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2007年11月

2007.11.30

「『ウィーンの音色』ヤマハが買収へ=ピアノ名門を傘下に」←師匠を買う奴があるか。

◆記事:「ウィーンの音色」ヤマハが買収へ=ピアノ名門を傘下に

【ベルリン29日時事】スタインウェイやベヒシュタインと並ぶ世界屈指のピアノ製造会社、

オーストリアのベーゼンドルファー(本社ウィーン)をヤマハが買収することが固まった。

ベーゼンドルファーを保有する同国銀行が29日、ヤマハに全株式を売却する方向で、交渉が最終段階に入ったと発表した。

 ベーゼンドルファーをめぐっては、国内ピアノメーカーが1100万ユーロ(約18億円)を提示し、

一歩リードとも伝えられていたが、土壇場でヤマハが提示額を引き上げたとみられる。

26日付の英紙タイムズは、ヤマハが1400万ユーロ(約23億円)で逆転買収に成功する見通しと報じていた。


◆コメント:スタインウェイとベーゼンドルファーというのがピアノの2大名門メーカーなのですよ。

ピアノという楽器は西洋音楽の代名詞、いや殆ど西洋音楽そのもの、と行って差し支えない存在である。

西洋音楽はピアノに始まり、ピアノに終わる。

昔から、世界一の名をほしいままにしてきたのは、スタインウェイだが、スタインウェイと並ぶほどの名門が

ウィーンのベーゼンドルファーである。ベーゼンドルファーはウィーンでオーストリア人が作るからこそ、

ベーゼンドルファーである。ヤマハが買収してもそれは変わらないだろうが、経営権を日本人が握ることになる。

楽器を金儲け本意で作ってはならない。が、ヤマハはやりそうだ。

ベーゼンドルファーの音が変わったら、世界の顰蹙を買うだろう。

ヤマハは本気になるとすごいピアノを作る。

かつてNHKが「プロジェクトX」で取りあげたが、20世紀最高のピアニストの一人、

故・スヴィヤトスラフ・リヒテルは、ヤマハを愛用してくれた。

その域に達するまでに、ヤマハの楽器製作者がお手本としたのは、スタインウェインやベーゼンドルファー、

あるいはブルットゥナーのピアノだったはずである。

今回、ベーゼンドルファーの買収を決めたのはピアノ製作とは無縁の、ヤマハの経営陣だろうが、よく考えることだ。

謂わば、ベーゼンドルファーのピアノそのものが、日本のピアノ製作者にとって、お手本、師匠だった筈だ。

カネがあるからといって、音楽の聖地、ウィーンの由緒正しいピアノ製作会社を日本が買収する、ということは、

ビジネスだからやむを得ないという理屈は分かる。が、どうしても私の感覚はついていかない。

資本主義経済云々とは別の次元のことだ。師匠を買ってはいけないのである。


◆ベートーベン交響曲全曲演奏(その12)交響曲第三番「英雄」第四楽章

いよいよ、フィナーレ(終楽章)です。ベートーベンはこの交響曲で完全に独自の境地を

確立したのですが、この後の交響曲を聴いていただくとわかりますが、ここから一曲一曲、全く独自の

工夫が為されていることが分かります。全部、違うのです。

よくもこれだけアイディアが湧くものだとおもいます。

それはさておき、第三番の終楽章では変奏曲の形式が取られています。

同じメロディーが、手を替え品を変え何度も登場します。そして曲の終わりへ向けての盛り上げ方。

非常に緻密に考えられています。この楽章だけでもさすが、天才の仕事だ、と思います。



如何でしたか?

先日ちょっと載せましたが、リストはベートーベンの全てのシンフォニーをピアノ独奏用に編曲しています。

カツァリスというピアニストが弾いているのも、良ければ聴いて下さい。




よくもまあ、10本の指でこんなことができるものです。目が回りそうになるほどものすごいテクニックです。

それでは、また。

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2007.11.29

「『リタリンの使用継続を』=患者ら厚労省に要望」←ひどい医療行政なのですよ。

◆記事:「リタリンの使用継続を」=患者ら厚労省に要望(11月22日22時30分配信 時事通信)

乱用問題で使用の制限が決まった向精神薬「リタリン」について、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの患者会が22日、

厚生労働省を訪れ、リタリン治療の継続や、同様の効能を持つ薬剤の早期承認を要望した。

リタリンは依存性があるため若者を中心に乱用が問題となり、うつ病の効能が取り消され、

麻薬並みに流通を管理することが決定。効能は睡眠障害の一種のナルコレプシーだけとなる。

ADHD治療薬としても適応外で使われているが、使用が困難になることが予想される。

会見した患者会代表の黒岩秀行さんは「ほとんどの患者は戸惑っている」と話し、

ADHDの効能追加や、効能外でも継続して使用できるよう求めた。


◆コメント:問題の所在。

記事で取りあげたリタリンに関しては、半ばマスコミ批判という論点になるが、2ヶ月ほど前に、

毎日新聞「リタリン報道」の恣意性。リタリン乱用入院者、15例(06年)アルコール依存症は、入院外来合計1万7千人(02年)

(ココログではこちら)で取りあげた。

これを書いた約1ヶ月後、10月17日、薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会が開催され、

1958年に認可されて以来、半世紀使われてきた中枢神経賦活薬、リタリン(=商品名。一般名:塩酸メチルフェニデート)の効能から、

「遷延性・難治性うつ病」を除外することが決められた。決められた、といっても審議会自体は国家権力ではないから、

そういう意見を厚労省に提出したのである。

ちなみに、あらゆる役所に何とか審議会とか同類の部会があり、外部「有識者」で構成されている。

この辺もヤクニンのずるいところである。

何か問題になったときに、

「自分たちが言っているのではありません。外部の有識者の意見を尊重したのです。」

という逃げ道を作っているのである。

厚労省職員には医師国家試験を通った「医者」が「医系技官」として採用されているのだから、自分で判断すればよいのである。


◆審議会から9日でリタリンは一切処方されなくなった。普段、「向精神薬の服用を急に止めてはいけない」と言っていた精神科医達は逆らわなかった。

10月17日の薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会の決定からわずか9日後、10月26日厚労省から通達が出た。

塩酸メチルフェニデート製剤の使用にあたっての留意事項等についてである。

いちいち、PDFファイルの添付文書にせず、そのページに表記すれば良いと思うのであるが、

添付ファイルにはっきりと次のように書かれている。

リタリンの効能効果は、今回の承認事項一部変更承認によって、「ナルコレプシー」のみとなること。また、コンサータの効能効果は「小児期における注意欠陥/多動性障害(ADHD)」であること。

これが何を意味するか。

この「通達」が出される前日まで、リタリンの効能効果は「ナルコレプシー及び、遷延性・難治性うつ病」だったのである。

そして大人の注意欠陥障害、多動症の患者も適応薬は存在せず、彼らに対しても、

リタリンを「適応外処方」(名目は「うつ病」などとして処方されること)が黙認されていたのである。

それで、遷延性うつ病患者は抗うつ薬だけでは得られない、中枢神経賦活効果を得て働いていたし、

ADD、ADHD(注意欠陥障害、多動性障害)の患者も同様であった。

私が、9月21日の記事にも書いたとおり、この薬を乱用する患者よりも、

真面目に正しく服用する患者の方が多い(貴方の周りにリタリン中毒で精神病院に措置入院(強制的な入院)させられた人がひとりでも、いますか?)。

だから、50年も使われたのである。

それを十分承知しているくせに、厚労省は、10月26日、薬事審議会からたった9日で、正常な使用者に対する処方まで

一切禁じたのである。このような医療行政は明らかに誤りである。

この通達で、更に腹の立つのは、偽善的な但し書があることだ。

リタリンを服用しているうつ病患者等への対応について

とある。まあ、読んで下さいな。

リタリンは、抗うつ薬ではない。すなわち、セロトニン、ノルアドレナリン系に作用するのではなく、

ドーパミン作動薬である。うつ病に伴う日内変動や、どうにも、身体が重く動けない、というような場合、

精神科の教科書には、「患者には、休職・休学を勧め、十分な休養を取り治療に専念することを薦め」ろ、と書いてある。

休めるのならば、リタリンなんか、要らない。

家族を養うためには働かねばならぬ。

日本の社会はうつ病に対して、以前よりは多少理解が進んだかも知れないが、現実に休めるほど甘くない。

そういう状況で、一日のスターターとして、或いは抗うつ薬の副作用で眠くなったときの補助薬として、リタリンが有効なのだ。

そして、リタリンと同様の効果を持つ合法的な薬はない。代替薬はないのである。

厚労省のヤクニンは、それをしっていながら、適切な説明をしろ、で誤魔化している。汚い。


◆何年も飲んでいた薬をある日突然、打ち切られた患者が大勢いるのだ

うつに対しては、一ヶ月分のリタリンを処方する例が多い。最悪のケース(実際にあった)では、こうなる。

9月28日に4週間分のリタリンを処方され、規則正しく服用していた患者が、4週間後の10月26日、

薬が無くなったので、精神科の主治医を訪れたら、いきなり、「厚労省の通達が出たから、今日からリタリンは処方出来ない」

と、とりつく島もなく、言い放たれたのである。

向精神薬に限らず、長期に亘って服用していた薬の使用を中止するときには、いきなり止めてはいけない、というのが医者の決まり文句である。

向精神薬ならば、依存に陥っていなくとも、突如服用を停止すれば、離脱症状が出て、焦燥感・強度の不安感に襲われたり、極端な場合、

身体的なショック症状を呈することもある。だから、医者は患者に「いきなり薬を止めてはいけませんよ」といっていた。

にも関わらず、厚労省のお達しが出たら、患者の身体より、「お上」に睨まれるのを恐れた医者はいきなり処方を打ち切った。

患者を見捨てたといわれても仕方がない。


◆コンサータというADD・ADHDの為の薬の成分はリタリンと全く同じだが「小児限定」。大人のADD・ADHDの患者は薬が無くなった。

前段でも触れたが、日本では、以前からリタリンの正式な効能効果に「ADD・ADHD」は含まれていなかったが、この患者には「適応外処方」という

便宜的な方法でリタリンが処方されていた(リタリンが最も多く使われている米国では、この薬はADD・ADHDの薬なのである)。

それが、10月26日の通達で、

「リタリンの適応はナルコレプシー(急に眠ってしまう病気)のみ」

と限定された。小児のADD・ADHD患者に対しては、新しく、「コンサータ」という薬が承認されたが、

この薬の成分はリタリンと全く同じ「塩酸メチルフェニデート」なのである。

ところが、繰り返すが、小児用に限定、との「お達し」なので、大人のADD・ADHD患者には処方出来ない。

その結果、彼らが使える薬は、日本には存在しなくなってしまったのである。

冒頭の記事にあるとおり、患者らが厚労省に対して、リタリンの使用(承認)継続を要望したのは、

なにも、「ヤクが切れて、禁断症状に陥っているから」ではない。病気に対する治療薬を突如取りあげられたからである。

当然の成り行きである。

コンサータの販売元はヤンセン・ファーマという薬屋だ。きっと厚労省ヤクニンのたいせつな天下り先なのだろう。

この国は何事もヤクニンの天下り先を確保することを至上課題として運営されているのであろうか。

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2007.11.28

「イラク廃止法案、参院委で可決」←これが当然なのだ。

◆記事:イラク廃止法案、参院委で可決(11月27日12時54分配信 産経新聞)

 航空自衛隊をイラクから撤退させるために民主党が提出した「イラク復興支援特別措置法廃止法案」は27日午後、

参院外交防衛委員会で民主党など野党の賛成多数で可決した。

法案は28日の参院本会議で可決され、衆院に送られるが、与党が多数を占める衆院では否決か廃案になる見通し。

イラク廃止法案は、イラクで多国籍軍などへの空輸支援を行っている航空自衛隊を直ちに撤退させるため、

根拠法であるイラク特措法を廃止する内容となっている。

民主党は平成16、17両年と今年4、10両月の計4回イラク廃止法案を提出してきたが、委員会で可決されたのは今回が初めて。

民主党は提出理由として、

(1)イラクへの武力行使は正当性がない

(2)政府が主張する「非戦闘地域」の概念は虚構でイラク特措法の法的枠組みは破綻している

(3)自衛隊の活動の情報開示が不十分

などを挙げている。


◆コメント:法案の内容は極めて妥当である。

日本は2003年3月20日、米国がイラク戦争を開始した際、世界で一番早く、「支持」を公式に表明した。

当時の首相はバカの小泉である。

イラク戦争は、国際法上、どこからどう見ても違法である。その理由を私は何回繰り返し書いたか分からないが、

開戦前日、エンピツ(当時、ブログは始めていなかった)に認めたアメリカの行動は明らかに国際法違反である。その法的根拠。に、

拙いながらも要約されている。

アメリカは、イラク戦争の正当性の根拠として、

「イラクは大量破壊兵器を保有しており、これがテロリストの手に渡れば、アメリカは明日にでもテロ攻撃を受けるかも知れない」

ことを挙げた。上のリンク先を読んでいただくと分かるが、これは理由にならない。

結果論として、イラクの「大量破壊兵器」は最後まで見つからなかったが、それも関係ない。

仮定上の話として、2003年3月当時、イラクが大量破壊兵器を保有していたとしても、

それが自動的にアメリカのイラクに対する武力行使を正当化する根拠にならないことは、国連憲章を読めば明らかである。



今日、民主党が提出した、イラク復興支援特別措置法廃止法案は、産経新聞が書いているとおり、衆議院で否決されるだろうが、

法案要旨(1)はその意味で正しい。

(2)に関して言えば、これも考えるまでもなく明らかに正しい。

自衛隊の活動はいわゆる「非戦闘地域」で行われなければならないことが、

イラク復興支援特別措置法第二条 第三項で規定されている。

抜粋引用すると、所謂「非戦闘地域」とは、
「我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域」

である。

ところが、国会答弁において、小泉のバカは自ら実質的にそのような地域は存在しないことを認めたのである。

それは衆議院会議録で、第161回国会 国家基本政策委員会合同審査会 第2号(平成16年11月10日(水曜日)、

民主党岡田克也議員の質問に対する答弁に現れている。その部分を引用する。
岡田克也君 (前略)そこで、自衛隊のサマワにおける活動について、総理はサマワは非戦闘地域であると、こういうふうに言われました。非戦闘地域であるという、断言されたその根拠は何なんでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 根拠といえば、戦闘が行われていないということ、だからこそ非戦闘地域である。(発言する者あり)

○岡田克也君 じゃ、総理、お尋ねしますが、お尋ねしますが、その議論の前提としてイラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イラク特措法に関して言えと、法律上、いうことになればですね、自衛隊が活動している地域は非戦闘地域なんです(発言する者あり)

○岡田克也君 私が申し上げたのは、イラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってくれと言ったんです。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは定義は、それは文書を持ってくればすぐ言えますよ。党首討論ですから、考え方を言っているんです。私は、特措法というのは、自衛隊が活動する地域は非戦闘地域である、これがイラク特措法の趣旨なんです。(発言する者あり)

○会長(北澤俊美君) 御静粛にお願いします。御静粛にお願いします。

○岡田克也君 総理、この問題は私、いつか官邸で一度総理に申し上げたことあるんですよ。非戦闘地域の定義は、現に戦闘行為が行われておらず、ここまではいいですね、かつそこで実施される活動の期間を通じて、つまり一年間です、戦闘行為が行われることがないと認められる地域なんです。ですから、私が総理に聞いたのは、これから一年間サマワにおいて戦闘行為が行われないと、そういうふうに言う根拠は何ですかと聞いているわけです。どうですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、将来のことを一〇〇%見通すことはできません。非戦闘地域でなくなった場合には、これは自衛隊は特措法に基づいて撤退しなきゃならない。しかし、特措法についての定義上何かと問われたから、自衛隊の活動している地域は非戦闘地域である。これは法律の趣旨なんです。将来、組織的、計画的、継続的に戦闘が行われるかどうか、これは将来、はっきり一〇〇%、いつどうなるかというのをこの際断言することはできません。しかし、はっきり申し上げますが、自衛隊が活動している地域は非戦闘地域、これがイラク特措法の趣旨なんです。

この質疑答弁は2004年に行われた。

残念ながら、ここまで主権者を小馬鹿にした答弁を繰り返す内閣総理大臣を、有権者は翌2005年9月11日の衆議院選挙で大勝させてしまったのである。

話がそれるけれども、私は日本が無茶苦茶になってしまったのは、こういう人物を国政の最高責任者に留まらせたからだと考えている。


◆航空自衛隊は武器弾薬の輸送を行わない、と小泉は記者会見で断言した。

民主党のイラク復興支援特別措置法廃止法案の要旨(3)に掲げられている、

自衛隊の活動の情報開示が不十分

とは、今なお、現地に残っている航空自衛隊の活動内容が含まれるであろう。

イラク復興支援特別措置法が成立したのち、実際にイラクへ自衛隊を派遣することを閣議決定したのは、2003(平成15)年12月9日である。

当日、首相官邸において行われた記者会見において、

次のような質疑応答がある。
【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。

【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。

【質問】 行わない。

【小泉総理】 行いません。

【質問】 それは、実施要項の中とかで担保されるんですか。

【小泉総理】 そうです。

【質問】 そういうことですか。

【小泉総理】 はい。復興支援活動であります。日本は戦争に行くのではありません。自衛隊は復興人道支援活動に行くんです。

ところが、そんな約束はとっくの昔に破られている。

この点も私は、一度ならず指摘したが、

例えば「航空自衛隊は武器・弾薬の輸送は行わない」(12月9日 小泉首相) その後、どうなったか?で転載した、共同通信の記事をお読み頂きたい。

クウェートから帰ってきた空幕長が、航空自衛隊のC-130輸送機が武装米兵の輸送を実施していることを認めているのである。

武装した兵士を輸送しているのだから、「武器・弾薬の輸送は行わない」という2003年12月9日の小泉の言葉はウソだったのである。


◆結論

このように、イラク復興支援特別措置法は、あらゆる面から見て間違っている。

まとめると、

1.イラク復興支援特別措置法はイラク戦争をはじめたアメリカを支援する法だが、イラク戦争自体が違法行為である。

2.存在しない、非戦闘地域を想定している。

3.空自による武装米兵の輸送は、戦闘中の同盟国の後方支援であり、集団的自衛権の行使に相当し、憲法に抵触する。

私は、だから、自衛隊のイラク派遣に、徹頭徹尾反対し続けている。


◆音楽:本文が重かったので、バッハにさせて下さい。

本来ならば、今日はベートーベンの交響曲第三番「英雄」の終楽章をアップする日なのですが、上の文章が長く重いので、

その上に「英雄」のフィナーレ(終楽章)だと重すぎます。

バッハが軽い、という意味ではありませんが、透明な気持ちにさせてくれる音楽を載せたいのです。

バッハの無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ第二番という曲がありまして、その中では演奏に15分以上を要する、

音楽評論家・吉田秀和氏に「西洋音楽2000年の歴史上最高傑作の一つ」と言わしめた「シャコンヌ」が有名です。

しかし、私はそのシャコンヌの前に演奏される「ジーグ」が大変好きなのです。今まで何度も載せましたが、

今日は、今までとは別の人、ドイツの若手女性ヴァイオリニスト、ユリア・フィッシャーという人の演奏をお聴き下さい。







とても、音楽的な人だと思うのです。如何でしたか?

