通信) - 10月14日1時4分更新

【ニューヨーク13日時事】国連を舞台にした北朝鮮に対する制裁決議交渉で、米国は13日午前、

最終合意案を安保理の理事国各国に提示した。米国は同日午後に安保理に合意案を提出。

14日午前(日本時間同日深夜から15日未明)にも全会一致で採択される見通しだ。

合意案は、経済制裁について定めた「国連憲章第7章41条」を明記し、制裁を非軍事的措置に限定。

一方で、北朝鮮船舶の臨検のほか、核・ミサイル関連物資や大型通常兵器の禁輸、大量破壊兵器開発に絡んだ金融資産の凍結など、

幅広い制裁措置を盛り込んだ。少なくとも日本と英仏両国、スロバキアなど8カ国が共同提案国に名を連ねる見込み。


◆記事4:ミサイル防衛の整備急ぐと安倍首相=敵基地攻撃能力「検討は当然」-参院予算委

安倍晋三首相は12日の参院予算委員会で、北朝鮮の核実験実施発表という新事態を受けたミサイル防衛網の整備について

「こういう状況を踏まえ、促進すべく努力したい」と述べ、急ぐ考えを表明した。

また、久間章生防衛庁長官は「国民の不安を取り除くため、少し(整備計画の)前倒しを考えないといけない」と述べた。自民党の愛知治郎氏への答弁。

現行計画は、地上配備型(PAC3)とイージス艦搭載型(SM3)の2種類の迎撃ミサイルによる防衛システムの整備を2011年度までに完了するとしている。



また愛知氏は、北朝鮮が弾道ミサイルを日本に発射した場合の対抗手段として、

敵基地攻撃などの能力の保有を検討すべきだとただした。これに対し首相は、

「常にわが国を守るためにはどうすればいいかを検討、研究していくことは当然だ」と述べた。

首相は官房長官当時も、敵基地攻撃能力の保有に関する検討が必要だと発言している。

(時事通信) - 10月12日21時2分更新


◆コメント:運が良い安倍首相、だが、性急すぎる。

安倍首相はツイている。

就任演説では「この人、大丈夫かね・・・」という印象だったが、就任早々、訪中、訪韓を決め、

その最中に北朝鮮が核実験に成功した、との声明を発表した。

北朝鮮の件がなくても、小泉首相の時代には全然会おうとしなかった中国の指導者は、

安倍首相とならば、日中関係改善が期待出来る、と踏んでいたようだ。



しかし、北朝鮮の騒ぎがなかったら、中国も韓国も例によって戦争中の話を持ち出し、また、「謝れ」といい出したかも知れない。

ところが、北朝鮮が丁度良いタイミングで、日・中・韓にとっての共通の「安全保障上の脅威」になってくれたので、

とりあえず「今は、靖国問題は保留にしておこう」という流れになった。

これにより、5年間、小泉首相の所為で最悪の状態だった日中関係を、

とりあえず、急速に安倍首相が回復させた、という印象が形成されている。


◆確証がないまま、急速に「制裁」「適地攻撃能力検討は当然」という安倍首相。

日本政府は、近年稀に見る「迅速な対応」を行っている。

記事3のとおり、日本時間の14日中にも国連安全保障理事会は、対北決議案を採択する見通しである。

それは、国連憲章にのっとった手続きである。



しかし、記事4は危ないね。これがどれぐらい重大な発言か、どうしてマスコミは取り上げないのか。


◆「先制攻撃の検討」は違憲である。

今までの政府の公式見解は、集団的自衛権の行使は不可、であって、それは今も変更されていない。

ところが、記事4にあるとおり、安倍首相は、ミサイル「防衛」のみならず、

何と、日本から先制攻撃を仕掛けることも「当然、検討するべき」だと言う。



時事通信は淡々と伝えているが、これは、重大な発言だ。

現行憲法では、どう考えても先制攻撃は認められないのに、憲法遵守義務を負う内閣総理大臣が、完全に憲法9条を無視している。

これはいけませんぞ。

仮に、憲法改正(私は絶対反対だが)が実現し、日本が戦争を出来る国になってしまったのならば(考えたくもないが)、

記事4に書かれているような首相の発言も許されるだろう。



しかし、現実には、言うまでもなく、日本国憲法は、施行から今日まで、何の変更もないのである。

首相が今の憲法を変えたがっているのは、皆知っているが、兎にも角にも今現在は、日本国憲法は先制攻撃など認めていないのだから、

国政の最高責任者が憲法遵守義務に違反する行為(先制攻撃)を「当然検討すべきだ」と発言してはいけない。


◆いいですか、落ちついて記事1と記事2を読んで下さい。「核実験は確認できていないのです」

北朝鮮が「核実験に成功した」との声明を発表したのが、9日(月)の午前11時すぎ。

それから、4日経ったが、放射能は検出できず、核実験が行われていないかを監視する専門組織、

「核実験全面禁止条約機関」は、今日、いまだに放射能は検出されていないといったのだ。



米国のスノー報道官も、記事1だが、「北の『核実験』確定できない可能性」を示唆している。

つまり、北朝鮮が核実験を行ったかどうかすら、いまだに分かっていないのである。


◆イラク戦争を始めたときのブッシュと同じだ。国際法(国連憲章)にも違反している。

国連憲章は、原則として武力行使を国際紛争解決の手段として用いることを禁止している。例外は2つだけ。


  1. 自国(集団的自衛権の行使を認めている国なら、同盟国も含む)が他国の攻撃を受けて、これに対して、国連軍が助けに行くまで、自国又は同盟国を防衛する場合。

  2. 国連安全保障理事会が正式な手続きにしたがって、問題を起こしている国へ多国籍軍を派遣することを決定したとき。


である。

先制攻撃はゆるされていないのである。

にも関わらず、「イラクが大量破壊兵器を保有している」と主張して、

実は証拠もない(ことが後に判明した)のにイラク戦争を開始したアメリカと、安倍首相の発想は同一である。



結論として繰り返すならば、日本が勝手に先制攻撃を行うことは、憲法にも国連憲章にも違反する行為である。

「当然検討」など、とんでもない。

それに、北朝鮮には横田めぐみさんたち、拉致被害者がいるのだ。

先制攻撃などを加えたら、彼らの身に何が起きるか分からないではないか。

安倍ちゃん。あまり調子に乗ってはいかんよ。


◆【追加】記事:<北朝鮮核実験>米軍偵察機、微量の放射性物質発見?(毎日新聞) - 10月14日12時18分更新

【ワシントン和田浩明】米CNNテレビは13日夜(日本時間14日朝)、

北朝鮮が9日に発表した核実験が行われたとされる現場付近で「放射能の形跡」が見つかったとの米政府当局者の話を報じた。

CNNによると、沖縄の駐留米軍の偵察機が収集した大気サンプルから、核実験で放出されたとみられる微量の放射性物質を発見したという。

詳細な収集場所は不明。核実験全面禁止条約機関(CTBTO)準備委員会が13日ウィーンで開催した加盟国の特別会合では、

放射性物質は「これまで検出されていない」との観測結果が報告されている。

AP通信も同日、米情報当局者の話として、大気サンプルの初回の分析では、「まだ見つかっていない」と報じていた。


◆コメント:「北朝鮮の『核実験声明』後5日経ってから」、「米国」が、「放射能の形跡」を発見したと言い出した訳です。

昨夜、原稿をアップした時点では、ホワイトハウスのスノー報道官は、記事1にあるとおり、確証を得るのは難しいといっていたけれど、

今日になって、「放射能の形跡」を北朝鮮の現場付近で検出した。と言っています。

早とちりしないようにしないと、いけないですね。北朝鮮の核実験によるものかは分かりません。

核実験が行われなくても常に、大気中に微量の放射能は存在しているのですから。

例えば、原子力発電所で使用済み核燃料を、処理施設に運ぶために、ごく一瞬ではあるが、あのプールから外に出すと、空気に触れる。

使用済み核燃料からは大変強い放射能が出ている。そして、放射能は風に乗って何百キロも飛んでゆくのです。

だから、北朝鮮が「実験を行ったと言われている場所」の上空で「放射能の形跡」が検出されたこと=「北朝鮮が核実験を行った物的証拠」

には、必ずしもなりません。

そして、発見したのがアメリカですから。

イラク戦争を開始するために、ありもしない「大量破壊兵器」の証拠がある、と嘘をついた国家ですから。

それも、考慮する必要があります。

つまり、今もなお「事実は確定できていない」のが、客観的な見方です。


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2006.10.13

なるほど。若い人は「日本初の生体肝移植」当時のことを知らないわけですな。

◆非常にアクセスが多かったのです。

今日(12日)は何だか矢鱈とアクセス数が(私のサイトにしては)多くて、どのページを見ているのかと思ったら、

ココログの2005.11.14「16年前の今日(11月13日)日本で初めての生体肝移植が行われました。」なのです。

これは、RinRin王国さんがリンクを貼ってくださったからですが、

その元の情報源は、このブログを読んで下さっているsatomiesさんのブログが、移植アレコレで取り上げて下さったからなのですね。

satomiesさんは、以前、こちらのブログで、私が日航123便について書いた 「日航123便はあの30分が全てではないのだ。」とその翌日のブログを紹介して下さったので良く覚えています。


◆思いこみ

つい先日も、「思いこみ」について書きました。

私は1989年11月13日、日本で初めて島根医科大学第二外科が行った生体肝移植を非常に強烈な印象として記憶にとどめているので、

世の人々も同様だろう、という勝手な「思いこみ」があったのです。

だから、何故今頃、あの有名な語り尽くされた話が話題になるのかな?と思ったのです。



しかし、ちょっと考えればすぐに分かることで、あれは17年前の出来事ですから、

今の20代の人は、生まれていたけど、まだ事態を理解できるような年齢ではなく、

30代の方は理解は出来る年齢になっていたが、それほど関心がなかった、ということなのでしょうね。

いや、勿論批判しているのではありません。無理もない、ということです。

そういう方々には、あの話がむしろ新鮮なんでしょう。



これだから「思いこみ」は禁物なんですね。

自分が鮮明に記憶していることは、何となく世の中全体も覚えているだろう、という、一種の錯覚に陥るわけです。

だから、昨日の集団的自衛権の説明なども、何度書いてもいいのだな、と、思いました。

自分では常識になっていても、常に、新しい読者がいらっしゃるのですから。


◆生体肝移植は、プロジェクトXの本もお薦めです。

上のリンク先、2005.11.14「16年前の今日(11月13日)日本で初めての生体肝移植が行われました。」には、載せていませんが、

電子ブックでNHK出版文庫 プロジェクトXというシリーズがあります。

ブンコビューアーという無料ソフトが必要ですが、何種類かあって、パソコンでも、携帯でも、PDAでも(今、あまり使う人いないのですか?)読めます。

矢鱈と多いのですが、裕弥ちゃん1歳 輝け命/日本初・親から子への肝臓移植です。

昨年書いた文章の中で紹介した、「決断」は、裕也ちゃんの治療の途中経過なのです。

亡くなってから書かれたものではない。

プロジェクトXは、杉本裕也ちゃんが残念ながら亡くなった後のエピソードも書かれています。


◆ところで・・・

どうして、生体肝移植が話題になったのかとおもって、satomiesさんのブログを読んだら、

例の「さくらちゃんを救う会」の募金を巡っていろいろと論争(?)の末、移植といえば・・、ということで出てきたのですね。

さくらちゃんを救う会はさきほど見たら集まったお金が一億円を超えていました。暫く増えなかったみたいですが、また集まり出したのですね。

少し安心しました。世の中、そう捨てたものでも無いようです。
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2006.10.12

NHK電話アンケート「改憲賛成40%」「集団的自衛権の意味を知っている8%」←知らないで賛成するな。/今日の名曲

◆記事:世論調査 教基法改正に賛成39%(NHK)

NHKが行った世論調査によりますと、今の教育基本法を改正することに、

「賛成」と答えた人が39%だったのに対し、「反対」と答えた人は11%でした。

NHKは、今月7日からの3日間全国の20歳以上の男女を対象に、

コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査を行い、

66%にあたる1184人から回答を得ました。

それによりますと、愛国心の表現などをめぐって与野党で意見が分かれている教育基本法の改正問題に関連し、

今の教育基本法を改正することに賛成か反対か尋ねたところ、

▽「賛成」と答えた人が39%だったのに対し、

▽「反対」が11%、

▽「どちらともいえない」が41%でした。

このうち、「賛成」と答えた人に、改正案の成立時期についてどう思うか尋ねたところ、

▽「今の国会で成立させるべきだ」が30%、

▽「今の国会にこだわらずに時間をかけて議論すべきだ」が69%でした。



さらに、安倍総理大臣が、憲法改正を重要政策の1つとしていることに関連し、憲法を改正する必要があると思うか尋ねたところ、

▽「改正する必要があると思う」が40%だったのに対し、

▽「改正する必要はないと思う」が22%、

▽「どちらともいえない」が30%でした。

また、いわゆる「集団的自衛権」について、その意味を知っているか尋ねたところ

▽「よく知っている」と答えた人が8%、

▽「ある程度知っている」が36%、

▽「あまり知らない」が36%、

▽「まったく知らない」が14%でした。



このうち、「知っている」と答えた人に、安倍総理大臣が、政府が憲法解釈上認められないとしている集団的自衛権の行使について、

研究する意向を示したことをどう評価するか尋ねました。その結果、

▽「大いに評価する」が22%、

▽「ある程度評価する」が53%、

▽「あまり評価しない」が17%、

▽「まったく評価しない」が7%でした。[10月11日 8時7分]


◆「集団的自衛権」を知らないで、どうして「改憲賛成」できるのですか?

