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2008.10.17

今日の主だった「金融危機関連ニュース」とコメント。

◆今日の主だった「金融危機関連ニュース」

◆金融危機阻止へ結束G8首脳緊急声明(10月16日16時31分配信 産経新聞)

ブッシュ米大統領、麻生太郎首相、ブラウン英首相ら主要8カ国(G8)の首脳は15日、世界経済について「金融機関を強化し、金融システムの信頼を回復するという共通の責任を果たす」との緊急声明を発表した。金融危機の拡大と世界経済への影響を阻むため協調する決意を表明、新興国も交えた緊急首脳会合の実現を呼びかけた。G8の緊急声明は異例。声明はまず、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)がまとめた公的資金注入を柱とする行動計画と、この計画に基づく欧米の資本注入策の発表を歓迎。そのうえで行動計画の「緊急的で透明性を持った実行」に向け、緊密な協力と政策の協調を約束した。

◆首相官邸ホームページ:世界経済に関するG8首脳声明を発出しました (平成20年10月15日)

東証大引け・急反落下落率は歴代2位、米株急落で主力株に売り(日経 10/16 16:08)

16日の東京株式市場で日経平均株価は急反落した。大引けは前日比1089円2銭(11.41%)安の8458円45銭だった。下落率は1987年10月20日(14.90%)に次ぎ歴代2位の大きさ。下げ幅が1000円を超えるのは2000年4月17日以来で、3営業日ぶりに節目の9000円を下回った。15日の米国株式相場が、米国の景気悪化懸念で急落したことを受け、輸出関連株や大手銀行株など主力株を中心に幅広い銘柄に売りが出た。東証株価指数(TOPIX)は90.99ポイント安の864.52となり、3営業日ぶりに900割れとなった。

◆地区連銀報告「全米で経済弱まる」追加利下げ観測が浮上(日経 16日 10:26)

米連邦準備理事会(FRB)は15日、地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表した。総括判断で「9月の経済活動は全米12地区で弱まった」と指摘。貸し渋りなどの信用収縮が全域で厳しくなっているとした。景況感にばらつきが残っていた前月の報告と比べ経済情勢の悪化が進んでいることを印象づけた。リセッション(景気後退)の懸念が強まり、FRBが追加利下げも検討するとの観測も浮上しつつある。

◆FRB議長、追加利下げに含み(日経 16日 13:01)

米連邦準備理事会(FRB)は15日ニューヨークで講演した。金融危機の実体経済への波及について「金融市場の安定は最初の一歩だが幅広い経済の回復には時間がかかる」と指摘。危機克服へ「あらゆる手段を取る」と追加利下げに含みを持たせた。

◆アジア株が大幅続落韓国・香港、一時7%超下落(日経 16日 13:30)

16日のアジア株式相場は大幅続落。韓国総合指数、香港ハンセン指数の前日比下落率は一時、7%台半ばに達した。シンガポールST指数は6%超の安値。中国の上海総合指数は3.7%安い1921.284で午前の取引を終えた。オーストラリアのオールオーディナリーズ指数は一時、6.5%下げた。前日の米国株急落を受け世界経済悪化への懸念が強まった。

◆ブラジル株、一時取引中断下落幅10%超に(日経 16日 15:04)

15日のブラジル・サンパウロ証券取引所で、ボベスパ指数は前日比11.39%低い36833で取引を終えた。下落幅が10%を超えたため、午後に30分間取引を停止した。取引停止は先月末以来、5回目。

UBSに最大6兆円弱の公的資金、スイス政府が発表(10月16日19時54分配信 読売新聞)

スイス政府は16日、スイス金融最大手のUBSに対し、最大5兆9000億円の公的資金を投入すると発表した。1260億スイス・フラン(約5300億円)を資本注入するほか、中央銀行のスイス国民銀行が最大540億ドル(5兆4000億円)の資金支援を行い、UBSの不良資産を事実上買い取る。政府・中銀が一金融機関を救済する異例の対策となる。

◆ギリシャも280億ユーロ規模の金融危機対策 (日経 16日 13:01)