それでは、また、明日。

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2007.11.27

「薬害肝炎患者「責任転嫁の印象」聞き取り調査姿勢に不信感」役人の人生の目的は「責任から逃れること」と「天下り先の確保」なのさ。

◆記事:薬害肝炎患者「責任転嫁の印象」聞き取り調査姿勢に不信感(2007年11月26日22時35分 読売新聞)。

血液製剤「フィブリノゲン」によりC型肝炎に感染した疑いの強い418人の症例リストを

厚生労働省などが放置していた問題をきっかけに、薬害肝炎を巡る国の対応を検証している

厚労省の調査チーム(主査・西川京子副大臣)は26日、患者2人に聞き取りを行った。

対象となったのは、集団訴訟の原告である桑田智子さん(47)と出田妙子さん(49)。

聞き取り後、記者会見した2人は、「医療機関に責任転嫁しようとしている印象を受けた」と語り、チームの調査姿勢に不信感を募らせていた。

原告・弁護団によると、聞き取りは別々に約1時間ずつ実施。

事前に、〈1〉感染状況〈2〉当時の医師の説明〈3〉感染をいつどのように知ったか――

など6項目を示された上で、西川副大臣ら5人から質問があった。

桑田さんは、1986年に出産した病院ではフィブリノゲン投与や感染の告知はなく、

3か月後に体調が悪化したため自ら別の病院を受診して感染を知ったことなどを説明した。

桑田さんは「当時、国が問題を把握するのは難しい状況だったがそれでも告知すべきだったのかとか、

医者と患者が何でも言える関係でなかったからではないかといったことを聞かれ、責任を医師に押しつけようという意図を感じた」と話した。

出田さんは、リストを旧ミドリ十字(現田辺三菱製薬)が厚労省に提出した2002年当時、

インターフェロン治療の効果が現在の治療法に比べ不十分だったことを挙げ、

「02年に告知しても、あまり状況は変わらなかったのではないか」などと言われたという。

出田さんは「国の責任がないように話を持って行こうとするかのような質問が目立った」と印象を語った。


◆コメント:二人の患者の証言を元に断定するのは、本当は不適当なのだが・・・。

引用した読売の記事は、「薬害肝炎を巡る国の対応を検証している厚労省の調査チーム」の聞き取りを受けた

患者二人の証言をそのままウラ取りせずに事実として書いている。私も心情的には、患者の言うとおりだと思いたいが、

患者は被害者の立場であるから、元々厚労省に不信感を抱きながら調査を受けていたわけである。

薬害肝炎は国と患者との「揉め事」である。つまり患者は「揉め事」の当事者の一方である。

その一方の発言を鵜呑みにして記事を書くのは本当は、ジャーナリズムとしては正しくない。

では、どうするべきだったかというと、厚労省とも患者とも利害関係の無い、弁護士などの第三者が、証人として

聞き取り調査に同席し、患者が記者会見で述べたことに対して、「そのとおりです」と、証言することにより、

患者の記者会見での発言の信頼性が補強されるのである。

尤も、記事の中に

原告・弁護団によると、聞き取りは別々に約1時間ずつ実施。

という部分があるから、或いは弁護士が本当に同席していた可能性があるのだが、記事からは分からない。

そのような細部をきちんと書かないと、客観性のある記事にならないのである。


◆とはいうものの・・・・。

前段では、厳密に、「絶対中立・公正無私」な報道のあるべき姿を書いた。

しかし、私は「ぶっちゃけ」て書くならば、厚労省の調査チームの態度は、多分患者2人が述べた通りだったのだろうと

考えている。これは経験則に基づく推論である。

薬害肝炎事件で、厚労省の役人は肝炎に感染した可能性がある患者のリストを20年も握っていた。

薬害エイズにおいても、非加熱血液製剤を使われた患者がHIVに感染する可能性を認識しながらだまっていた。

これが役人の典型的行動パターン、「可能な限り、責任逃れを試みる」なのだ。

調査チームのトップ、西川京子副大臣の記者会見の模様をテレビで映していた。

あーでもない、こーでもない。のらりくらりと質問をかわしていた。あれこそ「ヤクニン」という人種である。

西川京子氏は衆議院議員だが、今は厚生労働副大臣だから、

行政府に身を置いている。ヤクニンの親玉の一人である。

色々と問題が起きるとヤクニンが国会に参考人として呼ばれるが、

「私が責任を取ります」という言葉をヤクニンから聞いたためしがない。当然である。

責任から逃れることこそ、ヤクニンの第一の行動規範である。あとは、御存知、「天下り先の確保」。

彼らはこの二つを人生の目的とする人種といっても過言ではない。

ヤクニンの発言を聞くときは、これをよく心して耳を傾けねばならぬ。情けない話だ。


◆ベートーベン交響曲全曲演奏(その11)交響曲第三番「英雄」第三楽章スケルツォ

二番でも第三楽章はスケルツォでした。「英雄」のスケルツォは大変スケールが大きい。

最初、モソモソとうごいていた音が、急に大きく膨らみます。スピード感がありながらずっしりとした重みがあります。

中間にホルンの三重奏があります。これも大きな魅力です。この演奏で一番ホルンを吹いているのは、以前ここで書いたことがありますが、

元・N響の千葉馨さんです。エキストラで呼ばれているのに一番ホルンを吹いています。本当にホルンを吹くのがお好きなのでしょう。

それではどうぞ。





最後、ティンパニのピアニッシモから段々オーケストラ全体がクレッシェンドして、気持のよい総奏で決まりますね。

私はこの楽章が大変好きです。皆さん、如何でしたか?

それでは、また明日。

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2007.11.26

「ミサイル防衛、来月から訓練実施…新宿御苑など10か所で」迎撃ミサイル配置計画をエロ写真と一緒に世界にばらまかないでね?

◆記事:ミサイル防衛、来月から訓練実施…新宿御苑など10か所で (11月25日15時5分配信 読売新聞)。

 弾道ミサイル攻撃から首都は守れるのか――。

防衛省は12月から、ミサイルを地上から撃ち落とす地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の移動展開訓練を、

東京・新宿御苑や防衛省のある市ヶ谷駐屯地など都内約10か所の公園や施設で実施する。

緊急時に迎撃部隊が展開する場所を決めるためで、精密兵器の運用に重要な通信環境、障害物の有無などを綿密に調査し、“その時”に備える。

PAC3は今年3月、埼玉・航空自衛隊入間基地に初配備された。

だが、発射される迎撃ミサイルの射程は15~20キロと短く、都心まで約40キロも離れた同基地からでは、

皇居や首相官邸、国会議事堂のほか、中央省庁が集中する霞が関を狙った弾道ミサイルを迎撃することはできない。


◆コメント:北朝鮮が東京を狙って弾道ミサイルを発射したら、5分か10分で着弾する、と聴いたのですが。

最初にお断りしておきますが、私は、日本国が他国からの武力攻撃、侵攻を受けた際、自衛隊が防衛出動することは、

国民の平和的生存権を確保するために行われる、日本国の個別的自衛権の発動だから、合憲であり何ら問題は無いと考えています。

結論を最初に述べるならば、「真面目に考えているのか?」という一語に集約される。

北朝鮮が弾道ミサイルを発射し積んでいるのが核弾頭なら、入間(いるま。埼玉県入間市)から

新宿御苑までパトリオットミサイルをえっちらおっちら運んでいる間に、永田町、霞ヶ関、丸の内一帯の人間は

皆蒸発しているであろう、ということだ。

ミサイルが発射されてから、着地するまでどんなに甘く考えても10分しか余裕はない、との専門家の話を読んだことがある。

日本が保っている「迎撃ミサイル」は埼玉県の航空自衛隊入間基地に格納してあるけれども、

北朝鮮が都心を狙って(当然狙うでしょうね)ミサイルを発射したときに、こちらの迎撃ミサイルはなんと、

入間から千代田区まで(今地図で測ったら直線距離でも33キロありました)届かない。と。

何故なら迎撃ミサイルの射程が15から20キロだから。

そこで、ですね。自衛隊は、迎撃ミサイルが都心に届くところまでミサイルを運んできて迎撃すると。


漫画ですか。


こんなことは、軍事に詳しいとか疎いとかいう話ではない。知能の問題である。

もしかして、制服組も守谷事務次官並の接待攻勢で二日酔いで仕事しててこんなになちゃったのかい?


◆山田洋行と守谷事務次官の話よりも、イージス艦情報漏洩はどうなったのか、報告しろよ。

新聞・テレビは毎日の様に、今に始まったことではない役人と業者の癒着の話ばかりを報ずるが、

今年三月に発覚した、イージス艦情報漏洩のほうが、

余程深刻な問題なのだ。しかも、このイージス艦情報は、エロ画像とともに流出したのである。

ウィニー経由だから、わが国の防衛の要である最新鋭艦船の機密情報がエロ写真と共に世界中にばらまかれている。


世界中の軍隊や国防関係者はあきれてものがいえないか、腹を抱えて大笑いし、涙が止まらないかのどちらかであろう。


あの話は一体どうなったのだ?

野党も追及が甘い。接待ゴルフは後だ。イージス艦情報漏洩がうやむやにされる方がおかしい。

余程取り返しの付かない情報が洩れてしまったのであろう。あまりにやばいので、与野党で水面下で握って、

この話は、国民の忘れっぽさに期待しようというわけ?冗談じゃないのですが。

そんな軍隊、迎撃ミサイル配備状況も北朝鮮に情報筒抜けになっているのではないのですか?

今回は訓練だけどさ。本当に撃ってきたとき、迎撃ミサイルの場所が分かったら、まずそこを叩いてくるよ。

私は楽器の話が好きでね。武器・兵器のことなぞ、興味がないが、ふつうの頭で考えればそれぐらい分かるというものだ。


◆ベートーベン交響曲全曲演奏シリーズ(その10)交響曲第三番 第二楽章

この第二楽章は葬送行進曲で始まりますが、冒頭から想像するような、陰気くさい音楽が続くのではありません。

最初こそ、如何にも葬送行進曲ですが、あとで音楽がどんどん展開し、膨らみ、オーケストラの大音響に身が震えます。

私は演奏開始後8分30秒あたりから、の悲壮感がたまらない。これは朝比奈隆さんが
「生涯最高の第二楽章」と、仰った、という名演です。どうぞ。






交響曲2番までとは、全くスケールの大きさが違いますね。大傑作になっています。

明日は、第三楽章。スケルツォです。ホルンが大活躍します。いいですよ。

それでは。

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2007.11.25

「米学会で病腎移植論文発表へ万波医師、」日本の学会、ブンヤは袋叩きにしてたね?米国移植学会最優秀論文の1つに選ばれたのだけど?

◆記事1:米学会で病腎移植論文発表へ万波医師、(11月21日5時46分配信 産経新聞)

 病気治療のために摘出した腎臓を第三者に移植する「病腎移植」について、

宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師らが執筆した論文が、

来年1月に開かれる全米移植外科学会の冬季シンポジウムで発表されることが20日、分かった。

同論文は、同学会の今年5月に開催された総会で発表されることが一度決まったが、

日本移植学会が「万波医師の病腎移植は倫理面で問題があり発表論文として適切でない」

との意向を伝えたため、発表が取り消されていた。

米学会側が今月上旬、共同執筆者である藤田士朗・米フロリダ大学准教授のところに、

論文を上位10本の入選作の1本として表彰することを伝えてきた。

万波医師ら執筆者側は「世界の医師らに病腎移植の有効性が分かってもらえる機会になれば」としている。

発表される論文のタイトルは『腎移植の最後の手段-生体病腎移植』。万波医師ら6人が共同執筆した。

手がけた病腎移植の42症例を追跡した結果、がんに侵された部分を切除した腎臓を移植したケースで、

再発がなかったことなどを紹介、病腎移植の有効性を示した内容になっている。

病腎移植をめぐっては、日本では日本移植学会などが「現時点では医学的な妥当性はない」

として否定的な立場をとっている。一方で、深刻なドナー(臓器提供者)不足を背景に、

米国では臓器を有効に使う手段の一つとして高い関心があり、一部では実施例も報告されていることが、

今回の論文評価の背景となったとみられる。


◆記事2:愛媛・宇和島の病気腎移植:「11件すべて不適切」 医学的に検証--調査委報告(2007.02.19 毎日新聞 大阪朝刊)

◇徳洲会病院の調査委報告

万波誠医師(66)らによる病気腎移植を検証する宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の調査委員会が18日、大阪市内で開かれた。

同病院で行われた11件の病気腎移植すべてについて、専門委員らから「医学的に適切とは判断できない」という意見が報告された。

一連の問題発覚後に設けられた専門家による検証グループが、病気腎移植に関する批判を公にしたのは初めて。

調査委は患者の立場を考慮するため、3月3日に万波医師から直接意見を聞いた上で最終結論を出すが、

日本移植学会などが3月末にまとめる予定の統一見解にも大きな影響を与えそうだ。

この問題では、摘出・移植が行われた各病院で外部専門家を入れた検証が進んでいる。

この日の調査委もその一つで、会合は約5時間に及んだ。 福島安義・徳洲会専務理事が終了後に記者会見。

11件について、腎がんは移植後にがんになる恐れがある▽尿管狭さくは内視鏡的な施術で狭さく部を広げる治療をするべきだ

▽動脈瘤(りゅう)は腎臓を摘出するほどの大きさではなかった▽ネフローゼによる腎臓の摘出はあり得ず、移植してもすぐに拒絶反応が起こる――

と、医学的な見地から腎臓の摘出、移植への批判・疑問が出たことを明らかにした。

インフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)についても、文書によるものではないため記録として不十分で、

手続きが踏まれていないと指摘されたという。一方、記録が残っていてインフォームド・コンセントがあれば、

(医療として)考慮すべきではないかという意見もあったという。福島専務理事は「医学上十分な資料が残されておらず、

万波医師には反省を求めなければならない。治療に対する真摯(しんし)な態度は理解できるが、

記録が残されておらずしっかりした議論ができないという指摘があった」と話した。

◇万波医師が反論「患者の利益に」

万波医師はこの日、宇和島市で取材に応じ、調査委の意見について「私は患者と向き合って医療の方法を考えている。

これまで患者の利益を損なうことはなかったと思う」と話した。

指摘された11件のうち3件の摘出をした万波医師の弟、廉介医師(61)は毎日新聞の取材に

「自分たちがやってきたことは正しかったと今でも思っている。

調査委員会は病気腎移植はいけないという結論ありきだったのではないか。

患者らの立場も考えながらもっと議論すべきだ」と話した。

■解説

◇批判の根拠、より詳細に

宇和島徳洲会病院で行われた病気腎移植をめぐり、外部の専門家を交えて設置された専門委員会の委員が、

11件すべてについて摘出、移植とも医学的に容認できないとの意見を示した。

患者の同意を文書で残していないなど手続き上の問題点は判明していたが、

今回医学的にも不適切との意見が示され、病気腎移植問題は大きな節目を迎えたと言える。 

ただ、18日の記者会見での「不適切」との根拠は、一般的な説明にとどまった。

例えば、腎がんの患者の腎臓移植は、問題発覚当初から「今の医学の常識では考えられない」

と否定的な意見が相次いでいたが、今回もその常識的な判断が示されただけ。

一つ一つの手術に関する検証結果は明らかにされなかった。 

専門委員は「診療の経過などが文書で残っていない」と調査の限界を口にした。

十分な記録を残さなかった万波誠医師に意見を求めたとしても、最終的に客観的な評価がまとめられるのか非常に疑問だ。 

病院側には、本当に患者の不利益にならなかったのか、その疑問に答える調査結果が求められる。


◆コメント:貴方もわたしも腎不全になる可能性がある。その場合、辛い人工透析を受ける。

腎臓は血液の中の老廃物をろ過するだけではなく、体液の量と配分をコントロールし、

血液中の電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン酸塩など)

の濃度を調節する機能を有する臓器で、この機能がダメになるのが腎不全である。放っておいたら死ぬ。

自分は関係がないと思っている貴方も私もある日突然、急性腎不全と診断され、そのまま慢性腎不全に移行したら、

週三回、4時間、腎臓の機能を機械にやってもらう、人工透析に通わなければならない。一生、である。

腎臓の機能が低下して尿が十分に出ないから体液が増えがちになるから、高血圧だ。心臓にも悪い。

体液が多いから、顔はむくむ。全身のかゆみもあるそうだ。気の毒なのは、これも尿が出ないから、だが、

喉が渇く暑い夏に冷たい飲み物を一気に大量に飲むことも禁物だ。電解質のバランスが崩れるといかんから、

食事には最大の制約がかかる。タンパク質を取りすぎてはいけない(焼き肉モリモリどころじゃないよ)、

塩分は、ただでさえ高血圧になりがちだし、高ナトリウム血症になったら大変だから、1日7グラムぐらい。

バナナなどの果物はカリウムが豊富だ。高カリウム血症とて、極端な話、命に関わる。

これじゃあ、「美味い店」のテレビ番組なんて拷問だ。長期の旅行も無理。旅先でも食事に気をつけていなければ・・・。


◆人工透析から逃れるには移植しかない。

腎臓病になっても、透析をすれば大丈夫なんだろう?と軽く考えていた方、どうですか?こんなに辛いんですよ

この生活を一生続けるのですよ。私の職場にもいらっしゃいます。辛いと思うんだけど、顔に出さずに頑張っている。

でも週に3回、四時頃、足早に退社する(勿論、透析を受けるためだ)のを見ると、私だって病気をしたけど、

暑くなったら水をごくごく飲めて、尿がちゃんと出る、ということだけで、人間どれほど幸せか、そういうことから

考えなくちゃいかんと思います。

腎臓の働きが低下して、もはや、元に戻らず、人工透析を受けている人たち(日本には約25万人もいる)が、

元のように暮らせるようになるためには、腎移植を受けるしかない。

ところが、わが国は死後移植提供者、生体献腎者が少ない。死体腎移植は移植を希望する患者100人に1人しか行われない。

お金持ちは、仕方がないからフィリピンに行って移植を受ける。言いたくないが彼の国ではカネのために2個ある腎臓のうち、

一個を売る貧しい人がいるのだ。

「病腎移植 患者 希望」で検索すると、万波医師のやったことを違法、不適切と決めつけた

移植学会や、マスコミは患者のことを全然考えていないじゃないか。第三の移植の選択肢として病腎移植も認めろ、というブログが

いくらでも見つかる。


◆移植学会は「不適切」の理由を素人にも分かるように説明していない。

移植学会が万波医師の病腎移植に無闇に反対するのは、どうやら、「移植学会に属していない」というくだらんメンツが理由らしい。

なんと、日本移植学会は、

「万波医師ら6人が共同執筆し、アメリカ移植学会に送った論文を無視するように、何故なら不適切な移植だから」、

という訳の分からない、「妨害レター」まで送っているのである。

私もある方を介して、その英文(日本移植学会がアメリカ移植学会に送ったレター)の原文を見たが、何故、不適切なのか、

に関して学問的な論述もなく、ただ、ただ、そんなものは下らんから、無視してくれ、という、唖然とするほど幼稚、しかも、

英語は中学生のデタラメ答案のようだった。

恐らく相手は何のことか全く分からなかったと思われる。あれは国辱である。

毎日新聞も流石に呆れたようで、批判の根拠を詳細に、と書いている(移植学会に対する追及が甘いけどね)。



兎にも角にも、医者にもあれほど頭が悪いのがいて、「学会」などとなのり、権威(のつもり)をかさに、患者を救おうとする同業者の邪魔をしている、

という事実に、私は驚嘆した。あまりにも乱暴な論理と行動で、これが移植「学会」だったら、

腎臓のみならず、臓器移植を待つ患者はいつまでも救われない。


◆アメリカ移植学会(ASTS=American Society of Transplant Surgeons)から万波(まんなみ)医師に招待状が来たのだ。

アメリカ移植学会はフェアだ。記事1にあるとおり、万波医師らが共同執筆した病腎移植についての論文を、

「上位10本の入選作の1本として表彰することを伝えてきた。」という。

自らは死体腎移植を増やす努力もしない日本移植学会や、

一部よく問題の所在がわからないくせに、万波医師を袋だたきにしてきたマスコミさん。

さあ、何かひとことどうぞ。


◆ベートーベン交響曲全曲演奏(その9)交響曲第三番(英雄)第一楽章

 やっと三番です。様々な面で、ベートーベンはそれまでの交響曲の常識を打ち破る革命的なことをしています。

 最初に、ダン!  ダン!と二回の和音で始まりますね。これだけでも当時としてみれば大変な「前衛音楽」だったと思われます。

 どうぞ、お聴き下さい。






 俄然、貫禄が出てきましたね。明日は悲壮感が何ともたまらない、葬送行進曲の第二楽章です。いいですよ。

それでは。

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2007.11.24

「南極海で客船が氷山と衝突、乗客・乗員は救出」←地球温暖化と無縁ではないと思います。/ベートーベン交響曲第二番終楽章

◆記事:南極海で客船が氷山と衝突、乗客・乗員は救出(11月23日21時28分配信 読売新聞)

【シドニー=新居益】英BBC放送(ウェブサイト版)によると、

アルゼンチンに近い南極海のサウスシェトランド諸島付近を航海中の客船「エクスプローラー」

(乗客・乗員約154人、2400トン)が23日、氷山に衝突して浸水。

乗客らは付近を航海中の別の客船に乗り移り、無事だった。

客船は11日、19日間の航海の予定でアルゼンチンを出発。

乗客の多くは英国、カナダ、米国出身だった。米国とアルゼンチンの沿岸警備隊が救出活動に携わった。


◆コメント:「現代の南半球の『タイタニック』だ」などの新聞週刊誌の見出しが目に浮かぶようだ。

船舶が氷山に衝突、と聞いて、「タイタニック号」を連想しない人はいないだろう。ただ、規模が違いすぎる(後述)。

タイタニック号は1912年4月14日、処女航海中、23時40分、北大西洋に置いて、見張りが船の前方450メートルに

高さ(水面上に見えている部分)20メートルぐらいの氷山を発見した。

タイタニックは巨大客船ながら、当時最新鋭のエンジンを積み、22ノット(時速約40km)という高速で航行中であったため、

氷山発見から衝突までわずか40秒の出来事だったという。勿論、船は取り舵(左に舵を切ること)をとって回避行動ととったが、

図体の馬鹿でかい船だったから、慣性の法則

「物体は外力が加わらない限り当速度運動(この場合「速度」はベクトルとする)を続けようとする性質がある」(ニュートンの運動の第一法則)

に従い、舵が十分利く前に氷山と接触し、船の右側約90メートルにわたって損傷し、浸水、沈没を免れなかった事故である。

◆タイタニックから百年近く経って氷山にぶつかるとは尋常ではない。

タイタニック号の大惨事が起きたのは20世紀の初め。それから百年近くを経て、船舶航行技術は格段に進歩を遂げているはずである。

事実調べてみたらその通りである。

地球温暖化により、南極・北極の氷が溶けるという話はお聞きになったことがあると思うが、とくに、南極は大陸があって、

その上にものすごい厚さの、ちょっと我々の想像を超えるような体積の氷が乗っかっているわけである。

地球温暖化と共に、この氷の一部が海に流れ出すということが頻繁に起きている。

あまりにもすさまじい話で、すくなくとも私はイメージできないが、神奈川県の面積ぐらいの超巨大な氷が南極大陸から

海に流れ出しているのだそうである。

このため、南極辺りの氷山は大小無数に存在し、当然海流にのって位置を変えている。

これは、氷山は米国の海洋大気庁(NOAA)等が衛星を使って毎日その位置を監視し、航行する船舶に情報を提供している。

日本は、オホーツク海の海氷の観測・監視を常時行っている。

無論、船舶自身も前方障害物を警告するコンピューター連動の監視装置を用いているはずである。

単純にぼんやりしていただけかも知れないが、

危機管理に際しては、より悪い状況を考えるのが原則である


◆今回の不思議、やがて情報が明らかになるだろうが。

 「より悪い状況」とは、地球温暖化により南極周辺の海域の流氷、氷山が増えているのではないか、という仮定である。

 読売の記事によれば、本日、南極海で氷山と衝突した客船「エクスプローラー」は、タイタニックに比べるべくもないほど、小さい。

 比較してみよう。
 


  •  タイタニック:  総トン数:46,328t、乗員乗客総数:2,223人

  •  エクスプローラー:総トン数:2,400t、 乗員乗客総数:154人


エクスプローラー号の総トン数はタイタニックの5%、乗員乗客数は6%である。

勿論、数が少なければ死んでもいい、ということではない。

これぐらいの小さな船で、約100年前よりも遙かに進歩した情報源、航行装置・技術を持ち、

しかも小さい船だから、舵もすぐに利く。



私は船舶運航の専門家で無いから、さっぱり分からないが、通常人が常識的に考えても、

氷山にぶつかったという事実自体不思議である。

なんでも温暖化の所為にするのもバカの一つ覚えの様だが、

前述のとおり、根拠がないことではない。

これほど小さな船でもよけきれないほど、大小様々な氷山、

(南極大陸から海に落ちた氷)が多いのかも知れない。続報を待つしかない。

船の話はともかくGoogleEarthなどで南極から氷が溶け出すときの写真など、ご覧になってみては如何だろうか。


◆ベートーベン交響曲全曲演奏(その8)交響曲第二番第四楽章(終楽章)

2日間、間があいてしまいました。済みません。

今日は二番の終楽章です。勿論、凡人の書ける曲ではないのですが、

ベートーベンの三番以降の交響曲の各楽章に比べると、構成(文章でいえば、「起承転結」みたいなものです)が

すこし、甘いかな、という気がするのですが、それは、彼が後に書いた作品を全部知っているから言える、結果論です。
堂々たる音楽です。弦楽器の人、難しそうです。それではどうぞ。






二日、サボってしまったので、ベートーベンのエグモント序曲を聴いていただきたいと思います。

最初、重い音楽に感じますが、必ず最後まで聴いて下さい。興奮を禁じ得ない盛り上がりとなります。






いいでしょ?

