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2008.03.06

厚労省のたった一つの通達で、生活に必要だった薬(リタリン)を切られたうつ病患者の苦しみ。

◆この問題の背景について。

この問題の背景は、過去の記事で何度も説明したので、ご参照頂きたい。

2007年09月21日(金) 毎日新聞「リタリン報道」の恣意性。ココログ

「『リタリンの使用継続を』=患者ら厚労省に要望」←ひどい医療行政なのですよ。ココログ

毎日新聞宛質問状「リタリン報道について。患者が仮処分申し立てを行ったことを何故報道しないのか?」ココログ))

 2月11日(月)21時02分付 毎日新聞精神医療取材班へのメール--リタリン報道に関してココログ))

要するに、


  • メチルフェニデート(商品名:リタリン)の処方箋を乱発する開業医が、東京の新宿にいて、都の立ち入り検査を受けたこと。

  • それ以前から、この薬の依存性が問題になっていたこと。中には複数の医師を掛け持ち受診して大量のリタリンを服用した者もいたこと。


を特に毎日新聞がセンセーショナルに取りあげ、製造販売元、ノバルティス・ファーマという薬屋の側から、

リタリンの効能から「遷延性・難治性うつ病」を外したいという異例の申し出があり、

昨年、10月17日に厚労省の薬事審議会が、ノバルティスの申し出を認めることを答申し、

そのわずか9日後、10月26日、厚労省から、以後、リタリンの適応から「うつ病」を外すと通達が出た。

精神科医達は、普段は「薬を止めるときは急に止めては絶対にいけませんよ」と言っていたくせに、

厚労省の通達が出たら、その「絶対にいけないこと」を平気で実行した。多くの患者は主治医に見捨てられた、と思った。

毎日新聞の報道によると、2006年にリタリン乱用が原因で入院したのは、全国で15人だそうだ。

(因みに全国のアルコール依存症で入院したのは1万7千人もいる。)

私は、毎日新聞、舛添厚労相、ノバルティス・ファーマに対し、
「或る薬物を服用する者の一部がそれを濫用するから、といって、正しく服用して効果を得ている患者にまで処方を禁ずるのは正しくない」

とメールを送ったが、なしのつぶてだった。


◆私は、一日1錠のリタリンに助けられていた。それを奪われた。

今日は通院日だった。私はうつ病患者である。月に一度、東京都杉並区の自宅から、20km離れた病院に車で1時間かけて外来に通う。

厚労省がメチルフェニデート(商品名:リタリン)の適応から「難治性・遷延性うつ病」を除外した。

その日以降、一切出ない。しばらくは、余った薬を備蓄しておいたもので、極限まで使用量を減らして、細々とつないでいたが、今年に入ってから、それが尽きた。



それ以降、折角安定していた症状が不安定になってきた。

ここぞ、と言うときに集中力が出ない。朝が異常に辛い。昼間突如眠くなる。

以前から拙日記・ブログを読んで下さっている方の中には、

「最近、JIROの独断的日記は今ひとつだな」

と感じておられる方があるのではないかと思う。申し訳ない。

エネルギー、集中力が出ず、時事問題を論ずるのがひどく億劫になっているのである。



主治医の先生は、代替案としてドーパミン作動薬によるオーギュメンテーション(augmentation)療法を試してみましょうといい、

パーキンソン治療薬(ドーパミンを放出する)のひとつ、シンメトリルという薬を処方に加えて下さった。

リタリンはドーパミン作動薬だったので、理屈の上では同様の効果を示すはずだ、という。しかし、全然比べものにならない。力価が違うのだろう。



最初、一日1錠(50mg)だったが、全然効果を体感できないので、先月、100mg/dayにして貰った。それでもダメだ。今日、150mg/dayにして貰った。

これでダメなら、新しい(と言っても欧米ではとっくの昔から使われている)抗うつ薬、ゾロフトという薬を試してみましょうか、という。

ゾロフトは、本来SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)だが、ドーパミン再取り込み阻害作用もある(らしい)。



ただ、ゾロフトは薬価が無茶苦茶高い。リタリンは11.8円だったが、ファイザー製薬のサイトによれば、
ジェイゾロフト 錠25mg 137.20円

とある。私の知人で医療事務の勉強をした人に試算して貰ったら、ゾロフトだけで、一ヶ月(28日)分が4,620円(本人3割負担)になるという。

因みに今日は、三環系抗うつ薬アモキサン、シンメトリル(ドーパミン作動薬)、

抗不安薬レキソタン、眠剤サイレース(=ロヒプノール。一般名フルニトラゼパム)全部併せて、28日分が3,000円だった。

臨床経験が長い、私の主治医の先生はゾロフトはかなりいい(効果が顕著。効果がでる確率が高い、などの意味)とおっしゃるのであるが、

薬というのは相性で、誰にでも100%効く薬は無いのである。

それは、日本で使われている抗うつ剤が、正確な数は知らないが20種類近くある、という事実を見れば分かる。

ゾロフトが100%の確率で、全てのうつ病患者に効果があるなら、これほど沢山の薬が存在する必要は無い。

ゾロフトだけ在ればいい筈だ。



つまり、薬価の高い薬に切替えても、抗うつ薬というのは効果が出現するまで(相性が良い場合)、およそ二週間かかる。

効果が無ければ、薬を元に戻すまで、症状は悪化する。一種の「賭け」である。医師にとっても、患者に取っても勇気がいる。

私はもう、入院などは出来ない。給料を減らされるか、クビになるか、である。



折角、アモキサン+リタリンで、上手く行っていたのに。

状況が良く分かっていないくせに、センセーショナルに騒ぎ立てる毎日新聞と、

患者のことなど考えず、会社のイメージが悪くなることをおそれ、リタリンの効能をみずから限定したノバルティスと、

リタリンを正しく使用している患者が、この薬を突如切られたらどれほど困るか、全く考えない厚労省の所為で、

私を含む多くの患者は苦しんでいる。

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