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2007年3月

2007.03.31

「護衛艦「しらね」2等海曹、イージス艦情報持ち出す」←この自衛官は中国か北朝鮮のスパイか?

◆記事:護衛艦「しらね」2等海曹、イージス艦情報持ち出す

海上自衛隊第1護衛隊群(神奈川県横須賀市)の護衛艦「しらね」乗組員の2等海曹(33)が護衛艦情報などを持ち出した事件で、

情報の中にイージス艦に関する記録が含まれていたことが30日、わかった。

性能などにかかわる内容とみられる。日米相互防衛援助協定に基づいて米国から供与された武器の性能などは、

防衛省が指定する秘密情報の中でも、最も秘匿性の高い「特別防衛秘密」に該当する。

外部に漏えいすれば、同協定に伴う秘密保護法に抵触する可能性もあり、捜査当局で慎重に情報の分析を進めている。

捜査当局などによると、今年1月、神奈川県警が2等海曹の中国人の妻に対する入管難民法違反容疑(不法残留)で、

横須賀市内の自宅を捜索した際、護衛艦のレーダーのデータなどが入ったフロッピーディスクのほか、容量の大きいハードディスクが押収された。

(3月30日15時42分配信 読売新聞)


◆コメント:自衛隊の情報管理能力は民間企業より低い。

自衛隊=防衛省は、国家の防衛を任務とする役所であり、その情報は国家機密の最たるものだから、絶対に洩れてはならない。

ところが、実際は、今までに一体何度洩れたことか。どうしてこんな役所を庁から省へ「格上げ」したのか。


今までは、ウィニーを通じて誤って、情報が外部に流れてしまったのだが(それでもとんでもない話だ)、

今回、更に言語道断なのは、国防の最高機密を、「故意に」持ち出した自衛官がいる、ということである。

防衛省、自衛隊には情報管理責任者、システム管理の専門家、コンプライアンス(法令遵守)オフィサーがいないのか?

ただごとではない。誰がどのように責任を取るのだ。



記事には書いていないが、2等海曹(33)は持ち出した情報を一体何に使ったのか。


◆要するに自衛隊にスパイがいるということですね?

いきなり突拍子もないことを書くけれども、新聞記事を読んでも、肝心なことが書いていないので、余計に怪しい。

分からないときは、最悪の事態を想定するのが危機管理の常識である。

そして、私がスパイだと思ったのは、過去に次のような事件が現実にあったからだ。

◆記事:海自:1曹が情報持ち出し、上海へ無断渡航8回--上対馬警備所

海上自衛隊上対馬警備所(長崎県対馬市)の1等海曹(45)が無届けで海外渡航を繰り返し、

佐世保地方総監部から停職10日の懲戒処分を受けていたことが分かった。

訪問先は中国・上海で、04年5月に自殺に追い込まれた在上海日本総領事館員が交際していた

中国人女性と知り合ったカラオケ店で別の女性から接客を受けるなどしていた。

防衛庁海上幕僚監部によると、1曹は上対馬警備所の警備員だった05年1月~今年3月、計8回にわたり上海に渡航した。

いずれも無届けだったため、佐世保地方総監部は先月、職務上の注意義務違反に当たるとして処分・公表したが、

問題のカラオケ店を訪れていた事実は伏せていた。

また、1曹は今年2月、警備所のパソコンにあった他国の艦船や潜水艦の写真データを

コンパクトディスク(CD)に焼き付け敷地内の自宅官舎に持ち帰った。

自衛隊法で持ち出しを禁じた「機密」「極秘」「秘」のいずれにも当たらないが内規に抵触する「識別参考資料」だったため6月13日に口頭注意した。

国家公務員法上の懲戒処分ではないため公表しなかったという。

1曹は内部調査に「女性から情報を求められたことはない。データ持ち帰りは勉強のため」と説明。

海自は漏えいはなかったと判断。佐世保地方総監部は

「1曹は船舶監視が任務で秘密情報に触れられる立場にはない。

コピーした資料も世界の軍艦の写真などが大半で市販のガイドブックにも載っているような内容だった」

と説明している。(毎日新聞 2006.08.02)

これを読んで「スパイではない」と云う人は相当おめでたい。

この1等海曹はまんまと中国の色仕掛けに引っかかって、自衛隊の情報を持ち出したのである。

自衛隊は「大した情報ではない」と云っているが、そりゃ、言い繕っているだけでしょう。

市販のガイドブックに載っているような情報なら、中国だってこのような手段は使わなくても入手出来る。



それは、さておき、繰り返すが、今回、持ち出された情報がどうなったのか。

最後まで書いていないところを見ると、中国か北朝鮮か知らないが、

先に書いたとおり、外国に洩れたという最悪の事態を想定せざるを得ない。


◆日本はイージス艦を4隻もっているが、一隻建造するために1,300億円を費やしている。

イージス艦とは、世界でもアメリカ、日本ほか数カ国しか持っていない、世界最高峰の防空システムを持った船である。

レーダーがカバーする範囲は数百キロに及び、抜群の情報収集能力と、一度にミサイルが10発飛んできても

一度に対処できる(打ち落とせる)というすごい性能を持った艦である。

だから、4隻で、日本中を監視出来るのである。



その最も大事な国防の要、一隻建造するだけで1,300億円かかるフネの情報が外国に洩れてしまったとしたら、

内閣総辞職に相当するとんでもない不祥事だ。最低でも防衛大臣は辞任するべきだ。

我々の納めた税金、5,200億円をドブに捨てたようなものだからである。

全国紙は、政府機関紙か?なぜ、事の重大さをもっと強調しないのか?

本件は、内閣総理大臣が直接国民に説明しなければならないほどの重大事なのである。

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2007.03.30

「<赤坂議員宿舎>3分の1以上も空室 格安批判で敬遠」←国会議員の給料132万円。プラス毎月「文書通信交通費」100万円。

◆記事:<赤坂議員宿舎>3分の1以上も空室 格安批判で敬遠

新築された衆院赤坂議員宿舎(東京都港区)の入居予定者が総戸数300戸を大きく下回り、

3分の1以上は空室のまま4月の入居が始まる見通しだ。

「格安家賃の豪華宿舎」と批判が強く、野党を中心に辞退・保留者が続出しているためだ。

同宿舎は国会に近い都心の一等地に建てられた地上28階・地下2階建ての高層マンション。

3LDK約82平方メートルの家賃は月約9万2000円で、民間相場の約5分の1といわれる。

所属議員数に応じ71戸が割り当てられた民主党は、鳩山由紀夫幹事長が27日、入居希望者43人と発表したが、28日に40人へ下方修正。

共産党(割り当て6戸)は「未定」と様子見の構えで、社民党(同4戸)の入居希望者はゼロ。

国民新党(同2戸)は入居しない。

入居資格は、東京23区内に自宅がなく、取り壊される宿舎に住んでいること。

自民党(同191戸)の対象者は約140人、民主党も54人で、過剰な割り当て戸数も大幅定員割れの要因だ。

自民党は入居予定者数について「公表できない」としているが、

「対象者の8~9割は入居の意思を示している」(国対幹部)ことから120人前後が入居するとみられる。

公明党(同19戸)は対象者17人全員が入居予定。それでも空室は100戸を上回る見通しだ。

(3月29日3時5分配信 毎日新聞)


◆コメント:国会議員の収入をしっていますか?

国会議員は、こんな超一等地に億ションを建設して、しかも家賃9万円で議員宿舎にする、といったら国民が怒ることが想像出来なかったのだろうか。

できなかったから、建設を決めたのだろうね。

そして、いざ入居する段になって、世論の反発にとまどっているのだ。


それはつまり、それだけ、国会議員の金銭感覚が一般国民のそれと乖離している証拠である。

そうだろうと思う。

国会議員の収入を知っていますか?

一応、明らかになっているだけでも、歳費(月給)が132万8000円。ボーナスが635万円(すごいね)。年間約2,200万円。(税込み)

さらに。

如何にもいかがわしい、「文書通信交通滞在費」が全員に毎月一律100万円支払われる。年間1,200万円。


まだある。

「立法事務費」とやらが、実際に法律を立案しようがしまいが、議員一人に毎月65万円支払われる。年間780万円。

以上を合計すると、年間約4,200万円が国会議員ひとりひとりに、支払われている。

いうまでもなく、それは、我々が納めた税金で賄われている。

毎月、132万円の歳費(月給)以外の「文書通信交通滞在費」100万円は、最近、問題となっている地方議会議員の「政務調査費」と同じく、

非常に胡散臭い。毎月きっちり100万円必要な訳がない。

また、65万円の立法事務費。議員提出法案は確かに出ているが、

全員、毎月法案を提出する(又はその準備をする)ほど真摯に仕事をしているのであろうか。

居眠りしたり、欠席したりしていませんでしたっけ?


その他に松岡農相のように、議員会館に事務所を構えていれば、光熱水費は国(税金)の負担となるのに、

5年間で2,800万円、と政治資金収支報告書にヌケヌケと載せている奴もいる。


◆赤坂の新議員宿舎、家賃を周辺民間相場の倍にして全員強制入居にしては如何でしょう。

今年になってから、地方への税源移譲というのが行われている。

1月から国税である所得税は減っている。

しかし、6月から所得税が減った分、地方税(住民税)が増えるのだ。

ここまでならば、チャラだが、定率減税が廃止されるので、実質増税である。

国民の生活は一層苦しくなる。

こういうことを平気で国会が決めてしまうのは、生活が苦しい、家計が厳しい、という感覚を経験していないからである。

だから、国会議員が溜池山王(赤坂)の億ションに家賃9万円で入居するなど、とんでもない話である。

かといって、国民の税金で建物を建ててしまって、空室ばかりでは意味がない。

問題を解決するのは簡単だ。

国会議員の先生方が、周囲の民間相場の5分の1の家賃で済まそうとするから反発を招く。

年間、4,200万円も税金から歳費、諸手当を貰っているのだ。民間の倍、90万から100万の家賃にする。

国会議員全員強制入居。

そうしたら、センセー方も、生活が苦しいという感覚を少しは分かるようになるかも知れない。

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2007.03.29

「携帯使用で航空機が急傾斜=客室乗務員へのセクハラ多発-国交省」←携帯を使った奴だけ死ぬ訳じゃないからね。

◆記事:携帯使用で航空機が急傾斜=客室乗務員へのセクハラ多発-国交省

航空機内で携帯電話を使用したため、飛行中に機体が急傾斜したり、

高度がずれたりするトラブルが起きていたことが28日、国土交通省の調べで分かった。

現在は使用が認められる通信機能付き携帯ゲーム機の影響も懸念され、同省は今夏にも規制を強化する。

客室乗務員へのセクハラも年間10件以上で、常習犯には機長が即時に禁止命令を出せるようにする方針だ。

(3月28日19時1分配信 時事通信)


◆コメント:乗客搭乗時に、携帯を全部預かればいい。

航空機内で、携帯を用いてはならないのは、常識であるが、恥ずかしながら、私はこの記事を読むまで、

それは、パイロットと管制官の無線通話を妨害するから、と言う理由だけだと思っていた。


ところが、何と、携帯を使用することにより、航空機の操縦・機体のコントロールにまで影響がある、という。

「機体が急傾斜」とはただごとではない。高々度を巡航しているときならまだしも(それでも、危険だが)、

離着陸時、高度が下がっているときに急傾斜などされたら、墜落の危険がある。

携帯を使っていた奴だけ死ぬなら自業自得だが、

他の客は、そんな下らないことで命を落としたくないのである。


そして、長年世の中の人々を観察して分かったが、

こういうことは、いくら言っても分からない、或いは分かろうとしない人がいるのである。

だから、飛行機に客が乗るときに、或いはそれ以前に、携帯は、航空会社がまとめて預かるのが良かろう。


◆セクハラは程度にもよるが、犯罪だから、警察を呼べば良い。

私が目に付いた日本人の悪い癖(ものの考え方)の一つは、自分が「客」の立場の際に、

「カネ払ってんだから、わがままをいっても(何をしても)いいのだ」

という気持ちが強すぎることである。

いくら高い航空運賃を払ったところで、強制わいせつ罪の違法性は阻却されない。

それは、客であろうが無かろうが、関係ない。犯罪である。

現行犯逮捕は警官ではなくても出来る、と刑事訴訟法にかいてあるのだが、

国際線の海外へ向かう飛行機でセクハラがあった場合、

現地の警察に引き渡すのは、流石に航空会社も、ちょっと気が引けるだろう。

それならば、全ての客の氏名、住所などは航空会社は知っているわけだから、
「日本に帰ったら、セクハラによって受けた精神的苦痛に対する損害賠償を請求します」

と言ってやればよい。実際に裁判に持ち込むヒマはないだろうが、勤め人なら、

飛行機の中でCAに触って訴えられることが、会社中に知れ渡るかもしれない、と考えた途端に、

みっともないほど、オロオロするだろう。

しかし、生憎、それぐらいしないと、堪えまい。



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2007.03.28

「能登半島地震:両陛下が見舞金」陛下がお見舞金をお送りになったってのに、何もしないわけにはいかねえ。

◆記事:能登半島地震:両陛下が見舞金(毎日新聞 2007年3月27日 19時59分)

天皇、皇后両陛下は27日、能登半島地震で大きな被害を受けた石川県に見舞金を贈った。


◆コメント:死者が出ていないと言っても、相当悲惨だ。

こういうときこそ、「画(え)」(写真、映像)の出番だ。

静止画像、動画、いずれも、現地の被害の様子、被害者の様子が、

新聞記事を読むよりも、ニュースの音声を聞くよりも遙かに良く分かる。

文字通り「百聞は一見にしかず」。

静止画像なら、

毎日新聞:写真で見る能登半島地震:MSN毎日インタラクティブ

朝日新聞:ニュース特集「能登地震」写真特集

読売新聞:能登半島地震

にそれぞれ、載っている。

特にお年寄りが痛々しい。地震そのものの恐怖、自宅が無くなってしまった(全・半壊したという意味)ことから来るショック。

公民館など避難所の固い冷たい、床の上で寒さを堪えながら、じっと耐えなければならないストレス、など、動画よりも普通の写真の方が雄弁に物語る。

動画はYahoo!ニュース動画ニュースから「社会」のジャンルを選択する。

NNN(日本テレビ系列)では能登半島地震から3日 不便な生活が続く(←これをクリックしてもいきなり動画が再生されることはありません)。

JNN(TBS系列)が、能登半島地震、ゴミの問題が深刻にとのニュースがある。

この膨大なガラクタが捨てられているのは、避難所となっている公民館の駐車場なのである。

事態の性質上、ガラスの破片など危険なものも多い。


◆石川県はボランティア受付を始めた。

石川県の正式なボランティア受付窓口は能登半島地震ボランティア受付についてである。

電話回線は、一本しか設置されていないようだが、こんな事で良いのだろうか。

そうはいっても、仕事も学校も直ぐに休んでボランティアに駆けつけることは、実際問題難しい。

ならばせめて募金しようと、私は、思った。ネットで直ぐに出来る。


◆Yahoo!ボランティアで、今すぐ募金が出来る。

今更説明するまでもないポータルサイトYahoo! JAPANの中に、

Yahoo!ボランティアがある。

このシステムを通じての募金に関しては、過去に何度か、書いた。

親を交通事故や自殺で失った子供達の進学を助けるあしなが育英会に、Yahoo!ボランティア募金が出来ることを知ったのがきっかけだった。

私が書いた記事としては、

<あしなが育英会>奨学金希望者が過去最多 格差拡大影響か←貴方も目の前のPCから募金できる。

それから、二か月前に書いた、

「募金の3割はオンラインで」←「Yahoo!ボランティア - インターネット募金」をご存知ですか?

をお読みいただくと、怪しげな募金ではないことが分かる。

なお、「今すぐ」と書いたが、Yahoo!ボランティアで募金するためには、

決裁用のアカウントをYahoo!ウォレットに作らなければならないが、私に出来たのだから、誰でも出来る。

郵便局や、銀行に行って振り込み用紙に書き込んで・・・と考え始めたら、

いくら被災者が気の毒と分かっていても、募金なんぞ面倒で出来ない。

こういうときこそネットは便利だ、と私は思った。

いつも書くけれど、各人の自由意思に基づいて行動してください。

当たり前だ、私には他人に募金を強要する資格も権利も権力もない。


因みに、能登半島地震へのインターネット募金のページは

インターネット募金 > 「能登半島地震」義援金である。

あれ?先ほど私が見たときは120万円台だったが、今(ちょうど午前0時)見たら200万円を超えている。

みんな、結構、いいとこあるじゃないか。

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2007.03.27

「フラガール」のDVDを見ましたけどね。この映画、映画館で見なくて良かったよ。

◆近年、邦画が健闘しているってのは、本当ですね。

ちょうど一ヶ月前に、「スイングガールズ」が気に入った話を書きました。

次に家内が「フラガール」は泣くわよ、絶対来るわよというので(相方は映画館で見ている)、DVDを買うことにしました。

(念のためお断りしておくが、いつもこれほど次から次へと買い漁る訳ではない。)

Amazonでみたら、スタンダード・エディションとフラガール メモリアルBOXがあった。

経験則で、こういうときにはケチらない方がいい。特典映像には、出演者たちのダンスのレッスンの様子などが収録されている上に、シナリオまでついている。

で、これを買って、観ました。


◆DVDで観て、正解でした。泣けすぎる。

これ、映画館で観たら、ヤバかったです。

ちょっと、涙が止まらなくなるからね。

というか、号泣してしまう。映画館だったら、きまりが悪い、悪い。

まだ、ご覧になっていない方もおられるだろうから、ネタバレになっては申し訳ないので、

映画そのものの内容に関しては、書くことを控えます。

Amazonのカスタマーレビューも、そこのところは配慮しつつ、皆さん上手いこと書いているから、

それをご覧になると良いでしょう。


◆多少高くてもメモリアルボックスの方が良いよ。

御存知の通り、こういうDVDの「スペシャル・エディション」とか、「プレミアム・エディション」とかいう高い版には、

「特典映像」と称して、映画のメイギングの映像とか、役者へのインタビューなどが収録されている。

「フラガール」では、言うまでもなく、踊りのレッスンが大変なのだが、これが、また泣ける。

ほんのちょっとだけネタバレになるが、ご容赦。

常磐ハワイアンセンターがオープンして、いよいよ、娘達が晴れ舞台で踊る。

最後のフィニッシュのポーズが決まって、映画では皆泣いているが、あれ、本当に泣いているんだよ。

Amazonのカスタマーレビューで誰か書いていたけど、この「特典映像」は、映画本編と同じほど、或いはそれ以上に泣ける。


◆シナリオ(台本)を読むと役者というのは、なかなか大変だな、と思う。

先に書いたとおり、スタンダード・エディションはどうかわからないが、

メモリアルボックスには、この映画全編のシナリオが同梱されてます。

これを見ると、当たり前だが、要するにト書きと台詞が書いてあるだけだ。

これを読んで、どういう声(トーン)で、どういう表情をして、どういう動作をするべきかを考えなければならないわけでしょ?

