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2008.10.20

10月月例経済報告、景気「弱まっている」 10年半ぶり6項目後退←文字通り、「景気が悪い」話ですが・・・。

◆記事1:10月月例経済報告、景気「弱まっている」 10年半ぶり6項目後退 (日経 20日 20:33)

政府は20日、10月の月例経済報告で景気の基調判断を「弱まっている」として前月より引き下げた。

輸出や生産、雇用など6項目の判断を下げたうえ、景気の先行きについて「さらに厳しいものとなるリスクが存在する」と指摘した。

日銀も同日公表した10月の地域経済報告で、国内の全9地域の景気判断を下方修正。

世界的に景気後退の懸念が強まるなか、日本経済も厳しい局面に入った。

月例報告で基調判断を下げたのは2カ月ぶり。

8月の月例で「このところ弱含んでいる」として事実上、景気が後退局面に入ったと認めている。

景気判断に使う主要な11項目のうち、6項目を同時に下方修正したのは1998年4月以来、10年半ぶりだ。


記事2:日銀「地域経済報告」、9地域全てで景気悪化(10月20日15時18分配信 ロイター)

日銀は20日、本店で開催した支店長会議で各支店からの景気報告をもとに取りまとめた「地域経済報告」を公表、

その中で全9地域が景気判断を下方修正し「全体として停滞している」との総括判断を示した。

全地域での下方修正は2005年の調査開始以来初めて。

これまで全国対比で比較的堅調に推移してきた東海地区では「下降局面にある」との表現を用いたほか、

関東甲信越地区と近畿地区も7月の「減速している」から「停滞している」に下方修正した。

報告では従来から最も景気が厳しかった北海道が「弱めの動き」から「やや厳しい状況」に下方修正、

最も順調だった東海地区は「なお高水準を保ちつつも下降局面にある」とした。

地域差は残るものの、おしなべて景気は悪化方向に傾いた。

原材料高による交易条件の悪化などを背景にして企業収益が悪化していることに加えて、輸出の増勢が鈍化した影響が大きい。

設備投資は「全体として減少」、個人消費も「弱めの動き」となっている。

こうしたもとで生産は、下方修正した地域が8地域にのぼり、「弱めに推移している」という。


◆コメント:「月例経済報告」は毎月政府(内閣府)が、「地域経済報告」は四半期毎に日銀が発表する資料です。

結論を最初に書くならば、記事1も、記事2も、要するに日本経済は景気が後退していることを公式に認めた、

ということです。

但し、情報源が違うのです。混同しやすいので、簡単に説明します。

「月例経済報告」は、日本政府(実際に担当しているのは内閣府)が日本経済をどのように見て、判断しているかをまとめたレポートで、文字通り毎月発表されます。

「地域経済報告」は、日本の中央銀行である日銀が1,4,7,10月に開く支店長会議で、それぞれの地区の経済状況を報告したのを

まとめたものです。今日(10月20日)その2つが発表され、どう見ても日本経済が後退している。

つまり不況に向かっていると結論づけた、というわけです。


◆「月例経済報告」

これは、内閣府ホームページの、統計情報・調査結果に、月例経済報告関係資料としてまとめられています。

経済の現状を分析する為に内閣府が使った統計がどういうものかは、月例経済報告主要経済指標に掲げてありますが、

これを全部見ているヒマもないし、専門家でなければ分析出来ません。

月例経済報告は、例えば今日発表されたのはこれですが、全部読むのはいささか面倒です。

これは、最初のページに「基調判断」という、謂わば「結論」が一言で書いてありますから、そこだけ見ても、大まかなことは分かります。

この「基調判断」が昨年10月発表分から、今日発表された分までどのように変化してきたか、書き出しました。

【2007年】

10月 景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、回復している。

11月 景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、回復している。

12月 景気は、一部に弱さがみられるものの、回復している。


【2008年】

1月 景気は、一部に弱さがみられるものの、回復している。

2月 景気は、このところ回復が緩やかになっている。

3月 景気回復は、このところ足踏み状態にある。

4月 景気回復は、このところ足踏み状態にある。

5月 景気回復は、このところ足踏み状態にある。

6月 景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動きがみられる。

7月 景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動きがみられる。

8月 景気は、このところ弱含んでいる。

9月 景気は、このところ弱含んでいる。

10月 景気は、弱まっている。

説明の必要がないほどです。1年前は「弱さが見られるものの、回復している」だったのが、

「回復が緩やかになっている」→「景気回復は足踏み状態にある」→「足踏み状態にあるが、一部に弱い動きが見られる」→「弱含んでいる」

と、どんどん、弱まってきました。そして、遂に今日、

「景気は弱まっている」

と、政府が公式に景気の後退を認めました。政府はなかなか認めたがらないのに、認めざるを得ないほど弱いのでしょう。


◆日銀「地域経済報告」

日銀は毎年、1月、4月、7月、10月に全国の支店長を日銀本店に集めて支店長会議を行います。

そこで、各支店長が、それぞれの地域の経済の現状と見通しを発表します。

それが、「地域経済報告」(通称「さくらレポート)です。今日発表されたのはこれです

本日発表文を含む、過去の発表は地域経済報告(さくらレポート)にまとめてあります。

これも全部読んだら大変ですから(pdfファイルで60ページ近くになります)、最初のページだけ見ます。

9地域(北海道、東北、北陸、関東甲信越、東海、近畿、中国、四国、九州・沖縄)の景気判断、前回の会議からの判断の変化が矢印で示してあります。

試しに、本日発表分を見ると、全ての地域が前回から景気判断を下方修正しています。

1年前はどうだったか、2007年10月を見ます。

9地域のうち、7地域が「回復」又は「拡大」と認識し、その前の会議から殆ど変化していません(矢印が真横を向いています。下がっていません)。

このように見ると、1年で、日本経済が次第に拡大から横ばい、そして遂に後退に向かってきたことが分かります。

これは、日本国内の個人消費や、設備投資が鈍化しているということですが、その遠因としては、記事2に書かれているように、

輸出が減ったこと、による部分が大きい。アメリカのサブプライムローン問題が騒がれ出したのが一昨年で、

そのころからアメリカの景気が悪くなり出した。その影響が日本にも及んでいる、ということだと思います。

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