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2007.02.09

「認識や愛情行動促す物質を特定、治療へ応用も 金沢大」←発達障害が治療出来るかも知れないという話。かなりの朗報だと思います。

◆記事:認識や愛情行動促す物質を特定、治療へ応用も 金沢大 (朝日新聞 2月8日10時09分)

相手とのコミュニケーションを取ったり、母親が子どもを守ったりする生き物の「社会行動」に関係するたんぱく質を、

東田陽博(はるひろ)・金沢大医学系研究科教授(神経化学)らのグループがマウスの実験で特定した。

発達障害の治療に応用できる可能性があるという。7日付で英科学誌ネイチャー電子版に発表する。

東田教授らは、脳などに多い「CD38」と呼ばれるたんぱく質を作れないマウスが、異常な行動をすることに注目。

約30匹で実験を繰り返した結果、記憶能力などは正常にもかかわらず

(1)雄が雌を認識する

(2)母親マウスが巣から引き離された子どもを巣に戻す――

といった行動にかかわる能力が、約9割のマウスで欠けていた。

さらに、このマウスでは「オキシトシン」と呼ばれるホルモンの脳内濃度が低くなっていた。

注射で補充すると行動が正常に戻ったことから、東田教授は「CD38が脳内のオキシトシンの分泌を促し、

母親の愛情行動などを支えていることがわかった」としている。

オキシトシンは、子宮収縮や母乳の分泌などに関係するホルモンとして知られる。

最近になって、このホルモンが脳で働くと、「相手への愛情や信頼感が生まれる」可能性が指摘されている。

他人とのコミュニケーションがうまく取れない発達障害との関係も研究されている。


◆コメント:発達障害(自閉症、アスペルガー症候群など)は治療法が無い、と言われていたのです。

このニュースを取り上げていたのは、朝日と時事だけだったので、あまり知られていないと思い、取り上げた。

精神科で取り扱う分野の一つに「発達障害」と呼ばれるものがある。

非常に範囲が広いが、冒頭の記事が関わるのは、所謂「自閉症スペクトラム」に含まれる部分ではないかと思われる。

「自閉症」といっても簡単に判断できない。診断が難しい。

知的発達の遅れを伴うものと伴わないものがある。知的発達の遅れといっても、「言葉のおくれ」なので、

単に他人より遅いだけのこともあるから、簡単に診断できない。

後者ははアスペルガー症候群などとよばれる「高機能広汎性発達障害」で、前述の通り、知的障害を伴わない。

いずれの場合も何が問題なのか?というと、

「他人の気持ちが分からず、コミュニケーションに問題があり、したがって社会生活を送る上で支障を来す」のだという。

しかし、今までの医学はそこまでは分かっていて「診断」を下すことが出来ても

(診断は非常に難しい。診断できるのは、精神科の中でも特に発達障害を専門とする医師でなければ不可能だそうだ。

うつ病が専門で30年以上も精神科医をしている先生ですら、「自分には診断できないと思う」と言っている。

分からないことは分からないと言えるのは名医だが、これは余談)治療法が無い、とされていた。

ある種の訓練プログラムはあるが気休めのようなものだ。


◆オキシトシンというホルモンが不足する原因となるタンパク質が特定された、というニュースです。

糸井重里氏のサイトの一角にほぼ日刊イトイ新聞 - 海馬というコーナーがあり、

これは、本にもなっているけれど、ここに登場する薬理学者の池谷祐二氏は、

第34回イヤなことを忘れるには?の中で、
脳の機能と言いますのは、端的に言えば、ぜんぶが化学反応からなりたっています。

それに対しては、「意識と化学反応とは、別ものかもしれない!」と反感を持つ人もいるかもしれませんが、

やはり調べれば調べるほど、脳でおこなわれていることは化学反応である、と明らかになっています。

と極めて明解に述べている。



発達障害は診断が難しい上に、治療法が無いというので、子供が発達障害だと診断された親の苦悩は大変なものだった。

ところが、これもやはり物質(タンパク質)の生成が関与していたかもしれない、というのが、このニュースである。

オキシトシンというホルモンの脳内濃度が低いのが、自閉症の原因かも知れないといわれている(断定はされていない)が、

オキシトシンが不足する原因が「CD38」というタンパク質を生成出来ないためであるという。



直ぐに臨床に応用できるわけではないだろうが、発達障害の一部は「物理的に」治療可能かも知れない、

ということを示唆した点において、この研究は画期的だ。


◆発達障害なのか、個性なのか分からないばあいもある。

以下は、このニュースとは関係がない、私の所感である。



世間は発達「障害」というと、「異常者」と見なす。よく調べもしないで断定する。

しかしながら、なんでも、あのアインシュタインやビル・ゲイツが「高機能広汎性発達障害」なのだそうだ。

こうなると、果たして「障害」なのか「個性」なのか分からない。



つまり、社会は、というか、我々凡人は、自分たちが理解できない発想を持った人、才能を持った人に対して、

「障害者」の烙印を押して、片付けようとするのではないか、ということを言いたいのである。

アインシュタインやビル・ゲイツが発達障害の一種なら、「それが、どうした?」というようなものだ。

自分の理解できることだけで安易に他人にレッテルを貼るものではない。

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