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2008年1月

2008.01.30

「中国製ギョーザで意識不明も」←日本政府は中国政府に謝罪と損害賠償(か何かオトシマエ)を要求せよ。

◆記事:中国製ギョーザで意識不明も=千葉や兵庫、女児ら10人中毒(1月30日17時31分配信 時事通信)

千葉県や兵庫県の3家族計10人が、中国製冷凍ギョーザを食べた後、腹痛や吐き気、下痢などの中毒症状を訴え、

9人が入院、うち女児1人が一時意識不明になったことが30日、分かった。

両県警が2家族の食べたギョーザを鑑定した結果、殺虫剤として農薬にも使われる有機リン系薬物「メタミドホス」が検出された。

致死量は体重50キロの人で約1.5グラム。両県警は薬物混入量や流通経路などを調べている。厚生労働省は在日中国大使館を通じ、中国当局に通報した。

調べによると、症状を訴えたのは千葉県市川市原木の飲食店店員の女性(47)と子供4人、千葉市稲毛区の母娘、兵庫県高砂市高砂町の親子3人。

また埼玉県所沢市の女性(33)も中国製ギョーザを食べ、下痢などの症状が続いており、同県が関連を調べている。

いずれのギョーザも、中国河北省の「天洋食品」が製造したもので、輸入者は東京都品川区の「ジェイティフーズ」。

千葉、埼玉では「手作り餃子」(40個入り)、兵庫では「手包みひとくち餃子」(20個入り)という商品を食べた直後、または30分程度たった後に症状が出たとされる。


◆コメント:有機リン系農薬自体は日本でも使われている。

ひどい話である。

「メタミドホス」の使用は日本では認可されていない、とのことだが、有機リン系農薬が使われているという話は以前取りあげたことがある。


話が逸れるけれども、それは食品衛生の問題としてではなく、有機リン系農薬が人間の精神状態に影響を及ぼすという話である。

有機リン系農薬が脳内神経伝達物質のひとつであるセロトニンの生成を阻害することが、動物実験で確認されている。

脳内のセロトニンが不足すると、抑うつ状態となりひいてはうつ病を発症する場合がある。

日本で自殺率が高い秋田県では、有機リン系農薬が多量に使われていて、農家で同農薬に被爆する人がうつになるケースが多い。という話である。

詳しくは、「自殺 8年連続3万人超 40代以下増加顕著」秋田県が10年連続「自殺率全国一」である原因に関する仮説(ココログ版はこちらです)をお読みいただきたい。


有機リン系農薬は、(やや論理の飛躍があるが)、単に皮膚が触れただけで、人体に影響を及ぼすぐらいであるから、

経口で取ってしまったら、タダでは済まないのは、素人でも想像に難くない。

念のためウィキペディアで「有機リン化合物」を調べたら、

「生物に対する毒性がある化合物が多」く、「『ホス』がつく農薬は大抵有機リン剤である」(今回問題を起こしたのは「メタミドホス」)と書かれている。


◆一業者の過失では済まされない。

いくら中国人及び中国政府がいい加減といっても、ほどがある。

中国で作られた食品によって5才の女児が意識不明の重体となっているのだ。黙っていてはいかん。

致死量に近い有機リン系農薬が付着した、或いは含まれていた食品を製造した中国の業者の刑事責任を問いたいところだが、

これは、手続きがややこしいのである(すぐに調べられませんでした。ご容赦)。


ただ、言えるのはこれは製造業者と、このギョーザ等を輸入・販売した日本の業者の責任ばかりでなく、

食品管理体制が全くなっておらず、「毒入りギョーザ」を他国に輸出するのを看過し、結果、日本国民に多大な被害をもたらした、

中国政府の衛生当局、つまり中国政府の責任を、日本国として追及するべきである。

謝罪は当然。外交的に可能かどうか分からないが損害賠償請求したいぐらいだ。

仮にですよ。これが逆だったら、と想像してご覧なさい。

つまり、日本で作った冷凍食品で中国人の一般消費者が、死にかけた、という事態が起きたら、彼らがどれほど文句を言うか、想像出来ませんか?

日本はこういうときに、おとなしすぎるのである。多少大袈裟なぐらい、事を荒立て無ければダメだ。

こんな国、オリンピックの開催国になる資格があるのだろうか・・・・。

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「大阪・兵庫の研修医98人、別の病院で違法バイト」←そういう状況に追い込んだのは厚労省だろう。

◆記事:大阪・兵庫の研修医98人、別の病院で違法バイト(1月29日14時45分配信 読売新聞)

大阪、兵庫両府県の大学病院など26病院の臨床研修医計98人が、医師法に反して別の病院でアルバイト診療をしていたことが、厚生労働省近畿厚生局が行った全国初の実態調査でわかった。

国は昨年、研修医の受け入れ病院に対してアルバイト禁止の徹底を文書で指導したが、多数の違法行為が明らかになったのは初めて。

同厚生局は、研修医の管理が不十分だったとして、補助金返還など各病院の処分を検討している。

同厚生局によると、大阪大付属病院や大阪市立大付属病院など大阪府内の23病院で86人、神戸大付属病院など兵庫県内の3病院で12人。

阪大病院は10人で、1人で50回アルバイトしていたケースもあった。昨年4月に違法アルバイトが明らかになった兵庫医大病院でも新たに1人発覚した。

同法の規定で、研修医は指導医の管理下でなければ診療できないが、大半はアルバイト先の民間病院などで夜間の当直や休日の日直に就き、1人で診療にあたった者もいた。

研修医らは病院に対し、「小遣い稼ぎだった」などと説明したという。

同厚生局医事課は「研修生に医師としてのコンプライアンス(法令順守)を徹底させることも病院側の役割であり、厳正に処分したい」としている。


◆コメント:一見尤もらしい「新研修医制度」だが、穴だらけ。

戦後長い間、医学生は医学部を卒業しても、「インターン」という実地研修をしてから、初めて医師国家試験が受けられたのです。

それまでは、医師ではない。労働者ではないから、給料ありません。そのくせやたらとこき使われて過労死する人も多かった。

それで、医師法が改正されて、医学部を卒業したらすぐに医師国家試験を受けられるようにしました。

合格すれば一応医者ですから、ここで「研修医」という言葉が現れます。

但し、このときの「研修」は義務ではなかった。「2年以上の研修を行うよう努める」という規定しか法律には無かったのです。

一応医者ですから、医療行為を合法的に行えますが、もちろん未熟ですから、殆どは「研修医」として働いたのですが、この研修医という立場がひどいもので、

やはり、超重労働を強いられるのに、給料なんか大学病院だと数万円しか出なかった。食えません。そこで、夜中に研修医が民間病院のアルバイトなどをして、

生活費を稼がざるを得なかった。

病院側も慢性的に人手不足だったようで、受給がマッチしていたのですね。


◆2004年から研修医は法律で義務化され、アルバイトは禁止されました。

「研修医」とはいうものの、病院も忙しいので研修に偏りが出たり、研修医が一人で当直をやって急患を診て間違えて、

裁判沙汰になるようなケースも出てきました。こう言うのを放っておくと、厚労省役人が責任を問われかねません。

そこで、医師法を改正して、2004年(歯科医師は2006年)から、研修医を努力目標ではなく、2年間の臨床研修を義務化しました

そして、適正な給与を確保するから、アルバイトはしてはいけない、と定めたのです。

当初は、研修医に、月30万円ぐらいの給料を確保するようなことを言っていた厚労省ですが、実際には財源を確保していなかったらしく、十数万というのが実態のようです。

それから、病院毎に受け入れ研修生の数を制限したのです。大学病院などでも無制限に研修医を受け入れることは出来ないのです。

やたら、ややこしい説明が厚労省のサイトに載っています。

例えば、

受け入れる研修医の数、指導体制、臨床研修を行うのに必要な症例について留意する必要があります。

受け入れる研修医の数(単独・管理型病院、協力型病院及び協力施設として受け入れる数+再開を受け入れ又は未修了となる数)は、病床数を10(当面の取扱として当分の間は「8」)で除した数、又は年間入院患者数を100で除した数を越えることは認められません。指導体制については、指導医1人につき研修医5人までとなっています。

臨床研修を行うのに必要な症例については、個別の事例により判断が分かれるので、各地方厚生局に問い合わせてください。

さっぱり分かりません。

とにかくこの結果、以前のように当直にアルバイト研修医を使っていた病院は、夜間当直を出来る医師が激減し、若しくはいなくなってしまったのです。

大学病院も「なんとか型病院」なら何人まで、と受け入れ研修医の数を制限されたので、実質的に労働力だった医師数が減ってしまいました。

このために、関連病院へ派遣していた医師を引き揚げざるを得なくなり、引き揚げられた方の病院は、医師がたりなくて困っています。


◆制度を改変したり、ある事項を禁止すると、困る人が大勢出る事が分かっているにも関わらず、代替策の無いまま実行する厚労省

研修医のアルバイトが違法だ、といって、新聞が騒ぐのはこれが初めてではない。今までにも起きています。このページの真ん中辺りをご覧下さい。

反復して同じ問題がおきるということは、研修医義務化、アルバイト禁止と銘打って、たりなくなった医師の補充や研修医の給与財源を考えなかった厚労省に責任があります。

ちょうど4年前に医師の名義借り騒動でマスコミがさわいだことがありますが、これも医療行政の問題だ、と私は書きました

医療体制だけではないのです。医薬品の認可、或いは認可取り消しに関しても、この薬をある病気の適用から除外したら困る人が出ると分かっているのに、

昨年、厚労省はそれをやりました。これについては、「『リタリンの使用継続を』=患者ら厚労省に要望」←ひどい医療行政なのですよ。

をお読み下さい。

とにかく、厚労省の役人は、研修制度が充実していない、との批判をかわすために「新・研修医制度」を始めたのでしょう。

研修医制度の改正により本当に充実した研修が行われ、他の医療にも問題を起こさないなら良いことですが、

厚労省の腹立たしいところは、このやり方でやったら、上述したような問題が必ず起きることが分かっていたくせに、そのまま実行に移したことです。

他の役所でもあるでしょうが、厚労省ってのは、とにかくこのような無責任な行政が多いのです。

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2008.01.28

「暫定税率延長法案きょう提出、野党は審議拒否へ」問題の大まかな解説

◆暫定税率とはなにか。

文字通りに読めば、「しばらくの間だけ」適用される税率ですが、今国会で揉めているのは、ガソリンにかけられている税金の税率です。

いわゆる「ガソリン税」ですが、これは国税である「揮発油税」と地方税である「地方道路税」を合わせた呼称です。

本来、揮発油税は、揮発油税法という法律で、1リットルにつき、24.3円、地方道路税は1リットルにつき4.4円なのです。

これらは、道路の建設という目的にのみつかわれる、「目的税」の一種です。特定道路財源の中の2つです(他の特定道路財源には重量税や自動車取得税があります。)

因みに、揮発油税というものを考えて、これを道路の建設に使おうというアイディアを考えたのは、故・田中角栄氏です。昭和28年のことです。

さて、税率ですが、今は上に書いた本来の税率よりずっと高くなっています。

揮発油税は、本則が定める2倍の1リットルにつき48.6円に、地方道路税は本来の1.2倍、1リットルにつき5.2円となっています。

つまり、ガソリンを車に入れるときに支払うお金のうち1リットルにつき何と53.8円は税金なのです(細かく言うと更に消費税がかかります)。


◆揮発油税を2倍に、地方道路税を1.2倍に引き上げる根拠が租税特別措置法です。

これは、1973年度から77年度(昭和48年度から52年度)に計画された、道路整備五カ年計画で、財源が不足するから、

昭和49年から2年間だけ、ガソリン税を引き上げようということになったのです。

これを定めてあるのが租税特別措置法です(但し、租税特別措置法はガソリン税の暫定税率だけを定めた法律ではなく、

もう面倒くさいのなんのって、あらゆる税の「特別措置」について定めてあります)。

ところが、道路整備五カ年計画が五カ年で終わらず、どんどん延長されてきたのです。

それに伴って、揮発油税も地方道路税(つまりガソリン税)の税率は、引き上げられたままです。


◆ガソリン税の暫定税率は2008年3月末で期限切れとなるのです。

ここからは、皆さんが新聞の見出しやテレビのニュースでお聴きになるとおりです。

暫定税率を本来の税率にもどすと、国、地方あわせて2兆6千億円の減収になります。

国や地方の一部(かなり)の人々はまだまだ造らねばならない道がある。暫定税率をあと10年続けるべきだ、といいます。

野党・民主党は、暫定税率は廃止するべきだ、といっています。

運送業の人々は「道路は十分にある。こんなに高いガソリンでは、採算が取れない」といいます。

折りしも原油価格が国際的に高騰しているので、話がややこしくなります。

また、ガソリン税を道路特定財源にするよりも他の事にも使える様にするべきだ、という考え方もあります。これは、

道路特定財源の一般財源化という奴です。


◆どうして「ゼロか1か」という議論しか出ないのでしょうか。

私は、地方によってどの程度、新しい道路が必要なのか良く分かりません。政府が業者とつるんで要らない道を造っている場合もあるように思います。

先日は国交省の役人の宿舎建設に道路特定財源が使われていることが明らかになりましたが、官房長官まで、「悪いとは思わない」というのです。

こう言うのを聞くと、与党の暫定税率への固執には、陰で何か美味しいことがあるからじゃないの?と思わざるを得ません。

そして、暫定税率がまるまるこの先10年間、本当に必要なのか?という疑問があります。昭和20年代とは事情が違うはずです。

一方、民主党は暫定税率を廃止するといいますが、このように、デジタル議論になってしまうのが最近の人間の議論の特徴です。デジタル議論とは、

私が今勝手に作った言葉ですが、All or nothingということです。「0か1か」、という議論です。


私は30年も前に定めた暫定税率を全然変えないで良いのか疑問ですが、さりとていきなりゼロにするのも乱暴な気がします。

どうして、何年間かかけて次第に税率を下げる、という話が出てこないのかな?というのが私の考えていることです。

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吉永小百合 鳴りやまぬ拍手に感涙←「母べえ」まだ見ていないが、お薦め。

◆記事:吉永小百合 鳴りやまぬ拍手に感涙

女優・吉永小百合(62)が、主演映画「母べえ」が全国327スクリーンで封切られた26日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで舞台あいさつに登場した。

山田洋次監督と34年ぶりにタッグを組んだ小百合は、超満員の観客席を見渡すと感極まって涙。

「弱いもの、小さなものに対する優しく温かいまなざしにあふれた映画。一生、忘れられない思い出になる」と語った。



思いを込めて作りあげた作品の初日。出演112作目の大女優ですら緊張するという。

「お客さんにいい条件で映画館に来てほしい。雪が降ったらどうしようとドキドキした」と苦笑いした小百合。

だが、日本晴れの下、集まった満員の観客の鳴りやまない拍手に、思わず声を詰まらせ、ハンカチであふれそうになる涙をぬぐった。

「平和への祈り」というテーマに、太平洋戦争前後、懸命に生きる母と家族の物語。

原爆詩の朗読活動を20年以上続ける小百合は「10代の少年少女に見てほしい」と大阪、広島など全国10都市11カ所のキャンペーンを精力的に回った。

母親役を演じるにあたり、自身と母との過去もさらけ出す覚悟も見せた。

NHKスペシャルでは、母との30年以上にわたった断絶を告白し、母になることを断念した胸の内も明かした。

そしてこの日、本当の家族のようになった共演者との晴れ舞台を迎えた。

主演映画「モンゴル」がアカデミー賞外国語映画賞候補となった浅野忠信を“家族”全員で祝福する場面もあった。

配給の松竹によれば「興行収入は30億円が見えた」という好スタートを切った。

ベルリン国際映画祭のコンペ部門にも出品され、現地時間13日の公式上映には小百合も山田監督らと出席予定。

日本中に広がった小百合の平和への思いが、今度は世界へと伝えられる。


◆コメント:観て無くても、こういう時の私の勘は当たります。

吉永小百合さんは、信じがたいほど、若々しい。デビューが1957年のラジオドラマだったという。

半世紀も女優を続けていられること自体、才能、資質の表れである。

素の吉永さん(に限らず女優さんは大抵そうらしいが)は、大変男っぽい性格だそうだが、何故かそういう人が、

「優しい母親」を上手く演ずることが出来るようだ。


山田洋次監督は言わずと知れた「寅さん」シリーズで一躍名を馳せた人で、かつて渥美清さんが健在のときには、

年に2本、脚本を書いて撮っていたのだから大変なものである。

記事の中で吉永さんがと山田洋次監督が34年ぶりに・・・とかいてあるが、先ほどテレビで、その34年前の

「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」(74年)を放送していた。あれ以来なのか・・・と思うと感無量である。