勿論、演出はあるだろうけど、自分がまず、自らが演ずる役の人格を創りあげなければどうしようもない。

役者がしばしば、

「『役作り』が大変でした」

という言葉を口にするのを聞き、私は「てやんでえ」と思っていたが、なるほど、これは大変だわ。

演技力以前に、かなり想像力のある人でなければ、役者はやれないことが良く分かった。

それだけでも、興味深かった。


◆多くのかたは既にご覧になったのでしょうが

「スイングガールズ」の記事に書いたが、私は世間がとっくの昔に見て、

「そんなの知ってるよ」

というものをずっと後から見て、一人で興奮することになりがちである。

だから、この稿も、滑稽に思われただろうが、きっとまだ見ておられない方がいらっしゃるだろう、と思って書いた次第である。

映画館でご覧になった方にも、まだ、観ていない方にも、DVDを買うなら、フラガール メモリアルBOXをお薦めする。

それでは、また。


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2007.03.25

「ミサイル防衛で緊急対処要領=発射準備段階でも迎撃命令-政府」相手の弾頭が何か確認できるの?/【音楽評論】ノリントン嫌い

◆記事:ミサイル防衛で緊急対処要領=発射準備段階でも迎撃命令-政府

政府は23日午前の閣議で、

今月末に航空自衛隊入間基地(埼玉県)に配備する地上配備型迎撃ミサイル(PAC3)の運用に関する緊急対処要領を決定した。

PAC3はミサイル防衛(MD)システムとして初めて導入するもので、

北朝鮮などが弾道ミサイルの発射準備をしている段階でも防衛相が迎撃を命令できるようにする。

(3月23日9時0分配信 時事通信)


◆コメント:つまり先制攻撃を可能にするということですね?

この記事だけでは、情報が足りないのでまだ何とも言えないけれど、

あまり、のんきに眺めているニュースじゃないですよ。

専守防衛にあまりにもこだわると、北朝鮮の弾道ミサイルに積んだ弾頭が日本に落ちて、
それが核弾頭だったら、要するに原爆ですね。

核弾頭じゃなくても、生物兵器や、化学兵器であっても、犠牲者が出る。

犠牲者が出てからじゃないと、日本は自衛権を発動できない、というのは、それはたしかにまずい。

だから、ミサイルを迎撃するのは、個別的自衛権の発動であって、構わんとおもうのですが、

日本が先に他国にミサイルを撃ち込むというのは、非常に危険な要素を含んでいます。


◆やみくもに発射段階で迎撃したら、まずいですよ。

何故か。

昨年の七月に北朝鮮がミサイルを続けざまに発射したけど、海にポチャリと落っこちただけでしたね。

閣議決定を文字通りに解釈すると、ああいう場合でも、日本が先に北にミサイルを撃ち込むことが出来るわけでしょう?

これは、日本がいくら「自衛だ」と主張しても、客観的には「先制攻撃」です。

日本国憲法も国連憲章も禁止していることなのです。

そういう意味で、これは非常に重大な内容の閣議決定なのに、

世間のこの静けさ、この報道機関の静かさはどうしたことでしょう?

あまり大きく報道するな、と国家から命令を受けているのでしょうか。


◆先制攻撃を加えたと見なされたら、相手に自衛権の行使を許してしまう。

あの狡い、金正日ですから、下手をすると逆に利用されることが充分あり得ますね。

まず、カラの弾頭を積んだ弾道ミサイルの発射準備をする。

まだ、準備をしているだけなのに、日本が新しい「緊急対処要領」に基づき、ミサイルを撃ち込んだら、

先に他国に武力行使をしたのは日本で、攻撃されたのが北朝鮮、ということになります。

そうすると、北朝鮮に対して、「自国を防衛するため」という大義名分のもとで、

核弾頭を積んだ、「本当の」ミサイルを日本に撃ち込む「口実」を与えてしまいます。

防衛省は、北が発射準備をしている段階で日本が迎撃(先制攻撃)しないと、

どうしても物理的に間に合わない、ということなら、その根拠を国民に分かりやすく説明するべきですね。

また、ミサイルの弾頭がカラなのか、核なのか、生物・化学兵器なのか、判別出来るのかどうかも知りたいですね。

カラだと分かるのなら、なにも先制攻撃しなくても良いでしょう。



そして、日本が先に攻撃したら、いわば北の人質に取られている拉致被害者はどうなるのでしょう?

本当に殺されてしまうかも知れませんね。

政府の説明不足です。全然納得出来ません。


◆戦争をしたい人は、参院選などで、自民党に入れましょう。

もちろん、在日米軍も黙っていないでしょうね。

場合によっては、第三次世界大戦ですよ。

閣議決定というのは、「閣議提出法案」を国会に提出することを決めた、と言う意味で、

この法案が衆議院と参議院で可決するまでは、法的な効力を生じないのですが、

やっぱり、安倍晋三は危ない人ですね。

日本を戦争が出来る国にしたい方は、参議院選挙でどんどん自民党に投票しましょう。


◆N響アワー:ノリントンという指揮者、気に入らん。

毎週夜9時からNHK教育テレビで放送されるクラシック音楽番組、「N響アワー」を、毎回必ずではないが、よく見る。

番組名から察せられるとおりNHK交響楽団の定期演奏会の録画を放送することが多い。

今日は、昨年のN響のコンサートの人気投票の結果、上位にランキングされたものを、再放送していた。

そのなかで、かなりの人が、ロジャー・ノリントンという英国人指揮者に投票していた。

彼は、その楽曲が作曲された当時の、つまり、現代の楽器に比べて原始的な楽器(古楽器、とか、ピリオド楽器)を用いて、

バロック、モーツァルト、ベートーベンなどを演奏する。これは、他にも大勢いる。

彼のもう一つの特徴は時代奏法(ピリオド奏法)にこだわる。

最大の特徴は弦楽器に、ビブラートをかけさせないことである。

何と、バイオリン協奏曲のソリストにまで、ビブラートを禁じるのである。


もう一つは、出鱈目で有名なベートーベンの交響曲のテンポ指定(メトロノーム速度)をそのままで弾かせることである。

ベートーベンは無茶苦茶な速さになり、やはりこのテンポ指定自体が間違っていることが良く分かる。
また、弦楽器からビブラートを取り除くと、全然、色気が無くなる。

今日だけでなく、CDでも聴いた。

私は、いくらN響定期会員に人気があろうと、ノリントンを評価しない。


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2007.03.24

「タミフルと異常行動、厚労相『因果関係疑い出てきた』」「インフルエンザ14歳男子、タミフル服用せず飛び降り」/【追加】音楽/【追加】安藤美姫選手の健闘を讃える

◆記事1:タミフルと異常行動、厚労相「因果関係疑い出てきた」

インフルエンザ治療薬「タミフル」を巡る問題で、柳沢厚労相は23日、閣議後の記者会見で、

異常行動との因果関係に「否定的」としてきた厚生労働省の見解が事実上撤回されたことに関連し、

「疑いが出てきたと言えばそういうことだ」と述べ、これまでの判断に誤りがあった可能性を示唆した。

柳沢厚労相は、「因果関係があるという新しい知見がもたらされたわけではない」と強調しながらも、

「(2、3月に)いくつも(事故が)頻発し、今までの判断で良かったのかということで、

見直しをしなくてはいけないとなった」と述べた。 (3月23日14時25分配信 読売新聞)


◆記事2:インフルエンザ14歳男子、タミフル服用せず飛び降り(3月23日3時7分配信 読売新聞)

西日本で先週末、インフルエンザにかかった男子(14)が、自宅2階から飛び降り、足を骨折していたことがわかった。

タミフルは服用していなかった。(注:太文字は引用者による)。

主治医によると、この男子は15日、38度の熱があり、翌日いったん熱が下がったものの、

17日未明に自宅2階から飛び降りたとみられ、玄関先で倒れているところを発見された。

病院搬送時に熱があり、検査でB型インフルエンザに感染していたことがわかった。

男子は「夢の中で何かに追われ、飛び降りた」と話しているという。



タミフル服用後の「飛び降り」事例が相次ぎ、薬との因果関係が疑われているが、

服用していない患者の飛び降り例はこれまであまり報告がないという。

このケースは来月、厚労省研究班会議で報告される予定。


◆記事3:「利益が危険性を上回る」=タミフル使用で見解-欧州当局

【ロンドン23日時事】欧州医薬品審査庁の医薬品委員会は23日、

インフルエンザ治療薬「タミフル」服用後に異常行動が相次いで報告されている問題に関し、

適切な指示の下で使用されれば「利益が危険性を上回る」との見解を発表した。(注:太文字は引用者による)。

声明文によると、日本で指摘されたタミフルと精神・神経症状の関係について、同庁は安全検査を実施。

その結果「タミフルに関し、精神・神経症状も含めた安全情報について引き続き注意深く監視する。さらなる懸念があれば対応策を取る」

と指摘したが、現時点での具体的な措置は見送った。(3月24日0時1分配信 時事通信)


◆コメント:タミフル、タミフルって喧しい(かまびすしい)ですねえ・・。

近所の開業医(内科・小児科)の先生に訊いてみましたよ。
私:「先生、インフルエンザの患者さんにタミフルっていうと、大騒ぎですか?」

先生:「いや、そうでもないですねえ。ウチでも毎年出してますけど、一度も問題が起きたこと無いんです。」

私:「あれ(タミフル)って、発症後48時間以内に服用を開始して、朝晩、一錠(カプセル)ずつ、5日間飲むんですよね?」

先生:「ええ、そうなってるんですけど、あれは良い薬です。非常に良く効きます。

大体1日で治っちゃうんで、最小限しか処方しないです。いろいろ、騒がしいから(笑)」

私:「先生も、色々気を遣って大変ですねえ。」

先生:(笑って)「まあ、それほどでも・・・。一応、マンションに住んでいる人には、

『何階に住んでます?』って訊いてます(笑)」(←JIRO注:冗談ですからね?)

◆タミフルに限らないけれども、まだ分からないことだらけなんでしょう?

この原稿を書く前に、自然科学における「因果関係の定義」は何か、を少々調べた。

少々調べたぐらいで書くべきではないと言われればそうだが、本気で「因果関係」の勉強ばかりしているわけにはいかぬ。

そして、私が漠然と分かったのは、「因果関係の定義は為されていない」と言うことである。


勿論、辞典を引けば何かしらの説明は書いてあるが、厳密に科学的又は統計学的に

「事象PとQの間に因果関係がある」と断定するために満たされるべき要件は、確定していないらしい。



特に統計学では、「シンプソンのパラドックス」という問題が100年も昔に提起され、いまだに解決を見ず、

統計学者、疫学者、科学者、経済学者、などによる議論が続いているのだそうだ。詳しい説明は、ウィキペディアに載っているから、読んで下さい。

これを読んでいる、頭の良い人たち。特にヒマな学生さん、

「因果関係の定義は為されていない」という命題(?)、違っていたら教えてくださいな。


◆医学的・薬理学的にタミフルと異常行動の因果関係を証明するのは、何週間と言う単位で出来ることではないでしょう?

こういうのは、医学というよりも薬理学の範疇に属する問題なのでしょうね。

いずれにせよ、タミフルと異常行動との因果関係を科学的に解明するということは、

薬物がある種の行動を惹起するメカニズムを解明する訳でしょう?

何日とか、何週間という単位の短い時間で出来ることではないでしょうね。

いや、知りませんよ。

私の悪い頭をフル回転させて、想像したことを書いただけです。

頭の良いセンセー達なら、直ぐに証明できるのかも知れませんけどね。

科学的にタミフルの服用といわゆる異常行動との因果関係を証明するためには、

タミフルが身体に入ってから、、異常行動に関して言えば、脳のどの部分にどのように作用するのか。

そして、どのように代謝されるのか。

そこまで、明らかになったとしても、終わりではない。

この薬の副作用としての精神症状は何故、特異的(ベランダなどから飛び降りること)なのか、

そのメカニズムの解明が究極的な目標でないのでしょうか?そこで初めて「因果関係」が証明されるのではなかろうか、

と私は無い知恵を絞って考えたのです。

この考え方は違うのでしょうか?

これは「作用機序」であって、「因果関係」の立証には、そこまで必要ないの?

もし、そうであるなら、因果関係の証明には何をすればよいのですか?

あるいは、証明は不可能で、疫学的統計からの類推にとどまるの?

ご専門の方に教えていただきたいものだ。

繰り返すが、あくまで素人の想像でしかないけれども、そんなことが、簡単に分かるわけがない。

その解明を待つほど慎重になる必要があるとは、私には思われない。

【お断りしておきますが】

これは、私の個人的な意見であります。

読者諸氏がインフルエンザに罹患し、タミフルを処方された場合に、それを服用するかどうかは、ご自身で、自己責任で、決めて下さい。


◆コメント:「可能性」がゼロってことは無いのは、明らか。いちいち言い直すな。

柳沢のおっさんも、相変わらずドジだね。

タミフル服用後に異常行動を起こした患者がいる、という時点で、タミフルと異常行動との因果関係の可能性はゼロでは無くなる。

にも関わらず、簡単に因果関係は無いなどというから、また、恥をかくのだ。


しかしながら、同時に、「タミフル服用後に異常行動を起こした患者がいる」、という事実だけでは、

異常行動の原因がタミフルだと断言する十分な根拠たり得ないのもまた、論理的に正しい。


それは、実際、記事2を読むと、分かる。

タミフルを飲んでいないのに、自宅2階(2階で良かったね)から飛び降りた14歳男子がいるのである。

これは、タミフルが異常行動を惹起する作用を持つ可能性を排除するものではない。

だが、いままで、タミフルの副作用としてカウントされていた同種「異常行動」の中には、

実はタミフルとは、別の原因が存在していた可能性を(あくまで可能性だが)、示唆している。


◆コメント:記事3は、私の主張と一致しているので、載せました。

「私の主張」とは、エンピツならここに、

ココログでは、ここに載せた記事である。

最後の段落で私は、

◆結論:薬には主作用と副作用がある。主作用の恩恵に浴している人の方が遙かに多いから、タミフルが使われているのだ。

と書いた。

欧州医薬品審査庁の医薬品委員会の23日のステートメント
「利益が危険性を上回る」

は正に、「我が意を得たり!」なので、引用した。

それだけ。本日は以上です。


◆【追加】音楽:バッハ、カンタータ140番「『目覚めよ』と呼ぶ声あり」第四曲

先日、バッハの誕生日に色々と音楽を載せましたが、

当然、まだまだお聴かせしたいけれど、出来ない曲があります。

以前、「主よ、人の望みの喜びよ」(これはピアノ編曲版)

をお聴かせしましたが、これと同じく毎週教会での礼拝用にバッハがせっせと作曲した、オーケストラと合唱による音楽をカンタータといいます。

今日のは、カンタータ140番「目覚めよと呼ぶ声あり」の中の一曲。

本来は男声合唱が歌うパートをトランペットで吹いています。

これを書くに当たって、オリジナルの演奏、つまり、オーケストラとコーラスによる演奏、

それも、リリングとアーノンクールという、超有名なバッハの大家が、自ら組織したオーケストラとコーラスを指揮した演奏と聞き比べてみたのです。

そうしたら、私も驚いたのですが、私の耳で聴く限りにおいては、この「トランペット版」の方が良いです。

コーラスだとテナーがユニゾンで歌うのですが、妙に明るくヘラヘラ調になっています。

何と、一本のトランペットが荘厳さ、敬虔な感覚で勝ります。(くどいようですが、あくまでも私の個人的な好みです)。

能書きはこれくらいにしましょう。

どうぞ。






綺麗でしょう?

いや、単に綺麗というだけじゃないですね。厳かな感じがします。教会音楽だから当たり前と言えばそうですが、

「教会音楽を書け」という注文を受けた作曲家が、誰でも、これほど美しく、かつ、厳かな曲を書けるものではありません。

気持ちが落ちつきます。

こういうのが、10曲ぐらいでようやく一つのカンタータになるのです。


そして、バッハは、毎週、新しいのを書いて、オーケストラと合唱に稽古を付けて、日曜の礼拝に間に合わせていたのです。

全部で200曲もあるのです!

