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2007年4月

2007.04.29

N響アワーが「トランペット特集」です。/【追加】デューク・エリントンの誕生日です。

◆N響アワーはトランペット特集です。

NHK教育テレビ午後九時から、のN響アワーはトランペット特集です。

ゲストの津堅(つけん)直弘さんは長年、N響の首席奏者を務めておられます。

モーツァルトのポスト・ホルンセレナーデという曲がありますが、この曲では、本当にポストホルン

即ち、昔、ヨーロッパで、郵便配達が、手紙が届きましたよ、と知らせるために、吹いたラッパが用いられます

勿論、そのものでは、クラシックコンサートで使える代物ではないので、現代の楽器制作者が、演奏会用にリメイクした楽器

を使います。ただ、非常に音がひっくり返りやすい。


ある時、N響定期でこの曲を演りました。

指揮者は、ギュンター・ヴァントという怖いおじいさんです。

ヴァントさんは、津堅さんに、ポストホルンのソロを

「普通のトランペットで吹け。ヨーロッパでも皆、ポストホルンを本番で使って(ミスをして)後悔する」

と説得しましたが、津堅さんは、ご本人の弁によると、たまたま良い楽器(楽器にもクセがあったり、当たり外れがあります)

があったので、ポストホルンで本番に臨みました。


結果は大成功でした。

演奏終了後---こういうことは、極めて稀なのですが---指揮者のヴァントさんは、

何と、トランペットの席へツカツカと歩いて行き、津堅さんの手を取って立たせて、

そのまま、ステージの最前列、つまり、コンチェルトのソリストが挨拶するような位置に連れてきたのです。

お客さんに、「彼の演奏をどうぞ、讃えてあげてください」ということです。

津堅さんも本当に嬉しそうでした。

見ているこちらも、嬉しくなる風景でした。音楽は、いいですね。


そういう話の後なので、「ポストホルンセレナーデ」をお聴かせしたいのですが、

手元にいい盤がありません。

全然関係ないのですが、トランペットの超絶技巧をお楽しみ下さい。

「ベニスの謝肉祭変奏曲」というものです。





すごいでしょ?

デュークエリントンに関しては、後で書き足します。


◆【追加】200回練習法には、感動しました。

N響アワーが終わりました。偶々、上に書いた「ポストホルン」の話になりましたが、モーツァルトの「ポストホルンセレナーデ」よりも、

技術的に、遙かに難しく、しかも(吹いている時間が)長い、マーラーの交響曲第3番の「ポストホルンソロ」が話題となりました。

津堅さんが若い頃にこれを吹いて、かなり派手に失敗したそうですが、プロたるもの、「もうこれは吹きたくありません」とは言えない。

その後、ドイツ(かオーストリア)に留学している間に、嫌なマーラーの3番を吹くことになった。

で、パート譜を自分で写譜して、難しいところを抽出して、それぞれにつき200回(但し、間違えたときはカウントしない)吹き、

通し(長いソロ全体を最初から終わりまで通して吹くこと)を200回練習したとのことです。

その練習法自体は珍しくない、というか、普通なのです。

楽器の練習で、難しところを抽出して、集中的に練習する、ということは決して珍しくないけれど、

当時の津堅さんはすでに30歳を過ぎていて、普通、もう技術的な進歩は期待できないのですが、諦めずに練習した。

池辺晋一郎先生も仰っていたように、プロならではの厳しさです。

「なんとしても、マーラーの3番のポストホルン、ソロを克服してやる」

という精神力が素晴らしい。

帰国後、N響で再び、マーラーの3番のソロが津堅さんに回ってきた。

美しい演奏でした。

音楽家は一生、練習なんですね。当たり前なのですが、大変だな、とつくづく思います。


◆【ジャズ】デューク・エリントンの誕生日です。

2か月ほど前に、「スウィングガールズ」をテレビでやってましたね。実は結構好きなんです。あれ。

という記事を書きました。

私は、大抵、世間で評判になっているものを2年ぐらい遅れて認識し、世間の熱が冷めている頃に、一人でハマっていることが多いのです。

但し、滅多なことでは気に入らない。ハマらないのですが、「スウィングガールズ」は結構、私のツボにぴったり来ました。

一番高い「プレミアム・エディション」と、「ファースト・アンド・ラストコンサート」のDVDまで買ってしまいました。


20年以上も前に、NHKで、黒柳徹子さんと作曲家の芥川也寸志さんが司会する、クラシック番組がありました。

ある時、ゲストで早稲田大学のオーケストラが呼ばれて演奏しました。ここは上手いので有名です。

彼らの演奏を聴いたあと、芥川也寸志さんが、

「若さっていうのは、すばらしいね。もう、人生にこれ以上のものはないね。」

と仰っていました。

当時は、私自身も若かったので、その意味が良く分からなかったのですが、

この年になって、スウィングガールズの下手くそだけど、一生懸命の演奏を聴いていると、

芥川也寸志さんの気持が分かります。


「スウィングガールズ」が一番最初に演奏するのは、デューク・エリントンの「A列車で行こう」(Take The 'A' Train )でした。

今日が、デューク・エリントン(1899-1974)の誕生日です。

彼は、半世紀以上もビッグ・バンドを率いて演奏(作曲も)を続けた、ジャズの元祖の一人ですね。

エリントンのバンドのテーマ曲とも言える、Take The 'A' Train をどうぞ。






二か月前に「スウィングガールズ」について取り上げたページには、

“In the Mood”“Sing,Sing,Sing”を載せました。In the Moodと今回のTake The 'A' Train は似ています。最後は殆どピアニッシモなんです。

ジャズは本来デリケートなもので、バリバリ吹けばよいといものではない、ということが良く分かります。



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「ブッシュ米大統領、安倍首相に牛肉問題の解決求める」←解決するのは、アメリカだろう。バカ。

◆記事:ブッシュ米大統領、安倍首相に牛肉問題の解決求める

[ワシントン 27日 ロイター] ブッシュ米大統領は、27日開かれた日米首脳会談で安倍首相に対し、

対日牛肉輸出問題の解決を強く求めた。

ブッシュ大統領は「日本人が米国産の牛肉を食べた方が良いと確信していると安倍首相に伝えた」と指摘。

「良質で優良な牛肉だ。実際、私は首相の代表団に昼食会でハンバーガーを振る舞うつもりだ」と述べた。

米国産牛肉の日本への輸出は、2003年まで年間およそ14億ドル規模だったが、06年は6600万ドルにとどまった。(時事)


◆コメント:日本に牛肉を買って欲しければ、黙っていても日本人が買いたくなるような食肉管理体制を作れ。バカ。

何度でも書く。

書かないと、人々の注意を引き留めることが出来ないからである。

自分が書いたことは、自分は覚えていても、他人様は私の書いたものなど、いちいち覚えていられない。

人々に、ある問題の所在を知っていただくためには、繰り返すしかない。

私は、Web日記のエンピツとブログのココログに同じ文章を載せている。

これは、文章を掲載する場所が多いほど、人目に触れやすく、

自分の主張が多くの人に伝えられるだろう、と考えたからである。

エンピツならば、目次のページ

ココログならトップページ(左下)から、全文検索が可能である。

ココログの検索サービスは最近始めたばかりで、エンピツの方が使いやすい。

検索欄に「BSE」と入力して検索してください。かなりの件数が表示されるが、

アメリカ人の食品衛生の意識が、如何にいい加減か、良く分かるのは、

「米、歩行困難牛20頭を食用に・農務省監査で明らかに 」だろう。



要するに、ものすごく乱暴に言えば、肉食民族であるアメリカ人にとって、

牛肉は、昔の日本人にとっての米のようなものであり(今の子は「コメが日本人の主食だ」という意識が希薄だ)、

食わないではいられない。



食わないではいられないものならば、より一層厳密な管理をするはずだ、というのは、

日本人しか知らない人の発想である。日本人は世界的にみて、相対的にかなりの潔癖性なのである。



欧米人は、イヌの糞が転がっている(英国では、ロンドンでも、騎馬警官や馬車が珍しくないので、馬糞もそこらじゅうにある)ような

道を歩いて、その糞を踏んづけた靴を脱がずにカーペットの家に入り、アメリカ人はさらに、そのカーペットの上に座り込んで、

床に直接に食器を置いてメシを食ったりする。



つまり、その程度の不潔さはごく普通のことである。

渡辺淳一のアホな新刊書に「鈍感力」というのがあるが(ストレス社会を生き抜くにはほどほどに「鈍感」であることが肝要だ

と、バカでも書けるような内容の本であり、これを平気で本にする渡辺淳一の「鈍感力」は折り紙付である)、



欧米人の生活全般、食品一般に対する「鈍感力」は日本人からは、耐え難いほどである。



不潔さの許容とBSEを結びつけるのは乱暴に見えるかも知れないが、私には、

日米両国が牛肉の安全性に関して、歯車がかみ合わない根底には、このような「文化的背景」があるように思われる。



彼らは、足もとがふらつく、典型的なBSEの症状が出ている牛ですら、処理施設に回してしまう。

それは、もちろん、輸出用だけではなく、アメリカの国内市場にも流通するのである。

したがって、度々、日本に条件違反の肉を送ってくるのは、レイシズム(人種差別)のゆえばかりではない。



「大方(おおかた)、大丈夫だろう」が欧米人の発想であり、

「万が一、BSEの肉を食ってクロイツフェルト・ヤコブ病に罹ったら大変だ」が日本人の発想である。



今更言うまでもなく、ブッシュ大統領は、

「過去150年間、日米両国は良好な関係を保っている」

という発言(「ブッシュ妄言録」に載っている)に象徴されるように、

そのアホさ加減は「感動的」という形容詞を付けたくなるほどだから、



「文化的背景、民族的気質の相違」など頭に浮かぶ余地が無い、ということを思い出して、

日本人が、如何に食品の安全性に敏感かということから説きはじめ、

日本人にアメリカ産牛肉を買って欲しければ、日本人が黙っていても買いたくなるような肉を作り、管理せよ、と、

交渉に当たるのが、安倍晋三内閣総理大臣の仕事なのである。



これで、安倍首相がホイホイとアメリカの要求を丸呑みにし、7月の参院選で与党が大勝、という結果となったら、

いい加減、愛想が尽き、この日記もそろそろ潮時かな、というほど憂鬱なのが今の気分である。



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2007.04.28

ローザンヌ国際バレエコンクールの河野さん、(2位)ネットで見られます。

◆ローザンヌ、国際バレエコンクール、インターネットで見ることが出来ます。

ローザンヌ・コンクールは2月に行われ、日本人の河野さんが2位に入賞したことを、

「バレエ:ローザンヌ国際コンクール 若手の登竜門、河野舞衣さん2位」←こういう事を大きく報じないから世の中暗くなる。

に書いた。

今日(2007年04月28日(土))午後3時からNHK教育テレビでその模様が放送されたが、見逃した方のために。

例年、これは、再放送(大抵BSだが)するけれども、コンクールのオフィシャルサイトでも、


画面は小さいけれども見ることができる。それは、こちら↓である。

Prix de Lausanne

その中の“Live and Pictures”のリンクを辿ると、Final 2007 とあり、上から二人目に 

Mai Kono がある。Classical variation 1をクリックするとLow か BroadBandを選択するようになっている。

QuickTime のプラグインがインストールされていれば、見られるはずだ。

ご参考まで。

なお、細かいことを言うようだが、踊りの「バレエ」の日本語表記はご覧の通り、「バレエ」である。

「バレー」は「バレーボール」と書くときに用いる。

何故、このような事を述べるかというと、当サイトのアクセス解析で「検索ワード」を見たところ、

「ローザンヌ・国際バレーコンクール」

で検索している人が多かったからである。

サーチエンジンは「表現の揺れ」も認識してくれるようだが、正確な言葉の表記は大切である。

私の文章の中に「バレーコンクール」という、語句があるかも知れないが、誤変換の訂正漏れである。

悪しからず。


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「米から無証明の牛肉5キロ」にもかかわらず、「米の食肉施設査察で合意=輸入時全箱検査取りやめ」だそうだ。

◆記事1:米の食肉施設査察で合意=輸入時全箱検査取りやめ-牛肉問題・日本

農水、厚生労働両省は24日、米国産牛肉の輸入問題で、

日本が同国の対日食肉処理施設に査察を実施することで米側と合意したと発表した。

査察の結果、問題がないと判断されれば、

これまで輸入時に実施してきた全箱検査をやめて通常の抜き取り検査に戻す。

この全箱検査が輸入量増加の足かせとなっていた。

 26日からの安倍晋三首相訪米を前に、日本が強く求めていた査察の実施にめどが立ったことで、

牛肉問題は一歩前進した形。

しかし、米側が要求している国際基準による月齢制限の廃止では依然隔たりが大きく、

貿易条件の見直しに向けた今後の協議は難航が予想される。

4月24日13時1分配信 時事通信


◆記事2:米から無証明の牛肉5キロ=豚肉に混載され成田に-農水省

農水省は27日、米国から機内食用に輸入した豚肉120箱の中に、

米農務省の衛生証明書に記載されていない冷凍牛肉1箱(約5キロ)が混入していたと発表した。

BSE(牛海綿状脳症)の原因物質である特定危険部位は含まれていないが、

同省は牛肉を焼却処分するとともに、米政府に対し調査を要請した。

昨年7月の米国産牛肉輸入再開以来、米国の違反事例は5件目。

4月27日19時0分配信 時事通信


◆コメント:全箱検査を止めれば、記事2のような牛肉が市場に出回るかも知れないわけですね。

食品の衛生は国民の生命に関わる問題であるにも関わらず、日本政府は米国産輸入時の検査を緩和するという決定をして、

安倍首相訪米の「手みやげ」にした。記事1だけでも、充分にけしからん。


米国の牛肉処理施設を一回査察して、仮に安全だとしても、

査察団が去った後も、同じ条件(施設・牛肉の処理手順等)が維持される保証は何処にもない。

従って、常識で考えれば、今後の条件違反の牛肉が混入する可能性に備えて、

アメリカから輸入された牛肉は全て検査するべきである。



よりによって、日本の首相が訪米中の27日、記事2にあるとおり、条件違反が発見された。

アメリカは何度言っても直らない。

如何に日本がナメられているか、という証左である。

これで、全箱検査を止めるのは、BSEに汚染された牛肉が日本の市場に出回るのを、日本政府が黙認するに等しく、

薬害エイズにも匹敵する、国家の怠慢である。


それは、ここで何度も書いているとおり、

日本政府は日本国民に対する殺人の未必の故意がある

と言っても、過言ではない。

変異性クロイツフェルト・ヤコブ病は、潜伏期間が長いが、発症したら、治療法は無いのである。

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2007.04.27

「政府インターネットテレビ」を見たことがありますか?星野仙一、倖田來未両氏が良いことを言っている。

◆その前に、福知山線脱線転覆死者百余名から25日で2年。未だ原因特定出来ず

話題が違うのだが、タイミングを逃さないように、書いておく。

2年前、事故直後からマスコミのJR西日本に対する態度はひどかった。

あの時私は、ここに繰り返し、

唯一明らかなのは、「事故原因は不明なのだから、誰の責任か分からない。」ということだけだ。

と書いた。

もう少し正確に書くなら、分かっている事実は、
JR西日本の電車がカーブで脱線・転覆し、その結果100人以上の人が亡くなった

ことだけだったのである。

JR西日本の電車が脱線したからといって、JRに責任があるかどうかはわからない。

にも、関わらず、マスコミは根拠もなくミスリーディングな(誤解を招くような)記事を書き、

事故とは関係のないJRの職員が、一般人から暴行を受けるなどの騒ぎが相次いで起きた。

事故から2年を経た今になっても原因は特定されていない。

マスコミは反省して謝罪文を載せるべきだと思うのだが、自分の都合の悪いことは文字にしない。

狡い奴らだ。


◆政府インターネットテレビを見たことがありますか。

首相官邸のサイトの一部に政府インターネットテレビがある。

そんな下らないものは見ないと今言った貴方。

どうして、見ないで下るか、下らないか、判るのだろうか?

