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2008.09.18

「AIG、米政府の管理下に FRBが9兆円融資」←米国政府、何故リーマンは救わなかったか説明せよ。

◆記事1:AIG、米政府の管理下に FRBが9兆円融資 (NIKKEI NET)(2008/09/17 13:50)

【ワシントン=大隅隆】米政府・連邦準備理事会(FRB)は16日、

米保険最大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に最大850億ドル(約9兆円)のつなぎ融資を実施すると決めた。

見返りとして同社の79.9%の株式を取得できる権利を政府が確保することにし、事実上、政府の管理下で再建にあたる。

米国発の金融危機を防ぐ狙い。一方、FRBは同日、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を

現行の年2.0%のまま据え置くことを決めた。

AIGへのつなぎ融資は2年間で、AIGの全資産を担保にする。

金利はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の3カ月物に8.5%上乗せした水準。

AIGはつなぎ融資で資金繰りをつけ、時間をかけて資産売却し融資を返済する。


◆記事2:米AIGへの融資決定、FRBの一貫性に疑問符も(9月17日19時43分配信 ロイター)

[ワシントン 16日 ロイター] 米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの支援要請には応じなかった

米連邦準備理事会(FRB)が、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に

850億ドルの融資を行うと表明したことで、FRBの姿勢の一貫性に疑問を呈する声も出ている。

また融資を求める企業がこれから多数出てくる可能性が高まった、との指摘も聞かれる。

経営難に陥った企業を破たんさせるのか、規模が大きく影響が甚大との理由で救うのか。

その判断基準をめぐって、議論を呼びそうだ。

FRBがこの春ごろから実施した金融セクターに対する支援額は、ベアー・スターンズ救済関連で290億ドル、

米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)にそれぞれ1000億ドル、

米連邦住宅局(FHA)に最大3000億ドル、そして今回のAIGへの850億ドル。

その他の救済策や融資を含めると、納税者の負担総額は9000億ドルを上回るとみられる。

ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネスのノウリエル・ロウビニ教授は

「FRBはリーマンには断固とした対応をとるふりをしながら、2日後には別の企業を救済している。

損失を社会全体で負担するシステムが続いている」と指摘。

自動車メーカーや航空会社など、経営難の企業が今後支援を求めてくることは確実と述べた。


◆コメント:米国政府は、金融機関を救済するかしないか、何を基準にしているのか世界に説明するべきだ

昨日は、米国のFRBが巨大証券会社、リーマン・ブラザースを潰す気だ、というニュースを見て、

私は我が目を疑った。


リーマンの破綻により、リーマンに多額の投資をしていた、AIGという保険会社が、

評価損が膨らんで潰れそうなので、FRBが9兆円の緊急融資をする、というニュースが入ってきたときに、

やはり我が目を疑った。

AIGを救済するならば、何故リーマンも救済しなかったのか。


総資産額を見ると、リーマンは64兆円。AIGは約106兆円。規模の違いだけか。

因みに日本の国家予算が84兆円である。リーマンよりAIGの方が企業規模が大きいと言われても、

これぐらい巨額の資産になったら、相対的な問題ではない。64兆円も106兆円も同じである。

絶対額が大きすぎるのである。潰れたら世界の金融市場、金融システムへの影響が計り知れない点に置いて、

両者はほぼ同一である。


しかし、米国のFRB(連邦準備制度理事会)はリーマンに対する公的資金注入を断固拒否していたのに、

そのわずか2日後、AIGには緊急融資を行い、救済を決めた。

一体、如何なる理由で、両者に対する措置が異なるのか。

米国政府は、その論理を世界に説明するべきである。

そうしないと、今後も続々と起きるであろう、金融機関の破綻に際して、

FRBは、助けるのか、助けないのかギリギリまで分からないので、株や債券の市場が混乱する。

混乱とは、相場が乱高下(らんこうげ)する、という形で現れる。

その度に、各国の投資家は損失を被る(相場が乱高下したら、まず損失が生じる可能性の方が高いのだ)。

