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2007年5月

2007.05.31

「<党首討論>年金支給漏れ、社保庁改革法案で攻防戦」←安倍首相は自分の立場をわきまえていないことが良く分かった。

◆記事:<党首討論>年金支給漏れ、社保庁改革法案で攻防戦

安倍晋三首相(自民党総裁)と民主党の小沢一郎代表は30日、国会内で党首討論を行った。

首相は年金支給漏れの問題について「私は現在の政府の責任者。大きな責任を感じているのは当然だ」と述べ、

自らの責任を認めたうえで、与党が提出した年金時効停止特措法案などにより被害者救済を急ぐ考えを強調した。

小沢氏は社会保険庁改革関連法案と同特措法案の31日の衆院通過を目指す政府・与党の方針に「採決を急ぐ必要はない。

多少時間がかかっても議論が出尽くすまで審議をやるべきだ」と反対した。

首相は冒頭、松岡利勝農相の自殺について「痛恨の極みだ。任命権者として責任をかみしめている」と述べた。

松岡氏の不透明な光熱水費などの問題については「厳しい指摘は私も十分に承知している。

国民の(批判の)声に真摯(しんし)に応えたい」と述べ、今国会で政治資金規正法改正を目指す考えを改めて表明した。

小沢氏は松岡氏の自殺について「死を選ぶならば、国民に事実を明らかにする勇気を持っていただきたかった」と述べた。

小沢氏は討論のテーマを年金支給漏れ問題に絞り、社保庁改革法案を

「特殊法人になり、純粋公務員の身分ではなくなるが、実態はほとんど変わらない。

ちょっとした衣替え、化粧直しにすぎない」と酷評した。

これに対し、首相は「当初、不明なケースは2億件あった。照合しながら5000万件まで絞ることができた」と釈明し、

実態調査を行う方針を強調した。

具体的な救済策を巡り、小沢氏が「確実に保険料を払ったという申し立てを基本的に尊重すべきだ」と迫ったのに対し、

首相は「親方日の丸のように何年も前の領収書を持ってこいという姿勢は取らない。

第三者機関で判断してもらい給付する」とかわした。

一方で、首相は社保庁の実務のあり方について

「現場でどういう労働慣行が蔓延(まんえん)していたのかという問題がある。

かつての国鉄(現JR)労組の問題があり、私たちは改革してきた。(社保庁に対しても)待ったなしの改革を行わなければならない」と強調

。民主党支持の社保庁労組「自治労国費評議会」を強くけん制した。

5月30日21時28分配信 毎日新聞


◆コメント:首相は国政の最高責任者である。

憲法第65条により、行政権は内閣に属する。同時に、66条第1項は、

第六十六条  内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。

読めば明らかで、首相は行政府たる内閣の「首長」である、と憲法が定めている。

だから、内閣総理大臣は国政の最高責任者である。


◆党首討論を聞くと、安倍首相は自分の立場を本当に分かっているか疑いたくなる。理由その1

冒頭の記事を読んだだけでは分からないが、党首討論の始めの方で、民主党の小沢代表が正しい意見を述べた。それは、

「先週、与党は社会保険庁改革法案を強行採決した。議会制民主主義であるから最終的には多数決原理を取ることに異存はない。

だが、今回の社会保険庁の問題は国民も大きな関心を寄せている。野党は、まだ審議するべきことがあると言ったのに、与党は強行採決した。

納得がいかない。法案は成立していない。もう一度審議に戻す気はないか」

と訊ねた。安倍首相は
「最終的な(採決するか否かの)判断は各委員会の委員長、運営委員がきめることだ」

と答えた。これは、おかしい。

内閣総理大臣は、行政府の長であると同時に国会議員であり、多数党の党首である。

従って、国権の最高機関、国会の本会議、及び全ての委員会の運営で、強行採決という非民主主義的な行為があった場合、

責任がある。安倍首相の答弁は「委員会のことなど知らないよ」と言わんばかりだ。

あなたがすべてに責任を負っているんだ。安倍さん。

なお、社会保険庁改革法案は、全然意味のない法律で、社会保険庁を特殊法人にするということだけである。

今のダメな社保庁の役立たずの木っ端役人を全員クビにして、新たに優秀な人材を雇うというのなら、まだ多少期待できるが、

今の「社会保険庁改革法案」は改革でも何でもない。


◆安倍首相が自分の立場を分かっていないのではないか、と疑う理由、その2

安倍首相のダメぶりを指摘する前に、はっきり記録しておきたいことがある。記事にもあるが、

今、社保庁に行くと、てめえらが記録を無くしたくせに、年金受給資格者が事務所を訪れると、

「30年間、年金掛け金を支払っている、というのなら、領収書をみせろ」

と信じがたいことを言うらしい。盗人猛々しいとはこのことだ。

私は自分の耳で聴いたが、皆さんも出来ることなら、

大臣の自殺、社保庁問題・・・荒れる永田町で安倍首相 vs. 小沢代表!「党首討論」全部

を聞いていただきたい。

安倍首相は、はっきり、

「今後は、『領収書を持ってこい』などということは(社保庁の職員に)言わせません」

と断言した。いいですね?皆さんも覚えておきましょうね?

さて、首相が自己の立場を分かっていないのではないか、と疑うに足る発言は、

「社会保険庁の(体質的な)問題もあるとおもいますよ」

というものだ。

そんなことは、安倍君に言われなくても分かっている。そして社会保険庁で起きた全ての問題の最終責任者は、

内閣総理大臣に帰する。何故なら、内閣総理大臣は行政府たる内閣の首長だからである。

社保庁の問題は安倍晋三氏が内閣総理大臣に任命される前から存在していたのだから、

自分の責任じゃない、と言いたげだ。

違う。

あのね、安倍さん。内閣総理大臣は、部下の起こした問題の発端がいつだったか、とは無関係に、

今現在、実際に問題が起きている以上、その全てについて責任を負うことぐらい分かっているでしょ?。

そんなことも分かっていない安倍氏は自衛隊の最高司令官であり、日本を戦争の出来る国にしようとしている。

そのほか、色々な問答を小沢代表と交わしているが、ネットテレビを見れば分かるが、安倍氏は、

聞かれたこと以外にもベラベラ喋る。それが如何にも「肚が据わっていない」ことを伺わせる。

改憲論者の方。やっぱり、止めた方が良いと思うよ。実際に戦争になったら、

多分、安倍晋三内閣総理大臣はパニック状態に陥り、まともに戦略を考え、決断できないだろう。

ま、百聞は一見にしかず、である。



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2007.05.30

「農相の母、泣き崩れる 」←私は他のどの記事よりも、この一行に打ちのめされた。

◆記事1:農相の母、泣き崩れる

松岡利勝農相の母ハルコさん(86)は28日、熊本県阿蘇市の自宅で「自殺ですか?。ああっ」と泣き崩れた。

「ふだんは元気で、二週間ぐらい前に帰ってきたばかりでした。仏壇にも毎日、利勝さんが元気にとお祈りしておりました」

と声を震わせ、涙が止まらぬ様子だった。 [ 2007年05月28日 14:17 速報記事 ]


◆記事2:疑惑抱え突然の死・松岡農相、3日前元気なく「責任痛感」(2007年5月29日3時13分 読売新聞)より、抜粋

記事URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070529icw1.htm

◆2~1日前

26日土曜日。松岡農相は阿蘇市の実家を訪れた。

幼なじみだった同市議の阿部樹範(たつのり)さん(57)によると、

松岡農相は実家裏手にある父親の墓前で手を合わせた。

実家で一人暮らしをしている継母のハルコさん(86)には、

「体を大事にしてください」と声をかけたという。ハルコさんは「あなたこそ体を大事にしてください」と応じた。

親類などによると、実母は松岡農相が20歳の時に亡くなり、その後実父がハルコさんと結婚した。


◆コメント:「事件の真相」に関して世間は喧しい(かまびすしい)。プロが書いた記事を読まれたい。ただ、言いたいことがある。

松岡農水相が自らの命を絶った背景には、如何なる政治的な背景があったのか、

有名な、きっこの日記(リンク要らないでしょ?)、立花隆氏の「メディア ソシオ-ポリティクス」

田原総一朗が同じ日経ビジネスの田原総一朗の政財界「ここだけの話」で、それぞれの「分析」を書いている。

そちらをお読みいただきたい。ただひとつ、言いたいことがある。

この三人、常識が無い。死者が出ていて、そのことについて原稿を書いてカネを受け取る訳だ。

文章の始めか終わりに、お悔やみのひとことを添えるべきだと思うが。誰もやっていない。

「お悔やみの一言」とは、「謹んでご冥福をお祈り申し上げる」「お悔やみを申し上げる」という言葉である。

全然そういう発想が無いようだ。28日のきっこの日記に至っては、例の如く、「~今日この頃、皆さん如何おすごしですか」と書いている。

不謹慎だ。


◆御母堂の気持ちを思う者はいない。

記事1と2を読めば分かるとおり、松岡農水相は地元熊本に帰り、

御母堂に暇乞い(いとまごい=別れを告げること)をしている。

「体を大事にしてください」

という言葉から明らかだ。

その時の松岡氏の心中を察すると、あまりに悲しい。

人間はパソコンではない。デジタルではない。0か1か、クロかシロか、善人か悪人か、単純に分類できるような存在ではない。

松岡氏の86歳の御母堂は実の母ではなく、実母は20歳のときに亡くなり、その後、現在のハルコさんと実父が結婚したという。

こういうケースでは、継母には冷たく当たる人間も多いが、ハルコさん(継母)によれば、松岡氏はハルコさんを
「実の母のように大事にしてくれた」

という。偉いじゃないか。だからこそ、記事1にあるとおり、母、ハルコさんも、
「仏壇にも毎日、利勝さんが元気にとお祈りしておりました」と声を震わせ、涙が止まらぬ様子だった

のだろう。

誰もこの年老いた御母堂の気持ちを思わないのか。


◆親の愛はありがたいものだ。

故・松岡氏と御母堂の記事を読んでいるときに、故・遠藤周作氏のエピソードを思い出した。

今や、皆さん他界されたので、いちいち「故」を付けることを省略する。

遠藤さんの御母堂は、まだ、遠藤周作さんと兄上が健在なウチに他界された。遠藤さんは既に「大作家」だった。

しばらくして、兄上(サラリーマンだが、見事な文章力)が遠藤周作氏の子どもの頃からのエピソードを

月刊文藝春秋に書いたことが、ある(勿論、出版社の方から依頼したのだろう)。

子どもの頃、兄は大秀才だったが、周作氏は劣等生で、イタズラをして先生に怒られ、

母親を心配させた。通信簿は当然、良くなかった。

ただ、小学生のあるとき、周作さんが書いた短い「詩」が地元の新聞に載った。

シュッ、マッチ。

ポッ、ケムリ。

タバコ、スイタイナ。

これだけである。

だが、次男の周作さんは一体どうなるのか、と、ずっと心配していた「お母さん」にとって、

この詩が新聞に採用されたことは、天にも昇る心地だったのだろう。

周作さんと兄上が、御母堂の遺品を整理していたらなんと、この「三行詩」が出てきた、という。

つまり、遠藤周作氏の御母堂は、この小さい新聞の切り抜きを財布に入れ、

一生、肌身離さず、大事に持っていたのである!

遠藤周作氏の兄上は、

「これを見たとき、弟は、泣いた。」

と書いていた。その言葉を読むまでもなく、私の両目からもポロポロと涙がこぼれた。

政治家の世界の汚い話は、今は書きたくない。

松岡さん、ただね。お母さんを悲しませたのは、悪いことしたねえ・・・。


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2007.05.28

松岡氏の自殺そのものには言及を避ける。一般論。死んだ日から、死者に鞭打つことはなかろう。/【追加】日経のコラム「春秋」

◆他人が死んだことを「ネタ」とは何だ。

以前から、時事ネタという言葉が嫌いだ。ネタとは「種」を逆さにしただけのことで、

「漫才のネタ」という具合に、芸人の符丁だ。

時事問題を「ネタ」と考えること自体、私は間違っていると考える。

それは、天下国家の出来事を、読者にウケるための手段としてしか捉えておらず、

本当は、取り上げている問題そのものはどうでも良く、ただ、アクセス数なり「人気ブログ投票」で上位を占めることが目的なのだろう。

世の中の問題を論ずるのは、世の中がどうあるべきかを考えるためであり、自分の自己顕示欲を満たす為ではない。

まして、人が死んだときに、それを「ネタ」と称する人は、神経を疑う。なんという薄情さだ。


◆「村八分」は何故「八分」か知っていますか。

村八分とは、何か。

江戸時代以降、村落で行われた私的制裁。村のおきてに従わない者に対し、村民全体が申し合わせて、その家と絶交すること。

「はちぶ」については、火事と葬式の二つを例外とするところからともいう。

村八分は、要するに、ある家、一族を仲間はずれにするが、例外がある。その家が火事になったとき。弔事があったときである。

このときは、いくら何でも助けてやらねば、或いは手伝ってやらねば可哀想だ。という訳だ。情がある。



◆談合事件をうやむやにして良いとは言わない。ただ、今日ぐらいそっとしてやれ。

松岡農水相については、今日発売された週刊誌のうち、週刊ポスト、週刊現代、サンデー毎日が、主に「緑資源談合事件」を

取り上げており、周知の通り全国紙各紙も度々この問題を取り上げている。

松岡氏は、議員宿舎に事務所を構えており、議員宿舎の光熱費は全て国庫から出るのに、政治資金収支報告書で、光熱費を

計上していたことも問題となった。

それに関しては、私も2007年03月18日(日) 「松岡農相光熱水費問題」
に書いた。

これらを全て、松岡氏の自殺により、何となく葬り去るというのは正しくない。

しかし、世の中の本日のブログを見ていると、「死に水は『なんとか還元水』か?」とか、「松岡は卑怯だ」とか、

もはや、一切反論できない死者を、一人の人間の自殺を茶化し、嘲笑っている文章が多いのに驚き、嘆かわしく思う。

そこまで日本人は薄情ではないはずだ。「村八分」がそれを端的に表している。

それとも、今の世代は、「村八分」の「情」が全く分からないのであろうか。

談合、政治資金の不正計上は許されない。しかし、もう一度書くが、

弔事を茶化してはならないのである。

◆【追加】日経の「春秋」が見事である。

人が死んだことについて書いた文章に「見事」という形容詞を付けるのは、どうかと思ったが、あえてこの言葉を選んだ。

「見事」とはどういうことか。

全国紙・地方紙のコラム、社説のいくつかに目を通した。多くは要するに、
「松岡農相の死は痛ましい。しかし疑惑があったことは確かだ。それをうやむやにしていけない」

という趣旨である。間違ってはいないが当たり前だ。

これに対して日本経済新聞のコラム「春秋」(29日付)は、そんなことは分かっている、という前提で書かれ、

「もののあはれ」、を感じさせる。故・松岡農相に問題があったことはわかっているが、今日はそれには触れず、

さりげなく同氏の功績を挙げ、しかし、必要以上に美化もしていない。

大人の文章であり、今日のコラムでは最もこちらの心の琴線に触れた。

怒られたら削除するが、皆さんにも読んで頂きたいのでひとまず全文を転載させて頂く。
春秋(5/29)

青田風が吹き渡り、卯(う)の花垣でホトトギスが鳴く。透明で明るい日本の初夏。

生命のみずみずしい存在感が山野にあふれ、街にも青葉の生気が満ちるこの季節に、松岡利勝農相は、自らの命を絶った。

澄明な光にそむくように、向けられた疑惑はそのままに。

▼1985年に国会で議決された政治倫理綱領では、政治倫理に疑惑をもたれたら、議員は自ら説明して責任を明らかにするとしている。

「なんとか還元水」の問題も、安倍首相が妙にかばい立てをせず、野党がもっと切り込んで、

松岡農相を釈明へと踏み出させていれば、自死という悲劇は避けられたかもしれない。

▼日本では政治がからむ疑獄事件に、自殺がついて回る。板挟みに悩む管理職が、思い詰めて死を選ぶことが多い。

時の権力の一翼を担う現職の閣僚が自殺するのは、戦後初という。「なんとか還元水」問題のほかにも、命を賭して守るべきものがあったのだろうか。

▼農学部を出て農林官僚になり、農林業を基盤に政界に転じた松岡農相。

海外からの圧力に呻吟(しんぎん)する農業の再生へ、日本の優れた農産物を世界に売り込む攻めの農政に取り組んだ。

日本食を文化として世界に広げることにも熱心だった。

干拓、ダム、林道など開発事業への依存から、農業のソフト化へ。農政の大きな宿題を抱えながら逝った。

この文章は、「だから、今後誰がどうすべきだ」のたぐいを一切書いていない。そこに、「情」を感じた。



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5月27日は、パガニーニ(1782~1840、バイオリニスト、作曲家)の命日です。カプリース、カンパネラ、無窮動

◆バイオリンに本気で取り組んだ人じゃないと、本当の難しさは分からないと思います。

パガニーニの生涯、主な作品、エピソードなどについては、Wikiペディアに、

詳しく書かれていますので、ここで省きます(そういう「資料」は貴重だけど、それをブログ上に丸写しにしても面白くないでしょ?)

私個人としては、パガニーニ(の曲)がこの世からなくなっても、別に構いません。


しかし、個人的嗜好と音楽史上におけるパガニーニが占める地位は、当然別です。


要するに、この人がいなかったら、今のバイオリン弾きはもっと下手くそだったであろう、ということです。

パガニーニが、これでもか、これでもか、とばかりに超絶技巧(ものすごく難しいテクニック)を自分で考案して、

自分で曲(独奏曲、協奏曲など)を書いて、それら超絶技巧を取り入れ、自分で弾いて見せたがために、

後世のバイオリン弾きは、「こんな難しい曲は弾けないよ」と言えなくなってしまったのです。

しかし、その難しさは、バイオリンを習ったが「ゴセックのガヴォット」で止めてしまったという人には分からない。

勿論私も分かりません。

本気でプロになろうというぐらいの意気込みで高度な技術を身につけようとしている人が初めて分かるのだと思います。


◆プロの音楽記者は、さすがに上手いことを言います。

毎日新聞の首席音楽評論家だった、梅津時比古という人がいます。

多分、日本の新聞の音楽記者で一番、優秀な人だと思います。

今は、専門編集委員という肩書きで、音のかなたへというコラムを、月に二回、書いている。

これはずっと前から書いていて、本になっています。

音をはこぶ風日差しのなかのバッハなど。

新聞のコラムを中心にまとめた本なので、一編は短いのですが、非常にロマティックな文章を書く人です。

同時に、大変な学識です。近ごろの「のだめ」的、つまり大衆迎合的なところが全然ないので、取っつきにくいかも知れませんけれども、

音楽に興味がある、或いは興味を持ち始めた高校生・大学生など(勿論、大人もですが)にお薦めです。


前置きが長くなりましたが、梅津氏の文章で、パガニーニに触れているものがあります。以下、音を運ぶ風(音楽之友社)68ページから引用

超絶技巧に込められたもの

パガニーニがヴァイオリン曲に刻み込んだ超絶技巧には、安易なものへの拒絶のにおいがする。

適当な技巧で美しく聞こえるような曲など望むな!弾けもしないのにツベコベ言う批評家もどきが多すぎる!と、たたきつけているよう。

実際、彼の曲を完璧なテクニックで弾かれると、黙らざるを得ない。ピチカート、フラジョレット、独自の運弓法などが輻湊(ふくそう)し、

ヴァイオリンの表現の幅を恐ろしいほどに広げている。【引用終わり】

正に、パガニーニの音楽史上の価値はそういうところにあるのでしょう。

◆24のカプリース プロになる人は中学生ぐらいで弾けなければダメです。

最初に聴いて下さい。24番。最も有名な曲です。







「24のカプリース」は、お聴きの通り、無伴奏のバイオリン独奏曲。24曲から成り、これは、その最後の一曲です。

こういうのが24曲集まった曲集です。一つ一つの演奏時間はせいぜい3分から4分(7分ぐらいのが確か二曲)ですが、

どの一つをとっても超絶技巧のてんこ盛り。


しかし、プロになるような人は土台才能が違う(勿論練習もハンパじゃないでしょうが)。

海外ではMIDORIで出ている五嶋みどり(五嶋龍君のお姉さん)は8歳で、カプリース全曲を弾いてしまったとか。

8歳は特別としても、音高(音大付属高校)に入るような子は、皆中学のうちに弾けてしまう(弾けないと、問題外)。

プロになる、とはそういうことです。

音楽は技術では無くて、最終的には精神的なものですが、プロは、下手ではいけません。

まず楽器を自在に操る技術を身につけた、「職人」にならなければいけないのです。


◆無窮動。弾き始めたが最後。

これは、比較的最近、聴いていただいたものですが、再び載せます。

この曲も、聴いていただいた方が早い。まず、ソロで。





同じですが、昔トスカニーニという巨匠が、手兵、NBC交響楽団用に、編曲したものです。

つまりオーケストラの第一バイオリン十数人が一斉にこの速いのが延々と続く曲を一糸乱れぬアンサンブルで弾きます。驚異的です。



大勢で一つの旋律を弾くわけですから、一人でもちょっとでも間違えたらすぐに分かる。

これだけ、明瞭に(録音が古いのはしかたないですね)聞こえるのは、

全員すごい名手で、かつ「合わせる」プロだ、ということです。


◆バイオリン協奏曲第二番第三楽章(リストのピアノ曲「ラ・カンパネラ」はここからテーマを借りています)