このアンケートのことは、いつも愛読させていただいている、Iさんという方の日記で知りました。

NHKだろうと見当を付けてNHKニュースのサイトを読んだら見つかりました。ありがとうございます。



さて、と。非常に僭越な書き始めであるけれども、いつも駄文にお付き合い下さっている方は、

私がなにを述べたいかお察し下さっているのではないかと思いますが、

毎日初めて読んで下さる方が必ずいらっしゃるので、また書きます。こうなったら何百回でも書きます。



NHKのアンケートは記事を読めばお分かりのとおり、NHKのアンケートの主目的は教育基本法改正の是非を問うためだったのですが、

それは、別の機会に書きます。

私は過去1300本ぐらい記事(と称してますが、要するに日記です)を書いていますが、

その間何度書いたか分からないのですが、「集団的自衛権の行使を認めてはいけない」という旨を述べております



最近は減りましたが、かつてはそれを書くと必ず、

「自分の国を守って何が悪い!」

というメールを頂戴します。

その度に、はっきり言ってため息がでます。

「どうして、言葉の意味を理解しないまま抗議してくるのかな?」と不思議に思います。

これは、「自分がある概念を分かっているか分かっていないかを自覚していない」ことに起因するものと思われます。

どうすれば、ある概念を自分が理解しているかどうかを確かめられるかというと、簡単で、他人に説明できるか否か、を考えれば良いわけです。

他人がいなくてもいい。自分の言葉で説明できるか。文章に書けるか、試してみれば良いのです。

それができないなら、分かってないのです。

分かっていないなら、調べればよいのです。「個別的自衛権」「集団的自衛権」などという言葉はもっとも簡単に調べられる。

いかにも辞書・辞典・事典の見出しになっていそうな言葉ではありませんか。実際そうなんです。

また、辞典の類をひもとかなくても、インターネットで「集団的自衛権とは」で検索するとGoogleでは748件、Yahoo!検索では683,000件ヒットします。


◆「個別的自衛権」「集団的自衛権」とはなにか。

「個別的自衛権」とは自分の国が外国から侵略されたり、攻撃されたりしたとき、自国を防衛する権利です。

日本政府の長年の公式見解は、日本は個別的自衛権の行使はできるが、

集団的自衛権の行使は憲法第9条に違反すると考えられるので、認められない、というものです。

個別的自衛権は当然だと思います。

憲法第9条を厳密に解釈すると、国の交戦権は認めない。一切の武力を保持しないとありますが、

憲法前文において、日本国民が平和に幸福を追求する権利、「平和的生存権」を守ると書いているのですから、

外国から攻撃を受けた場合、国民を守るために「最低限の実力」を行使できるのは当たり前だと思います。



「集団的自衛権」は国際法上定義されていないのですが、最も一般的に受け入れられている説明をします。

集団的自衛権とは、
「自国が他国から侵略・攻撃を受けていなくても、自国と同盟関係を結んでいるなど、密接な関係にある国が第3国から、侵略・攻撃を受けた場合、それを自国への攻撃と同じ物と見なして、防衛する権利」

です。


◆公式には「集団的自衛権」を認めていない今ですら、イラク戦争を手伝っている。

集団的自衛権を認めると、日本の同盟国はアメリカですから、アメリカが侵略を受けると言うことは考えにくいけれども、

例えば911テロのとき、アメリカは犯人はオサマ・ビン・ラディンが率いるタリバンだと言ってアフガニスタンを攻撃しましたが、

日本もこれに加わって、一緒にアフガニスタンを攻撃しなければならなくなります。

そうでなくても、アメリカはとにかくずっと戦争をしている国です。

自分から因縁を付けて、何ら、正当性がないイラク戦争を開始して、日本に手伝えといいました。

これは、アメリカが侵略されているわけではないけれども、戦争中の同盟国は攻撃も受けるわけですから、

アメリカを手伝うことは集団的自衛権の行使に相当すると私は考えています。

従って、イラク復興支援特別措置法とそれにもとづく自衛隊のイラクへの派遣は、

陸自だけみると、道路の補修など平和的ですが、航空自衛隊はアメリカやイギリスの武装した兵士や、

物資(多分、武器・弾薬も含まれていると思います。)をC-130輸送機で運んでいますから、

これは、自分で武器を用いて他国民を殺傷していませんが、それをしている国をたすけており(後方支援といいます)、

憲法違反だと思います。

集団的自衛権を認めていないから、武力行使だけはしないで済んでいる。

認めたら大変なことになります。


◆一旦認めたら最後

政府の公式見解は今でも変っていないのに、イラク戦争が始まってしばらくしてから、

あのスキンヘッドの巨漢、アーミテージ国務副長官が日本にやってきて、

「ショウ・ザ・フラッグ」(旗幟を鮮明にしろ)、「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」(現地に行け)と一喝されたら、

小泉政権は一も二も無く従いました。

しかし、集団的自衛権を認めていない、武力行使を認めない9条があるから、

日本は戦後60年、実際には最新鋭の軍備を持ちながら、自衛隊は外国人を一人も殺していない。

ただの一度も武力を行使していないのです。

私のところに来たメールで、「集団的自衛権」は「権利」なのだから、

これを認めても必ずしも武力を行使することにはならない、と言った人がいました。

そんなわけないでしょ?

