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2008.10.30

「ネット証券 問い合わせ相次ぐ」←止めた方がいいってば。

◆記事:ネット証券 問い合わせ相次ぐ(NHK 10月29日 14時15分)

日経平均株価が8000円台を回復した29日、インターネット専業の証券会社には、

株式を買うために新たに口座を開こうという個人などから、資料請求や相談の電話が相次いでいます。

このうち、東京・中央区に本社があるインターネット専業の証券会社では、午前8時の受け付け開始から電話が相次ぎ、

オペレーターをふだんより10人多い40人に増やして対応に当たっています。この中では、

株式を買うため新たに口座を開きたいという個人から必要な資料を求める電話や、

久しぶりに取り引きを再開しようとホームページの操作方法を問い合わせる電話が多いということです。

カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは

「ヘッジファンドなどが株式を現金に換える『換金売り』の嵐が収まってきたことに加えて、

日米での利下げの観測や日本の空売り規制の強化なども好意的に受け止められている。

株が安い今をチャンスとみている個人投資家が増えている」と話していました。


◆コメント:マーケットは自己責任ですから「大きなお世話」なんですが・・・。

日中、このNHKの記事を読んだ時、私は目を覆いたくなりました。

今日、東京株式市場で日経平均株価はの終値は8211円90銭で、前日比、約590円高でした。

NHKの報道はまだ、市場が終わる前のものですが、この、

「8000円台を回復したから、新しく株の口座を開設して、株式を購入する」

という発想が、理屈では上手く説明出来ませんが、如何にも「素人」なんです。

これは、世界の金融危機が去ったわけでもなく、世界景気が突如回復に向かい始めた(そんなこと、あり得ません)訳でもない。

空売りから入っていた、プロの投資家が買い戻しただけです。ここから買ったら、必ず下がります。

と言っても、読者の皆さんは、私が何処の馬の骨か分からないのですから、信用出来るか分からないでしょう。

それでは、プロがどのように考えているか、記事を読んでみましょう。
◆記事:東証 8千円台回復 ただ市場は「上昇続かず」の見方多く(10月29日23時43分配信 毎日新聞)

29日の東京株式市場は、日銀の利下げ観測などで円安が進んだことから、4営業日ぶりに日経平均株価が終値で8000円台を回復した。

しかし、電機、自動車など輸出関連企業の業績は海外市場の不振から厳しさを増しており、

市場では「このまま株高基調に入るような環境にはない」との見方が多い。

29日午前、円相場が一時、1ドル=98円台に急落したため、

「円高の影響で輸出依存度が高い国内企業の業績は悪化する」(大手証券)との警戒感が薄れ、市場に買い安心感をもたらした。

午後の取引では当面の利益を確定する売りに押され、一時、日経平均の上げ幅が100円台まで縮小したが、

割安感から年金や個人など、株を長期保有する投資家とみられる買いが入り、上げ幅を拡大した。

日経平均は27日、03年4月につけたバブル経済崩壊後の最安値(終値7607円88銭)を更新。

28日午前には一時、約26年ぶりに7000円を割り込むなど急落していた。底値が見えない不安感の中、

28日午後からようやく上昇に転じ、28、29日を合わせた上げ幅が1000円を超えたことは「投資家に一定の安心感を与えた」(大手証券)。

しかし、市場は、このまま日経平均が上昇を続けることに懐疑的だ。

世界景気が回復する兆しは見えず、為替相場も、企業の想定レートを超える円高が続くとの見方が支配的。

今週から本格化した08年9月中間決算発表で業績悪化が鮮明になったり、

経済指標で個人消費の弱さが確認されれば、売り圧力が強まり株価下落が加速する可能性は強い。

SMBCフレンド証券の中西文行ストラテジストは「今の株価回復は一時的だ。

これから景気悪化が鮮明になり、さらに日経平均が下落する場面がありそうだ」と指摘する

どうですか?これが正真正銘のプロの意見です。


◆三井住友フィナンシャルグループが業績予想を下方修正しました。米国初の金融危機以降、邦銀では初めてです。

さらに、29日午後、三井住友フィナンシャル・グループが、業績予想を下方修正しました。従来予想を60%下回って入るんですよ。

リーマン・ブラザーズ破綻以降の金融危機の中で、日本のメガバンクが業績予想を下方修正したのは、初めてです。

勿論、原因は、昨今の株安による評価損と国内景気の低迷により、不良債権が増加しているからです。
◆記事:連結純利益が6割減=不良債権の急増で-三井住友FG中間決算(10月29日19時1分配信 時事通信)

