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2008.10.31

追加経済対策。ケチを付けるのは簡単だが、こういうのは迅速であることが肝心。「拙速」でいいのだ。

◆記事:追加の経済対策の主な内容(NHK)(10月30日20時00分)

【給付金】

まず給付金の支給です。

当初、与党で検討されていた所得税などから一定額を差し引く「定額減税」に代わって、

今年度内にすべての世帯を対象に、現金やクーポン券の形で支給されることになりました。

総額は2兆円で、仮に人口で均等に割った場合、1人当たり1万5000円余りとなり、

夫婦2人と子ども2人の家族だと1世帯6万円程度が支給される計算ですが、具体的な支給の方法や金額は、今後、調整されます。

【高速道路値下げ】

次に高速道路料金の値下げです。

対象となるのは、自動的に料金を精算する「ETC」の利用者です。

首都高速道路と阪神高速道路などを除く地方の高速道路について、乗用車を対象に、

休日は走行距離にかかわらず1回当たり原則1000円、場所によっては1500円で利用できるようにします。

例えば、神奈川県にある東名高速道路の厚木インターチェンジから滋賀県にある

名神高速道路の大津インターチェンジまで400キロ余りを走った場合、

通常9000円のところが1000円と、8000円の値下げとなります。

【住宅ローン減税】

ことし12月末に期限が切れる住宅ローン減税も、減税額が過去最大規模に拡充されて延長されます。

現在は、借り入れ金のうち2000万円までを上限に10年または15年の期間であわせて最大160万円が所得税から減税されます。

今回の対策では、借り入れ金の上限を大幅に引き上げるとともに、減税額を最大で600万円程度に拡大する方向で検討します。

また、高齢者などが住みやすい住宅や省エネに配慮した住宅などに改修する際、

住宅ローンを組まずに自己資金で賄った場合でも、減税措置を受けることができるようにする新たなリフォーム減税も導入します。

【妊産婦検診の無料化】

妊婦検診の無料化も盛り込まれました。
現在は市町村によって無料となる検診の回数が異なっているため、

国と市町村が半分ずつ負担して一律に14回分の検診を無料化するとしています。

【証券優遇税制の延長】

株式市場の活性化を図るため、ことし12月末に切れる株式などの配当や売却益にかかる税率を

本来の半分に軽減している証券優遇税制を3年間延長します。


◆コメント:各論にケチを付けるのは簡単だが、それなら、皆、代替案を一から書けるのか。

30日夜、麻生太郎内閣総理大臣が、追加経済対策の具体的な内容を発表した。

各メディアのサイトを読むと、経済対策の詳細を見て、問題点を指摘している。

そういう批判をするのは、非常に簡単なのだ。


私ですら、とりあえずパッと見て気が付くことがある。

「給付金」。

一世帯6万円の現金やクーポンを配るという。無いより助かるが、一回だけで個人消費が上向く訳がない。

しかし、それでは、いくらならいいのか?という問いには、誰も答えられない。

各世帯に60万円ずつ支給するわけにはいかないだろう。ただでさえ、追加経済対策全体に関して財源が問題になっているのだ。


「高速道路料金値下げ」

適用は乗用車で、しかもETC利用者に限られる。ここに不公平感がある。そして、経済対策の観点からは、

最も値下げを渇望するのは、ガソリン価格高騰(最近随分下がったが)で打撃を受けた、運送業者だろう。

本案では、トラックは値下げの対象外だ。ETCを付けた乗用車だけ値下げ、はピントがボケている。


「住宅ローン減税」

これは、「今後、住宅を購入する人」を対象としている。既に住宅を購入済でローン返済に苦しんでいる人は含まれない。

この景気の悪いとき、マンション販売統計など見ると、思い切り不振である。今、家を買おうとする人が多いとは思われない。


その他、追加経済対策の財源としては赤字国債を発行しないが、財政投融資特別会計の積立金を取り崩す(詳しく説明すると面倒臭いので、

省略するが)のは、結局赤字国債を発行しているのと、変わらない。


◆首相が経済の現状を正しく認識出来ている、と言うことが肝要である。

このように、重箱の隅をつつけば、多分、もっといくらでも「追加経済対策」の問題点を指摘できるだろうが、

この際それは、本質ではない。細かい瑕疵があっても、首相自身が会見で言っていたように「スピード」が肝心である。

その点が評価出来る。


麻生首相は経歴を調べれば分かるが、麻生セメントという会社の社長を務めていたことがある。

自分で商売をやったことがある人だから、経済的な感覚は、小泉、安部、福田よりも遙かに鋭敏だろう、と思う。

私が、それをはっきり感じたのは麻生氏がまだ首相になる前、幹事長だった、9月15日にリーマン破綻した時の発言においてである。

◆記事:米政府の対応に疑問=リーマン破綻-自民・麻生氏 (時事通信)(2008/09/16-13:21)