話が逸れる。

「寅さん」シリーズを観たことが無い、という人がいるけれども、あれは単なるバカ話などではない。観てご覧なさい。良いから。

一見馬鹿馬鹿しいセリフの中にも山田監督が人間に対して抱く「こうあって欲しい」という理想が現れている。

ただ、ひたすら、人間の善意、良心を信じる。その山田監督の想いが「寅さんシリーズ」に一貫して描かれている。

人間の存在を明るく照らし出している映画群である。その意味で楽しいばかりでなく、美しい。



「母べえ」は昨日(1月26日)に公開されたばかりで、私はまだ観ていない。

観ていない映画をお薦めするのは、一般論としては無責任だが、こと、この映画に関しては、

観なくても傑作であることが、私には分かる。

山田洋次監督が、気合いを入れて作った作品に駄作は見られない。

気合いの入り方は、この映画を取りあげたNHKスペシャルを見て分かった。

山田監督が既に大監督であることは確かだが、吉永小百合さんとて、日本の女優の頂点に君臨するような人である。

普通の監督だったら、吉永さんの演技に注文を付けることなど、なかなか出来ないだろう。

ところが山田監督の注文の付け方は、全編に亘って、大変なものであった。

NHKスペシャルでは一部しか映さなかったが、ある、ごく短いシーンでOKが出ないのである。

吉永さんの台詞の言い回し、表情の微妙な表情が、監督の欲するニュアンスを表現できていない、というのだ。

山田さんは吉永さんに向かって、決して声を荒げるのではないが、

「そうじゃないでしょう。」

「もう少し考えてご覧なさい」

などと全く遠慮せずに言うのである。何とテイク20でも満足できない。繰り返すがホンの数秒のシーンなのである。

業を煮やした山田監督は、撮影を中断して吉永小百合さんに、楽屋へ戻って練習して来なさい、という。

全然妥協しない。

こうした撮影が全編にわたって実行されたと考えられる。だから、吉永さんもプロモーションに

熱心なのだろう。無論、カネの話ではなくて、少しでも多くの人に観て貰いたいということである。

以上の状況と、過去の山田作品の質の高さに鑑み、

「母べえ」が傑作であることは、殆ど観る前から明らかだ。

ただ、観て、どのように感じるか、はそれぞれ、ご覧頂くしかないことは、いうまでもない。

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2008.01.27

父の十三回忌。

◆私事で恐縮です。

「JIROの独断的日記」では、原則として私事は書かない、と宣言しつつも、過去ログを読むと結構書いていますね。

今日は、ニュースを書こうと思ったがどうしてもその気になれないので、この表題にした。

十三回忌は、死後12年目である。正確には1996年1月29日の早朝に父は他界したが、私はロンドン駐在中であったため、死に目には遭えなかった。

ロンドン駐在の内示が出たのが1993年8月20日だった。父は喜んでいたがその十日後に脳出血で倒れて、意識はあるが口もきけなくなった。

内示を取り消して貰おうかとも思ったが、父は「是非、行け。気にするな」という。迷ったが、その通りにした。

渡航前に病院へ妻子を連れて挨拶に行った。もしかするともう会えないかも知れないと考えた。私は泣かなかった。しかし、もう少しで泣くところであった。

父は、まだ幼かった私の息子を、大変可愛がっていた。病室を出るとき、父が息子を見たときの悲しそうな目がいまだに忘れられぬ。


◆病室中に貼っていた、ロンドンからの絵葉書。

私はロンドンで仕事を始めた。英語は先日書いたとおり大して苦労しなかったが、私のチーム11人の中で日本人は私だけだった。

欧米人は、自己主張の文化である。東京本部からかくかくしかじかの通達が来たので、これに従え、といってもなかなか言うことを聞かぬ。

しかし、現場の日本人上司も東京本部もなんとかしろ、という。着任して2週間ほどで、有能な英国人スタッフを他の銀行に引き抜かれもした。

正直言うと、辛かった。家内が全く英語を話せず、話せるようになろうともしないので、仕事中に「カーペットクリーニングの業者と話が通じないから、電話をして」

などという連絡をしてくる。私は、一時、発狂するのではないかと思った。


それでも、休みの日にドライブに出かけ、英国の美しい田園風景を見ると、心が和んだ。その風景をバックに、家族の写真を撮り、

手紙を添えて、「無事にやっています。極めて順調、快適な生活です」という趣旨の言葉を繰り返し書いた。

豪放磊落なくせに心配性の父を安心させるためだった。父はそれらの手紙が来る度に、繰り返し読んでいた、と後に母から聞いた。

そして入院している病院の病室の壁に所狭しと、私たちが送った写真を貼って、見舞客に見せていたそうである。

私たちが渡英して2年後、1995年10月、再び脳出血を起こした。危ないかも知れないというので、一時帰国した。

父は目は開いているが、こちらを認識出来ているかすら分からなかった。痰が詰まると危険だというので気道切開して管を通されていた。

変わり果てた父の姿を見て、私はトイレで泣いた。しかし、人前では何とか平静を装った。

私は、ICUの父のベッドの横に簡易ベッドを持ち込み一週間以上、泊まり込んだが、容態に変化がないので、やむを得ず再びロンドンに戻った。


◆「先ほど、死亡退院されました」

ロンドンに戻って年が明け、1996年になった。1月末、突如兄から電話があり、父の状態が悪い、帰国しろという。

覚悟はしていたが、胸の潰れる思いであった。電話を受けたのはロンドン時間の夜だったので、翌朝、東京の病院に、

ロンドンから直接電話をした。容態を聞くつもりだったが、看護婦さんの返答は、

「・・・さんは、先ほど死亡退院なさいました」

というものだった。



至急帰国して、葬儀に間に合った。大勢の方にご参列いただいた。

父は、銀行員だった。最後は取締役支店長だったが、ずっと支店ばかりに務めていた。

かなり、おっかない上司だったらしい。怒鳴られた部下の方は数え切れないと思われる。

が父は、世間がイメージする姑息な、揉み手をして慇懃無礼に顧客に接する「銀行員」とは全く違っていた。

相手がお客さんであろうが、無理な要求をされると、平気でケンカをした。それでも父のファンがいて下さった。

父はまた、支店長として支店に関する全てのことは自分に責任がある、という当たり前のことを、骨の髄から分かっていた。

部下に責任を押しつけることは絶対にせず、部下の失敗の責任を全て自分の所為だ、と言った。
「何かあったら、俺が(お客さんに)謝ってやるから、思い切りやってみろ」

と、外回り(営業で融資案件や預金を取ってくる人々)を励ました。そうしたら、本当に謝りに行くハメに何度も陥ったらしい。

そういうときも、未練がましいことや言い訳はしなかった。

父の遺品を整理していたら、山の様な書類が見つかった。部下の失敗などの責任を取るために、本部宛に書いた始末書の控えだった。


父は、本来は自然を愛する人間だった。若い頃はしばしば山に行って、野鳥を観察していたらしい。

何しろ、「日本野鳥の会」の会員で、創立者・中西悟堂氏と直接会ったことがある古参のメンバーだった。

銀行員になってしまい、なかなか山になど行けなくなってしまったが、鳥のことを語らせると実に良く色々なことを知っていた。


私は英国の田園風景を眺めたとき、もう少し父が頑健で、倒れなかったら、イギリスに呼んで、この風景を見せてやりたい、と

いつも思ったものだった。が、その願いは空しかった。

本当に残念だった。さぞや喜んだだろう、と、今でも思う。

十三回忌の法要で坊さんのお経を聞きながら、また、そのことを考えた。

涙が出そうになった。もう少しで本当に涙ぐむところであった。

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2008.01.26

「<巨額損失>仏銀大手、トレーダーの不正取引で7600億円」←どれぐらいものすごい大事件か。

◆記事:<巨額損失>仏銀大手、トレーダーの不正取引で7600億円(1月24日22時49分配信 毎日新聞)

【ダボス(スイス)藤好陽太郎】フランスの銀行大手ソシエテ・ジェネラルは24日、

男性トレーダーの不正取引で49億ユーロ(約7600億円)に上る巨額損失が発生したと発表した。

1人のトレーダーの不正による被害額としては、世界で前例のない規模。同行の株主の弁護人は同日、パリ検察に詐欺、背任などで告発の手続きに入った。

中央銀行のフランス銀行も調査に乗り出した。

不正をしたのは欧州株指数の先物を扱うトレーダー、ジェローム・ケルビエル氏(31)。

昨年から今年初めにかけ、権限を大幅に越えて不正な取引をし、巨額の損失を抱えた。

取引内容は特殊なものではないが、管理部門で取引手順を熟知していたことを悪用し、損失を架空取引で隠そうとしたという。

不正は19日に発覚し、同行はケルビエル氏を解雇した。

これとは別に同行は米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題で新たに20億5000万ユーロ(約3200億円)の損失が出たことも明らかにした。

損失を穴埋めするため、同行はモルガン・スタンレー証券などを引受先に55億ユーロの緊急増資を行う。

同行取締役会は、ブトン会長兼最高経営責任者(CEO)の辞任申し出を否決した。

金融界では英投資銀行ベアリングズが95年、トレーダーの株式先物取引の失敗で約1400億円の損失を出したことが発覚し、破綻(はたん)した。

日本でも同年、大和銀行(現りそな銀行)ニューヨーク支店で嘱託行員が債券売買の失敗で約1100億円の損失を出したことがわかり、

組織ぐるみで報告を遅らせたとして米国から撤退を命じられた。


◆コメント:思わずめまいがしました。

ソシエテ・ジェネラルってのは、日本なら東京三菱とか三井住友のような超有名な由緒ある銀行です。フランスの国家銀行みたいなものなんですよ。

一人のトレーダーが7600億円の損失を出したということが私には、どうしても信じられません(理由は後述)。

7600億円とは、東京三菱や三井住友の1年間の利益(経常利益)に匹敵する金額です。

ソシエテ・ジェネラルってのは、一体どういうリスク管理体制を敷いているのだ。と不思議でなりません。


トレーダーとかディーラー(同じです)というとカッコイイけど、この商売は博打打ちと同じ資質の持ち主が向いているのです。

株式指数の先物のディーラーだということだから、要するに上がるか、下がるか。丁半バクチなのです。

毎日ニュースで為替や株式市場の水準を伝えるときに、例えば(例えば、ですよ)「アメリカの金融不安がやや和らいだことを好感して」

などといっていますが、あれは銀行や証券会社のディーラーに電話でインタビューしたのをそのまま受け売りしているのです。

そして、実際のディーラーは売り買いするとき、論理に基づいて取引してなんかいません。勘です。本当にバクチなのです。

テレビや新聞から「何故あがっているのですか?」と訊かれるときに、「何となく」じゃ、納得してくれないので、後付けで理由を考えているだけで、

あれは、全部口から出任せのデタラメです。それがディーラーという人種です。

それでも、儲かっているうちはいい。逆に動き出したときが、怖いのです。

損したら取り返そうとして、倍を仕掛ける→また損をする→更に大きな金額でディールをして取り返そうとする。

放っておいたらそういう行動に出る。まさにバクチでしょう。だから、彼らにそうさせないような仕組み、管理システムがあるのです。

国際的な業務を行う銀行のリスク管理体制というのはBIS(国際決済銀行)のバーゼル銀行監督委員会というところで決めている。

どれほど、五月蠅いか、金融庁のバーゼル銀行監督委員会というページを見て下さい。

これら全てがディーラーに関係することではありません。金融機関のリスク管理といっても色々種類があるからです。

この中だと、例えば、平成12年9月7日 「バーゼル委員会が外為取引における決済リスクに関する指針を公表」などは、関係ありますね。

どうして五月蠅いかというと、一つの銀行の問題ではないからです。ソシエテ・ジェネラルをフランス政府は潰さないだろうけど、

潰れてもおかしくないぐらいの損失だから、ソシエテに資金を貸していた内外(フランスから見て)の銀行が資金を取り戻せなくなる。

その銀行もどこからか資金を短期金融市場で借りている。ソシエテの返済をアテにしていたら、回収できないので、自分の銀行の資金繰りがつかなくなる。

ということで、世界的に金融システムがパニックに陥るからです。

それにしても、ソシエテは何をしていたのかな。ディーラーがどういう取引をして、今の持ち高がいくらかということは、

ミドルオフィスという部署がリアルタイムで把握してい無ければいけないのです。勿論そういうシステムを構築するのです。

一人のディーラーが持てるポジションの極度は決まっていて、それを超えそうになったらただちにアラートが発せられる、

または、そのディーラーが取引出来なくする。と日本の金融機関ですらそれぐらいやってます。

やっていないと、金融庁の検査が入ったときに厳重注意か、業務停止命令が出るのですよ。

ちょっと嫌味を言いたいのは、欧米の金融界の人々は日本のリスク管理システムが遅れていると、散々いっていました。

それなのに、ソシエテ・ジェネラルのこのザマはなんですか?

この事件では、ディーラー本人は勿論ですが、所属部署の部長、担当役員、いや、それどころか頭取ぐらいまで首が飛んでも仕方がない。

監督官庁(日本で言えば金融庁)の検査官の統括責任者も更迭です。それぐらいの超・大不祥事なのです。

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2008.01.25

「<宙に浮いた年金>持ち主6万人が特定できず 公約に影響」←出来ない言い訳ばかりするな

◆<宙に浮いた年金>持ち主6万人が特定できず 公約に影響(1月24日20時1分配信 毎日新聞)

宙に浮いた5000万件の年金記録のうち、氏名がオンライン入力されていない524万件の持ち主について、

10日現在、約6万人がまだ特定できていないことが分かった。社会保険庁は「調査を続ける」としているが

政府公約の3月までの名寄せ完了への影響は避けられないとみられる。

24日の総務省年金業務・社保庁監視委員会で、社保庁が報告した。氏名が入力されていない524万995件のうち、特定できていない記録は1.1%に当たる5万9625件。

企業が既にないことなどが理由で勤務先が確認できないものが4万368件、原本にあたる被保険者名簿が破損したり、見つからないものが1万6194件あった。

6割に当たる3万6081件が東京管内だった。

氏名未入力の524万件については昨秋明らかになり、社保庁は当初、「年金手帳の年金番号からたどり、年末までにすべて特定できる」と説明していた。


◆コメント:全件照合するのが政府公約なんだから、死ぬ気でやれ。

社保庁や舛添厚労相は、昨年末ごろから、「全件照合困難」を連発し、言い訳ばかりしている。

こういう時、我々おとなしい日本人は、「どうせ、最初から無理だと思っていた」などとすぐに諦めてしまうのだが、それがいけないのですよ。

昨年、安倍首相は5千万件全件照合する、と約束したのだから、社保庁に対してもいくら困難でも死ぬ気でやれ、と言わなければ。

社保庁の奴らは「やっぱり、ダメでした」といって、国民が諦めるのを期待しているのだ。最初からやる気の無い連中なのだから。

だから、繰り返すが、「ダメだと思っていた」と国民が物わかりの良いことを言ったら相手の思うツボ。

「困難でも何でも絶対にやれ、全件照合しろ。3月末に間に合わなくても続けろ。もう1年かかっても2年かかってもやれ。」

と、文句を浴びせ続けなければいけません。だって、全て社保庁の責任なんだから。

社保庁職員のやる気のないのは、自分の懐は痛まないからだ。自分たちの年金は共済年金で確保している。

あと数年、なんとかこの騒動を凌げば、悠々自適、という奴がいるのだ。とんでもない話だ。

これは、もう、社保庁職員に「制裁の恐怖」を与えないとダメだ。

つまり、全件照合未達のときは、職員の年金受給資格を剥奪する。

当然でしょう。社保庁の杜撰な管理のせいで老後、どうしたらよいか分からないと嘆いている国民が大勢いるのだ。

無責任な仕事とも言えない仕事をしていた連中に年金など受け取る権利はない。

退職金も没収。

「宙に浮いた年金」全件照合が出来なかったら、お前ら老後は路頭に迷うぞ、ということにすべきだ。

自分がそうなると思っていなかった連中も少しは必死になるだろう。

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2008.01.24

私は誰のファンでもない。ハンス・シュトゥッケンシュミットという音楽評論家のこと。

◆私は「○○のファンだ」と書いたことはありません。

今日の記事は、客観的にお読みになるとやや滑稽かも知れないが、私の信条を記す。

私は、これまでに随分多くの音楽家(演奏家)を紹介し、ごくわずかな例外を除き、絶賛している。

例えば森麻季さんは、世界的に見て超一流のソプラノである、と書いた。今でもそう思っている。

JIROの独断的日記ココログ版には、ご本人のコメントを頂き、感激!などと書いているから、傍目には

「何、言うとんねん?」

と映るかも知れない。が、私は森麻季さんのファンだとか、ジャーマン・ブラスのファンだ、と自ら書いたことは無い。

それは、ファンである、と書いた瞬間に、その演奏家に対する評価・評論の客観性が失われるからである。

「ファン」という存在はパフォーマーにとって両刃の剣である。

どんなときにも支えてくれる、温かく見守ってくれる人々がいる、という状況は、「芸人」にとってありがたいものである。

しかし、同時にファンの声だけを聞くようになり、それに甘んじたらお仕舞いである。

ファンではない人間は、普段の演奏がどんなに良くてもあるステージが良くなければ良くない、と言うのである。

ヨーロッパの歌劇場では、一流の歌手と言えども、その日の出来が悪ければ、ブーイングが飛ぶ。

演奏家にとっては、こういう「怖い聴衆」も必要なのである。こういうことがあるから、常に研鑽を積まねばならない。

反対にファンでは無い人間が絶賛するからこそ、評価に客観性が生ずる。

私が誰のファンでもない、と、一見冷たいことを書くのはそう言う理由による。

分かっていただけるだろうか。


◆ドイツに、ハンス・シュトゥッケンシュミットという、音楽評論家がいた。

既に故人だが、ドイツに、ハンス・ハインツ・シュトゥッケンシュミットという高名な音楽評論家がいた。

評論家といっても、本場の評論家は次元が違う。この人はもともと、作曲の勉強をしていた人だ。

深い学識に支えられた、公正無私、潔癖で的確な批評で人々に尊敬されていた。

朝比奈隆さんが昭和30年頃、ベルリン・フィルを指揮したことがある。

このときに、シュトゥッケンシュミットに褒められた。大変なことである。

実は、コンサートの前、コンサートマスターが「うるさい批評家が来ているから、知り合いになっておいた方が良い」

というので、朝比奈さんはロビーでコーヒーでも飲みながら話をしようと思って行ってみたら、

シュトゥッケンシュミットがポツンと座っていた。コーヒーを注文してすすめたら、シュトゥッケンシュミットは、

「折角だが、これは演奏会が済んでから頂戴する」

と言ったそうだ。別に公務員でも何でもない。コンサート前に演奏家からコーヒー一杯驕って貰ったところで収賄罪になるわけでもない。

シュトゥッケンシュミットは、あくまでも公正中立、絶対無私の立場を崩さない人だったらしい。

しかし、シュトゥッケンシュミットは朝比奈隆さんが振ったベートーヴェンの交響曲第4番の演奏を高く評価した。

があくまで、客観的だった。第三楽章のトリオと呼ばれる中間部分ではテンポを落とさなければならない。

朝比奈さんは、やはり初めてのベルリンフィル、ということもあったのだろう。十分テンポを落とさなかった。

シュトゥッケンシュミットは見逃さなかった。全体としては演奏を絶賛してくれたが、
「トリオが遅くなっていない。これは大変残念なことである」

当時新人だった朝比奈さんを激励しながらも、好意的に忠告してくれたのである。

朝比奈さんは、「適切な批評とはこれほどありがたいものか」と思ったそうで、それ以来、ベートーヴェンの4番の

3楽章、トリオに来る度、シュトゥッケンシュミットを思い出して、トリオは遅く、と自らに言い聞かせていたそうだ。


シュトゥッケンシュミットは、朝比奈さんのコーヒーに限らず、演奏家とは一切会わず、コンサートに来ても独り、ロビーの片隅に

いたそうだ。いうまでもなく、親しくなった演奏家には客観的な批評が出来なく、或いはしにくくなるからだ。

そうやって、何十年も評論家生活を送っていたのである。寂しく無かった訳はない。

しかし、彼は孤高を保ち、芸術に忠誠を誓ったのだろう。


私は、自分が「評論家」と呼ばれるに値すると自惚れるほどのバカではない。

が、シュトゥッケンシュミットの逸話を知ったとき、非常に感銘を受けた。

私が誰のファンでもない、といっても、他人様にはそうは見えないかも知れないが、

私の気持ちは「シュトゥッケンシュミット」なのである。

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2008.01.23

「米、0.75%の緊急利下げ・FF金利3.5%、景気悪化に歯止め」どうですかねえ。

◆記事1:米、0.75%の緊急利下げ・FF金利3.5%、景気悪化に歯止め (NIKKEI NET)(1月22日 22:33)

【ワシントン=小竹洋之】米連邦準備理事会(FRB)は22日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、

最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を緊急に0.75%引き下げ、年3.5%とすることを賛成多数で決めた。実施は即日。

米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする米景気の悪化や世界同時株安や米景気の悪化に歯止めをかけるため、

29、30日に開く定例のFOMCを待たずに大幅な追加利下げに踏み切った。

FF金利の引き下げは、4年3カ月ぶりの金融緩和に転じた昨年9月から4回目。

累計では1.75%の下げ幅となった。臨時FOMCによるFF金利の緊急利下げは、米同時テロ発生直後の01年9月以来となる。

金融機関向けの貸出金利である公定歩合も0.75%引き下げ、年4%とした。昨年8月の緊急利下げから5回目の引き下げで、累計では2.25%の下げ幅となった。


◆記事2:日銀、政策金利据え置き・景気情勢を慎重に見極め (NIKKEI NET)(2008/01/22(火) 12:26)

日銀は22日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を全員一致で決めた。政策金利を年0.5%前後に据え置く。

国内景気が減速し、株価も世界的に下落しており、景気情勢や市場動向を慎重に見極める必要があると判断したとみられる。

福井俊彦総裁が午後に記者会見し、政策判断の背景を説明する。

日銀は2007年2月に利上げした後、政策金利を維持している。今回は改正建築基準法の施行に伴う住宅投資の減少や、

原油高などによる企業収益の圧迫もあり、今後も緩和的な金融環境を維持する必要があるとの意見が大勢を占めたもようだ。

金融・資本市場も依然として不安定との認識を持ったとみられる。

会合では昨年10月末の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で示した経済成長率などの見通しについて、状況に変化があるかを中間評価。

日銀は12月に景気判断を下方修正しており、景気の下振れ要因を重点的に検証した。


◆コメント:米国は、公的資金注入。日欧は利下げすべきだ。

金融政策というのは、本当に難しくて責任が重い。それは分かるんですけどね。世界の株の下がり方を見ていると尋常ではない。

用語ですが、アメリカのFF(フェデラルファンド)金利とは何かというと、アメリカの銀行は中央銀行である連邦準備銀行に、

自分の銀行の預金残高の一定割合を預けなければいけないのです。その義務づけられた資金が不足しているときは、余っている銀行から1日だけ借りるのですが、

それを一日だけだから、銀行間の短期金融市場ってとこから調達するのです。その調達する際の金利をFRBが決めるのです。

アメリカは、今日、これを引き下げた。0.75%引き下げたのですね。かなり大きな下げ幅。

金利が低くなると、アメリカの銀行は資金を調達しやすくなりますね?

これによって資金繰りが狂って銀行が潰れるかも知れないという心配が緩和される、といいうことです。


一方わが国の中央銀行、日銀は、「政策金利」を据え置いた、とのことですが、ここでいう「政策金利」とは、

「無担保コール翌日物金利」というもので、FFレートに似てます。銀行同士は、短期金融市場というところで1日(オーバーナイトといいます)の

お金の貸し借りをするのですが、日銀はこの短期金融市場に資金を供給したり、逆に吸収したりして、全体の資金量を調整するのです。

資金量を何を持って測るかというと、オーバーナイト金利がいくらか、というのを見ているわけです。

で日銀は、ずーっとそうなんですけど、これを今日も、

0.5%前後で推移するよう促す。

と、発表しました。

それは、日銀のサイト2008年 1月22日 当面の金融政策運営について(現状維持、12時19分公表) (PDF, 76KB) で確認出来ます。


それで、アメリカですけど、記事1にあるとおり、昨年9月から4回もFFレートを引き下げていますが、サブプライム問題、収束しないでしょう?