それでは、これにて。

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2007.11.23

79年前、1928(昭和3)年11月22日。モーリス・ラベルの「ボレロ」が初演されたのです。

◆これほど、聴衆を熱狂させる曲は大変珍しいと思います。

 私も好きですねえ。ボレロ、毎年書いている。何度書いたことであろうか。

 特に、クラシックのトロンボーン奏者にとってボレロのソロは、常に意識される。

今は、所属オケの首席じゃなくても(ボレロの管楽器ソロは、皆、首席奏者が吹くのです)、

いつかは絶対に見事なソロを吹いて、聴衆から万雷の拍手を浴びる自らの姿を夢見るのではないだろうか。


以前にも書いたことがあるけれど、Googleで、「ボレロ トロンボーン」と検索してみて下さい。

92,000件ヒットしますが、「JIROの独断的日記」が最初に来ます(←これ、ちょっと自慢 (^^ゞ)。



◆同じ事を繰り返すと人間は段々興奮してくるのです。

 ボレロに限らず、ベートーベンの七番の終楽章なども同じことである。

同じ音型を繰り返しながら次第にクレッシェンドする。

阿波踊りも同じ事。もっと短い音型だが、例の「チャンカ・チャンカ・チャンカ・チャンカ・」を際限なく繰り返すから、踊っている人たちは、

次第に興奮してくる。ラベルはこの人間の性質を実に巧みに利用している。

 ラベル作曲のボレロは、

「タン・タタタ・タン・タタタ・タン・タン/タン・タタタ・タン・タタタ・タタタタタタ」(/は小節の区切れ目)

というリズムを、171回(ちょっとうろ覚え)繰り返す、打楽器(スネアドラム=小太鼓)奏者が、全体のテンポを支配している。

これ、大変ですよ。後でお聴かせするけれど、お行儀悪いけど、菜箸と段ボールか何かを用意してですね。再生される音楽に合わせて、

最初から最後まで、ぴったりとプロの打楽器奏者に合わせることが出来たら、あなたは打楽器の天才かも知れない。

プロの打楽器奏者(他の楽器奏者にもあるだろうが、特に打楽器奏者)には、「絶対テンポ感」が備わっている。

故・岩城宏之さんは打楽器奏者出身だが、時計を使わずに正確に60秒を測ることが出来る、と書いていた。

それぐらい、当たり前なのである。無論、指揮者も、である。


◆リズムだけではなく、メロディーも反復されるところが、ラベルのラベルたる所以である。

ラベルは、「ボレロ」で打楽器奏者に同じリズムを170回繰り返し叩かせたが、旋律も2種類しかない。

メロディーAは最初に、フルートで奏される。これです。






ハ長調で特に難しいというわけではないけれど、しょっぱなのソロでしょ?それでフルートの最低音域なんですよ。これ。

一番低い「ド」の音が何度か出てきますが、これを朗々と響かせることができるか。プロは出来ますけどね。

最初のソロですから、ここで、「スカッ」と音がかすれたりしたら、

「はい。今日のボレロはこれで台無し」

ということになります。これは理屈じゃないの。ここでトチッたら、その日のボレロは終わりなのです。

次、メロディーBです。ファゴットという最低音域を担当する木管楽器が、この楽器の最高音域で吹きます。どうぞ。







メロディーAに比べると何かエキゾチックですね。この対比がたまりません。

なお、メロディーBをファゴットが吹いているときに、最初にソロを吹いたフルートが、小太鼓と一緒になって、

「タン・タタタ・タン・タタタ・タン・タン/タン・タタタ・タン・タタタ・タタタタタタ」

を吹いています。同じ音だけど、ただ吹けば良いと言うものじゃない。小太鼓をよーく聴いて、場合によっては、小太鼓が

ファーストバイオリンとセカンドバイオリンの間に座ることもある(指揮者が決まる)ので、そういうときは、フルート奏者は、

スネアドラム奏者のスティック(バチ)の動きをじっと見て、耳と目で合わせるのです。


◆さあ、行け!トロンボーン!

私はですね。最近コンサートに行っていませんが、「ボレロ」をプログラムに含むコンサートを聴くときは、

極度の緊張状態に陥ります。理由はただ一つ。トロンボーン・ソロが上手く行きますように、ということです。

本番が始まると、決して大袈裟ではなく、タラタラと汗をかきます。実際に演奏するトロンボーン奏者の方が、

余程落ちついて見えます。私は大変滑稽です。まあ、そのソロをきいておくんなさい。







これは、スタジオ録音だからね(後でお聴かせするのとは違うオケです)、上手くいくに決まっているけど、

生で聴いたら(吹く方はもっと)たまんないぜ。

曲が始まって7分ぐらい全く音を出さないで(口慣らしができない)、ソロで、一番高いハイB(べー。シのフラット)って。

今ぐらいのトロンボーンソロを聴くと、あたしゃ、その時点で「ブラボー!」と叫びたくなるよ。ホント。涙が出るぐらい感激する。

あと、ラベルは「オーケストラの魔術師」といわれたぐらいの、オーケストレーションの天才です。

ホルンとピッコロとチェレスタという楽器を組み合わせて、本当にオルガンのような音を出すのに成功しています。

かなり専門的だけど、興味のある方はウィキペディアに、詳細な説明が載っています。

勿論、こういう理屈が分からなくても一向に構わない。

聴いて、血湧き肉躍る。それがボレロです。

毎年お薦めしている、アバド指揮=ロンドン交響楽団の熱演。

最後にオーケストラのメンバーが興奮を抑えきれなくなって、叫ぶ奴。

もう、こうなったら、お聴かせしちゃいましょう。






うーむ。何度聴いてもたまらん。これぞクラシックの名曲。永遠の芸術。

済みません。あまりにも曲想が違うので、ベートーベン交響曲第二番第四楽章は、明日必ず。

それから今夜(11月23日(金))NHKの「歌謡チャリティーコンサート」という番組に、

森麻季さんが出ますからね。お見逃しなく。

それでは、失礼をば。

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2007.11.21

音楽評論:CD「ピエ・イエス~祈りを込めて」(ソプラノ・森麻季、指揮・金聖響、管弦楽・オーケストラアンサンブル金沢)

◆音楽に抱きしめられる幸福

 人は音楽を、日常のあらゆる場面で聴く。聴く動機は様々でそれはそれで一向に構わない。

が、わたくし自信は、音楽を聴くときに最も大切な心境は

「音楽によって慰められたい」という魂からの祈るような気持ち、ではないか、と考えている。



本日、ソプラノの森麻季さんの新しいCD、「ピエ・イエス~祈りを込めてを聴いた。

宗教曲ばかりのアルバムである。あっと言う間に時間が経って、全曲を聴いた。



森麻季さんがこのCDに録音した歌は、全てが私を慰めてくれた。

信仰心を持たない私ですら、「祈り」という言葉を思い出さずにはいられない、敬虔な音楽と演奏であった。

「音楽に抱きしめられる」とは我が敬愛する、アマチュア(もはや、アマチュアとは言い難いが)音楽家、

Kenさんが、過日、私のブログに残して下さったコメントで使っていた表現だが、

今日の私はまさに、森麻季さんのソプラノと金聖響氏指揮・オーケストラアンサンブル金沢の演奏に「抱きしめられ」たのである。


◆森麻季さんは忠実な音楽への奉仕者である。

 技術的なことも少し書こう。



悔しいが、ライナーノートで解説を担当している國土潤一氏に先に書かれてしまった言葉がある(後述)のだ。

以下の私の文章に、國土氏と同じような言葉があるかも知れないが、断じて、國土氏の真似をしている(盗作している)のではない。

これは、信じて頂くしかない。さて、このCDに収められているのは


  • モーツァルト:モテット「踊れ喜べ幸いなる魂よ」から四曲。

  • モーツァルト:ミサ曲 ハ短調 から二曲

  • ハイドン:オラトリオ「天地創造」から四曲

  • バッハ:「マタイ受難曲」から二曲

  • バッハ:「ヨハネ受難曲」から一曲

  • フォーレ:「レクイエム」から一曲

  • フランク」「天使の糧」一曲


の計15曲である(中にはレチタティーボといってごく短いトラックもあるが)。



前作のイタリア・オペラアリア集とは全く曲想を異にするが、いずれも演奏するには、高度な技術を要求される点は共通している。

森麻季さんの演奏を聴くと、「完璧」という言葉を想起せずにいられない。

無論これは録音だが、森さんは、リサイタルで完璧にこれらを歌うことが出来る声楽家である。



全曲解説すると、とてつもなく長くなるので、まずは一曲。最初のモーツァルト。

モーツァルトのモテット「踊れ喜べ幸いなる魂よ」だが、難しいので有名である。

終わりは、「アレルヤ」という有名な曲で、16分音符での音階的な細かい動きを歌わなければならない。



一般的に言うと、クラシック声楽の難しさの一つは、クラシック以外の歌では絶対にないのだが、

人間の声が器楽的(楽器のように)に扱われており、演奏者(歌手)はそれに耐えうるテクニックを身につけるために、

「職人的」な(これが、解説の國土さんに書かれてしまった言葉なのだが)研鑽を積まなければならない、ということである。



そして、その技術は、例えば自転車に乗るという「技術」のように、一度身につけたら、放っておいても大丈夫ということは絶対にない。

森麻季さんといえども、毎日の練習を続けなければ、これほど高度な演奏が出来るわけがないのだ。

今でも、森さんは絶えず訓練を続けているのである。



長くなったが、「踊れ喜べ幸いなる魂よ」第四曲、「アレルヤ」を聴くと、大抵の歌手は四苦八苦している様子がわかる。

ところが、森さんが歌うと、
「あれ、この歌、こんなに易しかったっけ?」

という錯覚に陥るほどである。私は何度となく、この曲が歌われるのを聴いたがこれほど完璧な演奏は、どう考えても記憶にない。



岩波文庫に「モーツァルトの手紙」という本がある。今、あいにく手許にないのだが、モーツァルトがあるバイオリニストを

絶賛している箇所がある。それには、父親に向けて次の様な趣旨の言葉が書かれている。
「技術は素晴らしく、音程も極めて正確、難しいパッセージを弾いていても、あたかも簡単そうに聞こえるのです。これこそ、本当に上手い演奏なのです」

というものである。

私は、森麻季さんの演奏を聴いて、モーツァルトの言葉を思い出さずにはいられなかった。

モーツァルトがタイムマシンで今の世界にやってきて、森麻季さんの演奏を聴いたら、きっと同じ事を言うに違いない。
「貴女、上手い人だねえ・・・」

と。



 そのように、見事なソロを歌いながら、森さんのソプラノは、ソリストにありがちな「私が、私が」と出しゃばることをせずに、

抜群の伴奏をした、金聖響氏指揮・オーケストラアンサンブル金沢の楽器の音と美しいハーモニーを形成している。

ソリストも、伴奏者も完全に「心得ている」大人の演奏である。



森麻季さんは音楽に対する、最も忠実な奉仕者なのである。


◆森麻季さん自身の「祈り」が音楽を浄化している。

 私はCDを最初に聴くときは、先入観を抱かないために、ライナーノートを読まずに聴く。聴いた後に読む。

今回ほど、演奏者のセルフライナーノートが、録音された音楽の必然性を雄弁に物語っている例を私は知らない。

CDそのものと同じぐらい、森麻季さんのセルフ・ライナーノートの一読を強くお薦めしたい。



森麻季さんはセルフ・ライナーノートで、ご自身が信仰を持つに至る経緯を書かれているが、それも勿論素晴らしいが、

私が、胸を打たれたのは、森さんは、このCDの録音に際して、世にはびこる様々な理不尽なこと

--戦争、犯罪、自然災害、病気や事故等々--により不幸に陥った人々に、

救いがありますようにという「祈り」を込めて歌った、ということである。



音楽を聴いた後で、この文章を読むと深く得心がいくのである。

森さんの「祈り」が演奏を一層崇高なものに高めているのであることは疑うべくもない。

森麻季さんはまだまだ、ご自身が現役の演奏家だから、弟子を取ることは無いだろうが、将来、森麻季さんに

声楽を(単発のレッスンでも)習うことがある人がいるかも知れない。

そのとき、森さんは、勿論技巧的なことを教えるだろうが、教わる側は、音楽の演奏家としてもっと大事なことを

森さんに見出さなければならない。



森麻季さんは、私たちの想像を絶する研鑽を積み、獲得した高度な技術を用いて歌っているが、それは自らの技術、

声の美しさを誇示するためではない。聴き手の幸福を祈りながら、歌っている。

だから、森麻季さんの歌は、私どもの魂を震わせるのである。

【お知らせ】ベートーベン交響曲第二番第四楽章明日にします。

今日は、森麻季さんの宗教曲を聴いたあとなので、ベートーベンはあまりにも違うのです。

そう簡単に頭が切り換えられないので、明日が3連休前ですし、明日、第二番終楽章をお聴き頂きます。

勝手ながら、ご了承下さい。



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文藝春秋12月号「教養立国 ニッポン」(藤原正彦氏著)に賛成/ベートーベン交響曲第二番第三楽章

◆月刊「文藝春秋」は面白いですよ

 読者諸氏は、月刊「文藝春秋」を読んでおられるだろうか。

 私は、毎号必ずとは言わないが、かなりの頻度で読んでいる。

 月刊誌であるから当然だが、週刊誌ではとても取材しきれないようなテーマ、話題が記事になっている。

 また、依頼原稿(記者が書いたのではなく、外部のフリージャーナリスト、学者などが書いた文章)も面白い。

 

最新の12月号の主な記事の見出しをざっと拾ってみる。


  • 小沢民主党への10の疑問

  • 相撲協会のドン 北の湖の失墜

  • 中国衝撃の予測 金正日の最期

  • ワイドショーは死んだ

  • 池田大作79歳の私生活

  • 独裁者 守屋武昌の告白


という調子で、まだまだあるのだが、編集部が表紙に掲げている筆頭記事は、ベストセラー「国家の品格」の著者、

藤原正彦氏の寄稿、「教養立国 ニッポン」である。


◆藤原正彦氏は、要するに、経済至上主義だけではいかん、教養立国を目指せと主張しているのである。

 藤原氏の主張を極めて大雑把に要約すると、
 

 今の日本はアメリカのマネをして。経済至上主義、つまりカネが儲かるなら何でも良い

 という世の中になっているが、これでは、国は滅びる。国を救うのは「教養」だ。

ということになる。 ここからは、私の言葉で書かせていただく。藤原氏とほぼ同意見だからである。

 日本は世界一の基礎学力を持っていたにも関わらず、

近年、それも怪しくなってきた。それを立て直すこと。但し、それは「教育」であって、「教養」ではない。

 教養とは、直接生活をする上で、或いは金儲けをする上では何の役にも立たない、知識・素養である。

 文学・歴史・哲学・科学・芸術などを学ぶことは、人間の見識を身につける上で重要である(藤原氏の言葉では「大局観」となる)。

 そのような素養がないと、考え方のベースとなる、その人なりの哲学、というか世界観、価値観が出来ないからどうしたらよいか分からない。

 分からないと、一番分かりやすい基準、金儲けに走り、株が上がった、下がったと一喜一憂するのである。

 全く役に立たない、文化的なことを多く知っているのが教養人である。

 お断りしておくが、私は自分が教養人だと思ったことは無い。そこまでバカではない。昔の教養人の文章を読んだら、

自分など教養人の端くれにも及ばないことが良く分かる。

しかし、それでも(人生の後半に入った今でも)教養人に憧れ、それに少しでも近づきたいという気持を持っている。


◆文藝春秋12月号の一読をお薦めする共に、聴いていただきたい「講義」がある。

 私がここで、藤原正彦氏の文章を全て要約しても仕方がないので、興味を持った方は、是非、お読み頂きたい。

 それから、皆様に聴いて頂きたい講義がある。

 有りがたい話で、東大の講義をインターネットで聴くことが出来る。

 以前一度取りあげたが、東大特別栄誉教授・ノーベル物理学賞受賞者、小柴 昌俊先生の「物質はどのように創られたのか」という講義の冒頭である。
これは、学術俯瞰講義 2005「物質の科学」
で音声・映像の視聴、ダウンロードが可能なのだが、冒頭の部分を是非聴いて頂きたいのである。

あまり短くては失礼かと思い、5分間ほど録音したが、聴いて頂きたいのは、講義開始後間もなく出てくる。







 私が皆さんに聴いて頂きたい、と思ったのは、お分かりと思うけれども、小柴先生のこの言葉、
 あのね。あなた方はそう思わんかも知れんけどね、立派な学者って言うのはね。「沢山の事を知っている人」じゃないの。

「知らないことがこんなに沢山あるぞ」ということを痛感しているのが、立派な学者なんですよ。

 私はこれを聴いて非常に感銘を受けたが、この話は以前書いたので、お読み頂きたい。

「教養」の有無とは、こういう先生の言葉と、それに続く「物質の始まりについて」の講義(理科系の思考に極めて弱い私には難しい講義だが)のように、

「生活」や「金儲け」とは全く無関係な事柄、実益には何の役にも立たないことに如何に多く触れるかに関わっている、と私は思う。


◆ベートーベン交響曲全曲演奏(その7)交響曲第2番第三楽章 スケルツォ

はい。ベートーベン交響曲第二番第三楽章です。

これは、二拍子にとれるかもしれませんが、そうではなくて、速い三拍子なのです。

一拍に感じるのが一小節です。

ダーン・タタタというリズムですが、ダーンで一小節。その次のタタタの「タ」一つが一拍です。

こういう速い三拍子をスケルツォといいます。ベートーベンは次の第三交響曲「英雄」や、第九でも

スケルツォを書いていますが、二番が最初なのですね。音の強弱の変化、ドーンと音が伸びるところと、

細かく動くところの対比をお楽しみ下さい。






明日は、交響曲第二番のフィナーレ(終楽章)です。どうぞ、お楽しみに

それでは。

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2007.11.19

「<三井住友FG>最終利益は30.0%減 9月中間連結決算」←あらゆる分野で世界に迷惑をかけるアメリカ

◆記事:<三井住友FG>最終利益は30.0%減 9月中間連結決算(11月19日21時53分配信 毎日新聞)