私も、いつも見るほどヒマではないが、たまに、見る。

そうすると、「国営放送」が如何に虚飾と偽善に満ちた媒体になるか、良く分かる。その意味で参考になる。

「今週の総理」なんてのは、完全に「大本営発表」である。

但し、民間人が出てくると、時々、痛烈な政府批判をすることがあり、面白い。


今日とりあげるのは、22chのいじめ対策のコーナーである。


◆星野仙一氏の歯に衣着せぬ発言が痛快である。

星野さんにしては、大人しい方かもしれないが、それでも、

(政府は)教育改革などと口先ばかりのことをいっているが、手ぬるい。子供には悪いことは悪いと、真剣に教えなければいかん。

という趣旨の発言をしていて、小気味よい。

これは、「国家の品格」の藤原正彦氏と同じである。

子供は「説得する」のではなく、「ダメなものはダメなんだ」と躾けなければいけない。そこに、論理は必要ない。

全くその通りだ。

星野氏は、あの気性であり、腕っ節が強いから、流石にいじめられたことはないが、

現役のピークを過ぎて、次第に打たれることが多くなるにつれて、お嬢さんが学校でいじめられたのだという。

子供は本当に残酷な生き物だ。星野さんは、辛かったと正直に話している。


◆倖田來未さんはイジメの被害者だったそうだ。

倖田來未というお嬢さんは、テレビでちらりと拝見したことがある程度だが、

生番組で歌っているのを聴いたときに、かなり音程がいいので、へぇ、と思ったのと、

話すときに、言葉がセンテンスとして完結するので、きっと頭がいいのだろうな、と何となく思っていた。

そのとおりだった。

政府インターネットテレビのイジメ対策で話しているが、自身、小学校と中学で、かなりひどいイジメに遭ったという。

歌っているときは、すごいバイタリティなので、ちょっと想像しづらいが、

人間は見た目で全てが分かるほど単純ではないのだ。


彼女もまた、非常に正直に率直に語っている。

イジメに遭ったけれど耐えられたのは、歌手になるという夢があったからではなく、

少数ではあるが、「一緒に帰ろう」と声をかけてくれる友達がいたからだという。

それから、家庭が温かい雰囲気だったようだ。

要するに、人間は、数はすくなくても、自分を気遣ってくれる人がいる、という思いがあれば救われる、という。

だから、いじめられている子には、声をかけてやって欲しいという。

いじめによって自殺にまで追い込まれる子は、きっと誰にも話せず、誰も声をかけてくれなかったのだろう、と。

非常に思考がしっかりしているので、失礼ながら感心した。


◆「いじめを無くそう」という発想・表現がおかしい。

政府の標語は「ストップ!いじめ」というのだが、一見して分かっていないことが分かる。

「イジメを無くそう」という表現は、あたかも「イジメ」という行為だけが、宙をさまよっているかのようだ。

イジメは他人をいじめて面白がっている人間、行為の主体がいるのだから、

「イジメを禁ずる。」と断固たる姿勢を示さなければダメだ。

現実には、そんな段階はとっくの昔に超えていて、ますます陰湿になっているのだから、

他人をいじめた者は罰する、というシステムにしなければ、間に合わない。

話し合ってイジメが無くなるのなら、100年前に地上からイジメはなくなっているはずだ。

他人をいじめても、なんのペナルティもないから、つけあがる。


罰則をもうけても、この世に人間がいるかぎりイジメはなくならないだろうが、

だからといって、イジメ対策を放棄するのは、間違っている。

それは、世の中から人殺しが無くなることはないので、それでは殺人罪も無駄だから、

廃止しましょうというようなものである。



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2007.04.25

「<鳥インフルエンザ>宮崎県対策監死去 がん抱え陣頭指揮」←立派な人だ。

◆記事:<鳥インフルエンザ>宮崎県対策監死去 がん抱え陣頭指揮

高病原性鳥インフルエンザが相次いで発生した宮崎県で、

転移したがんと闘いながらまん延防止対策の“陣頭指揮”に立った県庁マンがいた。

当時、家畜防疫対策監だった浜口定男さんだ。3例すべての終息を見届けるように、

終息宣言の1カ月後、57歳で亡くなった。県は活躍をたたえて今月20日に感謝状を贈り、遺族の労苦をねぎらった。

獣医師資格をもつ浜口さんは72年に入庁した。

家畜保健衛生所など畜産畑を歩み、03年に家畜防疫の実務レベルの責任者である対策監(課長級)に就いた。

浜口さんは04年6月、白目が黄色くなっていることに気づいて診察を受け、すい臓がんが見つかった。

ただちに東京の紹介病院で手術を受けたが、医師は「肝臓に転移していたら余命は6カ月」と告げた。

家族の願いもむなしく、転移が見つかったのは昨年夏。

秋に入院して治療を受け、その結果を聞きに上京する直前の今年1月、

最初の鳥インフルエンザが清武町で発生した。

まん延を防止するには、速やかな養鶏場の消毒や鶏の殺処分などが欠かせない。

浜口さんは病をおして約50人の部下を指揮した。

早朝家を出て夜遅く帰宅する日々が続き、土日も出勤した。

列車で通勤する体力がなくなると、妻尚子(のぶこ)さん(55)ら家族が運転する車で県庁に向かった。

「これがオレの最後の仕事になるなあ。最後まで見届けたい」。

車の中で、尚子さんにそう話したという。

だが、鳥インフルエンザはその後も日向市と新富町に飛び火。

東国原英夫知事の会見には痛み止めの薬を飲んで同行し、専門的な質問に浜口さんが答えることもあった。

このころ、職場の同僚たちは脇腹を苦しそうに押さえる浜口さんの姿を何度か見ている。

周囲を気遣い、家族にも「苦しい」と打ち明けなかったが、2月上旬には歩けなくなって宮崎で入院した。

だが、病床でも鳥インフルエンザが気になり、新聞などのチェックを欠かさなかった。

終息宣言が出た3月1日、見舞いに来た上司らに「また冬が来たら心配です」と語り、

畜産農家への補償が実現するかどうかが気がかりな様子だったという。それから1カ月後、

新築したばかりの自宅で亡くなった。

畜産王国の宮崎。浜口さんは在職中、県内で発生した口蹄疫(こうていえき)対策などに携わった。

最後は鳥インフルエンザ対策に全力を注ぎ、対応の素早さから防疫関係者の間には「宮崎モデル」という言葉も生まれた。

東国原知事は20日、尚子さんを知事室に招き入れ

「我が身を顧みず、職務を全うされた」と感謝状を渡した。

「生きていたら、よくやったねと声をかけてあげたい」。

感謝状を受け取った後、そう語った尚子さんの目は真っ赤だった。

(4月25日9時8分配信 毎日新聞)

◆コメント:多くを語る必要は無い。立派だ。

宮崎県の話題といえば、ここ数ヶ月専ら「東国原知事」のことばかりだが、

浜口家畜防疫対策監のことは、これはもっと報道されるべきだった。

浜口さんは、命を賭して、鳥インフルエンザの感染拡大を食い止める、という任務を全うした。

立派な人だ。

浜口さんがこれほど、懸命に最後まで職務に取り組んだのは、自ら獣医師資格を持つ専門家なので、

鳥インフルエンザの怖さを良く知っていたからだろう。


◆鳥インフルエンザの感染拡大

鳥インフルエンザは鶏のインフルエンザだが、今回世界的に感染が拡大しているのは、

毒性が強いH5N1型ウィルスによるものだ。感染した鶏の肉や卵を食べて人間に感染した例は報告されていないが、

鶏と接触した人が感染することがあり、この場合の死亡率は極めて高い。

WHOが4月2日現在でまとめた資料が厚生労働省のサイトに載っている。

高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の発生が確認されている国(H19.4.2現在)(PDF:82KB)

見ればわかるとおり、例えばインドネシアでは発症者81人中63人が死亡。

ベトナムでは、93人発症、42人が死亡。

中国では、発症24人中、15人が死亡している。


◆【参考】ベトナムの死亡率は約40%。タミフルによる「異常行動」出現率は、0.0004%。

話がそれるが、タミフルの副作用を無闇にマスコミが煽っている、それについては、

以前、「タミフル服用後に転落死」新聞は徒に不安を煽らず「確率」を正確に伝えよ。で書いたが、

タミフルを飲んで、異常行動の副作用が起きる確率は、私の計算では0.00043パーセントである。

一方、ベトナムを例にとるなら、発症した患者の死亡率は約39パーセントである。

人間が鳥インフルエンザに感染した場合に取られるべき医学的処置については、

国立感染症研究所感染症情報センターの、

鳥インフルエンザ感染が疑われる患者に対する医療機関での対応を読めば、素人でも概略は分かる。

鳥インフルエンザが流行している国から日本へ来た者が、鳥インフルエンザ感染が疑われる症状を呈した場合、

検査結果を待つまでも無く、タミフルを投与しろ、と書いている。

それほどの重大事なのだ。

それなのにマスコミは、起きる確率が0.00043%の、タミフルによる異常行動ばかりをセンセーショナルに取り上げるばかりで、

人間が鳥インフルエンザ(H5N1型ウィルス)に感染したときの「死亡率40%」を国民に教えないのは、どういうつもりなのか。


◆浜口家畜防疫対策監は自らの余命を知りながら、感染拡大を防いだ。

浜口さんは、要するに末期膵臓癌だった訳だろう。

多分、最後は激痛に苦しんでいたに違い無い。

しかし、自らの生命を保たせることよりも、鳥インフルエンザの感染拡大を防ぎ、

宮崎県民のみならず、日本国民の為に尽くした。尊敬する。

故・司馬遼太郎氏による「洪庵のたいまつ」の冒頭を思い出さずにはいられない。

世のために尽くした人の一生ほど、美しいものはない。



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2007.04.24

「特急車内で女性暴行=誰も通報せず、36歳男逮捕-大阪」←対処法がある。

◆記事:特急車内で女性暴行=誰も通報せず、36歳男逮捕-大阪

特急電車内で女性に暴行したとして、大阪府警淀川署は21日、強姦(ごうかん)容疑で、

滋賀県湖南市石部南、解体作業員、植園貴光容疑者(36)=別の強姦事件で公判中=を再逮捕した。

容疑を認めている。犯行の一部は乗客の目の前で行われていたが、誰も制止したり通報したりしなかった。

調べでは、植園容疑者は昨年8月3日午後9時20分ごろから1時間以上にわたり、

JR北陸線の富山発大阪行き特急電車「サンダーバード」車内で21歳の女性会社員の隣に座り、

「大声出すな、殺すぞ。警察に言ったら、どこまでもストーカーするぞ」と脅迫。

胸などをさわった後、車内の洗面所とトイレで乱暴した疑い。

(4月22日2時0分配信 時事通信)


◆コメント:「自分がもしその場にいたら何も出来なかったと思う」というコメントが多いが、「何かしよう」と決意しなければ、何も出来ない。

Yahoo!ニュースのこの記事を見ると、何十件ものブログからTBがある。

それらは、ごく大雑把に二種類に分類出来る。

1.まわりの乗客が40人もいて、何も出来なかったとは情けない、という趣旨。

2.自分が実際、その電車に乗り合わせていたら何も出来なかったと思う。それが現実。という考え方。

情けないのになると、こういう人もいる。

もう少し細かく分類すると、1はさらに分かれる。

自分がその場にいたら何か行動を起こしたであろう、というひと、と、

実際、その場にいたら、どうしたらよいか分からない、という人。


◆何か行動を起こそう、とするのが正しい。

上の段落の1と2、どちらが正しいか。あるべき姿かといったら、言うまでもないでしょう?

もしも、貴方が被害者の女性だったら、と想像してみるといい。

どれほど、恐ろしかっただろう。

そして、何もしないで、見て見ぬふりをする周りの人を、どれほど恨めしく思うだろうか。

誰だって自分にも累が及ぶのは怖い。しかし、そこは、「エイッ」と決断しなければいけないのだ。


「~できない言い訳」を考えてばかりいないで、「何とかできないか?」と考えるべきなのだ。
2.の考え方をする人の頭には、被害者がどれだけ、深いトラウマを背負ったか、に思いを馳せる、という発想がない。

ただひたすら、「こういう現場にいたら、何も出来ないこと」を如何に正当化するか、しか考えていない。
尤も、私は、日本人はこういう出来事が起きたとき、無反応になるのは、容易に想像できる。

だいぶ前に、日本人は、ネット上のみならず、現実世界で、もう少し声をかけた方がよいのではないか。

という記事を書いたぐらいだからだ。

そこに書いた、私が目撃した事実は、

ある人が電車から降りてゆくときに、落とし物をした。乗客は皆見ていた。

一番近い人が「落としましたよ」と声をかけるだろうと思っていたら、驚くべき事に何もしない。

私がドアが閉まる寸前に慌てて落とし物を拾って手渡した。

というものだ。落とし物をした人に、注意を喚起する声すら出せないのが、残念ながら日本人だ。

車内で暴力行為を目撃し、かつ犯人に、「通報したら復讐する」、と言われたら見て見ぬふりをするだろうさ。

しかし、それでも行動しようとしなければいけないのだ。


◆「卑怯者は生きている価値がない」(藤原正彦氏「国家の品格)より

昨年ベストセラーになった、藤原正彦氏の「国家の品格」の中で、卑怯であってはならない、と書いていた。

覚えていませんか?

私は大いに賛成だ。

藤原氏は父君の故・新田次郎氏(作家)に、子供の時から、

卑怯なマネをするな。

卑怯者は生きている価値がない。

弱い者がいじめられていたら、必ず助けろ。必要なら暴力を使っても良い。

と言われて育ったという。

新田次郎氏がご存命で、この事件を知ったら、恐らく、開いた口がふさがらなかっただろう。


◆これだけ言う私は、勿論何度も実行に移してますよ。当たり前でしょう。

ここまで読んだ方のなかには、きっと、

偉そうなことを言っているが、お前はこの場にいたら、何かできたのか?

と反論なさる方があるだろう。その前にちょっと考えてください。

ここまで書く人間は「出来る」自信があるに決まっているじゃないか。

実際私は、この事件の犯人の様な野郎を電車からたたき出した事が何度もある。

実は、私は、本気で怒ると、ものすごい大声で怒鳴ることが出来るのである。

それは、犯人だけでなく周囲の一般乗客も恐怖のあまり(だと思う)一瞬、固まってしまうほどである。

あるとき、カップルが変な与太者に絡まれていたので、その大声で、

「(最初は普通の声で)おい。お前やめろよ。(ここからfff)止めろと言ってるのか分からんか!馬鹿者!次(の駅)でとっとと、失せやがれ!」

といったら(本当はもっとすごいことを延々とカミナリのような大声で怒鳴り続けた)、すごすごといなくなった。

尤も助けてやったカップルも、何も言わずにいなくなっちゃったけどね(笑)。

ただ、これは普通の人、特に女性には無理だ。

しかし、こんな原始的な、野蛮な方法を使わなくても、対処できる。

そのためには、普段から、「私がもし、その場にいたら」という仮定のもとに、

頭の中でシミュレーションを行うことが極めて有効である。


◆頭の中でシミュレーションしておけば、緊急事態でも動ける(経験済み)。

世の中には、実際に身体を動かして訓練しなければ身につかない技術・能力がある一方で、

普段から、「何かあったときの『段取り』」を想像の世界で考えておくだけで、何もしていない人より上手くできることがある。

たとえば、

「道を歩いていたら、目の前のひとが突然、具合が悪くなり、倒れた」

という事態が発生した場合、何もシミュレーションしていないと、人間、頭が真っ白になり、動けない。

しかし、
「まず、周りの人がいたら、『手伝って下さい』と叫び、患者を安全なところに、なるべく揺らさないで運んで寝かせ、ネクタイを緩め、

吐瀉物が気道を塞がないように頭を横に向かせる。この作業をしている間に、野次馬たちに、『だれか、早く救急車を呼んでください。』

と叫ぶ。」

というシミュレーションをしたことがあれば、

実際に、これに似たようなケースで迅速に行動出来ることを私は経験で知った。

シミュレーションをしていないと、「救急車を呼ぶ」という初歩的なことも出来なくなるのだ。


◆本件対処法のシミュレーション

それでは、今回のような情けない事態を繰り返さないためにはどうすればよいか。

ポイントは、同じ車両の乗客は、皆、

「被害者を助けたいが、何をしたらよいか分からない。又は何かしようとしているが、きっかけが掴めない」

ということだ。全く被害者を気の毒と思わないようなクズは、どうでもいい。

貴方が、きっかけを作る。犯人は、被害者に対して、
「大声出すな、殺すぞ。警察に言ったら、どこまでもストーカーするぞ」

と脅し、乗客にも同じようなことを言ったそうだ。

これだけで、純然たる脅迫罪で、2年以下の懲役である。

携帯で録音機能があるでしょう。出来るだけ、犯人の言葉を録音する。重要な証拠となる。

そして、犯人に聞こえないように、周囲の人々に呼びかける。
「これから、私が警察に連絡します。みなさんも、電話して、あるいはそのフリだけでもいいから、大きな声で私と同じ事を言って下さい」

これで、どれだけ同調するか分からないが、とにかく、やる。

「もしもし、警察ですね?こちら、何とか線下りの車内です。女の人に乱暴している男がいます。

今、何とか駅とかんとか駅の間です。かんとか駅で捕まえて下さい。私たちも脅迫されてます。

脅迫罪って懲役2年ですよね。ええ。録音してあります。写真もあります。証拠全部あります。

強制わいせつは懲役10年でしたよね。そうですね。それからもし、私たちがあいつに怪我させられたら、

傷害ですから、懲役15年ですね。併合で懲役27年ですね。わかりました。早く来て下さいね。

勿論、量刑を決めるのは警察ではなくて、裁判官だが、そのようなことまで、この男の気が回るわけがない。

だから、110番の向こうで何を言おうが無関係に、男を牽制するために、「懲役27年」を強調する。

(警察に携帯メールを送るなんてバカなことをしないでくださいよ?)

