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2008年12月

2008.12.31

本年も弊日記・ブログ御愛読ありがとうございました。世の中の景気が悪いので、景気のいい音楽を。

◆本年も御愛読ありがとうございました。

ウェブ日記エンピツに登録したのが、2002年4月15日で、ココログにも同じ文章を2004年11月に載せ始めました。

今年の5月には、単純に本数だけ数えますと、2,000本目の記事を書くことが出来ました。

これまでに、本気で止めようかと思ったのは、2005年9月11日の衆議院選挙、所謂「郵政民営化選挙」で、

小泉純一郎率いる自民党と公明党の連立与党が絶対過半数を獲得したときです。

選挙期間中、小泉政権の政策が如何に矛盾に満ちているか、また、小泉が勝ったら世の中がどうなるか、散々書いたのですが、

全く報われず、全身の力が抜ける気がしました。

実は今年も、こちらの日記には書きませんが、私事で取り込みがありまして、いい加減疲れ、

本気で止めようと思ったことがあったのですが、読者の皆様に支えて頂きました。

心より御礼申し上げます。

来年も、大して変わらない駄文を綴り続けるかと思いますが、何卒引き続き、お付き合い頂ければ、

幸甚と存じます。


◆今年最後の音楽は、世の中の景気が悪いですから、景気のいい曲にします。エルガー「威風堂々第一番」

昨日の日記でも書いたように、日本の景気は恐ろしい勢いで後退していて、来年、何がどうなるか分かりません。

だからこそ、せめて、今年最後の音楽は「景気が良い」曲に、と思いまして、お聴きになれば皆さん御存知と思いますが、

英国の作曲家、エルガーの行進曲「威風堂々」第一番を、レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏で
聴いて頂きます。

これは、バーンスタインがかなり若い頃の演奏で、多少、「若気の至り」で元気が良すぎるのもありますが、いいCDですよ。

それでは、お聴き頂きます。

「威風堂々」第一番。







皆様、どうぞよいお年をお迎えください。

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【号外】2008-2009 東急ジルベスターコンサート 、カウントダウンは「ラプソディー・イン・ブルー」だそうです。

◆全国で見られるかどうか分からないので恐縮ですが。

これは、少なくとも首都圏では毎年見られるのですが、全国ネットかどうか分からないのです。

2008-2009 東急ジルベスターコンサート

今回は「ラプソディー・イン・ブルー」で2009年をカウントダウン。曲が終わる瞬間に新年を迎える、華やかでスリリングなコンサート!

“踊るジルベスター”をテーマに、今回は「ラプソディー・イン・ブルー」で2009年を華やかにカウントダウン。

曲が終わる瞬間に新年を迎える、贅沢な緊張感が人気のコンサートをお届けします。指揮者は世界的なマエストロ、井上道義。

日本を代表するバレリーナの上野水香や金メダリスト荒川静香も、ソリストとして出演。

華やかでスリリングな時間をお過ごしください。司会は大のクラシックファンでもある、西村雅彦。

出演: (指揮)井上道義 (管弦楽)東京フィルハーモニー交響楽団 (ソリスト)ピアノ:小曽根真、ヴァイオリン:古澤巌、

ソプラノ:森麻季、バレエ:上野水香・高岸直樹、スケート:荒川静香(大阪中継)、

(司会)西村雅彦、大江麻理子(テレビ東京アナウンサー)

この番組も長くやっていますが、テレビ東京系なので、地方ではどの程度の方が見られるか分かりませんが、

番組のクライマックスは1月1日午前0時0分0秒にぴったりと演奏が終わるように「カウントダウン演奏」をやることです。

毎年曲が違いまして、以前はボレロとかショスタコービチの5番とか、タンホイザー大行進曲とか色々でしたが、

今年は井上道義さん指揮、東京フィルハーモニー交響楽団「ラプソディー・イン・ブルー」だそうです。

そして、ゲストに森麻季さんのお名前が入っています

ご覧になれない方には申し訳ないけれど、ご参考まで。

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「派遣切りから2か月、所持金底つき炊き出しの列に」←理屈とは別に、単純に「気の毒だ」と思わないかな。

◆派遣切りから2か月、所持金底つき炊き出しの列に(12月30日3時4分配信 読売新聞)

「派遣切り」や「雇い止め」の動きが広がる中、職と住まいを失った派遣労働者や期間従業員が、厳しい年末年始を過ごそうとしている。

 都会の公園で行われている炊き出しを訪ねると、瀬戸際まで追いつめられた彼らの姿があった。

 29日午後7時。東京・新宿の新宿中央公園の広場では、炊き出しに300人以上が列を作っていた。

 その一人、茨城県内の大手電気機器メーカーの工場で派遣労働者として働いていた河野泰享(やすたか)さん(33)は、

肉と野菜の煮込みをご飯にかけた丼を受け取ると、立ったまま食べ始めた。

 河野さんは10月上旬に派遣会社から「工場が減産になるので辞めてほしい」と通告され、同月中旬、職探しのため上京した。

交通量の調査など日雇いのアルバイトをしながら、夜はファストフード店などで寒さをしのいでいたが、

年末になって仕事が途絶えた。今の所持金は500円。今月からは新宿駅周辺で寝泊まりしている。

 荷物は路上で寝るためのシートなどが入ったリュックサック一つ。広島出身だが、住民票は茨城県の派遣先の寮の住所のままで健康保険証もない。

「健康だから路上の寒さにも耐えられるが、病気になったら……」。河野さんは食事を終えると新宿駅に足を向けた。

 同公園で28日~来月4日の予定で炊き出しをするボランティア団体「新宿連絡会」によると、

炊き出しに来る人は昨年より2割ほど多く、若い人も増えているという。

 28日夜、名古屋市内の公園でも元派遣労働者の男性(40)が炊き出しに並んでいた。

浜松市の自動車関連工場で働いていた男性は今月初め、派遣契約を打ち切られ、同僚8人とともに寮を追い出された。

手元の蓄えは約20万円。「親の世話にはなれない」と北海道の実家には帰らず、職探しのため名古屋に来て、

サウナやカプセルホテルに寝泊まりしていたが、26日夜、ついに所持金が底をついた。

 通りかかった公園で、見よう見まねで段ボールを敷き、新聞を体に巻き付け寝ようとした。

だが、あまりの寒さに1時間も我慢できなかった。その日は一晩中、街を歩いて朝を迎えた。

「来年は、正社員として働けるところを見つけたい」。男性は、そう言って公園を後にした。

年末年始は市の無料宿泊施設への入居を申し込むつもりだという。


◆コメント:「薄情」という言葉を知っていますか。

「派遣切り」という言葉をマスコミがやたらと用いるので、その反動だろうか、ネットを見回すと、冷たい意見が目立つ。

派遣社員は、派遣先の社員ではなくて、派遣会社に属する社員である。派遣先の会社は人材派遣会社と契約するときに、

「業績不振その他の理由で、いつ派遣職員が要らなくなるか分からない。そのときには、文句を言わないこと」

という趣旨の約束をしている。派遣会社から出向している社員は当然それを承知しているはずだから、文句は言えない筈だ、と。


こういう意見を表明しているのは、まだシャバ(社会)に出ていない学生や、社会人でも独身の若い人が多い。

所帯を持っている大人は、たとえ自分が正社員であっても、突然職と住居を失った人の胸中を想像出来るから、そう言う意見は少ない。

派遣社員の立場に関して、理屈はその通りだ。しかし、たとえ派遣社員とて、昔からホームレスだった人とは違う。

派遣社員として真面目に働き、派遣先の企業に大なり小なり貢献し、所得税・住民税を納めていた納税者である。

そして、今年の日本景気の悪化の速度は、米国金融危機に端を発している。

今日、ブルームバーグという金融専門の情報会社が、事の発端となった、9月15日のリーマン・ブラザーズの破綻について、

次のような記事を載せていた。

◆米リーマン破たん処理、急ぎ過ぎで750億ドルの価値損失(ブルームバーグ)(2008/12/29 18:42)

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、オンライン版)は29日、米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの破たん処理が

無秩序で無計画だったことから、同社の価値が750億ドル(約6兆7800億円)相当の失われた恐れがあると報じた。同社の事業再編チームの社内分析を引用して伝えた。

コンサルタント会社、アルバレス・アンド・マーサルの調査によれば、

リーマンが米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用申請を慎重に計画・実施していた場合、数100億ドルの価値が維持できたという。

WSJは、こうした計画があれば、市場混乱を回避し多くの価値を維持する上で、秩序ある資産売却を可能にするとともに、

デリバティブ(金融派生商品)資産を解消するための時間を与えただろうと指摘している。

「リーマンを潰すか?」と私は、あの日、日記ブログに書いた。世界中に影響が出ることは目に見えていた。その通りになった。

今回の世界同時不況は、アメリカの金融危機が、世界の金融システムを不安定化させ、それが原因でおきたものである。

今までも、日本は何度となく不況を経験しているが、このような極めて特殊な、わずか一つの巨大証券会社の破綻が世界不況をもたらすとは、

世界中の金融、金融政策の担当者は、誰も想像していなかった。

私が知る限り過去約50年で、これほどまでに「急激に」「広範囲」に景気が悪化したのは初めてである。


したがって、派遣という不安定な立場を選んだ人間が悪いのだ、という言い方は、あまりにも酷である。

派遣会社なんか就職するからいけないのだ、というが、今やリストラは正社員にも及んでいる。

今は自分は正社員であり、非正規労働者がどうなろうが、知ったことではない、といっている人たちも、自分たちは安全だ、

と、考えない方が良い。


重ねて書くが、「真面目に働き、国民の義務の一つである納税の義務を果たしていた」のに、ある日突然、職も住居も失った人が、

巷に溢れている。ハローワークは役所の仕事納め(26日以降)も窓口を開いている。

住むところもなく、寒さに凍え、おカネもなくてひもじい思いをして、やっと「炊き出し」で飢えを凌いでいる。

こういう人々をみて、「自分が悪いのだ」という言葉を叩きつける人を、私は、人を思いやる心が無い「薄情」な人だと思う。

まず、「気の毒だ」と感ずるのが、「人間として正しい」のだ。


日本経済、いや、世界経済が好調な時にも倒産する会社はある。

私は、そのような光景を何度も観たが、倒産した会社の社員は、本当に気の毒になるほど惨めなものなのだ。

今の、クビを突然切られた非正規労働者とて同じ事だ。

そういうことを知らないで、あまりひどいことを云うものではない。

繰り返すが、日本の景気は悪化している、と、内閣府の「月例経済報告」も日銀の「金融経済月報」も公式に認めている。

悪化し続けている。いつ浮上するか、見当も着かない。

明日は我が身と覚悟することだ。

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2008.12.30

【差替】【音楽】バッハオルガン名曲集(一部チェンバロ)。その他の楽器でも。「目覚めよ~」アンドレ追加。

◆「バッハ」「オルガン」といえば、「ヘルムート・ヴァルヒャ」と覚えて下さい。

今年もあと2日。皆さん、帰省やら、大掃除やらでお忙しいでしょう。

お正月前で、シチメンドクサイ時事問題など、読む気にならないでしょうから、音楽にします。

既に故人ですが、ヘルムート・ヴァルヒャというオルガンとチェンバロの名手がいました。

バッハのオルガン・チェンバロのお手本演奏、といったら、まず「ヴァルヒャ」と覚えておいて下さい。


そのヴァルヒャの「バッハ・オルガン名曲集」(嬉しいことに安いです)の中からいくつか。


◆トッカータとフーガ BMV 565 「チャララー」と大衆は茶化しますが名曲です。

この曲の冒頭はしばしばテレビのバレエティ番組などでも、ふざけて使われるから、皆知っているとおもいます。

だけど、こういうものは、通して聴かないと駄目なの。

まず、ヴァルヒャのオルガンで。ところがちょっと厄介なのです。

この曲は「トッカータ」と「フーガ」ですが、連続して演奏されます。ところが大抵のCDは、「トッカータ」と「フーガ」で

トラックを分けてしまっています。私に知識と技術があれば、その音声をつなげる事ができるのでしょうが、

そんなことをしていると明日になってしまいそうなので、済みませんが、トッカータが終わったら、すぐにフーガを再生して下さい。








こう言うのをヨーロッパの教会で実際に聴くと本当に「神様」がいるような気がしてきます。上手くできています。

いや、皮肉じゃなく、名曲だと思います。


これを、私の好きなジャーマン・ブラスが金管アンサンブルように自ら編曲して吹いた演奏。よろしければ聞きくらべて下さい。

なお、以下のジャーマンブラスの演奏は全て、Bach In Brass: German Brassで聴けます。

ちょっとボリュームが低いです。お手元で調整して下さい。済みません。






これは、オルガン曲を何とかラッパで吹いとるわい、ということではなくて、また別の音楽になっているところがすごいと思うのです。

音の響きもさることながら、特筆すべきはアンサンブル(合奏)能力の凄さです。例えば



オルガンだったら右手で済むところですが、ラッパでこのような音型を1人で吹くのは無理なので上の旋律線と下の音を2人の奏者が交互に

吹いている訳です。非常に難しいと思います。


◆カンタータ140番「目覚めよ、と呼ぶ声あり」BWV.645

これは、もともとカンタータですから合唱とオーケストラの曲です。カンタータ「目覚めよ、と呼ぶ声あり」はこの1曲ではなくて、

(カンタータは全てそうですけど)いくつもの曲(この曲は7曲)から構成されていて、

これからお聴き頂くのは、厳密には、「目覚めよ、と呼ぶ声あり」の第4曲目、

「シオンは物見らが歌うのを聴く」というのですが、人気があるので、後にバッハ自らオルガン用に編曲したのです。


しかし、今では普通に「目覚めよ、と呼ぶ声あり」と言うと、この曲のことを指す場合が殆どです。

ヴァルヒャのオルガンでどうぞ。







それでですね。また、これをジャーマン・ブラスによる演奏がありますので、載せておきます。






曲の終わり向けて壮大に盛り上がります。この曲のこういう演奏は珍しいのではないかと思います。

しかし、どうもしっくりこないなあ、コラールのパートをモーリスアンドレがトランペットで吹いた、次の演奏が一番良いような気がするので、追加します。





いいでしょ?


◆「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」BWV.639

これは、非常に静かな音楽です。ウンチクは止めておきます。まずはヴァルヒャのオルガンで。






はい、しつこいようですが、同じ曲をジャーマン・ブラスによる演奏でお聴き下さい。






それぞれ、素晴らしい演奏だと思うので、載せている訳です。


◆最後は「イタリア協奏曲」を、チェンバロ、ピアノ、アコーディオン、ブラス・アンサンブルで。

「バッハオルガン名曲集」と銘打ちながら、最後は無茶苦茶になってきましたけど。

ヴァルヒャは、多くのオルガン弾きがそうですが、チェンバロの名手でもありました。

チェンバロですから、済みませんが、別のCDになります。バッハ:イタリア協奏曲です。

まずはヴァルヒャのチェンバロで。イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV 971 第一楽章。






続いて、これを現代のピアノで弾いたもの。演奏はブーニンです。






はい、次。クラシック・アコーディオンの名手、御喜美江(みき・みえ)さんの演奏です。






最後は絢爛豪華にジャーマン・ブラスによる演奏です。






年末お忙しいでしょうが、お聴き頂ければ幸いです。

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2008.12.29

「ガザ連日の空爆、死者280人以上…長期化の懸念も」←「ものすごく大雑把なパレスチナ問題の基礎知識」を以前、書きました。

◆記事:ガザ連日の空爆、死者280人以上…長期化の懸念も(12月28日22時41分配信 読売新聞)

【エルサレム=福島利之】イスラエル軍は28日、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザへの大規模空爆を続行し、

現地の医療関係者によると、27日からの攻撃による死者は282人、負傷者は600人以上に達した。

ハマスは徹底抗戦の構えを見せており、軍事作戦が長期化する懸念が高まっている。

AFP通信などによると、イスラエル軍は28日、ハマスのテレビ局や、イスラエル軍が「テロ活動の拠点」と見なす

モスク(イスラム教礼拝所)、警察施設など20か所を空爆した。これまでの死者の大半はハマス治安部隊隊員とされるが、

パレスチナ側は、民間人15人が死亡し、400人以上が負傷したとしている。イスラエルのバラク国防相は28日、

ガザでの軍事作戦について、「市民を守るために地上部隊を展開する必要があれば、そうする」と述べ、

地上からの軍事作戦にも乗り出す可能性を明らかにした。イスラエル軍は、ガザとの境界沿いに地上部隊を集結させているとの報道もある。

イスラエル政府はこの日の閣議で、6500人の予備役を招集することを承認した。

一方、ガザの武装勢力はイスラエル領内に向け、ロケット弾による報復攻撃を本格化させている。

イスラエル軍による空爆後、ヨルダン川西岸のパレスチナ住民が抗議の投石行動に出ているほか、

周辺のアラブ諸国でも、イスラエルを非難するデモが広がっている。


◆コメント:そもそも、アラブ・イスラエル紛争とは何か、を分かっていないと仕方がない。

パレスチナにおける、アラブとイスラエルの報復合戦はもう半世紀以上も続いていて、もう、未来永劫終わらないのではないか、

と思えてきます。

今回のイスラエル軍のガザへの攻撃や、それに対するイスラム過激派のイスラエルに対する報復だけを見ても何も分かりません。

ずっと前、私はこの問題の基礎知識を稚拙ながらもまとめ、記事にしたことがありますから、多少面倒でも、読んで下さい。

2003年10月16日(木) 「<パレスチナ>帰還権放棄を言及 神殿の丘領有と引き替えに」 ものすごく大雑把なパレスチナ問題の基礎知識

5年以上も前の記事ですが、そもそもパレスチナ問題、アラブ・イスラエル紛争は何故起きたのか、について、概略は分かると思います。

当時は、ウェブ日記エンピツしか、書いていませんでした(「ブログ」が流行り始める前の事です)。

今、見ると、タグも満足に知らない状態で「ベタ打ち」しているので、読み辛く、恐縮ですが、基礎知識を得る参考になれば幸いです。


リンク先を読んでいただけば良いのですが、要するに、遙か昔、パレスチナにはユダヤ人が住んでいたのですが、

紀元2世紀頃、ユダヤ人の王国はローマ帝国によって滅ぼされ、その後ユダヤ人や世界各地に散り散りとなり、

どこでも、千数百年にわたって、迫害されてきたのです。


19世紀に、ユダヤ人の国を再建しようという運動が始まり、紆余曲折を経て、第二次大戦後に、パレスチナに建国したユダヤ人の国がイスラエルです。

しかし、ユダヤ人がいない間に、当然そこには他の民族(アラブ人)が住み着いていたわけです。イスラエルの建国と共に、彼らはパレスチナから

追い出されました。逆の立場になってしまったわけです。


パレスチナでユダヤ人とアラブ人が少しずつ土地を分け合い平和に共存してくれれば良いのですが、

何しろ、ユダヤ人には千数百年の積年の恨みがあるから、譲歩しようとしない。今の国を何が何でも死守しようとする。

すこしでもアラブ人が、敵対的な態度を見せると過剰に反応して、今回のような爆撃を行い、非戦闘員(女、子どもまで)を大量殺戮する。

これに対して、アラブ人もイスラム過激派が武装集団を結成して(これにも色々な系統があるのです)、武力で対抗する。


要するにその繰り返しがいつまで経っても終わらないのです。


アメリカでは、ユダヤ系が大勢いて、政治勢力になっているので、歴代政府はイスラエルを支持するのです。

そうしないと、選挙で勝てないのです。だから、国連安全保障理事会がパレスチナで武力紛争が起きて停戦決議案を可決しよう、

というときに、アメリカが拒否権を発動することもあり、問題の解決を遅らせています。それだけが原因ではないけれど、

アラブ・イスラエル紛争がいつまで経っても終わらない一因であることも確かなのです。

但し、喧嘩両成敗ですから、武力攻撃されたら、必ず武力で報復することを止めないアラブ側にも責任はある。

どちらも悪いのです。

兎にも角にも、世界には、今、この瞬間にも凄惨な殺し合いが続いている場所がある、ということは認識するべきです。

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2008.12.28

本日のニュース雑感。/「<成田出国>ピーク」、「4人乗りスキーリフト停止」、「朝食を抜く若者、性交渉の時期早まる傾向」

◆記事:<成田出国>ピーク迎えにぎわう 正月は近場が人気(12月27日10時46分配信 毎日新聞)

年末年始を海外で過ごす人たちの出国ラッシュが27日、成田国際空港でピークを迎え、

出発ロビーはスーツケースを持った家族連れや団体客でにぎわった。

成田国際空港会社(NAA)の推計によると、この日だけで約4万4900人が海外へ向けて飛び立つ。

12月19日~1月5日の冬休み期間中の空港利用者は約125万人で、過去最高を記録した昨年の約139万人と比べ、10%減少する見通し。

NAAは「世界的な金融危機による景気後退、消費の手控えなどが原因」としている。渡航先別でも、近場の韓国などが人気となっている。

韓国・ソウルへ出発する東京都港区の会社役員の女性(46)は

「ショッピングを楽しみたい。ウォン安の影響で、いい買い物ができると思う」と話していた。


◆コメント:このご時世でもおカネのある人はあるのですな。

記事にも書いてあるが、ウォン安だから韓国なんて安いのでしょうけれども、一家で出かけるとなればそれなりの出費です。

おカネのある所にはあるのですね。



スイマセン。正直に書くと、「嫉妬」以外の何物でもありません。

自己分析すると、私には「おカネを持っている人に対する嫉妬」と、「お正月、旅行出来る方々に対する嫉妬」があります。



私は生まれてこの方、暮れから正月にかけて「旅行した」ということが一度もありません。

実家が東京だから帰省する必要もないし、子どもの頃は親父は大晦日の12時過ぎまで仕事で、

4日から仕事が始まりますから、時間的にも精神的にも、出かけることなど、面倒で、その発想すら無かったのでしょう(おカネはあったと思いますが)。

だからお正月、海外に限らず、何処かへ泊まりにゆくという方々に対する嫉妬があります。

しかし、言い訳がましくなりますが、たとえおカネと時間があったとしても、私は暮れから正月に旅行するか、と考えると、

しないと思うのです。私にも遺伝的要素があるのか、生来の出不精で、正月ぐらい自宅でゴロゴロしたい、という心理が強い。

矛盾していますね。「じゃあ、嫉妬する必要はないじゃないか」ということになりますが、

人間の心理は、論理的には説明できないものです。「自分の出来ないことをしている楽しそうな人々に対する嫉妬」、

と書くのが一番適当かも知れません。



と、ここまで書いてから思い出しましたが、好きで正月に旅行する人ばかりではありませんね。

海外旅行は「遊び」でしょうが、「帰省」は親孝行でしょう。会社で、正月に帰省する人たちから

「君は帰省などしなくて良いから羨ましいな」と言われたことがあります。

あれは、鉄道、飛行機、クルマ、いずれの交通手段を用いても短期間で出かけ、

仕事始めの前日までには戻らなければならないから、毎年帰省する人にとっては

経済的にも、体力的にも大変なことのようですね。そう言う方々は、

「正月、自宅を離れなくても良い人間に対する嫉妬」を抱いているかもしれません。

平凡な結論に到達しますが、人それぞれ、事情があり、気持ちもそれぞれなのですよね。


◆記事:4人乗りスキーリフトが停止、40人が一時宙づり(12月27日13時10分配信 読売新聞)