三井住友フィナンシャルグループ(FG)は29日、2008年9月中間決算の連結純利益について、

従来予想の2100億円を59.5%下回る850億円に下方修正したと発表した。1000億円割れは04年9月中間決算以来4年ぶり。

世界的な金融危機の中、貸出先の経営悪化で不良債権処理額が従来見通しを大幅に上回ったほか、株安による減損処理も響いた。

09年3月期の連結純利益予想も従来の4800億円に比べ62.5%減の1800億円とした。

ここで、懸念されるのは、90年代のバブル崩壊後の不良債権とは、性格が異なることです。

あれは、バブルで土地の値段がどんどん上がるのに、投資しようとする投資家に銀行が節操も無くカネを貸し、

ある時、突然、不動産価格が下がり始めたので、投資家がバタバタとつぶれたのです。


今回は、日本の経済実体が確実に悪化していて、真面目に商売をしている会社も、儲けが出ず、

銀行からの借金を返せない、という「不良債権」です。それほど日本の景気は後退しているのです。

これほど、景気が悪いときに、株を始めるのは危険です。


◆どうしてもやりたいなら、何年でも戻るのを待つ覚悟で。それから「信用取引」は絶対やってはいけません

これほど書いても、いや、俺は株を始めるのだ、という方もいらっしゃるでしょう。

日本は、自由経済、市場経済の国ですから、それは自由ですが、2点だけ忠告したいと思います。


まず、初心者が短期売買をしてはいけません。

株式市場には、ありとあらゆる参加者がいます。中でもヘッジファンドという、金持ちからお金を集めて運用することを

任されている投資のプロがいますが、想像を絶する巨額の資金を持っています。彼らが何らかの情報を得て、売買を行うと、

相場は乱高下します。それを追いかけて、上がっているから買う、下がっているから売る、ということをすると必ず失敗します。


もう一つご忠告します。

株の取引には信用取引という方法があります。要するに「借金取引」です。

証券会社に、現金や既に保有している株式を担保として差し入れると、証券会社がお金や株式を貸してくれます。

これにより、二つのことが可能になります。

1.手持ちの現金以上のお金を使って株を買うことが出来る。

2.空売りをすることが出来る。

空売りとは、実際には自分で株をもっていないのに、証券会社に株を貸して貰って売るのです。

上手く相場が下がれば、下がったところで買い戻せば、差益が出て、買った証券は、借りていた証券会社に返却します。

1.の場合。信用取引でお金を借りて株を買った後、その株の値段がどんどん下がると、担保を追加で差し入れなければならなくなります。

これを「追い証」といいます。これを期日までに入金するために、サラ金からお金を借りる、などというとんでもないハメに陥る人がいます。



2.の「空売り」は更に恐ろしい。空売りのリスクは無限大です。

前述の通り、信用取引で証券会社から株を借りて、市場で売ったとします。売ったときの株価が100万円だったとしましょう。

繰り返しますが、信用取引では、株を証券会社から「借りて」いるのですから、期日には返さなければなりません。

期日までに株を買い戻さなければならない。もしも、売ったときよりも株価が下落していたら、ラッキーです。

しかし、何らかの要因で株価が反騰(下がっていた株価が逆に上がること)していたらどうなるか。

もし、100万円で売った株が1000万円になっていたとしても、貴方は株を買って、証券会社に株を返さなければならない。

手許にお金が無ければ、借金をしてでも、1000万円の株を買わなくてはならないんです。900万円の差損が出ます。

借金、どうやって返しますか?

次の株取引で一発逆転すればいい、というのは、バクチと同じで、まず失敗します。借金がどんどん膨らみます。


恐ろしいですね。

どうしても、株取引をやりたいのなら、それは自由ですが、必ず、手持ちのお金の範囲内で、お小遣い稼ぎ程度にすることです。

特に今のように、プロでさえ、先が全然読めないマーケットで、「信用取引」は、絶対にやってはいけません

近ごろ同じことばかり書いていますが、相場の恐ろしさをお伝えしたいと思い、書いています。

本当に危ないことなんです。

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コメント

Chobiさん、コメントをありがとうございます。レスが遅くなりまして、申し訳ありません。

>バナナがダイエットに良いとなれば、バナナに殺到する。
>株価が上がりそうだから、株式投資を始める。

ホントにそうですね。日本人を情報操作で、或る方向に誘導するのは、実に簡単で、
そこが危ないところです。憲法改正と安倍晋三が言えば、憲法改正賛成がすぐに増えますが、
9条の意味が分かっている人は、殆どいませんでした。

>ヘッジファンドなどの大口売買に左右され、
>短期売買で個人投資家は太刀打ちできる筈もないのに、
>何も考えない、単純な人が増えた事に呆れています。

全くの素人だと、「ヘッジファンド」と言われても、彼らが動かしている金額の大きさ。
また、デリバティブを通じて、複雑な動きがスポット為替にも現れることなど、分からんでしょうねえ。

こういう乱高下する相場では、上がったところで買い、下がったところで売る「順張り」では、なかなかプロフィットがでません。

下げたら買って、上げたら売るのならまだ、良いのですが、上げたところで空売りから入ると信用取引となり、

リスクは無限大ですから、止めた方が良い、とつくづく思います。

投稿: JIRO | 2008.11.05 23:27

こんばんは。

バナナがダイエットに良いとなれば、バナナに殺到する。
株価が上がりそうだから、株式投資を始める。

ヘッジファンドなどの大口売買に左右され、
短期売買で個人投資家は太刀打ちできる筈もないのに、
何も考えない、単純な人が増えた事に呆れています。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/191210/
>株価を映す鏡である業績悪化による売り圧力は根強く、
市場では「環境が好転したとまではいえず、
為替や景気の動向次第ではもう一段安をつける可能性がある」
(外資系証券)との厳しい見方も出ている。

投稿: Chobi | 2008.10.30 03:29

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