 三井住友フィナンシャルグループ(FG)が19日発表した9月中間連結決算は、米低所得者向け高金利住宅ローン

(サブプライムローン)関連の損失約320億円を計上したことや、系列ノンバンクの株式評価損が響き、

最終(当期)利益は前年同期比30.0%減の1705億円となった。

10月以降も市場の混乱が続いており、サブプライム関連の損失は、08年3月期連結決算では約870億円まで拡大するとの見通しを明らかにした。

 9月中間期の本業のもうけを示す業務純益は、債券売却益が増加し、同25.4%増の3909億円になった。

しかし、5~7月に出資したセントラルファイナンスとオーエムシーカードの株価が急落したため、

保有する2社の株式に計約500億円(銀行単体ベース)の評価損が発生した。

さらにサブプライムローンを含んだ証券化商品の評価損や関連融資の引当金の積み増しも、収益を圧迫した。

 9月末時点でサブプライム関連の投融資残高は約950億円。市場の混乱が拡大し、

売却が困難になっていることから、下期には新たに約550億円の損失が発生する見込みだ。

しかし、北山禎介・三井住友FG社長は、サブプライム関連の損失の拡大について

「その他の有価証券の運用益などで、十分吸収できる」と説明。

08年3月期の連結最終利益の予想は、10月26日に上方修正した同29.1%増の5700億円のまま据え置いた


◆コメント:三井住友FGに限ったことではないのは周知の通り。

 たまたま、日本のメガバンクの中で今日、中間決算の発表があったのが三井住友だったので、その記事を使ったが、

勿論、三井住友に限った話ではない。
世界中の金融機関がアメリカのサブプライムローンを証券化した商品を保有し、その価格が下がって含み損が出たので、

業績を下方修正している。



尤も株価に関しては、今日も今年の最安値を更新した、と騒いでいるが、まだまだ、大したことはない。

小泉政権下、2003年、竹中の経済・金融政策の失敗で、日経平均株価は7000円台まで下がったのを思い出すが良い。

また永遠に上がり続ける相場も下がり続ける相場も無いことは歴史が証明している。

株価がさがるということは、株が売られるから下がるのだが、

株が売られると言うことは、株の買い手がいるからこそ、可能なのである。

従って、「値頃感からの買い」などが入るウチは、まだ甘い。皆が売りに回ってビッド(買値)が無くなったら、

売っていた人々が、買いに回るしか無くなる。そうなれば、嫌でも株は上がり始める。

「買うから、下がる」のである。株価を戻そうと思ったら売りまくることだ。


◆アメリカは世界に謝れよ。

 アメリカというのは本当に、はた迷惑な国だ。
 
 勝手にアフガニスタンや、イラクを相手に戦争を始めておきながら、収拾が付かなくなって、世界中の国連加盟国に

「手伝え」と、当たり前のごとく要求する。

 低所得者向けの住宅ローン(サブプライムローン)を大量に貸出し、それらが不良債権となる。

サブプライムローンを証券化した金融商品を買っていた世界中の金融機関などが、それによって思わぬ評価損を出している。

 世界で最も多くのCO2を排出しながら、京都議定書を批准しない。アメリカだけの所為ではないが、おかげで人類は存亡の危機に立たされている。

これだけ、いろいろな場面で世界に迷惑をかけながら、アメリカという国は偉そうなツラをしやがって。

 世界に向かって「ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」と言って貰いたいね。


◆ベートーベン交響曲全曲演奏(その6)交響曲第2番第二楽章

私も、ベートーベンの二番というのはあまり聴いたことが無かったのですが、今回聴いてやはり、ベートーベンだと思いました。

第二楽章は緩徐楽章(テンポが遅い楽章)、ラルゲット(ラルゴより少し速い)です。優しい音楽だと思いました。

どうぞ、お聴き下さい。おやすみ前にぴったりではないかと思うのです。







明日は第三楽章です。それでは。

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2007.11.18

バッハのオルガン曲を様々なアレンジで(不備ファイル差替済)/ベートーベン交響曲全曲演奏(その5)第二番 第一楽章

◆J.S.バッハ BWV 564「トッカータ・アダージョとフーガ」より「アダージョ」。きれいです。

今日はですね。ベートーベン交響曲シリーズを別にすると、堅い曲から段々くだけた感じになります。

始めにバッハのオルガン曲で特に理由は無いのですがBWV 564「トッカータとアダージョとフーガ」ってのを取りあげます。

全部だと長いので、真ん中の「アダージョ」を聴いていただきます。心休まる美しい音楽だと思うのです。



バッハ BWV 564よりアダージョ(オルガン原曲)





てなわけです。これを、昔の映画「オーケストラの少女」に出ていたおっさん、

ストコフスキーという指揮者がオーケストラ用に編曲したものがあるのでお聴き下さい。なかなかいいんです。



バッハ BWV 564よりアダージョ(オーケストラ版)





私は以前、ストコフスキーの編曲を馬鹿にしていたのですが、今回聴いてみたら存外、音楽的でした。

ストコフスキーが指揮をしていたのはフィラデルフィア管弦楽団ですが、この演奏は英国のBBC交響楽団によるものです。

これを含む色々いい曲の入ったCDをお薦めしておきます。ストコフスキー・シンフォニック・バッハ バーメルト/BBCフィルです。

HMVが一番早く届くようです。



次は毎度お馴染みジャーマン・ブラスのトランペット奏者、マティアス・ヘフスという人が、ジャーマン・ブラスの為に編曲したものです。

厳かな曲想がよく表現されていると思います。演奏もいい。音の広がりが素晴らしい。







いいですなあ・・。


◆バッハのオルガン曲名曲集といったらこれ。

バッハのオルガン曲を聴くならば、ヘルムート・ヴァルヒャです。既に故人ですが、この方を抜きにしては語れません。

ヴァルヒャは視覚を失った人ですが、オルガンとチェンバロの、押しも押されもしない大先生にして大名人です。

バッハのオルガンって言ったらもう、ヴァルヒャですよ。この名演のCDが有難いことに、1,000円で買えます。

バッハ:オルガン名曲集です。

これはお薦めですなあ。ちょっと早いけれども、クリスマスにこれを聴くと良い気分ですよ。

私はプレゼントなどにも良いと思うのですが、こればかりは趣味があるので、適宜ご判断いただきたく存じます。

バッハのオルガン曲は当然の事ながら教会で弾かれたのですから宗教音楽ですけど、聖書を読んでなくても、不思議と敬虔な気持になります。

以前ここのブログをご覧になり、

「バッハの音楽が自分の替わりに泣いてくれているようだ」

という名言を書いて下さった方がおられます。「バッハ:オルガン名曲集」を何度か聴いていると、本当にそうだな、と思います。

兎にも角にも、お互い懐具合がありますので無闇に何でも買えませんけれども、音楽というのは、色々聴いているうちに、

思いがけず大好きな(或いは、大好きに「なる」)曲に巡り会うかも知れないわけです。

私はいつもCDをお奨めしていますが、これは勿論皆様のご判断ですが、

ダマされたと思って聴いてごらんになってはどうでしょう、というつもりで駄文を認めております。


◆ちょっと堅い曲が続いたので、「小フーガ ト短調」を聴いて頂きます。

いえ、「小フーガト短調」が「柔らかい」ってことじゃないんですけど。宗教的でない、純粋に器楽的な音楽なのです。

これは、どこかで聴いたことがある、という方が、けっこう多いのではないかと思います。オルガンの原曲をお聴き下さい。4分ぐらいです。







次は、これを、さきほど書きました、ストコフスキーが編曲したオーケストラ版「小フーガ ト短調」です。







オーケストラになると当然ながら色彩感が出てきて楽しいです。なかなかいいでしょ?

フーガってのは、カノン(輪唱)を音楽的にずっと高度にした作曲技法です。

カノン(輪唱)は、皆さん小学校の時にやらされたと思うのです。

「カエルのうたが」までうたうと、次のグループが「かえるのうたが」とワンフレーズずつ遅れて歌い始めて、

一番最後の歌い始めたグループが当然、最後に歌い終わる。これは、小学生にはいいですけど、音楽的にはちょっと幼稚な訳です。

フーガは、同じテーマを違うパートが遅れて演奏し始めるところは、カノンと同様ですが、途中、色々と技巧を用いて、

最後は各声部がハーモニーを形成し、一緒に終わるのです作曲技法としてより高度な段階です。

バッハは「フーガ」と名の付く曲を沢山書いています。キリがない。


◆次は、サクソフォーン・クインテット(五重奏団)による、スウィングするジャズ風「小フーガ」です。

このサクソフォーン・クインテット面白いです。聴いて下さい。







やや短縮版ですが、面白いです。「クンテセンス・サキソフォン五重奏団」(Quintessence Saxophone Quintet)というアンサンブルです。

ジャズ(風)にアレンジしてスウィングしているのですが、各パートが決して汚い音を出さないのです。

各奏者は、音楽の基本はきちんと押さえています。ちゃんと音楽を勉強した人たちであることは間違いありません。

一曲では、このクインテットがよく分かりませんから、小フーガとは関係ないのですが、

彼らのオリジナル曲、「Bacchanalia」(バッカナリア)という小品を、お聴き下さい。







「バッカナリア」などという音楽用語は勿論ないのです。

英語では、"Bach”(バッハ)を「バック」と発音し、一方、「パッサカリア」という舞曲の一形式があるのです。普通名詞です。

バッハにもパッサカリアという作品があります。「バッカナリア」は「バック」と「パッサカリア」をかけた冗談造語ですね。

このサクソフォーン・クインテットはふざけているばかりではなく、ジャゼンシャル・オブ・バッハというCDには、かなり真面目な、

或いはユニークな演奏が収録されています。


◆ベートーベン交響曲全曲演奏(その5)交響曲第2番第一楽章

この曲は、ベートーベンの九つのシンフォニーの中で、最も演奏回数が少ないのではないかと思います。

最初はアダージョの序奏部で始まり、アレグロになる、典型的な古典交響曲の形式を踏襲しています。

始まってから2分30秒ぐらいからアレグロになり、音楽がグングン前に進みます。

ベートーベンは次の「英雄」で交響曲作曲上、革命的なことをやるのですが、この第2番は「どうしようかなー」と迷っている感じがします。

それでもやはりベートーベンです。お聴き下さい。







ベートーベンの交響曲(だけではありませんが)は、リスト(ラ・カンパネラを書いた人)がピアノ独奏用に編曲しています。

大変な作業です。それを弾くのは更に大変ですが、全曲を録音したピアニストがおります。

私の世代の人間は、シプリアン・カツァリスという人のCDを思い出します。

カツァリスは、リストがアレンジした楽譜をよく研究して、さらに自分で音を付け足して(それだけ、難しくなるのですが)弾いています。

オーケストラに劣らないほどの音楽の強さを感じます。これは、滅多に聴けませんよ。

ベートーベン作曲、リスト編曲、シプリアン・カツァリス演奏、ピアノ版、交響曲第二番 第一楽章です。





すごいテクニックですね。カツァリスはピアニストですが、指揮者になるような人は本当はこれが出来ないとダメなんです。

リストが編曲してくれていなくても、オーケストラ・スコアを見てその場で弾けるぐらいじゃないと。

音大の指揮科の試験には実際にそういうのがあります。



今日は欲張り過ぎて、盛りだくさんになってしまいました。

気の向いたときに、お好きなものからお聴き頂ければ幸いです。

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「温暖化対策、2050年までに300兆円必要・IPCCが試算」←カネで解決するのかね。 /ベートーベン1番終楽章

◆記事:温暖化対策、2050年までに300兆円必要・IPCCが試算 (日経 11月17日(土) 20:33)


【バレンシア=下田敏】国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は17日、

バレンシアで開いた総会で第4次報告を採択した。地球温暖化の進行を抑えるには、

2050年までに全世界の国内総生産(GDP)の最大5.5%(約300兆円に相当)が必要になると試算。

「今後20―30年間の削減努力と投資が大きな影響を与える」と、国際社会の取り組みを訴えた。

今年前半に開いた三つのIPCC作業部会の評価報告を統合したもので、6年ぶりの研究成果となる。

国連の潘基文事務総長は同日の記者会見で「国際社会の協力による持続的な行動で破滅的なシナリオは回避できる」と強調した。

報告は早急な対策がなければ、地球の平均気温が今世紀末に最大で6.4度上昇するなど事態が深刻化すると警告。

気温の上昇幅を2―3度に抑えなければ世界的に損失が拡大すると指摘したうえで、

影響の抑制には50年までに二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出を半減させる必要があるとした。


◆何度も書いたとおり、国連環境計画(UNEP)は8年前から「温暖化の進行を防ぐのは、すでに手遅れ」といっているのですよ。

IPCCの発表は、一般紙では、もう少し危機感を煽るような見出しになっています。

(どの記事もすぐにリンク切れになるでしょうから、ウェブ・キャッシュ保存サービスで取得した、各ページのキャッシュのURLを添えておきます。)


読売新聞記事キャッシュ:http://s01.megalodon.jp/2007-1118-1234-10/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071117-00000012-yom-soci

毎日記事記事キャッシュ:http://s03.megalodon.jp/2007-1118-1224-19/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071117-00000107-mai-int

NHK記事キャッシュ:http://s02.megalodon.jp/2007-1118-1227-58/www3.nhk.or.jp/news/2007/11/18/k20071117000138.html


という具合。私に言わせれば、何故今まで報道しなかったのか?ということです。遅いのですよ。

拙ブログを御愛読下さっている皆さんはお分かりと思うけれども、IPCCの母体のひとつである、

国連環境計画(UNEP=United Nations Environment Programme)という組織ががあります。1973年3月に設置されました。

UNEPも国家間の利害の対立とは無縁ではないでしょうが、IPCCより純粋に学術的な調査を行っていると思います。
JIROの独断的日記で、過去随分取りあげましたが、UNEPは1999年、地球環境概況2000というレポートを発表しています。今から8年前ですね。

このレポートの、概況と提言には、次のように書かれています。


  • 地球規模の水循環は、今後数十年間に予想される需要を満たすことができそうもない。

  • 土地劣化が農業の生産性と可能性を押し下げている。これらの損失は、農地の拡大や生産性の向上によってもたらされた改善の多くをうち消している。

  • 熱帯林の破壊の速度が速く、取り返しのつかない損失を防ぐことができない。失われた森林を取り戻すには何世代も必要であり、森とともに失われた文化は決して回復できない。

  • 環境悪化が目に見えるようになるまでには時間がかかり、政策立案者の反応も遅いため、地球上の多くの種が、すでに失われたかあるいは絶滅の危機に瀕している。かつて地球上に見られた多様な生物種の全てを保存するには手遅れである。

  • 多くの海洋漁業では、過剰捕獲が続けられており、資源の回復は遅い。

  • 人間の活動により、世界のサンゴ礁の半数以上が危機に瀕している。そのうちのある程度は生き残るであろうが、多くは手遅れである。

  • 開発途上地域の多くの大都市において、大気汚染問題が深刻化し、多くの住民の健康を損ねている。

  • 温室効果ガスの排出量増加により、地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れであり、更に、京都議定書において合意された多くの目標は達成されないかもしれない。

一番最後に一番恐ろしいことが書いてありますね。
地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れ

さらに、地球環境概況2000の初めのほう、主要な環境の動向というページの右側、オレンジ色の部分、上から四番目に書かれている言葉。
もし、現在の消費傾向が続くならば、2025年には地球上の3人に2人が水問題に直面することになる。

私はこれを、ずっと繰り返しかいているのですけどね。大メディアは全然取りあげなかったですね。

或いは、国民がパニックを起こすと行けないから、敢えてニュースにするな、と日本国政府から命ぜられていたのでしょうか。


◆UNEP(国連環境計画)は今年のレポートで、より危機的な状況を伝えています。

UNEP(国連環境計画)は、つい先だって、地球環境概況2000の「続編」とでもいうべき、GEO-4を発表しました。

残念ながらまだ、邦訳は出ていませんが、要点は、ここに書いてあります。

冒頭だけ引用させてもらいます。

国連環境計画(UNEP)は、『地球環境概況(GEO-4)』を発表し、地球上の気候変動や生物種の絶滅、人口増加と食糧不足などの問題は未解決のままであり、人類の脅威であると警告を発した。

要するに、放っておくと、人類は滅亡するぞ、ということですね。

「滅亡」ではあまりに恫喝的なので、「人類の脅威」にしたのでしょうが、実態は同じ事です。


◆地球温暖化対策がビジネスになるのですが・・・・。

冒頭、引用した記事は日本経済新聞の記事ですが、さすが日経ですね(というか日本人ですね)。何でもおカネに換算する。

温暖化対策、2050年までに300兆円必要

人類が存続するために、2050年までに必要なお金がちょうどキリの良い300兆円であるとは、信じがたい。適当でしょう。

しかし、人類はやはりおろかというか、温暖化まで商売にしているのです。

京都議定書には、独特の「逃げ道」がありまして、これを京都メカニズムといいます。

中国なんか、CO2を出しまくっている途上国に、例えば日本が資金提供や技術指導をして、途上国が排出する温室効果ガスの量を減らしたら、

その削減量に応じて、途上国から、CO2排出権を獲得出来るのです。

そして、そういう指導をして排出権を獲得した日本企業(最初にやったのは日揮、丸紅、大旺建設ですが)は、その排出権を日本の電力会社や鉄鋼メーカーに売るのです。

前述のとおり、京都メカニズムで認められていることなのですが、こういう意識の持ち方では、あまり地球環境の改善は望めませんね。

地球温暖化の原因であろうとされている温室効果ガスの最たるものはCO2です。

これは、石油・石炭などの化石燃料を燃やして発電することによって大量に発生するわけです。

原子力発電は、この点良いのですが、安全性・信頼性が今ひとつです。

となると、我々が使うエネルギーを劇的に減らすしかないのですが、無理でしょ?

冬、暖房無しで過ごせますか?夏、エアコンをつけないでいられますか?テレビやパソコンや、携帯を使わないでいられますか?

或いは、CO2排出量を減らさなくても、大気中のCO2濃度を大幅に削減する画期的な方法が有るのでしょうか?

理科系の思考に弱い私には、分かりません。頭の良い方、何か方法があるなら、是非教えて下さい。皆さん知りたいと思います。

それができないということになれば、人類は滅亡への道をひた走ることになるのは、ほぼ明らかではないでしょうか?


◆ベートーベン交響曲全曲演奏(その4)交響曲第一番より第四楽章

交響曲第1番の終楽章です。この楽章は、アダージョではじまり、すぐアレグロになるのですが、

アダージョ、面白いのです。最初、フォルティッシモで、「ソ」の音がズシーン、と鳴ります。そのあと。

よく聴いてみて下さい。音が上に一つずつ伸びていく。リズムを省略して音だけ書くと、

ソ、ソラシ、ソラシド、ソラシドレ、ソラシドレミ、ソラシドレミファー・・・・。以下、アレグロとなるのです。

ベートーベンってのは、いろんな事思いつくんです。それから、私が大好きなのは、ティンパニの強打。

再生開始後、5分7秒と5分11秒。「ダ・ダ・ダ・ダ・ダーーーン」を2度演ります。気持ちよさそうですねー。

これ、叩いてみたいなあ(笑)。この楽章、私大好きなんですよ。皆さんにも気に入っていただけたら嬉しいです。







まだ、前の時代の人の様式を脱していないけど、堂々たる名曲だと思います。

それでは。

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2007.11.17

「時効で失われた年金、8年間で2千億円超」←社保庁の使い込みで失われたのは5.6兆円。

◆記事1:時効で失われた年金、8年間で2千億円超 (11月16日22時38分配信 読売新聞)

社会保険庁は16日、2004~06年度の3年間で、年金の受給開始の請求が遅れたために、

5年間の時効によって受け取れなくなった年金が、5万8355人分計886億円に上るとする推計を明らかにした。

すでに判明している1999年~03年度の時効分の年金計1155億円と合わせ、

8年間で2000億円超の年金が時効で失われたことになる。

社保庁が16日の衆院厚生労働委員会で、自民党の冨岡勉氏の質問に答えた。

社保庁によると、04~06年度に、年金を新たに受け取った約482万人のうちの約1・2%で、

請求の遅れが原因で時効になった年金が見つかった。

06年度では、年金の受給を始めた165万411人中の20505人に時効分の年金があり、

1人当たり平均約162万円を失った計算だ。


◆コメント:それで、時効になった2千億円をまた社保庁の奴らが使い込むのかい?