そのような、「超過密スケジュール」にも関わらず、一つ一つが、名曲なのですから、

今更私如きが言うまでもないのですが、やっぱり、バッハって人は、「超人」です。

◆【さらに追加】:「世界フィギュア、安藤美姫が金・浅田真央は銀」安藤美姫選手、良かったねえ・・・。

わざわざ、文章を追加するのは一時的な感傷からではない。

昨年、トリノ・オリンピックで、荒川が金メダルを取ったが、前評判の高かった安藤美姫選手は、ショート・プログラム自由演技合計で15位に終わった。

オリンピックが始まるまで、マスコミ各社はさんざん安藤を持ち上げ、コマーシャルに出演し、練習を取材するので、練習の妨げになるほどだった。

そして、オリンピックの結果が出たら、マスコミは安藤選手に見向きもしなくなった。村主選手も同様である。

私がスポーツを記事にすることは、非常に稀なことだが、この時ばかりは、あまりにもひどいと思い、


の2本の記事を書いた。

安藤選手にしてみれば、頼みもしないのに、勝手に騒がれ、持ち上げられ、利用され、結果が悪かったら、「ポイ捨て」されたのである。

彼女の無念さは察するにあまりある。

しかしながら、マスコミが注目しなくなったことやコーチを替えたことが幸いしたのであろう。

今夜は、金メダルという大輪の花を咲かせた(村主選手は気の毒だが、いかんとも出来ない)。

とにかく、昨年、上に掲げた記事を書いた私としては、安藤選手の研鑽と精神力を心から、讃えたい。

スケートも音楽の演奏も、本番で、「ここ一番」というときに実力を発揮できる者が成功する。

演技者、演奏者が乗り越えなければならない、「本番のプレッシャー」の厳しさは、我々の想像が及ぶところではない。

健闘を讃えたい。

安藤選手、よく頑張りましたね。おめでとう。


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「<薬害肝炎訴訟>国と企業に2億6千万円賠償命令 東京地裁」←刑事責任を問わないのか。

◆記事:<薬害肝炎訴訟>国と企業に2億6千万円賠償命令 東京地裁

出産時などに止血剤として投与された2種類の血液製剤でC型肝炎に感染したとして、

患者21人(うち2人死亡)が国と製薬企業3社に約13億5000万円の賠償を求めた薬害肝炎訴訟で、

東京地裁は23日、21人中13人について約2億6000万円(1人2200万~1320万円)の支払いを命じた。

永野厚郎裁判長は、2種のうち第9因子製剤(クリスマシン、PPSB―ニチヤク)を巡り「重篤な副作用の情報を医療現場に警告する義務を怠った」

と初めて製造2社の賠償責任を認めた。

5地裁に起こされた訴訟で3件目の判決。2種のもう一つのフィブリノゲン製剤については、

大阪、福岡両地裁判決に続き国の過失も認め、企業と共に賠償を命じた。

救済範囲は異なるが、三たび違法性を指摘された国は対応を迫られる。(3月23日20時18分配信 毎日新聞)


◆コメント:たったの二億円の損害賠償だけですか?

薬害エイズも薬害肝炎も共に血液製剤(人間の血液から作った薬)がそれぞれHIVウィルス、C型肝炎ウィルスに汚染していたのに、

そのまま使ってしまったので、患者がエイズや肝炎に感染してしまった、という事件です。



血液製剤は人間の血液から作るので、献血した人が肝炎に感染していると、

その人から作った血液製剤も肝炎のウィルスで汚染されている訳です。

そして、肝炎ウィルスが混入した血液製剤、フィブリノゲンを使われた患者や妊婦が大量に肝炎に感染したのです。


◆原告は誰か。

フィブリノゲンが使用された期間は1964(昭和39)年から、1994(平成6)年の間、何と30年間にわたります。

この間に血液製剤を使用されたことを証明出来、C型肝炎に感染し、

先天性フィブリノゲン欠乏症に罹っていない人は、原告になれます。


◆被告は誰か(「被告」は民事。刑事裁判では「被告人」といいます)。

フィブリノゲンを製造・販売した、現在の三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)、

その子会社株式会社ベネシス、

日本製薬株式会社、

そして、国(日本政府)です。


国は要するに監督責任です。

アメリカでは1970年代にフィブリノゲンの止血効果に疑問があり、

また、C型肝炎に感染する危険があるので、医療機関に対して、使用を禁じていました。

日本の厚生省(当時)は、薬害エイズもそうですが、そのような動きを知りながら、

1984年まで、フィブリノゲンの使用を禁止しなかったのです。


◆製薬会社と国には傷害の未必の故意があったと考えるべきである。

C型肝炎は、インターフェロンなどを用いた治療法があるそうです。

詳しくは、厚労省のC型肝炎について(一般的なQ&A)をご参照下さい。

要するに、製薬会社は、アメリカでは1970年代に既に危険だと見なされていたフィブリノゲンを、そのまま作り売り続け、

国は国で、血液製剤が危険だとしりつつ、製薬会社にストップをかけなかった(製薬会社がこれで儲かっていたので、役人が天下り先を潰したくなかった)のです。


私は、製薬会社と国には、「国民に対する傷害の未必の故意があった」と見なすべきだと思います。

「未必の故意」とは、特定の誰かに危害を加えようという意図はないけれど、

誰かに危害が及ぶ(肝炎に感染する)結果発生の可能性を認識しつつ、かつ、そうなっても構わない、と考えることです。

単純な例でいいます。

東京・渋谷の繁華街。貴方は高いビルの屋上にいます。

下を見ると、道路が人でいっぱいです。殆ど隙間がないぐらい。

ここで、貴方が重いコンクリートブロックを、屋上から放り投げた、というようなケースです。

貴方は「特定の誰か」を殺そうとしているわけではないけれど、重い物を落下させたら、まず間違いなく誰かの頭を直撃し、

その人は脳挫傷で死ぬであろう事を知っており、かつ、そうなっても構わない、と思っているわけです。

これが「未必の故意」です。



状況は全く異なるけれど、フィブリノゲンの製造・販売を続けた製薬会社と、これを容認した国は、

C型肝炎に感染する可能性が高いと知っており、国民が肝炎になる可能性が高いけれど、そうなっても構わない、

と考えていたと思われます。まさに、傷害の「未必の故意」です。


以上が、私が、薬害肝炎について、製薬会社、国の刑事責任を追及するべきだと考える理由です。


◆補足:薬害肝炎訴訟弁護団のサイトを見ても、はっきりしないのです。

こちらに、薬害肝炎訴訟弁護団ホームページの訴訟の目的というページがあります。

ここでは、第一の目的が

「国・製薬会社の責任を明らかにし、謝罪を得ること」

となっています。

謝罪は刑罰ではないので、刑事責任を念頭に置いているとは言えない。

他の項目も、専ら民事責任の追及と行政の対応を求めている、と思われます。

私が「刑事責任も追及するべきだ」というのは、このような背景もあります。



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2007.03.23

「タミフル異常行動は22件=販売開始後6年、成人も7件-厚労省」←何度も書くが、タミフルは年間延べ300万人が飲んでいる。

◆記事:タミフル異常行動は22件=販売開始後6年、成人も7件-厚労省

インフルエンザ治療薬「タミフル」服用後の異常行動問題で、輸入販売元の中外製薬が2001年2月にタミフルを販売開始して以降、

異常行動を起こした事例は計22件に上ることが21日、厚生労働省のまとめで分かった。

うち15件は10代、7件は成年の事例。同省はこれまで、死亡例を除き公表していなかった。 (2007/03/21-20:47)


◆コメント:発表する役所も、報道するマスコミもどうしてこんな簡単なことができないのか。

前回、書いたのは、約一ヶ月前である。

こちらが、エンピツ、こちらがココログの当該記事へのリンクである。

全然、状況が変わらないので、同じ事を強調するしかない。

記事を読んで下さい。記事の見出しも含めて。

タミフル販売開始後、6年間で異常行動(飛び降りて死んだ例だけではない、ということ)が22件、報告されている

如何にも、不完全な記事である。22件は22人なのか。延べ人数なのか。

異常行動の内訳は。そもそも「異常行動」の定義は?

そして何よりも、この6年間にタミフルを飲んだ患者の数は

(前回書いたようにWHOによれば、年間300万人の日本人がタミフルを服用しているという。)?


◆分母がわからなければ、確率が出ないだろ?

それぐらいのことは、いくら数学、理数系が大嫌いな私だって分かる。

テレビ・新聞の記者やデスクは、全員それが分からないほどバカなのか?

どんな薬にも重大な副作用があるのだ。


◆私は、「重大な副作用」として「精神錯乱」を含む薬を8年も飲んでいるが、一度も「重大な副作用」を経験していない。

タミフルのことを書いたときに、「お前、自分が飲むことになったら飲めるか?」という御質問を読者から頂戴した。

何の躊躇いもなく、飲める。というのが、私の答えである。


あまり、書きたくないことなのだが、その根拠を示すために、書くことにする。

私は、8年前にうつ病になり、入院した経験がある、精神科の患者である。

発病の経緯は、書きたくない。ご勘弁いただきたい。


精神科の患者といっても、うつ病は精神病とは云わず、気分障害(Mood Disorder)という範疇に属するのだが、それは、まあ、いい。

精神科の患者は皆、「嬌声を発し、暴れ回る」キチガイだと思っている人は多いだろう。

そういう方は、「精神科の患者」であるところの私が書いた過去1,500本以上の記事をお読みのうえで、

それらが、いわゆる「狂人」の文章であるかどうか、ご判断いただきたい。。

普通に読んで下されば、私の意識、理性は正常であることがお分かり頂けるだろう。

しかし、その私は今でも、再発防止の為に抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬を飲んでいる。

精神科の薬は向精神薬というぐらいで、精神状態(正確を期するために書くならば、うつ病の場合、「気分」)をコントロールするための薬である。


当然、副作用も精神症状となって発現することが多い。

私は、今、抗うつ剤のアモキサン(一般名:アモキサピン)、抗不安薬のレキソタン(同:ブロバゼパム)、

そして、睡眠薬のサイレース(同:フルニトラゼパム)の3種類の薬を毎日飲んでいる。

本当は、プロが使う本で、素人が勝手に読むべきではないが、病院や開業医を訪ねると、医師の机に大抵置いてある、

治療薬マニュアル、又は今日の治療薬という本を私は持っている。

これで、私の飲んでいる薬を調べると、3つとも「重大な副作用」に「錯乱」、「幻覚」、「刺激興奮」など(まだまだ、羅列してある)を含んでいる。


私が強調したいのは、タミフルの副作用を過度に恐れる人から見れば、

もっと「恐ろしげ」な薬をずっと飲み続けているが、「異常行動」が出現したことはない、という客観的事実である。

疑り深い人の為に念を押そう。

もしも、私が「異常行動」を起こしているのに記憶が無いのであれば、

家人が主治医に連絡し、「措置入院」(精神保険指定医二人以上の診断で可能となる強制入院)させられているはずである。

そして、もし、そういうことがあったならば、日記に長い空白があるはずだ。だが、ご覧の通り、ほぼ毎日書いている

(エンピツの2002年の4月から9月は空白が多いが、これは、まだ本気で書いていなかっただけである)。



私だけでは、わずか一例ではあるが、私は精神科に通っているから他の患者さんも知っている。

彼ら、彼女らは皆、多かれ少なかれ、こういう薬を飲んでいるが、「重大な副作用」が起きたのを見たことも聞いたこともないのだ。


◆結論:薬には主作用と副作用がある。主作用の恩恵に浴している人の方が遙かに多いから、タミフルが使われているのだ。

タミフルはインフルエンザの抗ウイルス薬である。インフルエンザは感染症(伝染病)である。

マスコミが、やたらと素人の不安を煽り、インフルエンザの患者がタミフルをのまず、

インフルエンザが治らないまま(少々熱が下がったからといって)、学校や職場に出てくるようなことになったら、「社会の迷惑」なのである。

各メディアは、このような社会的影響を考えてから報道するべきである。



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2007.03.22

3月21日はバッハの誕生日なので、いろいろお聴かせします。

◆バッハに関する「お勉強は省略」します。

今日は、ヨハン・セバスチャン・バッハの誕生日です。バッハの一族郎党は大音楽一家で他にも「バッハ」はいますが、

普通に「バッハ」と云えば、ヨハン・セバスチャン・バッハのことを指します。めんどくさいから、皆、J.S.バッハ、J.S.Bach

などと書きます。生涯は1685年~1750年です。

だから、22年前、1985年は「バッハ生誕300年」ということで大騒ぎでした(主にレコード屋さん=レコード会社がね。)。

次の大騒ぎは、「バッハ没後300年」の2050年でしょうね。残念ながら、その頃には私はこの世にいないと思います(笑)。

負け惜しみじゃないけど、あまり残念では無いです。生後何年というのは面白いけど、バッハなり、モーツァルトの音楽は

常に素晴らしいわけで、生誕何年であろうが、没後何年であろうが、それは同じですから。

◆作曲されてから二百年以上経っても飽きられない音楽を書いた人ってすごいとおもいませんか?

先日、メンデルスゾーンのときにも、何か似たようなことを書きました。

バッハが死んでから、257年経っているわけですね。

クラシック音楽は全体からすれば、きくひとは非常に少ないけれど、確実に存在します。

その中の、かなりの人が今でもバッハを聴くわけです。

同じ遺伝子(っての?)を持った西洋人だけじゃなくて、縁もゆかりもない東洋人の私たちまで、

バッハを聴くと、あまりの美しさに陶然となります。

比較しては悪いけど、今の若い人が聴いている日本人の歌手(クラシック以外の、です)の歌で、

200年後、世界中の人に聴かれている曲があると思いますか?

そう考えると、何度も同じ事を述べてすみませんが、バッハとかモーツァルトとか、ベートーベン等々の、

超弩級の天才ぶりがどれほど桁外れであるか、良く分かります。


◆知ったかぶりはここまでにします。後は音楽を聴いて下さい。

理屈、解説は付けませんので、ただ聴いていただければいいと思います。

やってみると分かるのですが、こういうときの選曲や並べ方を考えていると、意外に難しいです。

テレビ・ラジオなどの音楽番組のディレクターか誰か知りませんが、構成を考える人は、商売だからさぞや大変だろうと思いました。

(放送の場合は、放送時間が決まっているしね)。

それは、余談でして、早速、どうぞ。

まず、少しピアノを習って、バイエルからもうちょっと頑張った人なら弾いたことがあるのではないでしょうか?

「アンナ・マグダレーナ・バッハの為の音楽帖」から、誰でも知っているメヌエット2曲。チェンバロで。








これらを弾くのは簡単だろうけど、だからつまらん曲だ、と言うことはない。美しいと思います。

次は、チェンバロ協奏曲の第二楽章なんですよ。しかし、オーボエ協奏曲にバッハ自身が編曲しているものです。

俗に「バッハのアリオーソ」といったら、これのことです。BWV1056。

オーボエ版です。





ピアノ版です。





次は少し賑やかな曲を。今まで、お聴かせしたことがないのが不思議なのですが、

ブランデンブルグ協奏曲というのが全部で6曲あります。これは、第二番の第一楽章です。

面白いのは、ソリストが一人じゃなくて、バイオリン、オーボエ、リコーダー(又は、フルート)、トランペットなのです。

このように、「小さな合奏体」をソリストにする協奏曲をコンチェルト・グロッソと云います。

自分がラッパを吹くので、どうしてもトランペットの話を書いてしまいますが、若干ご辛抱を。

この当時のトランペットには、今のような三本のピストン(バルブ)がなく、

トランペット奏者は、息のスピードを主として、若干唇も用いながら、音程を変化させていたのです。ものすごく難しかったはずです。






ブランデンブルグ協奏曲と並んで人気があるバッハのオーケストラ曲に「管弦楽組曲」があります。

第2番はフルートソロの為の曲ですが、以前、これのトランペット版をお聴かせしたら、結構喜んで頂いたので、また載せます。全部は無理なので、

終わりの4曲です。


ブーレ。





ポロネーズ



メヌエット





バディネリ。早い曲です。

前回、これを紹介するときに、「正確にかつ音楽的に演奏するのはとても大変なので、私には、最初のフレーズが、

『とってもとってもたいへんだ』に聞こえます」と書きまして、かなり予想外にウケました。



と言うわけです。


あんまり多くなっても、何ですので(第二弾もやろうかな、と考えています)、最後は、超有名曲で。

これは、初めてですね。同じ「管弦楽組曲」ですが、第三番から。「エア」。

「G線上のアリア」として、あまりにも有名です。






気に入って頂けたでしょうか?

