「必要なら公的資金を=金融安定化策、日本の教訓学べ-米有力エコノミスト」←私は何度もそう書いている。
◆記事:必要なら公的資金を=金融安定化策、日本の教訓学べ-米有力エコノミスト(2月26日15時1分配信 時事通信)
【ワシントン26日時事】「資本が不足するなら、預金者保護のため公的資金投入を」-。米有力シンクタンク、
アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)の有力エコノミスト、ジョン・メイキン客員研究員は26日までに
1990年代の日本の失われた10年を教訓に米国は金融機関の健全化を急ぐべきだとの論文を発表した。
ブッシュ米大統領は低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題に端を発した金融・信用市場の混乱の解決策として公的資金投入を否定している。
AEIは与党共和党寄りの政策提言で知られ、同研究員もブッシュ政権と太いパイプを持つだけに注目を集めそうだ。
同研究員は「米政府当局者が日本の教訓を無視するのは賢明でない」と指摘。資産価格の暴落で生じた景気循環は非常に危険であり、
利下げと財政出動による従来型景気対策では「不十分だ」と言明した。
◆コメント:後付けで書いているのではない。
サブプライムローン問題はアメリカの金融機関が持つ債権=住宅ローンが不良債権化している問題である。
不良債権を穴埋めするには、貸倒引当金を計上するが、それには資本(=元手)を取り崩さねばならない。
資本が少なくなれば、自己資本比率が低下して、銀行の信用力が低下する。早い話、アメリカのバカでかい銀行が潰れるかも知れない。
そして、そのサブプライムローンが債券化され、さらにそれを組み込んだ金融商品が債券化されたものが世界中に出回っている。
だから、世界各国で、それらに投資した銀行他、金融機関等が、損失を計上しているのである。
繰り返すが、問題の根っこは、アメリカの銀行が過小資本になるかも知れないというところに存在する。
記事にもあるとおり、90年代、日本の銀行も不良債権に苦しんだ(住宅ローンではないが)とき、アメリカは、日本に対して、
「(政府の)対応が遅い。早く公的資金を注入しろ」
と、大きなお世話だが、繰り返し云ってきたのである。
そのくせ、今回、アメリカの不良債権の所為で世界中が迷惑している(世界の株価の不安定さをご覧なさい)というのに、
昨年12月には、日本の3大メガバンクに資金の提供を依頼してきた。
このとき私は、アメリカの不良債権なのだから、アメリカが公的資金を注入するべきだと書いた(ココログ)。
さらに、今年の1月15日、シティグループ(米国)が2007年10-12月期の決算で、235億ドル(約2兆5000億円)の損失を計上したと発表した。
私は、この時にも「<米シティ>2兆5000億円の追加損失」←ブッシュさん。公的資金を注入しなさい。と書いた(ココログ)。
そして、その一週間後、米連邦準備理事会(FRB)が、0.75%の緊急利下げを行い、FF金利を3.5%にしたときも、
そんな、チマチマしたやり方ではダメだ。公的資金を注入すべきだ、と繰り返し、書いた(ココログ)。
一民間人でも明らかなことなので、米国のエコノミストはもっと早く主張して欲しかったが、とにかく、このシンクタンクの意見は正しい。
ブッシュさん、早くしろよ。世界が迷惑してるんだよ。
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