相変わらず、下手くそなフジ子・ヘミングのラ・カンパネラが売れているようなので、

私ももう一度、ダウンロード購入して聴きました。

結論。下手クソです。お金を取って、人に聴かせる技術をこの人は持っていない。

私の意見は微動だにしません。何を言ってきても無駄です。

演奏はさておき、リストはパガニーニの演奏を聴いて音楽家になろうと決心したので、

パガニーニをずっと尊敬していたのでしょう。

ラ・カンパネラは、パガニーニのバイオリン協奏曲第二番、第三楽章のテーマなのです。

そのパガニーニのバイオリン協奏曲第二番、第三楽章です。演奏時間は約8分。






技術(テクニック)が無ければ、プロにはなれない。

しかし、テクニックをひけらかすだけでは(この演奏者がそうだ、といっているのではありません。一般論です)、

聴衆は「感心」しても、「感動」はしない。というのが、音楽の難しいところです。

勿論、作曲も同じ事で、非常に複雑なオーケストレーションを施したり、

協奏曲ならば、ソロのパートを難しくすれば、名作になるというものではない。

例えば、これはバッハの「2つのバイオリンの為の協奏曲」第一楽章です。






これは、これなりにちゃんと弾くのは大変ですけれど、先ほどのパガニーニの「超絶技巧のてんこ盛り」よりは易しい。

上手い子なら、小学校低学年で、弾くだけなら弾けてしまう。

でも、何というのかな、音楽的な深みというか、聴き手の(少なくとも私の)心を揺さぶるのは、バッハが優る。

それは明らかです。

音楽ってのは奥が深いものですね。
今日の知ったかぶりは、この辺で。それでは。



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2007.05.27

「<BSE>検査補助打ち切り 厚労省08年7月末で」「WTO提訴も辞さず=日韓中に牛肉全面解禁を要求-米有力議員」

◆記事1:<BSE>検査補助打ち切り 厚労省08年7月末で

厚生労働省は、都道府県が自主的に行っている生後20カ月以下の牛を対象にした

BSE(牛海綿状脳症)検査に対する全額補助を08年7月末で打ち切る方針を固めた。

来年度予算の概算要求に、同年8月以降の補助分は盛り込まない。

補助制度は、検査対象を生後21カ月以上に限定した国の方針に反発する自治体が相次いだため、

導入を余儀なくされた経緯がある。全頭検査の継続を望む声もあり、都道府県の対応が注目される。

01年9月に国内初のBSE感染牛が見つかって以降、国は安全確保のため食肉用のすべての牛を検査してきた。

しかし03年12月に米国産牛肉が輸入停止となり再開の圧力が高まる中で、

厚労省は05年8月に省令を改正して対象の牛を21カ月以上にした。

ところが岐阜、兵庫など肉牛の産地を抱える県が相次いで自主財源での全頭検査継続を表明したため、

同省は生産現場の混乱防止などを理由に、3年間の期限付きで20カ月以下への検査を全額補助していた。

全国の年間検査頭数は約120万頭で、このうち20カ月以下は約15万頭。

自主検査分の補助額は年間3億~4億円に上る。

補助打ち切りについて厚労省食品安全部は「食品安全委員会の検証で『20カ月以下の牛の感染リスクは高くない』

との結論が出ている以上、いつまでも税金をつぎ込めない」と説明する。

牛肉の貿易を巡っては、国際獣疫事務局(OIE)が国際的な安全基準として

「生後30カ月以下の骨なし牛肉は無条件で輸出可能」としている。

OIE総会が今月22日に米国を輸出制限のない準安全国と認めたことで、

米国側は日本政府に輸入条件の緩和要求を強める構えだ。

生後21カ月以上の検査を義務付けた日本国内の基準自体が今後見直される可能性もでてきている。

(5月25日3時7分配信 毎日新聞)


◆記事2:WTO提訴も辞さず=日韓中に牛肉全面解禁を要求-米有力議員

【ワシントン23日時事】米通商政策に大きな影響力のあるボーカス財政委員長(民主)は23日、

議会内で記者団に対し、日本や韓国、中国などが米国産牛肉輸入を全面解禁しなければ、

世界貿易機関(WTO)提訴も辞さない構えを示した。国際獣疫事務局(OIE)が

米国をBSE(牛海綿状脳症)の「準安全国」に認定したことを受けた発言。

委員長は、日本などは「速やかに」行動すべきだと指摘した上で、

米国産牛肉への差別的取り扱いは「WTO提訴の対象」だと述べた。

(5月24日1時0分配信 時事通信)


◆コメント:どいつもこいつも・・・・・。

面倒臭いかも知れないが、記事1をよく読んでいただきたいのです。

日本で初めてBSE(牛海綿状脳症)感染牛が確認されたのが、2001年9月です。

その後、「国の方針として」全頭検査を行っていたのです。全頭検査とは牛の月齢を問わない。

文字通り全ての食肉牛に対して、BSEに感染していないか、を検査することです。

ところが、2005年、「全頭検査止め」の「お達し」が出ました。

これは、2003年にアメリカでBSE感染牛が見つかり(本当はもっとずっと前から感染牛の肉が出回っていた、

と考える方が自然ですが)、日本は米国産牛肉を全面禁輸にしました。

アメリカは日本に圧力をかけ輸入を再開しろといいました。

アメリカの牛はまともに検査してません。そもそも日本の畜産業者のように几帳面ではないから、

米国の牛は月齢が不明なのです。そのアメリカ産牛肉を「圧力に屈して」輸入再開するにあたり、

日本の牛の全頭検査もゆるめておいた方がやりやすい、という、訳の分からない厚生労働省の論理です。

しかし、各地方自治体は、全頭検査を続ける必要がある、と猛反発したので厚労省は「それじゃすきにしなさい」といい、

補助金を出していたのです。その程度の良心は残っていた。


◆国際基準「生後30か月以下の牛肉は輸出可」になんら、根拠はないのです。日本では21か月の感染牛が発見されたことがある。

そもそも、「生後20か月以下の牛がBSEに感染リスクが無い」ことは証明できないのです。

月齢20か月以下の牛から異常タンパク質プリオンを検出するだけの検査技術・精度が開発されていないだけかも知れない。

日本では、2003年11月4日に、生後21か月の感染牛が確認されているのです。

21か月で感染していた牛がいるのに、19か月の牛は感染しないと言いきれるのでしょうか?

第一、厚労省の役人が(将来万が一20か月以下感染牛が発見されたときのことを考えての免責のつもりでしょうが)、

絶対に安全では無いことを認めているではありませんか。

補助打ち切りについて厚労省食品安全部は「食品安全委員会の検証で『20カ月以下の牛の感染リスクは高くない』

との結論が出ている以上、いつまでも税金をつぎ込めない」と説明する。

「リスクは高くない」→「低いが、リスクはある」ですね?

まして、国際基準の「30か月以下の牛は無条件で問題なし」など、何の信頼性もない。

これを決めたのは、OIE(国際獣疫事務局)という国連の下部組織です。OIEは五月の総会で米国を牛肉輸出の「準安全国」と

認定しましたが、なんと、アメリカはそのことを3月に知っていた。

それは、「米国産牛肉『月齢不問』 国際獣疫事務局、自由に貿易可能と認定」←米国が「OIEが内定した」と勝手に発表しているのだ。に書きました。

要するに国連かOIEにアメリカが圧力をかけたか何か政治的な工作があったのでしょう。

それはともかく、全頭検査を続けなければダメです。政治家はアメリカの圧力を受ける。松岡農相、随分頑張ってますよ。

アメリカの農務大臣相手に。安倍首相は一体、この前アメリカへ行ってブッシュと何を話したのでしょうか。

私が常々書いているように「アメリカは日本人に牛肉を買って欲しければ、黙っていても買いたくなるような牛肉を作れ」と言わずに、

農相に問題を押しつける。首相からしてこの有り様ですから、

厚労省の役人に「身体を張ってでも食品の安全を確保する」ような人物を期待するのは無理なのでしょう。

本当に、役所、いい加減ですね。社会保険庁の記録不明30万件もひどいですが、

私は、約3年前、国民年金掛け金流用の実態はあまりにもひどい。5兆6千億円も他の目的に使われている。

を書いたときから、この役所のいい加減さはただごとではない、と承知しているので、激怒してますが、驚きはしません。

今日はくたびれたのでその件はいずれ書きます。

一言書くならば、最初に社会保険庁の「保険掛け金流用五兆六千億円」を暴いた、

民主党の長妻昭議員の功績は評価されるべきだと思います。

残念ながら、こういう人は「例外的」で、日本の政治家はアメリカの睨まれたくない。役人は政治家に逆らって、天下り先を失いたくない。

日本をWTOに提訴すると息巻いているアメリカの「有力議員」もどうせ、票集めでしょう。

どいつも、こいつも、自分のことしか、考えていない。


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2007.05.26

「中国、『核先制不使用』変更も=ICBM増強を憂慮-米報告」←元はFT紙。一番危ないのはアメリカだと思いますが。

◆記事:中国、「核先制不使用」変更も=ICBM増強を憂慮-米報告

【ワシントン25日時事】米国防総省は25日公表した2007年版の中国の軍事力に関する報告書で、

中国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)など核戦力増強に憂慮を表明、

中国がどんな紛争においても核兵器を先に使用することはないとする、

いわゆる「核先制不使用」方針の変更を検討している可能性があるとの見方を明らかにした。

中国人民解放軍国防大学の朱成虎教授は05年、米国が台湾海峡での紛争に介入した場合、

中国は対米核攻撃に踏み切る用意があると警告していた。

国防総省の報告書の指摘は、中国が核の先制使用も辞さないとの方針を新たに打ち出す可能性も排除できないとみて、

米軍当局が警戒を強めていることを示している。(5月26日7時0分配信 時事通信)



◆記事2:FT紙原文翻訳「Beijing upgrades nuclear arsenal」(核戦力を増強しつつある中国)

原文URL:http://www.ft.com/cms/s/8a6ddf08-0af1-11dc-8412-000b5df10621,dwp_uuid=9c33700c-4c86-11da-89df-0000779e2340.html

米国国防総省が発表した最新の報告書によれば、中国は核攻撃能力を確実に増強しつつある。

同報告書は、中国が可動式地上発射大陸間弾道弾に最新鋭の技術を取り入れると同時に、新しい原潜艦隊に搭載するための、

潜水艦発射弾道弾の開発に注力している、と指摘している。

米国防関係情報筋によれば、可動式ミサイル、潜水艦発射ミサイルへの戦略のシフトは、人民解放軍による、核先制攻撃を可能に

するための動きだ、という。

「中国の長期的な軍事戦略は、(台湾への他国による)介入を防ぎ、同地域の敵戦力を掃討する能力を向上させる方向へ向かっている」

と同筋は述べている。

報告書は中国が衛星攻撃発射実験が、他国の衛星などを危険に及ぼした、と指摘した。

国防総省は、中国の軍事戦略は、まず第一に台湾を巡る紛争が生じた場合を想定しているが、

同時に、他の紛争地域や国家をも念頭に置き始めている点を憂慮している。

国防相の高官は「中国は、軍事力を維持するためのエネルギーの枯渇について不安になっているため、最近の海軍力の増強は、エネルギー資源を

輸送するタンカーの水路を確保する(遮断されないようにすること)、という目的もある」という所見を明らかにした。

中国は対外的に公式には、平和的台頭(peaceful rise)政策を表明しており(引用者注:他国を先制攻撃する意図はない、ということ)、

軍事力の近代化は、「経済力の発展に伴う自然なもの」である、という態度を変えていない。

◆公平な所見:中国が核兵器を増強するのは問題だが、中国・台湾紛争が生じたときにアメリカが介入する権限は無い。

アメリカにとって中国は、なかなか頭が痛い問題である。

日本は何でも言うことを聞く属国だ、とおもっているので、問題にもならない。

(但し、9条を変更して先制攻撃を可能にし、かつ核兵器でも持とうものなら、

一番先につぶしに来るのはアメリカだろう。が、ここでは主題でないから、これ以上触れない)

しかし、中国は何しろ広いし人口がすさまじい(地球上の人間の五人に一人は中国人なのだ)から、イラクでさえ

手こずっていることを見ればわかるとおり、中国とまともに戦争したら、永久に収拾が付かなくなる。

また、日本のようにすぐに手の内を晒さない。何を考えているか分からない。

経済力、軍事力がさらに向上すれば、米国本土を攻撃する可能性が絶対に無いとはいえない。

外国における中国人の傍若無人ぶりを見ると、危ない奴らだと思う。

とは、いうものの、いくら中国と言えども、近代化されているのは全体から見れば一部で、

大陸のちょっと奥の方へいけば、電気も水道も通っていないし、

あまり報道されないが、ここ数年、毎年、こちらで大洪水が起きたかと思えば、

あちらでは大干ばつで、住民が渇死しそうだ、とか、炭坑爆発で百何十人生き埋めになったとか、

まだまだ、「発展途上」である。

あまりにも、都市部と地方で経済的「格差」が拡大しているので、共産党が恨まれてクーデターが起きるかも知れない。

だから、中国共産党は、国際的に孤立して援助を受けられなくなっては困るのだ。

理由もなく、日本やアメリカを核先制攻撃したら、国連憲章違反である(第七章 平和に対する脅威)。

たちまち安保理決議が採択されて多国籍軍が応酬してくる。それは、まずい。

中国関係で一番緊張が高いのは、中国は独立を認めていないが、自分たちは独立国だと言っている台湾問題で、

中国と台湾との間に武力紛争が起きたら、それ自身危ないが、介入好きのアメリカが中国の助っ人だといって、

割り込んでくると、もっとやばい。

それこそ、核攻撃してくるかも知れない。そして、その標的は弾道弾による米本土だけでなく、在日米軍基地も含まれる。

アメリカさんには、イラクでいい加減懲りたでしょう。他国のことは放っておきなさい、と言いたい。

アメリカはイランの核開発が危険だ、中国の核先制攻撃の危険が高まっている、と不安を煽るのが上手いが、

何のことはない。世界で一番多くの大量破壊兵器(勿論核兵器を含む)を保有し、一番使いそうなのは

アメリカ自身である。

その意味で、国防総省のレポートとそれを大まじめに紹介する日本のマスコミは滑稽という他はない。



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2007.05.25

「温暖化ガス、50年までに半減=世界全体で-安倍首相が提案」←いつまで経っても不正確な報道

◆記事:温暖化ガス、50年までに半減=世界全体で-安倍首相が提案

安倍晋三首相は24日夜、都内で開かれた国際交流関係の会合で演説し、

地球温暖化対策について「世界全体の温室効果ガスの排出量を現状に比して2050年までに半減する」ことを世界共通の目標として掲げる考えを明らかにした。

排出抑制に取り組む発展途上国への資金協力の仕組みづくりも表明した。

ドイツのハイリゲンダムで6月に開かれる主要国首脳会議(サミット)で提案し、

「ポスト京都議定書」の枠組みづくりに向けて論議をリードしたい考えだ。(5月24日21時1分配信 時事通信)


◆所見1:報道はあくまでも正確に。「温室効果ガスを半減する」のではない。

私だって素人だが、一目見て時事通信の見出しのいい加減さに気付く。

京都議定書で合意された内容は何か。一番のポイントは

締結国は、2008年~2012年の期間における、CO2排出量を、1990年対比5.2%削減すること。

である。「排出量」を減らすことを目標としているのである(内容の妥当性は別として)。

時事通信の見出しは、

温暖化ガス、50年までに半減

とある。これでは、大気中の温室効果ガス(「温暖化ガス」とは、ふつう、言わない)濃度そのものを減らすかのごとき錯覚を与える。

安倍首相案(といっても、後述のとおり独自案ではないのだが)は、
温室効果ガスの排出量を2050年までに半減する

という内容だ。


◆先日のIPCCの報告書の丸写しじゃないか。

今月初めに書いた、「<温暖化対策>1トンのCO2削減最大80ドル IPCC」

をお読みいただきたい。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第3作業部会が4月末から5月上旬まで開催された。

その直後は日本語訳が出来ていなかったので、各紙の報道内容が少しずつ異なる(そんなことでは困るんですけどね)が、

産経新聞の見出しは次の通りだった。

IPCC 適切投資すれば2050年、温室効果ガスの半減可能(産経新聞) (5日8時0分)

冒頭の記事で報道された、安倍首相の提案は、要するにこのIPCCの勧告をそのまま受け売りしているだけだ。

地球環境概況2000は、
もし、現在の消費傾向が続くならば、2025年には地球上の3人に2人が水問題に直面することになる。

と警告しているのを、安倍首相は御存知なのだろうか。


◆不安要因は他にもあるのだ。

因みに温室効果ガスは、「代表的なもの」は、CO2だが、それだけではない。

ロシアの国土は永久凍土という、1年を通じて0℃以下の凍った土壌により形成されている。

シベリアの永久凍土の面積は日本の国土の25倍以上にも及ぶ。

そして、永久凍土の中には、凍土が形成された約3万年前に、

この地域で発生した大量のメタンガスが表層部に封じ込められているのであるが、

永久凍土が溶けることにより、メタンガスが地上に吹き出ることになる。

メタンガスはCO2の20倍もの温室効果をもっている。

永久凍土は既に溶け始めている。

このようなことを日本のメディアはあまり大きく取り上げない。

誰もこんな話は聴きたくない。しかし、だからといって、事の重要性を正しく認識しない、或いはさせないのは、

正しくない。



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2007.05.24

【番外(ココログのみ)】弱音を吐きます。愚痴など読みたくない方、無視して下さい。

◆疲れますねえ。

私は、ものすごい汗かきです。太っているわけでも、甲状腺機能亢進でも、糖尿でもありません。

因みに殆どの女性が関心を持っているダイエット。私は17キロ、大した苦労もなくやせたことがあります。

あまり参考にならないかも知れないけど、ここにその方法がかいてある。

一言で言えば、昼飯を食わないのです。それだけ。



が、しかしそれは余談です。

とにかく、要するにですね。

私はものすごい汗かきで、毎日会社に着くまでに、全身びっしょりと汗をかく。

多分(そんなことをしているヒマはないけど)ワイシャツを脱いで絞ったら、タラタラと汗が水滴となってこぼれるだろう

と言うぐらいです。大袈裟じゃない。

会社に着いてしばらくは、汗が目に入るし、顎先から、あたかも壊れた水道の蛇口のからツーッと水が漏れるように、

タラタラと水滴がこぼれ、ネクタイもズボンもびしょ濡れになります。

ところが、会社はエアコンが効いている。着替えなどしているヒマはない。

汗がどんどん冷える→体温を奪われる。このとき、人間は眠くなる。

これに対抗するため、エスタロン・モカというカフェインの錠剤を4錠ぐらいまとめて飲みます

(1錠にコーヒー一杯分に相当するカフェインが含まれているのです)。

私は、こういうものを少々大目に飲んでも全く胃に影響がないのです。

汗が滴り落ちる気持ち悪さを我慢して仕事に取りかかります。

一日中、色々な情報を追いかける商売なので、昼飯は食えません。ウィダー・イン・ゼリーだけ。

血糖値が下がると頭がボーッとなるので、そういうときは、思い切り甘ったるい缶コーヒーを飲みます。

とにかく、ニュースを見逃せないので、誰とも口を利きません。

抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬を飲んでいるのでアルコールは(もともと嫌いだから構わないのですが)、ここ十年ほど飲んでません。

飲み会など、もってのほか。

頑張っているのですがね。一度精神科の患者であることをカミングアウトすると、もう、永久に昇格しない。

偉くなんかならなくて良いのですが、給料が上がることもない。この条件でやる気を維持するというのは、正直なかなか辛い。

家に帰っても、社宅ですから夜、楽器の練習なんかできません。

ニュースを読み返し、ブログを書いているウチに、布団も敷かずに畳の上で寝ていることも多い。

書いても、天下国家を論ずるのは楽しいことではありませんからね。

最近、いい加減疲れました。


◆「今度生まれ変わるとしたら?」私はもう生まれなくて結構です。

世間の話題で、「今度生まれ変わるなら、男と女どちらが良いか?」「どのような職業につきたいか?」というのがありますね?

