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2008年3月

2008.03.31

「世界35カ国で消灯温暖化防止訴え」←午後8時から1時間より、夜中の活動を出来る限りやめるべきだ。

◆記事:世界35カ国で消灯温暖化防止訴え(3月29日20時43分配信 産経新聞)

地球温暖化対策の啓蒙(けいもう)活動として環境団体が計画した消灯イベント、「EARTH HOUR」が29日、アジア、太平洋諸国で始まった。

各国現地時間の午後8時から1時間、電気を可能な限り使用しないという試みで、最終的に欧米を含む世界35カ国370以上の街が参加する見通しだ。

オーストラリアのシドニーでは観光名所のハーバーブリッジやオペラハウスの照明が消え、レストランではろうそくが灯された。

企業や一般家庭も参加し、消灯のほかテレビやコンピューターの電源が切られた。

同イベントはタイ・バンコクなどアジアでも実施、デンマーク・コペンハーゲン、カナダ・トロント、米シカゴ、サンフランシスコなど欧米でも行われる。

同イベントは昨年3月にシドニーで初めて実施され、温室効果ガスを10%削減する効果があったという。


◆コメント:起きている時間に電気を消すより、早く寝て、深夜放送・営業を止めれば良いでしょう。

記事の最後に、

同イベントは昨年3月にシドニーで初めて実施され、温室効果ガスを10%削減する効果があったという。

と書いてある。それはいいのですが、夜8時から1時間って、日本だと困るのですよね。

まだ会社で働いている人が大勢いるし、家庭によっては、この時間帯が夕食だ、ということも多いだろう。

宿題をやっている子供もいるだろう。

この中途半端な時間に1時間活動を停止すると、それだけ寝るのが遅くなる。

1時間の消灯で、温室効果ガスを10%削減する効果がある、というのなら、わが国の場合、夜中の消費電力を減らすべきだ。

テレビ番組表をみると、毎日、殆どの局が24時間、何らかの放送をしている。

全ての局が1年365日、24時間放送する必要は無い、と思う。習慣の問題だ。

昔に比べて職業、勤務形態が多様化しているとはいえ、夜中の2時、3時に、本当にどうしてもテレビを「見なければならない」人が

どれだけいるのだろう。

今の人には信じがたいだろうが、昔はNHK総合は午前0時で放送を終え、朝の放送は午前6時のニュースで開始されたのである。

せめて、午前2時~4時は全ての局の放送を止めてみるという実験をしてみると良い。大して不便を感じないだろう。

また、コンビニやファスト・フード、飲食店の24時間営業。夜中に働いて、明け方に食事をしたり買い物をする人は確かにいるだろう。

だが、これも、全てのコンビニ、ファスト・フード、飲食店の全ての店に客が溢れている、という訳ではあるまい。

私は、ロンドンにいたとき、一件だけ、24時間営業のマクドナルドがあったが、タクシーに乗ってそのそばを通ったときに、

運転手が吐き捨てるように言った。

「24時間オープンのマクドナルド?バカバカしい。夜中にハンバーガーを食う奴がいるか!」

英国人は、日本人ほど働かない。夜中の12時過ぎまで残業するなど正気の沙汰とは思われない、という社会だから、

日本と単純比較は出来ないが、よーく見直してみると、実は24時間営業しなければならない店は意外に少ないのではないか。

夜中は出来るだけ、皆、早く寝る。不必要に夜更かししない、という生活に戻す方が、エネルギー消費の削減に貢献するのではないかと思われる。

いうまでもないが、警察、消防、インフラ関係、医療機関などは例外である。

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2008.03.29

【ドラマ】「ちりとてちん」最終回への不満。

◆本(脚本)てのは、難しいものですなあ。

昨年暮れ、貫地谷しほりという役者は天才である、という確信を抱きつつあります。ココログ)でちょっと書いたが、

NHKの所謂朝ドラ、連続テレビ小説「ちりとてちん」にハマっていた。

朝は見られないから録画したり、衛星放送の夜の再放送を見たり、結局、殆ど見逃さずに見た。

こんなことは、私の人生で初めてのことである。

何故、ハマッたのかといえば、面白いからであり、何故面白いかといえば脚本が秀逸だったからである。


今日(2008年03月29日(土))、「ちりとてちん」の最終回が放送されたのだが、正直言ってがっかりした。

脚本は意外性を狙ったのだろうが、視聴者が失望するような意外性は良くない。私が一人で憤慨しているのではない。

mixiのちりとてちんコミュニティなど読んでも、ドラマの終盤から最終回にかけて、「否定派」が多いのである(集計したわけじゃないけどね)。


◆背景説明

貫地谷しほり演ずるところの和田喜代美という女の子は、福井県小浜が故郷だが、高校を卒業したのち、親の反対を押し切り大阪へ出る。

この時点では、大阪に出て何をしたいか、自分でも分かっていなかった。

当てもなくさまよっているうちに、たまたま、子どもの頃からテープで聞いて親しんできた落語「愛宕山」を実際に演じていた落語家、

徒然亭草若(つれづれていそうじゃく=渡瀬恒彦)と出会い、落語家になる、と決心をする。最初は弟子入りを断られるが、

紆余曲折を経て弟子入りを許され、徒然亭若狭(つれづれていわかさ)の芸名を貰う。

弟子入りして、早や13年。若狭は、一人前の落語家になった。

草若は病死するが、彼の弟子達が、懸命の努力の末、師匠の家を改造して、関西落語界念願の常打ち小屋(毎日落語をやっている小屋。東京では「寄席」という。

現実世界でもドラマの設定時代には本当に存在しなかった。2006年9月に「天満天神繁盛亭」が初めて出来た常打ち小屋である)「ひぐらし亭」が完成した。

さあ、これからと云うときに、徒然亭若狭(貫地谷しほり)は、結婚10年目にしてお目出度でつわりがひどく、

常打ち小屋「ひぐらし亭」オープンの日に高座に上がれなかった。

しばらくして、妊娠安定期になり、若狭は「ひぐらし亭」で、幼いころから何千回と聞いてきた「愛宕山」を見事に演じ、

拍手喝采を浴びるが、突如「私の最後の高座をご覧頂き、ありがとうございました」と引退宣言をする。

夫(夫は兄弟子の一人)にも、他の兄弟子にも誰にも事前に告げていなかった。

若狭の引退理由は、

「自分がスポットライトを浴びるのではなく、皆の世話をやく、明るい『おかあちゃん』が、本当に自分がなりたいものだと分かったから。」

だった。妊娠してそう言う気持ちになったのだという。

今日の最終回。子供を産み終わって穏やかな微笑みを浮かべる若狭(貫地谷)が映って、静かに「完」となる。


◆不満の理由

若狭は、親の反対を押し切って大阪へ行くと言い出したとき(ドラマ開始間もない、確か第2週)、

何故か、と母親(和久井映美)に訊かれ、

「お母ちゃんみたいに(皆の面倒を見るばかりの人生)なりたくないの」

と云ったのである。

しかし、落語家としてのキャリアを積んで、最終的にたどり着いた結論は、
「自分はおかあちゃんみたいに、周りを幸せにする人になりたい」

ということだった。と、一言でこのドラマは総括出来てしまう。

それはそれで完結するのだが、私は、それでは、若狭にとって「落語」は何だったのさ?といいたくなる。

皆を支える「縁の下の力持ち」も素晴らしい人生なのだ、と云うことを悟る為に、何故、落語が必要だったのか?ということだ。

今までの修業は何だったのだ?

このドラマの特徴と云われていたのは、ヒロイン像が従来と異なる、マイナス思考の娘だ、という設定である。

何に対しても消極的で、何をしても長続きせず、悲観的で、ドジで、無器用で、すぐにオロオロして、物覚えの悪い、

関西弁でいうところの「どんくさい」娘なのである。

そういう娘が、それでも、苦労に苦労を重ねて、他人より何倍も時間はかかったが、一人前の女流落語家になる。

私が期待していた展開は、その若狭の一世一代の晴れ舞台が、「ひぐらし亭」であった。というストーリーだった。

ドラマの大きな要素が落語であって、若狭は既に落語家なのに、最終回は、その落語をやめて、「おかあちゃん」になるのが、

ヒロインの選んだ道だった、というオチは竜頭蛇尾の感を免れない。


また、フィクションと現実を倒錯しているわけでは勿論ないけれど、徒然亭若狭という中堅女流落語家には、

既にファンがいる筈だ。若狭本人が、いくら他にやりたいこと(=お母ちゃん)が見つかったからといっても、

突如、「辞めます」とは、芸人の立場としては、今まで支えてくれたファンに対して失礼である。せめて、引退記念の高座を別に設けるべきだ。

兎に角、折角秀逸の脚本だったのに、今週(最終週)はヒロインの心理描写が不十分だったと思うのである。

あれほど好きだった落語を、妊娠したからと云ってそう簡単に捨てられるものではないだろう。

そして、辞めるか、辞めないか。いつもなら、クヨクヨ悩むのが、このヒロインの性格設定であるにも関わらず、

今週、「落語家→お母ちゃん」の決断は、全然躊躇が無かった(少なくとも私にはそう見えた)。

その心理の変化を、もっと緻密になぞって欲しかった。

全体としては良いドラマだったが、最後でやや裏切られた感じがして、残念だ。

mixiの「ちりとてちん」コミュなどでも侃々諤々の議論(?)が生じている。

「残念だ」と書きはしたが、視聴者、それも滅多にドラマなどというものにハマらない私まで、

このような文章を書いてしまう。つまりそれほど、視聴者を夢中にさせていたということだ。

その意味では、やはり、このドラマ(の脚本)は、総論としては秀逸なのだろう。

今日、DVD-BOX(5月発売)を、早くも予約してしまった。

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ハイドンのトランペット協奏曲を卓越した演奏で聴いて下さい。

◆3月31日はハイドン(1732~1809)の誕生日です。

やはり3月は書ききれなかったです。

本当は、25日がバルトーク(1881~1945)の誕生日で、ドビュッシー(1862~1918)の命日。

26日は、ベートーヴェン(1770~1827)の命日。

そして、今日はラフマニノフ(1873~1943)の命日なのです。

しかし、ベートーヴェンはともかく、他の作曲家は選曲が難しいです。

そりゃ、音楽専門ブログで、クラシック・ファンだけしか眼中にない、という人なら何とでもするのでしょうが。

私のは、そういうのではありませんから。

そこで、誕生日が日本の会社の決算期末に当たってしまうハイドン。

当日、書き損ねる可能性が大なので、今日(週末だし)書くことにしました。


◆色々詰め込むのは止めます(今日は)。

今までは、ハイドンの紹介と言ったら、交響曲、弦楽四重奏、オラトリオ、ピアノソナタ、色んなところから拾ってきたでしょうが、

結局、聴き切れない方も多いようなので、タダの一曲に絞ります。


◆フランツ・ヨーゼフ・ハイドン作曲:トランペット協奏曲 変ホ長調 Hob.VIIe:1

クラシックのトランペットを勉強する者なら、誰でもこの曲を吹きたいと思い、そのために修業を重ねます。

そして、願わくば、オーケストラの伴奏で、この協奏曲のソロを吹く晴れ姿を夢に見るのです。

トランペットは、ピアノやヴァイオリンのように、星の数ほどコンチェルトがある楽器ではありません。

それだけに、この曲への思い入れが熱くなるのでしょう。

今日は全曲をアップします。どの楽章もそれほど長くありません。全曲通しても15分ぐらいです。

演奏は、ロルフ・スメドヴィックというアメリカ人です。とても音楽的で、楽器がものすごく鳴っています。技巧は完璧です。

因みに、スメドヴィック氏は、この日記・ブログで何度名前を書いたか分からない、モーリス・アンドレに師事しています。

上手いトランペット奏者に共通することですが、高音域(この曲は、普通のB管というトランペットで吹くと、最高音域が多いのです)

でも、音が硬く、刺激的にならないのです。

第一楽章です。再生開始後3分23秒の高い音は、B管の最高音よりも短三度(一音半)高い音です。





カデンツァ見事でした。師匠のモーリス・アンドレのカデンツァを元に自分で書いたようです。


第二楽章です。とても穏やかな音楽です。





技術的には簡単ですが、こういう楽章に音楽家の芸術性が現れるのです。

第三楽章です。





華やかなフィナーレでした。実に美しい曲であり、演奏だったと思います。

これは、HMVにもTOWER RECORDSにもあるようですね。

今日はハイドンの協奏曲だけを聞いて頂きましたが、ロルフ・スメドヴィック氏は大変上手いので、他の曲、フンメルとかタルティーニ(これが特にすごい)など、

全て、トランペットに興味が無い方にもお楽しみ頂けると思います。

それでは、失礼を致します。

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2008.03.28

「ポーランド首相、五輪開会式欠席を表明。欧州首脳で初めて。」←やはり、タダじゃ済まないよ。中国さん。

記事1:五輪開会式欠席を表明=EU外相理の議論に影響も-ポーランド首相(3月27日23時1分配信 時事通信)

【ベルリン27日時事】ワルシャワからの報道によると、ポーランドのトゥスク首相は27日付の同国紙ジェンニクとのインタビューで、

チベット情勢を理由に、北京五輪の開会式に出席しない意向を表明した。

同紙によれば、欧州の政府首脳で開会式不参加を明言したのは同首相が初めて。

同首相は「政治家が五輪開会式に出席するのは適切でない」と述べた。

開会式ボイコット表明は、28日からの欧州連合(EU)非公式外相理事会での議論に影響を与える可能性もある。


◆記事2:「自由欲しい」と直訴 チベット寺院で若手僧侶 (2008/03/27 20:38) 【共同通信】

【ラサ(中国チベット自治区)27日共同】「ダライ・ラマは暴動と関係ない」「政府の言っていることはうそだ」。

27日、中国政府手配の取材で北京からチベット自治区ラサ入りしている外国メディアの記者団がチベット仏教の最有力寺院ジョカン寺で取材中に、

外出を禁止されている若い僧侶ら30人ほどが突然現れて叫びだし「自由が欲しい」などと興奮した様子で“直訴”した。

僧侶らが姿を見せたのは27日午前。ラサ中心部にある同寺院で、記者団が責任者から14日の暴動後の対応などを聞いていた時だった。

「うそだ。みんなうそだ」。1人の僧侶が記者らに近づき、叫んだ。

「何がうそなんだ」と聞くと「みんなだ。政府の言っていることだ」と声を震わせて訴える。

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の関与について「(暴動に)関係ないとみんな分かっている」と叫ぶ僧侶も。

外国メディアに政府の見解を否定するような意見を訴えれば、厳しい処分を受ける可能性もある。

だが、訴えを伝えるため、危険を承知で外国メディアの記者らを待ち受けていたようだ。


◆記事3:拉薩(ラサ)事件、西側の歪曲報道を中国記者協会が痛烈非難(人民日報日本語版)

http://j.people.com.cn/2008/03/27/jp20080327_85948.html

西側メディアは3月14日に拉薩(ラサ)で発生した暴行・破壊・略奪・放火事件に極めて高い関心を寄せている。

比較的客観的な報道を行っているメディアもあるが、さまざまな方法で歪曲・虚偽報道を行っているメディアもある。

中華全国新聞工作者協会はこのほど、歪曲・虚偽報道という、こうした西側メディアの醜悪な行為を痛烈に非難する声明を発表した。声明は以下の通り。

西蔵(チベット)の拉薩で発生した暴行・破壊・略奪・放火の暴力事件は、ダライ(ダライ・ラマ14世)集団が綿密に画策・煽動した、組織的・計画的な重大な暴力犯罪事件である。だが、下心ある一部西側メディアは拉薩事件の報道において、真実・客観性・公正という報道の最も基本的な原則に背き、歪曲・虚偽報道を行い、ジャーナリストの職業モラルに根底から背を向けている。

真実は報道の命であり、またすべてのジャーナリストの本分である。ジャーナリストは従来、報道の真実を自分の命よりも重んじてきた。しかるに、一部西側メディアは拉薩事件を報道する際、事実の真相に著しく背いているのである。
たとえば海外のある有名メディアはウェブサイト上に掲載した「チベット人が語る続く騒乱」との見出しの記事で、中国公安・武装警察が医療スタッフの負傷者救出に協力している写真に、「ラサには多くの軍隊が展開」との説明を加え、救急車にはっきりと見える「救急」の2文字には全く触れていない。ネパール警察が蔵(チベット)人のデモ参加者を拘束したことを「チベットで起きた新たな事件」としているメディアもある。

同様に、報道の客観性も西側メディアが標榜する価値規範だ。だが拉薩事件の報道において、一部の下心ある西側メディアは写真に技術的な処理を加えることをいとわない。あるメディアはウェブサイト上で、軍用車両を暴徒らが襲撃する写真を、軍用車両が通行人を威嚇している映像に仕立てている。

数字をあげつらう主要メディアもある。拉薩事件の死傷者数について、あるメディアは「聞くところでは」との表現で曖昧にし、またあるメディアは「数百人が死傷」「チベット人数百人が殺された」などと事実を誇張する。
真実、客観性、公正は報道の基本原則である。報道の真実・客観性・公正を損なえば、メディアの名誉と社会的信用は必然的に著しく損なわれるのである。

「人民網日本語版」2008年3月27日


◆コメント:こういう国でやっぱりオリンピックをやるのかねえ。

順番が前後して恐縮だが、まずは記事2をご覧頂きたい。
26日、外国のメディアが初めてラサの取材を許可されたのだが、

中国政府が許可した19社に限られた。イギリスだとファイナンシャル・タイムズ紙はOKが出たが、BBCはダメだったそうだ。

日本のメディアでラサに入ることが出来たのは、この共同通信だけだったのである。

そもそも、外国のマスコミがチベットを取材するのに、中国政府がついて回るというのが、後ろめたさのある証拠だ。

中国の軍隊が、チベット族に発砲したり、様々な弾圧を行っていることは今更匿しても無駄なのだが、こういうことをするとますます怪しい。

記事にあるとおり、チベットの寺院で若い僧侶たちが飛び出してきて、あとで政府に罰せられるかも知れないのに、

(外国記者が)「何がうそなんだ」と聞くと「みんなだ。政府の言っていることだ」と声を震わせて訴える。

という事が起きるのは、ただ事ではない。

改めて中国は、中国共産党の独裁支配体制下にある、前近代的・非民主的国家であることが歴然とする。

そのくせに、人民日報を読んでご覧なさい。今に始まったことではないとは云え、

よくも、いけしゃあしゃあと、こういう記事を書けるものだ。人民日報は政府広報紙だから当たり前、ということではなくて、

この平然とウソを付く図々しさ。チベット族を殺しておいて、民主国家ですよー、という厚顔無恥。

やはり、こういう発展途上国でオリンピックを開催するべきではなかったですな。と言っても遅い。


だが、思わぬところから開会式ボイコット声明が出た。記事1書かれている通り。

ここ数日、欧米で開会式ボイコットをちらつかせる発言が相次いでいる。

25日にはフランスのサルコジ大統領がボイコットの「可能性」に言及した。

今頃、英国のブラウン首相と会談しているはず。イギリス政府はボイコットには否定的だが、

チャールズ皇太子は既に、開会式には出ない、と云っている。

この記事を書いている間に、ボイコット国が増えた。チェコ大統領も開会式にでないそうだ。

さらに、エストニアのイルベス大統領も「開・閉会式に出席しないことを決めた」

五輪そのものへの出場を国家として拒否する、という決定に比べると、大分生ぬるいが、

開会式に世界の大物が誰も来てくれなかったら、中国としては面目を保てない。

中国人よ。どうする?