27日午前11時頃、新潟県糸魚川市西飛山の「シャルマン火打スキー場」で、

全長約1400メートルの4人乗りリフトのロープが支柱の滑車から外れそうになり、リフトが自動停止した。

このトラブルで、リフトに乗っていた約40人が宙づりになったが、

スキー場職員や消防署員が約1時間半後に全員を救出した。けが人はなかった。

同スキー場はこの日がオープン初日で、多くの客が訪れていた。糸魚川署で原因を調べている。


◆コメント:こういう時、一番の悲劇は、トイレに行きたくなることです。

私は過去も書いたことがあるのですが、比較的短い時間においては、人間は食べられなくなるよりも、

(尾籠な話で恐縮ですが)出せなくなる方が苦しいのです。

首都圏ではしばしば満員の通勤電車(又は帰宅時間帯の電車)が何らかの問題により、

駅と駅の間で1時間とか2時間とか、ときにはそれ以上の時間、停車することがあります。

また、エレベーターが動かなくなり、階と階の中間で何時間も缶詰状態になる、という事故が起きます。


この時にトイレに行きたくなったら・・・、言うまでもなく悲惨です。

特に、腹が差し込んできて、トイレに駆け込みたくなったりしたら、目も当てられません。

新聞やテレビは流石に不謹慎で気の毒だから、そういうことは書きませんが、

私は、過去においてこういう状況で、どうしようもなくなってしまった(はっきり書くと失禁してしまった)例が、

絶対あると想像します(そういうことが無かったと考える方が難しい。

特に夏は、帰宅前にビールを沢山飲んで、電車に乗り込む人が多いでしょうから)。

老若男女、人で混み合っている空間で失禁するほどの生き恥はない。若い女性なんか「死んだ方がマシ」じゃないでしょうか。

電車だったら、非常レバーを用いてドアを開けて外に出る(他の電車に気をつけなければいけませんけど)しか、ありません。

エレベータだったら、もう、どうしようもありません。


「首都圏直下型地震」が起きた際の「防災対策パンフレット」の類は色々ありますが、

私が述べたようなことを書いているのを見たことがありません。非常用食料、物資の備蓄も結構ですが。

しかし、広義の「公共交通機関」が突如止まるのは地震のときばかりではない。

とにかく普段の心構えとして、エレベーターや電車、バス(長距離でトイレが付いているのは別ですが)、

今回のようなスキー場のリフト、遊園地の乗り物、etc.に乗る前は、出来るだけ用を足しておく、というのは、実は非常に大切なことなのです。

勘ぐられると嫌だから、念のため書いておきますが、私は幸い、上述したような「悲惨な結末」を経験したことはありません。


◆記事:朝食を抜く若者、性交渉の時期早まる傾向=調査(12月27日0時53分配信 ロイター)

[東京 26日 ロイター] 中学生時に朝食を取らなかった人は、朝食を取った人と比べて性交渉の時期が早く、

背景に家庭環境が影響している可能性がある。

社団法人・日本家族計画協会クリニックの北村邦夫所長は、望まない妊娠をいかに減少させるかを目的に、

16─49才の男女1500人相当を対象に今年9月に調査を実施。

中学生時に毎日朝食を取った人の初体験年齢は平均19.4才で、朝食を取らなかった人は同17.5才だった。

また母親に対して嫌悪感を持つ人の初体験年齢は平均16才、母親を気遣う人の初体験年齢は同19才だった。

北村所長は、朝食が取れない人は家庭環境に何かを抱えている可能性があるとの見方を示し、

性交渉の若年化を問題とする前にそれぞれの家庭事情を調べてみる必要があるかもしれない、と述べた。


◆コメント:この「調査」、それほど価値があるのかな。

この調査、意味があるのでしょうかね。

朝食を摂れば、性交渉(初体験)の時期が遅くなる、と。 それは、分かった。

性交渉の若年化が問題となっているのは、養えないのに、妊娠させてしまった、ということもあるでしょうが、

最大の問題は、先進国でHIV感染者が増加しているのは日本だけ、という事実で、これは恥ずかしい。

性交渉の時期が遅くなっても、HIVの知識が無いと、この問題は解決しないでしょう。



子どもに朝食を摂らせないような家庭がこの「調査結果」を読んで、突如、生活習慣を改めるとは到底思えません。

そもそも新聞を読んだりニュースを見たりしない家庭が多いのではないかと思います。

そして、性交渉の時期は早まっているのに少子化は進む、ということは、

「子どもを作る行為はしたいが、子どもを作るのは責任を伴うし面倒だから嫌だ。」ということです。

その精神が如何にも無教養で、日本がそんな程度の低い、無教養な淫乱国家になってしまったのか、と考え、

私は非常に情けない気持ちになりました。

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2008.12.27

「非正規従業員 「野垂れ死にする」…年内限りに声震わせ」←半世紀近く生きているが、こんな悲惨な状況は初めてだ。

◆記事1:非正規従業員 「野垂れ死にする」…年内限りに声震わせ(12月26日12時24分配信 毎日新聞)

失業率は3.9%、来年3月までに職を失う非正規従業員は8万5000人。

仕事納めの26日、雇用情勢の悪化を示す二つの数字が公表され、師走の列島を覆う不況の影が一段と濃くなった。

「安心して正月を迎えられない」。派遣切りに遭った人からはそんな悲鳴が上がる。深刻な事態に対処するため、

特別に30日まで業務を続ける各地のハローワークには、この日も職を求める大勢の人の姿があった。

「もともと家がないのに、仕事までなくなれば生きていけない」。

東京都内の安いホテルを転々として暮らす派遣社員の女性(49)は不安そうに話す。

20年ほど前に故郷の鹿児島から上京。警備員などのアルバイトで生活費を稼いだ。2年前に派遣社員になり、

各地の工場で住み込みの仕事をした。富山県の薬品メーカーの工場に勤めていた今夏、仕事がなくなり、寮にも住めなくなった。

都内に移り、ホテルで寝起きしているうちに、50万円ほどあった貯金は底をついた。

夜間の日雇いの仕事を週数回こなして食いつなぐが、7000円前後の日当では1泊3000円の宿泊費を払うのがやっとだ。

実家の両親は帰郷を勧めるが、「田舎にはもっと仕事がない」。最近、住み込みのマンション管理人の採用面接を受けた。

年明けにでる結果が、唯一の希望だ。

2年間働いていた川崎市の部品工場で、年内の雇い止めを通告された派遣社員の男性(33)は、

有給休暇を使って仕事を探している。「正月明けまでは宿舎にいられる。今のうちに、アルバイトでもいいから仕事を見つけないと、野垂れ死にしてしまう」と声を震わせた。

「隠れた失業者も入れれば、雇い止めは10万人を超えるのではないか」。

全日本金属情報機器労働組合(JMIU)いすゞ自動車支部の委員長で期間従業員の松本浩利さん(46)はそう指摘し、

「日本の危機に行政は休んでいる場合か」と憤った。

今年最後の出勤日となった26日も、早朝から栃木工場前でビラを配った。いすゞはこの日で数百人の派遣従業員を解雇する。


記事2:ヤミ専従で社保庁職員ら40人を刑事告発(12月26日(金) 23時11分 日本テレビ)

社会保険庁の職員が給与を受け取りながら労働組合の活動に専従していた、いわゆる「ヤミ専従」問題で、

厚労省は26日、背任罪に当たるとして、実際にヤミ専従を行った職員16人と、

給与の支払いを担当した当時の社会保険事務所所長ら24人の計40人を東京地検に刑事告発した。

舛添厚労相が設置した調査委員会は、不正に支払われた給与の大半が返済されているとして、

刑事告発に慎重な姿勢を見せていたが、公務員の犯罪にあたることを重視し、刑事告発に踏み切ったという。


記事3:年金問題:年金記録と台帳、全件照合の方針--舛添厚労相(2008.07.10 毎日新聞)

舛添要一厚生労働相は9日、年金記録漏れ問題への対応で、社会保険庁のコンピューター内の年金記録と

8億5000万件の手書き台帳との全件照合をする方針を示した。自民党の塩崎恭久元官房長官らの申し入れに応じた。

政府は先月の関係閣僚会議で、手書き台帳の全件照合には慎重ともとれる方針を確認した。

しかし、舛添氏は「ステップを置いて完ぺきにやると申し上げたつもりだ」と述べ、理解を求めた。

また、休職せずに組合活動に専念する「ヤミ専従」をしていた社保庁職員の調査に関し、

弁護士や元検察官らをメンバーとする第三者委員会を今週中に設置する考えを示した。


◆コメント:年末にカネも住居もない人が溢れる日本など、想像だにしたことが無かった。

私が子どもの頃、「景気」や「株価」に関心は無かった。普通の子どもはそんなことに興味を持たない。

しかし、私が生まれる前、昭和31年の経済白書に、「最早、戦後ではない」という記述があり、有名になったことを後年知った。

この頃から、高度経済成長期に入って、止まるところを知らないのではないか、と思われるほどの発展を続ける時代に私は育ったのである。

だから、新聞の経済欄など読んだこともなかったが、生まれてこの方、これほど、景気が悪化し、失業者があふれ、年末だというのに、

突如解雇を言い渡され、社宅からも出て行かねばならず、途方に暮れる人が、大勢いる日本、など見たこともなければ、想像だにしたことがない。

今は、自分は幸い職に就いているが、社会全体を見回すと、あたかも悪夢を見ているようである。

今日(26日)発表された、雇用統計は、眩暈がするほどひどい状況を示している。

完全失業率が3.9%で前月より0.2%悪化、と言われるとピンと来ないが、総務省統計局のサイトをご覧頂きたい。

ポイントが書いてある。それによれば、

今月の動き

○11月の完全失業率は季節調整値で3.9%となり,前月に比べ0.2ポイント上昇

○11月の完全失業者数は256万人と1年前に比べ10万人増加

○就業者数は6391万人と1年前に比べ42万人減少

○非労働力人口は4403万人と1年前に比べ38万人増加

失業「率」ではピンとこなくても、完全失業者数が256万人、という数字を見ると慄然とする。

本当に、このままでは、おカネも住むところもなくて、凍死する人、自殺する人が出るだろう。

とりあえず、住居に関しては、厚労省と財務省が、緊急対策を発表している。
◆記事:雇用促進住宅のあっせん拡大=厚労相(12月26日12時37分配信 時事通信)

舛添要一厚生労働相は26日の閣議後の記者会見で、失業で住居を失った非正規労働者に入居をあっせんする

雇用促進住宅の供給戸数の拡大を表明した。廃止が決まっていない約1万3000戸の提供を15日に始めたが、

これに加え、廃止決定済みの約3万1000戸のうち、使用可能な物件への入居を進める。

雇用促進住宅は2021年度までの廃止が閣議決定されているが、当面は活用が可能と判断した。


財務省は、空いている官舎を開放するらしい。
◆公務員宿舎を初めて貸し出し=失業者の住宅対策で775戸-財務省 (12月26日16時41分配信 時事通信)

財務省は26日、景気悪化に伴う解雇で寮などから退去させられる派遣労働者らが急増している事態に対応するため、

同省所管の国家公務員合同宿舎775戸を最大1年間貸し出すと発表した。貸し出しは地方自治体に対して行い、

市町村が失業者に住宅として提供する。公務員宿舎は1995年の阪神・淡路大震災など災害時に貸し出した例はあるが、

失業者の住宅支援は初めてという。 財務省所管の公務員宿舎は通常、主に財務局など各地の出先機関の職員が利用している。

全国に約8万8000戸あり、現在未入居で当面利用予定のない宿舎を活用することにした。

他省庁所管まで含めれば、全国の公務員宿舎は22万戸に上る。同省はこれらについても同様の取り組みを行うよう各省庁に要請した。

記事の最後に書いてあるとおり、財務省所管の公務員宿舎だけではなく、各官庁も同様の「空き部屋」をもっているなら、

さっさと開放すればいい。この寒さでホームレスになったら、本当に死んでしまう。官舎は元々、我々の収めた税金で建てたのである。

ケチケチせずに早くやれば良かったのに、役所は今日(26日)が仕事納めである。遅いんだよ。バカ。


◆官舎に住まわせて家賃を取るらしい。なら仕事を作れ。

財務省所管の公務員宿舎については、家賃を取るつもりらしいが、役人もわかっているだろうに、

住居が無い人は、職も失ったのである。従って、仕事を見つけねば、家賃どころか、食うことも出来ない。


そこで私は考えたのである。多少、無茶苦茶だが、これぐらいしないとどうしようもない、と思ったのだ。

例の「宙に浮いた年金」の照合作業、一体何件、何パーセント済んだのだろうか。

記事3によれば、舛添厚労相は7月にコンピューター内の記録と紙の年金台帳8億5千万件を照合する、とものすごいことを約束した。

社会保険庁の役人は、記事2のように狡猾で、どう考えても、順調に作業が進んでいるとは思えない。舛添厚労相から国民に説明もない。

真面目に仕事をするどころか、前述の「ヤミ専従」で不正に給料を横領し、厚生年金に関しては組織ぐるみで厚生年金保険料の算定基準となる標準報酬月額を

改竄していた、という話もあった。この連中に任せておいては、8億5千万件の照合など、絶対に、永遠に終わらないだろう。

あまりにもひどいので、社会保険庁改革法案が可決し、社保庁の解体が決まった。2010年1月から「日本年金機構」になるそうだ。

しかし、名前だけ変えても仕方がない。同じ奴らに作業をやらせても、そもそも真面目にやる気がないことは、

これまでの経緯を見れば明らか。


日本年金機構の設立を早めて、今回の不況で突如仕事を失った人を優先的に採用する。

解雇された人は製造業が多いというが、民間で真面目に働いていた日本人労働者の能力は、

社保庁の木っ端役人とは比べものにならないほど高いだろう。最初は勝手が違っても、照合作業など直ぐに慣れ、

猛烈なスピードで照合作業が進むのではないか。

今の社保庁職員は、散々年金掛け金を流用し、肝心の年金勘定の管理をまともにやっていなかったのだから、税金泥棒である。クビ。

民間の失業者256万人に比べれば、たかが知れている(ただ、資料の在処などを知っている奴だけほんの少し残し、全て吐かせる)。

失業者には仕事が出来る。国民は年金をうやむやにされる可能性が低くなる。良いことずくめ。

クビになった社保庁職員は、本来刑事責任を問われても仕方がないようなことをしていたのだから、

後は、知ったことではない。仕事を探す苦労を味わうが良かろう。

良いアイディアだと思うのだが。どうでしょう?

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2008.12.26

今日(26日)はKenさんの奥様のご命日ですので、追悼の音楽をお聴きいただきたいのです。

◆リンクさせていただいてます、Kenさんの奥様が2年前の12月26日に急逝されました。

Kenさんとはインターネットで知り合って、本当に有難いと思っています。

がたがたへりくつクラシックというブログで、驚異的な音楽への情熱と博識ぶりがよく分かります。

Kenさんは、アマチュアオーケストラのコンサートマスター、つまり、アマチュア・ヴァイオリニストですが、

弾くだけではなく、私とは比較するのも失礼なほど、西洋音楽に造詣が深く、音楽への愛情がブログからひしひしと伝わってきます。

私もクラシック音楽を載せて色々書いていますが、所詮受け売りの知ったかぶりですが、Kenさんはお世辞でも何でもなく、

まともに勉強している方で、次元が違います。こんなアマチュア、私は他に知りません。私は大変尊敬しているのです。


そのKenさんの奥様がなんと2年前の12月26日に急逝なさいました。

私はまだネットでKenさんと知り合ってそれほど時間が経っていなかったけれど、大変なショックを受けました。

早いものであれから2年。三回忌ですね。法要は既に済まされたそうですが、ご命日は今日なので、

昨年同様、Kenさんの奥様を追悼したい。私には音楽をお聴かせすることしか出来ません。

浅学非才の私の選曲ですので、お恥ずかしい限りですが、Kenさんとお子さんたちと、天国の奥様にも

お聴き頂ければ幸いです。

追悼の音楽と表題に書きましたが、はっきりと死者を追悼する音楽(葬送行進曲など)は、一つもありません。

ただ、美しく、心が慰められるような音楽を選びましたので、読者の皆様にもお聴き頂きたいのです。


◆【音楽】バッハ、モーツァルト、ベートーベン、シューベルト、ショパン、ブラームス、です。

なるべく余計な説明は書かないようにします。

最初は「ピアニストの旧約聖書」、バッハ、平均律クラヴィーア曲集の一番最初の曲です。

演奏はスヴィヤトスラフ・リヒテルです。





続いて、モーツァルトのピアノ・コンチェルト第21番から第二楽章、アンダンテ、です。映画音楽に使われて有名な楽章です。

ピアノ・ソロは内田光子さんです。



こういうのは、音が簡単なだけに、ピアニストの音楽性が剥き出しになります。大変難しいと思います。

ですが、美しい。


次は、ベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」第二楽章です。
「悲愴」といってもこの楽章は祈りを捧げるような静かな、穏やかな音楽です

演奏は、バックハウスという、おっかない顔をしたおじさんです。

既に故人ですが、ベートーヴェン弾きとして世界的に名を馳せた人です。





きれいでしょ?


次は、シューベルトの弦楽四重奏曲を聴いて頂きます。第14番「死と乙女」から第二楽章です。

変奏曲の形式になってます。テーマは同名の彼の歌曲から取っているのです。最初は暗い、

と思うかも知れませんが、再生開始後2分半ぐらいからの第一変奏のヴァイオリン聴いて下さい。

非常にきれいです。演奏は、アルバン・ベルク四重奏団です。





最後は、フル・オーケストラによる交響曲。ブラームスの交響曲第4番の第一楽章。

冒頭からすすり泣くような音楽ですが、途中に非常に響きの厚い部分を経て、楽章終わりの悲壮感が美しい。

演奏は、カラヤン=ベルリン・フィルです(このCD、ブラームスの交響曲が全曲で2,000円台です)




如何でしたでしょうか。今日は絶対にKenさんの奧様を追悼する特集を組む事に決めておりました。

お聴き頂けたら、幸いです。

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2008.12.25

納税者が職と住居を失い路頭に迷っているのに、税金で建てた豪華議員宿舎にいる国会議員。/【音楽】ファゴット吹きの休日。

◆記事:<雇用対策関連法案>自公の反対多数で否決 衆院本会議 (12月24日12時11分配信 毎日新聞)

 民主、社民、国民新の野党3党が提出した雇用対策関連法案は24日午後の衆院本会議で自民、公明両党などの反対多数で否決された。

民主党はこれに先立つ衆院厚生労働委の法案否決に反発、解散要求決議案を衆院に提出したが、与党の反対多数により本会議で否決された。

解散要求決議案の提出は89年に宇野宗佑首相(当時)に野党が提出して以来19年ぶり。

「麻生首相による政治空白は看過できず、国民の信任を得た新しい政府が強力なリーダーシップを発揮する以外にない」としている。

また、民主、国民新両党は雇用法案否決を受け、午後に「参議院の審議権尊重に関する決議」を参院に提出、民主、社民、国民新3党の賛成多数で可決される見通し。

雇用法案は

(1)採用内定の取り消し規制

(2)雇用保険に未加入でも2カ月以上勤務した派遣労働者を雇用調整助成金の対象とする

(3)解雇された派遣労働者に住宅を貸与し、生活支援金を支給

(4)有期労働契約の「雇い止め」制限などルール明確化--が柱。

政府・与党の「無策」を強調する狙いで、野党が多数を占める参院では可決された


◆コメント:真面目にやれよ。

今朝、通勤電車に乗ったら、まだ24日だというのに、随分電車が空いていた。普通、東京証券取引所の大納会と、

官庁の仕事納めが12月28日で、その頃から電車がガラガラになるのが普通である。

これも、雇用情勢の悪化の所為かもしれない。


今月に入ってから、突如解雇を言い渡されて、職も住居も失った方が大勢いる。

また、大晦日も三が日も働く人は大勢いる。

だからこんな事を書いては申し訳ないが、私は30日まで働き、大晦日から1月4日まで休みとなる。

後、4営業日働けば休めるのだが、正直、この時期になると、休息にエネルギーが減衰する。

1年の緊張の糸が切れそうで、非常に辛い。しかし、今年ばかりは職があるだけ有難いと思わねばバチが当たる。


今日で臨時国会は閉幕したが、国会は、結局何も決められない。今は与野党で争っている場合ではない。

与党は野党の雇用法案を衆議院で否決したが、与党に即効性のある代替案はない。

それで臨時国会は終わり、自分たちは年を越すには困らないから、また来年話しましょうという訳?

真面目にやれよ。納税者が路頭に迷っているのに、税金から給料貰ってる国会議員はのんびり正月かよ。


◆納税者が路頭に迷い、税金から給料を貰っている国会議員は高級マンションの宿舎でぬくぬくと正月をすごすのか。

私は、全ての公務員がたるんでいる、などと云うつもりはないが、国会議員に関しては批判せざるを得ない。

国会での審議は要するに与野党の攻防の「材料」であって、結局国民不在である。

東京の溜池山王には、新しい衆議院議員宿舎(殆ど億ション)があり、衆議院議員は家賃9万(だったはず)で入居出来る。

無論、それは、税金で建てられた。国会議員の給料も、住むところも税金から出ているのに、納税者(非正規労働者だって納税者だ)が

突如、職と住居を失って、文字通り路頭に迷っているのに、税金で食っている奴らは億ションでぬくぬくと暮れ正月を過ごす、

ということだ。

どう考えても世の中間違っている。

辛うじて、こんな記事があった。

◆新たに3万1000戸を活用=非正規労働者支援で廃止住宅-厚労省 (12月24日23時18分配信 時事通信)

厚生労働省は24日、失業で住居を失った非正規労働者の支援のため、

雇用促進住宅のうち既に廃止が決まっている最大3万1000戸を活用する方針を固めた。

15日からハローワークなどで、廃止を決めていない約1万3000戸のあっせんを開始、

22日までに933件の入居が決定しており、対象物件を拡大する。週内をめどに正式決定する。

まあ、何もしないよりはいいですけどね。住むところが無くては困るから。失業者をどうするのか。

つまり雇用の創出に関して審議を尽くさないで国会議員が休みに入るというのは、繰り返すが納得できない。

大晦日まで1週間ある。ギリギリまで策を模索しろと言いたい。何も出来ないなら、議員宿舎の空室を、

住居を失った、非正規労働者に解放したらどうか。それは、税金で建てたのだ。


◆【音楽】ルロイ・アンダーソンの代表作から「そり滑り」と「ファゴット吹きの休日」

今日(25日)がクリスマスですからね。何だか最近クリスマス・イブの方が大事と勘違いしている人がいますけど、違います。

折角クリスマスですから、ルロイ・アンダーソンの「そり滑り」。カリビアン・カルテットというカナダのファゴット四重奏団の演奏。

ひじょーに珍しい。





へー、と思うでしょ? 次はもっと面白いですよ。「ファゴット吹きの休日」。まあ、どうぞ。





上手いねえー。ファゴットでこんなの吹かれると唖然とするね。

低音でボソボソ、バタバタやっているのは、コントラ・ファゴットといって、普通のファゴットよりオクターブ低い。

オーケストラの最低音を出す楽器です。(コントラバスでも、テューバでもないのですよ)。

ちょっと面白かったでしょ?因みに、CDは申し訳ありませんが、2枚になってしまうのですよ。

「そり滑り」は、Caliban Does Christmas。「ファゴット吹きの休日」はBassoonatics! できけます。Bassoonatics!は、他は意外と真面目です。

それでは。失礼します。

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2008.12.24

【音楽】クリスマス (その2)バッハからプロコフィエフまで。Silent Night(清しこの夜)も。

◆まず、コーラスで比較的有名な曲を。

今日も、音源は昨日と同じ、ヴェリー・ベスト・オブ・クリスマスです。

あれも、これもと別のCDから取りあげたら、一度にそんなに買えませんから、これはなかなか便利なのです。


さて、今日の最初は、昨日のような、ヨーロッパの教会ならそこら中にある聖歌隊の曲です。

The First Nowell。Nowellはフランス語でクリスマスの意味ですね。お聴きになったこと、あると思います。



美しく、優しい歌声です。


もうひとつ。これは、やや楽しげ。“Ding, Dong Merrily on High”。これもお聴きになったことがあるのでは。
どうぞ。



柔らかいハーモニーと、オルガンと人間の声が上手く融け合って、とても綺麗だと思います。


◆クリスマスに因んだ、大作曲家の管弦楽曲

これはですね。バッハのクリスマスオラトリオは、宗教曲でしょうが、他の2曲は、

このシーズンに因んだ曲で、宗教曲そのものではありません。


最初に、バッハの「クリスマスオラトリオ」から「シンフォニア」という曲です。



私はこれを聴くと、音楽が人の心を慰める力を感じます。


次はモーツァルトです。彼にも宗教曲は勿論ありますが、敢えて関係のない、

ドイツ舞曲から「そり滑り」という一曲を聴いて頂きます。ポストホルンが使われています。どうぞ。



ポストホルンは、オクターブを上がったり下がったりするだけですが、高い方は結構高音なので、奏者は気を遣うと思います。

それから鈴がシャンシャン鳴りますが、コンサートでは、打楽器奏者じゃない、弦や管の人たちまでが

これを鳴らして、色々なところから音が聞こえてくる、という演出をすることがあります。

しかし、如何にもモーツァルト、ですねえ。


次はいきなり20世紀に跳びます。プロコフィエフの「キージェ中尉」という管弦楽用の組曲があります。

もともとは、同名の映画の為の音楽だったらしいですが、改めてコンサート用に組曲に作り直しています。

そのなかから、「トロイカ」という、楽しい曲があるので、お聴き下さい。



如何にもトナカイが出てきそうな雰囲気です。ロシアの冬が想像できるような気がします。サクソフォーンが使われています。

これは組曲全曲をコンサートで観て、聴くとすぐに分かりますが、マンドリンも使われていて、大変楽しいです。


◆最後はこの曲で静かに。Silent Night。

これは、説明要らないですね。「清しこの夜」の日本語名であまりにも有名ですが、伝承曲ではなく、

フランツ・ザヴィエル・グルーバー(Franz Xaver Gruber (1787-1863))という人が書いた曲です。

これ、歌詞が何種類かあるのですね。この録音、普通と違いますが、音楽の美しさは格別です。





どうも、きになるので、普通の歌詞のも追加で載せます。

Silent night, holy night!