損失を被ったら、世界中の投資家、特に金融機関の経営に影響が出る。


アメリカは自分の都合しか、考えていない。


そもそも、昨年来の金融不安はサブプライムローンという住宅ローンが不良債権化したのが発端である。

返済力の乏しい低所得者層に、これでもかとばかりに住宅ローンを貸し付けた。

皆が住宅を買った。買う人がいなくなったので住宅価格が暴落し、低所得者層は、家を売ってローンを

返済することが出来なくなった。バブルの崩壊そのものだ。日本の例があるのに、米国金融当局は、

サブプライムローンを規制しなかった。米国金融当局の監督能力が無かった、ということだ。


その所為で、サブプライムローンを証券化した商品に多額の投資をしていたリーマンを始め、

無数の米国の金融機関は大きな評価損を抱えている。次にいつ、どの金融機関が破綻するか、

分からない。そして、経営危機に陥った金融機関をFRBが助けるかどうか、その都度判断されたら、

それらの債券や株を買ったり、資金を貸し付けている世界の金融機関は、危なくてしょうがないから、

債券を売る。すると金利が上がる。資金を調達しにくくなる。また、アメリカの金融機関の株を持っている

投資家は、倒産したら、その株は紙屑になるのだから、早めに売る。株価が下がれば、評価損が出る。


アメリカの姿勢の一貫性のなさにより、世界の市場が混乱する。

だから、FRBは、救済するなら、少なくとも大手は全て救済しろ。財政赤字が膨らむといったって、

先ほど書いたとおり、この1年の金融市場の混乱はアメリカの責任なのだ。

肚を括って方針を決め、全世界に向けて発表して貰いたい。

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コメント

あつし様、折角ご丁寧なコメントを頂戴しながら、レスが遅くなりまして申し訳ございません。

仰るとおりで、日本のバブル崩壊後、アメリカは日本に「早く公的資金を注入しろ」とプレッシャーをかけていたのです。

そうしたため、日本では金融恐慌は起きませんでしたが、不良債権処理に各行は大変苦しみました(回収されて、潰れ、自殺した中小企業経営者も後を絶ちませんでした)。

一長一短なのですが、当時あれほど日本に強行に公的資金を使え、と迫ったアメリカが、グズグズしていた結果、100年に1度の金融恐慌に陥るかも知れない事態に発展しています。

まことに勝手な国です。

アメリカの今回の不良債権買い取り策では7000億ドルとか言われておりますが、これは、市場に出回るお金ではなく、専ら、金融機関の不良債権処理に充当される筈ですので、市場に出回る資金量、所謂マネー・サプライが急激に増加して、インフレになる怖れは少ないと思います。金融危機の根源、サブプライムローンに目を向けますと、アメリカの不動産価格は下がり続けており、これが、更なる不良債権を生む、という構図ですので、寧ろ、不動産市場においては、インフレ気味になってくれた方が良いかとおもいます。

>あとリーマンやAIGが多額の損失を出しているということは、そのお金はどこに行ったのかな。
>儲けている人もいるでは?、と素朴な疑問を抱いた次第です。

アメリカの証券取引等監視委員会(SEC)は空売り禁止令を出しました。これは、今まで、
ヘッジファンドなど、巨額の資金を投じて相場を牛耳っていた連中が、リーマンや、メリルリンチや、AIGは危ない、という情報を早くから入手し、株の空売りをしておいて、

暴落し、リーマンなど破綻寸前で買い戻し、巨額の利益を得たのだとおもいます。ハイエナのような連中です。

投稿: JIRO | 2008.09.24 19:20

こんにちは。日本でバブル崩壊後、銀行の不良債権がにっちもさっちも行かなくなったとき、アメリカは日本に公的資金をつぎ込めと迫ったと、確かこの日記で紹介されていたと思うのですが。しかしアメリカは自分の時は頑なに公的資金投入を拒み、リーマンを見捨て、結果、金融恐慌の様相を呈してきました。それに驚いたのかAIGは救済しましたが、この一貫性の無さがかえって市場を混乱させているような気がします。また日本がバブル崩壊から立ち直るのに相当な犠牲を払ったことをアメリカは知りながら、不動産バブルを放置していたのですから、アメリカの責任は大きいと思います。
ところで私、経済は全く分かってないので恥ずかしいのですが、アメリカの救済策や融資は9000億ドルを上回る額とのことなので、インフレの心配はないのかなということです。大量に資金を投入しているのですから、インフレが起きてもおかしくないと思うのですが。あとリーマンやAIGが多額の損失を出しているということは、そのお金はどこに行ったのかな。儲けている人もいるでは?、と素朴な疑問を抱いた次第です。

投稿: あつし | 2008.09.18 16:27

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