« 吉永小百合 鳴りやまぬ拍手に感涙←「母べえ」まだ見ていないが、お薦め。 | トップページ | 「大阪・兵庫の研修医98人、別の病院で違法バイト」←そういう状況に追い込んだのは厚労省だろう。 »

2008.01.28

「暫定税率延長法案きょう提出、野党は審議拒否へ」問題の大まかな解説

◆暫定税率とはなにか。

文字通りに読めば、「しばらくの間だけ」適用される税率ですが、今国会で揉めているのは、ガソリンにかけられている税金の税率です。

いわゆる「ガソリン税」ですが、これは国税である「揮発油税」と地方税である「地方道路税」を合わせた呼称です。

本来、揮発油税は、揮発油税法という法律で、1リットルにつき、24.3円、地方道路税は1リットルにつき4.4円なのです。

これらは、道路の建設という目的にのみつかわれる、「目的税」の一種です。特定道路財源の中の2つです(他の特定道路財源には重量税や自動車取得税があります。)

因みに、揮発油税というものを考えて、これを道路の建設に使おうというアイディアを考えたのは、故・田中角栄氏です。昭和28年のことです。

さて、税率ですが、今は上に書いた本来の税率よりずっと高くなっています。

揮発油税は、本則が定める2倍の1リットルにつき48.6円に、地方道路税は本来の1.2倍、1リットルにつき5.2円となっています。

つまり、ガソリンを車に入れるときに支払うお金のうち1リットルにつき何と53.8円は税金なのです(細かく言うと更に消費税がかかります)。


◆揮発油税を2倍に、地方道路税を1.2倍に引き上げる根拠が租税特別措置法です。

これは、1973年度から77年度(昭和48年度から52年度)に計画された、道路整備五カ年計画で、財源が不足するから、

昭和49年から2年間だけ、ガソリン税を引き上げようということになったのです。

これを定めてあるのが租税特別措置法です(但し、租税特別措置法はガソリン税の暫定税率だけを定めた法律ではなく、

もう面倒くさいのなんのって、あらゆる税の「特別措置」について定めてあります)。

ところが、道路整備五カ年計画が五カ年で終わらず、どんどん延長されてきたのです。

それに伴って、揮発油税も地方道路税(つまりガソリン税)の税率は、引き上げられたままです。


◆ガソリン税の暫定税率は2008年3月末で期限切れとなるのです。

ここからは、皆さんが新聞の見出しやテレビのニュースでお聴きになるとおりです。

暫定税率を本来の税率にもどすと、国、地方あわせて2兆6千億円の減収になります。

国や地方の一部(かなり)の人々はまだまだ造らねばならない道がある。暫定税率をあと10年続けるべきだ、といいます。

野党・民主党は、暫定税率は廃止するべきだ、といっています。

運送業の人々は「道路は十分にある。こんなに高いガソリンでは、採算が取れない」といいます。

折りしも原油価格が国際的に高騰しているので、話がややこしくなります。

また、ガソリン税を道路特定財源にするよりも他の事にも使える様にするべきだ、という考え方もあります。これは、

道路特定財源の一般財源化という奴です。


◆どうして「ゼロか1か」という議論しか出ないのでしょうか。

私は、地方によってどの程度、新しい道路が必要なのか良く分かりません。政府が業者とつるんで要らない道を造っている場合もあるように思います。

先日は国交省の役人の宿舎建設に道路特定財源が使われていることが明らかになりましたが、官房長官まで、「悪いとは思わない」というのです。

こう言うのを聞くと、与党の暫定税率への固執には、陰で何か美味しいことがあるからじゃないの?と思わざるを得ません。

そして、暫定税率がまるまるこの先10年間、本当に必要なのか?という疑問があります。昭和20年代とは事情が違うはずです。

一方、民主党は暫定税率を廃止するといいますが、このように、デジタル議論になってしまうのが最近の人間の議論の特徴です。デジタル議論とは、

私が今勝手に作った言葉ですが、All or nothingということです。「0か1か」、という議論です。


私は30年も前に定めた暫定税率を全然変えないで良いのか疑問ですが、さりとていきなりゼロにするのも乱暴な気がします。

どうして、何年間かかけて次第に税率を下げる、という話が出てこないのかな?というのが私の考えていることです。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります


|

« 吉永小百合 鳴りやまぬ拍手に感涙←「母べえ」まだ見ていないが、お薦め。 | トップページ | 「大阪・兵庫の研修医98人、別の病院で違法バイト」←そういう状況に追い込んだのは厚労省だろう。 »

ニュース」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

あつし様こんばんは。折角コメントを頂きながら、返事が遅くなりまして、申し訳ありません。

>政治家という人種、相手の言うことに理があると思っていてもまずそれを認めようとしま
>せんよね。テレビの討論番組などで与野党の立場に分かれての論戦などでは、自分の意見
>を声高に叫ぶだけで、相手の言うことには耳を貸そうとしません。如何にして相手をねじ
>伏せるかに神経を集中しているようにも見えます。

これは、欧米人がよくやる「ディベート」に近いですよね。要するにどちらかが他方を如何にして「言い負かせる」か、という。

誠に、あつし様の仰るように、国民のため=公共の福祉のために寄与するべき彼ら国会議員=公務員(public servant)が己の利益、メリットの極大化ばかりを考えていることが、何よりも最大の問題でしょうね。

投稿: JIRO | 2008.02.03 20:01

TACさん、コメントをありがとうございます。返事が遅くなりまして申し訳ありません。

まったく仰るとおりで、持説を主張するだけ・・・・しかもそれが国民全体の利益を考えて、の結果ではなく与党の「道路族」に利権が絡むのは今更書くまでもありません。「国会は国権の最高機関」であること、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」(15条2項)を意識している人間が、議事堂の中にどれ程いるのでしょうか。

投稿: JIRO | 2008.02.03 19:54

政治家という人種、相手の言うことに理があると思っていてもまずそれを認めようとしませんよね。テレビの討論番組などで与野党の立場に分かれての論戦などでは、自分の意見を声高に叫ぶだけで、相手の言うことには耳を貸そうとしません。如何にして相手をねじ伏せるかに神経を集中しているようにも見えます。これは相手の言うことを認めると政治家として敗北したことになり、選挙での票に影響すると思っているからでしょう。そんな連中が集まって議論しているのですから、やるかやらないかの極論になるのも不思議ではないのかも知れません。所詮、国民のために議論しているのではなく、自分たちの票のために議論しているのではないでしょうか。

投稿: あつし | 2008.01.29 18:20

他者の意見に耳を傾けず、持説を主張するだけで押し切る国会にしてしまっているから「ねじれ」が問題なのです。何のための両院協議会か、双方が問題点を認めて修正する議論がなぜできないのか、与野党共に議会制民主主義の研修をしっかり受ける必要がありますね。流通・通勤の費用ということを考えれば内需の拡大にもつながる訳で、それが所得税や法人税の増収につながるのではないか…という議論も寡聞にして聞きませんが……。国会パフォーマンスで決められては国益を損ないます。愛国心を発揮してもらいたいものですがね。

投稿: TAC | 2008.01.29 00:05

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/62198/17879326

この記事へのトラックバック一覧です: 「暫定税率延長法案きょう提出、野党は審議拒否へ」問題の大まかな解説:

« 吉永小百合 鳴りやまぬ拍手に感涙←「母べえ」まだ見ていないが、お薦め。 | トップページ | 「大阪・兵庫の研修医98人、別の病院で違法バイト」←そういう状況に追い込んだのは厚労省だろう。 »