そしてわが国ですがね。開会式ボイコットするかしないか、日本国の意思で決めて頂きたい。

アメリカ君と同じにします、は、みっともないから止めましょう。

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◆【追加】旬の話題ブログでご紹介頂きました。

3月29日、14時更新分の@nifty「旬の話題ブログ」で、このエントリーを取りあげて頂きました。

有難うございました。

20080329niftyshun

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2008.03.27

衝動的、単独的な「通り魔」若しくはそれに類する犯罪は、報道されることにより、次の犯行を惹起しているのではないか

◆記事1:<通り魔>手配男が通行人8人刺す 1人死亡 土浦のJR駅(3月23日21時19分配信 毎日新聞)

23日午前11時ごろ、茨城県土浦市荒川沖東2のJR常磐線荒川沖駅付近で、

若い男が男女8人の頭や首などを次々に刺した。同県阿見町うずら野2の会社員、山上高広さん(27)が死亡、2人が重体。

男は、県警が別の殺人事件で全国に指名手配中の無職、金川真大(かながわ・まさひろ)容疑者(24)=土浦市中村東3=だった。

(引用者注:後略、全文キャッシュは、こちらに保存済。)


◆記事2:アパート敷地内で会社員男性刺され軽傷…千葉 (3月24日13時14分配信 読売新聞)

24日午前6時20分ごろ、千葉市若葉区桜木のアパート「サンライズ桜木」敷地内で、

このアパートに住む会社員男性(22)が、後ろから来た男に「おい」と声を掛けられ、振り向いたところ、いきなり刃物のようなもので腹部を刺された。

男は男性からバッグと携帯電話を奪い、そのまま走って逃げた。千葉東署で強盗傷害事件として捜査している。

調べでは、男は20~30歳くらいで、白色の帽子をかぶっていた。男性は病院に運ばれたが、軽傷という。


◆記事3:<通り魔>路上で女性刺される 男は自転車で逃走 名古屋(3月24日10時13分配信 毎日新聞)

24日午前3時ごろ、名古屋市中区新栄1の路上で、緑区有松町桶狭間の店員、中谷康子さん(36)が突然、

男に果物ナイフのような刃物(刃渡り約10センチ)で背中を刺された。

中谷さんは刃物の刺さったまま病院に運ばれ重傷。愛知県警中署は殺人未遂容疑で逃走した男の行方を追っている。

調べでは、男は帽子をかぶり、中谷さんの背中を刺すと、そのまま自転車で逃走したという。

中谷さんは仕事を終えた後、近くに住む友人女性宅に立ち寄ったが、路上に停車中の自分の車に忘れ物を取りに出て、事件に遭った。

襲われた後、友人女性宅に駆け込み、「通り魔みたいな人に背中を刺された」と自ら119番通報。傷は肺まで達していたが、意識ははっきりしているという。

現場は市内中心部の広小路葵交差点近くの雑居ビルが建ち並ぶ繁華街。事件当時、人通りは少なかった。


◆記事4:女性切りつけられ軽傷=3日前も、同じ男?-東京(3月26日11時30分配信 時事通信)

25日午後11時ごろ、東京都新宿区歌舞伎町の路上で、女性が男に刃物で切りつけられた。

女性は顔面と頭部に2週間の軽傷を負い、男は逃走した。

警視庁新宿署は傷害事件とみて男の行方を追っている。女性は自称37歳で、22日にもJR新宿駅で切りつけられ、軽傷を負った。

「特徴の似た男だ」と話しており、同署は関連を調べている。

調べによると、歌舞伎町の交差点で女性が座り込み、男に「いいかげんにしてよ」と文句を言ったところ、

男は頭部をカッターナイフのようなもので切りつけたり、携帯電話のようなもので殴ったりした。

女性は22日午後6時35分ごろには、新宿駅東口地下1階の広場で、カッターのようなもので両ほおを切りつけられた。

男は40歳ぐらいで、細身で黒っぽい背広を着ていたという。


◆記事5:ホーム転落させ男性殺害=18歳少年「誰でもよかった」-JR岡山駅(3月26日10時0分配信 時事通信)

25日午後11時7分ごろ、岡山市駅元町のJR岡山駅で、

列車を待っていた岡山県倉敷市笹沖、県土木部道路建設課主任假谷国明さん(38)が、

男にホームから突き落とされ、入ってきた列車にはねられた。假谷さんは病院に運ばれたが、頭などを強く打ち、約5時間後に死亡した。

県警鉄道警察隊員は、ホームにいた男を殺人未遂の現行犯で逮捕した。岡山西署は、容疑を殺人に切り替え、詳しい経緯や動機を追及する。

男は大阪府大東市に住む少年(18)で、今月に大阪の府立高校を卒業したばかりだった。調べに対し、

「人を殺せば刑務所に行ける。誰でもよかった」などと供述。自宅から果物ナイフ(刃渡り約12センチ)を持ち出しており、

「誰か人を刺してやろうと思った」とも話しているという。

調べによると、假谷さんは同駅の山陽線下りホームに並んでいたが、

少年が岡山発福山行きの普通列車(4両)が入ってくる直前、假谷さんの斜め後ろから押し、線路上に突き落とした。

現場付近で警戒中だった鉄警隊員が、列車の警笛で約1分後に駆け付け、ホームにいた少年を取り押さえた。


◆コメント:報道が模倣犯を誘発しているのではないか。

長々とメディアの記事を転載した。

ご覧の通り、茨城8人殺傷事件は23日(日)の出来事である。

それから、25日(火)まで、連続して通り魔事件が起きている。単なる偶然だろうか。

最も深刻かつ悲惨な、茨城8人殺傷事件(記事1)と25日の岡山の突き落とし事件(記事5)の詳細を調べると、共通点がある。
どちらの事件の犯人も、

「(殺すのは)誰でも良かった」

と、供述していること。もう一つは反省の色が見られないことである。

岡山の18歳の少年は茨城の事件の模倣をしていることはほぼ明らかである。

記事2から記事4までの事件は、リアルタイムで捜査の進捗状況がわからないが、

まだ、犯人は逃走中だから、詳しい動機は分からない。が、タイミングから見て、茨城8人殺傷事件の報道を見て、

犯行を決意した可能性が高いと思われる。


◆「時の人」になることが出来る、という感覚なのではないか。

茨城と岡山を比べると、人を殺すに当たって、「誰でも良かった」と供述し、反省していないということは、

殺人そのものが究極の目的ではなく、自分の人生を棒に振ることなど考えず、

犯行を通じてメディアに大々的に取りあげられ、とりあえず、今、「時の人」になることが出来る。

日本中の注目を浴びることが出来る、と言うことが究極的な目的だったのではないか、と思われる。

いうまでも無く、そのような動機で人を殺害することが倫理的に許容出来るわけがない。

問題外、言語道断である。

だが、このような連中は元々社会的規範から逸脱しているから、いくら云っても矯正出来まい。

要するに、自分に「だけ」関心がある。異常に自己愛が強いのである。自分が注目されたいのである。

事件を起こして「有名になる」ことが、彼らの自己愛を充足したのではないだろうか。


こういう連中は、いつか、こういう事をする怖れがあったのだろう。

最初の「茨城8人殺傷事件」の犯人を、犯行に踏み切らせた最終的な「きっかけ」は不明であるが、

2件目以降の事件に関して、犯人が、頭の中だけで考えていた行動を、実行に移させた大きな要因は、

マスコミの大々的な報道ではないか。

今、この瞬間にも、日本のどこかには、茨城、岡山、その他に関する報道を見て、

「オレも・・・・」

と考えている奴がいる可能性はある。

仮に、これが一人の凶悪犯の犯行で、なかなか捕まらず、何処に出没するか分からず、

日本のあちこちで凶行を繰り返している場合、又は組織的な犯行である場合は、

事件を逐次報道する意味があると思うが、この数日間におきた事件は、犯人はそれぞれ単独で、

衝動的に(茨城の犯人は周到に準備をしていたそうだが)、行われている。

潜在的な「通り魔願望」のある人間を刺激しないためには、マスコミは、

同種事件が連続して起きた場合、取りあげないか、極く小さく取りあげる方が賢明だ。

新聞ならば、ベタ記事(紙面の片隅の小さな記事)で、テレビも「そのほかのニュース」で

殆どの視聴者が気が付かない程度にすることが望ましい。


以下は余談だが、私は過去、事件が殺人ではないが、同じような主張をしている。

「集団自殺」と「通り魔」は報道しない方がよいのではないか。

特異な犯罪は無視するのが正しい。

「小中学生の自殺連鎖止まらず」←お前ら(マスコミ)がいちいち報道するのも一因だぞ。

「いじめ自殺報道」が「自殺連鎖」を誘発した可能性あり。専門家の指摘←私は、先月同じ事を書きました。

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◆【追加】旬の話題ブログでご紹介頂きました。

今朝、@niftyの「旬の話題ブログ」でこのエントリーをご紹介頂きました。

有難うございました。


20080327niftyshun

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2008.03.26

「利根川決壊で死者3800人、孤立64万人…防災会議試算」←だからどうしろというんだ。

◆記事:利根川決壊で死者3800人、孤立64万人…防災会議試算(3月25日22時34分配信 読売新聞)

政府・中央防災会議の専門調査会は25日、超大型台風の襲来などで利根川が決壊すると、洪水による死者が最悪3800人に達するとの試算を公表した。

政府による水害の死者想定は初めて。同会議は死者を減らすため、避難率を高める情報提供の方法を検討する。

利根川の堤防が決壊して被害が大きくなる6ケースについて死者数や孤立者数、浸水が続く時間を計算した。

浸水前の避難率は住民アンケートなどを基に4割と設定した。

その結果、死者数が一番多かったのは茨城県古河市の左岸が決壊したケース。

平屋・2階建ての住宅が多い同県南西部に水深5メートル以上の浸水地域が広がった。

孤立者が多いのは、埼玉県大利根町の右岸が決壊したケース。死者は東京都と埼玉県で1500人に上り、

排水施設が動かなければ、決壊から2日後に孤立者は64万人に達する。全員が救助されるまでに2週間かかる見込みだ。


◆コメント:こんな「予想」を発表されたって不安になるだけだ。対策を同時に発表しろ。

どうも、役人の感覚というのが良く分からない。マスコミも、である。

上の記事は、内閣府防災情報のページの下のほうにある「記者発表・公表資料」、

[平成20年03月25日公表] 利根川の洪水氾濫時の死者数・孤立者数等の公表について をそのまま写しただけの情報である。

この記事(内閣府の発表)を読んでどう思います?
利根川が決壊したら、最悪死者が3,800人出るだろうと。ああそうですか。と、利根川から遠いところに居住する私はそれで済むが、

今現在利根川のそばに住んでおられる方はどう思うだろう。最大3,800人が死ぬだろうって、覚悟しろ、と言う意味か?

この情報だけでは、徒に該当地域住民の不安を煽るだけではないか。政府は、

死者を減らすため、避難率を高める情報提供の方法を検討する。

って、何云ってるんだい。方法を検討して、思いついてから発表しろよ。また、
超大型台風の襲来などで利根川が決壊すると、洪水による死者が最悪3800人に達する

というのなら、超大型台風が来ても利根川が決壊しないようにしろよ。わが国には毎年台風が来る。

台風に関するデータ。それによって引きおこされる災害のデータも、十分蓄積されているはずではないか。

「利根川が決壊したら」じゃなくて、決壊しないようにして下さい。排水施設も性能を向上させて下さい。

どうしてそういう発想も無く、方法も考えずに、このような情報を発表するのか。

マスコミも内閣府の記者会見で渡されたレジュメをそのまま記事にしているだけでは能がなさ過ぎる。

記者会見の席上、誰も、
「まず、利根川決壊を防ぐ手段は講じないのですか?」

と、質問しなかったのだろう。そういうことで、国家権力を見張るのがマスコミの重要な役割なのだが、

これでは、まるで、政府広報とかわらない。

役所もマスコミもアホちゃうか?

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2008.03.24

「イラク開戦以降の米兵の死者数が4000人に=米軍声明」←開戦以降のイラク人死者数は?

◆記事:イラク開戦以降の米兵の死者数が4000人に=米軍声明(3月24日12時41分配信 ロイター)

[バグダッド 24日 ロイター] イラクの首都バグダッドで23日、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発、米兵4人が死亡し、1人が負傷した。

03年の開戦以降の米軍関係者の死者数が4000人に達した。米軍が24日、声明で明らかにした。


◆コメント:イラク人死者数は、米兵の20倍以上なのに、何故、それを強調しないのだ。

米軍の兵士と言えども好きで戦争になど行っている訳ではない。だから、確かに祖国から遠く離れたイラクで命を落とした米兵は気の毒だ。

だが、国家対国家の関係で考えた場合、つい先日、イラク戦争の違法性について。何十回目かの説明ココログ)で書いたとおり、

この戦争は戦争自体が間違っているのである。

アメリカが一方的に証拠もない「大量破壊兵器」をイラクが保有しているといって(例え、保有していたとしてもアメリカの行動は正当化されないのは、先日説明したばかり)、

謂わば、イラクに「因縁」をつけて、殴り込みに行ったようなもので、本当はグリーンスパン前FRB議長が回想録に書いているとおり、石油が欲しかったのである。


言いがかりをつけて、軍隊と軍隊ならともかく、アメリカは、アルカイーダが潜んでいそうだ、という理由をつけて、非戦闘員しかいない、村落や街を無差別に爆撃し続けている。

この結果、イラク人の死者はどれほどになったか。

過去にも何度も紹介したが、Iraq Body Count(Bodyとは「死体」の意)というサイトがある。

グロテスクだったり、気持ちの悪いサイトじゃないから、是非、ご覧頂きたい。Iraq Body Count
私が、今(2008年03月24日(月)23時03分)見たときの数は、

82,349-89,867

8万人ですよ。米兵死者数4,000人。それは気の毒だが、国家として見た場合、自業自得でしょう。

米国は、何もしていなかったイラクに攻めていって女子供まで殺したのだ。

だから、私は一人一人の米兵には同情するが、アメリカ合衆国には全然同情しない。

日本のマスコミは、「米兵死者数4,000人突破」ばかりを強調して、その20倍以上になる、イラク民間人死者数に触れないのは(若干触れている新聞もあるが)、

不公平である。

イラク現地の様子がどのようなものか。

やや、生ぬるいが毎日新聞のサイトで100枚の写真で見るイラク戦争という写真など、

誰も見たくないだろうが、見なくてはいけないのだ、と私は思うのである。

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2008.03.23

「日銀松江支店 内部資料が流出」←役所の情報管理。

◆記事:日銀松江支店 内部資料が流出(NHK 3月22日 18時11分)

日本銀行松江支店の職員の自宅のパソコンから、経営が悪化した企業の財務状況などの内部資料が

ファイル交換ソフトを通じてインターネット上に流出したことがわかり、日銀松江支店は謝罪しました。

インターネット上に流出したのは、日銀松江支店が島根県と鳥取県の金融機関から提出を受けた、

経営が悪化した地元の融資先企業の財務状況などの内部資料です。

この中には、企業の名前や「破たん懸念先」の記述などがありました。

また、日銀松江支店が新年度・平成20年度に予定している各金融機関への検査の方針や対象となる店舗なども記されています。

日銀松江支店は21日午前、内部資料の流出を知らせる匿名の電話を受け、調べたところ、

業務課の男性職員がおととし1月から今月にかけて資料が入力されたフロッピーを無断で複数回持ち帰り、

自宅のパソコンで作業していた際にファイル交換ソフトWinnyを通じて流出したことがわかりました。

パソコンには、およそ40種類の内部資料が入っていたということです。

日銀では、業務に関する資料を持ち帰ることは原則として禁止されていて、会見した日銀松江支店の吉岡伸泰支店長は

「関係者の皆様にご迷惑をおかけしました」と謝罪するともに、インターネットの掲示板の管理者に削除を求めました。

日銀は事実関係を詳しく調査したうえで、関係者の処分を検討するとしています。


◆コメント:過去の経験を生かせない、ヤクニンども。

Yahoo!ニュースのトピックに、個人情報の流出という項目がある。

これをウォッチしていると、よくもまあ、これだけ毎日のように、個人・法人・顧客・患者・生徒等々の情報が流出するものだと思う。

民間企業とて、数えきれぬほど情報流出の不祥事を起こしているが、今回の当事者は日本銀行、日本の中央銀行である(支店・本店は関係ない)。

中央官庁による情報流出事件も、過去、数えきれぬほど起きているが、

私の印象で一番深刻・かつ恥ずかしいのは、イージス艦情報がエロ写真と共に世界にばらまかれた事件である。これについては、

2007年03月30日(金)「護衛艦「しらね」2等海曹、イージス艦情報持ち出す」←この自衛官は中国か北朝鮮のスパイか?ココログ

2007年04月05日(木)「イージス艦情報、わいせつ画像交換で拡散」←「・・・・・・・」ココログ

で、書いた。安全保障に関わる事柄だけに、問題の深刻さは想像に難くないし、イージス艦情報がよりによって、エロ写真と共に世界にばらまかれたのである。

これ以上の国辱は無い。


しかし、中央官庁による情報流出は防衛省ばかりではなく、経済・財政・金融当局も過去にドジを踏んでいる。

東京国税局は、納税者の個人情報47万人分が保存されていたPCを「盗まれた」ことがある。

2005年09月24日(土) <納税者情報盗難>47万人分保存のPC2台 東京国税局 責任者は財務相ですよね? ココログ

この時、責任を取ったのは現場だけで、財務大臣から国民への謝罪は一切無かった。

また、金融庁は、半年のあいだに、銀行から受け取ったフロッピーディスクを二度も紛失するというだらしなさである。それは、以下の記事に書いた。

2004年12月16日(木) ◆記事4:金融庁、個人情報含むフロッピー2枚紛失 (2004年10月18日)ココログ

2006年02月14日(火) 金融相「驚愕する事件」 みずほ銀漏洩←みんな忘れていると思っているのでしょうが、金融庁、国税庁も何かなくしましたよね?ココログ

金融庁は銀行の監督官庁であり、日銀もまた、日銀考査といって市中銀行(民間銀行)のリスク管理体制、財務状況、システム管理体制などを、監査する。

その監督官庁が、冒頭の日銀松山支店の不祥事をはじめ、この、ていたらくである。

検査しても、検査する当局にそれなりの権威がなければ実効性は薄い。



役所、ヤクニンの世界のセクショナリズムはつとに有名であり、同じ省庁の中ですら別の科の出来事は他人事である。

まして他の役所(防衛省)で起きた情報漏洩事件など知ったことではないのだろうが、それでは困るのだ。

今回の日銀松山支店の情報には、検査した銀行がカネを貸しているが潰れるかも知れない会社(破綻懸念先)の社名が含まれていたという。

それが、ウィニーを介して流出し、なんと2ちゃんねるにまで表示されてしまったのだから、とんでもない話だ。

実際には破綻していなくても、無用の風説により本当の破綻に追い込まれることだってあるのだ。

2ちゃんねるからは削除したというが、コピーする奴はコピーしてしまったであろう。

こうなったら、無限に情報が拡散する可能性があるではないか。日銀松山支店長のクビをとばすぐらいでは済まない不祥事だ。

「取り返しが付かない」とは、こういう状態を指すのである。


◆役所には、セキュリティ・オフィサー、コンプライアンス・オフィサーがいないのか?