今ですら、ギリギリの、本当は違憲の自衛隊派遣を強要されているのです。

集団的自衛権の行使を可能とする、と一度宣言したら、日本政府はアメリカの言いなりなんだから、

絶対、鉄砲を持って戦場に来い、と言われますよ。

一度武力を行使したら、軍隊というのは必ず戦場では異常な心理になって段々エスカレートするのです(昨年亡くなった後藤田正晴・元官房長官が何度も言っています)。

自衛隊が海外で人殺しの「既成事実」を作ってしまったら、60年平和を守ってきた世界に冠たる平和国家はなくなります。


◆国連憲章では認めているではないか、というひと。

国連憲章は、原則、武力行使は違法としていますが、51条で例外の一つとして、

個別的自衛権又は集団的自衛権を行使する場合はやむを得ない、と規定しています。

この51条ができたのは、1945年のサンフランシスコ会議です。

それまでの国連憲章原案には集団的自衛権は認められていなかったのです。

同盟関係にある国へ攻撃があったからといって、勝手に武力による反撃に加わってはいけなかったのです。都度常任理事国の承認が必要だったのです。

それじゃ不便だ、といって、集団的自衛権の行使を可能にすべく51条を加えさせたのはアメリカなのです。



だから、しばしば「国連憲章では集団的自衛権をみとめているのだから、当然日本も・・」という人がいますが、

何も満場一致で賛成というわけじゃなかったのです。

そして、たとえ、国連憲章で認めていても、それは「権利」であり、義務ではありません。

その上、日本国の最高法規は日本国憲法ではこれを制限している。というのは大変賢明なことだとおもいます。

今日の日経によると、公明党は集団的自衛権に反対だそうです。公明党にしては良いこといいますね。

連立与党の一つが反対と言っているのですから、安倍首相がいくら集団的自衛権を認めようとしても難しい。


◆北朝鮮の脅威に対抗するのに集団的自衛権は必要ない。

北朝鮮が、たとえば、ミサイルを撃ってきたとか、特殊工作員が日本に上陸したとして、

これにどうやって対抗するか、軍事的専門知識は私にはありませんが、これに自衛隊が対抗するのは「個別的自衛権」の行使です。

そうでしょ?自国への侵略への反撃ですから。

それを在日米軍が助けるというときは、アメリカが集団的自衛権を行使するのです。

これを、自衛隊が米軍と一緒に戦うから「集団的自衛」だ、と考えている人が多いようですが、全然違います。

また、アメリカが集団的自衛権を行使して日本を守ってくれるのに、日本がアメリカを助けないのは不公平じゃないかと石破元防衛庁長官などが言いますが、

日米安全保障条約を締結するときに、アメリカは日本が集団的自衛権を行使しないことを知っていたのですから、構わないのです。

こういうときは、欧米人に対しては、日本人的感覚では身勝手と思われるようなことでもズケズケと主張すればいいのです。

アメリカの顔色を窺っていたら何処まで付き合わされるかキリがありません。

集団的自衛権の行使を認めてはいけません。


◆今日の一曲:2本のトランペットの為の協奏曲

これは、実際のコンサートで聴いたことのある方はあまりいないと思います。

ヴィヴァルディというと「四季」ですけど、実に色々な楽器の為に協奏曲を書いています。

2本のトランペットの為の協奏曲は、ちょっと楽譜だけ見るとやさしそうですが、

当時のトランペットには、今の楽器のようなバルブ(指で押えて音程を変化させる装置)がなく、

単なる金属の管だったのです。

それを自然倍音というのを使って、要するに息のスピードと唇の加減だけで、演奏していたのです。

ものすごく、難しかったと思います。

いずれにせよ、大変爽やかな曲です。

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2006.10.11

「政府・自民、北の核実験に懐疑論=外務省首脳『怪しいと思う』」←やっぱり。まだ真実は分からない/バッハ「シチリアーノ」

◆記事1:政府・自民、北の核実験に懐疑論=外務省首脳「怪しいと思う」

北朝鮮が実施したと発表した核実験について、観測された地震は核実験によるものではないとの見方が10日、政府・自民党内に浮上した。

外務省首脳は同日夜、「(核実験に伴い空気中に放出される)放射性物質は初日に一番出るはずなのに、全く出ていない。

今後出るとも限らない。最初から怪しいと思っている」と述べた。

また、自民党の国防族幹部も同日、「(核実験ではない可能性が)濃厚になってきている」と語った。

同幹部は、日本や米国などが進めている分析作業に少なくともあと2~3日はかかるとの見通しも示した。

(時事通信) - 10月11日1時0分更新


◆記事2:<北朝鮮核実験>「ミサイル搭載数年かかる」 米専門家分析

【ワシントン和田浩明】北朝鮮の核実験を受け、核弾頭を運搬手段の弾道ミサイルに搭載できるまで小型化する技術を持っているかどうかについて、

国際社会の懸念と関心が高まっている。米情報機関は「(小型化技術保有の)理論的な可能性はある」と分析しているが、

搭載実現には少なくとも数年はかかるというのが大方の専門家の見方だ。

米中央情報局(CIA)や国防情報局(DIA)は04~05年にかけての連邦議会への報告で、

北朝鮮による核弾頭のミサイル搭載の可能性に言及している。しかし、搭載の実例を確認したとの公式情報は出していない。

北朝鮮が7月に試験発射に失敗した「テポドン2号」についてCIAは発射前、「核兵器規模の有効搭載量を持ち、

米本土に到達する潜在能力を持つ」と分析していた。

米民間シンクタンクのカーネギー国際平和研究所によると、米国が1950年代に配備した最初の大陸間弾道弾に搭載されていた核弾頭は4~5トン。

これを1トン前後に小型化するのに6~8年かかっている。米ソ冷戦のさなかで米国が核軍備強化に注力していた時代のことだ。

米不拡散研究センターの今年3月の推定では、北朝鮮が保有する弾道ミサイルの有効搭載量は「ノドン」で700キロ前後、

98年に日本上空を飛行した「テポドン1号」ではより低いと見られている。

プルトニウムを使った核分裂爆弾を小型化する手法として、重水素と三重水素の混合ガスを弾頭中心部に注入する方法がある。

だが、米国の民間研究機関「核脅威イニシアチブ」によると、三重水素は高価で扱いも難しく、

「北朝鮮がミサイル技術を提供しているパキスタンから三重水素を入手した可能性はあるが、入手や独自生産の証拠はない」という。

北朝鮮の弾道ミサイルの命中精度はノドンで推定2~4キロと低く、「軍事的な脅威は相対的に低い」(同センター)。

しかし、核弾頭を搭載できなくとも、核物質や生物・化学兵器の搭載は可能と見られ、

在日米軍基地の攻撃などに使われた場合、周辺の人口集中地区に大きな被害が出る可能性も懸念される。

(毎日新聞) - 10月10日19時26分更新


◆コメント:まだ、核爆発があったかどうか、わからないのですよ。

昨日書いたばかりでくどいようですが、人間はミス・リードされやすいのですね。

ミス・リードとは、英語の“mislead”で、誤った情報へ導く、欺す、というような意味です。

勿論、「核爆発が無かった」、と断定するのことも、現時点では出来ません。



但し、昨日、私は「北朝鮮核実験」←まだ真実の全貌はわかっていないのです。という記事を書きました。

昨日の「記事3」を読んでいただくと分かるように、核実験を監視する専門家が、まだ十分なデータが揃っていない昨日の時点で、

「核爆発かどうか怪しい」とNHKのインタビューに答えた、との話を読んで、私は「???」と思いました。

分からないなら、専門家は、通常、「まだ、何とも言えない」とコメントします。

外れたら面目がたたないですから、その専門家が昨日、違うかも知れないと言ったのは、

本心は「多分違うだろう」と言うことだったのかも知れません。


◆「思いこみ」が起きるのも無理はないのですが・・。

どうして、皆、やたら慌てたかというと、北朝鮮はとっくの昔、2002年にアメリカの特使に、

核爆弾を持つために必要なウラン濃縮計画を行っていると公言しているわけです。

そして2005年4月には核拡散防止条約を脱退しました。

そういう「歴史的経緯」があり、先週水曜には「近々、核実験をやるつもりだ」とわざわざステートメントを首領様が発表したわけです。

これで、まず、「思いこみ」が始まります。

やるとしたら、安倍首相が中国と韓国を訪問する8日か9日だろうと言われていました。

そして、まさにそのタイミングである昨日、ロシア、韓国、日本で地震計が揺れを観測し、北朝鮮自身が「核実験に成功した」と発表した。

それだけなのですが、どうしても思いこんでしまいますね。



しかし、皆さんご承知のとおり、平気で嘘をつく国ですから。

国家指導者が日本人拉致を命じているくせに、部下が勝手にやった、と発言したり、

拉致被害者は死亡したといって、偽物の「遺骨」を送ってきたり、偽米ドル札を作ったり。



繰り返しますが、私は北朝鮮は核実験を行っていない、と言っているのではありません。

「何が真実か、まだ分からないから、国連憲章7章制裁(第7章は「平和に対する脅威」についての規定です。まず、経済制裁など非軍事的制裁、それでも言うことをきかなかったら、多国籍軍派遣による軍事的制裁)を検討するのはもう少し待ってからでもいいでしょう。」

と言いたいのです。

記事2を読んで下さいよ。ミサイルに搭載するためにはまだ、数年かかる、という見解があるぐらいですから。


◆しかし、核爆弾はミサイルでなくても運搬できる。

一応、両方(核実験失敗、成功)のケースを想定すべきですから、書きます。

核弾頭を小型軽量化出来ない段階でも、ミサイルを使わないで運搬することは可能だ、とイギリスのThe Economist誌が書いていました。

例えば、船で運んできて、日本に上陸して、ドカンと爆発させることはできる、と。

なるほど・・・・。核兵器と言えばミサイルというのも「思いこみ」ですから、盲点ですね。

標的を韓国にした場合は、より一層、運搬が容易です。何しろ地続きですから。



日本に話を戻しますが、海岸線が長いから、海上保安庁の方はさぞや監視が大変だと思いますけれども、

警戒していただきたいですね。無論、自衛隊と米軍も見張ります。


◆抑止力として保有するのだから、まず、やらないでしょう。

やらないと思うけどなあ・・・。やったらお仕舞いですからね。必ず、アメリカに報復されますから。

それは、同盟国日本がやられたというより、在日米軍基地のアメリカ人まで被爆するから、必ず、仕返しをされる。

北朝鮮の核保有(が本当だとしたら)は、「抑止力」を目的としているわけです。

核を持てば、アメリカから先制攻撃を受けることはない、というのが、首領様の思惑、というか、確信に近いものがあるでしょう。

イラクを見ていて痛感したのでしょう

。あそこは核を持っていなかったので、滅茶苦茶にされた、と。やはり持たなきゃダメだ。というのが、

北朝鮮が核保有をアピールするひとつのきっかけになったのはまず、間違いないでしょう。

とりあえず、もう少し様子を見ます。


◆今日の名曲:バッハフルートソナタから「シチリアーノ」

何とももの悲しく美しい曲です。

シチリアーノは、リズム形式を指す言葉で、他の作曲家も沢山書いています。

どうも、バッハになりますけど、やはり特別なんですね。

何というか・・・、世俗を忘れることができます。音楽には人を慰める力があると思います。

なお、伴奏している楽器は現代のピアノよりちょっと前の段階の「フォルテピアノ」という楽器です、

ピアノに比べると、残響が短い、乾いた感じがしますが、訥々としていて、なかなか、この曲に相応しいようにおもいます。

こちらです。→

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2006.10.09

「北朝鮮核実験」←まだ真実の全貌はわかっていないのです。/名曲「主よ、人の望みの喜びよ」

◆記事1:核実験を実施 北朝鮮が発表(NHK)

朝鮮中央通信は、9日午前11時50分ごろ、「科学研究部門で地下核実験を安全に実施し、成功した」と伝えました。

さらに朝鮮中央通信は「今回の核実験は科学的で綿密な計算によって行われたもので、放射能漏れのような危険はまったくなかったことが確認された」としたうえで、

「朝鮮半島と周辺地域の平和と安定を守るのに尽くすことになるだろう」としています。

北朝鮮は今月3日に「今後、安全性を確保したうえで、核実験を行うことになる」と言明していましたが、

「核実験を実施した」と発表したのはこれが初めてです。ただ、実験を行った詳細な場所や実験の規模や回数など詳しいことには触れていません。

(以下、略。元記事はhttp://www3.nhk.or.jp/news/2006/10/09/d20061009000114.html )


◆記事2:国連安保理が緊急協議 日米が制裁決議案提示へ (共同通信)

【ニューヨーク9日共同】国連安全保障理事会は北朝鮮の核実験実施発表について、

日本時間9日午後10時半からの非公開協議で対応を緊急に討議する。

10月の安保理議長国を務める日本と米国は制裁の法的根拠となる国連憲章7章に基づく対北朝鮮制裁決議案を近く提示する方針。

制裁決議案が採択されれば、北朝鮮の国際的孤立がさらに深まる。北朝鮮が挑発行動を繰り返すたびに追加措置を講じると見込まる。

[ 2006年10月9日17時46分 ]


◆記事3:専門家 核爆発かどうか疑問も(NHK)

CTBT=包括的核実験禁止条約に基づいて核実験などの監視にかかわっている当局者の1人は、NHKの取材に対し

「核実験にしては規模が小さすぎる。地下に直径30メートルほどの大きな空洞を設け、その中で核爆発を起こしたのであれば、

この程度の揺れにとどまることは考えられるが、そうでなければ核実験に失敗した可能性もある」と指摘しました。

そのうえで、この当局者は「核実験を行うと、それに伴って実験場の上空にはキセノンなどの放射性物質が放出される可能性が高く、

こうした物質が検出されたのであれば核爆発があったと判断してよいのではないか」と話しました。(10月9日 13時37分)


◆記事4:北朝鮮の核実験「どちらかといえば失敗」…米政府

【ワシントン=坂元隆】米ワシントン・ポスト紙(電子版)が米政府当局者の話として9日報じたところによると、

北朝鮮の核実験場とされる場所からの地震波は小規模で、実際に核爆発だったのかどうか判断がつきかねるほどだという。

この当局者は、政府の分析チームは核実験を「どちらかといえば失敗」とみている、と述べた。
FOXテレビも、米政府高官が、北朝鮮の核爆発が予想より小規模であり、「当初求めていた成果を達成できなかったのではないか」と述べたことを伝えた。

(読売新聞) - 10月9日20時8分更新


◆コメント:核実験に成功した、と断言しているのは北朝鮮自身だけなのです。

今日はもっぱらこのニュースで持ちきりですが、注意深くニュースを読んでいて気が付きました。


  1. 北朝鮮が核実験を試みたことは、ほぼ間違いない。厳密にいうと、かなりのエネルギーを持った爆発があったことは、各国の地震観測データなどから見て明らかである。

  2. しかし、それが、「核爆発である」という確証はまだ得られていない。核実験だと主張しているのは、北朝鮮だけである。

  3. 専門家の中には記事3にあるように、「核爆発にしては規模が小さすぎる」として、北朝鮮が核実験を本当に成功させたのか疑問視する人もいる。核実験を行えばそれが地下核実験であっても放射性物質が外部に放出される可能性が高く、それが確認されれば、核実験だったと推定することができる。つまり、今のところ断定不能である。

  4. 記事4で分かるとおり、別の専門家も「核爆発は起きたかも知れないが、北朝鮮が期待したほどの爆発が得られたかった可能性がある」と述べ、その根拠として、やはり、「核爆発にしてはエネルギーが小さすぎる」ということを上げている。



◆暫く経ってみないと分からないと言うことですよ。

つい先日、北朝鮮の核実験ねえ。首領様、自分が吹っ飛ばないといいですねという記事で書きましたが、

7月に発射したテポドンが途中で分解したのは、部品の腐食が原因だったと言うことです。暫く経ってみないと、事実は分かりません。実験が失敗だった可能性も十分にあります。



マスコミは常に扇情的な記事を書きますが、それはその方が売れるからです。

本当は

「北朝鮮が核実験を行い、成功したと声明を発表した。地震計のデータからも、何らかの爆発があったことはあきらかである。

しかし、北朝鮮の声明どおり、本当にそれが核爆発なのかは、まだ、わからない。

また、核爆発だったとしてもあまりにも規模が小さく、実験は失敗であったのではないか、と見ている専門家もいる」

ということが、現時点で冷静に報道されるべき事だと思います。

このように結論づけたからには、以下は余計の情報かも知れませんが、参考まで。


◆10月8日付テレグラフ(英)紙の記事によると・・・

長くなるので全訳は省略します。

◆記事:N Korea's bomb 'would kill 200,000'(冒頭部分抜粋)
(http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2006/10/08/wnkorea08.xml)

By Sergey Soukhorukov in Pyongyang(Filed: 08/10/2006)

The nuclear weapon that North Korea intends to detonate in an underground test is big enough to kill up to 200,000 people were it ever to be used against a city such as Seoul or Tokyo,

Russian military experts have revealed.

They say that the weapon, with the same 20-kiloton yield as the bomb dropped on Nagasaki, is about 10ft long and weighs four tons.

It is too big to fit on to any missile Kim Jong Il's regime currently possesses but if it were detonated above ground it could destroy everything within five square miles.