社保庁の仕事(といえるだろうか?)の杜撰さは、今や日本中に知られている。

これは、ひとえに、民主党の長妻昭衆議院議員の地道な仕事のおかげである。

時効になった2千億円、と社保庁は平気でいうが、社保庁による、年金掛け金の流用額は

5兆6千億円である。

国民が預けた金を「兆」の単位で使い込みをしておきながら、国民には年金請求期間の「時効」を

設定するなど、盗人猛々しい。

そんな「時効制度」はさっさと撤廃しろ、といいたい。

何故なら、次のような恐ろしい記事を私は発見してしまったのである。

◆記事2:年金記録:訂正審査まだ2.3% 終了に10年かかる?(毎日新聞 2007年11月15日 2時30分)

支払った年金保険料の記録がなくなる「消えた年金記録」問題で、

総務省年金記録確認第三者委員会は6月に納付記録の訂正審査を始めたが、

これまでに寄せられた訂正申し立て約2万5000件以上のうち、わずか1.8%しか認められていないことが分かった。

訂正が認められなかったものを含めても2.3%しか審査できていない。

第三者委関係者から「単純計算すると、審査終了まで10年以上かかる」との声も出ている。

総務省は6月25日、省内に中央第三者委を発足させ、それまでに社保庁に寄せられた訂正相談などを審査。

全国50カ所の地方第三者委でも7月17日から訂正申し立てを受け付けている。

委員は弁護士、社会保険労務士、税理士ら。確定申告や家計簿、店の帳簿などの資料、

本人や家族、同僚らの証言から訂正の正否を審査する。「明らかに不合理でなく確からしい」

なら訂正を認めるのが基本方針で、認めれば社保庁に訂正をあっせんする。

第三者委が今月11日までに受け付けた申し立ては計2万5641件(中央318件、地方2万5323件)。

しかし、訂正が認められたのは470件(中央114件、地方356件)で、わずか1.8%。

認められず訂正不要と判断された129件(中央21件、地方108件)と合わせても、全体の2.3%しか処理できていない。

審査に時間を要するのは、直接証拠がなく、本人の記憶以外に資料が乏しかったり、

支払いを推定させる証拠を探すのに時間がかかるケースが多いことが主な原因とみられる。

第三者委は委員の増員など迅速に審査する方法を検討している。

記事1によれば、年金支給開始を請求する期間は5年だという。

記事2によれば、「消えた年金記録」の審査終了までに10年かかるという。

審査が終わったときには、時効成立で年金を受け取れない、などと言い出しても不思議ではないのが、この国の年金管理体制である。

私の記憶が間違っていなければ、安倍晋三は5千万件を一年で照合する、といっていたはずである。


◆ベートーベン交響曲全曲演奏(その3)交響曲第一番より第三楽章

さて、第3楽章です。古典派の交響曲の第3楽章は、三拍子のメヌエットと相場が決まってます。

初めて書いた交響曲ですが、やはり紛れもなくベートーベンの音がします。







明日の第4楽章(終楽章)も、面白いですよ。

それでは。

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2007.11.16

「守屋氏『久間・額賀氏が同席』・山田洋行との宴席 」「全く記憶にない=宴会同席で財務相」←「記憶にない」とは懐かしい言葉だ。

◆記事1:守屋氏「久間・額賀氏が同席」・山田洋行との宴席 (日経)(2007年11月15日(木)21:01)

参院外交防衛委員会は15日午後、防衛専門商社「山田洋行」の元専務、宮崎元伸容疑者(69)から

度重なる接待を受けた守屋武昌前防衛次官(63)を証人喚問した。宮崎容疑者との宴席に同席した政治家は、

防衛庁長官経験者の自民党の久間章生・元防衛相と額賀福志郎財務相だったことを明らかにした。

民主党は両氏の証人喚問など国会招致を要求する方針だ。

宮崎容疑者との宴席に同席した政治家について、守屋氏は「久間先生と額賀先生ではなかったかと思っている」と言明した。

守屋氏の説明によると久間氏との宴席は「2、3年前」で、場所は東京・六本木の旧防衛庁そばの料亭。
現在、日米平和・文化交流協会専務理事を務める秋山直紀氏を加えた4人で会った。


◆記事2:全く記憶にない=防衛商社元専務との宴会同席で財務相 (11月15日18時22分配信 ロイター)

[東京 15日 ロイター] 額賀福志郎財務相は15日、守屋武昌前防衛次官が同日の参院外交防衛委員会で、

山田洋行元専務の宮崎元伸容疑者、ジェームズ・アワー元米国防総省日本部長との会合に額賀氏が同席していたと証言したことについて、

同会合への出席はまったく記憶にないと述べた。

さらに、記憶にないことを福田康夫首相に報告し、首相の理解も得られたと語った。

また、額賀財務相は、宮崎、守屋両氏からの接待を受けたことはない、と語った。 

財務省内で記者団に語った。


◆コメント:「この世には計り知れないものが二つある。宇宙の大きさと人間の愚かさだ」(アインシュタイン)

流石は20世紀を代表する知性、アルバート・アインシュタイン博士だ。真理を痛烈な皮肉で表現している。



「記憶にない」ということばが、懐かしい、と表題に書いた。私と同年配以上の日本人なら、皆、覚えている。

1970年代、「戦後最大の疑獄事件」と騒がれたロッキード事件において、

衆議院予算委員会で証人喚問された連中が発して、流行語になった言葉が、「記憶にございません」だった。

小学生までが真似をしてふざけていた。



額賀財務相(元防衛相)は、接待をうけたことが「全く記憶にない」そうだ。

アルツハイマーだか、認知症になりかけていないか、脳の検査を受けることをお薦めしたい、というのは無論冗談で、

どうせ、バレるに決まっているウソを平気で口にする。

アインシュタインの言うとおりだ。「ロッキード」から30年以上経つが、人間の愚かしさは少しも変わらない。


◆どこの役所の役人も似たようなことをしているのだろうが・・・。

参議院外交防衛委員会が参考人招致した、防衛専門商社山田洋行の米津佳彦社長は、

山田洋行による守屋武昌前防衛次官(63)へのゴルフ接待について、

「1998年4月から2006年3月までの回数は300回以上、費用は一組当たりの総計で1500万円以上になる」

と証言している。

1年は52週間。8年間は416週。単純に300回(「以上」だそうだが、300回にしといてやる)で割ると、1.38週間に一度、

つまり、10日に一回のペースでゴルフ接待を8年間も受け続けたのだそうだ。

山田洋行にしてみれば、守屋防衛事務次官の接待に1,500万円をつぎ込んでも、防衛庁(当時)から、武器・兵器・防衛システムなどの受注があれば、

一度に数億円、数十億円を取り戻せるから安いものだ。


◆役人が接待を受け、商売の便宜を図り、天下り先を確保することを至上課題としてこの国は運営されている。

薬害肝炎の厚労省役人もミドリ十字(今は存在しない)が重要な天下り先だった。

また、中枢神経賦活薬「リタリン」の適応をナルコレプシーのみにして、大人を含むADDに対して適応外処方することを禁じ、

替わりにヤンセン・ファーマという薬屋の「コンサータ」という薬(成分は、リタリンと全く同一の「塩酸メチルフェニデート」

を小児限定のADD(注意欠陥障害)、ADHD(多動症)の薬として承認した。

ヤンセン・ファーマはきっと、厚労省の木っ端役人どもにとって、重要な天下り先なのであろう。


◆それにしても、防衛省ってのは、制服組も事務屋も腐り切っていません?

制服組。つまり自衛官は、国家最高機密のイージス艦に関する情報をエロ写真と一緒に、「ウィニー」で世界中にばらまいた。

わが国の防衛体制の手の内を世界中に晒してしまったのである(しつこく書くが、エロ写真と共に、である。国辱以外の何物でもない)。

日本は丸腰も同然だ。もっとも、その前から、同種事件は発生していた。

中でも深刻なのは、佐世保地方隊所属の護衛艦「あさゆき」の海曹長が私物のパソコンに入れていた海自の秘密文書を、ウィニー経由で外部に流出させてしまった事件である

(ココログでは、こちら)。

どれぐらい深刻なのかは、リンク先をご参照いただきたい。

週刊文春が現役自衛官に流出したと思われる情報を見せたときの「うわ、最悪!」の一言が、ことの深刻さを端的に表現している。



今更言うまでもなく、ネットに出回ると言うことは、ネットに接続出来る環境にある世界中の人間が見ることができることを意味する。

わが国は、とっくの昔に丸腰なのである。最も機密を重んじなければならない「軍隊」が民間企業よりもだらしのない情報管理をしている。

滑稽の極みだ。



世の中には面白い人たちがいて、日本国憲法を改正し、日本を専守防衛ではなく、先制攻撃を可能にしたり、集団的自衛権の行使を可能にしたり、

挙げ句に、日本は核武装すべきだ、と主張する。

そういう方々。よくお考えいただきたいですな。日本を戦争が出来る国にしても、今の自衛隊じゃ、全部情報は洩れまっせ。

真珠湾攻撃と同じ。こちらの計画を世界の国々は全部知っていた、という事態に陥ることは必至。これでも戦争がしたいですか?


◆ベートーベン交響曲全曲演奏(その2)交響曲第一番より、第二楽章

昨日に引き続き、お聴き下さい。一番の第二楽章、アンダンテです。






ベートーベンというのは、気の毒です。この第一交響曲を書いたとき、既に難聴が始まっていたのです。

それでは、また。

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2007.11.15

森麻季さんの新譜、テレビ出演情報/ミュンシュ「ブラームス交響曲第1番」/ベートーベン交響曲全曲演奏(その1)

◆森麻季さんのCD3枚目来週発売。NHK歌謡チャリティコンサート11月23日。

森麻季さんは、ドレスデン国立歌劇場日本公演「ばらの騎士」に出演なさいます。18日が神奈川県民ホール。

23日、25日が渋谷のNHKホール。大活躍ですね。喜ばしいことです。

見たいのは山々なのですが、外来のオペラは高いですねえ。今に始まったことではないけど。

そして、言うまでもない事ながら、森さんの所為ではないけど。高すぎるわ。


S席\56,000 A席\48,00てね・・・・。サラリーマンの一ヶ月の小遣い吹っ飛んでしまう。いや、足りない。C席でも32,000円だって。


ため息をついて諦めます。



来週、21日に森さんの3枚目のCDが出ます。1枚目はバロック、2枚目はオペラのアリア、コロラトゥーラの技巧の極でした。

今度は宗教曲だそうです。曲目はまだ載っていません。

私が最初に森さんを絶賛したとき(ココログはこちら)に、「オペラでも、リートでも、宗教曲でも何でも歌えます」と書きました。そのとおりでしょ?

予約するなら今のうちですよ。



そして、これは森麻季さんがご自身のブログで書いて下さったのですが、NHKテレビ「歌謡チャリティーコンサート」に出演なさるとのこと。

無論、収録済み。森麻季さんを拝見できるのは大変うれしいけど、一緒に出ている人たちが(チャリティーコンサートだから仕方ないけど)、

秋川雅史さん(「千の風に乗って」のテノールもどき)、五木ひろしさん、加藤登紀子さん、冠 二郎さん、小金沢昇司さん。(^_^;)

↑おめーら、自分と森麻季さんが同じ次元に立っているとはよもや思わないだろうが、立場をわきまえろよな。

森麻季さんの情報はひとまず、ここまで、


◆週末に向けて、堅い「This is クラシック」のCDをお薦めします。

一年ちょっと前から、クラシック入門というとおこがましいけど、演奏時間が短い、親しみやすいのを載せてきました。

これからも出来るだけそうしたいのですが、ちょっと、軽いのはネタ切れになったので、「思い切りクラシック」のCDをお薦めします。

ブラームス作曲。交響曲第一番です。

この曲に関してはいくらでもネットに解説があるので、私は書きません。また、音楽は解説を読んでからでなければ聴いてはならない、

などということはまったくありません。ブラームスがどこの国の何世紀の人物か知らなくても構いません。

そういうことは、興味が出たら、自然に調べるものです。CDのお薦めですが、

名盤の呼び声が高い、シャルル・ミュンシュ(という有名な指揮者。故人)指揮・パリ管弦楽団を一度はお薦めすべきだと考えました。

まず、フィナーレ(終楽章)の最後のサワリの部分を聴いて下さい。





一番盛り上がるところを最初に聴かせるな、とおっしゃるかも知れませんが、音楽というのは、このようなクライマックスだけを聴いてもさほど感激いたしません。

第1楽章の冒頭から、ずーっと聴いてきて、このクライマックスにたどり着くからこそ感激するのです。

私は子供のころ、初めてこの曲を聴いたとき、「何が良いの?」と思いました。

しかし、不思議なもので、年齢を重ねると段々分かってきます。本と同じですね。


ちょっとだけ、知ったかぶりをします。

第1楽章冒頭は六拍子ですが、ティンパニがずっと同じ音を叩き続けます(52回だったっけ?)。

こういうの易しそうで難しいのです。試しに、何か、棒きれがあったら、そうだなあ・・・、

板きれが一番いいんだけど、CDのティンパニに合わせてずっと同じテンポで、同じ音色で、叩けるか、やってみて下さい。

如何に難しいか分かることでしょう。

ここでは、第1楽章からでは、さすがに長すぎるので、第4楽章を通して聴いていただきます。







是非1楽章から4楽章まで、お聴きになってみて下さい。


◆ベートーベン交響曲全曲演奏の企画

深い意味は無いのです。

ただ、ベートーベンを全然お聴かせしていなかったなと思いました。

御存知の通り、ベートーベンの交響曲は全部で9曲あります。六番の「田園」を除いて、全て4つの楽章から成り立っています。

全部で4×9+1=37楽章。今日から一番の第1楽章をお聴かせすると、ちょうど第九シーズンにぴったり合うかな、と思いました。

ニュースが飛び込んで曲を載せられない日があるかも知れませんが、このごろちょっと、ニュースにはうんざりなのです。

一度きりの人生(←大袈裟(笑))、すきな曲を皆さんにお聴かせしたいな、と思いました。

朝比奈隆指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団で、ベートーベン作曲 交響曲第一番 ハ長調 作品21より、第1楽章です。







明日は、第二楽章をお聴きいただくつもりです。



それでは、今日はこれで失礼します。さようなら。

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2007.11.14

何度でも書きます。平成元年(1989年)11月13日、日本初の生体肝移植手術がおこなわれました。

◆18年前の今日、日本初の生体肝移植手術が行われました。

1989年の今日、11月13日。

島根医科大学第二外科が、日本で初めて生体肝移植手術をを行いました。

このことを私は過去何度も書きましたが、世間はすぐに忘れてしまうので、何度でも書くつもりです。

何故なら、これほど崇高な人間の行為を目の当たりにすることは、まず無いからです。



移植手術の患者は、生後間もない杉本裕弥ちゃんでした。生後1ヶ月検診で黄疸がある、と言われました。

山口県玖珂郡和木町、岩国市のすぐ北、広島との県境で開業していた木村直躬医師に、

裕弥ちゃんのおばあさんが、そのことを告げました。1988(昭和63)年12月のことです。

木村先生はエコー(超音波)で、ただちに、杉本裕弥ちゃんが、先天性胆道閉鎖症という病気である、と診断しました。

先天性胆道閉鎖症とは、生まれつき胆汁が流れ出る道がふさがっていて、胆汁が肝臓へ流れていかないので、

黄疸が段々強くなり、しまいには、肝硬変で死に至る病です。


◆杉本裕弥ちゃんは、最初、胆道閉鎖症専門家の手術をうけましたが、上手く行きませんでした。

木村先生の紹介で、地元山口県の国立岩國病院の小児外科により、胆管を何とか開く手術が行われました。1度では上手く行かず、2度目の手術も失敗でした。

岩國病院の担当医から、木村先生(最初に裕弥ちゃんを診察した開業医の先生)の元に、手紙が来て「この子の予後はホープレス(望みがない)」とのことでした。



裕弥ちゃんの家族は木村先生に、何とか手段は無いか、と聞きました。先生は肝移植以外に道はない。といいました。

日本では、移植手術はタブーとされていました。木村先生はオーストラリアの病院に問い合わせましたが、オーストラリアの病院からも、

生体肝移植は難しくて無理だ、というつれない返事が帰ってきました。


◆木村先生は、「移植手術を頼むなら、島根医大の永末先生しかない」と考えました。

木村先生の頭に浮かんだのは、九州大学医学部の後輩で、広島赤十字病院で同僚だった永末直文医師でした。

木村先生は内科、永末先生は外科ですが、肝臓を専門とすることで共通していました。

木村先生がエコーで肝臓ガンを診断し、永末先生が切除可能な肝ガンの手術を6年間で200例も手がけていました。

木村先生は「生体肝移植を頼むなら、(島根医大に移った)永末君しかいない」と思いました。

永末先生は、最初あまり乗り気ではなく、オーストラリアの病院で手術を受けることを進めました。


これには、説明が要ります。当時、日本で「移植」はタブーだったのです。このタブーを破った医師は、

医師生命を絶たれる可能性が高かったのです。

木村先生は諦めませんでした。講演のため、広島に来た永末先生に会い、とにかく裕弥ちゃんの診察だけでもしてくれ、と、頼みました。

永末先生は引き受けました。


永末医師が初めて診る裕弥ちゃんは、黄疸が強く出ていて、溜まった腹水でおなかがパンパンに膨れて、静脈が浮き出ていました。

既に食道静脈瘤が出来ている可能性があり、これでは、いつ吐血してもおかしくない。

吐血しなくてもあと1ヶ月ほどの命、と永末先生は思いました。まだ、生後一年経っていないのです。

永末先生は、裕弥ちゃんの体力が移植手術に耐えられるか、五分五分だと考えました。


◆永末先生は家族にありのままを話しました。

永末医師は


  • 正確なことは精密検査をしないと分からないが、移植手術は出来そうなこと。

  • 但し、島根医大の永末医師のグループでは生体肝移植の経験がないので、上手くいくかどうか保証できないこと。

  • 手術まで持ち込めても、裕弥ちゃんの全身状態があまりにも悪いので、手術に持ちこたえられずに亡くなる可能性も高いこと、


を説明しました。決して楽観出来る話ではありません。しかし、家族は必死でした。

永末医師は特に裕弥ちゃんの祖父政雄さんの言葉を強く覚えています。
このまま裕弥を死なせたら悔いが残ります。明弘(引用者注:裕弥ちゃんの父)の命に別状がないのなら、結果は問いません。是非手術をして下さい。

そして、政雄さんは、裕弥ちゃんの両親に言いました。
「明弘、寿美子さん。お前たちが両親なんだから、お前たちからはっきりお願いしなさい」

15秒ほどの沈黙の後、それまで寡黙だった明弘さん(裕弥ちゃんの父)が永末医師を正面から見つめ、言いました。
「お願いします」

その言葉に永末先生の気持ちが動きました。「この人達は裕弥ちゃんを助けようと必死になっている。移植手術未経験だというのに、頼むという。

ここで失敗を恐れて背を向けたら、医師として最も大事なものを失ってしまう」と思ったのです。


◆この手術を断るぐらいなら、明日から肝移植の研究など止めてしまおう

永末先生の気持ちは固まりました。当時永末先生は助教授でしたから、第二外科の部長中村教授の了解も取り付けました。

自分の研究室に戻った永末先生は、肝臓グループの医師たちに、裕弥ちゃんの生体肝移植を引き受けることにした、と言いました。

医師達は全員無言になりました。

「日本で初めての生体肝移植」であることに加え、裕弥ちゃんの症状が悪すぎる、と専門医たちは誰もが思ったのです。

永末先生は、言いました。

「赤ちゃんは死にかけている。責任は全て私が取る。目の前の赤ちゃんを救えないような研究なら意味は無い。もしこの移植を拒むなら、明日から移植の研究など止めてしまおう」

第二外科の河野講師(当時)はこの言葉を聞いて、身体が震えたといいます。皆同じだったことでしょう。


◆中村教授は「永末君、君は全てを失うかも知れない、本当にそれでいいのか?」と心配しました。

手術を行うことが決まってから、永末先生は、中村教授の部屋で何度も話し合いました。

中村先生は、心配していました。

「永末君。僕はもう13年もここの教授をしていて思い残すことはない。福岡へ帰れば済む。しかし、君はこの手術で全てを失うかも知れない。僕はそれがいちばん心配だ。本当に君はそうなってもかまわないのか」

その都度、永末先生は答えました。
「先生。大丈夫です。誰かがやらなければならないことを、私たちがやるだけです。これで弾劾されたら、福岡へ帰って開業します」

この言葉は、決断―生体肝移植の軌跡という本(是非、読んでいただきたい)で永末先生自身が書いている言葉です。

しかし、後年、NHKの「プロジェクトX」に出たとき、永末先生は、医師を辞めることさえ覚悟していた、と話しました。
「私は英語が得意なので、学習塾の英語の先生をすれば、食べていけると思ったのです」

淡々と語る永末先生を見て、私は改めて、先生を尊敬しました。これほど立派な医師を見たことがありません。

裕弥ちゃんの移植手術そのものは成功しましたが、その後、ありとあらゆる合併症が起きました。

杉本裕弥ちゃんは、手術から285日後、1990(平成2)年8月24日、午前2時32分、亡くなりました。1歳9ヶ月の生涯でした。


家族は、手術とその後の肝臓チームのすさまじい努力、裕弥ちゃんを救おうとする苦労を目の当たりにしていたので、チーム全員に丁重にお礼をいいました。
後年、裕弥ちゃんの弟が生まれました。

母親の寿美子さんは、永末直文医師の「直」と裕弥ちゃんの「弥」をとり、「直弥」と名付けました。



島根医大第二外科が初めての生体肝移植をしたのを見届けるように、その後、京大、信州大が、数多くの生体肝移植を成功させました。

それはそれで、良いことです。しかし、島根医大第二外科の勇気と決断と死にものぐるいの努力がなければ、こうした道は今も開けていなかったでしょう。

島根医大は、今は島根大学医学部になってしまいましたが、永末先生とそのチームの偉業は、日本の医療の歴史に永遠に刻まれるでしょう。

新刊でなければ、手に入ります。決断―生体肝移植の軌跡を是非、読んで下さい。

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2007.11.13

「東証 年初来安値更新 一時1万5000円割れ」←米国の住宅ローンが不良債権化すると、何故、世界中の株価がさがるのか

◆お知らせ:明日夜8時からココログのメンテナンスがあるそうです。

ココログからの通知によると、13日(火)の20時から、14日(水)の午前10時まで、メンテナンスをするそうです。

20時までにココログを更新出来ないかも知れないので、その場合は、エンピツをご参照下さい。

よろしく御願い致します。


◆サブプライムローンとは、アメリカの住宅ローンです。

サブプライムローンとは米国の金融機関が低所得者向けに貸し付けた住宅ローンです。

収入が低いと、普通ローンは借りられません。ましてや、過去にクレジットカードやローンで延滞した人は、

普通なら絶対お金を借りることは出来ません。

ところが、米国のローン会社はこれらの人々にお金を貸しました。返して貰えないリスクがあるので、

金利が高いローンです。

低所得者がローンを借り、しかも、その金利が高いと、ますます、お金を返せなくなりそうです。

しかし、ここ数年、アメリカの不動産価格はバブルで、どんどん値段が上がっていました。

ローン会社は、低所得の人々に、「もしも、ローンを返せなくなったら、買ったときよりも高く売れる

家を売って、返してくれればいいのです」といって、お金を貸しました。

つまりサブプライムローンが大量に貸し出されたのは、不動産価格が上がり続けるだろう、という前提に

基づいています。

◆ところが、米国のバブルがはじけ、不動産価格は下がり始めました。

このようにして、サブプライムローンで住宅を買う人が増えすぎました。皆が買ってしまったので、

不動産価格は上がらなくなりました。昨年、ついに恐れられていたことが起きました。住宅の値段が急に下がりはじめたのです。

これでは、ローンを返せない人が、家を売ろうとしても、買い手がいませんし、仮に売れたとしても、ローンを返せない。

こういう人が増えました。

ローン会社にとってみれば、貸したお金を返して貰えない。つまり「不良債権」が急増しました。

潰れるローン会社が出てきました。

◆サブプライムローンが「証券化」され、世界中に出回っているのです。

ローン会社は、住宅の値段が上昇しているときでも、やはり借り手が低所得者ですから、

貸したお金を返して貰えないことを危惧しました。

そこで、お金を返して貰う権利(=債権)を証券化して、売りに出しました。

買ったのは、世界中の銀行や、ヘッジファンドといい、他人のお金を預かり、そのおカネをいろいろな

方法で運用して、運用益の一部をお客さんに支払う会社です。

◆サブプライムローンが不良債権化すると、皆、どうするでしょう?