皆に呼びかけて、なるべく大勢で電話をするのは、「自分だけ犯人に復讐されるかもしれない」、という恐怖感から免れる為だ。

もし、40人が携帯で同時に大声で、110番に連絡していたら、それだけで、この男は逃げ出しただろう。



こんなのは、非現実的だ、という人もいるだろう。

そういう方は、是非名案を公開して下さい(他人の考えたことにけちをつけるのは、簡単だ)。

それとも貴方は、何もせずに、「卑怯者」になる方が良いのですか。

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2007.04.23

「<民主党>イラク特措法の廃止法案を提出」←ポーズは止めて本気でやれ。

◆記事:<民主党>イラク特措法の廃止法案を提出

民主党は19日、イラク復興特別措置法の廃止法案を衆院に提出した。

政府の提出したイラク特措法を2年延長する改正案への対案として、

自衛隊の即時撤退を求める同党の姿勢をアピールする狙いがある。

廃止法案の提出は3度目。 (4月19日19時15分配信 毎日新聞)


◆コメント:議席数から見て可決は不可能だが、イラク復興支援特別措置法の違憲性をアピールせよ。

イラク復興支援特別措置法は違憲である、ということについては、

つい最近、「<イラク特措法>2年間延長を月内に閣議決定へ 政府」←延長するべきではないのです。

に、一から詳しく書きましたので、ご覧頂きたいと思います。

民主党が、イラク復興支援特別措置法の廃止法案を提出したところで、議席数をみれば、

連立与党によって否決されることは明らかです。しかし、3回目というのは少し怠慢ではないかと思います。

イラクに残っている空自の輸送機は、米兵や多国籍軍の兵隊や、彼らの物資を輸送しているのですが、

本当のことを言わない。

第一野党である民主党は、この点をもっとしつこく与党に問い質すべきです。

空自や海自は、本当は、現地で一体何をしているのか。

同盟国の軍事的な行動に関わっていなければ、「軍事的情報」は無いはずですから、

サマワの自衛隊のように、任務の詳細を明らかにして良いはずではないでしょうか?

それから、僭越な物言いですが、一民間人である私ですら、

これほど度々、イラク復興支援特別措置法の違憲性を説明しているのに、

野党は何だかんだいって、大きな組織で、もっと情報伝達力があるにも関わらず、

イラク復興支援特別措置法を、何故、延長してはいけないのか、

国民に理解させる努力が足りない、と思います。


◆「憲法のどこを読んでも集団的自衛権が認められるとは思えない。」←誰の言葉でしょう?

これは、皆さんが絶対に御存知の政治家が書いた本に載っている言葉です。

「憲法のどこを読んでも集団的自衛権が認められるとは思えない。」

ほう。私と気が合いますね。

この政治家は、こんな事も書いているんです。
「僕は自衛隊のPKO派遣のときも反対した。国際協力をダメといっているわけではない。

むしろ積極的に行うべきだと思うけど、現行の憲法では、自衛隊の海外派遣はどう考えても無理がある。」

ほほう・・・。ますます、気が合いますね。

この本の著者は、小泉純一郎という人です。彼が若者向け雑誌に連載していた原稿を本にまとめた、

コイズムという本に載っています。

彼が如何に嘘つきか、良く分かりますね。

彼は在任中、はっきり、集団的自衛権の行使は可能だ、といいました。

また、自衛隊の海外派遣を可能にした最初の法律は、国際平和協力法(PKO法)で、これも激論の末強行採決だったのです。

これにもとづいて、2002年2月、東ティモールに陸自が派遣されました。

自衛隊が海外へ出るようになった始まりです。

一度こういうことを許してしまうとどんどんエスカレートして、今、空自は輸送機とはいえ、戦地にモノや兵隊を運んでいる。

それは、ともかく、この最初のPKO法案に反対だった小泉純一郎が、イラク復興支援特別措置法を決めさせ、

空自は、実際は「非戦闘地域」ではないバグダッドやイラク国内の米軍基地に、モノを運んでいる。

あきれてものがいえない。
空自の活動は、後方支援です。集団的自衛権の行使だから、違憲です。

軍隊ってのは、戦地へ行けば、段々エスカレートするんです。

与党は集団的自衛権の行使の「研究」をはじめているそうですが、誰がそんなことをして良いと言ったのか。

参議院選挙を待つまでもなく、衆議院を解散して民意を問うべきです。



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2007.04.22

今日は、「バッハづくし」です。

◆「バッハづくし」というのはですね。

今日は、バッハづくし。バッハだらけです。

エンピツでは4月19日付、ココログでは4月20日付の記事(下のほうにスクロールしてください)で、

ヴィヴァルディの「4つのバイオリンの為の協奏曲」を載せました。

そして、バッハがこれを「四台のチェンバロの為の協奏曲に編曲している」ので、今度おきかせします、と書きました。

今日はそれをきいていただきますが、他にもあります。

今日のエントリーは、大きくわけて(あんまりセンスのいい企画じゃないんですけど)3つの部分から出来ています。

一番目は、上で述べたとおり、バッハがヴィヴァルディの曲(ここでは協奏曲です)を他の楽器の協奏曲に編曲したもの。

二番目は、バッハが、自分の作品を編曲したもの。

三番目は、バッハのチェンバロ協奏曲ヘ短調のラルゴ、通称「バッハのアリオーソ」をいろんな楽器で演奏したもの。


という次第です。

これほど沢山載せるつもりじゃなかったのですが、

「これも聴いて頂きたい。あれも聴いて頂きたい」

という具合に段々膨張してしまいました。

勿論、気の向いた曲(トラック)だけ聴いて頂いても全く構いません。

では、早速。


◆バッハがヴィヴァルディの曲を編曲したもの

ヴェネツィア(キザですけど、バロック音楽のことを書くときは、「ベニス」とか「ベネチア」より、「ヴェネツィア」の方が、雰囲気が出るような気がするんです)

の作曲家ヴィヴァルディはバッハよりも7歳年上です。同時代を生きた人です。

バッハは、イタリアの音楽の様式を勉強するために、若い頃、意識的にヴィヴァルディ、マルチェルロなど、イタリアの作曲家の作品を、

他の楽器の為の協奏曲に編曲したそうです(イタリアばかりではなく同じドイツのテレマンの曲も編曲してます)。

それでは、いきましょう。

まず、一昨日載せたヴィヴァルディの「4つのバイオリンの為の協奏曲」。過去ログへ跳ぶのは面倒でしょうから、

もう一度、ここに載せます。







はい。これをバッハは「四台のチェンバロの為の協奏曲」にしました。







これはこれで、趣きが変わって良いですよね。



で、もう一曲。やはりヴィヴァルディですが、普通の(ソリストが一人の)バイオリン協奏曲を沢山書いています。

その一つをバッハがチェンバロ独奏曲にしたものがあります。

まずは、ヴィヴァルディの原曲から。ヴィヴァルディの作品番号は「RV」とかきますが、RV230です。







如何にも、ヴィヴァルディ(笑)。これをバッハはチェンバロに置き換えてどのようにしたのでしょう?

どうぞ。








これが、バッハのオリジナル作品だ、といわれても不思議じゃないですね。さすが、大先生。

それで、ちょっと余計かも知れませんが、最近トランペットでやたら上手い人がいまして、これをラッパで吹いちゃった人がいます。

面白いですよ。よろしければどうぞ。






バイオリンやチェンバロだと簡単な音型でも、ラッパで吹くとなると非常に難しいものがあるので、アクロバティックな要素が加わりますね。

最後の高い音だけでも、大したものです。

そして、実は。このトランペット、女性の奏者なんです。上手いものです。


◆バッハが自分の曲を書き換えたもの

次は、バッハが他人の作品ではなく、自分が書いた、「オーボエとヴァイオリンの為の協奏曲」を、

「二台のチェンバロの為の協奏曲」に書き換えたのです。

まずは、「オーボエとヴァイオリンの為の協奏曲」を。







管楽器と弦楽器。オーボエとバイオリンじゃ全然音色が異なりますが、その対比が面白い、とおもうのです。

これを、「二台のチェンバロの為の協奏曲」にすると、どうなるか。







オーボエとバイオリンとは対照的に二人のソリストの楽器がおなじなので、「掛け合い」の要素が減じる感じがします。

けれども、曲自体が綺麗だからね。まあ、いいでしょう。

◆バッハのチェンバロ協奏曲ヘ短調(BWV1056)のラルゴを色々な楽器で演奏しているのを比べてみます。

これは、上の2つのセクションとは、本質的に異なります。

バッハの作品というのは、不思議でして、音楽の素材自体があまりにも立派に出来ているからでしょうか、

どんな楽器で演奏しても、違和感がありません(どんな曲でも、という訳にはいきませんけど)。

ということは、「音色」という要素があまり関係ない、ということでしょうか。

事実、バッハの時代には存在していなかった楽器、たとえば、クラリネットやサクソフォーン、マリンバや、アコーディオン、等で演奏しても、全く違和感がありません。

そして、なにより、ピアノですね。

ピアニストが演奏会で弾くバッハの曲は、皆、本来チェンバロの為に書かれています。

非常に厳密に言えば、ピアノの為の作品ではないのです。

しかし、ピアニストになろうとする人にとって、バッハは必ず勉強しなければいけないものです。

貴方の前にピアニスト、もしくは、ピアノには自信がある、という人物が現れたら、

「フランス組曲か、イギリス組曲の中から、何か弾いてください」

と言ってみることです。もしも、相手が

「何すか?それ?」

と言ったら、完全に偽物ですから、張り倒しましょう。


さて、それはさておき、このチェンバロ協奏曲ヘ短調のラルゴ、通称「バッハのアリオーソ」とかなんとか言うんですが、

私はこれが、あまりにも美しいので、どうにもこうにも好きで仕方がないのです。


どの楽器の演奏家も同じなんでしょうね。実に色々な楽器で演奏されています。


今日は、ピアノ、オーボエ、トランペット、ハープを載せますが、全部聴いて頂ければ、それは嬉しいですが、


全部を聴いて頂く「必要」は全くありませんので、何となく気分で良さそうなのを、聴いてみて下さい。


後日、気分が変わったら、残りも聴いてみるとか・・。ご自由にどうぞ。





ピアノです。





オーボエです。





トランペットです(先ほどの女性奏者とは別です)





最後は静かにハープをどうぞ。





如何でしたか?

お薦めCDですが、最後の「アリオーソ」ばかりというのはちょっと無いのですが、

ヴィヴァルディの作品をバッハがチェンバロ用に編曲したのは、6 Concertos After Vivaldi

バッハが「二つのバイオリンの為の協奏曲」を「二台のチェンバロ~」に書き直したものや、

ここで最初に御紹介した、ヴィヴァルディの「4つのバイオリンの為の協奏曲」をバッハが「四台のチェンバロの為の協奏曲」が録れてある、

チェンバロ協奏曲集3が良いと思います。

それでは。



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2007.04.21

「BSE 民間検査の禁止違法 米地裁、農務省に許可促す」←アメリカ人にも勿論、話の分かる人がいる。

◆記事1:BSE:民間検査の禁止違法 米地裁、農務省に許可促す

米牛肉加工業者が自主的な牛海綿状脳症(BSE)検査の許可を求めた訴訟で、

ワシントン連邦地裁は16日までに、米農務省が民間検査を禁止しているのは違法との判決を出した。

民間業者による検査は「政府検査と同様にBSE対策に役立つ」と指摘、許可するよう促した。

BSE検査に関する農務省方針が違法と認定されたのは初めてとみられる。

同省は6月1日までに連邦高裁へ上訴するかを決める。

訴えていたのはカンザス州の中堅業者クリークストーン・ファームズ・プレミアム・ビーフ。

日本を含めた消費者が全頭検査を求めているとして昨年3月に提訴した。

同省は「政府には検査機器を監督・統制する権限がある」と主張したが、

同地裁は「法令上の権限を越えている」との業者側の言い分に軍配を上げた。

クリークストーンは既に検査施設を完成させているが、同省が上訴するかを見極めた上で今後の対応を決めるもよう。

(ワシントン共同)毎日新聞 (2007年4月17日 18時28分)


◆記事2:<米国産牛肉>「査察受け入れを」米食肉業界団体が政府に

米国産牛肉の輸入問題で、米食肉関連企業でつくる「米国食肉輸出連合会」(USMEF、フィリップ・セング会長)が米政府関係者に対し、

日本が要求している食肉処理施設の査察を受け入れるべきだとの意向を伝えていたことが19日分かった。

米政府は「月齢条件の撤廃」を主張して査察に難色を示しているが、

27日に予定される日米首脳会談を前に受け入れを決断するかどうかが注目される。

米国産牛肉の輸入は昨年7月の解禁から9カ月近くたった。

日本政府は、査察を実施した上で問題がなければ「生後20カ月以下」の輸入条件を緩和するかどうか検討する考えだ。

ところが、米側は3月以降、「国際獣疫事務局(OIE)の基準に従う約束を先にすべきだ」(ジョハンズ農務長官)

などと月齢条件そのものの撤廃を要求し、査察を受け入れない考えを表明。こう着状態に陥っている。

しかし、業界関係者によると、米食肉業界では「まず査察を実施しないと(条件緩和などが)前に進まない」

との認識が強まっている。現在の対日輸出量は03年の禁輸前の10分の1程度にとどまるが、

査察を終えれば日本の港などでの全箱検査がなくなり輸出量が増える期待もあるという。

USMEFの関係者は「無理にドアをこじ開けても、日本の消費者が米国産牛肉を受け入れてくれなければ意味がない」

と話している。 (4月20日3時4分配信 毎日新聞)


◆コメント:良識的なアメリカ人がいることも取り上げないと、フェアじゃない。

私は昨日、「アメリカ人は32人が乱射事件で死んだと悲嘆に暮れているが、アメリカの所為で死んだ3万人を超える

イラク人のことは、一体どうかんがえているのだ?」

という皮肉を書きました。

が、他方では今日取り上げたように、非常に合理的な、良識的なアメリカ人がいる、ということも、

指摘しなければ、フェアではない。


◆何処の国でも民間の常識=役人、政治家の非常識なのでしょう。

記事1、2を一言にまとめるなら、

「アメリカでは民間の食肉関連企業は、『日本の要求を受け入れるべきだ』といっているが、政府が渋っている」

と言うことです。

記事1は一企業が、国(アメリカ政府)を相手取って、

「日本人は米国の牛も全頭検査を求めていて我々業者は『やってもいい』と言っているのに、

国が禁止するとは何事だ」

という訴えを起こし、下級審ではありますが、ワシントン連邦地裁は

「国が検査を禁止しているのは違法だ」

との判断を示したのですね。

こう言うところは、民間の方が話が分かる。

つまり、「モノを売りたければ、客のニーズに合わせるべきだ」ということですね。

そして、ワシントン地裁も「国が間違っている」というわけですね。こういうところ、フェアですね。

日本だったら、どういう判断になったか。

日本国憲法により、司法権は独立しているはずなのですが、現実を見ると、

どうみても、政治が介入しているフシがある。

アメリカでも無いとは限りませんが、本件に関しては、立派です。

記事2は原告が一企業ではなくて、業界団体。そして訴えは

「日本が米国の食肉処理施設を査察を求めているなら受け入れるべきだ」

と国に訴えている、という話。

具体的な内容は異なるけれども、やはり、「客の要求を受け入れるべきだ」

という発想で、民間では普通のことです。話が分かる。

しかし、米国政府が邪魔をしている訳ですね(だからこそ訴えたわけです)。

太平洋のこちらでもあちらでも民間の常識は国には通用しないのですね。

ただ、繰り返しますが、良識あるアメリカ人も大勢いる、ということは認識するべきです。



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2007.04.20

「米大学乱射 大学で追悼式 ブッシュ大統領も参加『国全体が悲しみ』」事件直後、イラクではテロで200人死んでるんですよ。

◆記事1:米大学乱射 大学で追悼式 ブッシュ大統領も参加「国全体が悲しみ」

【ブラックスバーグ(米バージニア州)=渡辺浩生】米バージニア工科大学の銃乱射事件の犠牲になった学生ら32人を追悼する式典が17日、

ブッシュ大統領夫妻も参加して、バージニア州西部ブラックスバーグにある同大の大講堂で行われた。

会場に入りきれなかった学生らは隣接の野外スタジアムに集まり、スクリーンで式典の模様を見守った。

ローラ夫人とともに出席したブッシュ大統領は「この国全体が深い悲しみを共有する一日だ」と述べ、

犠牲者の家族、友人と気持ちをひとつにしようと呼びかけた。

また、「殺人に対する怒りは、憎しみによって克服されるべきものではない」とも語りかけた。

ティム・ケーン同州知事も投資促進のため訪問していた日本から急遽(きゅうきょ)帰国して駆けつけ、

「世界中がバージニアの悲劇に注目している」と述べ、アジア系学生との調和を保つよう呼びかけた。

(4月19日8時1分配信 産経新聞)


