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2008.10.05

「米国株式は続落、金融安定化法案可決も米景気先行きに不安」←そうでしょうね。

◆記事1:米金融安定化法が成立=最大74兆円の公的資金投入-恐慌、ひとまず回避(10月4日5時8分配信 時事通信)

米下院本会議は3日、最大7000億ドル(約74兆円)の公的資金で金融機関から不良資産を買い取る金融安定化法案の修正案を賛成多数で可決、

ブッシュ大統領の署名を経て同法は成立した。賛成263、反対171だった。

米国発の金融恐慌という最悪の事態はひとまず回避されるが、景気を圧迫する信用収縮は当面続く見通しで、金融危機収束のめどは立っていない。

政府による金融救済策としては1930年代の大恐慌以来の規模という。

大統領は声明を発表し、「政府の介入は必要な時だけに限るべきだが、現在の状況では行動が必要なのは明白だ」として公的資金投入を正当化。

ただ「新法の効果が完全に表れるまでにはある程度時間がかかる」とした上で、「米経済は深刻な困難に直面し続ける」と述べた。

9月の連鎖的な大型金融破綻(はたん)を受け、政府は公的資金投入を決断。

政府・議会の立法化協議では公的資金の段階的投入や銀行経営者の報酬制限を決めた。

金融機関に新株取得権(ワラント)供与を求め、経営再建後に株価が上昇すれば国民が恩恵を受けられるようにした。

だが税金投入への反発は強く、下院は9月29日に当初の金融安定化法案を否決。世界同時株安の引き金となった。

政府と民主、共和両党指導部は、反対派説得のため、否決された法案を修正。買い取りの枠組みは維持した上で、

銀行の破綻に備えた預金保険を2009年末までの時限措置として1人当たり25万ドルと2.5倍に拡充する条項を追加。

10年間で約1100億ドルの減税も盛り込んだ。


◆記事2:米国株式は続落、金融安定化法案可決も米景気先行きに不安(10月4日8時39分配信 ロイター)

米国株式市場は続落。この日米下院は金融安定化法案を可決、ブッシュ大統領は法案に署名をした。

ただ、救済策はクレジット市場の問題解決や米景気後退の回避にはつながらないとの見方が広がり、売りが優勢となった。

法案可決期待で買い進まれていた金融株は、可決後に利食い売りが出た。S&P金融指数は3.9%安。

この日発表された9月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比15万9000人減となり、

5年半ぶりの大幅な減少となった。雇用減は9カ月連続。

BNYコンバージェックスのヘッドトレーダー、アンソニー・コンロイ氏は

「市場でかなりの不安感があり、それがボラティリティをもたらしている。金融安定化策はクレジット市場の問題解決にはならない、との懸念がある」

と指摘した。

ダウ工業株30種は157.47ドル(1.50%)安の1万0325.38ドル。

ナスダック総合指数は29.33ポイント(1.48%)安の1947.39。

S&P総合500種は15.05ポイント(1.35%)安の1099.23。

同指数が1100を割り込んで引けたのはほぼ4年ぶり。

週足では、S&Pとナスダックの下げは2001年9月以来最大となった。

ダウの下げは2002年7月以来最大。


◆記事3:米ビッグスリー、資金繰り改善へ 低利融資法が成立 (日経 01日 13:47)

