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2007.06.02

「年金記録問題 首相『1年で5000万件照合』」←365日休み無しで一日13万7千件照合するのですね?/【音楽】スーザ「海を越える握手」

◆記事:年金記録問題 首相「1年で5000万件照合」

安倍晋三首相と民主党の小沢一郎代表による今国会2回目の党首討論が30日行われた。首相は社会保険庁の年金記録紛失問題に関し、

「まじめに払ってきた年金が給付されないのは理不尽だ。国民に不安を与えないよう改革の徹底を約束する」と強調し、

受給者が本来の支給額を満額受け取ることができるよう対策を急ぐ考えを表明した。

首相は、該当者不明となっている約5000万件の再調査について「1年以内にすべての記録と突合(照合)する」との方針を表明。

また、年金紛失問題の責任については、

「平成8年のシステム設計から今までの社会保険庁長官などすべての関係者に責任がある。

政府のトップは私で、その責任は私がすべて負っている」と述べ、今後、政府に第三者機関を設置して責任の所在を検証することを明らかにした。

これに対し、小沢氏は「国民の申し立てを基本的に採用する前提に立つべきだ」と述べ、

受給者をできるだけ広く救済する方向で政府が対策を取るよう求めた。社会保険庁改革関連法案については、

「議論を尽くすべきだ」と委員会に差し戻して再審議するよう迫ったが、首相は「採決に関しては各委員会で結論を出す」とかわした。

党首討論は5月16日以来。ほとんどが国民に関心の高い年金記録紛失問題に費やされ、両者が7月の参院選を強く意識した展開となった。

(5月31日8時1分配信 産経新聞 )


◆コメント:年金問題の整理

年金記録紛失問題とは、カネはあるが、誰が今までにどれだけ、保険金掛け金を支払ったか。誰がいくら支給されるべきなのか、

分からなくなってしまった、と言う問題である。

何故、この問題が起きたかというと、

1.昭和59(1984)年前後、年金システムをコンピューター化したときに、

それまで手書き台帳で管理していたものをコンピューターに入力した訳だが、登録漏れがあった可能性が高い。

驚くべきは、この時、それまで使っていた手書き台帳を廃棄してしまったこと。

因みに民間では重要資料の保管期間が決まっており、仮に年金を民間がやっていたら、

元の台帳は「永久保存」にしたものと思われる(殆ど常識)。

2.更に、この不完全なコンピューター台帳に変更を加えた。

公的年金では従来、転職や結婚のたびに別の年金番号を付与していたため、1人で複数の番号を保有。

これを統合するため1997年に加入者1人に1つの基礎年金番号制度をスタートさせたが、

統合が完了せず今でも約5000万件の記録が宙に浮いた形になっている。



要するに何が何だか分からない。分からない程度にもいくつか段階がある。

これは、社会保険庁問題(だけではないが)をずっと追及している民主党の長妻昭衆議院議員のサイトの、

「ながつま昭」の資料館というコーナーに、「消えた年金」についての詳細な数字がある(6月1日付で更新されている)。

ざっと見るだけでもすさまじさが分かる。


◆社会保険庁の職員数(本庁、地方事務所合計)常勤・非常勤合計28,800人

一体、この出鱈目な仕事をしている、いや、仕事をしていなかった「社会保険庁」にはどれぐらい職員がいるのかと思い調べた。

厚労省が昨年作った、社会保険庁についてという資料がある。

PDFファイルだが、職員数で検索して見て下さい。PDFのページではなく、資料そのもののページでいうと5ページに、

「常勤職員と非常勤職員について」に書いてある。

常勤・非常勤合わせた総職員数は、28,800人。

比較の為、従業員の多そうな「3大メガバンク」の従業員数を調べた(いずれも2006年3月末)。

みずほとみずほコーポレート合わせて22,970人。

三菱東京UFJが 33,641人(ここは旧三菱と東京、さらにUFJつまり旧三和と東海がひとつになったから、多い)

三井住友銀行が、21,110人。

今回の年金記録問題は、銀行になぞらえれば、顧客から預かった預金の総額は分かるが、誰の口座があるのか、分からなくなってしまい、

口座があると分かる人でも、口座の残高がいくらなのか、分からないと云うことである。

本当に民間銀行でそのようなことが起きたら、確実に業務停止命令がでるし、第一そのまえに、潰れる。

社会保険庁の職員は平気で税金から支払われる給料を受け取っている。

要するに、社会保険庁という役所は銀行ほど様々な仕事をしているわけでもなく、駅毎に支店があるわけでもないのに、メガバンク並の人間を雇い、

すなわち、それだけの人件費を国民の血税から支払っておきながら、台帳の管理も出来ないダメな役所なのである。


◆5,000万件を1年で照合できるのですね?

そもそも、元の台帳が消えてしまっているのに、照合というのが、矛盾している。何と何を「照らし合わせる」のか。

また、第三者機関として弁護士や会計士によるチェックを頼むといったって、
「貴方は本当に年金掛け金を30年、支払ったのですか」

「支払いました」

「証拠を見せて下さい」

となったら、結局今の保険庁の受付と代わりがない。はっきり云ってどうしようもない。

しかも、である安倍首相は党首討論で「消えた口座」について調査するのは当然と発言したが、その前の週までは、

「元の台帳が無くなってしまったのだから、調査はしない」

と公言していた。松岡農水相の自死であまりにも支持率が下がるので、急遽手のひらを返したのか。

いずれにせよ、一年間で、五千万件の該当者不明分を調査するということは、

これから一年間、一日も休まず作業しても、一日で13万7千件の調査を完了しなくてはならない。

社保庁の総職員数の半分ぐらいは非常勤だが、問答無用で、総動員しても一人が一日平均4.75件を処理しなくてはいけない。

単純作業ではない。判じ物を解くようなものだ。

安倍さん。後先考えずに、一年で五千万件を照合するといったでしょう?

そういうのが、無責任なんだよ。



◆【追加】音楽:スーザ作曲「海を越える握手」(Hands across the Sea)

本文とは何も関係ありません。久しぶりにマーチを聴きたくなって、スーザの数ある作品の中でも好きな、

「海を越える握手」(Hands across the Sea)を聴いて、とても懐かしかったのです。





現実世界の国と国との関係もこの音楽のように、爽やかなものであったならば、どんなに素晴らしいか。

と考えたのは、私の勝手な空想であり、マーチを聴くのに面倒くさい理屈は要りません。

良ければお聴き下さい。

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