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2008年10月

2008.10.31

追加経済対策。ケチを付けるのは簡単だが、こういうのは迅速であることが肝心。「拙速」でいいのだ。

◆記事:追加の経済対策の主な内容(NHK)(10月30日20時00分)

【給付金】

まず給付金の支給です。

当初、与党で検討されていた所得税などから一定額を差し引く「定額減税」に代わって、

今年度内にすべての世帯を対象に、現金やクーポン券の形で支給されることになりました。

総額は2兆円で、仮に人口で均等に割った場合、1人当たり1万5000円余りとなり、

夫婦2人と子ども2人の家族だと1世帯6万円程度が支給される計算ですが、具体的な支給の方法や金額は、今後、調整されます。

【高速道路値下げ】

次に高速道路料金の値下げです。

対象となるのは、自動的に料金を精算する「ETC」の利用者です。

首都高速道路と阪神高速道路などを除く地方の高速道路について、乗用車を対象に、

休日は走行距離にかかわらず1回当たり原則1000円、場所によっては1500円で利用できるようにします。

例えば、神奈川県にある東名高速道路の厚木インターチェンジから滋賀県にある

名神高速道路の大津インターチェンジまで400キロ余りを走った場合、

通常9000円のところが1000円と、8000円の値下げとなります。

【住宅ローン減税】

ことし12月末に期限が切れる住宅ローン減税も、減税額が過去最大規模に拡充されて延長されます。

現在は、借り入れ金のうち2000万円までを上限に10年または15年の期間であわせて最大160万円が所得税から減税されます。

今回の対策では、借り入れ金の上限を大幅に引き上げるとともに、減税額を最大で600万円程度に拡大する方向で検討します。

また、高齢者などが住みやすい住宅や省エネに配慮した住宅などに改修する際、

住宅ローンを組まずに自己資金で賄った場合でも、減税措置を受けることができるようにする新たなリフォーム減税も導入します。

【妊産婦検診の無料化】

妊婦検診の無料化も盛り込まれました。
現在は市町村によって無料となる検診の回数が異なっているため、

国と市町村が半分ずつ負担して一律に14回分の検診を無料化するとしています。

【証券優遇税制の延長】

株式市場の活性化を図るため、ことし12月末に切れる株式などの配当や売却益にかかる税率を

本来の半分に軽減している証券優遇税制を3年間延長します。


◆コメント:各論にケチを付けるのは簡単だが、それなら、皆、代替案を一から書けるのか。

30日夜、麻生太郎内閣総理大臣が、追加経済対策の具体的な内容を発表した。

各メディアのサイトを読むと、経済対策の詳細を見て、問題点を指摘している。

そういう批判をするのは、非常に簡単なのだ。


私ですら、とりあえずパッと見て気が付くことがある。

「給付金」。

一世帯6万円の現金やクーポンを配るという。無いより助かるが、一回だけで個人消費が上向く訳がない。

しかし、それでは、いくらならいいのか?という問いには、誰も答えられない。

各世帯に60万円ずつ支給するわけにはいかないだろう。ただでさえ、追加経済対策全体に関して財源が問題になっているのだ。


「高速道路料金値下げ」

適用は乗用車で、しかもETC利用者に限られる。ここに不公平感がある。そして、経済対策の観点からは、

最も値下げを渇望するのは、ガソリン価格高騰(最近随分下がったが)で打撃を受けた、運送業者だろう。

本案では、トラックは値下げの対象外だ。ETCを付けた乗用車だけ値下げ、はピントがボケている。


「住宅ローン減税」

これは、「今後、住宅を購入する人」を対象としている。既に住宅を購入済でローン返済に苦しんでいる人は含まれない。

この景気の悪いとき、マンション販売統計など見ると、思い切り不振である。今、家を買おうとする人が多いとは思われない。


その他、追加経済対策の財源としては赤字国債を発行しないが、財政投融資特別会計の積立金を取り崩す(詳しく説明すると面倒臭いので、

省略するが)のは、結局赤字国債を発行しているのと、変わらない。


◆首相が経済の現状を正しく認識出来ている、と言うことが肝要である。

このように、重箱の隅をつつけば、多分、もっといくらでも「追加経済対策」の問題点を指摘できるだろうが、

この際それは、本質ではない。細かい瑕疵があっても、首相自身が会見で言っていたように「スピード」が肝心である。

その点が評価出来る。


麻生首相は経歴を調べれば分かるが、麻生セメントという会社の社長を務めていたことがある。

自分で商売をやったことがある人だから、経済的な感覚は、小泉、安部、福田よりも遙かに鋭敏だろう、と思う。

私が、それをはっきり感じたのは麻生氏がまだ首相になる前、幹事長だった、9月15日にリーマン破綻した時の発言においてである。

◆記事:米政府の対応に疑問=リーマン破綻-自民・麻生氏 (時事通信)(2008/09/16-13:21)

自民党総裁選候補の麻生太郎幹事長は16日昼、東京都庁で開かれた都議会自民党の会合で、

米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)に関し

「いくら何でも影響が大きすぎる。全く何もしないで放置するやり方が正しいやり方かどうか率直な疑問がある」

と述べ、救済策を講じなかった米政府の対応に疑問を呈した。(注:太文字は引用者による。)

この記事を読んだ時に私は、「あ、この人、ことの重大さを分かっているな」と思った。

この日記・ブログで何度も書いたとおり、リーマン破綻から世界の経済・金融システムが大混乱に陥ったのは、今更書くまでもない。


また、今日(30日)の会見の冒頭を引用する。
それでは今回まとめさせていただきました国民のための経済対策を発表させていただきます。

はじめに現在の経済の状況について、私の認識を申し上げさせていただきたいと存じます。

現在の経済は100年に1度の暴風雨が荒れている。金融災害ともいうべきアメリカ発の暴風雨と理解しております。

米国のサブプライム問題に端を発しました今回の金融危機というものは、グリーンスパン

元FRB(米連邦準備制度理事会)議長の言葉を借りるまでもなく、100年に1度の危機と存じます。



証券化商品という言葉がありますが、これに代表されます新しいビジネスモデルが拡大をした。

しかし、その中で金融機関がそのリスクを適切に管理できず、金融市場が機能不全に陥ったと存じます。

ただし日本の金融システムは、欧米に比べ、相対的に安定をしております。日本の土台はしっかりしているということです。

しかしながら、全世界的な金融システムの動揺というものは株式とか、債券市場を経て、

世界の、また、日本の実物経済、実体経済にも影響を及ぼしていくことが確実であろうと存じます。

こうした状況の中で、何より大事なことは生活者の暮らしの不安というものを取り除くことだと確信しております。

すなわち国民生活の安全保障であります。暴風雨をおそれて萎縮(いしゅく)してはなりませんし、

台風が通り過ぎるまでじーっとしているだけでもだめです。

今回の対策はこうした認識を背景に策定をさせていただきました。対策は大きく分けて2つです。

1つは国内でできること。それは生活者の安全保障であり、金融の安定です。

考えられる限りの大胆な対策を経済対策としてまとめさせていただきました。

2つめは国際的にしなければならないことであります。金融の安定化のために国際協調を進めます。

まず、国民の経済対策について説明をさせていただきます。

概要は配布をしていると思いますが、その資料の通りです。

今回の経済対策は国民の生活の安全保障のための国民の経済対策です。

ポイントはスピード、迅速にということです。(注:太文字は引用者による。)

極端にいうと、私は太文字で強調した部分だけで、
「あ、この人、分かっているな」

と思った。今、もしも、首相が、小泉か安倍か福田だったら、こういう発言は出ないと思う。

経済は経済学を勉強したって、分からないことばかりで、現実に商売をしたことがある人の勘、は重要である。

麻生首相には、その「勘」があることが明らかなのだ。

だから、追加経済対策には、まずい部分もあるが、国の宰相が経済を肌で感じている、という所に、

やや、安心感を覚える。

また、衆議院の解散の時期を逃した、といって自民党内部や公明党から麻生批判があるそうだが、

それこそ、今の世界経済の危機的状況を理解していない証拠である。リーマン破綻以降、世界の金融界では

何が起きても不思議は無く、常に各国政府は臨戦態勢にあるべきだった。

この時期に解散総選挙などしている場合ではない。自民党独自の調査で、今選挙をすると自民党は大敗を喫する、

というデータがあるので、首相は解散しないのだろう、という意見もあるが、それは政治家だから、政局も考慮するだろうが、

麻生首相が今解散しないのは、金融危機の重大性に鑑み、
「それどころじゃない」

と言っているのは、本音だと思うのである。

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2008.10.30

「ネット証券 問い合わせ相次ぐ」←止めた方がいいってば。

◆記事:ネット証券 問い合わせ相次ぐ(NHK 10月29日 14時15分)

日経平均株価が8000円台を回復した29日、インターネット専業の証券会社には、

株式を買うために新たに口座を開こうという個人などから、資料請求や相談の電話が相次いでいます。

このうち、東京・中央区に本社があるインターネット専業の証券会社では、午前8時の受け付け開始から電話が相次ぎ、

オペレーターをふだんより10人多い40人に増やして対応に当たっています。この中では、

株式を買うため新たに口座を開きたいという個人から必要な資料を求める電話や、

久しぶりに取り引きを再開しようとホームページの操作方法を問い合わせる電話が多いということです。

カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは

「ヘッジファンドなどが株式を現金に換える『換金売り』の嵐が収まってきたことに加えて、

日米での利下げの観測や日本の空売り規制の強化なども好意的に受け止められている。

株が安い今をチャンスとみている個人投資家が増えている」と話していました。


◆コメント:マーケットは自己責任ですから「大きなお世話」なんですが・・・。

日中、このNHKの記事を読んだ時、私は目を覆いたくなりました。

今日、東京株式市場で日経平均株価はの終値は8211円90銭で、前日比、約590円高でした。

NHKの報道はまだ、市場が終わる前のものですが、この、

「8000円台を回復したから、新しく株の口座を開設して、株式を購入する」

という発想が、理屈では上手く説明出来ませんが、如何にも「素人」なんです。

これは、世界の金融危機が去ったわけでもなく、世界景気が突如回復に向かい始めた(そんなこと、あり得ません)訳でもない。

空売りから入っていた、プロの投資家が買い戻しただけです。ここから買ったら、必ず下がります。

と言っても、読者の皆さんは、私が何処の馬の骨か分からないのですから、信用出来るか分からないでしょう。

それでは、プロがどのように考えているか、記事を読んでみましょう。
◆記事:東証 8千円台回復 ただ市場は「上昇続かず」の見方多く(10月29日23時43分配信 毎日新聞)

29日の東京株式市場は、日銀の利下げ観測などで円安が進んだことから、4営業日ぶりに日経平均株価が終値で8000円台を回復した。

しかし、電機、自動車など輸出関連企業の業績は海外市場の不振から厳しさを増しており、

市場では「このまま株高基調に入るような環境にはない」との見方が多い。

29日午前、円相場が一時、1ドル=98円台に急落したため、

「円高の影響で輸出依存度が高い国内企業の業績は悪化する」(大手証券)との警戒感が薄れ、市場に買い安心感をもたらした。

午後の取引では当面の利益を確定する売りに押され、一時、日経平均の上げ幅が100円台まで縮小したが、

割安感から年金や個人など、株を長期保有する投資家とみられる買いが入り、上げ幅を拡大した。

日経平均は27日、03年4月につけたバブル経済崩壊後の最安値(終値7607円88銭)を更新。

28日午前には一時、約26年ぶりに7000円を割り込むなど急落していた。底値が見えない不安感の中、

28日午後からようやく上昇に転じ、28、29日を合わせた上げ幅が1000円を超えたことは「投資家に一定の安心感を与えた」(大手証券)。

しかし、市場は、このまま日経平均が上昇を続けることに懐疑的だ。

世界景気が回復する兆しは見えず、為替相場も、企業の想定レートを超える円高が続くとの見方が支配的。

今週から本格化した08年9月中間決算発表で業績悪化が鮮明になったり、

経済指標で個人消費の弱さが確認されれば、売り圧力が強まり株価下落が加速する可能性は強い。

SMBCフレンド証券の中西文行ストラテジストは「今の株価回復は一時的だ。

これから景気悪化が鮮明になり、さらに日経平均が下落する場面がありそうだ」と指摘する

どうですか?これが正真正銘のプロの意見です。


◆三井住友フィナンシャルグループが業績予想を下方修正しました。米国初の金融危機以降、邦銀では初めてです。

さらに、29日午後、三井住友フィナンシャル・グループが、業績予想を下方修正しました。従来予想を60%下回って入るんですよ。

リーマン・ブラザーズ破綻以降の金融危機の中で、日本のメガバンクが業績予想を下方修正したのは、初めてです。

勿論、原因は、昨今の株安による評価損と国内景気の低迷により、不良債権が増加しているからです。
◆記事:連結純利益が6割減=不良債権の急増で-三井住友FG中間決算(10月29日19時1分配信 時事通信)

三井住友フィナンシャルグループ(FG)は29日、2008年9月中間決算の連結純利益について、

従来予想の2100億円を59.5%下回る850億円に下方修正したと発表した。1000億円割れは04年9月中間決算以来4年ぶり。

世界的な金融危機の中、貸出先の経営悪化で不良債権処理額が従来見通しを大幅に上回ったほか、株安による減損処理も響いた。

09年3月期の連結純利益予想も従来の4800億円に比べ62.5%減の1800億円とした。

ここで、懸念されるのは、90年代のバブル崩壊後の不良債権とは、性格が異なることです。

あれは、バブルで土地の値段がどんどん上がるのに、投資しようとする投資家に銀行が節操も無くカネを貸し、

ある時、突然、不動産価格が下がり始めたので、投資家がバタバタとつぶれたのです。


今回は、日本の経済実体が確実に悪化していて、真面目に商売をしている会社も、儲けが出ず、

銀行からの借金を返せない、という「不良債権」です。それほど日本の景気は後退しているのです。

これほど、景気が悪いときに、株を始めるのは危険です。


◆どうしてもやりたいなら、何年でも戻るのを待つ覚悟で。それから「信用取引」は絶対やってはいけません

これほど書いても、いや、俺は株を始めるのだ、という方もいらっしゃるでしょう。

日本は、自由経済、市場経済の国ですから、それは自由ですが、2点だけ忠告したいと思います。


まず、初心者が短期売買をしてはいけません。

株式市場には、ありとあらゆる参加者がいます。中でもヘッジファンドという、金持ちからお金を集めて運用することを

任されている投資のプロがいますが、想像を絶する巨額の資金を持っています。彼らが何らかの情報を得て、売買を行うと、

相場は乱高下します。それを追いかけて、上がっているから買う、下がっているから売る、ということをすると必ず失敗します。


もう一つご忠告します。

株の取引には信用取引という方法があります。要するに「借金取引」です。

証券会社に、現金や既に保有している株式を担保として差し入れると、証券会社がお金や株式を貸してくれます。

これにより、二つのことが可能になります。

1.手持ちの現金以上のお金を使って株を買うことが出来る。

2.空売りをすることが出来る。

空売りとは、実際には自分で株をもっていないのに、証券会社に株を貸して貰って売るのです。

上手く相場が下がれば、下がったところで買い戻せば、差益が出て、買った証券は、借りていた証券会社に返却します。

1.の場合。信用取引でお金を借りて株を買った後、その株の値段がどんどん下がると、担保を追加で差し入れなければならなくなります。

これを「追い証」といいます。これを期日までに入金するために、サラ金からお金を借りる、などというとんでもないハメに陥る人がいます。



2.の「空売り」は更に恐ろしい。空売りのリスクは無限大です。

前述の通り、信用取引で証券会社から株を借りて、市場で売ったとします。売ったときの株価が100万円だったとしましょう。

繰り返しますが、信用取引では、株を証券会社から「借りて」いるのですから、期日には返さなければなりません。

期日までに株を買い戻さなければならない。もしも、売ったときよりも株価が下落していたら、ラッキーです。

しかし、何らかの要因で株価が反騰(下がっていた株価が逆に上がること)していたらどうなるか。

もし、100万円で売った株が1000万円になっていたとしても、貴方は株を買って、証券会社に株を返さなければならない。

手許にお金が無ければ、借金をしてでも、1000万円の株を買わなくてはならないんです。900万円の差損が出ます。

借金、どうやって返しますか?

次の株取引で一発逆転すればいい、というのは、バクチと同じで、まず失敗します。借金がどんどん膨らみます。


恐ろしいですね。

どうしても、株取引をやりたいのなら、それは自由ですが、必ず、手持ちのお金の範囲内で、お小遣い稼ぎ程度にすることです。

特に今のように、プロでさえ、先が全然読めないマーケットで、「信用取引」は、絶対にやってはいけません

近ごろ同じことばかり書いていますが、相場の恐ろしさをお伝えしたいと思い、書いています。

本当に危ないことなんです。

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2008.10.29

私事で恐縮ですが、10月28日は忘れがたい日なのです。

◆15年前(1993年)の今日、ロンドンに赴任しました。

今日、10月28日は私にとって、特別な感慨を覚える日です。

今からちょうど15年前、1993年10月28日、私は全日空機に乗り、駐在員としてロンドンに向かいました。

33歳でした。恥ずかしいのですが、何と私はそれ以前に日本から出国したことがなかったのです。

この転勤の為に慌ててパスポートを取得した訳です。

初めて乗る国際線が「転勤のため」というのは、案外珍しいのではないかと思います。

私は、生来の出不精、怠惰な性格の為、それまでにも海外へ行こうと思えば行けたでしょうが、

面倒くさくて、出張すらしたことがなかったのです。皆さんには笑われてしまうでしょうが。

ですから、非常な緊張でした。

それに加えて、海外転勤の内示が出た直後、父が脳出血で寝たきりとなりました。

すぐに生命の危険は無かったとはいえ、もう会えないかも知れない、と思い、飛行機が離陸する瞬間、

正直に告白すると、危うく涙がこぼれそうになりました。


◆若い頃、アメリカに10年滞在した祖父の命日が、偶然にも10月28日なのです。

私の父方の祖父は、私が生まれる4年前に他界したので、当然、私は直接知らないのですが、

ユニークな経歴の持ち主でした。明治24(1891)年、福島県に生まれた祖父は、何を思ったのか、

19歳の時に、単身渡米しました。勿論船です。目的はジャーナリストとなる勉強をするためでした。

英語はそれまで独学で相当一生懸命に勉強したようです。

祖父は、今やイチローですっかり有名になったシアトルに住み、現地の通信社に雇って貰いました。

そして、10年間、シアトルで、ジャーナリズムとは何か、を学んだのです。

今でも、当時、祖父がアメリカから故郷に送った、おびただしい数の手紙が残っています。

また、現地で買った、ウェブスターの分厚い辞書が、今は私の手許に有ります。祖父の汗と涙の結晶です。


帰国後、祖父は日本の新聞社に新聞記者として就職しました。今の3大紙のひとつです。

大昔の記事ですが、読んでみると随分毅然とした記事を書いています。やがて働きを認められて、主筆にまでなりました。

今で言うところの論説委員ですが、これまた、手厳しい。

身内を褒めるのは手前味噌で恐縮ですが、「ペン一本で権力を批判し、世の中の有るべき形を読者に提示する気概」が込められています。


◆つまり、若い頃外国で修業した祖父の命日に、孫の私が海外に飛んだ訳です。

単なる偶然でしょうが、私には不思議な符合に思えるのです。あたかも祖父に応援されてロンドンへ向かう気分でした。

私の海外生活は、行く前は心配でしたが、行ってみたら興味深い体験でした。

仕事はきつかったし、意地悪な上司がいたり、英国人はなかなか言うことを聞いてくれなかったり、

今よりもずっと苛酷な「労働環境」でしたが、不思議に「ウツ」にはなりませんでした。

また、休みには、念願のモーツァルトの生家(ザルツブルク)を訪れたり、ベニスのあのロマンティックな雰囲気を知り、

音楽の都、ウィーンに行き、幸福でした。

4年後、日本に戻りました。過去に囚われては行けませんが、あのヨーロッパでの4年間は今でも懐かしい思い出であり、

多分、私が最も幸福だった時期だったと思います。帰国してから11年も経つのに、当時の記憶は鮮明に残っています。


◆今、ブログで天下国家を論じているのは、祖父のDNAを引き継いでいるのか、と思うことがあります。

私は、この日記・ブログで普段散々マスコミを批判していますが、これはマスコミが憎い、というより、

今の、センセーショナリズムに傾きがちなマスコミが、祖父が生涯を賭けた「ジャーナリズムの本来有るべき姿」から乖離していることに対して、

怒りを感ずる所為なのではないかと思います。あたかも祖父が私を使って、今のマスコミを批判しているようです。


そして、天下国家を論ずることは疲れます。もう、止めようか、と思ったことも何度もありますが、

結局書き続けています。やはり、私は祖父から何かを受け継いでいるのかも知れません。


かなり、自己陶酔的な文章になってしまいました。毎年10月28日には、このことを書こうか、書くまいか迷い、

書かないで参りましたが、今日は思い切って書いてしまいました。

完全に私的な思い入れですが、今日だけは、ご勘弁下さい。

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2008.10.28

「日経平均、バブル後安値を更新 終値486円安」←株を「買う人」がいる限り、売られるのです。

◆記事1:日経平均、バブル後安値を更新 終値486円安(NIKKEI NET)(15:06)

27日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に4日続落。大引けは前週末比486円18銭(6.36%)安の7162円90銭で、

2003年4月に付けたバブル経済崩壊後の最安値を更新し、1982年10月7日以来26年ぶりの安値となった。

世界景気の悪化と金融危機の同時進行への警戒感が強く、トヨタやソニーなど主力株中心に幅広く売られた。

増資観測の持ち上がった三菱UFJなど大手銀行株が、1株利益の希薄化懸念などから軒並み急落し、投資心理を冷やした。

東証1部の売買代金は概算2兆2323億円(速報ベース)。


◆記事2:緊急市場対策を発表、公的資金注入枠を10兆円規模に拡大(10月27日13時58分配信 読売新聞)

政府は27日、株価の急落を受けた緊急市場対策を発表した。

〈1〉株式の空売り規制強化

〈2〉銀行の自己資本比率の算出方法見直し

〈3〉銀行等保有株式取得機構の活用

〈4〉国内金融機関への公的資金の注入枠をこれまでの2兆円から10兆円規模に拡大--

などが柱だ。

株価対策としては、空売り規制を強化する。

今回のような株価の下落局面では、株式の空売りが下落に拍車をかける可能性が高いため、

証券会社などから株を借りずに売り注文を出すことを禁止する。

また、金融機関が株式を保有できる割合を、自己資本比率のうち一定以下としている制限を緩和する。

銀行が保有する株式について、銀行等保有株式取得機構による買い取り再開も検討する。


◆コメント:政府が何もしない訳にはいかないのはわかりますが・・・。

記事1のとおり、今日の東京株式市場では、日経平均株価が、バブル崩壊後の最安値(さいやすね)、7607円88銭を大きく更新しました。

これ自体は、意外ではありません。私は24日(金)にこうなるだろうと書きました。

記事には、世界景気の悪化とか、金融危機への警戒感とかもっともらしい理由を書いていますが、そうではなく、

株でも、債券でも、為替でも、相場をやる人、特にプロのディーラーというのは、新値を付けたがる習性があるのです。

暫くは、株価は戻らないと思います。

記事2では、政府の「緊急市場対策」について、書いてあります。

株価が暴落している時に、内閣総理大臣が何も指示を出さず、財政・金融相が、ただ手をこまねいていたら、

世論の批判を浴び、内閣支持率は下がる。与党にとって、選挙はますます苦しくなる。

だから、こういう「緊急対策」を発表せざるを得ないのは、政治家としては、やむを得ない。それは、分かります。

しかし、株価の下落を止める為には、こういう規制は、本当は余り賢明ではありません。


◆株を買う人がいる間は、株は売られるのです。

ちょっとだけ、話がそれますが、業界用語が説明無しに記事に書かれているので、説明します。

緊急対策の一つに「株の空売り規制強化」があります。

株の空売りとは、

証券会社から株を借りて売り、その株が値下がりした時点で買い戻す事で差益を稼ぐディーリング手法

です。儲けておいて、買い戻した株は、証券会社に返す訳です。

俗に「売りから入る」などと言いますが、ごく普通に行われていることです。

これを放置すると、マーケットが始まった瞬間から売りが先行するので、相場が下がりやすい。

一理あります。しかし、少し考えればわかることですが、株が売られるのは何故かというと、

「株を買う人がいるから」なのです。

売買契約(双務契約)ですから、売り手だけでは売買は成立しません。


株価が下がるのは、株を買う人がまだいるから、なのです。

本当は、放っておくといいのです。皆が売りから入る。誰も買う人がいなくなる、という状況になれば、

売りたくても売れません。そうなれば、空売りから入った人は、自分で買い戻さざるを得ない。

ひとたび、そういう動きが始まると、皆慌てます。売った時の株価よりも安い所で買い戻さなければ差益が出ません。

すると、今度は買いのパニック状態になり、株価はすごい勢いで戻すと思います。


ただ、先に書いたとおり、政治家の立場としては、そうも言えないわけですね。

何か、対策を講じている、という「能動的な」姿勢を示さなければならないので、

「緊急市場対策」を発表せざるを得ない。

政治家というのは、なかなか辛い立場です。

確かに、世界経済の実体は良くないので、間もなく株価が底打ちして、どんどん反騰を続ける、という状況ではありませんが、

日本の7,000円台は、明らかに売られすぎの状態です。さほど長くは続かないだろうと思います。

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2008.10.27

【差替】「犯行予告」メールを受信し、110番しました。その顛末記。/京都新聞の記事を追加。

◆【追加】記事:不特定多数に犯行予告メール 京都府警が容疑で捜査(10月27日9時19分配信 京都新聞)

