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2006.10.26

「地球温暖化悪循環に シベリア湖底のメタン大量放出」以前から、危惧されていたことが現実に・・・。

◆記事:地球温暖化悪循環に 湖底のメタン大量放出 (東京新聞)

地球温暖化の進行でロシア・シベリア地方の湖の下に閉じ込められていたメタンが気泡になって上昇し、

大気中に大量に放出されていることを、米国とロシアの共同研究グループが突き止めた。

メタンの作用で温暖化がさらに進む「悪循環」が始まったとみられるという。



メタンは二酸化炭素の二十三倍という強力な温室効果ガス。

従来ほとんど注目されてこなかったこの形でのメタンの放出を考慮して同グループが試算した結果、

シベリアの湿地からのメタン放出量はこれまでの推定より最大63%も増えることが判明。

今後、温暖化影響評価の見直しなどが必要になる可能性もある。



米アラスカ大のケイティ・ウォルター博士らのグループは、二〇〇三年四月から〇四年五月までシベリアの湖で特殊な装置を使ってメタンの泡を連続観測。

人工衛星の画像の解析や飛行機による観測結果を加えて放出量を試算し、大量放出の事実を確認した。

同博士は、温暖化で凍土が解けたため湖の面積が拡大し、メタンの放出量が増えて温暖化をさらに進める、

という形態の「悪循環」が始まったと指摘している。



シベリアでは近年温暖化が進み、調査地点周辺でも一九七〇年から現在までの間に年平均気温が二度ほど上昇した。

この影響でメタンの泡を大気中に放出する湖の面積が広がり、二〇〇〇年の放出量は七四年と比べ58%増えたことも明らかになった。

博士は「今の温暖化傾向が続けば、シベリアなど北極域の湖の地下に蓄えられた大量のメタンが泡になって大気中に放出され、

温暖化をさらに加速させる可能性が高い」と警告した。

<メモ>メタン

炭素と水素の化合物で、天然ガスの主成分。

地表から宇宙空間に放出されるエネルギーを途中で蓄える「温室効果」は二酸化炭素よりずっと大きく、

現在の温室効果の2割近くはメタンによるとされる。有機物が腐ったり発酵したりする時に発生。

湿地や湖沼の底泥などからの自然発生もあるが、農業活動の拡大や廃棄物の埋め立て地の拡大などの影響で、

大気中に放出される量が増加傾向にあるといわれる。


◆コメント:悪い予感が当たってしまった。

地球温暖化は、一般に考えられているよりも深刻である。

パニックが起きるとでも思っているのか、日本のマスコミが取り上げたことは殆どないが、

1999年、国連環境計画(UNEP=United Nations Environment Programme)という組織が、

30カ国、800人の専門家により、地球環境についてまとめたレポートがある。



それが地球環境概況2000である。

リンク先を見れば分かるとおり、概要(概要だけでもPDFで20ページにもなる)は全て日本語にも訳されている。

そして、さらにその要点をまとめた、概況と提言というページがある。

この、概況と提言だけでもご覧になることをお薦めしたい。

結論は驚くほど絶望的である。そこには次の通り記されている。

  • 地球規模の水循環は、今後数十年間に予想される需要を満たすことができそうもない。

  • 土地劣化が農業の生産性と可能性を押し下げている。これらの損失は、農地の拡大や生産性の向上によってもたらされた改善の多くをうち消している。

  • 熱帯林の破壊の速度が速く、取り返しのつかない損失を防ぐことができない。失われた森林を取り戻すには何世代も必要であり、森とともに失われた文化は決して回復できない。

  • 環境悪化が目に見えるようになるまでには時間がかかり、政策立案者の反応も遅いため、地球上の多くの種が、すでに失われたかあるいは絶滅の危機に瀕している。かつて地球上に見られた多様な生物種の全てを保存するには手遅れである。

  • 多くの海洋漁業では、過剰捕獲が続けられており、資源の回復は遅い。

  • 人間の活動により、世界のサンゴ礁の半数以上が危機に瀕している。そのうちのある程度は生き残るであろうが、多くは手遅れである。

  • 開発途上地域の多くの大都市において、大気汚染問題が深刻化し、多くの住民の健康を損ねている。

  • 温室効果ガスの排出量増加により、地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れであり、更に、京都議定書において合意された多くの目標は達成されないかもしれない。