◆【訳】北朝鮮の核爆弾、20万人殺傷の威力(10月8日付テレグラフ)

ロシアの軍事専門家が明らかにしたところによれば、北朝鮮が地下核実験で爆発させようとしている核爆弾は、

ソウルや東京で爆発させれば、約20万人を殺戮する威力がある、という。

この情報筋によれば、北朝鮮の核兵器は長崎に投下されたものと同規模の(TNT火薬換算)20キロトン相当の爆発力を持つ。

しかし、これは、長さが10フィート、重さが4トンもあり、重すぎて、金正日の軍隊が保有するミサイルに搭載できない。

但し、仮に、爆発したら、爆心点から5平方マイル(=12.9499406 平方キロメートル)以内にある全てのものを破壊するエネルギーがある。

つまり、核実験に成功したとしても、それを、小型軽量化してミサイル(ノドン・テポドン)に搭載して安全に発射出来るようにならなければ、

核「兵器」として実用に適さないのですから、仮に、今日、本当に北朝鮮が核実験に成功したとしても、明日、日本に原爆が投下される可能性は限りなくゼロに近いわけです。

あまりあたふたしない方が良いとおもいます。


◆今日の名曲:バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」

バッハは教会の礼拝用に毎週カンタータという合唱とオーケストラからなる曲を書いていたのです。

今日御紹介するのは、カンタータ147番《心と口と行いと生きざまもて》という全部で10曲で構成されるカンタータの一曲です。

カンタータの中で最も有名な一曲です。

本当は合唱とオーケストラですが、あまりに美しいので、色々な編成で演奏されます。

今日はピアノ独奏用に編曲したものをお聴き下さい。

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2006.10.08

「NHK富山放送局長が万引き、事実隠す」マスコミ(又はその職員)不祥事(の一部)一覧/今日の名曲

◆記事1:NHK富山放送局長が万引き、事実隠す

NHK富山放送局の大橋政雄局長(54)が5月に万引きをし、富山県警から取り調べを受けていたことが6日、明らかになった。

NHKは同日、大橋局長を停職3か月の懲戒処分としたが、その後、本人から退職願が提出された。

NHKによると、大橋局長は仕事が休みだった5月20日、富山市内のホームセンターで、

ひげそりやボールペンなど7点、計5000円相当を万引きした。今月6日に事実が発覚するまで局には隠しており、

「魔が差した。大変なことをしたと思い、誰にも言えなかった」と話している。

大橋局長は1975年に入局。報道・制作センターで「おはよう日本」などを担当し、昨年6月から富山放送局長を務めている。

(読売新聞) - 10月6日20時49分更新


◆記事2:テレ朝1億3750万円所得隠し…「TVのチカラ」プロデューサー懲戒解雇

テレビ朝日が東京国税局の税務調査を受け、番組制作会社に対し架空の制作費を支払い、経費を水増ししていたとして、

2005年3月期までの3年間に1億3750万円の所得隠しを指摘されたことが28日、分かった。

単純な経理ミスを含めた申告漏れ額は1億5500万円。追徴税額は重加算税などを含め、5900万円に上った。

同局の君和田正夫社長(65)は緊急会見。架空発注を主導していた編成制作局制作1部のチーフプロデューサー(59)を29日付で懲戒解雇にすると発表。

広瀬道貞会長、君和田社長を3か月減俸20%、早河洋専務を減俸30%3か月など役員ら計12人の処分も発表した。

会見で「視聴者の信頼を裏切り、おわび申し上げる」と陳謝した君和田社長。

問題のチーフプロデューサーは02年4月から05年4月まで、計8つの単発番組で制作会社6社に計1億5750万円を架空に発注。

架空発注を受けた制作会社側は、いずれも当該番組における制作実体はなく、一部は別の番組の制作費や赤字補てんなどに使われていたという。

このチーフプロデューサーは「奇跡の扉 TVのチカラ」「ドスペ!」などの人気番組を担当。

制作会社から「サラリーマン社会の常識を逸脱した、巨額で頻度の高い」接待や、プライベートでの海外旅行代のほとんどを負担させるなどしていたという。

(スポーツ報知) - 9月29日12時22分更新


◆記事3:またウィニー、民放2社で155人分の個人情報流出

テレビ朝日は3日、音楽番組「題名のない音楽会21」の出演者ら108人分の個人情報が、

社外スタッフだった元アシスタントディレクター(AD)の所有するパソコンから、

ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を通じてインターネット上に流出したと発表した。

流出したのは、出演者やスタッフの氏名、住所、電話番号、メールアドレスなど。

一方、テレビ東京も同日、2月11日放送のバラエティー番組「出没!アド街(まち)ック天国」の取材先店舗の担当者47人分の氏名などの個人情報が、

番組制作会社の元ADが所有するパソコンから「Winny」を通じてインターネット上に流出したと発表した。(読売新聞) - 10月3日21時2分更新


◆記事4:TBS断言「山本モナ降板ない」

TBS「NEWS23」のキャスター・山本モナ(30)との不倫が報じられた民主党の細野豪志衆院議員(35)が提出していた政調会長代理職の辞表が6日、民主党に受理された。

一方、体調不良のため番組出演を休んでいる山本アナについて、TBS広報部は「これまでと変わらず、降板ではありません。体調が戻ったら復帰してもらう。時期については未定」と話した。

民主党の松本剛明政調会長はこの日、「仕事に支障があるかどうか総合的に判断するため時間がかかった。

残念ながら現段階では支障も生じているので申し出通りに受理した」と説明。

細野氏が山本アナと一緒に新幹線を利用した際に議員パスを使ったという報道については「公私混同の問題はなかったと(本人から)確認している」と語った。

細野氏は先に“ケジメ”をつけた格好になったが、TBSは引き続き「降板ではない」(広報部)。

しかし、関係者は「週明け復帰などという話は、現段階では出ていない」と語っており、復帰のメドは立っていない状況だ。

(スポーツニッポン) - 10月7日6時4分更新


◆記事5:船越アナがセクハラで“降格処分”

日本テレビの船越雅史アナウンサー(44)が、系列局の女性アナウンサーに対し、セクハラをし、身分降格の処分を受けていたことが21日、分かった。

22日発売の写真週刊誌「FRIDAY」が報じている。

同アナは巨人戦中継を担当するなど局の看板的存在。同誌によると、同アナは初夏に巨人戦実況のため地方に出張、

その際、系列局社員が主催する宴席に招かれ、同席した女性アナにセクハラ。

系列局側から抗議を受けた日本テレビが調査し、事件が発覚。身分降格の処分がなされたとしている。

本紙の取材では、事件はすでに当事者間で和解済み。同アナは約1カ月巨人戦から外れるなど謹慎処分を受けたうえ、

職務上の「チーフ」から降格。現在は“一般”アナとして勤務している。

日本テレビ広報は、被害者への配慮もあり「この件に関して細かいことはお答えできません」としながらも、

同アナについて「就業規則違反があった事実があり、降格処分としてあります」とコメントした。

(デイリースポーツ) - 9月22日11時9分更新


◆記事6:<V6>フジが過剰演出 拾い集めたゴミを撮影用にまき直す

人気アイドルグループV6が出演するフジテレビのバラエティー番組「Viva Viva V6」の収録で、

一度拾い集めたゴミを撮影用にまき直す過剰な演出があり、地元住民の注意を受けて収録を中止していたことが7日わかった。

フジテレビによると、収録は11月2日放送予定の罰ゲームの海岸清掃シーンで、4日に神奈川県鎌倉市の腰越海岸で行われた。

事前にスタッフが海岸のゴミを広範囲から集め、撮影場所だけに散乱させた。収録開始直後、現地の人から抗議され、

スタッフが謝罪して撮影を中止。撮影許可を得ていた鎌倉市にも経緯を説明したという。

同局広報局は「演出が度を越し、海岸をきれいにする努力をしている人に不快な思いをさせてしまい申し訳ない。

スタッフにも厳重注意した」と話している。問題のシーン以外は予定どおり放送する。(毎日新聞) - 10月7日22時21分更新


◆記事7:酒気帯び記者を懲戒解雇 朝日新聞社

朝日新聞社は21日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで甲府署に摘発された甲府総局の中川裕史記者(27)を同日付で懲戒解雇したと発表した。

管理責任を問い、青柳正悟甲府総局長、田中英也東京本社地域報道部長、武内健二東京本社編集局長の3人を減給処分にした。

甲府署の調べでは、19日午前1時40分ごろ、甲府市相生の交通検問で中川記者から酒のにおいがしたため、

甲府署員が飲酒検査し、呼気1リットル中0・15ミリグラム以上のアルコールが検出された。

朝日新聞社によると、中川記者は警察担当として飲酒運転撲滅キャンペーンに携わり、

摘発後も山梨県身延町教育長が酒気帯び運転の疑いで摘発された問題を取材、記事を書いていたという。 [2006年9月21日(木)19:20 ]


◆記事8:日経新聞社員を逮捕 インサイダー取引容疑

日本経済新聞に掲載前の法定公告で株式分割を知り、公告主5社の株式計約9万4000株をインサイダー取引したとして、

東京地検特捜部は25日、証券取引法違反の疑いで日経新聞東京本社広告局の社員笹原一真容疑者(31)を逮捕した。

容疑を認めているという。報道機関の社員によるインサイダー取引摘発は初めてとみられる。

逮捕容疑の株取引による利益は約3000万円に上るほか、笹原容疑者は2004年以降、法定公告の情報を使えば高値で売り抜けられると確信し、

信用取引も繰り返してきたとされ、特捜部は悪質と判断して強制捜査に踏み切った。

日本経済新聞社は同日、笹原容疑者を懲戒解雇した。(共同通信) - 7月25日19時55分更新


◆記事9:時事通信がW杯記事盗用 独特派員ら4人を懲戒処分

時事通信社は24日、サッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会に関連して配信した記事の一部にドイツ地元紙からの盗用があり、

ベルリン特派員(35)を出勤停止14日にするなど関係者計4人を懲戒処分にしたと発表した。

同社によると、盗用があったのは6月30日夕、ベルリン発で配信した「旧東独の国旗に賛否両論」の記事。

7月1日、インターネットを通じて記事を見たドイツ在住の日本人読者から「地元紙をそっくり部分訳している」と指摘があった。

調査した結果、ベルリンの地元紙BZの6月22日付の記事に登場する旧東ドイツ住民3人の年齢、

コメントなどがそのまま引用されていたことが判明した。(共同通信) - 7月24日19時33分更新


◆記事10:テレ朝元社員、婦女暴行で再逮捕 パンストで縛って性行為 (サンスポ)

やっぱり連続婦女暴行魔だった-。

住居侵入などで逮捕され、20件の婦女暴行に関与した疑いが浮上していた元テレビ朝日社員で東京都杉並区松庵、岡部順一被告(40)=窃盗罪などで起訴=が、

女性に乱暴したうえ現金を盗んだとして27日、婦女暴行、強盗、住居侵入容疑で警視庁に再逮捕された。現場の精液がDNA鑑定で岡部容疑者のもとの判明した。

調べによると、岡部容疑者は平成14年3月9日未明、渋谷区の会社役員女性(32)のマンションに侵入。

女性にナイフを突き付け「静かにしろ。騒ぐと刺すぞ」などと脅し、両手を女性のパンストで縛って無理やり性行為に及んだ。

コトが終わると、現金約6万5000円と携帯電話を奪って逃げた疑い。

今年1月以降、渋谷、目黒、渋谷、世田谷区ではマンションに独り住まいの女性が暴行を受ける事件が相次いだ。

オートロック式マンションの塀を乗り越え、無施錠の部屋を狙う手口から同一犯とみられ、いずれも岡部容疑者宅の周辺部だった。

今回逮捕は現場に残った精液のDNA鑑定が決め手だが、岡部容疑者は「覚えてない」と否認。

しかし「別に20件くらいやった」と話しており、裏付けを急いでいる。[2002/6/18]


◆コメント:それ以前にもまだまだありますよ。

2005年(昨年)はフジテレビの墜落アナ、菊間という女子アナがジャニーズ事務所に所属する未成年のタレントを地方出張先で飲み屋に呼び出し、

未成年と知りながら多量の酒をすすめ、このタレントが補導されたことが記憶に残っている。

これは、かの有名なきっこの日記またはブログで詳細が解明されているので、そちらを読まれた方も多かろう。

しかし、それだけではない。あまりにも下らんので、滅多にやらないが、

私は昨年、<NHK>番組制作費詐欺で元チーフプロデューサーを再逮捕 民放各局は何かしていなかったかな?と題した稿で、

すべてのキー局の不祥事をまとめたことがあるので、ご参照いただきたい。


◆NHK職員も民間放送局の職員も犯罪行為の違法性は同一である。

NHKの支局長が万引きでつかまるという驚くべき事が発覚した。万引きが窃盗罪であることは、言うまでもない。当たり前である。

しかし、私が気に入らないのは、NHK職員の犯罪、不祥事の度に、民放が結託して、NHK叩きに走る。

番組中では、深刻そうな顔をしているが、「ざまあみろ」という気持ちを押し隠しているのが分かる。

どうして、このような傾向が生じるかというと、一般市民の感覚としてNHKは国営では無いが、「公共放送」であり、受信料を取っている。

権威を象徴しているように見える。謂わば、「官」と見なしている。これに対して民放は、文字通り、「民」である。

「民」は「官」をやっつけるときに、快感を覚える。

民放各局はその庶民の感情にうまく乗っかっている。しかし、それはずるい。

民放は不祥事を起こしていないのか?と改めて問うのも馬鹿馬鹿しい。

上にこれでもかと言うぐらい掲げたが、殆どの民放キー局(地方局でも不祥事は起きている可能性は十分にあるが、全国的なニュースにならないだけだ)、全国紙の不祥事が過去に起きている。