◆記事2:<イラク>バグダッドの4カ所で爆弾テロ 死者200人近く

【カイロ高橋宗男】イラクの首都バグダッドで18日に続発した爆弾テロは、

イスラム教シーア派地区サドリヤ地区の死者が約140人に増加し、

単独のテロとしては03年3月のイラク開戦以来最悪の被害を記録した。

ロイター通信が伝えた。その他3件の爆弾テロの死者を加えると計200人近くに達し、

駐留米軍などによる大規模な掃討作戦の実効性に疑問を突きつけた。

サドリヤ地区の市場では今年2月3日に死者137人を出すテロが起きたばかり。

今回は復旧工事に携わる労働者が多数巻き込まれた。

また、バグダッド北東部のシーア派人口密集地サドルシティーの検問所でも自爆テロがあり、

AP通信によると33人が死亡。中心部の病院付近で駐車中の自動車が爆発したほか、

小型バスの車内でも爆弾が爆発し、女性や子供も巻き込まれた。

現地からの情報によるとマリキ首相は事件後、襲撃者らを「吸血鬼」や「悪魔の兵士」になぞらえ厳しく非難。

サドリヤ地区の治安維持に失敗した責任を問うため、同地区のイラク軍司令官の逮捕を命じたという。


◆32人の死を悼むのはいいが、アメリカがイラクを引っかき回した結果、30,000人以上のイラク人が死んでるんですがね。

バージニア工科大学の乱射事件で犠牲になった学生たちは何も悪いことをしていないのに、

異常に自己愛の強い様子が見て取れる、犯人の身勝手な行動により、若い命を落としたのであり、これは勿論気の毒だ。

しかしながら、米国がこの事件をものすごい悲劇として扱うのに、自らが起こしたイラク戦争後のイラク国内の混乱により、

毎日のように、これぐらい(数十人、という意味)の無辜の民が、テロの犠牲になっていることには、気が付かないのだろうか。

それとも、見て見ぬふりをしているのだろうか。

アメリカ人の32人の死は世界的悲劇だが、30,000人のイラク人の死はどうでもいいのだろうか?

乱射事件の後に、イラクでは記事2で報道されているように、テロで200人近くの死者が出ている。

そのことには、何のコメントも無いのか。イラクの今のカオス状態を作ったのは米国なのだ。

バージニア州知事の「世界中がバージニアの悲劇に注目している」との言葉は、全くウソではないが、

アメリカ人の命だけが大切なわけではない、という言うまでもない当然のことを、

アメリカ合衆国大統領及びアメリカ市民に、思い出していただきたいものである。

◆今日の音楽:ヴィヴァルディ「4つのバイオリンの為の協奏曲」第一楽章

今日がヴィヴァルディの特別な日でもなんでもないのですがね。

たまたま聴きたくなったのです。

四つのバイオリンの為の協奏曲ってのは、他に知らないですね。

ヴィヴァルディといえば、「四季」ですけどね。あれは、ちょっとね。耳にタコが出来てるもので・・・。

この曲、何ともいえず切なくていいです。音が大きかったら、ボリューム絞ってください。






えーと。四人が同時に音を出しているところもありますが、メロディをリレーのように受け渡して弾いていくところがあるわけですね。

ステレオですから、音がきこえる方向で、違う奏者が弾いていることはわかりますが、バトンタッチのところが全く違和感がない、

というのが、さすがプロですね。

なお、バッハはこの曲をそっくり拝借して、「四台のチェンバロの為の協奏曲」をかいています。

バッハは結構、ヴィヴァルディの作品を使わせて貰ってます。この次、チェンバロ版もお聴かせしたいと思います。

それでは、また。

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2007.04.19

「長崎市長銃弾に斃れる。」言論を暴力で封じようとする奴は、その時点で負けたのだ。/ウィーンフィル、小学校で演奏

◆記事:長崎市長が死亡=銃撃で大量出血、意識戻らず-組幹部関係先を捜索・県警

伊藤一長・長崎市長(61)が銃撃された事件で、同市長は18日午前2時28分、

銃創による大量出血のため搬送先の長崎大学付属病院で死亡した。

長崎署捜査本部は同日、殺人未遂の現行犯で逮捕した指定暴力団山口組水心会会長代行、

城尾哲弥容疑者(59)の容疑を殺人に切り替え、本格的に動機を追及するとともに、関係先を家宅捜索した。

同容疑者は市道工事現場での自動車事故に対する市の対応に不満を持っていたといい、捜査本部は事件との関連を調べる。


◆コメント:不満があるごとに人を殺すのか。このバカ。

標題には「言論を暴力で封じようとする奴」と書いたが、実は今回はそれよりももっと次元が低い。

思想的な対立を動機とする殺人を「暗殺」という。

思想が合わない他人を暗殺する奴は、頭が悪い。

相手を議論で論破出来ないから、物理的にこの世から消してしまおうということだ。

だから、暗殺犯は負けているのだ。バカなのだ。


今日は、多分どこかのブログでヴォルテール(と長らく言われていたが、実は別の人物の言葉らしい)の

「私は、貴方の意見には全く賛成できないが、貴方がそれを主張する権利は命を賭けても守るつもりです」

という言葉を引用している人がいるだろうが、今回の市長殺害はそんなレベルではない。

それが一層、我々をやりきれない気持にさせる。こんな、下らない奴に殺された、伊藤市長が気の毒でならぬ。

山口組系のヤクザは、「市の対応に不満があった」といっているそうだが、

いくらヤクザと言えどもそんなことで、割の合わない殺しをするとは思えない。

周知のとおり、ヤクザと政治家、右翼はウラでつながっている。

真相を究明するのは、難しいかも知れぬが、可能性はある。


国民投票法案が決まったり、リベラルな人物が右翼に殺されたり、ヤバいよ。

60数年前の戦争が始まる前の世相に似ている。


◆特に若い皆さん、歴史を読んで下さい。

一冊に絞るなら、阿川弘之氏の米内光政

出来れば、山本五十六(上)(下)も。

世の中が狂気じみてくると、如何に合理的なことを冷静に主張しても、無駄か。

しかし、それでも、世の中全体が「鬼畜米英」なんて言っているなかで、この海軍の軍人は命を賭けて戦争に反対した。

一番、頑固なのは、井上成美(しげよし)という人ですけどね。

一冊だけ、といいつつ三冊挙げたが、これぐらいは読んでおいた方が良い。

謹んで、伊藤・長崎市長のご冥福を祈る。


◆記事2:ウィーン・フィルが児童の前で演奏会 東京・品川区立小

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーが11日、東京都品川区立第三日野小を訪ね、世界最高峰の演奏を披露した。

トランペットやバイオリン奏者など6人が、4~6年の約180人と保護者たちを前に、

アンダーソンの「トランペット吹きの休日」や、オーストリアと日本の子どもの歌をメドレーで演奏。

「たきび」など日本の童謡が流れると、子どもたちは大きな声で歌った。

6年の白岩ともみさん(11)は

「トランペットの音がポーンと突き抜けるように響いて、感動した。世界のすごい人たちが、自分たちの学校に来るなんてうれしい」

と大喜びだった。

このコンサートは、トヨタ創立70周年の記念演奏会で来日したウィーン・フィルが開いた。


◆コメント:日本一幸せな小学生だ。

東京の公立小学校、中学校では、音楽教室と称して、一度は生のオーケストラを聴くというカリキュラムがある。

私の時代から、すでにあった。

ところが、こういう時に聴く「オーケストラ」は、全然バラバラの寄せ集めの音楽家がその日に初めて集まって臨時に編成し、

全く練習しない(ブッツケ、という)で演るのだ。降り番のオーケストラ奏者やフリーの奏者のアルバイトなのだ。

ときどき、N響や日本フィル、新日フィルの降り番の上手い人たち、という組み合わせだと、良い演奏が聴けるが、

ひどいの当たると、本当にひどい。

東京都が予算をケチって、まともなオーケストラ(N響とか、都響とか)を頼まないからこういう事になるのである。

このときの演奏があまりにひどくて、「クラシックはつまらない」と思ってしまう者も多い。


音楽でも絵でも、文学でも、芝居でも、

初期の段階から一流に触れさせること

が、極めて大切である。

初めに良いものを聴いたり見たりすれば、理屈抜きで、「本当に優れたもの」とそうでないものの違いが自ずとわかるようになる。

この小学生は幸せだ。もちろん、全ての人間が音楽好きにならなくても良いのだが、

少なくともこの小学生の中の何人かは、この日のことを、一生忘れないだろう。


◆【音楽】スッペの誕生日(18日)なのです。

私は、小学校5年の時、「音楽教室」でたまたま非常に良い演奏を聴くことが出来た。

後から思うと殆どがN響の人だった。

そして、スッペの「軽騎兵序曲」とロッシーニ「ウィリアム・テル序曲」がプログラムに含まれていた。

私は、そのときのトランペットの音、オーケストラの響きにひどく興奮した。

トランペットの音の、何たる輝き! オーケストラの響きの圧倒的な迫力に深く心を動かされた。

自分もあの楽器を吹きたい、と思った。それが、ラッパを習い始めた発端なのです。

今日は、その、喜歌劇「軽騎兵」序曲を、品川の小学校に行ってくれた、世界の頂点に君臨するオーケストラの演奏でお聴き下さい。







いやあ、「軽騎兵」を聴いて、目頭が熱くなるとは思わなかったです。

あの頃の自分を思い出したのです。

それでは、また。


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2007.04.18

ご心配をおかけして済みません。新しいPCに移行中なのです。

◆数々のコメント、メールを頂戴し、有難うございます。

15日に「満五年になります」と書いて以来、更新していませんが、

多くの有難いコメント、メールを頂戴して感激しております。

少しでも早く、お返事申し上げたいのですが、

実は折悪しく、新しいPCを買ったところなのです。

そちらに、環境、データの移行など行っているのですが、これに結構手間取りまして、

それが、更新が滞っている原因でございます。体調を崩したりしたわけではございません。

ご心配下さる方もおられて恐縮です。のちほど、改めてお礼を書かせていただきますが、

とりあえず、状況報告だけでも、と思いまして(これは、ようやく新しいパソコンが使えるようになったので、それで書いてます)。

非常に簡単で済みませんが、時間の都合もありますので、今は、これにて失礼申し上げます。

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2007.04.16

日記を書き始めて、今日(15日)で満五年になります。ご愛読ありがとうございます。

◆昨年、「満4年」と書いてしまったのですが・・・・。

昨年の今日も同じようなことを書いています。昨年が4年なら、今年で5年になるのは当たり前で、

どうせなら、キリがいい五年目で書けば良かったですね。


ただ、実を言うと、昨年の今頃は、まだ小泉純一郎が首相だったわけで、あのニヤケた無責任な宰相と、

その悪政に気付かない世論にいい加減嫌気がさしておりまして、

「もう、いい加減、(日記・ブログ共に)止めようかな」

などと思っておりました。

だとすると、最後の「○周年記念日」になるかも知れない、と考えて、四年目という中途半端なタイミングで

ご挨拶したのです。


◆エンピツで書き始めた理由

エンピツに登録したのが、2002年4月15日(月)です。

この当時は「ブログ」という言葉は殆ど知られておりませんでした。

またそういうサービスもなかったのです。

多くの、マメな方は、自分のサイトを持ち、その一部としてこのようなレンタル日記サービス、レンタル掲示板サービスを用いていました。

生来ずぼらな私は、HTMLタグを覚えたりするのはまっぴらご免で、日記だけで充分でした。

最初は特に書きたい事があったわけではない。

「ちょっと試しにやってみるか」、という、好奇心だけでした。

日記だけでも、この愛嬌のないデザイン(と言うほどじゃない。「配色」ですな)を変えていません。面倒くさいからです。

日記だけでも、といっても、2002年4月から9月までは全然、何を書いたらよいか分からず、一ヶ月に四回か五回しか書いていません。


◆小柴、田中両氏のノーベル賞から、何故か俄然、書き始めたのです。

2002年10月8日に小柴先生がノーベル物理学賞、2日後、なんとサラリーマン研究者で博士号すらもっていない田中耕一さんがノーベル化学賞を

受賞して、すっかり私は興奮しました。しかし、同時にテレビがご両人を報ずる姿勢に「優れた人、仕事にたいする畏敬の念」が無いことに、

義憤を覚えました。その辺りからです。真面目に書き始めたのは。


◆「あること」(Sein=ザイン)ではなく「あるべきこと」(Sollen=ゾレン)を書く。

ドイツ語です。英語だとそれぞれ、“be"と“ought to”というそうです。

大学で教わったのをたまたま覚えているだけなんです。

私は法学部でしたが、あるとき、ある教授が、

「法律を学ぶのは、条文を覚える事じゃない。世の中はどうある『べき』か、を考えるのだ」

と言われたのです。教授は、
「どうすれば世の中から、少しでも不幸な人が減り、幸せな人が増えるのか、それをいつも考えろ」

とも言われました。生来単純な私は、こういう言葉にすぐに感動してしまいます。

しかし、今から考えても教授の言葉は正しい。

「何だか自民党が大勝しそうだね。うんそうだね。どうなるんだろうね。やれやれ。」

と物事ありのままを書くのが「Sein」。

私はそれでは、嫌なのです。

「小泉に勝たせるべきではない(勿論、きちんとした論理的な理由の下に)」、という書き方をしてきました。

「Sollen」ですね。

「どうあるべきか」を明確に書く、という点においては、全国紙の社説よりよほどはっきり書いているつもりです。


◆内容に一貫性を持たせる。

一貫性を持たせる、というのも変ですね。

要するに私の基本的思想が一貫しているならば、文章も一貫性を持つでしょう。

長い間お付き合いいただいている方にはお分かり頂けるのではないかと思いますが、

たとえば、憲法9条に関係する事柄を例に挙げると、私はずーっと、

イラク戦争は、国際法上違法である。

それを支持した小泉政権は間違っている。

イラクへの自衛隊派遣は集団的自衛権の行使であり違憲である。

これらのことをやってしまった小泉元首相。及び彼を支持した有権者は間違っている。

それに付随することとして、憲法9条を「改悪」してはならぬ。

集団的自衛権は絶対認めるべきではない。

という意見を変えておりません。

先日もちょっと愚痴っぽく書きましたが、2005年9月11日衆議院選挙(郵政民営化選挙ですよ)。

私はそのまえ、ずっと小泉首相の主張、行動の何処が間違っているか、を書き続けていましたが、

その間に反論のメールはただの一通もなかったのです。

ところが、開票結果が小泉率いる自民党の大勝でした。

こういうときに、数に圧倒されて、思想が変わるようでは、思想とは言えません。

私は、「自民党に投票した有権者の判断は間違っている」と書きました。


そうしたら、それまで何も言っていなかった、多くの方から嫌がらせメール、コメントの書き込みがありました。

あれは、卑怯ですよね。結果だけみて、勝った方に付く、というのは。

人間、思考の柔軟性も必要ですが、こういうときにフラフラ考えが変わるのは思想がないことだと思います。

私は今でも、あの時の小泉氏の衆院解散は間違っているし、刺客を送ったことも、間違っているし、

そういう小泉を支持した有権者は間違っていたと思います。


◆何度でも書く。

私は、同じ事を何十回も書いています。

イラク戦争が国際法上、違法行為であること。

集団的j自衛権とは何か。何故、それを許してはいけないのか。

同じ事を書くのだから、簡単だろうと思われるかも知れませんが、結構しんどいものです。

何故、繰り返すかというと、そうしなければ読んで下さる方々の記憶に残らないからです。

私は、何十回も書いていますので、寝言でもいえますが、世の人々はそういうことにさほど関心がないのですから、

一回ちらりと読んだだけではわすれてしまいます。

勿論、その方が再びこの日記を読みに来て下さるかどうかは分かりません。

しかし、毎日、「初めて」の読者もいらっしゃる。出来るだけ多くの人に自分の思想を訴えたかったら、

繰り返さないと、ダメだと思っています。愚直の一念ですね。(笑)