それでは、また。


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2007.03.21

ボンバルディア機の車輪出ず、手動で出して着陸」「ボンバル機変更せず 全日空」 国交省はANAに業務停止命令を出せ。

◆記事1:ボンバルディア機の車輪出ず、手動で出して着陸…熊本

20日正午ごろ、天草空港(熊本県天草市)発熊本空港行き天草エアライン201便

(ボンバルディアDHC8―Q100型機、乗客15人、乗員3人)が熊本空港に着陸しようとしたところ、

3本すべての車輪が出ず、手動で車輪を出して着陸した。けが人はなかった。

双発プロペラ機のボンバルディア機を巡っては、同系列機で一回り大きいDHC8―Q400型機が13日、高知空港で前輪が出ず、胴体着陸した。

国土交通省は20日、原因調査のため大阪航空局の専門職員を熊本空港に派遣した。天草エアラインの保有機はこの1機のみ。

1999年製で2000年から使用し、車輪は油圧装置で出し入れする。

この日は午前中、天草―福岡間を2往復したが、運航前の点検や、高知空港での胴体着陸後の緊急点検では異常は確認されなかった。

同社は原因を究明し安全性が確保されるまで運航しない方針。

(3月20日21時32分配信 読売新聞)


◆記事2:ボンバル機変更せず全日空本部長

全日空のボンバルディアDHC8―Q400型機が高知空港で胴体着陸した事故を受け、

国土交通省が国内航空会社と19日開いた安全対策会議後、全日空の伊藤博行・整備本部長は

「考え得る最大限の努力をし、より安全にとやっている。機体(高知線などに就航しているQ400型機)の変更は考えていない」とあらためて述べた。

特定機について対策会議が開かれるのは異例。

会議では、ボルトが脱落していた前輪格納扉部分の点検間隔を、Q400型は従来の飛行4000時間ごとから400時間ごとに、

100―300型は5000時間ごとから500時間ごとに短縮する整備規定の改定を徹底した。同シリーズは国内で36機就航。

内訳は100型5機、200型2機、300型7機、400型22機。

( 高知新聞 20日11時4分)


◆コメント:「考え得る最大限の努力をし」ても、一度飛行機が落ちたらお仕舞いだろう。

このニュースを取り上げているブログをいくつか読んだ。

勿論悪意は無いのだろうが、「何とかならないものですかねえ」などと暢気なことを書いている。

若い人は、1985年8月12日、日航123便の事故の悲惨さを知らない

(知識としては知っていても、あの時の悲惨な雰囲気は分からない)からだろう(仕方ないけどさ)。


先週、高知空港で胴体着陸したボンバルディア社(カナダ)の同系列機は過去7件もの胴体着陸事故を起こしていたという。

そういう危険な機種だと知りながら、業務にこれを使用していた全日空の良識を疑う。

また、それを看過した国交省の監督責任は大きい。

いままで、死者が出ていないのは、単なる偶然である。

着陸時にギアダウン(車輪を格納庫から降ろすこと)できるかどうか、

やってみなければ分からない飛行機に客を乗せるとは何事だ。


◆ボンバルディアを使用禁止にするか、全日空に対して業務停止命令を発するべきだ。

業務停止命令、行政処分がいちばん多いのが金融庁だ。

やれ、インサイダーだ。保険料不払いだ、リスク商品の説明が足りないといっては、

金融機関に業務停止命令を出す。

それはそれで構わない。

そして金融庁と国交省は別の役所だが、行政府の一部である点において同一である。

カネの話で業務停止命令をだすのに、落ちるかも知れない飛行機を飛ばしている航空会社に業務停止命令を出さないのは、

明らかに事の軽重を見誤っている。若しくは、バカである。

誤解を恐れずに書くならば、金融庁が監督するのは、たかがカネの話である。

一方、国交省が監督している航空会社は、云うまでもなく飛行機を飛ばしている。失敗は人命に直結するのだ。


どうして、早く業務停止命令を出さないのか?

最近、特定のメーカーの航空機が、大事故につながりかねない故障を連続して起こしている。


記事1と記事2では、時系列的には、記事2が先だ。

昨日(19日)、国交省と国内航空会社との安全対策会議が開かれ、その後、ANAの整備本部長は、

「考え得る最大限の努力をし、より安全にとやっている。」

と述べ、ボンバルディアを飛ばし続けると公言した。

そうしたら、記事1のとおり。今日、またやった。

先週胴体着陸した機種とは違うが、前輪トラブルが発生した。

「考え得るあらゆる努力をする」のは、商売だから当たり前なのだ。

飛行機だろう。一回落ちたら終わりなんだよ。

航空会社も、国交省も20歳以下の坊やで構成されている訳じゃないだろう。

123便を覚えているだろう。

国交省は全日空に対して、
「全てのボンバルディアを替えろ。それが済むまで業務を禁止する」

ぐらいの厳しい態度で臨むべきだ。

くどいようだが、繰り返す。

事故が起きてからでは、遅いのである。

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2007.03.19

「松岡農相光熱水費問題」、あまりにもバカバカしくて書かなかったが、そうも云っていられないですな。

◆松岡農相の光熱費問題とは何か。

これほどあからさまなウソも珍しい。あきれてものが言えない。

何故か。

政治資金規正法で、政治団体は1年間の収支を記載した報告書の提出が義務づけられている。

細かい説明は省く。

松岡農相の事務所の光熱費、水道料は、5年間で2,880万円と自民党の政治資金収支報告書に記載されている。

松岡氏の事務所は国会議員会館にある。そこにしかない。

国会議員会館の事務所の光熱水費は公費(我々が額に汗して働いて納めた税金が財源だ)で負担されている。

従って、国会議員会館内に事務所を構える国会議員の光熱水費は「0(ゼロ)円」以外にあり得ない。

それを、何と、松岡は、いけしゃあしゃあと5年間で2,800万円かかったと書いており、安倍首相も松岡を庇っている。

「あまりにもバカバカし」くて、書く気にならなかった、というのは、そういうことである。

どこからどう見ても、ウソをついている。その可能性は100%である。

なのに、松岡農相は往生際の悪いことに辞めようとしない。

安倍晋三内閣総理大臣は、
「いわば法律の求めるところに従って農相は報告している」
と訳の分からないことを云って、松岡のクビを切らない。

松岡。2,880万は本当は何に使ったんだよ?後ろめたいから本当の支出明細を書けず、光熱水費に付けている、と思われても仕方がない。そうに違いない。

こんな奴が大臣でいいのか?


◆国民健康保険料を納められない高齢者からは、容赦なく保険証を取り上げるくせに・・・。

国民は小泉路線を継承する安倍政治に苦しんでいるぞ。

◆記事:国民健康保険:保険料払えず受診遅れ29人死亡 (毎日新聞 2007.03.16 東京朝刊)


全日本民主医療機関連合会(民医連)は15日、国民健康保険(国保)の保険料が支払えず、医療機関への受診が遅れたことなどによって死亡した人が、

05年1月~07年2月で計29人に上ったと発表した。

民医連の加盟事業所約1700施設などを対象に調査した結果で、男性が20人、女性が9人。

50代が11人で最も多かった。

小泉改革は、財政の健全化の手段として、支出を減らした。

国庫の支出には裁量的支出と義務的支出がある。
義務的支出はプログラム支出とも云い、年金とか健康保険など、国民の生活に関わるものだ。

裁量的支出とは、役人が公共事業をどの会社にどれぐらい発注するか決めるものである。
裁量的支出を減らすと、役人は企業に恨まれ、天下り先に不自由する。

だから、本来減らしてはいけない義務的支出を減らした。


また、日銀の金融緩和政策(ゼロ金利)が続いたので、家計の利子所得がなくなり、預金ゼロの世帯も増えた。

国民健康保険料を滞納していると、保険証を取り上げられ、医療費を全額自己負担しなければならない。

保険料も払えないほど乏しい年金生活を送っている高齢者は、どんなに身体の具合が悪くても、費用が高すぎるので、医者に診て貰えない。

引用した記事には、これが原因で亡くなった人が29人とあるが、本当はこれよりも遙かに多いだろう。

怠慢な滞納者、つまり、本当はカネがあって国民健康保険料を払えるのに、払わない奴は、保険証を取り上げられれば、慌てて未納分を納めるだろう。

しかし、死者が出ているということは、本当に収入がすくなくて、保険証を取り上げられても、保険料を納めることが出来ない人が大勢いる、ということだ。

保険料を納められるのなら、普通、「死ぬより保険料を納める方がマシだ」と考えるはずだ。

安倍政権は、怠慢による滞納者も、低所得者も十把一絡げにするから、こういうことになる。

保険料を納められない被保険者には、せめて暫定的に保険料を大幅に減免すればいいだろう。

そうすれば幾ばくかの保険料は、納められる。ゼロよりましなはずだ。


◆再チャレンジとか美しい国へとかいいながら、弱者は死ね、という社会ではないか。

安倍晋三内閣総理大臣の頭の中はどうなっているのだろうか?

松岡農相が2,880万円を5年間で本当は何に使ったのか追及しようとしない。

国会議員は溜池山王の超豪華マンションを議員宿舎にして家賃が9万円だ。

そして、昨日の日記に書いたが、イラク復興支援特別措置法を延長するという。

アメリカの人殺しを手伝いをするために税金を使う以前に、国内の弱者に光を当てるのが、

政治家の責任ではないのでしょうか?

総理のご意見を伺いたい。

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2007.03.18

「<イラク特措法>2年間延長を月内に閣議決定へ 政府」←延長するべきではないのです。

◆記事:<イラク特措法>2年間延長を月内に閣議決定へ 政府

政府は16日、イラク復興特別措置法の期限を2年間延長する改正案を月内に閣議決定する方針を与党安全保障プロジェクトチームに伝えた。

自民、公明両党の部会などで議論し、了承手続きに入る。

政府側はこれと併せ、1年ごとに延長してきた基本計画の期限について、今後は6カ月ごととすることも説明した。 (3月16日23時18分配信 毎日新聞)

◆コメント:イラク戦争は違法行為である。

アメリカがイラクに対して、武力攻撃を開始した、即ち「イラク戦争」を開始したのは2003年3月20日です。

当時、ブッシュ大統領が開戦の正当化事由として挙げたのは、

「イラクは大量破壊兵器を保有しており、これがテロリストの手に渡れば、明日にでもアメリカはテロリストの標的にされるかも知れない」

ということでした。

そもそも、これが理由になっていないのです。

結果的に大量破壊兵器は発見されなかったけれども、それは関係ない。

仮に、本当にイラクが大量破壊兵器を保有していたとしても、それが自動的にアメリカによるイラクに対する武力攻撃を正当化することは、ありません。

その根拠は、私は何度書いたか分かりませんが、最近では、

「防衛相発言、米が真意ただす=イラク戦争批判で」←馬鹿野郎。真意もへったくれもねえだろう。

に詳しく書いたので、お読み下さい。

私が云いたいのは、米国が同盟国だからといって、その違法行為を「正しい」と日本政府が公式に見解を表明するのは正しくない、ということです。

人殺しは犯罪ですね?

では、もしも、貴方の友人が故意に人を殺したとき、貴方は

「人殺しは犯罪だが、私の友人がやったことだから、違法ではない」

と、主張しますか?するならば、本当のアホですよ。


◆コメント:イラク復興支援特別措置法は違憲である。

これもまた、何度書いたか分かりませんが、また、書きます。

イラク復興支援特別措置法の全文は、

イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法

で読めます。

イラク復興支援特別措置法では、目的とする活動が大きく分けて二種類ある、と第三条第一号、第二号で、定められています。

「人道復興支援活動」と「安全確保支援活動」です。

「人道復興支援活動」は陸上自衛隊がサマワで行っていた活動です。

これも本当に必要だったのか分かりませんが、政府や大新聞は陸自の活動ばかりを、国民に強調していました。

サマワには、陸自はもう、いません。昨年撤収しました。

問題は、今も引き続き行われている、空自と海自による、「安全確保支援活動」です。

「安全確保支援活動」とは、具体的には、空自の輸送機が武装した米兵や、多国籍軍の兵士、物資を輸送することです。

本当は何をしているのか、海自は相変わらず、インド洋で「ガソリンスタンド」をやっているのか。全く国民に説明が無いのです。

「任務遂行上、安全を確保するために発表できない」とか何とか言っています。

そんなに機密にこだわるなら、自衛官の私物パソコンから、情報が漏洩するのはどうしてでしょうねえ、

と嫌味の一つも言いたくなりますが、これは、余談です。


◆空自が行っている武器・弾薬の輸送は同盟国に対する後方支援=集団的自衛権の行使である。

日本政府が自衛隊をイラクに派遣することを閣議決定したのは、2003年12月9日です。

この日行われた、小泉首相(当時)の記者会見の記録が首相官邸のサイトに今でも残っています

最も大事なところを抜粋します。

【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。

【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。

【質問】 行わない。

【小泉総理】 行いません。

【質問】 それは、実施要項の中とかで担保されるんですか。

【小泉総理】 そうです。

【質問】 そういうことですか。

【小泉総理】 はい。復興支援活動であります。日本は戦争に行くのではありません。

自衛隊は復興人道支援活動に行くんです。

この質疑応答は、何の説明も要りませんよね?

この日本語は、小学生でも分かると思います。

首相は「自衛隊は武器・弾薬の輸送は行わない」と断言しました。

ところが、実際には、クウェートからイラク領内各地へ、米兵、多国籍軍の兵隊を輸送していると見られます。

少なくとも、一度は、はっきりと空自の自衛官が証言しています。

2004年4月8日、共同通信の記事です。
◆記事:武装米兵の輸送実施 C130、空幕長が認める

【クウェート8日共同】航空自衛隊トップの津曲義光航空幕僚長が空自部隊派遣先のクウェートを訪問。

8日に記者会見してC130輸送機によるクウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していたことを初めて明らかにした。

イラク復興支援特別措置法に基づく空輸が始まって約1カ月。

空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。

津曲空幕長は過去の輸送任務について「米兵や(連合軍の)軍属を運んだことはある」と答え、さらに「武器、弾薬を単独で運んだことはない」と説明。

輸送した米兵が小銃など軽火器類を携行していたことも認めた。

これまでの輸送回数や状況については「20回弱の任務を実施したが、

(地上からの)攻撃はなかった」と述べ、武装勢力によるテロはなく安全だったことを強調。

タリルやバスラの空港があるイラク南部は「比較的安全」との認識を示した。

(共同通信)[4月8日13時26分更新]

「武装した兵員」を輸送している、と行っています。首相記者会見のわずか四か月後、早くもウソがばれました。

米軍の武器・弾薬を輸送することは、戦闘状態にある同盟国の後方支援であり、

集団的自衛権(集団的自衛権の意味は私の日記の中で何十回も説明しています)の行使を禁じている日本国憲法に違反しています。

イラク復興支援特別措置法が成立したのは2003年7月26日未明でした。強行採決だったのです。


◆「戦闘地域」「非戦闘地域」

「テロ特措法」というのは、その前からありました。

911テロの後アメリカがアフガニスタンに潜むテロリスト掃討作戦を行うので、海自の艦船を派遣して、燃料や物資などを援助するためです。

このときは、戦闘が行われている地域に自衛隊が直接赴く訳ではないのに、

それでも国会では集団的自衛権の行使ではないか、と大議論となったのですが、

大騒ぎの末、やはり最後や与党による強行採決で決められてしまいました。


イラク復興支援特別措置法は、もっと深刻です。何しろ、実際に弾が飛び交っているところに日本の自衛隊が出ていったことは無かったのですから。

それを誤魔化すため、イラク復興支援特別措置法は、自衛隊が活動するのは「非戦闘地域」に限る、としています。

イラク復興支援特別措置法の非戦闘地域の定義は、読んで頂けば分かりますが、

「現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域」

だそうです。

サマワの陸自ですら、ロケット弾や迫撃砲が撃ち込まれたことがある。一回や二回ではありません。

ところが、防衛省(当時防衛庁)の説明は驚くべきものでした。その趣旨は
「戦闘行為」とは「国家間の武力の応酬」である。テロリストは国家ではない。

従って、サマワの自衛隊がテロリストに攻撃され、万が一反撃の為に自衛隊が戦後60年、初めて海外で武力を用いることになっても、それは「戦闘行為」ではない。

弾が飛び交っても、「戦闘地域」ではない。

というのです。こう言うのを「詭弁(きべん)」といいます。意味が分からない人は辞書を引いてください。

なお、国会で、民主党の岡田代表(当時)が小泉首相に対して、「イラク復興支援特別措置法で定める『非戦闘地域』の定義を言って下さい」と答弁を求めた時に、小泉元首相は、
「自衛隊が活動するところが『非戦闘地域』だ」

と答え、さすがに、皆、呆気にとられました。

私は、小泉政権支持率を新聞で見るたびに、「どうしてこういう人を支持する日本人がいるのか」、

不思議でなりませんでした。


◆宮嶋カメラマンの証言

しばしば、「週刊文春」に「不肖宮嶋」として登場するフリーカメラマン、宮嶋茂樹氏へのインタビューが、

2005年9月1日付の毎日新聞に載っています。この時点で、宮嶋氏はイラク戦争開始後、4回もイラク入りして、現地の様子を最も良く知っている日本人です。

彼は、はっきりと述べています。

Q:サマワは非戦闘地域ですか?

A:「戦闘地域ですよ。イラク全土が戦闘地域。日本の首相だけですよ、非戦闘地域だなんて言っているのは。

その状況は今も変わっていないと思われます。むしろ悪化している。


◆最近のイラク国内のテロ

空自は、クウェートからバグダッドに物資を輸送しています(バグダッドだけではありませんが)。

そのバグダッドの治安はどうなのでしょう。

最近のイラク国内情勢に関するニュース見出しを見ると、テロのあまりの多さに愕然とします。


  • 爆弾テロ88人死亡 掃討作戦の開始後最悪 バグダッド-2月13日15時27分配信 産経新聞

  • バグダッドで連続爆発、60人死亡-2月19日7時32分配信 ロイター

  • バグダッドの自爆攻撃で40人死亡-2月26日7時48分配信 ロイター

  • 爆弾テロで子供18人死亡 イラク-2月28日8時1分配信 産経新聞
  • <イラク>バグダッド中心部で自爆テロ、26人死亡-3月5日21時13分配信 毎日新聞

  • イラク 自爆テロ90人死亡 シーア派巡礼者を標的-3月7日8時0分配信 産経新聞

  • <自爆テロ>30人が死亡、25人負傷 イラク・バグダッド-3月8日10時3分配信 毎日新聞

  • <イラク>自爆テロで20人死亡48人負傷 バグダッド東部、サドルシティー-3月11日3時0分配信 毎日新聞


皆さんはこれでも、バグダッドを「非戦闘地域」だと見なしますか?