民放は、自分の局の過去の不祥事に言及せず、NHKを攻撃する際に「自分たちが善良な市民の代表だからだ」、という態度を取るが、姑息である。

「官」の職員も「民」の職員も、犯罪行為を行った場合、その違法性は完全に同一である。

きっと、勘違いする人がいるだろうから、補足する。

全ての犯罪の罪の「重さ」が同じだ、と言っているのではない

犯罪によって刑罰が異なるのは当然である。

しかし、「違法行為をおこなったこと」=「違法性」は、どの罪においても、どの組織に属した人間が行おうと、同じである。

「NHK職員が犯罪を犯した場合、民放職員の行為よりも違法性が大きい」、という論理はあり得ない。


◆特に腹立たしいTBS

何故かといえば、この放送局は人殺しの片棒を担いだからである。

オウムが坂本弁護士一家を殺害したのは、TBSが坂本弁護士が「オウム真理教被害者の会」の弁護士として活動している様子を撮影した映像を、

オウムの人間に見せたのが、発端である。オウムは「こいつは、邪魔だ」と知り、坂本氏一家を殺害したのである。



当時大問題となり、TBSの報道局長だかどういう肩書きの人物か忘れたが、要するに責任者が、国会に参考人招致か証人喚問で呼ばれたが、

TBSの幹部は、この期に及んで、まだ、「ビデオを(オウムに)見せたことはない。」と嘘をついた。

私は一連の事態が発覚したとき、TBSは解散し、経営者である取締役の面々は、死んで罪を償うべきだ、とかなり本気で思った。

TBSが犯した罪は永遠に取り返しがつかないものである。

このようなテレビ局が免許を剥奪されないのは、もはや神秘的である。


◆NHK職員が不祥事を起こしたことは、受信料不払いの理由にはならない。

今回の富山支局長の万引きは、歴とした犯罪であることはいうまでもなく、言語同断である。

が、それは、社会人であれば、どの組織に属していようが同じ事である。

今回の「NHK万引き騒動」を理由にまた、「受信料を払わない」といい出す人がいるだろうが、それは、全く不当である。

その理由は過去に何度も書いた。

あまりにも何度も書いたので、昨年、NHK大津放送局記者が放火の容疑で逮捕されたときの、

<NHK記者逮捕>視聴者の不信感に再び火」←受信料不払いの理由にはなりませんよ。をご参照いただけると、幸甚である。

もう、いい加減にしろ、とNHK、民放、NHK受信料不払い者に言いたい。



最後に一言だけ付け加えるならば、今現在NHKの受信料を支払っていない人は勿論、

これからは、支払わないと決めている人は、不払いの瞬間から、NHKに対して文句をいう権利はない、あるいは無くなる、

というあまりにも当然のことを認識すべきである。

カネを払っているからこそ、文句を言う権利がある。

受信料不払い者が後を絶たないのに、NHKが存続しているのは、その他大多数の国民が真面目に支払っている為である。

不払いが一層増えると、受信料が引き上げられる可能性が出てくる。真面目に払っている人間にとっては迷惑この上ない。

本屋にならんでいる書籍の代金には、予め、万引きによって出版社などが被る損失を考慮した金額が含まれている。

NHK受信料にも、やがてそれと同じ事が起きるかも知れない、という意味だ。

正直者がバカを見る世の中である。


◆今日の名曲:ロマンティック!

バッハが続きましたが、今日はいきなり200年飛びます。それでも19世紀。ブラームスという人です。

ブラームスの4曲のシンフォニーの中でも、多分、これが一番親しみやすいのではないかと思いました。

美しい旋律が何度も出てくるのが嬉しいです。

演奏開始から約4分を過ぎたあたりで、このメロディーをホルンが吹き、オーボエという楽器に引き継ぎます。

最後にバイオリンが思い切りロマンティックに歌い上げます。

少しボリュームは絞り加減の方がいいかも。

こういう音楽は指揮者とオーケストラの音楽性・実力がもろに出ます。

速くて・大きな音でガンガン鳴らして聴衆を圧倒させることは、ハッタリでも出来ますが、

この曲のような比較的抑えた音量で、しかも微妙にそれを変化させる。

やりすぎるとしつこいし、あまり淡々とひいてはロマンティックで無くなります。

テンポもまた、音楽の場面に応じて、わずかに変化させているのが分かると思います。難しいものです。

ブラームス交響曲第3番第3楽章です。


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2006.10.07

<テロ特措法>1年間延長の改正案を閣議決定 3度目←田中真紀子の毒舌をおもしろがっている場合ではない。/今日の名演

◆記事:<テロ特措法>1年間延長の改正案を閣議決定 3度目

政府は6日午前、11月1日に期限切れとなるテロ対策特別措置法を1年間延長する同法改正案を閣議決定した。

01年から続く海上自衛隊によるインド洋での補給活動を継続させるためのもので、改正案が成立すれば3度目の延長となり、活動は6年目に突入する。

政府・与党は早期成立を図る構えだが、民主党など野党は反対している。



同法は01年9月の米同時多発テロを受け、米軍などのアフガニスタン攻撃を後方支援するため、01年11月に2年間の時限立法として成立。

03年に2年間延長、昨年は延長幅を1年間に短縮した。 

海自の補給艦、護衛艦がインド洋に派遣されており、防衛庁によると9月28日現在、外国艦艇への燃料補給は計11カ国に対する計681回、

艦艇搭載ヘリコプターへの給油は49回、給水は78回にのぼる。(毎日新聞) - 10月6日10時25分更新


◆コメント:日本の海上自衛隊は米国の軍事活動のための「ガソリンスタンド」を2001年10月からやっている。

混同しがちなので、まず、書いておくが、イラク戦争における自衛隊の活動は「イラク復興支援特別措置法」に基づくものである。

冒頭から本題から話がそれるが、イラクでの自衛隊の活動に関する情報は専らサマワの陸自に関するものだった。

学校を作ったとか、道路を補修したとか、医療活動を助けた、などの「美談」ばかりが伝わられた。

陸自は撤収したが、クウェートから、C-130輸送機で、米軍の為に武器弾薬を含む物資を運ぶ活動をしている航空自衛隊の活動の詳細は全く報道されない。

空自が、米軍の為の物資を輸送するのは、戦闘中の同盟国に対する後方支援であり、集団的自衛権の行使を禁止している日本国憲法第9条に違反している。

タイトルで取り上げた、「テロ特措法」に基づく、海上自衛隊の行動も同様に違憲である。

イラク戦争が始まったのは2003年3月20日だが、それよりもずっと前、

2001年9月11日の同時多発テロの直後から、アメリカはアフガニスタンに潜むタリバンを初めとする、テロ組織に対する武力攻撃を行っている。

日本は、911テロの一ヶ月後には、テロ対策特別措置法を強硬採決して、自衛隊の海外派遣を可能にしている。

具体的には、海自の船はインド洋上にいて、アメリカばかりではなく、記事にあるとおり、11カ国に無料で燃料を補給しているのである。

今までに何と、燃料補給だけでも681回に及ぶという。給油だけで100億円以上の費用が充てられており、これは当然、国民が収めた税金で賄われている。


◆戦闘をしている同盟国(アメリカ)への後方支援は集団的自衛権の行使に相当し、違憲である。

カネの話よりも大事なのは、憲法に関わる事柄である。

繰り返すが、アメリカの軍事行動(タリバンやら、他のテロ組織にたいする)を後方支援することは、集団的自衛権の行使に相当し、

日本国憲法第9条に違反する行為である。これを黙認するべきではない。
2001年、テロ対策特別措置法を決めるときには、「違憲ではないか」との議論が噴出して、非常に揉めたのである。

その結果、2年間の時限立法にしたのである。それでも、反対論は根強く、最後は与党お得意の強行採決で成立した法律なのだ。



そして2年後、2003年10月、自衛隊が2年間どのような活動をしたのか、国民にロクに説明もしないで、2年間、延長した。

これが、1度目の延長。

2年が過ぎ、昨年2005年10月、時限立法の期限が到来した。また延長した。2度目の延長だ。

このとき、インド洋上の海自がどのような活動をしているか、小泉首相なり防衛庁長官から国民に向けて説明は無かった。

こういう問題に注意を払っている私のような人間ですら、何も政府による説明を聞かされた記憶がないのである。

昨年は延長期間を1年にした。

だから、今また、期限が来るというので、閣議決定で3度目の延長をおこなった。

メディアは「普通のこと」のように報道するが、何を考えているのか、と思う。



今度も説明がない。

特別国会が召集されたばかりではないか。

会期の真っ最中だというのに、憲法違反かも知れない時限立法の延長を審議する気配すらない。

それを誰も問題視しないようでは、いけないのである。

延長を繰り返すのであれば、時限立法にした意味がない。

2年間の時限立法なら、2年間で失効するのが原則である。つまり2003年でこの法律は無効になるべきだったのだ。



それを、2度も3度もこれほど簡単に延長できてしまうのは、政府も悪いし、関心のない有権者も悪い。

政治家と役人の常套手段として「既成事実化」がある。

有権者が何も言わなければ、「文句ないのでしょ?」と、彼らの都合の良いように解釈されてしまう。

そして、そうなることは、政治家も役人も当然予想していたのだろう。

「どうせ国民はアフガニスタン情勢などに関心のない」と言うことを知っているからである。

それでは、いけないのだ。


◆有権者の注意を喚起しないマスメディアの怠慢。

有権者にも責任はある。が、国民は毎日の生活で忙しい。重大な出来事を全て追うことは殆ど不可能である。

それを補完するために、情報を収集し、国民に伝える事を商売にする、「マスコミ」が存在するのである。

放っておいたら一般国民には知られない、しかし、重大な出来事があることを、広く一般に認識させることが、マスコミに課せられた使命である。



本件は、要約するならば、憲法に抵触すると思われる「自衛隊の海外派遣」に関する、本来期限付きの法律を、

政府が国会(国民が選出した代表者から成る国権の最高機関)に対してきちんと説明せずに、勝手に延長を決めた、ということである。

これを重大な出来事と見なさず、大きく誰でも気が付くように紙面で取り上げないのは、

敢えて恣意的に考えると、事の軽重が分かっていないか(だとしたら、本当のバカだ)、

分かっているのに「お上」に睨まれないよう、わざと小さく取り上げているかのいずれかである。

「テロ対策特別措置法の延長」よりも、「田中真紀子が安倍晋三を如何にして愚弄したか」、のほうが重要なニュースなのですか?