証券化されたサブプライムローンによる評価損やサブプライムローンの焦げ付きがどこまで膨らむか分からないからです。FFレートで日々の資金繰りは確保出来ても、

不良債権は金融機関の資本を食いますから、潰れるかも知れないのです。そしたら、金融株を中心に世界中の株が暴落するだろうという懸念から、

21日ぐらいから特に顕著ですが、世界中の株が暴落しているのです。だから、資本を充実させないとだめです。

日本の銀行がバブルがはじけて多額の不良債権を抱えたときに、アメリカは日本に「対応が遅い。さっさと公的資金を入れろ」と言ってたんですよ?

なんで、あんたら、やらないの?



日本の株式市場が下がっているのは、勿論サブプライムローン問題による信用不安があるからですが、日本の国内景気が悪すぎます。

本当は、時系列で見なければいけないのですが、ここ数日発表された、指標を並べてみると、
(1/16)11月の機械受注、前月比2.8%減

(1/17)2007年の大阪地区百貨店売上高、1.1%減──12月は2.5%減

(1/18)12月の消費者心理、4年半ぶり低水準・物価高や景気後退懸念で

(1/18)11月の第3次産業活動指数、0.3%低下

(1/19)2007年の全国百貨店売上高、11年連続前年割れ――前年比0.5%減

(1/21)12月首都圏マンション発売戸数、20.2%減――近畿圏は9.1%減

(1/22)07年のスーパー売上高、1.4%減・11年連続マイナス

これでも、経産相や日銀総裁は「景気は悪くなっていない、景気対策の必要はない」と発言するし、

日銀の金融経済月報 (基本的見解、1月)の書き出しは、
わが国の景気は、住宅投資の落ち込みなどから減速しているとみられるが、基調としては緩やかに拡大している。

というのですが、ちょっとどうかな、と思います。インフレを懸念するといったって、消費者物価指数のグラフをみると、

とても、インフレリスクが迫っているとは思えません。


日銀は今日、0.25%利下げしても良かったと思います。

EUのヨーロッパ中央銀行(ECB)も1月11日に政策金利を変えない事を決めました。

エライ人たちに言わせると中央銀行は目先の現象にとらわれてはいけないというのですが、21日の24時間に、世界の38の株式市場で株価が急落しました。

ヤバい、と思います。

結論を書きますと、アメリカは金融機関に公的資金を注入しなさい。日本と欧州の中銀はとりあえず利下げして株価を戻しなさい、

という事です。

それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

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2008.01.21

落語「ちりとてちん」をプロの落語家が演じているのを拝見出来るサイトのご紹介。

◆NHKで、「ちりとてちん」という朝ドラを放送しています。

普通、私ども勤め人は、NHKの朝ドラの放映時間(地上波だと8時15分から30分まで)には、既に職場におります。

ですから、大抵、これを見るきっかけが無く、私も今まで殆ど見たことがありませんでした。

しかし、今回は私は録画して見ております(NHKBS2では夜7時半に再放送するほか、土曜日の朝9時半から1週間分まとめて放送します)。

これは、最初から見ることに決めていました。

その理由は、映画「スウィングガールズ」にすっかりハマった結果、貫地谷しほりさんという女優さんの演技力が並ではないと思っていたからです。

スウィングガールズについては「スウィングガールズ」をテレビでやってましたね。実は結構好きなんです。あれ。(ココログはこちらです) に書きました。

貫地谷しほりさんという女優さんに関しては、つい先日、貫地谷しほりという役者は天才である、という確信を抱きつつあります。(ココログはこちらです)に書きました。


◆「ちりとてちん」とは落語の演目なのです。

朝ドラをご覧の方、しばしご辛抱を(ご覧になっている方ばかりではありませんから)。

このドラマのストーリーをこれ以上短くできないほどに要約すると、貫地谷しほりさん演じる、高校出たての女の子が落語家を目指す、という話なのですが、

ドラマのタイトルとなっている、「ちりとてちん」は上方落語の演目なのです。

最近、調べて知ったのですが、これは元々江戸落語の「酢豆腐」を、上方落語の落語家が関西風にアレンジしたものだそうです。

詳細な説明がウィキペディアに載っております。

ドラマでは、貫地谷しほりさん演ずるヒロインが、師匠(渡瀬恒彦氏)から最初に教わった落語が、この「ちりとてちん」なのです。

初高座では、上がりまくって、大失敗してしまうのですが、修業を積んで3年後、大ホールで再びこれを高座にかけて、見事に演じきります。

しかし、ドラマの中でヒロインが落語を演じるというシーンですから、当然、「ちりとてちん」全編を見て、聴くことができません。

私は何とか、プロの落語家が「ちりとてちん」を演じているところを見られないか、ネット上を検索し、遂に見つけました。


◆桂七福師匠のサイトで、無料で公開して下さっています。

上方の落語家、桂七福師匠のサイト、「桂七福の落語を聴く」です。

何と、プロの落語家が、ご自分の落語を、サイト上で全て見せて下さっています。ここに、「ちりとてちん」が載っています。

YouTubeでは10分までですから、5つのファイルに分かれていますが、GoogleVideoなら一挙に見られます。

大変面白いです。

実は、師匠のサイトのことはmixi日記にちょっと書いたのですが、師匠がメッセージを下さいました。mixiに入っておられる方は日記検索で、

「桂七福師匠」で検索してみて下さい。私の日記しかありません。そこに、誠に忝ないことに桂七福師匠のコメントを頂戴しています。

ココログでも、師匠のサイトをご紹介しても良いかどうか伺ったところ、快諾して頂きましたので、早速読者の皆さんにもお楽しみ頂きたいと思い、

ここで紹介した次第です。

桂七福師匠のご好意に感謝します。ありがとうございます。


◆他人を笑わせるというのは大変なことです。

落語というのは、人を笑わせるものですが、これは大変偉大な事だと思います。

人を嫌な気持にさせることは、どんなバカでも出来ます。2ちゃんねるを見てご覧なさい。「ヴァカ」だの「氏ね」だの罵詈雑言が並んでいる。

一目見ただけで嫌な気分になります。

これに対して、人を楽しませる、笑わせる、ということは本当にたいへんだと思います。

だって、何も可笑しく無い状態の人を「ワハハ」と笑わせるのですよ?

何かいいことがあって機嫌が良いときなら、人は放っておいても笑います。

落語を聴きに来る人はそうじゃない。むしろ嫌なことがあって、ひとつ落語でも聞いて大いに笑いたい、という人も大勢いる。

そういう人を笑わせるのです。嫌なことを忘れるぐらい笑わせるのです。

嫌な気持だった人を良い気分にして帰って貰う。これはどう考えても、単にふざけていたのでは無理です。

この頃のテレビのバラエティ番組はちっとも面白くありませんが、それはろくに修業もせず、考えていない若いポッと出の芸人達が、

所謂楽屋ネタで、自分たちが面白がっているからです。芸人は「お客を」笑わせなければいけない。

落語は、どういう表情、話し方、仕草をするのか。どのように間をとるのか、綿密に計算して稽古を重ねなければ出来ません。

昨日のエントリーで、英語の勉強法のことを書きましたが、同時通訳の第一人者村松増美さんが、車の中で良く落語を聴いていたそうで、

サイマル出版会「私も英語が話せなかった」(続編だったかも、ごめんなさい。ちょっと不確かです)で、故・3代目 古今亭 志ん朝さんと対談しているのも興味深い。

村松さんは、無論落語好きなのですが、言葉のプロとして、落語を、「話しことばとしての日本語の最も洗練された姿」と考えていたのです。



なんて、小難しい話をしてしまいましたが、是非、桂七福師匠のご好意による「ちりとてちん」を皆さんお楽しみ下さい。

それでは。この辺で。又明日。

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2008.01.20

<センター試験>英語リスニング、175人が再テスト←英語の勉強は音読に尽きる。

◆<センター試験>英語リスニング、175人が再テスト (1月19日21時17分配信 毎日新聞)

大学入試センター試験は19日、初日の日程を終えた。導入3年目になる英語のリスニング(聞き取り)では過去2回と同様に、

音声を再生するICプレーヤーの不具合などで受験生から「聞き取りにくい」と苦情が出て、153会場の181人が再テストの対象になった。

このうち175人が再テストを受け、6人が辞退した。最終日の20日は理科(1)▽数学(1)▽数学(2)▽理科(2)▽理科(3)が行われる。

トラブルがあったのは新潟や秋田、甲府、奈良、松山、福岡市などの会場。

内訳は148人がICプレーヤーの不具合が原因とみられ、音声に雑音が入ったり、途切れるなどした。

残る33人はICプレーヤーを誤って落としたほか、体調不良で受けられなかったケースもあった。

大学入試センターは「今後、原因を分析し、再テストを受ける受験生が限りなく少なくなるよう努力したい」と話した。

リスニングは初めて導入された06年度、457人が再テストを受験。翌年度は381人が再テストを受けていた。


◆コメント:リスニング試験はネットで聴けます。

もうトシなので、TOEICなど受けるのが面倒で、随分長いこと英語の試験、それもリスニングの試験など受けたことが無い。

他の新聞にもあるだろうがたまたま見つけたのは毎日新聞の’08センター試験特集のページである。

すべての科目の問題と解答が分かる。英語のリスニング試験は実際に音声を聞くことが出来るので、久しぶりに「試験を受け」てみるか、と思いやってみた。

リスニングだけですけどね。全部で25問あり、23問正解でした。けど、これ結構難しいね。もっと易しいのかと思っていた。

このリスニングを聴き取れるようになるだけでも結構勉強しないとダメでしょうね。

その他科目の勉強もあるから、センター試験って、大変だね。

でもこの時期に勉強するのはいいことですね。絶対、将来、「あのとき勉強して損した」とは思わないだろう。


◆英語(語学)の勉強は音読に尽きると思いますよ。

私は、浪人の一年間を代ゼミで過ごしたが、そのとき教わったことがとても貴重な教訓となっている。

色々あるのだが、英語に関して言えば、ある先生が

「英会話が出来るようになりたければ、中学の英語の教科書を、テープを聴きながら音読しなさい。1日10分でも構わない」

とおっしゃったのが、大袈裟に言えば、私の人生を変えた。その先生はこれは、同時通訳の神様と呼ばれている國弘正雄という人が提唱している方法だ、

と、教えて下さった。早速、今は廃刊となってしまったが、1970年に出版され、75万部のベストセラーとなった、サイマル出版会「英語の話し方」

を買って、むさぼるようによんだ。同時通訳の神様の英語力の基礎は中学の英語の教科書を1,000回も繰り返し音読したことで身につけたものだ、

ということが分かり、非常に感動した。「分からないことがあったら手紙を下さい。」と、なんと、ご自宅の住所が巻末に載っていた。

恐る恐る、質問を書き、送ったら、何とわずか3日後にはお返事を頂戴したので恐縮したのを思い出す。

サイマル出版会の「英語の話し方」は絶版となったが、幸い國弘先生が、1999年、国弘流英語の話しかたを書いて下さった。

旧版よりも一層丁寧に、何故、音読が有効なのか、また具体的な実践方法について書かれている。英語を本気でやりたい人は絶対読むべき本だ。

とにかく、
「意味の分かった英文を難しいものでなくて良いから、ただひたすら繰り返し声に出して読む」

ことによって、話す、書く、聴く、読む全てにおいて、能力を向上させることは、私が身を以て体験した。

私の学生時代には全然一般的ではなかったが、今や猫も杓子も英語といえばTOEIC(Test Of English for International Communication)。

会社に入ってから数年後無理矢理受けさせられた。

全然どんな試験かしらなかったが、820点を取り、自分ではそれがどの程度か分からなかったが、周囲に驚かれた

(以前にもこの話を書いたことがあり、780点とか、800点とか書いたかも知れぬが、先日、当時の記録が出てきて、正式に確認した)。

だが、私は、音読を続けていただけなのである。

1993年、ロンドン駐在を命ぜられたのも、人事が語学力を一応チェックしたらしいが、そうだとすれば、海外に住むという貴重な経験ができたのは、

音読のおかげであり、それを教えて下さった予備校の先生、國弘先生のおかげである。

本屋へ行くと、英語勉強法に関する本が山ほどある。英語勉強法の掲示板を見ると、皆、あーでもないこーでもない、と喧しい。

勉強法は人によって相性があるかも知れないけれども、私は結局音読に尽きる、と思うなあ・・・。

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2008.01.19

「<引きこもり>東京都がセーフティネット 予防に特化し支援」←支援なんかするからいつまでも引きこもるのではないでしょうか。

◆記事:<引きこもり>東京都がセーフティネット 予防に特化し支援(1月19日12時27分配信 毎日新聞)

東京都は08年度から、不登校経験者や中退者など引きこもりになる可能性がある若者の情報を基に、

本人や保護者を支援する「ひきこもりセーフティネット」を始める。予防に特化した支援に行政が乗り出すのは全国初。

都は区市町村に教育・福祉や、NPO(非営利組織)のスタッフらで構成する連絡協議会を設置。

中学や高校から、退学したり不登校の生徒に関する情報提供を受け、支援が必要なケースでは積極的に保護者への相談に乗り出したり本人に訪問面談する。

地域の特性も加えた独自の対策案を各自治体から募り、効果が高いと判断した3カ所をモデル事業に指定する。

また、引きこもり予防のため、家族を支援する「対策マニュアル」も初めて作成する。

保健所、NPO、都立校など約720機関と約50人の経験者を対象にした07年度のアンケートや面談による調査結果を活用し、予防に役立てる。

都は08年度予算に「若年者自立支援経費」として2億円を計上する。

厚生労働省の引きこもりに関する全国調査(02年)では、3割以上の人が小・中学校で不登校を経験している。

だが、実態把握は難しく、同省やNPOの推計では全国で32万~160万人と開きがある。対応もNPOなど民間が中心だが、

学校との連携などが難しく、早期対応が課題となっていた。

若者支援NPO「育て上げネット」(東京都立川市)の工藤啓理事長(30)は「引きこもりは教育と労働行政の狭間の存在。

セーフティネットは画期的な試みだが、不登校や退学の要因は複雑で重層的なため、長期的な視野に立った受け皿作りが求められる」と話している


◆コメント:働かなくても食えるから甘えるんだろう。

「引きこもり」とは、病気でも無い。働きたくても仕事が見つからないのでもない。学校へ行きたくない。働きたくないから、家にいる連中だ。

現代用語の基礎知識によると、

「友だちなどとの人間関係がわずらわしく、一人でひきこもると精神的な安定を得られる状況。人間関係の持ち方が未成熟で、引きこもらないと安心できないタイプ。不登校の子などに認められるのはたしかだが、もう少し一般的に卒業後も定職につかずに家の中にいる若者なども『引きこもり』に属する。

イミダスによれば、
統合失調症などの精神病以外で、社会活動や対人関係から遠ざかり、6カ月以上自宅等に引きこもっている状況。全国で数十万人とも言われるが、正確な人数は不明。2002年の保健所等への来所相談事例の4分の3は男性。30歳以上が約3分の1を占め、「10年以上」の引きこもり事例が23.1%に上るなど、長期化するケースが目立つ(厚生労働省研究班)。様態と原因はさまざまであり、当事者の苦しみが外部に伝わりにくいため家庭等で抱え込んでしまうことが多い。親の会などの活動が各地で粘り強く進められている。

ということだそうだ。まあね。昔から青少年のこういう問題はあったと思いますよ。

アメリカの心理学者が、「成長することを拒む男性」を「ピーターパン・シンドローム(症候群)」の定義として、同名の本を書いたのは、25年も前。

日本でも翻訳された。ピーターパン・シンドロームの人が引きこもっていたかどうか知らんが、
ちょっと甘いんじゃないの?

という点で共通している。

働きたくない奴は働かなくて良いのなら、俺だって働かないよ。

皆、食うために働いているの。世の中はそういうものなのです。

食うためには、嫌なこともしなければ、生きていけないのだ。

引きこもりが引きこもっていられるのは、親が食わせてやるからである。

引きこもって何もしなくても、食えるからいつまでも引きこもるのである。

従って、引きこもりを引きこもらせないようにするためには、自分で働いて稼がなければ食えない、という状況に置くことが、

最善の策である。シャバに放りださずに、家に住まわせて親が食わせるからいけない。

それだけでもいけないのに、地方自治体が「セーフティネット」を作り、「本人に訪問面談」なんかしたら、ますます図に乗る。

こんな事に税金を使う一方で、生活保護水準を一律に引き下げるとか、母子加算を廃止するとか、

本当に困っている人へのカネの配分を減らそうとしている。

どーして、役人てのは、これほどバカなのだ。

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昨年3月、西本智実という指揮者はなかなか、いい、と書きましたが、やはり当たってるようです。お薦めDVD

◆残念ながら見られなかったが、「徹子の部屋」に女性指揮者・西本智実氏が出演したそうだ。

事前に分かっていれば録画しておくところだった。

西本智実という女性の指揮者がいる。

私は、性別を特に意識して人物を評することはなるべくしないつもりだが、

何故、「女性」指揮者と書いたかというと、実際に活動を第一線で続けている女性指揮者は本当に少ない。

フィンランドだっけ。北欧に一人いるぐらい。

音楽の演奏家、つまり実際に音をだす人々の世界では男も女も関係なく、上手い人が沢山いるのだが、

こと、指揮者(あと、作曲家ね。)となると本当に少ないのである。何故かは分からぬ。

実は私が西本さんのことを取りあげるのは二度目である。

一度目は、昨年3月に書いた、西本智実という指揮者は、性別と無関係に、なかなか、いい(ココログはこちらです。)である。

私の勘は当たっていたようである。
プロフィールによれば、西本さんは、サンクトペテルブルク国立アカデミックオペラ・バレエ劇場の首席客演指揮者(2004-2006)を務めたり、