JR京都駅(京都市下京区)などでの犯行を予告する電子メールが不特定多数の人に送られていることが、26日に分かった。

通報を受け、京都府警は業務妨害などの容疑で捜査している。

メールは「11月1日(土曜)にJR京都駅で多数の人間を刺殺します」「京都府警察署に放火し爆破します」と書かれ、

「逮捕できるものならやってみろ」と警察を挑発する文言もあった。差出人として「一般市民」と名乗っている。


◆まだ、ニュースになっていませんが(注:26日時点の話)、結構、警察に通報が相次いでいるとのこと。

「秋葉原事件」以来、困ったことに、2ちゃんねるなどに「犯行予告」を載せて、捕まる者が増えている。

今日、私は、自分のメールボックス(フリーメールではなく、プロバイダーのメールアカウント)をみたら、

「件名:犯行予告」

というスパム・メールが有ったので、開いてみたら(テキスト形式だった)、内容は次の通りであった。
差出人:一般市民

件名: 犯行予告

11月1日(土曜)にJR京都駅で多数の人間を刺殺します。

同日、京都府警察署に放火し爆破します。

上記は確実に実行しますが、おとり作戦です。さらに大規模な作戦が裏で実行されます。

税金ドロボーの無能警察には犯人逮捕は不可能である。

IPアドレスから逮捕できるものならやってみろ。

一般市民 griffin026@gmail.com

■配信停止連絡先■c-info@cyberhome.ne.jp

----------------------------------------

IP情報

81.ISAS0010088.cyberhome.ne.jp(211.9.141.81)

宛名に私の名前が書いてあるわけではなく、スパム・メールの「犯行予告」(?)として、

そこら中にバラまいているように見受けられた。


私の使っているプロバイダーのホームページには、「秋葉原事件」の後、「お知らせ」として、

「お客様各位」宛に、次のメッセージが掲載されている。
警察への110番通報についてご協力のお願い

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

平素は弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

さて、先日、下記の通り、警察当局より弊社宛に、インターネット上における殺人の犯行予告等に関する通報対策についての連絡がありました。

お客様におきましても、インターネット上の犯行予告を把握されました場合には、下記要領にて警察に通報いただきますようお願いいたします。


「下記要領」とは、「110番に通報すること」である。

ごもっとも。


◆正直言って、通報しようかどうか、迷った(面倒に巻き込まれたくないからである)。

但し、私は2ちゃんねるなど見ないし、関係無いだろうとタカを括っていたのであるが、自分のメールアカウントに、

「犯行予告」が届いたから、正直困ってしまった。

掲示板上の「犯行予告」を発見したのであれば、そのウェブページのURLを知らせればよいが、

私個人のメールアドレスに届いているのだから、証拠を示す為には、警察官に直接それを見せざるを得ない。

警察に通報し、もし、パトカーがサイレンを鳴らしてやってきたら、大騒ぎになってしまう。

しかし、私はこの日記・ブログで、

「こういう時に見て見ぬフリをするのが日本人の悪い癖だ」

などと、偉そうなことを書いている。言わなければ誰にも分からない。しかし、やはりこの場合は、

「善良なる市民の義務」を果たすべく、110番に通報した。応対は極めて丁寧だった。

「警察官がお宅へ行ってもいいですか?」と訊かれて、「パトカーで来るんですか?」と聞き返したら、

そうではなくて、まず近所の交番のお巡りさんが来るのだというので、承諾した。

書き忘れたが、警察に通報する前に、メールのヘッダーから、全て表示したものをプリントアウトしておき、

そのことは、110番にも告げた。「ありがとうございます」と言われた。


二人の若いお巡りさんが、あっと言う間にやってきた。

私はPCで、「犯行予告」を表示したままの状態にしておいたので、それを見せて、準備しておいたプリントアウトを

資料として提示した。お巡りさんも、このような事態の専門家ではないので、資料の礼を言い、こちらの氏名などを訊いて

すぐに戻っていった。私のことを根掘り葉掘り訊かれるようなことは、無かった。


暫くしてから、警視庁(桜田門の警視庁である)の専門家から電話がかかってきた。

京都府警に連絡したら、既に同様の「犯行予告」を受け取った一般市民からの通報が相次いでいるそうだ。

警視庁の担当者から、また「ご連絡有難うございました」と、謝意を表されたので、「どういたしまして」と答えた。

何も面倒なことは、起きなかった。


◆自慢話ではなく、警察に通報しても、大した騒ぎにはなりませんよ、ということを言いたいのである。

私はこの出来事を日記・ブログに書いたのは、「警察に通報した。偉いだろう?」という幼稚な「自慢」をするためではない。

私は、前述したように、「犯行予告」を警察に通報するべきか、正直にいうと一瞬、迷った。

厄介なことに巻き込まれたくないから、である。

しかし、結果的にこの程度のことは、警察に通報しても、対して大騒ぎにはならないという体験を、

読者諸氏にお伝えしたかったのである。

今後、読者諸氏にも同様の事態が起きるかも知れないからだ。

起きない方が良いに決まっているが、もし私と同じような状況に遭遇した際、ご参考になれば、幸いである。

無論、本件「犯行予告」に関しては、単なるイタズラで、早く「犯人」が検挙されることを祈る。

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2008.10.26

「妊婦受け入れ拒否事件」を巡る報道の問題点。

◆記事:7医療機関で拒否、妊婦死亡=脳出血、1時間たらい回し-東京(10月22日12時43分配信 時事通信)

今月上旬、東京都内で出産間近に脳内出血を起こして救急搬送された30歳代妊婦が、7つの医療機関に受け入れを拒否され、

約1時間後に最終的に受け入れた都立墨東病院(墨田区)で出産したものの3日後に死亡していたことが22日、分かった。

墨東病院も最初に受け入れを打診された際、対応できる医師がいないとの理由で断っており、

都は救急搬送体制に問題がなかったかどうか調べている。


◆コメント:何でもかんでも医療機関が悪い、という先入観を与える報道は良くない。

記事で報ぜられている、妊婦死亡事件に関する医学的な所見を書くのは、素人の私には無理だ。

事件の全貌が分からないし、分かったとしても、それに対する医学的な判断は医学・医療の専門家で無ければ難しいだろう。


ただ、読者の方から教えて頂いたのだが、医療機関側にも事情はありそうだ。

「救急患者、何時でも誰でも、どんな状態でも何でも受け入れます」と下手に言えなくなってしまった判例がある。

医療従事者の間では、「加古川心筋梗塞事件」として、有名な事件・判例だそうだ。2007年4月、神戸地裁の判決である。

非常に、大雑把に書くならば、

治療できるかどうか分からない患者を受け入れて死亡させたら、受け入れた病院が悪い。

という判例なのである。

事実の概略を新聞記事から転載すると、
判決によると、男性(当時64)は03年3月30日、

自宅で心筋梗塞の症状が出たため、

午後0時15分ごろ、妻が同病院に連れて行った。

担当医師は同0時40分ごろ、急性心筋梗塞と診断して

点滴を始めたが、症状が変わらないため、

同1時50分ごろ、効果があるとされる

経皮的冠動脈再建術(PCI)が可能な

同県高砂市の病院への転送を要請した。



しかし男性の容体は悪化し、同3時35分ごろに

加古川市民病院で死亡した。

判決は「約70分も転送措置が遅れており、

医師に過失があると言わざるを得ない」とした。(2007年4月 朝日新聞)

神戸地裁の判決をうんと要約すると、

心筋梗塞に有効な治療は経皮冠動脈インターベンション(PCI)で、それが出来る施設がこの病院(加古川市民病院)にはなかった。

そこで当直医は、治療可能な病院に転送しようとしたが、データをそろえたり、必要な手続きをするのに70分かかった。

だから、患者は死亡した。早くPCIが可能な病院に搬送していれば、患者は90パーセントの確率で助かったはずだ。

従って、これは受け入れた、加古川市民病院の医療ミスだ。

というものだが、そりゃ、いくら何でも酷だ。というのが、専門家の言い分である。

「加古川心筋梗塞事件」をGoogleで検索すると、約17,900件の日本語ページをヒットするが、

多分、一番最初に現れる、健康、病気なし、医者いらずというブログを書いているドクターが、

「加古川心筋梗塞事件」について説明している文章は、素人が読んでも理解出来る。


加古川、心筋梗塞事件(心筋梗塞とは何か、から説明しておられる)。

加古川、心筋梗塞事件2(医学的見地から、判決の妥当性に疑問を呈しておられる)。

このドクターの所見は、循環器専門医でない当直医が心筋梗塞と診断するまで、25分。

これは、迅速な診断である、と。その後の時間の経過もやむを得ない。精一杯やっている。この判決は妥当性に欠ける、

というものである。

他のサイト(冷静に書かれたものだけ)も読んだが、大抵の医療従事者のネット上の意見は、その方向である。

客観的に冷静に述べるならば、私には、その医学的見解が正しいのか否か判断する能力が無い。

本当は、もっと時間を費やして色々な人の意見を読まなければならないだろう。

より詳細を知りたい方は、ご自分で調べていただきたい。


但し、私には事件と判例の妥当性を医学的に判断する能力は無いけれども、常識はある。

こういう判例が出たら、「うっかり、患者を受け入れたら大変だぞ」と、医療機関が防御姿勢を取っても無理はない。

それに関して、違う考え方をなさる読者もいらっしゃるだろう。しかし、こういう判例があったこと自体は、広く知られるべきである。


結論。

今回の妊婦受け入れ拒否事件で、新聞・テレビは例の如く、「医療機関が悪い」という印象を大衆に与える方向で、報道しているが、

「加古川心筋梗塞事件」(他にも同様の判決が有るかも知れないが、現時点では私は知らない)のことも

参考情報として提供しなければ、報道の公平性に欠ける。

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2008.10.25

株価暴落。偶然だが、10月24日は世界恐慌の発端となった、「暗黒の木曜日」と同じ日だ。

◆記事1:<東証>終値は811円安7649円 バブル後の最安値目前(10月24日15時37分配信 毎日新聞)

24日の東京株式市場は、外国為替市場の急激な円高を嫌気して全面安の展開となり、日経平均株価は3日続落し、

一時、前日終値比813円91銭安の7647円07銭まで値を下げた。

03年4月28日につけたバブル経済後の最安値(終値7607円88銭)を割り込むまで約40円まで迫った。

終値は同811円90銭安の7649円08銭で、バブル経済後の最安値以来約5年半ぶりの安値水準まで落ち込んだ。

終値で8000円を割ったのは03年5月2日以来。終値での下落率は9.60%で、過去5番目の大きさ。


◆記事2:アジア株も全面安に=韓国は10%急落(10月24日21時1分配信 時事通信)

【香港24日時事】24日のアジア主要株式市場は、世界的な金融危機の進行でリセッション(景気後退)への懸念が一段と高まり、全面安となった。

特に韓国の総合株価指数は終値で前日比10.57%急落して1000ポイントを割り込み、2005年5月以来の安値。1週間で20%強と過去最大の下げ幅となった。

シンガポールのストレーツ・タイムズ指数(STI)は同8.33%下落。

香港のハンセン指数も8.30%安で、4年ぶりに1万3000を下回った。

台湾の加権指数は3.19%、中国・上海の総合株価指数は1.92%それぞれ下げた。


◆記事3:ロンドン株10時 急落 全面安。(NIKKEI NET)(18:59)

24日午前のロンドン株式相場は急落。FTSE百種総合株価指数は午前10時現在、

前日終値に比べ250.05ポイント安の3837.78で推移、全面安の展開。

世界的な景気悪化懸念が強まるなか、日欧株式市場が大幅下落したほか、

この日発表になった英実質国内総生産(GDP)がマイナス成長になったことを受けて売りが加速している。

銀行株や鉱業株、石油株など主力株が大幅下落し、指数を押し下げている。


◆記事4:NY株、500ドル安=景気懸念で急落 (10月24日23時1分配信 時事通信)

【ニューヨーク24日時事】週末24日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、

新興国の通貨危機をきっかけに景気先行き懸念が強まり、アジア、欧州市場が軒並み急落した流れを引き継ぎ、500ドル超下落して始まった。

午前9時35分現在、ダウは前日終値比500.43ドル安の8190.82ドルで推移。ハイテク株中心のナスダック総合指数は100.17ポイント安の1503.74。


◆コメント:これが「世界同時株安」でなくて何だというのだろう。

今日の東京株式市場は見ていて、恐ろしいほどの下げ方だった。

通常、週末の引けにかけては、買い戻しが入り、少しは戻して終わるが、7,000円台で引けてしまった。

こうなると、理屈ではなく、相場の勢いでバブル後最安値、7607円88銭を付けるか、それを更新する(下回る)まで、

売りは止まらないだろう。


アジア株も記事2の通り全面安である。これはロイターの各国の株式指数を見れば一目瞭然。


悪いことは続くもので、東京株の動きを知っているロンドン市場は売られるに決まっている、と思っていたが、

それに追い討ちをかけるように、英国の第3四半期(7-9月)の実質GDPが前期比マイナス0.5パーセントと発表された。

英国経済がマイナス成長になるのは16年ぶりである。これで、株が売られない訳がない。記事3の通りである。


東京で800円下げ、ロンドン株も全面安となったら、ニューヨーク株が買われる理由が無い。

全く非論理的だが、株に限らず相場は論理で動くものではないのだ。売りに勢いが付いてしまった。


◆1929年10月24日、木曜日。ニューヨーク株式市場で株価が大暴落した。それが世界恐慌の始まりだった。

だから、この日が「暗黒の木曜日」と言われるようになった。

今日は木曜日ではないけれども、日付は全く同じ、10月24日である。

だからどうした?と言われても答えようがないが、不吉なものを感じる。


株をやっていない人(私もやっていないが)は、「自分には関係ない」と思うかも知れないが、そうはいかない。

企業はどこも多かれ少なかれ、株を資産として保有している。

現在の会計制度では、決算時の株価が、その株の取得時の価格(簿価)よりも安ければ、

損益計算書に「評価損」として計上しなければならない。これを時価会計という。

株を持っているだけで、株価が上がれば評価益を計上できるが、下がれば「損をした」ことになり、

会社の儲けが減ったと見なされるのである。新聞の経済面で、どこそこの会社が業績予想を下方修正、などと書いているのは、

国内の景気が悪く、本業の商売が期初に予想したほど儲かりそうにない、ということに加えて、株価の下落を考慮しているのである。


業績が悪化したら、企業はコストを削減しようとする。最も手っ取り早く減らせるコストは人件費である。

極端な場合は従業員をクビにする(リストラ)。そうでなくても、まず、ボーナスを減らす。続いて給料を減らす。

給料が減れば、家計は消費を抑制する。つまり、モノやサービスを買わない。

すると、企業の業績はますます悪化する。更にコストを減らそうとする、という悪循環に陥る。

既に日銀は、先日、月例経済報告

景気は、弱まっている

と認めている。詳しくは、月曜日に書いたココログはこちら)。

大雑把でもよいから株価の水準と動きを知っておくと、景気が良い(良くなっている)か、悪い(悪くなっている)か、知ることが出来る。

私個人の所感としては、日本に関して言えば確かに景気後退局面に入っているけれども、株が7千円台まで下がるのは、

売られすぎの状態であると思っている。

但し、相場は理屈じゃないので、前述のとおり、来週のマーケットはバブル後最安値を更新しようとするだろう。

このように、世界金融恐慌が起こる寸前で世界中の中央銀行が、公的資金を注入し、なんとか金融危機は免れたが、

世界中の景気が悪いという状態は、見たことがないので、今までの経験から予想が付かない。

それが「不吉」なのである。

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2008.10.23

株乱高下。素人はデイ・トレーディングなんて止めた方が良い。特に未経験者が今、株を始めるなど危険きわまりない。

◆記事:東証、終値は213円安=円高で嫌気売り(時事通信社 - 10月23日 17:11)

23日の東京株式市場では、歯止めの掛からない円高を嫌気した売りが広がり、

日経平均株価の終値は前日比213円71銭安の8460円98銭と大幅に続落した。

世界的な景気後退懸念が強まる中での円急伸で、企業業績に対する不安感が一段と高まった。

日経平均は朝方から下げ足を速め、一時650円超下落して8000円割れ寸前となったが、

売り注文が一巡した午後は高配当銘柄や内需関連株に値ごろ買いが入り、急速に下げ渋った。


◆コメント:こういうマーケットで素人がデイ・トレーディングなんて、止めた方がいいです。

既に、長いこと株の売買をやっている人。デイ・トレーディングの稼ぎで生活している人もおられるだろう。

そういう方は、言うまでもなく自己責任でやればよいのだが、最近、ネット証券に新規口座開設の申請が増えているという。

特にリーマン・ブラザーズが破綻した9月15日以降、ネット証券会社各社には新規口座開設の申込が急増しているという。

◆記事:ネット証券人気上昇 株暴落後、安値買い狙い(10月18日15時26分配信 産経新聞)

米国発の金融不安で日経平均株価が暴落し、9000円を割り込んだ10日以降、

ネット証券各社に個人投資家からの口座開設の申し込みや資料請求が急増、通常の2-5倍に上っていることが18日分かった。

手数料が安いネット証券で安値買いを狙ったとみられ、ネット最大手SBI証券広報担当の緒方剛史さんは

「株式投資を始めるチャンスと考えている人も多いようだ」とみている。

これは、危険である。リーマン破綻以降、1ヶ月余を経たが、この間の株価の乱高下は、無茶苦茶である。

長期的、或いは超長期的に見て、株の買い場だと考え、投資として何年も持ち続けるつもりで買うならまだ分かるが、

1日の中で、何度も売買を繰り返す「デイ・トレーディング」には、少なくても初心者が手を出してはいけない。

これだけの異常事態。金融市場が金融恐慌を寸前で回避したような状況は、初めてで、プロですら予測が付かない。

素人の手に負える相場ではない。だから次のようなトラブルも起きる。
◆記事:野村系ネット証券、ストップ高続出で売買成立連絡遅れ…苦情多発(読売新聞 - 10月20日 23:38)

野村ホールディングスの100%子会社のネット証券「ジョインベスト証券」(東京都港区)で、

日経平均株価の上昇率が史上最大となった今月14日、事務作業に遅れが出て、一部の顧客に対し、

翌日の市場が閉まってから売買が成立したと連絡していたことが分かった。

同証券には20日までに問い合わせや苦情が約650件寄せられ、金融庁が実態把握に乗り出した。

同証券によると、14日は買い注文の殺到で値幅制限のストップ高となる銘柄が相次いだため、

証券取引所が売買を成立させた銘柄について、証券会社を通じて顧客に株を割り当てる作業が行われた。

通常、顧客への通知は当日の夕方にメールなどで行われるが、この日は作業量が膨らみ、

翌15日午後9時すぎに通知した。日経平均株価は16日に急落したことから、

通知が遅れた結果、株を売却できないなど顧客に影響が出た。

こういう、訳の分からない乱高下を繰り返すマーケットをプロのディーラーは、

「“choppy”(突然変わる、不安定)なマーケット」と呼ぶが、

こういう時には、本件ニュースのようなことが起きやすいのである。

指し値注文を出しても、相場が跳ぶから、付いた付かないで揉めることが多い。


今日(23日)の東京株式市場はいきなり650円暴落し、日経平均は8,036円を付けて、あわや7,000円台突入か、

と思いきや、後場で400円戻し、結局終値は前日比213円71銭安の8460円98銭だった。

何故、急に戻したか、時事通信の記事では分からないが、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事がきっかけである。
◆記事:米、住宅差し押さえ防止策 4兆円支援検討、米紙報道(NIKKEI NET)(22:46)

米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は23日、ブッシュ政権が400億ドル(約4兆円)を投じて

住宅差し押さえを防止する策を検討していると報じた。金融機関への奨励策を提案する見込みで、

住宅ローンの借り手がより返済が楽なローンに借り換えやすくする環境を整える。

奨励策は23日に開く上院銀行委員会の公聴会で、連邦預金保険公社(FDIC)のベアー総裁が提案する見通し。

借り換え後の住宅ローンで貸し手に損失が発生した場合、政府が損失の一部を負担するといった内容を盛り込む。

新たな住宅ローンで政府支援を受けるには、一定の条件を満たす必要があるとしている。

これが、日本語で報じられたのはずっと後で、WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)に載ったのは13時台だった。

Plans to Aid Borrowers Gain Steamである。

因みにこの記事は、購読(subscript)していないと全文を読めないと思う。

プロは、情報源を豊富に抱えていて、こういうニュースが出ると、すぐに分かるが、

素人の場合、余程マーケットに慣れた人、情報収集に慣れた人でなければ、プロと同じタイミングでこのニュースを知ることは、

出来なかっただろう。空売りから入った人はあっと言う間にやられた(損をした)筈である。


◆為替はもっと危険です。

最近は外国為替市場にも一般人が外為証拠金取引を通じて参入しているが、為替は株よりもずっと動きが速いので、

さらに危険である。絶対に手を出してはいけません。

「私は、為替で儲けている」という方も中にはおられようが、悪いが必ずいつか、大損する。

プロのインターバンク・ディーラーで「天才的」と呼ばれる人(稀にいるのだ)ですら、100%勝てる人などいない。

皆、過去に何度か、大損をした経験があるのだ。それほど難しい。

もしも、貴方の前に外為証拠金取引を勧誘する人物が現れ、その人が、

「自分は元ディーラーだが、為替で負けたことがない」

と言ったら、絶対に偽物か嘘つきである。これは、断言できる。

100%儲かる為替ディーリングなど、存在しない。

プロですら、皆、何度も死んで(ディーラーの世界の符丁で大損することをこのように表現する)、

その時の痛い経験を元に勘を磨いていく。はっきり言うと、向き不向きがかなりある。才能の問題なのである。

兎に角、株のデイ・トレーディングも、為替取引も「上がるか下がるか」で、「丁半バクチ」と

同じである。ディーラーというとカッコいいが、ヤクザな世界なのである。

やらないに越したことはない。どうしてもというのなら、最初の方で書いたが、日々の値動きは

気にしないで、何年でも株価が上昇するまで待つ、という「投資」としての株式購入をするべきだ。

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穏やかな音楽を集めました。

◆最近、経済・金融の話ばかりなので、心休まる音楽を、と思いまして。

最近は、当ブログで国際金融やら、マクロ経済(というほどでもないですが)の話が続いていますが、

経済というのは、そりゃ大事なんですが、要するに「おカネ」の話でして、人間の欲が絡む一番「汚い話」でもあります。

ですので、そういう話ばかり書いていると、段々イヤになります。

同じ「人間」の営みの中でも、最も美しいもの、即ち優れた芸術、特に私は音楽を取りあげたくなります。

それで、今日は今まで取りあげた曲もあるのですが、クラシックってのは、良い曲は何度聴いても良いものですから、

敢えて既出の音楽も含めて、「穏やかな音楽」を集めてみました。

通には月並みだとバカにされそうですが、美しいものは美しいのであり、変わることはないのです。


◆やはり、バッハから。

バッハの器楽曲の中で、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ、パルティータや、無伴奏チェロ組曲と並んで、というか、