◆結論:どう考えてもイラク復興支援特別措置法を延長するべきではない。

まとめます。


  • イラク戦争は国際法(国連憲章)に照らし、違法行為である。

  • 同盟国といえども、アメリカの違法行為を日本は支持するべきではない。

  • アメリカを支援するために作られたイラク復興支援特別措置法は違憲である。

  • イラク復興支援特別措置法の「非戦闘地域」もないがしろにされている。


以上に鑑み、私は、イラク復興支援特別措置法を延長するべきではない、と思料します。



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2007.03.17

「堀江被告人に実刑」というが、検察にとって、本当はホリエモンなんか「雑魚(ザコ)」なんですね。「悪い奴ほどよく眠る。」

◆堀江君にも当然法的責任はあるのですが・・・。

ホリエモンの罪状は、法的には証取法違反、「風説の流布」「有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)」である。

証取法によれば5年以下の懲役に相当する罪なのだから、懲役2年6か月の実刑は当然だ。

前例を見ると、同じような粉飾決算、有価証券報告書虚偽表示の判決には、執行猶予がついているので、ホリエモンは当然自分も・・・と思っていたらいきなり、

「懲役2年6月」

と言われたので、ムキになって即時控訴したが、無駄ですよ。

堀江は元部下の宮内某などが、様々な違法行為を勝手に行ったと言いたいらしいが、

宮内元ライブドア取締役などの自供は固まっているから、どうしようもない。


◆判決とは関係がないが、ライブドア株の売りが殺到して東証のシステムダウンを引き起こしたのでした。

東京地検特捜部が証券取引法違反の疑いで、ライブドア本社の捜索に着手したのが昨年(2006年)1月16日である。

これを受けて、投資家のライブドア株の売りが殺到した結果、東証のシステム処理能力を超え、

18日、午後2時40分、東証は全銘柄の取引を停止し、東証は金融庁やら、政治家やら、いろんなところから叩かれた。

急遽システムの処理能力を増強したら、売買高が急減した、という皮肉な結果になったのを覚えている。

しかしこれは、付随的なエピソードに過ぎない。


◆投資事業組合に関わっていたエイチ・エス証券副社長野口氏の沖縄での怪死が問題だったのですよ。

詳しく説明するとややこしくなるので、かいつまんで書く。

堀江乃至ライブドアは怪しげな資金転がしで利益を得ていたのである。

それは、企業買収に関わることだ。他の企業を買収するときに、資金を支払うのではなくて、

「株式交換」といって、買収する会社の株と自社(LD=ライブドア、以下同)の新株を交換する方法を用いていた。

ここで、投資事業組合が入り、インチキが始まる。

本来LDが発行した新株は、当然買収する企業にわたるはずなのだが、LDは巧みに話を持ちかけ、

実際の取引を「M&Aチャレンジャー1号投資事業組合」など(こういう「投資事業組合」がいくつあったか分からないほどなのだ)という、

訳の分からない、しかし、実はLDが出資して作ったファンドに任せるというのである。

そして、LDは発行した新株を、実質子会社同然の「何とか投資事業組合」に渡すのである。

繰り返すが、「何とか投資事業組合」は実質、ホリエモンの支配下にある。

このようにして、自分で発行した新株を「なんとか投資事業組合」を通して売却する。

当然、売却代金が投資事業組合に入る。これを、こっそり、ライブドアの売り上げに計上していたのである。

ライブドアの本業はインターネット関連事業だったのに、儲からないので、こういう資金転がしを始めたのだ。

そのスキームを考えたのが野口氏だったという。

そして、その野口氏は出張先の沖縄で変死する。


◆ここから先は立花隆氏が詳しい。

立花隆氏は先日は安倍首相重病説なんて、簡単に書いて良いのか?で私が書いたように、

テーマが「理科系」になると、ちょっと首をかしげたくなることがあるが、

かつては、立花氏が「文藝春秋」に載せた一本のレポートで田中角栄首相が退陣せざるを得なくるほど取材力がある人だ。

知識もこういう事については大変豊富な人だ。

だから、私が受け売りするよりも、小泉政権揺さぶるBLT問題 防衛庁・ライブドア・天皇制の、

ライブドアの部分だけでも、お読みになることを薦めたい。

要するに、ホリエモンは闇の世界と縁があり、投資事業組合を通じた資金転がしで得た利益も相当、コワい人たちの手に渡っていたこと。

そして、最終的には(立花氏はそこまではっきりかいていないが)、政界の大物の手にわたっていたのであろう、と言外に臭わせている。

今、思い出したが、かの有名な「きっこの日記」(ブログ)も、野口氏の奥さんの訴え(自殺な筈はない、という趣旨)について、何度も書いていた。


◆検察の最終目標は「そこ」だったのだろう。

東京地検特捜部がライブドアを証取法違反の疑いで捜索したとき、いきなり100人もの検事が総動員された。

これを見て、立花氏は、ホリエモンは問題のホンの入り口、ザコに過ぎず、

検察は本気で日本の闇の世界で甘い汁を吸う巨悪を明るみに出そうとしている事を感じたらしい。


ところが、野口副社長の遺体を沖縄県警はさっさと火葬してしまったので、他殺を立証できなくなってしまった。

他にも証拠となる重要なメールを消されてしまうなど、不運なのかドジなのかわからないが、

残念なことに、闇の世界への糸口は切れてしまった。

悪い奴は、今日も良く眠っているのだろう。

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2007.03.16

「東証、不正企業に過怠金方針…上場維持と廃止の中間」・・・罰金払えば粉飾OKですか?

◆記事:東証、不正企業に過怠金方針…上場維持と廃止の中間

東京証券取引所は15日、有価証券報告書の虚偽記載など、不正が発覚した上場企業に対して、

上場廃止と上場維持の中間の処分として過怠金制度の創設を検討する方針を明らかにした。

外部の意見を聴取した上で、月内にも結論を出す。早ければ2008年中にも導入される見通しだ。


東証の西室泰三社長が同日、自民党の金融調査会などで「東証として、過怠金制度の創設を検討する」と述べた。

上場維持が決まった日興コーディアルグループは、東証から実効性のあるペナルティーを受けず、制度の不備が指摘されていた。

このため、東証は上場廃止にならないケースについても機動的に過怠金を科し、投資家保護と市場の秩序維持を図りたい考えだ。

3月16日3時6分配信 読売新聞


◆コメント:甘い。

株式市場に株式を上場している会社が、有価証券報告書に虚偽の表示をしていた。故意に、である。



例えば 、東証一部上場企業が一流会社と見なされるのは、

財務状況(ストック)、収益の推移(フロー)など、厳しい上場基準を満たし、

まず、絶対に潰れない。すくなくともインチキをして赤字決算を黒字だと報告

(内閣総理大臣に対して報告するのである)するなどということは、気でも狂わない限りやらない、

と考えられていたからである。



今回は、粉飾決算をしていた日興コーディアルを上場廃止にしなかっただけでも問題なのに、

新しく「罰金制度」を儲けるという。

そんなものは、要らない。駐車違反ではないのだ。

これでは、まるで「『過怠金』という罰金を払えば、粉飾・虚偽表示も可」と国家が不正を認めているようだ。



マーケットというのは、ルールを守らないとダメなのだ。

経営者だけじゃなくて、従業員や投資家までひどい目に遭う。



アメリカで、ワールドコムという通信会社があった。

株価がどんどんあがり、最高経営責任者(CEO=Chief Executive Officer)のエバーズというオッサンは自社株を保有して巨万の富を得た。

しかし、2000年前後から、通信産業にかげりが見え始め、ワールドコムの収益は悪化した。

決算が悪いと株は売られる。エバーズのオッサンはあせった。

そして、最悪の手段、つまり粉飾決算により、ワールドコムの儲けを実際より多く公表した。




時間の問題で全てがバレた。ワールドコムは破綻した。

米国の司法当局は63歳のエバーズに「禁錮25年」の実刑を言い渡した(日本の証取法の最高刑は5年)。

ウソの帳簿を付けたがために、エバーズのオッサンは、余生を惨めにも刑務所で過ごすことになったのである。



日本では、罰金で済むそうだ。

罰金で不正を抑止しようとするなら、金額を莫大なものにしないと意味がない。

たとえば、前会計年度の経常利益100%とか。ヘタしたら、潰れるというぐらいの額でなければ、効果がない。



15日、参議院に参考人招致された東証の西室社長は、

「(日興の上場維持を決めたのは)厳しい判断だった」といいながら、

弁護士など法律の専門家の意見は全く聞かず、自分で決めたことを強調していた。

何の自慢にもならない。だからああいうアホな結論になる。



安倍首相は日興は既に終わった話と見なしている様子で、ニコニコしたという。こいつもバカに相違ない。

16日には、同じく粉飾決算のホリエモンに判決が下る。期待しないで見ていよう。

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2007.03.15

3月13日はメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」が初演された日。第一楽章全部聴いて下さい。

◆3月はイベント(記念日という意味です)が多いんですよ。

これでも、ずいぶんと、切り捨てているのです(泣く泣く・・)。

誕生日だけを抽出しても、多分見落としがあるとおもいますが、私が分かるだけでもこんなにいる。

3月2日はスメタナ(作曲家)

4日はヴィヴァルディ。

7日は書きましたがラベル。

今日、14日はテレマン。

18日はリムスキー・コルサコフ。

20日はピアニスト、リヒテル。

21日はバッハ。

25日はバルトーク。

31日がハイドン

という具合です。


◆1845年3月13日はメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲が初演された日です。

メンデルスゾーンは短命でした。1809-1847だから、38歳になるかならないかで亡くなっています。天才にありがちです。

ただ、彼の家系は「突然死」が多いので、自分も早く逝くのではないか、という恐怖心がメンデルスゾーンには、有ったようです。

残念ながら当たってしまいました。



世にヴァイオリン協奏曲が一体何曲あるか分かりません。やたらと沢山あります。

バイオリン弾きが自分で書いたりするので、全然つまらない作品も多いです。



一応、ベートーベン、メンデルスゾーン、ブラームスが「三大バイオリン協奏曲」と言われていて、

メンデルスゾーンか、ブラームスを外してチャイコフスキーを入れる人もいます。

それは、まあ、別に国際会議で決めた訳じゃないからね。

確かに、初心者はブラームスより、チャイコフスキーの方が面白いでしょう。

まあ、それは、今はどうでもいいです。


◆メンデルスゾーンはこの一曲で永遠に不滅です。

そういえば、今月4日付(ココログ)でチャイコフスキーと「ドシラソファミレド」

と題する一文を載せました。

その記事の終わりの方に、3月3日はメンデルゾーンの交響曲第3番が初演された日だ、というので、第2楽章も載せました。

あれも名曲だけど、メンデルスゾーンと言ったら何と云っても、「バイオリン協奏曲」ですよ。



音楽の好みはひとそれぞれですから、別にこの曲が嫌いでも一向に構わないのですが、

私はこの音楽は人類史上、最高の芸術作品の一つではないかとおもいます。

メンデルスゾーンは他にも「結婚行進曲」で有名な、「真夏の夜の夢」の劇付随音楽とか、傑作があるのですけど、

仮にそれらが無かったとしても、このバイオリン協奏曲を作曲した、というだけで、永遠に歴史に名を残すでしょう。

◆大きなお世話なのですが、一度聴いてつまらなくても何回か聴いていただけませんか?

一番最初にこの曲を聴いたのは、いつだか分かりません。多分、かなり幼い時にレコードを親父が聴いていたのを何となく聴いたのです。

そのときは、実は、あまり何とも思わなかったのです。

もう少し経って、クラシック音楽に興味が出てきた頃に、そのレコード(バイオリン・ソロはフランチェスカッティという大名人でした)を聴いたのですね。

この曲、聴けば分かりますけど、曲が始まってすぐ、2小節目からいきなり、ソリストが弾き始めますが、

私は、そのとき、メロディーのあまりの美しさに、大げさではなくて、本当に、軽い眩暈を覚えたのを思い出します。

楽譜を読めなくても良いので、ソロ・パートの楽譜の最初の部分を見て下さい。

20070314mendelszohn


譜面づらは、別にそんなに難しくないでしょ?

事実、将来ソリストを目指すような子たちは、小学生の時に弾くだけは弾けてしまうのです。

作曲家や他の音楽の専門家が、どのようにこの曲を評価するのかしりませんが、

私は、全く文句の付けようがありません。「完璧」ということがあるのですね。

これ以上私のような全く才能のないただの凡人が言葉で説明しても無駄です。

とにかく第一楽章を全部聴いて下さい。今まで私が載せた中で最も長い演奏になりますが、途中で切ることが、どうしてもできないのです。



一体、これほど美しいものがこの世にどれほどあるでしょうか。

少なくとも「私は」、そのように感じるのです。皆さんがどう感じるかは、

いつも書いていますが、全く自由です。ただ、一つだけ。

この曲を聴いて「つまらねえや」とおもっても、何度か堪えて聴いてみて下さい。

時間をおいてからでいいですから。必ず、とは申しませんが、何度か聴くうちにあるとき

「ぐわっ」と心臓を掴まれたような、感覚を味わう方がいると思うのです。


◆お薦めCD

これは、頭が痛いです。



一般的傾向として、最近のバイオリニストは、メンデルスゾーンの冒頭をあまり情緒的に弾かないで、

サラッと弾いてしまうように思います。


あくまでも私の好みですが、それをやられると、

「何のためにメンコン(メンデルスゾーンのバイオリンコンチェルトを、「メンコン」といいます。

原則的に私はこういう言い方が嫌いなのですが、「メンコン」だけは、何となく許せます。「ベトコン」「チャイコン」は許せません)

を聴きに来たのか?」とがっかりします。

ここは、思い切り情緒過多になって良いのではないかとおもいます。



お薦めCDです。

既に故人ですが、私が初めて聴いた、フランチェスカッティという人の盤

(メンデルスゾーンの伴奏は、ジョージ・セル指揮・クリーブランド管弦楽団という、超一流の組み合わせです)。

今の人で、型破りで面白い(但し、勿論基本はおさえています)なあというのは、

ナージャ・サレルノ=ソネンバーグという、イタリア生まれなのに、ジュリアードで勉強した人です。

ジュリアードの人は、失礼ながら、上手いけれど、みんな同じような音、弾き方になってしまいます。

この人は良い方向に変わり者です。

ちなみに、私が今まで聴いた「メンコン」で最高の演奏は、

ベルリン・フィルのコンサートマスター、安永徹さんが、日本に一時帰国して弾いたときです。

通常よりも、テンポをぐっと遅めに設定していました。

するとあの美しいメロディーがジーンとこちらの身体に染みこんでくるのです。

それでいて、勿論理性はきちんと保持していますから、浪花節になることはなくて、

何というか、弾き手の音楽的素養・教養がにじみ出ていました。あんな演奏は後にも先にも聴いたことがありません。

そこらのソリストより、余程すごいと思いました。

流石は、世界一のオーケストラで20数年もコンサートマスターを務めておられる方だけのことはある、と思います。

それでは。

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2007.03.13

「東証、日興コーデの上場を維持」←有価証券報告書虚偽記載企業を上場廃止にしない株式市場の「信頼性」

◆記事:東証・大証・名証、日興コーデの上場を維持

東京証券取引所は12日、不正会計問題に関して監理ポストに割り当てられていた日興コーディアルグループの株式について、

上場維持を決め、13日に監理ポストの割り当てを解除すると発表した。

上場廃止基準のひとつである「有価証券報告書などに虚偽記載を行い、

かつ影響が重大だと取引所が認めるケース」に該当しないと確認したため。

大阪証券取引所と名古屋証券取引所も同日、日興コーデ株の上場維持を発表した。

3取引所は併せて、12日付で日興コーデに対して注意勧告を実施。過年度の決算短信を訂正した件については、

適時開示の体制で改善の必要性が高いと認められるとして、26日までに改善報告書の提出を求めている。



日興コーデは、2006年12月18日に過去の決算で利益を水増しする不正会計があったと発表。

東証などは同日、日興コーデ株を上場廃止の可能性を投資家に周知する監理ポストへ割り当てた。〔日経〕(18:17)


◆資料:2005年2月7日衆議院予算委員会会議録より抜粋

 以下、昨年2月7日衆議院予算委員会会議録の抜粋。(岩國哲人議員と伊藤金融相(当時)との質疑応答

【引用開始】

○岩國委員 総務大臣、厚生大臣、お忙しいでしょうから、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。

 次に、西武鉄道の株式の問題について質問させていただきます。

 西武鉄道の株式取引について、違反状態で長年取引が継続されておったということは大変残念なことであります。

 こうした点について、金融庁としては、いつから違反状態が発生し、

 その結果として不測な損害をこうむった投資家は、投資金額はどれぐらいなのか、

 徹底的にこれは調査すべきじゃありませんか。

 きょうも、この瞬間も、違反状態にある株式が東京証券取引所で取引されているんじゃありませんか。

 そういう疑惑の中で、取引所の中で取引されているものには違反状態にあるものはないんだという潔白宣言がいつできるのか。

 どうぞお答えください。



○伊藤国務大臣 委員が御指摘をされた事例も含めまして、昨年の秋以来、不適切な事例が続いております。

 私どもといたしましては、証券市場の信頼性を確保するためには、

 適切なディスクロージャーが極めて重要であると考えておりまして、こうした観点から、

 国民のディスクロージャー制度に対する信頼を確保していくために、その対応策を昨年の十一月、

 そして十二月に公表をさせていただいたところでございます。

 その中の対応策の一つ一つを強力に進めていくことが重要だというふうに考えておりまして、

 今、その違反状況を是正していくことが重要だというお話がございました。この対応策の中でも、

 開示企業すべてに対して、有価証券報告書の正確性、これを自主的に点検をしていただきたい

 その要請をさせていただいて、すべての開示企業から報告をいただいたところでございます。

 その報告の内容を私どもとして精査をして、

 そして適切なディスクロージャーをさらに進めていくための対応策というものを

 さらに進めていきたいと考えているところでございます。

○岩國委員 私がお伺いしているのは、潔白宣言がいつまでにできるというめどは全くないのかどうかということ

 もう一度お答えください。

○伊藤国務大臣 今、答弁をさせていただきましたように、昨年の十一月、そして十二月に公表させていただいたこの対応策、

 その一つ一つを強力に推進していくことが重要だというふうに考えております。

 先ほど来お話をさせていただいているように、まず開示企業の自主的な点検

 これを要請させていただいたところでございますし、

 また、各取引所においても、その上場のあり方について、

 これを見直していただくことを要請させていただいて、

 その要請を踏まえて見直しについて実施をされているところでございます。

 そうしたさまざまな施策というものを展開しながら、委員から見ても、そして投資家から見ても、

 日本の証券市場の信頼性というものは間違いないものである、

 そういうふうに信頼性というものを確保できるために、

 私どもとしても一生懸命努力を続けてまいりたいと考えております。

○岩國委員 私の質問に二度も答えていただけなかったということは、

 要するに、潔白宣言はきょう現在も出せないし、

 しばらくの間、疑惑の、違反株式の取引はきょうもあしたも続けられるということですね。


【引用終わり】


◆コメント:有価証券報告書の虚偽記載は、犯罪である。

株式市場などのルールを定めている中心となる法律は証券取引法(証取法)です。

証取法によれば、証券取引所に株式を上場している会社は、

毎事業年度、内閣総理大臣宛に、財務状況などを詳しく説明した書類を提出しなければなりません。

商法や会計学ではこれを決算書といいます。

証券取引法では、これを「有価証券報告書」というわけです(細かく言うと、若干違うけれど、本質ではないので説明を省きます)。



証券取引法は、証券会社は、一般の人々(投資家)と証券市場の取り次ぎを行う会社なので、

潰れては大変なので、特に財務の健全性を求めています。



一般の会社であれ、証券会社であれ、有価証券報告書の「虚偽表示」は、犯罪です。

証券取引法第百九十七条には、

十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

と定められています。

「有価証券報告書に虚偽表示をしていた証券会社、日興コーディアルが上場廃止にならない」

との結論を出した東京証券取引所、それに異を唱えない金融担当相は気は確かなのでしょうか?


