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2008.11.02

日銀利下げ、8人中7人が利下げ支持…株安・円高に危機感」利下げそのものには8人中7人が賛成だったのです。

◆記事:日銀利下げ、8人中7人が利下げ支持…株安・円高に危機感(11月1日1時42分配信 読売新聞)

日本銀行は31日の金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を

現行の0・5%から0・2%引き下げて0・3%にすると決め、即日実施した。

日銀の白川方明総裁は会合終了後の記者会見で、

「株価下落や円高など国際金融市場の緊張が高まり、設備、輸出、生産などで明らかに変化を示す材料が出てきた」として、

株安や円高が利下げの主な理由だったと説明した。日銀の利下げは、2001年3月の量的緩和策導入時にゼロ金利にして以来、約7年7か月ぶりだ。

0・2%の引き下げは白川総裁が提案した。

これに対し、議決権を持つ8人の政策委員(正副総裁3人と審議委員5人)のうち、

白川総裁に加え山口広秀、西村清彦両副総裁、野田忠男審議委員の4人が賛成した。

水野温氏、中村清次、亀崎英敏、須田美矢子の審議委員4氏の中では、3人が0・25%の利下げを主張、

1人が0・5%のまま据え置くことを求めた。利下げ自体は、8人中7人が了承していたことになる。

0・2%下げについては、4対4の可否同数だったため、最後は白川総裁による初の議長裁定で利下げが決まった。

白川総裁は会見で、「世界経済と日本経済は関連している。中央銀行間の国際協調が重要だ」とも述べ、

米連邦準備制度理事会(FRB)が29日に行った追加利下げも利下げ判断を後押ししたことを示唆した。


◆コメント:最初の日銀発表では、賛成・反対、それぞれ4対4の同数と聞いて驚いたのです。

日銀の金融政策決定会合というのは、毎月行われ(日程も決まっています)、

政策金利(無担保コール・オーバーナイト物)の誘導目標を決めるのです。

ずっと、0.5%で「現状維持」が続いていました。

変更は、2007年2月以来ですが、この時は利上げでした

利下げは、記事本文中に書いてあるとおり、2001年3月以来のことです。

これは、バブル崩壊後の景気低迷に対応する為の決定でした。


今回は、日本経済自体の景気後退も利下げの理由ですが、アメリカ発の金融危機に対応する為であるところが、

大きな違いです。

昨日(10月31日)の金融政策決定会合の決定内容発表を読んだ時、

金融市場調節方針の変更(賛成4反対4(注1))
無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を0.2%引き下げ、0.3%前後で推移するよう促す(公表後直ちに実施)。(別添1)

という箇所を見て、驚きました。

賛成4反対4

と書かれていたからです。現在、金融政策決定会合のメンバーは8人(本当は9人なのですが、日銀副総裁が本来2名なのに、まだ一人しか、

決まっていないからです。先日漸く一人決まりましたが)ですけれども、

今の世界経済・日本経済の実体を見ても、利下げに反対した人が4人(半分)もいたのかと、思ったのです。

◆利下げ自体に反対したのは、1名だけでした。

記事を読んで、ややホッとしたのは、利下げ自体に反対したのは、8人中1人だけだった、ということです。

金融政策の専門家が経済の現状を見て、4名も利下げ反対だったら、見識を疑うところでした。


賛否同数、というのは、利下げ幅に関してで、白川日銀総裁は0.2%を提案し、それに賛成したのが総裁を含めて4人。

他の4名は、利下げ幅を0.25%にすべきだ、ということで反対していたのです。

世界の中央銀行は、何処でも政策金利を変更する時は、概してクオーター(0.25%)単位が普通で、日本銀行も今まではそうでした。

0.2%などという中途半端な利下げ幅は見たことがありません。元々、今までが0.5%という低水準なのですから、

0.25%で良かったと思うのですが、それを巡って金融政策決定会合は、31日の朝9時から5時間も討論したことになります。

議論を尽くすのは良いことですが、散々発表を待たされてくたびれました。


◆経済指標、無茶苦茶悪いです。

日銀の会合とは別に、昨日は朝、完全失業率、有効求人倍率、消費者物価指数、家計調査の統計が発表されました。

9月の完全失業率は、0.4%でした。これに前月比0.2%改善、という見出しを付けたマスコミがいくつかあります。例えば時事は、
◆記事:9月の失業率4.0%に改善=有効求人倍率は0.84倍(10月31日9時1分配信 時事通信)