自衛隊も日銀も共通しているのは、業務上の機密情報を職員が私用のパソコンで扱い、そのパソコンにはウィニーがインストールされていて、

それを介して情報が流出したということである。

こういう危険を防ぐ為に、民間企業のまともなところには、各部署にセキュリティ・オフィサー、コンプライアンス・オフィサーがいる。

そして、情報・文書管理規則(少しずつことなるだろうが、この類の名前)が明文化されているのである。

基本的なことは、さほど難しいことではない。

1.職場に私物パソコンを持ち込ませない事。

2.重要な情報には、誰でもアクセスできないように、権限を付与すること。

3.重要な情報が、外部記憶装置(フロッピーディスク、MO、CD、DVD、各種メモリーカード、外付けHDD等)にコピー出来ないようにすること。

4.重要な情報が、メールなど、インターネットを通して外部に送られないよう監視すること。

5.3.4.が徹底されれば、必然的にそうなるが、重要な情報を職員が自宅で扱えないようにすること。

6,職場のパソコンは全て官庁が支給し、みだりにファイル(特に何らかのアプリケーション)のダウンロードが出来ない様にすること。

7.セキュリティ・オフィサーが、抜き打ちで、職場パソコンにウィニーがインストールされていないか、検査すること。

等であろう。断っておくが、私は職場のセキュリティ・オフィサーでも、コンプライアンス・オフィサーでもない。

それでもこれぐらいは思いつく。


◆全省庁共通のセキュリティ・マニュアルを作ったらどうか。

それぞれの役所は、前述の通り縄張り意識(セクショナリズム)が強いので、これを上から動かすには内閣総理大臣しか、いない。

福田康夫内閣総理大臣は、全省庁共通の「情報・文書管理規則」を内閣府にでも命じて作らせればよい。

もしも、既に存在しているのならば、実質的に効果を発揮していないのであるから、違反した場合の罰則規定を設けるなどして、

規範性を強化するべきだ。

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2008.03.22

シンフォニック・バッハ

◆はじめに

最近、天下国家を論ずるのに疲れました。また、論ずるほどの問題もあまりありませんし、

過去六年、散々論じてきましたが、当然のことながら、世の中、一個人のブログで変わるわけもありません。

よって、特に論ずるテーマが見当たらない、又は、その気にならないときは、音楽の事を書かせて頂きます。


◆今日の特集について、はじめに。

昨日(3月21日)はヨハン・セバスチャン・バッハ(J.S.バッハ)の誕生日でしたので、一日遅れですが、バッハ特集です。

今日は、アップしたファイルがとても多いのですが、いつも書きますけれども、全てをお聴きになることはありません。

今日のテーマは「シンフォニック・バッハ」です。

つまり、バッハのオリジナル(様々な楽器、編成)の曲をオーケストラ用に編曲したものを聴いて頂こう、という企画です。

これらは、昔のストコフスキーという指揮者が30年近く常任指揮者をしていた、フィラデルフィア管弦楽団の為にオーケストラ用に編曲したものです。

ですから、オーケストラ版(太文字で曲名が書いてあるファイル)を聴いていただけば、いいのです。

しかし、オリジナルの曲がどういうものなのか、知りたい方もいらっしゃるだろうと思い、それぞれの曲にオリジナルの演奏を並べました。

これらは、もし興味があったら、お聴き頂けば良いのです。勿論、オリジナルだけ聴いてくださってもいいし、

オーケストラ版、オリジナル全てを聴いて下さっても構いません。ご自由にどうぞ。

それでは早速、音楽にいきましょう。


1曲目は、何度も聴いて頂いていますが、何度聴いても美しい。

チェンバロ協奏曲BWV1056ヘ短調からラルゴ(通称「バッハのアリオーソ」)をオーケストラに編曲したものです。



音に柔らかさが出て、音楽に包み込まれるようで良いと思うのですけどね。

オリジナルは本当はチェンバロでなくてはいけないのですが、現代のピアノ弾いた演奏をどうぞ。



ピアノの単純な音の中に素朴な慰めがあります。


2曲目はオルガン曲でBWV564 トッカータ、アダージョとフーガという曲から、アダージョ。オーケストラ版です。



心が安らぎます。

この、オルガン原曲です。



オルガンの優しい音が印象的です。


3曲目はオリジナルはコラール(合唱)で「われらが神はかたき砦」BWV302です。オーケストラ版をどうぞ。かなり後半で盛り上がります。



こういう風に終わりにかけて、ワーッと盛り上げるのがストコフスキーのアレンジのひとつの典型的なパターンです。

オリジナルのコラールです。、



お聴きの通り、本当は淡々としています(笑)。


4曲目は、無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ第3番の第一曲、プレリュードのオーケストラ版です。



もともと、一本のヴァイオリンの為の音楽ですからこれをオーケストレーションするといっても、ちょっと難しかったみたいです。

結局、ヴァイオリン・セクションの皆さん、ご苦労さん。で、あとはところどころヴァイオリンの旋律をフルートが吹いたり、低音をちょっと付け加えた程度になっています。


ヴァイオリンによる原曲です。演奏は私が非常に気に入っているジェームズ・エイネスというカナダのヴァイオリニストです。




5曲目は、バッハのヴァイオリンソナタにも、無伴奏ではなく、チェンバロ伴奏付きのソナタがありまして、綺麗な曲が沢山あるのですけれども、

今日は第四番。BWV1017 第一楽章「シチリアーノ」です。バッハのシチリアーノというとフルート・ソナタが有名ですが、これも大変美しい。

オーケストラ版をどうぞ



綺麗ですね。この曲のオリジナルを先ほどのジェームズ・エイネス氏の演奏で、どうぞ。



うーん。美しいですねえ・・・・。


6曲目です。ストコフスキーはなんでもアレンジしちゃうのですね。

ピアニストなら誰でも勉強しなければならない「平均律クラヴィーア曲集」ってのがあります。この第2番。

これらは全て「前奏曲とフーガ」という二つの部分で一曲なんですが、ストコフスキー先生、前奏曲は難しすぎたのか、フーガのところだけ、

オーケストラ用に編曲しました



盛り上げていますねー。

オリジナル、これは前奏曲の早い動きからはじまります。演奏は超一流。スヴィヤトスラフ・リヒテル。



曲の終わり。オーケストラ版がいかに盛り上げているかお分かり頂けたと思います。


最後です。コラール「目覚めよ、と呼ぶ声あり」オーケストラ版です。



これはとても良いと思います。オーケストラ以外でもあらゆる形態で演奏されます。

私は、この曲を聴く度に、魂が慰められるのを感じます。

オリジナル。トン・コープマンという大先生によるオルガンでどうぞ。



コラールのパートの音を出しているのは、オルガンの「トランペット管」という種類の管なのですが、

あの「べー」という音が気になるかならないか、人によるでしょうね。


今日は大変多くなってしまいましたが、しばらくお楽しみ頂けるのではないかと思います

CDですが、ストコフスキー・シンフォニック・バッハ第2集で、聴けます。

それでは、失礼します。

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March(3月)はマーチ(続編)スポーツ・マーチです。

◆マーチの続きです。ほぼ皆さん聴いたことがあると思います。

ここひと月で、マーチを特集するのは2回目です。

前回は、マーチ王、スーザの作品を取りあげました。

今日は、スポーツに関わるマーチです。皆さんどこかで聞いたことがあると思います。

最初に、マーチではないのですが、やたら検索してくる人が多い、「東京オリンピック・ファンファーレ」をどうぞ。





前にも書きましたが、これはオリンピック組織委員会とNHKが一般公募して選ばれた、今井光也さんという方の作品です。



東京オリンピックの次に日本で開かれたのは1972(昭和47)年の札幌オリンピックです。

このファンファーレは、プロ中のプロ、パリ音楽院で作曲を勉強なさった作曲家、三善 晃(みよし あきら)氏の作品です。

本職の作曲家ですから、ハーモニーなど、複雑ですが、とても華やかです。どうぞ。





私と同年配以上の方。覚えておられるでしょう?見事なファンファーレです。


◆次は本当にマーチです。

これからお聴き頂くのは、皆さん、ほぼ確実に「最初の部分だけは」聴いたことがあると思うのです。

まず、古関裕而さんの「スポーツ・ショー行進曲」っていうんだね。これ。





はい。そうです。NHKのスポーツ番組で流すマーチですが、最初の40秒ぐらいしか聴いたことが無かったでしょう?本当はこんなに長いのです。

次は、日本テレビ系列のスポーツ番組で使われるマーチです。何と作曲は、黛敏郎さん(何十年も「題名のない音楽会」を司会しておられた方)です。

芸大を出た後、やはり、パリで作曲の勉強をした方です。難しい曲も沢山書いていますが、これは分かりやすい。当然ですが。

これは、正式な曲名は「スポーツ行進曲」というのですね。





何だか、スーザのワシントンポストをわざとパクったような箇所がありますが、黛さん特有のユーモアでしょうか。

次は、TBS系列のスポーツ番組テーマ曲「コバルトの空」です。

ハワイ出身のレイモンド服部さんという方が、1951年にラジオ東京(現・東京放送=TBS)の依頼を受けて作曲したのだそうです。





これ、何気なく始まりますけど、最初のトランペット、「ドッドド・ドソドミ・ドッドド・ドソドミ」って初心者には絶対吹けません。

こういう音の動き、難しいです。どう難しいかというと、これを正確な音程で歌ってみてください。出来ないでしょう?それと同じ事です。



今日の最初は東京オリンピック・ファンファーレでしたので、最後は、古関裕而氏作曲の「オリンピックマーチ」で終わりにします。





この演奏は陸上自衛隊中央音楽隊ですが、もう少しテンポを上げても良いかな、という気がしました。

これらの演奏を含む多数のスポーツマーチは、スポーツ・マーチ・ベストで聴けます。

陸上・海上・航空、各自衛隊の中央音楽隊が分担して演奏しています。面白いことに陸が一番テンポが遅く、航空自衛隊が一番早いのです。

単なる偶然ではないように思いますが・・・。それでは。

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2008.03.20

「イラク戦争『正しかった』と米大統領、開戦5年で演説」←イラク戦争の違法性について。何十回目かの説明。

◆記事:イラク戦争「正しかった」と米大統領、開戦5年で演説(3月20日11時28分配信 読売新聞)

【ワシントン=黒瀬悦成】ブッシュ米大統領は19日、米軍によるイラク戦争開戦から5年を迎えるのに合わせ、

国防総省で「テロとの戦い」に関する演説を行った。

大統領は、イラク戦争とサダム・フセイン元大統領の放逐は「正しい決断だった」とした上で、

昨年実施したイラクへの米軍部隊の増派戦略により、「テロとの戦いでの戦略的勝利への展望を開いた」と強調した。

大統領は、「イラクでの戦闘は、予想以上に厳しく、戦費もかかっている」と認めつつも、

増派戦略によって「アラブ人が米軍と一緒にアル・カーイダ追放に動き出した」と述べ、

国際テロ組織アル・カーイダに反発するスンニ派部族との連携が、治安回復に効果を上げていると指摘した。

民主党などが主張している駐留米軍の早期撤退論については、

「性急に撤収させれば、その空白を突いてテロリストや過激主義者が拠点を築き、殺戮(さつりく)を繰り広げる」とし、

駐留米軍の展開規模をただちに縮小させない方針を改めて示した。

また、イラクで国際テロ組織アル・カーイダに巻き返しを許せば、

「イラク国内の石油資源を元手に大量破壊兵器を入手し、米国や他の自由主義諸国に攻撃を仕掛けようとする恐れがある」と主張。

その場合は「イランも勢いづき、新たに核兵器開発を進め、中東での覇権を狙うかもしれない」との見方を明らかにした。


◆解説:「イラク戦争は客観的に正しくない」ことの何十回目かの説明。

私が、最初にこの問題を解説したのは、イラク戦争開戦前日、2003年3月19日のことである。

当時は日本で「ブログ」などという存在は知られておらず、私もウェブ日記エンピツにのみ記事を載せていた。

くだんの記事は、2003年03月19日(水)アメリカの行動は明らかに国際法違反である。その法的根拠。である。

イラク戦争が正しくない理由は、その時に書いたことと同じだが、毎年、新しい読者もおられるし、

私は嫌と云うほど繰り返し書いたから、資料を見るまでもなく覚えているが、

やはり、大事なことは繰り返し書かねばならない(マスコミは決してやらない)。


◆イラクが大量破壊兵器を保有していたか否かは、イラク戦争の正当性と関係が無い。

イラク戦争を始めるとき、ジョージ・ブッシュアメリカ合衆国大統領が主張した、正当性の根拠は、

「イラクは大量破壊兵器を保有しており、これがアル・カイーダなど、テロリストの手に渡れば、アメリカは明日にでも攻撃を受けるかも知れない」

ということだった。だから、そうなる前に、イラクを攻撃する、といったのである。

これは、国際法(国連憲章)に違反している。アメリカは国連の加盟国(しかも常任理事国)なのだから、国連憲章を遵守する義務がある。

これが、国際連合憲章である。

国連憲章は、戦争放棄を謳った日本国憲法によく似ている。原則として武力の行使を禁止しているのである。

それは、第1条(目的)第1項第2条(原則)によって明らかである。
第1条〔目的〕国際連合の目的は、次の通りである。

1 国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため

有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。

第2条はさらに具体的である。
第2条〔原則〕この機構及びその加盟国は、第1条に掲げる目的を達成するに当っては、次の原則に従って行動しなければならない。

1 この機構は、そのすべての加盟国の主権平等の原則に基礎をおいている。

2 すべての加盟国は、加盟国の地位から生ずる権利及び利益を加盟国のすべてに保障するために、この憲章に従って負っている義務を誠実に履行しなければならない。

すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。

すべての加盟国は、その国際関係において、武力よる威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

5 すべての加盟国は、国際連合がこの憲章に従ってとるいかなる行動についても国際連合にあらゆる援助を与え、且つ、国際連合の防止行動又は強制行動の対象となっているいかなる国に対しても援助の供与を慎まなければならない。

6 この機構は、国際連合加盟国でない国が、国際の平和及び安全の維持に必要な限り、これらの原則に従って行動することを確保しなければならない。

7 この憲章のいかなる規定も、本質上いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限を国際連合に与えるものではなく、また、その事項をこの憲章に基く解決に付託することを加盟国に要求するものでもない。但し、この原則は、第7条に基く強制措置の適用を妨げるものではない。

もはや、解説が不要なほど明らかだが、国連憲章は、その第2条において、武力の行使は原則としてしてはならない、とはっきりと謳っているのである。


◆国連憲章が武力行使を認めている例外は2つだけ。

第2条は「原則」となっている。ということは「例外」がある、つまり武力行使が許される場合があることを意味している。

それは、2つとも、第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動に書かれている。

1つ目の例外。国際社会の平和に対する脅威となる行動をとる国に対して、

まずは、平和的手段(経済制裁など)によって制裁を加える。それでもなお、いうことを聞かない場合、

国連安全保障理事会の決議により、軍事的措置を実行する(多国籍軍を送る)、というケースである。
それが、第42条〔軍事的措置〕である。

第42条〔軍事的措置〕

安全保障理事会は、第41条に定める措置では不十分であろうと認め、又は不十分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。



2つ目の例外。個別的自衛権、又は集団的自衛権を行使する(日本は憲法で禁止されている)場合、である。

つまり、自国が他国に侵略された場合、又は攻撃を受けた場合、自国民の、又は集団的自衛権の行使を認めている国では同盟国の主権を守るために、

「安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間」、自衛権を発動する、つまり武力で応酬することは構わない。ということである。

それが、第51条〔自衛権〕である。
第51条〔自衛権〕

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。

この2つの例外を除いて、国連加盟国は武力を行使してはならないのである。


◆2003年3月20日、アメリカが武力を発動する理由は上記2つのいずれにも該当していなかった。

ブッシュの開戦理由は国連憲章が武力行使を例外的に許容する、いずれのケースにも該当しない。

イラクは、IAEA(国際原子力機関)の査察を受け入れていた。そして、アメリカがイラク戦争を始める2週間ほど前に、

「イラクが大量破壊兵器を保有しているか否かを判断するのには更に数ヶ月が必要だ」との中間報告を発表したばかりだった。

しかし、実は、それも、イラク戦争の正当性とは無関係である。

仮に、2003年3月20日の時点で、イラクが大量破壊兵器を保有していることが証明されたとしても、国連憲章に従えば、

アメリカが、勝手に、イラクに対して武力攻撃を仕掛けることは、出来ない。平和的脅威に対して軍事的措置を取るか否かは、

国連安全保障理事会が正規の手続きにのっとって決定する事柄である。米国は、国連安全保障理事会の開催すら求めなかった。


武力行使を例外的に許容する2つ目のケース、「自衛権」に関してはどうかといえば、いうまでもない。

アメリカは2003年3月20日、イラクの攻撃を受けてもいなかったし、領土を侵略されてもいなかった。

したがって、自衛権の行使をすることは、論理的に不可能である。

「将来、イラクが大量破壊兵器を作って、それがテロリストの手に渡り、アメリカが攻撃されるかも知れない」

というのは、完全に想像上、仮定上の話であり、現実に攻撃を受けていたのではない。

もし、これを「自衛権」と認めたら、どの国もありとあらゆる妄想的理由にもとづく、「先制攻撃」が可能になってしまう。


◆結論:イラク戦争は正しいか否かを議論すること自体、馬鹿げている。

イラク戦争が始まり、自衛隊をイラクへ派遣する法律をわが国は作ってしまったが、国会での与野党の議論では、

「イラク戦争の大義は何か」

という言葉が頻繁に使われ、イラク戦争は正しいのか、正しくないかを「議論」していたが、だからバカだというのである。

「大義」などというあいまいな言葉を使うから小泉がのらりくらりと逃げる。
「イラク戦争の国際法における正当性を証明せよ」

と言えば、絶対に答えられなかったはずだ。「大量破壊兵器」は繰り返すが、理由にならない。

結論。

「イラク戦争は正しいか、正しくないか。これを日本が支持したのは正しかったか、間違っていたか。」というような議論の余地は無い。

本稿で述べたとおり、イラク戦争は国際法上(国連憲章は国際法の一種だ)、明らかに、違法である。

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ニューヨーク・フィルハーモニック平壌公演はYouTubeにアップされていたのですね。