◆岩國議員は2年前から警鐘を鳴らしていた。

ここ数年、東証一部という、本来日本で最も信頼性が高い筈の株式市場で、西武鉄道、カネボウの粉飾決算が問題になりました。

西武鉄道はなんと、何十年にもわたって、本当ならば上場できない株式を東証に流通させていました。

上に引用した国会議事録は、その後、まだ西武の上場廃止が決まる前ですが、民主党の岩國哲人議員と、当時の伊藤金融担当相との質疑応答です。

過去に何度も書きましたが、岩國議員は世界最大の証券会社、メリルリンチ米国本社の上級副社長をしていたひとです。マーケットに関してはプロ中のプロです。

衆参全ての国会議員の中で最も金融・証券に精通した人であることは間違いない。

そのプロ中のプロが、「東京マーケットの株がこのようなずさんな管理でいいのか?」と、問い質していたのです。2年前から。
質疑応答を読んで下さい。

「他に、本来、上場すべきではない(基準を満たしていない)株が違法に流通(売買)されていないか」

と質問したのに対して、金融相は、

「全ての上場企業に有価証券報告書の点検を依頼している」

と答えたのです。西武やこの質疑応答の2か月後に粉飾が発覚したカネボウは、「故意に」粉飾決算を行っていたのです。

「実は、嘘の報告書を提出していました」

と馬鹿正直に答えるわけがない。それでも金融庁は「点検しました」と答えた訳です。

こういうのを官僚的形式主義といいます。


◆西武鉄道、カネボウ、ライブドアは上場廃止になり、日興コーディアルの上場を維持するのは、正しくない。

西武鉄道の粉飾が発覚したのが、2004年秋、カネボウの粉飾が発覚したのが、2005年3月。

そして、昨年はこれは東証一部ではなくて、東証マザーズというベンチャー企業の株を扱う市場ですが、

ここに上場していたライブドアが、やはり粉飾決算がバレて、上場廃止になりました。

或る株式が上場廃止になるということは、証券取引所で売買出来なくなることを意味します。

しばしば「紙屑同然になる」という表現が使われますが、まさにそのとおり。

その会社の株を買っていた人は大損します。

だから、日興コーディアルの場合「だけ」をみると、紙屑にならずに済んだわけです。

しかし、証券会社は客に「この株は買い時ですよ」とかなんとかいって、

客に株を買ったり売ったりさせて、手数料収入で食っている会社です。

自分の決算書を偽っていた会社から、他の会社の株を薦められて、買う気になりますか?

こういういい加減なことをしていると、

いつか、世界の投資家から、

「日本企業は粉飾ばかりで、株がいつ紙屑になるか分かったものではない」

と見なされてしまいます。海外の投資家やヘッジファンドが大量に日本株を売ったら、すごいことになりますね。

東証が大暴落したら、間違いなく、ロンドン、ニューヨークも連れ安となり、世界同時株安。

世界中の投資家から恨まれますよ。

先週まで、マーケットは、日興コーディアルは当然上場廃止だろうと考えていました。

金融大臣も特に異を唱えていなかったのです。

今日の決定は、どこからか、圧力がかかったのは、間違いない。と思います。

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2007.03.12

「米国産牛肉『月齢不問』 国際獣疫事務局、自由に貿易可能と認定」←米国が「OIEが内定した」と勝手に発表しているのだ。

「米国産牛肉『月齢不問』 国際獣疫事務局、自由に貿易可能と認定」←米国が「OIEが内定した」と勝手に発表しているのだ。





◆記事:米国産牛肉:「月齢不問」 国際獣疫事務局、自由に貿易可能と認定

【ワシントン木村旬】米農務省は9日、国際獣疫事務局(OIE)が定める「牛海綿状脳症(BSE)のリスクが管理され、

月齢を問わずに自由に貿易できる牛肉」の区分に、米国産牛肉が認められることが内定したと発表した。

日本は米国産牛肉の輸入条件を生後20カ月以下に限っているが、米政府は月齢制限の撤廃を求めている。

動植物の検疫ルールを定める国際機関のOIEが認定を内定したことを根拠に、日本への月齢制限撤廃圧力を一段と強めそうだ。



OIEの科学委員会が承認した。5月のOIE総会で正式に決定する見通し。

米農務省は「米国のBSE対策の有効性を強く裏付けるもので、牛肉の貿易促進に向けた重要なステップだ」と歓迎する声明を発表した。

OIEは世界共通の基準として「生後30カ月未満の骨なし牛肉は自由に貿易できる」と定めているが、

米国が今回内定した区分は、認定を申請した国が対象となる。米国は昨年10月に申請していた。(毎日新聞 2007年3月10日 東京夕刊)


◆コメント1:OIE(国際獣疫事務局)の名称などについて。

最初に少し細かい話を。OIEについて。OIEってのはフランス語です(本部がパリにあるからでしょう)。

Office International des EpizootiesをAlta Vistaで英語に翻訳させたら、

“International office of Epizooties”

となる。

“epizooty”とは獣医学用語で「動物間流行病」だそうだ。

OIEの英語の正式名称は

“World Organization for Animal Health”である(英辞郎)。

英語版ホームページのURLは、

http://www.oie.int/eng/en_index.htm

である。


◆コメント2:こういう記事は、「誰が言っているのか」を強調しないと、ミス・リーディングだ。

たまたま、毎日新聞の記事を転載したが、他の新聞社・通信社の記事も大同小異。

結論を始めに書くが、

「OIE(国際獣疫事務局)が月齢を不問にすることを内定した」とのべているのは、OIE自体ではない。アメリカである。

日本のマスコミは、それを強調して記事を書かなければダメだ。

月齢を不問にするとOIEが決めるかどうかはOIEが発表するべき事であり、

仮に本当だとしても、アメリカが発表するべき事ではない。

アメリカはこの問題に直接的な利害を有する「当事者」だからである。



アメリカ農務省が言ったのか、毎日が取材したのか知らないが、

「5月のOIE総会で正式に決定する見通し」

って、これは、単なる「観測記事」じゃないか。

どうしてアメリカが発表する情報を、検証もせずに右から左へそのまま流すのだ?

「アメリカはこう発表したが、OIEからは現時点では何もステートメントは出ていない」

と、書くべきなのだ。


◆コメント3:OIEのプレスリリース(記者発表)を直接読みました。BSEに関するリリースは出ていません。

OIEが月齢基準を撤廃したと言っているのが嘘つきアメリカなので、

OIEは現状何か、発表したかどうか確かめるために、今年1月からのプレスリリースのページを点検した。



見ての通り、今年になってから、特にBSEに関する発表はない。

最新の発表は3月9日で、中南米の口蹄疫(foot and mouth disease)をOIEの支援の下で管理するという決定が為された、という話であり、

その前はOIEのアフリカ地区委員会が2月26日から3月1日まで、エリトリア(という国)の首都、アスマラで開催された、という、事務的な発表である。


◆結論:OIEは正式にはBSEに関して何も発表していない。OIEの基準が変わっても日本に米国産牛肉を買う義務は無い。

今一度繰り返すならば、OIEが月齢規制を撤廃することを内定した、と発表したのは、

そうなると都合が良い米国自身であって、肝心要のOIEは何ら、そのような発表をしていない。



また、一般論として、国際機関がある基準を厳しくしたときはともかく、緩和したとき(ゆるめたとき)に、

加盟国が国内法をそれに合わせる義務は無い。

特に食品の安全性に関する基準など、簡単に緩和するべきものではない。

そもそも、国際法を持ち出すまでもない。


◆日本はアメリカにとって「顧客」である。顧客が欲しがるものを売れ。

仮にOIEが月齢基準を撤廃することを決めたとしても、以前から述べているように、

日本はアメリカにとって、牛肉を買って下さる「お客さま」である。

「お客さま」が欲しがらない商品を無理に押しつけるべきではない。

そういうのを日本語では「押し売り」という。



また、日本は「押しつけられる」いわれはない。

「病気の怖れがある牛の肉など食いたくない」、と突っぱねればよろしい。

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2007.03.11

同じ曲を異なる楽器・演奏形態で」シリーズ。パガニーニ「無窮動」

◆弦楽器の神秘

昨日、私は、人間の能力は捨てたものではない、と書いたけれども、

オーケストラで用いられる弦楽器の演奏を考えただけでも、それは明らかである。

楽器の製作の面からも論ずることはできるが、それはややこしいので、置いておく。

演奏するときに、弦楽器奏者は、右手に弓を持ち、左手の指で弦を押さえる位置を変えて、音程を変化させる。



その、左手の位置は、ただひたすら練習によって身体に覚え込ませるのである。

今となっては当たり前だが、最初にバイオリンなどの弦楽器を作った人は、一体どうしてそんなことが可能だと思えたのだろうか?

普通、絶対に無理だ、と考えるのではないかと思うが、「出来るはずだ」と見抜いた天才がいたのだろう。

事実可能だった。

但し、これを習得するためには、気の遠くなるほど、辛抱強く、繰り返し練習しなければならない。

オーケストラの弦楽器奏者は全員、その試練に耐えた人々なのだ(勿論、ソリストも、だが)。


◆パガニーニという天才がいた。

イタリアにパガニーニ(1782~1840)というバイオリン演奏の天才がいた。

あまりにも上手いので、悪魔に魂を売り渡した代償としてあの技術を手に入れたのだ、と言われた。

自ら作曲もした。自分が上手いから、これでもか、というほど難しい技術をてんこ盛りにした曲集を書いた。

「24のカプリース」という。

バイオリン協奏曲は2曲かいた。第2番の第三楽章の主題を使って、

のちに、リストがピアノ曲「ラ・カンパネラ」を書いた。

リストはパガニーニの演奏を聴いて、音楽家になる決心をしたのである。


◆約四分間、ずーっと16分音符を弾き続ける「無窮動」

パガニーニの作品の中でもユニークな「無窮動」という曲がある。「常動曲」と訳すこともあるが、

文字通り、弾き始めたら最後、細かい16分音符を約4分間弾き続ける。一カ所つまずいたら、終わりだ。

まあ、聴いて下さい。まずは、バイオリン独奏。古い録音だ。昔の名人である。音質が良くないがご容赦のほど。





一人で弾いても充分難しいが、なんとこれをオーケストラのバイオリンセクション全員で弾いた録音がある。

昔、トスカニーニという世界的指揮者がいた。彼の手兵、NBC交響楽団の為に、自分でアレンジした。

バイオリン10数名(又は20数名)が、恐るべきテンポで、ピタリと合わせている。

この場合、曲自体の難しさに「合わせる」難しさがあるが、NBCってのは、トスカニーニにしごかれて、

すごい実力を持っていたことが分かる(もともと上手い人しか入れないのだが)

これも、音質は悪いが、70年前の録音なので、悪しからず。





次は、このバイオリンの何曲を、チェロで弾いている録音。楽器が大きいから、当然、左手の運動量、移動距離は大きくなるが、

この人は、上手い。完璧。







最後はなんと、リコーダーである。ソプラノリコーダー。







リコーダーは、日本では不幸にも、子供のオモチャと思われているが、極めればこういう演奏ができるのです。

それでは、また。

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2007.03.09

いやー、昨日は困りました。液晶ディスプレイが壊れちゃったのです。

◆昨日更新できなかったのは、テクニカル・プロブレム(技術的要因)によるものです。悪しからず。

昨夜は更新出来ず、失礼いたしました。

実は、大した話ではありません。体調を崩したわけでは有りません。


パソコンの液晶ディスプレイ(画面、モニターです)が変調を来し、全然映らなくなってしまったのです。

液晶画面にも、色々な方式があるようですが、一般的なのは、液晶それ自体は発光しないので、「バックライトといって」液晶の向こう側から、

蛍光灯の光を当てる、構造らしいですが、そのバックライトがヘタったのだと思います。

パソコン本体は正常に稼働するのです。

ディスプレイを修理に出したら、恐らく新しいのが買えるほどの修理代を請求され、なによりも、

多分、一週間ぐらいは、パソコンを使えなくなってしまいます。

私は携帯をもっておりませんから、携帯からブログやエンピツを更新することは出来ません。

以前、ドコモが「シグマリオン」という、評判が良く、バージョン3まで出しておきながら、

今は製造していないハンドヘルドPCを、私も持っていたのですが、今は使えない。

そこで、今日は帰宅途中、ディスプレイを買ってきました。


◆ツイていないときにも、ツイていることがあるものです。

実は私の自宅の直ぐ近くに、パソコンショップがあります。

それも、本来、PCを自作する人が行くような店なので、パーツ別の在庫が豊富なのです。

私は自作するほど、PCそのものに凝っている人間ではありませんが、今回のような場合には便利です。

普通のパソコン量販店に行っても、勿論ディスプレイだけを買うことは出来るでしょうが、

店員としては、一応「この際、全部買い換えましょう」てなことを言うわけで(それが仕事ですから。)、

少々面倒臭い。自作の店は、そもそも、パーツだけ買う人の方が多いのですから、そういうことがありません。

とにかく、自宅から徒歩2分ぐらいの距離なので、19型のでっかいディスプレイでも、自分で持って帰宅し、

直ちに、セットし、無事にまたパソコン画面が見られるようになったと言う次第です。

人間、ツイていないときにも、何か、ツイていることがある、といいますが、今日の私はそれでした。


◆というわけで、今夜か明日、また更新します。

どたばたしていたので、直ぐにはニュースをまとめられません。

スマトラ島で地震が起きましたが、満月の翌日でした。

満月や新月の前後数日は災害・事件・事故が起こりやすいといわれています。

そのことに関して、私は何度か書いていますが、

「月と人体」 満月の日には事故・事件が多いか。「バイオ・タイド理論」が比較的マシな方です。

その中で月の魔力というアメリカの精神科医が書いた本を紹介していますが、

翻訳者をよく見て下さい。

「国家の品格」で一躍有名になった数学者、藤原正彦さんです。

きっと、好奇心旺盛で、色々なことに興味をお持ちなのでしょう。
月に関するありとあらゆる情報が載っている天文サイト、The Moon Age Calendar (日本語です)にも、

月齢と交通事故との関係について、調べた結果を詳しく説明しています。


◆音楽:唐突ですが、チャイコフスキー「白鳥の湖」からナポリの踊り

これはですね。

先日、チャイコフスキーと「ドシラソファミレド」を書いたときに用意したのですが、

「ドシラソファミレド」とは関係ないので、どうにもこうにも、載せられなかったので、今日、全然唐突ですが、載せます。

いつもラッパが多くて恐縮ですが、これは、ラッパ吹きの間では有名ですが、世間の方々は「白鳥の湖」というと、「情景」「花のワルツ」ばかりで、

この「ナポリの踊り」をお聴きになったことがないのではないか、と想像したからです。

トランペットに似ているけれども、厳密にはトランペットとは別の「コルネット」という楽器で演奏するように指定されています。

私が気が付いたところでは、チャイコフスキーとベルリオーズが、特に、トランペットとコルネットの厳密な使い分けを要求しております。

この録音はコルネットです。


「ナポリの踊り」(最初、フォルテで、ジャーン、と来ますから、あまりボリュームを上げない方がいいです。)




この演奏は、大変見事です。もう少し前半からテンポが速くても良いような気がしますが、これは私の好みです。

前半はゆったりとしたメロディーですね。見事なのは高い音域に移行しても、音に緊張を感じないこと。

これは、如何に無駄な力が脱けているかという証しです(本当はそんなことを書くのが失礼なぐらいの有名な名人なのです)。

音を聴いているだけで、イタリア(と言っても広いですが)の、

碧い空、燦々と降りそそぐ陽光、明るい人々の様子、が目に浮かぶようです。

なかなか、こういう風には演奏できません。名人ですね。

後半は、段々テンポが速くなってゆきます。このとき、ピッコロと合わせなければいけないですね。

トランペット奏者とピッコロ奏者の「テンポの上げ方」の割合が一致し、さらに伴奏の弦楽器の後打ちもそれに合わせて段々速くなる。

理屈で考えると、何故、こういう事が可能なのか、それは、指揮者はいますが、それだけでは合いません。

人間の能力というのも、決して捨てたものではないのです。

それでは。

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2007.03.08

3月7日はモーリス・ラベルの誕生日です。「亡き王女のためのパヴァーヌ」/【追加】ダフニスとクロエ

◆ラベル(1875-1937)は夏目漱石よりも年下です。

だから、どうした?と訊かれると困ります。

因みに、夏目漱石は1867年生まれ。慶応3年です。翌年が明治元年です。

ラベルはもっと古い人のような気がしていたのですが、生まれたのは1875年、明治8年ですから、

漱石よりも8歳も年下なのですね。そしてラベルが亡くなったのは、1937年なんと、昭和12年です。

長い西洋音楽の歴史から見ると「最近の人」です。


◆ラベルはフランス人ではないのです。

ラベルを説明するときに、「フランスを代表する大作曲家」というのが通り相場で、

それは、確かにそうなのですが、ラベルにフランス人の血は流れておりません。

お父さんがスイス人、お母さんはスペイン人です。スイスで生まれたのです。

但し、まもなくパリに移住して、ラベルは終生パリに住んでいました。

これも、「だからどうした?」と訊かれると困ります。

今まで、迂闊にも知らなかったことを今日、発見したので書いているだけです。


◆ボレロ以外にも名曲は沢山あるのです。

ラベルはとにかく発想がユニークで、初めて聴くと、「え?」というような音楽が沢山あります。

ピアノ協奏曲を一曲(「左手の為の」は別として)書いていますが、曲の冒頭に「鞭(むち)」という打楽器の一撃が入ります。

「ムチ」とは、2枚の木の板の片端が蝶つがいでとめてあり、開くとV字型になり、それを勢いよく閉じると、「パチン!」

という音が出るわけです。これで曲が始まる(他の楽器も音を出していますが)のがまず、強烈な印象を与えます。

それから、ピアノ協奏曲だから、当然ピアノソロが出てくるのですが、他の楽器もやたらと難しいソロがありまして、

一体、何の協奏曲なんだ?と言いたくなります。第一楽章の冒頭です






トランペットが細かい動きをするでしょ?

