【音楽】絶対楽しい「ロッシーニ序曲集」(アバド ヨーロッパ室内管)
◆「ウィリアム・テル序曲」、久しぶりに聴いてみません?
「ウィリアム・テル序曲」とか「軽騎兵序曲」は小学校や中学校の「音楽教室」で演奏されることが多い。
そうでなくても、あまりにも有名な為、通俗的と思われがちで、世の中の「クラシック通」の中には、
「ウィリアム・テル序曲」と聴いただけでバカにする人もいるでしょうが、言いたい奴には言わせておきましょう。
週末も近いのでお薦めCDを考えていたら、N響のヴァイオリニストの日記がふと目に止まりました。
久しぶりにシャルル・デュトワ(アシュケナージの前のN響の音楽監督)が来て、定期を振るそうです。
残念ながら12月1日に終わってしまった、「第165回NTT東日本N響コンサート」という所謂「冠コンサート」ですが、
そのうちテレビで放送するでしょう。
びっくりしたのは、このプログラムが、見事に所謂「ポピュラー名曲集」なのです。だって、
ですよ。
今時、これだけポピュラー名曲ばかりのコンサート、特にN響では珍しいですよ。
最近はどこのオーケストラも大曲や珍しい曲を好んで取りあげますから。
これは、楽しかっただろうな。いずれにせよ行けなかったけど。
◆私も、あまりにもポピュラーなので、いままで「ウィリアム・テル序曲」忘れてました。
ロッシーニは音楽的に天才なのに、39歳で「作曲、やーめた」といって、その後料理に夢中になって、
ロッシーニ風スパゲティなんて料理を創作したりして、変わったというか、勿体ない人なんですが、
書いた作品はどれも素晴らしい。彼のオペラが上演されることはあまりないけど、
序曲は殆ど皆、名曲なので、しばしば演奏されます。しかし、ウィリアム・テルは久しぶりです。
ロッシーニの序曲は比較的小編成のオーケストラで演った方が、
「山椒は小粒でぴりりと辛い」感じで、良いみたいですね。
それにぴったりくるのが、アバド=ヨーロッパ室内管弦楽団です。
ウィリアム・テル序曲、バカにしている人いるかも知れないけど、名曲だし、演奏は難しいですよ。
チェロの五重奏で始まるオペラの序曲なんて他にないです。こういう着想が天才的。
演奏ですが、「嵐」のトロンボーン。スタッカートだし、高い音から低い音に跳ぶのです。
難しいです。
「嵐の後の静けさ」。主旋律をオーボエ族のコール・アングレ(イングリッシュ・ホルン)が吹いて、
フルートがオブリガート(助奏)を吹きますが、これもオクターブで上がったり下がったり大変。
「スイス軍の行進」トランペットのファンファーレに始まる、血湧き肉躍る音楽ですが、よく聴くと、
弦楽器が大変細かい動きをします。このCDでは、その各声部の一音一音がはっきりと聞こえます。
演奏も上手いし、録音が良い。
まずは、ウィリアム・テル序曲をどうぞ。
くどくないし、鳴らし過ぎないし、ちょうど中庸を得た名演だと思います。
いやー、懐かしいなあ。私事で恐縮ですが、私は、子どもの頃、
このトランペット・ファンファーレを聴いて、そのあまりにも輝かしい音に感動し、トランペットを習おうと思い。
実際にレッスンを受けるようになったのです。
◆「ロッシーニ序曲集」からもう一曲だけ、「絹のはしご」(昔は「絹のきざはし」といいました)序曲。
これは、5分ちょっとの曲ですが、オーボエが大変なんです。再生開始後1分20秒あたりから弦が弾くのと同じメロディーを、
1分30秒ぐらいから、オーボエが吹くのですが、これは、オーケストラのオーボエのオーディションで必ず吹かされる、
有名な難所です。早くて指が大変だし、一息で吹かなくてはいけない。尤も、オーボエは息の量が少なくて済む楽器なので、
苦しくはないと思いますが。曲の後半でもう一度同じソロを吹きますが、このときはピッコロも一緒。
それでは、どうぞ。ロッシーニ、「絹のはしご」序曲です。
この演奏、上手いです。このCDに収められている曲、どれも楽しく、どれも名演です。
是非お薦めします。
さて、最後に、N響のコンサートで演奏された、滅多にコンサートで聴くことはできない、
フンメルのトランペット協奏曲をお聴き頂きます(終楽章のみ)。
ラッパ吹きでこの曲を知らない者はおりません。プロになるような人は皆勉強します。
不世出の名手、モーリスアンドレのソロ、カラヤン指揮・ベルリン・フィルの伴奏で、
第三楽章をどうぞ、
何度聴いても、胸がすくような、快感を覚えます。アンドレはやはり神様です。
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