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2008.09.21

「米政府、不良資産買い取りに公的資金75兆円投入を提案」←手持ちは2000億ドル(21兆円)しか無いので国債を発行するのです。

記事:米政府、不良資産買い取りに公的資金75兆円投入を提案(9月21日10時37分配信 ロイター)

[ワシントン 20日 ロイター] 米政府は20日、金融機関が抱える住宅ローン関連の不良資産について、

最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金で買い取る計画を議会に提案した。大恐慌以来最悪の金融危機に対応するため。

上下両院は数日以内の法案化を目指しており、共和・民主両党議員の補佐官らが週末にかけて同提案内容についての詳細な検討を行う見通し。

計画では銀行など金融機関のバランスシートから回収困難な住宅ローン関連負債を切り離し、

政府の管理下に組み入れることとなっており、米財務省には異例の権限が与えられることにもなる。

ロイターが入した財務省草案によると、不良資産買い取りに関する財務長官の判断は裁判所の審査を一切受けない。

また、同計画に対応するため、連邦政府の債務上限は現行の10兆6150億ドルから、11兆3150億ドルに引き上げられることになる。


◆コメント:米国の不良債権は増え続けているし、FRBは手持ちの資金では足りないから、財務省が国債を発行する(借金をする)。

日本の新聞記事を読むと、例えば毎日は、

金融機関に対する政府支援としては大恐慌時の1930年代以来最大の規模となる。

などと書いてあり、如何にも、頼もしげに見えますが、まだまだ、全然安心できないですね。


財務省が「不良債権買い取り機構」を創設して、管理下に置いて、金融機関の不良債権を買い取るらしいです。

日本でも90年代に同じ事をやりました。不良債権買い取りだけでは済まず、まだ潰れそうでない大手銀行にも、

公的資金を注入して、自己資本を増強させました(メガバンクは皆、完済しています)。

日本でこれに要したのが約40兆円ですからね。

アメリカには、日本とは比べものにならないほど多くの何千もの銀行、住宅ローン専門金融会社があるわけです。

それらが、皆(と、いっていいでしょう)不良債権を抱えている。


そして、不良債権額は固まっているわけではない。増え続けているのです。

サブプライムローンというのは、低所得者向けの住宅ローンで、本来ローンなんか組めない人たちにまで、

カネを貸した訳です。どうしてそういうことをしたか、というと、米国では2006年半ばまで、不動産の価格が、

ウナギ上りにあがっていたのです。だから、低所得者に融資しても、それによって購入した不動産を担保にとっておけば、

債務者(ローンを借りた人)が返済不能になっても、担保不動産を売却すれば、融資したときよりも値段が上がっていて、

十分回収できる、と考えたのです。

しかしながら、少し考えればわかることなのですが、永遠に上がり続ける相場、というものは存在しない。

株だろうが、為替だろうが、不動産だろうが、同じ原理です。皆が買い続けたら、買う人がやがて、いなくなります。

いなくなったら、売るしかない。それが、アメリカでは2006年の半ばから始まりました。

不動産価格が暴落し始めたのです。金融機関は、債務者がローンを返済不能になったとき、担保不動産を売却しても、

安くしか売れないので、どうしても回収できない債権が残ってしまったのです。

それが、ふくらみ続け、現在に至っています。



アメリカの不動産の価格は、まだ下がり続けています。

ということは、回収できない債権(不良債権)の総額は、今現在もアメリカ全体で一体いくらなのか分からないし、

今後いつまで、どれほど増え続けるか分からないのです。これが、大きな問題の第一点。


更に、米国政府は、不良債権買い取りに最大7000億ドル(約75兆円)を投入、

と景気よくぶち上げましたが、今、米国政府の手元には、そんなおカネは無いのです。

田中宇氏によれば、FRB(連邦準備制度)は2000億ドルぐらい。

銀行が倒産した時に預金者にお金を返済するための機関「連邦預金保険会社」(FDIC)も、

現在の資産残高は452億ドルしかないとのことです。

記事には、一番終わりに何気なく書いてありますが、
また、同計画に対応するため、連邦政府の債務上限は現行の10兆6150億ドルから、11兆3150億ドルに引き上げられることになる。

とは、何を意味するかというと、手持ちの政府のおカネでは、不良債権買い取りの為の資金が足りないから、国債を発行する、ということです。

つまり、アメリカは、不良債権を金融機関から買い取る資金を借金で賄おうとしているのです。如何に財政難かわかります。

(アフガニスタンやイラクに勝手に出かけて戦争をして無駄なおカネを使うからです)。

国債を発行するといっても、買ってくれる人がいるかどうか。日本政府はほぼ間違いなく押し売りされるでしょうが、

世界の投資家が、今のアメリカの国債を買うかどうか。かつての景気の良いアメリカじゃないですから。

田中宇氏のコラムからもリンクが貼ってありますけれど、米国紙ニューヨーク・ポスト(ニューヨーク・タイムズじゃないですよ)には、

ブルームバーグ・ニューヨーク市長の言葉が載っています

BLOOMY FEARS NATIONAL-DEBT CRISIS(ブルーミィ(ブルームバーグ氏の「愛称」らしいですね)、不良債権危機を危惧)と題している

記事の一番最初に、

The next issue for concern in the battered economy is whether there are going to be buyers

for the nation's billions in debt, Mayor Bloomberg said yesterday.

((今の米国の)ボロボロとなった経済にとって更なる問題は、果たして、何十億ドルという不良債権処理の為に発行された国債を購入する人がいるかどうかだ)

と書いています。

要するに、口が悪いですが、記事に書かれていることは、

非常に未確定な部分が多い。「取らぬ狸の皮算用」の要素が大きいのです。

だから、まだまだ安心出来ないのです。

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