ロシアやその他ヨーロッパのオペラ指揮者として、実績を上げつつある(リンクを貼っては悪いから「西本智実」で検索して下さい。プロフィールがすぐ見つかる)。

これは大変なことだ。オペラの音楽監督というのは、棒だけ振っていればよいのではなく、時には歌手に稽古を付けたり、

演出、照明など、音楽以外の事にも責任があるし、大道具、小道具、人員配置など、「事務的な」ことにまで巻き込まれる

(尤も、事務的なことは、一定の劇場の音楽監督に就任した場合の話だが)。

さらに感心するのは、ロシア人の前でロシア人の作品を振るわけですよ。

オーケストラも歌手も、皆、ロシア人。ロシアもののオペラを振るなら、台本が分からなきゃ。

つまりロシア語も堪能であるのは当然の前提条件となる。

これは並の能力では出来ないですよ。

だから、私は、西本さんはすごいな、と素直に尊敬している。


◆ロシアのオペラは最初取っつきにくいですから、「ボレロ・火の鳥・展覧会の絵」を薦めます。

ロシアのオーケストラってのは、皮肉なことに、旧ソ連がなくなってから、財政的に苦しくなって無くなったり、再編されたり分かりにくいのですが、

今日、お薦めするDVDボレロ 火の鳥 & 展覧会の絵を演奏しているのは、1994年に出来たばかりの「ロシア・ボリショイ交響楽団」です。

西本さんは2002年にこのオーケストラの首席指揮者に就任しました(2004年まで)。

このDVDに収録されているのは、「その記念に2003年5月にモスクワ音楽院大ホールで行われた」コンサートだそうです。

昨年書いた記事でも一応お薦めしたのだけど、何の反響も無かったので(笑)、恐らく、皆さん殆ど見ておられないだろうと思い、

再度推薦します。ロシアのオーケストラですから、まずはチャイコフスキーだろう、とか、まあそう堅いこといいなさんな。

◆ボレロ、途中からですけど、聴いてみて下さい。

ボレロ全部やると15分ぐらいかかりますから、途中、私の大好きな、トロンボーンソロ(上手いのですよ)の前のところから最後まで。どうぞ。




ボレロは、一体これまで何人の指揮者が振ったか分からないほどですが、全体が長ーーーーいクレッシェンドです。どこから盛り上げるか。

どのぐらいのペースで盛り上げていくか。曲の最後、クライマックスの効果を最大にするために、指揮者は冷静な計算を必要とします。

テンポだけについて述べるなら、最初から、ほぼ、テンポ66で一定なのですが、弦が入るところで65から64に落としています。

そして、最後、全オーケストラがコーダに向かうところで再び66から、66.7ぐらいに上げている。

更に、クライマックスでコントロール不能なほど興奮しない、冷静さ。

一番白けるのは、指揮者が大暴れして、オーケストラがシラーっとしている状態。

こういうのがCDじゃなくてDVD(高いけど)の良いところでして、西本さんがどういう振り方をしているか。

見れば、十分に場数を踏んで、勉強していることがわかります。

また、演奏者。前半、ヴァイオリンなどはピチカートだけですが、楽器をどう構えているか。

出番を待つ管楽器奏者が如何にそわそわしているか。

小太鼓がテンポを一定に保つためにどれ程集中しているか。なども分かります。

長くなるので書きませんが、「火の鳥」「展覧会の絵」共に、ロシアのオーケストラならではの「馬力」を感じます。

名演だと思います。今すぐに買えないかたも、「ウィッシュ・リスト」にいれておかれては如何でしょうか。

今日のところはこの辺で、失礼を致します。

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2008.01.17

気の弱い受験生諸君に告ぐ。大丈夫だよ。

◆人間、楽天的でなくても何とかなる。

今日、ニュースをあれこれ読んでいたら、明後日がセンター試験だという記事があった。

なつかしいですなあ。

私はね。今や伝説となっている、「共通1次試験」第一回目の年に受験生だったんだよ。現役の時は見事に全滅だった。

現役で受かっていたら共通一次は受ける事にならなかった。

まあ、そんなことは、どうでも良いのであって、私が言いたいのは、いつの世にもどこの国にも、悲観的に物事を考えてしまう人がいるけど、

それは、必ずしも、その通りになる訳じゃないから心配するな、ということです。

実際、私は今は相当ずうずうしくなったけど、子供の頃(受験生なんてのはまだ子供だ)は、今思い出しても呆れるほどクヨクヨ、ウジウジする若造でした。

悪いことばっかり考える。それでも、君たちの倍も何とか生きている。何とかなるって。

脅かす訳じゃないけど、社会へ出たら受験どころじゃないからね。大変さは。それでも何とかなるのさ。


◆私の体験談(天地神明に誓って言うが、本当の事です)。

さて、これは、昨年も書いたのですがね。今年はまた新しい受験生がいるわけだから、又書くね。

私は現役で受からず、代ゼミで一浪したんですよ。2回目の受験。現役の時と同様、いくつか滑り止めで受けますがな。

某大学某学部から送られてきた受験票を見たときは驚いたね。

26464(二浪しろよ)

何たる、芸術的な縁起の悪さ!このときは、あまりの縁起の悪さにクヨクヨを忘れて感動したほどですよ。

でも、ここ、受かったよ。ザマあみやがれ、と思っですよ。しかし、癪だから(というより第一志望じゃなかったから)行かなかったけどね。

それから、去年書いて、「お前、ネタだろう」というメールを頂戴したのですが、歴史的事実なのでムキになってもう一度書きますね。

共通一次の日ってのは当時必ず雪が降るのですよ(私は一度しか受けていないがその後毎年そうだった、ということ)。

それで、私はよりによって、試験当日、試験会場のすぐ手前の歩道を歩いていて、雪で滑って転びました。

それでも、合格したです。だから、「縁起」は気にしなくて良い。


◆負けることばかり考えるのにオリンピックで3回連続金メダルを取った選手

良く、怪しげな折り込み広告に「思考は現実化する」とか書いてあるでしょ?

自分が成功することばかりイメージすれば、万事上手く行くし、悲観的なことを考えていると、不幸がやってくる、みたいな。

あれ、ウソ。

私の体験談からもウソと断言できるのだけど、昨年書いて好評だった話を再び書きます。

詳しいことを(今更だけど)知りたい人は、五輪の身体という本を読んで下さい。

これは、前回の夏の五輪、アテネ大会の前に「声に出して読みたい日本語」のあの斉藤氏が、多くは偶然だけど結果的にメダルを取ったり、好成績を残した選手、

アーチェリーの山本選手、ハンマー投げの室伏選手、体操の塚原選手、などと対談しているのですが、興味深いのは、

男子柔道60kg以下級の野村忠宏(のむら ただひろ)選手。アトランタ、シドニー、アテネで金メダル三連覇を達成している。オリンピックの柔道では初めてだそうです。

これほどの選手が、あんまり書くとネタバレになってしまうけど、超マイナス思考なのです。

試合の前の晩は(オリンピックに限らず)怖くて眠れない。7:3で負けることを考える。

ナポレオン・ヒルの法則とやらが如何に間違っているか良く分かるでしょう。


何故、この話を何度もするかというと、私がクヨクヨするマイナス思考、悲観主義者だから、同じような受験生が、今どんな気持か分かるからです。

私の体験談だけじゃ、説得力に欠けるけど、野村選手の話を知ると安心するでしょ?

プラス思考っていったって、何にも考えていないだけの奴も大勢いる。貴方や貴女がどんなに気が弱くても、

受かります。少しは安心して貰えただろうか?

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【為参考】Windows版のiTunes最新バージョン(7.6)で勝手にジャンル名が変換されてしまう現象について。

◆Windows版のiTunes最新バージョン(7.6)で勝手にジャンル名が変換されてしまう現象の対処法(とりあえず)

Windows用のiTunesを最新バージョン7.6にアップデートしたら、ジャンル名を勝手に変更してしまう仕様(っての?)になっていることに気が付きました。ネットで検索したら私だけではないようです(OSはXPのSP2です)。

例えば、「classical」の曲を再生すると、「クラシック」に自動的に変換(というか変更というか)されてしまう。一度「classical」に戻す(右クリック→「プロパティ」から)ともう、書き換え無いようですが、膨大な量ですから、無理です(一括して選択してプロパティでclassicalに戻してもダメなのです)。

早速アップルには文句のメッセージを送っておきましたがとりあえずの対象方法と致しましては、「編集」→「設定」から言語を「英語」にしておくと、「classical」→「クラシック」に変換されないことがわかりました(ネットで調べた受け売りです)。

Mac版では7.5でこの問題があり、7.6では修正されているらしいのですが、Windowsは1月17日(木)20時45分現在、修正されていないので、ご参考までに、書き記しました。

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2008.01.16

<故杉原千畝氏>功績たたえポーランド大使館が叙勲←杉原氏の偉業は海外の新聞でも紹介されています。

◆記事:<故杉原千畝氏>功績たたえポーランド大使館が叙勲(1月16日19時5分配信 毎日新聞)

第二次世界大戦中、ナチスの迫害から逃れようとしたユダヤ人に「命のビザ」を発給した故杉原千畝・元リトアニア領事代理の功績をたたえ、

ポーランド大使館(東京都目黒区)で16日、叙勲式が開かれた。マルチン・リビツキ大使から、杉原氏の孫千弘氏(43)=バンコク在住=に

「ポーランド復興勲章コマンドルスキ星十字型章」が手渡された。

杉原氏は40年夏、ポーランドからリトアニアの日本領事館に逃れたユダヤ人ら約6000人に、日本政府の指示に反して日本通過のビザを発給し

「日本のシンドラー」と呼ばれた。千弘さんは「功績が認められ、光栄に思う」と語った。

昨年10月、レフ・カチンスキ大統領が、大戦中にポーランド国内のユダヤ人を救った計53人の叙勲を決めていた。


◆コメント:優れた仕事(行為)は素直に賞賛し、優れた行いを為した人物を尊敬するべきだ。

杉原千畝氏のことについては、色々と当初の美談にケチを付けようとするような文章や出版物もあるようだが、卑しい行為だと思う。

世の中には「美談」を聞くと何とか粗探しをしようとする人がいるが、結局、それは讃えられている人への嫉妬心から出ているのだろう。

私はかつて、杉原氏のことを調べたが、日本語より、外国語の情報の方が遙かに多い。

インターネットの情報の8割が英語だから当たり前かも知れないが、他国の人々のほうが率直に杉原氏を尊敬していることを物語っているように、

私には思える。かつて、調べたときに発見した、アメリカの一地方新聞だが、Saltlake Tribune(ソルトレーク・トリビューン)という新聞が、

1994年3月24日付で掲載した「杉原千畝、自らの職を賭して、ユダヤ人の命を救った、物静かな英雄」という記事の翻訳を再掲したい。

◆杉原千畝、自らの職を賭して、ユダヤ人の命を救った、物静かな英雄(1994年3月24日付 Saltlake Tribune紙)

1940年の初夏のある日、リトアニアに駐在していた日本人外交官、杉原千畝は、早朝5時15分、窓の外のざわめく音で目が覚めた。

そっとカーテンの隙間から外をのぞいて、彼はひっくり返るほど驚いた。そこには何百人という外国人がひしめいていた。

杉原は、何か暴動が起きたのかと勘違いして、妻子にクローゼットの中に隠れていろ、と少々狼狽気味に言った。

彼は、あたらめて、領事館の外の人々を見た。彼らに、自分(日本)に対する敵意は無かった。彼らはただ、絶望していた。

彼らの目は真っ赤に充血して、幾晩も寝ておらず、疲れ切っているようだった。髭が伸びきった老人、まだ幼い少年。赤ん坊を抱いた母親・・・・。

彼らは、杉原の姿を見つけると、祈るように、黙って手を組んで哀願する意思を示した。

この人々は、迫り来るナチスから逃げようと必死の、ユダヤ系ポーランド人達だった。

ユダヤ人達にとって、杉原だけが生きながらえる最後の頼みの綱だった。ポーランドからヨーロッパの他の地域への出口は既にナチスによってふさがれていた。

唯一の逃げ道は、リトアニア経由でソビエトの奥地を通り抜けてウラジオストクに行き、そこから日本へ渡るルートだった。

彼らの願いは杉原に、普通の人間は一生経験しないほどの辛いジレンマをもたらした。

人としての良心と国家の命令との板挟み。

生と死。

ユダヤ人にビザを発行することは、「ユダヤ人に構うな」という祖国の命令に背くことになる。

当時40歳の外交官だった杉原は、東京の本局に3度至急電報を打って、ビザ発行を許可してくれるよう申請した。3度とも拒否された。

彼は、ずっと後、死の前の年に、在日米軍の新聞、"Stars and Stripes"紙のインタビューに答えて、こう言っている。

「私は、何とかしなければと、思いました。ユダヤ人達はもしナチスの手にとらえられたら、どれほど恐ろしい運命が待ち受けているか、と私に向かって必死に訴えました。私は彼らを信じました。そして、彼らを助ける以外の選択は無い、と考えました」

「私は倫理的な見地から考えなければいけないと思いました。私が彼らを突き放せば彼らは殺される。しかし、私は命令に背いてもクビになって、帰国するだけです。選ぶ道は明らかでした」

杉原は、1940年7月31日から28日間、日本政府が杉原にリトアニアからベルリンへの転勤命令を出すまで、手書きのビザを書いて、書いて、書きまくった。

朝から晩まで、一人一人と面接して次々にビザを発行した。あまりの重労働に彼はみるみる痩せ、衰弱した。

杉原の妻、幸子(ゆきこ)までもがストレスで参ってしまい、生まれたばかりの子供の面倒を十分に見てやれないような状態になったほどだった。

しかし、それでも、杉原はベルリンへ転勤するため、領事館を引き払いホテルに移ってからも、

そして、ドイツへ向かう列車に乗ってからも、最後の最後まで、ビザを書き殴り、窓越しにそれを待つ人たちに渡した。

彼が書いたビザは合計約1600枚だったと推定される。しかし、一家族には一枚のビザで足りるので、これにより、6000人のユダヤ人の命を救ったのだ。

ベルリン行きの列車がついに動き出したとき、杉原はユダヤ人に向かって深々と頭を下げて謝った。
「残念ですが、これ以上書けません。申し訳ない。皆さんの無事を祈ります」

幸子夫人は今でもその時、残されたユダヤ人のショックの表情を忘れられないという。

それでも、列車が動き出した時、誰かが叫んだ。
「ニッポン、バンザイ!」

「杉原さん、私たちは絶対に貴方のことを忘れない!」

ユダヤ人難民は皆遠ざかる列車に向かって叫んだ。

「また、会いましょう、必ずね!」

殆どのユダヤ人は、2度と杉原に会うことは出来無かった。しかし、彼を忘れる者はいなかった。

マサチューセッツ、Farmingtonで既に隠居しているメリヤス商、サミュエル・ミンスキーさんは、

杉原のビザのおかげで、母と兄弟と一緒に日本を経由してアメリカに移住出来、アメリカで父にも再会出来た。
「皆、シンドラーの事ばかり話題にする。しかし、彼はユダヤ人を彼の工場で、ただ同然の労働力として働かせたのです。勿論、シンドラーを否定はしません。しかし、我々はもうひとり、信じがたい善行をただ、自らの良心に基づいて実行した偉大な人物を忘れてはなりません。」

「杉原は、彼の行いにより、カネを儲けるどころか失ったものの方が遙かに大きいのです。彼の善意がなかったら、私は、絶対に今ここでこうして生きていられなかったでしょう」

杉原は控えめな人だった。

自分の英雄的行為について、自分の兄弟にすら、何十年も話さなかった。

だから、彼は日本では何の評価も受けていなかった。

杉原は、この世を去る前年、こういった。
「彼ら(ユダヤ人難民)は紛れもなく人間なのです。その彼らが助けを求めてきたのです。私はあれを実行するだけの決心が出来たことを嬉しく思います。日本人として、私は当然の事をしたに過ぎないのです。」

やはり、私は杉原千畝氏は立派な人だったと信じて疑わない。

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「<米シティ>2兆5000億円の追加評価損失」←ブッシュさん。公的資金を注入しなさい。

◆記事:米シティ、サブプライムで追加損失2兆5000億円 (日本経済新聞 23:02)

【ニューヨーク=財満大介】米大手銀行、シティグループは15日、2007年10―12月期決算で、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)に絡み、

235億ドル(約2兆5000億円)の損失を計上したと発表した。

追加損失計上がとまらないのは、金融市場でサブプライムローン関連の証券化商品の価格下落に歯止めがかからないため。

シティの10―12月期の損失の大半は有価証券の評価損で、計181億ドル。さらに消費者ローンの貸し倒れ引当金の増加などで54億ドルを計上した。

シティは7―9月期にも64億ドルの関連損失を計上しており、合計の損失は300億ドルを突破した。

最終損益は98億3300万ドルの赤字(前年同期は51億2900万ドルの黒字)に転落。粗利益に相当する純営業収益は、前年同期比70%減の72億1600万ドルに落ち込んだ


◆コメント:シティの損失の大きさがどれほどのものか。

今日は日経平均株価が、2年2ヶ月ぶりに1万4000円を割り込み、終値は1万3千972円だった。

日本の株価が下落を続けるのは、日本自体の景気が好転しないことにも原因があるが、やはりかなりの要因はサブプライムローン問題である。


世界最大の銀行シティが、上の記事のとおり、追加損失で2兆5000億円を計上した、と発表した。

今週は、米国の大手金融機関の10-12月期の決算発表が続く。

明日(16日)はJPモルガン・チェース。17日(木)はメリルリンチである。いずれもどう考えても大儲けしているとは思えない。

シティと同様に追加損失を計上する、と言うだろう。

シティは、天下のシティだから、そりゃあ、すぐに潰れはしないかも知れぬ。しかし、いくら何でも10-12月期で追加損失2兆5000億円とは尋常ではない。

因みに、日本の3大メガバンクの2007年3月期決算を見ると、連結ベースの経常利益は

三井住友FG   7986億

三菱東京  1兆1349億

みずほ     7871億

合計    2兆7206億円

となる。つまり、シティバンクは、日本のメガバンク3行が1年かかって稼いだ収益に匹敵する損失を昨年10-12月期で被ったのである。

どれぐらいのすさまじさか、何となくお分かり頂けたであろうか。


◆コメント2:他の国の「公的資金」に頼らず、「アメリカの」公的資金を注入しなさい。

日本では、バブル崩壊後、銀行の不良債権がにっちもさっちも行かなくなり、世論の批判はありましたが、公的資金を注入し、

銀行の自己資本を充実させることにより、銀行が連鎖的に倒産する金融恐慌(預けた預金がなくなっちゃうかもしれないんですよ)を回避しました。

アメリカのサブプライムローンは証券化されて色々な金融商品に組み込まれている。だから、どこで終わるのか分からないのですが、

シティのすさまじい評価損をみると、背筋が寒くなります。評価損を埋めるには銀行は商売の元手である「自己資本」を取り崩します「引当金」といいます。

自己資本比率が少なくなると銀行の信用力が低下し、米国の銀行株が売られ、NY株式市場が下落を続けると、世界中が迷惑をします。


これを止めるためには、米国政府が米銀に公的資金を注入するのが、一つの手です。

実際、前FRB議長のグリーンスパン氏は12月16日の講演で、公的資金の注入も考えるべきだといっていますが、

何だか知らないけど、共和党の綱領だか、公約があり、さらに世論の反発が強くて、ブッシュは決断できません。

このため、米国の銀行は主として中東の政府系金融機関から資金を調達しています。

日本のメガバンクにも「カネを出せ」と言ってきました(ココログはこちらです)が、全銀協会長、三井住友銀行の奥頭取がいち早く断り、他のメガバンクも断りました。当然です。

どこまで、損失が膨らむか分からない米銀に50億ドル(5,400億円)も融資出来るわけがない。これは正しい判断です。

それはともかく、米銀は、「海外の公的資金」を頼りにしています。アメリカ政府は放置している。

これは無責任でしょう。元々、サブプライムローン残高がどんどん膨らんでゆくのを、ボケっと見ていたアメリカの金融当局の監督責任です。

そして、アメリカでは行政権は大統領に属するのですから、究極的にはブッシュ大統領の責任です。

にも関わらず、自国の税金(公的資金)は勿体ないから、とっておいて海外の政府系投資機関の出資に頼っている。

アメリカ政府が、公的資金を注入して、

「サププライムローン関連金融商品による評価損はまだでるかもしれませんが、米銀の自己資本は政府が責任を持ちます。潰しません」

と宣言すれば、世界の金融市場は随分落ちつくのです。

18年間、「ミスター・dollar」として絶妙な金融政策の舵取りを行った先達、ジュリアード音楽院出身の異色の金融政策責任者だった、

アラン・グリーンスパン氏の意見を、ブッシュ大統領、もっと傾聴するべきですよ。

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2008.01.15

ずっとネットストーカー(?)につきまとわれている私。

◆我慢にも限界があるんですよね。

「JIROの独断的日記ココログ版」を読んで下さっている読者の方々はお分かりにならないと思うので。
元々、私はENPITUに書き始めました。エンピツではジャンル分けがあり、私は時事・社会に書いています。

これは、今日の得票ランキングを示すページですが、2008年01月15日(火)21時30分頃の画面のキャプチャをここに掲げます。

ダウンロード 2008-01-15_21-34-33.jpg (89.3K)

「JIROの独断的日記」のすぐ下に、「地球の心配より、自分の心配をすべき人々」と書いている人がいるでしょう?

年甲斐もなく情けないことに、こいつは私と同じ40代の男なんですが、異常に粘着なのです。

エンピツはシステムはいい加減で、自己投票できるのです。

そんなヒマな人はいないでしょうが、この、時事・社会今日の得票ランキングを観察してみて下さい。

私が一票得票すると、奴にも一票はいる、ということが、しばしば(かつては毎日)起こります。そんな偶然あるわけ無いでしょう?