駄文ばかりではございますが、今後ともよろしくお付き合いのほど、

お願い申し上げます。


◆初めてブログに載せた音楽を。

日記でもブログ(2004年11月開始)でも音楽のことは、随分いろいろ書き、お薦めCDも数多く挙げて来ましたが、

やはり、音楽ですから、聴いていただくのが一番、ということで、昨年、突如やり方が分かり、ブログで短めの曲を

御紹介しています。

これは、「JIROの独断的日記」では比較的最近始まったことですが、

今日は、一番最初に聴いていただいた、

「マスカーニ作曲、歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲」をもう一度。





私は、一体この曲を何百回聴いたか全然分からないほどなのですが、それでも、聴くと胸が締め付けられるような思いがします。

「美しさ」とはこういうものだな、と、いつも思います。

それでは。

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2007.04.14

「国民投票、早くて4年後=有効投票の過半数で改憲」←「改憲の手続きを決めるだけ」といっていますけどね・・・・。

◆記事:国民投票、早くて4年後=有効投票の過半数で改憲

国民投票法案が今国会で成立しても、施行は「公布から3年後」と定められている。

さらに憲法改正案の審議や周知などに1年程度かかるため、国民投票の実施は2011年の秋以降となる。

国民投票法案のうち国会法にかかわる部分は先行して施行され、秋に予定される臨時国会から衆参両院に憲法審査会が常設される。

ただ、国民投票法施行までは改憲案の審議や提出は禁じられており、この間は改憲に関する調査を行う。

改憲原案は衆院なら100人以上、参院なら50人以上の賛成者を集めて国会提出する。

憲法審査会で過半数、本会議で3分の2以上の賛成が衆参両院で得られれば、国会が改憲を発議する。


◆コメント:確かに実際は無理だと思いますが、法案自体がけしからんのです。

国民投票法案、憲法改正の手続きを定める法案。

こんな大事な法案を強硬採決するということは、議会制民主主義ではないな。日本は。

安倍晋三内閣総理大臣の頭の中で「美しい」とはどういう概念なんでしょうね。


◆実際に改憲まで持って行けないと思いますよ。

これは私の予想でしかないけれど、政治評論家みたいな書き方をするならば、

国民投票法案を採決に持っていくだけで、国会は滅茶苦茶に揉めたのです。

時事通信の記事にあるとおり、投票は最も早くて四年後。

一番憲法を変えたがっているのは、御存知安倍晋三内閣総理大臣。

四年後、まだ、安倍さんが総理でしょうかね・・・。


それから、手続き。一体何回採決しないといけないのか。

時事通信のサイトに図が載っていましたので、そのサイトのキャッシュを、

いつものようにウェブ魚拓で保存しました。見て下さい。

http://megalodon.jp/?url=http://www.jiji.com/jc/c%3fg%3dpol_30%26k%3d2007041300614&date=20070413230741

衆参両院の憲法審査会、本会議、両院協議会。勿論いきなり採決なんかできないので、

長い質疑応答があるでしょう。与党がいつまでも絶対安定多数を維持できるかどうかも分かりません。

しかし、そういう「実現可能性」は別の話で、「国民投票法案」自体がペテンみたいな法律です。


◆国民投票法案の問題点。インチキですよ。こんなの。

国民投票法案は、与党は「手続きを決めるだけだから」といってますけどね。

内容に大きな問題があるのです。

同法案では国民投票は「関連する事項ごとの投票」となっている。
たとえば、「自衛権の行使に賛成か反対か?」と来るわけです。

そう訊かれても困るのです。

例えば、私は、常々書いているとおり、

「個別的自衛権の行使は国民の平和的生存権を守る為ならば許されるが、集団的自衛権は絶対に認められない」

と考えていますが、国民投票法案では、「関連した事項をまとめ」てしまうので、

私や、私と同じ考え方をする人は、思想を投票に反映させることが出来ないのです。

与党は、「条文ごとの投票では話が複雑になりすぎて国民がついてこれない」

と説明していますが、これじゃ、ペテンじゃないですか。
「はいはい。分かんない人はね。与党の言う通りに投票すれば、良いからね。」

ということです。国民が付いてこられない状態で憲法を改正するなんてとんでもない。


◆私も、憲法改「正」なら賛成ですよ。

私は憲法改正、即ち「正しく改める」のなら、賛成ですよ。

それはどういうことかというと、戦争放棄を更に厳しくするのです。

今の9条は、甘い。

これは、以前、書いたのですが、思想は同じなので、又載せます。

【JIROの憲法改正草案】(注:憲法9条に追加する)

第9条第3項 (集団的自衛権行使の禁止)

我が国が、他国から、武力による威嚇、また、武力の行使を受けていないとき、日本と軍事同盟関係又は緊密な関係にある他国が、第3国から武力攻撃を受けた際、

または、第3国と戦争状態に陥った際に、これを我が国への武力攻撃と同一視し、或いは我が国が戦争状態に陥ったと見なし、同盟国を支援することを「集団的自衛権」の行使と定義し、

我が国の「集団的自衛権」の行使は、永久にこれを認めない。

なお、「同盟国を支援すること」とは、直接的な武力行使のみならず、

戦争状態の同盟国に対する後方支援、同盟国が第3国を攻撃する際に有利となる軍事的その他の情報の提供をも含む。

第4項(核兵器の製造、保有等の禁止)

我が国が、核兵器を製造・保有すること、核兵器又は、その部品、原料となる物資を製造し、他国に提供すること、

核兵器を保有する同盟国が核兵器を用いて第3国を攻撃する場合の拠点として、我が国領土内の施設利用を許可することは、永久にこれを認めない。

第5項(9条不可侵の原則)本条の各項の変更は、96条(憲法改正の手続き)にかかわらず、永久にこれを認めない。

人間の思考は硬直的でして、憲法9条を改正するといったら99%の人は「戦争放棄」「戦力の不保持」を止める、つまり危ない方向を想像しますが、

このように、逆の発想もあるわけです。


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2007.04.12

「がっかり、怒り覚えた」=落胆隠せぬ向井さん夫妻-最高裁決定受け・代理出産←欲の深い人ですなあ。

◆記事:「がっかり、怒り覚えた」=落胆隠せぬ向井さん夫妻-最高裁決定受け・代理出産

代理出産で生まれた双子の男児との親子関係を認めなかった先月23日の最高裁決定を受け、

タレント向井亜紀さん(42)が11日、夫の元プロレスラー高田延彦さん(44)とともに東京都港区のホテルで記者会見し、

「決定文を何回も読んだ。がっかりしたし、怒りも覚えた」と落胆を隠せない様子で語った。

高田さんを父として日本国籍を取得する出生届は提出せず、当面米国籍のまま育てるという。



向井さんによると、出生届は同日が提出期限とされたが、母親の欄は代理出産した米国人女性としなければならない。

女性との契約などで、母親と記載することはできないため、提出を断念した。

最高裁決定では3裁判官が補足意見で「特別養子縁組」の可能性を指摘した。

しかし、女性との契約問題などがあり、ハードルが高いことが分かったという。

向井さんは「せっかくの指摘なのに、家裁で『大ざっぱなアドバイス』と言われた」と話した。

向井さんは「時間と労力を掛けたスケールの大きな社会科見学だった。得るものはなかった」ときっぱり。

高田さんは「(親子関係を認めた)高裁の決定は、死ぬまでお守りであり、宝物。

(最高裁で破棄されても)幻ではない」と述べた。  (4月11日17時32分配信 時事通信)


◆コメント:まず、自分が命を失わなかっただけでも、有難いと思うべきなのです。

このような下世話な話を取り上げるのは、「JIROの独断的日記」としては不本意ですが、

実は、私は以前から、この向井亜紀という人の言動の無神経さに腹が立っていたので、書いてしまいます。


そもそも、この人は、妊娠中に子宮頸癌が見つかり、子供を諦めて子宮全摘したのですな。

たしかに、それは辛かったでしょう。

だが、とにかく、子宮癌が転移していたのかいなかったのか知らないが、命が助かった訳です。

世の中には、子供も失い、自分も癌が再発して亡くなってしまった若い女性が大勢いるのです。

それを考えたら、向井さんは、自分が生きていられることを「有難い」と思うべきなのです。

だけど、この人はその話を本に書いて、テレビドラマにして、ゼニを稼いでいる。

この段階で、私はちょっと驚いた。はっきり言って、ずうずうしいと思います。

芸能人(それも大したタレントじゃないだろう)とは、そんなに特別な人ですか?


◆代理出産費用二千万円を「意外と安くて良かった」と言う無神経。

言うまでもなく、世間には子供が欲しいけどできない人が大勢います。

不妊治療というのは、辛いものだそうですね。

庶民はそれでも、結局子供が出来ないご夫婦が大勢おられる。

代理出産という手段があることはあるが、一般のカタギの人々は二千万を工面することなど出来ないのです。

それぐらい、少し考えれば分かりそうなものですが、向井さんは

「意外と(二千万と)安いので、助かりました」

という趣旨の発言をしましたね。

こういうのを、「無神経」といいます。


◆兎にも角にも代理出産で子供をさずかったのに、裁判所に怒りを覚えるとは傲慢だ。

復習すると、

1.向井さんは本来ガンで死んでいてもおかしくないのに、助かっただけでも充分好運だ。

2.子宮全摘したら、一般人はもはや諦めるしかないのに、偶々カネがあったから、外国で代理出産により、子供を得た。ものすごく好運だ。

ということです。

ところが、向井さんは自分が如何に恵まれているか。を分かっていないので、見ていてイライラするわけです。

日本の法律(民法、戸籍法)は向井さんが代理出産を試みる以前から存在していますが、このような事態を想定していません。

向井さんが代理出産で子供を得たからと言って、社会全体に影響を及ぼすルールである「法律」を急に作る訳にはいきません。

そして、法律を作るのは立法府、つまり国会であって、裁判所ではないのですから、
最高裁の決定に

「怒りを覚える」

というのは、無茶な話です。



◆誰も全てを手に入れることは出来ないのです。

同じ事を何度も繰り返し書いて恐縮ですが、普通ならば、子宮全摘で、全てを諦める。

下手すれば転移して死んでる。


人間、全てを手に入れることは出来ないのです。

向井さんは、そこそこの容姿を持って医者の娘として裕福な家庭に生まれ、

タレントとして、チヤホヤされ、プロレスラーのダンナと結婚して経済的な不安はなく、

ガンで失ったかも知れない命を失わずに済み、

本来諦めなければならない子供まで、手に入れた。

ここまでで充分幸福なのです。感謝すべきです。

あんまり欲深ではいけませんよ。

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2007.04.11

「学生自殺『指導に問題』=ゼミ担当准教授を免職-高崎経済大学」←どうして先生が悪いのだ?

◆記事:学生自殺「指導に問題」=ゼミ担当准教授を免職-高崎経済大学

群馬県高崎市の市立高崎経済大学(木暮至学長)経済学部2年の女子学生=当時(20)=が自殺したのは

強圧的な指導に要因があったとして、同大がゼミ指導担当の男性准教授(38)を懲戒免職処分にしていたことが10日、分かった。



同大によると、女子学生は昨年6月ごろからゼミに参加。准教授はゼミに参加している学生に新聞社説を要約するなどの課題を出し、

提出期限を今年1月15日に設定。提出できない場合は「即留年」と女子学生にメールなどで通告していた。



女子学生は1月15日までに提出できず、准教授に「留年すると分かっています。人生もやめます」とメールを送信し、

同日夜、同県みどり市の橋から渡良瀬川に身を投げて自殺した。

同大は1月末、調査委員会を設置。准教授やゼミ学生らから事情を聴くなどし、

「准教授の指導過程に大きな要因があった」と結論付けた。

准教授は「調査結果は納得できない。間違ったことはしていない」と反論しているという。

 (4月10日12時1分配信 時事通信)


◆コメント:このごろの子は「叱られ」たことがないのだろうか?

曲がりなりにも、人ひとりの死を報じたニュースに対するコメントとしては冷酷であることを承知で書く。

学生が悪い。先生は悪くない。

大学へ通う。ゼミを取る。レポートの課題が出る。締め切りは決まっている。

何もおかしいことはない。

学生は、先生に督促されるまでもなく、締め切りまでにレポートを提出するのが当たり前なのである。

このゼミ担当准教授は

「提出できない場合は即留年」などと女子学生にメールを出していた

というが、親切じゃないか。中学生の宿題じゃあるまいし。

大学なら、教授は締め切り日にレポートを出さない学生は黙って「不可」にしていいのだ。

何も文句を言えない。学生だろ?当然だ。



しかも、「独自の学説を展開しろ」というような、高度な課題ではない。

「新聞の要約」だ。出来ない方が悪い。レポートを出さなかった方が悪い。

さらに、死者に鞭打つことになるのも承知で書くが、「留年」ぐらいで自殺するか?

弱すぎるよ。

私は、この先生は、全然悪いことをしていないと思う。これでクビはひどい。反論するのは当然だ。


◆叱られると泣き出し、辞めてしまう新入社員の男の子がいるのだ。

この頃の子は打たれ弱い、という傾向は確かに、ある。

私の所属する組織でも、新入職員の男の子を叱ると泣き出すのだそうだ。男の子ですよ?

会社の同期で、いま、現場の管理職をしている奴が、真剣に困っていた。

一回叱っただけで、辞めてしまう奴までいるという。

そんなことでこれから何十年も、どうするのだ。


◆親が子供の顔色を窺って、叱らないから、こうなるのだ。

どうしてこうなったかというと、親が子を、叱るべきときに、真剣に叱らないからだ、と思う。


昔、親は本来圧倒的なものだった。理屈もへったくれもない。特に親父がそうだった。

私など、比較的「いい子」だったから、それほど怒鳴られた方ではないけれど、

それでも、ときどき、わがままなことを言ったりすると、親父は怖かったぜえ。

ホントに、「地震、雷、火事、親父」だったよ。

その上の世代はさらに怖かった。予備校の時の古文の先生が話してくださったが、

やはり子どもの頃、親父さんに「だって・・・・」と言ったら、

「親に向かって『だって』とはなんだ!」

と、怒鳴られ、殴られた、というからね。

今の若い人は、この意味が分からないのではないか。「親に向かって『だって』とはなんだ」とは、

「親に口答えするな」

という意味である。

親父は絶対だったのである。ただ、それだけ親父の責任も重かった訳だ。

それにひきかえ、今の親はなんですか。

親が子供の顔色を見て機嫌を取るからつけあがるのだ。

今年、大学入試の様子をテレビで見て、あたしゃ、ひっくり返りそうになったよ。

大学入試に親が付いてくるのだ!しかも、両親!しかも、試験中ずっと待っている!

世も末だ。


◆学生諸君、シャバ(娑婆=社会)は、厳しいからね。覚悟しなさいね。

学生はいくらきついといっても、所詮、「自分が」留年するだけ。

会社ってところは、働いてお金をもらうところだからね?わかっとるね?今の厳しさどころじゃないよ。

今は、嫌いな奴とは口を利かなければいいだろ?

会社に入ったら、嫌いな奴(それがしばしば上司だったりするんだよ)と毎日顔を合わせて、

口を利かなければいけないのだからね。

おどかしている訳じゃない。本当のことをありのままに書いている。

死んだ学生さんには悪いが、留年で自殺してはいかん。

そんなことじゃ、シャバ(社会、という意味です)に出たら命がいくつあっても足りない。


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2007.04.10

最近、騒がれたニュースのその後。「イージス艦情報」「米国産牛」

◆イージス艦情報漏洩

また、陸上自衛隊からウィニー経由で情報漏洩があったんです。今日(4月9日)。

◆記事:<陸自>内部資料ウィニーで流出 千葉・松戸駐屯地

陸上自衛隊松戸駐屯地の銃器などを保管する武器庫の内部資料が隊員のパソコンから

ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介してインターネット上に流出していることが分かった。

流出したのは、現在陸自下志津駐屯地で通信整備を担当する2等陸曹が松戸駐屯地に勤務していた時期に当たる00~05年ごろの資料。

(4月9日22時44分配信 毎日新聞)



◆コメント:誰が責任取るの?

もう、あきれてものが言えないのですが、皆無関心で怒らないから、

政治家、役人、軍人(は、日本にはいないんですよ。自衛官ね。)にナメられるのではないでしょうか?