サブプライムローンでお金を回収できなくなると、債権の価値はなくなります。

サブプライムローンを証券化したものも、価値がなくなるので、どんどん値段がさがります。

証券化されたサブプライムローンに投資していた、世界中の銀行やファンドは、損をするので、

保有していた株を株式市場で売ります。銀行やファンドは自国の株だけでなく、例えばアメリカのファンドが

日本の株を保有していたら、それを売ります。

このようにして、世界中の投資家(証券化されたサブプライムローンを買っていた人たち)が株を売るので、

どんどん株価が下がるのです。

株を実際に売らなくても、持っている人は、実際の損失は出なくても、含み損が出ます。

銀行ならば、株式の評価損(含み損)が大きくなったら、自己資本を取り崩して、損失の穴埋めに使います。

資本というのは、会社の「元手」ですから、この額が小さくなると、銀行の信用力が低下します。

あまり低下すると、潰れてしまいます。ある銀行が潰れそうだ、という噂が立ったら、短期金融市場で

他の銀行からお金を貸して貰えなくなる。極端な場合、資金繰りがつかなくなる。つまり、潰れます。

すると、そこにお金を貸していた、別の銀行の財務状態が悪化して、連鎖的に銀行が潰れてしまうかもしれない。

金融恐慌ですね。

銀行株を買っている投資家達は、そうなることを恐れて(日本の銀行はそれほど証券化されたサブプライムローン

に投資していないはずなのですが・・・。)銀行株や他の株を今のうちに売って、利益を出すか、損切りをします。

米国のサブプライムローンの影響で、日本やアジア諸国でも、金融株主導で株価が急落するのは、

このような事情によるものです。

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2007.11.12

「インフルエンザ流行、10月の患者、過去10年で最多」なのに「タミフル服用後転落飛び降り29人に。新たに2人」と報じるマスコミ

◆記事1:インフルエンザの流行早そう 10月の患者、過去10年で最多(東京新聞 2007年11月9日 12時09分)

10月下旬に全国の定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、1施設当たり0・2人と、

この時期としては過去10年で最多だったことが国立感染症研究所のまとめで9日分かった。

東京、神奈川など首都圏で報告が急増。今シーズンの全国流行の立ち上がりは早い可能性がある。

感染研感染症情報センターの安井良則主任研究官は「首都圏で患者が増えると、他の地域にも感染を広げる恐れがあり要注意だ」と指摘。

感染研は、定点当たりの報告数が1・0人を超えると、全国的な流行開始と判断している。

流行開始は例年、12月中-下旬だが、昨シーズンは1月中旬と過去10年で2番目の遅さだった。

先月22-28日の1週間に全国約4600の内科、小児科から報告された患者数は931人で、定点当たり0・20人。

過去10年の同時期は0・00-0・09人で今年は特に多い。


◆記事2:「タミフルは大流行封じ込めの重要な薬」国連対策調整官(2007年11月9日19時5分 読売新聞)

来日中の国連インフルエンザ対策上級調整官のデビッド・ナバロ氏(58)が9日、報道各社の取材に応じた。

服用者の異常行動が社会問題化しているインフルエンザ治療薬「タミフル」について、

ナバロ氏は「因果関係に言及するには検証材料が足りないが、早期封じ込めには重要な薬」と述べた。

大流行が懸念される新型インフルエンザについては、

「数か国で鳥インフルエンザの流行が続く限り、新型インフルエンザ大流行の危険性も続く」と警告。

「日本を含めて多くの国が行動計画を整備したが、大流行が発生した時の経済的・社会的な影響を検討していない点が気になる」と指摘した。

ナバロ氏は日本の国際的な役割に関し、「各国への財政・技術支援も手厚く、国際社会で引き続きリーダーシップを発揮してほしい」と述べた。


◆記事3:タミフル、異常行動との関連みられず…動物実験で中間発表 厚労省(2007年10月24日21時31分 読売新聞)

インフルエンザ治療薬「タミフル」と、服用した患者が起こす異常行動などとの因果関係について検討している厚生労働省の作業部会は24日、

輸入・発売元の中外製薬に指示した動物実験の結果について「異常行動と関連づけられるデータは今のところない」とする中間結果を発表した。

心不全などによる突然死についても「関係している可能性は低い」とする見解を示した。

脳に運ぶ物質を選別している「血液脳関門」と呼ばれる部分が未熟な若いラットを使った実験などは、

結果がまだ出ていないため、こうしたデータが出そろった後で、年内にも結論を下したいとしている。

同部会では、血液脳関門に、タミフルの薬効成分を通さないようにする仕組みがあることや、

通常の150倍の濃度の薬効成分を使っても、脳内たんぱく質に異常が見られなかったことが報告された。

また、米国での20万人以上を対象にしたタミフルと突然死に関する大規模調査の結果、「関連はない」と示唆する報告も提出された。


◆記事4:転落飛び降り29人に=新たに2人、タミフル服用後-厚労省 (11月11日18時2分配信 時事通信)

異常行動や突然死との関連が指摘されているインフルエンザ治療薬「タミフル」服用後、

新たに2人の転落・飛び降り事例が報告され、2001年の販売開始以降の同事例は計29人に上ったと、

厚生労働省が11日の薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会に報告した。

いずれも同省が10代への使用中止とした緊急安全性情報を出した3月より前の事例。2人にけがはなかった。


◆コメント:記事1~3のまとめと記事4の不可解。

私の結論を先に書くならば、時事通信が書いた記事4は、徒に国民の不安を醸成するだけで、意味がない。

ということである。

記事1~3をまとめ、私のコメントを最後に付け加えると次のようになる。


  • 今年はインフルエンザの流行が早そうである。

  • インフルエンザ治療薬「タミフル」が、インフルエンザの大流行防止に重要な薬であることは、WHO(世界保健機関)のインフルエンザ対策上級調整官がはっきりと認めている。

  • タミフルと異常行動との因果関係については、10月に厚労省が中間報告で「関連が認められない」と発表したばかりである。

  • それにも関わらず、記事4で分かるとおり、厚労省は、「タミフル服用後の異常行動が2人増えた」ことを、薬事・食品衛生審議会に報告した、と時事通信は報じるのみで、タミフル服用と異常行動の因果関係が証明されていないことを伝えないのは、報道として適切ではない。


◆「転落飛び降り29人」という数字は意味を成さない。日本では少なくとも年間300万人がタミフルを服用している。

全ては相対的である。

日本のメディアが「タミフル使用後の異常行動」を報じるときに共通するのは、

「飛び降りたのは合計何人になった」

と、分子・分母のうち分子しか見せないことである。分母、すなわち総服用者数を伝えなければ、確率が出ない。

WHO疫学週報という定期刊行物がある。神戸大学感染・疫学情報センターで、

WHO疫学週報トピックスとして邦訳して下さっている。

2005年4月29日版をタミフルの一般名、「オセルタミビル」で検索すると、

次の一文にたどり着く。

北半球の2003-2004 インフルエンザシーズンの間、オセルタミビルの一人当たりの使用が世界で最も多かったのは日本である。

(約600 万人の治療、人口の5%の治療に相当)

「2003-2004 インフルエンザシーズン」がいつから、いつまでなのか分からないので、最も長く2年間と考えると、1年あたり300万人になる。

多分、実際は2003-2004 インフルエンザシーズンとは、2003年秋~2004年春だろうから、本当に服用した人数はもっと多いだろう。

タミフルが使われ始めたのは2001年である。記事4の時事通信によると、「転落飛び降り」は2001年から2007年3月までで29件。

1年に平均すれば5人である。

仮に、タミフルと異常行動に因果関係が存在するとしても、飛び降り転落が起きる確率は300万分の5。

60万分の1。0.00017%である。


◆インフルエンザは感染症なのだから、きちんと治さないと社会の迷惑だ。

日本、特に都会では可能性は低いが鳥インフルエンザに人間が感染したときの致死率は高い。インドネシアでは、既に90人以上も死んでいる。

鳥インフルエンザでなくても、インフルエンザは感染症(伝染病)、しかも飛沫感染するのだから、

周囲にも迷惑をかける。インフルエンザをきちんと治さないで、学校や職場に行くのは、社会にとって迷惑なのだ。

最後は、各人の判断に委ねられる。

私は、面倒くさいしカネもかかるが、予防接種を受け、それでも運悪くインフルエンザに罹ったら、

さっさとタミフルを飲んでしまう。医者に聞いたら大抵1日か2日、タミフルを飲むと、治ってしまうそうだ。

但し、タミフルに限らず、どんな薬でも効くか効かないか、効いた場合でも、効果の程度に個人差があるのは言うまでもない。

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2007.11.11

田村響さん、ピアノ部門優勝=ロン・ティボー国際コンクール /毎コン ピアノ部門一位、佐藤彦大君の苦労

◆記事1:田村響さん、ピアノ部門優勝=ロン・ティボー国際コンクール(2007/10/29-11:12)

【パリ29日時事】若手演奏家の登竜門として知られるロン・ティボー国際音楽コンクールのピアノ部門最終選考会が28日、

パリで行われ、愛知県安城市出身の田村響さん(20)が優勝した。

ピアノ部門で日本人が優勝したのは5人目で、1992年の野原みどりさん以来15年ぶり。

田村さんは現在、モーツァルトの故郷オーストリアのザルツブルクにあるモーツァルテウム音楽大在学中。

3歳からピアノを始め、これまでも数々のコンクールに入賞、演奏活動を行っている。


◆記事2:【毎コン】1位の横顔:第76回日本音楽コンクール ピアノ部門・佐藤彦大(ひろお)さん (毎日新聞 2007年11月6日 東京夕刊)

さまざまにきらめく若い才能が今年も飛び立った。各部門1位を紹介しよう。【梅津時比古】

◇ひとつひとつの音に色もたせたい--佐藤彦大さん(19)(東京音大2年)

音への深い欲求がある。

本選はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をゆったりしたテンポで弾き、上気した会場のコンクール独特の雰囲気を静めた。

「特に1楽章の出だしの和音、2楽章の旋律のひとつひとつの音に色をもたせたいと思い、ていねいに弾きました」

この叙情的な音楽を、安易に歌わなかった。

「曲の中にどろどろしたものが十分にあるから、自分が歌わなくても。淡々と弾きたいというあこがれがあるんです」

小細工せず音に語らせたい。大好きなリヒテルのように。

小、中学校と、いじめられた。東京音大付属高校入学試験の5日前にも学校で跳びげりされ、左手の小指を突き指した。

「ショパンのスケルツォ2番を、全部小指を使わないで弾けるように指遣いを変えて、1日13時間練習して受けました」。

無理がたたり入学直後からけんしょう炎でピアノが弾けなくなった。

耐えた思いもすべて音に語らせたいのだろう。

それでも「苦しく悲しい体験が僕には足りないから、暗い音も足りない。もっと深い、あらゆることを表現できる音がほしい。

そのために、古里の宮沢賢治の詩や文章もきちんと読みたい」。

出身は盛岡。海外コンクールへの参加は急がず、「来年はレパートリーづくりに精を出します」。


◆コメント:毎度のことながら、大きく報道されない「おめでたい」ニュース。

ロン・ティボーコンクールの田村さん優勝は早く書こうと思っていたが、遅くなってしまった。

ロン・ティボー国際コンクール とは、ピアノ部門とヴァイオリン部門しかない。

「ロン・ティボー」は、往年の大ピアニスト、マーガレット・ロン女史と、

これも永遠に歴史に名を残すであろう、ヴァイオリニストのジャック・ティボーの二人の名前を取ったのだ。

チャイコフスキー・コンクール、ショパンコンクールに比べ、普通の日本人の認知度は低いだろうが、

紛れもなく、世界有数の大コンクールである。記事1にあるとおり、ピアノで日本人が優勝したのは15年ぶり。

歴代の受賞者を羅列しても仕方がないので、一人だけ紹介すると、私と同年配の清水和音(かずね)というピアニストが、

桐朋音大在学中、1981年、20歳で優勝した。この清水という人は言いたい放題のガラッパチだが、良いピアニストだ。

今回優勝した、田村響さんも20歳だ。20歳で上手いということは、プロのソロ・ピアニストを目指すのであれば当たり前、

と言っては失礼かも知れないが、実際そうなのである。

コンクールは、過去に何度も書いたが、その日、その時、その場所で弾いた(本選に残った)参加者の中で、誰が一番、上手かったか、

を評価するに過ぎず、「瞬間最大風速」のようなものである。何らかの事情で、本選が一日延びたら、全く異なる結果が出る可能性は、

十分にある。

しかし、それでも、世の人々に「じゃあ、あんた、ピアノの国際コンクールに出て、優勝出来るか」と問うとすれば、答は聞くまでもない。

清水和音氏と田村響氏の名前を見れば一目瞭然だが、この二人の親御さんは、我が子が生まれたときから音楽家にする、という決意を抱き、

願いをこめて、「和音」「響」という名前を付けたのだろう。才能が有るかどうか、やってみなければ分からないが、理屈ではない。

意地でもピアニストにしてみせる、と決意した、二人のご両親と、想像を絶する修業を積んで見事名前の通り大輪の花を咲かせた。

今回優勝の田村響氏にお祝いを申し上げたい。更なる研鑽を積んで、いいピアニストになって下さい。


◆今年の毎コン、ピアノ部門優勝者、佐藤彦大君がこんなに苦労していたとは・・・。

日本音楽コンクールは今年が76回目で、日本で最高に権威のある、他とは別格のコンクールだ。

ピアノ部門の優勝者は、佐藤彦大さん(19)(東京音大2年)だ。

私は、今年の毎コン・ピアノの本選を聴こうと思っていたのだが、行けなくなって、家内を派遣した。

家内は東京音大のピアノなので、佐藤君は後輩になるわけで(彼の2倍以上生きている上に才能の次元が違うが・・・)、

彼が優勝したことを喜んでいたが、それよりも驚いたのは、佐藤君はめっぽう明るく、リラックスしていたと言うことだ。

本選が始まる30分ぐらい前に家内がロビーでお茶を飲んでいたら、すぐ近くに佐藤彦大君がいて、コーヒーなんぞ飲みながら、

友人と音楽とは関係のない話をしてゲラゲラ笑っていたという(大抵の人は、これぐらい本番が迫ると、静かに集中力を

高める作業---そのやり方は人それぞれだが---を開始するのである)。

その上、本番も、「毎コン・ピアノ部門の本選で弾く」という、失神しそうなプレッシャーを微塵も感じさせず、

「皆(聴衆)に自分のラフマニノフを聴いて貰えて嬉しい」という喜びが、全身に溢れていたという。

カミさんも曲がりなりにも音楽をやった人間だから、まあ、信用して良かろう。

その話を聞き、私は、「佐藤君は、有り余る才能を持ち、順風満帆で今までやってきたのだろう」、と思いこんでいた。

しかし、人ひとりの人生はそれほど単純ではない。


◆音高(音大附属高校)入試(勿論実技)の五日前に乱暴されて小指を突き指。なんてことを・・・。

ところが、記事2をご覧あれ。

小学校・中学校といじめられたそうだ。

残念ながら、現在プロの音楽家(特にピアノとヴァイオリン)が子供の時分、いじめられていた、というのは

珍しい話ではない。子供でもピアノ・ヴァイオリン又は、それらを習わせて貰える豊かな家庭の子供に対する嫉妬があるらしい。

それにしても、佐藤君はひどい。

東京音大付属高校入学試験の5日前にも学校で跳びげりされ、左手の小指を突き指した。

「ショパンのスケルツォ2番を、全部小指を使わないで弾けるように指遣いを変えて、1日13時間練習して受けました」。

ピアニストやピアニストを目指す者にとって指は命だ。佐藤君に飛びけりをくらわせた盛岡のガキをぶん殴ってやりたい。

危うくひとりの優れたピアニストが挫折するところだったのだ。

嫉妬は人間の感情から無くならないだろうが、それを理由に暴力を振るうのは無教養な野蛮人だ。例え子供でも許せん。

佐藤彦大君は、小学校・中学校といじめられた。音大附属高校直前に、危うくピアニスト生命を絶たれるような乱暴をされた。

それでも彼は研鑽を積み、音大2年、19歳で、毎コン1位の栄光に輝いた。

佐藤君は、ピアノを弾くことが心底好きなのだろう。

人間の邪悪な嫉妬心は、人間の美しい精神活動の極致、芸術への情熱には決して勝てないのだ。

佐藤彦大君の今後の一層の発展・活躍に期待したい。頑張れ。佐藤君。


◆【音楽】モーツァルト ピアノソナタ13番 K.333 より 第1楽章

今日の記事と、これからお聴きいただく音楽とは、何も関係が有りません。

モーツァルトのピアノソナタは、毎コンの本選に出るような人なら小学生で弾けていたでしょう。

つまり、テクニックは、プロになるような人なら、難しくはない。

しかし、その難しくは無い楽譜から紡ぎ出される音楽は、後世の作曲家たちが書いた、より複雑な音楽を凌ぐほど、美しい。

私はそう思います。この13番、ケッヘル333の第一楽章は、遠い昔を懐かしく思い出すような音がして、人の心を優しく慰める音楽です。

私はこの曲が大変好きなので、皆様にも聞いていただきたいと思いました。演奏は「モーツァルト弾き」として名高い、イングリット・ヘブラー女史です。






CDのお薦めは、ヘブラー女史による、モーツァルトソナタ全曲なんです。

少々高いかも知れませんが、5枚組でモーツァルトのソナタ全曲が聴けます。間違いなく、一流の演奏です。お薦めします。

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2007.11.10

聴き比べ。バッハ「クラヴィーアのためのパルティータ 2番」をアルゲリッチのピアノとジャーマン・ブラスで。お薦めCDも。

◆クラヴィーアってのは「鍵盤楽器」の総称だったそうです。

バッハの鍵盤楽器の為の作品で最も有名なのは「平均律クラヴィーア曲集」といいます。

今のようなピアノは無いので、チェンバロかオルガンか、クラヴィコードの事だと思います。

チェンバロとクラヴィコードがどう違うかは、両者をGoogleで画像検索してみるとすぐ分かります。



前置きはこのへんにして、バッハはクラヴィーアの為のパルティータを6曲書いています。

これから、皆さんにお聴きいただくのは、パルティータ2番の中の1曲目、シンフォニアという曲です。

最初に現代のピアノで、天才ピアニスト、マルタ・アルゲリッチが弾いたのをお聴き下さい。

最初、何だか重々しくてつまらなそうに聞こえるかも知れませんが、再生開始後1分4秒辺りから、

美しいメロディーが聞こえます。後半は動きが速くなり、演奏者の腕が鳴ります。全体で4分ちょっとです。






なんか、いいでしょ?俗世間と無関係な、永遠の美を感じます。

この演奏が入ったCDは大変評判が良くて、今でもあります。

これは、真剣にお薦めします(いつもは不真面目にお薦めしているということではございません・・・)。


◆これを何と、ジャーマン・ブラスが演奏しているのですが、ピアノの物まねではない、別の音楽になっています。

ああだ、こうだ、いうよりも、お聴きいただいた方がいいですね。冒頭、オルガンみたいな音がしますよ。






これは、これで鍵盤楽器では表現できない音楽になっている。

編曲も上手いし、演奏も上手い。一人一人が高度なテクニックを身につけているのみならず、

全員でハーモニーを鳴らしたときの、あの絶妙なバランスが本当に美しいと思います。

この演奏は、これで何回目のお薦めになるか分かりませんが、Bach in BrassというCDに収録されています。

久々に音楽のことを書けて楽しかったです。皆様にもこの曲が気に入っていただければ、なお嬉しいのですが、

これは、完全に個人の嗜好ですから、お気遣い無く。

それでは失礼申し上げます。

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2007.11.09

「人違い? 患者撃たれ死亡 佐賀の病院、車で男逃走」←刑法の「錯誤」の問題です。裁判員制度大丈夫かね。

◆記事:人違い? 患者撃たれ死亡 佐賀の病院、車で男逃走 (11月8日16時45分配信 産経新聞)