【ワシントン=大隅隆】ブッシュ米大統領は30日、自動車産業向けの低利融資に伴う予算措置を盛り込んだ法案に署名、

同案は成立した。融資規模は250億ドル(約2兆7000億円)。

業績が悪化する米ゼネラル・モーターズ(GM)などビッグスリー(米自動車大手3社)は今回の融資を活用し環境対応車の開発などを急ぐ。

ビッグスリーが要請していたのは環境対策などの資金。GMのワゴナー会長も12日の議会公聴会で、

融資の早期実行を求めていた。自動車各社への融資に政府の保証がつく形になる見通し。

販売不振と金融環境悪化に直面するビッグスリーは、今回の低利融資により資金繰りが改善する。

自動車産業向け融資は、次期大統領候補であるオバマ(民主)、マケイン(共和)の両氏とも支持しており、

今後、融資枠拡大の可能性もある。


◆コメント:何が「不安」なのか。

今度は、さすがに下院も可決しました。が、問題は残っております。

マーケットもそのように判断したから、記事2にあるように、法案可決後もアメリカでは株価が大きく下げたのです。

全然、とはいいませんが、あまり、金融安定化法案が高く評価されていない証拠ですね。


つい先日、【金融危機】「米上院、金融法案を可決 下院3日にも採決」←下院で可決しても抜本的対策とは言えませんね。ココログはこちら)で書いたときから、

状況に大きな変化は無いので、本日は簡単に書くにとどめます。

記事1では、ゴタゴタ書いていますが、要するに決まったことで一番肝心なのは、米政府が金融機関から、不良債権を買い取ること。

それだけ、と言っていいのです。

まず、公的資金で買い取るとのことですが、アメリカは財政赤字ですから手持ちのカネで、ホイ、と買い取るという訳には行かないです。

多分、米国債を発行するでしょうね。それは、日本とか、中国が無理矢理買わされるでしょう。イヤとは言えないでしょう。

日本や、中国にまで問題が波及仕掛けているのですから。要するに不良債権を買い取るといっても、米政府が借金をして買い取る、ということですね。


それから、不良債権を買い取るといっても、一体いくらで買い取るのか?それをどうやって決めるのか。

この法案は、米国政府が金融機関から不良債権を買い取って欲しければ買い取るよ、という法案でして、

民間金融機関に不良債権を「売れ」と命令しているのではないのです。

だから、価格があまり安いと、不良債権を売らない金融機関が出る。

かと言って、税金でウォール街を救うのか、という国民感情を配慮すると(もうすぐ下院の選挙なのです)、

あまり高く、買い取るわけにはいかない。


いずれにしても、不良債権を元の値段で買い取るということにはならないでしょう。元の値段より安く買い取ることになります。

そうすると、差額が金融機関の売却損となる。これをどうやって埋めるかというと、資本を取り崩すしかないのです。

自己資本率が低下すれば、危なそうな銀行には、世界の誰もカネを貸したり、投資しなくなります。

すると、銀行は、顧客からカネを貸してくれ、と言われても必要な資金がないから貸せない。

事実、アメリカ各地では、「銀行からカネを借りられなくて、従業員の給料も支払えない」という中小企業が出ている。

中小企業だけじゃないのです。何とアメリカの三大自動車メーカー、所謂ビッグスリーまで、資金繰りに困っていたんですね。

それが、記事3です。


こういう状況が続くと、どんどんアメリカの景気は後退していく。

記事2で触れていますが、金曜日に、9月の米国雇用統計が発表されたのですが、非農業部門雇用者数が、前月比マイナス15万人。

この統計がマイナスに転じたのは、今年2月発表分(1月の統計から)です。それまで、4年5ヶ月、プラスが続いていたのです。

で、マイナス転じてから、今回で9ヶ月連続。しかも、マイナスが2桁。これだけでも、アメリカの景気のヤバさがわかります。


金融に話を戻しますが、決まったのは、「政府が金融機関から不良債権を買い取ることが出来る」ということだけ。

たとえ、買い取っても、金融機関の資本は減少する。遅かれ速かれ、今度は直接的に金融機関に公的資金を注入して、

資本を増強して演らなければならなくなるでしょう。

米国の納税者は、「税金を用いてウォール街の高給取りを救うのか」と言っていますが、

問題はウォール街だけではなくて、前述のとおり、銀行がバタバタ潰れたら自分も給料を貰えなくなるかも知れない。

銀行が資金不足で、企業が融資して貰えないため、従業員をクビにして、失業者が増える可能性も高い。

実体経済にまで、影響が及ぶと言うことを認識して貰いたい。大統領なり、財務長官もそういう具体的なコメントを

発するべきだと思います。

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