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2008.08.08

3年前の8月8日、何があったでしょう?

◆郵政民営化法案が参議院で否決され、小泉元首相は、なんと衆議院を解散したのです。

日付が変わってしまったので、「今日」でいいでしょう。

北京五輪の開会式で浮かれている人はあまりいないと思いますが、

そういう派手なイベントに目を奪われて、歴史(つい最近ですが)を

反芻することを忘れるべきではありません。


郵政民営化法案は2005年8月、衆議院ではわずか5票差で可決したものの、

同8月8日、参議院で否決されました。

これを受けて、小泉首相は、民営化の賛否を国民に問う、といって、衆議院を解散しました。

これが、そもそも間違っている、解散権濫用です。

衆議院と参議院が違う議決をしたときには、両院協議会を開き、両院でもう一度話し合い、

それでも折り合いが付かない時、衆議院で再可決すれば、成立します。

それが日本国憲法で定められた手続きなのです。民主主義で、手続きを無視してはいけません。

国家権力の濫用、暴走につながるおそれがあるからです。


◆後藤田正晴元官房長官が怒っていました。

衆議院解散を見て、後藤田正晴元官房長官がこう述べています。

「代議制民主主義だよ、日本は。立法府で通らなかった法律案を、(衆院解散によって)

実質的に国民投票に掛けるのと同じような手続きになりつつあるのは、代議制の上からみて、行きすぎではないか。

憲法改正のように、国民投票の手続きが憲法で決まっているならよいのだけどね」(8月21日の民放テレビで)

そのとおりなのですね。議会制民主主義なんです。国民が選んだ代表が国会の構成員となる。

国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関なのです(憲法第41条)

その国会で否決され、先に書いたとおり、その後の手続き(両院協議会)も憲法で決まっているのに、

小泉純一郎は、憲法を無視して、いきなり衆議院を解散して、国民の賛否を問う、と言ったのです。

これこそ解散権の濫用であり、この行為自体違憲でした。


◆「郵政民営化選挙だ」と言いつつ、自民党公約には、増税も後期高齢者医療制度も含まれていたのです。

衆議院を解散し、投開票日は9月11日と決まりました。

小泉元首相は、当然全国行脚しましたが、至る所で、

「この選挙は郵政民営化の是非だけを問う選挙だ」

と、例のワン・フレーズアピールで、国民を幻惑しました。

しかし、そんな衆議院選挙があるわけがない。あってはいけないのです。

私はそのことを、投票日まで繰り返し主張しました。

投票日の4日前、9月7日には、【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。

を書きました。読んで頂くとわかりますが、小泉が勝ったら2007年、増税があるぞ、と述べました。

実際そうなったでしょう?

昨年、所得税は下がったものの、住民税が引き上げられ、小渕内閣時代から続いていた定率減税が廃止され、

実質的に、増税が実行されました。しかし、これは、私の「予想」ではない。

自民党のサイト内、自民党 政権公約2005 120の約束に明記されている。

歳出・歳入一体の財政構造改革を実現の7を読んで下さい。

19年度を目途に、社会保障給付全般に要する費用の見通し等を踏まえつつ、

あらゆる世代が広く公平に負担を分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する。

抜本的改革って、増税に決まっているのですよ。


さらに、今年から実施されあまりにも評判が悪いので、与党が見直そうとしている後期高齢者医療制度ですが、

その言葉は使っていないけれども、012を見て下さい。
国民皆保険制度を堅持しつつ、効率が良く、質の高い適切な医療の提供を確保するため、医療制度の改革を断行する。

新たな高齢者医療制度の創設、地域の医療機能の適切な分化・連携を進めるための医療計画制度の見直し、

小児救急をはじめとする救急医療体制の確保等について、年内に改革案をまとめ、次期通常国会に法案を提出する。(注:太文字は引用者による)

こう言うのがありますよ、と私は日記に書きましたけれど、残念ながら殆どの有権者はこんなの、見ていない。

しかし、自民党は、「別に匿していない。当時からネットで公表していた」ということでしょう。


◆小泉を圧勝させたが為、衆議院の3分の2は与党となり、国民投票法案も、改正教育基本法も強行採決されました。

小泉首相は、確かに大衆の心を掴むのが上手かった。

有権者はあまりにも考えることをせずに、「郵政民営化」「改革を止めてもよいのですか」に騙されました。

この後、「格差社会」という言葉が仕切りに使われ始めました。小泉首相は弱者に異常に冷たいひとです。

それを見抜けなかった。あのころから日本がガタガタし始めたのです。

絶対多数議席を引き継いだ安倍政権下では、なんと憲法改正手続きに関する国民投票法案や、

憲法の付属法と言われる教育基本法の改正(改悪ですけどね)案が強行採決されました。

弱者はどんどん切り捨てられる世の中になりつつあります。


◆結論:選挙の前は勉強しなければいけません。

いくら、小泉に騙されたと言っても、騙されたのは主権者たる国民です。

今の日本に疲弊した有り様は、2005年9月11日における国民の投票の結果なのです。

選挙は、あの人が好きだとか嫌いだとか、情緒的な選択であってはなりません。

1年以内に衆議院選挙があるでしょうから、今度は自民党が何を公約として掲げるか、

十分に注意して見守り、投票しなければなりません。

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面右下にボタンがあります。

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コメント

selaさん、こんばんは。

後藤田さんのような、まともな、正しいことを言うご意見番がいなくなって、私利私欲の政治家が跋扈している。

おっしゃるとおりですね。稀に清廉な人もいるのですが、圧倒的多数がバカなのでどうしようもない。

各役所の役人も、よくもこれだけ馬鹿なことを思いつくものです。

更新制って、これでしょ?

教員免許更新制-文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/index.htm

厚労省なども同じなのですけれども、何でもいいから新制度を考えれば、「仕事」をしたことになるのでしょう。

その「新制度」を導入したら、現場が混乱することが、目に見えていても、です。

そして、実際に制度を施行したことによる混乱に対しては責任を取ろうとしていないのです。

「ゆとり教育」の張本人、寺脇研は、よくも人前に顔が出せると思うのですが、

テレビの「コメンテーター」をしています。

政治家も役人も、自分が死ぬまでなんとかなれば、後のことは知ったことではない、

という意識で仕事をするから、こういうことになるのでしょうね。

投稿: JIRO | 2008.08.09 22:44

本当にアレを機にまっとうなことを言う政治家さんが減って、政治屋が表立った!跋扈をし始めた気がします。


安倍政権なんて、バカなことしかやってません。

10年20年後の日本の知的レベル衰退は目を覆いたくなることと思います。なにせ現役教員がほぼクビになりかねませんから。
更新制とやらの『おかげ』です。そんなの行くくらいなら過労死しかねない過酷任務をどうにかしてくれと多数の教員は叫ぶと思います。

投稿: sela | 2008.08.09 22:23

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