それ以上に、This is Bachみたいなのが、平均律クラヴィーア曲集と呼ばれるものです。現代のピアニストも、

これを勉強しないわけにはいきません。

これは、やはり、既に故人ですが20世紀最大のピアニスト、スヴャトスラフ・リヒテルという人のCD、

バッハ:平均律クラヴィーア曲集全巻を、ちょっと高いですけど、お薦めせざるを得ません。

この曲集は膨大でして、全部で四巻ありますが、一番最初の曲、第一巻より前奏曲とフーガ 第1番 ハ長調、をどうぞ。



残念ながら、この音楽と演奏の美しさを言葉で表現する能力が私には有りません。お聴きの通りです。


次は、通称ドッペル・コンチェルト。ドッペル手のはドイツ語でdoubleの意味です。

二つのヴァイオリンの為の協奏曲から第二楽章、ラルゴです。

演奏は、ヒラリー・ハーン。このCDで聴けます。



どなたもお気づきかと思いますが、のびやかな旋律を2つのヴァイオリンが掛け合い、絡み合う美しさがたまりません。


次は、有名な管弦楽組曲第3番から、”Air"、「G線上のアリア」を金管楽器、ジャーマン・ブラスの演奏でどうぞ。


CDはバッハ・イン・ブラス/ジャーマン・ブラスです。



こういうの、バカにしちゃいけません。美しいものは、美しいのです。


次はカンタータ。主よ人の望みの喜びよ。同じくジャーマン・ブラスの演奏でどうぞ。




これは、原曲のコーラスとオーケストラは勿論素晴らしいのですが、ピアノ用や色んな楽器、編成用に編曲されています。

どのような演奏形態で聴いても美しいです。


次。同じくカンタータ140番「目覚めよ、と呼ぶ声あり」。オルガンなどでも演奏されますが、

今日は珍しい、弦楽合奏とモーリス・アンドレのトランペットで。これは残念ながらCD絶版なのです。



コラールのパートをトランペット1本で吹いているわけですが、豊かな、落ちついた響きです。


◆その他の作曲家。

ヘンデルのオンブラ・マイ・フ。

これも何度も載せましたが、トランペットのミロスラフ・ケイマル(チェコ・フィル首席だった人)とオルガンで。

CDは、GLORIA-トランペット名曲集です。



これ、専門家からご指摘頂きましたが、トランペットと似てますがもっと柔らかい音がするフリューゲル・ホーンという楽器で吹いているようです。

暖かい音に、心が慰められます。


次は、宮本文昭さんのオーボエ協奏曲集「ミラノの午後」に収録されている、

アルビノーニのオーボエ協奏曲作品9-2 ニ短調から第二楽章アダージョです。





バロックばかり載せましたが、最後は、いきなり19世紀のとびます。マーラーの交響曲第5番から第4楽章、アダージェット。

「ベニスに死す」というヴィスコンティの映画で使われたのは、有名な話です。

CDは、シノーポリ=フィルハーモニア管弦楽団です。





何か、ぞっとするほどの美しさを感じます。

随分並べましたが、美しい音楽ばかりです(少なくとも私は、そう思います)。

更新が遅くなってしまいました。明日(23日)の夜にでもゆっくりお聴き下さい。

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2008.10.22

「金融危機悪化は回避へ=欧州の対応評価-IMF」←人間に例えるなら、ICUから一般病棟に移ってすらいない、と思います

◆記事1:金融危機悪化は回避へ=欧州の対応評価-IMF(10月21日22時57分配信 時事通信)

国際通貨基金(IMF)は21日、欧州経済に関する報告と同時に公表した報道発表文で、

金融危機などを受けて欧州経済が減速するのは不可避としながらも、主要国が一斉に打ち出した包括的な危機対応策により、

事態が一段と悪化することは回避できるだろうとの見通しを示した。


◆記事2:フランス、国内大手6行に公的資金105億ユーロ注入へ(10月21日11時5分配信 ロイター)

フランスのラガルド経済財務雇用相は20日、年末までに国内主要銀行6行に

105億ユーロ(141億2000万ドル)の公的資金を注入する方針を明らかにした。

同国のサルコジ大統領は前週、各国当局による金融市場支援策の一環として、

仏政府が3600億ユーロの金融安定化基金を設立したことを明らかにしていた。

ラガルド経済相は、国内主要行の幹部が出席した記者会見で、資金はこの基金の一部である

400億ユーロの資本再構成基金から拠出される見通しとし

「発行債券への応募は、国の投資機関を通じて行われる」と語った。


◆記事3:アイスランド大手銀のサムライ債が利払い遅延 猶予期限は27日(NIKKEI NET)(21日 11:15)

アイスランドの最大手銀行であるカウプシング銀行が2006年10月に発行した円建て外債(サムライ債)で、

利払いの遅延が発生していることが明らかになった。20日に利払い日を迎えたが、支払われなかった。

7日間の猶予期間を過ぎても支払われなければ、債券の契約上の「債務不履行(デフォルト)事由」に当たる。

猶予期限は27日。仮にデフォルトとなれば、サムライ債としては、経営破綻した米リーマン・ブラザーズ債に続く事例となる。

発行時の共同主幹事だった大和証券SMBCと野村証券、元利払いの代理人である三井住友銀行はいずれも、

20日時点で利払いがなされなかったことを確認した


◆コメント:まだ、「金融危機」なんです。IMFは「悪化は回避へ」と言っているだけです。

記事1は、ちょっと、ミス・リーディング(誤解を招く)コメントですね。

注意深く読めば分かりますけれど、IMFのプレスリリースは、
事態が一段と悪化することは回避できるだろうとの見通しを示した。

と述べているだけです。つまり、世界中の銀行がバタバタつぶれる金融恐慌は、とりあえず、欧米の協調利下げと、

各国中央銀行による公的資金の注入によって、ギリギリで防ぐことが出来たようだ、ということです。

人間の病気に例えるならば、救命救急に搬送されて、応急処置により「一命は取り留めた」というだけです。

まだ、生命の危険が去ったわけではない。引き続き、ICUで24時間監視しなければなりません。


記事2は、特に説明が要らないほど明らかですね。予防的措置です。英国、米国と同じです。

フランスの大手銀行がつぶれたら、その影響は、世界に波及しますから、遅ればせながら、公的資金の注入を決めたということです。


しかし、記事3は深刻です。アイスランドの国家経済は破綻しています。

最大手のカウプシング銀行が発行した債券がデフォルトになる可能性がある。

銀行やその他の会社が債券を発行する、ということは、債券を買った人から借金をしているのと同じです。

借金ですから利息が付く。利払い日が20日(月)だったのに、遂に払い込まれなかった。

つまり、「アイスランド最大手の銀行は、借金の利払いをする資金がない」ってことです。

但し、猶予期間があって、最終期限は27日。この日までに支払いがなかったら、カウプシング銀行は破綻します。

そうしたら、また世界の金融市場に不安感が広まり、世界同時株安が再開するかもしれません。

だから、世界経済はまだ、ICU(集中治療室)で、容態の急変がないか、常に監視されねばなりません。


◆公的資金が注入されたから、各国金融機関は辛うじて信用を保持しているのです。

リーマン・ブラザーズが破綻してから、世界中の金融機関は、次は何処が危ないか分からないので、

お互いに資金の供給をせず、資金の貸し借りに支障をきたしていた。

公的資金の注入により、とりあえず主だった国の金融機関は過少資本になりつぶれることはなさそうだ、

というのが現状ですが、それが、そもそも異常な状態なわけでして、本来、民間金融機関は、自力で資金を調達して、

自己資本を確保できるようにならねばならない。それが本来のあり方ですから。そうなって、初めて一般病棟に移ったことになる。

ところが、欧米日ともに景気が悪いので、銀行は貸出を渋っています。すると銀行からカネを借りたい会社の倒産が、

次々に起きるでしょう。それを恐れるから銀行はまた貸さなくなる、という悪循環に陥っています。

日本も同様で、21日、日本銀行が、2008年10月21日 主要銀行貸出動向アンケート調査(10月) (PDF, 82KB) を発表しました。

内容を報じた記事です。

◆記事:主要銀行の企業向け貸出スタンス過去最低水準で推移=日銀(10月21日12時0分配信 ロイター)

日銀が21日発表した10月の主要銀行貸出動向アンケート調査によると、

貸出運営スタンスDI(プラスが大きいほど貸出に積極的)は、大企業向けがマイナス2(前回調査はマイナス1)、

中小企業向けがプラス5(同プラス5)と、2000年4月の調査開始以来最低の水準となった前回7月調査から、ほぼ横ばいで推移した。

一方で、資金需要の強さを示す資金需要判断DIは、企業向けがマイナス5(前回調査はマイナス14)となり、資金需要は改善した。

前回調査では貸出運営スタンスの一段の慎重化が確認されたが、今回調査ではそうした動きが一服した格好となった。

資金需要増加の理由としては、大企業向けが「手許資金の積み増し」、中小企業向けは「設備投資の拡大」を挙げる向きが多かった。

貸出運営スタンスが「ほぼ不変」と回答した金融機関は、大企業向けが92%、中小企業向けは80%にのぼった。

一方、貸出運営スタンスを「(やや)慎重化」あるいは「(やや)積極化」と回答した金融機関にその理由を聞いたところ、

慎重化させた要因としては「特定業種・企業の業況(業績)悪化」、

「経済見通しの悪化」などが、積極化させた要因としては「他行との競争激化」が目立った。

全然、銀行が企業に「積極的に」融資を実行しようという気配ではないのです。


◆どうなったら、「退院」なのか。

兎に角、金融機関経営者も、政府の金融政策担当者も経験したことが無いほど、異常な混乱でしたから、

過去の経験を元に今後を予想することが出来ません。

言えることは、今は世界中の金融機関は政府や中央銀行の支援策で、何とか持ちこたえていますが、

民間企業なのですから、本来、自分で資金を集めて自己資本を増強し、なおかつ、銀行間又は企業への

資金の供給を普通に行うのが当たり前です。そうなって、初めて「健康体」です。

「退院」までには、まだ相当時間がかかると思われます。

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2008.10.20

10月月例経済報告、景気「弱まっている」 10年半ぶり6項目後退←文字通り、「景気が悪い」話ですが・・・。

◆記事1:10月月例経済報告、景気「弱まっている」 10年半ぶり6項目後退 (日経 20日 20:33)

政府は20日、10月の月例経済報告で景気の基調判断を「弱まっている」として前月より引き下げた。

輸出や生産、雇用など6項目の判断を下げたうえ、景気の先行きについて「さらに厳しいものとなるリスクが存在する」と指摘した。

日銀も同日公表した10月の地域経済報告で、国内の全9地域の景気判断を下方修正。

世界的に景気後退の懸念が強まるなか、日本経済も厳しい局面に入った。

月例報告で基調判断を下げたのは2カ月ぶり。

8月の月例で「このところ弱含んでいる」として事実上、景気が後退局面に入ったと認めている。

景気判断に使う主要な11項目のうち、6項目を同時に下方修正したのは1998年4月以来、10年半ぶりだ。


記事2:日銀「地域経済報告」、9地域全てで景気悪化(10月20日15時18分配信 ロイター)

日銀は20日、本店で開催した支店長会議で各支店からの景気報告をもとに取りまとめた「地域経済報告」を公表、

その中で全9地域が景気判断を下方修正し「全体として停滞している」との総括判断を示した。

全地域での下方修正は2005年の調査開始以来初めて。

これまで全国対比で比較的堅調に推移してきた東海地区では「下降局面にある」との表現を用いたほか、

関東甲信越地区と近畿地区も7月の「減速している」から「停滞している」に下方修正した。

報告では従来から最も景気が厳しかった北海道が「弱めの動き」から「やや厳しい状況」に下方修正、

最も順調だった東海地区は「なお高水準を保ちつつも下降局面にある」とした。

地域差は残るものの、おしなべて景気は悪化方向に傾いた。

原材料高による交易条件の悪化などを背景にして企業収益が悪化していることに加えて、輸出の増勢が鈍化した影響が大きい。

設備投資は「全体として減少」、個人消費も「弱めの動き」となっている。

こうしたもとで生産は、下方修正した地域が8地域にのぼり、「弱めに推移している」という。


◆コメント:「月例経済報告」は毎月政府(内閣府)が、「地域経済報告」は四半期毎に日銀が発表する資料です。

結論を最初に書くならば、記事1も、記事2も、要するに日本経済は景気が後退していることを公式に認めた、

ということです。

但し、情報源が違うのです。混同しやすいので、簡単に説明します。

「月例経済報告」は、日本政府(実際に担当しているのは内閣府)が日本経済をどのように見て、判断しているかをまとめたレポートで、文字通り毎月発表されます。

「地域経済報告」は、日本の中央銀行である日銀が1,4,7,10月に開く支店長会議で、それぞれの地区の経済状況を報告したのを

まとめたものです。今日(10月20日)その2つが発表され、どう見ても日本経済が後退している。

つまり不況に向かっていると結論づけた、というわけです。


◆「月例経済報告」

これは、内閣府ホームページの、統計情報・調査結果に、月例経済報告関係資料としてまとめられています。

経済の現状を分析する為に内閣府が使った統計がどういうものかは、月例経済報告主要経済指標に掲げてありますが、

これを全部見ているヒマもないし、専門家でなければ分析出来ません。

月例経済報告は、例えば今日発表されたのはこれですが、全部読むのはいささか面倒です。

これは、最初のページに「基調判断」という、謂わば「結論」が一言で書いてありますから、そこだけ見ても、大まかなことは分かります。

この「基調判断」が昨年10月発表分から、今日発表された分までどのように変化してきたか、書き出しました。

【2007年】

10月 景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、回復している。

11月 景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、回復している。

12月 景気は、一部に弱さがみられるものの、回復している。


【2008年】

1月 景気は、一部に弱さがみられるものの、回復している。

2月 景気は、このところ回復が緩やかになっている。

3月 景気回復は、このところ足踏み状態にある。

4月 景気回復は、このところ足踏み状態にある。

5月 景気回復は、このところ足踏み状態にある。

6月 景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動きがみられる。

7月 景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動きがみられる。

8月 景気は、このところ弱含んでいる。

9月 景気は、このところ弱含んでいる。

10月 景気は、弱まっている。

説明の必要がないほどです。1年前は「弱さが見られるものの、回復している」だったのが、

「回復が緩やかになっている」→「景気回復は足踏み状態にある」→「足踏み状態にあるが、一部に弱い動きが見られる」→「弱含んでいる」

と、どんどん、弱まってきました。そして、遂に今日、

「景気は弱まっている」

と、政府が公式に景気の後退を認めました。政府はなかなか認めたがらないのに、認めざるを得ないほど弱いのでしょう。


◆日銀「地域経済報告」

日銀は毎年、1月、4月、7月、10月に全国の支店長を日銀本店に集めて支店長会議を行います。

そこで、各支店長が、それぞれの地域の経済の現状と見通しを発表します。

それが、「地域経済報告」(通称「さくらレポート)です。今日発表されたのはこれです

本日発表文を含む、過去の発表は地域経済報告(さくらレポート)にまとめてあります。

これも全部読んだら大変ですから(pdfファイルで60ページ近くになります)、最初のページだけ見ます。

9地域(北海道、東北、北陸、関東甲信越、東海、近畿、中国、四国、九州・沖縄)の景気判断、前回の会議からの判断の変化が矢印で示してあります。

試しに、本日発表分を見ると、全ての地域が前回から景気判断を下方修正しています。

1年前はどうだったか、2007年10月を見ます。

9地域のうち、7地域が「回復」又は「拡大」と認識し、その前の会議から殆ど変化していません(矢印が真横を向いています。下がっていません)。

このように見ると、1年で、日本経済が次第に拡大から横ばい、そして遂に後退に向かってきたことが分かります。

これは、日本国内の個人消費や、設備投資が鈍化しているということですが、その遠因としては、記事2に書かれているように、

輸出が減ったこと、による部分が大きい。アメリカのサブプライムローン問題が騒がれ出したのが一昨年で、

そのころからアメリカの景気が悪くなり出した。その影響が日本にも及んでいる、ということだと思います。

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「太陽風、ここ50年間で最も弱く――寒冷期との関係は?」←非常に久しぶりに科学に関する記事を取りあげます。

◆記事:太陽風、ここ50年間で最も弱く――寒冷期との関係は?(9月25日14時0分配信 WIRED VISION)

米航空宇宙局(NASA)は9月23日(米国時間)、太陽風(太陽から放出される電子と陽子の風)が、ここ50年間で最も弱いレベルに低下したと発表した。

太陽風は、探査機『ユリシーズ』の太陽風検出器『SWOOPS』によって観測されてきたが、太陽風の弱まりは1990年代中ごろに始まった。

科学者たちは、原因や結果については正確にはわからないとしているが、宇宙飛行士にとってはありがたくない話のはずだ。

太陽風は、太陽圏を膨張させる。太陽圏とは宇宙放射を屈折させる磁気の泡なので、これが収縮すると、

宇宙旅行者――および宇宙旅行用機器――は、放射線障害を受ける可能性があるのだ。

実際、1977年に打ち上げられた2基の宇宙船『ボイジャー1号』および『ボイジャー2号』は、

予想より早い時期に、収縮する太陽圏の外に出ることになるだろう。

【太陽風はこのまま勢いを失っていくのだろうか?】

ユリシーズ計画の科学者、Arik Posner氏は、記者会見で次のように語った。

「太陽風の観測は、宇宙時代の初期――60年代初め――から現在までしか行なわれていないのだが、

この期間においてはこれは特異な現象だ。だが、百年や千年単位で見て、この現象がどの程度珍しいことなのかは、誰にもわからない。

それほど昔までさかのぼれるデータはない」

【メモ】:天文学者らは最近、2008年8月はこの百年間で初めて、黒点が1つも生成されずに終わった月になったと指摘した。

[リンクされている記事によると、太陽活動は11年ごとに減少し、ゼロに近くなるが、

新しいサイクルが始まると黒点も急速に観測されるようになる。今年1月からサイクル24に入ったが、

黒点が少ない時期が異例なほど長く続いていたという。「1カ月にわたって黒点がゼロ」

という同じ現象が最後に確認されているのは1913年6月。過去1000年間においては、

このような時期はマウンダー極小期など3回あったが、どれも小氷期と呼ばれる寒冷期にあたるという。

なお、2005年に「太陽活動が今後急速に低下する」と予測した研究者がいたが、批判が多く論文は掲載されなかったという]


◆コメント:要するに、「太陽黒点が極端に減っていて、それが地球に寒冷化をもたらすかも知れない」という話です。

私の日記・ブログで自然科学に関することを書くのは、かなり久しぶりです。

以前は、地球温暖化に関して、色々調べて書いたのですが、今回はなんと正反対。

記事はWIRED VISONというサイトから転載したものですが、

今ひとつ分かりにくい。最新号の週刊文春(10月23日号)の148ページに、もっと分かりやすく書いてあるので、

そこから受け売りします。


「太陽風」は聞き慣れなくても、「太陽黒点」は(少なくとも言葉は)知ってますね。

その太陽黒点は、周期的に増えたり減ったりして、今は、本来増える時期なのにも関わらず、

8月には1度も観測されなかった。9月以降も数回観測されただけで、減少傾向が続いていることを、

専門家は心配しているとのことです。


◆何故、太陽黒点が減ると、「地球寒冷化」をもたらす(可能性がある)のか。

太陽の活動が活発になると黒点は増える。つまり、黒点が少ないということは、太陽の活動が活発ではない、

ということを意味しています。

さらに。

太陽の活動によって生じる磁場が、地球の「北極震動」という現象に影響し、

ひいては地球の気候に影響することが分かってきた、とのこと。

北極震動については、私は、地球温暖化に関わる記事で説明したことがあります。

2007年08月17日(金) 「<北極海>氷の面積が減少…観測史上最小に」ココログはこちら

その記事のかなり下の方ですが、スクロールしていただくと、北極振動への影響と書いてあります。

甚だ頼りない説明ですが、そこには、次のように書きました。

北極圏の気圧が例年よりも低いと、北半球中緯度付近(日本も含まれます)の気圧は逆に平年よりも高くなる。

北極圏の気圧が低いから、冷気が降りて来ないのである。

逆に北極圏の気圧が例年より高いと、北半球中緯度付近の気圧は例年より低くなる。

すると、北極圏の寒気がこちらに降下してくるので、日本付近は厳冬となる。

この「北極振動」が何故起きるか、というメカニズムと、どれぐらいの周期で変動するのか、

色々読んだが、どうも良く分かっていないらしい。

言い訳がましいのですが、何しろ私は完全に門外漢なので、これ以上書けませんでした。

ここには、「北極震動が何故起きるか良く分からないらしい」と書きましたが、文春の記事によると、
最近の研究で太陽の活動によって生じる磁場が「北極震動」を通じて地球の気候に影響を与えることも分かってきました

太陽の磁場が弱まると、北極震動も弱くなります。そうなると、北極周辺にある「渦」が寒気を閉じこめることが出来ず、

周辺地域に寒気が流れ出す。黒点が少ない現在、この現象が起きていると考えられます。そのため今年の冬は平年より寒くなり、

局地的な大雪に見舞われる地域が増えるかも知れません。(伊藤公紀・横浜国大教授)

別の論理もあります。東工大の丸山茂徳教授の説明はこうです。
黒点の現象は雲が増える可能性を示唆します。雲の生成には地球に降り注ぐ宇宙線が必要。

太陽の活動が活発なときには磁場が増え、宇宙線を吹き飛ばすので雲の生成が抑制されますが、

逆に不活発だと、地球上で雲の生成が増え、気温もさがります。

思考過程はことなりますが、結論は同じです。要するに太陽活動の不活発化(それが何故起きたかは、分かりません)により、

地球上の気温が下がる。

極端な場合は、17世紀に黒点が殆ど発生せず、ヨーロッパを厳しい寒さが襲った、マウンダー極小期と同様の小氷期になるかも知れない、といいます。


東工大の丸山教授によれば、今年の1月は地球の平均気温は去年より0.6℃も下がったのですが、

「地球温暖化」騒動では、過去140年で、地球の平均気温が0.7℃上がった、といって騒いでいることを考えると、

わずか0.6℃と言えども、大変深刻な数字だ、ということです。

こうなると、高度に専門的な話なので、私はコメントを差し挟む余地がありません。

一体、地球温暖化と寒冷化、どちらがより強く(顕著に)進行しているのか?