◆今日の名演奏

本日もバイオリンです。コレルリというバロック時代の作曲家が書いたバイオリンソナタです。

冒頭から、美しい響きに驚きます。

これぞ、私が何度も書いた、「世界一のオーケストラで20数年コンサートマスターを務めている方」の音なのです。

第1楽章だけ。短いけれども、名演。→


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2006.10.06

【北朝鮮関係】NewYork Times記事/金正日20日間動静不明(朝鮮日報)

◆記事1:NewYork Times(2006年10月05日 (木))

米国政府は5日、北朝鮮に対して核実験を中止せよと直接メッセージを送った。

この中で政府は、もしも北朝鮮が核武装するならば、これを黙ってみているわけにはいかない、と、かなりはっきりした態度を示している。

このコメントはクリストファー・ヒル国務次官補が、記者団のインタビューに答えたもの。

ヒル国務次官補は、北朝鮮が核を保有するのであれば、何らかの対抗手段を取らねばならない、とかなり恫喝的な発言をしたが、

米国の対応が経済制裁を意味するのか、武力の発動を意味するのかは、不明だ。

更にヒル氏は「北朝鮮は未来を選ぶか、武器を選ぶかのどちらかだ。両方を持つことは出来ない」と言明した。



ライス国務長官は、「北朝鮮の行為は極めて挑発的である」、

米国国家安全保障会議は、「北朝鮮が条約に違反していることはあまりにも明らかだ」と厳しく非難している。

火曜日には、ホワイトハウス高官の緊急会議が開かれたが、北朝鮮に対して如何なる制裁を加えるかに関しては結論が出ていない。

米国政府は同時に、中国政府に対して、この問題の仲裁にあたるよう要求したが、中国がどの程度の影響力を行使できるか、何とも言えない。

中国は北朝鮮にとって、唯一、かつ最大のパートナーだったが、6カ国協議のホスト国である中国は、最近北朝鮮との距離を取り始めている。



北朝鮮の突然の核実験声明は、今週末、日本の新しい内閣総理大臣、安倍晋三氏が、

日本の首相としては約5年ぶりに中国首脳との会談を行うことが明らかになり、それにタイミングを合わせる意図があると、考えられている。


◆記事2:【核開発】「金正日総書記、20日間以上も動静不明 (朝鮮日報 2006/10/05)

北朝鮮が3日に外務省声明で核実験をするという見解を表明した20日以上前から、

金正日(キム・ジョンイル)総書記の公式活動が確認されていない。

金総書記の公式活動で最近報じられたのは、「前線視察の途中で金剛山を訪れた」という先月14日の朝鮮中央通信による報道だ。



金総書記はこの時、軍の李明秀(イ・ミョンス)、玄哲海(ヒョン・チョルへ)、朴在慶(パク・ジェギョン)大将らを伴い主峰の毘盧峰に登り、

「各地の名所を、その特色を生かしてさらに整え、自然現象による被害を防止しなければならない」と述べたと言われる。

金総書記の活動をリアルタイムでは報道しない北朝鮮メディアの特性上、実際には金総書記は12日か13日に金剛山に登った可能性もある。

その後、北朝鮮のメディアは金総書記の動静を一度も報道していない。

金総書記は2003年の核拡散防止条約(NPT)脱退宣言直後、50日間も公式活動をしないなど、

アメリカと緊張が高まる度に姿を見せなくなるパターンを繰り返す。金総書記は今年7月にもテポドン2号ミサイル発射後、

40日間公式の場に姿を現さなかった。1998年のテポドン1号発射の時は、発射まで33日間公式活動をしないなど、

今回のように重要な出来事を前に姿を見せなくなったことがあった。

専門家らは、「金総書記が最近公式活動をしないのは、北朝鮮が核実験強行の意向を明らかにしたことと関係がある」と見ている。

緊張が高まる前後にアメリカが軍事的な打撃を与えるのではないかと恐れていることや、

参謀と今回の声明発表のメリット・デメリット、そして波紋を綿密に検討していることが、その理由として考えられるという。

金総書記が公式活動を再開するパターンは一定しないが、ほとんどがアメリカとの緊張が沈静化した時のようだ。

今回は北朝鮮がいつ核実験をするか分からないという、大変緊迫した局面なので、金総書記が姿を見せるまで長くかかる可能性もある。


◆コメント:なかなか、事前に察知できないそうです。

北朝鮮は国土が狭く山岳地帯が多いので、地下核実験になるのは間違いない。

最近は偵察衛星で準備の様子などすぐにわかるのかと思ったが、あれは、ミサイルの発射準備のように地上に物体が出ている場合で、

夜中にトンネルのような実験場に装置を搬入されると、分からないのだそうだ。

非常に驚いたのは、北朝鮮は偽装工作のために、山岳地帯を中心に8000カ所も地下施設を作ってあり、

どれが「地下核実験施設」なのかを見極めるのが、至難の業だそうだ。

そんなことに金を使うから、食い物を買う金がなくなるわけだ。

ところで、首領様は政治的な思惑で姿を消しているのかも知れないが、心臓が悪いのですよ。何故、分かるかというと、

以前、記事があったのです。「北朝鮮、心臓専門病院を準備=韓国にノウハウ打診」

北朝鮮でメタボリック・シンドロームになるなんて、あの方ぐらいではないでしょうか?


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2006.10.05

北朝鮮の核実験ねえ。首領様、自分が吹っ飛ばないといいですね。

◆記事:北朝鮮・核問題:核実験予告 中国・新華社通信、至急電で報道

【北京・飯田和郎】中国の新華社通信は3日、北朝鮮の核実験実施表明を至急電で報じた。

北朝鮮の最大の支援国・中国は地下核実験に「絶対反対」(熊光楷・国際戦略学会会長=前人民解放軍副総参謀長)の立場だが、

北朝鮮の「瀬戸際外交」を熟知するだけに、冷静に真意を分析している模様だ。



至急電は「安全性が徹底的に保証された核実験」と「絶対に核兵器を先に使用せず、核兵器を通じた威嚇と核移転を徹底的に許さない」との声明部分を紹介した。

ただ、北朝鮮が実験実施に踏み切れば、ギクシャクしたままの中朝関係が根底から崩れるのは確実。中国は圧力を加えながら、説得工作を続けていくとみられる。

毎日新聞 2006年10月4日 東京朝刊


◆コメント:あのね。騒いだら、思うつぼなんですよ。

以前にも、書きましたが、北朝鮮がミサイルを発射したり、核実験するぞ!と喚くのは何故かというと、世界に注目して欲しい。

具体的には、6カ国協議ではなくて、アメリカを2国間協議に引っ張り出したい。

何故、焦るかというと、北朝鮮がデカい面をしていたのは、中国の後ろ盾があったからです。

ところが、最近とみに、米中関係が改善というか緊密化しています。中国はアメリカの依頼を受けて、

むしろ北朝鮮に「お前、調子に乗るなよ」と忠告するようになってきました。



首領様、この「孤立化」でヒジョーに焦っているのですね。世界中から白眼視されているのは、首領様は百も承知。

皆が結託して北朝鮮の海外の銀行口座を次々と凍結しています。食料も送らない、と本気でやられたら、首領様は権力を失います。

あの人は人民が餓死するのなんざ、どうでも良い。自分が権力を失うのが怖いだけ。

で、世界が北朝鮮に目を向けるようにする切り札は、ただ一つ。「核」。それしかないんだから。

「核実験するぞ」といきなり宣言したのは、もう、みんなしってるけど、北朝鮮が核保有国であることを国際社会に対して公式に認めたということですね。



これをやると、どういうメリットがあるかというと、アメリカはイラクを見れば分かるとおり、

平気で他国に因縁を付けて武力行使をする国ですが、核保有国を攻撃したことはない。

即ち、「オレは、核をもってるぞ!」と言えば、先制攻撃を受ける可能性は、まあ、無いだろうと、そういうことがあります。

そして、アメリカとさしで話をして、アメリカから日本や中国に、「おい、すこし、キムちゃんにカネとメシを分けてやれよ」と、言わせたいんですね。


◆テポドンは腐食していたので落っこちたのだそうだ。

つい2日前、こういう記事がありました。

◆記事:<テポドン2号>発射失敗の原因はミサイルの腐食

【ワシントン笠原敏彦】米国防総省の諮問機関・国防科学委員会のウィリアム・シュナイダー委員長は9月29日、

毎日新聞のインタビューに答え、7月の北朝鮮の長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射失敗の原因について

「液体燃料をタンク内で長期間維持したため、ミサイルに腐食が生じたことが引き金になったとみられる」と語った。

また、イランから北朝鮮へのミサイル開発支援に強い懸念を示した。

同委員長は、テポドン2号への液体燃料注入から7月4日(米東部時間)の発射まで「少なくとも2週間」の間隔があったと指摘した上で、

「ロケット燃料には腐食作用があるため注入後迅速に発射するのが普通だ。2週間というのは異例の長さだ」と語った。

テポドン2号が発射後「1分以内」で軌道を外れた原因では、液体燃料が関係する可能性が最も高いと説明し

(1)ロケットエンジンのノズル(噴出口)など精密部位が腐食して適切に機能しなかった

(2)腐食により強度が弱まったミサイル外板にエンジン燃焼の圧力で穴が開いた――などの可能性に言及した。

一方で、発射失敗には「別の理由もあり得る」とし、北朝鮮が次にテポドン2号を発射するには

「設計面で追加的な検討を行わねばならないだろう」と述べた。(毎日新聞) - 10月2日3時6分更新

結構、恥ずかしいね。これ。テポドン、古くて腐ってるんだってさ。もう、全然カネが無いのね。

だから、核実験をして、核弾頭を作って、ミサイルに乗っけて、日本に撃ち込むのは、無理だと思います。化学兵器は危ないけど。



核兵器ってのは、核弾頭をミサイルの先端に積んで発射するわけです。

ミサイルを発射するときには、熱や振動が発生します。だから、発射する方も怖いのですよ。

下手をすると、核ミサイルを発射する前に、核弾頭が爆発して、自分が吹っ飛んでしまう。


◆核実験を失敗するのが怖いね。

外交戦略として考えると、北朝鮮が先に核ミサイルを撃ったら(発射出来たら、の話ですが)、お仕舞いですよ。

アメリカは、他国に先に攻撃をさせておいて、「よくも、やりやがったな?」といって反撃するのが大好きだから、

北朝鮮が先に核ミサイルなど本当に発射したら、ひどい目に遭う。これは首領様だって分かっている。

だけど、とりあえず、核保有国だぞ、と宣言することによるアナウンスメント効果を狙ったのですね。そしたら、大騒ぎ。思うつぼ。

一方、技術的水準の低さ故の懸念は、確かにありますね。

つまり、ミサイルが腐食している、なんてお粗末な技術水準で、うっかり地下核実験をされたら、危ないですよ。

安全性の確保ができるのか、非常に怪しい。



何しろ、横田めぐみさんたち拉致被害者が大勢いるんだから。

核実験に失敗して、といっても、勿論、実験を平壌の真下でやることはないだろうけど、

放射能をもろに浴びることになります。風に乗って飛んできますから。

そうすると、めぐみさんたちの命が危ない。それが懸念すべき点だと思われます。

核ミサイルが飛んでくるという心配ではない。

もう少し事態の進展をウォッチしないと何とも言えないので、今日はここまで。


◆今日の名曲「バッハ無伴奏バイオリンの為のパルティータ第2番よりジーグ」

バッハはピアノ(チェンバロ)の伴奏がない、バイオリンの為の曲を書いています。ソナタ3曲パルティータ3曲です。

ソナタとパルティータがどう違うかと言うようなことはいいです。とりあえず。

パルティータ第2番というと、「シャコンヌ」という大傑作があるのですが、このジーグはその一つ前に弾かれる曲です。

ちょっと、堅いかも知れませんが、バイオリン一本でこれほど大きな世界が広がるのだ、ということに驚きます。

とても、美しい。試しに聴いてみてください→


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2006.10.03

衆議院本会議、会議録(一部)。/トロンボーンによる「くまんばちの飛行」

◆記事:<衆院代表質問>安倍首相、A級戦犯の見解表明避ける

衆院は2日の本会議で、安倍晋三首相の所信表明演説に対する自民、民主両党の代表質問を行い、国会論戦がスタートした。

首相は第二次大戦のA級戦犯を裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)について「裁判を受諾しており、異議を述べる立場にない」としたうえで、

A級戦犯の戦争責任について「先の大戦に対する責任の主体についてはさまざまな議論があり、政府として具体的に断定することは適当ではない」と述べ、

見解の表明を避けた。民主党の鳩山由紀夫幹事長の質問に答えた。

また、首相は先の大戦をめぐる歴史認識について、95年の村山(富市)首相談話を引用する形で

「我が国がかつて植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対し多大の損害と苦痛を与えた」と語り、

