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2007.08.03

選挙の為、書き損ねておりました。ヴィヴァルディとバッハ。お薦め。

◆二人とも7月28日が命日なのです。

今週は、疲れました。

皆さん同じでしょうが、毎日仕事でいい加減くたびれて帰宅し、それから汚い政治の世界を取り上げて文章を書いていると、

本当に気分が悪くなります。

アインシュタイン(相対性理論の・・)の言葉に、
「この世には計り知れないものが少なくとも二つある。宇宙の大きさと人間の愚かしさだ。」
という痛烈な皮肉がありますが、本当ですね。

参院選は当初22日の予定でしたが、親愛なる安倍晋三君が国会の会期を延長したので29日になりました。

7月28日はヨハン・セバスチャン・バッハ(1685~1750)と、アントニオ・ヴィヴァルディ(1678~1741)の命日だったのです。

是非、28日に、この二人の作曲家を取り上げたかったのですが、

投票日の前日に書いてもあまり読んでいただけないだろうと思い、止めました。

本稿標題の、「選挙のため書き損ねていた」とはそういうことです。


◆完全に同じ時代を生きています。バッハはヴィヴァルディを評価していたと思います。

バッハが1685年~1750年、ヴィヴァルディが1678~1741です。殆ど重なっている。

バッハはドイツ。ヴィヴァルディはイタリア(ヴェネツィア)の人です。

日本では、バッハの神格化されていて、ヴィヴァルディは、格下に見られますが、ちょっと過小評価ではないかと思います。

バッハはイタリアの作曲様式を勉強するために、ヴィヴァルディのみならず、マルチェルロ他、イタリアの作曲家の作品を

チェンバロ用に編曲しています。

これは、「音楽の父」バッハが、ヴィヴァルディの作品に芸術的価値を認めた証左ではないでしょうか?

いくら、イタリア音楽の様式を勉強するためとはいえ、バッハがヴィヴァルディを「下らん」と思ったならば、

編曲の題材に選ばなかったのではないでしょうか。


◆ヴィヴァルディは同じ協奏曲を600回書いたなどと云われますが、それは、気の毒かと。お聴かせしましょう。

ヴィヴァルディは、やたらと多作で、特に協奏曲はヴァイオリンのみならず、色々な楽器の為に600曲書いています。

同じような音型がしばしば、あちこちで出てくるので、

「ヴィヴァルディは同じコンチェルト(協奏曲)を600回書いた」

などという、(誰が言ったんだっけ?)皮肉な言葉があるぐらいです。しかし、本当にそうでしょうか。

これから、ヴィヴァルディが、トランペット(2本)、ヴァイオリン、オーボエの為に書いた曲を聴いていただきます。

まず、「2本のトランペットの為の協奏曲」第一楽章です。(以下3曲、やや音が大きいかも知れませんので、ボリュームを適宜、調整して下さい)






次は、ヴァイオリンをある程度習った人なら、皆、練習することになる有名なヴァイオリン協奏曲の第一楽章です。







これはねー。懐かしいです。

私はヘタクソな素人ラッパ吹きですが、大人(26才)から、ヴァイオリンを習い始めました。

どうしても「弦楽器」というものを、習ってみたかったのです。最初は、偶々近くに教室があった「鈴木メソッド」でならいました。

(鈴木メソッドでは、子供を教えるとき、はじめは耳で曲を覚えさせ、楽譜を教えないのですが、

私は大人であり、既に楽譜が読めたので、例外的に最初から楽譜でレッスンを受けました)。

その鈴木メソッドの「ヴァイオリン指導曲集」は全部で10巻ありますが、

第4巻の最後(だったと思います)で、ヴィヴァルディのこの曲が出てくるのです。

この曲まで来ると感無量です。初めて、左手(弦を押さえる手ですね)の位置が変わるのです。。

これを、「ポジション・シフト」といいます。

ヘタクソでも、ヴァイオリンを習って、一所懸命に練習し、ここまでくるとね、かなり嬉しいですよ。

「ついにきた!ポジション・シフト!」という、記念すべき思い出となります。

ヴィヴァルディから話が逸れましたが、あまりにも懐かしいので、長くなりましたが、書かずにいられませんでした。


最後はオーボエ協奏曲です。







どうですか?