ギリシャ政府は15日、280億ユーロ(約3兆8500億円)規模の金融危機対策を発表した。閣議決定後に記者会見したアロゴスクフィス経済・財務相は「金融機関が信用収縮問題を乗り越えられるよう(銀行間取引などへの)政府保証で支援する」と述べた。

◆ECB、ハンガリー中銀に対する50億ユーロの流動性供給で合意(10月16日17時39分配信 ロイター)

欧州中央銀行(ECB)は16日、ハンガリー中央銀行に対し50億ユーロ(68億3000万ドル)の流動性を供給することに合意したと発表した。ECBとハンガリー中銀は声明を出し「ハンガリー中銀とECBは、ハンガリー中銀のユーロの流動性供給策の支援について合意したことを共同で発表する」と述べた。

◆リーマンのCDS清算、地域金融機関に数千億円の損失発生も(10月16日19時31分配信 ロイター)

経営破たんしたリーマン・ブラザーズのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の清算が世界規模で金融機関に予想以上の損失を与える可能性が出てきた。信用リスクを取る売り手が、多額の損失を被るとみられている。日本ではリーマンの破たんリスクに関するCDS自体の影響は限定的とみられているが、そのCDSを再組成したCDO(債務担保証券)が元本割れとなっており、これを買った地域金融機関に合計数千億円規模の損失が出る、との見方がある。リーマンの社債デフォルト(債務不履行)と合わせて金融機関には大きな負担となっている。

米シティグループ、第3四半期の純損失は28億ドル(10月16日21時34分配信 ロイター)

米シティグループが16日発表した第3・四半期決算は28億ドルの純損失となった。1株損益は0.60ドルの損失。ロイター・エスティメーツのアナリスト予想は1株当たり0.70ドルの損失だった。
継続事業ベースの1株損失は0.71ドル。収入は23%減の167億ドルだった。ストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)の評価損が20億ドルに達した。シティの総資産は第3・四半期に500億ドル減少した。

米メリルリンチ、第3四半期の継続事業ベースの純損失は51億ドル(10月16日22時9分配信 ロイター)

米メリルリンチが16日発表した第3・四半期決算は、継続事業ベースの純損失が51億ドルとなった。1株損失は継続事業ベースで5.56ドル、全体で5.58ドルだった。ロイター調査では、1株損失は5.18ドルと予想されていた。また、第3・四半期にネットで57億ドルの評価損を計上した。


◆コメント:事態の深刻さが、世界に広がっていることを示したかったのです。

上に転載した大量の記事を見て、「手抜きをしてコピー&ペーストですまそうとしたな?」と思う方もあるでしょうが、

そうではありません(これだけの量になると、コピー&ペーストだけでも随分手間がかかるのですよ)。

金融危機の影響が文字通り世界中、日米欧のみならず、アジア諸国や、南米にまで広がっている「証拠」をお見せしたかったのです。

一つ一つの記事で、細かい意味が分からなくても、「えらいこっちゃ」という感覚は分かっていただけるのではないでしょうか。


◆特に、私が気になった記事を簡単に説明します。

まず、東京株式市場。日経平均。わずか2日前、戦後最大の上昇率を記録したというのに、それも束の間。

今日の下落率は、1987年10月19日、米国のブラックマンデーの翌日の東京株の下げ幅に次ぐ大きさだそうです。

如何に日本株への売り圧力が強いかを端的に表しています。

過去1年間の日経平均株価のチャートを見て下さい→ダウンロード 20081016TokyoStock.jpg (84.2K)

半端じゃないでしょ? これだけを見ても直感的に、「ちょっとやそっとじゃ、株価は戻りそうにない」ことが分かります。


次にショッキングだったのは、スイスに拠点を置く、世界的金融機関、UBSへの公的資金の注入です。

UBSに関しては、私がゴタゴタ書くよりも、ウィキペディアの説明を読んで下さい。

そこに書いてありますけど、Forbes(フォーブズ)という経済専門誌がありまして、年に一回、世界の優良企業2000社を発表するのですが、

UBSは2007年度、あらゆる業種を一緒くたにして、世界ランキング9位になるほどの超優良企業なのです。

そのUBSが公的資金によって資本を増強しなければならないとは、かつて誰も想像だにしなかったことなのです。


そして、最後は、かつて世界最大の銀行の名をほしいままにした、シティバンクと、アメリカの5大証券会社の一つであった、

メリルリンチの業績のひどさです。

勿論、サブプライムローン関連商品に投資していた為に生ずる評価損が主因です。これ、四半期ですからね?