温暖化は、今や、そこら中で騒がれていますが、寒冷化を無視してしまっていいのか。

素人と言えども、本当に小氷期が訪れたら、食料生産が大打撃を受けることは必至であることは想像に難くありません。

私は、この件に関して科学的見解を書く能力はありませんが、どちらも真実を専門家がよく説明・啓蒙して欲しいと思います。

温暖化ばかりが叫ばれ、寒冷化の可能性について、私は全然知りませんでした。

甚だ失礼ですが、多くの読者諸氏も同様だと思い、この話を書きました。

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2008.10.19

「シティなど米大手金融機関、公的資金の受け入れ発表」←早くやっておけばよかったのに・・・・。

◆記事:シティなど米大手金融機関、公的資金の受け入れ発表(10月18日8時47分配信 ロイター)

シティグループやJPモルガン・チェースなど米大手金融機関は17日、金融安定化法に基づく公的資金による資本注入を受け入れる方針を明らかにした。

注入額は、シティとJPモルガン・チェースが250億ドル、モルガン・スタンレーが100億ドル、

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンが30億ドル。 財務省に対し優先株や株式引受権(ワラント)を発行する。


◆コメント:シティやモルガンが公的資金の注入を受ける、と言うこと自体、悪夢のようです。

シティ・グループの中核を成す、世界最大、世界で一番儲かっていた銀行が、過少資本になるおそれがあり、

公的資金の注入を受ける、と言うこと自体、現実化すると、何だか悪夢を見ているかの様です。

しかし、矛盾するのですが、私は今年の1月、シティが2007年10―12月期決算で、サブプライムローンに絡み、

235億ドル(約2兆5000億円)の損失を計上した、というニュースを読んだときから、シティが危ない、などという事態になったら、

世界の金融市場は大混乱に陥るから、米国政府は早く公的資金を注入するべきだ、という意見を書きました。

2008年01月15日(火) 「<米シティ>2兆5000億円の追加損失」←ブッシュさん。公的資金を注入しなさい。ココログはこちら

またか、と思われるかもしれません。私は、この自分の過去の記事に関して、最近何度も触れています。

何度も書きたくなるのは、米国の金融機関に対する世界中の信用は、既に失墜しており、

失墜してから、公的資金を注入しても、世界の金融市場の不安感は払拭できないからです。


米国の金融機関の監督官庁としては、財務省と中央銀行に相当するFRBがあります。

公的資金の注入を金融機関に言い渡したのはポールソン財務長官ですが、バーナンキFRB議長にも責任はある、

と思います。バーナンキ議長は、大学では経済学を勉強したそうですが、特に「金融恐慌」を研究していたそうです。

今回の世界金融危機は、謂わば彼の「専門分野」です。研究してたこと、全然役に立っていないじゃないですか。


◆邦銀の不良債権処理に関して、アメリカがしつこいほど「公的資金の注入」を迫った様子を産経新聞が詳しく書いています。

産経新聞は、とんでもないアホな記事や論説を載せることがしばしばありますが、たまには良い記事があります。

偶然見つけたコラム記事ですが、アメリカの身勝手さを的確に指摘しています。

長くなりますが、転載します。

◆公的資金の投入 日本に迫った米 1990年代後半(10月18日8時1分配信 産経新聞)

米国発の金融危機の回避に向け、米国は金融機関に最大2500億ドル(約25兆円)の公的資金による資本注入に踏み切ることを決めた。

バブル崩壊後の金融危機を乗り切った日本のほか、欧州各国に促されての決断だった。

だが振り返れば、もともと金融危機に陥った日本に資本注入を強く迫ったのは米国だ。

それなのに自ら招いた金融危機への対応は遅れた。今後の米国の政策運営に対する信任は失墜しそうだ。

今月10日、ワシントンで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)。

中川昭一財務・金融担当相は各国の代表を前に「金融危機の回避には資本注入が欠かせない」と強く訴えた。

日本はバブル崩壊後の金融危機の過程で、預金保護を含めて総額46兆円あまりの公的資金を投入した。

その経験を語る中川財務・金融担当相の発言をメモに取る出席者も多かった。

≪「内政干渉」と反発≫

今回のG7では、資本注入を柱とする異例の行動計画をまとめた。

これを契機に欧州各国、そしてブッシュ米大統領も大手行に最大2500億ドルを注入する危機対策を公表した。

だが、米国で低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題が表面化してから1年以上が経過しており、

決断が遅れた米国に対する市場の不信感は払拭されていない。

金融危機をめぐる米国の対応は、1990年代の日本の姿と重なる。

ただ、日本に対して当時の米クリントン政権が強硬な姿勢で求めた公的資金による資本注入と景気浮揚に向けた減税は、

政府・自民党が「内政干渉そのものだ」と強く反発する内容だった。
「日本の金融不安の解消に向け、公的資金の投入を検討すべきだ」

三洋証券や北海道拓殖銀行が相次いで破綻(はたん)した97年11月、サマーズ米財務副長官は強い調子で訴えた。

その前年に住宅金融専門会社(住専)処理をめぐる公的資金の投入で世論の激しい批判を浴びた日本政府に対し、その後も資本注入を促した。

≪効果を理解?≫

米国の圧力に屈するように日本は98年3月、大手銀行や有力地銀にほぼ横並びで1・8兆円の資本注入を実施。

そして旧日本長期信用銀行と旧日本債券信用銀行が相次ぎ国有化される中で、大手行に7・5兆円が資本注入された。

それでもサマーズ財務副長官は99年、柳沢伯夫金融再生委員長に書簡を送り、

「(資本注入した)7兆円台半ばでは注入額が不足している」と詰め寄るなど執拗(しつよう)に注入額の増額を迫った。

こうした経緯をみれば、資本注入の効果を米国は日本以上に理解していたはずだ

財務省幹部も「米国は日本の金融危機を研究していた」と指摘する。その米国では金融商品に関する時価会計の一部凍結にも踏み切った。

サブプライム関連の損失拡大を防ぐためだが、日本でも採用しなかった緊急措置といえる。

にもかかわらず、米国の対応は後手に回り、結局は米国発の金融危機を防げなかった。

その損失の大きさは今も世界の金融市場を揺さぶっている。

我が意を得たり、です。私は、産経の記事でこれほど深く頷いたことは有りません。

さらに、付け加えるならば、私が腹立たしいのは、米国の態度は矛盾していて、

引用した記事にあるように、日本に内政干渉をしていながら、

表向きでは、「日本は、銀行を潰すことができないのか」と嘲笑していたことです。
「つぶれるべき金融機関が退場して、はじめて金融不安が解消する。問題先送りで対応を誤り、経済全体を停滞させるだけだ」

といいやがった。

アメリカは9月15日、リーマン破綻の時には、同じ事、つまり
「公的資金の注入を実行する気はさらさらない」

と公言していたのですが、アメリカがグズグズしているが為に世界中が大混乱に陥り、

遂に、シティにまで公的資金を注入することになりました。

ポールソン、バーナンキ、ブッシュの世界に対する責任は、極めて重い。

公的資金を注入しても、実は、まだ世界はクレジット・デフォルト・スワップという爆弾を抱えていまして、

これによって、世界中の金融機関が更に損害を被る怖れがありますが、それに関しては、また改めて書きます。

【為参考】株価推移

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2008.10.18

【音楽】バッハ無伴奏チェロ組曲から、いくつか。色々な楽器で。

◆1週間前にこんなニュースがあったのです。

ちょうど一週間前にロイターが、何だか良く分からないニュースを載せていました。

内容はアホらしいので転載するまでもなく、ウェブキャッシュを保存しておきましたので、ご覧下さい。

バッハの作品、一部は妻が作曲=豪専門家

私個人の意見を述べるならば、学術的なことは書けませんが、バッハの無伴奏チェロ組曲を聴いたら、

アンナ・マグダレーナ・バッハにこれだけの才能が有ったとしたら驚異的で、

そもそも、その作風がヨハン・セバスチャン・バッハと同じ、というのは別の個人である以上、考えられません。

まあね。誰が作曲しても良いのです。音楽が素晴らしければ。

バッハの無伴奏チェロ組曲は、以前ご紹介したことがありますが、大分時間が経ちましたので、再び載せたいと思います。


◆無伴奏チェロ組曲、1番(BWV1007)から。

ゴタクを並べるのは止めて、早速音楽にします。

まず、1番最初、第一番の一曲目、プレリュードを、ヨーヨーマのチェロでどうぞ。

因みにCDは、バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲) です。

ヨーヨーマは、無伴奏チェロ組曲全曲を今までに2回録音していますが、今日ここで聴いていただくのは、他も全て一回目の録音です。

このCDです(なんで、こんなピンクにしちゃったのか分かりません。昔はもっと地味なラベルというか、ジャケットだったのですが)。




お聴きのとおり、分散和音の連続だけで、一曲にしてしまっているのですが、不思議に飽きないです。

(因みに平均律クラヴィーア曲集というピアニストの旧約聖書と呼ばれる曲集の一番始めもこのやり方です。今日は載せませんけど)。


さて、バッハ、無伴奏、というと、ヴァイオリンの為のソナタとパルティータもあります。チェロは「組曲」。

名前はどうでもいいのですが、ヴァイオリンはですね。重音が多いのです。一度に複数の弦を弾いて、和音を出すのが多いのです。

それに比べると、無伴奏チェロ組曲は、単音が多いので、管楽器など他の楽器でも演奏出来るんですね。

色々な楽器のプロが挑戦しています。その中で今日は「ホルン版」を。

ラデク・バボラーク(Radek Baborak)という人。ベルリン・フィルの首席ホルン奏者です。

CDはこれです

お聴き下さい。同じプレリュード。





これはですね。無茶苦茶上手いんです。音が良いでしょ?安定しているでしょ?音程が完璧でしょ?

で、金管でこういう分散和音て、イヤなんですよ。難しいの。いとも易しげに吹いてるけど。

バボラーク氏には、あとでもう一度ご登場いただきます。


次ですが、同じ無伴奏チェロ組曲第1番からクーラントという曲です。音の動きが速くて、

音の跳躍(高い音から低い音。またはその逆)が頻出します。





良いでしょ? 私は何故かこれがとてもすきなのです。

さてさて、これを再びバボラークさんに吹いて貰います。これは難しいですよ。どんな具合に吹くでしょう?





上手いもんだね。天才的。ベルリン・フィルの首席なんてのは、これぐらい上手いんだね。

ちょっとくどいけど、もう一種。意外な楽器。中学校で習ったアルト・リコーダーで吹いてしまった人がいます。

フランス・ブリュッヘンという人。今は指揮者になってしまって、私は残念なんですけどね。音域の狭いリコーダーで、

良く吹いたと思います。CDは、これですね

どうぞ。





リコーダーを吹かれる方は、地道に練習すれば、吹けるようになるかも。

楽譜は簡単に入手できます。アルトリコーダーのための バッハ無伴奏チェロ組曲です。但し、原調(チェロと同じ調性)です。全部ヘ音記号(低音部記号)です。


◆無伴奏チェロ組曲第3番 BWV1009から、ブーレI、II

この三番が出来が良いと書いていたのは、確か吉田秀和さんだったと思いますが、それはまあ、色々ご意見があるでしょう。

この中のブーレ。恥ずかしながら、告白いたしますと、私は26歳から10年近くヴァイオリンを習っていたことがあります。

大人になってから弦楽器を始めても大して上手くなりませんが、一度、どんなものか経験したかったのです。

どれほど難しいものか、骨身に沁みて分かりました。

それはさておき、教材に使った鈴木メソッドの教則本の、第三巻でこれをさらうんです(移調してありますけど)。

この曲、ヴァイオリンの最初は第一ポジションといって、手の位置を全く動かさない。開放弦からはじまるポジションの時期が

長く続くのですが、第一ポジションで弾けてしまうのです。このブーレ。ところが聴くと弾くとじゃ大違い。

難しいの何のって。弦楽器奏者の偉大さを知っただけでも収穫でした。面白かったですけどね。

じゃ、ヨーヨーマで、まずどうぞ。





長調で始まり、ブーレIIで短調になりますが、あの悲しい音。すごい表現力ですねー。

これを、リコーダーで、どうぞ。先ほどご紹介したCDに入ってます。





私は、これをリコーダーでも練習しましたが、難しいぜー。先ほど書きましたけど、跳躍が・・・。

それから、ブリュッヘンは天才的リコーダー奏者ですから、こんなことを書くのは失礼かも知れないけど、

音程ね。どんな管楽器でもそうですけど、比較的安定して正しい音程が出る音と、そうでない音があります。

どうやって調整するかは楽器によるでしょうが、リコーダーは替え指、つまり正規の指使いとはことなる指使いで調整します。

簡単そうに吹いていますが、まあ、楽譜だけでもご覧遊ばせ。


◆最後です。無伴奏チェロ組曲第四番から、ブーレ。オリジナル(チェロ)とトランペット(オルガン伴奏付)で。

最後は、ちょっと驚きます。チェロ組曲4番から、ブーレです。

まずは、オリジナル。チェロでお聴き下さい。





明るい曲ですね。これになんとトランペットの名手、モーリス・アンドレが目を付けて、ラッパで吹いてしまいました。

トランペットだけだと、ちょっと響きの厚さに欠けるのでオルガン伴奏付きですが、上手くアレンジしたと思います。





これは、音域にしたら、2オクターブ高いわけですが、違和感を感じません。

こういうのが、バッハの不思議な所だと思います。無論、モーリス・アンドレの妙技のおかげでもあるのですが。

このトランペットはですね。Trumpet & Organで聴けます。

輸入盤ですから、安いです。1,040円(送料別)です。このCDはあまり知られていませんが、お薦めです。

ちょっとあれもこれも詰め込み過ぎましたが、久しぶりに、「金融危機」から「音楽」に戻って来られて、幸福でした。

お楽しみ頂けると良いのですが。

それでは、良い週末をお過ごし下さい。

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2008.10.17

今日の主だった「金融危機関連ニュース」とコメント。

◆今日の主だった「金融危機関連ニュース」

◆金融危機阻止へ結束G8首脳緊急声明(10月16日16時31分配信 産経新聞)

ブッシュ米大統領、麻生太郎首相、ブラウン英首相ら主要8カ国(G8)の首脳は15日、世界経済について「金融機関を強化し、金融システムの信頼を回復するという共通の責任を果たす」との緊急声明を発表した。金融危機の拡大と世界経済への影響を阻むため協調する決意を表明、新興国も交えた緊急首脳会合の実現を呼びかけた。G8の緊急声明は異例。声明はまず、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)がまとめた公的資金注入を柱とする行動計画と、この計画に基づく欧米の資本注入策の発表を歓迎。そのうえで行動計画の「緊急的で透明性を持った実行」に向け、緊密な協力と政策の協調を約束した。

◆首相官邸ホームページ:世界経済に関するG8首脳声明を発出しました (平成20年10月15日)

東証大引け・急反落下落率は歴代2位、米株急落で主力株に売り(日経 10/16 16:08)

16日の東京株式市場で日経平均株価は急反落した。大引けは前日比1089円2銭(11.41%)安の8458円45銭だった。下落率は1987年10月20日(14.90%)に次ぎ歴代2位の大きさ。下げ幅が1000円を超えるのは2000年4月17日以来で、3営業日ぶりに節目の9000円を下回った。15日の米国株式相場が、米国の景気悪化懸念で急落したことを受け、輸出関連株や大手銀行株など主力株を中心に幅広い銘柄に売りが出た。東証株価指数(TOPIX)は90.99ポイント安の864.52となり、3営業日ぶりに900割れとなった。

◆地区連銀報告「全米で経済弱まる」追加利下げ観測が浮上(日経 16日 10:26)

米連邦準備理事会(FRB)は15日、地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表した。総括判断で「9月の経済活動は全米12地区で弱まった」と指摘。貸し渋りなどの信用収縮が全域で厳しくなっているとした。景況感にばらつきが残っていた前月の報告と比べ経済情勢の悪化が進んでいることを印象づけた。リセッション(景気後退)の懸念が強まり、FRBが追加利下げも検討するとの観測も浮上しつつある。

◆FRB議長、追加利下げに含み(日経 16日 13:01)

米連邦準備理事会(FRB)は15日ニューヨークで講演した。金融危機の実体経済への波及について「金融市場の安定は最初の一歩だが幅広い経済の回復には時間がかかる」と指摘。危機克服へ「あらゆる手段を取る」と追加利下げに含みを持たせた。

◆アジア株が大幅続落韓国・香港、一時7%超下落(日経 16日 13:30)

16日のアジア株式相場は大幅続落。韓国総合指数、香港ハンセン指数の前日比下落率は一時、7%台半ばに達した。シンガポールST指数は6%超の安値。中国の上海総合指数は3.7%安い1921.284で午前の取引を終えた。オーストラリアのオールオーディナリーズ指数は一時、6.5%下げた。前日の米国株急落を受け世界経済悪化への懸念が強まった。

◆ブラジル株、一時取引中断下落幅10%超に(日経 16日 15:04)

15日のブラジル・サンパウロ証券取引所で、ボベスパ指数は前日比11.39%低い36833で取引を終えた。下落幅が10%を超えたため、午後に30分間取引を停止した。取引停止は先月末以来、5回目。

UBSに最大6兆円弱の公的資金、スイス政府が発表(10月16日19時54分配信 読売新聞)

スイス政府は16日、スイス金融最大手のUBSに対し、最大5兆9000億円の公的資金を投入すると発表した。1260億スイス・フラン(約5300億円)を資本注入するほか、中央銀行のスイス国民銀行が最大540億ドル(5兆4000億円)の資金支援を行い、UBSの不良資産を事実上買い取る。政府・中銀が一金融機関を救済する異例の対策となる。

◆ギリシャも280億ユーロ規模の金融危機対策 (日経 16日 13:01)

ギリシャ政府は15日、280億ユーロ(約3兆8500億円)規模の金融危機対策を発表した。閣議決定後に記者会見したアロゴスクフィス経済・財務相は「金融機関が信用収縮問題を乗り越えられるよう(銀行間取引などへの)政府保証で支援する」と述べた。

◆ECB、ハンガリー中銀に対する50億ユーロの流動性供給で合意(10月16日17時39分配信 ロイター)

欧州中央銀行(ECB)は16日、ハンガリー中央銀行に対し50億ユーロ(68億3000万ドル)の流動性を供給することに合意したと発表した。ECBとハンガリー中銀は声明を出し「ハンガリー中銀とECBは、ハンガリー中銀のユーロの流動性供給策の支援について合意したことを共同で発表する」と述べた。

◆リーマンのCDS清算、地域金融機関に数千億円の損失発生も(10月16日19時31分配信 ロイター)

経営破たんしたリーマン・ブラザーズのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の清算が世界規模で金融機関に予想以上の損失を与える可能性が出てきた。信用リスクを取る売り手が、多額の損失を被るとみられている。日本ではリーマンの破たんリスクに関するCDS自体の影響は限定的とみられているが、そのCDSを再組成したCDO(債務担保証券)が元本割れとなっており、これを買った地域金融機関に合計数千億円規模の損失が出る、との見方がある。リーマンの社債デフォルト(債務不履行)と合わせて金融機関には大きな負担となっている。

米シティグループ、第3四半期の純損失は28億ドル(10月16日21時34分配信 ロイター)

米シティグループが16日発表した第3・四半期決算は28億ドルの純損失となった。1株損益は0.60ドルの損失。ロイター・エスティメーツのアナリスト予想は1株当たり0.70ドルの損失だった。
継続事業ベースの1株損失は0.71ドル。収入は23%減の167億ドルだった。ストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)の評価損が20億ドルに達した。シティの総資産は第3・四半期に500億ドル減少した。

米メリルリンチ、第3四半期の継続事業ベースの純損失は51億ドル(10月16日22時9分配信 ロイター)

米メリルリンチが16日発表した第3・四半期決算は、継続事業ベースの純損失が51億ドルとなった。1株損失は継続事業ベースで5.56ドル、全体で5.58ドルだった。ロイター調査では、1株損失は5.18ドルと予想されていた。また、第3・四半期にネットで57億ドルの評価損を計上した。


◆コメント:事態の深刻さが、世界に広がっていることを示したかったのです。

上に転載した大量の記事を見て、「手抜きをしてコピー&ペーストですまそうとしたな?」と思う方もあるでしょうが、

そうではありません(これだけの量になると、コピー&ペーストだけでも随分手間がかかるのですよ)。

金融危機の影響が文字通り世界中、日米欧のみならず、アジア諸国や、南米にまで広がっている「証拠」をお見せしたかったのです。

一つ一つの記事で、細かい意味が分からなくても、「えらいこっちゃ」という感覚は分かっていただけるのではないでしょうか。


◆特に、私が気になった記事を簡単に説明します。

まず、東京株式市場。日経平均。わずか2日前、戦後最大の上昇率を記録したというのに、それも束の間。

今日の下落率は、1987年10月19日、米国のブラックマンデーの翌日の東京株の下げ幅に次ぐ大きさだそうです。

如何に日本株への売り圧力が強いかを端的に表しています。

過去1年間の日経平均株価のチャートを見て下さい→ダウンロード 20081016TokyoStock.jpg (84.2K)

半端じゃないでしょ? これだけを見ても直感的に、「ちょっとやそっとじゃ、株価は戻りそうにない」ことが分かります。


次にショッキングだったのは、スイスに拠点を置く、世界的金融機関、UBSへの公的資金の注入です。

UBSに関しては、私がゴタゴタ書くよりも、ウィキペディアの説明を読んで下さい。

そこに書いてありますけど、Forbes(フォーブズ)という経済専門誌がありまして、年に一回、世界の優良企業2000社を発表するのですが、

UBSは2007年度、あらゆる業種を一緒くたにして、世界ランキング9位になるほどの超優良企業なのです。

そのUBSが公的資金によって資本を増強しなければならないとは、かつて誰も想像だにしなかったことなのです。


そして、最後は、かつて世界最大の銀行の名をほしいままにした、シティバンクと、アメリカの5大証券会社の一つであった、

メリルリンチの業績のひどさです。

勿論、サブプライムローン関連商品に投資していた為に生ずる評価損が主因です。これ、四半期ですからね?