過去の政府見解を基本的に踏襲した。小泉純一郎前首相の靖国神社参拝で途切れた中国、韓国との首脳会談については

「実現に向け双方で努力していく」と表明。自身の靖国参拝に関しては「闡明(せんめい)(明らかに)するつもりはない」と、

行くか行かないかも含め発言しない立場を改めて示した。

首相は総裁選などでも、A級戦犯の戦争責任について「歴史家の判断に任せたい」と発言していた。

小泉前首相は在任中「戦争犯罪人という認識をしている」(05年6月2日の衆院予算委員会)と答弁している。

東京裁判をめぐる政府見解では同年10月、政府答弁書で「裁判に異議を述べる立場にはない」としている。

ただ、A級戦犯については「我が国の国内法に基づいて言い渡された刑ではない」との認識も示すなど、

戦争責任の位置づけは不明確で、安倍首相答弁はあえてこの問題で判断を明示すべきではない、との考えを示したものだ。

また、首相は社会保険庁改革について非公務員化を検討するなど、

次期通常国会への再提出も視野に、政府の改革関連法案を見直す考えを示した。(毎日新聞) - 10月3日1時14分更新


◆会議録:(衆議院TVより、一部抜粋)

◆民主党鳩山幹事長代表質問(抜粋)

総理は総裁選で「戦後体制からの新たな船出」を強調されました。

しかし、総理の著書などで、いっときはA級戦犯容疑者であった岸信介元首相への思い入れなどを読ませていただくと、

「戦後から船出」して、「戦前のレジームへ回帰」するのではないか、と疑わざるを得ないのであります。

人間観・歴史観を持たずには政治は出来ません。

私は二度と悲惨な戦争の惨禍を繰り返さないという意味で、日本の過去の「非」たる部分は「非」と認めるべきだと考えます。

「自民党には『歴史観』がある」と述べられた総理にそれでは、伺います。



先の大戦と戦前に日本がアジアで行った行為について、日本政府は、小泉前総理ですら植民地支配と侵略という認識を示しておられますが、

安倍総理はこの認識をそのままお認めになるのか、或は否定なさるのか。 総理のご見解をまずお伺いいたします。



総理は、所謂「A級戦犯」について、ある雑誌に「A級戦犯とそれ以外の人たちを分けろ、という考えは的を射ていない」とご発言になっています。

所謂A級戦犯と言われる人には、国家指導者としての責任がない、というお考えなのでしょうか。

そうであれば、一体誰に責任があるとお考えなのか、をお尋ねいたします。



総理は「靖国神社に行く、行かないについては、言うつもりはない」と逃げておられます。

これは、「確たる信念を持ち、たじろがず、批判を覚悟で臨む」という、総理ご自身の政治姿勢と矛盾しているばかりではなく、

中・長期的に見れば、国際的な相互信頼関係を妨げるのであります。

総理は近々、中国、韓国を訪問される予定と報じられていますが、それは結構なことではありますが、

立場を明確にしない、「あいまい戦術」では、逆に、信頼を損ない、いずれ破綻をして小泉前総理の二の舞になることは目に見えているではありませんか。

靖国神社参拝についての総理の明確な答弁をここで求めます。



◆安倍首相答弁(抜粋)

過去に日本がアジアでとった行動についてのお尋ねがありました。

先の大戦を巡る政府としての認識については、平成7年8月15日、および、平成17年8月15日の内閣総理大臣談話等により、示されてきているとおり、

わが国はかつて、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して、多大の損害と苦痛を与えた、というものであります。



所謂「A級戦犯」の国家指導者としての責任についてお尋ねがありました。

先の大戦の責任の主体については、様々な議論があることもあり、政府として具体的に断定することは適当ではない、と考えます。

いずれにせよ、わが国はサンフランシスコ講和条約第11条により、極東国際軍事裁判所の裁判を受諾しており、

国と国との関係において、この裁判について異議を唱える立場にはない、と考えています。



私の靖国神社参拝についてお尋ねがありました。

靖国神社参拝につきましては、国のために戦って尊い命を犠牲にした方々に対して手を合わせ、

ご冥福をお祈りし、尊崇の念を持ち続けて行きたいと思っております。私がこれまで(靖国神社に)行くか行かないか。

或は参拝したかしていないかについて、闡明(せんめい)するつもりはない、と申し上げてきたことは、

私が個人としてまさに考えるところであります。(以上、テープ(?)起こしby JIRO)


◆コメント:「美しい国へ」と微妙にニュアンスが違いますね。

民主党の鳩山幹事長が、質問の中で、「確たる信念を持ち、たじろがず、批判を覚悟で臨む」とのべているのは、

安倍晋三氏著のベストセラー「美しい国へ」40ページにそのまま載っている、故・チャーチル元英首相の言葉である。
安倍氏は、

古今東西の政治家の中で、わたしがもっとも決断力に富んでいたと思うのは、英国のチャーチル首相である
という書き出しで、第2次大戦中、ナチスドイツに対抗するための軍備増強の必要性を唱え、はじめ、その主張は無視されたが、

チャーチルは決して信念を曲げず、結果的に連合国を勝利に導いたこと。

若い頃から、すぐれた大英帝国の力を維持するためには、国民生活の安定が不可欠だと考え、社会保障の充実を唱えてきたこと、を挙げ、

安全保障と社会保障---じつはこれこそが政治家としてのわたしのテーマなのである。
確たる信念をもち、たじろがず、批判を覚悟で臨む---新たな決意だ。

と結んでいる。鳩山幹事長はこの言葉を引用しているのである。


確かに、「美しい国へ」における安倍氏は相当勇ましい。

この「決意」を読むと、靖国に参拝するのかしないのか?との鳩山氏の質問に対して、

私がこれまで(靖国神社に)行くか行かないか。或は参拝したかしていないかについて、闡明するするつもりはない、と申し上げてきたことは、

私が個人としてまさに考えるところであります。

という答弁は、おかしい。

百歩譲って、

「個人として考えるところであります」

とは、「今後に関しては、目下思案中だ」という意味に受け取るとしても(確たる信念を持っているなら本当はそれも、おかしいのだが)、

少なくとも、過去に参拝したことがあるのか、ないのかに関しては、答えは、イエスかノーのいずれかしかないであろう。

言うまでもなく、「歴史的事実」は一つしかないのだから、安倍首相の答弁は、
「確たる信念を持ち、たじろがず、批判を覚悟で進む」

「政治姿勢」の180度反対方向を向いている。
話が逸れるが、「闡明(せんめい)」とは、また随分難しい言葉を使ったものだ。
広辞苑第五版によれば、
はっきりしていなかった道理や意義を明らかにすること。

だそうだ。しかし、これは、余談である。


◆「美しい国へ」を読むと安倍首相は「東京裁判は無効だ」、と言いたげなのが、良く分かる。

安倍首相の思想の危険性を語る人は一人や二人ではないが、多くの人が述べるとおり、

小泉首相は靖国参拝をしたものの(私はこれ自体違憲であり、許されない、と過去に何度も書いているが、それに関してはここでは省く)、

A級戦犯は「戦犯だ」という認識を持っているのに対して、

安倍首相は、「美しい国へ」第二章 「自立する国家」69ページ、「『A級戦犯』をめぐる誤解」で、

法的な議論を持ち出して、「A級戦犯は、犯罪者ではないということを立証しようと試みている。

そして、さすがに、そこまではっきりとは書かないが、
そもそも東京裁判は無効だ
と言いたがっていることが、読む人が読めば分かる。

鳩山代表が、安倍首相の政治思想の核心に迫る、

所謂A級戦犯と言われる人には、国家指導者としての責任がない、というお考えなのでしょうか。

そうであれば、一体誰に責任があるとお考えなのか、をお尋ねいたします。

という質問を大上段からぶつけているのは、かなり緊迫した状況だったのである。

もしも、安倍首相が「東京裁判は無効だ」と答えたら、えらいことになる。

1951年9月8日に、第二次大戦の連合国48カ国と交わした、サンフランシスコ講和条約を認めないと言っていることになる。

何故なら、同講和条約の11条で、日本は東京裁判(極東国際軍事裁判)の判決を受け入れることを認めているからである。

サンフランシスコ講和条約というのは、日本と連合国の戦争状態終結宣言とも言える条約である。

はっきり言って、日本が、この条約に署名し、承認、批准した、ということは、日本が連合国に対して、

「日本は戦争に敗れました。東京裁判も受け入れます。そのかわり、この条約締結後、戦争は終わったものとしてください」と認めた事になる。

これを、今更認めない、と言ったら、国際的信用を失う。狡い、と思われても仕方がない。

そうでしょう?戦後、日本が壊滅的になっているとき、早く連合国との関係を修復すべく、講和条約を承認、批准しておきながら、

その後、経済力と実質軍事力である自衛隊を保有し、世界第二位の経済大国になったら、
「ところで、あの、『東京裁判』って無効じゃねえのか?」

と、態度を変えたら、卑怯だと言われても仕方がない。

分からなければ、サンフランシスコ講和条約について調べ、「美しい国へ」を何度でも分かるまで読んで頂きたい。

昨日、安倍首相は鳩山幹事長の質問に対する答弁で、

わが国はサンフランシスコ講和条約第11条により、極東国際軍事裁判所の裁判を受諾しており、

国と国との関係において、この裁判について異議を唱える立場にはない、と考えています。

といっているが、これは今までの政府の公式見解を「とりあえず」復唱しているだけだ。

繰り返し同じ事を書いて恐縮だが、彼の著書を読むと、彼の本音は、
「東京裁判は無効だ」

というところにあることが、お分かり頂けると思う。

安倍晋三氏は、外見の柔和さからは想像できないほど、危険な思想の持ち主であることに注意するべきである。


◆今日の一曲。トロンボーンによる、「くまんばちの飛行」

はてなブックマークで、トロンボーンで「熊ん蜂の飛行」を吹く男。

を登録してくださっている方がおられるのが分かりました。

1分少々の短い曲です。

ラッパなど、興味がないという人、クラシックは嫌だという人。

1分ぐらい聴けるでしょう?