ここだけじゃないのです。ラベルの「ピアノ協奏曲」における「トランペットの難所」をまとめました。







冗談じゃないよ、と言いたくなる難しさです。

トランペットだけじゃないのです。


◆これは、お好きな方多いでしょう「亡き王女のためのパヴァーヌ」

曲名だけじゃピンと来ない方も、聴けば、何となく聴いたことがあるような、と思われる事でしょう。







大変美しい。美しいけれど、冒頭の長いホルン・ソロがありますね。

これ、怖いです。スリリング。一番高い音を失敗することがあります。

なお、この曲はピアノ版もあります。今は見つからないけど、ラベルの自作自演盤があるそうです。

岩城宏之さんが書いていました。「感動的に下手くそだけど、作曲者ならではの味がある」とのこと。

聴いてみたいですね。



◆【追加】ダフニスとクロエ第2組曲終曲「全員の踊り」

昨夜、ファイルをアップしていたのですが、眠気でぼんやりして、ここに載せるのを忘れてしまいました。

これもまた、ラベルの代表作の一つです。

「ダフニスとクロエ」は、大元は、古代ギリシャの作者不詳の恋愛物語だそうです。

これを元に、ラベルがバレエ音楽「ダフニスとクロエ」を書きました。

第一組曲、第二組曲があります。

これからお聴きいただくのは、その一番最後、興奮が最高潮に達するところ。

コーラスが入っている版です(オーケストラだけで演奏されることの方が多いです。

生で聴くとすごい迫力ですが、録音でも充分、熱狂が伝わると思います。




最後のフォルティッシモ、すごいでしょ?


◆お薦めCD

カラヤン、アバド、小沢のオムニバスですが、ピアノ協奏曲が天才アルゲリッチですし、

他にもラベルの代表作が収まっているので、このCDが良いかと。

ボレロだけなら、以前からお薦めしている、アバド・ロンドン交響楽団です。

クライマックスに、オケの誰かが興奮を抑えきれなくなり、絶叫してます。非常に珍しい。

おしまいに、このCDではありませんが、ボレロの終わり、一番盛り上がるところを、お聴き下さい。





それでは。また。

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2007.03.07

「世界へ好影響、日本がトップ=中韓では「否定的」-BBC国際世論調査

◆記事1:世界へ好影響、日本がトップ=中韓では「否定的」-国際世論調査 (3月6日10時0分配信 時事通信)

【ロンドン6日時事】国際情勢に最も肯定的な影響を与えている国の1つは日本-。

世界の多くの人々がこのような考えを持っていることが、英BBC放送が6日公表した国際世論調査の結果で明らかになった。



調査は27カ国の2万8000人が対象。

列挙された12カ国について「世界に与える影響が肯定的か否定的か」を問うたところ、

肯定的という回答の割合が最も高かったのが日本とカナダで、それぞれ54%。

これに欧州連合(EU)53%、フランス50%、英国45%などが続いた。

日本については、25カ国で「肯定的影響」との意見が「否定的」を上回り、

中でもインドネシアでは8割以上が日本を評価。

ただ、中国と韓国では「否定的」とした人がいずれも約6割を占めた。


◆記事2:BBC原文翻訳:「イスラエルとイラン、『ネガティブ・リスト』のトップ」

(URL:http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6421597.stm)

(世界の主だった国の)大多数の人々はイスラエルとイランが、

最も世界に悪影響を及ぼしている、と考えていることが、明らかになった。

20070307bbc

イスラエル、イランに続いて評判が悪いのが、アメリカと北朝鮮である。


この国際世論調査は、世界27カ国、28,000人に対して、世界の主要12カ国とEUを示し、

世界に肯定的な影響を与えていると思うか、又は否定的な影響を与えていると思うか、を質問したものである。


その結果、カナダと日本がいずれも「肯定的影響を与えている」が54%でトップ。

僅差でEUが53%で第3位となった。



今年の1月、BBCは世論調査の結果、大多数の人が米国は世界に悪影響を及ぼしている、と答え、

その数は、過去2年で著しく増加したことをレポートした。

今回の世論調査は、調査会社GlobeScan社に委託したものだが、結果はBBCとほぼ同じだ。

ただ、イラクとイランが世界に悪影響を及ぼしていると答えた人の割合は、目に見えて増加していることもまた、事実である。

北朝鮮の「悪影響度」は米国に次ぐ。


イスラエルに関しては言うまでも無く、長年にわたり、世界に緊張をもたらしているが、

特に昨年は、レバノンに対して激しい武力攻撃を行ったため、一層評判を落としている。

イランと北朝鮮もまた、多くを語る必要はあるまい。核開発をめぐって、世界に否定的影響を与えている。



カナダ、日本、そしてEUは最も肯定的に評価されている。一つにはこれらの国々は世界の主だった紛争に

目立った関与をしなかったことが、大きな理由であろう。

インドは評価の対象となった12カ国の中で、唯一、株を上げた国である。(翻訳者注:理由は書かれていない)

総じて言うと、世論調査の結果は、それぞれの地域・国の伝統的な政治体制の違いによって、変化する。

イスラエルは中東のイスラム諸国及びヨーロッパ諸国からは、最も否定的に評価されている。

しかし、イランはイスラム諸国からは最も肯定的な評価を得ているのだ。



また、日本は世界全体からは高い肯定的評価を付されているが、韓国と中国による日本の評価はその限りではない。

EUも同様だ。全体としてみれば、高く評価されているものの、トルコや、中東の一部からはひどく嫌われている。


◆コメント:日本はせっかく高い評価を得ているのに、ワースト3位の米国に合わせなくてもいいのではないでしょうか

最近、安倍首相の影が薄い。

この様子では、憲法改正など、とても出来そうにないから、私はその件に関してはあまり心配していない。

だが、安倍晋三内閣総理大臣の思想はあくまでも

憲法を改正→集団的自衛権行使を可能にする→日本を「戦争が出来る国にする」→「自衛隊をどんどん海外派遣

ということである。

そして、それが「国際貢献だ」と、本気で思っているのかいないのか定かではないが、表向きはそうなっている。

しかしながら、この国際世論調査の結果を見よ。

年中、パレスチナ人(昨年はレバノン人)を殺している、イスラエル、核兵器を作ろうとしているイラン、

そして、世界の何処にでも行って武力を用いるアメリカはなんと北朝鮮よりも評価が低い。


安倍晋三内閣総理大臣。まだわかりませんか。海外に兵隊を派遣して、

よその国の人々を殺して、良い評価を得られることなどあり得ないのですよ。

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2007.03.06

「『株安、日銀利上げが原因』 中国紙から批判火の手」←お前ら(中国)がきっかけじゃないか!

◆記事1:「株安、日銀利上げが原因」 中国紙から批判火の手

中国株急落をキッカケに世界で株価が急落したことに、市場の一部では追加利上げに踏み切った日銀の判断に批判が出始めている。

中国の一部報道で、株安の原因として日銀の追加利上げを指摘。

福井俊彦総裁が「世界経済に対する不安は和らいでいる」ことを利上げの理由の1つにあげたことも批判の原因になっているようだ。

ただ、欧米に比べ日本の金利は依然として低水準のため、利上げを決めた日銀だけに株安の原因を押し付けることに同情する声もある。

中国の経済紙が1日、28日の世界同時株安に関して「日銀の追加利上げによって投資家が低金利で資金を調達できなくなった」などとし、

投資家が市場から資金を引き揚げたことが株安の原因と報道した。

一方、米国株も急落したが、利上げを決めた2月の会見で福井総裁が「米国でソフトランディング(軟着陸)の可能性が高まっている」

などと発言していたこともあり、市場には追加利上げの判断が甘かったとの指摘が出ている。(後略)

(3月2日8時33分配信 フジサンケイ・ビジネスアイ)


◆記事2:日経平均、一時685円の下げ=5日続落、3カ月ぶり安値-東京株式

5日の東京株式市場は、世界的な株安傾向に円高の進行も加わって全面安の展開となり、

日経平均株価は一時前週末比685円02銭安の1万6532円91銭まで急落した。

終値は575円68銭安と5日続落の1万6642円25銭と、昨年12月12日以来約3カ月ぶりの安値水準だった。

東証1部全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も同58.88ポイント低下の1662.71と5日続落。

出来高は30億2609万株、売買代金は3兆9428億円と取引は引き続き活発だった。

(3月5日17時1分配信 時事通信)


◆コメント:ったく、中国人ってのは・・。株価暴落の発端は上海だろ?

中国人もさることながら、フジサンケイ・ビジネスアイ新聞は節操がない。

中国人が日銀へ株価暴落の責任転嫁をしようとしているのに、援護するな。バカものめ。


今回の株価の下げの一番最初は、2月27日に始まる。

27日の上海市場では、中国が3月5日(今日です)からの全国人民代表大会を前に、

金融引き締めや株式投資抑制策を打ち出すのではないかとの思惑から株価が急落したのです。

それを見ていた欧米の市場でも連鎖的に株価が下がり、東京にも波及したのである。

株でも為替でも相場に「論理」は無い。

如何にマーケットが「非論理的」なものか、説明しよう。

そもそも上海市場における、「中国政府が株式投資抑制策を打ち出すのではないか」という「思惑」は「思惑」であり「想像」の域を出ない。

中国政府の株式投資抑制策により、上海市場で株価が下がったからと言って、ロンドンやニューヨークや東京の市場で、同時に株を売る必然性は全くない。

必然性はないが、兎にも角にも実際のマーケット(株・為替・債権いずれも同じ)は、直前の時間帯で、価格が急落すると、「連れ安」になるという「習性」がある。

ということである。

たかが株価、と言いたいところだが、かつて世界大恐慌の引き金になったのは、

1929年10月24日(暗黒の木曜日)と、その5日後、10月29日(暗黒の火曜日)、ウォール街で起きた株価大暴落だったのである。

その前月まで米国経済は順調に推移していたのに、たった2日の株価の暴落により、10年間も恐慌が続き、世界に波及した。

だから、株価を注視するのは必要だが、徒に騒いでは、いけない。

大体、先週からの株価の急落は、ここまで深刻な結果をもたらすとは思えない。


◆デイトレーディングをする人はあたふたするだろうが、長期的には上昇トレンドである。

株式は、本来、企業が資本(商売の元手)を広く一般から集めるために発行している。

株式「投資」という言葉が示すとおり、株は、その本質に鑑み、チョコマカ売ったり買ったりする(投機)ものではない。

ところが昨今のITの急速な発展は、個人投資家が、1日に何度も売買を繰り返す。

「デイ・トレーディング」というけれども、これを行うことが容易になった。

短期的な売買をする人にとって、日経平均600円暴落は、確かにパニック状態に陥るに足る値動きだったろう。

しかし、下のチャートをみれば分かるとおり、日経平均は小泉=竹中時代、

2003年4月、「りそな危機」の時には7000円台だったのに、1万7千円台まで回復したのである。

T_20070305tkystock

長期的には、依然として上昇トレンドにある、と考えるべきである。

勿論、途中で「調整局面」として一時的に株価が急落したときもあるが、

ほぼ一定幅の「帯」(チャネル、という)に収まっており、その「帯」は依然、右上がりである。

この「帯」から大きく下方に外れるようだとちょっとヤバいが、

折りしも、今日、アメリカのポールソン財務長官が来日しており、今夜尾身財務省と会談した。

ポールソンは市場の動揺を抑える目的もあろうが、「市場にボラティリティ(乱高下=らんこうげ)はつきものだ」といっている。その通りである。

あまりオタオタしないこと。

また、マスコミは毎日、「世界同時株安がとまらない」などの特集を組んでいるが、

そういうことを書くから、また、皆が不安になるのだ。煽るな。



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2007.03.05

「バイオリニストは肩が凝る」の鶴我さん(N響バイオリン奏者)が定年退職なさいました。

◆何だか、他のことを書けないのですよ。

自分の日記だから、何を書こうが自由なのだが、JIROの独断的日記は、ブログなどが無かった頃、

Web日記「エンピツ」で、書き始めたのである。

そして、エンピツでは、アカウントを開くときに、「ジャンル」を決めねばならず、私は、

ここ、「時事・社会」に登録して、ずっと変えていない。

他のことを書いても、誰からも文句は言われないのだが、私の中の仕切りとしては、

天下国家を論ずるのが中心で、その間に、好きな音楽のことを書こう、と決めている。



音楽がすきなら、そればかり書けば良いじゃないか、という考え方もあるが、

そうすると、あまりにも、没頭しすぎて政治・経済・社会のことなど、全く知らずに一生を終えてしまいそうなのだ。


今は、ここで天下国家を論じてはいるが、元来、私はその手の話は大の苦手で、学生の頃など、新聞は一切読まなかった。

つまらないからである。

しかし、これではいかん、これでは、アラブ・イスラエル紛争の何たるかも、憲法9条の意味も、靖国神社の何が問題なのかも

死ぬまで知ることが無いだろうと思った。

それで、すこしずつ、そういうことを文章に書いてみることにした。

パソコンとか、ネットが世の中に普及するよりも前の話である。


だから、今でも油断すると、世間の動きなど、全然無関心になる。

WEB日記に時事問題の文章を載せれば、いやでも世の中に目を向けるだろう。

それが、「時事・社会」に登録した理由である。


◆二日間、音楽が続いたので、今日は株の暴落の話を書き始めたのだが・・・。

どうしても、調子がでない。それは、前々からわかっていたのだが、以前紹介した、

「バイオリニストは肩が凝る」(鶴我裕子 NHK交響楽団第1バイオリン奏者 著)←面白すぎる。

の著者、NHK交響楽団第一バイオリンのバイオリン奏者、鶴我裕子さんが、今、N響は国内演奏旅行中なのだが、2月末の岡山公演で、定年退職なさったのである。

リンク先から、その本のAmazonのページに飛べるが、一番最初に書評を書いているのは、私である。

鶴我さんは30年もの長きにわたり、日本一のオーケストラ、NHK交響楽団で、オーケストラの心臓とも言うべき、第一バイオリンで弾き続けた。

この方は、本を是非読んでいただきたいのだが、山形のご出身(先週書いた「スウィングガールズ」と同じですな。無論、こちらは「虚構」の世界だが)で、

なんと、バイオリンを始めたのが、10歳なのだ。今では考えられない。

それで、芸大のバイオリンに入り、ついにはN響のオーディションに受かったのだから、その間、ものすごく努力なさった筈である。


芸大のバイオリンとか、ピアノなんてのは、普通入れないのだ。

失礼ながら、鶴我さんが受験した当時は今よりは、やや、ハードルが低かったかも知れない。それでも、すごい。

そして、N響で30年、ファーストバイオリンを勤め上げたということも、一般人には理解しにくいが、

ブルックナーだろうが、プロコフィエフだろうが、バルトークだろうが、大抵、2~3日間のリハーサルで仕上げてしまうのがプロというものである。

そのためには、リハーサルまでに、自分のパートを完全に弾けるようになっていなければならない。



重ねて失礼なことを書くが、バイオリンに限らずどの楽器でも学生の技術の進歩はめざましい。

つまり、まわりにどんどん、上手い若い人たちがN響に加わるのだ。鶴我さんは彼らと同等の技術を維持していた。

ものすごい努力の継続の賜である。全く頭が下がる。

◆音楽家しか出来ない、という思い。

鶴我さんが、想像を絶する研鑽を積まれたことは疑う余地が無い。

なにが、そこまで鶴我さんを引っ張ったのか?