◆これが、平和に貢献するのかどうか分かりませんが、NYフィルは本気で演奏しています。

先月、26日に北朝鮮・平壌でニューヨーク・フィルハーモニックがコンサートを行いました。

北朝鮮のほうが招待し、それは金正日の肝煎りに決まっているのに、当日金総書記はコンサートに姿を現さなかったのは無礼である、

と、私は批判的記事ココログ)を書きました。

その考えは変わっていませんが、それはとりあえず置いておきます。

今日、YouTubeで音楽の映像を見ていたら、なんと、「NYフィル平壌公演」の映像がアップされているでは有りませんか。これは驚きました。

映像はフランス語(?)のナレーションが入ることからも分かりますが西側のメディアが撮ったものに違い有りません。

オーケストラ・コンサートの中継・録画は専門職です。ディレクターも他のスタッフもスコア(総譜)をある程度読めないと、

話になりません。この映像は、例えば、ローエングリン第三幕への前奏曲は、ホルンとトロンボーンが大活躍するのですが、

ちゃんと、その箇所で、ピタリとアングルが変わります。


◆映像へのリンクです。

曲目は以下の通り(引用者が、順番を多少入れ替えています。

必ずしも、全てをご覧になる必要はありません。

「新世界より」は全曲通したら長いですから、「ローエングリン」「アルルの女からファランドール」、

「パリのアメリカ人」、「キャンディード序曲」あたりから気が向くのをお聴きになればよいと思います。

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)国歌とアメリカ合衆国国歌

北朝鮮の国歌を先入観抜きで聴くと、意外に美しいのでびっくりします(だから北朝鮮が「いい国」だといっているのではありません)。

少なくとも、中国のあの滑稽な国歌より、余程音楽的です。

ワーグナー:ローエングリンから第3幕への前奏曲(第3幕序奏)



ビゼー:アルルの女からファランドール



ガーシュウィン:パリのアメリカ人

トランペット・ソロで、トランペットの先端に布袋がかぶせてありますが、これはミュート(弱音器)の一種なのです。

パリのアメリカ人では、トランペットの譜面にこういう指示が書いてあるのです。

各オーケストラのトランペット奏者はハンカチを軽く結んだり、

洗面器の様なものをスタンドに固定して、それに向かって吹いたり、色々工夫しています。

ドヴォルザーク:交響曲第9番新世界から第1楽章



ドヴォルザーク:交響曲第9番新世界から第2楽章



ドヴォルザーク:交響曲第9番新世界から第2楽章続きと第3楽章



ドヴォルザーク:交響曲第9番新世界から第4楽章



ドヴォルザーク:交響曲第9番新世界から第4楽章続き



レナード・バーンスタイン:キャンディード序曲

NYフィルの音楽監督だった、故・レナード・バーンスタインの有名曲です。難しい曲ですが、NYフィルにとっては、十八番です。

多分、アンコールで演奏されたのでしょうね。いくら十八番とは言え、合奏が難しい曲なのに、敢えて、指揮者・マゼールは、

指揮台にいません。オーケストラの実力のデモンストレーション的意味合いがある、と思います。


◆金正日は来なかったけど、音楽が北朝鮮国民の心をすこしでも解きほぐしたことを祈ります。

多くの北朝鮮国民は、これほど水準の高い、西洋音楽の演奏を聴いたのは初めてだと思います。

音楽に感動するのは、政治的体制など関係が無いと思います。どんなにアメリカが敵だ、と今まで洗脳されていても、

この日に演奏を聴いて、強烈に感動した人がきっといると思います。

勿論、たった一度のクラシック・オーケストラ・コンサートが外交的問題を全て解決に導くほど世の中は単純ではない。

しかし。人間が本当に感動したときの記憶、というのは鮮明に残ります。

本当に感動したら、そのオーケストラがいる国を、心の底から憎むことは大変難しくなると思います。

国家権力といえども、「言論」を弾圧することは出来ても、美しいものを「美しい」と感ずる人間の気持ちを抑えることは出来ません。

音楽にはそういう力があります。

あそこの演奏会場にいた北朝鮮国民の1人でも多くが、そういう経験をしたことを祈ります。

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2008.03.18

「五輪=中国首相『オリンピックを政治問題に絡めるべきでない』」←あんたが言えた義理じゃないだろう。

◆記事1:五輪=中国首相「オリンピックを政治問題に絡めるべきでない」(3月18日16時19分配信 ロイター)

[北京 18日 ロイター] 中国の温家宝・首相は、チベット騒乱鎮圧を受けて北京オリンピックのボイコット論が浮上していることに対し、

オリンピックを政治問題に絡めるべきではないと訴えた。

首相は記者会見で「われわれは、オリンピックの主旨と憲章を尊重しなければならない。

その主旨は、オリンピックを政治問題化してはならないというものだ」と述べた。

ハリウッド俳優で「チベットのための国際キャンペーン」の会長を務めているリチャード・ギア氏は、個人的な見解として、

中国がチベットの混乱を平和的に収拾できなければ、オリンピック参加は「良心に反する」と述べた。


◆記事2:高村外相「五輪ボイコットせず」(3月18日11時14分配信 産経新聞)

高村正彦外相は18日午前の記者会見で、中国・チベット自治区の騒乱事件を理由に日本が今夏の北京五輪をボイコットする可能性について

「ない。北京五輪は成功裏にやってもらいたいと日本政府は考えている」と否定した。

また、中国側がこの問題での国際調査団の受け入れを事実上拒否していることに関し、

高村氏は「なるべくオープンにして中国側の言う通り『中国は乱暴なことはしていない』と国際社会が分かるようにした方がいい」と注文をつけた。


◆コメント:オリンピックは散々政治に利用されてきたのです(それが良いとは言わないが)

中国の温家宝首相の発言は、あきれてものが言えない。ボイコットの声が出ているのは、いうまでも無く、

中国の軍隊がチベットの鎮圧の為に武力を用いていることが原因である。中国は否定しているが、ラサから脱出してきた人の話では、

ラサ市内は「まるで戦場のようだ」という。中国が武力を用いて、チベット族を殺してまで、暴動を鎮圧しようとしていることは明らかである。


温家宝首相の発言で、もうひとつ噴飯ものなのは、「政治とオリンピックは別」という趣旨の発言だが、これも偽善的である。

古くは、1936年のベルリン・オリンピックが、当時権力の座にあったヒトラーとナチス・ドイツの宣伝のために利用されたことは、現代史の常識である。

また、1980年のモスクワ・オリンピック。7月下旬から8月上旬に開催されたことはされたが、多くの国がボイコットした。

それは、前年、1979年12月、旧ソ連がアフガニスタンに侵攻したからである。

1980年1月、当時のカーター米大統領がボイコットを表明し、世界各国も同調するように求めた。

日本は、米国に逆らえないから、2月にあっさりとボイコットを決めたのである。ボイコットした国は50カ国近くに達したが、

その中に中国も含まれていた

だから、温家宝首相の発言は「なにを今更」ということなのである。

日本の高村外相は、「ボイコットしない」と言っているが、もしも、アメリカがボイコットを決めてご覧なさい。

いうことが180度逆を向くであろう。


◆ただね。選手が気の毒なんだよね。

私は、感情的には、最近のギョーザ騒ぎの後の中国のとぼけ方にも腹が立つし、チベット自治区の弾圧に至っては、

あまりの野蛮さ、非人道性が言語道断、という他は無く、こんな国で平和のスポーツの祭典なんて、偽善のかたまりじゃないか、

こんなオリンピック、出ること無い、と思うのである。

しかしながら、一方で、私の歳の人間はモスクワ・オリンピック当時のことを記憶している。

モスクワを目指して4年間、重ねてきたアスリート達の努力が、政府の鶴の一声で水泡に帰したのである。

あの時の、各競技の選手達の悔しがりようといったら・・・。ただ、呆然とするもの。泣きわめく者。がっくりうなだれる者。

正視に耐えがたいほどであったのだ。女子バレーの三屋さんとか、江上さんなんて本当に号泣していたからね。

だから、それを思うと、中国人につけ込まれたくはないが、チベット騒動はは国連決議で平和維持軍でもなんでも送ってとりあえず収めて、

競技だけでもやらしてやりたいな、という気持がある。

どちらにすべきか、自分でも思想を決めかねている。

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2008.03.17

「ドル3円超の急落、9年ぶりパニック売りでも下値めど見えず」←だからさあ。米国は早く公的資金を使いなさいと言ってるでしょう。

◆記事1:ドル3円超の急落、9年ぶりパニック売りでも下値めど見えず(3月17日20時14分配信 ロイター)

[東京 17日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)によるベアー・スターンズへの緊急融資を受け、

週明け17日の外為市場では早朝からドル売りが殺到した。FRBの公定歩合引き下げにもかかわらず、

わずか数時間で3円を超えるドル安が進み、ドル/円は12年7カ月ぶり円高水準の95.77円まで急落した。

1日の下落幅としては9年ぶりの大きさとなり、多くの参加者が下げの勢いが付いたドルの下値めどを見通せない「パニック状態」(都銀)に陥っている。



<投機筋の売り仕掛けで市場崩壊の危機、100円割れ水準での下落率は12年ぶり>

17日朝の東京市場では投機筋の売り仕掛けが活発化し「市場が壊れかけている。介入でもない限り止まらない」(外銀)と悲鳴にも近い声が上がった。

ロイターデータでドル/円は、午前8時半から11時半までの間に高値から安値まで3.39円下落。

日銀によると、円の取引量が多いアジア時間の取引としては、1999年1月12日の4.20円以来、9年2カ月ぶりの下げ幅となった。

ドル/円の下落率もアジア市場だけで3.42%に達した。

1日(24時間)を通じた下落率を比べると、サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題が表面化した昨年8月以来の大きさだが、

当時のドルは115円付近から下落していた円安圏での値動き。心理的な節目となる100円を割り込んだ水準で大きな値動きとなったのは、

95年9月にドルが100円台から反落したとき以来、約12年半ぶりのことだ。

17日午後から夕方にかけてドルは小幅に持ち直しているが、海外市場にかけてドル売りが再び強まれば、1日の下落率は昨年8月を上回り、さらに大きくなる。

(引用者注:以下省略:全文キャッシュはこちらに保存してあります。)


◆記事2:公定歩合0.25%緊急引き下げ=ベアー資産担保に3百億ドル特別融資-米FRB(3月17日11時1分配信 時事通信)

【ワシントン16日時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は16日夜、

傘下の地区連銀を通じて市中銀行に直接資金を貸し出す公定歩合を緊急に0.25%引き下げて3.25%にすると発表した。

また、ニューヨーク連銀と直接取引ができる内外の有力証券会社20社で構成するプライマリーディーラーに対し、公定歩合枠を使った資金供給枠を緊急設定する。

融資枠の設定期間は少なくとも半年。公定歩合を使った市中銀行への貸し出しについては、期間を3カ月まで延長する。

公定歩合を使った貸し出しでは、住宅ローン担保債(MBS)など幅広い資産が担保に認められる。

MBSは、銀行間やヘッジファンド向けなどの融資に担保として使われており、この値崩れが金融市場の「異常な状況」(FRB当局者)を招いていた。

FRBはさらに、JPモルガン・チェースによるベアー・スターンズの買収を即時承認するとともに、ベアーが持つ「流動性の低い資産」を担保に、

JPモルガンへの300億ドル(約3兆円)の特別融資を決めた。

本社ビルなどが担保になるとみられるが、FRBが債券などの通常の金融資産以外を担保に貸し付けを行うのは極めて異例。

FRB当局者はこの融資について電話会見で、「一回限りのもの」と例外性を強調した。


◆コメント:いよいよ、ヤバくなってきました。

ちょっと、記事が専門的なので面倒くさいでしょうから、かいつまんで説明します。

記事1は東京の外国為替市場でドル売りが止まらず、先週終値比3円以上も円高になったこと。

特に、100円という大台を割り込んだら、一度は買い戻しが出るのに、戻りがなく、ドルが対円で暴落していく様を不気味に描いています。

また、株式市場も先週からずっと下がり続けており、昨年来安値だった、1万2532円13銭を割り込んでも全然下げ止まらず、

それどころか、今日(17日)は先週終値比-454.09円の、11,787.51円でした。1万2千円台もあっさり割ってしまいました。

今のところ、そこまで書いているメディアは見かけませんが、ひょっとしたら、1万円を割るのではないか、という恐怖感を煽っています。


◆ベアスターンズはウォール・ストリートの「ビッグファイブ」の一つなのですが、潰れました。

次に記事2について説明します。

ベア・スターンズは投資銀行です。

少し話がそれます。「投資銀行」というのは日本に無いので馴染みがうすく、新聞はしばしば「証券会社」と訳していますが、ちょっと、違います。

これに関しては、私よりも、ウィキペディアの詳細かつ分かりやすい説明がを読んで頂いた方が良いとおもいます。

アメリカの金融街には投資銀行(=investment bank インベストメント・バンク)がいくつも有りますが、最大手の五社を"Big Five"と呼んでいます。

ベアスターンズは、このビッグ・ファイブの1つだったのです。

尤も、五社の中では最も小さく、その規模の割には金融市場へのエクスポージャー(金融資産のうち、価格変動リスクに晒している資産の割合)が大きかったのです。

昨年夏、傘下のヘッジファンドが大損をしました。その頃から危ないと言われていたのですけれども、

それを考慮しても、なお、兎に角、ビッグ・ファイブの一つに取り付け騒ぎが起きて、

この、個別の金融機関を救済するために、FRB(連邦準備銀行)が、日曜日だというのに、

緊急融資(J.P.モルガンを通じての迂回融資ですが)をすること、

公定歩合を0.25%緊急利下げすることを発表するなど、超例外的なことなのです。


今朝から、日本をはじめとするアジア各国の株式、為替市場では、ベア・スターンズが潰れたなら、

実は、他の四つ(モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズ)も危ないのではないか、

と考えています。

私は、金利を下げて、流動性資金を増やしても仕方がないと考えており、それは何回も書いています。

「日本メガ3行に基金の協力要請 サブプラ問題で米銀など」← 。どこまで図々しいのだココログ

「<米シティ>2兆5000億円の追加損失」←ブッシュさん。公的資金を注入しなさい。ココログ

「米、0.75%の緊急利下げ・FF金利3.5%、景気悪化に歯止め」どうですかねえ。ココログ

いくら利下げをしても、サブプライムローン問題というのは、短期資金の金繰りの問題じゃなくて、信用不安(クレジット・リスク)なんです。

サブプライムローンを証券化した商品を買った。或いは、それが組み込まれた商品に投資したアメリカの金融機関が沢山有るわけですが、

サブプライムローンというのは、焦げ付いているわけです。返して貰えない。つまりローンの貸し手から見れば、丸々損をしている。債権としての価値がない。

だから、それを証券化したものも価格が暴落する。当然です。同時にサブプライムローンを組み込んだ商品の価格も下がり続けます。

このようにして、アメリカの金融機関が持っている資産の価値が下がり、債務超過になって潰れるんじゃないか、

というのが、サブプライムローン問題ですから、Fedが公定歩合を下げたり、FF金利という短期の貸し借りの基準金利を下げてもですね。

日々の財布が空にならないようにしてやるよ、というだけであって、その後に抱えている莫大な借金に付いては「知らん」という態度なのですね。今は。


◆それでも、NYタイムズのコラムは「公的資金を使うのは、バカのやることだ。」と言っている。

ざっと目を通しただけなのですが、ニューヨーク・タイムズのコラム(あっちの新聞には社説を書く論説委員の他に、何人ものコラムニストと契約しています)

を読みました。The B Word というところですが、

このPAUL KRUGMAN(ポール・クラッグマン)というオッサンは、

先週、ルービン・前財務長官と、IMF理事のジョン・リプスキーは、「アメリカの金融危機を救うためには公的資金の導入も考慮せねばならない」

と述べたが、現財務長官が「現在の危機を打開するために納税者の収めたカネを使うのは馬鹿げている」というのが、本当だ。

そして、終わり近くで、
大切なのは金融システムを救うことであり、自ら破綻した会社を救うことではない。

といいながら、
かつてのResolution Trust Corporation(整理信託公社。1989年、アメリカの貯蓄貸付組合=S&Lの清算のために作られた組織)のような組織を作ることが必要だ。

と書いています。

何処の国でも評論家ってのは、書いたらお仕舞いで気楽なものですな。

そんな悠長なことを言っている場合ですか。そんな組織をすぐに作れるのですか?

アメリカのサブプライムローン問題のおかげで世界中の株が暴落して投資家は、実損を被ったか、多額の含み損を抱えています。

アメリカ人には、「世界に迷惑をかけている」という認識を持ち、多いに自省して頂きたいと思います。

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2008.03.16

チベット問題の基礎知識(BBC)

◆何故、チベット自治区は中国の中央政府に反抗するのか?