私の答えはただ一つ。

二度と生まれてきたくない。

人生なんて、こんな辛い拷問、一度経験すれば充分。もう一度なんて、冗談じゃない。

愚痴はみっともない。分かっています。しかし、私がこういう事を書くのは(いつも読んで下さっている方はお分かりでしょうが)、

エンピツ時代から書いた全ての記事約1,600本の中でも二桁になっていないのです。

お叱りのご意見もありましょうが、伺う前から、分かってます。

それを承知で、どうしても思い切り愚痴りたくて書きました。

お目汚しで失礼しました。


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「家庭訪問で自立支援=ニート対策を強化-再チャレンジ会議」←ニートなど、放っておけ。

◆記事:家庭訪問で自立支援=ニート対策を強化-再チャレンジ会議

政府の再チャレンジ推進会議は23日の会合で、学校に通わず定職もないニートの自立を支援するため、

専門相談員による家庭訪問を始めることを決めた。相談窓口に来た人だけに対応する現在のやり方では不十分と判断、

英国のニート支援策「コネクションズ」を手本に対策を強化する。


◆所見:ニートを支援する必要はない。

どうして、ニート、ニートと騒ぐのだ?

ニートの定義について公式な政府見解があるのかどうか知らんけれども、時事用語を簡潔に説明してある「東奥日報」の「東奥百科」によれば、

「仕事に就かず通学もせず職業訓練も受けていない」状態を意味する英熟語の頭文字(NEET)を取った。

厚生労働省の労働経済白書によると、この概念に相当する人口は2004年で大学卒業者も含め64万人に上る。

タイプはさまざまで、本人の希望と仕事の内容がマッチしない結果、就業意欲が低下している人がいる一方、

社会とうまく付き合えず引きこもる人もいる。

ということだ。

仕事に「就けない」のではなく、「就かない」。通学「出来ない」のではなく、通学「しない」。

つまり、障害があるわけでも、うつ病でも、その他の病気でもない。

昔からの日本語では、こういう連中を「怠け者」、「穀潰し」という。

ニートなどとカタカナにしてメディアが取り上げる。穀潰しが「時の人」になったような勘違いをして、更にツケあがる。


◆穀潰しよりも先に、支援するべき人たちがいるだろう。

ニートの皆様とは違い、親が病死、事故死、自殺したが為に、進学したくても出来ない子供たちがいる。

彼らは懸命に頑張っているのに、国は支援しない。だから「あしなが育英会」がある。

また、障害・病気のため、健常者のように働きたくても働けない人たちがいる。

まず支援すべきは、こういう人々である。

一方で、親が生きていて甘やかすので、学校にいけるのに、「行きたくないから」行かないのがニートである。

「働きたくないから」働かないのがニートである。

繰り返すが、日本国政府は、本人には何ら責任がない交通遺児、自殺遺児、阪神淡路大震災などで、親を失い、

勉強したくても出来ない子供が大勢いるのに、彼らを助けない。彼らが必要とするのは年間、20億円である。

因みに、赤坂に建設された新しい国会議員宿舎の総事業費は334億円である。

この国は、ニートをまず支援するというのだ。こういう世の中は間違っている。


◆ニートを働かせる為には、「働かなければ食えない」状況へ追い込めばいいのだ。

ニートのガキども(最近は大人もいるらしいが)。甘えるのもいい加減にしろ。

学校へも行かず、働きもせず、親に買って貰ったパソコンで遊ぶな。

働いている大人がみんな楽しく愉快に働いていると思っているのか。

世界の何処の国でも、人々は食うために働いている。

労働は楽しむ為にあるのではない。

「自己実現」のためにあるのではない。「食うための手段」である。

政治家と役人に言いたい。ガキどもを甘やかすな。

ニート(=穀潰し)が働かないのは、「働かなくても食えるから」だ。

この連中を働かせたいなら、「支援」などしてはいけない。

「働かないと、食えない」状況へ放り出せばいいのだ。嫌でも働くだろう。

それでも働かない奴は乞食にでもなるか、のたれ死にするがいい。

憲法は、労働の義務、納税の義務を国民に課している。

怠惰により義務を履行していない者に、権利を享受する資格はない。



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2007.05.23

「<情報管理>年1回以上の個人面談を定期的に実施 防衛省」「ミサイル防衛情報も流出」←「面談」で情報漏洩を防げるの?

◆記事1:<情報管理>年1回以上の個人面談を定期的に実施 防衛省

防衛省は21日、同省全職員と全自衛隊員を対象にした情報管理に関する個人面談を、年1回以上定期的に実施することを決めた。

自衛隊の内部情報流出が相次いでいることを重視した対応。


今月1日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で合意した「軍事情報に関する一般保全協定」(GSOMIA)の締結に向け、


情報保全強化の姿勢を示す狙いがある。

今年に入り、ファイル交換ソフト「ウィニー」による陸上自衛隊の情報流出や、

海上自衛隊のイージス艦情報持ち出しが発覚した。衝撃を受けた久間章生防衛相が今月中旬、

省内に文書で異例の「定期面談作戦」を指示した。

相次ぐ情報漏えいを受け、米政府には日本政府に対する不信感が生まれており、

そうした空気によってGSOMIA締結合意が浮上した経緯がある。防衛省は定期面談で情報管理の徹底をはかりたい考えだ。

今年の面談は今月中に開始する。職員、隊員に直属の上司らが情報保全を確約させるほか、

他の同僚が不正を行っていないかの聞き取りも行う。

防衛省は昨年2月、海自情報がウィニーを介して流出した際も緊急面談を行ったが、

パソコンの取り扱いなどの簡単な質問だけだったうえ、後に虚偽回答も判明。

このため、面談を定期化するとともに、

久間防衛相が(1)申告をうのみにしない

(2)全人格を傾注して指導する――などを具体的に指示している。

ただ、省内には「虚偽申告の調査には限界がある」(幹部)など、

早くも実効性を疑問視する声も出ている。(5月22日3時4分配信 毎日新聞)


◆記事2:ミサイル防衛情報も流出 イージス漏えい事件

最高レベルの「特別防衛秘密」に該当するイージス艦情報が海上自衛隊内に流出、拡散した事件で、

米国が弾道ミサイル防衛(MD)用に開発した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)などの最新の中枢情報も流出していたことが、

21日までの神奈川県警と海自警務隊の捜査で分かった。

米海軍はずさんな情報管理に強い衝撃を受け、海自に厳重抗議。

県警などは、一連の流出は海自のプログラム業務隊(現開発隊群)=神奈川県横須賀市=が作成した資料が持ち出され、

第1術科学校(広島県江田島市)を舞台に学生らに広がったと判断しており、立件に向けて徹底的な捜査を進める。

SM3は年内に海自イージス護衛艦への配備が始まるが、今後の捜査の進展によってはMD体制の構築に大きな影響が出る可能性が出てきた。

(2007年05月22日 2:06 【共同通信】)


◆コメント:防衛省には、「システム管理担当者」や「コンプライアンス(法令遵守)オフィサー」がいないのではないか。

どうも、世の中は事の重大性を良く分かっていないようだ。

日本は、四隻のイージス艦を保有している。一隻を建造するのに要する費用は1,300億円である。

無論、その費用は、私たちが納めた血税で賄われている。

イージス艦は世界でもアメリカ、日本ほか数カ国しか持っていない、世界最高峰の防空システムを持った船である。

レーダーがカバーする範囲は数百キロに及び、抜群の情報収集能力と、一度にミサイルが10発飛んできても

一度に対処できる(打ち落とせる)というすごい性能を持った艦である。だから、4隻で、日本中を監視出来るのである。

つまり、国の「個別的自衛権」の確保の為にも最も重要な、要(かなめ)である。


◆ご丁寧にも、「ミサイル防衛情報」も流出させてしまったのだそうだ。

イージス艦情報漏洩だけでも一大事だが、北朝鮮などが弾道ミサイルを日本を目標として撃ったときに、

これを迎撃するミサイルを作ろうというのが迎撃ミサイルだが、これはまだ開発中の「超極秘情報」のはずだ。

それがいとも簡単に流出してしまった。

イージス艦と迎撃ミサイルの情報がウィニーで流出した、ということは、日本の防衛システムの一番大事な事を

世界中に公開してしまったわけである。一般人が見てもなんのことかわからないだろうが、世界中の軍事・国防関係者は、

あまりのことにあきれかえっているのではないか。

あきれるだけならまだしも、イージス艦情報は、自衛官が「わいせつ写真」の交換をしているときに、それらと一緒に漏れたのである。

はっきり言って、日本は世界中の笑いものになっているに違いない。

「笑いもの」だけではすまない。

イージス艦情報、迎撃ミサイル情報ともに、最も知られてはならぬ北朝鮮や中国にも当然知られてしまった、と考えるべきだ。

極論すれば、現在の日本は殆ど丸腰(武器を持たないこと)でいるのと同じだ。


◆自衛官全員と1年に1回面談すると情報漏洩がなくなるのだそうだ。

この「定期面談作戦」を指示したのは久間防衛相らしい。

何が「作戦」だ。バカ。何をするかと思ったら、

職員、隊員に直属の上司らが情報保全を確約させるほか、他の同僚が不正を行っていないかの聞き取りも行う。

そこで、

「情報を洩らしていないか?」

「洩らしていません」

「洩らしては、いかんぞ?」

「ハイ。洩らしません」

と、1年に1回やると、情報漏洩がなくなるのだそうだ。有難き幸せである。


◆防衛省職員の約束など当てにならん。システムの問題はシステマティックに処理しろ。

今の防衛省がどんなに厳しく「情報管理」を命じても、今までの「実績」から判断すると、このままでは、

自衛官からの情報流出は続くだろう。

こういうことは、システム管理、コンプライアンス(法令遵守)の専門家が対処しないと、ダメだ。

つまり、システム的、物理的に情報漏洩させることが出来ない体制を作るのだ。

大手の民間企業は皆やっている。

ほんの一例を挙げるならば、登録されていない(多くは私物だろう)パソコンが自衛隊のLANに接続出来ないようにする。

役所が支給した(昨年、当時の「防衛庁」は、なんと、職員に私物PCを使用させないため、五万六千台のDellのパソコンを

購入して職員に貸与したはずだ。無論、「税金で」買ったのである)パソコンに、

あらゆる外部記憶装置の接続を排除するソフト(そういうものが現実に、とっくの昔から存在する)をインストールする。

アンチ・ウィルスソフトは当然として、定期的にウィニーがインストールされていないか点検する(たしか、これもソフトがあるはず)。

職員のインターネットへの接続を監視する。外部へのメールは全て検閲する。憲法は検閲を禁じているが、

国を守る使命を担う役所が、あまりにも杜撰な情報管理をしているのだから、例外的に許されるべきだ。

役所のパソコンから、掲示板、ブログ、など、書き込みのできるサイトへのアクセス制限を行う。


◆改憲し、集団的自衛権行使を可能にしてもアメリカから断られるだろうね。

前段で述べたことは、何処の会社でも(民間なら)「常識」だ。

安倍首相は、憲法を改正し、こんな初歩的な対策さえ講じられない自衛隊を「軍隊」(自衛軍)にして、

集団的自衛権行使を可能にし、アメリカが戦争をしたら、「何かお手伝いいたしましょうか」

とやりたくて仕方がないのだが、記事2に書いてあるとおり、先方は今回の情報流出にカンカンである。

「こんな国(日本)と下手に軍事情報を共有したら、いつ、世界中に筒抜けになるか分からん」

というわけだ。

集団的自衛権どころではない。

先に述べたとおり、イージス艦と迎撃ミサイル情報が洩れる、ということは、国民の生命を守る

「個別的自衛権」すら、実質的に行使不可能ではないか。

安倍晋三内閣総理大臣、久間防衛大臣。

あのね、面接している場合じゃないのです。システム管理の専門家を登用してください。

イージス艦4隻建造費、5,200億円もの血税をドブに捨てたも同然ですぞ。

そんな無駄金を使って、他方では社会保障費を切り詰め「障害者自立支援法」をつくり、このため、

障害者を抱える家庭が心中する悲惨な例があることを今週の「週刊現代」が報じている。

安倍さん。貴方の頭の中の「美しさ」とはどういう概念なのかね?



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2007.05.22

モーリス・アンドレが私の「移動祝祭日」なのです。

◆ヘミングウェイの「移動祝祭日」を知っていますか?

アーネスト・ヘミングウェイの小説に「移動祝祭日」という短編があります。

若い頃ヘミングウェイがパリで過ごした修業時代を、後年振り返った自伝的小説です。

「もしきみが幸運にも青年時代にパリに住んだとすれば、きみが残りの人生をどこで過ごそうともパリはきみについてまわる。

なぜならパリは移動祝祭日だからだ」(ある友へ アーネスト・ヘミングウェイ、1950年)

いいですねー。若くて時間があって、貧しかったけど幸せだった、という話です。


◆今日(21日)が誕生日のトランペット奏者、モーリス・アンドレが私の「移動祝祭日」。

過去何度も書きましたが、今日、5月21日は不世出のトランペット奏者、モーリスアンドレの誕生日です。

1933年生まれですから、74歳ですが、引退しています。

今の若い人にとっては「過去の人」らしいですが、アンドレの真価を聴き取れないようでは、ダメです。

彼は、神に「トランペットを吹く」という使命を与えられ地上に派遣された天才ではないかと思います。



私の頭の中では、トランペットの演奏というとアンドレが必ず現れます。

中学生の頃初めて彼の演奏を聴いて以来、ずっとアンドレの音がついて回るのです。

言い換えれば、私にとってモーリス・アンドレが、トランペット演奏の「移動祝祭日」なのです。

だから、これは、一生変わらないと思います。

たとえ、私以外の世界中の人々がモーリス・アンドレが下手だといっても(仮定上の話、です)、

私は「モーリス・アンドレは天才だ」と言い続けると思います。


◆これ以上、真面目な選曲はあり得ません。

トランペット協奏曲と言えば、ハイドンなのです。

モーリスアンドレのソロで、ヨーゼフ・ハイドン作曲「トランペット協奏曲 変ホ長調」より第一楽章をお聴き下さい。

協奏曲には、伴奏のオーケストラは休んで(音を出さない、ということです)、

ソリストが好きに演奏する、「カデンツァ」という部分があります。

今日お聴きいただく演奏では、5分40秒ぐらいから始まるカデンツァで、アンドレの卓越した技巧をお楽しみ下さい。






いつも申し上げているとおり、音楽を聴いてどのように感じるかは一人一人違いますので、お気遣い無く。

ただ、「私は」、遠い昔にアンドレのハイドンを聴いたときの、興奮が忘れられません。

やはり、「移動祝祭日」なんですね(笑)。貴方の「移動祝祭日」は、何ですか?

それでは、また。


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2007.05.21

「点字毎日」を知っていますか?創刊85周年。これは立派だ。

◆日本のみならず世界唯一の週刊点字新聞

どの新聞も、問題を起こすことがあったり、論説に不満を感ずることはある。

毎日新聞とて例外ではなく、最近では例の「タミフル」の副作用を不必要に強調した記事など大いに不満だった。

しかし、それとは、全く別の話として毎日新聞は、良いことをしている。

85年前、大正11(1922)年に「点字毎日」という、点字による新聞を創刊し、

今まで、ずっと週刊で(日刊は物理的に不可能)発行し続けているのだ。

85年間も続いている点字新聞は、日本のみならず、世界でも「点字毎日」だけだという。

今でこそ、世の中の障害者への配慮が多少進んできたが、85年前、世間の視覚障害者に対する扱いは、

恐らくひどいものだったに違いない。そのような時代で、更に、採算を理由に点字新聞創刊に反対する意見もあった、というのに、

大阪毎日新聞社(当時)社長、本山彦一の「これはいい案だ。ぜひやろう。損得など問題ではない」の一言で実現した
という。

どう考えても、立派としか言いようがない。ラジオもなかった時代である。

目の不自由な人々は、世の中の動きを自力で知ることができなかったのである。

身近な人に新聞を音読してもらうしかない。

ボランティアなどという、概念も組織も人員もいなかったから、障害者は遠慮がちになる。

そのような時代だったのに、「採算など関係ない」と言いきった本山社長の英断は、今日でも賞賛されるべきだ。

点字毎日は今でも大阪で作られているが、1999年には、天皇・皇后両陛下が「点字毎日」の編集・印刷室を視察された。

皇后陛下は点訳を学ばれた経験があり、以前から点字毎日に関心を寄せておられた。

両陛下は、編集から印刷までの制作工程を予定時間を超えるほど熱心に見入り、

「これからも良い仕事をなさってください」

というお言葉が寄せられた。さすがは、陛下である。

皇后陛下が点訳を勉強なさったことがある、というのもご立派である。


◆【為参考】点訳ソフトなど

ボランティアは「自発的」という意味だから、ここから後は、ご参考までに、という意味である。

パソコンがこれほど、発達・普及しているから、点字を打つ、或いは普通文字を点訳するソフトがないか、調べた。

ありました。

Googleで「点訳ソフト」で検索すると無数に出てくるが、一例として、こちらのボランティア団体のサイトでもいくつか

紹介している。リンクはご迷惑かも知れないので、アドレスを記す。

http://ibuki.nakayosi.jp/index.htm

目の不自由な人のための音声訳という技術もあるが、

これは朗読ではなく、例えば週刊誌なら写真や図も、言葉で表現するので、かなり専門的な訓練が必要だ。

しかし、役者、声優、アナウンサー、及びそれらを目指している、目指したことのある人なら、有利であることは想像に難くない。


「音声訳」で検索してみてください(無論、関心がある人は、という意味)。

時間も技術もない、つまり大多数のひとは、何が出来るかというと、

Yahoo!ボランティアのインターネット募金で日本盲導犬協会への募金が可能だ。

盲導犬を必要とする人が、7,800人もいるのに、実際に仕事ができる盲導犬は1,000頭しかいないのだそうだ。

それでは。また。



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2007.05.20

「尊敬を強く求めたブレア首相、不要の戦争で尊敬失う――フィナンシャル・タイムズ」←それでも、日本も戦争できるようにしますか?

