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2008.05.25

「<療養病床>削減を断念『25万床維持必要』厚労省」←厚労省。最初から「必要」と知りながら削減しようとしただろう。

◆記事:<療養病床>削減を断念「25万床維持必要」 厚労省(5月24日15時0分配信 毎日新聞)

長期入院する慢性病の高齢者向け施設である医療型「療養病床」(25万床)を11年度末までに4割減らす計画について、

厚生労働省は削減を断念し、現状維持する方針に転換した。都道府県ごとに需要を調査した結果、25万床前後の確保が必要と判断した。

厚労省は療養病床削減により医療給付費を3000億円削減する方針だったが、今回の計画断念で高齢者の医療費抑制政策全般にも影響を与えることは必至だ。

政府は06年2月、「入院している人の半分は治療の必要がない」として、当時38万床あった病床のうち介護型療養病床(13万床)を全廃し、

医療型療養病床を4割減らして15万床にする方針を決定。達成に向け、「医療の必要度が低い」と判定された人の入院費を減額し、

そうした入院患者を多く抱えていた場合は病院経営が成り立たなくなるようにした。

しかし一連の病床削減策は、入院先を求めて住み慣れた地域をやむなく離れたり、自宅にお年寄りを引き取った家族が介護に悲鳴を上げるケースなどを生んだ。

「患者追い出しを誘導し、行き場のない医療難民を大量に生む」との強い批判も招いた。

このため厚労省は07年4月、医療型療養病床のうち回復期リハビリ病棟(2万床)を削減対象から外したうえで、

都道府県を通じて実情調査。必要とする療養病床数を積み上げたところ、当初計画を7万床上回る約22万床に達することが判明した。

一方で削減対象から外したリハビリ病棟は今後少なくともいまの1.5倍、3万床程度は必要になるとみられている。

需要数を合わせると現状と同じ25万床前後となり、削減計画の見直しに追い込まれた。


◆コメント:この記事をよく読むと、厚労省はとんでもないことをしていることが分かる。

いいですか。医療行政、本当にいい加減ですよ。

記事の中から指摘する。

政府は06年2月、「入院している人の半分は治療の必要がない」として、当時38万床あった病床のうち介護型療養病床(13万床)を全廃し、

医療型療養病床を4割減らして15万床にする方針を決定。達成に向け、「医療の必要度が低い」と判定された人の入院費を減額し、

そうした入院患者を多く抱えていた場合は病院経営が成り立たなくなるようにした。

06年2月、「入院している人の半分は治療の必要がない」としてとあるが、「半分は治療の必要がない」とした根拠は何だったのか。

必要の無いケースも中にはあっただろうが、それがちょうど全体のぴったり半分である訳がない。

要するに、「半分ぐらいはいらねえんじゃないの?」といういい加減な、「見通し」だろう。

その結果、
しかし一連の病床削減策は、入院先を求めて住み慣れた地域をやむなく離れたり、自宅にお年寄りを引き取った家族が介護に悲鳴を上げるケースなどを生んだ。

「患者追い出しを誘導し、行き場のない医療難民を大量に生む」との強い批判も招いた。

いきなり、介護型療養病床を全廃したら、こういうことが起きるのは、目に見えている。

このように、「これを実行したら困る人が出る」ことを承知しながら、本当に実行するのが厚労省の施策にたびたび見られる傾向である。


それで、余りにも国民の不満の声が高まったので、泡を食って、
厚労省は07年4月、医療型療養病床のうち回復期リハビリ病棟(2万床)を削減対象から外したうえで、

都道府県を通じて実情調査。必要とする療養病床数を積み上げたところ、当初計画を7万床上回る約22万床に達することが判明した。

これは、何を意味するか。

前述したとおり、「入院している人の半分は治療の必要がない。」と宣言した時点では、調査していなかった。ということですよ。

最初から、入院している人の実態を調査すれば、22万の療養病床が必要であることが、分かった筈である。

毎日新聞は、事実を淡々と書いているが、それが大問題であることを強調するべきなのだ。全く役に立たねえな。

新聞が書かないから、私が書く。

序でに書き加えるならば、この件とか、後期高齢者医療制度とか厚労省の医療費の国庫負担削減に向けた強い姿勢は、

紛れもなく小泉純一郎元首相の置きみやげである。奴が厚労相になったとき、各種健保の窓口本人負担が1割から2割になった。

首相のときに、2割から3割になった。このときは、当時の坂口厚生労働大臣が、健康保険財政には余裕があるからその必要はない、

と反対したのに、上げたのである。とにかく、小泉はコイズムという本を読むと分かるが、医療費の国庫負担を引き下げたくて仕方がない人間なのである。

どうしてここまでムキになるのか、それは分からない。ただ、小泉政権時代に方針として打ち出したことがそのまま安倍晋三→福田康夫に、

引き継がれている。福田康夫に、「どうしても後期高齢者医療制度が必要である理由を合理的に説明せよ」と尋ねても、

多分、説明出来ないだろう。

結論。今の医療費の国庫負担削減を目的とする諸制度改悪は、合理性が無いものが殆どだ、と見ていい。

第一「国庫」の財源は何ですか?税金でしょ?その税金を納めている国民が困るような税金の使用方法(必要なところに使わないこと)が、

認められて良いはずがない。

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コメント

さざ波さま。

小泉が作った医療行政の方向は、ぞっとするほど残酷なものです。長患いの患者や年寄りはさっさと死ね、そうすればカネが浮く、ということです。しかし、後期高齢者医療制度は大失敗でした。少なくとも次の総選挙で与党は大敗を喫し、少なくとも一旦は、これら諸々の改悪された制度は廃止になるでしょう。

投稿: JIRO | 2008.05.25 22:51

JIROさま お邪魔します。

> 医療の必要度が低い」と判定された人の入院費を減額し、そうした入院患者を
> 多く抱えていた場合は病院経営が成り立たなくなるようにした。
 これって、腎移植の場合と、そっくりですね。

 死体からの献腎が少ないと言い乍ら、病腎移植は禁止して、研究センターも作らない。
日本移植学会は、「病腎移植に妥当性はないという意見は、不変」と断言して憚らない。
厚労省は、家族間の生体腎移植の診療報酬を47%も削減し、これで「死体からの献腎が
増えるようにした」と書いています。これで本当に献腎が増えるでしょうか。

 《療養病床》の場合、該当者数が多くて、見直しになったけど、生体腎移植の場合は、
抗議もなく、その儘、病院が受けるしか仕方ないのでしょう。何だか、人工透析が、
必然的に増えるよう仕向けてる、としか思えません。移植と透析では、どの年齢層でも、
余命が倍も違うんです。部外者でも、気が塞ぐほど辛い話です。

投稿: さざ波moo | 2008.05.25 21:27

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