中国には55の少数民族が各地に分布している。その合計は1億人で、中国全人口の8%に達する。

人口で言えば最大なのは、チワン族(1,500万人)で、100万人以上の人口を擁する少数民族は、18に上る。

大半の少数民族は、中央の慰撫政策や長年にわたる漢族との同化によって政治的には漢族・中央に従順、非抵抗的である。

抵抗が激しいのは、今回問題のチベット族(ラマ教)とウイグル族(イスラム教)である。

チベット族と中国の中央政府に摩擦が起きるのは歴史認識が異なるためである。

中央政府は、チベットは13世紀から公式に中国の一部だったのだから、現在も北京(中央政府)の統治下に置かれるべきだ、

という。

一方、チベット人は、ヒマラヤ山脈の周囲は何世紀もの間独立していたのであり、中国人によるチベット支配は決して、

恒常的なものではなく、例えば、1949年に中国共産党が中国を支配する前は、チベットは完全に独立していた、

と主張するのである。そして今また、チベット族は独立を取り返そうと蜂起したのである。


◆何が今回の暴動のきっかけとなったのか?

今回の騒動が起きたのは3月10日だが、49年前、1959年の正にこの日に、ラサで大規模な民族運動が発生したのである。

また、経済的な要因もある。チベット自治区には中国から大量の移民が流れこんでいる。このため、チベット人の雇用機会が

減少していることに、チベット族は怒っている。又、彼らは中国東部の経済的発展からは取り残されているのに、インフレの

煽りだけを受けている、という不公平感にも不満を持っている。


◆チベット族と中国との確執は解消されるであろうか?

中国政府は、インドにいるチベットの亡命政権と、何年にも亘って、事務レベルの協議を行っているが、

上手く話が進んでいるとは言い難い状況だ。また、今後もあまり変化はないだろう。両者間の溝は余りに深い。

中国側によれば、亡命中のチベット族は、チベットが中国から切り離されることを望んでおり、ダライ・ラマは、

現在のチベット自治区の完全な「自治権」を求めている。


◆チベット族による抵抗運動は、エスカレートするだろうか?

多分、そうなるだろう。デモが起きた本質的な問題(チベット族の独立問題)が解決されていないのであるから、

緊張状態は続くだろう。

また、今夏、中国でオリンピックが開催される。中国領の内外にいる(チベット独立)運動家たちは、

オリンピックを利用して、チベット問題を世界に喧伝しようとする可能性が高い。

とりあえず注目されるのは、数週間以内にチベットを通過する予定になっている、「聖火」がどう扱われるか、だ。

(原文:http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7299221.stm 但し、筆者が加筆した部分があります。)

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日本の政権に関する謎(3月6日付 Economist誌 翻訳)

◆地方があまりにも中央政府に依存している。

日本の政界について、過去半世紀、ずっと抱かれてきた疑問がある。

それは、日本が民主主義国家なのに、何故、競合する政党間での政権交代が行われないのか?ということである。

自民党は、国民から大変愛されている、という訳でもないのに、1955年以来、わずかな空白期間を除いて、ずっと政権を担当している。

昨年夏の参院選では、民主党が勝ち、初めて野党が参議院の過半数を占めた。

しかし、衆議院では依然として自民・公明の連立与党が、全議席の3分の2を押さえている。野党は予算案の可決を止めようと、

躍起になり、早い時期の総選挙を望んでいる(尤も、野党各党の党首は、オフレコでは、

今はまだ、衆院選で野党が過半数を取ることは出来ないだろうと思っている)。


この疑問を解くひとつのカギは、中央政府と地方との関係にある。日本には、1800余りの市町村と、47の都道府県がある。

いくら民主主義国家といっても、日本は結局、中央に政治的権力と資金源が集中しているのである。

改革派知事として名を馳せた前三重県知事の北川正恭氏は、都道府県予算の5分の4、市町村予算の5分の2は、

中央政府により、委譲されたものだろうと推計する。

このような状況により、あらゆるレベルで「クライアントとパトロン」のような不健康な癒着が生まれる。

地方選挙の際、政治家は地元の支持を失いたくなかったら、なにか、地方に利益をもたらすようなものを、

用意しなければならない。つまり、農家には補助金を。建設業者には、大きな利益をもたらすインフラ事業計画を。

その替わり、自民党の大物政治家や彼らと結託している中央官僚は、国政選挙の際に、地方議員に票のとりまとめを

頼むわけである。そうすれば、又地方選挙の時に面倒を見てやるぞ、と言うわけである。

これが、自民党を常に有利にしてきた仕組みである。しかし、これでは、自民党は政策によって政権を保って来たのではなく、

地方に便宜を図ってやることにより、その地位を守ってきたのだ、ということが分かる。


前出の北川氏に言わせると、このようなシステムでは、地方行政は単なる中央政府の「請負業者」でしかない。

そして、この構造が、無駄なインフラを建設し、日本の国土の景観を破壊してきたのだ、という。

例えば熊本県では、県庁の役人が、中央から資金を提供された、しかし、全然必要の無いバイパス道路の建設を決定した。

本当は、中央からの資金を必要としていたのは、どんどん衰退していく県内の多くの商店街だったのである。

または、同じ資金を九州新幹線の延長に投じることにより、ビジネスが活性化し、発展する福岡に若い人たちが

出向くのを容易にするはずだ、という。



自民党は、このような状況を変えようとした。小泉元首相は、インフラへの支出を大幅にカットした。しかし、他国に比べると

まだ多い。また、小泉は地方の権限を強化する、と豪語したが、実際は、地方への補助金が減らされただけであった。その結果、

各地方自治体は、財政難に悩んでいる。

負債を大量に抱える、地方の各都市は、典型的な失敗例である夕張市のことを忘れない。かつて炭坑の街だった夕張市は、

炭坑の閉鎖を機に、生まれ変わろうとした。かつて炭坑が有った場所に巨大なテーマパークを建設し、国際映画祭を開催し、

信じがたいほど高価なメロンを作った。いずれも巨額のプロモーション費用を必要とした。結果は失敗だった。

夕張市は年間税収額の14倍もの債務を負い、財政的に破綻したのである。

これを見た他の地方自治体は、独立を目指すどころかより一層、中央の援助を期待するようになった。


しかし、何処も同じ、と言うわけではない。都市部に住む国民は、特定財源のあり方に怒りを覚えている。

彼らは市場の改革と、低金利の是正を期待している。

民主党はこのような層から支持を受けている。民主党代表の小沢一郎氏は、30年以上も続いている暫定税率の維持に反対した。

しかし、日本の政治の典型で、小沢氏の反対も純粋に原理・原則から生じたものではない。

昨年の参院選当時における民主党のマニフェストを読んでも、税制に関しては、具体的なことは書かれていないのである。

小沢氏は地方の有権者に民主党が政権を取れば、自民党のときよりも良いことがありますよ、と言っているだけだ。


自民・民主両党の改革主義者のフラストレーションが昂じた結果、超党派の100人の国会議員と北川氏のような地方の改革論者、計107人は、

3月3日、超党派議連「せんたく議員連合」を結成した。彼らは、地方分権、国会改革、霞ヶ関改革などを標榜し、

議論の結果を時期衆議院選挙のマニフェストに反映させると、言っている。

これを画期的な動きだ、と評価する向きもある。しかし、各議員が所属政党を内側から変革出来ないのだとしたら、

いくら団体を作っても、外側から変えることなど出来るのであろうか?

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2008.03.15

3月14日はテレマン(1681~1767)の誕生日です。ファゴット、ヴィオラ、コントラバス、トランペットで。

◆バッハと同じ時代のドイツの作曲家です。

ゲオルグ・フィリップ・テレマンと言いまして、バロック音楽好きの方にはお馴染みです。

詳しいことは、ウィキペディアなどにいくらでも書いてありますので、知ったかぶりは止めておきます。

ひとつだけ。テレマンは、1681~1767で、バッハが1685~1750なのです。完全に重なってます。

今では、バッハが「音楽の父」などと言われていますが、テレマン、バッハの時代は、テレマンの方が断然有名で、

人気があったそうです。バッハは1723年にライプツィッヒの聖トーマス教会の音楽監督になって、死ぬまでその地位だった(はず)のですが、

前任者が亡くなって、聖トーマス教会(というか、ライプツィッヒ市)は最初、テレマンをスカウトしようとしたけど、断られ、

「二流どころだが、バッハで我慢せねばなるまい」

と、仕方なくバッハを招聘したそうです。なかなか、笑えます。


◆「テレマン:室内楽名曲集」から。作品41のソナタ。ヘ短調。ファゴットで。

いや、参りました。テレマンという人は作品の数が多すぎて、色々な分野にわたって作品を書いているので、

どのように、まとめようかと。どちらかというと小規模な、室内楽っていうのですが、そういうのが良いと思うのです。

テレマン:室内楽名曲集からヘ短調のソナタ、TWV41:f1 (TWVがテレマンの作品番号ですね。)より第2楽章。

リコーダーでも、他の楽器でも吹いたり、弾いたり出来ますが、今日はファゴットでお聴き下さい。





いいでしょ?このCDは他のも綺麗な曲が多くて良いですよ。


◆ヴィオラ協奏曲という珍しいのがあります。

ヴィオラという、ヴァイオリンよりも一回り大きい楽器がありますが、ソロ楽器として登場することは殆ど無いのです。

20世紀になってから、バルトークとヒンデミットという作曲家が書いています。その他に協奏曲ではないけど、ヴィオラがソロを弾く、

ベルリオーズの「イタリアのハロルド」という曲があります。しかし、とにかくヴァイオリンとは比べものにならないぐらい、少ない。


ところが、みんな忘れていますが、テレマンがヴィオラ協奏曲を書いているのです(バロックですから、小編成ですが)。その第三楽章をどうぞ。





ヴァイオリンほど高音でキーキー言わないし、バスほど、「ドスン」と肚に堪えない。いい音だと思います。

ご参考まで。これが収録されているのは、リコーダー組曲 / ヴィオラ協奏曲という、テレマンの協奏曲集です。

他に3つのバイオリンの為の協奏曲とか、二本のホルンの為の協奏曲が入っています。ナクソスですから、あまり高くありません。


◆コントラバスとファゴットのデュオ・ソナタ

ぐっと低音にいきます。

これは本来どの楽器の為に書かれたか分からないのですが、「6つのデュオ・ソナタ、第二番」としか書いてない。

尤もバロック音楽は、どの楽器で演奏せねばならない、というのが、後世ほど硬直的じゃないから、構わないのです。

しかし、私もコントラバスとファゴットのデュエットというのは、初めて聴きました。どうぞ。





美しく弾いた(吹いた)低音というのは、優しい響きがしますね。

これは、iTunesで買えます。一楽章だけでも、アルバム全体でも。この楽章のURLは

http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?i=129203238&id=129203037&s=143462

です。これをブラウザのアドレスのところに貼って、Enterを押せば、iTunesの該当のページが開かれます。

(自動的に購入にはなりませんのでご安心下さい)。


◆最後はお馴染みのトランペット協奏曲です。初めて2楽章(アレグロ)も載せます。

コントラバスから、今度は一気に高音のトランペットに行きます。

既に何度も聴いていただきましたが、思いのほかご好評を頂いているので、今日は第一、二、四楽章をお聴き頂きます。

これは、トランペット協奏曲集です。



第一楽章です。





切ないですね・・・。

第二楽章です。





軽快です。

第四楽章です。





Glory of the trumpet sound!(トランペットの音の栄光!)



お楽しみ頂けたでしょうか。それではこの辺で失礼します。

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2008.03.14

「円急伸、100円突破=12年4カ月ぶり-ロンドン外為」←「円高」というよりも「ドル安」なんですよ。米国、早く公的資金を。

◆記事:円急伸、100円突破=12年4カ月ぶり-ロンドン外為(3月13日19時1分配信 時事通信)

【ロンドン13日時事】13日朝方のロンドン外国為替市場の円相場は、米景気後退懸念が一段と強まったことで円買い・ドル売りが急速に進み、

一時1ドル=99円77銭近辺まで急伸した。当市場で円が100円を突破したのは、1995年11月10日以来、約12年4カ月ぶり。

午前9時現在は100円05-15銭と、前日午後4時(102円35-45銭)比2円30銭の大幅円高・ドル安。


◆コメント:どうして株が売られ、ドルが売られるのか。

マスコミは、ドル円為替が12年ぶりに100円を割れた、と騒いでいるけれども、今週の値動きを見ていたら、さほど不思議はない。

米国のサブプライムローン問題による金融不安(金融機関が次々に潰れるのではないか、という心配)が、抜本的に解消されないから、

先週は105円台だったのが、今週に入ってから、103円台→101円台となり、ここまで下がると、理屈ではなくて、ディーラーは100円割れの安値を付けたくなる。

ディーラーというのはそういう人種なのである。



但し、根底には、アメリカのサブプライムローン問題があることは確かである。

サブプライムローンが債券化され、それを買ったり、発行した銀行が山ほどある。サブプライムローンは不良債権となっており、

回収の目処がたたないから、債権の価値=債券の価格がどんどん下がる。必然的に、それを買ったり発行した銀行の資産価値も下がっている。

そうすると、仮に資産を全部売却しても、バランス・シートの右側の負債を返済することが出来ない。債務超過となる。そうなったら潰れるのである。

潰れるのは住宅ローン専門の金融会社や、債券化されたサブプライムローンを保有する銀行や、「ヘッジ・ファンド」という資金運用の会社、

それから、サブプライムローンを組み込んだ金融商品などの保証を専門の仕事にしている「モノライン」という会社などである。

こうした会社について、毎日、ここが危なそうだ、あそこが危なそうだ、という憶測がマーケットに流れる。

すると、そんな会社の株を持っていられるかい、というわけで、これら金融機関の株を中心にアメリカで株が売られる。

同時に、こんな国の通貨を買っていられない。という訳でドル売りが加速する。


ニューヨーク市場で株が大幅に下げると、必ず翌朝の東京市場でも売られる。

また、外国の投資家がサブプライムローン組み込み商品で損をした分、日本株を売って、少しでも損を取り返そうとするので、

そういう背景があって日経平均は下がり続けている。


また、米国の景気の悪さが株安、ドル安の大きな要因である。

アメリカはサブプライムローン問題の他に景気の実体が本当に悪そうだ、ということが先週金曜日の米国雇用統計で明らかになった。

市場の予想は、非農業部門雇用者数が、前月比-2万人ぐらいだろうと思っていたら。なんとびっくり、-63,000人だった。二ヶ月連続マイナスで、

アメリカが景気後退局面に入ったことがほぼ、確実となった。これによって、ドル売りに拍車がかかった。

このような要因で米国株も米ドルも売られているのである。ドル円が100円を割れたのは、100円という大台割れを試してみたい、という

ディーラーの心理と、米国の金融不安、景気後退懸念が渾然一体となったものである。


◆金融不安を和らげるには公的資金を注入しないとダメなのです。

こういう状況は、アメリカと日本だけではなく、ヨーロッパにも飛び火している。

日本の金融機関は、サブプライムローン絡みの商品に大して手を出していなかったので、潰れるほどの損失には至らない。

しかし、米欧は危ない。それなのに、チマチマとした、「対症療法」しか行わない。11日にこういうニュースが流れた。

◆米欧5中銀が新たな協調策=信用不安再燃に対処(3月11日23時1分配信 時事通信)

【ワシントン11日時事】米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)など米欧5中銀は11日、再び強まってきた短期資金市場の信用不安に対処するため、

米欧間で資金を融通し合うスワップ協定の拡大や、新たな米国債貸出制度などの協調策を発表した。

あのね。こういうことをしても、抜本的解決にならないのですよ。

これは、銀行間が短期を資金の貸し借りを行っている「短期金融市場」というのがあるのですが、どこかの銀行が危なそうだ、という噂が出ると、

その銀行は他の銀行から資金を調達出来なくなる。調達できないと、前日別の銀行から借りていたおカネを返せなくなる。資金繰りに行き詰まったら、

倒産する。それを防ぐために、どこかの銀行が資金を調達できなくなりそうだったら、中央銀行が貸してあげますよ、ということだ。


それで、とりあえずは潰れないでしょうよ。しかし、サブプライムローンが組み込まれた金融商品を持っていたら、前述したように、資産価値がさがり、

債務超過になるかも知れない。それを埋めるには、資本を取り崩すしかない。資本というのは、商売の元手ですから、これが目減りしたら、

やはり、「あの銀行、危ないぞ」ということになる。

これを解消するためには、公的資金を注入して資本を増強してやるしかないのですよ。現にIMFも言っている。
◆公的資金導入も=金融危機で対策強化呼び掛け-IMF幹部(3月13日7時1分配信 時事通信)