◆これが何を意味するのか。

それは、地球環境概況2000の、環境の現状 いくつかの統計資料に書かれている。


  • 1996年の世界の二酸化炭素排出量は約239億トンであり、1950年の総量の4倍となり、過去最高を記録した。

  • モントリオール議定書がなければ、オゾン層破壊物質の量は2050年までに現在の5倍となっていたであろう。

  • 1996年現在、約4630種のほ乳類の25%と9675種の鳥類の11%が絶滅の危機に瀕している。

  • もし、現在の消費傾向が続くならば、2025年には地球上の3人に2人が水問題に直面することになる。

  • 世界中の珊瑚礁の半数以上が、人類の活動により潜在的に脅かされており、人口の集中する地域では80%が危険な状況にある。

  • 有害化学物質にさらされることにより、出生異常からガン発生まで、人類はおびただしい数の悪影響に巻き込まれている。地球規模の農薬使用により、年間350万人から500万人の急性の農薬中毒者が発生している。

  • 世界の乾燥地帯の約20%において人類の活動が土壌劣化を起こしており、10億人以上の人々の生計基盤が危険な状況にある。



色々書いてあるが、
「2025年には地球上の3人に2人が水問題に直面する」

という項目だけでも十分に恐ろしい。

このレポートはなるべく刺激的な表現を避けているが、水が無くなれば、言うまでもなく、人間は生きていられない。

直接的にもそうだし、淡水が不足する(地球上の氷河は貴重な淡水資源だがこれが、どんどん溶けて、なくなりつつあるのだ)と、

農作物の生産が打撃を受ける。食糧自給率の低い日本はその意味でも大変である。


◆つまり、放っておけば人類は滅亡するであろう、ということだ。

東京新聞が書いているのは、特にロシアの永久凍土の下に数万年前に閉じこめられた、温室ガス効果がCO2よりも遙かに高いメタンガスが噴出しつつある、ということだ。

これは、以前から言われていたことで、私は、3年前に初めて書いた

その後、もう少し詳しく書いた記事が「ロシア大統領顧問、京都議定書批准に反対=WWF」地球温暖化が進行すると、ロシアが消えるである。

入門編として、お読み頂きたい。


◆京都議定書はCO2「排出量」を減らすのであり、CO2総量は減らない。

地球温暖化に関する最もグローバルな条約は京都議定書であるが、世界で一番多くCO2を排出している米国が、これを批准しないのだ。

それはさておき、京都議定書は何を目標にしているかというと、各国の「CO2排出量」を減らそうというだけであり、

排出そのものをゼロにしようとする計画ではない(現実的にそれは不可能)。

つまり、京都議定書の目標が達成されたとしても、CO2の排出は続き、大気中のCO2濃度そのものは増え続ける。

従って、温暖化を止めることはできない。



日本は何もしなくて良いというわけではないが、もともと世界第2位の経済大国であるにもかかわらず、

日本のCO2排出量は世界全体の5%に過ぎない。日本が「チームマイナス6%」などといっても、焼け石に水である。

アメリカ、ロシア、中国が最もCO2を出している。これらが何とかしないとどうしようもない。

実際は、これらの国が少々CO2排出量を減らしてもまだ、全然楽観できない。


◆「百万人のキャンドルナイト」などとチャラチャラしている場合ではないのだ。

先に述べたとおり、日本は早い時期から「省エネ」という概念があったので、CO2排出量の相対的に少ないが、

地球温暖化は人類存亡に関わる問題である。

1年に何日か「百万人のキャンドルナイト」などとチャラチャラした催しを行っても、

何の意味もないことを政府は国民に認識させるべきである。

深刻な問題を深刻ではないようにアピールする政策は間違っている。


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コメント

JIROさん こんばんは。「着眼大局 着手小局」という言葉がありますが、「地球温暖化」が「大局」なら、私達の日々の食生活が「小局」といえるのでは。「食生活」=「生命の維持・再生」=「全地球的食物(=生物)連鎖」という具合に。
それにして、今の日本の「食」は“無策”このうえない。対外的には、食糧自給率の問題、内部的には、利益至上主義による、安全性の崩壊等々。「食」の戦略、「水」の戦略を真剣に考えないと。あ、でも、“戦略”って言葉は、こんなところでは、使いたくないですねー。「共謀罪」「教基法改正」なんかより、「食の基本法」がよほど重要ですよー。

投稿: てんけい | 2006.10.27 18:35

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