◆gooニュースがFinancial Timesと契約して、社説の翻訳を載せている。

本来ならば、私が自分で翻訳してここに載せたいのだが、最近ちょっと疲れていて、

夜遅くから翻訳する気力がないので、サボります。

サボるのが本音なのですが、狡い言い訳をすると、

これは、他人が訳しているのですから、私がフィナンシャルタイムズを、

自分の「平和主義」に都合の良いように、意図的に誤訳(というか、改竄というか)している、という可能性を排除できる、

というメリットがあります。


◆余談です。記事の保存、その他について。

翻訳のURLは

http://news.goo.ne.jp/article/ft/world/ft-20070511-01.html

です。

興味があって、保存したい方は、私などが申し上げるまでもないが、

早めにローカルに「名前を付けて保存」する(Webページ、完全より、Webアーカイブ、単一ファイルのみ(.mth)の方が、見た目そのまま

保存できます)か、使っている方も多いでしょうが、

紙copi(昔の「紙2001」)というソフトを用いて保存しておくと良いですね。

更に話が横道に逸れます。

私は、財・サービスには対価を支払うのが資本主義社会の原則なので(社会保障は例外)、

無料で使えるものでも、殆ど全部有料版にしています

(エンピツ(永久会員)、ココログ、はてな、mixi、アクセス解析、ドメインサーチ等各種サービスや、ソフトウェア無数。)

紙copiもずっと前から使っているけど、わざわざ一番高い、ネタの種(紙と大して変わらないのですが、

ソフトの作者(高校生の時に、「紙2001」を作ったのだね。相当頭いいね)とジャストシステムが、組んで「商品」化したもの)

を使っている。ずっと溜めているから、何万件もあります。

ネタの種でも検索できるけど、分量が多いので、ヴィレッジセンター(WZエディターの会社)の「サーチクロス」という、

今でいうところのデスクトップサーチ用のソフトを買ってます。

GoogleとかMSNのデスクトップサーチなら無料ですけど、嫌なのです。

如何にも、こちらの情報を見られ、盗まれそうじゃないですか。オフラインの時は、そりゃ大丈夫だろうけど、

そこでの検索結果が、オンラインになった途端、Googleにサッと持って行かれそうな「気がして」嫌なのです。

実際、数日前、Google Desktop ハッキング簡単レシピ ~ その脆弱性が物語るもの

という記事が載っていました。「タダより高いものはない」。

他人様がどうするかは、勿論各人の自由意思で決めることです。

例えば、学生さんは、自分でなんら、付加価値を生み出していないのだから、親御さんに負担をかけないために、

無料サービスを使うのは構わないし、社会人でも人にはそれぞれ「事情」がありますから。


◆コメント:イラク戦争で、ブッシュにすり寄ったブレアはブッシュに使い捨てにされ国民から軽蔑されている。

本題です。


ブレア首相は、アメリカと同様に、大量破壊兵器の脅威について、故意に誇大な情報を捏造していたのです。

イラク戦争が始まったのが2003年3月20日。その約4か月後、捏造の事実がばれました。

はじめは、英国のフーン国防相が

「情報源は、国防省顧問の微生物学者で国連査察の経験もあるデービッド・ケリー博士(59)だ」

といいました。ケリー博士が一人で勝手に「誇大な情報」を政府に報告したのだ、と。

英下院外交委員会は7月15日にケリー博士を召還して、矢継ぎ早に質問を浴びせ、罵倒し、吊るし上げました。

博士はその3日後に自殺しました。

大事件になりました。外交委員会の質疑応答から、英国政府がケリー博士に命じて、

ウソの(大量破壊兵器の脅威を誇張した)報告書を作らせておきながら、責任を博士一人に負わせようとした背景が、

殆ど明らかになったからです。つまり政府は国民を欺していた。大スキャンダルです。

そのときブレア首相は訪日中でした。英国から随行してきた記者団は、本国で起きた事件について、

ブレア首相に容赦の無い質問をぶつけました。
「ブレア首相、貴方の手は血で汚れているのではないか?」

という記者すらいた。ケリー博士の自殺までは予想していなかったブレア首相はタダでさえショックなところに、

記者団のあまりにも激しい詰問の連続に、パニックったようで、答えられなくなりました。

その様子がすべてを物語っていた。

取り返しが付きません。フィナンシャルタイムズの社説の一節です。
イラク侵攻後の悲惨な状態は、永遠に消えない傷をブレア首相の名前に残してしまった。

その通りだと思います。


◆良いことを言う。

私はロンドンに四年住んでいましたから、普通のイギリス人がどれぐらいバカで無能で気が利かないか、良く知っています。

イギリスに行ったら「クイーンズ・イングリッシュ」が至るところで聴けると思っている貴方。

あんなの、100人に一人もいませんよ。


庶民はホントにバカ。で数少ない超エリートが国を動かしてる。

バカだけどね。イラク戦争前には、英国、ヨーロッパ各国(英国人に言わせると、英国は英国であり、ヨーロッパではないのです)アメリカ、

世界各国で、ベトナム戦争以来最大規模の反戦デモに何十万、何百万という民衆が参加してました。

いざ、というときは、本気で意思を表明する。

日本人は何が起きても何も言わない。あまりにも言わない。

戦争前も戦争中も戦争後も、無関心なのが日本人。イラクがどういうひどい有り様か、知ろうともしないから、

憲法改正して、自衛軍を海外に派遣するのが国際貢献だ、と主張する安倍のバカのいうことを鵜呑みにするのです。

人殺しの手伝いが、何故、国際貢献なのでしょうか。

また、もしも、本土で戦争になったら、「美しい日本」が焦土と化す。

こんな簡単なことも安倍首相と、彼を支持する国民は、わからないのか、と思います。


◆他人を感動させる方が、人を傷つけるよりも、遙かに難しく、偉大で、美しい。

このサイトをいつも読んで下さるさざ波さんが教えて下さったお話。

日本の伝統芸能に「祭り囃子」がありますが、東京都新宿区の民族無形文化財に指定されている、

「戸塚囃子」の演奏団体が、ドイツ、ライブツィッヒ(バッハゆかりの地です)の

マルティン・ルター大学ハレーヴィッテンベルグ音楽研究所が六月に主催する、

第一回ドイツ・ハレ世界民族音楽祭に招待されたとのこと。伝統芸能保持者の笛吉さんで、若い衆と六人で

六月にドイツで演奏するそうです。

向こうから招待された、というのがすごいですね。

今日はまだ、笛吉さんに、リンクのお願いをしていないので、貼らないが、お許しを得たら、是非御紹介したいと思います。


ヨーロッパやアメリカのオーケストラで活躍する日本人が大勢いることは、何度も書きました。

自ら玄人はだしのピアノの腕前を持つ、元・旧西ドイツのヘルムート・シュミット首相は

ヨーロッパのオーケストラで活躍している日本人音楽家は、日本のどの政治家、外交官、ビジネスマンよりも、

ヨーロッパ人が日本人に対して抱くイメージを向上させることに貢献している。

と、かつてニューズウィークのインタビューに答えました。


他人を嫌な気持にするのは簡単だ。2ちゃんねるを見れば今すぐにでも分かります。

他人を肉体的に傷つけるのにも、何の修練も要らぬ。昨日の立て籠もり男を見れば、これも明らかです。

これに対して、他人を喜ばせること、楽しませること、笑わせること、感動させることは、比べものにならぬほど大変な努力の継続と、

それを成し遂げる精神力、知能が必要となります。


◆「博士の愛した数式」の主題歌で、森麻季さんを聴きました。

先日予告したとおり、テレビで映画「博士の愛した数式」を放送し、主題歌を歌っていたのは、

ソプラノの森麻季さんでした。

私はミーハーでさわいでいるのではありません。

どう考えても文句の付けようがない演奏でした。

あの歌はト短調だと思いますが、最初のG(ソ)の音を伸ばす、

その一瞬で、ハッとこちらの気持ちを掴んでしまう。

本当の名歌手にしかできないことです。


鉄砲を撃つのに、三歳から毎日何時間も練習しなくていいでしょ?

プロのピアニスト・ヴァイオリニストになろうと思ったら、子どもの頃から毎日何時間も練習して、

プロになってからも毎日練習を続けなければならないのです。

他人を楽しませること、感動に導くことこそ、人間がなし得る最も美しく偉大な仕事なのです。

人殺しはバカでも出来るのです。

安倍内閣総理大臣には永遠にわからないでしょう。


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2007.05.19

「大林容疑者に捜査員20人殺到、両手掲げ路上に立ちすくむ」←人質自力脱出の後、何故突入しなかったのか。/【追加】佐々淳行氏談話

◆記事:大林容疑者に捜査員20人殺到、両手掲げ路上に立ちすくむ

愛知県長久手町の立てこもり事件は、発生から29時間たった18日午後8時48分、ようやく解決した。

拳銃で警察官1人を殺害、自身の子供を含む3人を襲った元暴力団組員の大林久人容疑者(50)は、

人質にしていた元妻がすきを見て脱出してから約6時間後、籠城(ろうじょう)していた自宅の別棟を出ると、

観念したように両手を掲げ、路上に立ちすくんだ。一昼夜にわたって住宅街を恐怖に陥れた男は、

約20人の警察官に折り重なるように取り押さえられた。

 ◆会見◆

愛知県警愛知署の講堂では午後11時から、県警の藤村博之刑事部長らが会見に臨んだ。

大林容疑者は逮捕時、銃を持っていなかったという。

林一歩(かずほ)巡査部長(23)らの銃撃については、「殺意はなかった」などと話しているという。

投降した理由については数十回にわたる説得に観念したと供述しているという。

(5月19日0時2分配信 読売新聞)


◆コメント:要するに、今回、警察がしたことは、「自分から出てきた犯人を20人で取り押さえた」ことだけなのですよ。

本件だけを持って警察・警察官全体をダメだ、というつもりはないが、今回の事件は如何にも不首尾であったように思われる。

私が一番、正視に耐えかねると感じたのは、最初に現場に急行した、本木巡査部長が撃たれてから、6時間も救出されなかったこと。

倒れたままの同巡査部長が何度もテレビに映されていたときである。本木巡査部長は生命は助かったが、半身不随になる可能性があるという。


◆撃たれて、血を流し、倒れて苦しんでいる同僚を6時間救出しないってのは、どういうこと?

犯人はピストルを(大量の弾も)持っていた暴力団員であるが、警察官もまた、言うまでもなく拳銃の所持を許可されている。

血を流し、苦痛のうめいている同僚を、仲間を、6時間も救出出来ない、といって助けなかった、という事実が私は一番ショックだった。

もしも、撃たれたのが一般人だったら、十時間ぐらい放っておかれるのではないか、と思った。

あの映像を見た本木巡査部長のご家族は、さぞや、警察という組織を恨めしく思っただろう。

私が何を言いたいかというと、
「私が責任を取る」

という警察幹部がいないのが、今回のようなていたらくの一因なのではないか、ということだ。

浅間山荘事件を知っている人間には、そう思えるのだ。


◆35年前(1972年)浅間山荘事件の時、警察庁長官は、故・後藤田正晴氏、現場指揮官は佐々淳行氏(後内閣調査室長)だった。

若い人も、テレビの記録映像を見たことがあるだろう。1972年2月19日(札幌オリンピック閉会の2週間後)、連合赤軍の5人が、

河合楽器の保養所、「あさま山荘」、「浅間山荘」管理人の妻を人質に立て籠もった。

人質を救出するまでに何と、10日間かかった。後藤田長官の方針で警察からの発砲は禁じられていた。

二名の警察官が頭部に銃弾を浴びて、殉職した。

そのときのことは、

34年前(1972年)の今日、「あさま山荘」に機動隊が突入した。警察庁長官は後藤田正晴氏だった。

に書いた。

後藤田長官は、そんなことは言わないが、警察というのはひどいところで、散々現場で苦労して帰ってきた佐々氏に、

「誰か辞表を出す奴はおらんのか」

という声が上がったという。佐々淳行氏は、辞表をたたきつけた後、殉職した部下の弔問に向かった。

現場最前線で任務を全うして亡くなった、第二機動隊長、内田尚孝警視宅での話は、辛いが

内田警視の御母堂のあまりにも立派な言葉を読んで頂きたい。


それはさておき、やや論旨がぼやけてきたので、

私が何を言わんとしているかというと、次の通りである。

私は、犯罪も暴力も、ましてや戦争の話も大嫌いだが、警官なり兵士が職務に命を賭すに際しては、
「死んだら、自分の亡骸を引き取ってくれる仲間がいる」

という思いがなければ、命がけになどなれないのだ、ということだ。

今回は、その根本のところが崩れているので、非常に残念に思ったのである。


◆結論:キャリア組の保身の為に警察が存在するのではない

結論を記す前に、公平を期すために、念のため書き添える。

SAT(Special Assault Team)がいつも今日のような頼りない組織ではないということ。

「特殊部隊SAT」は日本赤軍が日航機をハイジャックした1977年の「ダッカ事件」の後、極秘裏に準備が進められて編成された。

最初は警視庁と大阪府警だけだった。その後、北海道、千葉、神奈川、愛知、福岡にも配置されて人員が200名を超えた1996年、

初めて存在が公表された。

それ以前から既に、1979年、三菱銀行北畠支店で、猟銃を持った梅川という男が行員を人質に立て籠もったときには、強行突入して、犯人を射殺した。

比較的近年では、西鉄バスジャック事件で、バスに閃光弾を投げ込み、やはり犯人の身柄確保と人質救出(それまでに既に犠牲者が出ていたが)に成功した。

状況がことなるけれども、三菱銀行などをかんがえると、どうして今回はこれほど、警察は動けなかったのか。


人質の女性が自力で脱出したら、もう、突撃でも射殺でもすればいいでしょう?

冒頭の記事にあるように、警察が今回やったことといえば、
「自分から投降してきた犯人を20人で取り押さえた」

ことだけであり、これでは如何にも頼りない。


SATは、テロリストを制圧するための特殊部隊なのだ。

何故、29時間もかかったのかというと、愛知県警の幹部のキャリア組が、人質が殺され、自分の責任を追及され、「経歴にキズが付く」のが怖くて、

「私が責任を取るから、思い切って突入せよ」と言えなかったのだろう。

公務員(警察キャリアも、内閣総理大臣も公務員)にせよ、民間企業にせよ、

責任者が責任から逃れようとする組織は、ダメだ。


◆【追加】佐々淳行氏の談話が毎日新聞に載っている。

前述の浅間山荘事件での、当時の現場指揮官、佐々淳行氏の談話が19日付の毎日新聞に載っていた。

あまりにも我が意を得たり、なので、御紹介する。
元内閣安全保障室長、佐々淳行さんの話 

最初の通報で駆け付けた巡査部長が撃たれた後の対応は納得できないことばかりだ。

約5時間も巡査部長を救助せずにいたことは信じられない。警察官の人命は尊重されないのか。

さらに、SAT隊員が撃たれた際も、どうして反撃や突入をしなかったのか。

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2007.05.18

「南極海:深海に多数の新種生物 国際チーム発見」←生物と言っても色々でして・・・。

◆記事1:南極海:深海に多数の新種生物 国際チーム発見

南極大陸から南米側に突き出した南極半島の東側、ウェッデル海の深海で、

500種類以上の甲殻類をはじめとする新種の生物多数を発見したと、ドイツなどの国際研究チームが17日付英科学誌ネイチャーに発表した。

南極海では温暖化で崩壊した棚氷に覆われていた海域でも新種とみられる生物が多数見つかるなど、

従来考えられていたより豊かな生態系があることが分かってきている。

研究チームは2002~05年、3回にわたって調査船を派遣し、水深774~6348メートルから海洋生物を採取した。

分類の結果、甲殻類の一種ワラジムシの仲間、585種類が新種と判明。

ほかにも、貝のような形をした貝虫類約70種、釣りのエサに使われるゴカイに似た多毛類81種、海綿17種類などが新種とみられるという。

研究チームは「南極海の深海部では一部の生物が特有の進化を遂げているようだ」と指摘している。(ワシントン共同)

(毎日新聞 2007年5月17日 3時00分)

元記事キャッシュ(新種生物の写真が載っている):

http://megalodon.jp/?url=http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070517k0000m040179000c.html&date=20070518021337


◆記事2:南極内陸部の積雪「解けていた」 NASAが初観測

米航空宇宙局(NASA)は15日、これまで解けることがないとされてきた南極大陸内陸部の積雪が、

米カリフォルニア州(約41万平方キロメートル)の広さに匹敵する大規模な範囲で解けていたとの観測結果を発表した。

NASAの研究チームによる衛星写真の分析から判明し、雪解けの発生は2005年1月。

海岸から約900キロの内陸部や、標高2000メートルの高地でも観測された。

雪解けが起きた一帯の一部は、気温が5度以上に達した地域もあったという。

研究チームは「南極で観測された初の地球温暖化の兆候だ」と指摘。

また、解けた後に再び凍った表層部分が滑りやすい状態のまま残り、

今後、海水面の急激な上昇につながる大規模な氷の層の移動が起きる可能性もあるとしている。

(ロサンゼルス 松尾理也) (5月17日8時1分配信 産経新聞)

(写真が載っているテクノバーンの記事URL:http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200705161833&page=2)

(↑いつまで記事が残っているか分からないのでお早めに。キャッシュをウェブ魚拓で保存しようとしたら、出来ない、とのメッセージ)


◆コメント1:新種生物、といっても甲殻類だけではなく、我々の知らない、何十万年も南極・北極の氷に閉じこめられていた病原菌・ウィルスがあったのです

記事1の毎日新聞が報じている「新種生物」とは元記事をご覧になると分かるが、カブトガニのようなものだ。

この手の生物が生態系に如何なる影響を及ぼすのか、私の理解を超えているが、直接、人間に危険が及ぶことは無かろう。


しかし、手許にあるのが2003年の資料で、若干古いのだが、それによると、

グリーンランドで掘り出された氷から14万年前のウィルスが発見され、

そのウィルスはその時点で、まだ、植物に感染する能力を持っていたという



ウィルスは自ら細胞を持っておらず、生物と呼んで良いのかどうか分からない、不思議な存在らしいが、ともかく、

何かに寄生しないと生きられない。宿主として人間が選ばれると、何しろ全然知らないウィルスだから、ワクチンはおろか、

インフルエンザウィルスに対するタミフルのような治療薬も無いのだから、下手をすると小松左京のSF小説「復活の日」

(あれは、アメリカの生物兵器が、間違って、大気中にばらまかれて、殆どの人類が死んでしまう、というものだが)か、

フリーマントルのシャングリラ病原体で描かれた恐怖が、現実化する怖れがある。

新種生物の発見?よかったね、という次元の話ではない。


◆コメント2:カリフォルニア州の広さ=日本の広さ

記事2は何が問題であるかというと、あまりにも話のスケールが大きすぎて、我々一般人には想像しづらい。

比較的知られているのは、これだけものすごい体積の氷が溶けると、海面の水位が上昇し、海抜の低いツバルが真っ先に水没するのではないか、と言う問題である。

ところが、人間は薄情なもので、ツバルが沈もうが、日本が沈むことはないだろう、と考えると、関心を示さない。

しかしながら、日本とて無関係ではない、という説もある。

南極は、北極と異なり、氷が浮いているのではなく、南極大陸という「地面」の上に、分厚い氷の層が乗っている状態が今までの姿である。

南極の氷はすでに、東京ドーム数十万個分溶け出しているそうだ。ゆっくりととけてゆくならまだしも、高さ4,500メートルもある氷山が、

大陸から海に滑り落ちた場合、超巨大津波が生じて、最低でも10mの高さを保ったまま、時速300kmで、日本にまで達する。

津波の高さが20mに及ぶ可能性も十分にある。

この場合は、最悪、太平洋沿岸に住む日本人は全滅する、と、やや恫喝的だが、そういう見方もある。

だから、遠い南極の話だとタカを括らない方が良い。

今週発売された週刊現代かポストに、マグネシウムを用いた発電について専門家の話がのっていて、

要するに、これならば、資源はいくらでもあるし、温室効果ガスも発生しない、ということが書いてあったが、

私には、その話の信頼性に判断が付きかねる。ご専門の方、所見を教えていただけないだろうか?



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2007.05.17

「イラク特措法:衆院で改正案可決 期限を2年間延長」←自衛隊が活動するのは「非戦闘地域」でなければならないはずだ。

◆記事:イラク特措法:衆院で改正案可決 期限を2年間延長

イラク復興支援特別措置法の期限を2年間延長する同法改正案が、15日の衆院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決、参院に送付された。

民主党など野党4党は一致して法案に反対した。参院では18日にも審議入りし、今国会中に成立する見通しだ。

改正案の衆院通過を受け、麻生太郎外相は記者団に

「(法案が混乱なく)『荷崩れなし』で衆院を通過できたことは大変ありがたい」と歓迎の意向を示した。

一方、航空自衛隊の撤退期日など「出口戦略」については具体的な言及を避けた。

03年7月に制定されたイラク復興支援特別措置法は4年間の時限立法で、7月末で期限切れとなる。

今月10日までの3年2カ月の間に、拠点のクウェートからイラク国内にC130輸送機3機で多国籍軍・国連の人員や車両部品、郵便などを輸送してきた。

防衛省は詳しい内容を明らかにしていないが、輸送は505回、物資総重量は523・5トンで、8割が多国籍軍関係という。


◆コメント:イラク復興支援特別措置法とそれに基づく自衛隊のイラク周辺での活動は違憲である。

どうして、野党もマスコミもこれを主張しないのか、怠慢である。

アメリカが国際法上違法であるイラク戦争を開始したのが、2003年3月20日である。

イラク復興支援特別措置法は、そのわずか4か月後の7月だ。

アメリカは5月に終戦を宣言したが、実質において戦闘行為は続いていた。

戦闘状態にある同盟国に対し、後方支援を行うことは、憲法第9条で禁止されている(というのが、政府の公式見解だ)、

集団的自衛権の行使に相当する。

だから、イラク復興支援特別措置法が成立(この時も強行採決だった)した時点で既に違憲である。


◆その上、イラク復興支援特別措置法を2年延長出来るわけがないのである。

イラク復興支援特別措置法では、自衛隊の活動(対応措置)が行われる条件が定められている。

第二条第三項 対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)

が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとする。

いいですか?自衛隊が対応措置(人道復興支援活動←陸自がサマワで行っていたもの。既に終わった。及び、安全確保支援活動←空自、海自が多国籍軍の物資を運ぶこと)を行えるのは、
「現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」

に限定されている。

現実はどうなのか。

イラクでは毎日のように、テロで人が死んでいる。

それはYahoo!ニュース - イラク戦争をはてなアンテナにでも登録して、毎日読めば、バカでも分かることだ。

ここで旧防衛庁時代から屁理屈がまかり通っている。それは、

「戦闘」とは国家間の宣戦布告を経て、開始された武力行使の応酬を指す。

イラクで騒動を起こしているのはテロリスト(犯罪者集団)であり、国家ではないから、イラクは戦闘状態ではない。


というものだが、これで納得する奴はバカである。

法律は目的論的に解釈されねばならぬ。自衛隊の活動を「非戦闘地域」に限定したのは、自衛官の安全を確保するためである。

武器を用いているのが、正式な国家の軍隊であろうがテロリストであろうが、弾が飛んできて当たれば死ぬのである。


さて、空自はクウェートから、イラク国内の各地に、多国籍軍の人員や物資を運んでいる。

イラク復興支援特別措置法を二年延長すると言うことは、今でも無茶苦茶な混沌状態にあるイラク国内に、物資を輸送することが、

この先二年間、安全だ、と見なしていることになる。

衆議院議員がバカとしても、まさか、本当に、この先二年間イラクが安全だと思うほど、バカではないはずだ。


イラク復興支援特別措置法が違憲であるだけでもけしからんのに、

イラク復興支援特別措置法で、せめて自衛官の安全を確保する為に、との目的で設けられた「非戦闘地域」も無視している。

古今東西、自分が戦場に行くことは絶対にない政治家が、このように無責任な決定で国民(自衛官は国民だろう)を危険に導く。



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2007.05.16

【森麻季さん情報】フジテレビ系列19日(土)映画「博士の愛した数式」の主題歌は森麻季さんだそうです。

◆今度は早めにお知らせします。

先週の「ドレスデン国立歌劇場」とは、全然違いますけども、森麻季さんを聴いたことがない方もある方も


お聴きになっては如何でしょう。私はこの映画も主題歌も知らないので、


是非見て(少なくとも聴いて)みたいと思います。

番組のサイトは「土曜プレミアム 博士の愛した数式」です。

なお、この情報はご本人のオフィシャル・サイト内、Mediaという項目に


載っているので、間違いありません。



余談ですが、このサイトの中に森麻季さんのブログがあり、ドレスデンでの「ばらの騎士」公演の様子など書いておられますが、

最終日の項に私のコメントを載せていただきました(ご本人のOKが出るまで、掲載されないのです)。

ムヒヒ、という心境です(←念のため書き添えますが、これは「歓喜」の表現です)。


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付帯決議が18項目もあるのに「国民投票法案、成立」だとさ。何故、急ぐ必要があったのか。

◆全国紙・地方紙の殆どの社説・コラムへのリンク集を知っていますか?