自民党総裁選候補の麻生太郎幹事長は16日昼、東京都庁で開かれた都議会自民党の会合で、

米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)に関し

「いくら何でも影響が大きすぎる。全く何もしないで放置するやり方が正しいやり方かどうか率直な疑問がある」

と述べ、救済策を講じなかった米政府の対応に疑問を呈した。(注:太文字は引用者による。)

この記事を読んだ時に私は、「あ、この人、ことの重大さを分かっているな」と思った。

この日記・ブログで何度も書いたとおり、リーマン破綻から世界の経済・金融システムが大混乱に陥ったのは、今更書くまでもない。


また、今日(30日)の会見の冒頭を引用する。
それでは今回まとめさせていただきました国民のための経済対策を発表させていただきます。

はじめに現在の経済の状況について、私の認識を申し上げさせていただきたいと存じます。

現在の経済は100年に1度の暴風雨が荒れている。金融災害ともいうべきアメリカ発の暴風雨と理解しております。

米国のサブプライム問題に端を発しました今回の金融危機というものは、グリーンスパン

元FRB(米連邦準備制度理事会)議長の言葉を借りるまでもなく、100年に1度の危機と存じます。



証券化商品という言葉がありますが、これに代表されます新しいビジネスモデルが拡大をした。

しかし、その中で金融機関がそのリスクを適切に管理できず、金融市場が機能不全に陥ったと存じます。

ただし日本の金融システムは、欧米に比べ、相対的に安定をしております。日本の土台はしっかりしているということです。

しかしながら、全世界的な金融システムの動揺というものは株式とか、債券市場を経て、

世界の、また、日本の実物経済、実体経済にも影響を及ぼしていくことが確実であろうと存じます。

こうした状況の中で、何より大事なことは生活者の暮らしの不安というものを取り除くことだと確信しております。

すなわち国民生活の安全保障であります。暴風雨をおそれて萎縮(いしゅく)してはなりませんし、

台風が通り過ぎるまでじーっとしているだけでもだめです。

今回の対策はこうした認識を背景に策定をさせていただきました。対策は大きく分けて2つです。

1つは国内でできること。それは生活者の安全保障であり、金融の安定です。

考えられる限りの大胆な対策を経済対策としてまとめさせていただきました。

2つめは国際的にしなければならないことであります。金融の安定化のために国際協調を進めます。

まず、国民の経済対策について説明をさせていただきます。

概要は配布をしていると思いますが、その資料の通りです。

今回の経済対策は国民の生活の安全保障のための国民の経済対策です。

ポイントはスピード、迅速にということです。(注:太文字は引用者による。)

極端にいうと、私は太文字で強調した部分だけで、
「あ、この人、分かっているな」

と思った。今、もしも、首相が、小泉か安倍か福田だったら、こういう発言は出ないと思う。

経済は経済学を勉強したって、分からないことばかりで、現実に商売をしたことがある人の勘、は重要である。

麻生首相には、その「勘」があることが明らかなのだ。

だから、追加経済対策には、まずい部分もあるが、国の宰相が経済を肌で感じている、という所に、

やや、安心感を覚える。

また、衆議院の解散の時期を逃した、といって自民党内部や公明党から麻生批判があるそうだが、

それこそ、今の世界経済の危機的状況を理解していない証拠である。リーマン破綻以降、世界の金融界では

何が起きても不思議は無く、常に各国政府は臨戦態勢にあるべきだった。

この時期に解散総選挙などしている場合ではない。自民党独自の調査で、今選挙をすると自民党は大敗を喫する、

というデータがあるので、首相は解散しないのだろう、という意見もあるが、それは政治家だから、政局も考慮するだろうが、

麻生首相が今解散しないのは、金融危機の重大性に鑑み、
「それどころじゃない」

と言っているのは、本音だと思うのである。

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