All is calm, all is bright.

Round yon Virgin, Mother and Child.

Holy infant so tender and mild,

Sleep in heavenly peace,

Sleep in heavenly peace.



Silent night, holy night!

Shepherds quake at the sight.

Glories stream from heaven afar

Heavenly hosts sing Alleluia,

Christ the Savior is born!

Christ the Savior is born.



Silent night, holy night!

Son of God love's pure light.

Radiant beams from Thy holy face

With dawn of redeeming grace,

Jesus Lord, at Thy birth.

Jesus Lord, at Thy birth.




心穏やかに。音楽に慰められて下さい。

では。

Have a Merry Christmas!

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2008.12.23

クリスマスまでに間に合うように、曲とCDのご紹介です。

◆去年もやりましたが、また別の演奏で。

最初にCDをご紹介しておきます。今回は、全てこれに収録されている曲です。

2枚組なんだけど、ナクソスなので、割と安い。ヴェリー・ベスト・オブ・クリスマス

新品の在庫がなくて、もし買われるならマーケットプレイスからになりますが、新品で1,000円ぐらいで売ってます。

特別に有名な演奏団体ではないですけど、上手いですよ。

今日は、合唱曲をご紹介。ヨーロッパなら何処に出もある教会の合唱隊。

では、早速。


あまりにも有名な「もろびとこぞりて」は、実はヘンデルの作品で、Joy to the Worldというのですね。

英語歌詞を添えます。

Joy to the world! The Lord is come



Let earth receive her King

Let ev'ry heart prepare Him room

And heaven and nature sing

And heaven and nature sing

And heaven and heaven and nature sing

Joy to the earth! the Saviour reigns

Let men their songs employ

While fields and floods, rocks, hills and plains

Repeat the sounding joy

Repeat the sounding joy

Repeat, repeat the sounding joy



No more let sins and sorrows grow

Nor thorns infest the ground

He comes to make His blessings flow

Far as the curse is found

Far as the curse is found

Far as, far as the curse is found





He rules the world with truth and grace

And makes the nations prove

The glories of His righteousness

And wonders of His love

And wonders of His love

And wonders, wonders of His love

曲をお聴き下さい。



ボーイソプラノの声の美しさというのは、女声ともまた違う、格別の美しさがありますね。


次も讃美歌になっていますが、メンデルスゾーンが作曲した、Hark! The Herald Angels Sing という歌です。

歌詞は次の通り。
1.

Hark! the herald angels sing, "Glory to the newborn King;

Peace on earth, and mercy mild, God and sinners reconciled!"

Joyful, all ye nations, rise, Join the triumph of the skies;

With th' angelic host proclaim, "Christ is born in Bethlehem!"

Hark! the herald angels sing, "Glory to the newborn King."



2.

Christ, by highest heav'n adored; Christ, the everlasting Lord!

Late in time behold him come, Offspring of the Virgin's womb:

Veiled in flesh the Godhead see; Hail, th'incarnate Deity,

Pleased, as man with men to dwell, Jesus, our Emmanuel.

Hark! the herald angels sing, "Glory to the newborn King."



3.

Hail the heav'n-born Prince of peace! Hail the Son of Righteousness!

Light and life to all He brings, Ris'n with healing in His wings.

Mild He lays His glory by, Born that man no more may die,

Born to raise the sons of earth, Born to give them second birth.

Hark! the herald angels sing, "Glory to the newborn King."

お聴きになったことがあると思います。どうぞ。



「美しい」という以外に言葉を知りません。これが美しくなくて、世の中の何が美しいのでしょう?

それはさておき、この曲は日本では、それほど演奏されない様な気がしますが、ヨーロッパだと、一番ポピュラーかもしれません。

私はロンドンにいた頃、クリスマス前、素人のブラス・アンサンブル、つまり、ラッパだけの合奏を

街の至る所でやっているので、びっくりしました。本当にここでも演ってるし、少し離れた街角でも演っているし、

反対側の少し離れたところでも吹いている。大きな駅の構内では、大きめの編成の文字通り「ブラス・バンド」、金管だけの

素人合奏団がこう言うのを吹いている。上手いんです。結構。なんか、すごく感激したのを覚えています。

西洋人にとって、クリスマスというのは、こういうものなのか(ラッパが全てという訳じゃありませんけど)、と思いました。


次はヘンデルのオラトリオ「メサイア」という「ハレルヤ・コーラス」で有名な曲がありますが、今日はハレルヤじゃなくて、第12曲。

For unto us a child is bornという曲です。因みに、ここでのソプラノは女声のソプラノです。どうぞ。



コーラスが非常に細かい音の動きをするんですね。こういうのオラトリオとか、バッハの宗教曲とかではザラに出てきます。

ちゃんと声楽の訓練をした人じゃないと、絶対歌えませんね。一音毎に腹で(横隔膜の動きで)音を区切っているわけです。



次はバッハのBWV 493、O Jesulein suss(おおいとしき御子)という合唱です。静かな曲です。どうぞ。



こういう音楽を聴くと、全然信仰の無い私ですら、敬虔な気持ちになります。それはそれで良いことだと思います。


さて、今日の最後は誰が作ったか分からない「伝承曲」ですが、よく知られてます。O Come, All Ye Faithful。

讃美歌としては111番だそうです。

歌詞は次の通りです。
O come, all ye faithful,

Joyful and triumphant,

O come ye, O come ye to Bethlehem;

Come and behold him,

Born the King of angels;

O come, let us adore him,

O come, let us adore him,

O Come, let us adore him, Christ the Lord.



God of God, Light of Light,

Lo! he abhors not the Virgin's womb:

Very God,

Begotten, not created; Refrain



Sing, choirs of angels,

Sing in exultation,

Sing, all ye citizens of heaven above;

Glory to God

In the highest; Refrain



See how the shepherds,

Summoned to his cradle,

Leaving their flocks, draw nigh to gaze;

We too will thither

Bend our joyful footsteps; Refrain



Child, for us sinners

Poor and in the manger,

We would embrace thee, with love and awe;

Who would not live thee,

Loving us so dearly? Refrain



Yea, Lord, we greet thee,

Born this happy morning;

Jesus, to thee be glory given;

Word of the Father,

Now in flesh appearing; Refrain

どうぞ。





何度も聴いているけど、やはり美しい。訓練されたコーラスだからこそ綺麗なんですけどね。

次は(明日出来るかどうか分かりませんが)このアルバムから、意外な人の合唱曲や器楽曲(管弦楽曲)をお聴かせできれば、

と思います。Silent Night(清しこの夜)は、最後にとっておきましょう。

それでは、今日はこれにて失礼します。

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2008.12.22

【経済】日銀政策決定会合に関する話の続き。日銀総裁の責任の重さ/日銀がコマーシャル・ペーパーを買い取る、ということ。

◆日銀総裁の記者会見一問一答を読んでいて思いますが、これほど大きなプレッシャを抱える仕事は珍しい、と思います。


19日金曜日に日銀の政策決定会合が行われました。

その結果は、日本銀行のホームページに、金融政策の変更について(14時05分公表)金融調節手段に係る追加措置についてで発表されています。

政策金利については、

無担コールオーバーナイトの誘導目標を
0.2%引き下げ、0.1%前後で推移するよう促す。

とあります。この決定の有効性に関する考察は、日記ブログに書きました。

書いておいて今更なんですが、日銀の金融政策についてあーだ、こーだいうのは、ある程度知識があれば、

簡単です。しかし、実際に金融政策を決定する、金融政策決定会合のメンバー、とりわけ最終責任者たる日銀総裁の責任の重さは、

考えるだけでぞっとします。

そんなことは何十年も前から同様なのですが、今のように急激に経済が変動しているときは、尚更です。

世界で一番影響が大きいのはアメリカであることは云うまでもなく、FRB議長の責任が世界で最も重いですが、

日本とて、世界第二の経済大国なのですから、日本経済全体の状況を検討して、金融政策を毎月決定しなければならない

日銀総裁の受けるプレッシャーは、恐らく想像を絶します。

このポストを引き受ける(副総裁が総裁になったので、ある程度慣れてはいるでしょうが)だけで、非常に勇気を必要とします。

日銀のサイトにはまだ掲載されていませんが、金融政策決定会合が開かれた日は、必ず日銀総裁の記者会見が行われます。

ロイターが報じた、白川日銀総裁記者会見の一問一答を読むと、

当然とは言え、経済のあらゆる側面を考慮し、データを検討し、景気の先行きを予想し、欧米の中央銀行の政策金利とのバランスを考えなければならない。

日銀総裁会見に出る経済記者は各メディアのベテランで、専門的なことが分かっている連中なので、質問もかなり詳細に及びます。

国の要職の中でもこれほどしんどいポストは無いのではないか、と、同情してしまいます。


◆金融政策決定会合は、日銀が企業のコマーシャル・ペーパーを買い取ること決めましたが、こんなのは初めてです。

日本銀行サイトの金融政策の変更について(14時05分公表)金融調節手段に係る追加措置についてには、

政策金利(無担コールオーバーナイト物)の誘導目標の引き下げ、いわゆる「利下げ」のみならず、

企業の資金繰りを助ける為に、日本銀行が、民間企業が発行するコマーシャル・ペーパー(CP)を買取ることを決めた、

と書かれています。6ページ目の「金融調節手段に係る追加措置について」で、

2.企業金融の円滑化に向けた措置

(2)CP買入れを含めた企業金融面での追加措置の導入・検討今後、年度末に向けて企業金融が一段と厳しさを増すおそれがあることを踏まえ、

時限的に、CPの買入れ(買切り方式)を実施することとする。それとともに、企業金融に係るその他の金融商品についても対応を検討することとし、

それらの検討結果をできるだけ速やかに金融政策決定会合に報告するよう、議長から執行部に対し指示した。

これらの措置は、結果的に個別企業の信用リスクを負担することになるものであり、

中央銀行としては異例の対応となる。この点を踏まえ、議長からは、中央銀行としてどの範囲でどの程度の期間行うことが必要かつ適当か、

また、中央銀行の財務の健全性と通貨に対する信認を確保するために、政府との関係も含めどのような対応が必要か、

といった点からの検討を求めた。(注:太文字は引用者による)

と言う箇所があります。

これは、かなりきわどい、というか勇気があるというか、場合によっては危険な決定です。コマーシャル・ペーパー(CP)とは、
企業が資金調達を行うために発行される短期の約束手形。 コマーシャルペーパー(Commercial Paper)はCPという略称で呼ばれることが多い。

無担保の割引方式(金利分を額面から割り引いて販売する形)で発行される短期の約束手形であり、発行体は優良企業に限られる。

また、金融機関、証券会社などが発行を引き受け、販売先は機関投資家に限定される。

というわけで、本来中央銀行が直接立ち入る分野じゃないのです。

企業がCPを発行するということは、それを買ってくれた人から借金をするのと同じです。

日銀が
結果的に個別企業の信用リスクを負担することになるものであり、中央銀行としては異例の対応となる。

と書いているのは、どういう事かというと、CPを発行した企業が倒産したら、日銀がおカネを回収出来なくなる。

つまり、日本の中央銀行が「不良債権」を抱える危険を冒すこと、を意味する。

銀行の銀行。「最後の貸し手」である日本の中央銀行がもしも不良債権を抱えることになったら、

それは日本国の「信用」が低下することを意味します。だから、本当はこんな事は日銀はしたくないのです。


何故日銀が民間企業の信用リスクを敢えて抱えるのか、というと、それほど、今の日本経済がヤバいからです。

企業は不景気で倒産する可能性が高いから、そのような企業が発行する約束手形(特に中小企業が発行したもの)の一種、

CPを買う人がいない。CPを発行しても買う人がいなければ企業は資金を調達できない。実際、出来ていないのです。

それじゃ銀行から借りることができるかというと、難しいのです。

何故なら、銀行自体がも金融危機に端を発する株安や、様々な金融商品の価格が下がって評価損を計上し、

業績の下方修正をしているぐらいだから、潰れそうな会社に融資できない。貸したおカネが返して貰えなかったら、

ますます銀行は損失を計上しなければなりません。これは、非人道的なのではなく、

銀行だって商売なのだから、仕方がない。


結果的に中小企業はCPを発行しても売れず、銀行はおカネを貸してくれない。

年末の資金繰りが付くかどうか分からない会社がゴマンとある。

資金繰りが付かなければ、会社は潰れるのです。

この問題を解消するために、日銀は自らが企業が発行するコマーシャルペーパーを買い取る、と宣言したのです。

日銀自身の言葉どおり、「極めて異例」です。しかしそうせざるを得ないほど、日本の中で資金の流れが滞っているのです。


土曜日に、全国紙はもとより、地方紙の新聞の社説を大分読みました。新聞コラム社説リンクというサイトが、便利です。

皆同じなんです。日銀の利下げと追加的措置は評価できる。しかし、場合によっては、中央銀行の信用に関わるから、

注意深くやってくれ。政府は景気・雇用対策を急げ、と、判で押したように同じ趣旨です。

そんなことは、分かっている。じゃあどういう経済政策が有効なのか、を具体的に提案している新聞は、

私の読んだ範囲では、皆無でした。

何しろ、50年か100年に一度の金融危機に端を発した世界同時不況で、誰もが未経験です。

誰も、どうしたらよいのか、分からない、というのが、今の日本の経済の現状です。

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2008.12.21

「<江ノ電>早世の少年に運転士「辞令」 没後10年夢かなう」←いい話だ。こういうニュースもどんどん取りあげて頂きたい。

◆<江ノ電>早世の少年に運転士「辞令」 没後10年夢かなう(12月20日15時1分配信 毎日新聞)

朋(とも)君、天国で思いっきり走ってください--。江ノ島電鉄(神奈川県藤沢市)は22日、

「運転士になりたい」という夢を持ちながら10年前、難病で亡くなった少年(当時16歳)に運転士の辞令を発令する。

少年は亡くなる4日前、運転席に試乗してハンドルを握る夢をかなえたが、毎日新聞神奈川県内版で当時のいきさつを知った深谷研二社長が

「ぜひ夢の続きを」と、本物と同じ辞令書を少年の父親に手渡すことにした。

少年は東京都大田区の会社員、新田和久さん(56)の一人息子で、先天性心疾患「拡張型心筋症」だった朋宏さん。

4歳の時に母親を同じ病気で失い、約11年間、同県茅ケ崎市の施設で育った。見舞いに来る和久さんとよく江ノ電に乗り、

「大きくなったら江ノ電の運転士になるんだ」と語っていた。

 試乗は容体が悪化した98年11月11日、江ノ電の全面協力で実現した。

制服、制帽姿で運転席に乗り込み、運転士の後ろで全線の旅。

その後、検車区で「タンコロ」の愛称で知られる108型車両のハンドルを握り、運転士と一緒に動かした。

当初は反対していた関東運輸局(横浜市)も「聞かなかったことにする」と黙認したという。

10年後の今年10月、和久さんの知人で東京都品川区の塾経営、石井彰英さん(53)が感謝の気持ちを込めて

江ノ電の精巧な模型を同社に寄贈。これを報じた12月3日付の記事を読んだ深谷社長が

「他の仕事を休んででも、早く朋宏さんに夢の続きを」と職員に指示した。

22日は、江ノ島駅(藤沢市)で辞令を交付した後、利用客のボタン操作で動くように改良した模型電車の出発式もある。

和久さんは「ここまでしてくれた江ノ電を(将来の夢に)選んだ朋宏を褒めてあげたい」と感激している。


◆コメント:世の中がこういう人間の「善意」で満ちていたなら、どれほど素晴らしいことか。

毎日、やれ、日本経済が悪化している、派遣切りの嵐だ、子殺しだ、親殺しだ、と気の滅入るニュースばかり続いている中で、

久々に、「人間の善意」に満ちた事実を報じた記事を読んだ。実に素晴らしい。

無論、新田朋宏君が病気にならず、生きていて、本当に子どもの頃からの夢だった「江ノ電の運転手」になれたらもっと素晴らしかった訳だが、

それは、云っても仕方がない。


この話は2005年の日本テレビ系列24時間テレビで、ドラマ「小さな運転士 最後の夢」として放送されたのを見て泣いたのを覚えている。

ネット上で見られないか検索して漸く見つけた。韓国の動画共有サイトPANDORAから。

ハングルの字幕がでるが、当然音声は日本語。1時間40分のドラマ全部を見ることができる

(追記:残念ながら途中で音声が途切れるようです)。


これは実際にあった話で、余命幾ばくもない、新田朋宏の「夢」を実現すべく、江ノ電社員が法令などを色々調べて奔走し、

本線は無理だが、車庫に入るまでのわずかな距離は、死の四日前の新田朋宏君が本当に運転したのだ。

本線は運転席に同乗させて貰って、江ノ電全線をプロが運転したのだが、

全ての駅で、江ノ電の駅員が直立不動で待っていて、朋宏君に敬礼した。

あのシーンは泣いたな。見たことのない人、見たけど忘れた人は是非ご覧になるといい。


一人の、間もなく生命の炎が尽きる少年の為に全社が総力を挙げた江ノ島電鉄株式会社に、感銘を受けたが、

今日のニュースを読んでますます、江ノ電を賞賛したい。社長、偉い。立派。

10年も前に亡くなった少年に、本物の辞令を発行するなんて。はっきり書かれている。

辞令 新田朋宏 乗務区 運転士を命ずる

お父さんは気の毒な方で、奧さんが同じ病気で朋宏君よりも前に亡くなっているのだ。

その後、息子まで亡くしたのである。私なら生きる気力など無くして死んでしまうかも知れない。

この辞令、お父さん、嬉しいだろうな。


くどいようだが、江ノ電はいい会社だなあ、カネ儲けばかり考えて人のクビを切る大企業より余程立派だ。

それこそ、藤原正彦氏が「国家の品格」で書いた「惻隠の情」に満ちている。

今日初めて知ったが、お役人さんもなかなか、粋なことをしていたのだね。
当初は反対していた関東運輸局(横浜市)も「聞かなかったことにする」と黙認したという。

いいところあるじゃねえか。普通、ヤクニンってこういうとき「前例がない」で許可しないでしょ?