混同しないでいただきたいが、先日イージス艦の機密情報を洩らしたのは海上自衛隊。

今日、明らかになったのは陸上自衛隊です。


イージス艦情報もれは、要するに中国人の色仕掛けだったのだろうということを、

産経新聞が、私はこの人物を知りませんが、防衛関係の知識を持つジャーナリストにインタビューしたものをまとめているので、

その一部を載せます。

◆記事:イージス情報持ち出し 中国籍2曹の妻、ハニートラップ? 加藤昭氏指摘

海上自衛隊の護衛艦「しらね」乗組員の2等海曹(33)がイージス艦の秘密情報を持ち出した問題で、

大宅賞ジャーナリストの加藤昭氏は7日付の夕刊紙「夕刊フジ」で、2曹の中国籍の妻(33)が、

男性を誘惑して情報を入手する「ハニートラップ」を仕掛けていた可能性を指摘した。

加藤氏のリポートによると、福建省出身の「陳」と称する2曹の妻は、昨年12月に自らオーバーステイだとして入国管理局に出頭した際、

「すべて終わった」と語った。防衛省幹部はこの言葉の意味を、

「日本の機密情報管理の甘さをあざ笑い、『イージス艦情報はもらった』と任務完了を宣言したのではないか」と推測している。

(4月7日8時0分配信 産経新聞)


◆コメント:だから国辱だっていうのですよ。

こんなの、中国人女性が接近してきた段階で怪しいと思わなければならないのは、

ごくありふれたスパイ小説を読んでも分かることなのに、まんまと引っかかったのだとすると、

新聞が書いているとおり、さぞや日本の情報管理の甘さをあざわらっていることでしょう。


それだけなら、日本が恥をかいて済むことですが、

非常にやばいのは、イージスシステムという軍事技術はアメリカが開発したものなので、アメリカに何と言い訳するかです。

素直に過ちを認めれば許してくれる、というのは日本社会の常識であって、

欧米人に「すみません」と一言いってしまったら、相手はぐいぐい詰めてくるのは、目に見えている。

どうするのですか?首相?


◆米国産牛肉:また条件違反があったことを知っていますか?

一ヶ月以上前になりますが、米国産牛肉を使ったとみられるソーセージが、見つかりました。

米国産牛肉の加工食品は、特定危険部位が混じっているかもしれないので、日本への輸出は認められていません。

◆記事:米国産牛肉使用疑いのソーセージ見つかる 神戸港

農水省は二日、米国から神戸港に二月二十日に到着した貨物の中から、米国産牛肉を使用している疑いのあるソーセージが混入していたと発表した。

米国からの牛肉加工品は現在、いっさい輸入が認められていない。

農水省は、出荷したジョバーズ・ミート・パッキング社(カリフォルニア州)からの輸入手続きを停止した。

見つかったのは、商品名に「ノー・ビーフ(牛肉なし)」「ポーク(豚肉)サラミ」とそれぞれ明記された二種類のソーセージ、計百八十八箱(約一・三トン)。

いずれも原材料欄には「ビーフ(牛肉)」と書かれており、米産牛肉が使用されている可能性があるという。

同時に輸入された七面鳥や豚ハムなど計十五品目、九百二十箱もすべて調べたが、ほかに「牛肉」の記載はなかった。

問題のソーセージは、二種類とも対日輸出の際に添付される米農務省発行の衛生証明書に記載されていた。

農水省は米側に対し、禁止されている牛肉加工品が同証明書に記載された経緯や実際に牛肉が使われているかなど、詳しい調査を要請している。

米産牛肉をめぐっては、月齢制限を超過した疑いのある牛肉が見つかり、出荷した食肉処理施設からの輸入が先月止められた。(2007/03/03 神戸新聞)

こういう事を何度でも平気でやるわけです。全面禁輸にすべきです。

ところが、曖昧なまま断固たる措置を取らないので、続いてこういうことが起きました。
◆記事:証明書のない米国産牛タン、誤って日本に輸出

厚生労働省と農林水産省は6日、神戸港に3月20日到着した米国産牛肉に対日輸出条件の「生後20か月以下」

を示す米国政府発行の証明書が添付されていない牛タン(4箱、24キロ・グラム)が見つかったと発表した。

米国側は6日、「日本向けではない牛タンを誤って輸出した」と日本側に回答している。

両省は、日米で取り決めた貿易条件違反の疑いがあるとして、

出荷した米カーギル社ドッジシティー工場(カンザス州)からの牛肉輸入を一時停止した。

(4月6日14時19分配信 読売新聞)

このように、ガイジンってのは、はっきり「ノー」と言わないと、

こちらが承諾しているもの、気にしていないものと見なすのです。

本当は神経質なことをしっていても、とにかく言わなければダメなんです。

イージス艦と牛肉は関係ないけど、イージス艦のことでアメリカから責められたら、
「お前らこそ約束を一体何度破ったのだ。こちらは過失。そっちは故意だろう」

と、日本人の常識では無茶苦茶ですが、それぐらい「主張」してちょうどいい。

それが「ガイジン」を相手にする、と言うことです。

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2007.04.08

チャイコフスキーの5番のサワリを予めお聴かせします。(若干加筆)/【追加】お薦めCD

◆「悲愴」よりも気に入る人が多いかも知れません。

チャイコフスキーは交響曲を6曲書いていますが、最後の作品だけ「悲愴」という通称があるので有名です。

あれも名曲なのですが、実際に聴いて見ると、普通シンフォニーは最後に向けてクライマックスを迎えるのに、

「悲愴」は第3楽章が非常に景気の良いマーチで、フォルティッシモで終わるのに、それに続く終楽章は、如何にも「悲愴」で、

しんみりしてしまいます。

これに対して、5番はホ短調で、最初は暗く、最後が一番派手になるので、人間の生理にしっくり来ます。


◆第一楽章はこんな感じです。

第一楽章は、クラリネットの低音(無論、他の楽器も音を出しています)で始まります。

あたかもロシアの寒そうな気候、憂鬱そうな気分を表現しているのかのようです。





ジトーっとしてますね。

クラリネットは表現力の豊かな楽器で、かつ音域によって音色がことなるのが特徴です。



さて、しかし、暗いままではない。ホ短調の楽章、「短調」だから寂しげではありますが、やがて、やや、颯爽とした気配が出る。




寒空の下、背筋をピンと伸ばして、歩いてゆく感じです。

さらに、これがどんどん盛り上がってゆきます。こういうのが、チャイコフスキーは上手いのです。

少し、ボリュームを強めにした方が良いかもしれません。





この楽章の始まりは、すでに過去のこと。

華やかに金管とティンパニが鳴り渡ります。


◆第二楽章 長いホルンソロで有名。

第二楽章は、短い序奏のあと、一番ホルン奏者の長いソロがあります。

テンポは速くないけれども、何しろ、「ソロで」「長い」と来たら、どんな奏者でも緊張します。

昔、チャイコフスキーの五番は、レコードによっては、

「第二楽章・ホルンソロ、誰それ」

とわざわざジャケットに書いてあったほどです。

そのホルンソロのサワリをどうぞ。





こういう、テンポが遅いソロは怖いのです。やたらと早くて細かい動きなら、一音ぐらい間違えてもごまかせますが、

これだと、間違えたらごまかしようが無いでしょう?

楽器はテンポが速すぎても、遅くても、それなりに難しいです。


◆第四楽章(フィナーレ)。どんどん盛り上がります。

最初は弦楽器がずばり、主題を提示します。





弦楽器の表現力はまことに多彩です。「壊れそうな繊細」さ、から、

このような、「力強さ」まであらゆる表現が可能です。

次も同様です。だいぶ曲の終わりに近づいたところです。






このバイオリンの奏でる堂々たる響き。美しく澄んだひびきですが、勇気が湧いてきます。

ところでこれ、一番最初のあの暗いクラリネットのメロディーが長調になったもの、であることにお気づきでしょうか?

こんなふうに、全く違う曲想に展開出来てしまうのですね。作曲家というのは。


さて、そして、同じ旋律をトランペットが引き継ぎます。ここは、吹いていて気持ちが良いのですが、

あまり調子に乗って吹きすぎると、大変です。

クライマックスで、もっと大きな音を出さなければならないので、苦しいことになります。

今の最後のところから、いよいよ、終結部です。指揮者の腕の見せ所。

他の曲でも同じですが、全体の構成を考えないと、失敗します。

つまり、手前でフォルテにし過ぎると、一番盛り上がるところでそれ以上大きな音が出せなくなりかねません。

そういうのは、クライマックスへの持っていき方が下手、ということになります。また、テンポもここから段々速くなりますが、

加速度(テンポの上げ方)を前もってよく計算しておかないと、終わり近くで、各奏者が弾けなくなるほどの猛スピードになり、

アンサンブルが崩壊し、メチャメチャな終わり方になってしまいます。

指揮者の仕事は、そういう構成・演出を考えるのがまず第一であって、棒の振り方がカッコイイかどうかは、二の次です。

これ以上、知ったかぶりをすると、ボロが出るので、この辺にします。それでは。



【追加】お薦めCD

すみません。おすすめCDを書き忘れておりました。

チャイコフスキーだから、ロシア人以外はダメ、ということは決してないのですが、

ロシア人指揮者とロシア人のオーケストラには、チャイコフスキーと同じ「スラブ系の遺伝子」を持っているのでしょう。

非常な名演が多い。けれども、選ぶのはそれほど難しくないです。

外見は対照的な二人、スヴェトラーノフ指揮・ロシア国立交響楽団 か、ムラビンスキー指揮・レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団です。

どちらを買っても、間違いないです。

但し、ムラビンスキー指揮・レニングラード・フィルは、5番だけじゃなくて、チャイコフスキーの終わりの3曲、

つまり、交響曲4番、5番、6番全てなので、やや高い。これも決して損をした気にはならないと思いますが、

クラシックに馴染みがなくて、「まず五番を聴いてみるか」というのでしたら、スヴェトラーノフが良いかと思います。

ライブ録音です。すごい迫力。金管なんか、馬力が違うという感じ、しかし決して野卑ではありません。

スヴェトラのおっさんは、何度かN響を指揮しています。

その時の様子は、先日定年でN響をお辞めになった鶴我さんの著書、私も紹介したことがある本、

バイオリニストは肩が凝る―鶴我裕子のN響日記(カスタマーレビューの最初は、私が書きました。一番下の「N響マニア」です)に書かれています。

スヴェトラのおっさん、ゴツいけどロマンチストです。

あるコンサートで、このチャイコフスキーの五番を演奏したときのこと。

第二楽章を始める前に英語で観客に向かって、

「プリンセス・オブ・ウェールズ。亡きダイアナ妃に捧げます!」

と言ったそうです。

第一バイオリンの鶴我さん、思いがけない出来事だったけど、それを聴いて涙が出そうになった、と書いておられます。

ダイアナ妃はお気の毒ですが、この逸話には、スヴェトラーノフのロマンチシズムが非常に端的に表れています。

残念ながら既に故人です。

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選挙は当然のことながら、ご自身の判断で投票(棄権)して下さい。

◆選挙について

私は、2003年3月20日にアメリカがイラク戦争を始めたとき、いや、正確には、そのずっと前から、それは違法行為である、と書き続けました。

日本の小泉首相(当時)がアメリカを支持した事が誤りであることも、何度も書きました。

イラク復興支援特別措置法を強行採決し、自衛隊をイラクへ派遣したことは、集団的自衛権の行使に相当し、違憲であると書きました。

2005年、小泉首相が主張する郵政民営化に合理性・必然性は認められない、と書きました。

同年8月、郵政民営化法案が立法府である参議院にて否決されたときに、小泉首相は解散権を濫用し衆議院を解散しました。

のみならず、民営化法案に反対した自民党議員を公認から外し、刺客を送り落選させようと試み、実際多くは落選しました。

私は、これは思想・良心の自由の剥奪であり、違憲であると書きました。

選挙運動の期間中、小泉首相は「これは郵政民営化の是非だけを問う選挙だ」と云いました。

私は、そんな国政選挙があって良いわけがないこと。

また、小泉が勝ったら必ず、国民の医療費負担を引き上げ、年金給付を減らすであろう事などを9月11日の投票日まで書き続けましたが、

フタを開けたら自民党の圧勝でした。

選挙運動期間中、私の意見に反論は来ませんでしたが、開票日、連立与党が勝ったことをみとどけてから、

嫌がらせメールやコメントをよこす人が沢山いました。


あのときから、私は日本はもうダメかも知れないと思い始めました。

はっきり云って、絶望したということです。

今もその考えは変わりません。

憲法を改正し、仕事中に、国家機密であるイージス艦の情報が入っているパソコンで、エロ写真を見ている兵隊に戦争をさせたい方は、

自民党が支持する候補者に投票するのが良いとおもいます。

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2007.04.07

「スポーツ偏重「問題ある」=NHKニュースに苦言-尾身財務相」財務相が言うべき事ではない。

◆記事:スポーツ偏重「問題ある」=NHKニュースに苦言-尾身財務相

尾身幸次財務相は6日の閣議後会見で、米大リーグの松坂大輔投手が初勝利を挙げたことについて、

「いい人材が新しい天地を求めるのはいいことだ」と感想を述べながらも、

「この種のニュースをNHKが毎朝取り上げるのは公共放送として問題がある」と指摘、NHKの報道姿勢に苦言を呈した。

その上で、「生活や経済、国際関係のニュースをバランスよく報道してほしい」と要望した。

(4月6日13時1分配信 時事通信)


◆コメント:財務相、毎日ニュースを見ていないね?そもそも監督官庁は総務省だ。

どうも、安倍内閣はバカが多い。後先を考えずに、その場で思いついたことをすぐに口に出す。

そもそも放送局の監督官庁は総務省である。これが総務大臣の発言ならまだしも、財務大臣がNHKの放送内容に介入するのは越権行為だ。

尾身財務相は、自分の仕事は何だかわかっているのだろうか。


私は、個人的には野球に関するニュースなど、全く無くても一向に困らないし、

ましてや松坂なんて野郎のニュースなど完全に「どうでも良いこと」だが、問題はそういうことではない。

国家権力による報道への介入の問題である。少し大袈裟だが。


◆たかが1日で、報道内容が「偏重している」と言われては何も出来ない。

尾身財務相が言及したのは4月6日の朝から昼にかけてのNHKニュースだろう。

報道内容が偏重している、と、判断するためには、どんなに短くても数日から一週間、数週間、数ヶ月にわたる番組編成を見て、

スポーツ番組と、それ以外の報道番組との時間を比較検討し、しかる後に口にすべき言葉である。

松坂のニュースが多すぎるというのなら、オリンピック期間中の番組編成は完全にスポーツ偏重だ。

日本テレビ系列は読売巨人軍の試合に偏重している(随分視聴率が下がったようだが)、と何故今まで云わなかったのか。

民放は偏重していても良いのか。

そんなことよりも、捏造といっていい事実がまた、発覚した


◆記事2:街の声、事前に出演依頼 TBS、「サンジャポ」で

TBSが日曜午前に放送しているバラエティー番組「サンデー・ジャポン」で、

街頭インタビューに同一の男性が度々登場、この人物にスタッフが事前に出演依頼をしていたことが6日、分かった。

TBSによると、この男性は昨年12月から今月までに4回登場。

1、2回目は偶然に街頭インタビューをしたが、その後は番組ディレクターが事前に取材日時を伝えていた。

発言内容の誘導や金品の授受はなかったという。 (共同通信社 06日21時09分)


◆コメント:私は過去何度も「街頭インタビューに答えているのはエキストラだ」と書いた。

これは、恐らく、「サンデー・ジャポン」だけでは無い。全局で行われているものと思われる。

私は、過去何度か、ニュースで街頭インタビューに答えているのは偶然通りかかった人ではなく、

エキストラ事務所に登録している「場慣れした素人」である、という趣旨の記事を書いた。

その業界の人から聞いたからである。

民放は大抵「ヤラセ」である。

「<日テレ>ニュース番組のやらせで厳重注意 総務省」 厳重注意で済ませていいのか

「『納豆ダイエット』は捏造」←私は「民放はやらせだ」と何度も書いています。この会社、2年前に全く同じ事をしている。


なかなか、信じていただけなかったが、「サンデー・ジャポン」の記事を読んで、分かっていただけたでしょうか?


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2007.04.06

「イージス艦情報、わいせつ画像交換で拡散」←「・・・・・・・」

◆記事:イージス艦情報、わいせつ画像交換で拡散

海上自衛隊第1護衛隊群の護衛艦「しらね」の2等海曹(33)がイージス艦情報を持ち出した事件で、

情報は、2曹が同僚からわいせつ画像をコピーした際に流出していたことが4日、神奈川県警などの調べで分かった。


新たに別の下士官1人に情報が渡っていたことも判明、関与者は計3人になった。

それぞれのハードディスクやパソコンには、情報とともにわいせつ画像が記録されていたという。

同県警などでは、画像のやり取りを繰り返す間に、情報が拡散したとみている。

捜査当局などによると、2曹のハードディスクに入っていたイージス艦などの情報ファイルは、

別の護衛艦の乗組員のパソコンからコピーしたものだったが、

その後の調べで、ほかにも別の下士官が、この情報ファイルを含むデータをパソコンなどにコピーしていたことが分かった。

4月5日3時9分配信 読売新聞


◆コメント:あ~あ、ロイターが世界中に伝えてしまったよ。

私は、このニュースが、何とか日本の新聞のベタ記事で終わらないか、と祈るような気持でいたのだが、やはり甘かった。

ロイターが世界に向けて東京発のニュースとして発信してしまった。ネットに載っている。

つまり、世界中で読める。記事のキャッシュはここだ。

http://megalodon.jp/?url=http://www.reuters.com/article/technologyNews/idUST26606720070405&date=20070405235529

その冒頭部分を、引用・翻訳する。

◆Porn swap sparks defense leak furore

TOKYO (Reuters) - Three Japanese naval officers who swapped pornography on their computers triggered a scandal

over a possible leak of sensitive data linked to Japan's missile defense system, a newspaper said Thursday.