わずか3ヶ月で、シティ・グループは28億ドルの純損失。日本のメガバンクの1年の経常利益に匹敵する額を、

吹っ飛ばしたわけです。メリル・リンチは、メガバンク2行の年間経常利益を3ヶ月で失ったのです。

眩暈がするような悲惨さです。


どうして、日米欧主要国が結束して、あらゆる手段を用いて金融危機を防ぐ、と言っているのに、株が下がるか、

昨日説明したとおりです。

7000円ぐらいまで下げても不思議はないですね。企業倒産が増え、倒産しない企業は経費を節減するために、

一番簡単な方法、つまり人件費を削るでしょう。まずはボーナス、そして、給料に影響します。

決して私たちが無関係ではいられないのです。

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2008.10.15

米国が公的資金の注入を実行しても、世界中の実体経済の現状は良くありません。

◆所見:米国が公的資金の注入を決め、金融恐慌が回避出来たからと言って安心出来ません。

昨日の続きですが、先週末、G7で主要国が公的資金を金融機関に注入することを決めました。

アメリカ、英国は早速実行したようですが、これで、「めでたし、めでたし」とはなりません。

金融機関に公的資金を注入したのは、とりあえず、金融機関の資本を増強し、連鎖的な銀行の倒産、

即ち、世界金融恐慌を避ける為の緊急手段、応急処置です。

ひとまず、銀行がつぶれなくなったとしても、各国の景気が悪ければ、企業は設備投資を行わないし、

家計は消費を抑制する。

そのように、経済活動の規模が縮小してゆくのが、「景気の後退」ですが、これは既に起きていて、

すぐに、好景気に向かう兆しはありません。世界経済には暗雲が垂れ込めています。

その例を、国内外の統計で説明します。今日発表された日本とアメリカの数字だけでも十分です。


◆今日(15日)発表された、様々な経済指標とそれに関する記事。

◆【日本】8月の国際収支、経常黒字52%減 資源高で輸入額拡大(日経)

財務省が15日発表した8月の国際収支速報によると、モノやサービス、投資などを含めた

海外との総合的な取引状況を示す経常収支は9888億円の黒字となった。6カ月連続で減少し、

前年同月に比べ52.5%減と約半分に縮小した。

資源高の影響で輸入額が拡大した一方、輸出額はほぼ横ばいで、差し引きである貿易収支が赤字になったのが響いた。

投資による収益も前年に比べ小幅減となった。

8月の経常黒字が1兆円を割り込んだのは2001年以来。

サブプライムローン問題に端を発した米国経済の減速で輸出額が伸び悩む一方、

原油や液化天然ガスの価格が上昇し、貿易収支が悪化。モノの貿易で稼ぎにくくなっている姿が鮮明になった。

日本は資源が無いから、原材料を輸入して、モノを作って輸出して、お金を稼いでいる、ということは常識ですが、

この記事は、輸出が全然増えず、一方原油高は続いているから、貿易収支が赤字で、その他を含めた経常収支が前年の半分になっている、

ということです。日本は全然、輸出で儲けることが出来ません。これは、最大の輸出先である米国の景気が悪いからです。

次の記事をお読み下さい。
◆記事:【米国】9月の米小売売上高 1.2%減 金融危機で消費抑制(日経 15日 21:55)

米商務省が15日発表した9月の小売売上高(季節調整済み)は、3755億ドルとなり、前月比1.2%減った。

市場予測の平均(0.7%)を大幅に下回った。金融危機の影響が広がり、家計の消費抑制が広がっていることが浮き彫りになった。

アメリカの家計は資産を株式で持っている割合が日本よりも大きいのです。株価が上昇し、含み益がある時には、

景気が良い気分になって、米国消費者の財布の紐が緩みますが、9月はもともと株価が低迷していた上に、途中、リーマン破綻で

アメリカの株価は暴落しました。多くの家計が保有している株式は含み損を生じています。こうなるとどうしても、モノやサービスを買いにくい。

だから、小売売上高が減少したのです。

ヨーロッパはどうでしょうか。
◆記事:【欧州】9月の欧州新車販売、9.3%減 5カ月連続減 金融危機で買い控え(日経 15日 20:06)

欧州自動車工業会が15日発表した9月の新車販売(主要18カ国)は、前年同月比9.3%減の121万1300台となり、5カ月連続で減少した。

9月としては1998年以来10年ぶりの低い水準で、同工業会は「金融危機で販売環境が悪化し、消費者の買い控えが強まった」と分析している。

最大市場のドイツが1.5%減だったほか、英国とスペインは二ケタ減と落ち込みが目立った。

中・東欧10カ国を加えても9月は8.2%減にとどまり、新興国が西欧の低迷を補えなかった。

日本車メーカー(6社)の販売台数は10.5%減の17万8600台。トヨタ自動車は9カ月連続で減少した。

メーカー別でプラスだったのは独フォルクスワーゲン、マツダ、スズキの3社だけだった。

日本が輸出する「モノ」の代表格はクルマで、海外での日本車の売れ行きは自動車メーカーの業績を大きく左右します。

アメリカの消費者がモノを買い控えているのなら、ヨーロッパはどうか、と思ったら、やはり金融危機の影響で、消費者の

購買意欲が低下していることが顕著です。最大手のトヨタが9ヶ月連続で前年同月比マイナスだ、というのだから、深刻です。

外需ばかりアテにしては、いけませんね。日本国内の景気はどうでしょう。首都圏と近畿圏のマンション販売統計が発表されました。
◆記事:【日本】首都圏のマンション発売、景気減速で53・3%減(10月15日22時32分 読売新聞)

不動産経済研究所が15日発表した9月の首都圏のマンション発売戸数は、前年同月比53・3%減の2427戸と半減した。

下落率は、1996年10月(54・3%減)以来約12年ぶりの大きさだ。

近畿圏も2047戸、43・8%減だった。

発売戸数が大幅に落ち込んだのは、米国発の金融危機をきっかけに景気の先行き不透明感が強まり、

消費者の購入意欲が冷え込んでいるためだ。不動産会社が、地価の上昇期に高値で用地を取得しているうえ、

建築資材が高騰しているため、在庫処分を優先して新規の売り出しを手控えている面もある。

国内景気は住宅販売だけで決まるわけでは勿論ありません。しかし、マンションは大きな買い物です。

これがどんどん売れているなら、大雑把に言えば、それほど景気は悪くない。

しかし、日本の消費者も金融危機に端を発する株価の下落を見ていると、とても景気が良いとは思えない。

給料が増えるか分からない。リストラされるかも知れない。そんなときにマンションを買おうという人が減る。

当然のことです。


◆結論:世界的に不況なのです。経済の停滞は暫く続くでしょう。

以上、見てきたように、日米欧、いずれも景気が悪い。従って、財貨・サービスを売って稼ぎたくても、

世界中の人々が財布の紐を締めてますから、売れません。世界中の経済活動が縮小している。

世界同時不況だ、というのはそういう意味です。欧米が金融機関にいくら公的資金を注入しても、

実体経済をただちに好転させる「魔法の杖」には、残念ながら、なりません。

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「米大統領 公的資金投入を表明」←マイナスからニュートラルに戻る過程に過ぎない。

◆記事:米大統領 公的資金投入を表明(NHK 10月14日 22時5分)

アメリカのブッシュ大統領は、日本時間の14日夜、声明を発表し、

最大7000億ドルの公的資金を投入できる金融安定化法を活用して

国内の大手金融機関への公的資金の投入を行うことを決めたことを明らかにしました。

ブッシュ大統領は、日本時間の14日夜9時すぎ、ホワイトハウスで声明を発表し、

「これまでにない金融危機に対応するため、株式の購入を通じて金融機関に公的資金を投入することにした。

これは、政府が市場に介入するのではなく、市場を保全する措置だ」と述べ、

全力をあげて金融危機に歯止めを掛ける考えを示しました。そのうえで、

最大7000億ドルの公的資金を投入できる金融安定化法を活用して

国内の大手金融機関への公的資金の投入を行うことを決めたことを明らかにしました。

ワシントンで、先週末開かれたG7、先進7か国の財務相・中央銀行総裁会議では、

必要に応じて、金融機関の資本増強のために公的資金を投入するなどとした異例の「行動計画」が採択されており、

ブッシュ政権も、この合意を受けて大規模な公的資金の投入に踏み切ることになりました。


◆コメント:積極的に「良いこと」が起きているのではなく、「世界金融恐慌に陥らずに済みそうだ」という段階です。

今日の内外の新聞を読むと、いずれも週末のG7による「公的資金注入」をマーケットが評価し、その結果、

東京株式市場は戦後最大の上昇率を記録した、などとさも素晴らしい世界に一瞬にして変わったかのようにかいていますが、

それは違います。その前がひどすぎたのです。

「戦後最大の株価上昇率」を記録したといったって、日経平均株価の終値はいくらですか?

9,447円57銭

ですよ?戦後最大の上昇率を記録しても、まだ1万円を割れているのです。

何しろ先週8日(水)日経平均は952円も下げて、「戦後3番目の下げ率」を記録したのですから、

G7を受けて、売っていた人が買い戻すのは当たり前です。


積極的にプラスに相当することは起きていません。

世界金融恐慌に陥るところだったのが、寸前で、そうならずに済んだ、というだけです。


記事では、ブッシュ大統領が公的資金注入を宣言していますが、何も立派なことをしている訳じゃない。

ちょうど一ヶ月前にリーマンを破綻させてから、混乱がはじまったのです。

アメリカの失策で、世界が混乱したのだから、対策を講じるのは当然なのです。


◆リーマン破綻後から1ヶ月の流れを振り返ります。

箇条書きにさせて頂きます。

9月15日 リーマン・ブラザーズが破綻。 メリルリンチの救済買収をバンク・オブ・アメリカが発表

  16日 保険会社最大手AIGがFRB緊急融資を得て、政府管理下に置かれる。

  21日 証券会社大手ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが銀行持ち株会社に移行。

  22日 三菱UFJ、モルガン・スタンレーへの出資を発表。

  25日 米貯蓄貸付組合(S&L)最大手ワシントン・ミューチュアルに業務停止命令。米史上最大の銀行破綻。

  29日 米下院、金融安定化法案を否決。ダウ平均、過去最大の777ドル安

10月3日 修正金融安定化法案が成立。

 6日 NYダウ、約4年ぶりに1万ドル割れ。

 8日 世界10中銀が同時利下げ。

 9日 米銀大手ウェルズ・ファーゴ、同業ワコビアの救済合併を決める。

 10日 ダウ、約5年半ぶりに8,000ドル割れ。G7、金融危機克服の「行動計画」を採択。

 12日 ユーロ圏首脳会議、公的資金注入と銀行債務保証で合意。

 13日 英政府、大手3行に総額6兆4000億円の公的資金注入を発表。

 14日 米政府、金融機関に総額25兆5000億円の公的資金注入を発表。

ここ一ヶ月を振り返ると分かるように、そもそも最初にリーマンを破綻させていなければ、

つまり、リーマンに公的資金を注入していたら、これほど世界中の株が下がり、世界中の投資家が評価損を被ることもなかった。

イギリスまでもが公的資金を注入する必要は生じなかった。

イギリス以外の欧州、アジア各国の中銀も公的資金注入を考えているようですが、そもそもの始まりは、

アメリカの失策です。ブッシュは、偉そうに演説していますが、米国大統領と財務長官、FRB議長には、

世界に向けて「迷惑をかけて申し訳ない」と、謝罪して貰いたいと思います。

株価が多少戻ったところでアメリカは景気後退局面。我が国も同様です。世界同時不況が終わったわけではない。

始まったところです。

世界金融恐慌を何とか回避しただけだ、ということを、各国とも(流石にわかっているでしょうが)認識すべきです。

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2008.10.13

「三菱UFJ発表、モルガンへの出資を優先株に 投資額は変えず」大丈夫かな・・・。

◆記事:三菱UFJ発表、モルガンへの出資を優先株に 投資額は変えず (日経 13日 21:24)

三菱UFJフィナンシャル・グループは13日夜、モルガン・スタンレーに対して総額90億ドルの出資を実行したと発表した。

出資形態は当初予定していた普通株で30億ドル、優先株で60億ドルという組み合わせを変更し、全額優先株とする。

モルガンの株価が不安定な現状を踏まえ、普通株の価格変動リスクを回避する狙いだ。

優先株の内訳は転換型優先株が約78億ドル、償還型優先株が約12億ドル。ともに配当利回りは10%とし、

普通株への転換価額は25.25ドル。三菱UFJは潜在株式調整後ベースで出資比率20%を維持する権利を有する。


◆コメント:米政府が公的資金を注入する、といっているのだから、無理しない方が良いと思うのですがね。

株式には、普通株と、優先株がありまして、優先株とは、日本の会社法では、

利益もしくは利息の配当または残余財産の分配およびそれらの両方を他の種類の株式よりも優先的に受け取ることができる地位が与えられた株式。

と、定義されています。

三菱UFJは、9月29日にモルガンスタンレーに90億ドル出資する、と発表しました。

当初、普通株に30億ドル、優先株が60億ドル、という割合でした。普通株は、1株25.25ドルで買うはずでした。

しかし、その後、モルガンスタンレーの株価は、他の米国の金融機関同様、金融危機による経営不安の怖れから、どんどん下落しました。

9日には、12.45ドルまで下がりました。

三菱UFJは、1株25.25ドルで買うのですから、その約半分にまで、値が下がってしまった訳です。

この状態で、当初の計画どおりに、30億ドルを普通株に出資すると、出資した瞬間、三菱UFJは、15億ドル(約1,500億円)の評価損が出てしまいます。


出資の払込期日は明日(14日)です。三菱UFJは今夜(13日夜)、緊急取締役会を開き、出資対象を、全額、価格変動の影響を受けにくい優先株に変更することを

決めた、というのが、冒頭の記事です。

しかし、いくら優先株に変更したところで、三菱UFJが出資して、すぐにモルガンスタンレーの業績が改善するとは限りません。

G7の「行動計画」を受けて、今日のアジア株(休みだったのは日本だけで、他の市場は取引をしていました)や欧州株は、

大きく値を戻していますが、アメリカによる公的資金注入の具体案が出来て、実際に実行されるまでに時間がかかれば、

また、株式市場は下げに転ずることは間違いない。そうすれば、世界の投資家(勿論、モルガン・スタンレーを含みます)の評価損が

膨らみます。

下手すると、つぶれる。潰さない、とアメリカを初めとするG7諸国の政府は言っていますが、早くしないと意味がないのです。

モルガン・スタンレーとて、どうなるか分かりません。

万が一破綻したら、三菱UFJとて、いくら優先株を取得するといっても無傷ではいられない。

危ないことをしないほうが、良いと思うのですけどね。大体、三菱UFJは、国内のシステム統合すら済んでいないじゃないですか。

システム統合ですぐに経営がどうなるというものではありませんが、金融機関は信用だけで成り立っているのですから、

みだりに危ない橋を渡ることはない。モルガンスタンレーだって、アメリカ政府が公的資金を注入すればいいのです。

また、三井住友も英国のバークレイズに出資しています。英国は今日、最初の公的資金注入先を発表しましたが、

その中にバークレイズは含まれておらず、バークレイズは自分で、増資する、と言っています。
◆記事:英、RBSなど大手3行に公的資金注入 バークレイズは見送り(日経 13日 16:20)

英政府は13日、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、HBOS、

ロイズTSBの大手英銀3行の自己資本を増強するため公的資金を投入すると発表した。

投入額は3行合計で最大370億ポンド。政府が引き受けを保証し増資する。

バークレイズは公的資金の受け入れを見送り、13日朝、既存株主から65億ポンドの資本を調達すると発表した。

RBSとHBOSは政府の株式保有比率が5割を超え、事実上の国有化となる可能性もある。

英政府は包括的な銀行救済策で銀行の自己資本積み増し計画を定め、500億ポンドの公的資金投入枠を設定。

大手8行のうちHSBC、スタンダード・チャータード、アビー・ナショナルは自前で自己資本を積み増す方針を表明していた。

三井住友がバークレイズ、三菱UFJがモルガンスタンレーに出資を決めた頃は、これほど株価が暴落するとは思っていなかった。

邦銀は、サブプライムローン関連商品による直接的な損失が欧米銀に比べて少なかったので余裕があり、

ちょっと、調子にのった、というか、三菱UFJなどは米国に上手く利用されているように見えます。

邦銀が出資した先が破綻し、巨額損失計上。これを救済するために、また、日本政府が公的資金を邦銀に注入、

と、ならないことを祈ります。

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首相「米の資本注入、実行望む」←要するに、そういうこと。早く実行して頂きたい。

◆記事:首相「米の資本注入、実行望む」(10月13日8時4分配信 産経新聞)

麻生太郎首相は12日、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が行動計画としてまとめた公的資金による金融機関への資本注入対策について

「資本投入をする以外に米国の金融危機が収まることはない。実行される方向でいくのが望ましい」と述べ、

計画の速やかな実行が必要だとの考えを示した。

一方、日本が主導して主要8カ国(G8)などによる緊急首脳会議を開催するかについて

「基本的には米国の答えがどう出てくるかだ。言ったはいいが、米国などが乗ってこなかったら、さらに混乱する。そういう混乱は避けるべきだ」

と指摘し、米国の出方を見た上で判断する考えを示した。浜松市内で記者団の質問に答えた。


◆コメント:リーマン破綻以来、私が書いたこと、大体当たっているでしょう?

アメリカの巨大証券会社、リーマン・ブラザーズが破綻した、と報じられたのは、ほぼ、一ヶ月前です。

私は、2008年09月15日(月)  「米証券大手リーマン、破産法適用申請へ」←三菱UFJか三井住友か、みずほが潰れたようなものです。超一大事です。ココログはこちら)という記事を書き、その中で、

リーマンのような超巨大証券会社を潰したら、その影響は世界中に及びだろう。日本も例外ではない。

と指摘した。その通りになったでしょう?大和生命がつぶれました。

私は、悪い予想が当たったことを自慢するほど悪い趣味の持ち主ではありませんが、
「だからいわんこっちゃない」

という気分なのです。

麻生太郎内閣総理大臣の主義・主張を全て支持するわけでも何でもないが、こと、世界金融危機に関しては、

彼の言うとおりで、全てはまず最初の一手を打ち損ねたアメリカの出方にかかっている。

リーマン破綻後、翌日には同じくらい巨大な(但し保険会社だが)AIGを救済するなど、政策に一貫性が欠けていました。

これが2番目の失敗である。世界の金融市場は、「それでは、どの会社は救われ、どの会社は潰されるのか、米政府の胸先三寸にかかっている。

アメリカの金融機関に資金を供給出来ないし、サブプライムローンを証券化した商品は世界中の投資家が買っている。どの国のどの会社が破綻しても

おかしくない。」と考え、ドルの流通が極めて困難になりました。各国が自国の短期金融市場に大規模な資金供給を続け、更に協調利下げを行ったのは、

それが原因です。


リーマンを潰したとき、アメリカは「公的資金を使うつもりは全くない」と言って、資本主義の自己責任原則を貫く、という意味のことを宣言しました。

しかし、世界の金融市場の同様があまりに激しいのをみて、20日、「最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金で買い取る計画を議会に提案した。」のです。

その時に私が書いた記事は、

2008年09月20日(土) 「米政府、不良資産買い取りに公的資金75兆円投入を提案」←手持ちは2000億ドル(21兆円)しか無いので国債を発行するのです。ココログはこちら)。

米国政府は、「公的資金を使う」ことは決めたのですが、それは不良債権の買い取りに使うのであって、

金融機関の自己資本を増強するためではなかったのです。しかも、不良債権買取に必要な75兆円もの資金は、米政府の「手持ちのカネ」はない。

国債を発行するしか無かった。そんな国の国債を大量に引き受けるのは日本と中国ぐらいのもの。だからまだまだ安心できない、と、私は書きました。

それでもやらないよりはマシだ、と思っていたら、9月29日、米下院は「金融安定化法案」(不良債権買取法案)を否決しました。

私は、米国民は、自国の混乱が世界に迷惑をかけていることを自覚しろ、と書きました。

2008年09月30日(火) 「金融安定化法案を否決=税金投入反対派を抑えられず-米下院」米国民は、世界金融危機の根源は自分たちにあることを自覚せよ。ココログはこちら)。

この日、ニューヨークの株は777ドルも下げ、週明けの東京市場も500円超の下げとなりました。


米国はまた、後手後手に回り、10月3日、漸く、「修正金融安定化法案」を可決しました。

しかし、ここで決まったのは不良債権を買い取ることだけであり、このままでは、まだまだ安心できない。

米政府が公的資金を金融機関に注入し、破綻させないことを確約しないとダメだ、とも書きました。

2008年10月04日(土)「米国株式は続落、金融安定化法案可決も米景気先行きに不安」←そうでしょうね。ココログはこちら


結局、米財務長官は、リーマン・ブラザーズが破綻した時とはうって変わり、「公的資金注入を検討する」と言い始め、

週末のG7ではそれが「行動計画」となって、発表されました。

2008年10月11日(土) G7が「迅速・例外的な行動」、米国は公的資金注入を表明←これで「一安心」でしょうか?ココログはこちら)。

リーマンブラザーズを破綻させたのが、全ての混乱の始まりでしたが、何故リーマンを潰したか。FRB議長はこう述べています。
◆記事:「巨額すぎて救えない」=リーマン破綻でFRB議長(10月8日9時0分配信 時事通信)

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は7日の講演で、先に破綻(はたん)した証券大手リーマン・ブラザーズについて

売却、存続いずれのケースも巨額の公的資金の投入を必要とし、

数十億ドルの税金が失われる見込みだったと指摘、救済に乗り出さなかった事情を説明した。

議長は、リーマンに必要な公的資金は、3月に事実上破綻し、JPモルガン・チェースに救済合併されたベアー・スターンズより

はるかに巨額だったと指摘。さらに、仮に資金投入が正当化されたとしても、

FRBの融資には返済を保証する妥当な担保が必要であり、リーマンにはこれがなかったと強調した。

こんなことを言っていますが、結局G7の行動計画には、金融機関を破綻させない為に、十分な資金を確保する、と書かれています。

米国の不動産価格は下落を続け、株価の下落により評価損で破綻する金融機関が、あとどれぐらい出るか、米国内だけを考えても、

全く予想が付きません。結局リーマンを救済した、と仮定して、それに必要であった資金よりも、遙かに巨額な資金を、

米政府は確保しなければならないでしょう。

私が、2008年09月15日(月)  「米証券大手リーマン、破産法適用申請へ」←三菱UFJか三井住友か、みずほが潰れたようなものです。超一大事です。で、
リーマンを潰すか?

と書いたのは、そういうことです。「私が書いたことが大体当たったいる」とは、そういうことです。

リーマンを潰したときから、世界がパニックになるのは、目に見えていました。

結局、結局公的資金の注入を余儀なくされた米国です。麻生首相の言うとおり、計画はいいけれど、早く実行しないと、

計画を練っている間にも新たな金融機関の破綻が起きるでしょう。

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2008.10.12

G7が「迅速・例外的な行動」、米国は公的資金注入を表明←これで「一安心」でしょうか?

◆記事1:G7が「迅速・例外的な行動」、米国は公的資金注入を表明(10月11日13時49分配信 ロイター)

ワシントンで開催された7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は10日、

欧米を中心に深刻化する金融危機の現状を「迅速で例外的な行動が必要」な緊急事態と位置づけ、

金融機関に対して公的資金を活用した資本注入をはじめ「あらゆる利用可能な手段を活用する」ことを明記した行動計画を公表して閉幕した。

会議後に記者会見したポールソン米財務長官は、米金融機関に対する公的資金注入計画を進めていると発表、

他の出席者も世界の主要銀行保護の認識で一致したことを明らかにした。

市場には、焦点となっていた米国の公的資金注入を評価する声がある一方、

実効性を見極めたいとの声も多く、警戒感はくすぶりそうだ。

<資本増強は「十分な量」確保を、市場安定に「すべての必要な手段」>

今回のG7では会議の成果について、現在の金融危機の深刻さを踏まえ、これまでの総花的な共同声明から、

金融問題に焦点を絞った対応策を「行動計画」として公表する異例の対応をとった。

行動計画は、現在の金融危機に対して「迅速で例外的な行動が必要」と強い危機感を表明。

「システム上の重要性を有する金融機関を支援し、その破たんを避けるため、

断固たるアクションをとり、あらゆる利用可能な手段を活用する」と宣言した。

金融市場についてもクレジット・短期金融市場の機能回復に「すべての必要な手段を講じる」とともに、

「モーゲージその他の証券化商品の流通市場を再開させるための行動をとる」ことで合意した。

金融危機解消の有効策として期待された金融機関への公的資本注入にも言及。

銀行などの金融機関が「十分な量で、必要に応じ、公的資金、そして民間資金の双方により、

資本を増強することができるよう確保する」と明記した。


◆記事2:G7の「行動計画」(10月11日10時39分配信 ロイター)

●G7の行動計画

G7は本日、現下の状況は緊急かつ例外的な行動を必要としていることに同意する。

われわれは、世界経済の成長を支えるため、金融市場を安定化させ、

信用の流れを回復するために共同して作業を続けることにコミットする。われわれは以下のことに同意する。 


  1. システム上の重要性を有する金融機関を支援し、その破綻を避けるため、断固たるアクションをとり、あらゆる利用可能な手段を活用をする。

  2. 信用市場および短期金融市場の機能を回復し、銀行およびその他の金融機関が流動性と資金調達に広範なアクセスを有していることを確保するため、すべての必要な手段を講じる。

  3. 銀行やその他の主要な金融仲介機関が、信認を再構築し、家計や企業への貸し出しを継続することを可能にするに十分な量で、必要に応じ、公的資金、そして民間資金の双方により、資本を増強することができるよう確保する。 

  4. 預金者がその預金の安全に対する信認を引き続き保つことができるよう、各国それぞれの預金保険・保証プログラムが頑健であり、一貫していることを確保する。

  5. 必要に応じ、モーゲージその他の証券化商品の流通市場を再開させるための行動をとる。資産の正確な評価と透明性の高い開示および質の高い会計基準の一貫した実施が必要である。

 これらの行動は、納税者を保護し、他国に潜在的な悪影響を与えないような方法で行われるべきである。

われわれは、必要かつ適切な場合には、マクロ経済政策上の手段を活用する。われわれは、今回の混乱により、

影響を受ける国々を支援する上で、国際通貨基金(IMF)が果たす決定的に重要な役割を強く支持する。

われわれは、金融安定化フォーラム(FSF)の提言の完全な実施を加速し、金融システムの改革の差し迫った必要性にコミットする。

われわれは、この計画を完遂するため、協力を一層強化し、他の国々と協働する。


◆コメント:一見、頼もしいですが、「いつまでに」と書いてありませんね。出来るかどうか分からないからです。

ロイターは、

これまでの総花的な共同声明から、金融問題に焦点を絞った対応策を「行動計画」として公表する異例の対応をとった。

と、書いていて特に評価するとは述べていないものの、そういうニュアンスです。


しかし。

実際に金融機関に公的資金を注入した経験を持つのは日本だけです。

他のG7参加国は、公的資金を注入すると言っていますが、実際にはまず、各国でその為に法整備が必要となります。

議会の承認が得られるかどうか、わかりません(米国で、不良債権買取が一度下院で否決されたのは記憶に新しいところです)。

「G7で決めた行動計画を実行に移すべく最善を尽くしたが、国民の理解が得られなかった」などという国が現れるかも知れないのです。


そして、「行動計画」を少し読むと分かりますが、具体性に欠けています。

例えば、
銀行やその他の主要な金融仲介機関が、信認を再構築し、家計や企業への貸し出しを継続することを可能にするに十分な量で、

必要に応じ、公的資金、そして民間資金の双方により、資本を増強することができるよう確保する。

どうやって「確保する」のでしょうか。これからどうするか、それぞれの国に持ち帰って考えるのでしょう。


それから。

この「行動計画」には「期限」が定められていません。

例えば、
「我々は以上の行動計画を今後一ヶ月以内に各国で策定し、再びG7を開催し、各国の進捗状況を相互に報告する」

というような文言が、「行動計画」に含まれていたら、かなり印象が変わります。しかし、そのようなことは書かれていません。

要するに、「行動計画」を発表するだけなら簡単なのです。問題は実行出来るかどうか。そして、いつまでに実行するのか?