「聞かなかったことにする。」偉い。

このような、人間が本来持つ、人への優しさ、善意を我々ひとりひとりが、ほんの少しずつでも発動したら、

もっとほんわかした世の中になるだろうに。

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2008.12.20

「日銀、0.1%に利下げ=景気下支えへ7対1で」←金融政策の有効性の限界。

◆記事:日銀、0.1%に利下げ=景気下支えへ7対1で-白川総裁「最大限貢献」(12月19日21時1分配信 時事通信)

日銀は19日の金融政策決定会合で、

政策金利である無担保コール翌日物の誘導目標を年0.3%から0.2%引き下げ、

0.1%にすることを7対1の賛成多数で決め、即日実施した。

金融危機に端を発する欧米経済の悪化などから日本経済も急激に冷え込んでおり、景気を金融面から下支えする必要があると判断。

事実上のゼロ金利政策を導入した米国と足並みをそろえる形で、超低金利政策に踏み込んだ。

 利下げは10月末以来2カ月ぶり。白川方明総裁は記者会見で、日本経済を持続的な成長経路に戻すため

「今後も中央銀行として最大限の貢献を行う」と決意を表明。利下げの幅については

「景気刺激効果と市場機能維持とのバランスの中で適切だと判断した」と述べた。利下げに反対したのは野田忠男委員。

 日銀は同時に、金融機関向け補完貸付金利を0.5%から0.3%に引き下げた。

金融機関が日銀に預け入れる当座預金の超過分に付ける利息は0.1%に据え置いた。

◆コメント:「利下げ→景気回復」という単純なことにはならない。

日銀は10月の金融政策決定会合で、政策金利(無担コールオーバーナイト)を

0.5%から0.3%に引き下げた(引き下げ幅が0.2%ということ)。

0.2%の政策金利の変更(引き下げでも引き上げでも)というのは異例で、普通、クオーター(0.25%)の倍数で引き下げ幅を決める。

前回引き下げ幅を0.2%にして無担コールの誘導目標を0.3%という、如何にも中途半端なレートに設定したときから、

今回もう一度利下げるつもりだったのだろう。



しかし、現在ほどの景気悪化局面で、市場金利が下がったところで、意味があるのか、極めて疑問である。

政策金利を下げると、普通、

市中銀行が、それに合わせて一般融資やローン金利を引き下げる→ 企業や家計がお金を借りやすくなる→設備投資や住宅着工が増えて、

経済活動が活発になる→景気が上向きになる。

というのが教科書の説明だが、今、日本の景気は悪く、さらに悪化しているので、

銀行の貸出金利が下がったからといって、資金需要があるかどうか。

最も借りたいのは中小企業だろうが、何しろ不況で、どの会社も業績が良くない

(儲けが出ていない、という意味)。借りたい企業の業績が悪すぎる。

銀行も慈善事業ではないから、審査基準(カネを貸しても返して貰えるかと言う判断基準)

を満たさず、貸したくても貸せない、と言う状況だ。

金融庁は貸し渋り対策、と称して大臣目安箱などというものを設けているが、

これは与党の選挙対策、世論の人気取りである。かつてはあれほど、銀行に「不良債権を作るな」といっていたのに。


玄人はそういう事情が見えているので、今日も日経平均株価は、前日比より安値で引けた(週末のポジション調整もあろうが)といっていい。

また、政策金利の引き下げにより、ローンの金利が下がるのはよいが、預金金利もまた下がることを忘れてはならぬ。

前回速水総裁から福井総裁の時期に約10年間、 ゼロ金利政策が続いた所為で、

家計が逸した利益(得べかりし利子)は累計154兆円だった

低金利政策下において、最終的な負担は家計に及ぶのである。また、あの時代に戻ってしまった。

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2008.12.19

「演奏会をネット中継でどうぞ=ベルリン・フィルが有料配信」←これは楽しみだな。/「幻想」第4楽章 、「どろぼうかささぎ」序曲

◆記事:演奏会をネット中継でどうぞ=ベルリン・フィルが有料配信(12月18日7時2分配信 時事通信)

世界有数のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は17日、インターネットを通じて年間約30回の演奏会を中継する

有料配信サービス「デジタル・コンサートホール」を開始すると発表した。世界中どこからでも一流の演奏を堪能できるもので、

多くのクラシックファンの関心を集めそうだ。 希望者はホームページ(www.berliner―philharmoniker.de)から登録する。

1回券は9.9ユーロ(約1200円)、シーズン券は149ユーロ(約1万8000円)で、

生中継だけでなくオン・デマンドでもコンサートを楽しむことができる。既に始まっている今季のシーズン券は89ユーロ。


◆コメント:日本では、ほぼ絶対聴けないからね。

日本では、というのは、ベルリン・フィルの来日公演である。

日本人は、特にベルリン、ウィーン、両フィルハーモニーの来日公演に関しては異常な熱意を持つ。

売り出し開始の瞬間に売り切れ。しかも馬鹿高い。


私は、ヨーロッパで、ベルリン・フィルの定期をベルリンで聴けなかったのが残念だったが、幸い、

ロンドンには、結構頻繁に来るし、イギリスでは日本のような異常な熱狂はないから、簡単にチケットを買える。


これは、何度も聴いた。ある時のプログラムは、アバド指揮、コンサートマスターが安永徹さんで、

曲は私の大好きなマーラーの交響曲第5番だった。

何と、冒頭のトランペット・ソロが見事にひっくり返った。

五月蠅いことを云えば、これでこの日のマーラーの5番は「はい、お仕舞い」である。

人間だからミスはするが、音楽では、絶対にここは間違えてはいけない、というところがある。

「マラ五」の頭のトランペットなど、その典型である。しかし、間違えた首席奏者は立派だった。

致命的なミスから立ち直り、その後は曲の最後まで、ただの一度もミスをしなかった。

この「ミスをしても、素早く気を取りなおして平常心に戻る能力」を私は勝手に「復元力」と呼んでいるが、

プロとアマの違いの最も大きな点の一つだと思われる。

冒頭のミスは惜しまれたが、演奏終了後、答礼するトランペット奏者に、私はブラボーを叫んだ。



カラヤン・ベルリンフィルのCDから。

一曲目。ベルリオーズ「幻想交響曲」第四楽章「断頭台への行進」。CDはこちら



ダイナミックレンジ(ppからffまでの音の強さの幅)の広さ、は確かにベルリンフィルの魅力の一つだ。


次は楽しい、ロッシーニ作曲、歌劇「どろぼうかささぎ」序曲。CDは、序曲・前奏曲・間奏曲集






同じ音型を繰り返しながら次第に音が大きくなり盛り上がるロッシーニ独特の手法を「ロッシーニ・クレッシェンド」と言います。

スネアドラム(小太鼓)や、ピッコロ、トロンボーンの活躍が楽しい。お薦めです。

それでは。失礼します。

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2008.12.18

「<日産>派遣社員ゼロに…減産拡大」←派遣だろうが、正社員だろうが人員削減を安易に決めるべきではない。

◆記事:最近の「人員削減」関連ニュース

最近、日本有数の大企業が、ゴミでも捨てるかのように簡単に人員削減を次々に発表している。以下、その中から

目立ったものを挙げる。時系列。

◆派遣・期間従業員 いすゞ、1400人全員と解約(11月21日8時3分配信 フジサンケイ ビジネスアイ)

トラック大手のいすゞ自動車は、販売不振を受けた減産に伴い、国内の工場で働く派遣従業員と期間従業員の計

約1400人全員の契約を12月末で打ち切ることを明らかにした。

トラックを生産する藤沢工場(神奈川県藤沢市)と、エンジンや足回り部品を製造する栃木工場(栃木県大平町)で実施する。

契約期間中の解約も含めて、国内工場で非正規従業員の契約をすべて打ち切るのは異例。

金融危機を受けた景気悪化で、日本や米国で新車販売が不振なうえ、

業績を牽引(けんいん)してきた新興国でも需要が落ち込んできたのが影響したという。

削減する計約1400人の内訳は、藤沢工場が約960人、栃木工場が約440人。

2008年度の藤沢工場でのトラック生産台数は、当初計画から約1割減る見通しだ。

◆雇用削減 キヤノンと東芝計1600人…派遣・期間従業員(12月4日23時6分配信 毎日新聞)

キヤノンと東芝が、九州の工場の派遣・期間従業員など計約1600人を削減することが4日、分かった。

世界景気の悪化で、デジタルカメラや薄型テレビなどの販売が低迷しているため。

キヤノンは、カメラを生産する子会社の大分キヤノン(大分県国東市)で請負社員を来年1月までに計約1097人、

プリンター用カートリッジを生産する大分キヤノンマテリアル(同県杵築市)で同約80人との雇用契約を打ち切る。

東芝も、液晶テレビ向けなどの半導体を生産する大分工場(大分市)と北九州工場(北九州市小倉北区)で、

来年3月末までに派遣社員と期間従業員計約480人を削減する。

電機業界では、シャープが年内にも福山工場(広島県福山市)で約300人、

三洋電機も来年3月までに半導体レーザーを製造する事業部(鳥取市)の派遣社員約100人の削減を予定している。

◆ソニー、派遣・業務委託など非正規雇用で8000人以上削減へ(12月9日19時27分配信 ロイター)

ソニー<6758.T>は9日、同日発表した収益改善策で派遣社員や業務委託など非正規雇用の人員について

8000人以上の削減を行う意向を明らかにした。

 同社はエレクトロニクス事業において約16万人の5%にあたる約8000人を削減する方針を打ち出しているが、

非正規雇用についても同様の削減規模になるという。

◆<日産>派遣社員ゼロに…減産拡大(12月17日13時18分配信 毎日新聞)

日産自動車は17日、09年3月末までに国内工場の生産台数を7万8000台減らすと発表した。

これまでの発表分と合わせ、今年度の国内の減産幅は22万5000台規模に上る。国内直営工場の派遣社員も500人を追加削減する。

その結果、08年4月時点で2000人いた日産の派遣社員はすべて削減されることになる。

景気悪化が予想以上に加速しているため。自動車業界では、いすゞ自動車も非正規社員全員の解約を進めている。

減産の対象となるのは、栃木工場(栃木県上三川町)と九州工場(福岡県苅田町)、追浜工場(神奈川県横須賀市)の3工場など。

日産はこれまで、12月末までに派遣社員1500人を削減する計画で、

残る500人は「来年以降の販売状況を見て決める」としていた。

◆ハローワーク 派遣切り相談窓口 「住」の悲鳴、初日で1267件(12月17日16時7分配信 産経新聞)
■転居関連費用が最多

解雇された派遣社員などの住居確保支援のため全国のハローワークで15日始まった相談業務について、

初日の相談は1267件あり、このうち転居に必要な敷金など経費に関するものが最多の255件、

次いで雇用促進住宅への入居に関する相談が209件だったことが、厚生労働省のまとめで分かった。

このほか寮や住み込み付きの求人に関するものが多かった。都道府県別では、愛知が最多で247件、

次いで広島155件、東京108件、神奈川92件、岡山70件、大阪56件と続く。

 大阪ではハローワーク10カ所に窓口が設けられ、ハローワーク大阪東(大阪市中央区)には初日だけで5人が訪れた。

 兵庫県内の工場に派遣で勤めた40代の男性は人員削減の第一陣として1カ月前に予告を受け、今月初めに退職。

派遣会社の借り上げ住宅から退去を余儀なくされ、大阪市内の実家に身を寄せているが、

「いつまでも親元にいられない」と窓口を訪れ、この日の相談ではただ1人、雇用促進住宅入居の見通しが立った。

このほか同住宅に入居するための家賃(約2万~3万円前後)2カ月分に相当する初期費用が払えないなど家賃に関する相談が寄せられた。

同ハローワークの担当者は「非正規労働者が、働きながら次の仕事を探すのは難しく、

住まいがなければ路上生活になってしまう。当面の生活資金や仕事の経験など個々の事情に沿えるようにしていきたい」としている。


◆コメント:小泉改革のなれの果て。

最新号の週刊現代で、小泉内閣の経済諮問委員、つまり小泉のブレーンだった、元・一橋大学教授、経済学者の中谷巌という人が、

小泉改革は完全に誤りだった、とはっきり認めている。以下はその趣旨をまとめたもの。


小泉政権は、といっても小泉は何も分からないから丸投げされた竹中平蔵と、そのブレーンがは、しきりに「構造改革」を

強調したけれども、具体的には、アメリカ流のグローバル資本主義、つまり、市場原理を最重視する資本主義を日本に持ち込んだのである。


「聞こえ」は良いが、これが、日本がガタガタになった始まりだった。

「市場がキチンと機能するように制度を変えること」が構造改革の本質だった。

しかし、マーケットが機能する、といっても、全てのひとが平等に恩恵を受けられるマーケットなど存在しない。

素人よりも、多くの情報源を持っているプロの方が有利に決まっている。そういう人間だけが巨大な利益を得る、

というのが、「マーケット」の現実である。

中谷氏ら多くの日本のエコノミストはハーバードなど、アメリカに留学しているが、それは、1960年代から70年代初めだった。

中谷氏らは、アメリカの中産階級の裕福で大らかな暮らしをみて、これが、市場原理の所産だと思ったが、そうではなかった。

それは、ケネディやジョンソンの民主党政権が社会福祉を重視し、福祉国家に注力し、所得を再分配して国民所得を平等化しようとした

結果だった。しかし、そのせいで、アメリカには膨大な財政赤字が生じた。


1981年、共和党のレーガン政権が誕生し、政策を変えた。社会保障を重視する「大きな政府」をやめて「小さな政府」にして、

つまり、市場原理に任せたのである。

その結果、アメリカ経済は活力を取り戻したが、同時に、巨大な所得格差と多数の医療難民(医療を受けられない人)を生み出した。

中谷氏は、当初、市場原理の副作用に気付かずに、とにかくマーケットを重視すれば、アメリカの様な経済的繁栄が日本にももたらされる、

と、考えた。しかし、次第に「市場原理だけで、人間は幸福になれるのか」疑問を抱き始めた。

中谷氏はブレーンを辞めたが、竹中は、「改革」の一点張りでこれを推進した。


◆雇用改革も市場原理、競争原理の結果。

市場原理を重視するというのは、要するに競争に勝った者は良いが、負けた者は、とっとと路頭に迷うか、死んでくれ、

というと言い過ぎかも知れないが、要するにそういう社会である。

日本に市場原理重視を持ち込んだ所為で、競争は激化し、企業は労働コストを削減するために「雇用改革」を始めた。

従業員を正社員とそれ以外の派遣労働者・パート労働者とに完全に分断してしまった。

これによって、企業は利益率を向上させたが、日本において、会社とはそうクールに割り切れるものではない。

労働者の差別化により企業としての一体感が薄れてしまった。


日本の戦後の高度成長は一般庶民に非常な「活力」があったから、全体が質の高い労働力で、働けば報われる、という

世の中だったからである。

雇用改革によって、エセアメリカ風になった日本企業ではこのようなことは望めない。一生懸命働いても、突如クビを切られる。

非正規労働者を増やした結果、企業は儲かるが、年収200万円以下の低所得者層を大量に生み出してしまった。

このあたりから、日本がガタガタし始めて来たのである。

冒頭に掲げた人員削減の嵐は、かつての日本では考えられなかったことで、まるでゴミを捨てるかのように、

非正規労働者を中心に人員削減を発表する。

正社員だろうが、派遣だろうが、パートだろうが、コスト削減の為に従業員をクビにする、というのは、

以前の日本企業なら、最後の手段だったのだが、今や天下に名だたるソニーや日産が平気で何千人というひとを

クビにします、と発表する。

人のクビを切るというのは、大変な決定である。クビにされた方は、路頭に迷うということである。食えなくなる、と言うことである。

特に今は不況なのだから、次の勤め口が簡単に見つかるわけが無い。勝手に死んで下さい、というのと変わらない。

それを知っていて平然とこのような決定をするのは、やはり、日本人の心情に合っていない。

2005年にベストセラーとなった、藤原正彦氏の「国家の品格」で、

しきりに強調していたのも、同じ事である。「論理性・合理性」ばかりを重視した「改革」は日本をよくしない。

必要とされているのは、日本人が昔から重んじてきた情緒(惻隠の情など)である、というのがこの本の趣旨だが、

かつて、「改革」に携わっていた中谷氏も結局同じ結論に到達している。

政治家も役人も自分は食うのに困らないから、雇用対策といっても、言語はあるが、親身になっているように感じられない。

大至急、何とかしろ、と云いたい。

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2008.12.17

「イラク空自部隊、撤収を開始」←自衛隊のイラク派遣は違憲である。

◆記事:イラク空自部隊、撤収を開始(NIKKEI NET)(15日 23:56)

イラクの復興支援のため空輸活動に従事した航空自衛隊の部隊が15日昼(日本時間同日夜)、

活動拠点だったクウェートのアリアルサレム空軍基地から撤収を始めた。任務を終えたC130輸送機3機のうち1機が日本に出発。

残る2機も17日までに現地を離れる。派遣隊員約200人の大半も23日までに政府専用機で帰国する。

 年明け以降現地に残って装備の梱包・配送や現地調整に当たる撤収支援部隊も、年度末までに完全撤収する予定だ。

17日には武田良太防衛政務官がクウェートに入り、撤収行事に参加するほかクウェート政府要人と会談する。

2004年3月の活動開始から今月12日の空輸任務終了までの空自の通算輸送回数は821回。

運んだ人員は約4万6500人、貨物は673トンに達した


◆コメント:何度書いたか分からないが、イラクへの自衛隊派遣は違憲でした。そもそも派遣すべきではなかった。

この問題に関して、私は何十回書いたか分からないが、繰り返す。

イラクへの自衛隊派遣は、イラク復興支援特別措置法に基づき開始されたのだが、

正式に小泉内閣がイラクへの自衛隊派遣を閣議決定したのは、2003年の12月9日である。

この時に当時の小泉純一郎内閣総理大臣は記者会見を開いた。その時の発表内容、質疑応答は、

今でも首相官邸ホームページに、今でも載っている。

[イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画について]

質疑応答の最後の部分に注目していただきたい。小泉純一郎は「武器・弾薬の輸送は行わない」と明言している。

【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。

【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。

【質問】 行わない。

【小泉総理】 行いません。

【質問】 それは、実施要項の中とかで担保されるんですか。

【小泉総理】 そうです。

【質問】 そういうことですか。

【小泉総理】 はい。復興支援活動であります。日本は戦争に行くのではありません。自衛隊は復興人道支援活動に行くんです。

これだけ、はっきりと「武器弾薬の輸送は行いません」と発言したが、実際には、公然と行われていたのである。

それは、空自の自衛官自身が認めている。

以下は、2004年4月8日、共同通信社が報じた内容である。
◆記事:武装米兵の輸送実施 C130、空幕長が認める(共同通信)[2004年4月8日13時26分更新]

【クウェート8日共同】航空自衛隊トップの津曲義光航空幕僚長が空自部隊派遣先のクウェートを訪問。

8日に記者会見してC130輸送機によるクウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していたことを初めて明らかにした。

イラク復興支援特別措置法に基づく空輸が始まって約1カ月。

空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。

津曲空幕長は過去の輸送任務について「米兵や(連合軍の)軍属を運んだことはある」と答え、

さらに「武器、弾薬を単独で運んだことはない」と説明。輸送した米兵が小銃など軽火器類を携行していたことも認めた。

これまでの輸送回数や状況については「20回弱の任務を実施したが、(地上からの)攻撃はなかった」と述べ、

武装勢力によるテロはなく安全だったことを強調。タリルやバスラの空港があるイラク南部は「比較的安全」との認識を示した。



改めて説明の必要もないだろうが、自衛隊をイラクに派遣する閣議決定をした2003年12月9日の記者会見で、小泉元首相は、
「武器・弾薬の輸送は行いません」

と云ったのは、ウソだった。何しろ、それからわずか4ヶ月後、クウェートを視察した航空幕僚長が、平然と、
クウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していた

ことを認めている、米兵や連合軍の兵隊が武器・弾薬を携行していない訳がない。

小泉首相はウソをついていた。初めから、空自のC-130輸送機を派遣すること決めたときから、こうなることは分かっていたに違いない。


アメリカとイラクは戦闘状態にあった。武器弾薬の輸送は戦闘状態にある同盟国(米国)に対する後方支援であり、

武力行使の一部を形成している。従ってこれは、集団的自衛権の行使を禁じた日本国憲法第9条に抵触している。

私は、何度も繰り返し、そのことを指摘した。

2003年12月12日(金)「「武装兵士輸送」を記載=イラク派遣実施要項-防衛庁」←シビリアン・コントロール不在

2003年12月17日(水) なし崩し的に憲法とイラク復興支援特別措置法を無視する首相と防衛庁長官

2004年12月08日(水)  「武装米兵ら1200人空輸 空自機の輸送、全容判明」 ⇔「武器弾薬の輸送は行いません。(小泉首相)」2003年12月9日


一般人の私ですら、空自の活動が違憲であることは、考えれば分かることなのに、

マスコミは全くこれを問題にしなかった。引用した共同通信社の記事。
空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。

何が、コアリションの一員だ。そんなことより、日本国憲法に違反した行為であることをどうして大新聞やテレビは批判しなかったのか。

政府の御用新聞・テレビに成り下がったのか。大本営発表をそのまま報じていた、戦争中の新聞と同じではないか。


◆一介の市民である私のみならず、司法が違憲の判断を下している。

法律の専門家ではない、私がいくら主張しても、その信頼性に疑問を抱く方もあろう。

しかし、今年4月、司法(名古屋高裁)が、私のかねてからの主張と全く同趣旨の考えを明らかにした。

◆記事:自衛隊イラク派遣に違憲=兵士空輸「武力行使と一体」-名古屋高裁 (4月17日19時41分配信 時事通信)

自衛隊のイラク派遣は違憲として、愛知県などの弁護士と各地の住民らが国を相手に、

派遣差し止めと慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決が17日、名古屋高裁であり、

青山邦夫裁判長(高田健一裁判長代読)は

「米兵らを空輸した航空自衛隊の活動は戦争放棄を規定した憲法9条1項に違反する」との判断を示した。

派遣差し止めと慰謝料請求の訴えは棄却した。

自衛隊イラク派遣をめぐる同様訴訟は全国で起こされているが、違憲判断は初。

国側は勝訴のため上告できず、確定する見通し。

1審名古屋地裁は憲法判断をせずに訴えを退けていた。

原告側弁護士によると、9条違反を認めたのは1973年の札幌地裁・長沼ナイキ基地訴訟判決以来35年ぶり。高裁では初めて。

青山裁判長は、イラクの現況について「国際的な武力紛争が行われ、特にバグダッドは戦闘地域に該当する」と認定。

その上で空自が2006年7月以降、米国の要請を受け、クウェートからバグダッド空港に多国籍軍の兵士を輸送している点について

「多国籍軍の戦闘行為に必要不可欠な軍事上の後方支援」と指摘し、

「他国による武力行使と一体化した行動で、自らも武力行使を行ったとの評価を受けざるを得ず、イラク特措法や憲法に違反する」と述べた。

因みに、我が国には、憲法裁判(所)がない。ある法律や行為が違憲かどうか、だけを「判決主文」とする裁判は存在しない。

これを付随的違憲審査制という。付随的違憲審査制に関しては、かつて説明した。

2005年10月02日(日)  靖国参拝違憲判決を批判するのは簡単だが、裁判官は命がけなのです。

2005年10月09日(日) 大阪高裁の判決に関して、「傍論で違憲」というのがわかりにくいみたいですね。

これで分かり難かったら、各自、ご自分で勉強していただきたい。

とにかく、4月17日の名古屋高裁の判決文で示された見解はそれよりも前から私が書いていた主張と完全に同趣旨である。


日経の記事は比較的中立的だが、産経新聞は、空自 イラク撤収開始 献身が生んだ「犠牲ゼロ」

などと、空自の現地での活動を賛美・賞賛している。この新聞は本当にバカだから、今に始まったことではないが、

とんでもない話である。

自衛隊をイラクに派遣する根拠となったイラク復興支援特別措置法は強行採決だったが、

その時点から、この国の取った政策は間違っていた。イラク戦争そのものが国際法上違法なのに、

イラク戦争をいち早く支持し、大量破壊兵器が見つからなかったのに(本当は、大量破壊兵器があったとしても、イラク戦争は正当化されない)

「イラク戦争を支持したことは正しいと思っている」と言い続けた小泉元首相は間違っているし、その間違いをキチンと国民に提示出来なかった野党や、

マスコミも、任務を果たしていない。空自の隊員は命令に従うしかないが、

そもそも、航空自衛隊をクウェートへ、陸自をサマワへ、海自をインド洋へ送ったこと、全て間違っている。

最初から、自衛隊をイラクへ派遣しては、いけなかったのである。

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2008.12.15

悲惨な経済統計が続きそうですねえ。今週、注視すべきこと。

◆記事:景況感は第1次石油ショック以来の大幅落ち込み=日銀短観(12月15日10時32分配信 ロイター)

日銀が15日発表した12月全国企業短期経済観測調査(短観)によると、

世界景気の急減速を背景に大企業製造業の景況感が大幅に悪化し、第1次石油ショック時の1974年8月に続く2番目の落ち込み幅となった。

 今年度経常利益も前回から2ケタの下方修正率となったほか、設備投資計画はITバブル崩壊後の2002年度以来の低水準となった。

企業金融環境をみると、中小企業に加えて大企業でも急激に資金繰りや金融機関の貸出態度が大幅に悪化した。



 大企業製造業・業況判断指数(DI)は前回調査から21ポイントの悪化となり、中小企業に比べても大幅な悪化となった。

大企業の景況感がこれほど急激に悪化したのは、世界経済が新興国も含めてこの秋以降急激に減速し輸出数量が減少したほか、

円高の影響も大きい。特に、大企業の輸出売上高は下期前

年比2ケタ近い下方修正率となり、

全規模全産業でみても下期は前年比減収となる見通し。

経常利益計画は下期に大企業製造業で3割の下方修正、前年比で30.9%の減益に、

全規模全産業では下期、通期とも2割程度の減益となる見通しだ。



 景況感の落ち込みが下げ止まる兆しはなく、先行きも続く見通し。

先行きDIは大企業製造業でさらに12ポイントの悪化となり、水準そのものもマイナス36となる見通し。

 非製造業の景況感も10ポイントの大幅悪化、建設・不動産に加えて

小売、運輸、サービスなど幅広い分野で落ち込み、内需の落ち込みも深刻だ。

 世界的需要の急減速により生産が落ち込み、設備や雇用の過剰感は急速に高まっていることも短観で確認できた。

設備の過剰感は製造業で一気に高まった。このため、設備投資計画はここ数年見られなかったスピードで下方修正となった。

大企業製造業では下期計画が2.7%の上方修正となり、通期では前年度比2.4%増となったものの、

今後設備投資の見直しが相次ぐ可能性が大きいと見られる。

その他非製造行や中小企業では前年度比計画は下方修正する動きが目立ち、全規模全産業では前年度比2.8%の減少計画となった。

 今回の景気悪化は国際金融市場の緊張感の高まりが国内金融市場にも波及したことの影響も大きく、

企業金融への影響も短観に鮮明に現れた。資金繰り判断を見ると、中小企業が4ポイントの悪化となったうえ、

大企業が8ポイントと大幅悪化。金融機関の貸出態度では大企業で17ポイントも悪化した。

年末を控えて企業金融がタイト化している状況がうかがえる。

日銀は、12月2日に企業金融円滑化措置を公表、順次実施に移すことから、今後その効果が顕現化してくると見ている。


◆コメント:日銀短観とは何か。

要するに日銀が民間企業に対して、四半期に一回行う「アンケート」です。

日本銀行のサイトの「新着情報」を見ると、2008年12月15日 短観(2008年12月)の要旨、概要

が載っています。全国の会社に景気の現状は良いと思いますか?悪いと思いますか?と尋ねる「景況感」とはそういうことです。

それで、細かい所まで説明すると面倒なので簡単に書くと、「良い」と答えた人の数から「悪い」と答えた人の数を引くのです。

それがDI(ディフュージョン・インデックス)で、大企業、中小企業に区分けされ、さらに業種をいくつかに分けています。

なかでも、製造業の大企業のDIがプラスかマイナスか、が最も注目されます。

マイナスなら「今現在、景気が悪い」と思っており「今後も見通しは暗い」と考えている人のほうが多い、という訳です。

前回、日銀短観が発表されたのとき大規模製造業のDIが「マイナス3」だったのですが、

今回は何と、そこから20ポイントも悪化して、「マイナス23」になったのです。

原因は明らかで、前回の短観の後にリーマン・ブラザーズが破綻して、世界金融危機から世界同時不況が

始まってしまったからです。マーケットは先週から、今日発表される短観はきっと悪い結果になるだろうと、

予想していました。ですから、「悪材料、一旦出尽くし」で、株は買い戻されました。日経平均株価は、428円高で引けました。


◆日銀短観で大企業製造業・業況判断指数(DI)が悪化すると、何が悪いのか?