8日午前7時40分ごろ、佐賀県武雄市朝日町甘久、篠田整形外科の2階病室で、

入院患者の武雄市山内町三間坂、板金工場経営、宮元洋さん(34)が男に拳銃で撃たれ、間もなく死亡した。

撃った男は車で逃走。県警は武雄署に捜査本部を設置し、殺人容疑で男の行方を追っている。

宮元さんに暴力団絡みのトラブルは全くなく、病院に暴力団関係者が以前入院していたとの情報があることから、

県警は人違いで撃たれた可能性もあるとみている。医師や看護師、ほかの入院患者らにけがはなかった。


◆コメント:裁判員制度なんてやって大丈夫ですかね。こういうのを「錯誤の問題」というのです。

裁判員制度は既に決まってしまったが、私は3年8ヶ月ほど前に、

「国民が刑事裁判に参加へ、裁判員法案を閣議決定」←止めた方がいいと思います

という文章を書いた。

理由はいくつかあるが、それはリンク先をお読みいただくとして、やはり、人を有罪にするか無罪にするかを決めるためには、

ある程度、法律(刑法、並びに広義の刑法)の知識を持っている人が決するべきではないか。「有罪っぽい」「怪しい」などで

決められたら、溜まった者ではない。

3年9ヶ月前の記事では、刑法における基本的な論点「因果関係の問題」について述べた。

今日の佐賀県のケースは、事実の錯誤の問題である。


◆刑法学上の「錯誤」。「法律の錯誤」と「事実の錯誤」

刑法学上の錯誤は、行為者の認識(意図)した事実と、実際に生じた事実に食い違いがある場合。これを事実の錯誤という。

もう一つは、その行為は違法行為なのに、違法行為だと知らなかった、という場合。これを法律の錯誤という。

今日のケースは犯人は逃走していることから、法律の錯誤である可能性はゼロに限りなく近い。


◆事実の錯誤の一つ。「客体の錯誤」

刑法学者さんたちは、行為者の認識した犯罪事実と異なる犯罪事実が生じたときに,

その発生した犯罪事実について故意を認めることができるかどうか、を厳密に考えたのである。

今日の場合犯人は、Aという人物を射殺しようとしたが、Bという人をAと勘違いして撃ってしまったのである。

こう言うのを「客体の錯誤」という、行為者から見て行為を仕掛ける客体を間違えたからである。

理屈っぽいことを言うと、犯人は、Aに対する殺人の故意はあったが、Bを殺す気がなかったのだから、

Bに対する殺人の故意はなく、過失じゃないか、ということである。

【事実の錯誤・方法の錯誤】

これは、Aを狙って撃ったのだが、ヘタクソでBに弾が当たってしまったという場合である。


◆結論:客体の錯誤、方法の錯誤いずれの場合にも、間違って撃ってしまった人を故意に殺した、とされる。(法定的符合説)

即ち、Aと間違えてBを撃ち殺しても(これが客体の錯誤)、

Aを撃つはずのところ弾が逸れてBを撃ち殺しても(方法の錯誤)、Bに対する殺人の故意があった、とされる。

刑法学者の間では議論があったようです。大きく分けると次の二つ。

【具体的符合説】この学説は方法の錯誤(Aを撃つつもりが撃ちそこなって、Bに当たった)のときは生じた結果に対して、故意を認めない。

しかし、客体の錯誤(Aと思って撃ったらBだった)の時には、殺人の故意を認める(殺人に限らないが今日の事件が殺人なので、殺人に限定する)。

【法定的符合説】具体的符合説より、きびしい。客体の錯誤の場合のみならず、方法の錯誤の場合にも結果に対する故意を認める。

この他に【抽象的符合説】という古い学説があるのですが、分かりにくいし、今では顧みられないので、省略する。

今は【法定的符合説】が支配的見解である。


◆結論を、今日の佐賀県の事件に当てはめる。

2007年11月8日、午前7時40分ごろ、佐賀県武雄市朝日町甘久、篠田整形外科の2階病室で入院患者の宮元洋さん

を撃った犯人は、その後の情報によると、先月同病室に組関係者が入院していたというから、ほぼ間違いなく、組関係者を

殺害すべく病院に侵入したが、たまたま病室にいた宮元さんを組関係者と間違えて(客体の錯誤)、発砲し、死亡せしめたのであるから、

明らかに殺人の故意犯として、裁かれるであろう。


◆「因果関係の問題」の時にもかきましたが、こういう事を全く知らないで、有罪とか無罪とか・・・。

素人が人の一生を左右して良いものでしょうか?

特に、日本人は周りの人と違ったことが出来ない。自分は無罪だと思っていても、

周囲全員が有罪と判断していることが、もし、分かったら(分からないような仕組みにしてもらいたいものだ)、

まず、間違いなく、自分の考えよりも、人と違ったことをしたくない、という心理が優先する国民である。

裁判員(陪審員)には、最も不向きな性向ではないだろうか。

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2007.11.07

<小沢代表>記者会見での発言要旨←今は大騒ぎしているが1ヶ月も経てば忘れるのが日本人というものだ。

◆記事:<小沢代表>記者会見での発言要旨 (11月7日21時3分配信 毎日新聞)

7日の記者会見における小沢一郎民主党代表の発言要旨は次の通り。

<大連立>

--慰留にあたり執行部から「大連立しない」との条件があったか。代表から辞表撤回にあたって条件はあったか。

衆院選までの間に自民党との連立を目指す考えはないと理解していいか。

小沢:特別に条件がこうだということは、私の方からも、党の方からもしていない。

ただ、連立問題について言えば、役員会でも、そのことは考えに入れずに総選挙で頑張るということ。

みんなの総意もそうであったので、ただひたすら総選挙に向けて全力で頑張っていこうということだ。

--4日の記者会見で「事実無根の中傷報道がなされている」と発言した。撤回してほしい。

間違いというなら、党首会談に至った経緯、内容を明らかにしてほしい。

小沢:私は当事者の一方のはずだが、何の取材もなかった。不公平という意味で言った。

2カ月前後前、さる人から呼び出され、食事を共にしながら話した。「お国のための大連立を」というたぐいの話だった。

私は「民主党は今、衆院選も力を合わせて頑張ろうという雰囲気だ」「そういう話は現実に政権を担っている人が判断する話だ」と強く言った。

先月半ば以降と思うが(その人から)また連絡があり「首相の代理の人と会ってくれ」という話だった。

指定された場所に行き「本当に首相はそんなことを考えているのか」と質問すると「首相もぜひ連立したいということだ」と。

「あなたも本気か」「おれも本気だ」。「首相から直接話を聞くのが筋だ」という話を返し、党首会談の申し入れになった。

それが誰であるとか、どこであったかは私の口からは申し上げない。

--仲介役は渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長兼主筆か。

小沢:具体的な名前までは、私の口から申し上げることはできない。


◆コメント:今日、小沢が何を言おうがどうでも良いのですよ。

何故か。

我々日本人は何が起きても本当にすぐに忘れるからである。



例えば。

1ヶ月少し前に首相を辞任した安倍晋三氏。この頃姿を見ませんね。

新聞・雑誌も世論も、参院選以降、辞めないのは筋が通らないとか、辞めるときは、

国会が始まり、所信表明演説を行ってから突如辞めるとはなにごとだ!

とあれほど、騒いだのに、皆さん今まで安倍晋三の事なんか忘れていたでしょう。

一般人が忘れるのはさておき、新聞も週刊誌も安倍の「あ」の字も報じませんね?何か変だと思いませんか?

という具合に我々はもう「ああ、そういえば、ついこの前まで安倍晋三という男が首相だったのだな?」という感覚なのだ。


◆永田メール事件と、衆議院補欠選挙を覚えていますか?

永田メール事件というのは、当時民主党の永田という若い代議士が、当時の武部自民党幹事長が、ホリエモンから

カネを受け取った証拠がある、というガセネタを(多分自民党に)掴まされ(勿論、ダマされる方もバカなのだが)、

大問題になって、当時の民主党代表前原某が辞任に追い込まれた事件である。

その後に、小沢代表になった。

永田メール事件は昨年2月に表面化した。二ヶ月後、2006年4月23日、衆院千葉7区の補欠選挙の投開票が行われた。

民主党代表になっていた、小沢氏は自民党が行かないような、奥の村まで足を伸ばし、地道に選挙活動を行った。

民主党公認候補、前千葉県議、太田和美氏(26 当時)は、選挙期間中に自民党が、太田氏が元キャバクラ嬢である

ことをスキャンダルにしようとしたが、太田氏があっさり事実を認めたので、自民党には逆効果になった。

結果、民主党公認太田候補が、自民党公認、前埼玉県副知事(46)(まあ名前は伏せてあげましょう)を破った。

千葉県内の話とはいえ、わずか二ヶ月前の永田メール事件は、すっかり忘れ去られていたのである。


◆良い悪いという以前にとにかく「忘れやすい」という日本人の習性を、小沢氏は心得ているのだろう。

何も、昨年の衆議院補選に限った話ではない。日本人は何でもすぐに忘れる。

今は、もう、民主党は信用できない、といっている人の中には、衆議院選挙の頃には、

今回の醜態をすっかり忘れている人が多いことだろう。記憶力が良い人ばかりではないから仕方がない。

私も例外ではない。

だから、こうして世の出来事を日記に記録し続けている。


◆【音楽】ディキシーランド と バッハ 

ジャズは良く知らないので知ったかぶり出来ないのですが、昔から好きなディキシーランドの名曲(と言っていいと思うのです)で、

"That's a plenty"(そのまま訳せば、「もう沢山」)という曲があります。

本当のディキシーランドのバンドがやるとアドリブが入ってやたら長くなるので、サラッとまとめたのをアメリカの

カロリーナ・ブラスという金管アンサンブルが吹いています。楽しいですよ。







もう1曲は私の好きなジャーマン・ブラスが、ブランデンブルグ協奏曲第3番の第3楽章を編曲して演奏しています。







爽やかでしょう?

原曲は勿論弦楽器で演奏されますが、ジャーマン・ブラスの演奏は原曲の魅力を減じていないと思います。

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<民主・小沢代表>辞意撤回「もう一度頑張りたい」←これぐらいの悪党じゃないと政治家は務まらないのかね?

◆記事:<民主・小沢代表>辞意撤回「もう一度頑張りたい」(11月6日21時11分配信 毎日新聞)

民主党の小沢一郎代表は6日夜、鳩山由紀夫幹事長らに対し、辞意を撤回する意向を伝えた。

鳩山氏らが続投を求める意見が党内の大勢を占めていることを伝え、翻意を改めて促したところ、

小沢氏は「恥をさらすようだが、皆さんの意向を受けて、ぜひもう一度頑張りたい」と慰留を受け入れる考えを表明した。

4日から続いた小沢氏の辞意をめぐる混乱はひとまず決着がついた。

ただ、党内には小沢氏への批判も強まっており求心力低下は必至。民主党が受けた痛手は大きく、

当面の政局は与党主導が強まるとみられる。



◆コメント:(国民に対して)無礼・失礼・無恥・厚顔。不遜・尊大・鉄面皮。

小沢一郎ぐらいの悪党でないと、何十年も政治の世界で埋もれることなく生き続けるのは難しいのだろう。

ところで、安倍晋三氏は、どうなってしまったのだろうか。首相を辞めてから、また入院しているのか。自宅に

「引きこもり」になってしまったのか。小沢一郎氏を見ると安倍晋三氏などは、やはりまだ青二才だったのだと思う。

そして、結局「悪党」になりきれなかったのだろう。

小沢一郎だが、記者会見までひらいて、日本中に向けて「辞めます」といったのが、一昨日である。

菅直人氏や鳩山由紀夫氏の懸命の説得に応じたというが、ただで小沢が首を縦に振った訳がない。

民主党の信頼性が大きく減じたのは言うまでもないが、問題はそんなことではなく、小沢代表(まだ正式に辞表が受理された

わけではないから、本人が「辞める」といった後も代表だったのだ)が、交換条件として、自民党との大連立構想の実現を

持ち出したのではないか、ということだ。

◆自民・民主が連立したら、もはや日本は民主主義国家でなくなる。

自民・民主両党が結託したら、衆議院でも参議院でも圧倒的勢力を形成する。

どんな法案も通る。反対勢力は公明党はどうするか知らないが、共産、社民、国民新党など、

言っちゃ悪いが、数の上では雑魚ばかり。

民主党は、今日、テロ特措法に替わるアフガニスタンに自衛隊を送る、新法案を出した。

◆記事:自衛隊 人道支援など限定 アフガン派遣 民主が新法対案(11月6日16時9分配信 産経新聞)

民主党の外交防衛部門会議は6日午前、同党が反対する新テロ対策特別措置法案の対案骨子を大筋で了承した。

焦点のアフガニスタン支援活動への自衛隊派遣については、ISAF(国際治安支援部隊)の本隊、後方活動には参加せず、

人道復興支援やインフラ整備に限って派遣するとした。ただ、小沢一郎代表の辞任表明を受けた混乱で出席者が少なく、

8日に再び部門会議を開き、正式了承を求める。法案化は「国会延長などの情勢を見て対応」(国対幹部)する。

対案は「アフガニスタンでの人道復興支援活動とテロ根絶に関する特別措置法案」(仮称)の骨子の形式で、

12項目で構成。自衛隊は「戦闘部隊は一切含まず、人道復興支援やインフラ整備にかかわる者に限って派遣する」と明記。

自衛隊の施設科(工兵)や医療部隊は「文民」として派遣、警察官や医師らとチームを組んで活動する。

小沢一郎は、ISAFに自衛隊を加わらせることに積極的だったが、民主党の他の連中は「???」だったはず。

給油活動は違憲だが、アフガニスタンのISAFに加わって、例え武力を行使することになっても合憲だ、という。

そんな馬鹿な話があるか。自民党ですら反対している。福田首相然り、石破防衛相然り。

これでは、小沢に辞めて欲しくないが為に急にこんな法案骨子を作ったのではないか、と疑われても仕方がない。



一度辞める、といった小沢を拝み倒して続投させたのだから、民主党内で小沢が、郵政民営化選挙のときの小泉の

ように、「絶対君主」になってしまわないか、心配だ。

もしも、絶対君主小沢と自民党が大連立を実現したら、本当に憲法を変えられてしまうかも知れない。

第二次大戦時の大政翼賛会にそっくりだ。大政翼賛会を知らない人は調べて下さい。

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2007.11.06

「仕事では『プラス思考を』 悩む若者に応援フォーラム」←仕事では、まず「我慢」

◆記事:仕事では「プラス思考を」 悩む若者に応援フォーラム(共同通信)(2007/11/04 17:44)

若者が早期に離職してしまうケースが相次いでいることから、働く喜びや意義に気付いてもらおうと

「働く若者応援フォーラム2007」が4日、東京・銀座で開かれ、

サラリーマンを主役にした「島耕作シリーズ」の漫画家弘兼憲史さんが講演し

「プラス思考が大切。他人との比較より自分で立てた目標と競争するべきだ」とアドバイスした。

新卒者の就職3年以内の離職率は中卒で約7割、高卒約5割、大卒約3割に達し、

“753現象”とも言われており、特定非営利活動法人「日本キャリア開発協会」が開催、200人余りが参加した。

弘兼さんは「自分のイメージと実際の職場が違うというが、自分のイメージの方が間違っている。

まだ大人になっていないのだから」と辛口のメッセージを連発、会場を沸かせた。


◆コメント:3年しかサラリーマンの経験がない人に、何が分かるのか。

これは、特定非営利活動法人「日本キャリア開発協会」が主催した講演会とのこと。

漫画「島耕作シリーズ」の弘兼憲史氏は、この類の講演会に、幾度となく呼ばれるが、

なにか、主催者も聴衆も勘違いしていませんか?

弘兼憲史氏は松下電器に3年間(1970年~1973年)在籍しただけである。入社4年目など、

まだ、小僧である。

たまたま、少しはサラリーマン経験のある弘兼憲史という漫画家がサラリーマンを題材とした漫画を描いたら、

ストーリーが、サラリーマンの心の琴線に触れたようだ。主人公島耕作は、

やたらと運が良く、次々といい女と出会って、そういう関係になる、という、

サラリーマンの現実生活では、あり得ない「夢」(?)を描いて、爆発的にヒットしたのは随分前だが、今や、

「取締役 島耕作」まで来てしまった。


◆現実世界のサラリーマンは「好きな仕事」だけやらせて貰えることなどあり得ない。

あの漫画、今は私の手許にないので、正確なセリフは忘れたが、島耕作の上司で、

非常な好人物がいた。その人のセリフに、

「好きな仕事だけやっていれば、充実したサラリーマン生活を送れるぞ」

という趣旨の言葉があり、私はカッとなった。

好きな仕事しかしない、などというサラリーマンは存在しない。

勤め人はハンコ一つで異動を命ぜられ、何処へでも行かなければならないし、

不得意な仕事もしなければならない。

何をたかが漫画にムキになっているかというと、漫画はどうでも良く、

3年しか勤め人をやったことがない、従って部下を持ったこともない弘兼氏を

あたかも「サラリーマンの教祖」に祀り上げるのは滑稽だ、といいたいのだ。


◆今の若い奴に足りないのは、「我慢する能力だ」

私の職場はそんなに程度の悪い奴は採らない。

潜在的能力は十分にあるのだが、最近の新入社員は全然「我慢」が出来ない。

我々の頃は、最初の二年か三年は散々、怒られ、怒鳴られ、それでも、この気の弱い私ですら耐えた。

今の新入社員は、信じがたいことだが、会社で上司に怒られて泣くのだそうだ。

中には過呼吸になり救急車で運ばれたのもいる。

一度叱ったら、翌朝母親から電話がかかってきて、

「うちの子は長所を伸ばすように育ててきました。だから怒られるのになれていないのです。」

「もっと、うちの子の長所を見てやってください」

ダメだ、こりゃ。



お母さん。

学校はお金を払って教育を受けるところ。

会社は、働いて、お金を貰うところ。会社には、お宅のお子さんを教育する義務はないのです。

この親にしてこの子あり。



とにかく、我慢。「石の上にも三年」という言葉があるだろう。

プラス思考って、無責任だよなあ。プラス思考になろうとしてなれる人は

放っておいてもプラス思考なのです。
問題はマイナス思考の人間がプラス思考になるにはどうすればよいか、でしょう。

それには、こういう講演会をするセンセーたち、答えられないのだよ。


◆事実を客観的に捉える練習をする。認知療法

ここからは、やや専門的(私はその専門家ではないが)な話になる。

マイナス思考の人間はマイナス思考をしてしまう心のクセがある。

それを、10個のパターンに分類して、自分の考えている事が、事実を正確に捉えていない(認知の歪み)、

ということを自覚することによって、認知の歪みを正そうというのが元々はうつ病の治療として考案された、認知療法である。

認知療法は自分の認知の歪みを論理的に否定してゆくことにより、自動的否定思考を正す方法論であり、

クスリと同様すべての人に効果があるとは限らないが効くひとには非常に効く。

これに関しては、以前、認知療法について詳しく説明した記事(ココログではこちらです)があるので、是非お読みいただきたい。

ここでも、一応、認知療法の入門書でも実践書でもあるいやな気分よ、さようならをご紹介しよう。

当日記・ブログの読者の方で、長年、ある悩みを抱えておられた方が、この本で、一挙に気持が変わった(一時的にではなく)

とおっしゃっていたのは、歴史的客観的事実なので、書きそえる。効果があるか否かはやってみなければ分からない。

ただ、マイナス思考のままで良い、という方がいても不思議は無い。それは個人の自由である。

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2007.11.04

2007年11月4日、民主党小沢代表 辞任に関する一考察

◆記事:民主・小沢氏、代表辞任を表明=大連立構想で混乱引責-役員会「不信任」と受止め (2007/11/04-17:49 時事通信)