一年後じゃ困るのです。その間にアメリカの不動産価格は下落を続け、不良債権額は増えるでしょうし、

世界的には株価の下落が続き、金曜日の大和(やまと)生命のように、評価損から過少資本に陥り、破綻する金融機関や事業会社が、

続出するでしょう。

民間企業で考えればすぐわかります。小売業なら、「今期の売り上げ目標」が決められ、各店にノルマが課せられますよね?

1億円売れ。但し、いつまでとは言わない。10年かかっても構わない、などという会社はありません。

「期限」を宣言しなければ、「計画」を立ててもあまり、意味がない。

それが問題です。

G7声明発表後、ニューヨーク株式市場は、ダウ128ドル安、ロンドンもFTSE百種総合株価指数が、381.7ポイント安で終了しました。

マーケットが、「行動計画」の実効性に対して懐疑的であることを物語っています。

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2008.10.10

長い文章をまとめる気力がないので、mixi日記に書いた「覚書」を羅列させていただきます。

◆金融危機関係の情報を1日追って疲れました。

今週はずっと、「世界金融危機」関連情報を追っていましたが、今日は朝一番、大和生命のニュースが飛び込んで、

忙殺され、ひじょうに疲れました。まとまった長い文章をまとめる気力がないので、mixi日記に書いた、短い覚書風の文章を

羅列させていただきます。はっきり言って「手抜き」ですが、今日の肝心なことは、押さえているつもりです。


◆今日の覚書

ニュースを読み、思いついたままを書いているので、順不同。内容に重複がありますが、何卒、ご容赦。

◆記事:東証終値881円安 下落率は過去3番目(10月10日15時24分配信 産経新聞)

10日の東京株式市場は、前日の米株式市場が急落したことや、大和生命保険(東京都千代田区)の破綻を受けて暴落した。

日経平均株価の終値は前日比881円06銭安の8276円43円。下落率は9・62%に達し、

8日の9・38%を上回り、過去3番目の大幅な下げとなった。

◆コメント:まだまだ、株価下落は止まらない。

もう、こうなったらお仕舞いですよ。大和(やまと)生命は序の口ですよ。同様の倒産がバタバタ出るだろう。

そもそも株が下がるということは、株を売る人がいる一方で、株を「買う人」がいるから下がるのである。

買い手がいる間は下げ止まらない。



◆記事:朝方の欧州株式市場は8%急落、銀行株が安い(10月10日17時34分配信 ロイター)

10日朝方の欧州株式市場は大幅続落して始まった。

各国が金融危機対策を打ち出しているものの、世界的な景気後退(リセッション)は避けられないのではないかとの懸念が浮上している。

0713GMT(日本時間午後4時13分)現在、FTSEユーロファースト300指数は8%安の847.8。

一時2003年7月以来の安値をつけた。週明けからの下落率は22%を超えており、週間ベースで過去最大の下げを記録している。

◆コメント:世界同時株安か。恐慌かもね。既に。

株価が下がれば何処の国でも家計は消費を抑制するし、企業は設備投資を控え、コスト削減の為人件費を減らす。

世界中が不況になっているから、国内でモノが売れないからといって、輸出しても同じように売れない。

このような連鎖で不況は進む。世界経済が持ち直すのには10年かかるかも知れない。



◆記事:G7で日本の外準活用し各国支援を表明へ=中川財務・金融相(10月10日14時17分配信 ロイター)

7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)出席のためワシントン入りした中川昭一財務・金融相は

10日未明(日本時間同日午後)、日本の外貨準備を使って各国の資金繰りや

金融機能を支援する制度の構築をG7会合で提案する考えを表明した。記者団に語った。

また、地方の金融機関の機能強化に関して検討する考えも示した。

中川財務・金融相は、足元の経済情勢について

「ここにきて世界の金融不安が高まり、あらゆる可能性に対応できるよう(事務方に)指示を出している」と述べた。

その上で「これから国会で審議する緊急経済対策を一刻も早く成立させたい」とし、

具体的には「地方の金融機関に対しバックアップをより強化する方策の1つとして、金融機能強化法の検討を指示した」と語った。

◆コメント:G7。肚を据えろ。

各国がバラバラに、しかもチマチマと対策を講ずるから、

世界の市場で金融不安が残る→株がさがる→今日の大和生命のような倒産が世界中で起きる→世界恐慌になりかねない。

一昨日10カ国が協調利下げしても何の効き目も無かったでしょ?

利下げというのは流動性資金を潤沢にする効果を目的とするものである。

今、世界中で何が問題なのかというと、株価が下がるために銀行や株に投資している普通の会社は評価損を抱え、

評価損を埋めるには資本を取り崩すしかない。それが進むと大和生命のように過小資本になる、ということなのだ。

まずは、カネを融通する銀行に世界中の中央銀行が公的資金を注入する、潰さない。

だから銀行は安心して融資しなさい、と宣言するしか、有効と思われる対策はないのだが、

そこまで各国の金融政策担当者は、まだ肚が据わっていない。

来週も恐らく株は暴落し、世界経済は恐慌に向かうであろう。


◆記事:金融危機には国際的な対応必要、銀行に公的資金注入を=英首相(10月10日19時5分配信 ロイター)

ブラウン英首相は、10日付の英タイムズ紙に寄稿し、現在の金融危機は国際的な対応が必要であり、

各国が英国のように銀行への公的資金注入や債務保証を打ち出す必要があるとの認識を示した。

首相は「英政府が今週発表した安定・再編プログラムは、潤沢な流動性・資金調達・資本という

現代金融システムに不可欠な3つの要素に同時に対処する初の対策だ」と指摘。

「しかし、これは世界的な問題だ。世界的な解決策が必要だ」と述べた。

◆コメント:「金融危機には国際的な対応必要」全くそのとおり。

英国は銀行に公的資金注入を世界で一番早く宣言して、評価されている。

それはそれで結構なことなんだが、英国だけ公的資金を注入してもダメなんですよ。

今の世界金融危機の火元はアメリカなの。それがヨーロッパやアジアに「延焼」しているのです。

英国は延焼先のひとつに過ぎない。欧州全体、アジア、中東の銀行まで、アメリカから延焼して燃えている。

あちこち延焼しているのに、延焼している一件の火だけ消しても仕方ないでしょ?

まずは火元の米国が、大火事を沈静化することと、世界中の延焼している国も火を消さないと、意味がないのです。

ブラウン英首相が言っているのは、例えを用いるなら、そういう意味。


◆記事:解散先送り、経済とは「別事情」=民主・鳩山氏が見方(10月10日17時50分配信 時事通信)

民主党の鳩山由紀夫幹事長は10日夜、横浜市内で講演し、麻生太郎首相が同日発売の月刊誌に寄せた手記で、

当初は早期の衆院解散に意欲を示していたことに関連して

「首相が今『解散より景気対策だ』と言っているのはうそで、解散すると自分たちが危ないからだ」と述べ、

解散先送りの本当の理由は世論調査で苦戦が判明した自民党の選挙情勢だとの見方を示した。

◆コメント:別事情じゃないよ。バカだな。

世界の金融情勢はいっときも目を離せない状態だ。金融・財政政策の高度な意思決定がいつ必要になるか、全く予想も付かない。

私は自民党は、小泉政治のもたらした結果に関して、国民の審判を受けるべきだと思うが、今は別。

今は政局に夢中になるときではない。下手をすれば世界大恐慌だ。鳩山の意見は間違っている。



◆記事:欧州株も急落=下げ率一時10%超(10月10日19時1分配信 時事通信)

10日序盤の欧州主要各国の株式市場は、米国やアジア市場で売り込まれた流れを受けて急落し、下げ率は一時10%を上回った。

金融危機への懸念から、銀行株が軒並み大幅安となっている。

英ロンドン市場では、HBOSなどが20%を超える急落となるなど、銀行株に売りが膨らんでいる。

FT100種平均株価指数は午前8時45分現在、前日終値比7.98%安で推移している。

◆コメント:ヤバい。ヤバすぎる。

英政府は昨日世界で最初に金融機関に公的資金を注入する、と言明したのに、株式市場は東京の動きにつられて暴落している。

今回の株安が如何に深刻であるかを物語っている。ブッシュがステートメントを発表するそうだが、

アメリカも金融機関に公的資金を注入するから、国民はパニックに陥るな、とかいうだけだろう。

読めている。多分このまま、ニューヨーク市場でも株価は下がる。


◆記事:前日に検査結果通知=大和生命、支払い余力が急低下-金融庁(10月10日12時43分配信 時事通信)

金融庁は10日、経営破綻(はたん)した大和生命保険に対する検査・監督状況について説明した。

それによると、9月初旬に開始した検査の過程で、財務健全性を示すソルベンシー・マージン(支払い余力)比率が

3月末の約550%から、9月末には行政処分の対象となる200%を下回る見通しになったことを把握。

9日に同社に検査内容を通知し、適切な対応を要請したという。

◆コメント:監督官庁の責任は?

金融庁のサイトに金融庁が検査実施中の金融機関というページがある。

記事には、昨日検査結果を通知した、と書いてあるが、今日もまだ「検査中」に含まれている。

ダウンロード sc0016.jpg (24.1K)

中川金融相は、大和生命は特異な例とか何とか弁明しているが、金融庁は9月中旬から検査して、一体何を見ていたのであろうか?


◆記事:打ち出せるか歯止め策=公的資本注入、預金保護が焦点-G7(10月10日17時21分配信 時事通信)

先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が10日午後(日本時間11日午前)ワシントンで開かれる。

米国発の金融危機から世界同時株安へと負の連鎖が広がる中、

公的資金による金融機関への資本注入や預金保護の拡大などで、

日米欧が結束してどれだけ踏み込んだ対策を打ち出せるかが焦点となる。

足並みの乱れを市場に見透かされれば混乱に拍車が掛かるのは必至なだけに、

G7は存在意義をかけてぎりぎりの交渉を迫られることになる。

◆コメント:中途半端な決定をすると、余計に株が売られるぞ。

私は、昨日のブログの最後に書いたが、現在の世界的金融危機を

少しでも鎮静させるためには、米国の公的資金注入だけ、約束させてもダメだ。

主要国が一斉に(英国は既に決定したが)、破綻しそうな金融機関に対しては各国政府が公的資金を注入し、

破綻させない、というぐらい(そこまで決めるとは、マーケットは予想していない)思い切った決定をしないとダメだ。

中途半端な決定をすると「G7も役に立たないか」という印象になり、

来週月曜日から株価の暴落は続くだろう。

徒然なるままに綴った駄文で、並べたら、却って長くなりました。

読みづらいと思いますが、ご勘弁のほど。

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「米財務長官が銀行への公的資金注入に言及」←やるなら早くしろ。

◆記事1:(10月9日15時25分配信 ロイター)

[ワシントン 8日 ロイター] ポールソン米財務長官は8日、金融安定化法は銀行システムに資本注入する幅広い権限を財務省に与え、

必要であれば同省が銀行を保有する立場を得ることを排除しないと語った。

 同長官は、10日の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を前に開いた記者会見で、

 「最大限の効果が得られるよう、与えられたすべての手段を利用する。あらゆる規模の金融機関に対する資本強化も含む」と述べた。

 英政府は8日、国内銀行に巨額の公的資金を注入する銀行救済策を発表したが、ポールソン長官は、

 米国が講じる次の措置が、英国と同様に何らかの資本再編の形をとる可能性があるかとの質問に対し、

 直接の回答を避け、「われわれが必要とする可能性のあるすべてのことに関して憶測はしない。

 われわれは、物事を進めるための幅広い権限と手段を持っていると言えるだろう」と語った。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、政府当局者の話として、金融システムの信認回復にむけて米財務省が多くの米銀の株式取得を検討していると報じた。

 この報道に関する財務省報道官からのコメントは今のところ得られていない。

 米議会は前週、7000億ドルの金融安定化法案を承認し、財務省は銀行から不良資産を買い取る権限を得た。

 ポールソン長官は、金融安定化法は「財務省に問題のある資産の買い取りや、保証の提供、

 資本注入に向けた広範かつ柔軟な権限」を与えていると述べた。

 ただ、これが銀行の株式取得を検討する可能性があることを意味するかどうかについては言及しなかった。


◆記事2:「日本の教訓学びたい」 公的資本注入で米財務次官 (日経 11:19)

 

マコーミック米財務次官(国際金融担当)は8日の記者会見で、

 10日にワシントンで開く主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で中川昭一財務・金融相が

 米側に金融機関への公的資本注入を促す見通しになっていることについて

「日本の教訓はすでに議論しているし、対話の継続には前向きだ」と述べた。

 財務次官は金融危機の克服について「日本だけでなく、スウェーデンや最近の教訓からも学びたい」と指摘。

 金融機関への公的資本注入や国有化などを幅広く検討する考えを示した。

 G7会議の議題としては金融危機への取り組みに加え、流動性供給での協調や空売り規制など市場安定化策、

 預金者保護の拡充などが対象になると表明。

 G7会議終了後の10日夜には、ロシアを交えて拡大夕食会を開催することも明らかにした。


◆コメント:結局、こうなる(公的資金注入)。早くやれ。

先日から私は幾度となく繰り返しているが、もう一度要点だけ述べる。

米国が10月3日に可決し、ブッシュ大統領が署名した金融支援法案は、ごく簡単に言うと、

米政府が民間金融機関の不良債権を買い取る、ということを決めただけで、いくらで買い取るかは全く決まっていない。

財務長官のポールソンは6日、不良資産買い取り業務の責任者に、ニール・カシュカリ財務次官補を充てると決めた。

ポールソンの古巣、ゴールドマン・サックスの出身者である。

別のソースによれば、実際に不良債権買取がスタートするまでにあと1ヶ月ぐらいかかりそうだ、という。

事態の緊急性を考えると暢気な話である。その間に破綻する金融機関が出るだろうことはほぼ、間違いない。

いずれにせよ、不良債権を金融機関から買い取る価格は、元の値段よりも安く買いとることになる

(高く買い取ったら、銀行に利益が生じ、米国市民感情の反発を招く)だろう。

すると、不良債権を売った金融機関には売却損が発生し、これを埋めるには資本と取り崩すしかない。

また、米国の不動産価格は下げ止まっていないので、新たな不良債権が生まれることは明らか。

どう考えても、金融恐慌を避ける為には、米国政府が金融機関に直接公的資金を注入するしかない。

これが、私が再三主張してきたことである。


◆公的資金注入に異論はないが、アメリカに一言嫌味を言わせて貰う。

記事2を読んだ時、呆れた。

バブル崩壊後、邦銀が多額の不良債権を抱え、日本政府がこれを処理するために公的資金注入を決めたとき、

米国は、日本をせせら笑ったのである。銀行を思い切って潰すことが出来ないのか、

そんなことをしたら、モラル・ハザード(企業の自己責任意識の崩壊)を招く、と。
「つぶれるべき金融機関が退場して、はじめて金融不安が解消する。問題先送りで対応を誤り、経済全体を停滞させるだけだ」

と嘲笑したのである。それは、リーマンブラザーズを破綻させた時も
公的資金による安易な救済は行わないという政治的意思を示す、

と大見得を切ったのである。

それが、記事2は何ですか?
「日本の教訓学びたい」 公的資本注入で米財務次官

日本のやり方が間違っていなかったことが分かった、という訳である。

日本の不良債権処理をコケにしたことはすっかり忘れているようだが、一言、
あの時はご無礼いたしました。

ぐらい言って貰いたいですね。絶対いわないだろうが。


◆結論:公的資金を注入するなら、一刻も早く。

嫌味を言わせて貰ったが、ポールソン財務長官は公的資金を注入することを考えているなら、速く実行して貰いたい。

瀕死の状態にある金融機関がアメリカには多数存在するのだから、グズグズしていると、連鎖倒産して金融恐慌を招く。

それは、世界中の株価の更なる暴落を招き、世界中の家計、企業活動、金融機関にとって迷惑な話なのだ。


そもそもポールソン財務長官は、自分の今の立場を正確に認識しているのかどうか、疑いたくなる。

この人物は、2006年からブッシュ政権の財務長官を務めているが、その前はゴールドマン・サックスのCEO(最高経営責任者)だった。

辞めるときには退職金と、自己保有株式の売却でなんと500億円を手にしている。

彼の総資産は、1,000億円はあるはずだ。

自分は死ぬまで食うに困らない人だから、政策決定や実行が遅れ、

世界の庶民の生活がどうなろうが、知ったことではないのだろう、と、再び皮肉を言いたくなる。

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2008.10.09

<ノーベル化学賞>下村脩・米ボストン大名誉教授ら3博士に/欧米の6中央銀行が協調利下げ

◆記事1:ノーベル化学賞:下村脩・米ボストン大名誉教授ら3博士に(毎日新聞 2008年10月8日 18時55分)

スウェーデン王立科学アカデミーは8日、08年のノーベル化学賞を下村脩・米ボストン大名誉教授(80)ら3博士に授与すると発表した。

受賞理由は「緑色蛍光たんぱく質(GFP)の発見と発光機構の解明」。

下村氏らが見つけたGFPとその遺伝子によって、たんぱく質を蛍光標識し、脳の神経細胞の発達過程や、

がん細胞が広がる過程などを生きた細胞で観察できるようになった。分子生物学や生命科学の発展に大きく貢献したことが高く評価された。

日本人のノーベル賞受賞は7日の物理学賞3人に続いて16人目。

化学賞は福井謙一氏(故人)、白川英樹氏、野依良治氏、田中耕一氏に続き5人目。

年間の受賞者数も過去最多の4人となった。

授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、下村氏ら3人に賞金1000万クローナ(約1億4000万円)が3分の1ずつ贈られる。

下村氏は、1962年にオワンクラゲから緑色蛍光たんぱく質(GFP)を初めて発見した。

さらに分離・精製にも成功した。このGFPは、紫外線を当てると発光する。

その後、92年に別の研究チームがGFPの遺伝子を特定し、複製に成功。

さらに別のチームが、異種の細胞内にGFPを導入し、発色させることに成功した。

GFPの発見以前は、たんぱく質を蛍光標識する際、たんぱく質を一度精製した上で蛍光物質を付け、

蛍光標識したたんぱく質を生きた細胞内に注入するなど、煩雑な作業が必要だった。

GFPは、他のたんぱく質の遺伝子に融合させ、細胞内に入れるだけで、細胞内の好きな場所で蛍光を作り出せる。

そのため、目的の遺伝子が生きた細胞内のどの場所で働いているか調べられるようになり、

これによって分子生物学や生命科学などの研究が大きく進展するようになった。


◆コメント:「まさか」、と思いつつ、「もしかして」、が本当になった。6年前と同様、物理賞、化学賞同時受賞。

昨日の日記・ブログに書いたとおり、6年前もこうだった。

ノーベル賞の部門別発表順は決まっていて、物理学賞の翌日に化学賞が発表される。

6年前(2002年)、小柴東大名誉教授(当時)がノーベル物理学賞を受賞した、というニュースで、

日本中の興奮がさめやらぬうち、翌日、島津製作所の田中耕一氏のノーベル化学賞の受賞が発表され、

少なくとも私は、殆ど狂喜したのである。


昨日、日本人3名の物理学者の受賞が決まったとき、私は全く根拠は無いが、

「これは、もしかしたら明日(の化学賞)も日本人が・・・」

という予感を抱いた。嬉しいことに現実となった。

下村脩先生に心よりお祝い申し上げたい。下村先生のことは今知ったばかりなので、研究内容等について、

私はまだ、よく読んでいない。機会を改めて書かせて頂く。


◆昨日「大してうれしくない」と言っていた、益川さんが「南部先生の受賞」を喜んでいた、という美しい話。

昨日、ノーベル物理学賞を受賞した、益川敏英さんが、受賞の感想を訊かれて、

「大してうれしくない。われわれの研究が正しいと分かったのは2002年で、物理屋としてはそれが1番うれしかった。後は社会的な騒ぎ」

とおっしゃったのを知り、私は「キョトン」としてしまった。しかし、益川氏は別の事に感激していた。
「南部先生に(ノーベル賞を)とっていただいたことが1番うれしい。アイデアマンで、われわれに注意を喚起してくれる。大変尊敬している」

何と、益川氏は自分の受賞よりも、自分が尊敬する大先輩が、ノーベル物理学賞を受賞したことの方を喜んでいたのだ。

益川さんは
同時受賞が決まった南部さんについては、大学院進学時に論文を「しゃぶりつくすほど何度も読んだ」と振り返り、

「ご一緒に受賞できたことは最大の喜び」とハンカチで両目を押さえた。

と、言った。

何と云うことだ・・・・。自分の受賞そのものより、尊敬する大先輩のノーベル賞受賞に加われたことが光栄だ、というのだ。

その言葉を読んでいて、私が泣けてしまった。


◆記事2:欧米の6中央銀行が協調利下げ(10月8日21時45分配信 毎日新聞)

米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)など米欧の6中央銀行は8日、

米国発で世界に拡大した金融危機と株安の連鎖を止めるため、協調して政策金利を引き下げるとの声明を発表した。

米株式市場での株価暴落に端を発した世界同時株安に歯止めがかからず、

世界経済の先行きに重大な懸念が生じていることを重く見て、異例の協調緊急利下げに踏み切った形だ。

米欧の協調利下げは01年9月17日以来7年ぶり。

日銀は利下げに参加しなかったが「米欧中銀の協調利下げを歓迎し強く支持する」と表明した。

また、中国人民銀行も8日、金利の引き下げを発表した。

日米欧の中央銀行は、これまでも金融市場の緊張を和らげるため、金融機関が資金を融通する短期金融市場に

巨額の資金供給を繰り返し実施するなど協調してきたが、市場の緊張は続き、金融危機は日増しに深刻化していた。


◆コメント:協調利下げのタイミングが悪いし、金融危機の根本的解決にはならない。

金融政策は後手後手に回ったら意味が無い。それは利下げも利上げも同じ事。

今回は世界同時不況の懸念が非常に顕著になってから利下げしたが、逆の場合はどうか?

