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2008.04.20

「小泉氏トップ、2位麻生氏=首相にふさわしい人-時事世論調査」←大衆の愚かしさ。

◆記事:小泉氏トップ、2位麻生氏=首相にふさわしい人-時事世論調査(4月20日15時0分配信 時事通信)

時事通信社が11~14日に実施した4月の世論調査結果によると、首相にふさわしい政治家は、自民党の小泉純一郎元首相が21.2%でトップだった。

2位は16.0%の麻生太郎前幹事長。民主党の小沢一郎代表は7.2%で3位、福田康夫首相は7.1%で4位と、ともに振るわなかった。

小泉氏自身は、再登板の可能性を否定しているが、衰えぬ国民的人気を見せ付けた。麻生氏も現在は無役ながら、

小沢、福田両氏の倍以上の支持を集め、次期首相の有力候補として存在感をアピールした形だ。

福田氏は、自民党支持層でも12.5%にとどまり、小泉氏の31.3%、麻生氏の28.3%を大きく下回った。

麻生氏とともに、「ポスト福田」として取りざたされている谷垣禎一政調会長は2.4%、

小池百合子元防衛相は1.5%、与謝野馨前官房長官は0.7%といずれも低かった。


◆コメント:大衆が支持する政治家が優れているとは限らない、ということがまだ分からないのだろうか。

この結果にはさすがに呆れた。呆れてものが言えないほどである。

今の日本が無茶苦茶になり始めた、その端緒となったのが小泉政権であることが、まだ分からないのであろうか。


イラク戦争を支持して自衛隊を派遣し、引っ込みが付かなくなり、以前にもまして対米追従の政策となったのは小泉がブッシュの機嫌を取った所為である。

郵政事業を民営化し、過疎地からは郵便局が無くなった。そうなることはわかりきっていたのに、

これを推進したのは勿論小泉である(支持した有権者にも責任があることは、これに限らずいうまでもない)。

小泉-竹中の「構造改革」政策により景気が落ち込み、一時期日経平均株価は7000円台にまで落ち込んだのを忘れたのだろうか?

昨年2007年、所得税は減税となったが住民税は増税となり、所得税減税の暫定措置が廃止され、実質増税になった。

また、今月から後期高齢者医療制度が開始された。

これらは全て、2005年9月の所謂「郵政民営化選挙」の際、自民党が120の約束として掲げていたのである。

にも関わらず、あの選挙において小泉はそんなことはおくびにも出さずに、

「この選挙は郵政民営化の是非だけを問う選挙だ」

と言い続けた。実に狡猾である。

小泉純一郎氏の思想のいい加減さを知るために格好な本がある。コイズムという本だ。この日記では過去に何度か取りあげたが、再びご登場いただく。

この本は、若者向け週刊誌に、以前連載されていた(首相になる前の)口述筆記を本にしたもののようだが、小泉氏の(当時の)政治思想がはっきりと書かれている。

いくつか例を挙げよう。

自衛隊の海外派遣に関して(注:後、イラクに自衛隊を派遣したのは小泉氏であることを忘れないように)。168ページ。
「僕は自衛隊のPKO派遣のときも反対した。国際協力をダメといっているわけではない。むしろ積極的に行うべきだと思うけど、現行の憲法では、自衛隊の海外派遣はどう考えても無理がある。」

首相になってからは180度反対の事を行った訳である。

それよりも本源的な、集団的自衛権行使について。166ページ。
「僕の考え方はどうかというと、憲法のどこを読んでも集団的自衛権が認められるとは思えない。憲法の拡大解釈は非常に危険だ、というのが基本的なスタンスだ」

首相になってからは、「今の憲法は時代遅れ」「自衛隊は軍隊」「米軍と共に、集団的自衛権を行使したい」とご意見が変わったようでしたね。

更に。驚くべき事。

2005年9月11日投開票の衆議院議員選挙において、自民党は大勝するのだが、この大勝の一因は小選挙区・比例代表並立制によるものだった。

小選挙区で落ちても比例区で生き返ることが出来るのがこの制度だが、「コイズム」において、小泉純一郎氏は、
小選挙区比例代表並立制は、亡国への道だ(61ページ)