ネットのおかげで、今は全国紙のみならず、地方紙すら北は北海道新聞から南は琉球新報まで、少なくとも社説を読むことが出来る。

ここに、日本中の主だった新聞の社説・コラムへのリンク集がある。

私は、毎日全国の新聞を読むほど時間はないが、国民投票法案成立の翌日の論調を知りたくて、斜め読みした。

ごく大雑把にいうと、朝・読・毎・日経のうち、朝日は当然反対として、

他の三紙は政府の御用新聞か?と嫌味をいいたくなるほど、国家に迎合的だ。

これと対照的に地方紙の有名どころは、大抵、

「審議が不十分なのに、採決するのは安易かつ無責任だ」

という論旨である。私も賛成である。


◆付帯決議(まだ、詰めていないこと)が十八項目もあるのに、審議を尽くしたといえるのか。

14日に成立した「日本国憲法の改正手続に関する法律案」(通称、国民投票法案)には、十八項目の「付帯決議」が付いている。

「付帯決議」とは、それ自身は法的根拠や拘束力をもつものではないが、

委員会・議会での意思表明という性格をもち、政府等が、今後法律の具体化に際して、

十分留意して取り組むべき事柄を示す「決議」だという。

某代議士に寄れば、付帯決議はいちばん多くて九項目程度なのに、

今回の付帯決議は十八項目。

しかも、それが、現行憲法を変更する手続きを定めるための法律だ。

一日でも早く成立させる必要は全く、無い。(誤解が無いように記すが私は、現法憲法を変える必要はない、と思っている。

付帯決議になどせずに、全て審議するべきだったのである。


◆付帯決議18項目

日本国憲法の改正手続に関する法律案に対する附帯決議

平成十九年五月十一日

参議院日本国憲法に関する調査特別委員会

一、国民投票の対象・範囲については、憲法審査会において、その意義及び必要性の有無等について十分な検討を加え、適切な措置を講じるように努めること。

一、成年年齢に関する公職選挙法、民法等の関連法令については、十分に国民の意見を反映させて検討を加えるとともに、本法施行までに必要な法制上の措置を完了するように努めること。

一、憲法改正原案の発議に当たり、内容に関する関連性の判断は、その判断基準を明らかにするとともに、外部有識者の意見も踏まえ、適切かつ慎重に行うこと。

一、国民投票の期日に関する議決について両院の議決の不一致が生じた場合の調整について必要な措置を講じること。

一、国会による発議の公示と中央選挙管理会による投票期日の告示は、同日の官報により実施できるよう努めること。

一、低投票率により憲法改正の正当性に疑義が生じないよう、憲法審査会において本法施行までに最低投票率制度の意義・是非について検討を加えること。

一、在外投票については、投票の機会が十分に保障されるよう、万全の措置を講じること。

一、国民投票広報協議会の運営に際しては、要旨の作成、賛成意見、反対意見の集約に当たり、外部有識者の知見等を活用し、客観性、正確性、中立性、公正性が確保されるように十分に留意すること。

一、国民投票公報は、発議後可能な限り早期に投票権者の元に確実に届くように配慮するとともに、国民の情報入手手段が多様化されている実態にかんがみ、公式サイトを設置するなど周知手段を工夫すること。

一、国民投票の結果告示においては、棄権の意思が明確に表示されるよう、白票の数も明示するものとすること。

一、公務員等及び教育者の地位利用による国民投票運動の規制については、意見表明の自由、学問の自由、教育の自由等を侵害することとならないよう特に慎重な運用を図るとともに、禁止される行為と許容される行為を明確化するなど、その基準と表現を検討すること。

一、罰則について、構成要件の明確化を図るなどの観点から検討を加え、必要な法制上の措置も含めて検討すること。

一、テレビ・ラジオの有料広告規制については、公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力を尊重するとともに、本法施行までに必要な検討を加えること。

一、罰則の適用に当たっては、公職選挙運動の規制との峻別に留意するとともに、国民の憲法改正に関する意見表明・運動等が萎縮し制約されることのないよう慎重に運用すること。

一、憲法審査会においては、いわゆる凍結期間である三年間は、憲法調査会報告書で指摘された課題等について十分な調査を行うこと。

一、憲法審査会における審査手続及び運営については、憲法改正原案の重要性にかんがみ、定足数や議決要件等を明定するとともに、その審議に当たっては、少数会派にも十分配慮すること。

一、憲法改正の重要性にかんがみ、憲法審査会においては、国民への情報提供に努め、また、国民の意見を反映するよう、公聴会の実施、請願審査の充実等に努めること。

一、合同審査会の開催に当たっては、衆参各院の独立性、自主性にかんがみ、各院の意思を十分尊重すること。

右決議する。

◆コメント:これほど多くの「決まらなかったこと」があるのに、無理矢理「法案成立」させるべきではない。

以上の18項目は、採決の時点で「決まらなかったこと」だが、

「決められない」ことではない。又は、「更に細部まで決めることが出来た」項目ばかりである。

時間をかけて審議すれば決めることが出来た内容である。

憲法は最高法規であり、それを変更する(私はその必要はない、と、何度も書いているが)手続きを決める法律ならば、

最大限の慎重さで取り組むべきである。

それを、今回のような雑な審議で無理矢理決めてしまったのは、新聞流にいえば、

参院選対策、ということになるが、実際は安倍首相が「自分の在任中に、国民投票法案を作った」

と言いたいがため、つまり、「私欲」の為である。

私は今でも「戦後レジームからの脱却」がなにを意味するのか理解できない。

多分安倍首相本人も分からないのだろう。

憲法改正を私欲に利用するなど、あってはならないことである。



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2007.05.15

連立与党は「郵政民営化」選挙で衆議院の多数党となったのだから、国民投票法案に関して衆議院を解散して民意を問うべきだ。

◆2005年9月11日投開票の衆議院選挙は「郵政民営化の是非だけを問う」選挙だったのです。

今日(2007年5月14日)、「日本国憲法の改正手続に関する法律案」が参議院で可決、成立した。

内閣提出法案・議員提出法案いずれも、それが法律として成立するためには、まず衆議院で審議、採決の後、

参議院に法案を送り、参議院で審議の後採決して過半数の賛成が得られれば成立する。

参議院のこの決定に関しては、いずれにせよもうすぐ参院選があるので、

そこで嫌でも今日の決定を含めて「民意を問う」ことになる。

だが、衆議院をこのままにする(解散しない)のはおかしい。

繰り返すが、前回の衆院選は当時の総理、小泉純一郎のバカが、

「これは、郵政民営化の是非『だけ』を(有権者に)問う選挙なのです」

を繰り返した。

本来、国政選挙の論点を郵政一点に限って良いわけがない。

「国政」とは、郵政ばかりではないからだ。経済、教育、外交、安全保障、治安、などに関して、

各党が包括的に公約を提示し、有権者は総合的な見地から、投票する政党乃至候補者を決定するのが

「国政選挙」であるが、有権者の多くは小泉の「ワンフレーズ・スピーチ」が分かりやすいので、

まんまと欺されて、連立与党に地滑り的大勝利をもたらした。


◆「郵政民営化だけ」の選挙だったのだから、憲法改正に関しては、国民はなんら、意思表示をしていない。

本来あってはならない、「ワンポイント」選挙を逆手に取らせて貰う。

有権者が2005月9月11日の投票で支持したのは(私は反対だったが)郵政民営化についてだけであり、

憲法を改正する手続きを定める法律を作ることに関しては、良い、とも、悪い、とも言っていない。

小泉も憲法改正と言っていたが、奴は何も分かっていない

(今日は省くが、小泉が「集団的自衛権」の定義を述べよ、と、当時社民党の辻清美代議士に詰められ、

答えられなかったことが明らかになった国会議事録を、いつか紹介しよう)。

その後、かねて最も強硬な改憲論者の安倍晋三が総理になったのは、自民党の内部の話である。

国民にとっては、関係ない。

だから、安倍になってから始めた政策に関しては、改めて国民の審判を仰ぐべきだ。


◆安倍政権のインチキ政治その一、郵政民営造反組復党劇

安倍は、内閣総理大臣就任後の初めての演説(所信表明演説。通常国会初日に「今年の方針」をのべるのは「施政方針演説」)で、

新書本のタイトル通り、「美しい日本」を強調した。

だが、実際に彼が使う政略は「汚い」ことばかりだ。

郵政民営化に反対し、自民党から除名されて12名を復党させるにあたり、

「誓約書に『郵政民営化に賛成です』と書け」

と中川幹事長が「命令」した。

情けないことに11名が誓約書を提出した。

彼らに投票した有権者は見事に裏切られた。安倍晋三は平然としていた。


◆安倍政権のインチキ政治その二、教基法改正前のタウンミーティングでのやらせ。教基法の強行採決

安倍のインチキ政治の中で、さらに罪が重いのは、憲法の付属法と言われていた教育基本法の改正にまつわることだ。

国会での審議にあたり、「市井の一般人の意見を参考にする」というお題目のもと、各地でタウンミーティングが行われた。

安倍政権は(安倍が知っていたか否か、は問題ではない。国政の最高責任者なのだ。「知らなかった」という言い訳は出来ない)、

各地でのミーティングで教基法改正、大賛成の意見をのべる「サクラ」を忍び込ませていた。

本当は、こんなとんでもない話がバレた時点で、内閣は総辞職するべきだったが、安倍は知らぬふりを決め込んだ。


◆結論:衆議院を解散しなければならない理由。

結論的に繰り返すと、今の衆議院における連立与党の議席数は「郵政民営化」に対する国民の判断の表れである。

しかし、与党は、前回選挙ではおくびにも出さなかった、憲法改正のための手続きを定める法律を、

議論が尽きていないのに、強行採決した。


時間が前後するが、教基法改正も前回選挙の争点ではなかった。

安倍はタウンミーティングの不正の全貌が明らかになる前に、国会で教基法改正案を強行採決した。

要するに郵政造反組を復党させたとき、教基法改正案を成立させたとき、

いずれも衆議院を解散して、主権者たる国民の審判を仰ぐ好機だったのに、

安倍内閣はふてぶてしく開き直り、権力の座に居座っていた。

今度こそ、衆議院を解散し(昔、衆参同時選挙となったこともあるのだ)、参院と併せ民意を問うべきである。



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2007.05.14

「<クールビズ>6月1日の閣議は「かりゆしウエア」で」←こういう「ままごと」をしてるから温暖化の深刻さが分からない。

◆記事:<クールビズ>6月1日の閣議は「かりゆしウエア」で

政府は11日、地球温暖化防止のための夏期の軽装「クールビズ」が始まる6月1日の閣議を、

沖縄県特有の夏用シャツ「かりゆしウエア」着用で開くことを決めた。

安倍晋三首相が11日の閣僚懇談会で各閣僚に要請した。

首相は4月の参院沖縄補選の遊説の際、かりゆしウエアを閣議で着用することを「公約」していた。

(5月11日18時36分配信 毎日新聞)


◆コメント:何を着てもいいが、まず、首相官邸、国会議事堂のエアコンを停止して範を垂れよ。

「クールビズ」という造語を聞く度に、分かっちゃいねえな、と思う。政治家もマスコミも。

これを書くのは100回を超えているのではないか(実際はそれほどではないのだが)?と自問するほど、何度も引き合いに出すのは、

国連環境計画(UNEP)が1999年に発表した地球環境概況2000である。

結論は概況と提言に書かれている。

温室効果ガスの排出量増加により、地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れであり、

更に、京都議定書において合意された多くの目標は達成されないかもしれない。

先日IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表したステートメントは、
2100年までに大気中の温室効果ガス濃度を550ppm(ppmは100万分の1)に抑えるためには、

2030年までに二酸化炭素(CO2)1トンの削減費用を、最大で80米ドル(9600円)まで伸ばすことが必要

という、暢気な結論だったが、地球環境概況2000は、
もし、現在の消費傾向が続くならば、2025年には地球上の3人に2人が水問題に直面することになる。

と、非常に明確に断定している。

理屈は分からなくても、ここ数年の日本の異常気象だけでも冷静に見れば、普通の感覚の人ならば、
「何かとんでもないことになりつつあるのではないか?」

と、感ずるのが生物として自然である。

例えば、東京では、今年の冬は雪が一度も降らない、と思っていたら、観測史上最も遅く3月16日にほんの少しだが、雪がちらついた。

ところが、何とその4日後、3月20日に、サクラ(ソメイヨシノ)の開花宣言。

その後、途中を省略するが、先週は、東京で夏日、関西各地では真夏日となった。まだ、五月である。

10日には、強風のため、群馬県で竜巻が発生した。この日の北関東はすさまじい雷だった。明らかに地面が熱せられて上昇気流が生じ、

積乱雲が出来て雷が発生する、という、普通ならば夏に起きる気象現象が、本来、まだ「春」であるこの時期に観測される。

ここ数年、明らかに気候に変動が起きている。これらが全て地球温暖化によるものかどうかは分からないが、全く関係がない

と断定する根拠も、ない。


クールビズとは、ネクタイを外して、薄着をして良いから、その代わりエアコンを止めて電力消費を抑えるのが目的なのに、

去年の国会中継を見たら、クールビズでいながら、従来と同じぐらいエアコンを使っている。

どうして分かるかというと、国会の中にはクールビズの「だらしのない」格好を嫌い、スーツのままの議員がいるのだが、

彼らが全く暑がっていないから、である。

こんな「お遊び」では意味がない。悪いけど、「100万人のキャンドルナイト」も「おままごと」である。

UNEPが出した結論を読みなさい。下手をすれば2025年に地球上の3人に2人が水問題に直面する。

水が涸れるということは、穀物その他食料の収穫が激減する。水と食い物が無くなれば、人類は滅亡する。

これは、言うまでもなく、啓蒙活動が足りないのである。地球環境概況2000を大きく取り上げた新聞があったら教えてください。

マスコミは10万分の1の確率でしか起きない「タミフルによると思われる異常行動」については、針小棒大に騒ぎ立て、

人類の存亡に関わるかも知れない地球温暖化問題に関しては全然、危機感を煽らない。

だから、いつまで経っても、ガンガン、エアコンを効かせた部屋でクールビズ、という漫画的光景に止まっている。



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2007.05.13

世界最古のオーケストラの音。その他、今日はコンサートです。

◆名歌劇場には名オーケストラがいる。絶対。

前回の記事に書いたとおり、日本のソプラノ、森麻季さんはドレスデン国立歌劇場の「ばらの騎士」で歌われました。

11月、この歌劇場が(建物は別として)まるごと日本に来て、同じばらの騎士を演り、森さんがゾフィーを歌う。

なんだか、チケット買えそうにないですね。私のブログにも「森麻季」で検索して来る方が非常に多いのです。


それはともかく。人々はオペラになるとどうしても歌手の歌や声に注意が向かい、オーケストラはあまり聴いておりません。

歌劇場のオーケストラはオペラでは「伴奏」ですが、名歌劇場のオーケストラは必ず上手い。

当たり前です。

名歌手を集めても、「アイーダ」でトランペットが「プヘー」とかボロボロだったら話にならない。


◆シュターツカペレ・ドレスデンが「金と銀」を弾く。

森さんの伴奏をした、シュターツカペレ・ドレスデンの「ウィンナ・ワルツ集」というCDがあります。

ウィンナーワルツ=シュトラウス一族と考えがちですが、このCDではレハールという人を取り上げています。

オペラの軽いのを喜歌劇=オペレッタ、といいます。はっきり言って、歌劇=オペラより、一段格が低いものと見なされています。

一般的には、そうかも知れないのですが、レハールというひとの「メリーウィドウ」(楽しい未亡人)というオペレッタなどは、

実に実に、美しいメロディーに満ちあふれています。バカにしたもんじゃない。

しかし、オペレッタを一曲載せるわけにはいかないので、「金と銀」というワルツを聴いていただきます。

普通だとクラシックの「ポピュラー名曲」に分類されて、まともなオーケストラ・指揮者が演奏しない。

ところが、ここでは、ルドルフ・ケンペという人が、オーケストラを大編成にして、大変重厚な響きを作っています。

旋律を心を込めて弾く。その真剣さに引き込まれます。

超一流オーケストラが本気で弾くと、「金と銀」がこうなるのか、ということです。






曲の節目節目で次の部分に移るときの締めくくり方の丁寧さ、次の旋律の開始で思い切りテンポを落とすところが印象的です。

聴き手の身体の隅々にまで音楽が、ズシンと響きます。

こういう曲でも全く手を抜かない。名演です。このオーケストラの伴奏で歌う森さんの緊張は並大抵ではないと思います。

権威ということだけじゃなくて、音、音の響きが厚いから、透る声でないと客席に聞こえないです。まあ、オペラ指揮者は心得ていて、

歌手の声が聞こえなくなるようなデカい音を出さないようにしてますが。それでも大変ですよ。


◆読者の皆さんの感受性は素晴らしいと思うのです。

音楽は人を試す「道具」ではありませんが、一般的に精神的な成熟度が増すにつれて、音が弱く、テンポが遅い、

「静かな音楽」を聴いていられるようになります。子供は、賑やかな方が好きです。

ここで、誤解を避けるために書きますが、テンポが速く、音量が大きい音楽を好む人が未成熟だ、という意味ではありません。

私とて、今でもフル・オーケストラでドカーンというのも大変好きです。


ただ、一般論として、年齢を重ねて、ある程度精神的に大人になると、

静かな音楽の良さが若い頃よりも分かるようになる、という私の経験則を述べているだけです。

その意味では、読者の方々のほうが、私よりもずっと大人のかたが多い。

私は長いこと聴いているから、知ったかぶりは出来ますが、音楽の本質を受け止める感受性はあまり無いと思います。

それにひきかえ、多くの読者の方は、

「今まであまり音楽、又はクラシック音楽などきいたことが無かったけれど、昨日のバッハはとてもよかった。」

とか、
「マーラーのアダージェットがとても気に入った」

などと仰るのです。

素晴らしい感性をお持ちです。こちらが、たじたじとなるぐらいです。

お世辞でも何でもありません。私の素直な感想です。


◆そこで今日の後半は、静かな、穏やかな音楽を集めました。

たまには好きなことを思い切り書きたい、と思っていて、それを実行してしまったので、すっかり、前置きが長くなりました。

曲に行きます。

静かな曲を並べるときに、同じ楽器、編成だと、いくらなんでも飽きるので、工夫したつもりなのです。

なるべく、ボリュームを絞ってお聴き下さい。

アルビノーニ、オーボエ協奏曲作品9-2のアダージョです。







有名なヘンデルのオンブラ・マイ・フをトランペットとオルガンで演奏しています。トランペットもオルガンも女性です。






穏やかですが、一旦、少しテンポが速いのを挟みます。バッハ「オーボエとヴァイオリンの為の協奏曲」第一楽章







次は、プッチーニのオペラで日本を舞台にしていることで有名な「マダム・バタフライ」(蝶々夫人)から。

コーラスとオーケストラによる演奏(ソロがいないのです)で、珍しいのは、歌詞がない。

「ハミング・コーラス」といいます。穏やかな中に、切なさを感じます。







最後は音楽の神様。モーツァルトが書いたわずか26小節の、しかし、身動きできなくなるほど美しい、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」です。