民主党の小沢一郎代表は4日午後、党本部で記者会見し、福田康夫首相(自民党総裁)との党首会談で持ち上がった大連立構想について

「政治的混乱が生じたことを受け、民主党内外へのけじめとして代表を辞する決意をした」と表明した。

さらに、小沢氏は「2日夜の役員会で政権協議を始めるべきではないかと提案したが、認められなかった。

役員から不信任を受けたに等しい」と強調。自民党との政権協議を民主党として拒否したことも辞任の理由に挙げた。

小沢氏は2日に福田首相と2回目の党首会談を行った。この席で首相から連立政権協議を打診されたとして党内に持ち帰った。

しかし、民主党は役員会を開いて受け入れないことを決定。党内には、小沢氏が即座に拒否しなかったたことに対し、

同氏は大連立に前向きだったとの疑念が強まった。

一方、与党の複数の関係者は「連立協議は小沢氏が提案した」としており、食い違いが表面化。

鳩山由紀夫幹事長は「小沢氏提案」を全面否定したが、党内には小沢氏への不信感も広がっていた。


◆コメント:小沢代表辞任に関する一考察

民主党員は党首会談、自民党との「大連立構想」。小沢代表の辞任、いずれも「寝耳に水」だったようですね。そうだろうね。

さて、小沢代表の辞任の理由に関しては、さほど深読みする必要は無いと思います。

会社などの組織に勤めていると、成人男性で、ある程度「偉く」なった人が、

小児的・衝動的行動を取るのを目撃することは、さほど珍しいことではありません(部下はいい迷惑だが)。

断っておきますが、私はそれが「良い」行動様式だ、と評価しているのではない。経験則を述べているのです。



小沢代表のホンネは、自民党との「大連立」構想を民主党幹部に打ち明けたら、総スカンを食ってしまい、

ふてくされたのだと思うのです。「じゃ、勝手にしろ」、と。
小沢代表はテレビで生中継された「辞任記者会見」の席上、マスコミへの不満をぶちまけていました。

「11月3日~4日の福田-小沢会談に関する報道がウソばかりで、国民の誤解を招いた。

そんな状態で、自分が代表に留まることは、(民主)党のために、良くないと思った」

ことも、辞任理由の一つだ、というのです。

しかしながら、マスコミの報道がセンセーショナリズム、ポピュリズムに走り、必ずしも事実を正確に伝えない、

或いは十分に伝えない、ということは、日本人で分かっている人は分かっている。そのことを小沢さんは知っているはずです。



小沢代表のホンネは、先日、ニューヨークタイムズに載った三笠宮寬仁殿下のご心境、“I've got enough.”(もう沢山だ)と同じかも知れない。

多分、「大連立構想」において、小沢氏は自民党とずっと連立するつもりじゃなかったのでしょう。

自民党にくっついても、内閣総理大臣にはなれないだろう(「小沢氏が次期首相になることを連立の条件とする」、

という手もあるが、それはあまりに政治を私物化し過ぎだし、自民党内でも民主党でも党員の抗議が錯綜して収拾がつかなくなるでしょう。)から、

どこかでまた、パッと離れるつもりでいたと思うのです。「どこか」がどのタイミングなのか、は、そもそもこれは仮定上の話ですし、私にも見当が付きません。



いずれにしても、そこら辺の先読みは、場数を踏んだ、汚いことを平気で出来る老獪な人じゃないと思いつかない。

くどいようですが、私にも本当はどうなのか分かりませんが、必死で想像力を働かせて書いています。 

話が逸れました。

それで、連立すると見せかけて、「参議院選挙で勝った民主党が、何でも反対するから、法案が一つも通らない」という政府と、御用マスコミの論調により、

国民に植え付けられつつある民主党へのマイナスイメージを払拭しようとしたのに、

民主党幹部に相談したら、そこら辺の阿吽の呼吸のわかる老練・狡猾なのが少ない。みんな反対する。

小沢代表は「ダメだ、こりゃ」という気持になったのでしょう。「これじゃあ、自民党に衆院選で勝てない=自分の天下取

りも見果てぬ夢となった」→「ヤーメタ」という心境が一番真実に近いのではないかと思うのです。



しかしですね。いつも思うのですが、民間企業の経営者も、政治家も、役人も、

自分自身又は部下が大失敗したり、不祥事を起こしたりしたときって、辞めりゃいいですよね。でも路頭に迷う訳じゃない。 

これに比べて、下で働いている「兵隊」は「辞めます」じゃ済まない。

あくまで失敗の後処理(あらゆる方面に対しての・・)やら原因究明の上報告するとか、地獄のような日々が続きますね。

要するにオトシマエを付けなければいけないですね。



繰り返しますが、エラい人は、「辞めます」で済む。

不始末の後処理で苦労するのはむしろ後任者ですよね。辞めた前任者は肩の荷が下りて、楽になります。

私は、おかしいと思うんだけどな。責任を取るなら残るべきじゃないのでしょうか。

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2007.11.03

「<大連立協議>『決めてきます』小沢氏、首相に言い残す」←小沢氏がそういうのは不思議じゃないけど。ダメだよ。/バッハ「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」

◆記事:<大連立協議>「決めてきます」小沢氏、首相に言い残す(11月3日1時41分配信 毎日新聞)

「決めてきます」。

連立政権協議をめぐり緊迫した福田首相と小沢一郎・民主党代表の党首会談。

関係者の話によると、打診を受けた小沢氏は首相にこう言い残して、会場となった国会の常任委員長室を後にした。

首相は小沢氏の態度に連立政権への好感触を持ったようだ。

先月30日の党首会談を境に一気に憶測が広がった大連立構想。

第一回の会談を前に自民党の伊吹文明幹事長は首相に「小沢氏から大連立構想を持ちかけられても同調しないように」とクギを刺した。

一方で、小沢氏も民主党幹部から「総理がもし大連立を持ちかけたら、首相をもらえ」と助言を受けるなど、

自民、民主両党内には大連立構想への疑心があった。

党内の慎重論をよそに首相、小沢氏とも水面下では政策協議への調整を進めていた模様だ。

新テロ対策特別措置法案の処理をめぐり、小沢氏は自衛隊派遣恒久法の協議で合意した場合、

法案に賛成する考えまで首相に伝えていた。複数の与党幹部は

「実際には、連立協議を持ちかけたのは小沢氏だ」とすら指摘する。

2日の再会談後、小沢氏は役員会で

「首相から連立の申し入れがあった。協議に入れば農業政策など参院選の公約が実現できる。みんなの意見が聞きたい」

と連立協議に応じるよう求めた。役員から「えっ」という驚きの声が上がった。

手を挙げた6人全員が、「政策ごとの協議ならまだしも、連立は受け入れられるはずがない」などと反対論を浴びせた。

小沢氏は「みんなが言うなら分かった。断る」と席を立ち、代表室から「せっかくの誠意だったが対応できない」と首相に断りの電話を入れた。

民主党幹部の一人は「血迷っている」と吐き捨て、小沢氏側近は「党の批判は抑えられるが、怖いのは世論だ」と話した。


◆コメント:小沢君、早く与党になりたいのは分かっているけどさ・・・。

参議院選挙の投開票があったのは、7月29日(日)でしたが、参議院で野党が過半数を獲得することが決まった瞬間から、

実は、小沢氏は「大連立」を密かに構想しながら、国民には「衆議院を早期解散に持ち込み、政権奪取を目指す」

などと云っていたのかもしれません。

この人は65歳ですが、心臓が悪い。これが最後の天下取りのチャンスなのです。

政治家という生き物は、よく分からないけど、小沢氏の胸中は、

「天下を取りに行くなら今だ。一刻も早く」という気持ちなのでしょう。

そのためになりふり構わなくなるところを、民主党の連中に「バカ言うな」と諭された、

ということですね。

但し、冗談じゃないのですよ。国会議員は公務員の一種です。

公務員。パブリック・サーバント(public servant)。「公に仕える(尽くす)人」なのです。憲法にも書いてある。

日本国憲法第十五条第二項 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

ところがあまりにも多くのパブリックサーバントが、パブリック(公)どころか自分にサーブ(仕える)ことを最優先課題としているので、

世の中が変なことになるのです。小沢さんが天下を取りたいというのは「私欲」ですから、公益に優先させてはいけないのです。


◆参議院選挙では、国民は自民党の政策を批判する民主党を勝たせたのですから・・・。

小沢氏は相当頭に血が上ってるご様子。大丈夫かいな(大丈夫じゃないね)?

7月の参院選の選挙演説で、安倍晋三氏は何度も「(この選挙は)小沢代表と私のどちらが首相として相応しいかを問う選挙だ」と

云っていましたね。選挙結果は、「小沢と小沢率いる民主党の方がまだマシだ」という有権者の意思を反映したわけですね。

参議院は政権選択選挙じゃないけど、小沢氏が変なこと(「国際治安支援部隊へ参加するのは、国連のお墨付きを得ているのだから、

たとえ、武力を行使しても合憲だ」)を云ったり、今回のような「ご乱心ぶり」を見せなければ、本当に普通に衆議院解散総選挙、

で政権を取れたかも知れないのに。ダメだね。これじゃ。

折角、長妻昭議員が社保庁のいい加減な仕事ぶりや、年金掛け金の流用、横領、いろいろ暴いて、

彼のおかげで参議院選挙は勝てたようなものなのに。勿論、その功績は民主党が政権を取るか否かと関係なく、評価されるべきですが、

民主党として客観的に観察すると、若手党員が良い仕事をしているのに、党首の私欲で、政権政党への道が遠のいて気の毒だね、

ということです。小沢党首じゃ、悪いけど、危なくて政権どころじゃないよ。


◆思想が違うから、複数の政党が存在するのです。

最後に、読売新聞の社説が「党首会談 政策実現へ「大連立」に踏み出せ(11月3日付)」となっていたのには驚きました。

要するにテロ特措法に替わる新法の制定を急げというのでしょう。何をオタオタしているのですか。

そもそも、2001年、テロ特措法は違憲なのに、きちんと審議をせず、強行採決などするから、今自民党は困っているのでしょう。

自民党と民主党、二つの政党があるということは、思想が違うから、別の党なのです。

それを、とにかく、アメリカに睨まれないために、何でもいいから民主は自民と一緒になって譲歩して、

新しい(恒久)法を作り、給油を再開しろ、と読売はおっしゃる。法律を作るために思想を変えろというのです。

こういうのを本末転倒というのです。


◆【音楽】バッハ:カンタータ 140番 「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」トランペット:モーリス・アンドレ

バッハは毎週、教会の礼拝用のあたらしい、「カンタータ」という形式の曲を書いていました。

短い曲が10曲ぐらい続けて演奏され、それでカンタータ1曲なのですが、バッハは何とそれを毎週書いていた。全部で200曲もあります。

今日は、その中でもとても美しい140番を聴いていただきます。コーラスが歌うパートをモーリス・アンドレがトランペットで吹いています。

荘厳ですが、心の安まる音楽です。ボリュームは抑え目の方が良いです。







それでは、また。

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【映画】「ALWAYS 三丁目の夕日」評/「お薦め」で昨日書ききれなかったもの。/音楽

◆【番外編】明日続編が公開される「ALWAYS 三丁目の夕日」正編を見ていない方、是非ご覧になることをお薦めします。
 

先ほど(11月2日夜)日本テレビ系列で放送していました。私はDVDで何度も見ているのですが、見る度に泣けてきます。

一昨年のちょうど今頃、11月5日に公開された映画、ALWAYS 三丁目の夕日をまだご覧になっていない方は幸せな方です。

これから、この素晴らしい映画を初めて見る感動を経験できるのですから。

今の世の中は有難いことに、映画館では見損なっても、DVDで見ることが出来ます。

映画館のスクリーンと、テレビやパソコンのディスプレイでは、確かに「映像」の美しさでは劣るかも知れませんが、

私は、この作品のように、極めて優れた脚本が映画の価値の中核を成すばあい、画面の大きい小さいは、乱暴に言えばどうでも良い、と思います。

まだ見ていない、という方。是非ご覧になることをお薦めします。映画を普段あまり見ない、とか関係ないです。


私は、映画製作上の技術的なことは全く分かりませんが、この映画が優れた作品である、と評価することにかけて、人後に落ちません。

ストーリーに言及すると「ネタバレ」になるため、抽象的な表現を使います。

「ALWAYS 三丁目の夕日」は、人間の善意に光を当てていること。人間の存在を明るく照らし出している、という点において傑出していること。

小難しい言い方に見えるかもしれませんが、実際に映画をご覧になれば、わかって頂けるとおもいます。



 明日いよいよ、続編が劇場公開されます。混雑することは100パーセント確実なので、私は明日は行きません。

と云うよりも、混む、混まないに関わらず、私は、この映画を劇場では見ないのではないかと思います。

何故なら、涙が止まらなくなることが、これも殆ど確実だからです。


これは、人によって好みが違うでしょう。劇場で他の観客と一緒にわあわあ泣きたい、という方もおられるでしょう。

それにケチを付ける気持は毛頭ありません。

ただ、「私は」人前で泣いているところを見られるのがイヤな質(たち)なので、劇場では見たくないということです。

繰り返しますが、これは、人それぞれ、好みの問題です。どちらが良い悪いという話ではありません。

◆その他お薦め。分野は様々。

【天文関連】

昨日、ハッブル宇宙望遠鏡のサイトをお薦めしましたが、あまりにも内容が豊富なので、

どこから見たらよいか困る、という方が多いかも知れないと思いました。

そこで、同じNASAのサイト内のちょうど良いページをご紹介します。Astronomy Picture of the Day(今日の天文写真)です。

毎日更新されます。これなら、どれを見ようか、迷うことはありません。


【ネット美術館】
ネット美術館というのは、とりあえず、私が考えた名称です。

世界中の美術館がウェブサイトを持っていて、所蔵作品の一部を公開していますが、

西洋美術(ここでは絵画に限ります)史上の有名作品を横断的に掲載しているサイトは意外に少ない。

少ない中で、CGFA- A Virtual Art Museumは、無料で良心的です。

トップページに"Artist Index"がありますから、クリックして下さい。すると、CGFA- Indexes に飛びます。

この中頃に、"Alphabetical Index"と筆記体で書かれています。その下に、小さい時でアルファベットが書いてありますから、

例えば、レンブラントを見たかったら、"R”をクリックして下さい。CGFA- Alphabetical Index (R)になります。

そこから、“Rembrandt ”をクリックします。すると、CGFA- Rembrandtが現れます。

サムネイルをクリックすれば、そこそこの大きさの、高画質の絵を見ることができます。



【慣用句・ことわざ】

同じ方が作られた、くろご式 慣用句辞典と、くろご式 ことわざ辞典

サイト運営者のプロフィールを見る限り、これだけ膨大な情報を一人で作られたご様子。

「慣用句、ことわざなんて、何を今更・・・」というなかれ。

聴いたことも見たこともない見出しが無数にあり、唖然とします。



【苗字・姓】

何と、日本人の姓を10万種類集めたという、静岡大学人文学部 言語文化学科 比較言語文化コースの姓・名字・苗字の全国ランキングは、

もの凄い。最初に膨大なデータベースを読み込むので、ブロードバンドでないと、無理。

自分の姓が日本で何番目に多いのか、順位を知ることが出来ます

もう少しお気楽に、全国の珍しい苗字を知りたい方は、苗字舘がお薦めです。

【歴史】

歴史関連のサイトは、非常に数が多いのですが、内容の興味深さと圧倒的な情報量で有名な、

目で見る世界史(世界遺産と歴史の旅)をご紹介しましょう。

単に情報「量」だけがこのサイトを有名にしているのでは、ありません。トップページ右側の、「世界史小ネタ一覧」は面白いですねえ。

ここだけ全て読み終えだけでも、何日かかることやら・・。


◆【音楽】久しぶりに、ジャーマン・ブラスです。

載せたくて仕方がないのですが、あまり毎日では、皆さんお飽きになるでしょうから、しばらく間を置きました。

これは、「エルパソ・ド・プレ・オ・レ」という、リーダーでトロンボーンのクレスポ氏の作品のようです。

冗談音楽に近いのだけど、演奏には極めて高度な技術が要求されます。






上手くて面白くて、もう、何もいうことはありません。

あ、そうだ。最後に。皆さんが見られる訳ではないと思うので、どうしようかと思ったのですが、書いておきます。

今夜(土曜日)21時からNHKハイビジョンで、「2007 ベルリンフィル・ヴァルトビューネ」を放送します。

観られない方、ごめんなさい。でも、これ、DVDになると思うのです。絶対とは言えないですが。

悪しからず。



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2007.11.02

お薦めサイト、ソフトその他

◆天文・気象関係

 天文「学」とは流石に恥ずかしくて言えません。

私たちの住む地球は御存知の通り太陽系の1惑星です。太陽系は円盤型の銀河系に属しています。

この銀河系の中にある地球から見える銀河系が天の川です。

銀河系は直径が10万光年もあり、銀河系の中には、2000億個の星があります。

これだけでも卒倒しそうな規模ですが、宇宙全体には、このような銀河系が2000億個から5000億個もあるといいます。

こうなると、あまりにも、規模が大きいので、全く人間の想像を超えており、あまり驚きません。

こちらの方がむしろ、驚くのではないでしょうか。

太陽系が属する我々の銀河系のお隣の銀河系はアンドロメダ銀河ですが、どれぐらい離れていると思いますか?

200万光年です。


理屈はともかく星を眺めるとロマンティックです。ただ地上からは限界がある。

宇宙に浮かんだ望遠鏡、ハッブル宇宙望遠鏡が撮った天文写真は、どれも息を呑むほど美しい。

こちらが、ハッブル宇宙望遠鏡のサイトで、その中から、Gellery(ギャラリー)

を見てみましょう。英語など分からなくても、あちこちクリックしていれば、大体どんな写真があるか、わかります。

ハッブル望遠鏡がどんな発見をしているのか、知りたい、と思ったら、天文雑誌を出版したり、

天体望遠鏡や、天文関連ソフト、書籍などを売っている、アストロ・アーツのサイトに説明があります。

今月、18日にはしし座流星群が極大になるので、その数日前から、どうやってみればいいか詳しく説明が出ることでしょう。


◆これは有名になってしまったかな。オーロラ・ライブ

 これは、三鷹にある遊造という、元来は科学系コンテンツサイトの製作会社だったのが、

今ではすっかり、アラスカのオーロラをインターネットで中継するサービスで知られるようになりました。

最近、かなり頻繁にオーロラがでるのですが、忙しい方は休みの日以外は難しいかも知れない。

しかし、過去の動画のアーカイブがありますから、それでも十分美しいです。

会員登録するのですが、チャットルームとか、無理に入る必要はありません。

遊造さんが10月23日の、大火球とオーロラの動画をYouTubeにアップしてくれています。

オーロラが出たら直ぐ分かるように、デスクトップに置いておける、Live!オーロラ チェックウィンドウβの紹介が

窓の杜に載っていました。


◆ことば関係

 日本語ですが、最近びっくりしたのは、古文を現代語してくれる、古文翻訳装置というソフトを作ってくれた人がいます。

サイトに書いてあるとおり、「古文自動翻訳研究センター」という組織があるのかと思ったら、一人でやっているようです。偉いですね。

私は古文が苦手で、きちんと文法を勉強していないので意味が取れないことがしばしばあります。本当は勉強するべきだし、古文は原文で読まなければ意味がない、

という声もあるでしょうが、勉強中の学生さん、古語辞典で訳してみて、このソフトでどの程度正しいか、比べてみては、如何でしょう。



古文と言うと思い出します、百人一首。この、小倉百人一首と言うサイトはきれいですね。

百人一首のソフトは実はかなりあるのですが、このサイトは綺麗だなと思って。



次は、話し言葉。日本全国のお国訛りの音声資料を聴けるのは、国立国語研究所のサイト内、

全国方言談話データベース「日本のふるさとことば集成」というコーナーです。

各巻紹介をクリックすると、全ての都道府県の言葉が聞けます。東北弁と言ったって、青森と山形じゃ全然違う。

関東だって、茨城と栃木ではまるで違う。関西も大阪と和歌山と兵庫では、明らかに違う(京都はまぁ当然として、)

と言うようなことを知るのは、私は面白かったです。


◆言葉関係のメルマガ、ソフト

 要するにタイピング練習サイト、ソフトなのですが、内容が高尚なので、ちょっと面白いかな、と。
メルマガ最大手の「まぐまぐ」から、名文を打つ!というのがあります。

毎日、少しずつ打つように、メールが届くのです。そのメールのリンクをクリックすると、練習ページが開く。今はなんと、源氏物語をやってます。

日本語変換ソフト、ATOKをお使いの方ならば、「般」となっているところをクリックして、「文語」にしないといけません。


◆日本国憲法を打って覚える

 法律は覚えればよいと言うものではありませんが、憲法ぐらい覚えておいても良いようにおもいまして。

本来はタイピング練習ソフトである、タイプウェル憲法というのは、やたらと

速く売っても仕方がないのであって、一語一語、意味を考えながら、愚直の一念で打ち続けると覚えられるかも知れません。

 もう少し書くつもりだったのに、遅くなってしまった。

 それでは、また。

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