プロキシを通して自己投票しているとしか考えられない。エンピツの管理人に善処するよう抗議したことがありますが、これは岩手県にサーバーがあり、一人で運営している会社です。

管理人も気の弱い人で、「キチガイ」のような差別発言があるときは削除するよう求めたことがありますが、なかなか応じません。

ここで強調したいのは、私は彼のことを批判したことは無いのです。かつては反論をしたこともありますが、個人の人格を否定するようなことは書いたことがない。

だから、何でこれほど目の敵にされるのか、理解に苦しみます。

ただ、こいつは、精神科患者を異常に憎んでいて、私がうつ病で有ることを知り、ある時、エンピツで「愚痴」と題する文章を2回ぐらい続けて書いたことがあるのです。

それから、女房子供に関する、不満を書いたことがあるのです。確か2003年です。


それ以来、この男は、私であると特定できる証拠は残さずに、つまりJIROの独断的日記の名は勿論、JIROというHNも出さずに(これが汚い所です。私のことではない、という

逃げ道を用意しているわけです)、ずーーーーっと、私の書くことに反論したり(というより因縁を付けるといった方が適切でしょう)、私とは名指しせずに「キチガイが~とか書いているが」

などと、中傷し続けているようです(ようです。というのは読者の方から教えていただいたのであり、私はこういうのは相手にしたらダメだと思い、ここ数年、一回も奴の日記にアクセスしていないのです)。

繰り返しますが、一体全体、私の何がそんなに憎いのか知りません。

私も大分悟りの境地に達していましたが、我慢にも限界ってものがある。

私は、毎日、自分のことを中傷する人間がいる、と分かっている状態でそれを心理的に無視しつつ、ここ何年も毎日、日記・ブログを書いているのです。

毎日、年甲斐もなく、エンピツに投票をお願いします、と書いているのは、この男より下に位置すると、ますます相手が増長するからです。

今朝7時頃、私の「NHK「未来への提言」を文字に起こしました。」よりも上に「地球の心配より、自分の心配をすべき人々」がいました。

そういう文章に投票する人が、20人もいるとは思えません。物的証拠はありませんが、私がココログ(とmixi)だけにこういう文章を載せていることは、

我慢の限界が近づいているからです。

私が死にますと言ってブログを終わりにしたら、こいつも原因のかなりの部分を占めているとお考え下さい。

すでにうつ病だ、と言っている人間を、婉曲にではあれ、中傷・誹謗することは精神的傷害罪だと思います。

私は、毎日上機嫌でブログを書いているのではない、ということをどうしても訴えたくなり、この一文を認めました。

ご容赦下さい。

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2008.01.14

【地球温暖化】NHK「未来への提言」を文字に起こしました。温暖化の最新情報です。

◆NHK総合(再放送)「未来への提言スペシャル 「地球温暖化に挑む・世界のキーパーソンからのメッセージ」前半のスクリプトです。

世の中でブログを書いている人は多いし、地球温暖化に関して書いている人も大勢いるでしょうが、

こういう馬鹿なことをするのは私ぐらいじゃないでしょうか。

温暖化に関して全部説明するとすごいことになるけど、この番組では、とりあえず前半で、

温暖化により南極やグリーンランドの氷床が大規模崩落した場合の危険に絞って説明していたのです。

分かりやすかったけど、テレビで聞いたことなんてすぐに忘れてしまうでしょう?

だから、文字にして記録しておこうと思いました。

全部は無理ですが温暖化の深刻さを説明した前半をテープ(じゃないけど)起こししました。

温暖化がどれぐらい、ヤバいか。ということを知るために、適当だと思います。


◆スクリプト:未来への提言スペシャル 「地球温暖化に挑む・世界のキーパーソンからのメッセージ

アナウンサー:それでは、まず地球温暖化の危機をいち早く警告してきた、温暖化研究の権威、

NASAゴダード宇宙研究所所長のジェームズハンセン博士のメッセージをご覧下さい。毛利(衛)さんがインタビューしました。

ナレーション:ニューヨーク、マンハッタンにあるNASAゴダード宇宙研究所。

ここはNASAの地球温暖化予測チームの本拠地です。およそ150人の研究員が地球の気候を再現するコンピューターモデルを作り、未来の予測に取り組んでいます。

この研究所の所長を務めるのが、ジェームズハンセン博士です。ハンセン博士は1970年代から温暖化のメカニズムの研究を始め、将来、人間の活動が大規模な気温上昇を引きおこすと予測。

一刻も早い対策が必要だと社会に訴え続けてきました。

NASAの主要な任務の一つが地球の観測です。Earth Observing Systemという、衛星のネットワークによって、地球の状態をリアルタイムで観察しています。

17の衛星が大気の成分や水の動き、地表の変化、海面の水位や温度、氷の面積など、膨大なデータを収集し、

温暖化の分析に役立てているのです。ハンセン博士を訪ねて毛利さんがニューヨークにやってきました

共に宇宙からの視点で地球を見つめてきたふたり。温暖化は、実際、今、どこまですすんでいるのでしょうか。

毛利:どうやら、世界は地球の気候の問題に関心を持ち始めたようなのですが、ハンセンさんの今の地球環境に関する理解は、どのようなものでしょうか?

ハンセン:私は地球の危機だと思っています。非常事態です。今起きていることは、まだあまり目には見えにくいので、一般の人たちには理解が難しいかも知れません。

でも、気候を注意深く観察している人は気付いているはずです。数十年前に比べて今は少し違う。春が一週間ほど早く来て、秋が少し長くなり、夏に暑い日が増えた、と感じているでしょう。

まだ、大きな変化には見えないですが、実はこれは大問題なのです。目に見える変化がまだ小さいのは、地球のシステムが、今までの状態を保とうとする力を持っているからです。

海は平均4000メートルもの深さがあり、人間が起こした変化に反応するまでに時間がかかります。しかし、その間にも温暖化は進行しているのです。

ナレーション:この100年、地球の平均気温は上昇を続けています。温暖化の原因については自然の変動なのか、それとも人間の所為なのか、長年議論が続いていました。

しかし、観測データの集積によって予測の精度が上がった結果、世界の3,000人を超す科学者の集まりである、国連IPCCは、去年、ついに、温暖化は人間の活動の影響だとほぼ断定しました。

このまま二酸化炭素の排出が増加した場合、2100年に平均気温は何度上昇するのか。ハンセン博士は現在より2.7℃上昇すると予測。

これは、日本のチームの予測よりも低めの値ですが、もし100年で2.7℃上昇すれば、大規模な気候変動を引きおこす、と警告しています。

今より2℃上がると、海水の温度も上昇し、熱帯性低気圧が急速に成長するため、台風やハリケーンが強さを増します。最大風速も強まり、甚大な被害をもたらします。

大雨も増加。世界各地で洪水のリスクが高まり、多くの人が命や財産を失います。100年に一度しか起きなかったような熱波や干ばつがより頻繁に起こるようになります。

対策を取る余裕のない貧しい国々を中心に水不足が深刻化。食料生産が減って飢餓や栄養失調に陥る人が増加します。多くの人々が故郷や家を失い難民になると見られています。

温暖化は私たちの生活基盤を大きく破壊してしまうのです。

ハンセン博士:地球の平均気温がわずか1℃か2℃上昇しただけで、地球は今とは全く違った姿となり、多くの生物種は絶滅してしまうでしょう。

このまま温暖化が進んでいくと、私たちは、後戻りできない危険なポイントを超えてしまうかも知れません。それは非常に大きな気候変動を引きおこします。

ナレーション:2007年夏、日本はかつて無い猛暑に襲われ、観測史上最高の40.9℃を記録しました。そのとき、北極でも世界の科学者を驚かせる異変が起きていました。

これは、NASAの衛星で観測した北極海の夏の海氷面積の変化です。この30年間ずっと減少傾向にありましたが、去年は急激に減少して過去最少を記録。

これまでの予測を30年以上先取りする急速な変化でした。また、南極大陸でも温暖化の兆候が現れていたことが新たに分かりました。

南極大陸は「氷床」と呼ばれる厚さが最大4,000メートルの分厚い氷で覆われているため、内陸部は温暖化の影響を受けにくいと考えられてきました。

ところが去年NASAが南極大陸の衛星画像を詳しく分析した結果、内陸部の西側の広い範囲で、表面の雪が溶けるという異常な事態が起きていたことが初めて明らかになりました。

(図表)黄色や赤で示したのが雪が溶けていた場所です。広さ42万平方キロメートル、日本列島とほぼ同じ広さです。

北極や南極の広大な氷は、地球を温暖化から守る大切な役割を果たしています。白い表面が太陽光線を反射するため、熱を吸収しにくく、地球の大気を冷やす効果があるからです。

ハンセン博士は極地の氷が溶けるスピードが加速していることに、懸念を示しています。

将来、小さな変化が突然巨大な変化を引きおこす危険なポイント、「ティッピング・ポイント」(tipping point)を超える可能性がある、というのです。

(注;毛利さんのハンセン博士へのインタビューに戻る)

毛利:私も昨年南極に行ってきたのですが、南極大陸は非常に大きなかたまりですよね。

すぐに数年のうちに影響するということはなかなか実感としては考えられなかったのですが、グリーンランドとか、南極の西のほうで氷床が急に溶けると。

それをティッピング・ポイントという言葉で表現なさったと思うのですが、もう少し詳しく教えていただけますか?

ハンセン博士:ティッピング・ポイントとはある現象が、突然急激で大きな変化を起こす臨界点のことです。

温暖化によって起こる現象が、ますます温暖化を進め、連鎖的で大規模な変化をひきおこしてしまうのです

非常に深刻な事態を招くティッピング・ポイントが、南極とグリーンランドの氷床で起こる可能性があります。

我々が宇宙から観察した結果、これらの氷床は急速に変化する怖れがあります。

5年ほど前に打ち上げた重力を測定するNASAの衛星によって、グリーンランドや南極の氷床の質量が、高い精度で分かるようになりました。

グリーンランドの氷床はいま年間150立方キロメートルずつ減少しています。南極西部の氷床もほぼ同じ割合で減少しています。

今はまだ大規模な海面上昇に繋がるような規模ではありません。しかし問題は、氷床が溶けるスピードが速くなりはじめていることです。氷床が将来、大崩壊を起こす危険性があるのです。

ナレーション:南極大陸の氷床は、地球上の淡水の70パーセントを占める巨大な氷の塊です。

氷床が海に張り出した部分を棚氷(たなごおり)といいます。氷床が海に流れ出さないように外側から守り、安定させる、フタの役割を果たしています。

ハンセン博士温暖化が進んで、「ティッピング・ポイント」を超えると、氷床が溶けて海に流れ出す可能性がある、と考えています。

気温が上がると、氷床に水たまりが出来ます。水は氷に比べて色が濃いため、太陽熱を吸収して暖まり穴を拡げます。

次第に氷は穴だらけとなり、もろくなります。また、海の水温の上昇で棚氷も下から薄くなっていきます。やがて、棚氷が割れて海に落ちます。

このとき氷床は「ティッピング・ポイント」を超えます。フタをしていた棚氷が無くなり陸の巨大な氷が次々に崩れ落ちるのです。

2002年、温暖化の影響と考えられる大規模な棚氷の崩壊が実際に南極で起こりました。NASAの衛星がその姿を捉えました。

「ラーセンB」と呼ばれる、東京都の1.5倍ほどの広さの大きな棚氷が、わずか35日間で崩落したのです。この時、7200億トンの氷が海に流れ出しました。

ハンセン博士: 最初の変化は非常に小さいものです。しかしある時、突然大きな変化が起こり氷床が大崩壊するのです。

いつ起こるか予測するのは非常に困難です。しかし、地球の過去の歴史を調べると氷床の崩壊は何度も起きています。

ナレーション:氷床の崩壊は海面の水位に大きく影響します。陸地にあった氷が溶けることで水位が上がるからです。

(図表)これは過去45万年の気温と海面水位の変化です。気温と海面水位は、ほぼ同じように上下動し、密接な関係があることが分かります。

ハンセン博士は今から1万4千年前、最後の氷河期の終わりに起きた大変動に注目しています。

この時、大幅に気温が上昇するとともに、100年あたりで5メートルという急速な海面上昇が起きていたのです。

ハンセン博士:南極の巨大の氷床が崩壊した場合、海面水位が100年以内に1メートル以上、恐らく数メートルの急激な上昇を起こす可能性があります。

大変危険です。世界の多くの年は海沿いにあり、膨大な人口が暮らしているからです。私の考えではこのまま二酸化炭素を出し続ければ、海面水位の大幅な上昇は避けられません。

ナレーション:海面上昇は世界各国に、大きな被害を及ぼします。ツバルやモルジブのような珊瑚礁の島国は国土の殆どを失います。

日本でも被害が予測されています。東京などの大都市圏は海に面しているからです。(図表)これは東京湾の海面上昇に伴う被害地域の予測図です。

およそ60センチの海面上昇が起き、満潮時に台風による高潮が襲うなど、最悪の場合を想定しています。赤色が水没の怖れのある地域です。

1メートルに満たない海面上昇でも首都圏の400万人以上が影響を受ける、と予測されています。

また、ニューヨークや上海など世界の多くの大都市が海に面しています。影響ははかりしれません。

ハンセン博士:残念ながら、この温暖化の問題に関しては慎重に研究し、議論し、98パーセント確実、という答えを出してからでは遅いのです。

我々は氷床の崩壊を許す訳にはいきません。もし、「ティッピング・ポイント」を超えたら、元に戻すことは不可能です。

気候は人類のコントロールを超え、大変な被害を引きおこします。あと10年議論しようというような時間はないのです。

数年以内に行動を起こさなければなりません。過去の地球の歴史を見れば、現在よりも1℃高い気温になったとき、海面水位が大きく上昇し始めていることをわすれては、ならないのです。

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NHKスペシャル「新型インフルエンザの恐怖」

◆何だかNHKが急に「新型インフルエンザの恐怖」を伝え始めました。

NHKは、急に「お上」から指示でもあったのでしょうか。

勿論、今までにも、ニュースなどで、鳥インフルエンザの話は出ていましたが、

NHKは昨日はドラマで、今日はドキュメンタリーで新型インフルエンザが大流行した状態(パンデミック=pandemic )の恐怖を国民に喧伝し始めました。


ここ数年、世界で猛威をふるっているインフルエンザウィルスは、H5N1型です。

元来鳥の間でしか感染しなかったのが、トリから人に感染するようになったのですね。

これが、強毒性でして、2004年のデータでは感染者の死亡率は60~70%とも言われています。

これだけでも怖いですね。厚労省の高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)発生国及び人での発症事例を見ても、

致死率の高さは明らかです。インドネシアが特に悲惨ですが、これが、日本で起きないという理由は無い訳です。


◆H5N1型がさらに変異して人-人感染し始めたら・・・

今は、トリインフルエンザが人に感染した場合の話をしています。

トリから人への感染は確認済ですが、それが他の人に感染したという報告は極めて稀、な状態。

これは、WHO(世界保健機関)のパンデミック・アラートの段階、1~6(数字が大きくなるほど危険)でいうと3なのです。

実際にCurrent WHO phase of pandemic alertを見て下さい。3に○がしてある。

しかし、今日のNHKのドキュメンタリーを見たら、日米欧いずれの専門家も嫌なことを云いますな。

今のH5N1型ウィルスが変異して、人-人感染するようになるのは時間の問題。

専門家の中には、新型ウイルスがまん延すれば日本だけでも200万人、世界中で1億人以上の死者が出ると指摘する者もいる。

どこかの国で新型インフルエンザウイルスが出現すれば1週間で全世界に拡大する。

日本国内に入れば誰も免疫を持っていないため、医療機関をはじめ社会は大混乱に陥る危険性がある。

嫌なこと、と書きましたが、最悪の状況を想定するのが危機管理の基本ですから、仕方がない。


◆厚労省役人の無責任さが見事に出ていましたよ。

NHKのドキュメンタリーには、厚労省の担当者の木っ端役人が出てきたけど、てんでお話になりません。

感染症対策は、各地方自治体の仕事で、厚労省は必要なら助言なり助力を行うってさ。ダメだ。こりゃ。


とりあえず、今、WHOのアラート・レベルは3ですけど、人-人感染が増加することが確認されるとフェーズ4になります。

フェーズ4になった時、どうしたらいいのかを含めて、新型インフルエンザに関して、情報を網羅しておられる実に見事な、

鳥インフルエンザ直近情報というサイトをご覧になることをお薦めします。

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2008.01.13

【音楽】お薦めCD、ギターの神様セゴビア、他。楽しいですよ。

◆お薦めCD:初めてですが、ギターによるバッハ集です。セゴビアという、ギタリストの神様がいるんです。

色々なCDを偏りなく、ご紹介したいところですが、なにせ、それが商売じゃないので、どうしても自分の好みに傾きます。

でも、少しは他の領域にもいかないといかん、と思っているんですよ。これでも。

さて、今日お薦めするのは、ギタリストの世界では「神様」と呼ばれている「セゴビア」(1893年2月21日 - 1987年6月3日)という人です。

詳しくは、ウィキペディアに詳しいので、アンドレス・セゴビアをお読み下さい。

日本では、現在、村治佳織という1978年生まれのギタリストが大人気ですね。彼女が日本人にクラシック・ギターの音楽を知らしめた功績は大きいのでしょうが、

セゴビアはそれ以前に、ギターという楽器がクラシックで使えないと思われていた時代に、そうではないことを自らの演奏で証明したのですから、もっと大きな革命ですね。

村治さんの先生の先生(の先生)ぐらいの大先生です。



これ以上、知ったかぶりをするとボロが出るので、早速CDを紹介します。

セゴビアは自分でバッハの無伴奏バイオリンの為のソナタ、パルティータ。無伴奏チェロ組曲などを数多くギター用に編曲して、自分で演奏し、録音を残しています。

半世紀以上も前の録音ですが、結構音質が良いです。ギター奏法上の事は私には分からんけど、バッハの演奏として優れていることは、分かるんです。

CDはHMVのセゴビア第3集:1950年代アメリカ録音集か、

@TOWER.JP - Andres Segovia Vol.3 -ですね。Naxosの同じ商品です。Amazonにも同じようなのがありますが、レーベルが違うのです。

まあ、どれでも良いと思います。要するに演奏ですから。


◆お聴き下さい。

まず、無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ第1番 BWV 1002から第7曲のブーレ、という曲です。3分半ぐらいです。



いいですねえ。

因みにご参考までにヴァイオリン原曲も載せておきます。お馴染み、ジェイムズ・エイネス氏の演奏でございます。



どちらが、良いかと訊かれても困りますね。どちらも良いのですから。



もう一曲だけ。これは、今度は無伴奏チェロ組曲3番 BWV 1009からブーレです。



これ、長調で始まって途中短調に変わって何とももの悲しくなるところがあるじゃないですか。

私は、あの箇所が実にたまらなく切なくて好きなんですが、これはチェロでしか表現できないと思っていたけどそうじゃないですね。セゴビアの音も実に悲しい。



これもご参考までにチェロによる原曲をお聴き下さい。チェロは天下のヨーヨ・マです。



くどいようですが。どちらのほうががよい、と云わなくて良いと思います。バッハがそこにある。ということですね。


◆関係無いのですが、トランペットのおまけ。

どうしても載せたくて仕方がない。

散々ご紹介してきたジャーマン・ブラスで、トランペットを吹き、かつ編曲も担当しているマティアス・ヘフスという人が、ソロアルバムを出したのです。

まず、ジャーマン・ブラスにおける彼の演奏を聴いて下さい。

ソロ、トランペットを吹いているのが彼です。

ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲をバッハがチェンバロ独奏用に編曲したBWV 972(何度載せたか分からない)の第一楽章です。





第三楽章です。



ここで、ピッコロ・トランペットという楽器を見事に吹いているのがマティアス・ヘフス氏です。



その彼の最新アルバム、"Trumpet Acrobatics"から、ラッパ吹きの間では有名な「ヴェニスの謝肉祭変奏曲」って無茶苦茶難しい曲を、

彼(ヘフス氏)がこともなげに吹いているのをお聴き下さい。





今までにも、これを録音した人は色々います。

セルゲイ・ナカリャコフというロシアの人、アメリカ人でジャズもクラシックも吹くウィントン・マルサリスという人、等々です。

ヘフス氏が彼らと違っているのは上手いのはみんな上手いのですが、他の人は「テクニック自慢」が見えちゃうのね。

ところがヘフス氏はもう少し円熟した、大人の演奏なんです。テクニックは曲自体が難しいから否応無しに見えますが、

それ以上に、ヘフス氏はこの「曲芸的音楽」を出来るだけ、音楽的・芸術的に吹こうとしている。そこが素晴らしい。

このアルバムはいずれ、もうすこしまともにご紹介致しましょう。

それでは、今日は、この辺で。

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2008.01.12

「新テロ対策特措法が成立、57年ぶりの衆院再可決」←衆議院を解散するべきだと思います。

◆記事:新テロ対策特措法が成立、57年ぶりの衆院再可決(1月11日22時14分配信 読売新聞)

政府・与党が臨時国会の最重要法案とした新テロ対策特別措置法は11日、参院本会議で否決された後、憲法の規定に基づき、衆院の3分の2以上の多数で再可決、成立した。

政府は15日に同法を公布し、即日施行する。今月下旬に海上自衛隊の補給艦と護衛艦の2隻を出航させ、

2月中旬にインド洋での給油活動を再開する。14年ぶりの「越年国会」となった臨時国会は15日に閉幕し、与野党攻防は、18日召集の通常国会に移る。

参院で否決された法案の再可決は、1951年の「モーターボート競走法」以来、57年ぶり2回目。

新テロ特措法は1年間の時限立法で、昨年11月1日に失効したテロ特措法に代わり、

海自がインド洋で海上阻止活動に従事する米英などの艦船に給油・給水活動を行う根拠法となる。


◆コメント:違法な決議じゃないのですけどね・・・。

57年ぶりとか新聞が書いていますが、新テロ対策特措法成立の手続きは憲法上、違法ではありません。

日本国憲法 第五十九条  

1法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。

4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

今日、衆議院でやったことは、第2項の通りなのです。但し、河野洋平衆議院議長は、参議院から両院協議会を開く要請があったのを拒否しているのです。

これは、良くない。衆議院と参議院の意見が食い違っているのですから、話し合うのが筋です。

衆議院の優越とかいうけど、直近の国政選挙は、昨年7月29日の参議院選挙です。

そこで、与党は大敗している。つまり、国民は与党の政策にNoと言っているのです。その参議院が新テロ特措法を否決した。

両院協議会をやらなきゃダメでしょう。


◆最後の(latestってこと)衆議院選挙は、「郵政民営化の是非だけを問う選挙」(小泉純一郎当時首相)ではなかったですか?