大企業製造業DIがマイナス、しかも前回より20ポイントも悪化するとは、

日本の景気に大きな影響を与える大企業の製造業者が、今、景気が悪く、先行きの見通しも暗いと思っている状態です。

そう思っている大企業製造業が、設備投資を積極的に行い、製品の生産を増やす筈がない。

どうせ景気が悪いのですから、モノを作っても売れ残ってしまう。だから生産規模を縮小します。

すると、人が要らなくなりますから、リストラが更に増える、失業者が増える。これは経験則から明らかなのです。

今回は覚悟していたものの、前回よりも大企業製造業DIが20ポイント悪化と、眩暈がするほどの悪い景気見通しなのです。


◆注目点。色々ありますが、ビッグ3救済をどうするか。アメリカと日本が政策金利をどうするかです。

今週は、何に注目すべきでしょうか。まず、ビッグ3。

ビッグ3が破綻したら、米国経済のみならず、世界経済に壊滅的影響を与えるかは、今までに何度も書きました。

米政府は、金融機関の自己資本増強用の公的資金をビッグ3救済に転用することを考えていますが、実行出来るか。


二つ目はアメリカが利下げするかどうか。今日、明日、アメリカではFOMC(連邦公開市場委員会)が行われます。

アメリカの金融政策を決定する会議です。これで、米国が更なる利下げを決めるかどうか、注目されます。


そして、今週は18日(木)、19日(金)の2日間、日銀の政策決定会合も開かれます。もし、FOMCが利下げしたら、

日本は、再度利下げせざるを得ない。ゼロ金利政策に逆戻りするかどうか。

それとも、それだけでは足りず、極めて異例な金融政策と云われる、量的緩和に逆戻りか。

大雑把に云えば、今週はその三点に注目すれば良いかと思われます。

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2008.12.14

【追加】【音楽】GPファイナルで主な選手が使った音楽を、取りあげました。/中野友加里選手の音楽、追加。

◆昨日の各選手の演技に、いつになく感動しました。

私は日頃、正直云って格別にフィギュアスケートに強い関心を持っている訳ではないのですが、

昨日、開催されたフィギュアスケートのGPファイナルの、特に、女性の演技には、何故か非常に感銘を受けました。

何故かは、自分でもよく分かりません。

浅田真央選手の優勝は勿論、嬉しいけれども、他の選手にも、心より敬意を表します。


◆アジアの選手が演技に使った音楽を、載せます。

昨日に限らず、フィギュアスケートを観ていて思うのは、選曲の良さです。

あれは、相当クラシックとフィギュアスケート両方が分かっている人で無ければ、出来ない作業だと思うのです。


昨日の演技を観ていて、使われていた音楽自体、名曲なのですが、フィギュアの演技によって、音楽に新たな感興を覚えました。

本来、昨日出場した選手全員が使った曲をアップすべき所ですが、私の独断で、敢えてアジア選手が使った曲をアップします。


まず、浅田真央選手。曲はハチャトゥリアンの組曲「仮面舞踏会」から第1曲「ワルツ」でした。

今までにも聴いたことはありましたが、昨日は、これほど、切ない、美しい曲だったのかと思いました。

浅田選手の演技が音楽に新たな生命を吹き込んだのかも知れません。

ハチャトゥリアン作曲:組曲「仮面舞踏会」より「ワルツ」です。

元のCDはこちらです。





美しく、切ない・・・。


キム・ヨナ選手は、いつもの「シェヘラザード」でした。これは全部演奏すると40分~50分は要する長い曲で、

キム選手は、各楽章から「サワリ」を上手く繋いで(編集して)いました。

ここで、その通りに再現するのは不可能なので、少々長いけれど、第一楽章「海とシンドバッドの船」を聴いていただきます。

この曲の正否の半分ぐらいは、コンサートマスターのヴァイオリン・ソロによります。演奏開始後、間もなく、コンマスが、

「シェエラザード」のテーマをソロで弾きます。美しいメロディーです。ここで圧倒的な美音で、絶世の美女「シェエラザード」を

表現出来るかどうか、です。その後もこのテーマは色々な形に変奏され、段々技術的に難しくなり、全く「コンマス、ご苦労様」な曲です。


では、第一楽章「海とシンドバッドの船」をどうぞ。演奏は、シャルル・デュトワ=モントリオール交響楽団です。

少々長い。10分ぐらいです。



リムスキー=コルサコフは元軍人だったのですが、辞めて、作曲を勉強し直して作曲家になった人です。

「管弦楽法」という、オーケストレーションの教科書を書いていますが、確かに見事なオーケストラの使い方です。


中野友加里選手はオーソドックスにバレエ曲を使いました。アダンという作曲家のバレエ曲「ジゼル」を抜粋していました。

色々な箇所から抜粋しているので、昨日のとおりに再現するのは私には無理なのです。

演技の冒頭に使われていたのは、第一幕の最後に演奏される。「第1幕の終曲と狂乱の場」の最後の部分でした。

まず、一応、「第1幕の終曲と狂乱の場」全体を載せます。演奏時間は9分半ぐらいです。

音源となるCDはこちらです





長いので、中野選手の演技冒頭に使われた、最後の1分ぐらいの所、サワリも載せておきます。



【追加】中野友加里選手、ジゼル「全員のギャロップ」を追加しました。

「ジゼル」のどこを繋いだのか分からず、mixiでどなたかお分かりの方、教えて下さいと日記に書いたところ、

中野選手のファンの方が教えて下さいました。第一幕終わりの一つ前、「全員のギャロップ」。

確かに使われています。本当にご親切に感謝すると共に、

ご親切を無駄にしないためにも、「全員のギャロップ」を追加します。





教えて下さった方、誠に有難うございました。





さて、最下位になってしまったけど安藤美姫選手も名演技だったと思います。

しかし、私が大変驚いたのは、選曲です。サン=サーンスの交響曲第3番、第二楽章を使っていました。

前述の通り、私は特にフィギュアスケートに詳しいわけではないので、全く根拠はないのですが、こんな難しい曲、

クラシックそのもの、のような音楽をフィギュアスケートに使った例があるでしょうか。

安藤選手の演技は、曲にマッチしていたと思います。フィギュアスケートの選手には音楽の曲想を理解する感受性が、

非常に大切であることが分かりました。この曲は、通称「オルガン付き」と言って、パイプオルガンを使用することで

知られていますが、昨日の演技ではその部分までは使っていなかったと思います。

ここでも、パイプオルガンが出る前で一旦、曲に区切りがつくので、その部分を載せます。

サン=サーンス作曲;交響曲第3番、第二楽章の前半です。

これも、デュトワ=モントリオールです。





今回の「企画」は、初めてですが、如何でしたか。

それでは、失礼いたします。

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2008.12.13

「米政府、自動車業界破たん回避に向けTARP資金活用を検討」←やれ。何が何でも絶対潰すな。

◆記事:米政府、自動車業界破たん回避に向けTARP資金活用を検討(12月13日3時58分配信 ロイター)

[米大統領専用機上 12日 ロイター] ペリノ米大統領報道官は12日、ホワイトハウスが自動車メーカー破たん回避に向け、

7000億ドル規模の不良資産救済プログラム(TARP)からの資金活用を検討していることを明らかにした。

 報道官は記者団に対し「現在の軟調な米経済の状況を踏まえ、自動車メーカーの破たん回避に向け、

必要であればTARPの活用も含む他の選択肢を検討していく」と語った。

 自動車メーカー救済法案が廃案となったことで同セクターの崩壊懸念が高まるなか、

TARP資金の活用検討はブッシュ政権にとって大幅な方針転換となる。

 同報道官は「通常の経済状況では、民間企業の最終的な行方は市場が決定する方が望ましい」とした。

 しかし、ホワイトハウスは自動車会社向けの他の選択肢を排除しないとし

「この業界が大きく崩壊すれば米経済に重大な影響が及ぶ可能性があり、

現時点では経済をこれ以上低迷させ不安定にすることは無責任と言える」と述べた。

 「直近の破たんを回避するため連邦政府の介入が求められる可能性がある一方で、

自動車会社や労働組合、その他すべての利害関係者は、存続に向けて必要となっている重要な譲歩を行う覚悟をすべきだ」とした。


◆コメント:ビッグ3破綻の影響、昨日書き忘れたこと。金融危機が更に悪化するんだよ。

米国上院と全米自動車労組が救済法案に反対したので、残るは、財務省が公的資金を使うしかない。

TARPとは、Troubled Assets Relief Programの略。記事にあるとおり日本語では、「不良資産救済プログラム」と訳されている。

本来、不良債権を抱えて、自己資本が目減りしている金融機関への「公的資金注入用資金」だが、

ビッグ3救済法案が否決されて、再び議会で話し合うとしても年明けだ。

GMは、それまで資金繰りが持たない。もはや、TARPの「本来の用途」など形式にこだわらずに、米政府は、

ビッグ3に貸してやれ。資金繰りが付かなくなったら潰れるんだよ。GMが。

GMが潰れる。

米政府の連中に、この意味が分からない筈がない。

昨日のエントリーでは、ビッグ3が破綻すると日本の自動車メーカーにも影響が生じて、日本経済にもとばっちりが来る、

ということを書いた。


昨日書き忘れたが、ビッグ3が破綻するもう一つの大問題。

GMやフォードは、過去数年に大量の債券を発行している。つまり市場から借金をしている。

GMやフォードが潰れたら、これらの債券は、デフォルト(債務不履行)となる。つまり紙屑になる。

これらの債券に投資している、米国内の金融機関は、サブプライムローンによる不良債権に加えて、

また新たな不良債権を抱えることになる。米国だけではなく、世界中の金融機関、その他の投資家がGMやフォードの債券を

買っている。彼らは、当然損失を被る。世界の金融市場がまた、不安定になる。

投資家は債券のデフォルトによる損失を補填するため、また、これ以上損失を拡大させないため、

保有している株を売るだろう。既に悲惨なほど値が下がっている世界の株式市場は来週以降、

一層暴落する危険が高い。


今でさえ、既に、目も当てられないほどの世界同時不況、世界同時株安なのに、ビッグ3の破綻は、

それにとどめを刺すことになる。

だから、米国政府のスポークスマンが言うとおり、TARPでも何でも使える資金はとりあえず、

ビッグ3破綻回避に使うべきだ。何度も書くが、これ以上、世界に迷惑をかけるな。アメリカの馬鹿野郎。

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「<ビッグ3>救済廃案、破綻の瀬戸際に」←全くアメリカ人ってのは・・・・。

◆記事:<ビッグ3>救済廃案、破綻の瀬戸際に 日本企業も危機感(12月12日20時47分配信 毎日新聞)

米自動車大手3社(ビッグ3)の救済法案が廃案となり、ゼネラル・モーターズ(GM)などの経営破綻(はたん)の瀬戸際に追いつめられた。

破綻した場合の影響は大きく、12日の東京市場では廃案の報道が伝わっただけで急激な円高と株安が進んだ。

ビッグ3は、米国で20万人以上を雇用し、周辺産業を含め大量失業は免れそうにない。

ビッグ3に投融資する金融機関の経営不安にも波及し、金融危機がいっそう深刻化することも予想される。

救済法案のつなぎ融資は最大140億ドル(約1兆3000億円)で、GMとクライスラーが来年3月までの運転資金として求めた額。

法案が成立すれば、両社は当面、破綻を回避できるとみられていた。既にGMはスズキ株を売却するなど

「換金しやすいものは売り尽くした」(業界関係者)とされ、すぐにでも手元資金が底をつく可能性が高い。

 ビッグ3は、ここ数年、経営不振でリストラ続きだったが、米国だけでもGMで約10万人、フォード・モーターで約8万人、

クライスラーで約5万人の従業員を抱える。破綻すれば従業員の大量解雇は避けられないうえ、

関連の部品メーカーや販売店の連鎖倒産も招きかねない。

「最初の1年間で300万人の雇用が失われる」(米自動車研究センター)との推計もある。

 「1社の破綻を引き金に、自動車産業全体の生産がまひする」(国内大手首脳)との懸念も強い。

1台につき2万~3万点の部品を使う自動車は1点でも部品が欠ければ生産はできない。

部品メーカーの大半は複数のメーカーと取引しており、

「部品メーカーが倒産すれば、手元資金に比較的余裕のあるフォードの生産まで止まり、連鎖破綻しかねない」

(日系部品メーカー幹部)との声もある。

連邦破産法11条が適用されれば、債権の多くが回収不能になる見通しだ。

9月末時点の債務超過額はGMで599億ドル(約5兆4000億円)、フォードで20億ドル(約1800億円)に上り、

大口債権者の金融機関には大きな痛手だ。GM系のGMACなど系列金融会社の経営まで揺らげば、

回収不能額は倍増しかねず「9月のリーマンショック以来の金融危機に陥りかねない」(エコノミスト)との指摘もある。


◆コメント:リーマン破綻に続く、超一大事です。

9月15日、リーマン・ブラザーズが破綻したときに、私は、

「米証券大手リーマン、破産法適用申請へ」←三菱UFJか三井住友か、みずほが潰れたようなものです。超一大事です。

と、日記ブログに書いた。

リーマンを潰すとは正気の沙汰とは思われない。世界中がパニックになるぞ、という趣旨だった。

悪い予想が当たったところで、嬉しくないが、実際その通りになったでしょう?

アメリカ金融当局の判断ミスで世界中が迷惑している。

私は、この時の経験から、今度はさすがにアメリカの議会はビッグ3救済法案を可決するだろう、と思った。

アメリカの良心を信じた私がバカだった。またもや、アメリカは、世界経済に大打撃を与えるであろう、判断ミスをした。

ビッグ3救済法案は、下院は通過して、昨夜上院で討議された。すんなり可決されるか、怪しい、という話があり、

嫌な予感がした。残念ながら、予感が当たった。


◆ビッグ3のいずれかが潰れることが、何故、それほど問題なのか。

冒頭に長々と引用した記事には、日本企業にも影響があるかも知れない、と書いている。

どういうことか。


ビッグ3のうち、一社でも倒産すれば、関連の部品メーカーや販売店の連鎖倒産も招きかねない。

部品メーカーはビッグ3のうちのいずれかだけではなく、全てに部品を供給している。

日本の自動車メーカーの現法もこれらの部品メーカーから、部品を調達している。

部品の一つでも供給されなくなれば、自動車業界全体が、クルマの製造が不能になる。

日本の自動車メーカーは業績予想を下方修正し、何とかコストを減らそうとする。

コスト削減で手っ取り早いのは、人件費である。大規模なリストラが断行されるおそれがある。


日本車メーカーは、アメリカの不況、現地での生産の問題、日本の景気後退による売り上げ減少を理由に、

生産量を減らすだろう。すると大手自動車メーカーの下請けの中小企業の受注が減る。

邦銀は、あまりに景気が悪く、これらの企業にカネをかせない。金融庁は「貸し渋り目安箱」を作り、

銀行に対して、とにかくカネを貸せと圧力をかけているが、不良債権を抱えたときに散々社会から非難された

邦銀各行は、慈善事業のようにカネを貸すわけにはいかない。

中小企業の倒産が急増し、失業者が急増するだろう。


円高の影響。アメリカ経済はサブプライムローン問題をいまだに抱えているのに、

さらに、ビッグ3の倒産で百万人単位で失業者が生じると言われる。

そんな国の通貨=ドルを買うことは出来ない。為替市場では、ドル安円高が進行するだろう。

輸出企業は円高になれば、輸出を減らすし、為替差損が出る。

ますます、生産に抑制をかける。クルマのみならず、輸出関連株は週明けから暴落するだろう。

すると、各企業はまた、保有株式の含み損が出る。これが、企業の資本を浸食する。

経済活動は、ますます抑制され、負のスパイラルが生ずるであろう。


というわけで、本当にこれはヤバいのである。

人間、悪い話を聞いたり読んだりしても、「自分は何とかなるだろう」と考えたくなるが、

今度ばかりは、日本中の誰もが思いがけない苦境に立たされる可能性が出てきた。

アメリカという国は、リーマン破綻後、世界の金融市場の混乱を見た筈である。

今回の決定が、世界中に影響を及ぼすことも理解している人間は大勢いるはずだ。

それなのに、ビッグ3を潰すのか?

世界の迷惑を考えろ、アメリカの民間企業を税金で救済するべきではない、

などと悠長なことを言っている場合ではないのだ。


世間は、忘年会だ、クリスマスだ、正月間近だ、と騒いでいるが、

それどころではない、悲惨な年末になる可能性が高い。

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2008.12.12

たまにやります。昨日から本日のニュースを徒然なるままに。

◆記事:「mixi」15歳から利用可能に、年齢制限の引き下げ実施(12月10日22時32分配信 Impress Watch)

ミクシィは10日、SNS「mixi」の年齢制限を緩和し、15~17歳のユーザーでも利用できるようにした。

ただし、コミュニティが利用できないなどの機能制限を設けている。

 従来、mixiは18歳未満の利用を禁止していたが、今回から、15歳以上であれば既存ユーザーの招待を受けて登録・利用できるようになった。

11月に行われた発表会では、年齢制限の引き下げに併せて、ユーザーサポートを100人から200人に増員することも明らかにしている。

なお、15~17歳のユーザーには、一部機能制限を設けており、コミュニティ機能や友人検索機能が利用できないほか、

日記公開範囲の標準設定が「友人まで公開」(変更可能)になっている。

また、青少年にふさわしくない一部のレビューや広告は表示しないようにするという。


◆コメント:15歳~17歳のガキがmixiなんかで遊んでいるんじゃないっ。

全くITの普及も考えものだ。最近、電車の中で本を読んでいる中高生を見たことがない。

ケータイメールだけですら、かなりの時間を使っているらしいが、この上更に、mixiなんかでウロチョロするんじゃない。

悪いことを言わないから、今は本を読め。本を読む習慣は若いときじゃないと身につかないぞ。後で日本語を知らずに恥をかくぞ。


◆記事:株式投信、3年ぶり低水準=4カ月連続で減少-11月末(12月11日17時2分配信 時事通信)

投資信託協会が11日発表した投信概況によると、11月末の公募株式投信の純資産総額は

前月末比3.7%減の40兆5857億円と4カ月連続で減少し、2005年11月末以来3年ぶりの低水準に落ち込んだ。

円高・株安で運用成績は引き続き低迷。世界的な景気後退を背景に、

個人投資家の不安心理が依然として改善していない状況が鮮明になった。

 販売額は解約・償還額を上回ったが、資金の流入超過額はわずか105億円。

販売額は5年9カ月ぶり、解約額も3年半ぶりの低水準にとどまるなど、

先行き不透明感の強まりから投信の売買を見送る姿勢が目立った。


◆コメント:今の相場で、投信残高が減るのは当然でしょうね。

投信とは、「投資信託」の略で、

多数の投資家が資産運用会社を経由して信託銀行に資金を預け(信託)、資産運用会社がその資金を株式や債券、

金融派生商品などの金融資産、あるいは不動産などに投資するよう指図し、運用成果を投資家に分配する金融商品。運用で損失が出た場合には投資家が負担する。

と言うわけで、投資のプロ(ファンド・マネジャー)が沢山いる資産運用会社に金を預けて、

株、債券、商品、為替などの市場で運用「してもらう」もの。

ファンド・マネジャーはプロとはいえ、凡そ相場を100%当てるのは不可能であるから、

投信を買うということは、その時点で元本割れを覚悟しなければならないのである。

ただでさえ所得が減っていて、おカネに余裕が無いときに、投信を買う人が減るのは自然の道理。

今は、「増やそう」などと思わずに「貯めよう」とした方が良いです。

なお、記事の元になったデータは投資信託協会のサイトの、

【更新履歴】12月11日 月次概況新聞発表(11月分)を開くと、 投資信託概況 11月中 で発表されている。


◆記事:硫化水素自殺1000人超す=1~11月、高水準続く-警察庁(12月11日14時34分配信 時事通信)

硫化水素による自殺者が今年1~11月に1007人となったことが11日、警察庁の調べで分かった。

インターネット情報の影響などで今年に入って激増したが、既に1000人を超え、昨年1年間の29人の約35倍に上った。

 硫化水素の「原料」となる商品の一つが、自殺多発のあおりで10月末に製造中止となったが、

発生方法を紹介するネット情報は依然多い。自殺は4月の204人をピークに減少傾向にあるものの、

11月も53人で、1日平均1人以上の高水準が続いている。

 硫化水素自殺が増えたのは、市販商品を使って簡単に発生させる方法がネット上に多数紹介された影響とされる。

救助に入った家族や救急隊員が巻き添えで死傷する二次被害も多発したため、

警察庁は4月末、同ガス自殺を誘引するネットの書き込みを「有害情報」として取り扱い、業者やサイト管理者に削除を要請している。


◆コメント:だからさあ、こういうことを書くと、また増えるんだよ。

数年前にネットで知り合った他人がクルマの中で練炭で自殺したとき。 また、中学生がイジメを苦に連鎖的に自殺したとき。

私は自分の日記・ブログで、

「マスコミが報じるから、余計増えるのだ」

と書いた。

硫化水素自殺も全く同じ事である。最近、硫化水素自殺の記事はあまり無かったが、

こうやって、マスコミがこの話を取りあげると、「じゃ、 俺も」ということが必ず起きるのだ。

勿論、最後は自殺者本人の意思だが、マスコミは不要に「煽っ」ている のである。

「硫化水素自殺 今年1000人超した」ことを国民が「知ることのメリット」、

逆の言い方をすると、「知らないことによるデメリット」は特にない。

「報じる事によるデメリット」の方が大きいのだ。

真実でも報道しない方が良いことが、世の中には存在するのである。

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2008.12.11

「裁判員制度 精神的フォローは誰が?」←NHKスペシャル、見ました?