Police launched a probe last week after a navy officer married to a Chinese woman

was found to have taken home a computer disk containing information about the high-tech Aegis radar system, domestic media said.(後略)

【訳】防衛情報漏洩の騒動はポルノ写真の交換が発端だった。

日本の海上自衛隊員が、彼らのパソコンでポルノ写真の交換を行い、

その最中に、日本のミサイル防衛システムに関する極秘情報を外部に流出させていたことが、木曜日の日本の新聞により、明らかになった。



警察当局は先週、中国人女性と結婚している海自隊員が、

イージス艦のレーダーシステムに関するハイテク情報が入っているハードディスクを自宅に持ち帰っていたことを突き止めた。

というわけである。

こういうのを「国辱」というのである。

これほどずさんな情報管理しかできない「軍隊」は世界中(少なくとも先進国)を見回しても、他に無いのではないであろうか。

このニュースは、世界中の軍事・防衛担当者が読んだら、腹を抱えて笑うに違いない。


対外的な問題だけではない。

この日記・ブログで何度も書いたとおり、昨年、防衛庁(当時)は、自衛官の私物パソコン使用により、

ウィニー経由の情報流出が続発したため、これを防ぐ為に、税金により、Dellのパソコンを5万6千台購入して職員に手交した筈である。

そんなに安いと思えないが、仮に一台6万円だったとしても、合計33億円の血税を費やしている。

勿論真面目に勤務している自衛官だって大勢いるだろうが、今回ばかりは、

「自衛官は我々が納めた税金でパソコンを買って、それを使って仕事中に遊んでいた」

と云われても仕方がない。


◆日本を戦争が出来る国にしたい方々、こんな「軍隊」でまともに戦争できるのですか?

安倍首相率いる行政府、すなわち内閣は、木曜日、集団的自衛権行使の研究を始めるとか、

以前から憲法改正のための国民投票法案を作るとかいろいろ、云っている。

そういうことを云う前に、そもそも、これほど簡単に超機密情報が漏洩する(しかも、「士官」ではなく「兵隊」から、である。)自衛隊を軍隊にして、

戦争なんか出来るのか、よーく頭を冷やして考えてごらんになっては如何でしょうか?

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2007.04.05

「タミフル異常行動128人、10歳未満43人・厚労省まとめ 」←何度言ったら分かるんだ。

◆記事:タミフル異常行動128人、10歳未満43人・厚労省まとめ

インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用し、3月20日までの6年間で副作用が疑われる報告のあった約1080人のうち、

高所から転落するなどの異常行動が128人にのぼることが4日、厚生労働省のまとめでわかった。

異常行動があった患者の約8割は未成年で、10歳未満も43人含まれていた。同省は服用と異常行動の因果関係を、さらに調査する。

厚労省が、同日開かれた薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会に報告。

同省は10代への投与を原則中止にしているが、集計結果を受けて、同調査会は「10歳未満への処方は当面継続することが妥当」と結論づけた。

調査対象は2001年のタミフル販売から、10代への処方制限が決まった3月20日までに寄せられた副作用が疑われる1079人分。

1割強の患者に、高所からの転落や、歩き回ったり暴れるなどの異常行動が服用後現れたことになる。このうち8人は死亡した。

128人の内訳は10代が57人、10歳未満も43人など。未成年が約8割を占めた。

4日までに計23人の転落報告があり、うち19人が10代だった。 (NIKKEI NET)(2007/04/04 21:49)


◆コメント:何度言っても分からない。「タミフル異常行動128人」服用した人は今まで何百万人いるのか、何故書かない。

引用した記事は、何の意味も持たない。


全ては相対的である。


6年間で異常行動を起こしたのは、128人だという。

では、異常行動を起こさなかった患者は何百万人いるのか。

言い換えるなら、日本全体でタミフルをその6年間で服用した日本在住の日本人は何人いるのか。

それを書かなければ、意味を為さないことぐらい、どうして分からないのか。

分からないフリをしているのか、フリをしているなら、それは何故か。

私は、朝読毎と日経にメールを出したが答えはいまだに得られない。


◆コメント2:WHO疫学週報によれば、日本では2003年から2004年に600万人がタミフルを飲んだ。

WHOによれば、日本では毎年300万人が服用するという。

根拠は小樽保健所が毎週訳して下さっている、WHO疫学週報だ。

Macは知らないが、Windowsならば、Webページを検索するには、まず、「Ctrl」キーを押し、次に「F」キーを押す。

すると検索ウィンドウが現れるから、カタカナで「タミフル」を入力してEnterキーを押す。

何度か押すと、WHO疫学週報の「80;149-156,2005(4月29日)」に、

日本では、2003-2004に600万人がタミフル服用。

という記述があるのが、簡単に見つかる。

2年間で600万人なら1年平均300万人。

これが、私が「年間約300万人の日本人がタミフルを飲んでいる。」と書くソースである。

現在はさらに服用者が増えていることは容易に想像できる。



◆コメント3:タミフルを300万人が毎年服用し、異常行動を起こしたのは年間平均21人。確率0.0007%

異常行動を起こした128人は毎年均等に出現した訳では無いだろうが、計算の便宜上、1年に平均にすると、約21人である。

ここでは、タミフルと異常行動との因果関係はまだ何も分かっていないが、最悪の状態と仮定する。

つまり、6年間の異常行動を起こした128人全員が、タミフルによるものとする。

それでも、確率は、0.0007%。100万分の7である。


◆コメント4:インフルエンザウィルスのうち、H5N1型ウイルスの毒性は極めて強い。

どれぐらい強いかというと、

WHOによれば、2003年から2005年8月までに感染が確認された、

ベトナムなど東南アジア112人中、半数を超える57人が死亡している。


◆コメント5:タミフルを服用せずに異常行動を示した患者数も正確に伝えよ。

マスコミはタミフルを飲んだあと、飛び降りて亡くなった患者のことばかり強調するが、

ここ一ヶ月の間に、タミフルを飲まないのに、異常行動を起こしている例が、私が見つけただけでも、3例ある。


1例目はインフルエンザ14歳タミフル服用せず飛び降りの記事2。3月17日。

2例目は、「インフルエンザ少年に異常 タミフルは服用せず」(3月30日 産経新聞)

これは、3月21日、横浜での事件である。記事は、ウェブ魚拓というキャッシュを保存するサービスを用いて保存した。

リンクを貼ることができないので、アドレスを記す。

http://megalodon.jp/?url=http://headlines.yahoo.co.jp/hl%3fa%3d20070330-00000006-san-soci&date=20070405001327

3例目は「インフルエンザ?の男児転落死=タミフルは服用せず-京都」(4月2日13時31分配信 時事通信)

これは、3月27日に京都で起きた事例である。同様にWEBキャッシュのURLを記す。

http://megalodon.jp/?url=http://headlines.yahoo.co.jp/hl%3fa%3d20070402-00000059-jij-soci&date=20070405001930


◆結論1:タミフルと異常行動との因果関係は解明されていない。

結論を最初に述べる。

タミフルと異常行動との因果関係、つまりタミフルが異常行動を惹起するということは、証明されていない。

マスコミが騒ぎ立てるので、やたらと怖がる人が多いが、タミフルを飲んだ後に、飛び降りなどの異常行動が散見されるので、

「関係があるのではないか?」という「仮説」が存在するのみである。


◆結論2:タミフルを飲んだ後、異常行動を起こす確率は0.0007%。H5N1型ウイルスに感染した患者の死亡率は50%以上。どちらを選びますか?

薬の副作用と、薬を飲まない場合の、インフルエンザそのものによる生命の危険のどちらが大きいかということで、云うまでも無かろう。
私は3月24日のエントリーで

欧州医薬品審査庁医薬品委員会が3月23日に発表した、

適切な指示の下で使用されれば「利益が危険性を上回る」

というステートメントを引用したが、やはりそれは正しいと思われる。


◆最後の結論:日本のマスコミの一面的報道姿勢は誤っている。

日本のマスコミは、タミフルと異常行動の因果関係はまだ証明されていないのに、あたかも証明済みであるかの如き印象を与える記事を書き、

抗インフルエンザウィルス薬に対する国民の恐怖心を徒に煽るばかりで、

強毒性のインフルエンザに罹患した場合、生命に関わる問題であることを、殆ど伝えない。

また、タミフルを飲んでいないのに、異常行動を起こしたケースが最近一ヶ月で、3例もある事実もきちんと報ずるべきだ。

過去六年間でタミフルを飲んで異常行動を起こしたとされる128人に関しても、同様である。

分かっているのは、タミフルを飲んだ後に異常行動を起こした、ということだけであり、

それがそのままタミフルと異常行動との因果関係を示すわけではない、

という当たり前のことを中立的な見地から、客観的、合理的に報道するべきである。


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2007.04.04

石の上にも23年。自己陶酔的述懐。

◆昨日は、日本中の会社で入社式が行われました。

以前にも何度かお断りしたが、私は、原則として日記に私事を書かない。

ただ、稀に、どうしても書いておきたくなることがある。

今日は、極めて例外的に「自画自賛」の文章になってしまったが今日だけご理解頂けると有難い。

「入社式」は無論、私の属する組織でも行われた。

毎年のことだから、普段は気にも留めないが、

昨日は、あることに気づき、ちょっと感慨深いものがあった。


それはどういうことかというと、今年、四年制大学を卒業した「新社会人」は、ストレートなら(落第、浪人、留年などをしていなければ)、

私が社会人になった年に生まれた子たちなのである。

あの頃生まれた赤ん坊が、幼稚園、小学校、中学校、高校、そして大学で学んだり、遊んだりして成長している期間、

私は、ずっと働いていたのだな、と思うと、当たり前のことなのだが、何だか驚いてしまった。


◆「自分のことを褒めてやりたい」と云ったマラソン選手の気持が分かるような気がする。

随分前だが女子マラソン選手の有森裕子氏がオリンピック(だったよね?)でゴールした直後、インタビューに答えて、

「自分を褒めてやりたい」

といった。

私は原則的にはスポーツが嫌いなので、あのときは、「てやんでえ」と思ったが、今は少し分かるような気がする。

気の弱い、小心者の私がよくぞ23年も今の職場を辞めずに続けたものだ、と思ってしまう。

子どもの頃は、とにかく、気が弱く、心配性で、ウジウジしている子供だった。

人見知りが激しく、親に連れられてよそのお宅にお邪魔しても、挨拶だけはするが、後は一切、口を利かない。

先方は気を遣ってくださって、子供が喜びそうな菓子とかジュースなどを出してくださるが、絶対に食べもしないし飲みもしない。

とにかく他人の家にいる、ということが、ただただ、窮屈で、「早く(自宅に)帰りたい」と、そればかりを考えている子供だった。


◆勤め人は辛いよ。

そういう子供だった私が大人になって、会社(ということにしておく)に属したら、

最初は容赦なく鍛えられた。

怒られるのなんか当たり前で、「お前、大学出て、コピーも満足に取れんのか?」に始まり、

「馬鹿野郎、辞めちまえ!」と云われたことも数えきれない。最初はショックだったが、次第に慣れてきた。


一番ひどい失敗をやらかしたときには、その部署の一番偉い上司がお客さんに謝りに行かなければならないほどだった。

あのときは、さすがに落ち込んだが、同じ課の、普段は五月蠅い先輩が、

飲みに連れて行って慰めてくれたのが、涙が出るほど有難かった。


営業で外回りになったときには、初めての訪問先(新規開拓ですね)で次々に断られ、

ひどい人はまるで野良犬を追い払うかの如く、私に水をぶっかけたり、

まだ何もこちらから話をしていないのに、いきなり塩を撒かれたこともある。


◆自分に「ご苦労さん」

やがて、結婚して子供が出来て、ロンドン赴任が決まったら親父が脳出血で倒れ、そのまま寝たきりとなり、

覚悟はしていたが、死に目には遭えなかった。



「海外駐在」という言葉は華やかに聞こえるが、実際は現地採用の英国人と東京本部の要求の板挟みとなり、結構しんどい。

帰国してから、少しは楽になるかと思ったら、全然未経験の分野に行かされて、うつ病になってしまった。


「お前ばかり苦労している訳じゃないぞ」と仰りたい方もいらっしゃるだろう。

それは、勿論分かっている。

もっともっと苦労している人が世の中には大勢いることも分かる。

しかし、皆、性格が異なる。同じような経験をしても、それがストレスになる人もならない人もいる。

「心の持ちよう」では、どうしようもないことがあるのだ。

前述の通り、私は生来人一倍、クヨクヨ、ウジウジする、マイナス思考人間だ。気も弱かった。

子どもの頃の自分を、あたまの中でビデオを再生するように思い出してみた。それを見ると

あたかも、私の中のもう一人の私が「お前、よくここまで、我慢したなあ。」と褒めているようだ。

特に社会人になってからの23年。

と、云うわけで、特別に今日だけ、

「自分にご苦労さん」。

どうも、とんだお目汚しで、失礼しました。

独りよがりの自己陶酔的駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。


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2007.04.03

「<毎日新聞調査>手術待ち「延びた」3割 医師不足鮮明に」←お前ら(マスコミ)が医者を減らしてるんだよ。

◆記事:<毎日新聞調査>手術待ち「延びた」3割 医師不足鮮明に

全国の大規模病院やがんセンターを対象に、毎日新聞が患者の手術待ち期間を調査したところ、

回答した病院の3割以上が「5年前と比べ待機期間が延びた」と答えた。医師不足や患者の増加が原因で、待機中に症状が悪化した例もある。

日本と同じ低医療費政策を続けて医師不足が深刻化した英国では90年代、手術待ち期間が大幅に延びて患者が死亡する事故が発生した。

日本でも同様の事態を懸念する声が出ているが、それを裏付けるデータが明らかになったのは初めて。

調査は今年2~3月、全国のベッド数500床以上の病院と「全国がん(成人病)センター協議会」加盟のがん・成人病センターを対象にアンケート形式で実施。

計388病院(精神病院や療養所などを除く)のうち、113病院(29%)から回答があった。

その結果、最近5年間の手術待ち期間の変化について、一診療科でも「延びている」と回答したのが41病院(36%)あった。

理由(複数回答)は、麻酔科医の不足が34病院で最も多く、手術室の不足も32病院あった。

以下▽麻酔科以外の医師不足26病院

▽看護師不足22病院

▽空きベッド不足21病院

▽患者の希望14病院

▽患者の増加10病院――と続いた。

(以下略)(4月3日3時5分配信 毎日新聞)


