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2006.11.04

「福岡・筑前町の中2自殺:同じグループ、自殺後も別の生徒いじめ--三輪中」←やはり制裁を加えなければ、だめだ。

◆記事1:福岡・筑前町の中2自殺:同じグループ、自殺後も別の生徒いじめ--三輪中

中2男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した福岡県筑前町立三輪中で、

この男子生徒をいじめていたとされるグループが事件後も別の生徒にいじめを繰り返していたことが分かった。

学校側は遺族側に「再発防止を目指す」と繰り返しているが、いじめ対策が進まない現状が浮き彫りになった。

複数の関係者によると、新たないじめを受けているのは自殺した男子生徒と同じ学年の別の男子生徒。

暴力的な行為はないものの、言葉によるいじめだったという。

男子生徒の自殺後、間もなくいじめグループが別の男子生徒を対象にしたいじめを始め、

見かねた他の同級生が保護者に相談し、保護者が学校側に通報した。

学校側はこの保護者に「実際に新たないじめがあるかどうか調査中」と説明しているという。

毎日新聞 2006年11月4日 東京朝刊


◆記事2:いじめ自殺:16件あった 文科省「ゼロ」発表の7年間に

いじめが主な原因で自殺した公立小中高校の児童生徒の人数を文部科学省がゼロと発表していた99~05年度の7年間に、

いじめが原因と疑われる自殺が全国で少なくとも16件あることが分かった。

このうち、いじめを訴えたり示唆する遺書や走り書きが残されていたケースが11件、

亡くなった子どもに対するいじめの存在を学校が認めた事案が10件あった。

文科省や教育委員会、学校によるいじめ自殺の実態把握の不十分さが厳しく問われそうだ。



日本弁護士連合会や市民団体のまとめなどを参考に、毎日新聞が集計した。

16件には、いじめた側とされる児童生徒が警察に逮捕されたり、児童相談所に通告された事例が4件

▽自殺をきっかけに、教委がいじめ対策に取り組んだケースも4件ある。

ただ、遺族が起こした裁判でいじめは認めつつ、「自殺との因果関係は明確でない」とされた例もある。

00年7月、埼玉県川口市では、市立中学校の1年男子がメモ帳に「HELP」と書き残し、自宅で首をつった。

入学直後から複数の同級生にたびたび取り囲まれ、背中へのひじ打ちや太ももへのけりを受けていた。

埼玉県警は、14歳未満だった同級生9人を児童相談所へ通告した。校長も記者会見でいじめを認めた。

05年4月には、山口県下関市の市立中学校で3年女子が校内で首をつって自殺。

自宅に「死んだらもういじめられないですむ」というメモがあった。

校長は女子生徒が「キモイ」「あっちに行け」と言われ、石を投げられていたと両親に伝えた。

だが、いずれも文科省はいじめ自殺とカウントしていない。

(以下、省略。記事全文のキャッシュは、「ウェブ魚拓」に保存した。↓にあるので、ご参照いただきたい)

http://megalodon.jp/?url=http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061104k0000m040133000c.html&date=20061104114909


◆コメント:昨日書いたとおりであるが・・・。

いじめの話を好むわけではないが(そんな人間がいるとは思われない)、昨日、いじめに関して文章を書いた翌朝、

すなわち、今朝、毎日新聞が大きなニュースを二件報じていたので、昨日に引き続き、この問題を取り上げた。



実は、今朝の毎日新聞一面で大きく取り上げられていたのは、記事1ではなく、記事2である。

これも大きな問題であることは否定しないが、「さもありなん」である。

つまり、ここで行われていたのは、役人の世界に昔から存在する「責任を免れるための事実の隠蔽」ということであり、

証拠は無いが、あらゆる役所で大なり小なり同様のことが起きていることは、容易に推察される。

しかし、これはとりあえず、大人の問題である。

そして、「いじめによる自殺の統計」が仮に完全なものであったとしても、統計自体にはいじめを無くす効果はない。

また、文科省、又は各都道府県、各市町村の教育委員会が有効な「いじめ防止策」を講じたかどうか、疑わしい。

役人は新しいことを始める(新しい「いじめ対策」手段を発案する)ことを極端に嫌う。

責任を取りたくないからである。


◆記事1の方が緊急性のある問題だ。

記事1は新聞では社会面に載っていて、大見出しもついていないのだが、

ことの重大性、悪質性、緊急性は、文科省の統計改竄問題よりも遙かに深刻である。

記事の核心部分を今一度引用する。

中2男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した福岡県筑前町立三輪中で、

この男子生徒をいじめていたとされるグループが事件後も別の生徒にいじめを繰り返していたことが分かった。

学校側は遺族側に「再発防止を目指す」と繰り返しているが、いじめ対策が進まない現状が浮き彫りになった。

開いた口がふさがらない。


◆加害者の責任を問わず、罰しないから、いじめを繰り返すのではないのか?