毎度申し上げているとおり、好き嫌いは人それぞれでして、それで良いのですが、

「同じ協奏曲を600回」ということはないと思うのです。

それを申し上げたくて、色々な楽器のコンチェルトを聴いて頂きました。


◆バッハがヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲をチェンバロ独奏曲に編曲したものをジャーマン・ブラスでもう一度。

それでは、最後に「バッハとヴィヴァルディを同時に」お聴かせしましょう。

前述のとおり、バッハはヴィヴァルディの曲を主にチェンバロ独奏用、またはチェンバロ協奏曲に編曲しています。

ここでは、約一ヶ月前にお薦めしたDVD

ジャーマン・ブラス・ゴーズ・バッハをお聴き頂きます。

ヴィヴァルディの作品番号は、「RV」で表記します。

この演奏は、ヴィヴァルディのバイオリン協奏曲RV.230をバッハがチェンバロ独奏用に編曲し、

バッハの作品番号では、BWV(BWV=ベー・ヴェー・ファウ)972となった曲を、

ドイツの超一流金管楽器奏者のアンサンブル「ジャーマン・ブラス」の演奏で聞いて頂きます。

ブラス・アンサンブル=金管合奏用に編曲したのは、ジャーマン・ブラスのメンバーです。


第一楽章です。







上手いですねえ。次に、第三楽章をどうぞ。







うー。たまらん。何たるテクニック。何たる輝かしき響き。これぞ芸術。

ともかく、ヴィヴァルディもバッハも大作曲家だと思います。ヴィヴァルディ=「四季」で評価しては気の毒です。


◆ヴィヴァルディ協奏曲集のお薦め。

ヴィヴァルディのいろいろな楽器の為の協奏曲を集めた、協奏曲傑作集

上の「2本のトランペット」「ヴァイオリン」「オーボエ」協奏曲の他にも色々入っていて、1,000円です。

いいねえ、最近の人は。CDがこの世に出たころは、一枚2千数百円とか、3千円とかザラだったのですよ。

それはともかく、ヴィヴァルディのCDは星の数ほどあるけれど、こういう選曲は意外にありません。お薦めです。



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コメント

>>600曲同じ、でも、いいではありませんか!
>それを云われちゃうと、私が、趣きの違うのを選んだ甲斐がないじゃないですか

あれあれ、ゴメンナサイ! 深くお詫び申し上げます・・・JIROさんのご趣旨は理解しての「おちょくり」をしてしまったのですが・・・鞭打100の刑、ですね。(T_T) あ、痛い!

「バロック」〜「古典派」と言われているあたりまでは、出版に当たって作品番号を付けるのは、作曲家にとって「プライド」の表明でもありました。
『四季』に違和感がおありだとすれば、それは、実はそれだけ気負ってヴィヴァルディがこの作品に取り組んだ証拠であって、そのことが作品番号が(彼としては遅めの)「8」を付与されているところに現れていると、私は感じています。<詩にそって音楽を付ける・・・これは新機軸なんだ!>、という事実に対する、彼自身の恐れのようなものもあったのではないかなあ。(私は、彼がこの試みをよくここまで自然に実現出来たものだ、と、むしろ魅力的に感じます。「秋」第1楽章のソロパートが典型的です。
作品番号を作曲年から必然的についた、と言う以上に大げさに考えるのは本来不自然だし、イタリアではどの程度浸透していたのか分かりませんが、バロック後期は『数秘術』の時代でもありました。「8」の象徴する特質は、もちろん多岐にはわたりますが、「生命の樹における光輝」だそうです。数秘術的な観念をヴィヴァルディが念頭に置いていたとしたら、これは「四季』を世に送り出すにあたって「私はいのちを創造し得たのか? そう信じたい」という思いの表明に他ならない気がします。ちなみに、「調和の霊感」の作品番号3は、「三位一体」の3で、まさしく「調和」を表しています。聞き手にとっては全部聴いたら飽きるのかしら? 合奏の研究でよくやりましたけれど、1曲1曲が個性的で、弾き手には通しでやっても楽しい曲集ですヨ!