私ははっきりと覚えています。

前回、与党が大勝した衆議院選挙は、2005年9月11日に投開票が行われた、「郵政民営化選挙」でした。

8月8日に参議院で郵政民営化法案が否決されたら、小泉純一郎元首相は、衆議院を解散しました。

選挙期間中、彼が百万遍も繰り返した言葉は、

「これは郵政民営化の是非だけを問う選挙なのだ」

というものでした(私は、そんな選挙があって良いものか、と反論を書きましたが、とにかく与党はそう言ったのです)。

結果は自民党の歴史的大勝利でしたが、首相自ら叫んでいたのですから、これは「郵政民営化」に対する国民の審判であり、

国政全てについて、国民が与党を全面的に支持することを意味しません。



昨年7月29日の参議院選挙で与野党が逆転したおかげで、国民が初めてテロ特措法のことを、少しは真面目に考えるようになりました。

世論調査を見ます。
【毎日】本社世論調査:海自給油活動「中止」が50%(2007年12月17日 22時54分)

毎日新聞は15、16の両日、電話による全国世論調査を実施した。調査には、政府・与党が臨時国会を再延長し、異例の「越年国会」にしてまで成立にこだわる新テロ対策特別措置法案に関する質問も盛り込んだ。

11月1日に期限が切れた海上自衛隊のインド洋での給油活動をめぐっては、「再開すべきだ」が41%だったのに対し、「このまま中止すべきだ」が50%だった。

活動継続に対する賛否を聞いた前回調査では「賛成」48%、「反対」43%で、今回は傾向が逆転した。

また、法案が参院で否決されるか参院が送付から60日以内に議決しない場合、与党が衆院の3分の2の賛成で再可決する方針であることに対しては、

「支持しない」が57%に上り、「支持する」の32%を大きく上回った。

給油活動の再開に反対する他人の方が多いだけではなく、今日行われた衆議院再可決にも反対という人が約6割いることが分かります。次、読売。
【読売】海自給油活動延長に賛成29%、反対39%…読売世論調査(2007年9月10日)

読売新聞社が8、9日の両日実施した全国世論調査(面接方式)で、テロ対策特別措置法によって海上自衛隊のインド洋派遣を延長し、

給油活動を継続することの是非については、「賛成」29%、「反対」39%だった。

「どちらとも言えない」も29%に上り、今後の国会審議などを見極めて判断したいとの考えの人も多いようだ。

支持政党別に見ると、自民支持層は「賛成」が52%、民主支持層は「反対」が59%だった。公明支持層は「賛成」が「反対」を上回った。

昨年9月とちょっと古いけど、毎日の世論調査と合わせて考えれば、時間が経っても給油活動反対の民意に変化が無いことが分かります。最後に、朝日。
【朝日】海自インド洋活動賛成39%、反対44% 朝日新聞世論調査(2007/10/16)

インド洋における自衛隊の活動継続について、朝日新聞が2007年10月16日朝刊で報じた世論調査の結果では、賛成39%、反対44%で反対が賛成を上回った。

テロ対策特別措置法の期限が11月1日に切れるのを前に政府は新法を国会に提出する詰めの作業をしている。

9月13日の調査では、活動継続に賛成35%、反対45%だった。一方、民主党が「反対を貫くべきだ」は22%で

民主党支持者に限っても「与党と協議し一致点を見いだすべきだ」とする人は60%だった。

記事では「政府の対応への不信感はあるものの、それが民主党の対決姿勢を後押しする世論には結びついていない」と分析している。

民主党うんぬんは別として、世論調査の時期は3社別々だが、国民はテロ特措法を延長し、或いは新テロ特措法を制定してまで、

インド洋における海上自衛隊による、外国艦船への給油活動を再開することに、反対していたことは、ほぼ、明らかと云っていいでしょう。

与党・政府がこれらの世論調査の結果を知らないわけがないのに、本日、両院協議会の開催を拒否して、衆議院で新テロ特措法を成立させたことは、

まるっきり民意を無視したものだ、と云われても仕方がないでしょう。法的には合法でも、強行採決の一種です。


◆衆議院を解散して、民意を問うべきです。

前段に書いたとおり、衆議院における連立与党の圧倒的多数議席は「郵政民営化選挙」の際に、国民が下した判断に基づくもので、

だからといって、何でもやって良いとは云っていない。

国民の多くは、外国に燃料を補給するぐらいなら、国内の石油価格を何とかしてよ、とか、

アメリカに対して、サブプライムローン問題を打開するために、米国政府は公的資金の注入をするとか何とかしろ!

と抗議する事を望んでいるのではないでしょうか。

「宙に浮いた年金記録5千万件を1年で照合する」とあれほどはっきり(安倍前首相ですが)約束しておきながら、

舛添厚労相は、「2千万件は照合困難」と早くも仕事を投げだそうとしている。こう言うのを「うそつき」といいます。

ここは、衆議院解散し、総選挙で、国民がどのような評価を下すか。審判を仰ぐべきです。

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2008.01.10

「向精神薬:マジンドールにダイエット効果…用法外PR横行」毎日新聞精神医療取材班の報道の問題点。

◆記事:向精神薬:マジンドールにダイエット効果…用法外PR横行

向精神薬「マジンドール」を巡り、医師法違反容疑で逮捕された風本(かぜもと)真吾容疑者(44)が代表を務める「メディカルサロン」グループと同様に、

「ダイエット効果がある」と宣伝している医療機関が、全国で100カ所以上に上ることが毎日新聞の調べで分かった。

マジンドールの処方は高度肥満症の患者に限定されており、ダイエット目的は国の承認する用法を逸脱する可能性が高い。

副作用がある薬を安易に処方する傾向が全国に広まっていることが明らかになった。

毎日新聞が全国の医療機関のホームページを調べたところ、少なくとも北海道から九州までの108施設が、

ダイエットに効果がある薬としてマジンドールを紹介。美容整形や美容外科、皮膚科が大半で、施設のほとんどが健康保険を使わない自由診療だった。

薬価は1錠212円50銭だが、これらの施設では1錠1000円前後の高値で処方され、中には1錠3150円もする施設もあった。

毎日新聞の取材に対し、東京都内の美容外科の院長は「若い女性が『マジンドールをください』と来れば、やせ気味の人でも出す。

副作用もきちんと説明しているし、治療の選択の自由が制限されるのはおかしい」と話した。

福岡市内のクリニックの事務長も「自由診療ならば適応症でない患者に処方しても問題ないと判断している」と説明した。

風本医師は92年に製造承認された直後から「マジンドールダイエット」として宣伝し、グループの店舗を次々と拡大した。

風本医師の成功で、他の医療機関にも同様のダイエット医療が広がったとみられる。

(引用者注:以下略。全文はこちらに保存しました


◆コメント:毎日新聞精神医療取材班のバカさ加減。

約1ヶ月前、私は毎日新聞の精神医療取材班に、質問のメッセージを送った。

(ココログではこちらです。)

ずっと待っているが、2008年01月10日(木)22時53分現在、毎日新聞から、何の回答も無い。

私の質問の直接的な趣旨は、中枢神経賦活剤リタリンを巡る毎日新聞の報道の恣意性を問い質したものだが、

リンク先から更に背景説明へのリンクがあるから、多少面倒だが、お読みいただけると有難い。

このいい加減な毎日新聞「精神医療取材班」が「リタリン問題」が片づいて、ネタに困っていたのだろう。

食欲抑制剤に関して、「向精神薬」の四文字を見て、徒に不安を煽る報道をしている。全然進歩しない連中である。


◆「向精神薬」の法的根拠

麻薬及び向精神薬取締法で定める「向精神薬」は別表第三に掲げてある。

極めて読みづらいので、上から順に説明すると、

一、別名(以下、「別名」を略す。)フェノバルビタール 抗てんかん薬である。

二、ペントバルビタール。催眠鎮静剤,抗不安剤。但し、バルビツール系の鎮静剤。処方されることはまず、無い。

三、ジアゼパム。ベンゾジアゼピン系の抗不安薬。商品名「セルシン」最も効き目の弱い部類。ごく普通に処方される。

四、オキサゾラム。同上。商品名セレナール。抗不安薬の弱い奴。ごく普通に処方される。

五、クロチアゼパム、同上。ベンゾジアゼピン系といって最もありふれた抗不安薬。商品名リーゼ。弱い。ごく普通に処方される。

六、クロルジアゼポキシド。同上。抗不安薬。商品名コントール。ごく普通に処方される。初歩的な抗不安薬だ。

七、バルビタール。これは、メジャートランキライザー。抗不安薬よりも、強力な鎮静作用がある。抗精神病薬(統合失調症の患者さんの為の薬)だろう。

八、ニトラゼパム。ベンゾジアゼピン系の眠剤(睡眠薬)。商品名ベンザリン。ごく普通に処方される。私にはあまり効かなかった。

九、メチルフェニデート。リタリンですねえ。小児の多動症(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)として最近認可された、コンサータも全く同じ成分。

十、ペンタゾシン。これは、鎮痛消炎剤だ。オピオイド系つまり、アヘン系の鎮痛剤でガン患者などにつかう。精神疾患に対して処方されることはないだろう。

十一 前各号に掲げる物と同種の濫用のおそれがあり、かつ、同種の有害作用がある物であつて、政令で定めるもの。(アルコールの濫用のされ方はすごいねえ。医薬品じゃないから、構わないんだ。ふーん。)

十二、十二 前各号に掲げる物のいずれかを含有する物

ということで、これが、麻薬及び向精神薬取締法が指定する「向精神薬」の全てである。

食欲抑制剤が「向精神薬」であるか否か、これだけでは分からない。

多分、十一に含まれるような政令が出ているのだろう(そうでなければ、麻薬及び向精神薬取締法のいうところの「向精神薬」に含まれる手続きを取っていないことになる)。

と、想像するしかない。



毎日新聞の精神医療取材班は、まず、食欲抑制剤サノレックスが向精神薬である根拠を示すべきだ。

といっても、彼らは分からないだろうから、答えを教えてやると、「添付文書」を見るのだ。

薬品には添付文書というものが必ずある。これが、サノレックスの添付文書(をウェブ上に掲載したもの)だ。

ここで、初めて「向精神薬」と書いてあることが分かる。本当は厚労省の認可書も見なければならない。

新聞は以上の基本的手続きを踏まえた上で、問題の所在を整理して、丁寧に説明するべきだ。



問題があるとすれば、第一に、この添付文書にあるように、「本剤の主要な薬理学的特性はアンフェタミン類と類似し」ていること、だろう。

アンフェタミンてのは、覚醒剤、「シャブ」である。覚醒剤を常用している人間は食欲が無くなり痩せてくる。

だから芸能人やモデルが、痩せることを目的に、覚醒剤を使い、捕まる奴と捕まらない奴がいるのだろう(それはどうでも良い)。



しかし、同時に常識を用いるべきだ。

先日、遷延性・難治性うつ病を適用から外された、メチルフェニデート=リタリンに関しても、

毎日新聞精神医療取材班は濫用が問題だといいながら、普通に使用して問題ない多くの患者の声を全く聞かなかった。

あの薬は五十年間使われていたのである。リタリン飲んだ患者が、皆濫用者になるのならば、日本中リタリン中毒だらけだったはずである。

が実際はアルコール濫用者の方が遙かに多い(2006年リタリン乱用が原因で入院した患者は国立精神・神経センターによれば、15人。

アルコール依存で外来・入院治療を受けた人は1万7千人もいる)。



今回、毎日が騒いでいる「サノレックス」が認可されたのは、1992年。15年以上も使われている。

この薬に致命的な問題があるなら、もっと早く騒ぎになっているはずである。薬だからなんでも危ないという考え方は偏見である。

民放テレビが白インゲンダイエットを紹介して大騒ぎになったのを皆わすれたのだろうか。

このように、食べ物でも、間違えば、身体を壊すことがあるし、一方、薬は、正しく使えば安全なのである。



今回、毎日新聞「精神医療取材班」のバカどもは、全国でサノレックスの使用者が概数でいいから、何人いるのか。

その中で濫用で重大な問題となったケースがあるのか。あるとしたら何例か。パーセンテージでいかほどか。全く報じていない。


◆コンプライアンスの問題と医学上の問題を一緒に書くな。

毎日新聞は、「向精神薬」である食欲抑制剤を、無資格の人間が処方した(販売した)こと、即ちコンプライアンス(法令遵守)の問題と、

この薬剤そのものの問題を何となくごちゃ混ぜにして報道する。それが問題を分かりにくくする。

確かに医者で無いものが薬を処方してはいけない。がそのことと、薬そのものの特性とは別の問題である。

毎日新聞精神医療取材班の記事を読んでいつも感ずるのは、彼らの頭の中には「向精神薬」→「濫用」という図式しかないのではないか、という印象である。



更に書くならば、無資格医が向精神薬を処方したのが問題だ、という点を論ずるなら、

日本で向精神薬として認可されていない食欲抑制剤は、素人が海外から「サプリメント」の一種として取り寄せることが出来る。

ネットショップはいくらでもある。

食欲抑制剤に限らない。抗うつ薬の「プロザック」などは日本では認可されていない。認可されていないから、向精神薬ではない。

従って、輸入しても違法とはならない。これこそ、問題である。

こんなことは何年も前から分かっていることであるが、全然報じない。

毎日新聞精神医療取材班は、一体何を見て、何を考え、何を目的に報道しているのであろうか。

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2008.01.09

党首討論を聞いて。何故「国際貢献」というと「自衛隊派遣」しか出てこないのだ?

◆記事:党首討論:【詳報・新テロ法】小沢代表、憲法解釈ただす 福田首相「参院で結論出して」(毎日新聞 )

記事詳細はこちらをご参照。

(最後の段落を抜粋引用)

福田:テロ特措法でインド洋に行く日本の艦船が、国際社会に対する貢献だと私は思っています。例えば、米軍に対する補給、艦船は港まで油を取りに行くことで2、3日余計に時間を取る状況にある。早く来てくれと言う要請があるとも聞いている。特定の国のためにやっている活動ではない。(米軍の活動によって)不審船というようなものが減っているという現状もある。私どもは意義のある活動だと考えていることを再度申し上げたい。特に今回、民主党が提案された対案、この中身については私も拝見しましたが、大変意欲的だと思っている。そこも含めて議論していきたい。


◆コメント:「日本の国際貢献=とにかく自衛隊を派遣すること」、と考えている人たちは、プロジェクトXの全タイトルを読むが良い。

党首討論で他にも取りあげたいことはあるが、本日は、「国際貢献」に話を絞る。

政治家の中には、日本の国際貢献というと、自衛隊をインド洋での他国艦船への給油活動を再開することしか思いつかない人が多いが、

いつの間にか、一般国民にもその思考に洗脳されている人たちがかなりいるけれど、それは大きな間違いである。

自衛隊=軍隊を動かすという危険な事をしなくても、日本は今まで驚くほど様々な「国際貢献」を行っている。

手っ取り早いのは、プロジェクトX全放送作品リストをよく読んでみることだ。

カンボジア「日本橋」:建設:大林組

ユーロトンネル:総事業費(1兆5千億円)の四分の一は日本の銀行が引き受け、日本の技術者が技術指導に当たった。

クォーツ時計:実用化に成功したのはセイコー。

コンパクトディスク:言わずと知れたCD。ソニーとフィリップスの共同開発

スエズ運河の拡張工事:五洋建設がやった。

ギニアの国土基本図「プロジェクトX」(「地図のない国 執念の測量1500日」)

天然痘根絶は不可能と言われていたのに、実現したのは一人の日本人医師の執念だった。

チェルノブイリ事故の後、甲状腺ガンの患者の多くを救ったのは日本人の町医者だった。

この他にも、私がすぐに思いつくのは、

シンガポールのMRT(Mass Rapid Transportation):明電舎がシステム、川崎重工が車輌製造を担当。

スマトラ沖地震・津波で島国モルディブを救ったのは、日本人が建設した防波堤だった。

インドの地下鉄:「デリー・メトロ」。日本のODA(1600億円)で出来た。カネだけではなく、建設、運航体制の指導は日本人技術者が携わった。麻生太郎が「とてつもない日本」の冒頭にエピソードを書いている。

ウィーン・フィル独特のウィンナー・オーボエを作っているのはヤマハである。ヤマハはウィーン・フィルから、ホルン、トランペットの特注品も受注した(詳細な時期は忘れた)。

世界一のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の三人の第一コンサートマスターの一人は安永徹である。同管弦楽団では、第一バイオリンの町田琴和さん、首席ヴィオラ奏者の清水直子さんが活躍し、美しい音楽で人の心を慰めている。

この他、ヨーロッパのオーケストラで活躍する日本人プレイヤーは大勢いる。

元・旧西ドイツのヘルムート・シュミット首相は音楽に造詣が深いが、NewWeekのインタービューで、

「(ヨーロッパのオーケストラで活躍する日本人音楽家は)日本のどんな、政治家・外交官・財界人よりも、西洋人が日本人に対して抱くイメージを向上することに貢献している」

といった。

昨年、チャイコフスキー国際音楽コンクール楽器製作部門、ヴァイオリン部門で1位、2位に輝いたのは日本人の菊田さんと高橋さんだった

(お二人からは私のこのブログにコメントを頂戴した(「チャイコフスキー国際コン:弦楽器製作で日本人が1、2位」←「良いこと」は大ニュースにならないのかい?/【感激】高橋さんご本人からコメントを頂きました。