バイオリニストは肩が凝る―鶴我裕子のN響日記を読むと明らかだ。

学生の頃、御父上の会社の経営が怪しくなり、一時期、レッスン代を鶴我裕子さんご自身が工面しなければならなくなった。

街の印刷工場で、小間使いのようなアルバイトをわずか10日ばかりだが、経験したそうだ。そのとき、鶴我さんは、

「働くということは、これほど大変なことなのか。自分にはこれは、務まらない。私には音楽しかできない」と思ったという。

この、

「自分は音楽しかできない」

という人。石にかじりついても音楽家になってやる。そう思える人がプロになるのだ。



私は、全然、知らない人よりは、プロの音楽家になる、ということが、どれほど大変なことか、多少は分かるつもりだ。

本当に厳しい世界だ。

だが、一方で、うらやましい。私は勤め人だが、自分の仕事にそこまでの執着を覚えたことが無い。

なんの才能もないから、食うために今の仕事をしている。だから、「自分にはこれしかない」という何かを職業にしている方がうらやましい。

まだまだ、書き足りないが、もう、3時だ。あと、数時間で会社だ。月曜日だ。嫌だなあ・・・。

ともあれ、鶴我さんの30年に心の底からの、最大の敬意と感謝の意を表して擱筆したい。

長い間、ご苦労様でした。美しい音楽の数々を聴かせていただき、ありがとうございました。

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2007.03.04

チャイコフスキーと「ドシラソファミレド」

◆我が意を得たり、というメールをプロの音楽家の方から頂いたのです。

私の拙い文章を読んで下さる方が、大勢いて下さって、誠に恐縮してしまう。

ことに、御存知の通り、私はしばしば音楽に関して、知った風な事を書くが、私自身は、専門的な訓練を受けた人間でもないし、

特別に繊細な感受性をもっているわけでもない。

音楽評論家の吉田秀和氏の文章を読むと、「音楽を聴く才能」というものが存在することが分かる。

吉田氏の文章を読んでいると、自分は「聞く才能」すらないことが良く分かる。
それにも関わらず、音楽が好きなので、つい、知ったかぶりを書いてしまう。


読者の中には、現役のプロのプレーヤーもおられるので、恥ずかしいし、緊張するが、

インターネットが存在しなかったら、絶対に伺えないようなことも教えていただけて
実に実に、有りがたく、また、面白い。


◆チャイコフスキーのオーケストレーション・・・というか・・・。

先日、現役バリバリのプロの弦楽器奏者の方からメールを頂戴して、ハタ、と膝を叩きたくなることが、書いてあった。

ラベルやチャイコフスキーは、大変なアレンジャーだと思う、とおっしゃるのである。

ラベルはボレロの特殊効果など天才的なことは、良く知られている。「オーケストラの魔術師」と呼ばれたぐらいだ。


チャイコフスキーの三大バレエ音楽のひとつ、「くるみ割り人形」は良く知られている。

バレエとしてではなく、管弦楽曲として音楽だけがコンサートプログラムに組み込まれることも多い。

但し、全曲ではなく、大抵は「ハイライト」である。だから知らない人も多いと思うが、

有名な、「花のワルツ」の次に演奏される、「パ・ド・ドゥ」(Pas de deux)という5分ほどの曲がある。

まず聴いて下さい。




大変美しいが、ある意味、すごい。

私にメールを下さったプロの方は、この曲を演奏するとき、

「何だ?音階じゃん?」

と思われるそうだが、まさしくそのとおり。最初から最後まで、やや極端に言えば、
「ドーシラソファーミレドー」

(「ラーソファミレードシラー」もあるが・・・)しか、無い。

これで、5分ほどの曲にしてしまって、聴き手に飽きさせないのは、アレンジ、乃至、オーケストレーションの達人だ。



私も子どもの頃から、アーサーフィードラー・ボストン・ポップスのレコードをかけながら、いつも、

「よくぞ、『ドシラソファミレド』だけを、これほど大胆に使ったものだ」と思っていた。

それが、プロからメールを頂いて「ハタと膝をたたきたくなっ」た理由である。


◆チャイコフスキーは「ドシラソファミレド」が好きだったのではないか?

と、思われるフシがいくつか、ある。

お断りしておくが、それが良いとか悪い、と書きたいのではない。

チャイコさんの特徴の一つと言ってもよいのではないか、と思いついたことを綴っているだけである。

さて、まず、有名な「悲愴」交響曲の第一楽章の終わりの部分。

金管楽器の静かなコラールの陰で、弦楽器がピチカートで、
「ド・↑(オクターブ上がる)ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ド」を繰り返している。聴いて下さい。




ね?やってますでしょ?

さらに、さすがに、「パ・ド・ドゥ」ほど何も加工しないで使っているのはすくないが、

基本的な旋律線は「ドシラソファミレド」である作品が他にもある。

「オー人事」のコマーシャルで使われた、「弦楽セレナーデ」第一楽章冒頭である。





途中戻り書けるが、結局下へ向っているのがお分かり頂けるであろう。

オクターブ下がってから、コントラバスがご丁寧にも、「ドレミファソラシ」と上まで戻して、

また、「ドーーシーーラーー」と、降りてくる。


◆極めつき(?)交響曲第四番終楽章

チャイコフスキーの交響曲は6曲あり、最後が「悲愴」である。

6曲の中では、6番に次いで、4番、5番も名曲だ。このうち、4番の終楽章を聴いていただくが、

ここにも、同じように「ドシラソファミレド」系の下降旋律が冒頭から出てくる。

テンポが速く、スリリングだ

演奏する方は大変だろうが、聴く側は「血湧き肉躍る」という感じで、名演に運良く遭遇すると、ブラボーの嵐だ。

非常に速い下降音型をコントラバスまで、懸命に弾く様は実に視覚的にもカッコいい。

フレーズの終わりでティンパニ、大太鼓、シンバルが続けざまに一発を決める。タイミングが勝負である。

終わり近くなると、シンバルの叩くタイミングが変るので、注意して聴いていると面白い。それでは、どうぞ。





なかなか、エキサイティングですね。

というわけで、チャイコフスキーさんはやはり、

「ドシラソファミレド」が好きだったのだ、私は勝手に思っている。


◆おまけ:今日(3月3日)に初演された有名曲2つ。

1842年3月3日、メンデルスゾーンの交響曲第三番「スコットランド」が初演された。

私はこの曲の第2楽章のクラリネットのソロが大変好きである。よければ、聴いて下さい。





「スコットランド」の初演から33年後、ビゼーのオペラ「カルメン」が初演された。


「カルメン前奏曲」です。これは、もう有名ですね。




全く私個人の好みであるが、最近の「カルメン前奏曲」はすこし「お上品」に過ぎる。

もっとシンバルをドッカーンと鳴らして欲しい。

それでは、今日はこの辺で。

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2007.03.03

西本智実という指揮者は、性別と無関係に、なかなか、いい。

◆TBS系列の番組に今日出ていた西本智実という女性指揮者がいる。

標題には「性別とは無関係に」と書きながら、小見出しで「女性」指揮者と書くのは、

明らかに性別を意識しており、矛盾しているようだけれども、それでも敢えて書いたのは、

本当に、世界中見回しても女の指揮者は少ない、つまり珍しい存在だからである。


音楽家、特に演奏家ほど性別が問題にされない世界も珍しい。実力があれば、女性が首席奏者になることはザラである。

協奏曲のソリストをみても、ピアノでもバイオリンでも、出来れば男を呼びたい、という意識は、オーケストラには全くない。

上手ければいいのである。


ところが、同じ音楽家でも作曲家と指揮者に女性は極端に少ない。

何故かは、全く分からない。優劣の問題ではない、と思う。「違う」、ということだろう。

以前、ベストセラーになった、「地図を読めない女、話を聞かない男」という本があるが、脳の器質的相違によるものかも知れぬ。

しかし、これも絶対ではない。女性の中にも「男脳」の持ち主がいて、地図を読める人がいる。

但し、女性全体の中でそういう人の割合は小さい。

女性指揮者も似たような存在なのだろう。


◆西本氏はごく自然である。

女性指揮者で、以前、故・岩城宏之氏がオーケストラ・アンサンブル金沢の指揮者に抜擢した天沼裕子という女性がいる。

この人が、作曲家の故・黛敏郎が何十年も続けた「題名のない音楽会」に登場したことがある。

レナード・バーンスタインの「キャンディード序曲」という、大変に高度な作曲技法を駆使した名作がある。これを振った。

素人が聴いてもこの曲の指揮は難しいと思う。

指揮自体は上手いのだが、自分が女性であることを意識しすぎて、

「オーケストラにナメられてたまるか」

という気持ちでいることが、ステージに登場した瞬間、足音から分かった。


指揮者は「指揮官」ではない。オーケストラに命令を下すのではない。「指導者」でもない。

最低限、オーケストラの邪魔をしてはならない。皆、プロである。黙っていても弾いてくれる。

だからといって、単なる「メトロノーム」(テンポを示すだけ)では、指揮者の存在意義がない。

オーケストラが自発的に、音楽的に弾きたくなる、そういう気分を引き出すこと。

さらにその上で、オーケストラが、知らない間に指揮者自身の音楽的な解釈に乗っている、というのが理想である。

言葉で書くとそんなところだろうが、私にも、その辺の本当に深いところは分からない。



天沼氏の場合、残念ながら力みすぎた。オーケストラを「ドライブ」しようとした。

オーケストラのメンバーは、皆、駆け出しの指揮者より、余程、よく曲を知っている。

駆け出しの指揮者が無闇に自分たちを「ドライブ」しようとしていることは一瞬でわかる。

その途端に白けてしまい、音楽に生気がなくなる。


西本氏のリハーサルを映していて、なんと「新世界より」が含まれていた。

こんなものは、プロのオーケストラの人々は、全員耳にタコが出来るほど弾いているのだから、

下手に注文を付けない方が良いぐらいだが、西本氏はかなり細かい注文を付けていた。

しかしながら、オーケストラの人々の表情を見て、それが、奇を衒ったものではなく、音楽的必然性のあるもの、

つまり、納得できる範囲の注文である、と認めている事が見て取れた。

これは、才能と勉強の賜だ。


◆「ボレロ」と「展覧会の絵」のDVDがお薦めである。

私は、この人を情熱大陸(TBS系列日曜夜)かなにかで見て興味を持ち、

試しにこのDVD「ボレロ 火の鳥 & 展覧会の絵」を買ったのだが、予想以上に良かった。

ボレロのように、曲の終わりにかけて最大のクライマックスが来る曲で、一番まずいのは、

指揮者が一人でエキサイトして、オケが白けてしまう、というパターンなのだが、

西本氏はなかなか見事で、曲の半ばではほんの少しテンポを上げ、

クライマックスでは、また、テンポを落とし、徒に興奮せずに、曲を盛り上げている。

オケもよく鳴っている。例の難しいトロンボーン・ソロも見事だ。


◆Gyaoでインタビューを受けているの、知らないでしょ?

Gyaoには、意外と真面目な番組があり、西本氏が、もとテレビ東京の八塩アナのインタビューを受けている。

ほどほどに真面目でありながら、西本氏は、関西の人なので、段々ギャグっぽくなるのが、面白い。

ここから見られるはず。3月7日まで。

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2007.03.01

【ワシントン・ポスト翻訳】「硫黄島の共感から得られた教訓」(政治評論家:ジョージ・ウィル)(2)(了)

◆【ワシントン・ポスト翻訳】「硫黄島の共感から得られた教訓」(政治評論家:ジョージ・ウィル)(2)

「死んでゆく、哀れな敵の兵士を見て、喜ぶものではない」

(1898米西戦争時の、アメリカ海軍、フィリップ艦長が、敵艦が沈むのを見ていた部下の将兵たちに向って、述べた言葉)
(JIRO注:ワシントンポスト原文では、記事冒頭に引用されている。)

ワシントン・ポストの映画評論担当者、ステファン・ハンターによると、1940年以降に制作された第2次世界大戦に関する英語圏の映画は約600本にも及ぶが、

それらの中で、日本兵の人間性を認識し、描写したのは、わずかに4本だという。因みにその一つは、有名な「戦場にかける橋」(1957年)である。

多分、敵国のごく普通の徴集兵への共感を感じるということは、戦勝国ならではの満足感の表出なのだろう。

そういう感情を抱くためには、教養を要する。しかも、このような倫理的な想像力を喚起するためには、芸術の助けを借りねばならない。

クリント・イーストウッド監督による「硫黄島からの手紙」がアカデミー賞にノミネートされるほど、傑出した作品として評価されたのは、

倫理観を喚起する芸術性を有するからであろう。


この映画を見るのは、辛い。この作品では、可能な限り実際の戦闘に映画を近づけようとする試みが為されている。

硫黄島の戦闘では、具体的に述べるならば、6,821人のアメリカ兵が命を落とし、戦闘に参加した22,000人の日本兵のうち、生き延びたのは1,083名だけだった。

それが、この小さな島、面積がわずか8平方マイルの溶岩で出来ている島で起きたのだ。


「プライベート・ライアン」のあの恐ろしい最初の15分を貴方は覚えているだろうか?オマハ・ビーチにおける大虐殺を描いたシーンである。

「硫黄島からの手紙」の描写は、あれを凌駕している。その悲惨さにおいて、である。


硫黄島における日本陸軍の指揮官、栗林忠通中将は、---真珠湾攻撃の指揮を執った海軍の山本五十六と同様に、----当時としては例外的なほどの国際人だった。

栗林中将は駐米経験があった。そしてずっとアメリカを讃美していた人物なのである。


2005年、日本の歴史学者のグループが硫黄島を調査し、人間が掘ったことが明らかな洞穴を見つけた。

洞窟のなかには、栗林中将や他の士官、そして兵士が書いた大量の---決して届くことがなかった---手紙を発見した。

全員が、彼らは戦力において、圧倒されていること。本土から助けが来ないことを知っていた。

彼らは、日本軍の伝統にもとづき、敵に降伏するぐらいならば自害せねばならぬという運命に直面した事を知っていた。


日本兵は第二次大戦において、ドイツの正規軍の兵士よりも残虐性を示すことがあった。

徴兵された兵士であることが、残虐な行動の有責性を軽減するかどうか、判断は難しい。

いずれにせよ、この映画は、それがどうであろうと、数々の手紙に現れた悲哀が、日本の軍人の人間性を見事に描いている。

彼らの運命主義は理不尽な現実に対する、当然の反応だろう。

この映画を見る人は、米国海兵隊の勇気に誇りと感謝の念を覚えるだろうが、戦勝に対する歓喜という感情を抱くことは無いだろう。

われわれは、冒頭に引用した、フィリップ艦長の繊細さに、近づきつつあるのかも知れない。



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【ワシントン・ポスト翻訳】「硫黄島の共感から得られた教訓」(政治評論家:ジョージ・ウィル)(1)

◆「硫黄島の共感から得られた教訓」(政治評論家:ジョージ・ウィル)

1945年3月9日、マリアナ諸島を飛び立ち、東京上空へ向った346機のB-29爆撃機は、1858トンの焼夷弾を投下した。

それは、日本の首都の六分の一を焼き尽くし、8万3千人もの人々を殺した。

当時の指揮官、カーチス・リメイ将軍は、後に、「その時に、我々は、後に広島と長崎で一瞬にして蒸発した犠牲者よりも多くの人々を東京で焼き殺したことになる」

と、書いている。が、それは、正しくない。広島の犠牲者だけでも8万人なのだ。

後年、リメイ将軍の伝記を書いたバレット・ティルマン氏によれば、

リメイ将軍は、その言葉から受ける印象以上に、東京大空襲の犠牲者に対する、同情心を抱いている、という。

「リメイ氏は、焼け落ちる家に残っている母を求めて泣き叫ぶ3歳の女の子の姿を思い出し、思い浮かべる事が出来るほどだ」

という。バレットは続けて「しかし、彼は軍人であり、国家の命令に従って、戦争に勝つために、多くの人を殺さなければならなかった」と書いている。

第2次大戦において、アジアやヨーロッパにおいて、アメリカは非戦闘員を大量殺戮する必要が、どれほどあったのか、

それは人道上許されることだったのか?という問題に関しては、激論が繰り返されている。

ヨーロッパ人に対する同情心は戦争中から既に存在していた。

しかし、日本人に対して、アメリカ人はドイツ兵に対するのと比較すれば、遙かに冷酷であった。

太平洋艦隊の司令官、ウィリアム・ハルシー提督は、「ジャップを殺せ、ジャップを殺せ、もっとジャップを殺せ」と部下を鼓舞するのが常であり、

それは、何ら問題とは見なされなかった。アメリカの敵を殺すのが彼の仕事だったとしても、その残忍さは殆ど病的であった。

ハルシーの残虐性の根底には、確信的なレイシズム(人種差別)があった。

彼は、よく、中国人が日本人をさげすむときに使う、「日本人はメスの類人猿ともっとも凶悪な男の中国人の罪人の子供だ」という表現を、好んだ。



戦時中、アメリカ西海岸のレストランには、しばしば、「当店はネズミとジャップは駆除致します」という札がかけられていた。

1943年、日本の敗戦はすでに明らかだったので、戦後、日本をどうするかという会議が米国政府が開いたときには、海軍の代表は、「日本民族を絶滅させるべきだ」

すなわち、大量虐殺を提案したのだった。(続く)

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