◆コメント:そりゃ、医者になりたい奴は減るだろうさ。これだけ叩かれれば。

毎日新聞は、「医師不足を裏付けるデータが明らかになったのは初めて」と、得意気だ。

バカか。

それだけが理由ではないだろうが、マスコミがやたらと「医療ミス」やら「医療過誤訴訟で医師が敗訴」を鬼の首を取ったように報道するのが医者不足の一因だぞ。

医師不足?そりゃ、そうなるだろう。

無論、中には本当のヤブもいるだろうが、大多数の医師は、

他の学部、まして、ブンヤたちのような文科系とは比べものにならないぐらい、学生時代に猛勉強をして、

医師国家試験に通るために、また、猛勉強をする。ようやく医師免許を取って研修医になっても、

医者の世界ではまだ「全然役に立たない、邪魔なガキ」扱いされ、看護士にまでバカにされ、

それでも必死に耐えて、ようやく「普通の医師」になる。

しかし、最初のうちは研修医のときと同じような扱いで、とにかくこき使われる。

休みなど、ない。1年365日のうち364日は働いて、当直があり寝るヒマもない。

それでも外科医なら手術前に必死に勉強し、初めて他人の身体にメスを入れる前の晩は、

緊張のあまり眠れない(眠れる奴もいるだろうが。疲れのあまり。)。最初はアッペ(虫垂炎)か何かだろうが。


◆自分がその立場になったら、と想像してみるといい。

もし、貴方が医者になっていたら、と想像してみると良い。

他人の身体にメスを入れ、臓器を切ったり、縫ったりするんですぞ。

私のような手先の不器用な人間から見ると、途方もないことだ。

人間の臓器だの、粘膜なんてヌルヌルしたものを間違いなく切除したり、結合したり、縫合したりするのだ。

脳外科なら、頭蓋骨の周囲をのこぎりで切ってガバっと外し、脳味噌の中を、ときには顕微鏡を見ながらいじるのだ。例を挙げればきりがない。

勿論、最初から執刀医となるのではなく、アシスタントを務めるのだが、少しでも間が悪いと、先輩から散々怒られる。

そうした経験を積んで一人前になる。その過程で失敗することが一度も無かったら、むしろ不思議だ。

ところが、その一度の失敗で患者やその家族が訴訟を起こす。

半人前の医師だけではない。

ベテランの、それまで何千人もの生命を救ってきた医師が、一度の失敗で、ヤブ医者どころか、人殺しのように非難される。

周知の通り、これは外科医のみならず、内科、小児科、産婦人科、麻酔科、など、医療の最も重要な分野全てで起きている。

それを煽り立てるのが、新聞その他のマスコミだ(自分たちの捏造、ヤラセは棚に上げて)。

医師が「やってらんねえよ」という気持ちになるのも無理は無い。


◆大衆を煽るマスコミが一番悪い。

これは、医師に限ったことではない。

人間は、自分よりも権威を持った者(或いは権威を感じさせるもの)、経済的に恵まれている者(給料が高い職業、或いは、高そうに見える職業、など)、

つまり自分の嫉妬の対象が叩かれるのを見るのが好きなことを、マスコミは良く知っている。

自分は何も作らず、為さず、人の失敗を頼みもしないのに紙に刷って、或いは電波に載せて全国に言い触らすマスコミが、

実は、驚くほど高い給料を取っている(NHKは別。あそこは本当に薄給)。

この連中が結局、医療従事者のやる気を削ぎ、成り手を減らしているのだ。

何が「明らかになった」だ。分かっているくせに。


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2007.04.02

能登半島地震その後/今月のN響アワーは面白そうですよ。

◆能登半島地震その後

美しい、楽しい音楽を聴いた後、現実(人の世の出来事)に戻るのは辛いものです。

しかし、明日の朝から仕事なので、リハビリもかねて、若干触れます。

◆記事:仮設入居で調査書配布=「とにかく早く」、住民ら切実-能登半島地震・輪島市

能登半島地震で多数の家屋が倒壊し、約1000人が現在も避難所で生活している石川県輪島市は1日、

仮設住宅への入居希望者数を確認するため、市内24カ所の避難所で調査書を配布した。

長期化する避難所暮らしに、調査書に記入した女性からは「とにかく早く入れるように」との声が聞かれた。

調査書には、自宅の被害状況や入居希望人数などを記入し、避難所の市職員に提出する。

親類の家などに避難している住民からは電話での申告も受け付ける。

(4月1日21時32分配信 時事通信)

東京では、桜が満開です。というか早くも散り始めました。

私は、桜を見て酒を飲んで騒ぐという趣味はありませんが、都内はどこも花見客で一杯だった様です。

多分、皆、能登半島で地震があったことや、いまだに約1,000人もの人々が避難所で途方に暮れて暮らしていることなど忘れていたことでしょう。


余談になりますが、私は30数年前に中学に入学しました。

真新しい国語の教科書を開いたら、最初に、短いけれど、極めて分かりやすい「詩」(というか殆ど散文ですが)が載っていました。

思わず身が引き締まる思いでした。一言一句はっきり覚えています。
「春だという。桜だという。だが、ちょっとお待ち。どこかで泣いている人もあろうに」

今、まさにそのとおりですよね。

意外にも、多くの方は、Yahoo!ボランティア「 インターネット募金」「「能登半島地震」義援金」の存在を知らなかった、

或いは今でも知らないようなので、今一度、リンクを貼っておきます。

2007年04月02日(月)00時15分現在、募金金額は5,847,500 円に達しています。


◆今日(4月1日)のN響アワーはボレロの希代の名演だったのです。

日曜日の夜9時から放送されるN響アワーという番組は、クラシック・マニアのみならず、

「クラシックとか、オーケストラのこと、良く知らないんだけど」という人にもなるべく楽しめるように工夫してあります。

今日の企画がまさにそれで、視聴者から、何でもいいからオーケストラに関する質問を募って、

司会の作曲家池辺晋一郎先生が答えるという、楽しいものでした。

勿論、過去の演奏の録画も何曲も放送しました。

番組のはじめの方で、あれは何年前だろう?10年にはならないと思うのですが、

デュトワ指揮、ラベル作曲「ボレロ」を演ったんです。

この時のボレロが、非常な名演でして、これを放送するなら事前に知りたかった。

そうしたら、皆さんに予めお知らせ出来た訳で、残念です。

私は「ボレロ」について語るとき、どうしても、難しいので有名なトロンボーン・ソロに

言及したくなるのですが、今日放送されたのは特に素晴らしかった伝説的名演なのです。

当時の首席トロンボーンの神谷さんという方(どういう訳か、既に退団なさいました)が、ソロを吹いたのですが、

いや、上手い上手い。なかなか、これほど完璧な演奏はないです。

演奏終了後、指揮者がソロを吹いた管楽器奏者(首席全員ですね)を立たせて

(これは、ボレロに限ったことではありません)、演奏を讃えるのですが、

神谷さんのときには、N響の他のメンバーがお客さんより興奮気味に、盛大に拍手してました。

ファゴットの岡崎さんなんか、完全に振り返ってしまって、大喜び。

オーケストラプレイヤーにとって一番怖い聴衆は、実は仲間の音楽家なんですね。

そりゃそうですよね。誰よりも苦労が分かるし、お客さんが分からないような、ちょっとした失敗も分かってしまうのですから。


◆ソリストをオーケストラがどの程度評価しているか、簡単に知る方法。

上述したのはオケ内部の話です。

コンサートに行って、特に協奏曲が、プログラムに含まれている場合、

「上手いのかどうか今ひとつ分からん」、と思ったら、オケのメンバーの反応を観察することです。

何か無表情に、如何にもおざなりに拍手の真似(弦楽器の人は、弓を持ったまま軽く振るだけ)をしているのなら、

そのソリストは、大したことないです。

「下手じゃないけど、これぐらいの人は、ゴロゴロいるわい」と、思っているのです。


本当に、ソリストの演奏にオーケストラが感心したときは、弦楽器の人々は楽器と弓を膝において、「まともな」拍手をします。


但し、誤解しないでいただきたいのですが、たとえ、その日の演奏が「大したことがなく」ても、

そのソリストが、ずっとダメなソリストだ、という意味ではありません。

音楽の演奏は毎回が「勝負」で、たまたまその日の演奏は調子が悪かったけど、次は非常な名演奏をするかも知れないのです。

逆の言い方をするなら、如何に有名なソリストであっても、

その日、その時の演奏が、何らかの理由で「凡演」だったら、オケはお義理で拍手をしません。

厳しい世界です。


◆ハイドンの続き。弦楽四重奏曲「皇帝」第二楽章。きれいですよ。

時事問題とN響を書いたら、昨日お約束したハイドンが最後に来てしまいました。

ハイドンは「交響曲の父」といわれますが、カルテット(四重奏という意味ですが、普通、弦楽四重奏のことです)の父でもあります。

音楽家にお話を聞くと例外なくカルテットなどの小規模な合奏(「室内楽」といいます)はとても楽しい、と云います。

オーケストラが楽しく無い訳じゃないけれども、結局、指揮者の音楽です。

自分はこう弾きたい、と思っても、指揮者の要求に従わなければならない。


それに対して、室内楽は自分たちの演りたい曲を、演りたいように演奏できる。

カルテットなら、第一、第二バイオリン、ビオラ、チェロの四人が話し合いながら練習して、音楽を創っていくから、楽しいのでしょう。

因みに池辺晋一郎先生のダジャレによると、「始終相談」するから「四重奏団」なのだそうです。なるほど・・・。

前置きが長くなってしまった。

ハイドンの弦楽四重奏曲で最も有名な一つ。「皇帝」の第二楽章です。

説明は要らないと思います。一応、変奏曲なんですが、主題が常に残っているので、割と単純な形式の変奏曲です。

そのかわり、というか、そのおかげで、美しいメロディーをずっと聴くことが出来ます。





いいですよね。これ、演奏しているのは全員日本人なんですよ。

並の上手さじゃないです。世界的レベルです。


◆今月のN響アワー、面白いですよ。きっと。

放送日が近づいたら書きますが、

来週はチャイコフスキーの交響曲第五番(カッコイイのです)。

次が、「吹奏楽部員に聴いて欲しいオーケストラ曲」

その次の週が、トランペットの特集(ムヒヒ)。

という次第です。


それでは、また。

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2007.04.01

「ハイドンはあらゆる作曲家の中で、最も難しい」(故・岩城宏之氏)←今日(3月31日)がハイドンの誕生日。

◆岩城宏之氏が「楽譜の風景」(岩波新書)という本で書いています。

冒頭から、少々長い引用になるが、何しろプロの音楽家がこれほどはっきりハイドンについて言及している文章は珍しいので、

抜粋引用させていただく、「楽譜の風景」109ページから。

生まれて初めてプロのオーケストラを指揮したのは東京フィルハーモニーで、ぼくは、プログラムの最初にうれしく「びっくり」シンフォニーを入れたのだった。

そして、ハイドンはあらゆる作曲家の中で最も難しい、と言われていたのを実感として味わい、手も足も出ぬ敗北感に打ちひしがれた。

百以上書かれたハイドンの交響曲は、気軽に聴いていれば、どれも単純明快で、

テンポの変化もないし、始まればそのまま、一気呵成に終わってしまうように思える。

しかしちょっと調べると、フレーズの入り組み方など、モーツァルトやベートーベンよりはるかに複雑だし、

第一、アンサンブルの難しさは、後のロマン派の作曲家たちの作品の比ではない。

毎週のように殿様のために交響曲を量産したのに、こんなにも複雑で、しかも単純明快にきこえるというのは、

音楽史上数多い天才たちの中でも、特別にものすごい人だったのだと思う。

よく天才とは、モーツァルトのためにだけ存在する言葉だ、と言うが、ぼくはハイドンとモーツァルトのために・・・・と信じて疑わない。

へえ・・。そういうものなのか。

私はどう思うかと訊かれたら、正直言って分からない。

こういうことは、本当に音楽を、特に作曲法、その前提となる和声学とか対位法等々・・・を勉強した人でなければ分からない。

ただ、岩城さんの本を読んだおかげで、ハイドンの真価を「観念的に」ではあるが、

(骨の髄から分かるのではなく、知識として、と言う意味)知ることが出来たのはありがたい。


◆昔、カラヤンとベルリンフィルが、交響曲101番「時計」第二楽章を練習しているのを見た。

もう何十年前になるだろう。

カラヤンが元気な頃は何年かに一度、来日していた。

ある時、TBSがテレビマンユニオンという番組製作会社(←「オーケストラがやってきた」を製作していた会社)に発注して、

カラヤンとベルリンフィルのドキュメンタリー番組を作った。

何夜かにわたって連続で放送された。他の内容はわすれたが、鮮明に覚えているのは、

カラヤン・ベルリンフィル、という天下のコンビが、ハイドンの「時計シンフォニー」の第二楽章を練習している様子だ。

これが、交響曲第101番「時計」の第二楽章である(7分ぐらいかかる。始めは全部聴かなくてもいいです。とりあえず2分間ぐらい聴いてみて下さい。)





この楽章の楽譜はこのように書かれている。

メロディーを弾くのは、第一バイオリン。これは、当たり前のこと。

それを、木管楽器のファゴットと、第二バイオリン、チェロ、コントラバス

(この時代、チェロとコントラバスは同じ楽譜を弾くのが普通。ただし、実際にコントラバスから出る音は1オクターブ低い)が、

規則正しく、「シ・レ・シ・レ・」(一番ファゴットと、第二バイオリン)

「ソ・シ・ソ・シ・」(二番ファゴットと、チェロ・コントラバス)が音を刻んでいる。

この伴奏の「シ・レ・シ・レ」が時計の「チクタク」の様なので、「時計」というニックネームが付いている。

私でも分かるぐらい簡単な楽譜である。


◆「君たちのは、『クオーツ時計』なんだ」と云ったカラヤン。

こんなのは、技術的には天下のベルリンフィルならずとも、プロならば、極めて簡単だ。寝ていても弾ける。

ところが、である。


何と、カラヤンはこの簡単な譜面を弾く天下のベルリンフィルに、注文を付けていた。

しかも、子供でも弾ける、伴奏の第二バイオリン、ファゴット、チェロ・コントラバスに文句を言っているのだ。

「君たちはこのハイドンの交響曲の「時計」というニックネームを、一体、どう考えているのかね?」

「君たちのは、クオーツ時計なんだ。」

という。

私が想像したのは、カラヤンが云いたかったのは、

「あまりにも簡単な音符なので、適当に音を出しているだろう。」

「第一バイオリンが奏でる主旋律を良く聴いていれば、機械的な「シ・レ・シ・レ」の繰り返しになるはずがない。

一音一音、弾き方が変化するはずだ、よく他のパートを聴いて、考えろ。」

ということではなかろうか(自信ありませんけど)。


私はすっかり感心してしまった。

天下のベルリンフィルが、こんな簡単な譜面に時間をかけている。

音楽とはこれほど深いものなのか、ということに感激したのである。


◆一つの音を長く伸ばすだけのオーボエに「綺麗だ」と云って微笑んだカラヤン。

感激の元はまだ残っていた。

上の音楽をもう一度聴いていただきたい。

再生開始後1分ほど経ったところで、オーボエという楽器が、ただ一つの音「レ」を4小節、伸ばす。

それは、楽譜では25ページの下半分、上から2段目に書かれている。

二分音符が四つ、タイでつながっている。オーボエは「レ」の音を八拍吹くのである。

楽譜には終わり近くで、少しクレッシェンドしろ、と、書いてある。

この当時の首席オーボエ奏者は、シュレンベルガーという人だった。

長く首席オーボエを務めた人が引退して、後任として、カラヤンがケルン放送響から引き抜いてきたのだった

(といっても、勿論、オーディションを受けるのだが)。



シュレンベルガーは、この箇所で実に美しい音を出した。

重ねて云うが、ただ一つの音を長く吹くだけだ。それでも、名人が吹くと違うのである。

シュレンベルガーは、楽譜通りに、P(ピアノ=弱く)で吹き始め、少しずつクレッシェンドしつつ、わずかに緩やかなビブラートをかけた。

それだけなのに、何とも美しい響きだった。

カラヤンは、シュレンベルガーが吹いている最中に彼の方を見て、一言

"Schon"(oはウムラウト。「綺麗だ」という意味)

と(無論、ドイツ語で)云い、ニコッと微笑んだ。

その笑顔が実に良かった。

私は、こと、音楽になると感動の許容点が極めて低くなるが、この頃は若かったから、とりわけ深く感動した。

これ以上簡単な事は無いぐらい簡単な弦のピツィカートに注文を付けることもあるし、

「レ」の音を長く伸ばすときでさえ、名人は違うのだ。


芸術とは、かくも深いものか、と、初歩的な感動だが、兎にも角にもあの光景は忘れられない。

ハイドンの「時計」を聴くと、必ずあの時にテレビの画面を通して見て聴いた、カラヤンの

"Schon"(「綺麗だ」)という言葉と、何とも嬉しそうな笑顔が思い出される。


◆「時計」だけでは、つまらないから、トランペット協奏曲も聴いて下さい。

乱暴な言い方をするならば、トランペット協奏曲でまともなのは、2曲しかない、ハイドンとフンメルだ。

ハイドンは、何度聴いたか分からぬ。多分千回を超えているだろう。

子どもの頃初めて聴いて、トランペットという楽器の音の輝き、荘厳さ、柔らかさ、に驚いた。

ただ、大きい音でパッパカ吹く、うるさい楽器ではない。表現力の多様さに驚いたのだった。私もこういう曲が吹けるプロになりたいと思った。

私は、しかし、結局プロになるだけの根性も才能もなかったけれども、

トランペットが嫌いになることも、ハイドンのトランペット協奏曲が嫌いになることもなかった。

トランペットとプロのトランペット奏者は、私にとって永遠の憧憬である。



第一楽章を聴いて下さい。

モーリスアンドレばかりでは飽きるから、その弟子です。

上手いよ。ものすごく上手い。

徒に大きな音も出さない。正確な音程、綺麗なタンギング、美しい音色、をお楽しみ下さい。





明日は、その他の曲も含めて、ハイドンのお奨めCDを御紹介したいと思っています。

それでは、また。

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