チャイコフスキーコンクール・楽器製作部門優勝の菊田さんからもコメントを頂きました)。

大変光栄に思っている。

なお、チャイコフスキーコンクールではヴァイオリン演奏部門で神尾真由子さんが1位に輝いたことも記さねばなるまい。


◆日本人の優れた仕事が既に国際貢献なのだ。

なにも、「プロジェクトX」に取りあげられるようなことや、ODAだけではない。

日本人が作った、高性能で耐久性の高い工業製品や発明等々がどれほど世界を便利にしているか。挙げだしたらキリが無い。

私は4年間ロンドンに駐在していたのでそれを肌で感じた。

例えば、驚くほど多くの日本車が走っている。それも日本なら今では誰も載らないような、大昔のトヨタカローラとか、

日産サニー、ホンダ・アコードを見かけることも全然珍しくない。何故、そんな古いのに乗っているのかと訊くと「壊れないから」だそうだ。

カネが無い訳ではない。英国人は新しい商品が出たらすぐに買い替えるという行動様式を取らないのである。

「日本の車は本当に丈夫だ。どんなに乗っても故障しない」、と、ある運転士は答えた。

車ばかりではない。世界中の若者が欲しがったウォークマンを作ったのは、日本人だ。

英国内(主としてイングランドだが)をあちこちドライブしたが、どんな辺鄙なところにいっても「写ルンです」を売っていた(デジカメ普及前の話だが)。

ザルツブルクのモーツァルトの生家へ行ったことがある。一階に小さいお土産売り場がある。そこには東芝のエアコンが取り付けられていた。

もしも、日本人がいなかったら世界はどんなに不便なままであることか。

日本人とて商売でやったことだが、歴とした国際貢献になっていることを認識すべきだ。

だから、政治家の甘言に弄されてはいけない。戦闘中の同盟国に対する後方支援は集団的自衛権の行使であり、違憲なのだ。

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2008.01.08

「業過致死傷で懲役7年6月=元市職員の危険運転認めず-福岡地裁」←川口裁判長の馬鹿野郎/ヘフス「ホラ・スタッカート」

◆記事:業過致死傷で懲役7年6月=元市職員の危険運転認めず-3児死亡事故・福岡地裁(1月8日11時0分配信 時事通信)

 福岡市で2006年8月、飲酒運転で車に追突して海に転落させ、幼児3人を死亡、両親にけがをさせたとして、

危険運転致死傷と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた元市職員今林大被告(23)の判決公判が8日、福岡地裁で開かれた。

川口宰護裁判長は、業務上過失致死傷と道交法違反(酒気帯び運転、ひき逃げ)の罪を認定し、懲役7年6月(求刑懲役25年)を言い渡した。

危険運転致死傷罪は成立しないとした。

川口裁判長は「被告は事故を起こすべくして起こした。ひき逃げの悪質性もかんがみると、厳しい非難は免れない」と述べた。

併合罪の量刑の上限は懲役25年から同7年6月へ大幅に下がったが、判決はその上限を選択した。

公判では、危険運転致死傷罪が成立する事実として、被告は泥酔して正常な運転が困難な状態だったかが争われた。

川口裁判長は当時の状況について、被告が酒に酔った状態だったとしながら、

警察官による事故時のアルコール測定で酒気帯びとした事実を踏まえ、高度な酩酊(めいてい)状態だったか疑問と指摘。

追突事故まで居眠りや蛇行運転した形跡がなく、湾曲した道や狭い道でも接触事故を起こさなかったと認定した。

その上で、追突直前に衝突回避措置を取った点を挙げ、現実の道路や交通の状況に応じた運転操作をしていたとして、

「正常な運転が困難な状態にはなかったことを強く推認させる事情」と断じ、危険運転致死傷罪の成立を否定した。


◆コメント:川口(裁判長)の馬鹿野郎。まず、事故の概要

この事故で「危険運転致死傷罪」が適用されないなら、何のために、この罪があるのか。

事故は2006年8月25日22時50分、福岡市東区の海の中道大橋で、福岡市内在住の会社員の乗用車が、

飲酒運転をしていた福岡市職員の青年が運転していた乗用車に追突され、乗用車は海中に転落して、

車中の4歳(当時。以下同様)、3歳、1歳の子供が溺死したという、悲惨な事件である。


◆運転していた当時22歳の男はビールと焼酎とブランデーを飲んでいた。

裁判官は事故後の警察官が被告人に行った測定では、血中アルコール濃度が「酒気帯び」相当だったことに触れているが、

同じ血中濃度であろうが、神経系に与える影響には個体差がある。

本公判の今林被告人は、当日、自宅や飲食店2店で

▽ビール350ミリリットル

▽焼酎540ミリリットル

▽ブランデー水割り数杯を飲酒。

これだけ飲んでいたからこそ、被害者の車に時速80キロという非常識なスピードで突っ込んだのだろう。

裁判官。常識で考えろ。

「高度な酩酊(めいてい)状態だったか疑問」って、アホか?


◆説明の順番が逆になったが、「危険運転致死傷罪」の構成要件

これが刑法208条の2、危険運転致死傷罪の条文である。

第二百八条の二  アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。

要するに「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ」ることが構成要件の一部を為す。

本日、川口裁判長が、危険運転致死傷罪を適用しなかったのは「酒気帯び」程度の酩酊状態では、「正常な運転が困難」にならない、と判断したからだそうだ。

へえ。そうですか。酒気帯び程度なら正常な運転が出来るのですね?

だったら、これは、警察の問題だが、検問で酒気帯びを取り締まるのは止めたらどうかね。

酒気帯び程度でも、正常な運転が困難になり十分危険だから、酔っぱらい運転の検問をやるのだろう。

司法の態度として矛盾している。すこしでも酒を飲み、結果、本件の様な重大事故を起こした小林被告人の様な奴は、

全員無期懲役にするべきだ。酒飲みというのはだらしがない。どうせ、また同じ事をやる。

これでは、死んだ3人の幼子が浮かばれない。


【追加】マティアス・ヘフス(ジャーマン・ブラスのトランペット奏者)による、ホラ・スタッカート。上手い。上手すぎる。

昨日の記事の冒頭で少し書きましたが、ジャーマン・ブラスでいつもトランペットの妙技を披露してくれているマティアス・ヘフスのソロ・アルバムがあります。

もともと、ハイフェッツの十八番(おはこ)、「ホラ・スタッカート」という曲を吹いていますが、あまりにも上手い。

皆様にもお聴き頂きたい。



これは、呆気にとられるほどの上手さです。いいねえ。たまらんね。

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2008.01.07

久々に音楽の話だけ、させて下さい。バッハ無伴奏ヴァイオリンのパルティータ3番より「ガヴォット」を色々な楽器で。

◆たまには良いことがあるものです。

「良いこと」と言っても大した話じゃありません。このサイトでもたびたび紹介したジャーマン・ブラスで、編曲も手がけるし、実に見事な

トランペットの腕前と音楽性を披露してくれる、マティアス・ヘフスというトランペット奏者の最新ソロアルバム、Trumpet Acrobatics

リリースしたことは分かっていたのですが、入手経路が分からない。今までは試行錯誤で、カナダ経由とか、色んな事をして何とか買えたのですが、

今回は分からずに困っていたのですが、あるツテを辿って買うことが出来ました。嬉しくてしょうがない。

すいません。冒頭から極めて個人的かつマニアックな話で。

しかし、並の上手さじゃないんです。この人。いずれ、お聴かせします。


◆バッハ:無伴奏ヴァイオリンのパルティータ3番 BWV1006より「ガヴォット」を色々な楽器で。

バッハの無伴奏バイオリンの為の曲は3つのソナタと3つのパルティータ(舞曲集ですな)があるのです。

ソナタ、パルティータともに、1番、2番は短調なんです。美しいですがちょっと深刻ってのかね。眉間にしわが寄る感じ、とでもいいましょうか

それも、私は好きなんですけど、3番はソナタもパルティータも長調なのです。

それでですね。このBWV 1006、パルティータ3番のガヴォットというのが、全ての中で一番「気軽に」聴ける部類に属します(少なくとも私はそう思います)。

今日は(今日中に聴いて頂かなくても勿論構いませんが)、それをオリジナルのヴァイオリンで聴いて頂いたあと、

ピアノ、リュート(ごく大雑把にいうと、ギターの前身みたいな楽器です)、マリンバ(木琴の一種です)、ハーモニカで聴いて頂きます。


まずは、ヴァイオリンによる原曲通りの演奏です。カナダのジェイムズ・エイネスというヴァイオリニストです。



リズミカルな楽しさと落ちいた気分が一つの曲に同居しています。美しい演奏です。



次にこれをリュートという古楽器で演奏してみます。バッハ自身が編曲したものです



非常に心が慰められます、やや寂しげな感じにも聞こえます(それが悪いというのではありません)。



次は、ラフマニノフがピアノ用に編曲したものを聴いて頂きます。



バッハの原曲を壊さないようにしながら、いかにもラフマニノフっぽい、ピアニストにテクニックを要求する編曲となっています。非常に彼らしいです。



次は、打楽器であるマリンバによる演奏です。木琴だといってバカにしてはいけません、とても音楽的です。



バイオリンやピアノの人とは対照的です。可能な限り軽やかに弾こうとしている演奏者の意図がくみ取れます。優しいバッハですね。



最後はハーモニカです。これこそバカにされがちでしょうが、演奏者の音楽性をよく聴いて下さい。



ただ、吹いているのではありませんね。重音の部分とメロディックな部分をはっきり違って聞こえるように吹いています。

どの音を音符一杯に伸ばし、どの音を短めに軽やかに吹くか(アーティキュレーションといいます)、どこでブレスをとるか(フレージング)、

十分に研究してから演奏しています。



それぞれ、楽器が違うから音色や、響きが異なるのは当然ですが、一人ずつ楽器の差を超えて、バッハの「解釈」が違うところが興味深いです。


◆番外編:パルティータ2番のジーグを、オリジナルのヴァイオリンと○○○○○○で。

同じくバッハの無伴奏バイオリンの為のパルティータの二番の「ジーグ」という曲ですが、これは私が大好きなので過去何度も載せました。

まず、原曲をどうぞ。



何度聴いても美しいと思います。

で、これは、これで完結すればいいのですが、あまりにも意外な楽器でこれを弾いていたので載せます。元々はジプシーの民族楽器、ツィンバロンです

これがツィンバロンです。ダウンロード Cimbalom.jpg (39.7K)

打弦楽器っていうのでしょうね。バチで直接弦を叩くのです。良く分かりませんが、奏者に近い方が音程が低く、遠くなるほど音が高くなる(それは、ハープも同様ですけど)。



デタラメを弾いていたら載せないのですが、この人は音が綺麗だし、真面目にバッハを勉強した形跡が認められるのと、とにかくこんなのは初めてなので、

皆様にもお聴き頂こうかと思った次第です。

今日は、好きなことだけを書けて幸福でした。お付き合い頂き、ありがとうございました。

それでは。また。

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「公文書管理を法制化へ、誤廃棄・紛失を防止」←そんなこと、今頃やってるの?

◆記事:公文書管理を法制化へ、誤廃棄・紛失を防止(1月6日10時52分配信 読売新聞)

政府は、各省庁が必要な公文書を誤って廃棄・紛失する事態を防ぐため、

文書の作成から保存まで一貫した手続きを定める「文書管理法」を新たに制定する方針を固めた。

早ければ今月召集の通常国会に法案を提出する考えだ。

海上自衛隊がインド洋での給油活動をめぐる航泊日誌(航海日誌)を保存期限前に破棄したり、

厚生労働省が薬害肝炎の症例リストを倉庫に放置したりと、重要文書のずさんな管理が問題となった。

このため、福田首相が公文書の管理体制の見直しを指示した。

2001年の政府の重要公文書の保存に関する申し合わせでは、日常業務に使用する公文書は各省庁でそれぞれ保管し、

一定の保存期限後(最長30年)、資料的価値の高いものが国立公文書館(東京・北の丸公園)に移される仕組みとなっている。

ただ、各省庁の保管状況は、省庁ごとの規則に基づいているため、ばらつきがあるのが実態だ。


◆コメント:ヤクニンなんて暢気でいいねえ。

中央官庁は「自分たちが日本を運営している」というエリート意識はやたらと強いがその割に、事務の基本がなっていない。

それは、以前からの出来事を見れば歴然としている。私の日記で取りあげた不祥事をちょっと見ただけでも次の通りである。

一昨年、海上自衛隊の超機密情報が、ウィニーを通じて流出した事件があり、私も書いた(ココログではこちらから)

2004年、金融庁が金融機関が持ち込んだフロッピーディスクを紛失(それも、半年の間に2回も)した。


東京国税局は2005年、納税者情報47万人分保存のPCを2台盗まれた

如何にだらしがないか、良く分かる。記事によれば、「(文書の)保管状況は各省庁ごとの規則に基づいている」そうだが、

過去の醜態を見る限り、そんな規則があるのかどうか、それ自体疑いたくなるし、仮に実際に存在していたとしても、

その規則が適切に運用されていないことは、上の例のみならず、なによりも、社会保険庁の、気が遠くなるほど杜撰な年金台帳管理を知れば、

十分だろう。


◆民間には、「情報・文書管理規則」があり、毎年改訂され、各部署にコンプライアンス(法令遵守)オフィサーがいるのである。

民間企業が全て、役所よりも優秀だとは言わない。

実際、毎日のように、個人情報が洩れたというニュースがある。

しかし、ある程度以上の企業(はっきり書けば、一流企業)になれば(それでも情報漏れを起こす会社もあるが)、情報文書・管理規定を作る

専門家がいて、IT技術の進展に応じて毎年改訂している。

そして、特にお客さんの生の情報や、会社経営の中枢に関わる情報に関しては、それが外部に流出されないような様々な工夫が為されている。

役所と違うところは、「規定=ルール」を作って「ハイ、情報漏洩対策を施しました」で済まさないところである。

「情報・文書管理規則」が出来ても、それが実際に、組織の各部署で正しく運用されていなければ(守られていなければ)全然意味がない。

だから、一流の組織には、各部署にコンプライアンス・オフィサーという専門職がいて、規則が正しく守られているかどうかを監視しているのである。

たとえば、私の属する組織では、ノートパソコンのUSBポートが使用できない。社内情報をUSBメモリーで持ち出すことは出来ない。

また、CD、DVDの類の読み取り(書き込み)装置に媒体を入れると、感知される。仕事上どうしても外部記憶装置に情報をコピーする必要があるときは、

コンプライアンス・オフィサーと、その部署の最高責任者の承認が必要となり、何月何日、誰が、どのような情報をコピーしたかを台帳で管理し、

返却されるまでウォッチされるのである。

インターネットでも外部宛に発信するメールは全て検閲され、メールの私用などもってのほか。

ウェブサイトの閲覧に関しても、書き込みができるようなサイト(ブログもその一つだ)には、アクセス制限がかけられている。

勿論2ちゃんねるその他掲示板は問題外。

念のため記すが、これらはまだ「序の口」だ。

随分、窮屈な、と思われるかも知れないが、本気で気合いを入れて情報を守るには、それぐらいのことは当然である。

どうですか。各省庁からこの日記・ブログにアクセスしている方、大勢いらっしゃいますが、少しは参考になりましたか?

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2008.01.06

「<お年玉>使い方教えてる? 子どもへ金融教育、わずか3割」←そんなもの必要ない。もう「村上ファンド」を忘れたのか。

◆記事:<お年玉>使い方教えてる? 子どもへ金融教育、わずか3割 (1月1日21時10分配信 毎日新聞)

正月を迎えた子どもの大きな楽しみは「お年玉」。“大金”を手にする子どもも多いが、子どもに対し金融教育を実施しているサラリーマン家庭は約3割に過ぎないことが、

クレジットカードなどを手がけるGEコンシューマー・ファイナンス(東京)のアンケート結果から分かった。

同社が男性サラリーマン約500人に聞いたところ、経済の仕組みやお金の大切さなどについて教える金融教育について、

83.5%が「必要」と回答。しかし、「実践している」のは31.8%だった。

実践している家庭の年収別では「1500万円以上」が50%と最も高く、「300万円未満」の42.9%が続いた。

高収入と低収入の層で、資金管理の大切さなどが話題になることが多いようだ。

京都中央信用金庫が、乳児から大学生(計1163人)を対象に調査した07年のお年玉の平均金額は3万7917円。

お金にまつわる知識を広める金融広報中央委員会は「お年玉をきっかけに、金融教育を家庭でも行ってほしい」としている。


◆コメント:「金融教育」など子供に必要はない。

子供に「金融教育」を行うとは、株式・債権・商品や、様々な金融商品を利用して、如何にカネを増やすかを教える、ということだ。

バカか。

子どもの頃からそういう教育を受けた人間が昨年、捕まったばかりじゃないか。村上ファンドの村上世彰(よしあき)である。

2007年7月19日の東京地裁の判決は、証券取引法違反により、懲役2年、罰金300万円、追徴金11億4900万円の実刑判決を下し、世間を驚かせた。

証取法違反(インサイダー取引)取引の実刑判決なんて、聴いたことがない。村上被告人は直ちに控訴したが、

これは、最高裁まで争っても多分無駄だろう。


村上は、小学生の時分、華僑の父親から、小遣いを廃止する替わりに、といって現金100万円を渡され、

株の売買で小遣いを稼いでいたそうだ。正に子どもの頃から金融教育を施された人間だ。

かれは、人の会社を買ったり売ったりすることばかりを覚え、自らは何の付加価値も生み出さず、

自分さえ、カネが儲かれば良い、と考える人間になったのである。

子供は「金融」の実務など知らなくていいのだ。


◆知識としての経済学のイロハぐらいは、教えても良かろう

例えば、何故、お金があるのか。

最も基本的な「交換手段としての通貨」を教えるのはさほど難しくない。

お金が無かったら、何でも物々交換になる。

例えば、貴方が野菜を作っているとする。自分の作った野菜を売って、魚を買いたいと市場へ行く。

目的を果たすためには、魚を売って、野菜を買いたい人を捜して歩かなければならない。

運良く、そういう人と出会ったとしても、量が一致するとは限らない。



ところが、皆が一旦、自分の売りたい商品をお金に換えておくことにする。

これなら、何でも好きなものを、予算の許す限り好きなだけ買うことが出来る。

これが、「交換手段としての通貨」の機能である。

通貨の機能は他にもあるが、こういうことを教えるのは経済学のイロハのイであり、

金儲けの方法を教えるのではない。学問である。

子供に教えるのなら、こういう事を教えるのだ。

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2008.01.05

「東京駅」周辺再開発、コンサートホール作ってくれないかな。駅コンが懐かしい/モーツァルト ホルン協奏曲 ペーターダム

◆記事:JR東京駅周辺:グラントウキョウタワー完成 再開発さらに拡大、日比谷や有楽町へ(2007.11.03 毎日新聞)

◇東京駅周辺、一区切り

 東京駅八重洲口で、JR東日本と三井不動産、鹿島などが手がけた高さ205メートルの高層ビル2棟「グラントウキョウノースタワー(43階建て)」と

「同サウスタワー(42階建て)」のツインタワーが2日、完成した。三菱地所による丸の内再開発も大半が完成し、東京駅周辺は生まれ変わった。

景気拡大に伴うオフィス需要は衰えておらず、三井は日比谷と日本橋、三菱は大手町と有楽町へと再開発の舞台を移す。

ノースタワーは百貨店の大丸、サウスタワーは飲食店が並ぶ商業施設「グランアージュ」が6日開業。大和証券グループ本社や、

住友信託銀行、リクルートなども入居する。3月に開業した駅北側の「サピアタワー」や、駅の地下で八重洲と丸の内を結ぶ商業施設「グランスタ」と併せ、

JR東日本を軸にした「東京ステーションシティ」の第1期工事が完了。

今後は2期工事の南北タワーを結ぶデッキビル建設のほか、丸の内の駅舎復元なども進める。

三井不動産は今後、日本橋と日比谷の開発に力を入れる。日本橋で09年1月から三井第三別館跡地再開発、

日比谷で三信ビル、日比谷三井ビルや、近接する帝国ホテルの一体開発を目指す。

一方、三菱地所は02年8月の丸の内ビルの完成から、今年4月の新丸の内ビル、同9月のザ・ペニンシュラ東京ホテルのオープンまで足かけ約10年、高層ビル建設を進め、

開発の第1ステージが完了した。

来年からの10年間を第2ステージに位置づけ、「東京駅中心から、有楽町、大手町」まで開発対象を広げる。

09年完成予定の丸の内パークビルなど7~8棟の再開発ビルを計画する。


◆コメント;「ホテル」や「商業施設」(レストラン・ショッピング街)もいいけどさ。地下でも高い所でもいいから、音楽を聴けるようにしてくれないかな。

今日の話は地方在住の方には叱られるかも知れないが、それも分かって書いていることをご承知おき頂きたい。

全く、三井にしても、三菱にしても財閥時代からの大企業なのに、キョーヨー(教養)がなさ過ぎる。

「金儲け」しか、考えないのか?