如何でしたでしょうか。

それでは、また。


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2007.05.12

世界で最も由緒あるオペラハウスで森麻季さんが「ばらの騎士」に出演したドキュメンタリーが放送されます。【追記】

◆背景:日本テレビ(読売新聞)と大和証券の招きで、世界最高のオペラハウスが11月に来日し、森さんが出ます。

ドレスデン国立歌劇場といって、世界でウィーン国立歌劇場と並ぶ、世界最高レベルのオペラハウスがあります。

私がかねて日本音楽史上最高の声楽家であり、世界的なレベルから判断しても第一級の芸術家、と絶賛を惜しまない

ソプラノの森麻季さんは、3月、このドレスデン国立歌劇場でリヒャルトシュトラウス(後述)のオペラ、

「ばらの騎士」で「ゾフィー」という重要なパートを歌われ、絶賛を博しました。

そのドレスデンは今年11月日本で引っ越し公演をします。

日本で「ばらの騎士」の森さんを聴けるのですね。

呼ぶのが、日本テレビと大和証券らしく、今日(12日)

ドレスデンを関連番組を放送します。

あと二時間しか無くて、済みません。昨夜も書きかけでぶっ倒れて眠ってしまいました。

この番組自体はもと民放の女子アナのド素人がドレスデンに行って「スゴーイ」とか言ってることでしょう。

森麻季さんにもインタビューしているらしいのですが、あまり不躾な質問をしていないことを祈ります。




最も強調すべきは、

ドレスデン国立歌劇場に呼ばれるということは、森さんが世界第一級の歌手として、西洋人から評価されている

ことを、なによりも雄弁に物語っている、という「事実」です。


◆番組視聴後コメント:やはり、森さんは超一流だと思います。

番組で知りましたが、3月の「ばらの騎士」が森さんのドレスデン・デビューだったのですね。

ブラボーが飛んでいました。

ここで、「上手い」と認められなかったら、11月の日本公演からは外されているはずですが、

既に、キャストに入っています。フェアな評価です。


なにしろ、ドレスデン国立歌劇場はもとはドレスデン宮廷歌劇場で、何度も書くとおり、

ヨーロッパでも最も歴史があります。ものすごいプライドなのです。

下手な歌手を出すことなど、あり得ないのです。その通りでした。

ドレスデン国立歌劇場の専属オーケストラを、シュターツカペレ・ドレスデンといいます。世界最古のオーケストラです。

古いだけではない。シュターツカペレ・ドレスデンは、オーケストラ単体でも超一流なのです。

オーケストラの響きを表すとき、「いぶし銀のような」という形容詞はシュターツカペレ・ドレスデンのためにあるようなものです。

日本テレビ系列の番組中、「ばらの騎士」の一部が流れました。

ズシンと地の底から湧き上がるような、厚い響きを持つシュターツカペレ・ドレスデンが、フォルテで鳴っているのに、

森さんのフォルテの高音の美しい声は、その上を軽々と飛んで客席に届いていました。

これは、力むのではないのです。逆です。如何に全身の力を抜くか。身体が緩むほど、声は伸びる。

森さんはドレスデンデビューでも、全く動じないでその実力を発揮しておられた。

素晴らしい。ブラボーが飛ぶのも当然です。


◆森さんのCDはすごいですよ。本当の名演ですよ。

森さんのレパートリーは、大変広い。「ばらの騎士」は20世紀の作品ですが、

17世紀ヘンデルの演奏も、実にしみじみと美しい。これです↓。

あなたがそばにいたら~Bist du bei mir

全部、名演ですけど、3曲目のオンブラ・マイ・フ、とか、4曲目の「涙の流れるままに」(「私を泣かせて」と訳されることが多いです)は、

私ゃ、それまでに何度聴いたかわからないほどでしたが、森さんの演奏で、改めて「これほど美しい音楽だったのか」、と驚嘆しました。



もう一枚は、イタリアオペラのアリア集です。

愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集です。

ここでは、コロラトゥーラという、声楽のテクニックの極致、神髄、名人芸と、

テクニックの披瀝に終わらない音楽性、を同時に併せ持つ音楽家の演奏の素晴らしさに感動します。

森さんがこの境地に至るまでには、ものすごい--私などの想像を絶する--努力をなさり、

そして、今もそれを続けていることが分かります。

これは、単なる「ファン」などというちゃらちゃらしたものではなく、

私の30数年クラシックを聴いてきた経験に基づいて書いています。

芸術は、森さんの演奏のような「本物」に接することが大変重要です。始めに優れたものを聴くと、

正当な評価が出来るようになります。それはさておき、以上二枚はお薦めです。


◆リヒャルト・シュトラウスについて。

リヒャルト・シュトラウスなんて知らん、という方も多いでしょう。


彼自身、最初楽譜が出版社に売れなくて苦労したようです。

「何?リヒャルト・シュトラウス?しらねえなあ。「リヒャルト」ならワーグナー。「シュトラウス」ならヨハンと、相場が決まってらあ」

とか言われたそうです(後で、言った本人後悔したかな・・・)。

とにかくこれは聴いたことあるでしょう。








これは、交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」の冒頭です。

これ、ティンパニ、三連符ですからね。↓タテ線は拍の区切りです。

ドソド|ソドソ|ドソド|ソドソ|

で数えないと、訳分からない。

「ニーチェの哲学書を読んで、受けた印象を音楽にした」のだそうです。

R.シュトラウスは最初は管弦楽曲が多い。この交響詩ってのをやたらと書いた人ですね。

個人的には「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」というのが一番面白い。冒頭から有名なホルンソロがある。






「ツァラトゥストラはかく語りき」よりもくだけた感じですね。ホルンソロ、曲が始まってすぐだから、重要です。

高音まで上っていって、(移動ドで)、

ド・ソ・ド

と、急降下する。最後の低音を良く鳴った音で響かせるためには、余計な力を極力抜かなければいけません。


リヒャルト・シュトラウスは、親父さんがホルン吹きだったのです。だからホルン協奏曲も二曲かいています。

それについては、以前、毎コンのホルン部門について書いたときに触れましたので、

お読み下さい。


◆リヒャルト・シュトラウスのオペラを聴く前に歌曲を聴いた方が、馴染みやすいと思います。

たとえば、こんなの。







これはね。TrV59の「子守歌」というのです。ややこしいのですが、R.シュトラウスの作品番号にはいくつかの体系があって、

普通のOpって奴の他にTrV番号があるんです。この小品にはTrvしかついていない。

森さんは今日本におられるようであした13日には逗子でリサイタルを開かれるようです。

そこには、ちゃんとリヒャルト・シュトラウスの歌曲が入っています。

明日のチケットは無理かも知れないけど、森さんは、リサイタルで、またコンサートのソリストとして日本でもしばしば

演奏なさっているので、一度お出かけになっては如何でしょうか?

時間がないのでお薦めCDなどは後ほど追記します。


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2007.05.11

「<国民投票法案>14日成立へ」←正式には「日本国憲法の改正手続に関する法律案」というのです。

◆記事:<国民投票法案>14日成立へ

憲法改正の手続きを定める国民投票法案をめぐり、自民、公明両党と民主党は10日、

参院国対幹部らが協議した結果、11日の参院憲法調査特別委員会、

14日の参院本会議でそれぞれ採決することで合意した。

法案は14日の本会議で与党の賛成多数で成立する見通しだ。

民主党は対案を提出しており、与党案には反対する。

5月10日19時57分配信 毎日新聞


◆コメント:国民が投票するのはいいことじゃないか、と云う問題ではないのですね。

日本の大新聞は、国家権力の広報誌になってしまったのか。

問題点を何故分かりやすく提示しないのか。

理解に苦しむ。それはさておき、

「国民投票法案」というと、何となく響きがいい。

「国民が投票するのだからいいことではないか」ということになる。

だが、この法案は正式な名称を読めば分かるとおり、

憲法を変えるための手続きを定める法律で、その先には、憲法を変え、自衛隊を自衛軍にして、

しかも、戦争放棄を謳った現在の憲法第九条第二項を削除し、

自衛軍が海外で戦争に加わることを可能にすることを究極の目的とする行為の始まりなのだ。


◆何故、そう云いきれるのか、と言う方、新憲法草案を読んでみて下さい。

新憲法草案は、自民党のホームページの一番下に、

小さく載っている(リンクがある)。

新憲法草案(平成17年11月22日)です。

新旧対照表形式にその中でもっとも注目すべき第九条を見て下さい。

現在の第九条は、

第一項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

第二項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

ところが、新憲法では、第二項が削除されている

代わりに、第九条の二 「自衛軍」が新しく設けられている。
第一項 わが国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮者とする自衛軍を保持する。

第二項 自衛軍は、前項の規定による任務を遂行するための活動を行うにつき、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。

第三項 自衛軍は、第一項の規定による任務を遂行するための活動のほか、法律の定まるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に強調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことが出来る。

第四項 前二項に定めるもののほか、自衛軍の組織及び統制に関する事項は、法律で定める。

これを実現するのが与党の目標である。


◆何故、変えなければいけないのか。

戦後60年以上もの間、自衛隊は、その実力としては世界三位の大「軍隊」なのに、

日本が戦争に巻き込まれなかったのは、第九条第二項のおかげである。

自衛権(個別的自衛権)は行使するが、こちらからは攻撃しない。

先制攻撃はしないというのは現在の第二項による。

何故、これを削除しなくていけないのか?

第二項を削除するということは、国の交戦権を認めることであり、

世界は、日本が他国を先制攻撃しうる国になったと見なす。

何故、日本をそのような国にするのか。必然性が無い。


◆アメリカがニコニコ喜ぶと思いますか。

このように憲法を変更し、集団的自衛権の行使が可能になれば、アメリカを公然と援助できるから、

米国が喜ぶと思ったら大間違いである。

今の憲法下で、違憲であると私は繰り返し主張しているが、自衛隊をイラクへ派遣したことを

アメリカは感謝するとか評価するとか言っているが、それは、自衛隊が交戦権を持っていないと知っているからである。

又、感謝するというわりには、日本が国連安保理の常任理事国になりたい、と手を挙げたときに、

アメリカは中国と結託してこれを妨害した。日本に国際社会で台頭して欲しくないのである。

安全保障とは直接関係がないが、条件違反の牛肉を何度も送ってくる。日本はそれほど重視されていないのだ。

憲法を改正し、日本がいつでも他国を先制攻撃することができるようになったら、

これを最も警戒するのは他ならぬアメリカであり、ついで、中国・ロシアなどであろう。

世界第三位の実力のある軍隊がいつ攻撃してくるか分からない、と見なす。

それが国際政治の常識だ。楽観論ではなく、彼らから見た最悪の状況を想定するのだ。


◆先の話とはいえ、そういうプロセスの端緒である。

「国民投票法案」が可決されても、改憲の発議は三年間は行わないそうだが、

いずれにせよ、「日本国憲法の改正手続に関する法律案」を成立させるのは、以上述べた道程の始まりを意味するということだ。

どうして、マスコミは国民投票を巡る諸問題(いろいろあるが、今日は省く)、

新憲法草案の問題を指摘しないのか、と思ったので、一部にしか言及できなかったが、

私が書いた。

もっと書くつもりだったが、昨夜は書いている間に寝てしまい、朝加筆したので、舌足らずだが、

いずれ、また書くので、ご容赦のほど。

それでは。

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2007.05.10

「安倍首相『脅しに屈しない』久間氏へのカミソリ送付で」←総理、それは結構ですけどね・・・。

◆記事:安倍首相:「脅し屈しない」久間氏へのカミソリ送付

安倍晋三首相は9日夜、久間章生防衛相の事務所にカミソリの刃とともに

訪米時の言動を弱腰だと批判する文書が入った封筒が送り付けられたことについて

「そういう脅しに決して屈してはならない。暴力は撲滅しなければならない。

言論に対する弾圧は許すわけにはいかないし、あってはならない」と強調した。

首相官邸で記者団の質問に答えた。塩崎恭久官房長官も同日の記者会見で

「政治家にそういうやり方で批判をすることはあってはならない。

民主主義体制に対する挑戦のような感じで、憤りすら強く感じる」と述べた。

(毎日新聞 2007年5月9日 23時09分)


◆コメント:教基法の強行採決や、郵政民営化造反組復党時に「民営化賛成」と言わせたのは、民主的ですか。

ときどき、とんでもない勘違いの頓珍漢メールが来るので、最初に書いておきます。

私は、久間防衛相にカミソリを送りつけた奴が正しいといっているのではありません。

安倍首相の発言自体は正しい。

言論を暴力で封殺すること、しようとすることは民主主義への挑戦であり、許してはならぬ。

それは、正しい。



但し、私は安倍晋三内閣総理大臣がその発言をするのは滑稽だ、と思いました。

安倍政権は昨年12月14日、「憲法の付属法」とまで言われている、重要な法律、教育基本法の改正案を「強行採決」しました。

改正教育基本法が本当に正しいと思っていたなら、野党や国民の納得がいくまで時間をかけて説明するべきでした。

「強行採決」とは、野党はまだ議論を望んでいるのに、「うるさい!」といって、与党が数の力で一挙に採決してしまうことです。

要するに反対意見を無視し、封殺しているわけです。暴力こそ使っていないが、非民主的行為だと思います。



また、安倍政権は昨年11月、2005年衆院選で郵政民営化法案に反対していた「郵政造反組」12人が復党願いを出すに当たって、

「郵政民営化に反対したことや無所属で衆院選に出馬したことに対する反省」を書いた、「誓約書」を書かせました

(平沼赳夫議員だけが書きませんでした)。

これは、憲法によって保障された思想・良心の自由という基本的人権を剥奪する行為だと思います。

日本国憲法 第十九条  思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

こういうことをやってきた人が、民主主義に対する挑戦とか云っているわけです。

自分で恥ずかしくならないのでしょうか?



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2007.05.09

「靖国供物奉納、事実上認める=『否定も肯定もしない』-安倍首相」←ならば、はじめから参拝するな。

◆記事:靖国供物奉納、事実上認める=「否定も肯定もしない」-安倍首相

安倍晋三首相は8日夜、靖国神社の春季例大祭(4月21-23日)に合わせて

私費で5万円を負担し供え物を奉納したことについて

「靖国にかかわることが外交問題化している以上、

参拝する、しない、供え物を出した、出さないということは申し上げない。否定も肯定もしない」と述べ、

確認を避けながらも事実上認めた。首相官邸で記者団の質問に答えた。

また、首相は、中韓両国が懸念を表明したことに対しても

「外交問題になるのではないかとの観点から申し上げない」とコメントを拒否した。

5月8日21時1分配信 時事通信


◆コメント:「外交問題化している」と認識しながら、供物奉納するのも妙な首相だね。

安倍晋三内閣総理大臣が靖国神社に行って、「内閣総理大臣」名で供え物を奉納したのが事実であるとすれば、


安倍首相の上の発言は二重におかしい。

第一に、首相自ら「靖国にかかわることが外交問題化している以上」と述べていることである。

自分が靖国に公式参拝したり、供え物を奉納することが外交問題になる、と認識しながら、なお、

本日の報道どおり、4月に行ったのならば、故意に外交関係を悪化させる行為を行ったこととなる。

つまり、わざと国に不利益をもたらす行為を行ったことになる。首相として、問題である。いわば背任だ。

外交問題化していることをしっているのなら、靖国に行かないか、行っても「絶対に行っていない」とシラを

切りとおすか、どちらか肚を括るべきだ。


◆問題の本質は外交ではない。それ以前に、国の宗教的行為を禁じた憲法20条第3項に違反していることだ。

第二に、安倍首相の行為は宗教的行為であり、憲法に違反しているのだが、

どうも、本人にその意識が全くない、という点である。

安倍晋三内閣総理大臣は憲法を改正したくて仕方がないのは周知の事実であるが、

現時点では改正されていないのだから、今の憲法を遵守しなければならない。

その根拠は日本国憲法第九十九条。

第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

そして、第二十条第三項。

第二十条第三項 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

安倍首相は内閣総理大臣であり、行政府たる内閣の代表であるから、国の機関であることは言うまでもない。

その人が内閣総理大臣名で、靖国神社という宗教施設に赴き、供え物を奉納するのは、

どう考えても、「国の機関が宗教的活動をし」ていると認められる。

違憲である。だから、行ってはいけないのだ。

全然、難しい話ではない。



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2007.05.08

「<温暖化対策>1トンのCO2削減最大80ドル IPCC」←楽観的な見出しが目立つが、それほど甘くない。

◆記事:<温暖化対策>1トンのCO2削減最大80ドル IPCC

バンコクで開かれていた地球温暖化対策を話し合う国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第3作業部会は4日、

2100年までに大気中の温室効果ガス濃度を550ppm(ppmは100万分の1)に抑えるためには、

30年までに二酸化炭素(CO2)1トンの削減費用を、

最大で80米ドル(9600円)まで伸ばすことが必要との報告書をまとめた。

この濃度に保てば地球上の平均温度を90年比2.2~2.6度の上昇で止めることができ、

費用対効果の高い技術が普及すれば30年の排出量を現在のレベル以下にすることもできるという。

今年6月(独)と来年(日本)の主要国首脳会議では地球温暖化対策への取り組みがメーンテーマ。

具体的なコストが示されたことでポスト京都議定書を巡る議論が本格的に動き始める。

報告書は1970~2004年に世界の温室効果ガスの排出量が70%増えたとしており、

追加的な対策を講じなければ、排出量は30年までに00年比で25~90%増えると警告している。

現在の世界の温室効果ガス濃度はCO2換算で455ppm、年間の排出量は約430億トン。

試算では、1トンを削減するための費用が20米ドルなら30年には90億~170億トン、

100米ドルなら160億~310億トンを削減できると予測。

エネルギー供給や運輸、農業、廃棄物など7部門に分けて効果的な対策を提案している。

報告書はすでに実施されている対策として、原子力、太陽光や風力など再生可能エネルギー、

ハイブリッド車やクリーンディーゼル車、照明や冷暖房の効率化などを挙げている。

また、今後実用化されれば大きな効果を期待できる技術として、

火力発電所などで発生する大量のCO2を地中に封じ込める「CCS」、

水素燃料電池車、高効率の航空機などを挙げた。

(5月4日19時54分配信 毎日新聞)


◆参考:他紙の見出し。

世界のGDP3%でCO2大幅削減可能、国連部会が報告書(読売新聞) - 5月 4日23時 8分

IPCC 適切投資すれば2050年、温室効果ガスの半減可能(産経新聞) (5日8時0分)

現在の排出量以下へ削減可能=温室効果ガス、30年までに-国連部会報告(時事通信) (4日14時0分)

2050年にCO2半減必要、上昇2度目標 温暖化会合 (朝日新聞 05月04日21時03分)


◆コメント:正確に報道しろよ。○=毎日、朝日。×=読売、産経。

面倒臭い話なので、Q&A形式にしてみました。


・IPCCとはなにか?。

気候変動に関する政府間パネルです。設立の背景はIPCCの日本語サイト、

地球環境/IPCC情報に載っている。

「政府間パネル」といっても殆ど科学者。

各国の政治家に地球温暖化の深刻さを認識させ(何処の国でも政治家は文科系が殆どだ)、

何をすればよいか、提案をするための組織。国連の下部機構。

・今回の会合で何を話したか。

地球温暖化による深刻なダメージを避けるためには、どれぐらいカネをつぎ込めばよいか、を提示した。

・具体的にどうすればいいのだ?

