吉永小百合 鳴りやまぬ拍手に感涙←「母べえ」まだ見ていないが、お薦め。
◆記事:吉永小百合 鳴りやまぬ拍手に感涙
女優・吉永小百合(62)が、主演映画「母べえ」が全国327スクリーンで封切られた26日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで舞台あいさつに登場した。
山田洋次監督と34年ぶりにタッグを組んだ小百合は、超満員の観客席を見渡すと感極まって涙。
「弱いもの、小さなものに対する優しく温かいまなざしにあふれた映画。一生、忘れられない思い出になる」と語った。
思いを込めて作りあげた作品の初日。出演112作目の大女優ですら緊張するという。
「お客さんにいい条件で映画館に来てほしい。雪が降ったらどうしようとドキドキした」と苦笑いした小百合。
だが、日本晴れの下、集まった満員の観客の鳴りやまない拍手に、思わず声を詰まらせ、ハンカチであふれそうになる涙をぬぐった。
「平和への祈り」というテーマに、太平洋戦争前後、懸命に生きる母と家族の物語。
原爆詩の朗読活動を20年以上続ける小百合は「10代の少年少女に見てほしい」と大阪、広島など全国10都市11カ所のキャンペーンを精力的に回った。
母親役を演じるにあたり、自身と母との過去もさらけ出す覚悟も見せた。
NHKスペシャルでは、母との30年以上にわたった断絶を告白し、母になることを断念した胸の内も明かした。
そしてこの日、本当の家族のようになった共演者との晴れ舞台を迎えた。
主演映画「モンゴル」がアカデミー賞外国語映画賞候補となった浅野忠信を“家族”全員で祝福する場面もあった。
配給の松竹によれば「興行収入は30億円が見えた」という好スタートを切った。
ベルリン国際映画祭のコンペ部門にも出品され、現地時間13日の公式上映には小百合も山田監督らと出席予定。
日本中に広がった小百合の平和への思いが、今度は世界へと伝えられる。
◆コメント:観て無くても、こういう時の私の勘は当たります。
吉永小百合さんは、信じがたいほど、若々しい。デビューが1957年のラジオドラマだったという。
半世紀も女優を続けていられること自体、才能、資質の表れである。
素の吉永さん(に限らず女優さんは大抵そうらしいが)は、大変男っぽい性格だそうだが、何故かそういう人が、
「優しい母親」を上手く演ずることが出来るようだ。
山田洋次監督は言わずと知れた「寅さん」シリーズで一躍名を馳せた人で、かつて渥美清さんが健在のときには、
年に2本、脚本を書いて撮っていたのだから大変なものである。
記事の中で吉永さんがと山田洋次監督が34年ぶりに・・・とかいてあるが、先ほどテレビで、その34年前の
「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」(74年)を放送していた。あれ以来なのか・・・と思うと感無量である。
話が逸れる。
「寅さん」シリーズを観たことが無い、という人がいるけれども、あれは単なるバカ話などではない。観てご覧なさい。良いから。
一見馬鹿馬鹿しいセリフの中にも山田監督が人間に対して抱く「こうあって欲しい」という理想が現れている。
ただ、ひたすら、人間の善意、良心を信じる。その山田監督の想いが「寅さんシリーズ」に一貫して描かれている。
人間の存在を明るく照らし出している映画群である。その意味で楽しいばかりでなく、美しい。
「母べえ」は昨日(1月26日)に公開されたばかりで、私はまだ観ていない。
観ていない映画をお薦めするのは、一般論としては無責任だが、こと、この映画に関しては、
観なくても傑作であることが、私には分かる。
山田洋次監督が、気合いを入れて作った作品に駄作は見られない。
気合いの入り方は、この映画を取りあげたNHKスペシャルを見て分かった。
山田監督が既に大監督であることは確かだが、吉永小百合さんとて、日本の女優の頂点に君臨するような人である。
普通の監督だったら、吉永さんの演技に注文を付けることなど、なかなか出来ないだろう。
ところが山田監督の注文の付け方は、全編に亘って、大変なものであった。
NHKスペシャルでは一部しか映さなかったが、ある、ごく短いシーンでOKが出ないのである。
吉永さんの台詞の言い回し、表情の微妙な表情が、監督の欲するニュアンスを表現できていない、というのだ。
山田さんは吉永さんに向かって、決して声を荒げるのではないが、
「そうじゃないでしょう。」
「もう少し考えてご覧なさい」
などと全く遠慮せずに言うのである。何とテイク20でも満足できない。繰り返すがホンの数秒のシーンなのである。
業を煮やした山田監督は、撮影を中断して吉永小百合さんに、楽屋へ戻って練習して来なさい、という。
全然妥協しない。
こうした撮影が全編にわたって実行されたと考えられる。だから、吉永さんもプロモーションに
熱心なのだろう。無論、カネの話ではなくて、少しでも多くの人に観て貰いたいということである。
以上の状況と、過去の山田作品の質の高さに鑑み、
「母べえ」が傑作であることは、殆ど観る前から明らかだ。
ただ、観て、どのように感じるか、はそれぞれ、ご覧頂くしかないことは、いうまでもない。
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