東京都心にフル・オーケスラを聴けるシンフォニー・ホールがあってはいけないのか。

誰一人として、そういう「発想」すら浮かばないのか。


◆10年以上コンサートに行っていない。どこもかしこも行きにくいんだよ。

私は1993年から1997年までロンドンに駐在し、1997年帰国後、殆ど、大手町にいるが、コンサートに一度も行っていない。

帰国後、うつ病になって自殺未遂をして、入院して、退院して、しばらくそれどころじゃなかったという事情もあるが、比較的元気になった最近も

コンサートには行けない。

勤務時間の関係もあるが、それは病気を理由に早めに帰ることも出来る。

問題はコンサート会場だ。口幅ったい言い方を敢えてするが、日本経済の中枢を支えている我々が、音楽を聴きたくないとでも思っているのか。

どうして、東京の主だったコンサート会場(ここでは、フル・オーケストラが演奏会を開けるホールという意味で使う)は、どこもかしこも行きにくいのだ?

サントリーホール(六本木)、オーチャード・ホール(渋谷)、東京芸術劇場(池袋)、NHKホール(渋谷と原宿の中間)、墨田何とかホール(問題外)、

オペラシティ(渋谷区初台)。

よくもまあ、我々の帰り道から外れた、勤め先から気軽に寄れない場所にばかり作って下さいました。と嫌味を言いたくなる。


◆昔、東京駅丸の内北口のドームの下に仮説ステージを作り、「駅コン」(駅のコンサート)が毎週火曜日に行われていた。

インターネットで調べたら、昔の記録しか載っていないが、最初は1987(昭和62年)である。

丸の内北口のドーム、ダウンロード TokyoStation.jpg (109.8K)の赤丸で囲った所。

ここで毎週火曜日の夕方、春先と秋から冬にかけて毎週色々な音楽家が登場して本格的なクラシックの演奏をして、無料で聴けたのである。

私は無料である必要はないと思っていた。我々は、音楽に飢えていた。多少の金銭を支払うのは、プロの演奏を聴くのなら当然だ。

あるときなぞ、イヴリー・ギトリスという高名なヴァイオリニストのリサイタルさえ、開かれた。

無論周囲は通行人が通る。コンサートホールに比べたら、音楽をするにはひどい環境だが、ギトリス氏は快く引き受けて下さったそうだ。

年末には、プロによって第九全曲(ではなかったかもしれないが)が演奏された。

私は、その日は聴けなかったが、年末でお客さんに挨拶回りをしている最中、「駅コン」会場で「第九」のゲネプロ(本番前の練習)をしているところだった。

まさに第四楽章。歓喜の主題が、チェロ・コントラバスからビオラに引き継がれ、バイオリンに移り、クレッシェンドして、トランペットを加えたテュッティ(総奏)となった。

何十回も聴いた音楽なのに、立ち止まって聞き惚れた。音楽が私の全身を貫いた。

まだ、仕事がある。バリトンソロが始まる前にその場を後にした。しばらく歩いて、自分の身体の変化に愕然とした。

先ほどまで、「面倒臭えなあ」(仕事が)と、重い足を引きずっていたのに、何と云うことであろう。「第九」のほんの一部を聴いただけで、

うそのように足取りが軽くなっていたのである!

やはり、音楽には人を元気にする力、勇気を与えてくれる力が確かに存在するのである。

だからさ、金儲けもいいけどさ。丸の内にコンサートホールがあっても、いいんじゃないの?という話でした。


◆【音楽】モーツァルト ホルン協奏曲:ペーター・ダムというシュターツカペレ・ドレスデンの首席を長年勤めた名手です。

はい。今まで、ホルンの神様、デニス・ブレインの演奏を何度か載せ、CDも紹介しましたが、

いかんせん、半世紀も前の録音でした(それは、デニスブレインの演奏の価値に何の影響もないですけどね)。

ただ、この曲は美しいのでもう少しいい録音で聴いていただきたかったのです。

デニスブレインとは、全くスタイルの違った、ドイツのホルン奏者で、ペーター・ダムという人がいます。



昨秋、森麻季さんが「ゾフィー」を演じた、R・シュトラウスの「ばらの騎士」。あれは、ドレスデン国立歌劇場の引っ越し公演ですが、

あのオペラハウスのオーケストラ。世界に冠たる、シュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)で長年、首席ホルン奏者を務めた人です。

お聴きになると分かるけど、細かい音の動きなどは、デニスブレインより不器用なのですが、音の美しさ。です。

ウィーン・フィルあたりじゃ絶対にやりませんが、ペーター・ダム氏はホルンにビブラートをかけるのです。

日本では管楽器の人は、妙にビブラートに嫌悪感を示す人が多いけれど、大切なのは音が美しいことであって、

そのために適切である、と奏者が判断したら、ホルンでも、トロンボーンでも、テューバでも、トランペットでも、ビブラートをかければいい、

と私は考えています。丁寧に、心を込めて旋律を歌うということの大切さが、このホルンの演奏から、良く分かります。

では、モーツァルトのホルン協奏曲第1番 ニ長調、K.412から第一楽章と第二楽章をどうぞ(全部で二つの楽章しかないのです)。



第一楽章です。





第二楽章です。





これは、ちょうど20年前の録音で、これなんですがAmazonでは今日は品切れですね・・・。

ただ、中古(マーケットプレイス)に出たのを見たことがあります。

因みにペーター・ダム氏による、モーツァルトホルン協奏曲全集は、他にシュターツカペレ・ドレスデン伴奏の74年録音版がありまして、

こっちの方が良いという人がいるのです。しかし、私は聴いたことがないので、責任を持って薦められません。余裕のある方、ホルン好きの方は、

聴き比べてみるのも面白いでしょうが、私がご紹介したのも十分美しい、ともう一度推しておきます。それでは。

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2008.01.03

「交通事故死者5743人=昨年、54年ぶり6千人下回る-警察庁」←手柄ばかりを強調したがる「お上」とおだてるマスコミ

◆交通事故死者5743人=昨年、54年ぶり6千人下回る-警察庁 (1月2日11時31分配信 時事通信)

昨年1年間の交通事故死者は、前年比609人(9.6%)減の5743人となり、1953年(5544人)以来、

54年ぶりに6000人を下回ったことが2日、警察庁のまとめで分かった。

過去最悪だった70年の約3分の1で、7年連続の減少。交通事故件数と負傷者も3年連続で減少した。

同庁の吉村博人長官は「全国警察が国民や関係機関と対策に取り組んだ結果だが、

いまだに年間6000人近くの方々が亡くなっている現状を重く受け止め、総合的な対策を進める」とコメントした。

年間死者数は、70年に最悪の1万6765人を記録。その後、減少したが、

88年に再び1万人を突破し、最近では2001年以降、減少が続いている。



◆コメント:交通事故死とは何か。

警察の発表は、「自分たちの『厳しい』取り締まりその他の交通事故対策により、犠牲者が減った」、

という、自らの「手柄」を強調したいのであろうが、交通事故死とは、

「事故発生から24時間以内に死亡が確認された場合」

のみを指すのであり、一週間、昏睡状態が続いた後、亡くなったかたは、「交通事故死」にカウントされない。

つまり、救命救急医療の進歩により、延命措置を施された結果、事故後24時間を超えて生きていた犠牲者が大勢いることは、

容易に想像されるので、1970年と同じ基準で論ずること自体、適切なのか疑問である。

◆相対的な問題であろう。

前段で述べた、統計上の問題を勘案しても、なお、確かに1970年代よりは「交通事故死」者数は減っているだろうが、

マスコミは警察の「得意気な」発表をそのまま伝えるのみで、批判的視点が全くないのは、どうかと思う。

「交通事故死」者数が54年ぶりに6,000人を下回ったという。

5,743人である。
これが少ないとは、思えない。一日あたりに平均すれば、15.7人が亡くなっているのである。

また、不謹慎な比較かも知れないが、総数、5,743人は、1985年8月12日日航123便墜落事故の犠牲者数、520名の11倍である。

つまり、昨年1年間の交通事故死者数は、日航123便が11回墜落したも同然である。これで、何年ぶりか知らないが、

6,000人を下回ったと、「誇らしげに」発表するほどの統計ではない。

◆自殺者数はどうして5月下旬か6月上旬にならないと発表しないのか。

毎年「昨年の交通事故死者数」は年明け早々に発表されるが、一方、前年の自殺者数が発表されるのは5月下旬か6月上旬である。

警察庁のサイトの平成18年中における自殺の概要資料は、昨年6月7日付の発表であり、

平成18年中における自殺者の総数は32,155人で前年に比べ、397人(1.2%)減少した

との記述がある。その前年分は、平成18年6月5日に発表された平成17年中における自殺の概要資料であるが、

ここには、
平成1 7 年中における自殺者の総数は32,552人で、前年に比べ227人(0.7%) 増加した。

と載っている。

昨年までで自殺者数は9年連続して3万人を超えており、こんな国は先進国中日本だけである

政府が形ばかりの自殺対策の諮問会議を昨年発足させたが、一体、今まで何をしていたのか、と思う。

こういう、政府にとって「都合が悪いこと」は陽気が良くなって、人々が陰気臭いことに注意を払わない6月に発表する。

前年(前年度ではない)の自殺者数を集計するのに5ヶ月も必要とするわけはない。

明らかな政治的意図を感じる。

そういうことを含め批判するのは、本来私ではなくマスコミの役割である。

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2008.01.02

「昨年の米兵死者、過去最悪の899人=イラク」日本政府は公式に「イラク戦争支持を取り消す」べきである。

◆記事1:昨年の米兵死者、過去最悪の899人=イラク(1月2日9時0分配信 時事通信)

【ワシントン1日時事】米CNNテレビは1日までに、昨年1年間のイラクでの米兵死者数が少なくとも計899人に上ったと報じた。

過去最多だった2004年の年間死者数を50人上回り、イラク戦争開戦以来、最悪の年になった。

イラクでは爆弾テロやヘリコプターの墜落などで、昨年4~6月は3カ月連続で死者数が100人を超えた。

しかし、6月中旬に3万人規模の増派作戦が本格化して以降、死者数は大幅に減少。12月の死者は少なくとも21人で、04年2月の20人に次ぐ最低水準になった。


◆記事2:イラク駐留米兵の年間死者853人に、開戦以来最悪 (2007年11月7日10時50分 読売新聞)

【ワシントン=宮崎健雄】ロイター通信によると、イラク駐留米軍は5日、路上爆弾などの攻撃を受け、米兵7人が死亡した。

同通信の集計では、今年の米兵死者数は計853人となり、年間死者数としては、2003年のイラク戦争開始以来、最悪となった。

これまで米兵死者が最も多かったのは04年で、849人だったが、今年は年末まで2か月弱を残して、その数を上回ったことになる。

開戦以来の総死者数は3856人となった。

ブルッキングス研究所の統計などによると、今年4~6月は自爆テロが多発し、初めて3か月連続で100人を超す死者を出した。

しかし、ブッシュ政権の3万人増派が効果を上げ始めたことから、7月以降は自爆テロが半減。

死者数も減少に転じて10月は38人になるなど、今年下半期は減少傾向が続いている。


◆記事3:戦没米兵は「犬死にさせぬ」=イラク戦の意義強調-ブッシュ大統領 (時事通信)(2007/11/12-09:57 )

【ワシントン11日時事】ブッシュ米大統領は11日、ベテランズデー(退役軍人の日)に合わせてテキサス州の退役軍人会が主催したイラク戦没米兵の追悼集会に参加し、


「最高司令官として約束する。彼らの犠牲を犬死にはさせない」と述べ、イラク戦争の意義を訴えた。

大統領は、戦没米兵は「(自由という)善であり、崇高な大義に尽くした」と強調。

「最愛の同志たちが倒れた時、彼らが引き受けた責務、戦い抜く決意、任務を完遂する決意を多くの人々は思い起こすだろう」と語り、

治安が安定するまで撤退しない決意を改めて表明した。


◆記事4:前FRB議長:イラク戦争「石油が目的」と政権批判 (2007年9月18日 共同通信)

国際金融市場に絶大な影響力を振るったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が17日発売の回顧録で

「イラク戦争は主に石油が目的」と指摘、財政面でも「制御不能な歳出」を放任したなどとしてブッシュ政権を痛烈に批判した。

18年半にわたってFRB議長に君臨、81歳の今も発言が注目される自称「リバタリアン(自由至上主義)共和党員」の前議長の回想だけに、米政財界に波紋を広げている。


◆資料:2003年3月20日付「小泉内閣メールマガジン」、[らいおんはーと ~ 小泉総理のメッセージ]「イラク問題に対する日本政府の方針」より冒頭部抜粋

● イラク問題に対する日本政府の方針



 小泉純一郎です。



 先週に続いて、イラク問題についての政府の立場をご説明して、皆さんの

ご理解とご協力を得たいと思います。



 18日、ブッシュ大統領はテレビで演説し、48時間以内にフセイン政権

が自ら平和の道を選ばなければ武力行使に訴えざるを得ないと通告しました。



 私は、18日の午後、官邸で会見して、ブッシュ大統領の苦渋に満ちた決

断を支持することを皆さんに明らかにしました。



 日本は、今まで国際協調の下に平和的解決を目指して日本独自の外交努力

を続けてまいりました。ブッシュ大統領に対しては、直接あるいは電話で、

国際協調を得られるようにすることが大事だと重ねて強調してきました。



 ブッシュ大統領は今まで国際協調に向けて懸命の努力を続けてきたと思い

ます。ほかの国々もそうです。しかし、結局、今回国連安保理が一致結束し

て対応できなかったことは大変残念です。



 戦争か平和かと問われればだれでも平和と答えるでしょう。私もそうです。

しかし、問題は、大量破壊兵器を保有するイラクの脅威に私たちがどう対峙

するかです。イラクは12年間、国連の決議を無視し、大量破壊兵器の破棄

をしてこなかったのです。



 武力行使が始まると、犠牲者なしではすまされません。しかし、大量破壊

兵器、あるいは毒ガスなどの化学兵器、炭疽菌などの生物兵器が独裁者やテ

ロリストによって使われたら、何万人あるいは何十万人という生命が脅かさ

れます。フセイン政権がこれらの兵器を廃棄する意思がないことが明らかに

なった以上、これを放置するわけにはいきません。このアメリカの決断を支

持する以外に解決の途はないと思います。これが、支持の理由です。(引用者注:以下、略)

◆コメント:イラク戦争が国際法上、違法行為であることに全く変化は無い。

ブッシュ大統領は、イラク戦争を始めた張本人であるから、何とかそれを正当化しようとすることは、古今政治家という種族の行動様式を見れば不思議は無い。

先日も引用したが、前FRB議長が、

「実は、イラク戦争は石油目的で開始された」

ことを暴露した。それは、誰もが知っていながら、各国中枢部の人間は口にしなかったので、グリーンスパン証言の意味は大きい。

ブッシュ大統領の「私欲」の為に始めた戦争で命を落とした米兵は明らかに「犬死」である。いまさら、「犬死にはさせない」といくらブッシュがほざいても無駄だ。


そして、「イラク戦争は、石油目的であったから間違っている」のではない。

国際法上、違法なのである。

これに関して、何度も書くが、私はイラク戦争開戦前に指摘した

この考え方は今でも変化していない。

それを読めばお分かり頂けるが、「資料」として抜粋引用した、小泉純一郎前内閣総理大臣のイラク戦争支持の根拠は、根拠にならない。

大量破壊兵器の存在そのものがでっちあげであることが、今は、はっきりしているが、仮に2003年3月20日当時、イラクが大量破壊兵器を保有していたとしても、

米国の武力行使の違法性は阻却されない。


◆イラクの一般市民の累計死者数を知っていますか?"Iraq Body Count"というサイトがある。

日本のマスコミは、アメリカのメディアを引用するばかりで、さらに、アメリカのメディアは「先月一ヶ月の米兵死者数」のみを伝え、

故意に、「累計死者数」を伝えないようにしているように、私の目には映る。


記事1,2で時事通信と、読売が伝える数字が正しいと仮定するならば、米兵の累計死者数は、3,877人(3,856+21)となる。

しかし、米国のメディアも日本のそれも、何故、イラク人の死者数を伝えないのか?

普通に生活していた一般のイラク人にとっては、いきなりアメリカが因縁をつけ、軍隊を送り込み、非戦闘員と分かっているイラク人まで

殺している(無論、その後、イラクの内戦による死者も多数出ているが)のであるから、たまったものではない。

気持ち悪いサイトじゃないから、イラクの一般市民の累計死者数(推定)を冒頭に掲示した、Iraq Body Countを見てご覧なさい。

英語だが、数だけなら、ど真ん中に載っているから分かるだろう。今日(2008年1月2日)現在、

80,272~87,683人

数える機関(NPOなど)が多数存在するので、これだけの開きが出てしまうのだが、要するに8万人以上である。

今なお、確たる理由の無いまま(テロ掃討とか称しているが)米軍が駐留しているが為に、死ななくて良いイラク人と米国兵士が死んでいる。

故・後藤田正晴氏は、
「これは、いくさ自体が間違っている」

と述べた(日本への遺言)が、全くその通りだ。

その間違った戦を正式に支持したまま、撤回しない日本政府・与党・自民党を支持するべきではない、と私は考えている。

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2008.01.01

一月一日(差替 合成ながら歌付き。2番まで!)/管弦楽のためのラプソディ(差替)/【追加】ベルリンフィルメンバー情報

◆この歌は「一月一日」という歌です。随分長いこと聴いていないなあ・・・。

 皆さん、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

私は、子どもの頃から、事情がどうあれ、この「一月一日」という歌が好きです。何はともあれ、めでたいのだ!という気分が。

 色々音源を探し求めたところ、何と、合成音声に歌わせている演奏がありました。しかも2番まで。

 伴奏の音がやや強すぎるのと、伴奏と歌がすこしずれているのですが、こちらの方がずっと良いので、載せさせていただきます。

「一月一日」


年のはじめの ためしとて

終りなき世の めでたさを

松竹たてて かどごとに

祝うきょうこそ 楽しけれ


初日のひかり さしいでて

四方(よも)に輝く けさのそら

君がみかげに たぐえつつ

仰ぎ見るこそ 尊けれ




◆正月と直接関係があるわけではないが、そういう気分の管弦楽曲「管弦楽のためのラプソディ」

昨年、載せて、ご好評をいただいたので、今年も正月から載せます。

この曲は、1960年、NHK交響楽団が世界一周演奏旅行をするに際して、故・岩城宏之さんと一緒に指揮者として同行した

外山雄三氏(作曲家でもある)が、わざわざ作曲した作品です。いまだに世界中で「N響名物」となっています。

日本の民謡やお囃子、わらべ歌などを素材にして、見事なオーケストレーションを施している。





楽しいですね。

このCDは日本作曲家選輯です。

NaxosのCDで香港からの輸入盤なので、「選輯」などという漢字が使われているのですね。

せめて、今日一日は楽しい気分でいましょうよ。


【追加】ベルリンフィル、日本人で検索してこられる方が多いので。

アクセス解析を見ると、「ベルリン・フィル、日本人」で検索してこられる方がひじょうに多い。

最も早く、ベルリンフィルに入団なさった日本人はビオラの土屋邦男氏です。

リンク先の解説にあるとおり、既に定年で退団なさいました。40年以上もベルリンフィルで弾いておられた偉大な方です。

次に長いのは言うまでもなく、1983年から(今年で25年になります)第一コンサートマスターを務めておられる安永徹さんです。

第一ヴァイオリンのTutti(総奏)奏者には、町田琴和さんで、1997年入団です。

また、ヴィオラの首席奏者の一人、清水直子さんが一番新しい日本人メンバーで、

2001年入団と書いてあります。

ベルリンフィルの英語版公式サイトの中に、メンバー表が載っています。

さらに、こちらには、募集中のパート(VACANT POSISIONS)が載っています。

コンサートマスター1名(!)、首席第2ヴァイオリン奏者、ヴィオラTutti奏者2名、第一首席コントラバス奏者並びに首席コントラバス奏者、ピッコロ奏者、

首席クラリネット奏者(ドイツ式に限る)、第2トロンボーン奏者1名、低音担当ホルン奏者1名、打楽器奏者(数は不明)、とこんなにあります。

腕に覚えのある方、天下のベルリン・フィルのメンバーになるチャンスですぞ!!

ウィーン・フィルにも東洋人いますね。今見てるけど。しかし、あまり考えたくない。調べたくない。

数年前、日本人テューバ奏者が仮採用されたけど、試用期間の後、不採用になりました。

西洋人女性奏者もいるねえ。いらんことしなくていい。

ウィーン・フィルは「西洋人の男」だけ、でいいんだよ。それが「ウィーン・フィル」だ。

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