トロンボーンですからね。あの早い曲をトロンボーンで吹いているのですから。
とにかく、聴いてください。

こちらです→


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2006.10.02

「さくらちゃんを救う会」難病女児の募金に批判/臓器移植:みらいちゃん 来月中旬に渡米

◆【お詫び】

原稿を若干加筆訂正しました。

再アップする際に日付を10月1日付にしました。
前稿は9月30日付でしたから、URLが変ってしまいました。

enpituの新しいURLは、

http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=89954&pg=20061001

になります。 enpituにブックマークなさった方が多く誠に恐縮なのですが、

もう一度、ブックマークする、という方は、

再登録してください。お手数をおかけして、申し訳ありません。


◆記事1:心臓移植:さくらちゃん「救う会」が募金活動 目標1億3600万円--三鷹 /東京(毎日新聞) - 9月22日11時2分更新

◇心臓移植手術しかない--年内渡米目指し

難病の「拘束型心筋症」と診断された三鷹市の団体職員、上田昌広さん(53)の長女さくらちゃん(4)が米国で心臓移植手術を受けるため、

支援者でつくる「さくらちゃんを救う会」が募金活動を始めた。目標額は渡米・手術費など計1億3600万円。

同会は「11月中には目標を達成し、年内にもさくらちゃんの渡米を実現させてあげたい」と協力を呼び掛けている。

拘束型心筋症は心臓の筋肉が硬化し、心室の拡張機能が次第に低下する病気。心機能が落ちて肝臓や肺などにも負担がかかり、

診断1年後の生存率は5割未満という。現時点では心臓移植以外に治療法はないが、国内では臓器移植法により、15歳未満のドナーは認められていない。

さくらちゃんは今年4月、肺炎を発症して都内の病院で精密検査を受けたのがきっかけで病気が判明した。

現在は血流が弱まって血栓ができるのを防ぐ薬を1日2回服用しながら2週間に1回通院している。

21日、都庁内で会見した昌広さんは「肝臓など他の内臓の機能も低下し、移植が難しくなってしまう」と訴えた。

さくらちゃんは一人娘。同席した妻和子さんは「信じられない診断結果で、移植しかないと言われた時は足元が崩れ落ちる思いだったが、

さくらが頑張っている姿に、私たちも前向きに頑張り、協力をお願いしようと思った」と声を震わせて話した。

同会はこの日の都庁前を皮切りに、毎週土日曜日にはJR吉祥寺駅周辺での街頭活動を予定。

23日には武蔵野市の市民文化会館でチャリティーコンサートを開く。

募金の呼び掛け人には子どもがさくらちゃんと同じ保育園に通っていたという漫画家の石坂啓さんらも名を連ねている。

 募金の振込先は「さくらちゃんを救う会」で、

郵便振替00140―0―446479など。問い合わせは同会事務局(0422・41・8586)まで。


◆記事2:難病女児の募金に批判 ネット掲示板 (産経新聞) - 9月28日8時0分更新

重い心臓病におかされた女児の救済募金が、インターネット上の巨大掲示板「2ちゃんねる」などで激しい批判の対象になっている。

女児の両親と有志が手術に必要な1億3600万円を目標に募金活動を始めたが、

ネット上では父親がNHKに勤務していることなどを理由に募金が必要なのかなど疑問を投げかける声が続出している。

募金の事務局は「募金は親としての最大限の努力をした上、足らなければ助けてもらう大前提で行っている。

ポスターやホームページは説明が足らなかった。両親が集めた負担額を計算し、近日中にサイトを書き換える。

募金収支などの情報公開は全部ガラス張りにしたい」と話している。

救済募金は東京都三鷹市の上田さくらちゃん(4)のための募金。難病の「特発性拘束型心筋症」で、

米国での心臓移植しかない状況といい、21日には「さくらちゃんを救う会」が都庁で会見し、手術費や渡航費などをまかなう募金への協力を訴えた。


◆記事3:臓器移植:みらいちゃん、来月中旬に渡米--難病で移植手術(毎日新聞) - 9月29日12時1分更新

難病「全結腸型ヒルシュスプルング」の患者で、全国から約1億5000万円の寄付を受けた山下みらいちゃん(6カ月)=春日井市=が、

腸の移植手術のため10月中旬に渡米することが決まった。

手術を受けるには体重が4000グラムに達する必要があるとされていたが、現在4200グラムになっているという。

寄付活動を支えた「山下みらいちゃんをすくう会」によると、10月2日に入院中の県心身障害者コロニー中央病院(春日井市)から東京の慶応義塾大学病院に転院。

検査の後、同月中旬に、手術を受ける米・マイアミ大ジャクソン記念病院へ両親らと向かう予定。9月29日朝刊

◆リンク;「さくらちゃんを救う会」「みらいちゃんを救う会」

さくらちゃんを救う会
山下みらいちゃんをすくう会ホームページ


◆コメント:何故「みらいちゃん」には何も言わず「さくらちゃん」を批判するのか。

それぞれのサイトから得られる情報によれば、

「さくらちゃんを救う会」の目標額は1億3600万円。9月29日現在、集まったのは、60,031,460円。

「みらいちゃん」を救う会は5月13日(土)に「決起集会」、5月15日に両親が愛知県庁にて記者会見。目標額は、 1億4,600万円 で、約3か月後には、150,686,929円 (8月17日15時現在)

さくらちゃんへの募金活動が批判に晒されている、というのでネット上いくつかのブログを拝読したが、

どうも、


  • 父親がNHK職員だということ。

  • しかも「冬のソナタ」のチーフ・プロデューサーであること。

  • 推定世帯年収が4000万円超であること(言うまでもなく、エビデンス無し)。
  • 三鷹市に庭付き一戸建ての住居を持つこと、


などが「批判の根拠」らしい。

特に父親が「NHK」職員である、と言うことが世間の反感を呼んでいるようだ。(要するに単なる嫉みではないのか?)

中には、どういう根拠があってのことかは知らないが、さくらちゃんは移植する必要までの病状ではない「ようだ」などと書いているサイトまであった。

これらの批判を受けて、さくらちゃんを救う会のサイトは、

(当初どのような内容だったか知らぬが、)現在は、費用内訳を掲載し、手術前に病院に支払うデポジット(預け金、保証金のようなものですな)請求書の写し

(それが偽物かも知れない、と疑い出せばキリがない)まで、公開している。

※ロマリンダ大学病院から上田夫妻に届いた文書を添付いたします。(PDF/139KB)(http://www.sakurahelp.com/hp_img/bokin-uchiwake/20060929224042717.pdf)

750,000ドルと確かに表記してある。



また、ご両親からのメッセージが事情を説明する長い文章を書いた。

その中で、上田さんは、

確かに自分は戸建ての家に住んでいるが、当然ローンで借りているから、預金と相殺しても、純資産は負債であること、

医療上の必要性などに関して

などが、述べられている。(http://www.sakurahelp.com/contents/ryosin-message.html)

「みらいちゃん」のときには、批判が出たのか出ないのか、確かめられないが、「さくらちゃん」のときほどの騒ぎにならなかった筈である。

「さくらちゃんを救う会」が批判されるのは、要するに、父親がNHK職員であることなどが理由だと、産経は書いているが、そんなことは関係ない。


◆親がNHK職員であろうが、無かろうが、子どもの病には関係が無いだろう。

「さくらちゃん」募金批判を読むと要するに、親がNHKの「冬のソナタ」のプロデューサーでそこそこの所得がある「筈」で、

一戸建ての住宅に住むぐらいだから、カネにも余裕がある「筈」だ。

だから、この募金はおかしいのではないか、という趣旨で書いているものが殆どであるが、

反論の根拠は「憶測」の範囲にとどまるものが多く、客観的に募金の不要性を証明するものではない。

一番ひどいのは、

「子どもの病気も移植を受けるほどひどい状態じゃないようだ」

という言葉である。

一体、何を根拠に書いているのか、信じられないほどひどい罵詈雑言を書いている人がいる。

何故、困っている人を叩くのか。


◆移植手術の困難。

「さくらちゃん」の両親の年収が3000万だか、4000万だかある「らしい」と書いた人は源泉徴収票でも見たのだろうか?

それはさておき、仮に4000万円の年収があったとしても、治療、その他に必要な費用1億5千万は年収の約4倍である。

「さくらちゃん」批判の中には、募金じゃなくて、借りればよいだろうという意見があった。

さくらちゃんの父親の上田さんによれば、自宅は3年前に20年ローンを組んで購入したばかりだという。

すでに大きなローンを抱えている上に、新たなローンを組めるかどうか(銀行が貸すかどうか)は甚だ疑問だ。

また、仮に新たな借金が出来たとしても、上田さんは53歳だから、長いローンは組めない。



退職金を前借りするとか、いろいろ企業内の福利制度を利用する手もある。

それでも、上田さんに家を売れ、というのはあまりに酷ではないか。

帰国してから、どこに住めというのか。

さくらちゃんの病気が分かったのは、自宅購入後ということだが、結果的には、その方がいい。

さくらちゃんの手術が成功して帰国しても、自宅で安静にしなければならない。それは、狭い家ではダメなのだ。

さくらちゃんが必要とするのは普通のベッドではなく、容態急変に備え、バイタルを計測する装置や、酸素吸入装置の装着が可能な、

特殊な高価な治療用のベッドだ。それが置けるだけの広い部屋でなければならない。

場合によっては、病院への搬入もままならず、相当数の医療スタッフが自宅にくることがあるかも知れない。

病院へ搬出するにしてもいずれにしても、移動の際はマンションより、戸建ての方が、救急車への移動がスムーズに(患者に負担を与えずに)行うことが可能である。


◆移植の後は拒絶反応との闘いだ。

移植手術は、「手術が成功すれば終わり」ではない。

「さくらちゃん」は心臓移植が必要だが、移植を受けた患者はその後様々な合併症を経験することが多い。



「さくらちゃん」の身体は、移植された臓器を「異物」と見なし、拒絶反応を起こす。

それを防ぐために、移植された患者には「免疫抑制剤」を用いるが、「免疫」を「抑制」するのだから、

様々な感染症に罹る可能性も高く、そのような「合併症」を防ぐ為に、術後ICUで治療を受ける。

その費用が「1日に60万円~80万円」にもなる。そこまでは、上記のデポジットでまかなえるらしい(ご両親のメッセージによる)。


◆最悪の場合は、再移植が必要となるが、上田さんはそこまで想定していないと思われる。

免疫抑制剤を用いても、移植した心臓が、さくらちゃんの身体に合わない、という最悪の場合は、再移植しか手段がない。

だが、さくらちゃんの募金目標額はそこまで想定していない、と推定される。

再移植を想定しているならば、目標募金額は今の倍近くになるはずだからだ。

ということは、「さくらちゃん」のご両親は、覚悟しておられるのだ。

再移植が必要となった場合は、もはや、諦めるしかない。ということを、である。


◆結論:募金したくない人は、しなくて良いが、憶測にすぎない「情報」をみだりに流すべきではない。

私はさくらちゃんを救う会に募金したが、私は、医者ではない。

従って、さくらちゃんの症例が医学的に移植適応なのか、証明できない。

また、募集目標金額の妥当性を精査することは出来ない。



だから、他の人々に「貴方も募金するべきだ」とは言えない。それは各人の自由である。

しかしながら、さくらちゃんを救う会に書いてあることが真実だとすれば、

カネが足りない為に幼子が命を落とすことがあったら、あまりにも不憫である。と私は考えたのである。

話が飛躍するかも知れないが、田中角栄の秘書を23年務め、先年亡くなった早坂茂三氏が、ある本の中で、

「余程の悪党で無い限り、人間、他人様(ひとさま)に『カネを貸してくれ』と頼むほど、惨めで、切ないことは無い」

と書いている。その通りだと思う。

ましてや、今回は、上田さん夫妻は「カネを恵んでくれ」と世間に顔を名を晒して頼んでいるのだ。

ブログの中で、
「これは、乞食じゃないか」

とひどいことを書いている人がいる。

その通りだから、ひどいのである。それを書いてはいけない。



これは人の親にならないと分からない。

親なら、乞食をしてでも我が子を救いたいと思う。それは、恥ずかしいことでも悪いことでもない、自然な気持ちだと思うのである。

それはそうなのだが、それでも、「乞食ではないか」ということは、多分親の上田さんが一番辛いと思っていることである。

だから、書くべきではないのだ。ひどすぎる。

昔からの知恵で

「借りたカネは必ず、返せ。しかし、貸したカネは相手にやったものと思え」

という。借りても返さない人は意外と多いものである。

今回は、募金だから、これに応じた人は、当然、返して貰えるとは全然思っていない。

あくまでも、仮定上の話として、ひどいことを敢えて書くならば、

私は「さくらちゃん」の話が全部嘘だったとしても、それはそれで仕方がない、と思って募金した。

根拠を示すことは出来ないが、上田さんは本当に募金を必要としていると「感じた」が、そうではなくても、今更何も言わぬ。



繰り返すが、だから、他の人にも「募金するべきだ」とは言わない。貴方が「募金しない自由」は完全に確保されている。

されているのだから、せめて、「上田さんは、そこそこの高収入らしい」とか、「三鷹に戸建ての家を持っている」とか、

「NHK職員だから」、というような「批判」をネット上に展開するべきではない。

そのような文章を読んだ人が、募金をしようとしていたのに、次々と止めてしまい、必要な費用があつまらず、

さくらちゃんが移植手術を受けられず、幼い命を落とすようなことがあったら、取り返しがつかない。

大切なのは、親の懐具合を探る意地悪さではなく、「子どもの命を助けられるものなら助けたい」という善意である。


◆結論は同じだが、多少加筆。

多少、書き方を変えてみようか。

「娘が重病でカネが要るから、寄付してくれ」

という親がいる。

それを信じて、寄付する人がいる。

寄付しない人がいる。

する、しないは各人が自由意思に基づき、検証したい人は検証してから寄付すればよいし、

話を聞いただけで、「胡散臭い」と思う人は寄付しなければよい。それだけではないか。

ただ、寄付しない人は、黙っていれば良いではないか、と言いたいのである。

仮に、本当は寄付を必要としていないのに、募金を募り、それに応じる人がいたら、両親の行為は詐欺罪の構成要件に該当するであろう。

そして、これだけの騒ぎになっているのだから、当然司法は怪しいと思えば捜査するだろう。

わざわざ、素人が、「本当に必要なのかも知れない募金」を邪魔することはないだろう。

産経新聞のあいまいな記事も同様である。というか、産経は曲がりなりにも、(バカだが)プロなのだから、

「ネット上で問題になっている」で終わらせずに、真面目に取材するべきである。

「インターネットの掲示板で、募金が本当に必要なのか、批判が起きている」という事象を伝えるだけの記事などは、載せるべきではない。

↓がその記事(のキャッシュ。ウェブ魚拓経由)。

難病女児の募金「本当に必要?」 ネット上で批判集中

こういう書き方をしたら、読者は「本当は怪しいのかな?」という疑いを抱く可能性が高い。

ミス・リーディングだと思う。

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