昨日付の拙文で私は、

「いじめの加害者本人」は、悪いことだと知っていながら、いじめを行ったのだから、加害者本人の責任を追及し、社会的制裁を加えるべきだ」

と書いた。

具体的には、加害者と親の氏名、顔写真を公表することが「社会的制裁」である。



これに対して、賛成だ、というメールを何件か頂戴したが、他方、加害者とその親に「制裁」を加えても生産的ではない、というご意見もあった。

しかし、私は今朝、記事1を読み、自分が昨日書いたことは、やはり間違っていないのではないか、と考えた。

いじめにより、被害者が自殺しても加害者が罰せられないから、同じことを繰り返すのだ。



福岡県筑前町立三輪中で男子生徒が自殺したのは、10月11日である。

この生徒を自殺に追い込んだ同じグループが、自殺から一ヶ月も経っていないのに「新たなターゲット」をいじめているという。

これは、もはや「犯罪」であり、「罰するべきではない」、と考える方が、不自然である。



勿論、私一人の頭脳で考えつくことには限りがあり、世の中には「より一層効果的ないじめ防止策がある」と仰る方もおられよう。

そう言う方は、嫌味でもなんでもなく、是非、そのアイディアを発信していただきたい。

私の云うことが当たっているとかいないとか、そんなことはどうでも良いのであって、

要するにいじめをなくす。少なくとも被害者が自殺することを防ぐためにはどうすればよいか、という問題である。


【読者の皆様に御願い】

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コメント

ツェータさん、はじめまして。コメントをありがとうございます。

>去年の福知山線の脱線事故が起きたとき、それを口実にJRの職員を暴行する人がいまし
>たが、これも一種の「イジメ」なのではないでしょうか。

そのとおりだとおもいます。あの時私は怒りましたよ。随分、記事を書きました。

「尼崎事故、特異な「転覆脱線」か」 今、冷静に考え、客観的に言えることは、「原因はまだ不明」ということだ。
http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2005/04/post_9613.html

「被害者の知人」だといって、JR職員をこづき回している男がいた。いい加減にしなさい。
http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2005/05/jr_3eec.html

マスコミがJRを追い詰めすぎだ。運転士が緊張しすぎて却って危険だ
http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2005/05/jr_63e6.html

その他、まだまだ書きましたが、本稿の本題ではないので、この辺にします。

>我々大人自身がイジメをしないように心がけることこそが、子供達のイジメを防ぐ第一
>歩だと思います。

そうなのですどね。無くならないですよね。会社の中でもパワーハラスメントなどと云
われるようになりましたが、どこからが「いじめ」と認定するか、難しいのが困ります。


最近の若い人は、せっかく入社しても、ほんの少し注意しても辞めてしまうと現場が嘆
いています。

各々のケースは両方の言い分を聞かないとわかりませんが、20年前なら「上司からこれ
ぐらいおこられるのは当たり前」だったことが、今の若い人には「いじめ」なのかもし
れません。

だからといって、「本人がいじめと感じたら、それはいじめなのだ」という定義をしたら、
いじめの範囲は無限に広がります。

ただ、今週の週刊文春で藤原正彦氏(「国家の品格」の著者、数学者)が、(私の感覚では)
良いことを書いています。

>とにかく、子どもに「いじめは卑怯なことだ」ということを叩き込まねばならない。教えるのではない、叩き込むのだ。
>(中略)
>私は父から「卑怯者は生きている資格がない」と言われた。
>(中略)
>弱いものがいじめられていたら、ただちに救え、必要なら暴力を使ってもよい、とも言われた。
>
>「大勢で一人をやっつける」「大きい者が小さい者をぶっとばす」「男が女を殴る」などということは
>許されないことだ。何故ならそれが卑怯だからだ。それ以外に理由はない。

そういうことですね。「国家の品格」のことはこのブログでも書きました。

藤原正彦氏は、論理の極致を極める数学の学者ですが、「世の中は必ずしも論理では、
正しくならない」と言う意味のことを述べて、評判になりました。
一読をお薦めします。