【ワシントン12日時事】国際通貨基金(IMF)のリプスキー第一専務理事は12日、ワシントン市内で講演し、

低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題に端を発した世界的な金融不安について、

「これまでの各国の対策は十分とはいえない」とし、中央銀行による金融緩和や流動性供給だけでなく、

財政出動による景気刺激策、場合によっては公的資金を使った金融システム機能回復のための措置を実施するよう呼び掛けた。

アメリカのエコノミストも同じ事を言っている。

それは、「必要なら公的資金を=金融安定化策、日本の教訓学べ-米有力エコノミスト」ココログ)に書いた。

まず、震源地である、アメリカさん。早くやってくれよ。世界中が迷惑してるんだから。

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2008.03.13

医療従事者は言葉を選んで患者にものを言って頂きたい。

◆背景となった事実:私事で恐縮ですが。

今日は、いつもの病院の内科外来の日であった。

私は、或る大学病院で2つの科、精神科と内科の診療をほぼ定期的に受けている。

精神科はうつ病の治療の為であり、4週間に1度。

内科は、かつて高血圧(200-130ぐらい)だったのでその治療の為である。

非常に高く、危険なレベルにあった血圧だが、この病院の循環器専門医に診て頂いて、

それまで産業医(会社の診療所の医師)とはかなり違った降圧剤に処方を変更し、

自ら、20キロ減量したことが奏功して、今では、120-80で落ちついている。内科の主治医が

「血圧のコントロールとしては、完璧ですね」

と、嬉しそうに自画自賛するぐらいである。最早、それほど頻繁に診る必要はない、というので、内科外来は10週間に1度である。

前回(12月)の外来のとき、先生が、
「ここしばらく、心エコーを診ていないので、来月の(精神科の)外来の日に予約を入れておきますから、検査を受けて下さい」

とおっしゃった。なるほど、三年以上心エコーを撮っていない。

高血圧が続いた(過去のことではあるが)場合、心臓に器質的異常が生じる場合があるから、その有無を確かめるのが目的である。

それに異存は無かった。


◆検査技師の余計な一言。

予定どおり、今年の1月に、心エコーを撮って貰った。それはいい。エコーってのは、ヌルヌルしてくすぐったいだけだ。

臨床検査技師(っての?ああいうのをやるのは)は中年女性で、エコーの最中は別に不愉快なことはなかった。

私が怒っているのは、検査が終わってからの一言である。
「それじゃあね。次の外来のときに、先生から、ゆっくり説明を受けて下さい」

思わせぶりである。「ゆっくり」説明を受けなければならないほど、問題があったのか、と、ギョッとした。

そこで、私は、「だいぶ、悪そうですね」とカマを賭けてみた。オバサン技師は「フフン」と意味ありげに笑った。

ますます怪しい。そういう言い方をしたら、患者がどういう気持ちになるか分からないかなあ・・・。

私はこの二ヶ月、タダでさえうつ病なのに、さらに憂鬱要因が重なって、ずっと嫌な気持だった。


◆今日の外来で「異常なし」と言われたが、無性に腹が立った。

だから、今日は内科外来へ行くのが憂鬱だった。

診察室に恐る恐る入り、主治医に「エコーはどうでしたか?」と開口一番、訊いた。

先生は、

「ああ、全然問題ありませんでした。きれいなもんです」

と、極めて明快に即答された。
だったら、いいじゃないか。という方もおられようが、それは他人事だからである。

もしかして「心臓の手術が必要だ」などと言われたらどうしよう。これ以上会社を休めないぞ。

などと、誰にも心配をかけたくないので独りで心配していた私の立場になって想像してみて下さい。

無性に検査技師のオバサンの言葉に腹が立つ。

検査技師は検査することが仕事であり、例え病変に気付いても、それを説明するのは医師の仕事だというのは分かっている。

しかし、この技師はカルテなり診療記録を見て、次に私が内科外来に来るのは、今日(3月12日)だと知っているのである。

それならば、患者に2ヶ月も要らぬ心配をさせるような言葉を言うべきではない。

「先生からゆっくり説明を受けて下さい」

の「ゆっくり」を加えただけで、私のように気の弱い患者はこれほど動揺するのである。

医師、看護師、薬剤師、検査技師等々、凡そ患者に接する機会がある医療従事者は、どういう言葉を使うべきか。

どういう言葉をみだりに口にするべきではないか。日頃から吟味に吟味を重ね、会話のシミュレーションをして頂きたい。


言葉使いだけではない。診療室に入った瞬間から、医師は患者を観察するだろうが、患者も医師を見ている。

これにかんしては、3年前、愚息が下垂体性低身長疑診と言われ、結局違った、という経験をしたときの体験談、

親というのは、悲しいものなのです。ココログ)に書いたので、お読み頂けると有難い。

そういうことで、今日はこの辺で。

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2008.03.11

「鳥肌が立つ」のは、気持ちが悪い時に使う表現である。日本語あれこれ。/【追加】ベルリン・フィルの「ティコ・ティコ」

◆「~を聴いて鳥肌が立った」、という表現。

いつの頃からか、テレビでタレントなどが、ドラマや映画を見たり、音楽を聴いて非常に感動した、という意味で「鳥肌が立ちました」

という表現を多用するようになり、気になって仕方がない。

「鳥肌が立つ」とは恐怖心や嫌悪感、要するに気持が「悪い」ときに用いる慣用句である。

Yahoo!辞書を引いてご覧なさい。小学館の「大辞泉」の説明では、


  1. 皮膚が、羽をむしり取った鳥の皮のようにぶつぶつになる現象。また、その肌。寒さや恐怖などによって立毛筋が収縮し毛が立って起こる。粟(あわ)はだ。「―が立つ」

  2. ざらざらしている皮膚。鮫肌(さめはだ)。

とあり、三省堂の「大辞林」でも、同様に、
とりはだ 【鳥肌】
1.寒さや恐ろしさ、あるいは不快感などのために、皮膚の毛穴が縮まって、鳥の毛をむしったあとのようにぶつぶつが出る現象。総毛立つこと。体温調節反射の一つ

 ・ ―が立つ

2.鮫肌(さめはだ)のこと

 ・ ―にさはりて〔出典: 浮世草子・一代女 5〕

更に念を入れて、ネット上の大慣用句辞典、くろご式 慣用句辞典(すごいでしょ?)で、「鳥肌」を検索すると、
鳥肌立つ(とりはだだつ) 寒さや恐怖などの強い刺激によって、皮膚に鳥肌ができる。 類:●総毛立つ●身の毛が弥立つ

とのことである。もう、良いでしょう。

「感動して鳥肌が立った」という日本語は正しくないのである。

では何と云えば良いのかは、各自考えるしかない。

「身体が震えるほど・・・」

「胸がしめつけられるように・・・」

「あまりの美しさに背筋がゾクゾクっとした」

はっきり言ってこういう表現力は読書量に比例するんですよ。


◆間髪を入れず・・・

テレビのアナウンサーが「間髪を入れず」を「かんぱつをいれず」と、読んでいた。多くの人が間違って発音するが、プロが間違えては困る。

「間髪を入れず」は「間に髪の毛ほどのすきまも開けず」という意味であるから、

「かん、はつをいれず」

と読むのが正しい。これは、解釈の問題ではなく、これが正しいのだ。

もしも「かんぱつをいれず」が正しいのならば、間髪という言葉が正規の「名詞」として辞書の見出しになっているはずである。

試しに、読者諸氏のお手元の辞書(広辞苑でも何でも。)または、ネット辞書で検索なさると良い。

私のPCにインストールしてある、「広辞苑」第5版では何もヒットしない。

小学館の「大辞泉」にも載っていない。

Yahoo!辞書の三省堂「大辞林」には、「間髪」が載っているが、こう書いてある。
かんぱつ1 【間髪】「間(かん)、髪(はつ)を入れず」の「間、髪」を誤って一語と解釈した言い方。

載せてはいるが、「間、髪」が正しいことが分かる。
多くの人は、「間、髪を入れず」と「間一髪」(かんいっぱつ)を混同しているものと思われる。


◆「暫定税率を維持すべき」

マスコミの世論調査などで度々目にする。暫定税率のことは、今は問題としていない。日本語の表現である。

「べき」は「べし」の連体形であるから、「~すべき」でセンテンスを終わるのは正しくない。

「~すべし」又は、「~すべきである」のいずれかが正しい。言葉のプロたちがどうして誰も気が付かないのか。


◆「ありがとう」に対する返礼は「はい」ではない。

これも随分前から間違って使われているのだが、日本語の挨拶の基本である。

他人から「ありがとうございました」といわれて、「はい」と応答する人が多いが、正しくない。

「ありがとうございました」に対しては、「いいえ、どういたしまして」が正しい日本語である。


◆まとめ

色々と偉そうなことを書いたが、私とて、恐らく知らない間に随分間違った日本語を使っているに違いない。

本をなるべく読むことが有用なのはいうまでもない。

さらに、最近発見したことだが、外国人の為の日本語の教科書を読んでみると、非常に参考になる。

改めて正しい日本語を思い出して愕然とすることがある。

そして、これも言い古されたことだが、なるべくマメに辞書を引くことだ。

以下は余談である。

私の死んだ親父は、辞書・辞典・事典を実にマメに引く人間だった。生前、親父によく言われた。

「分からないことは、まず字引(じびき=辞書・事典類の総称。字を引くから、字引)を引くんだ。」

と。


【追加】音楽:ベルリン・フィルが、「ティコ・ティコ」を演奏しているのをYouTubeで見つけました。

本文とは何の関係もありません。

先月、私がイージーリスニング特集ココログ)をしたときに、

最後にパーシーフェイス・オーケストラの、ラテン・ナンバー、ティコ・ティコを載せました。これです。





これをですね。全く同じアレンジでは勿論ないけれど、バレンボイム指揮・ベルリン・フィルが大まじめに演っている映像を、

YouTubeで見つけました。ヴァルトビューネじゃないから、ジルベスター(大晦日)かな。

とにかくよろしければ見てください。非常に珍しい。当たり前だけど。

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2008.03.10

「<新銀行東京>旧経営陣に責任押し付け」←究極的には石原慎太郎に責任があるに決まっているだろう。

◆記事:<新銀行東京>旧経営陣に責任押し付け(3月10日20時53分配信 毎日新聞)

「責任は(旧)経営陣の運営にある」。破綻(はたん)寸前に追い込まれ、

都に400億円もの追加出資を求める新銀行東京(東京都千代田区)の津島隆一代表執行役は、

10日に都庁で行った2時間以上にわたる会見で、繰り返しこう強調した。

津島氏は設立時、都側の担当者として計画作成に携わりながら、今回の新銀行の調査委員長にも名を連ねる。

この日公表した調査報告書には、設立までの計画の妥当性を検証する部分は見当たらなかった。

「業績不振のため東京都に対し追加出資の要請に至ったことに対し、株主、都民の皆様に心からおわび申し上げます」。

記者会見の冒頭、津島氏ら現経営陣は深々と頭を下げて謝罪した。

津島氏は昨年11月、都港湾局長から代表執行役に就任した。05年4月の開業前に都職員として新銀行設立本部長を務め、

04年2月に都が公表した銀行の業務運営指針「マスタープラン」作成に携わった。

プランづくりには専門家も加わり、メンバーには開業当初の銀行執行役らも含まれ、「私は同志と思っていた」と振り返った。

経営悪化後の新銀行を見て「マスタープランと随分違っていて残念。一番悔しい」と語った。

一方で、会見では仁司泰正・元代表執行役ら発足時の旧経営陣の責任を強調した。

「いくら形を作っても、実際に運営する経営者が趣旨を生かさなければ目的は達せられない。マスタープランの良さを生かせなかった」とあくまで運営を問題視。

プランについては「間違っていなかった」と自信も示した。

調査委員会は、津島氏と、同じく都から出向している岡田至(いたる)執行役に弁護士1人という構成。

マスタープランを課題にした視点からの調査をしていないにもかかわらず、「一つ一つの事実を積み上げた」と客観性を主張した。

さらに、設立本部長、現代表、調査委の3役を兼任することについて「矛盾ではないか」と問われると、

津島氏は「私の役割は銀行を再建し、中小企業支援の目標を実現すること。矛盾は感じない」と語気を強めた。


◆コメント:素人に銀行経営なんかできやしないのだ。

新銀行東京とは、2003年に東京都知事・石原慎太郎の肝煎り、というか、鶴の一声で誕生したような銀行である。

初代の代表執行役(この銀行は「頭取」といわない)の仁司泰正はトヨタ自動車出身でアメリカやヨーロッパで営業の指揮を取っていた、

丸々「クルマ屋」である。そんな素人に銀行屋が出来るわけがない。


改めて書くまでも無いが、銀行というのは、「金貸し」で有り体にいえば、カネを扱う汚い商売なのだ。

その替わり、今は3大メガバンクに統合されてしまったが、老舗の三菱、住友、三井、三和などには、100年も蓄積されたノウハウ、

「金貸しとしてのノウハウ」があったわけである。

そんな連中でも90年代にはバブルに乗じて過剰融資をし、大量の不良債権を抱える、というドジを踏み、後始末にえらく苦労した。


銀行屋は、汚れ仕事だがそれなりの知識と経験が必要なのに、繰り返すが、初代の代表執行役(頭取)は、元クルマ屋だった。

ところが、記事にも書いてあるが、「新銀行東京」の設立計画には、今日、記者会見した現在の代表執行役、津島隆一も加わっていたのである。

今の「新銀行東京」の経営不振の責任は、初代代表執行役にある、というのならば、それを選んだ自分、さらには全てに責任を負う、

石原慎太郎の責任じゃないか。

現・代表執行役、津島隆一が旧経営陣に責任をなすりつけたがるのも経歴を見ると納得がゆく。

元、都港湾局長だってさ。ヤクニンですよ。ヤクニン。ヤクニンの人生の目的ってのは、「責任から逃れること」だからね。

今日の記者会見では、旧経営陣への責任転嫁に全身全霊を捧げていたね。

しかしながら、繰り返すように、設立時の責任と現在の不良債権を回収出来ない事に関しては、現在の最高責任者、津島隆一氏に

責任があることは、いうまでも無い。みっともない。

また、石原慎太郎は、記者会見で他人事のような、例に寄って傲岸不遜な態度で、答えていたが、

高い都民税を取りやがって。素人に銀行屋をやらせて300億も焦げ付かせたということは、税金をドブに捨てたようなものなのだから、

この銀行の「産みの親」として都民に謝罪するべきだ。

と、私は思います。

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ここ数日、誕生日・命日だった作曲家の作品です。ラベル、ベルリオーズ、パッヘルベル、バーバー。

◆先日書きましたが、3月は多いのです。

先日、ヴィヴァルディココログ)の稿で書いたとおり、3月は作曲家の誕生日だったり、命日である日が多いのです。

その都度、一人の作曲家を特集すると、正直言って私も書くのが間に合わないので、数日分まとめて取りあげました。


◆3月7日:モーリス・ラベル(1875~1937)の誕生日です。

ラベルの代名詞と言えば、「ボレロ」ですが、それはまた取りあげるとして、

もう一つ、皆さん大変お好きだと思います。

「亡き王女のためのパヴァーヌ」です。





これはですね。ジャン・マルティノンというフランスの名指揮者が、アメリカのシカゴ交響楽団と録れたラヴェル名演集で、聴くことができます。

冒頭のホルン、シカゴ交響楽団は上手いし、これはスタジオ録音だから大丈夫に決まっていますが、

実際のコンサートだとかなり、スリリングです。ホルンにとっては、冒頭から長いソロ。しかも高音。嫌だと思うんですけどね。


◆3月8日:ベルリオーズ(1803~1869)没

以前、書いたことがありますが、ベルリオーズって人は自分じゃ何も楽器を弾けなかったのです。

作曲家は絶対音感があります(しかも想像を絶するような)ので実際に作曲するときはいちいちピアノで音を確かめない、

というのですが、それは、「弾けるけど、使わない」のです。大抵、作曲家はピアノが上手いです。

ベルリオーズは本当に何も音を出せなかった。しかし、頭の中でこれだけの音を構築したのだから、まぎれもなく、天才です。

序曲「ローマの謝肉祭」です。





ローマの街に、燦々と降りそそぐ陽光が目に浮かぶようです。何より、楽しい。私はこの曲が大好きなのです。

この曲だけなら、iTunes Music Storeで一曲だけ、150円で買えます。

これ↓がこの曲のアドレスです。

http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?i=5823117&id=5823141&s=143462


◆3月9日:パッヘルベル(1653~1706)没、サミュエル・バーバー(1910~1981)誕生

パッヘルベルはバッハより古い人です。といっても重なっていて、大バッハは、

パッヘルベルの弟子だった、長兄から、最初に作曲の手ほどきを受けたということです。

パッヘルベルのオルガン曲やその他鍵盤楽器の為の組曲とか、あるのです。CDもあるのですが、

まあ、やっぱり、「あれ」でさあね。





これは、ヘンデルの誕生日(2月23日)ココログ)で「シバの女王の入城」をお聴かせしたのと同じく、オルフェウス室内管弦楽団:バロック・コンサートで聴けます。

これはお得だと思うのですけどね。


3月9日。パッヘルベルの命日の約200年後にアメリカで生まれたサミュエル・バーバーという人がいて、

代表作に「弦楽の為のアダージョ」があります。これは、美しい。





悲壮感を漂わせながら高揚してゆく叫びのようなものを感じます。

これもiTunes Music Storeで1曲だけ買えます。

http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?i=265495262&id=265492481&s=143462

というわけで、ちょっと急いでまとめましたがどれも、完全に名曲として評価が決まっているものですので、

お楽しみ頂けるのではないかと思います。それでは、この辺で。

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2008.03.08

「持ち主特定は1200万件=未統合年金記録の照合終了-社保庁」3月末までに全件終了させるのが政府公約だ。

◆記事:持ち主特定は1200万件=未統合年金記録の照合終了-社保庁(3月8日1時1分配信 時事通信)

社会保険庁は7日、基礎年金番号に統合されていない「宙に浮いた」年金記録約5000万件の照合作業をコンピューター上で終えた結果、

持ち主を特定できたのが全体の4分の1程度の1200万件にとどまったことを明らかにした。

同庁は、該当する年金受給者と現役加入者1030万人に対し、今月下旬までに「ねんきん特別便」を送付する。


◆コメント:こうなると思っていた、と絶対に云ってはいけない。

私とて、奴らが、こう出るだろう、と予想はしていた。

昨年12月、5,000万件のうち、約4割に当たる、1975万件が特定できておらず、しかもそのうち945万件は氏名の転記ミスなどによるもので、

手書きの原簿と照合しても特定の難しいことがわかった。と舛添が開き直って発表した。

福田首相は後で訂正したが、口を滑らせ、この事態を「公約違反というほどのものか」とホンネを洩らした。

しかし、何と云おうと

「宙に浮いた」年金記録5000万件全件を照合を3月末までに終え、最後の一人、最後の一円まで支払う

のが、安倍政権から福田政権に引き継がれた政府公約だ。

記事によれば、社保庁が「全件照合おわりました。1200万件しか特定出来ませんでした」と発表したのは3月7日。

私の常識では、3月末とは3月31日である。まだ24日も時間があるのにさっさと、「終わりました」だと?

社保庁の木っ端役人てのは、一体どこまで、無能で怠け者なんだ。ふざけんじゃねえよ!

大量の年金記録が「宙に浮いた」のは、自然現象ではない。社保庁の管理が杜撰だったからだ。

今起きている問題は、全て社保庁=国の責任である。


民間企業に例えるなら、銀行に毎月預金していた人が何人もいた。

当然、Aさんのおカネは、Aさんの口座に入金され、管理される。Bさん、Cさん・・・・さん。皆同様に、独立して管理されている。

他人のおカネを預かる仕事のイロハのイである。

ところがこの銀行がものすごくいい加減で、Aさんの口座の記録、Bさんの口座の記録と言う具合に、

お金の持ち主と口座の入出金記録を結びつけていなかった。

だから、「誰かが」毎月お金を預けていたことは分かるが、それが誰のおカネか分からない。

Aさんが銀行へ行って出金しようとしたら、「お客様の残高がいくらか分からないので、お支払いできません」

と銀行員が言うのである。



貴方、この銀行許しますか?潰れて当然だと思いませんか?

この銀行の銀行員は、自分たちの失敗なのだから、何日泊まり込んでも徹夜しても、口座名義人と明細を結びつけるべきだ、と思いませんか?



