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2007.03.24

「<薬害肝炎訴訟>国と企業に2億6千万円賠償命令 東京地裁」←刑事責任を問わないのか。

◆記事:<薬害肝炎訴訟>国と企業に2億6千万円賠償命令 東京地裁

出産時などに止血剤として投与された2種類の血液製剤でC型肝炎に感染したとして、

患者21人(うち2人死亡)が国と製薬企業3社に約13億5000万円の賠償を求めた薬害肝炎訴訟で、

東京地裁は23日、21人中13人について約2億6000万円(1人2200万~1320万円)の支払いを命じた。

永野厚郎裁判長は、2種のうち第9因子製剤(クリスマシン、PPSB―ニチヤク)を巡り「重篤な副作用の情報を医療現場に警告する義務を怠った」

と初めて製造2社の賠償責任を認めた。

5地裁に起こされた訴訟で3件目の判決。2種のもう一つのフィブリノゲン製剤については、

大阪、福岡両地裁判決に続き国の過失も認め、企業と共に賠償を命じた。

救済範囲は異なるが、三たび違法性を指摘された国は対応を迫られる。(3月23日20時18分配信 毎日新聞)


◆コメント:たったの二億円の損害賠償だけですか?

薬害エイズも薬害肝炎も共に血液製剤(人間の血液から作った薬)がそれぞれHIVウィルス、C型肝炎ウィルスに汚染していたのに、

そのまま使ってしまったので、患者がエイズや肝炎に感染してしまった、という事件です。



血液製剤は人間の血液から作るので、献血した人が肝炎に感染していると、

その人から作った血液製剤も肝炎のウィルスで汚染されている訳です。

そして、肝炎ウィルスが混入した血液製剤、フィブリノゲンを使われた患者や妊婦が大量に肝炎に感染したのです。


◆原告は誰か。

フィブリノゲンが使用された期間は1964(昭和39)年から、1994(平成6)年の間、何と30年間にわたります。

この間に血液製剤を使用されたことを証明出来、C型肝炎に感染し、

先天性フィブリノゲン欠乏症に罹っていない人は、原告になれます。


◆被告は誰か(「被告」は民事。刑事裁判では「被告人」といいます)。

フィブリノゲンを製造・販売した、現在の三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)、

その子会社株式会社ベネシス、

日本製薬株式会社、

そして、国(日本政府)です。


国は要するに監督責任です。

アメリカでは1970年代にフィブリノゲンの止血効果に疑問があり、

また、C型肝炎に感染する危険があるので、医療機関に対して、使用を禁じていました。

日本の厚生省(当時)は、薬害エイズもそうですが、そのような動きを知りながら、

1984年まで、フィブリノゲンの使用を禁止しなかったのです。


◆製薬会社と国には傷害の未必の故意があったと考えるべきである。

C型肝炎は、インターフェロンなどを用いた治療法があるそうです。

詳しくは、厚労省のC型肝炎について(一般的なQ&A)をご参照下さい。

要するに、製薬会社は、アメリカでは1970年代に既に危険だと見なされていたフィブリノゲンを、そのまま作り売り続け、

国は国で、血液製剤が危険だとしりつつ、製薬会社にストップをかけなかった(製薬会社がこれで儲かっていたので、役人が天下り先を潰したくなかった)のです。


私は、製薬会社と国には、「国民に対する傷害の未必の故意があった」と見なすべきだと思います。

「未必の故意」とは、特定の誰かに危害を加えようという意図はないけれど、

誰かに危害が及ぶ(肝炎に感染する)結果発生の可能性を認識しつつ、かつ、そうなっても構わない、と考えることです。

単純な例でいいます。

東京・渋谷の繁華街。貴方は高いビルの屋上にいます。

下を見ると、道路が人でいっぱいです。殆ど隙間がないぐらい。

ここで、貴方が重いコンクリートブロックを、屋上から放り投げた、というようなケースです。

貴方は「特定の誰か」を殺そうとしているわけではないけれど、重い物を落下させたら、まず間違いなく誰かの頭を直撃し、

その人は脳挫傷で死ぬであろう事を知っており、かつ、そうなっても構わない、と思っているわけです。

これが「未必の故意」です。



状況は全く異なるけれど、フィブリノゲンの製造・販売を続けた製薬会社と、これを容認した国は、

C型肝炎に感染する可能性が高いと知っており、国民が肝炎になる可能性が高いけれど、そうなっても構わない、

と考えていたと思われます。まさに、傷害の「未必の故意」です。


以上が、私が、薬害肝炎について、製薬会社、国の刑事責任を追及するべきだと考える理由です。


◆補足:薬害肝炎訴訟弁護団のサイトを見ても、はっきりしないのです。

こちらに、薬害肝炎訴訟弁護団ホームページの訴訟の目的というページがあります。

ここでは、第一の目的が

「国・製薬会社の責任を明らかにし、謝罪を得ること」

となっています。

謝罪は刑罰ではないので、刑事責任を念頭に置いているとは言えない。

他の項目も、専ら民事責任の追及と行政の対応を求めている、と思われます。

私が「刑事責任も追及するべきだ」というのは、このような背景もあります。



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