地球上の平均温度の上昇を、1990年を基準として、何とか+2度台で止めないと、ヤバい。

現在の世界の温室ガス濃度がCO2換算で455ppm。世界の年間排出量が430億トンだ。

気温の上昇を2度台に収めるためには、2100年のCO2濃度を550ppm程度で止める必要があり、

さらに、そのためには年間排出量を半分ぐらいに減らさないとダメだ。

・「1トンあたり何ドル」と書いてあるのはなんだ?

私も算出根拠がわからないが、年間排出量を減らすのに、1トンあたり80ドルぐらいつぎ込めば、

2100年までに、世界全体の温室効果ガス(主にCO2)排出量を半減できるだろう、という話だ。

・それは、間違いないのか?

知らん。が、専門家を信ずるしかなかろう。

・新聞が「楽観的すぎる」とはどういう意味だ?

特に、読売と産経だ。

「CO2削減可能」という表現が曖昧だ。

CO2の大気中濃度が減る印象を受ける。

そうではない。カネをかければ、「CO2排出量」を半減できる、というのがIPCCの結論だ。

新聞は正確に書かねばならない。

そして、排出量を半減させるためには、各国がそれなりの費用をつぎ込む事が必要だ、とIPCCは書いている。

しかし、世界中の国の政府がこれを実行する保証は何処にもない。

・読売は「世界のGDP3%でCO2大幅削減可能、国連部会が報告書」と書いている。

世界全体だから、国によってパーセンテージは異なる。

因みに日本は防衛費がGDPの1パーセント以内だ。

日本の場合、何しろ世界2位の経済大国だから、世界平均を下回るだろう。

だが、「GNPの3パーセント」がハンパな金額ではない、ということは分かるだろう。

・何か分かりやすい本は無いか?

NPOである、“Think the Earthプロジェクト”という団体が書いた、

気候変動 +2℃が良いだろう。

また、ネットでは、Google Earthで、気候変動が世界各地でどのような変化をもたらしているか、見ることが出来る。

「GoogleEarthで見る環境問題」でGoogleを検索するとやり方が分かる。



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2007.05.07

「食料事情 世界的に悪化の懸念 需要急増や環境問題で」←日本の食糧自給率の低さは・・・。/【音楽】バッハ

◆記事:食料事情 世界的に悪化の懸念 需要急増や環境問題で

世界の食料事情が大きく悪化するのではないかとの懸念が広がっている。

中国などの経済成長や発展途上国の人口増で食料需要がどんどん増えているうえ、

環境問題や資源枯渇への懸念を背景に穀物をバイオ燃料に振り向ける動きが強まっているためだ。

地球温暖化が食料生産に与える影響も心配で、

食料自給率が低い日本は将来に向け安定供給のための戦略を迫られている。



■相次ぐ値上げ

先月、果汁飲料の値上げ発表が相次いだ。

明治乳業が100%果汁「ミニッツメイド」(1リットル)の希望小売価格を21円引き上げたほか、

日本ミルクコミュニティ、キリン・トロピカーナなども値上げを決めた。

オレンジの産地・米フロリダ州がハリケーン被害に遭ったり、

ブラジルでバイオエタノール用サトウキビを生産するためオレンジ畑が次々につぶされたりしているためだ。

製粉各社は近く小麦粉価格を24年ぶりに引き上げる。

昨年の豪州の干ばつなどで小麦の政府売り渡し価格が平均1.3%上がったためで、

うどん、パンなども値上がりしそうだ。

世界の穀物取引の中心、米シカゴ商品取引所では昨年後半からトウモロコシ、小麦、大豆の価格が急騰している。

水産物も、マグロの漁獲制限をはじめとした資源の制約と、中国、欧州など世界的な魚食の拡大で値上がり傾向にある。

■成長と人口増が背景

世界の食料需要を押し上げているとみられるのが経済成長が続く中国だ。

所得水準の向上で中国の肉類、油脂類、魚介類の1人当たり消費量は90~03年の間にほぼ倍増した。

一方、穀物生産は伸び悩み、中国は04年に農産物の純輸入国に転じた。

食料の大半はまだ自給を維持しているが、大豆の輸入は年約3000万トンで世界一。

「農村部の食生活が都市部に近づくと食料消費はさらに増える」との予想が多い。

また、インドをはじめ発展途上国の人口増も今後、世界の食料需給に影響を及ぼす可能性が高い。

柴田明夫・丸紅経済研究所所長は

「世界の食料在庫率は減少しており、(食料危機と言われた)1970年代と似てきた」と、

食料価格がさらに上がる可能性を指摘する。

実際、世界の穀物在庫率(年間消費量に対する在庫量の割合)は99年に31.6%だったが、

06年には15.5%と半分以下の水準に急減している。

■食料か、エネルギーか

ブッシュ米大統領は1月の一般教書演説で、10年後に米国のガソリン消費量を20%削減し、

トウモロコシを原料にしたバイオエタノールなどの代替燃料を年約1300億リットル供給する目標を掲げた。

06年のバイオエタノール生産量の7倍で、地球温暖化対策であると同時に

「原油の中東依存からの脱却」を目指す安全保障戦略でもある。

これを受け、シカゴ商品取引所のトウモロコシ価格は2月に前年のほぼ2倍に達した。

米国のトウモロコシ輸出は世界の約7割を占めることから、価格高騰のあおりは他国にも及んでいる。

トウモロコシを主食とするメキシコでは、抗議デモが起きるなど社会問題に発展。

飼料の価格も上がり、日本の畜産農家に影響が出ている。

今のところ、肉の価格には転嫁されていないが、飼料の高値が続くと肉も値上がりの可能性が出てくる。

■大干ばつ

豪州は06年、降水量が1900年以降最少の地域も出る大干ばつに見舞われた。

その結果、小麦の生産量は前年比57%減の不作となり、国際価格を引き上げた。

地球温暖化は、干ばつ、洪水、海面上昇などを招き、食料生産にも大きな打撃を与える。

収穫量が増える地域もあるが、農産物・水産物の適地が移動したり、

農地の水没、病害虫の発生などの影響が懸念されている。

◇日本の食料自給率、先進国では突出して低く…

日本の食料自給率はカロリーベースで40%と先進国では突出して低く、

世界の食料事情が悪化すれば必要量を確保できなくなる心配がある。

マグロ輸入で日本の商社が、高価格で買い集める中国に「買い負け」するなどその兆しは既にあり、

食料不足に備えた国家戦略が必要になっている。

しかし、食料安全保障をめぐっては意見が割れる。

農林水産省が農業をある程度保護しながら自給率を高めようとしているのに対し、

経済財政諮問会議では経済連携協定(EPA)などで食料輸入先の確保を優先すべきだとの意見が優勢だ。

農水省は3月、専門家を招いて「国際食料問題研究会」を発足させ、

世界の食料需給見通しの詳細な分析を始めたが、国内農業を維持する理論武装の狙いもありそうだ。

(5月4日17時29分配信 毎日新聞)

◆コメント:食糧不足の主な原因=中国の食料需要の増加、地球温暖化に起因する干ばつ、化石燃料の代替物としてのバイオ燃料の使用。

記事に書いたことをコメントで繰り返しても仕方がないが、自分の頭の整理も兼ねているので、ご容赦のほど。

毎日新聞の記事をごく簡単にまとめると、


  1. 2006年、地球温暖化が原因と見られる異常気象、特に干ばつにより、オーストラリアの小麦の生産量が大幅に減った。
  2. 中国人が経済的に余裕が出てきて、色々なものを沢山食うようになった。世界一人口の多い国だから、需給バランスに影響が出る。
  3. 地球温暖化を防ぐため、化石燃料(石炭・石油)でも原子力でもない、バイオ燃料を使うと、元々食い物なので、食糧不足の一因となる。
  4. そして、困ったことに、日本はの食糧自給率の低さは「世界的に突出している」

結論。

「自給率を引き上げないと、やがて日本人は飢える。」

1を補足すると、オーストラリアの干ばつが地球温暖化によるものだとしたら、同じ事が世界各地で起こり、世界中で穀物の収穫が減る。

2の中国人に関しては、私は本日記ないしブログにおいて情緒的な評価は排除するようこころがけているが、今日は、このニュースを読んで、

段々肚が立ってきた。日本から、3兆円もの援助を受けなかったら、今の中国の繁栄はないのに、中国共産党は人民に、その事実を明らかにせず、

戦時中の日本の行為に関して何度謝罪してもまた謝れといい(最近少し変わってきたが)、その間にどんどん「資本主義的」発展を遂げ、その結果、

国民は世界の美味いものを知るようになり、がつがつ食うから、世界の食糧需給を逼迫させている。

3は、こういうのを、正にジレンマ(二律背反)というのだろう。

温暖化が進めば、水が足りなくなり、食料生産に打撃を与える。石油などの化石燃料を燃やして発電するからCO2が発生する。

原発は温室効果ガスを殆ど排出しないが、事故が起きて放射能が漏れたらただでは済まない。

そこで、バイオ燃料が開発され、先週だか、先々週だか、日本でもバイオ・ガソリンの販売が始まった。

ところが、バイオ燃料の原料はトウモロコシという「食物」なので、バイオ燃料用に使われると、食い物が減る。

4の「食料自給率の低さ」は今に始まったことではないが、自給率を増やすには、それだけ第一次産業(農業、林業、水産業)

従事者が増えなければならないだろうが、無理だろう。

今、第三次産業の従事者、すなわち、サラリーマンがこれから農業に従事できますか?漁師になる決心がつきますか?

家庭菜園?東京近郊に住んでいる人、特にマンションには庭がないのですよ。土がないのですよ。

ベランダで、キュウリ、トマト? そんなのは、所詮、お遊びですよ。


◆日本人は食い過ぎ。それから、無駄な食い物を作って捨てている。

食糧自給率をなんとか引き上げる方法を考えることは必要だけれども、同時に思い出すべき事がある。

最近、やたらと「メタボリック・シンドローム」という言葉を見かける。

要するに昔でいう成人病、その後、生活習慣病といっていた状態だろう。

日本人は食い過ぎなのだ。

食料が足りなくなるという前に、摂取カロリーを減らしたらどうですか?

それから、日本は毎日恐らく、すさまじい量の食べ物を無駄に捨てていますね。

コンビニの賞味期限を過ぎた弁当とか、ファスト・フードで一定時間を経過したものとか、

バイキング形式のパーティで残ったものとか。

統計は無いけれども、恐ろしいほどの食い物を毎日捨てていると思われる。

今、消費されている食料のうち、本当に必要なのはどれほどなのか、調べられませんかね。


◆【音楽】バッハ 無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ第1番から第7曲 Tempo di Borea

全然、脈絡が無いのですが、やたらとバッハが聴きたくなりまして、

無伴奏ヴァイオリンの為のソナタ、パルティータの中から、選びました。

人の世の下らないことなど寄せ付けないような、高貴な響きが好きです






如何でしょうか。

それでは。


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2007.05.06

YouTubeで見られる、「ヴァルトビューネ」/【追加】Stage6で1977年ウィーン・フィル東京公演「運命」全曲

◆いきなりDVDを買う気がしない方もおられるでしょうから。

先日、ベルリン・フィルが夏に催す野外コンサート、「ヴァルトビューネ」のDVDをお薦めしましたが、

なにしろ、DVDはまだCDよりもだいぶ高いですから、お薦めしてもすぐに買う気にならない方も多いでしょう。

そこで、彼のYouTubeから探してきました。

無論、DVDよりも画質、音質共に劣りますが、まあ、楽しめます。

◆ヴァルトビューネのお薦め

私がDVDをお奨めした1993年の「ロシアン・ナイト」は、小澤征爾さんが振っています。

ボロディン作曲、だったん人の踊りが載っています。

再生開始から59秒後に、オーボエがなんとも切ないメロディーを奏でます。

聴いたこと、ある方がおおいのではないでしょうか。これ、本当に綺麗ですねえ。

これが、オーボエという楽器で、それを吹いているのは、3月31日に、

ハイドンの誕生日の中で触れた、首席オーボエ奏者、シュレンベルガーです。

さて、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの最後は「ラデツキー行進曲」と決まっていますが、
ヴァルトビューネも同じように、最後に必ず演奏する曲があります。

リンケ作曲「行進曲ベルリンの風」という楽しいマーチですが、

このとき、指揮者かオーケストラ、又はその両方がふざけるふざける。

それでも、ちゃんとした演奏になるからさすがです。


だいぶ古いのですが、カラヤンの後、ベルリン・フィルの芸術監督を務めた、

クラウディオ・アバドという指揮者の時代の映像です。

オーケストラ、ふざけてますねー。途中で「アイーダ」の凱旋行進曲や、「ウィリアム・テル序曲」が、

ヴェルディのオペラ「トロヴァトーレ」の「アンヴィル・コーラス」(アンヴィルとは「金床」です。

「トロヴァトーレ」では、これを打楽器として使うところがあるんです)が突如鳴り響く。

アバドもお客さんも大笑い。これでいいんです。この日はこういうものなんです。


今の芸術監督はサイモン・ラトルですが、その時代になってからのある年のヴァルトビューネ。

同じく「ベルリンの風」。もう、ふざけまくってます。

ラトルが、指揮台から離れて客席で世間話をしてる。

そうしたら、段々人が集まってサインをねだられたりして、こりゃまずい、ってんで、

あわてて指揮台に戻っています。


それから、「ベルリンの風」の演奏開始直後、男性のホルン奏者(首席のシュテファンドールという人です)が、

何だか下をのぞいたり、慌ててます。それを女性のホルン奏者

(サラ・ウィリスというアメリカ人ですが、東京に住んでいたこともあるそうです)が見て、可笑しくて、

吹けなくなってしばらくゲラゲラ笑ってます。

こういうのが、サラッと受け入れられるのがいいですよね。

このお客さんの、楽しそうな笑顔を見て下さい。こちらまでうれしくなります。

日本だと、クソ真面目な客が「真面目に演れ!」とか言いそうな気がするのは、私だけでしょうか。


◆【追加】DivX Stage6で1977年のカール・ベーム=ウィーン・フィル東京公演より「運命」全曲視聴(DLも・・)可能。

これは、ブログを見るとだいぶ前に、既に書いている人がいますが、所謂クラシック専門ブログなので、

知らない方も多いかな、と思って書きます(御存知でしたら無視してください)。


昨年8月に、米DivX社が、高画質の動画共有サイト、

DivX Stage6を立ち上げたという話はネット上の記事で知っていました。

ただ、私はつい先日PCを新調するまで、スペックが貧弱で、とても見られなかったのです。

この度、見ることが出来るようになったので、のぞいてみたら、とんでもないものがありました。

PCに詳しい方ばかりではないので、念のため書き記しますが、DivX社は、DivXという独自の動画圧縮形式を開発した企業で、

Stage6はそのDivX社が運営・管理する動画共有サイトですから、専用のソフト、プラグインをインストールしなければ見られません。

それに関しては、私よりも要領よく解説しているページがあります。

超高画質な動画サイト Stage6 を利用しよう!です。

一見怪しげですが大丈夫です。

これは、ストリーミング配信されている動画をパソコンに詳しくないひとでもダウンロード出来る、MPXというソフトを作っている会社が、

商品PRを兼ねて、発行しているメールマガジンです。

ですから、かならず、「MPXで保存しよう」(そのためには買わねばならない訳です)という表現が出てきますが、

それは、無視して結構です(無論、そのソフトを買うのも自由ですけど)。

説明がながくなりましたが、超高画質な動画サイト Stage6 を利用しよう!

というページでは、Stage6を見るためにどのソフトとプラグインが必要か、ということが分かりやすく書いてあるので、

それを参考にしてください、という意味です

(言うまでもないことですが、すでにDivX関連ソフト、プラグインがインストールされていれば、勿論すぐに、Stage6を見ることが出来ます)。


◆ウィーン・フィルが30年前に東京で演奏した「運命」がまるまる視聴できます。

これは、要するに、私が昨年10月に、

「カール・ベーム&ウィーン・フィル(1977年日本公演)」(DVD)30年ぶりですね。ベーム先生。お久しぶりです。

で紹介したDVDの映像を誰かがアップロードしたのでしょう。

これは(私は人のことを言えませんけど)、かなり大胆不敵な行為ですが、おかげでお金の無い学生さんや、

DVDを買うのを躊躇っている方もベーム=ウィーン・フィルの伝説的名演を見ることが出来ます。

Stage6の当該URLは、

http://stage6.divx.com/user/alanlive/video/2319/

です。

コンサートマスターは後に登山中、滑落死してしまったのが残念でならない、「ミスター・ウィーン・フィル」、ゲアハルト・ヘッツェル先生。

サブ・コンがキュッヘル先生。

第二バイオリンの頭はN響でしばらくコンマスをやってくれたことがあるヒューブナーさん。

クラリネットにアルフレート・プリンツ先生。トランペットにアドルフ・ホラー先生。

神様の集まり・・・・気が遠くなりそうです。
是非、ご覧になって下さい。DivXのインストールの類は私でも出来るのだから、誰でも出来ます。

そして、これ、ダウンロードが簡単にできます。画面の中央に再生開始のボタンとダウンロードボタンがある。

そうすれば、ローカルに保存(約450MBになります)出来ます。

ソフトをダウンロードするときに一緒にDivX Playerがついています。

保存した拡張子.divxというファイルをダブルクリックすれば、

すでに関連づけされていて、DivX Playerが起動し、再生されます。


他にもみつけましたが、ここから先は、マニア向けです。

画質・音質はDivXとしては、決して良くないけど、そういう問題じゃない、

フランチェスカッティが「チゴイネル・ワイゼン」を弾いている!

http://stage6.divx.com/user/alanlive/video/1103969/Sarasate-Zigeunerweisen-Francescatti-1959


最近の日本のオーケストラの公演。チョン・ミョン・フン=東フィルによる、バルトーク「オケ・コン」(管弦楽のための協奏曲)

http://stage6.divx.com/user/yoshimaninov/video/1160930/BRTK-OCHCON


アルゲリッチが、日本でのフリードリヒ・グルダ(ピアニスト)追悼コンサートで弾く、

モーツァルトのコンチェルト、20番ハ短調、K.466

http://stage6.divx.com/user/alanlive/video/2139/



いやはや、驚きました。

それでは。


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2007.05.05

ときどき、思い出させて頂きます。貴方の目の前のPCから、困っている人に募金ができます。

◆前回は、能登半島地震のときに書きました。

皆、それぞれに自分の仕事や暮らしに一所懸命ですから、無理もないのですが、

3月25日に発生した能登半島地震のことすら、すぐに忘れがちです。

先日のニュースでは、まだ現地は全然収拾がついておらず、自宅が倒壊した人々の仮設住宅への入居が

ようやくはじまったところだそうです。

このとき、私は、Yahoo!ボランティアというサイトがあり、

カードで義援金を寄付することが可能であることを書きました。


何人かの方から、「Yahoo!ボランティア」などというシステムの存在を知らなかった」というメールを頂きました。

勿論、そういう方々は、このシステムを通じて早速募金をなさったと言うことでした。

やはり、書いてみるものだ、と、私は思いました。


◆勿論、募金は個人の自由意思に基づき決定されるものです。

私は、皆様に「募金せよ」という権利も権限も無いことは、言うまでもありません。

「ボランティア」を辞書で引くと、

自発的にある事業に参加する人。(大辞林)

志願者。奉仕者。自ら進んで社会事業などに無償で参加する人。(広辞苑)

と定義されています。ボランティアは「自発的に」に行う行為であって、

他人に強制するものでも、他人から強制されるものではありません。


◆ただ、システム(Yahoo!ボランティアなど)の存在を知らないが為に、善意を生かせないのは勿体ない。

能登半島地震のときのように、それまでネット募金の存在を知らなかった方が、

僭越ながら、拙文をたまたまごらんになったことがきっかけで、遂に、実際の募金をなさったのですから、

世の中には、まだまだこのように、折角善意をお持ちの方が、それを生かせない、ということがあるに違いない、

と私は考えました。

だから、私は既に良く知っているシステムでも時折、このように、多くの人の目に触れる場所で、

ネット募金(募金だけがボランティアではないことは言うまでもありませんが、即座に実行できる、という利点があります)