◆記事:裁判員制度 精神的フォローは誰が?(12月10日9時57分配信 産経新聞)

《「人の命を奪ったものは自分の命で償うべきだ」と考えているので、殺人事件では「死刑」を主張することになると思う。

ただ、その結果、被告が死刑になり、そのショックで自分がPTSDになったとき、誰がその責任をとってくれるのだろうか》

「裁判員制度は悪制度だ」と主張する方からのメールだ。人を裁くことに不安があるということだろう。

メールには《自分自身が命を奪うことにかかわったことがないのだから…》と付記されていた。

主婦(43)からのメールでも《人の人生にとても大きくかかわってしまった後、裁判員の精神的なフォローは誰がしてくれるのかが心配》と記していた。

裁判員になるということは「死刑」を言い渡す判決にかかわる可能性があるということでもある。

人の死にかかわる重みは、もしかしたら刑が執行した後に感じられるものかもしれない。仮に死刑でなくとも、被告の人生に大きく関与することになる。

人を裁くことへの不安について、法務省の担当者は「神様のように被告人の人生の裁きをするわけではないんです」と言う。

どういうことだろうか。

 「例えば『有罪にするにはこれでは証拠が足りない』といったことをチェックするのが裁判員の役割。

直感で犯人だろうと思ったとしても証拠が不十分ならダメ。裁判員が判断するのは検察官の立証が成功したかどうかなんです」

死刑という判断もそうだが、刑事裁判では殺人事件などの審理で、例えば、遺体の写真があったり、

残忍な犯行状況が詳細に証言される場面に立ち会うこともある。裁判取材で傍聴席から聞いていても、

事件の悲惨さに聞くに堪えないという思いを抱くこともある。

裁判は悲劇的な事柄で満ちあふれている。そうしたことに直面し精神的ショックを受ける人も出てくる可能性もある。

最高裁は裁判員の不安を少しでも解消してもらえるようにと、24時間対応の無料電話相談窓口を設置する方向で検討しているところだという。


◆コメント:6日(土)のNHKスペシャル「あなたは死刑を言い渡せますか~ドキュメント裁判員法廷~」を見た。

この産経新聞の記事、私のブログ記事「裁判員通知来た」ブログで公開相次ぐ…氏名・顔写真も←法律の趣旨が分かっていないようですね。

を読んで、書いたのではないか、というのは無論冗談だが、私がブログで書いたこととほぼ同じである。


先週の土曜日、12月6日、NHKスペシャル「あなたは死刑を言い渡せますか~ドキュメント裁判員法廷~」を見た。

私はNHKの回し者ではないが、見ていない方は、最近始まったNHKオンデマンドに無料で会員登録すれば、

有料(315円)だが、見ることが出来る。NHKスペシャル 「あなたは死刑を言い渡せますか~ドキュメント裁判員法廷~」

これは、模擬裁判なのだが、それでもかなり強烈だった。私の想像以上だった。

見逃した方は、315円支払わなくてはいけないが、是非ご覧になることをお薦めする。

私は先日のブログでも主張したとおり、人を死刑にするか、無期懲役にするか、というような重大な決断を、

一般人にわずか3回の公判で下せ、と要求するのは、やはり無理があると思った。

裁判員は、法務省の言うことが本当ならば、欠格事由に当てはまらない人から無作為に抽出されている。

老若男女、色々な人がいる。強靱な精神力の持ち主ばかりとは限らない。

裁判官や法律の専門家が裁判を行うことは、やはりそれなりの理由があるのだ。


NHKスペシャルの模擬裁判はあくまで模擬裁判なのだが、真に迫っていた。

事件は、或る男が金を奪うことを目的に、以前務めていた中小企業に深夜押し入り、現金を奪ったところで、

社長が物音に気付き、もみ合いになり、下腹部を刺して、社長はそれが原因で死亡。

更に、後から現れた社長の奧さんを顔を見られたので、逃げようとするのを押さえつけ、頸部をナイフで刺して殺害する。

被告人は、奧さんへの殺意は認めたが、社長への「殺意」は否定する。

法廷では、プロの裁判官3人が中央に座り、裁判員はその両側に3名ずつ座る。あの裁判官の席に座り、被告人と目が合うのである。

その人間に質問することも出来る。

Nスペの模擬裁判では、被告人、被告人の母、被害者の娘、を役者さんが演じていて、

これは「模擬」裁判だ、と裁判員は分かっているのに、「何とか、命だけは助けて欲しい」という被告人の母の慟哭と、

「何も悪いことをしていない両親を殺した人は極刑にして欲しい」という、被害者の娘、双方を目の当たりにして、その生の訴えを聞く。

この板挟みになり、裁判員は文字通り頭を抱えていた。遊び半分の気持ちには絶対になれないと思われた。

また、裁判員席にはディスプレイが設置してあり、血まみれの犯行現場の写真、被害者の遺体の写真を見なければならない。

証拠物件として提出された、血液が付着したナイフを(ビニール袋に入っているが)、全員、手にとって観察しなければならないのだ。

これだけでも、相当な精神的重圧であり、PTSDの発症要因となっても不思議はない。

繰り返すが、模擬裁判だというのに、「模擬裁判員」は、本当に判断に迷う。

最終的にはプロの裁判官3人を交えた多数決で出した評決は、

「被告人を死刑に処す」

だった。

裁判員の一人の女性は、公判後2週間経っても、そのことが頭から離れないという(PTSDというほどではないが)。

別の男性は「自分が経験してみて、人を裁くとはこれほど、重いものか」といい、更に

「人によっては、相当後まで、ショックを引きずるだろう」と言っていた。

私は裁判員制度にはずっと反対しているが、百歩譲っても、いきなり、死刑か無期懲役かの判断を迫られる刑事裁判から始めなくても

良かっただろうと思った。行政訴訟や、民事訴訟から始めるべきではなかっただろうか。

全く、裁判員に選ばれた人がPTSDになったら、誰が面倒をみるのだろうか。

その人が国に対し、損害賠償請求することも可能な筈だ。それでは何のために裁判員制度を導入するのか、

意味が分からない。

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2008.12.10

12月10日は、アルフレッド・ノーベルの命日で、ノーベル賞授賞式が行われます。

◆記事:「大変光栄、夢に見た」=ノーベル賞3人が会見-授賞式前に・ストックホルム(12月10日0時4分配信 時事通信)

【ストックホルム9日時事】ノーベル賞を受ける益川敏英・京都産業大教授(68)、

小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授(64)、

下村脩・元米ウッズホール海洋生物学研究所上席研究員(80)の3人が9日午後(日本時間同日夜)、

ストックホルム市内のホテルでそろって記者会見し、下村さんは「大変光栄、夢にまで見たことなんですよ」と率直に喜びを語った。

 授賞式を翌10日に控えた心境を問われると、小林さんは「わたしはセレモニーが苦手なので、通り過ぎるまでじっとしていようかと…」と苦笑い。下村さんは

「賞をいただくためには、講演、授賞式、晩さん会の3つが義務のようなものですね」と冗談交じりに答えた。


◆コメント:ノーベル賞公式サイトでは、授賞式の模様が中継されます(日本時間11日(木)午前0時30分から)。

何事もすぐに忘れる日本人の多くはは、スウェーデン王立科学アカデミーが10月7日に、08年のノーベル物理学賞を

南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授(87)、益川敏英・京都産業大教授(68)、小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授(64)

に授与する、と発表していることを忘れていただろうが、今日が、ノーベル賞授賞式である。


授賞式はストックホルムで現地時間16時30分(日本時間、11日(木)午前0時30分)に始まり、

そのようすは、ノーベル賞公式サイトで中継される。

The Nobel Prize Award Ceremony 2008である。

授賞式前に、ノーベル賞受賞者は、自分の研究内容について、レクチャーを行う。

その様子も見ることが出来るが、益川さんは日本語の原稿を読み上げていて、しかも結構緊張している。

小林さんは、英語で話しているが、いずれにせよ、内容が専門的過ぎて、理解するのは不可能だ。

私はその晴れ姿を見るだけで、喜んでいる。

紛れもなく、国の誉れである。


ノーベル賞の圧巻は、何と云っても授賞式である。

前回、2002年の日本人受賞者、小柴先生と、田中耕一さんの受賞の瞬間の映像は今でも見ることが出来る。

田中耕一さんの受賞の様子は、Koichi Tanaka:The Nobel Prize in Chemistry 2002 Prize Presentationに、保存されている。

受賞の瞬間の映像をご覧頂きたい。

同様に、小柴先生の受賞の瞬間の映像である。

Masatoshi Koshiba The Nobel Prize in Physics 2002 Prize Presentation

グスタフ国王から賞状やメダルを授与される瞬間にトランペット・ファンファーレが鳴り響く。

これ以上の、目も眩むほどの栄誉があろうか。

これと同じ光景を明日は見ることが出来る。

勿論、受賞される先生がたの研究内容を、私は理解する能力が無い。

しかし、日本人として、この光景を誇りに思うのは、ごく自然な事だと思うのである。

授賞式は無理して深夜に中継で見なくても良いが、映像はずっと保存されているから、一度はご覧になることをお薦めする。

偉大な科学的功績を達成した人々は、無条件に讃えられるべきである。

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2008.12.08

麻生が退陣→総選挙→「民主党が与党」がもしも本当になったら、岩國哲人議員を重用するべきだ。

◆記事1:支持急落「わたしへの評価」=麻生首相、厳しい認識示す(12月8日13時7分配信 時事通信)

麻生太郎首相は8日昼の政府与党連絡会議で、報道各社の世論調査で内閣支持率が急落したことについて

「非常に厳しい数字で、これがわたしへの評価と受け止めている。

景気・雇用対策への期待に十分応えていないとの批判だと思う」と述べ、厳しい認識を示した。

支持率の激減により、「選挙の顔」を期待されて就任した首相の自民党内での求心力が一段と低下することは確実。

首相は会議で「危機に対応する政策をしっかり進めなければならないので、(与党は)協力してほしい」と結束を要請した。


記事2:小沢代表に国替えを命じられた岩國哲人が公認漏れの危機(週刊文春12月 4日(木) 11時52分配信 / 国内 - 政治 )

(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20081204-00000000-sbunshun-pol)

 次期衆院選に出馬する予定の民主党の衆院議員のうち、未だに党の公認が下りていない現職が二人いる。

岩手四区から東京十二区などへの国替えを検討している小沢一郎代表と、

神奈川一区の公認内定者にとどまっている当選四回の岩國哲人元副代表(比例南関東ブロック)だ。

出馬する選挙区が確定すれば自動的に公認される小沢氏と違い、深刻なのは岩國氏である。

民主党の選対関係者が解説する。

「現職組はほとんど九月中旬の第一次で公認されています。小沢氏は別にして、この時点で漏れたのは

岩國氏と東京十九区の末松義規氏の二人だけでした。『情勢調査の数字が悪すぎる』という理由です。

ほかの役員から『情において忍びない。現職は一律でいいじゃないか』と再考を求める意見も出ましたが、

小沢代表は頑として首を縦に振りませんでした」

落ちこぼれコンビは十月下旬の第二次公認で明暗を分ける。「相手候補との差が縮まってきた」

として滑り込んだ末松氏に対し、岩國氏は「努力が足りない」とまたも小沢氏に蹴られた。

しかも従来の選挙区の神奈川八区では無所属の江田憲司氏に勝てないと烙印を押され、国替えまで言い渡されたのである。

踏んだり蹴ったりはさらに続く。岩國氏は神奈川一区への転出を受け入れ、

小沢氏同席の下で十一月十九日に横浜市で記者会見を開いた。

今度こそ「公認」のお墨付きを得られると本人は思ったに違いないが、小沢氏は言質を与えなかった。

「情勢調査を実施した上で判断するという原則論に加え、神奈川一区で独自候補擁立を決めている国民新党から

『岩國氏を公認するなら南関東ブロックでの選挙協力を白紙に戻す』と横やりが入ったためです」(前出・選対関係者)

 岩國氏はメリル・リンチでニューヨーク本社上席副社長まで務めた元国際金融マン。

島根県出雲市長時代にはアイデア市長として全国的に知られ、ユーモアに富んだ演説には定評があり、

党内で五指に入る人気弁士だ。見るに見かねた後見人格の羽田孜元首相が小沢氏に会い

「政策面でも選挙でも彼は党に貢献してきた。そうした要素も考慮してやってくれ」と頭を下げたが、小沢氏側近の一人は、

「国民新党の郵政票はバカにならない。『大事の前の小事』と代表は考えているのでは」

と非公認に終わる可能性が小さくないとの見方だ。


◆コメント:だから、麻生が辞めて、誰が首相になっても景気回復には数年かかるんだよ。

つい先日も書いたばかりだが、内閣支持率など、何のアテにもならない。

「改革を辞めても良いんですか!」とバカの一つ覚えのように繰り返し、内閣総理大臣になった当時の小泉純一郎の支持率は85%だった。

しかし、実際はどうだ。

小泉純一郎が、一体何をどう「改革」したのだ?

小泉がぶっ壊したかったのは、恩師福田赳夫の仇敵、田中角栄の流れを汲む経世会のそのまた流れを汲む橋本派など。

田中角栄の支持基盤は郵便局だったし、アメリカの年次改革要望書での内政干渉で郵政民営化しろといわれていたので、

自らの怨念を果たす目的とアメリカの忠実な番犬でありたいという目的が一致した。だからあれほど郵政民営化にムキになっていた。

郵政民営化だけならまだしも、小泉が首相を務めた5年間で日本の何がどう「改革」されてよくなったのか。

社会的・経済的格差(乃至、格差意識)が拡大して、弱い者は早く死んで下さいという世の中になってしまったではないか。

小泉が選挙の時に公約に挙げていた、自民党120の約束がいまだに、

自民党のサイトに堂々と掲げてある。ここでは、2007年の増税も後期高齢者医療制度の導入(そういう用語は用いていないが)示唆している。


だから私は2005年9月11日の選挙前、2005年09月07日(水) に【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。ココログ)でそのことを指摘したのである。

残念ながら、誰も耳を傾けてくれなかった。

小泉の後、安倍、福田、麻生政権の時期になって、小泉の「公約」の問題点が噴出しているのであり、


悪の元凶は小泉である。今度衆議院解散総選挙で、恐らく自民党は負けるだろう。

そうすると、そもそもこうなった元凶は何か?と言う話になり、結局、「改革、改革」といって格差社会を創出した小泉純一郎が槍玉に挙がる

ことは目に見えている。小泉は、そうなって吊し上げを食う前に政界を引退したのであり、今、日本がガタガタになったのは(リーマン以降の話は別として)

小泉の所為であり、麻生太郎が全て悪いのではない。


そして、景気が悪いのは、リーマン・ブラザーズ破綻以降の金融危機が大きな原因で、アメリカではまだ公的資金の注入に

もたついているし、ビッグ3支援法案も議会ですんなり通るか分からない。世界経済は本当に100年に一度ぐらいのヤバい状態にある。

これは、麻生だろうが、小沢だろうが、誰が首相であっても、世界同時不況なのだから、どうしようもない。

景気後退を麻生首相の責任だというのは、論理的に無理がある。


◆麻生を選んだ自民党がダメで、民主党に政権を取らせろと言うのなら、岩國哲人衆議院議員を重用するべきなのに、小沢のバカが冷遇している。

岩國哲人衆議院議員は記事2に略歴が書いてあるが、今は金融危機でバンカメと合併したが、世界最大の証券会社の一つ、

メリルリンチ本社の上級副社長だった人物である。ある時、故郷の出雲市から嘆願されて、米国一流企業経営者の高給取りの立場を捨てて出雲市長となり、

「110の公約」を掲げ、全て実行した人である。民間の修羅場をくぐった人、ましてや、激烈なアメリカの競争社会で頂点に上り詰めた人なのだから、

優秀でない訳がない。経済・金融に関して、多分、現職の国会議員の中で一番、よく理解し、肌で感覚が分かる人だろうと思う。

かつて、このブログでも岩國議員が、日銀の福井前総裁を参考人招致したときの問答を載せたことがある。

「消費者物価マイナス脱す 量的緩和、解除へ一歩」←日銀の「解除条件」を良く読め。

という記事の中で、岩國議員が福井(当時)総裁に質問しているくだりがある。

「日銀がゼロ金利政策を続けた為に、過去十年間に日本の一般家庭の貯蓄が得べかりし利子が幾ら奪われたのか」と質問し、福井総裁が、

「累計で百五十四兆円ということになります。」

と答弁している。さらに、岩國議員は、本来、ゼロ金利でなければ得られたはずの家計の金利収入が受け取れなかったということは、

所得が奪われているのであり、別の税金を課せられているのと同じ状態だ、と指摘している。

その考え方で岩國議員が計算したら、毎年20兆円を国民が貰い損ねているということは、

10%の消費税を取られているのと同じ事で、つまり、実質的には日本の消費税は15%だということだ。だから、いつまでもゼロ金利では困るのだ。

と主張しているが、こういう発想、質問が出来る人が他の国会議員にいるだろうか。


極めて貴重な存在なのだ。

民主党自体が抱える諸問題はこの際捨象して考えるならば、今のような金融危機の時は岩國さんが内閣総理大臣であるべきだと私は思っている。

実際私は、かつて、2005年9月の「郵政民営化選挙」前に、岩國哲人氏が民主党党首となり、民主党が政権を取るのが理想です。
と書いたことがあるほどである。


尤も、今のガタガタの民主党で、首相はあまりにも気の毒だから、少なくとも、民主党が政権を取ったら、財務・金融相になるべき人だ。

ところが、記事2はどうだ。岩國さんほど経済が分かっていない小沢は、自分より優秀な人物を追放したいのだろうか?

岩國さんを公認から外すつもりらしい。こうなったら、岩國さんがいなくなったら、民主党なんて、社会保険庁で功績のあった長妻昭以外は、

役立たずだ。だから小沢なんかを宰相にしちゃ、まずいのである。

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2008.12.07

「米就業者数、53万3000人減=1974年以来最大-失業率は6.7%に悪化」←これでもし、ビッグ3救済法案が否決されたらおしまい。

◆記事1:米就業者数、53万3000人減=1974年以来最大-失業率は6.7%に悪化(12月5日22時57分配信 時事通信)

米労働省が5日発表した11月の雇用統計によると、非農業部門就業者数は季節調整済みで前月比53万3000人減少し、

1974年12月以来約34年ぶりの大幅な減少を記録した。これで11カ月連続の減少。労働市場が一段と悪化していることが確認された。

失業率は6.7%と、前月から0.2ポイント上昇し、93年10月以来の高水準となった。

米国では先にリセッション(景気後退)入りが確認されたが、雇用情勢の悪化で消費者の心理がさらに冷え込み、

景気を圧迫する可能性がある。市場予想の中央値(時事通信調べ)は失業率が6.8%、就業者数が32万3000人減少だった。


◆記事2:150億ドル規模で合意=ビッグ3支援法案、来週採決へ(12月6日7時49分配信 時事通信)

米議会多数派の民主党指導部は5日、ビッグスリー(3大自動車メーカー)の支援法案を取りまとめ、

来週中の採決を目指す方針を表明した。ロイター通信などによると、支援規模は150億ドル(約1兆4000億円)前後

とする方向で同党指導部と政府が合意したという。支援が実現すれば、月内に40億ドルのつなぎ融資を必要としている

ゼネラル・モーターズ(GM)の経営破綻(はたん)は回避される見通し。

ただ同日までの2日間にわたり上下両院で開かれた公聴会では党派を問わず慎重論が根強く、採決は大詰めで難航する可能性もある。


記事3:<ビッグ3救済>当面の「延命策」 次期政権に丸投げ(12月6日20時46分配信 毎日新聞)

米政府と議会民主党は5日、米自動車大手3社(ビッグ3)救済のため公的資金150億ドル(約1兆4000億円)を

緊急融資することで合意したが、救済法案がすんなり可決されるかは予断を許さない。

民主、共和両党内には依然、救済に難色を示す議員も多いためで、仮に法案が可決されても

当面の危機を回避するための「延命策」に過ぎず、本格的な経営再建につながるか懐疑的な見方も強い。

米政府と民主党首脳が合意した緊急融資150億ドルは、ゼネラル・モーターズ(GM)が「1月末までに必要」と訴えていた80億ドルに、

クライスラーから支援要請のあった70億ドルを加えた額と一致する。

フォード・モーターは米上院での公聴会で「当面の資金繰りには困っていない」(ムラリー社長)と答えており、

支援策はまさに「1月末までの運転資金の手当て」に過ぎないとみられる。

「3社の再建には最大で1250億ドルが必要」(ムーディーズ・エコノミーのマーク・ザンディ氏)との試算には遠く及ばず、

GMやクライスラーが抱えている構造問題に踏み込むには不十分な支援規模だ。販売店やブランドの統廃合、

工場閉鎖や人員削減といった抜本再建策を実行に移すには追加的な資金支援が不可欠で、

オバマ次期米大統領は来年1月の就任直後に改めてビッグ3支援問題という難問を突きつけられる可能性が高い。

ビッグ3救済については、米CNNテレビの世論調査で6割超の回答者が「支援に反対」と答えている

一方で、ビッグ3の背後にはさまざまな既得権益を持ち、民主党の強力な支持基盤でもある全米自動車労組(UAW)が控えており、

ブッシュ政権からビッグ3の処理を丸投げされた形のオバマ氏は厳しい調整を迫られそうだ。 (注:太文字は引用者による)


◆コメント:これが、今週の世界の最大懸案事項と言っても過言ではありません。

毎月、第一金曜日、米国東部時間の朝8時半(今は冬時間なので、日本だと金曜日夜10時半、夏時間なら9時半)に

米国の雇用統計が発表されます。失業率そのものよりも、非農業部門雇用者数(nonfarm payrolls。payrollとは「給与台帳」の意味)が注目されます。

何故、「非」農業部門かというと、農業部門の就労者数は景気の変動に関わらず、あまり変化しない。

一方、その他の産業、製造業とか、金融業とか、サービス業では、アメリカでは会社の業績が悪くなるとすぐに

レイオフ(layoff=一時解雇)しますから、景気の動向を最も早く、顕著に反映するからです。


日経のサイトに過去の米雇用統計データが載っています。

過去5年間のデータが載っていますが、ご覧のとおり、今年の1月分マイナスになり(5年9ヶ月ぶりでした)、それから

今年はずっと減少の一途を辿っています。若干の変動はありますが、概ね、時間の推移と共に悪化しています。


私ども、このようなデータをウォッチしている者は、7月に発表された6月分のnonfarm payrollsの減少数が2桁、つまり

10万人を超えた時から「ヤバい」な、と強く感じ始めていました。

とにかく、ずっとマイナスが続いているのは、2007年にサブプライムローンのバブルがはじけて、景気が悪化したのが、

今年になって雇用情勢に現れていることが明らかなのです。


◆ビッグ3のうち、一社でも破綻したら、300万人が失業します。

先週、4日(木)、5日(金)の二日間、ビッグ3のトップに対する公聴会が、それぞれ、上院と下院で行われました。

その時の模様をテレビで見ましたが、どうも、いまだに反対意見を述べる人が多いのです。

また、記事3の中で太文字で強調しましたが、アメリカの一般しましたが、世論調査でも一般国民は反対する人の方が多い。

民主党がまとめたビッグ3支援法案は、今週中、多分8日、9日に上院・下院で採決されるようですが、これを否決したら、

大変なことになります。


11月分の非農業部門雇用者数がマイナス53万人というすさまじさで、私も長年こういう数字を見ていますが、

ここまでひどい状況は初めてだ、と思ったらそれも当然でした。1974年以来のマイナス幅だ、というのですから

(当時、私は中学生でした)。

ビッグ3支援法案の150億ドル(1兆4000億円)でも、実は「その場しのぎ」で、年末の資金繰りを何とかする、

という程度なのですが、それでも資金繰りに行き詰まったら、その瞬間、その会社は破産法の適用を申請するしかありません。

3社のいずれかが倒産したら、関連企業も含めて、あっと言う間に300万人が失業します。

雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比マイナス300万人を超えることになります。

アメリカの一般国民は、税金を用いて私企業を支援することにこだわっているようですが、アメリカの就労人口のうち、

約10人に1人は自動車関連産業で働いています。ビッグ3を潰したら、自分も失業するかも知れない、ということが、

アメリカ人は分からないのでしょうか?

