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2008.11.19

「6大銀の中間決算、純利益57%減 三菱UFJは64%減の920億円」←と書くと悲観的だが、欧米に比べて遙かにマシ。

◆記事:6大銀の中間決算、純利益57%減 三菱UFJは64%減の920億円 (NIKKEI NET)(19:54)

大手銀行6グループの2008年9月中間決算が18日出そろった。

連結純利益の合計は3983億円と前年同期に比べ57%減少し、中間期としては4年ぶりの低水準に落ち込んだ。

09年3月期通期も前期比50%減と低迷する見通し。融資先の破綻などで不良債権処理損失が増えたうえ、

株安により保有株式の時価が目減りしたことも利益を押し下げた。

世界的な金融危機の影響が邦銀の業績にも深刻な影響を与え始めた。

6グループは

三菱UFJフィナンシャル・グループ、

みずほフィナンシャルグループ、

三井住友フィナンシャルグループ、

りそなホールディングス、

住友信託銀行、

中央三井トラスト・ホールディングス。

18日に発表した三菱UFJの9月中間期の連結純利益は64%減の920億円。

不良債権処理損失が54%増えたうえ、保有株式の価格下落による減損処理が2.8倍に膨らんだ。



◆【為参考】大手6行 中間決算一覧表 (ブルームバーグ)(2008/11/18 17:14)

【08年4-9月期連結決算の概要と通期予想】
-------------------------------------------------------------------
4-9月期 通期
業務純益 与信費用 株式損益 純利益 純利益予想
-------------------------------------------------------------------
三菱UFJ 6348 -3206 -753 920 2200
(7334) (-2472) ( 544) (-64) (-65)
-------------------------------------------------------------------
みずほ 3175 -1428 -396 946 2500
(4140) ( -447) ( 851) (-71) (-20)
-------------------------------------------------------------------
三井住友 4100 -3021 -198 833 1800
(4996) (-1431) (-474) (-51) (-61)
-------------------------------------------------------------------
りそな 1632 -1334 -50 864 1600
(1650) (-281) (-90) (-28) (-47)
-------------------------------------------------------------------
住友信託 953 -161 -102 283 600
(1024) (-350) ( 47) (-25) (-27)
-------------------------------------------------------------------
中央三井 618 -3 -129 138 600
トラスト ( 734) (-169) ( 83) (-61) (-17)
-------------------------------------------------------------------
注)単位億円。業務純益、与信費用、株式損益のカッコ内は前年同期の実額。
純利益のカッコ内は前年同期比%。りそなの業務純益のみ傘下4行合算ベース。
中央三井の業務純益、与信費用、株式損益は傘下2行合算ベース。


◆コメント:通期(来年3月までの1会計年度)6割減益という銀行でさえ、黒字で、公的資金の注入必要なし。

今日、三菱UFJの中間決算の発表があり、これで大手6行の中間決算が出そろったため、記事になったのであるが、

現実は直視しなくてはならず、昨日書いたとおり、世界中景気が悪いから、確かに楽観は出来ないが、

日経の記事は徒に不安を煽っている。


確かに、三菱UFJや三井住友の通期純利益予想を見ると、前期比6割から7割減で、それだけを強調すると、

大変なことになった、という印象を受けるが(実際、いい話ではないけれど)、純利益予想の数字そのもの(単位:億円)を見ると、

6行ともに黒字である。7割減でもなお黒字だ、という見方をすると、欧米の銀行より大分マシである。


銀行の儲けが大幅に減ったのは、本来の商売に寄る儲け、「業務純益」は、それほど減っていないのに、

与信費用の増加と、株式損益で足を引っ張られている。

要するに、景気が後退したことにより、借りたカネを返せない与信先が増え、

その不良債権処理による損(リーマンに融資していて、回収不能になった分もある)が増えたことと、

保有株式の評価損、これは時価会計という方式を採用しているから、株の取得時と、9月末時点の時価を比べ、

株価は下がっているから、株を持っているだけで、実際に売却していなくても「評価損」をいうものを計上しなくてはいけないのである。

これが、もう一つ、収益の足を引っ張っている要因である。


しかし、世界的な金融危機における各国の銀行の状況を見ると、米国や欧州では、「まさか」と思われるような、超巨大銀行までもが、

公的資金の注入を受けなければ、資本が足りなくなる、という事態なのに対して、日本では全然そういう話になっていない。

今日、金融庁が、主要行等の平成20年度中間決算について(速報ベース)。を発表した。

これは、6行よりさらに範囲が広く、大手11行の中間決算状況をまとめたものだ。

最初に概略が言葉でまとめてあるが、6.自己資本比率を見ると、

自己資本比率(加重平均)は、11.73%(単体)。20年3月期は12.30%。

となっている。

BIS(国際決済銀行)のバーゼル銀行監督委員会が、世界中の銀行に、国際業務を営む為の最低自己資本比率は最低8%、

という基準を課しているのだが、それを軽くクリアしている。


このように考えると、邦銀も世界金融危機の影響を受けて減益してはいるものの、

欧米よりずっと健全な財務状態が保たれていることが分かる。サブプライムローン関連商品への投資が欧米の銀行よりも

少なかったのが、幸いしているのだろう。


ただ、何しろ景気が悪いから、サブプライムローンの影響がさほどでなくても、国内の融資先が景気後退による業績不振で、

債務を返済できなくなり、不良債権が増加する可能性は十分にあるし、そもそも景気が悪い時に、カネを借りて設備投資しようという企業は、

無い。そして、銀行自体も、貸付を増やして利息を取らないと儲からないが、下手に貸して不良債権化するのを押さえるだろうから、

急速に業績が好転することはないだろう、ということだ。

それでも、少なくともメガバンクが潰れるとか、公的資金の注入を受けるとか、欧米みたいなひどいことにはならないだろう。

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