という一節を設けて、徹底的にこの選挙制度に反対しているのである。

彼の反対の趣旨は、
「この制度では小選挙区で落選した候補者が、比例代表で当選という事態が起こりうる。こうなると、小選挙区での有権者の判断は何だったのか、ということになる」

と要約することが出来る。この意見自体には私は賛成である。ご丁寧にも「コイズム」には続けてこのように書いてある(66ページ)。
「僕は今度の選挙(引用者注:平成8年10月の総選挙)は、『選挙制度の見直し』を公約に掲げて立候補しようと思っている。」

そして彼はこの時の選挙では確かに、比例代表に重複立候補せず、選挙制度の見直しを公約に掲げて、立候補し、当選したのである。

しかしながら、前述のとおり、制度は変わっていない。彼は選挙制度を見直すどころか、自分自身が「亡国への道」とまで酷評した、

小選挙区比例代表並立制により、2005年9月の衆議院議員選挙で大勝利をおさめ、ケロッとしているのである。


◆大衆は、「わかりやすさ」に弱い。

小泉のやり方はよく「ワン・フレーズ政治」という。

大衆は短い、分かりやすい言葉に弱く、物事をよく考えずに「支持」を決める。

「分かりやすい言葉」で表現された政策が「正しい」とは限らないのである。ということをいい加減、日本人は理解するべきだ。

また、大衆を興奮させるカリスマ性を持つ政治家が、健全な思想をもっているとは限らないのは、歴史が証明している。

かのアドルフ・ヒトラーとて、クーデターで総統になったわけではない。

民主主義的手続きに則って正当に選出された宰相だったのである。

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コメント

あつし様、全く同感です。これはひとつには、やはり衆愚政治ということなのでしょうが、とりわけ、日本人は、何事もすぐに忘れる。

「格差」などという言葉も、マスコミで使われなくなりましたし、実際の格差の拡大を報じなくなりました。政府の命令なのでしょうか。

尤も、本世論調査の妥当性は、誰も検証していませんので(世論調査は常にそうですが・・・)、調査対象の抽出が適切であったかどうか、

など、統計学的に妥当なのか疑問です。

この世論調査が4月11日~14日にかけて行われた、ということは、

曜日にすれば、金、土、日、月です。土日は、世帯主の親父が答えたとしても金曜日と月曜日、もしも昼間に電話で調査したら、

理屈もへったくれも無い、感覚だけを頼りに答える、オバサンが大量にいたかも知れません。

この種の調査は、複数の機関により、何度か繰り返し、行ってみなければ、本当の傾向は分からない、

という所に望みをつなぎたいと思っております。

投稿: JIRO | 2008.04.21 19:33

おはようございます。このニュース、私もビックリしました。格差社会で貧困層の増加や後期高齢者医療制度も、経済の停滞や外交の行き詰まりを引き起こしたのも、また郵政事業を民営化して過疎地から郵便局が無くなっていくのもすべて小泉政権の5年半に端を発します。これほど国民いじめの政策をした張本人が小泉元首相です。それでも首相にふさわしい政治家が小泉純一郎元首相で21.2%でトップとは、国民の支持率の危うさがはっきり出てますよね。
大衆が支持する政治家が優れているとは限らないといことは、JIRO様も引き合いに出されていますが、アドルフ・ヒトラーを見れば明らかです。語るべき政策も思想も知識もないただの変人が、聴衆受けする「分かりやすい言葉」での演説で国民の支持を味方につけ、途方もない力を得てやりたいことをやるようになる。この点でヒトラーと小泉元首相は似ています。私たちは「国民の支持率」が持つ矛盾や危うさをきちんと知っておき、第2、第3のヒトラーを作る愚を犯してはいけないと思います。

投稿: あつし | 2008.04.21 10:36

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