また、日本の自動車メーカー、トヨタなどは、ビッグ3と同じ部品メーカー(所謂「下請け」ですね)から部品を調達しているので、

ビッグ3のどれかが潰れたら、現地で自動車を生産できなくなり、業績が大幅に悪化するでしょう。

そうしたら、日本国内でもコスト削減の常套手段、人員削減(リストラ)が断行されるでしょう。

自動車に限らず、日本でも製造業を中心に工場などの非正規労働者を解雇する、というニュースが毎日の様に報じられています。

それに拍車がかかるでしょう。


とにかく、世界同時不況は、各国内の事情もありますけど、引き金になったのは9月15日のリーマン・ブラザーズが破綻です。その結果、

サブプライムローン関連の金融商品、証券化された商品の相場が暴落し、これらに投資していた銀行や事業会社が多額の評価損を被ったことが

大きな要因です。

紛れもなく、あれは米国金融当局の失策で、そのおかげで世界が迷惑をしているのです。

アメリカの議会、政府、金融当局、そして一般市民は、ビッグ3のいずれかでも潰したら、自分たちが困るばかりではなく、

世界中に再び大迷惑をかけるのだ、ということを良く認識して貰わないとこまります。

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2008.12.06

【本】宮本文昭氏「疾風怒濤のクラシック案内」/【音楽】モーツァルト Part2。

◆オーボエ奏者、宮本文昭氏著、「疾風怒濤のクラシック案内」(アスキー新書)。

今は、現役を引退なさいましたが、1975年から四半世紀もドイツのオーケストラでオーボエを吹き、

特に、1982年からはケルン放送交響楽団という一流オーケストラの首席を長く務めた、宮本文昭さんという、

大げさではなく、世界的なオーボエ奏者がいらっしゃいます。この方が、ちょうど1年前にアスキー社から出版した、

疾風怒濤のクラシック案内という、大変に興味深い本があります。

正に、音楽の本場、ドイツのオーケストラで数々の修羅場をくぐってこられたであろうプロ中のプロ、宮本さんのこの本は、

素人向けに平易な言葉で、綴れられていますが、少しも権威ぶったところも、勿体ぶったところもなく、

ただ、宮本さんの音楽に対する深い愛情と洞察と、知識と経験が随所にちりばめられています。


◆この本の冒頭はモーツァルトについて書かれています。

「疾風怒濤のクラシック案内」の最初の項は「モーツァルトだって重いときがあるさ」(11ページ)です。

色々な作曲家や演奏家がモーツァルトについて語っていますが、宮本さんのモーツァルト観は、まさに核心を突いている、

と私は思います。ですから、大分長くなりますが、引用させて頂きます。

 ドイツ人は「モーツァルトは軽い」というけれど、僕はむしろヘビーだと思う。

たとえ表面的には底抜けに明るい感じがしても、奥には窺い知れないものを含んでいて、どの作品も一抹のさびしさが影を落としているような気がします。

モーツァルトを聴くときは、ここを気にしてあげるといいと思います。

 僕は、モーツァルトはさびしい人だったと思う。幼いときから神童と騒がれ、まるでさらし者のように各地を連れまわされて、

サーカスの旅芸人のような生活を送っていたから、友だちなんていなかったはずです。

ゲルマン系の人たちは、おだてられるとものすごく増長するところがあるから(僕は長いことドイツで暮らして、そういう恐ろしい増長ぶりをたくさん見ました)、

そうやってチヤホヤされているうちに、本人もだんだんこまっしゃくれた子どもになっていったのでしょう。

映画「アマデウス」で描かれたモーツァルトは多少大げさかもしれませんが、実像とそう違っていないのではないかと思います。

自分で自分をごまかすためにも、ああやって調子に乗っていないと、生きられなかったかもしれない。

でも、本当のところは、大人から「あれ書いて」「これ書いて」と注文されて、とても孤独な日々を送っていたのではないでしょうか。

絶えず満たされないものを心に抱えて。



当時、人々は若き天才をもてはやしましたが、はたしてどれくらい彼の音楽を、その才能の偉大さを理解していたかは疑問です。

モーツァルトの作品は、どれも使われている音の数が本当に少ない。

それなのに、あれだけ独特で美しい世界を創り上げたのですから、それはもう、まさに巨人と呼ぶにふさわしいのです。

もちろん、頼まれて書いた曲の中には、ただ漫然と書き綴って仕上げたと思われるものもあります。

それでもやはり、この人はすごいんですよ。どのパートを見てもムダが全くない。

よくモーツァルトは「書き直さなかった」と言われるけど、そんなことはありません。

残っている自筆の楽譜には、修正の書き込みも多いですし、「やっぱりこれはやめた」というようなメモもあります。

言われているほど、練り直しをしなかったわけではないのです。(中略)


そんなモーツァルトを演奏するには、空想力がものすごく必要とされます。

譜面に書いてあることだけではすまない(というか、そもそも譜面には殆ど指示はありません)。

逆に言えば、その人の持つリズムやテンポ感、間の取り方といったような音楽的センスのすべてが試されます。

センスがない人が弾いたり吹いたりすると、ものすごく退屈な音楽にしか聴こえない。

なので、ドイツのオーケストラの入団試験では、受験者に必ずモーツァルトをやらせます。

いくらほかの作曲家と相性がよくても、モーツァルトを上手に演奏できないのなら、ドイツでは音楽家として認めてもらえないのです。

例えば僕の場合、どのオーケストラでもモーツァルトのオーボエ協奏曲を吹かされました。(中略)

つまり演奏家にとっては、モーツァルトをやると実力のほどが知れる、音楽家としての自分の中身が全部ばれてしまう。こわーい作曲家なんです。

非常に分かり易い、しかし、「うーん、なるほど」と思います。


◆【音楽】ピアノソナタ、ヴァイオリンソナタ、協奏曲、交響曲から選びました。

宮本さんの文章を思い起こしながら、聴いてみると、普段聞き慣れたモーツァルトに、新たな思いを抱きます。

最初は、ピアノソナタ第10番です。演奏はイングリット・ヘブラーというモーツァルト弾きとして有名なピアニストです。

バラでも買えますが、私はかつてお金を貯めておいて、ヘブラーのモーツァルト:ピアノ・ソナタ全集を買ってしまいました。

ピアノソナタ第10番ハ長調K.330 です。



「天衣無縫」という言葉を思い出しますが、明るい中に一抹のさびしさがある、ということは、宮本さんの本を読む前から感じていました。


次は、宮本さんと同じようにドイツのオーケストラしかも、世界一のベルリン・フィルのコンサートマスターを25年も務めている、

安永徹さんの、安永徹 市野あゆみ デュオコンサート(市野あゆみは奧さんです)から。

ヴァイオリンソナタ第28番 です。第一楽章だけ。



モーツァルトは全体的に長調が多く、ヴァイオリンソナタもそうなのですが、これは例外的な作品の一つ。

やはり、何とも言えないもの悲しさと明るさが同居しています。


次は、宮本さんが、ドイツでオーディションの度に吹かされた、オーボエ協奏曲です。以前一度載せましたが、

宮本さんの本を引用させて頂いたので、もう一度、聴きましょう。CDはモーツァルト:オーボエ協奏曲集

第一楽章です。



この曲。色々な人の演奏を聴きましたが、宮本さんは、本当に世界レベルで超一流だと思います。


長くなったので、最後にシンフォニーから、第39番。モーツァルトは全部で41曲の交響曲を書いていますが、

特にこの39番、40番、41番「ジュピター」は押しも押されもしない、名曲。完璧な音楽ではないかと思います。

交響曲第39番から第3楽章です。CDはバーンスタイン=ウィーンフィルの、モーツァルト:交響曲第38番&第39番です。



毅然とした冒頭部。中間部(トリオ)のクラリネットの可愛いメロディー。一度聴いたら忘れられません。

わずか4分の楽章に「モーツァルト」が凝縮されています。

それでは、この辺で。

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12月5日はモーツァルトの命日です。今年は1日では収まりません。今日はパート1。

◆先日、オペラは嫌いだ、と書きましたが、モーツァルトのオペラの美しい音楽まで嫌いなわけではないのです。

一週間前に、私が唯一好きなオペラ「魔笛」のお薦め。という記事を

書きました。書いてから、気になっていたのですが、ちょっとミス・リーディングだったかな、と。

オペラ全体を通して聴かなくても、モーツァルトの数々のオペラには、

美しい歌(アリア)が沢山あります。それまでも嫌いだ、と言うわけではないのです。むしろ大変好きです。

今日は、モーツァルトの「歌」を主にオペラから集めました。

モーツァルトの器楽でもまだまだご紹介出来ていないのがあり、それらも載せたいのですが、あまりにも多くなるので、

器楽は明日にします。今日は繰り返しますが、モーツァルトの「歌」に焦点を絞りました。

いずれも、あまりにも有名で、テレビのCMなどに使われることもあるので、お聴きになったことが有るかも知れません。


◆「フィガロの結婚」から、序曲、アリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」、「恋とはどんなものかしら」

モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」は、あまりにも有名な彼の代表作のひとつです。

名前ぐらいは知っているという方も多いのではないでしょうか。

今日は「歌」に特化する、と書きながら、いきなり違うのですが、やはり、序曲はお聴き頂きたい。

モーツァルト作曲、歌劇「フィガロの結婚」序曲です。演奏はネヴィル・マリナー指揮、セント・アカデミー・イン・ザ・フィールズです。



聴いている分には気軽ですが、冒頭から弦の細かい動きが難しそうですね。

よく聴かないと分かりませんが、弦と同じ細かい音符をファゴットが吹いています。大変だと思います。

何度聴いても感心しますが、この曲は歌劇の序曲とはいえ、これだけで、一つの完璧な音楽です。



さて、歌(アリア)に行きます。バリトンが第1幕で歌う「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」(Non piu andrai)




お聴きの通り、バリトンが歌う旋律は、非常に単純なのです。

「ドーミソー、ミーソドー、ソードミードー」と「ドミソ」を使っているだけなのに、どうしてこんなに、

聴き手の胸が膨らむような、立派な音楽になるのでしょうか。

これは、後のドン・ジョバンニと同じ「バリトンの名オペラ・アリア集」で聴けます。


次はソプラノのアリア「「恋とはどんなものかしら」(Voi che sapete)」です。

まずは、お聴き下さい。





これも同様ですね。「ドーソソ、レーソー、ミー、ドーレミーファレー」ですよ。何にも難しい細工は無いのに、

どうしてこれほど美しいの?モーツァルトってのは、何なんだ?いつまで経っても分かりません。

これは、歌劇フィガロの結婚(ハイライト)に収録されており、

また、iTunesからダウンロード出来ます。

アルバム全体のURLは、

http://itunes.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?id=3381881&s=143462

「恋とはどんなものかしら」だけなら、

http://itunes.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?i=3381851&id=3381881&s=143462

です。


◆歌劇「ドン・ジョヴァンニ」から2曲。

「ドン・ジョヴァンニ」もモーツァルトの有名なオペラの一つです。

このオペラそのもの(全体)に関する解説の類はネット中にゴマンとありますので、

無精をして申し訳ありませんが、興味の有る方は検索なさって下さい。

但し、アリアを純粋に音楽として聴く分には、予備知識は必要ありません。音楽ですから。

第2幕でバリトンが歌う甘美な、「窓辺においでよ」というアリアをお聴き下さい。

これ、ユニークなのは、伴奏がマンドリンなんです(弦楽器群も加わっていますが)。


面白いですねえ。マンドリンの木訥な響きが、非常によく歌に合っています。

「ドン・ジョバンニ」からもう1曲。今度は景気が良いです。第1幕 シャンパンのアリア 「酒がまわったら」(Finch' han dal vino)です。



これは、もうオペラのアリアそのものですね。


◆オペラではなく、モーツァルトの「歌曲」が沢山有ります。

クラシックの声楽家の活動はどうしてもオペラが注目されますし、我々もクラシックで「歌」というとオペラを連想しますが、

器楽にソナタが有るように、声楽にも純粋に(芝居を伴わない)歌が沢山あります。

そして「歌曲」と言ったら、シューベルトがまず頭に浮かびますが、モーツアルトの「歌曲」も沢山あります。

モーツアルト歌曲全集というCDはお薦めです。

そのなかから、譜面は一見易しいけど、実に美しい、「春へのあこがれ K. 596」をお聴き下さい。

聴いたこと、あると思います(勿論、無くても一向に構いません)





これも、これ以上易しくできないですね。「ド・ドーミソードソーミド、ファ・ファ・ファソファミ」です。

それで、どうして、これほど美しいのか。同じ事ばかり書いて恐縮ですが、いつもそう思います。


さて、最後は歌ではなく、去年もお聴き頂いた、モーツァルトの最後のピアノ協奏曲第27番の終楽章です。

この主題が「春への憧れ」を用いていることは明らかです。

かつて、ワルター・クリーンという既に故人ですが、モーツァルト弾きとして有名なピアニストが来日し、

N響の定期でこの協奏曲を演奏しました。終楽章のカデンツァの冒頭で、

「春への憧れ」をそのまま使っていたのをよく覚えています。

今日はアシュケナージの演奏でお聴き下さい。





引退なさったオーボエの宮本文昭さんが書いた、疾風怒濤のクラシック案内という本があります。

私は、Kenさんにこの本の存在を教えて頂いたのですが、確かにとても面白い。

宮本さんは、最初にモーツァルトの事を書いておられます。それが非常に示唆に富むので、

明日は、この本と、この本で宮本さんが触れているモーツァルトの作品に触れようと思います。

それでは、皆さん、良い週末をお過ごし下さい。

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2008.12.05

「麻生さん、もはや『選挙の顔』じゃない」…迷走する政権←じゃ、他に誰がやるの?

◆「麻生さん、もはや『選挙の顔』じゃない」…迷走する政権(12月4日22時53分配信 読売新聞)

麻生政権が、発足2か月余りで早くも失速気味だ。

「衆院選の顔」と期待された麻生首相だが、相次ぐ失言などで内閣支持率は急落し、

与党内に「これでは選挙は戦えない」との声が広がっている。

「私の現在の在任記録である1130日くらい首相をやる気迫でやってほしい」

3日夜、首相公邸。麻生首相は、自民党の国会対策委員会メンバーと会食し、大島理森国対委員長から激励を受けた。

大島氏が過剰なほど首相を気遣うのは、政権が早くも苦境に立たされているからだ。

今月初めには、日本経済新聞などが行った世論調査で麻生内閣の支持率は30%前後に急落した。

この時ばかりは、楽天家の首相も「そんなに落ちたか」と弱音を漏らし、村松一郎・首相秘書官が

「とにかく景気対策をやり、実績を示しましょう」と励ましたほどだ。

9月下旬の総裁選で首相を「選挙の顔」に選んだはずの自民党議員たちの“麻生熱”もすっかり冷めた。


◆コメント:内閣支持率などアテにならぬ。日本をぶっ壊した小泉内閣発足時、支持率は85%だった。

世論調査は、世間の人々の感情を反映しているだけである。全然アテにならない。

「改革を止めても良いのか」の一点張りで、結局日本をぶっ壊し、次の選挙後、犯人捜しの槍玉に挙がる前に

政界を引退した、小泉内閣の支持率は、発足当時、何と85パーセントだった。

その後、末期になって漸く落ちてきたが、5年間、概ね高い支持率を維持した。

支持率が高い内閣、首相が必ずしも「良い首相」ではないのは、この一例だけでも十分に分かる。

麻生内閣の支持率が急低下しているというが、麻生首相がダメなら

一体誰が、今の日本の内閣総理大臣に相応しいのか。

小沢?あの金権政治の田中角栄の最後の弟子?

あの、人相が悪くて、「腹黒さ」に足が生えて歩いているような奴?

ホントにあれが内閣総理大臣になっていいの?


麻生内閣の支持率が低い第一の原因は、首相本人による、立て続けの「失言」だろう。

私は「失言」することを推奨はしないが、ある意味では、彼が腹黒くない証拠ではないか、と思う。

要するにお坊ちゃんでしょ?育ちが良い人というのは、思ったことを思わず口に出してしまうのだ。

本当に悪い奴は、発言する前にあーでもない、こーでもない、と計算する。

田中角栄なんか、殆ど失言していないだろうが、ああいう末路を辿った。

だから、私は麻生氏には、「いい加減、気をつけなさいよ」とアドヴァイスするが、

彼の失言を以て、「首相の座に相応しくない」理由にするほど、

目くじらを立てることはないと考えている。


支持率が低いもうひとつの理由は、日本経済があまりにも低迷しているからである。

景気が悪いときに内閣支持率が高くなるわけがない。

だが、これが麻生首相の責任だ、というのは、無茶だ。酷である。

今はたとえ誰が内閣総理大臣になっても、世界同時不況だから苦戦することは、間違いが無い。


以前書いたが、世界が本当に金融恐慌に陥りかけたきっかけは、9月15日のリーマン・ブラザーズ破綻が始まりである

(勿論、その背景には、2007年から顕在化していた、アメリカの不良債権問題、サブプライムローン問題が存在していた訳であるが)。

このとき、麻生太郎氏はまだ、首相になっていない。幹事長だったが、次のように述べた。

◆記事:米政府の対応に疑問=リーマン破綻-自民・麻生氏 (時事通信)(2008/09/16-13:21)

自民党総裁選候補の麻生太郎幹事長は16日昼、東京都庁で開かれた都議会自民党の会合で、

米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)に関し

「いくら何でも影響が大きすぎる。全く何もしないで放置するやり方が正しいやり方かどうか率直な疑問がある」

と述べ、救済策を講じなかった米政府の対応に疑問を呈した。

全くその通りだった。私は、「この人、問題が如何に深刻であるか、分かっているな」と感じた。

麻生太郎は元麻生セメントの社長で、曲がりなりにも商売をしていたことがあるから、

殆ど直感的に、事態の重大さが分かったのだろう。もしも、今、小泉、安倍、福田が内閣総理大臣だったら、

「状況を注視して、対応を判断する」ぐらいの当たり前のことしか言えなかっただろう。

緊急経済対策も十分とはとても言えないが、他の国会議員は政局ばかり気にしている。

いつ、総選挙をやったら、自分がまた当選して国会議員になることが出来るか、が最大関心事なのだ。

麻生氏も政局を考慮しなかったわけではないだろうが、
「今は、解散どころではない」

と言ったのは、正しい。

リーマンに続いて、今アメリカでは、アメリカの産業の象徴、自動車産業が危ない。

かつて、誰が、ビッグスリー(GM、クライスラー、フォード)が「資金繰りに窮して倒産」することを考えただろう?

ビッグスリーのうち、一つでも倒産したら、米国経済は壊滅的打撃を受ける。アメリカの労働人口の10人に1人は、

自動車関連産業に就労しているから、あっと言う間に300万人ぐらい失業者が出る。

それに、日本車メーカーにとっても、大変なことになる。日本の自動車会社の現地工場は、

ビッグスリーと同じ部品製造メーカーから部品を調達している。部品メーカーはビッグスリーが潰れたら、

最早成り立たない。日本車メーカーも現地製造が出来なくなるのだ。

金融市場とて、安定したとはとても言えない。いつ何が起きるか分からないときに、

衆議院解散、総選挙どころではない。

「今は選挙どころではない」という麻生首相の発言が正しい、と書いたのは、以上の事情を勘案した結果である。


結論を書くと、まあ、叩くことばかり考えないで、もう少し麻生内閣のやることを、観察するべきだ、ということだ。

麻生首相に提言したいのは、経済政策に関して、景気をもちあげたいなら、思い切って減税することだ。

2007年、所得税率は下がったが、地方税率は上がり、小渕内閣以来続いていた定率減税が廃止された。

結果、増税となった。

企業収益予想は下方修正ばかりで、給与所得の増加は見込めない。個人消費が低迷していては、

全ての経済活動が萎縮してしまう。家計がモノやサービスを買いやすくするためには、減税しかないだろう。

定率減税を復活させることと、地方税を引き下げることが、とりあえず、一番手っ取り早い景気回復策だ。

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2008.12.04

【音楽】絶対楽しい「ロッシーニ序曲集」(アバド ヨーロッパ室内管)

◆「ウィリアム・テル序曲」、久しぶりに聴いてみません?