ある国、地域、或いは世界中がインフレ気味になっているときには、

インフレ「気味」の時に予防的に協調利上げをしてこそ、意味がある。



喩えて書くならば、人間が風邪をひいて、熱がどんどんあがっているのに、何もせず、

40度の高熱を発してから、解熱剤を飲ませたり注射する医者はヤブである。

その手前で薬を投与するのが名医(というか、普通の医者)だ(医学的根拠は、無い。喩え、である)。


昨夜(日本時間8日未明)、ニューヨーク市場でダウ平均が1万ドルを割れて引けた。

8日の東京市場も連れ安となり、引け値は前日終値比、952.58円安の、9,203円32銭だった。

こういう事態になってから、「かつて無い規模の協調利下げ」を行うのは、非常にタイミングが悪い。

利下げ直後は株は値を戻すだろうが、戻したらまた売られるだろう。

協調利下げなど、毎日連続して出来るものではない。

つまり、一回「伝家の宝刀」をつかってしまったから、マーケットは「買い材料出尽くし」と判断する。

ロンドンでは、実際、一回戻したあとまた売られている。


何故、こうなるかというと「材料出尽くし」感以前に、いくら協調利下げしても、

世界経済が混乱している根源にある、米国の金融危機に対して根本的解決にはならないからだ。

政策金利を引き下げるということは、市中銀行が中央銀行からお金を借りる時の金利を引き下げたりするのだが、

それは、結局、今まで各国中央銀行が流動性資金を市場に供給していたのと同じで、とりあえず、銀行の資金繰りを容易にする、

という意味をもつだけであり、不良債権を抱えたアメリカの銀行の自己資本はほったらかしだからである。

英国中銀は、利下げと同時に公的資金を注入した。

◆記事:英政府、大手銀行に8兆8000億円の公的資金注入(10月8日19時47分配信 読売新聞)

英政府は8日、金融危機を食い止めるため、英大手銀に対し、最大500億ポンド(約8兆8000億円)の公的資金を注入すると発表した。

このうち、250億ポンドはロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)、バークレイズなど主要行に欧州で初めてとなる一斉注入を行う。

1998年から日本も主要行や地方銀行に総額約12兆円を公的資金を使って資本注入したが、世界的に異例の措置だ。

また、英政府は資金繰り対策として少なくとも2000億ポンド(約35兆円)の資金供給を行う。

財務体質の改善と、資金繰りの両面で銀行を支援して、金融安定化につなげる。

ブラウン首相は緊急の記者会見で

「世界の金融市場は機能を停止している。金融システムの安定は不可欠であり、経済にとっても最善の方法だ」と強調した。

7日にはRBSの株価が急落するなど信用不安が高まっていることで、大規模注入に踏み切った。

良いんですけどね。これをまず実行するべきなのは、火元である米国なのだ。英国は延焼しているだけである。

どうせ、6カ国の中央銀行が協調するのだったら、利下げなどという小手先の手段ではなく、
「6カ国の中央銀行、一斉に公的資金注入を決定」

というぐらいの大胆なことをしないと、このまま、まだまだ、株が下がる、と思います。

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2008.10.07

「<ノーベル賞>物理学賞に南部陽一郎氏ら3人に」←万歳!万歳!万歳!

◆記事:<ノーベル賞>物理学賞に南部陽一郎氏ら3人に(10月7日19時18分配信 毎日新聞)

スウェーデン王立科学アカデミーは7日、08年のノーベル物理学賞を、

南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授(87)と、

京都産業大理学部の益川敏英教授(68)、

高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)の小林誠名誉教授(64)

に授与すると発表した。

南部氏は極めて小さい素粒子の世界で、対称性が自然に失われることがあるとする「対称性の自発的破れ」の理論を提唱した。

小林、益川両氏は物質を構成する基本粒子「クオーク」が6種類あれば、「対称性の自発的破れ」が説明できることを示した。

95年に6番目のクオーク「トップクオーク」が発見され、この小林、益川氏の理論が実証された。

現在の素粒子物理学の基本となる「標準理論」に大きく貢献したことが認められた。

日本人のノーベル賞受賞は、02年の小柴昌俊・東京大特別栄誉教授(物理学賞)、田中耕一・島津製作所フェロー(化学賞)以来6年ぶり。

授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれ、賞金1000万クローナ(約1億4000万円)が贈られる。


◆コメント:今日は「金融危機」もへったくれもあるか。万歳!

自分のことでも、自分の親戚でも、知り合いでもないお三方のノーベル物理学賞受賞が嬉しくてたまらない。

とはいうものの、殆どの方も同様だと思うが、受賞が決まった方々の研究内容について、記事の説明を読んでも、全く分からない。

分からないのに、受賞したから万歳はどうか?という方もあろう。


しかし、私は、それでも「万歳!」で良い、と思っている。

何しろノーベル賞と言えば、科学者にとって最高の栄誉。

天下の大秀才が何十年もかけて研究してきたことを、素人が簡単に分かるわけがない。

分かるかも知れない、と考える方が僭越、というぐらいのものである。だから、私は単純に喜ぶ。


忘れもしない。前回、日本人がノーベル賞(科学の分野)でノーベル賞を受賞したのは、記事にも書いてあるが、

記事を読まなくても覚えている。6年前のことである。


2002年10月8日に小柴先生の受賞が発表された。

翌10月9日、なんと今度はノーベル化学賞を、島津製作所の一研究員だった田中耕一氏が受賞したと発表された。

私は、今は日記とブログと両方に同じ文章を載せているが、6年前にはブログなどというものはなく、ましてやSNSなど存在せず、

ウェブ日記エンピツにJIROの独断的日記を書いていた。

はっきりいって、それまでは、あまり本気ではなかった。小柴・田中両氏のノーベル賞受賞の喜びがきっかけで、

俄然、天下国家を論ずることに対して本気になったのだった。何故、と言われても困る。

当時の私の日記は、現在のように情報ソース(記事)を転載することもなく、

htmlタグも全然知らず、ただのべた書きで、お恥ずかしい次第であるが、次の通りである。

2002年10月08日(火) 小柴名誉教授、万歳!

2002年10月09日(水) なんと、今日も、日本人がノーベル賞を受賞!

2002年10月10日(木) ノーベル賞ダブル受賞が嬉しくてたまらない。

お二人は日本の宝だ。と最後に書いている。

今日も同じ気持ちだ。


◆スウェーデン王立科学アカデミーのフェアな姿勢に感動する。

2002年の日本人ダブル受賞で、日本中が驚いたのは、勿論小柴先生の偉業をどうのこうの言うつもりは全くないが、

一民間企業のサラリーマン研究者で、博士号も持っていない田中耕一氏が受賞したことであった。

私は、社会的地位や肩書きなど無関係に、純粋に田中氏の「業績のみ」を評価し、

ノーベル賞授与を決定した、スウェーデン王立科学アカデミーの公平さ、公正さ、客観性、に深く感動した。

私はよく覚えている。いよいよ授賞式に出向いた小柴・田中両氏の記者会見が、ストックホルムで12月10日の授賞式の前に、

世界中のマスコミを前に行われた。司会者が、田中耕一氏のことを、"Dr.Tanaka"と紹介したら、田中氏はすかさず、

"No. I'm not a doctor."(私はドクター(博士)ではない。)

と訂正されたのだった。それでも、世界の尊敬は揺るぎもしなかった。

今回受賞される、三人の先生方は皆、れっきとした「学者」だが、日本人3人にノーベル物理学賞を与える、

というのも、スウェーデン王立科学アカデミーが、純粋に業績のみを評価し、ひとつの国の学者3人であろうがなかろうが、

関係ない、という公平さを貫いた、その姿勢に感動する。

12月10日の授賞式が楽しみである。

6年前の授賞式を思い出す。

小柴、田中両氏が受賞する瞬間、高らかにトランペット・ファンファーレ鳴り響いた。

自分が受賞するわけでもないのに、日本人であることを誇りに思う。

南部、益川、小林各氏の栄誉を心から讃えたい。

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2008.10.06

米国金融不安の波及。今日だけでもこれだけニュースがあります。

◆昨夜から今日にかけての「金融不安関連記事」


記事1:独金融機関 緊急融資で救済へ(NHK 10月6日 8時42分)

世界的な金融不安の影響で経営危機に陥っているドイツの金融機関「ヒポ・リアル・エステート」の救済問題で、

ドイツ政府と銀行団は、最大で500億ユーロ、7兆2500億円の融資枠を設けて緊急融資をし、破たんを防ぐことで合意しました。

一方、今回の問題で国民の不安が高まったことから、メルケル首相は、金融機関が破たんした場合、

個人の預金を政府が全額保護する方針を初めて示しました。



記事2:<イタリア>大手銀ウニクレディト、9500億円増資計画(10月6日10時57分配信 毎日新聞)

【ロンドン藤好陽太郎】イタリア大手銀行のウニクレディトは5日、66億ユーロ(約9500億円)の増資計画を発表した。

ウニクレディトは破綻(はたん)した米大手証券リーマン・ブラザーズにも融資しており、先週株価が急落していた。

イタリアでも銀行の経営不安が高まっていることを受け、ベルルスコーニ伊首相は5日、

欧州の銀行を救済するための基金創設を提案する方針を明らかにした。欧州メディアが伝えた。

基金構想はフランスが提唱していたが、4日にパリで開かれた欧州主要4カ国首脳会議では合意に至らなかった。



記事3:韓国、外貨準備を投じて銀行の外貨流動性確保を支援する=企画財政相(10月6日10時56分配信 ロイター)

韓国の姜万洙(カン・マンス)企画財政相は6日、韓国の銀行は十分な外貨流動性の確保が困難になっているとの認識を示し、

こうした銀行の流動性確保を支援するため、外貨準備を投じる用意があることを明らかにした。

企画財政相は、国内商業銀行トップとの会合向けスピーチの準備原稿で

「韓国の金融機関は最近、外貨流動性の確保で困難に直面し始めている」とし、

「政府はこうした状況に対し、最悪のシナリオを想定する一方で、先手を取って対応する必要があると考える」と表明。

「2397億ドルに上る韓国の外貨準備は世界6位の規模で、ほぼ100%が直ちに使用可能だ」と述べ、

銀行の流動性確保の支援に外貨準備を使う考えをあらためて示した。



◆記事4:フィリピン中銀、流動性ひっ迫対応でドル建てレポ取引検討=関係筋(10月6日11時0分配信 ロイター)

フィリピン中央銀行は、世界的な金融危機の影響が国内市場に及び、ドルの流動性がひっ迫している状況を改善するため、

国内の銀行が中銀に導入を提案したドル建てレポ取引を検討している。中銀筋が明らかにした。

ただ、米国の金融安定化法案が議会で成立したことを受け、フィリピン国内のドル・スワップ市場が持ち直しているため、

同提案の緊急性は低下している。同筋はこの提案について「決定はまだ下されていない。スワップ市場は正常化している」と述べた。

フィリピン当局はこれまで、中銀が必要に応じ市場に流動性を供給すると言明しており、

中銀のテタンコ総裁も週末、記者団に対し、当局が先週市場に資金を供給したことを明らかにした。



◆記事5:スウェーデン中銀、銀行向け資金供給枠を拡大=中銀(10月6日17時5分配信 ロイター)

[ストックホルム 6日 ロイター] スウェーデン中央銀行は6日、国内銀行に対する資金供給枠を拡大する方針を明らかにした。

国際金融危機への対応策の一環。

具体的には、6日に行う3カ月物資金入札の供給枠を、当初予定していた600億クローナから1000億クローナ(142億6000万ドル)に拡大するほか、

8日にはさらに1000億クローナの6カ月物資金を供給する。中銀のイングベス総裁は声明で

「世界の金融混乱は、いまや明らかに、スウェーデンの金融市場、銀行、その他金融市場参加者に影響を及ぼしている。

したがって、中銀は予防措置として資金供給を拡大する」と述べた。


◆コメント:要するに、米国の金融危機が欧州・アジアに飛び火しているのです。

随分、沢山記事を載せて閉まったが、日記には「記録」という要素があり、

私自身の覚書の意味もあって載せているので、その点ご了承いただきたい。

それはさておき、上記の一連のニュースは、一言で言えば

「アメリカの金融危機が欧州やアジアに飛び火している」ということである。

米国のサブプライムローンは、貸し出した金融機関から見れば債権(カネをかえしてもらう権利)であり、資産である。

サブプライムローンを実行した金融機関が集めた預金よりも多くの金額を貸し出すことが出来たのは、

こうした「債権」を証券化し、つまり、「債券」という紙にし、アメリカの大手銀行、

証券会社(2週間前に破綻したリーマン・ブラザーズや、メリル・リンチ、モルガン・スタンレー、ゴールドマンザックスなど)のみならず、

世界中の金融機関その他一般企業を含む投資家が、争うようにして買ったからである。

その売り上げで、住宅ローン金融機関は資金を調達出来たのである。



問題は、アメリカの不動産価格が上昇しているときには、「証券化された債権」にも価値があったが、

今や、住宅ローンが皆不良債権化してしまった事にある。

つまり、債権は「貸したお金を返して貰える」からこそ価値があって、それを証券化した商品の価格も上昇し、投資する価値があったのだが、

今や、「貸したローンは返して貰えない」のだから(それが不良債権ということである)、

その債権を証券化したもの。また、それらを組み込んだ金融商品の価格が、暴落しているのである。

この変化をいち早く「ヤバい」と感じて、高値で売れた人は殆どいない。

そのうちなんとかなるだろう、と思っている間に、アメリカの不動産価格はどんどん下がる。

すると、持っている「証券化された住宅ローン債権ないし、それを組み込んだ金融商品」に含み損が生じる。

「証券化された債権」は世界中の金融機関や、個人投資家、政府系投資ファンドが買っている。

ところが、どこがどれだけ持っているか、どこの銀行がどれだけ含み損を抱えて、破綻の瀬戸際にあるか、

誰にも全貌が分からないのである。



だから、上に沢山記事を引用したが、欧州や、アジアでも金融機関同士が疑心暗鬼になっていて、

普通ならスムーズにごく短期の資金のやりとりをする各国の「短期金融市場」で、誰もが、他の銀行にドルを出したくない。

潰れるかも知れないから、ドルに限らず、日本の銀行間取引でも円の貸し借りさえ躊躇われる。



「潰れそうだ」という噂が立った銀行は途端に資金繰りに窮する。即ち、今日中に他所の銀行にカネを返さなければならないのに、

誰からも調達出来ないので返せない。いくら資産があっても、資金繰りが付かなくなったら、

人間で言えば「心肺停止状態」のようなもので、脳に10分酸素が供給されなければ、人間は死んでしまう。

金融機関は、一回資金繰りに窮したらお仕舞いなのである。



そこで、日本なら日本銀行が中央銀行であるが、中央銀行には「最後の貸し手」としての機能が求められている。

記事1では、ドイツの「ヒポ・リアル・エステート」という金融機関が資金繰りに窮していて、これが破綻したら、

今日の東京市場から、株が大暴落して、世界の金融危機を招きかねないので、政府と民間銀行団が一緒になって、

とりあえず資金繰りに困らないようにしてやった。

記事2はイタリアである。ウニクレディトという大手銀行が、資本が過少になってヤバいので、

株主に追加で出資してくれ、と頼んでいる。とりあえず公的資金は登場していないが、

潰れそうな銀行に株主が出資してくれるかどうか分からない。そのときはイタリア中銀か、

或いは欧州の何カ国かが共同で資金のプールを作っておいて、そこから、資金を供給するつもりらしい。

どうなるかはまだ、分からない。



記事3~5は、韓国、フィリピン、スウェーデンの中央銀行のステートメントである。

まだ資金繰りに窮して一刻を争うという状態の銀行はないが、国内の不安を予め抑えるため、

いざとなったら、資金繰りに困った銀行に緊急融資する準備はあるぞ、といっているのである。

そういうステートメントを発表すること自体、それぞれの国で、いつ金融危機が訪れても不思議は無い、

と各中銀が考えていることを示唆している。

日本は、潰れそうな銀行は無いが、万が一資金繰りに窮する銀行が生じては大変なので、

毎日大量の資金を日銀が市場に供給している、という状況である。


これらの記事から明らかなように、米国の金融危機が米国だけの問題だけではなく、現実に「世界の」問題になっている。

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2008.10.05

「米国株式は続落、金融安定化法案可決も米景気先行きに不安」←そうでしょうね。

◆記事1:米金融安定化法が成立=最大74兆円の公的資金投入-恐慌、ひとまず回避(10月4日5時8分配信 時事通信)

米下院本会議は3日、最大7000億ドル(約74兆円)の公的資金で金融機関から不良資産を買い取る金融安定化法案の修正案を賛成多数で可決、

ブッシュ大統領の署名を経て同法は成立した。賛成263、反対171だった。

米国発の金融恐慌という最悪の事態はひとまず回避されるが、景気を圧迫する信用収縮は当面続く見通しで、金融危機収束のめどは立っていない。

政府による金融救済策としては1930年代の大恐慌以来の規模という。

大統領は声明を発表し、「政府の介入は必要な時だけに限るべきだが、現在の状況では行動が必要なのは明白だ」として公的資金投入を正当化。

ただ「新法の効果が完全に表れるまでにはある程度時間がかかる」とした上で、「米経済は深刻な困難に直面し続ける」と述べた。

9月の連鎖的な大型金融破綻(はたん)を受け、政府は公的資金投入を決断。

政府・議会の立法化協議では公的資金の段階的投入や銀行経営者の報酬制限を決めた。

金融機関に新株取得権(ワラント)供与を求め、経営再建後に株価が上昇すれば国民が恩恵を受けられるようにした。

だが税金投入への反発は強く、下院は9月29日に当初の金融安定化法案を否決。世界同時株安の引き金となった。

政府と民主、共和両党指導部は、反対派説得のため、否決された法案を修正。買い取りの枠組みは維持した上で、

銀行の破綻に備えた預金保険を2009年末までの時限措置として1人当たり25万ドルと2.5倍に拡充する条項を追加。

10年間で約1100億ドルの減税も盛り込んだ。


◆記事2:米国株式は続落、金融安定化法案可決も米景気先行きに不安(10月4日8時39分配信 ロイター)

米国株式市場は続落。この日米下院は金融安定化法案を可決、ブッシュ大統領は法案に署名をした。

ただ、救済策はクレジット市場の問題解決や米景気後退の回避にはつながらないとの見方が広がり、売りが優勢となった。

法案可決期待で買い進まれていた金融株は、可決後に利食い売りが出た。S&P金融指数は3.9%安。

この日発表された9月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比15万9000人減となり、

5年半ぶりの大幅な減少となった。雇用減は9カ月連続。

BNYコンバージェックスのヘッドトレーダー、アンソニー・コンロイ氏は

「市場でかなりの不安感があり、それがボラティリティをもたらしている。金融安定化策はクレジット市場の問題解決にはならない、との懸念がある」

と指摘した。

ダウ工業株30種は157.47ドル(1.50%)安の1万0325.38ドル。

ナスダック総合指数は29.33ポイント(1.48%)安の1947.39。

S&P総合500種は15.05ポイント(1.35%)安の1099.23。

同指数が1100を割り込んで引けたのはほぼ4年ぶり。

週足では、S&Pとナスダックの下げは2001年9月以来最大となった。

ダウの下げは2002年7月以来最大。


◆記事3:米ビッグスリー、資金繰り改善へ 低利融資法が成立 (日経 01日 13:47)

【ワシントン=大隅隆】ブッシュ米大統領は30日、自動車産業向けの低利融資に伴う予算措置を盛り込んだ法案に署名、

同案は成立した。融資規模は250億ドル(約2兆7000億円)。

業績が悪化する米ゼネラル・モーターズ(GM)などビッグスリー(米自動車大手3社)は今回の融資を活用し環境対応車の開発などを急ぐ。

ビッグスリーが要請していたのは環境対策などの資金。GMのワゴナー会長も12日の議会公聴会で、

融資の早期実行を求めていた。自動車各社への融資に政府の保証がつく形になる見通し。

販売不振と金融環境悪化に直面するビッグスリーは、今回の低利融資により資金繰りが改善する。

自動車産業向け融資は、次期大統領候補であるオバマ(民主)、マケイン(共和)の両氏とも支持しており、

今後、融資枠拡大の可能性もある。


◆コメント:何が「不安」なのか。

今度は、さすがに下院も可決しました。が、問題は残っております。

マーケットもそのように判断したから、記事2にあるように、法案可決後もアメリカでは株価が大きく下げたのです。

全然、とはいいませんが、あまり、金融安定化法案が高く評価されていない証拠ですね。


つい先日、【金融危機】「米上院、金融法案を可決 下院3日にも採決」←下院で可決しても抜本的対策とは言えませんね。ココログはこちら)で書いたときから、

状況に大きな変化は無いので、本日は簡単に書くにとどめます。

記事1では、ゴタゴタ書いていますが、要するに決まったことで一番肝心なのは、米政府が金融機関から、不良債権を買い取ること。

それだけ、と言っていいのです。

まず、公的資金で買い取るとのことですが、アメリカは財政赤字ですから手持ちのカネで、ホイ、と買い取るという訳には行かないです。

多分、米国債を発行するでしょうね。それは、日本とか、中国が無理矢理買わされるでしょう。イヤとは言えないでしょう。

日本や、中国にまで問題が波及仕掛けているのですから。要するに不良債権を買い取るといっても、米政府が借金をして買い取る、ということですね。


それから、不良債権を買い取るといっても、一体いくらで買い取るのか?それをどうやって決めるのか。

この法案は、米国政府が金融機関から不良債権を買い取って欲しければ買い取るよ、という法案でして、

民間金融機関に不良債権を「売れ」と命令しているのではないのです。

だから、価格があまり安いと、不良債権を売らない金融機関が出る。

かと言って、税金でウォール街を救うのか、という国民感情を配慮すると(もうすぐ下院の選挙なのです)、

あまり高く、買い取るわけにはいかない。


いずれにしても、不良債権を元の値段で買い取るということにはならないでしょう。元の値段より安く買い取ることになります。

そうすると、差額が金融機関の売却損となる。これをどうやって埋めるかというと、資本を取り崩すしかないのです。

自己資本率が低下すれば、危なそうな銀行には、世界の誰もカネを貸したり、投資しなくなります。

すると、銀行は、顧客からカネを貸してくれ、と言われても必要な資金がないから貸せない。

事実、アメリカ各地では、「銀行からカネを借りられなくて、従業員の給料も支払えない」という中小企業が出ている。

中小企業だけじゃないのです。何とアメリカの三大自動車メーカー、所謂ビッグスリーまで、資金繰りに困っていたんですね。

それが、記事3です。


こういう状況が続くと、どんどんアメリカの景気は後退していく。

記事2で触れていますが、金曜日に、9月の米国雇用統計が発表されたのですが、非農業部門雇用者数が、前月比マイナス15万人。

この統計がマイナスに転じたのは、今年2月発表分(1月の統計から)です。それまで、4年5ヶ月、プラスが続いていたのです。

で、マイナス転じてから、今回で9ヶ月連続。しかも、マイナスが2桁。これだけでも、アメリカの景気のヤバさがわかります。


金融に話を戻しますが、決まったのは、「政府が金融機関から不良債権を買い取ることが出来る」ということだけ。

たとえ、買い取っても、金融機関の資本は減少する。遅かれ速かれ、今度は直接的に金融機関に公的資金を注入して、

資本を増強して演らなければならなくなるでしょう。

米国の納税者は、「税金を用いてウォール街の高給取りを救うのか」と言っていますが、

問題はウォール街だけではなくて、前述のとおり、銀行がバタバタ潰れたら自分も給料を貰えなくなるかも知れない。

銀行が資金不足で、企業が融資して貰えないため、従業員をクビにして、失業者が増える可能性も高い。

実体経済にまで、影響が及ぶと言うことを認識して貰いたい。大統領なり、財務長官もそういう具体的なコメントを

発するべきだと思います。

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2008.10.04

10年ぶりのコンサート。/ゲスト・ソリスト、エマニュエル・パユ(フルート。ベルリン・フィル首席)の演奏・お薦め。

◆昨晩、10年ぶりに生の演奏を聴きました。

今まで、色々とクラシック音楽を紹介してきましたが、ずっと引け目というか、やましさ、というか、感じていました。

細かい経緯を書くと、愚痴っぽくなるのでごく簡単に書くと、私は10年前にうつ病になり、現在はうつ病というより、

「抑うつ状態」と医師が診断する程度まで回復したのですが、この10年、気力がなくてずっと生の演奏を聴いていなかったのです。

凡そ、コンサートとかリサイタルと呼ばれるものには、ただの一度も行かなかった、というより、行けなかったのです。

このままでは、一生聴かなくなるぞ、という危惧感があったのですが、幸い、住んでいるところのそばに約2年前に大改装した、

杉並公会堂があります。

そこで、昨夜、今まで知りませんでしたが、オーストラリア室内管弦楽団という、

小編成の合奏団と、こちらは大変有名な(オーストラリア室内管弦楽団には失礼ですが)、ベルリン・フィルの首席フルート奏者

エマニュエル・パユ(Emmanuel Pahud)のコンサートがあり、

謂わば「コンサート通いのリハビリ」にちょうど良いと思い、聴いてきました。これです→ダウンロード 081003Pahud.jpg (104.1K)