社会保険庁のいい加減な管理とはそういうことなのだ。

それなのに、あっさり途中で諦めて
5,000万件のうち、1,200万件しか、持ち主を特定出来なかった。残りのひとは諦めて下さい。

と云って、平気な顔をしている。こいつらの給料は我々の税金から出ている。

自分たちは公務員だから、共済年金という特別の年金があって、しっかり確保している。

絶対に許してはいけない。3月末までに全件照合、特定する、という公約なのだから、3月31日の深夜0時まで作業をし、

その結果を厚労相、首相が国民に発表する。全件照合できないであろうから、

内閣総理大臣は、公約を守れなかったことを謝罪して、改めて、
必ず、全件照合する。1年かけても、2年かけても、例え5年かかっても全件照合する。

と云うべきなのだ。



一昨日、道路特定財源の時にも書いたが、日本人はこういう時に物わかりが良すぎる。
「どうせ、ダメだと思っていた」

「最初から、全件照合する気なんか、無かったんでしょ?」

それを云ったら、ダメなんだ。それこそ、社会保険庁、厚労省、厚労相、内閣総理大臣が期待している言葉なのだ。

国民が暴動など起こさないことは、分かっている。このままほとぼりが冷めるのを待てばよい、

と彼らは考えている。

抗議し続けねば。また、衆議院選挙でも与党を大敗させなければ。

いつまで経っても、国民が真面目に納めた金は、役人や政治家の小遣いにされてしまう。

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月と人間

◆昨日、今日(3月7日)、私の知る限り内外で五件の爆発事故が起きた。

爆発といえば、アラブ・イスラエル紛争や中東の各地では、毎日の様に起きているが、

申し訳ないけれども、今日の話の本筋から逸れるので今日は言及しない。

私がニュースで知った五件の爆発事故とは、


  • 爆発事故 1人が重傷、2人が軽傷 新日鉄名古屋製鉄所(毎日新聞)- 7日(金)10時17分 -(←爆発自体は6日)

  • タイムズスクエアで爆発=負傷者なし、市警が一帯封鎖-NY(時事通信) - 2008年3月7日(金)1時1分

  • 発煙筒工場で爆発、1人死亡=期限切れ製品を処分中-千葉(時事通信) - 7日(金)11時30分

  • 自動車部品工場で爆発、従業員3人が死傷…栃木・壬生(読売新聞) - 7日(金)13時49分

  • 東京理科大で爆発事故=実験中、学生1人が重傷-東京(時事通信) - 7日(金)20時1分

この中でタイムズ・スクエアは、故意の犯罪で、他は皆、意図せぬ出来事である。

たった一日を普遍化するつもりは無いが、何か事故や犯罪が起きたときに同じようなことが、

立て続けに起きるという不思議な偶然は確かにあるように思う。

イージス艦騒ぎから一週間後、他の自衛艦が接触事故を二度(一度は停泊中のところに相手がぶつかってきたのだが)、

起こしている(良い悪い、と云っているのではない)。

瀬戸内海でも船舶の衝突事故で死者が出る。



誠に不思議である。原因を突き止めるのは極めて困難だが、「月」に仮説を求めた人がいる。


◆「月の魔力」という本を書いた、アメリカの精神科医がいる。

昔からの言い伝えで、「満月(新月)の日や、その前後にはなにか起こりがちだ」と言うような言葉がある。

(ちなみに明日が新月である)。

アメリカの精神科医、アーノルド・L. リーバーという人が書いた、月の魔力という本がある。

よくご覧になると分かるが、訳者は「国家の品格」の藤原正彦氏である。

海の潮の満ち引き(潮汐)に月の引力が関係していることが知られている。

アーノルド・L. リーバー氏は人体も大部分は水で出来ている(大量の体液が身体の中にある)のだから、

体内でも潮汐が起きており、それが、人間の精神状態、ひいては行動に影響を及ぼしているのではないか

と考えたのである。(バイオ・タイド理論(仮説?))証明するのは困難だが、頭から否定することも出来ないように思う。

例えば相場(為替、金利、債券、株、商品等々)の世界では、ディーラーの連中は結構こういうことを気にしている。

チャートに月の満ち欠けが書いてある「ムーン・チャート」を作っている者すらいる。


また、日本で最も月に関する情報量が豊富だと思われる、The Moon Age Calendarでは、

月齢と交通事故件数の関係を調べ続けている。完璧に相関関係があるとは言えないが、全然参考にならない事はない。


私は過去の大事件、災害、犯罪などが起きた日の月齢を調べて、やはり100パーセントとは言えないが、

妙に満月・新月に一致している日があったのも事実である。


  • 阪神・淡路大震災 1995年1月17日 満月

  • 地下鉄サリン事件 1995年3月20日 満月の3日後

  • イラク戦争開始 2003年3月20日 満月

  • スマトラ島沖地震 2004年12月26日 満月

  • 福知山線脱線事故 2005年4月25日 満月

  • 新潟県中越沖地震 2007年7月16日 新月

また、遠く溯ると、広島に原爆が投下されたのが新月の3日前。長崎に投下された日が新月だった。



人の精神への影響はともかく、地震は月の引力が地殻変動の何らかのきっかけとなった、

という「仮説」を立てられなくもない。

The Moon Age Calendarへ行くと、過去から未来まで任意の日時、分、秒の月齢を表示してくれる、

"New Moon"という極めて便利且つ軽い、レジストリなどいじらないソフトをフリーで提供して下さっている。

満月・新月に事故・犯罪・災害が多い、といっても、それを理由に家に閉じこもる訳には行かないが、

車を運転する人などは、注意すればよいだろう、ということだ。

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【追加】@nifty「旬の話題ブログ」で紹介されました。20080308_101239

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2008.03.07

「国交省財団、丸抱え旅行 収入の7割強は道路財源」←暫定税率維持が聞いてあきれる。

◆記事:国交省財団、丸抱え旅行 収入の7割強は道路財源 (朝日新聞)(2008年03月06日21時51分)

国土交通省所管の財団法人「公共用地補償機構」(東京)が、職員旅行の費用として03~07年度に約2080万円を支出していたことが分かった。

同機構の収入の7割強は、ガソリン税などの道路特定財源でまかなわれていた。

参加者1人当たりの支出額は1回で7万~9万円ほどで、自己負担額はほとんどなかった。

同省は「暫定税率延長をお願いしている中で不適切だ」と見直しを求め、同機構は08年度から職員旅行をやめる。

国交省などによると旅行は年1回、週末を利用して1泊2日で実施され、札幌市や宮崎市、愛知県の愛知万博、宮城県松島町などを訪れた。

旅行費の総額は毎回400万~460万円ほどで、参加者は44~55人。自己負担額は最大で約7400円で、05年度の愛知万博ではゼロだった。

残りは機構が福利厚生費として支出していた。

機構は、道路など公共事業用地取得の交渉支援や用地の補償基準の調査研究などをしており、

06年度の事業収入は約18億3300万円。このうち7割強に当たる約13億4500万円が道路特定財源を原資にした国の道路整備特別会計から支出されていた。


◆コメント:こういうこと、覚えていなければダメですよ。

道路特定財源とは、その名のとおり、使途を道路建設・維持に限った財源(=税金)であり、ガソリン税が代表的なものである。

ガソリン税は国と地方で分け前がある。国の取り分を揮発油税といい、本来は1リットルにつき、24.3円である。

地方の取り分を地方道路税といい、同4.4円である。

つまり、タダでさえ、ガソリン1リットルの価格のうち、28.7円は税金である。

ところが、昭和49(1974)年、「道路整備五カ年計画」に財源が不足するというので、

租税特別措置法により、昭和49年から2年間だけ、国の取り分(揮発油税)を本来の2倍(48.6円)、地方道路税を本来の1.2倍(5.2円)

にすることに決めた。ガソリン1リットルの価格のうち、実に53.8円は税金である。

当初、この特別な税率は、先ほど書いたとおり、2年間で終わる筈だったが、「道路整備五カ年計画」がどんどん伸び、現在に至るので、

異常に高い暫定税率も、それを良いことに維持されてきた。

その期限が今月末で切れる。

福田内閣は、更に暫定税率維持が必要だといい、先日予算案を強行採決した。

民主党はこれに反発し、以後の様々な審議を拒否している。どっちもどっちだ。

与野党の攻防というような「政局」については今日は書かない。


問題は、「道路特定財源」=道路の建設・維持のために「だけ」使うことが許される税金を役人が使い込みしていた、

ということである。国土交通省所管の財団法人「公共用地補償機構」は国交省木っ端役人の天下り先。職員の7割は国交省OB。

このクソオヤジどもの、遊興費に我々がガソリン代の一部として収めた税金が使われていた、ということだ。

道路特定財源の使い込みはこれまでも、何件も発覚している。

2003年度~2007年度までの5年間に、道路特定財源132億円が公務員宿舎の建設に使われていた。

平成19年度には、国交省職員の福利厚生費用として、少なくとも6700万円の道路特定財源が流用されていた。

マッサージ・チェア、バドミントン用具、アロマテラピー等々、細かいのを全て明らかにしたら、

恐らく、すごい金額を毎年流用し、当たり前だと思っていたに違い無い。私の手許に証拠は無いが、

そのように勘ぐられても仕方がない。

にも関わらず、冬柴国交相は「不愉快な感じを(国民に)与えたのなら、謝る」などと、ふざけた答弁をする。

愉快なわけ、ねえだろう。バカ!

これらの流用金額の多寡は問題ではない。要するに政治家も役人も国民にウソを付いていたことが問題なのである。

道路特定財源と銘打っておきながら、関係無いことに使っていたのである。

日本国民は、こうしたことに異常と言いたくなるほど無関心で、クーデターが起きないのが不思議なぐらいだ。

こういうことは、覚えていなければダメですよ。

野党だって、何か狡いことをしているだろうが、とにかく、今の与党は、嘘をついて、平然と、
道路の建設・維持・整備の為に暫定税率の維持が必要だ。

と主張していたことを忘れてはならない。次の選挙で、自民党が大勝したら、代議士も役人も、
あ、結局、国民はバカで、流用のことなど、すぐ忘れてしまうのだな、

という確信を深めるに違いない。

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2008.03.06

厚労省のたった一つの通達で、生活に必要だった薬(リタリン)を切られたうつ病患者の苦しみ。

◆この問題の背景について。

この問題の背景は、過去の記事で何度も説明したので、ご参照頂きたい。

2007年09月21日(金) 毎日新聞「リタリン報道」の恣意性。ココログ

「『リタリンの使用継続を』=患者ら厚労省に要望」←ひどい医療行政なのですよ。ココログ

毎日新聞宛質問状「リタリン報道について。患者が仮処分申し立てを行ったことを何故報道しないのか?」ココログ))

 2月11日(月)21時02分付 毎日新聞精神医療取材班へのメール--リタリン報道に関してココログ))

要するに、


  • メチルフェニデート(商品名:リタリン)の処方箋を乱発する開業医が、東京の新宿にいて、都の立ち入り検査を受けたこと。

  • それ以前から、この薬の依存性が問題になっていたこと。中には複数の医師を掛け持ち受診して大量のリタリンを服用した者もいたこと。


を特に毎日新聞がセンセーショナルに取りあげ、製造販売元、ノバルティス・ファーマという薬屋の側から、

リタリンの効能から「遷延性・難治性うつ病」を外したいという異例の申し出があり、

昨年、10月17日に厚労省の薬事審議会が、ノバルティスの申し出を認めることを答申し、

そのわずか9日後、10月26日、厚労省から、以後、リタリンの適応から「うつ病」を外すと通達が出た。

精神科医達は、普段は「薬を止めるときは急に止めては絶対にいけませんよ」と言っていたくせに、

厚労省の通達が出たら、その「絶対にいけないこと」を平気で実行した。多くの患者は主治医に見捨てられた、と思った。

毎日新聞の報道によると、2006年にリタリン乱用が原因で入院したのは、全国で15人だそうだ。

(因みに全国のアルコール依存症で入院したのは1万7千人もいる。)

私は、毎日新聞、舛添厚労相、ノバルティス・ファーマに対し、
「或る薬物を服用する者の一部がそれを濫用するから、といって、正しく服用して効果を得ている患者にまで処方を禁ずるのは正しくない」

とメールを送ったが、なしのつぶてだった。


◆私は、一日1錠のリタリンに助けられていた。それを奪われた。

今日は通院日だった。私はうつ病患者である。月に一度、東京都杉並区の自宅から、20km離れた病院に車で1時間かけて外来に通う。

厚労省がメチルフェニデート(商品名:リタリン)の適応から「難治性・遷延性うつ病」を除外した。

その日以降、一切出ない。しばらくは、余った薬を備蓄しておいたもので、極限まで使用量を減らして、細々とつないでいたが、今年に入ってから、それが尽きた。



それ以降、折角安定していた症状が不安定になってきた。

ここぞ、と言うときに集中力が出ない。朝が異常に辛い。昼間突如眠くなる。

以前から拙日記・ブログを読んで下さっている方の中には、

「最近、JIROの独断的日記は今ひとつだな」

と感じておられる方があるのではないかと思う。申し訳ない。

エネルギー、集中力が出ず、時事問題を論ずるのがひどく億劫になっているのである。



主治医の先生は、代替案としてドーパミン作動薬によるオーギュメンテーション(augmentation)療法を試してみましょうといい、

パーキンソン治療薬(ドーパミンを放出する)のひとつ、シンメトリルという薬を処方に加えて下さった。

リタリンはドーパミン作動薬だったので、理屈の上では同様の効果を示すはずだ、という。しかし、全然比べものにならない。力価が違うのだろう。



最初、一日1錠(50mg)だったが、全然効果を体感できないので、先月、100mg/dayにして貰った。それでもダメだ。今日、150mg/dayにして貰った。

これでダメなら、新しい(と言っても欧米ではとっくの昔から使われている)抗うつ薬、ゾロフトという薬を試してみましょうか、という。

ゾロフトは、本来SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)だが、ドーパミン再取り込み阻害作用もある(らしい)。



