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2008.09.30

麻生太郎内閣総理大臣の所信表明演説、所感。

◆【為参考】 第170回国会における麻生内閣総理大臣所信表明演説 (平成20年9月29日)

これは、全文を掲載すると余りにも長くなるので、首相官邸ホームページにリンクを貼っておく。

第170回国会における麻生内閣総理大臣所信表明演説 (平成20年9月29日)

これは、ずっと掲載される。

また、実際の演説の様子は政府インターネットTVで視聴できる。

(念のため記すが、リンクをクリックすると、自動的に再生が始まる)。

これを元に、いくつかの点に関して所感を記す。


◆コメント:所信表明演説においては、まず自らの政治的信念、方針、具体的政策を提示すればよいのである。

首相の主な演説には、所信表明演説と、施政方針演説がある。

所信表明演説は、新しい首相が、自らの政策を国民に説明する場合。

きょうの麻生太郎内閣総理大臣の演説は、まさにそれに該当する。

その後は毎年、秋から始まる臨時国会の最初に首相が行う演説も、所信表明演説という。

施政方針演説とは、毎年1月中旬に始まる通常国会の始まりに内閣総理大臣が行う演説。これは今日は、関係ない。


内閣総理大臣に就任して、最初に行うべき事は、他の政党の政策がどうであろうが、自らの政治理念を示すこと。

さらになるべく具体的に、どのような政治的方針を掲げるのか、を示すこと。

そして、更に具体的に、実行したいと考えている政策を示すことである。

これで、臨時国会が始まる。

普通は、内閣総理大臣の所信表明演説を聞いた野党が、それぞれ、その内容に代表質問をする。

これが順序である。


きょうの所信表明演説で、私が数えたら、麻生太郎内閣総理大臣は「民主党」という言葉を12回も使っている。

民主党が、自分の政策に反対か、賛成かどうするか、と詰め寄っているが、それは代表質問で行えばよいことである。

所信表明演説においては、野党の答弁の時間は与えられていないのであるから、反論しようがない。

そういう場で、「民主党はどう考えるのか?」と問うても、民主党は答えられないのだから、麻生氏の民主党名指し批判は、

余計だった、と思われる。


そして、少数とは言え、野党は民主党だけではないのである。麻生氏は、民主党以外の野党は名指ししなかったが、

これでは、その他野党を支持する国民を無視しているものと見なされても致し方がない。

演説内容を通して読むと、麻生太郎内閣総理大臣の考え方全てがまちがっているとは思わないが、

いちいち、「民主党は?」を付けたのは余計な行為だった。


◆国会運営について:参議院で与野党が逆転するまでの自民党のやり方の方が問題だと思う。

麻生氏は、

はじめに、国会運営について申し上げます。

先の国会で、民主党は、自らが勢力を握る参議院において、税制法案を店晒しにしました。

その結果、二か月も意思決定がなされませんでした。政局を第一義とし、

国民の生活を第二義、第三義とする姿勢に終始したのであります。

与野党の論戦と、政策をめぐる攻防は、もとより議会制民主主義が前提とするところです。

しかし、合意の形成をあらかじめ拒む議会は、およそその名に値しません

と述べた。確かにあの空白は民主党が徒に「反対の為の反対」を繰り返していて問題だった。

民主党も一体、どういう政党なのか「???」のことが多い。それは認める。


しかし、過去、私は、何度も書いたが、参議院で与野党が逆転する以前の自民党のファシズム的強行採決は、

「合意の形成をあらかじめ拒む議会」ではなかったのか。


安倍政権下の自民党は、憲法改正の手続きとなる「国民投票法案」や「教育基本法」という超重要法案を、

勝手に審議を打ち切り強行採決したのである。

税制本案が2ヶ月決まらなかったよりも、余程重大な、独裁的行為である。民主党のことを言えた義理か、と思う。

どっちもどっちなのだ。麻生氏乃至自民党はその意味において、あまり偉そうなことを言えた義理ではない。


◆誇りと活力ある外交・国際貢献

一点だけ。麻生太郎内閣総理大臣の発言に、
第二に伺います。海上自衛隊によるインド洋での補給支援活動を、わたしは、我が国が、我が国の国益をかけ、

我が国自身のためにしてきたものと考えてきました。テロとの闘いは、まだ到底出口が見えてまいりません。

尊い犠牲を出しながら、幾多の国々はアフガニスタンへの関わりを、むしろ増やそうとしております。

この時に当たって、国際社会の一員たる日本が、活動から手を引く選択はあり得ません。

民主党は、それでもいいと考えるのでしょうか。見解を問うものであります。

これは、問題である。民主党云々は関係ない。

インド洋における給油活動、所謂「無料ガソリンスタンドサービス」の対象には、勿論米国が含まれている。

米国軍は、アフガニスタンにおいて、戦闘状態にある。給油活動は戦闘状態にある同盟国に対する後方支援であり、

「集団的自衛権行使」と解釈されるべきである。政府の公式見解は今なお、
「集団的自衛権行使は、違憲である」

となっており、変更されていない。そして日本国憲法には、次の文言が含まれている。
第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

従って、本日の麻生太郎内閣総理大臣の見解は、国会議員の憲法遵守義務違反である。


◆その他、内閣総理大臣が具体的に「約束」したことを覚えておきましょう。

麻生太郎内閣総理大臣が呈示した具体的政策、つまり、国民に「やる」と約束したことをいくつか拾ってみる。

「今年度内に、定額減税を実施します。家計に対する緊急支援のためであります。」

衆院選後(余り考えたくないが)、麻生政権が続いた場合、来年3月末までに定率減税が実施されなければ、公約違反である。

次は、社会保険庁。
・「消えた年金」や「消された年金」という不安があります。個人の記録、したがって年金給付の確実さが、

信用できなくなっております。ひたすら手間と暇を惜しまず、確かめ続けていくしか方法はありません。

また、不祥事を行った職員に対しては、厳正なる処分を行います

年金掛け金を使い込んだり、年金受給資格を改竄した社会保険庁職員に対して、「厳正なる処分」が行われなかったら、公約違反である。

最後、拉致問題。
すべての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現を図ります。

「全ての拉致被害者」を明らかにして、帰国させる、と約束したのですから、出来なかったら公約違反です。

これは、揚げ足を取ることではない。内閣総理大臣自らが「やる」と言ったことなのだから、やって貰いましょう

(麻生氏が首相であり続けるならば、だが)。

国政の最高責任者が、国権の最高機関、国会に対して約束したことだ。当然である。

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