イ短調のオリジナル、と言っておきながら、本当の「オリジナル」はチャンと見ていませんので恐縮でした。おそらく、スラー等は全くついていないと思います。あるとして、せいぜいfとpくらいでよう。当時の出版譜はそれ以上の記号はないのが普通ですから。アーティキュレーションは奏者任せでよかったはずです。奏法の訓練時に流派もあり、流派で、あるいは流派を超えて、アーティキュレーション付けには約束事があったので、音符以外の記号がある必要はなかった、と記憶しています。
もし違ったらごめんなさい。

 

投稿: ken | 2007.08.04 19:46

Kenさん、いつも、コメントをありがとうございます。

>最後のジャーマンブラスのアレンジ、面白いですね!

面白いですね。ここのアレンジは、リーダー格の、あのピッコロ・トランペットを自在に吹きまくる、マティアス・ヘフス氏と、トロンボーンのクレスポという人がやっているとのこと。

こればかりではなく、他のも聴いても面白いです。「バディネリ」を演ってるんですが、ヘフス氏が主旋律を吹きまくるのではなく、巧みに各パートに割り当てておりまして、例えて云うならば、リレーでバトンタッチが上手く行くか、というようなスリルがあります。楽器も、バルブ・トロンボーン、フリューゲル・ホーン、ソプラノ・ホルン、ポストホルン、など、もの凄い数の楽器を並べて、持ち替えています。

>イ短調は鈴木の楽譜はオリジナルを改変してあるので、オリジナルを是非ご覧下さい。
>オリジナルの方がとっかかりやすいです。・・・が、即興力を試されるので、面白くも
>あります。

オリジナル、見たいですね。イ短調は、いろんな人を聴きましたが、皆、弾き方が違うのですよね。楽譜が手許にないのですが、あの分散和音を繰り返し、下降音型を繰り返しながら、段々音域があがっていく、16分音符がずっと続くところ、一体どれが本当のアーティキュレーション(要するに、どこにスラーをかけるのか)なのか、わかりません。オリジナルに、スラーは付いているのでしょうか?

>600曲同じ、でも、いいではありませんか!

それを云われちゃうと、私が、趣きの違うのを選んだ甲斐がないじゃないですか(笑)。

私は、子どもの頃から「四季」には違和感がありまして、辛うじて良いとおもうのは、「冬」ぐらいなんです。

後年、吉田秀和氏が新潮文庫の「LP300選」
http://www.amazon.co.jp/LP300%E9%81%B8-%E5%90%89%E7%94%B0-%E7%A7%80%E5%92%8C/dp/4101242011
に書いていることが、違和感の原因とわかりました。

要するに、四季はテキストが付いてますが、それに合わせるために音楽の自然な進行を無理にねじ曲げているため、音楽としては不自然だ、というようなことです。

調和の霊感の方が良いですよね。でもあれをずっと聴いていたら、飽きるでしょ?

私は、僭越ながらここで、極めて小規模の「オーケストラがやってきた」をやっているつもりなんです。クラシックに関心が無い方も聴いてくれたらな、と思っているわけ。

だから、1000円で、トランペット、オーボエ、ヴァイオリン、マンドリン協奏曲が聴けるのをお薦めした、と言うことです。

ヴィヴァルディの声楽・オペラって全然知らないな。奥様のLPは貴重ですね。

投稿: JIRO | 2007.08.04 14:32

最後のジャーマンブラスのアレンジ、面白いですね!
このコンチェルトそのものは先輩が弾いたのを聴いて憧れて、いずれ自分も、と思ったことのある(でも身内の中でしか弾いたことのない)いいコンチェルトです。ヴィヴァルディの中では優しいのに効果的な類いの作品ですね。
イ短調は鈴木の楽譜はオリジナルを改変してあるので、オリジナルを是非ご覧下さい。オリジナルの方がとっかかりやすいです。・・・が、即興力を試されるので、面白くもあります。
600曲同じ、でも、いいではありませんか!
600日、ちょっとずつの違いが楽しめる、ってことだし。。。
でも実際は、ヴィヴァルディはそんな作曲家でないことは、「四季」と「調和の霊感」だけでも充分分かるし(全部個性的!バッハが感激したのもむべなるかな)、「海の嵐」他、標題の有るものだけ聴き比べても「あれまあ!」とビックリさせられる方が、ホントは多いんですけれどね。
声楽作品も、聴きたいのですけれど・・・家内の遺品でLPで全集が有るのです。いずれゆっくり張りを落としてみたいと思っております。

投稿: ken | 2007.08.04 00:22

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