「ウィリアム・テル序曲」とか「軽騎兵序曲」は小学校や中学校の「音楽教室」で演奏されることが多い。

そうでなくても、あまりにも有名な為、通俗的と思われがちで、世の中の「クラシック通」の中には、

「ウィリアム・テル序曲」と聴いただけでバカにする人もいるでしょうが、言いたい奴には言わせておきましょう。

週末も近いのでお薦めCDを考えていたら、N響のヴァイオリニストの日記がふと目に止まりました。

久しぶりにシャルル・デュトワ(アシュケナージの前のN響の音楽監督)が来て、定期を振るそうです。

残念ながら12月1日に終わってしまった、「第165回NTT東日本N響コンサート」という所謂「冠コンサート」ですが、

そのうちテレビで放送するでしょう。


びっくりしたのは、このプログラムが、見事に所謂「ポピュラー名曲集」なのです。だって、


  • ロッシーニ:ウィリアム・テル序曲

  • フンメル:トランペット協奏曲

  • グリーク:ペールギュント

  • チャイコフスキー:くるみ割り人形組曲


ですよ。

今時、これだけポピュラー名曲ばかりのコンサート、特にN響では珍しいですよ。

最近はどこのオーケストラも大曲や珍しい曲を好んで取りあげますから。

これは、楽しかっただろうな。いずれにせよ行けなかったけど。


◆私も、あまりにもポピュラーなので、いままで「ウィリアム・テル序曲」忘れてました。

ロッシーニは音楽的に天才なのに、39歳で「作曲、やーめた」といって、その後料理に夢中になって、

ロッシーニ風スパゲティなんて料理を創作したりして、変わったというか、勿体ない人なんですが、

書いた作品はどれも素晴らしい。彼のオペラが上演されることはあまりないけど、

序曲は殆ど皆、名曲なので、しばしば演奏されます。しかし、ウィリアム・テルは久しぶりです。


ロッシーニの序曲は比較的小編成のオーケストラで演った方が、

「山椒は小粒でぴりりと辛い」感じで、良いみたいですね。

それにぴったりくるのが、アバド=ヨーロッパ室内管弦楽団です。

ウィリアム・テル序曲、バカにしている人いるかも知れないけど、名曲だし、演奏は難しいですよ。

チェロの五重奏で始まるオペラの序曲なんて他にないです。こういう着想が天才的。

演奏ですが、「嵐」のトロンボーン。スタッカートだし、高い音から低い音に跳ぶのです。

難しいです。

「嵐の後の静けさ」。主旋律をオーボエ族のコール・アングレ(イングリッシュ・ホルン)が吹いて、

フルートがオブリガート(助奏)を吹きますが、これもオクターブで上がったり下がったり大変。

「スイス軍の行進」トランペットのファンファーレに始まる、血湧き肉躍る音楽ですが、よく聴くと、

弦楽器が大変細かい動きをします。このCDでは、その各声部の一音一音がはっきりと聞こえます。

演奏も上手いし、録音が良い。

まずは、ウィリアム・テル序曲をどうぞ。



くどくないし、鳴らし過ぎないし、ちょうど中庸を得た名演だと思います。

いやー、懐かしいなあ。私事で恐縮ですが、私は、子どもの頃、

このトランペット・ファンファーレを聴いて、そのあまりにも輝かしい音に感動し、トランペットを習おうと思い。

実際にレッスンを受けるようになったのです。


◆「ロッシーニ序曲集」からもう一曲だけ、「絹のはしご」(昔は「絹のきざはし」といいました)序曲。

これは、5分ちょっとの曲ですが、オーボエが大変なんです。再生開始後1分20秒あたりから弦が弾くのと同じメロディーを、

1分30秒ぐらいから、オーボエが吹くのですが、これは、オーケストラのオーボエのオーディションで必ず吹かされる、

有名な難所です。早くて指が大変だし、一息で吹かなくてはいけない。尤も、オーボエは息の量が少なくて済む楽器なので、

苦しくはないと思いますが。曲の後半でもう一度同じソロを吹きますが、このときはピッコロも一緒。

それでは、どうぞ。ロッシーニ、「絹のはしご」序曲です。





この演奏、上手いです。このCDに収められている曲、どれも楽しく、どれも名演です。

是非お薦めします。


さて、最後に、N響のコンサートで演奏された、滅多にコンサートで聴くことはできない、

フンメルのトランペット協奏曲をお聴き頂きます(終楽章のみ)。

ラッパ吹きでこの曲を知らない者はおりません。プロになるような人は皆勉強します。

不世出の名手、モーリスアンドレのソロ、カラヤン指揮・ベルリン・フィルの伴奏で、

第三楽章をどうぞ、





何度聴いても、胸がすくような、快感を覚えます。アンドレはやはり神様です。

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2008.12.03

「<山本五十六>「述志」2通発見、日米開戦の心情つづる」←山本さん、三国同盟にも開戦にも大反対だったのは、周知の事実。

◆記事:<山本五十六>「述志」2通発見、日米開戦の心情つづる(12月2日12時45分配信 毎日新聞)

旧日本海軍の山本五十六(いそろく)・連合艦隊司令長官(1884~1943年)が、太平洋戦争が始まった

1941年(昭和16年)12月8日などに自らの心情をつづった直筆文書が見つかった。

親交のあった大分出身の海軍中将、堀悌吉(1883~1959年)の孫宅(東京都)に保管されていた。

今月6~14日に、大分市の大分県立先哲史料館で展示される。

文書は「述志」のタイトルで、1939年年5月31日付と41年12月8日付の2通。

 前者は日独伊三国同盟を結ぶ前、海軍次官の立場で

 「俗論を排し 斃(たお)れて後 已(や)むの難きを知らむ」と俗論(同盟締結論)を排除する困難さを言葉にした。

後者は真珠湾攻撃に臨まざるを得ない状況にあたり「己を潔くせむの私心ありてはとても此(この)大任は成し遂け得まし」

などと決意をつづっていた。山本長官は三国同盟締結や日米開戦に反対する立場だったことから、

史料館は両文書は遺書的な性格を帯びているとみている。

両文書は堀中将の記録集に掲載され、内容と存在は知られていた。調査・発見した史料館の安田晃子主幹研究員は

「本当に山本の言葉だったのかとこれまで疑う向きもあったが、真実だと裏付ける貴重な資料」と話している。


◆コメント:全然意外ではない。山本五十六、米内光政、井上成美は、開戦に徹頭徹尾反対だった。

私が、ゴチャゴチャ綴るよりも、皆さん、阿川弘之氏の三部作を読んで頂きたい。それは、

山本五十六(上)(下)

米内光政

井上成美

である。

戦前の海軍軍人である。海軍大将にまで、なった人たちだ。言うまでもなく戦前の日本は、「専守防衛」ではない。

「軍人」は戦をするかも知れない、という前提で教育を受けて来た、「戦争のプロ」の筈だが、

山本、米内、井上は、「海軍リベラル三羽ガラス」などと新聞記者たちの間でも有名なほど、柔軟で合理的で現実的な思想を持っていた。

日本が、ヒトラーのドイツ、ムッソリーニのイタリアと三国同盟を締結するときに、三人は大反対だった。

山本は、「戦争になる。こんな条約を締結したら、アメリカ、イギリスと戦争になる」(その通りになった)とカンカンに怒った。

この時期海軍次官だった、海軍省には、毎日の様に右翼やら何やら訳の分からない、頭の悪い奴らが来て、「三国同盟を締結しろ」と脅迫した。

あまりにもすさまじいので、山本五十六は死を覚悟し、「述志」と題する文章、要するに遺書を書いていることは、阿川弘之著、

山本五十六(上)の264ページに記されている。

今般その原本が見つかったということだが、内容自体は山本の思想からすれば当然であって、脅迫されたぐらいで「三国同盟反対」の意見を変えるつもりは無かった。

井上は、戦争が始まる年、昭和16年1月、中将で海軍の航空本部長だった。「新軍備計画論」という「論文」を上司である海軍次官、大臣に提出した。

自分が正しいと思ったら、上司であろうがだれであろうが、あくまで意見を曲げない人だった。この「論文」は先日の元自衛隊の誰かさんの「論文」とは

大違いである。
「日本が米英を破り彼を屈服する(引用者注:米英を屈服させる、という意味)事は不可能なり。その理由は極めて明白にして・・・・」

工業力の差が比べものにならない。その上、明治の頭で昭和の軍備をやっても意味がない。戦艦なんかより、航空機に力を置きなさい、

このまま対米戦争なんかに突入したら、アメリカは、
「1.日本国全土の占領が可能、2.首都の占領も可能、3,作戦軍の殲滅(せんめつ)も可能」

井上の予想は完全に的中したが、当時の日本では、この程度の常識的な判断も受け入れられず、この後、井上は暫く閑職に左遷される。

米内光政は、普段は寡黙な人だったが、平沼内閣の海軍大臣時代、1938(昭和13年)、

8月8日の五相会議(昭和時代前期の日本において、内閣総理大臣・陸軍大臣・海軍大臣・大蔵大臣・外務大臣の5閣僚によって開催された会議)の席上、
石渡蔵相から、
「三国同盟を締結するのならば、日独伊三国が英仏米ソの四国を相手に戦争することを考えねばならず、その場合、

八割は海軍によって戦われると思います。ついては、海軍大臣のご意見を聞きたいが、日独伊の海軍が英仏米ソの海軍と戦って、

勝算はありますか?」

と、質問されたときには、極めて明確に、
「勝てる見込みはありません。大体日本の海軍は米英を向こうに回して戦争するように建造されておりません。独伊の海軍にいたっては問題になりません。」

と答えた。

少なくとも、海軍の山本五十六、米内光政、井上成美の3人の大将、中将には、アメリカと戦争をするなど、正気の沙汰とは思えなかった。

そして、命を賭して戦争を防ごうとしたが、大衆は愚かで、一度世論が「鬼畜米英」に傾きだしたらどうしようもなかったのである。


◆一番戦争に反対していた山本五十六が連合艦隊司令長官として、真珠湾攻撃を計画、実行しなければならなかった悲劇。

平沼内閣が総辞職して、米内光政が海軍大臣を辞することになり、山本五十六は引き続き後任大臣の次官を務めるつもりでいたが、

米内の配慮で、洋上に異動となった。連合艦隊司令長官だった。

本来なら、海軍軍人誰もが憧れる最も晴れがましいポストであるが、これが、山本五十六の悲劇の始まりだった。

三国同盟締結後、世の中は急激に右旋回し、日米戦争やむなし、の情勢となった。


山本は、若い頃は駐米日本大使館の駐在武官(大使館に常駐する軍人)としてワシントンに住み、

英語が堪能で、バクチ好きだから、アメリカ人のポーカー仲間も沢山いた。

また、暇を見つけては、自費でアメリカ各地を見学にいった。デトロイトの自動車産業も実際に見た。

だから、日本がアメリカと戦争をすることがいくら無茶苦茶なことか、一番分かっていた人なのである。

しかし、運悪く開戦時に連合艦隊司令長官だったから、戦略を考えなければならなかった。

山本が、いつから真珠湾攻撃を念頭に描いていたかは、定かではない。

どうしても、戦争をするなら、太平洋艦隊の基地に奇襲攻撃をかけて、出来れば米海軍の空母を沈めて、

戦局が日本に有利なうちに早期講和条約を締結して終戦させるしかない、と考えていたようだ。

しかし、決して喜んでいたのではない。開戦直前の昭和16年の10月に海軍大臣に当てた長い手紙の中で、山本五十六は、

「大局より考慮すれば日米衝突は避けられるものならば此を避け、この際隠忍自戒臥薪嘗胆すべきは勿論なるも

それには非常の勇気と力とを要し、今日の事態にまで追い込まれたる日本が果たして左様に転機し得べきか

申すも畏き事ながらただ残されたるは尊き聖断の一途のみと恐懼する次第に御座候」

つまり、ここまで来たら、最後の可能性は、天皇陛下が「戦争をしてはならぬ」と言って下さることを、

祈るだけだ、というのである。戦前だから、日本の軍隊は全員陛下の部下なのである。陛下が「絶対戦争したら、ダメだ」

と言ったら、その命令は絶対であり、日本は戦争するわけにはいかなかった。戦争しなくて済んだのである。


山本はまた、連合艦隊司令部で「真珠湾をやる」と宣言し、図上演習をおこなった、昭和16年10月11日付で堀悌吉宛に書いた手紙で、
「個人としての意見(引用者注:開戦反対ということ)と正確に正反対の決意を固めその方向に一途邁進の外(ほか)なき

現在の立場は、誠に変なもの也。これも命というものか」

と、書いている。阿川さんは、
「個人としての意見と正確に正反対の決意を固め」というような言葉は、彼は他の人には決して言わなかった。

山本は苦しく、本当にやりきれない思いであったろう。ある意味で、一番ハワイに行きたくなかったのは、山本五十六自身であった。」

と書いているが、正にその通りだと思われる。


◆「百年兵を養うは、ただただ、平和を守らんが為である。」

山本は11月13日に、各艦隊の司令長官、参謀長、先任参謀らを集め、真珠湾作戦の説明をした。

「但し」と彼は付け加えた。

「目下ワシントンで行われている日米交渉が成立した場合は、出動部隊に引揚を命ずるから、その命令をうけたときは、

たとえ攻撃隊が母艦発進後であっても直ちに反転、帰航してもらいたい」

それに対して、機動部隊の司令長が、「一旦、出てから戻ることなど無理だ」と反論した。

他にもそれに同意する指揮官がいた。山本は顔色を変えた。
「百年兵を養うは、何のためだと思っているか。ただただ、平和を守らんが為である。もしこの命令に従えないと思う指揮官があるなら、

ただいまから、出動を禁止する。即刻辞表を出せ」

と言った。言葉を返す者は一人もいなかったそうだ。

一番、戦争をしたくなかった軍人が、真珠湾の総責任者だったのである。

何という悲劇だろうか。

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2008.12.02

「裁判員通知来た」ブログで公開相次ぐ…氏名・顔写真も←法律の趣旨が分かっていないようですね。

◆記事:「裁判員通知来た」ブログで公開相次ぐ…氏名・顔写真も(12月1日3時3分配信 読売新聞)

裁判員制度の候補者名簿に登録された人が、通知が届いたことをインターネットのブログで公開するケースが相次ぎ、

中には候補者の氏名を特定できるブログもあることが分かった。裁判員法は候補者の個人情報を公にすることを禁じており、

匿名のブログなら大きな問題はないが、個人が特定できるものは罰則はないものの、同法違反と見なされることになる。

通知書が各家庭に届き始めた29日以降、ネット上では通知書を受け取った感想や、

封筒の写真を載せたブログが次々に現れた。ブログで氏名や顔写真を公開したうえで「通知が来た」と書いた男性もいた。


◆コメント:何故、秘密にしなければいけないか。

何だか、皆さん、裁判員になる、ということが、良く分かっていないみたい。

但し、この記事はちょっと説明が不足しています。

裁判員法は候補者の個人情報を公にすることを禁じており

とあります。これは「候補者に関する原則」なんです。

裁判員法は、正式には、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律という名前の法律です。

裁判員の個人情報を明かしてはならない、という条文は「第六章 裁判員等の保護のための措置」に含まれています。

第101条の文言(もんごん)は次の通り。
第百一条  何人も、裁判員、補充裁判員、選任予定裁判員又は裁判員候補者若しくはその予定者の氏名、住所その他の個人を特定するに足りる情報を公にしてはならない。

これらであった者の氏名、住所その他の個人を特定するに足りる情報についても、本人がこれを公にすることに同意している場合を除き、同様とする。

(注:太文字は引用者による。)

ネットでは早くも、「俺が裁判員だぞー」と自分でバラしている人がいるそうですが、101条には、
これらであった者の氏名、住所その他の個人を特定するに足りる情報についても、本人がこれを公にすることに同意している場合を除き

とされています。自分が裁判員に選ばれた事を自分で公表するのは、候補者の段階では、確かに禁じられていますが、

裁判が終わったあと、「俺が、あいつを死刑にしたんだぞ」と自分から公表するのは「本人が公にすることを同意している場合」

と、考えられます。ですから読売が
裁判員法は候補者の個人情報を公にすることを禁じており

と書いているのは、間違ってはいないけれど、説明不十分ではないかと思います。

しかし、それでも、自分が裁判員であったことをバラすメリットは全くありません。


◆もしかしたら、あなたは誰かを死刑にするかもしれないのですよ。

どうも、この裁判員制度には、問題があるように思います。

裁判員が関わるのは刑事裁判。しかも、死刑か無期懲役か、というような重大な犯罪に対する刑罰の決定に関与するのです。

刑事事件は、あまりにも時間がかかる、と言われています。しかし、それは刑事裁判で一番大切なのは、事実認定だからです。

本当に被告人が、調書に書いてあるとおりの行為を実行したのか。人を裁くのですから念には念を入れなければなりません。

裁判員制度が始まっても、裁判員だけで判決を決めるわけではなく、法律の専門家である裁判官も関与しますが、

2回か3回の公判で、紙一枚で裁判員に選ばれた人たちは、裁判所が予め用意された分厚い資料を読まされて

(複雑な事実関係を、簡単に理解出来るかどうか。人を裁くのですから完全に理解しなければなりません)、

「はい、それでは、被告人を死刑にしますか?無期懲役にしますか?無罪ですか」

と、判断を求められます。日頃ニュースで凶悪な殺人事件の報道を聞いているとき、私たちは、簡単に、

「こんな奴、さっさと死刑にしてしまえ」とかいいますが、裁判員になったら、目の前の被告人を本当に死刑するかどうか、

本気で考えるのです。一般市民がその心理的重圧に耐えられるでしょうか。そしてもしも本当に死刑になったら、

被告人が兇悪犯だったとしても、あなたがその人物の生命を奪うことに関与したという事実は一生消えないのです。

私は死刑存続論者ですが、こういう判断は、感情を抑制する訓練をした、法律の専門家の仕事だとおもうのです。


◆うっかり、自分が裁判員であることが分かったら、何が起きるか分かりませんよ。

自分に裁判員通知が来たことを自分でネット上に公開するのは、自己責任ですが、

これだけ、ネットで何でも暴かれてしまう世の中です。自分は秘密にしておきたいのに、他のひとにバラされてしまうかもしれません。

きっと色々な騒ぎが起きると思います。今、世間は重罰化を望む傾向にありますが、世間の感覚などはいい加減なものですし、

嫌がらせを無上の喜びとする類の人も大勢います。あなたが関わった裁判で、被告人が死刑執行されたら、きっと、

「お前が、奴を殺した一人だな」

などと、ネット上で中傷される可能性は十分にある。あるいは、死刑にされた被告人の身内から報復されるかも知れない。

実際にそういうことが起きなくても、その可能性がある、という心理的圧迫感により、精神的に参ってしまう人が、きっと出ます。

だから、裁判員に選ばれたことを公判後であっても自ら吹聴するのは、実際に裁判員制度が始まったら、大変危険な行為です。

繰り返しますが、自分は沈黙していても、前述の通り誰かに公表されてしまうかも知れない。

そういうことをよく考え、覚悟を決めないといけないのです。

最後に、一言。

裁判員が関わるのは、一審だけなんですね。被告人が控訴して、逆転判決など出たら、

一体裁判員制度は何のためにあるのか、と、思います。

私には、この制度のメリットが認められません。

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2008.12.01

<学生音コン>東條太河さん 小学校の部で1位…バイオリン←小学校5年生でメンコン弾くのですよ。/ハイフェッツの「メンコン」

◆記事:<学生音コン>東條太河さん 小学校の部で1位…バイオリン(11月30日19時34分配信 毎日新聞)

第62回全日本学生音楽コンクール全国大会シリーズ(毎日新聞社主催、横浜市共催、NHK後援、島村楽器、ANA協賛、横浜みなとみらいホール協力)4日目の30日は、

横浜みなとみらいホールでバイオリン部門が行われ、小学校の部は東條太河さん(山梨大付5年)、

中学校の部は大野有佳里さん(新潟県・上越教育大付2年)がそれぞれ1位に選ばれた。

東條さんはメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲で和声感豊かに大器の才を示し、

大野さんはサン=サーンスのバイオリン協奏曲3番で音楽的な構成力を発揮した。

各地区大会から選ばれた小学、中学各13人が競演。久保田巧、和波孝禧ら9氏が審査した。

その他の入賞、入選は次の通り。(敬称略、入選は演奏順)

◇小学校の部 

2位=池田萌華(北九州市立折尾西5年)

▽3位=高木凜々子(横浜市立奈良6年)

▽入選=郡司菜月、安藤真奈、内尾文香、中添ゆきの、福田麻子、辻彩奈、高田航輔、金田滉司、矢部咲紀子、菊野凜太郎

◇中学校の部 

2位=毛利文香(横浜市立笹下2年)

▽3位=周防亮介(京都府京田辺市立田辺1年)

▽入選=福田俊一郎、奥津七海、釜衣緒良、江頭佳奈、石井智大、岸本萌乃加、谷村愛美、友滝真由、徳田真侑、坪井夏美


◆コメント:これもれっきとした「ニュース」なのですよ。

欧米の有名な新聞が必ずしも、日本の新聞よりも、正しいこと、良いことばかり書いているわけではない。

ニューヨーク・タイムズとかワシントン・ポストとか、随分偏向していると思われる記事も政治・経済面では多い。

ただ、あっちの新聞と日本の新聞で大きく違うのは、「文化面」の情報量である。

日本の新聞は、唯一毎日新聞が「毎コン」(正式には日本音楽コンクール)を主催しているから、比較的文化面が充実している。

音楽評論専門の論説委員クラスの記者がいるほどである。文化的な出来事もれっきとしたニュースである。


さて、掲載した記事だが、学生音コンとは、全日本学生音楽コンクールであり、

謂わば、毎コンのジュニア版である。小学生の部、中学生の部が中心。

高校生になると、最早、毎コンに出るからである。

学生音コンに出るような子たちは、プロを目指している子であり、そのレベルは唖然とするほどである。


◆小学生の部で優勝した東條君は5年生だが、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾いたのである。

記事にあるとおり、小学生といえども、将来プロの音楽家、願わくばソリストを目指す子供の演奏は、

最早子供の演奏とは言い難い。こういうと反感を買うかも知れないが、街のピアノ教室やヴァイオリン教室の

「おさらい会」とは次元が違う。小学生の部で優勝した、東條太河さん(山梨大付5年)は、プロの演奏曲目である、

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾いた。今回私は聴いていないが、大体レベルは分かる。

一般の方が聴いたら、これが小学生の演奏家か?と、一瞬ものが言えなくなるほど驚嘆するだろう。それぐらい上手い。


つまり、プロの音楽家を目指す子たちは、小学生の段階で既にテクニックは出来上がっているのである。

それでなければ、コンチェルトなど、弾けない。

しかし、それだからといって、ここで勉強を止めるわけにはいかないのであり、これから十数年、毎日、練習し、一層技術と音楽性に

磨きをかけ、それでプロになれるかどうか。それが、本当の音楽の厳しい世界である。

東條太河さんに、天賦の才があることは、明らかだが、これから更に勉強して、大輪の花を咲かせて欲しい。

それから、もう一つ。日本では、音大を卒業するまでに、非常にお金がかかる。普通のサラリーマンでは、なかなか

工面できないほどの費用(レッスン代、楽器代)がかかる。このため、本来はすごい才能を持っているのに、

その才能を開花させるチャンスに恵まれない子供が必ずいると思うのである。本場ヨーロッパでは、国や地方が楽器を貸与してくれたり、

レッスン料も極めて安価で、誰でも(完全に誰でも、とはいかないだろうが)、音楽を学ぶことが出来る。

それだけ、優れた才能を発見出来る確率が高まる。

音楽なんて、いくら聴いても、腹は膨れないが、即物的に「役に立つこと、儲かること」にのみ社会的資本を投資しない社会は、

無教養だ。政治家に音楽が分かる人がどれぐらいいるのだろう。


◆メンデルスゾーン作曲;ヴァイオリン協奏曲 ホ短調より第一楽章を、ヴァイオリンの神様、ヤシャ・ハイフェッツの演奏でどうぞ。

ハイフェッツ(1901年2月2日 - 1987年12月10日)は、100年に1人の天才と呼ばれ、誰もが認めるヴァイオリンの神様だ。

これは、もうどうしようもない、次元の違う天才である。

神様が弾いた、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲より、第一楽章をお聴きいただきたい。

なお、この曲は1楽章から終楽章まで、切れ目が無く演奏されるので、第一楽章だけ載せると、どうしても最後が、

「ブツッ」と途切れる感じになるが、ご了承いただきたい。この演奏は、チャイコフスキーとカップリングされたこのCDで、

聴くことが出来る。



あっさりと弾くのは、ハイフェッツの特徴だ。しかし文句の付けようがない。正に神様である。

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