投稿: JIRO | 2006.11.11 21:40

はじめまして。
イジメは子供・大人問わず、どこにでもありますね…。
去年の福知山線の脱線事故が起きたとき、それを口実にJRの職員を暴行する人がいましたが、これも一種の「イジメ」なのではないでしょうか。
まず、我々大人自身がイジメをしないように心がけることこそが、子供達のイジメを防ぐ第一歩だと思います。

投稿: ツェータ | 2006.11.10 10:37

伊達マリオ様、いつもありがとございます。

実は、事後報告で申し訳ないのですが、今日のエントリーで脳科学を持ち出したのは、

伊達さんが書いてくださった「加害者のメンタルケア」という言葉からひらめいたのです。

伊達さんのおっしゃるとおりですね。


それと同時に、いじめられた被害者(無論自殺していない被害者)のケアも必要かとおもいます。

何かで読みましたが、世の中残酷なもので、いじめのみならず、犯罪の被害者に嫌がらせがあるそうです。

被害を受けた方にも落ち度があるに決まっているという、勝手な前提によるものらしいです。

そうでなくても、いじめを長期間にわたって受けた子どもは、自分はダメな人間なのだ、と、自尊心を滅茶苦茶に破壊されていますから、

そうではない、と。

君はこの世で唯一無二の価値のある人間なのだ、という自信を取り戻させてやることが必要だ、ということを専門家が書いており、

なるほどと、思いました。

いずれにしても、貴重なご指摘ありがとうございます。

投稿: JIRO | 2006.11.06 23:11

JIRO様

こんばんは。伊達マリオです。お久しぶりです。
いつもJIROさんご推薦のレコード(CDではない)を、ブログ上で試聴していい気分になっております。ありがとうございます。

さて、JIROさんご指摘のマスコミのあざとさ、まさにその通りですね。とにかく「売らんかな」主義で、視聴率や部数が取れれば何でもありという姿勢がありありで、本当に嫌になります。マスコミの一端で禄をを食む者として、恥ずかしい限りです。

ところでいじめについてですが、おっしゃる通り学校や教師だけを血祭りにあげても、何の解決にもなりませんよね。私個人は、いじめの加害者側のメンタルな問題を解決すべきだと思います。詳しくは我が駄文に書きましたが、被害者の心のメアと同じく、加害者の心のケアをすることが根本的な解決に繋がる唯一の方策ではないかと思います。

安倍晋三氏も、「教育基本法改正」などと言ってないで、是非に目の前の問題に真剣に取り組んで欲しいものです。

伊達マリオ

投稿: 伊達マリオ | 2006.11.05 23:51

Keiさん、はじめまして。コメントをありがとうございます。

私は日本で一番狡いのはマスコミだと思うのです(この件を論ずると非常に長くなるので今回は保留させていただきます)。

マスコミは「学校・教師」「医者」「銀行員」そして同じ仲間の「NHK」など、

何らかの「権威」や「社会的地位が高そうに見える」組織や個人を「ターゲット」にします。

これらを叩くことは、無意識下に嫉妬心を抑圧している庶民(決して認めないでしょうが)を喜ばせ、

「視聴率」や「販売部数」を稼げるからです。

Keiさんが仰り、私も本文で書いたとおり、「悪い」と分かっていて、それを行ったなら、本人が悪い。

それだけのことですね。

投稿: JIRO | 2006.11.05 11:14

初めまして。
私は中学校教師をしております。意見に客観性が欠けるかもしれませんが、その際はご指摘ください。

昨日と今日のJIROさんのブログを読ませていただいて、私もJIROさんのご意見に賛成です。

このところの中学生のあいつぐ自殺で、マスコミは学校批判ばかりが目立ちました。(確かに、福岡の件では、教師による言葉のいじめもあったということで、批判されて当然である面もありましたが。)
でも、学校が激しく批判されて生徒に頭を下げて、そのおかげで、いじめをした加害生徒たちが、結果として、守られているなぁと思っていたところでした。
案の定、福岡の件では、いじめていた生徒がさらに他の生徒をいじめるという信じられない事態が起こっています。
自分たちがいじめて自殺した生徒がいるのに、さらにいじめのターゲットを変えて続けているなんて、学校がどうだというより、この生徒たちの神経を疑ってしまいます。
加害生徒たちはもっと批判されるべきだと思います。中学生なんですから。幼児じゃないんですから。

投稿: Kei | 2006.11.04 16:47

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