オーストラリア室内管弦楽団の公式サイトにも(当たり前ですが)2008Asia Tourのページに、

Friday 3 October, 7pm TOKYO Suginami Koukaidou

と記載されております。

行く前は、自分が演奏するわけでもないのに、あまりにも久しぶりに「コンサートへ行く」ので、緊張してしまいましたが(滑稽です)、

行ってみたら、何のことはない。10年のブランクの前に、25年間ぐらい、頻繁にコンサートに行っていた所為でしょうか、

「場」の雰囲気に一瞬にして馴染むことができました。音楽が始まったら、もう、完全に以前の感覚です。

もう少し、劇的な感情、つまり、「久々に接する生の音楽を聴いているうちに涙がこぼれた」ということになるかと思ったんです。

決してコンサートが悪かったのでも何でもない。拍子抜けした、ということです。

「どうして、10年も聴かなかったんだ?俺は?」ということです。

しかし、行って良かった。楽しかったです。


◆10年ぶりに聴いて「演奏会評」はおこがましいので、ちょっとだけ感想。

このコンサートは、あくまでも「オーストラリア室内管弦楽団の海外公演」なのですが、いきなり、

「オーストラリア室内管弦楽団」といっても(甚だ失礼ながら)あまり知る人がいないので、客を呼べない。

そこで、エマニュエル・パユ氏をソリストに迎えたのでしょう。

オーストラリア室内管弦楽団は、十分に素晴らしい。18名編成の弦とチェンバロのアンサンブルですが、

ホール全体に驚くほど響き渡り、よーく鳴っていました。

生のコンサートでは、音は耳だけではなく、音が聴き手の全身に伝わります。

音自体、ヘッドフォンなどで聴くのとはことなり、聴衆の全身にぶつかるわけです。聴衆の身体に共鳴するわけです。

さらに、奏者が楽器を弾くとその音は奏者の身体からステージの床→客席の床→聴衆の足、に伝わる。

コンサートでは、文字通り全身で音楽を堪能する、その感覚が蘇りました。



ゲストのエマニュエル・パユ氏は、最早、文句が付けようのない、テクニックと音楽性の持ち主です。

これは、私がゴタゴタ書く必要がないほどです。ただ、彼の出番は、全部、ヴィヴァルディのコンチェルトだったので、

彼にとっては、少し易しすぎたのではないかと思います。

けれども、美しく、良く通る、しかも柔らかい音色が素晴らしかったです。

私は、一階席の最後列だったのですが、ピアニッシモまで、よく聞こえました。


因みにパユ氏は日本が大変好きで(本人が言ってます)、しばしば来日します。

これは彼の意思とは無関係ですが、11月(来月)、ベルリン・フィルが来日しますから、

首席フルート奏者のパユ氏も当然、来るでしょう。そして驚いたことに、12月にも来日予定があります。


◆エマニュエル・パユによる、バッハ:管弦楽組曲第2番の一部をお聴き下さい。

エマニュエル・パユ氏のことは、上記のリンクにもひととおりかいてありますが、ウィキペディアにも説明があるので、

ご覧下さい。フランスものを多く録れているようですが、私が愛聴しているのは、バッハの管弦楽組曲2番を含むCDです。

この中から、終わりの4曲、ブーレ、ポロネーズ、メヌエット、バディネリをお聴き下さい。

ブーレです。ブーレIとIIから出来てます。私は、ブーレIIがとても好きなのですが、

パユ氏はブーレIIでぐっとテンポを落としていますが、これはどうかなー。

ま、解釈、乃至、趣味の問題です。どうぞ。





ポロネーズです。正確には途中、ドゥーブルという部分を含みます。フルートの細かい動きが続きます。見事です。




メヌエットです。




難しい曲ではありませんが、大変美しい。

最後、短い曲ですが、速く細かい動きが続くバディネリです。難しい。とても大変です。

最初の音型が「とってもとってもたいへんだ」に聞こえます。





名手のパユ氏には、全然「大変」ではないようです。

譜面どおりではなく、一層難しく変えて吹いていますが、難しそうに聞こえない。

名人の名人たる所以です。

間もなく、バッハの(伴奏付き)ソナタのCDが発売されるようです。

財布の中を見て、出来れば聴いてみたいと思います。

それでは、失礼致します。

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2008.10.03

【金融危機】「米上院、金融法案を可決 下院3日にも採決」←下院で可決しても抜本的対策とは言えませんね。

◆記事1:米上院、金融法案を可決 下院3日にも採決、成立なお不透明(日経 2日 11:04)

米上院は1日夜(日本時間2日午前)の本会議で、預金者保護の拡大などを盛り込んだ金融安定化法案の修正案を賛成多数で可決した。

下院が否決した法案に税制優遇措置などを加え、幅広い支持取り付けに配慮した。

下院は3日にも修正案を採決する予定だが、前回の本会議で造反した共和、民主両党議員の動向は不透明で、

法案の行方はなお予断を許さない。投票結果は賛成74、反対25だった。

民主党のリード院内総務は法案可決後、記者団に「この法案は米国のためのものだ。

下院も同調することを期待する」と表明した。上院幹部は党派を超えた圧倒的多数による可決で、

週内成立に弾みをつけたい考えだ。上院での法案可決を受けてブッシュ大統領は

「米国民と米経済は、下院が修正案を週内に可決することを期待している」との声明を発表した。


◆記事2:東証大引け・大幅反落、年初来安値――米金融不安や景気悪化で (日経 02日 15:25)

2日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落。終値は前日比213円50銭(1.88%)安の1万1154円76銭で、

2営業日ぶりに年初来安値を更新。2005年5月26日(1万1027円94銭)以来、約3年4カ月ぶりの安い水準を付けた。

朝方こそ続伸で始まったものの、その後は米金融問題に対する不透明感や世界的な景気悪化を懸念した売りで下げ幅を拡大し、

大引けにかけ一段安となった。東証株価指数(TOPIX)も大幅に反落し、2営業日ぶりに年初来安値を更新した。

前場中ごろ過ぎに米金融安定化修正法案が上院で可決されたと伝わったが、その後はむしろ売りが優勢になった。

上院での可決は織り込み済みとして、下院での審議や法案の実効性などを見極めたいとの雰囲気が広がったという。

高く始まった大手銀行株は後場に入り、徐々に弱含んだ。


◆記事3:米景気、急激に悪化の公算=金融危機、最も深刻-IMF分析(10月2日23時32分配信 時事通信)

【ワシントン2日時事】国際通貨基金(IMF)は2日、世界経済見通し(WEO)の分析部分を公表した。

過去の金融混乱と経済の関係について考察し、米国経済が急激に悪化する可能性が極めて強いと結論付けた。

IMFは過去30年間、先進17カ国で発生した銀行、証券、為替市場での113の金融混乱の事例を調査。

その結果、米国が現在直面する金融危機は「最も深刻な事例の一つ」で、対象国のほぼすべてに波及していることが分かった。


◆コメント:日経、朝日、毎日、読売の社説を読みましたが、これほど同じ趣旨になるのは(今回は当然なのですが)珍しい。

私は、何度もここで米国から始まった金融危機は世界に波及する怖れがある、と書きましたが、市井の一般人がいくら書いても

信頼性に欠けるでしょう。そこで、9月29日、米下院が金融法案を否決した翌朝の、

日経、朝日、毎日、読売の社説を読みました。事態を客観的に見たら同じ結論になるのは、当然なのですが、

4大紙の社説が、これほど同じ論調になるのは珍しい。
◆日経:社説 米国は金融恐慌回避へ責任ある行動を(10/1)

世界の市場関係者があぜんとしたのではないか。

米下院は29日、深刻化する金融危機に対応して打ち出された米金融安定化法案を否決した。

市場の混乱を深め、世界的な金融恐慌を招きかねないという認識がまるで欠けた無責任な行為である。

米政府と議会は、公的資金を使った不良資産の買い取りという大枠を維持しつつ、

速やかに修正法案をまとめ、成立させるべきだ。日本政府も米国に対して強い危機意識を明確に伝えるべきだろう。



◆朝日社説:米金融法案否決―世界への責任を自覚せよ(2008年10月1日(水))

世界の金融史に残る動乱の9月。その大詰めに、とんでもないどんでん返しが控えていた。

米議会下院が、7千億ドル(約75兆円)の公的資金で銀行・証券の不良資産を買い上げる金融安定化法案を否決してしまった。

危機の連鎖を恐れた世界中の株式市場は総崩れとなった。

同じ日に欧州でも銀行の国有化が相次ぎ、危機が広がっていた。

信用不安から、金融機関の間でのドル資金の貸し借りが世界的にマヒしているため、

日米欧の中央銀行がドル供給の追加を表明した直後の否決である。

世界経済は恐慌という地獄のふちに立っているといっても過言ではない。

法案をこのまま葬れば、世界の金融システムは大混乱に陥る恐れがある。

米国の政府と議会は、その責任を自覚すべきだ


◆毎日社説:米金融法案否決 深まる危機に目を覚ませ 市場の安定化は米国の責任だ。

現実の世界で深まる危機の重大さを、政治の世界は理解できなかったようだ。

米国発の世界金融恐慌を食い止めるうえで、重要な一歩と見られていた金融安定化策を、米下院が否決した。

マラソン協議の末、政府と議会の両党指導部がやっと合意した法案だった。

それが多数の議員の造反により葬られるという、まさかの結果となり、世界が震え上がった。

ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、史上最大の下げ幅を記録し、

動揺は日本などアジア市場にも及んで、我々を不安の渦に巻き込もうとしている。

米国の政治家は、市場の警鐘を謙虚に受け止め、目を覚ます時だ。


◆読売社説:米国発金融危機 米政府と議会は迅速に動け(10月1日付・読売社説)

世界経済は恐慌の瀬戸際、という声さえ出てきた。米国発の金融危機はなんとしても抑え込む必要がある。

米国政府と議会は、サブプライムローン問題の“震源地”として、責任を自覚してもらいたい。

金融安定化法案の成立を急ぐべきだ。

何度も同じ事を書きますが、現在、世界中の金融システムが危機に晒されているのはサブプライムローン問題に端を発している。

世界に迷惑をかけていることをアメリカは認識するべきなのです。新聞の論調が同じであるのは、それが客観的事実だからです。


◆金融危機により、世界同時株安になると、何が困るのか。

国内の会社は皆多かれ少なかれ、株に投資しています。日本の株価も米国につられて、今日は年初来安値を付けました。

すると、評価損が出ます。決算に影響します。業績が悪くなります。


これは、日本の銀行も例外ではない。大手銀行6グループの9月期末の株式の含み益は合計で約2兆8000億円と、

3月期の約3兆8500億円から27%も減少しています。銀行自身の評価益が減る、つまり業績悪化が予想されるわけです。

さらに前述の通り、国内の会社(事業会社。普通の会社)も株安で決算が予想より悪くなります。

銀行は、自分自身が保有する株の評価益が減っているので、下手なことは出来ない、と考え、業績が悪化している会社へ、

お金を貸さなくなります。貸し渋りという奴ですね。

これが極端になると、企業が連鎖的に倒産する。


銀行自身も「あの銀行は危ないのではないか」などという「風評」が流れただけで、

他の銀行から短期金融市場で資金を調達出来なくなったり、お客さんが預金を引き出そうと殺到する「取り付け」騒ぎがおきます。

資金を調達できなれば、資金繰りが付かないのですから、潰れます。

すると、その銀行にカネを貸していた銀行が潰れる。これが金融恐慌のひとつの典型的な形です。


◆どうすればよいのでしょう。

米国上院は、修正金融法案を可決しました。これを下院が3日に採決します。

今度は可決する、と思いたいですけどね。何の保証もない。

また否決したら、世界中パニックでしょうね。


しかし、同法案が可決されたとしても、問題の抜本的解決にはならないのです。

現在米国が提唱しているのは、公的資金で米国の金融機関から不良債権を買い取る。

買い取るのだから、銀行にはお金が少しは入ります。とりあえずの資金繰りには助かります。

しかし、今まで既に不良債権処理の為、米銀は資本を取り崩しているので、経営基盤が弱くなっています。

不良債権だって、米国の不動産価格は下がり続けているのですから、新たな不良債権が生じる。

キリがないのです。

だから、本当は、今回の金融法案は、「応急処置」みたいなものです。

米国の銀行が連鎖的に破綻して金融恐慌になるかも知れない、という世界の不安を除去するためには、

公的資金を直接銀行に注入して、資本の充実を図らないと、世界同時株安が続く可能性があります。

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2008.10.02

【音楽】"Fly Me to the Moon"

◆ちょうど1年前に、お聴き頂いて好評だったので。

最初に書いておきますが、つい先日、往年の日本の「歌謡曲」を載せ、今日はジャズを載せるのですが、

クラシックから転向した訳ではありません。たまたま、クラシック以外の曲を聴きたくなった時期が接近していただけです。

これからもクラシックはご紹介しますので、ご心配なく。


何故、"Fly Me to the Moon"か、というと、ちょうど1年前に偶々これを載せてココログはこちら)、

ご好評を頂いたのと、私自身、久しぶりに聴きたくなったからです。


この曲は有名なジャズのスタンダード・ナンバーですが(と思っていたのですが)、

ウィキペディアで調べたら、もともとは、スウィングしない三拍子の静かな曲なのですね。

それにしても、ウィキペディアの記事を読み、"Fly Me to the Moon"をカバーしている歌手・バンドが、

これほど多いとは驚きました。


◆昨年と、シナトラだけ重複しますが、それ以外は、別の歌手、バンドでお聴き頂きます。

前述の通り、非常に多く、内外の歌手・バンドがカバーしている曲ですけれど、やはり、Fly Me to the Moonが大ヒットしたのは、

フランク・シナトラが歌ってからです。ちょっとイントロが長すぎるんですけど、スウィング感がたまりません。

シナトラでまず、どうぞ。





専属のビッグバンドを持っていたシナトラですが、上手いっすねー。シナトラも、勿論いいですけど。

"In other words!"が何とも良いです。



次は、女性のジャズ・ヴォーカル。既に故人ですが、サラ・ボーン(Sarah Vaughan)という人です。

この方も第一人者ですが、"A Lover's Concerto"という、「バッハのメヌエット」をアレンジした曲で有名です。

ここだけ、クラシックになりますが、ちょっと原曲を。クラシック・アコーディオンの名手、御喜美江(みき・みえ)さんで。





話が"Fly Me to the Moon"から逸れますが、この御喜美江さんはすごいんですよ。

もっと聴きたい方は、Accordion Bachに入ってます。


さてさて、このメヌエットをジャズというか、ポップスにアレンジして、大ヒットしたのが、サラ・ボーンの"A Lover's Concerto"

(ラバーズ・コンチェルト)です。Fly Me to the Moonの前にこれをどうぞ。





アレンジも、録音も古いんですが、雰囲気がいいですよね。

この、サラ・ボーンが歌った、"Fly Me to the Moon"です。シナトラと全然、雰囲気が異なります。





しっとりと歌っています。この人に限らず、アメリカのポップスとかジャズの歌手で有名になった人はやはり上手い。

少なくとも音程が今の日本の若い歌手とは比べものにならないぐらい、正確です。



しかし、日本の若い人でも"Fly Me to the Moon"を歌って上手い人がいました、宇多田ヒカルさんです。

アレンジは、如何にも今っぽいですけどね。それは、まあ、好みの問題で。

他の人と違って、宇多田ヒカルさんの"Fly Me to the Moon"が実は、全曲をちゃんと歌っている「正規」の型です。

どういうことかというと、みんな、"Fly Me to the Moon・・・"と歌い始めますが、この歌にはその前に序奏部があるのです。

本当の歌詞を全部載せておきます。宇多田ヒカルさんは次のとおり

(若干単語が違うところがありますが、それはシナトラもそうなんです)歌っている。却って珍しい例です。

Poets often use many words to say a simple thing.

簡単なことを伝えるために、詩人はいろいろな言葉を使う

It takes thought and time and rhyme to make a poem sing.

その詩を囁くために、思案して、時間をかけて、音を乗せる

With music and words I've been playing.

音楽と言葉を添えて、私はそうしよう

For you I have written a song

あなたのために私は歌を書いた

To be sure that you'll know what I'm saying,

私が何を言いたいのか、わかってくれると信じてる

I'll translate as I go along.

進むにつれて、解き明かしていくでしょう

(引用者注:多くはこのあとから歌い始めます)


Fly me to the moon

私を月へ連れてって

Let me sing among those stars

星々の間で歌わせて

Let me see what spring is like On Jupiter and Mars

木星や火星の春がどんな様子か私に見せて

In other words, hold my hand

つまりね、、、手をつないで

In other words, darling(baby) kiss me

つまりね、、、ねぇキスして


Fill my heart with song

歌が私の心を満たす

Let me sing for ever more

ずっと、もっと歌わせて

You are all I long for

あなただけが私にとって何ものにも代えられない、

All I worship and adore

あなただけが大切で尊いもの

In other words, please be true

つまり、「真実(ほんとう)にしてほしい」ってこと

In other words, I love you

言い換えると、、、「愛しています」

素直で美しい歌詞だと思います。

それでは、宇多田ヒカルさんの"Fly Me to the Moon"をどうぞ。





さて、最後は、歌ではなくて、器楽(インストゥルメンタル)です。

あたしゃ、知らなかったけど、東京ブラススタイルという、女性だけのバンドがあるのですね。

トランペット、トロンボーン、アルト・テナー・バリトンサックス、リズムセクションから編成されていて、公式サイトは何かチャラチャラしてますけど、

上手です。時折「おい、君、大丈夫かね?」になりかけるところがあるのですが、決して下手ではない。

各人、ちゃんと楽器の勉強をしていることは、間違い無い。デタラメな所はないです。

どうぞ。





と言うわけで、音楽を載せる日は、結構手間がかかるので日付が変わってしまいました。

明日でも、ゆっくりお聴き下さい。

それでは、失礼いたします。

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2008.10.01

「金融安定化法案を否決=税金投入反対派を抑えられず-米下院」米国民は、世界金融危機の根源は自分たちにあることを自覚せよ。

◆記事:金融安定化法案を否決=税金投入反対派を抑えられず-米下院(時事通信 2008/09/30-12:34)

米下院は29日、本会議を開き、最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金で金融機関から不良資産を買い取る

金融安定化法案(2008年緊急経済安定化法案)を共和党保守派などの反対多数で否決した。

議会は10月2日に再開されるが、法案の行方は全く見通しが立たなくなっている。

法案否決を受けて、ブッシュ大統領は30日朝に、金融システム安定策について緊急声明を出す。

米国だけでなく世界の市場は金融システム安定のカギを握る同法案の行方を注視。

市場の不安を沈静化する対策が早期に実施されなければ、金融恐慌に発展する可能性があり、

日本などにも影響が波及するのは必至だ。

投票結果は賛成205、反対228。政府の民間介入と税金投入に反対する共和党保守派に加え、

民主党でも造反者が続出した。経営に失敗した大手銀行を税金で救済することには国民の反発が強く、

11月の大統領選や上下両院選を控えて、地元有権者の声を強く意識した下院議員が多かったとみられる。


◆コメント:アメリカ人は、自分たちが世界を金融危機に陥れる原因を作ったことを自覚しろ。バカ。

今更言うまでもなく、先週月曜日に巨大証券会社、リーマン・ブラザーズが破綻した頃から、

ボチボチ、世の人々も事の深刻さに気付き始めているようだが、まだ、良く分かっていないようだ。

アメリカ発の金融危機は、前FRB議長、アラン・グリーンスパン氏が、

100年に1度の深刻な金融危機に発展する怖れがある

と、言ったほどのことである。

要するに、世界が1929年10月24日「暗黒の木曜日」に端を発した恐慌に陥ったときに匹敵するほどの

深刻な事態かも知れないのである。


米国政府は、この問題の解決に公的資金を用いることを渋っていたが、リーマンを救済しなかったことによる、

世界の金融市場の混乱を見て、非常に狼狽した。そして、金融機関から公的資金(税金)で、不良債権を買い取る、

という「金融支援策」を考えた。世界中の金融関係者は、アメリカの所為でこれほど世界の金融界が混乱しているのだから、

ほぼ100パーセント確実に、法案が可決されると考え、少し安心仕掛けたところだった。


ところが、下院は否決した。有権者の怒りを買うことを恐れたようだ。

アメリカの一般市民は、民間金融機関を救済するのに、自分たちが納めた税金が使われることに、抵抗がある、という。

ふざけるな、と言いたい。そもそも、世界の金融市場が混乱している大元は、サブプライムローンが不良債権化したことにある。


◆サブプライムローン問題とは、返済する見通しもない連中が住宅ローンを借りて、返せなくなった、ということだ。

リーマンが潰れたり、他の金融機関や、世界の投資家が莫大な評価損を抱えているのは、

低所得者層向け住宅ローンを、住宅金融専門の金融機関が貸しまくり、借りる方は、返せるメドが立っていないのに、借りた。

そこに全ての問題の根源がある。返せそうに無い奴にカネを貸しまくったアメリカの住宅ローン専門金融機関の経営方針も悪いが、

返せる宛が無い住宅ローンを借りて、返せなくなり、いまだに返さない奴も図々しい。それが「不良債権」なのだ。


金融機関が、貸金を回収できなくなったら、貸倒引当金を積まねばならぬ。その為、資本を取り崩す。それで、

自己資本が減り、潰れる銀行が、アメリカでは今年になって既に12行もある。

また、サブプライムローン債権を証券化した金融商品を世界中の投資家が買っている。

ローンの債権を証券化している、ということは、そのローンが回収不能になれば、証券は紙屑になる。

更に、アメリカ政府が潰す訳がないと思っていた、超巨大証券会社、リーマン・ブラザーズが発行した社債や、

リーマンの株に投資していた、つまりそれらを買っていた人にとって、もはや、リーマンの社債や株はやはり、

紙屑同様だ。世界中で多くの投資家が多額の評価損を抱えている。それによって潰れる投資家(銀行など)が、

あと、どれ程出るか分からないのである。


◆アメリカ国民は、税金を使いたくないのなら、借りた住宅ローンを返済してみろよ。出来るのならば。

アメリカ人の考え方は、バカとしか表現出来ない。

自分たちが住宅ローンを借りて、踏み倒して(不良債権を作って)、金融機関を破綻に追い込んだ癖に、

アメリカ政府が、債務者が返済する変わりに、その不良債権を金融機関から買い取ってやろう、といっているのに、

そんなことに税金を使うべきではない、と言っているのだ。

それなら、とっとと、住宅ローン完済しろよ。そうすれば不良債権はなくなる。

アメリカ政府が買い取る必要もなくなる。

でも、借金をかえせないのだろ?

繰り返すが、今や、それが原因で、世界中の金融システムが危険に晒されているのだ。

勝手なことばかり言うな。下院はもう一度法案を審議して、今度こそ可決しろ。

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