ただ、ゾロフトは薬価が無茶苦茶高い。リタリンは11.8円だったが、ファイザー製薬のサイトによれば、
ジェイゾロフト 錠25mg 137.20円

とある。私の知人で医療事務の勉強をした人に試算して貰ったら、ゾロフトだけで、一ヶ月(28日)分が4,620円(本人3割負担)になるという。

因みに今日は、三環系抗うつ薬アモキサン、シンメトリル(ドーパミン作動薬)、

抗不安薬レキソタン、眠剤サイレース(=ロヒプノール。一般名フルニトラゼパム)全部併せて、28日分が3,000円だった。

臨床経験が長い、私の主治医の先生はゾロフトはかなりいい(効果が顕著。効果がでる確率が高い、などの意味)とおっしゃるのであるが、

薬というのは相性で、誰にでも100%効く薬は無いのである。

それは、日本で使われている抗うつ剤が、正確な数は知らないが20種類近くある、という事実を見れば分かる。

ゾロフトが100%の確率で、全てのうつ病患者に効果があるなら、これほど沢山の薬が存在する必要は無い。

ゾロフトだけ在ればいい筈だ。



つまり、薬価の高い薬に切替えても、抗うつ薬というのは効果が出現するまで(相性が良い場合)、およそ二週間かかる。

効果が無ければ、薬を元に戻すまで、症状は悪化する。一種の「賭け」である。医師にとっても、患者に取っても勇気がいる。

私はもう、入院などは出来ない。給料を減らされるか、クビになるか、である。



折角、アモキサン+リタリンで、上手く行っていたのに。

状況が良く分かっていないくせに、センセーショナルに騒ぎ立てる毎日新聞と、

患者のことなど考えず、会社のイメージが悪くなることをおそれ、リタリンの効能をみずから限定したノバルティスと、

リタリンを正しく使用している患者が、この薬を突如切られたらどれほど困るか、全く考えない厚労省の所為で、

私を含む多くの患者は苦しんでいる。

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2008.03.05

330年前の三月四日に、ヴィヴァルディが生まれました。音楽及びお薦めCD。

◆3月は「音楽史ネタ」が沢山あるのです。

私が音楽記事を書くときに、或る音楽家を取りあげるタイミングとしては、誕生日とか命日が具合が良いわけです。

これが1年にわたって、均等かそれに近い頻度であると都合がいいのですが、そうではないのです。

2月はメンデルスゾーンぐらいしか話題がなかったのです。

ところが3月は(詳細は省きますが)、誕生日だけでも、

スメタナ、ヴィヴァルディ、ラヴェル、バッハ、テレマン、リムスキー=コルサコフ、ハイドン
と、まあ、多いこと。命日を併せるとかなりの数になります。

だからどうした?と言われると困りますが、音楽記事を書きやすくて、私としては嬉しいな、

ということです。

日付が変わってしまいましたが、3月4日はヴィヴァルディ(1678~1741)の誕生日。

1678年生まれですから、330年も昔の人です。亡くなってからは、267年。

死後260年経っているのに、ヴィヴァルディの音楽は世界中で聴かれている。すごいことです。

音楽の記録(録音)・再生の技術がコンパクト・ディスク(CD)が発明されたことにより、

革命的に変わりました。そのころから、ヴィヴァルディのような小規模な、比較的静かな音楽よりも、

CDの特長である、ダイナミックレンジの広さ(大きな音から小さな音まで綺麗に拾える)、ノイズのなさ、

を最大限に生かせる、マーラーやブルックナーが聴かれる機会が格段に増えました。

私は断言しますが、アナログレコードの時代には、マーラーやら、ブルックナーは、今ほど聴かれていませんでした。

何十年も、日本で1年間に最も多く買われるクラシックレコードは「四季」だったのです。


◆四季ばかりでは、ヴィヴァルディがちょっと気の毒です。

後でお聴かせ(「冬」だけですが)するぐらいですから、「四季」が悪いとは言いませんが、

日本ではあまりにも、ヴィヴァルディ=四季になっていて、ヴィヴァルディが気の毒です。

私は、ヴィヴァルディというと、何故かこの曲を最初に思い出します。「調和の霊感」という協奏曲集から。

ヴィヴァルディの作品は何番とか付いていないのが多く、彼の作品番号「RV」を用います。
RV 356より第一楽章。





ヴァイオリンのプロ、プロを目指している方。素人でも上手な方は、幼稚園か小学校低学年で弾けていたことでしょう。

この演奏は、協奏曲傑作集で聴けます(このCDはお薦めです)
技術的に易しいからといっても、私は、この曲、幼稚だと思いません。

さて、ヴァイオリン協奏曲といっても、ヴィヴァルディはソロ・コンチェルトだけではなくて、

複数のヴァイオリンをソロにした協奏曲を書いています。

一番すごい奴。四つのヴァイオリンの為の協奏曲。RV580。







上手いですね。プロが真面目に弾いているから上手くて当たり前なんですが。


◆オーケストラの新年会

ここでちょっと、脱線します。私の手許に、ある日本のプロ・オーケストラの或る年の新年会の様子を素人(オケのメンバー)が録画したファイルがあります。

面白いのです。プロ音楽家とはいえ、クラリネット奏者が、ヴァイオリンも少し弾ける、というので、

本職に混ざって、この「四つのヴァイオリンの為の~」を弾いてます。本職じゃないからヘタクソです。

そして、弦楽器の「本職」の方々も突然、子供用の小さいサイズ(ヴァイオリンは16分の1からあります)、4分の1と言うサイズの楽器で

弾かされているので、音程外しまくりです。

それを他のオケの方々がヤジを飛ばしながらゲラゲラ笑って見ています。

とても楽しそうな光景です。

世の人々の中には、クラシック音楽をやる人なんて、きっとくそ真面目な、面白くない人たちだろう、

という極めて分かりやすい先入観を持っている方がいます。

そうではないことを知って頂くために、その演奏のところだけ、音声だけアップさせて頂きます。

この音声と映像は、このオーケストラのメンバーの方が、ご自分のサイトで、全然平気で公開しておられるのですが、

リンクを貼るのはちょっと気が引けます。本来身内の集まりですからね。





楽しそうですね(笑)。これ、ヤジを飛ばしたり、ゲラゲラ笑っているの、皆、プロの音楽家なんですよ。

どこのオーケストラだ?などと詮索しないで下さいね。それは「野暮」というものです。

プロの音楽家は、普段はお客さんからお金を取って、音楽を聴いてもらうのが仕事ですから、真剣そのものです。

ミスをしても構わない、なんて考えているプロはいません。

だけど、正月ぐらい、身内だけでハメを外して、ヘタクソやってもいいじゃないか、楽しもうよ、ということですね。

ゲージュツカには変わり者が多いのも確かですが、このとおり、ごく普通の方々です。

但し自分の楽器については厳しい修行を積んでいることはいうまでも在りません。

大人の世界。全て分かって、「ま、たまにはいいじゃん?」ということです。


◆ヴィヴァルディに話を戻します。管楽器の協奏曲

ヴィヴァルディはヴァイオリンをはじめとして、色々な楽器の協奏曲を書いています。

オーボエ、リコーダー、ピッコロ、マンドリン等々。

ここでは、珍しいファゴット協奏曲、RV495の第一楽章をどうぞ。





これ、難しいですよね。ファゴットのことはわからないけど、明らかに。

名人がいたんでしょうね。かなりの数のファゴット協奏曲を書いてます。

因みにこれは、ファゴット協奏曲全集第3集です。



次はオリジナルはトランペットじゃなくてヴァイオリン・コンチェルトだと思うのですが、

モーリス・アンドレがピッコロ・トランペットで見事に吹いていて

一応、ヴィヴァルディのトランペット協奏曲となっているのをお聴き下さい。





これは、テレマンなどと同じ、モーリス・アンドレ/トランペット協奏曲集で聴くことが出来ます。


◆「四季」も一度は取りあげますか。

ヴィヴァルディの「四季」がこれほど売れる国は、多分世界中探しても日本ぐらいでしょう。

と、書き始めましたが、この曲は夥しい数の音楽家が演奏し、CDも、恐らく訳が分からないぐらい沢山出ていると思います。

ウンチクは止めます。

私は、ヴィクトリア・ムローヴァというロシア人女性ヴァイオリニストがソロを弾き、

クラウディオ・アバド、ヨーロッパ室内管弦楽団が伴奏している、Four Seasons: Mullovaをお薦めします。

まあ、聴いてみて下さい。「冬」の第一楽章です。





上手くて、音がいい。第二楽章は、「四季」全体の中で最も美しいメロディーが流れます。





うーん。もう少し朗々と歌ってもいいかな、という気がしないでもないけど、まあ、良い方でしょう。



最後に、この二つの楽章を、ジャーマン・ブラスでお聴き下さい。ブラスですよ。





トランペットは、ヴァイオリンよりも遙かに音域が狭いですから、複数の奏者が音域の異なる楽器を吹いて、

見事にリレーしながら吹いてます。第二楽章は、無理なく美しいです。





非常に長くなってしまいました。今日はこの辺で。

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2008.03.04

「<日銀総裁>「武藤総裁」で駆け引き激化 与党厳しい局面」←民主党は「武藤」に反対する理由を明確にせよ。

◆記事:<日銀総裁>「武藤総裁」で駆け引き激化 与党厳しい局面(3月3日21時20分配信 毎日新聞)

19日に任期満了が迫る日銀総裁人事で、政府が推す武藤敏郎副総裁の昇格に民主党内で不同意が強まり、

政府・与党は武藤氏提示で押し切るか、差し替えも検討するか厳しい判断を迫られている。福田康夫首相の「話し合い路線」がどこまで通用するかが試される。

「状況は首相に説明している。首相がどうするかだ。首相の手の中にある」。

自民党の大島理森国対委員長は3日夜、都内の日本料理店で民主党の山岡賢次国対委員長と会談し、

武藤氏を提示するかどうかは首相の政治判断に絞られてきていると伝えた。

これに対し、山岡氏は「党内は日銀総裁人事を協議する環境にない。当面は提示しないでほしい」と求めるにとどまった。

政府が当初、2月中旬としていた提示はずるずる遅れている。

日銀総裁の空席は避けるべきだという認識は政府・与党も民主党も共通しているが、双方とも「一発勝負」のチキンレースに追い込まれつつある。

このため自民党幹部からも「武藤氏で押し込もうというのは乱暴だ」と懸念が出始めている。

民主党の西岡武夫参院議運委員長も、3日の同委理事会で「空白を作ってはいけないので努力したい」と述べた。

首相は3日、記者団に対し「もうそろそろ決めていただかなければいけない時期に来ている。

日本の金融の総本山の責任者が決まらないのは、日本の信用にかかわる」と強調し、早期提示が可能な環境整備を与野党双方に強く促した。

首相が事態の打開のため武藤氏以外の選択肢を探っているとの観測も出てきている


◆コメント:こういうのを「政争の具にする」というのだ。

日本は世界第二の経済大国ですね。日本の経済、お金の流れをコントロールするのが日銀です。

その最高責任者が日本銀行総裁です。

マクロ経済学(国全体の経済を見る)、ミクロ経済学(家計・企業などの経済行動を分析する)に通暁しているのは当然で、

それに加えて、金融政策に関する経験を積んだ、高度な知識と判断力を持ったプロでなければなりません。

現在の福井総裁の任期は3月19日までです。二週間です。日銀総裁を任命するのは内閣ですが、衆参両院の合意を必要とします。


自民党は、現在の副総裁の武藤氏を推していますが、民主党の小沢代表は、衆議院で与党が予算案を強行採決したことに腹を立てて、

「日銀総裁人事に関して話し合う環境じゃない」といっています。

自民党の強行採決は確かに強引で許し難いのですが、だから、民主党は武藤氏に反対、というのは、

あまりにも小児的だと思います。それ以外に反対する理由があるのならば、国民に説明するべきです。

日銀総裁などという「超重要ポスト」を空席にすることなど、あってはならないことです。

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2008.03.02

「福田首相、吉清さん方を訪問」←事故原因が分からないのに謝るのはおかしい。/【追加】アルビノーニ by ビビ・ブラック(トランペット)

◆記事:福田首相、吉清さん方を訪問…謝罪し涙ぐむ(3月2日19時46分配信 読売新聞)

福田首相は2日午前、海上自衛隊のイージス艦衝突事故で行方不明になっている吉清(きちせい)治夫さん(58)と哲大(てつひろ)さん(23)親子の

千葉県勝浦市の自宅を訪れ、親族に謝罪した。

首相は「これからの人生があるのに、こういうことになって申し訳ない」と謝罪した。

治夫さんのいとこの中ノ谷義敬さんが「2度とないようにしてもらいたい」と求めると、

「今後こういうことがないように頑張る」と再発防止を誓った。

中ノ谷さんは「捜索は早く止めてもらいたい。続けていると悲しみがまたわいてくるし、勝浦の漁師に今まで通りの漁をしてもらいたい」

と告げたが、首相は当面、海自などの捜索を継続する意向を示した。

親族との面会は約30分間に及び、首相は吉清さん親子の写真の前で手を合わせて涙ぐんだ。

また、二人が出漁した時の話などを聞き、哲大さんに友達があてた寄せ書きも手に取った。

面会後の玄関前で、中ノ谷さんは家族の思いをつづった手紙を首相に手渡した。

さらに、「防衛相は絶対に負けずに一生懸命やってもらいたい。艦長もこういうことがあったのを胸に畳んで、下の人間に指導してもらいたい」と述べ、

防衛相や艦長を辞任させず、原因究明や再発防止に取り組ませるよう強く求めた。首相は「わかりました。しっかり伝えます」とこたえた。

中ノ谷さんはこの後、記者団に、「温かい言葉をもらった。『一日も早く来たかったが、スケジュールの関係で来られなかった』と言われた。

首相の気持ちが伝わり、きれいさっぱり納得した」と語った。

首相は首相官邸に戻った後、「今回のことを反省し、本当に国民から信頼される防衛省、自衛隊にするために改革をしなければいけない。

その先頭に立つのが石破大臣の責任だ」と記者団に述べ、防衛相を続投させる考えを強調した。


◆コメント:事故調査結果が出ていないのに、謝罪するのは、おかしい。

福田首相が沈没した漁船「清徳丸」乗組員の自宅を訪れ、家族に「事故を起こして申し訳ない」と謝罪する。

ちょっと待て。勝手に謝罪するな。謝罪する、ということは、全面的に自衛隊のイージス艦「あたご」に責任があった、と認めるに等しい。

しかし、事故に関しての調査は始まったばかりである。

私は船舶や、船舶航行技術、それらに絡む法律の専門家ではないが、常識的に考えても、事故の原因を特定するためには、

イージス艦と漁船双方の航路を、時系列で詳細に分析してみなければなるまい。そのプロセスが終わらなければ、

事故の原因は分からない。事故の原因が分からない、ということは、事故の責任が誰にあるのか、完全には分からない。


勘違いする人が多いので、断っておくが、私は、「イージス艦に責任は無かった」と主張しているのではない。

二隻の船の衝突事故である以上、漁船側にも過失があった可能性がある、と云いたいのである。

それについては、イージス艦「だけ」の責任にしたがる一面的思考ココログはこちら)に書いた。

今までの数々の報道から現場の様子を想像すると、イージス艦又は漁船いずれかに100%責任があり、他方の責任がゼロだとは考えにくい。

私の頭から離れない疑問を単純化して書くならば、漁船がイージス艦を認識してから、衝突を回避するためには十分に時間があったと思われるのに、

何故、わざわざ、無理をしてイージス艦の針路のど真ん中に突っ込んでいったのかということである。しかし、それは調査結果を待つしかない。


調査の結果、漁船の操船にも問題があったならば、今度は漁船員の家族なり、漁協が政府に謝罪するべきである。

皆、認識していないが、わが国はイージス艦を五隻保有している。イージス艦は強力なレーダーと防空能力を備えているので、

この五隻で日本の領海・領域全体をカバーしているのである。あたごが事故を起こしたことにより、わが国の防空能力は単純に云えば、

五分の一低下したことになる(実際には、他の四隻のイージス艦でも日本全土をカバー出来ると思うが)。

つまり、日本国の安全保障上、重大な任務をもつ自衛隊の艦船が本来の任務を果たせなくなったのである。

そのことに関しては、イージス艦「あたご」自身と同時に漁船にも責任があるのだ。



福田首相の「謝罪」は政治家的(「政治的」ではない)判断によるパフォーマンスであるのは目に見えている。

イージス艦事故により、福田政権の支持率は、さらに低下した、との報道があるぐらいだ。政治家としては、

今日のような行動に出ざるを得ないだろう。政治家とはそうしたものだ。それは、分かる。

しかし、論理的には、事故の原因と責任の所在が明らかになっていないのに「謝罪」するのは、正しくない。


【追加】音楽:アルビノーニ:オーボエ協奏曲(トランペット版)ビビ・ブラック(トランペット)、松居直美(オルガン)

オーボエによる原曲は、ちょうど一ヶ月前に載せました

これは、アメリカの女性トランペット奏者で一時、フィラデルフィア管弦楽団の副首席トランペットを吹いていた、ビビ・ブラックという人が、

日本で録れた、ビビ・ブラック&松居直美/トランペット・ヴォランタリー というアルバムに収録されています。

このCDは残念ながら現在廃盤です。たまにヤフオクに出るようですが競争率が激しい模様です。

演奏は素晴らしいです。女性とか男性とか関係なく、見事なトランペットだと思います。

それでは、曲をどうぞ。アルビノーニ、オーボエコンチェルト作品9の2ニ短調から第一楽章です。





切なく美しい第二楽章です。





それでは。また。

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Why Japan keeps failing(何故、日本は低迷し続けるのか)The Economist 翻訳/マーチ続き

◆日本の政治家はどう責任をとるのか。

(原文:http://www.economist.com/world/asia/displaystory.cfm?story_id=10723419)

10年前、日本は金融恐慌と経済的破綻の瀬戸際にあった。政治の中枢にいる人々は全く無為無策だった。

彼らは無能呼ばわりされることを喜んでいたわけでは勿論無いが、世界は、この世界第二位の経済大国が世界の早い変化に

付いていけない、と諦め気味だった。当時の本紙の手厳しい記事見出しがそれを物語っている。

「日本が世界を落胆させる驚異的能力」

しかし、最近は、当時のことは、立ち直りつつある日本にまつわる過去の恐ろしい悪夢だと見なされていた。

日本は再び、世界の期待に応えることができるほど立ち直った、と考えられていたのである。


2001年、何やら、やたら、言動が派手で目立つ小泉純一郎が首相に就任し、因習的な政界と、低迷に苦しむ日本経済に

劇的な変化をもたらしてくれるような気がしたのである。

小泉は銀行や他の会社に、不良債権処理を進めるよう、促した。その結果、2002年には景気は好転するかに思われた。

小泉は、また、既得権益の影響力を弱めようとした。農家、国交省、高級官僚など・・・。自民党は過去殆ど半世紀もの間、

これらの勢力の「奴隷」に等しかったといっていい。要するに、小泉は戦後ずっと続いていた自由民主党の「伝統」にケンカを
売ったのである。


日本の有権者は、この小泉のやり方を単純に高く評価し、2005年9月に行われた衆議院選挙で、自民・公明の連立与党に、

驚異的な勝利をもたらした。小泉は1年後に首相を辞めたが、日本経済は近代化に向けた体制が整った、と、皆信じていた。


ところがどうだ。今やまた、「日本は見ちゃいられない」状況に陥っている。株価は下落を続けている。それは昨夏からはじまり、

今年に入ってからは、暴落をつづけ、昨年7月から27パーセントも下げ、完全に底値圏で低迷している。

即ち、2005年9月のレベルであり、20年前の半値未満だ。これは海外の投資家が、かつて無いほど大量に、

日本株を売却した所為だ。どのファンドマネージャーに訊いても「日本にこれほど見切りを付けたのは初めてだ」という。

皆が首をひねるのは、日本のそれ以前の4年間にわたる順調な、年率2パーセントの経済成長を見ていたからである。

直近の昨年10-12月期の実質GDP成長率速報値は、たまたま予想を上回ったが、多くの専門家は、設備投資はやや誇大に見積もられており、

この強い数字が続くとは思われない。改定値では下方修正されるだろうし、次の四半期の数字はもっと弱いだろう、と予想する。

ゴールドマンサックスのエコノミストは1月下旬、
「日本は既にリセッション(景気後退期)に入った」

との見解を表明した。他社は、そこまで断言できないが、(リセッション入り)ギリギリのところだ、と口をそろえる。



政界の混乱も、昨秋以来続いている。小泉の後継者だった安倍晋三は、心身の疲弊を理由に、昨年9月、突如辞職した。

それが、後任の福田首相の政権掌握にも影響を与えている。困難さが増したのは、7月の参議院選挙で野党が過半数を獲得し、

小沢一郎率いる民主党が(参議院では)野党第一党となったが為に、自民党は法案をなかなか通せなくなってしまったことにもよる。


自民党の国会対策委員長、大島理森(ただもり)氏は、

「世界中の投資家や政治家は日本の現状を一目見て、『日本の政治家は法案一つ通せない。それどころか、歩くときも次の一歩を踏み出して良いか、自分では決められない』と思うだろう」

と、嘆く。(続く)


◆【音楽】昨日の続き。バーンスタイン=ニューヨーク・フィルハーモニックによる、マーチです。

ニューヨーク・フィルハーモニックは、歴史のあるオーケストラですが、何と云っても、作曲家で指揮者、

レナード・バーンスタインが音楽監督だった、1958年から1969年が黄金期です。お聴かせするのは、

昨日とわざと同じものを二曲。今日初めてのが一曲です。

昨日のフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルは、謂わば吹奏楽、今日はフル・オーケストラですから、

弦楽器が加わることにより、違った響きになるのは当たり前ですが、それ以上に演奏者の嗜好の違いがあまりにも対照的で面白いと思ったからです。

晩年のバーンスタインは、円熟した巨匠になるのですが、これを録音した1967年は40代でしたから、いささか「若気の至り」(笑)。

いえ、決して悪い演奏じゃありません。では、まず、雷神をどうぞ。

昨日のフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルをもう一度聴いてから、これ↓を聴くともっと面白いかも(それはご自由に)。

こういうのは、ウルサイと感じない程度ギリギリまでボリュームを上げて聴いた方が楽しいです。



バランスを考えていないとはいいませんが、後の小太鼓とかがまあ、遠慮せずに、叩く叩く。

レコードですからミキサーが調整しているのでしょうが、現場で聴いたらすごい音量だったと思います。

次は「星条旗よ永遠なれ」です。すごいです。オーケストラならでは。

コントラバスが支える低音の迫力。

パーカッション(打楽器)、全然抑えない(スネアドラム、一人じゃないでしょう)。

トリオのピッコロ。ピッコロというのは楽器は小さいけれど、ものすごく音が透るので、

大抵の指揮者は、このマーチでピッコロに弱めに吹くように指示するようですが、

バーンスタインは、まるっきり抑えません。それどころか、ピッコロ奏者以外、一人か二人か他のフルート奏者に

ピッコロ持ち替えにさせて(この箇所だけです)、フォルテで吹かせています。その響くこと、響くこと。





ほとんど、どんちゃん騒ぎですね(笑)。しかし、楽しい。

最後は、エルガーの「威風堂々第一番」(全部で五曲(だったっけ?)書いてるのです)です。

「星条旗~」がアメリカの第二の国歌、と云われるように、この曲は、英国の第二の国歌、と云われることがあります。





さて、これらは、星条旗よ永遠なれ~マーチ名曲集です。

既にお持ちの方には、[行進曲集]ワーグナー / スッペ / ハンセン / マイヤベーヤ / レハール / 他 ヘイマン / スロヴァキア・フィルをお薦めしたいです。

かなり、珍しいのも録れてありますが、退屈な曲がありません。これについては、また、いつか。

それでは、今日はこれにて失礼します。

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