の存在を、記すことは、有用であると考えました。



◆募金をする対象は沢山あります。

とにかく、まずYahoo!ボランティアをご覧になると良いでしょう。

そこから、ご自由にというのが、本来の私の仕事ですが、あまりにも多いので、迷う方が多いと思います。

これは、あくまでもご参考のために書きますが、私は、あしながさん奨学金に募金しています。

交通事故・病気・自殺などで、親が死んで、家計が逼迫し、このままでは進学できない子供たちの入学金や授業料に充てる奨学金の原資となる募金です。

勿論、ネット以外にも、毎月1,000円でも500円でも口座振替で継続的な支援もできます。

資金経路はどれでもいいのです。ただ、ネットだと、

直ちに(Yahoo!ウォレットにアカウントを作る手続きが最初は必要ですが簡単です)、

カードで募金できるのです。

あしなが育英会は年間20億円を必要としています。

社会保険庁は年金掛け金を職員住宅の建設、職員の娯楽施設、などのため、五兆六千億円を流用していました。

陸上自衛隊がサマワに宿営地を造ったとき、それだけで、344億円も血税を投じました。

社会において、自分の所為ではないのに、困っている人がいたら、まずそちらをたすけるのが政治の役割だと思います。


小泉首相にあしながの代表の子供が訪れたとき、小泉首相はその子の目を見ませんでした。

安倍首相は、あまりにも恵まれた環境で育ったため、本当に経済的に困っている、という状態が理解できないものと思われます。

政治家の仕事を政治家がやらないのなら、人々の善意で支えるしかない。


◆募金だけではありません。

私の家内はピアノ教師です。

私の世帯は来月新しい家に移りますが、そこには防音室を作りました。かなりの遮音性です。

あしながの遺児で、将来保母さんとか、小学校の先生になりたい人がいるでしょうが、

そのためには、ピアノのソナチネぐらい弾けなければなりません。

家内は、経済的な理由からピアノのレッスンを受けられないという人に、無料で教えるつもりだ、といいました。

家内にしては、良いことを言うと思い、賛成しました。すでにあしながに打診しました。

事務の方は、とても喜んでくれました。そのような申し出は初めてだそうです。

自慢ではありません。関心のある、該当する条件の学生さんが読んでくれたら、と思ったのです。

私は、真面目に、「世のため人のため」になれれば、と考えています。



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2007.05.04

「首相、憲法改正に強い決意…施行きょう60年で談話」←憲法記念日に「改憲の決意を表明」するバカ総理。

◆記事:首相、憲法改正に強い決意…施行きょう60年で談話

日本国憲法は3日、施行60周年を迎えた。

安倍首相は同日付で談話を発表し、憲法改正に向けた強い決意を表明した。

首相が憲法記念日に談話を出すのは、施行50周年当時の橋本首相以来2回目。

首相は談話で、我が国の社会は憲法制定時には想像もつかなかった変化に直面しており、

「憲法を頂点とした、行政システム、国と地方の関係、外交・安全保障などについての基本的枠組みは、

このような大きな変化についていけなくなっており、見直しが迫られている」

と憲法改正の必要性を強調した。

首相は「憲法の基本原則を不変の価値として継承しつつ、戦後レジームを原点にさかのぼって大胆に見直し、

新しい日本の姿の実現に向けて憲法について議論を深めることは、

新しい時代を切り開いていく精神へとつながる」とし、国民的な憲法改正論議の高まりに期待感を表明した。

5月3日5時3分配信 読売新聞


◆コメント:安倍さんね。あんた憲法擁護義務があるんだよ。

こんなバカな首相は日本史上初めてだと思ったら、橋本も言っていたとは、知らなかった。

但し、橋本氏は本気じゃなかったが、安倍のバカは本気だから、始末が悪い。


何故、バカか。

昨日も説明したとおり、憲法は国会議員や公務員の憲法遵守義務、擁護義務を規定している。

国政の最高責任者である内閣総理大臣がよりによって憲法記念日に「改憲の決意を表明」するとは、

「あんた、気は確かか?」と問い質したくなるほど、滑稽である。

これこそ、安倍晋三内閣総理大臣が憲法を分かっていないなによりの証左である。

憲法が分かっていなくて、よく、憲法を変えよう、などといえるものだ。


◆憲法は国の「あるべき姿」を明記したものである。

それにしても、「首相談話」はあまりにも抽象的である。

「わが国の社会は憲法制定時には想像もつかなかった変化に直面しており、」

って、当たり前だろ?

60年前に今の日本を予言できた人間がいるわけないでしょ?

さらに、ここからがバカの一つ覚えなのだが、
「憲法を頂点とした、行政システム、国と地方の関係、外交・安全保障などについての基本的枠組みは、このような大きな変化についていけなくなっており」

異議あり。

憲法が社会に「迎合し」てはいけないのです。

憲法は、国のあるべき姿、理想、目標を掲げているのである。

先日、日記を書き始めて、今日(15日)で満五年になります。

の中で、「あること」(Sein=ザイン)と「あるべきこと」(Sollen=ゾレン)という概念を説明した。

社会の現状が、「あること」Sein(英語なら、be)であるのに対して、

憲法は「あるべきこと」(Sollen=ゾレン)を謳っている。

従って、社会と憲法が乖離したのであれば、

社会(「あること」)を憲法「あるべきこと」に合わせなければいけない。

次のように例えることもできる。


憲法とは次元が違うが、現在の日本では刑法によって、殺人は犯罪とされている。

つまり、「人を殺してはいけない」(数少ない例外:死刑の執行などをのぞく)のが「あるべきこと」(Sollen)である。

現実には、殺人は減らないどころか、増えている。これが、「あること」(Sein)である。

仮に、殺人が更に増え、今の五倍、十倍の件数になったとして、その現実=「あること」に合わせて、

刑法から殺人罪を削除する、と政府が宣言したら、貴方は賛成だろうか?

違うでしょう?

「殺人は犯罪である」、人を殺してはいけない、という「あるべきこと」は変更するべきではない。

殺人を減らすような方策を考えねばならない。

「あること」を「あるべきこと」に近づけなければならない、とは、そういうことだ。

憲法とて、同様である。

憲法を制定した頃よりも、世界で紛争が増えたから、日本も紛争に加わり、海外へ軍隊を派遣して、

海外で日本の軍隊が他国民を殺して良いことにしよう、というのは、

上の例において、殺人罪を刑法から削除することに等しい。

「あるべきこと」を変えてはいけないのである。


だから、安倍首相の思想は、憲法の本質に鑑み、論理的に誤っている。根本的に間違っている。



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2007.05.03

「憲法改正:改憲賛成51%、反対19% 毎日世論調査」←改憲賛成というからには、自分で草案を書けるのでしょうね。

◆記事:憲法改正:改憲賛成51%、反対19% 毎日世論調査

毎日新聞が4月28、29の両日実施した電話による全国世論調査で、

憲法を改める方がいいかどうかを尋ねたところ、「改める方がよい」は51%になった。

「改めない方がよい」は19%、「分からない」は22%だった。

改正賛成の理由は、60年の歳月を経たことを挙げる人が8割近くと圧倒的に多く、

「米国の押し付けだから」「自衛隊と9条のかい離」を挙げた人は共に1割に満たない。

一方、改正反対の理由は「9条改正につながる」「議論が尽くされていない」が7割に達した。【須藤孝】

毎日新聞が「分からない」を含めた選択肢三つの聞き方で行った調査で、

改憲賛成が半数を超えたのは初めて。

電話と面接という方法の違いで単純に比較はできないが、前回04年9月の調査では、改正賛成が46%だった。

改正賛成の理由は

▽「時代に合っていない」49%

▽「一度も改正されていないから」28%--

の順に多い。

別の質問と照らし合わせると、改正賛成の人の8割以上は、

戦後の日本にとって憲法が「かなり役立った」「ある程度役立った」と評価している。

具体的に不都合があるというよりは「時代に合わせて新しくしたらよい」という意識が働いているようだ。

改憲を政権の目標に掲げる安倍晋三首相は「時代にそぐわない条文で典型的なものは9条だ」とし、

また自民党の新憲法草案などは「押し付け論」を改正理由の一つに挙げている。

しかし、いずれも改正賛成の人の考え方の大勢とはずれているといえる。

一方、改正反対の理由は

▽「9条改正につながるから」46%

▽「議論が尽くされていないから」24%

▽「積極的理由がない」16%▽「権利制限や義務規定の恐れがある」10%--

などの順。

消極的に現状を肯定する意見も目立つ。

「時代に合っているから」と積極的に擁護する人は2%にとどまり、

憲法60年の年輪は改正反対の人にも共通している。

改正の賛否を「分からない」と答えた人(22%)は、

同一選択肢の過去の調査と比べると、80年代以降では最も少なかったが、改正反対はそれも下回った。

毎日新聞 2007年5月2日 21時20分


◆コメント:憲法のどこが「時代に合っていない」のか具体的に書かせろ。

いい加減な世論調査だ。質問する方も、答える方も。

大抵の世論調査は選択式で、設問の仕方によって答えを誘導出来る。

これは全く私の想像だが、毎日新聞の世論調査の設問は、多分、まず、

「憲法改正に賛成か反対か」と結論を最初に持ってきて、賛成と答えた人には、

その理由は何か?として、選択肢に、

「時代に合っていないから」

「戦後一度も改正されていないから」

という順番で項目が載っていたのだろう。

それにしても、随分おかしな答えだ。

「改憲賛成」の8割は今の憲法が戦後の日本にとって「かなり役だった」「ある程度役だった」とさ。

なら、どうして、改憲するのさ?

時代に合っていない、というのなら、どの条文がどのように合っていなくて、

それによって、主権者たる国民にどのような不利益がもたらされているのか、

教えていただきたいものだ。


◆共同通信の世論調査は、「憲法改正、賛成57% 44%が9条改正不要」ときた。

これは、

http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20070416010004111.asp

にしばらく載っていると思います。東奥日報という地方紙に載っているが、

これは、共同通信は独自の媒体を持たないからである。それはいい。

この世論調査も訳が分からない。

今、安倍首相が憲法改正と言っているのは、はっきり言わないが、

戦争放棄の第九条を変えて、日本が戦争を出来る国にすることを狙っている、

ということも知らないのだろうか。

第九条を変えないなら、どこを変えるのか?

憲法を改正するということは、国の基本的な枠組みを変えるのだから、

いい加減に答えるべきではない。

憲法を「改正すべし」と主張するのなら、自分で草案が書けるぐらいでなければならない。

それが出来ないのなら、

「憲法を改正するべきかどうか、分からない」と答えるべきなのである。


◆先日載せたばかりだが、私の憲法改「正」草案

偉そうに書くからには、お前は書けるのか、と、初めてこの日記ないしブログをご覧の方は思うだろう。

私は、今の憲法を変える必要はなく、ましてや、戦争ができるように第九条を変更など、

言語同断と考えている。

そもそも、首相が改憲を提案しては、いけないのである。

日本国憲法第九十九条は次の通り定めている。

第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

これは、憲法とは、その本質的な目的は国民の権利を守るため、

国家権力の暴走を牽制するものであることに由来する規定である。

したがって、首相、つまり、国会議員である安倍晋三氏が改憲を言い出すこと自体、既に違憲である。

あくまでも仮定上の話だが、私がどうしても憲法を変えろと言われたら、第九条を、次のように変える。戦争放棄を徹底する。

【JIROの憲法改正草案】(注:憲法9条に追加する)

第9条第3項 (集団的自衛権行使の禁止)

我が国が、他国から、武力による威嚇、また、武力の行使を受けていないとき、日本と軍事同盟関係又は緊密な関係にある他国が、第3国から武力攻撃を受けた際、

または、第3国と戦争状態に陥った際に、これを我が国への武力攻撃と同一視し、或いは我が国が戦争状態に陥ったと見なし、同盟国を支援することを「集団的自衛権」の行使と定義し、

我が国の「集団的自衛権」の行使は、永久にこれを認めない。

なお、「同盟国を支援すること」とは、直接的な武力行使のみならず、

戦争状態の同盟国に対する後方支援(武器・弾薬の供給、その他、物的、人的支援の一切を含む)、及び同盟国が第3国を攻撃する際に有利となる軍事的その他の情報の提供をも含む。

第4項(核兵器の製造、保有等の禁止)

我が国が、核兵器を製造・保有すること、核兵器又は、その部品、原料となる物資を製造し、他国に提供すること、

核兵器を保有する同盟国が核兵器を用いて第3国を攻撃する場合の拠点として、我が国領土内の施設利用を許可することは、永久にこれを認めない。

第5項(9条不可侵の原則)本条の各項の変更は、96条(憲法改正の手続き)にかかわらず、永久にこれを認めない。

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2007.05.02

「ベルリン・フィルが創立125周年=地元で記念コンサート」←神様みたいなものなんです。

◆記事:ベルリン・フィルが創立125周年=地元で記念コンサート

【ベルリン1日時事】世界有数のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が1日、創立125周年を迎えた。

「誕生日」に毎年行う「ヨーロッパコンサート」は、欧州各地で実施されているが、

記念の年となる今年は地元ベルリンで開かれた。

演目には、ベルリン・フィル誕生と同じ1882年に初演されたワーグナーの「パルジファル」などが選ばれた。

演奏会場は普段のコンサートホールではなく、東ベルリン地区にある19世紀末に建てられた工場の建物。

「オーケストラと同様に長い歴史を持つほか、東ベルリンとの連帯感を示すため」、この建物を会場にしたという。

(5月1日19時1分配信 時事通信)


◆コメント:GW、予定のない方、ベルリン・フィルのDVDなんか如何です?

日本は、ゴールデン・ウィーク(私は1日、2日は仕事ですが)の最中ですね。

どこかへ出かける予定のない方は、ベルリンフィルが毎年行っている、ピクニックコンサート(「ヴァルトビューネ」と呼んでいます)

のDVDなどを見て、聴いてみては如何でしょうか。「お急ぎ便」なら、送料はかかりますが(さらに関東に限られますが)、翌日に届きます。

どれも良いのですが、小澤征爾さんが1993年に指揮した、

ヴァルトビューネ1993 ロシアン・ナイトがお薦めです。

以前にも、これをお薦めしたのですが、何人もの読者の方から、

実に良かった。楽しい。素晴らしい!

というメール・コメントを頂き、私も大変嬉しかったのを覚えております。

反則ですが、なかから一曲、音だけ。

有名な、ハチャトゥリアンの組曲「ガイーヌ」から「剣の舞」です。

冒頭から、こちらの肚にズシンとくる、ティンパニがたまりません。





楽しそうでしょ?上手いからこういう風に楽しく弾けるんですよ。

これは、繰り返しますが、屋外に設営されたステージで演奏してるんです。

お客さんは芝生に座って、サンドイッチをつまんだり、ビールを飲んだりしながら聴いているのですが、ちゃんと聴いている。

だから、このように歓声をあげたり、指笛を鳴らしたりして、楽しさを表している。

DVDを見るとわかりますが、ベルリン・フィルのメンバーは演奏は真剣ですが、お客さんの反応が嬉しそうです。


◆オーケストラの魅力を知ったのは、カラヤン=ベルリンフィルのおかげです。

カラヤンは、とにかく録音が多い。印税だけで大金持ちになった指揮者はカラヤンが初めてでしょう。

当然悪く言う人もいます。

しかし、「音楽は生じゃければダメだ」というようなことを、うっかり言うものではありません。

コンサートに行きたくても、様々な事情で行けないクラシックファンは、沢山いるのです。

カラヤンは

「普通のコンサートやオペラはせいぜい数百人しか、ホールに入れない。しかし、これをテレビで録画或いは中継すれば、

世界中の何億という人に音楽を楽しんで貰うことができる」

と言っていました。



これは、偽善ではない。本心だと思います。いや、本心がどうであったにせよ、

実際、私は、子どもの頃、小遣いでベルリン・フィルのチケットなど、高くて買えなかったし、

たとえお金があったとしても、ベルリン・フィルやウィーン・フィルのチケットはあっという間に売りきれるので、

買えなかったと思います。

だから、レコードできくしかなかった。

カラヤン=ベルリン・フィルの有難いのは、所謂ポピュラー名曲(軽騎兵序曲、ウィリアム・テル序曲とか・・)を沢山

録れてくれたことです。これで、オーケストラ音楽に親しみが持てた。

たとえば、これ。ポピュラー・コンサート

絶対楽しいと思います。

聴く方は気楽に聴ける曲でも弾くのは、簡単とは限らない。

しかし、世界一の名手を集めたベルリンフィルを名マエストロカラヤンが指揮をして、レコードにしてくれた。

おかげで楽しい曲がもっと楽しくなったのです。

ベルリンフィル125周年おめでとうございます、とお祝いすると共に、

心から御礼を申し上げたい。

有難うございます。


◆雰囲気が違う曲を二つ。

最初はベートーベンのエグモント序曲。

最初、退屈そうに聞こえるかも知れないけど、全部で10分もかかりませんので、聴いて下さい。最後、ワーっと盛り上がります。





いいでしょ?

もう一曲。

超有名クラシック入門曲ですが、弦楽器群の音の響き、音の流れの美しさが絶品。

「G線上のアリア」





どうです?この、艶やかな弦楽器の美しさ。天上の調べですな。

近ごろ、やたらと大曲ばやりですが、あえて「泰西名曲」にしました。

本物の演奏家が本気で演奏するとこうなるぞ、ということをお聴かせしたかったのです。

それでは。


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2007.05.01

「カナダが京都議定書の目標達成断念を表明、批准主要国で初」カナダは諦めが早すぎるが、CO2排出量は世界全体の1.3%なのですよ。

◆記事:カナダが京都議定書の目標達成断念を表明、批准主要国で初

【ワシントン=増満浩志】カナダのハーパー保守党政権が、温室効果ガスの排出削減について定めた「京都議定書」の国別目標を、

期限の2012年に達成するのは不可能と表明した。AP通信が伝えた。

議定書批准国のうち主要国で目標達成が不可能と正式表明したのは初めて。

新たな目標としてカナダは、現在の排出量を20年までに20%削減するとしている。

同議定書のカナダの目標値は「1990年より6%少ない排出量」だったが、その達成は大幅に遅れる見通しだ。

カナダの排出量は現在、90年より30%も多いうえ、西部アルバータ州で進むオイルサンド開発によってさらに急増が見込まれている。

ベアーズ環境相は「失われた10年への責任までは負えない」と、自由党の前政権の無策を批判した。

(4月30日5時58分配信 読売新聞)


◆京都議定書とは何か。

僭越ながら、私はかつて、かなり丁寧に京都議定書とは何かについて説明しています。

例えば、<京都議定書>批准法案を露下院に提出 プーチン大統領 ←それでも、既に温暖化防止は手遅れ。

また、最近新聞紙上でよく見かける「排出権取引」は京都議定書特有の「京都メカニズム」という仕組みによるものですが、

それについては、「環境投資で排出枠獲得 政府、ロシアや中東欧対象」 京都メカニズムという制度が京都議定書にあるのです

を読んで頂くと、かなり分かると思います。


京都議定書とは、1997年12月に京都で開かれた地球温暖化防止京都会議で議決された議定書(条約と同じようなもの)です。

締結国は、2008年~2012年の期間における、CO2排出量を、1990年対比5.2%削減することを義務づけています。

注意すべきは、「CO2排出量を減らす」のであり、京都議定書の各国が目標を達成しても、CO2を排出しなくなるわけではない。

つまり、地球温暖化の原因の大きな要因とされている大気中のCO2の絶対量は増え続ける。温室効果は減らないのです。


それにかんしては、先のリンク先をご参照下さい。


◆カナダの排出量は大したこと無いのですよ。

京都議定書を議決した頃、カナダのCO2排出量は世界全体の3.3%ぐらいでした。

2000年には、環境省の資料、世界と日本の排出量の推移によれば、

カナダは1.3%を占めるに過ぎない。

日本の新聞(マスコミ一般)は、いつもこういう報道ですね。


話が脇にそれますが、「タミフルの異常行動」と同じです。

これを書いたあと、さらに異常行動が五十数件新たに明らかになり、

6年間での異常行動副作用は、合計180人余になった、と、鬼の首を取ったように騒いでいますが、平均すれば1年で30人ということですね。

タミフルは年間300万人の日本人が飲んでいる。あえて単純に書けば、毎年、299万9970人は、異常行動が無かったということです。


どうして、そういう書き方をしないのか、恣意的なものを感じます。


◆それにしても、カナダは今から宣言しなくてもいいじゃないか。

話を京都議定書に戻します。

京都議定書には、罰則規定がありません。

つまり、2008年から2012年に、各国が定められた目標(日本は90年比6%削減。だから、「チーム・マイナス6%」なんていっているのです)

を達成できなくても、罰金を支払うなど、制裁措置がない。

だから、カナダもあっさり「目標達成断念」を表明したのでしょうし、カナダのCO2排出量が全体に占める比率はとても低い。

はっきり言って、カナダが目標を達成できなくても大きな影響は無いのですが、みんながそれを言い出すきっかけになりうる。

京都議定書の目標計測期間が始まってもいないのに、

「いち抜けた」

というのは、他国に与える影響を考えると、無責任だと思います。



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