総務省が31日発表した労働力調査によると、9月の完全失業率(季節調整値)は4.0%で前月比0.2ポイント改善した。

失業率低下は2カ月ぶり。一方、厚生労働省が同日発表した同月の有効求人倍率(同)は0.84倍で、前月を0.02ポイント下回った。

求人より求職者の方が多いことを示す1倍割れは10カ月連続。

完全失業者数は前年同月比2万人増の271万人。就業者数は同29万人減の6393万人。(注:太文字は引用者による)

記事本文を読むと、詳細が書かれているのですが、見出しだけ斜め読みする人は結構多いです。

「0.2%改善」はミス・リーディング(誤解を招きやすい)な見出しです。

失業者というのは、「仕事を探しているけれども見つからない」人です。

仕事がないけれど、仕事を探すのを諦めた人(非労働力人口)は、「失業者」に含まれないのです。

今回、「失業率」が下がっているのは、非労働力人口が前年比36万人増(8月は前年比22万人増)と、大幅に増えているのが一因です。

「率」には誤魔化され易いです。

就業者数は前年比29万人減です。失業者数は前年比2万人増です。失業者数は4月からずっと増えています。

雇用情勢は悪化を続けています。


次に問題なのは、景気が悪いのに、物価が上昇を続けていることです。
◆記事:<消費者物価指数>102.6…12カ月連続上昇 9月(10月31日8時50分配信 毎日新聞)

総務省が31日発表した9月の全国の消費者物価指数(05年=100、生鮮食品を除く総合)は102.6となり、

前年同月比2.3%上昇した。上昇は12カ月連続。ガソリン価格低下などを受け、

上昇幅は8月の2.4%から0.1ポイント縮小した。上昇幅が縮小したのは、

ガソリンの暫定税率が一時失効した今年4月を除くと、07年3月以来、1年半ぶり。

原油価格の下落を受け、これまで消費者物価の上昇をけん引してきたガソリン、灯油などエネルギー関連の影響度が縮小した。

ガソリン価格は10月以降も値下がりし、物価の伸びも鈍化しそうだ。

ただ、生鮮食品を除く食料の値上がりは依然、続いており、サプリメント、

航空運賃、外国パック旅行などの上昇幅が拡大するなど、物価上昇のすそ野は拡大している。(注:太文字は引用者による)

国民の所得は減っているのに、物価は上昇を続けている。原油高が一段落したので、上昇率が鈍化しただけ。

しかも、一番大事な食料の値上がりは続いている。完全に庶民が困窮する図式です。


家計の動向も良くありません。
◆記事:9月全世帯消費支出は前年比実質‐2.3%、7カ月連続減=総務省(10月31日11時38分配信 ロイター)

総務省が31日午前8時30分に発表した9月の家計調査によると、全国全世帯(農林漁家世帯を含む)の消費支出は前年比実質2.3%減となった。

実額は28万1433円。ロイターが民間調査機関に行った聞き取り調査での予測中央値は前年比3.9%減で、

発表値は予測を上回った。減少は7カ月連続となる
消費減少には、調理食品などの食料費、設備修繕・維持などの住居費、電気・ガス代など光熱・水道費などが寄与した。

食の安全に対する懸念が国民の間に広がったことも食費減少に寄与した可能性があるという。

季節調整済み全世帯消費支出は前月比1.7%増で、2カ月ぶりのプラスとなった。

勤労者世帯の実収入は実質で前年比2.0%減となった。実収入は4月以後、8月を除いて、前年比マイナスになっており

所得の低調さが確認された。(注:太文字は引用者による)

物価が上昇を続け、勤労者世帯の実収入は4月以降、8月を除いて前年比マイナス。収入が減り続けているのですから、

家計の消費支出が増える訳がありません。


書いているだけで憂鬱になりますが、こうなると負のスパイラルですね。

企業は儲からないので給料を減らす。物価は上がる。だから、各世帯はお金を使わない。

お金を使わないということは、モノやサービスが売れない。企業の収益はますます悪化する。

さらに人件費(ボーナス・給料、パート・派遣雇用)を減らす。ますます生活は苦しい。

ちょっとやそっとの景気対策では、どうしようもありません。

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