わずか3ヶ月で、シティ・グループは28億ドルの純損失。日本のメガバンクの1年の経常利益に匹敵する額を、

吹っ飛ばしたわけです。メリル・リンチは、メガバンク2行の年間経常利益を3ヶ月で失ったのです。

眩暈がするような悲惨さです。


どうして、日米欧主要国が結束して、あらゆる手段を用いて金融危機を防ぐ、と言っているのに、株が下がるか、

昨日説明したとおりです。

7000円ぐらいまで下げても不思議はないですね。企業倒産が増え、倒産しない企業は経費を節減するために、

一番簡単な方法、つまり人件費を削るでしょう。まずはボーナス、そして、給料に影響します。

決して私たちが無関係ではいられないのです。

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コメント

てんけいさん、こんばんは。レスが遅くなりまして、申し訳ありません。

私も実は、国際経済とか苦手なんですけど、何とか誤魔化しながら書いております。

恐縮です。

今日(23日)、また株価について書きましたが、ベテランのエコノミストや株・債券・為替のディーラーも、

このような金融恐慌ギリギリで世界各国が公的資金注入、などという事態は初めてなので、

過去の経験から予測が付かない。それで、余計に訳の分からない相場になっていると思います。

てんけいさんもさぞかしお忙しいでしょうから、どうぞ、ご自愛下さい。

投稿: JIRO | 2008.10.24 00:56

あつしさま、いつも、コメントをありがとうございます。

レスが遅くなりまして、申し訳ありません。

乱高下が続いておりまして、3日連続反発したと思ったら、1日でその3日分の上げ幅と同じぐらい下げる、

という無茶苦茶な相場です。

株価が戻るためには実体経済の回復が必要ですが、株価が下がることにより、企業の業績予想の下方修正が

相次いでおります。したがって、個人所得・消費の増加も望めない、という悪循環ですね。

辛うじて世界中の銀行が連鎖的に倒産する世界金融恐慌がギリギリで避けられたということで、

まだまだ、安心出来ません。

投稿: JIRO | 2008.10.24 00:52

JIROさんへ こんばんは。
激務のかたわら、連日の、国際経済についての、詳細なご解説、本当に有り難うございます。「経済オンチ」の小生も、頑張って拝読しております。
うって変わって、昨日は東京市場も暴落、今日は小反発と、「一寸先は闇」と申しましょうか、まったく、先が(小生には)読めません。

パリバから、原油高騰、サブプライム、と続いてきましたが、まだまだ、これから、いろんな諸問題が登場しそうな気もします。
「資本主義」につきまとうリスクかもしれませんが、まったく、イヤな時代ではあります。

愚痴を言ってても、はじまりませんが、なにはなくとも、JIROさんにおかれましては、御体には気をつけられますように。

PS:「先が(小生には)読めません」なんて、書きましたが、先が読めてたら、今頃、「大金持ち」、ってがー!(アホらし)

投稿: てんけい | 2008.10.17 17:27

こんにちは。世界同時不況が現実味を帯びてきましたね。仰るように私たちの生活にも影響を及ぼすのは、必至だと思います。

>一番簡単な方法、つまり人件費を削るでしょう。まずはボーナス、そして、給料に影響します。

給料に影響するからますます内需は望めないでしょうし、また世界的な不況ですから輸出も望めません。日本にとっては本当にピンチなのかもしれませんね。
あと今の株価の乱高下。素人考えで間違っているかもしれませんが、実体経済や会社の業績を反映していない、マネーゲーム的な株価なのではないでしょうか。だから、ちょっとしたことでもすぐに株価に影響し、結果、乱高下をするのではないのでしょうか。だとすればもっと会社の業績や、実体経済を反映した株価であるべきだと思うのですが。

投稿: あつし | 2008.10.17 10:34

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