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2009.01.05

「<国会>与野党対決ムードでスタート 給付金と雇用が争点」←本当に雇用対策考えてんの?

◆記事:<国会>与野党対決ムードでスタート 給付金と雇用が争点(1月5日19時18分配信 毎日新聞)

今秋までに実施される衆院選をにらみ与野党対決の舞台となる第171通常国会が5日スタートした。

6月3日まで150日間の国会は召集初日から与野党対決ムード。

野党側が08年度第2次補正予算案からの定額給付金切り離しを正式に与党に申し入れたほか、衆院予算委理事会では、

民主党が日本経団連の御手洗冨士夫会長の参考人招致を要求。給付金と雇用問題が争点となることが浮き彫りになった。

政府・与党は2次補正と09年度予算案の早期成立を求めており、攻防激化は必至だ。

2次補正では、5日の中川昭一財務・金融担当相の財政演説に対する代表質問が6、7両日に衆参本会議でそれぞれ行われ、

8日からの衆院予算委員会で本格的な論戦が始まる。

麻生太郎首相は5日の自民党両院議員総会で「2次補正と09年度予算案を一日も早く成立させることこそが最大の景気対策だ。

この国会は責任ある政権与党がいかなるものかを示すいい機会だ」と民主党との対決姿勢を強調。

一方、民主党の小沢一郎代表は党本部での仕事始めで「今年は歴史的な年になる。『生活が第一』という大目標を掲げて衆院選で国民の支持を得て、

実際の政治行政に反映していく年にしなくてはいけない」と政権交代への意欲を語った。

野党は2次補正の給付金部分を切り離す修正案を提出し、自民党内の造反予備軍をあぶり出す構えだ。

また民主、共産、社民、国民新の野党4党で、失業中の非正規雇用労働者を念頭に置いた「雇用と住まいを確保する緊急決議案」を提出し、

与党の賛同を求めて揺さぶる。民主党の山岡賢次国対委員長が5日、自民党の大島理森国対委員長にこうした方針を伝えたが、

大島氏は「2次補正を速やかに通すべきだ」と拒否した。


◆コメント:国会は、覇権争いの場じゃないからね。国民の利益を本気で考えて頂きたいですね。

臨時国会というのは、普通1月中旬から始まり会期150日(これは今回も当然変わらないが)で、6月の中旬に閉会、というのが、

今までの慣例だった。正月5日から、国会が始まるなどというのは、私の記憶には無い。例外中の例外である。

まあ、グズグズしているより、早く仕事を始めること自体は何ら問題ではない。

問題は、自民党と民主党が、お互いに自説(政策)に固執するあまり、結局雇用対策が遅れるかも知れない、ということなのだ。


民主党は自民党の第2次補正予算の何に反対しているかというと、

「第2次補正予算案から総額2兆円の定額給付金を削除し、雇用対策に回せ」

といって、反対しているのである。確かに麻生首相の「定額給付金」もあまりよく考えないで口にしてしまい、

しかも、給付される世帯の所得上限(金持ちは給付金など要らないだろうが、所得いくら以下の世帯に配るのかという基準)を地方の裁量に任せる、

というのだから、いい加減だ。一時しのぎの感は免れない。


ところが、である。民主党はこれに対し、
「そんな、デタラメにばらまく2兆円なら、雇用対策に有効に使うべきだ」

と主張するのである。一見、「ごもっとも」なのだが、民主党のサイトの、政策 > 厚生労働を見ても、
「それでは、2兆円を如何にして雇用対策に有効に活用するのか」

がはっきりしないのである。具体的に2兆円の使途と、それにより、どれぐらい就業者数を増やし、完全失業者を減らせるのか、

シミュレーションが無い。

さらに。昨日(4日)行われた小沢一郎代表の記者会見の質疑答弁を読むと、ますます、怪しくなる。

毎日新聞に載った記者会見の全文を載せる。色太文字は引用者による。その部分に注意して頂きたい。
◆記事:小沢代表:年頭記者会見の全文(1)通常国会への決意など(毎日新聞 2009年1月4日 19時03分)

4日行われた民主党の小沢一郎代表の年頭記者会見全文は以下の通り。

(小沢氏) はい、新年おめでとうございます。本年もよろしく。

Q 明けましておめでとうございます。

A おめでとう。

Q 今年は秋までに衆院選があるが、この年に臨むにあたっての決意を改めてうかがいたい。明日からいよいよ通常国会が始まるが、どのような決意、姿勢で臨むのかをうかがいたい。

A えー今年の、経済社会を中心にして非常に去年の金融危機以来、厳しい状況が続くだろうと思いますけれども、今の自公の政権ではそういう状況を克服するすべを持たないというのが現実だと思います。私どもとしては、国民の生活をしっかり守る。国民の生活が第一という観点に立った政権を実現する。それに向けて、私ども全力で国民の皆さんに訴えていって、目標を達成する大いなる年に、日本の国のために、国民のために、そして我々、民主党のために大いなる年に致したいと考えています。

 国会は特別、いつも言うように国会戦術的なことは幹事長、国対委員長以下皆さんにお任せしています。まだ第2次補正というんですか、その去年にとうに出すべきであったはずの経済景気対策がようやっと提出されるであろうとのことなんですけれども、伝えられる内容の中で、私どもとしては雇用対策等につきましては、我々なりの意見を是非反映させていきたいと考えているが、基本的な方向性として雇用や中小零細企業の資金繰りの対策の問題等々、そういったことについては可能な限り我々の意見を反映できるようにして参りたいと思っているが、一方、俗に言われる(定額給付金の)2兆円の問題については、国民の皆さんの7割も反対しているところでありますし。2兆円のキャッシュがあれば、例えば高齢者の窓口負担のほぼ1兆円ちょいですか、1兆円ぐらいですか、(この)問題にも充てることができるし、小中学校の耐震構造をきちんと完成させる、これも確か数千億でできる話ですし、あるいはまた高速道路の無料化という我々の主張も出来ることでありますし、いろんな意味でもっと有効な使い方があるであろうと思います。

  国民の皆さんも多分そう思っているから、今回の単に一時のばらまきの給付金についてはほとんどの人が反対することになっているのだろうと思います。私どもとしてもこういった選挙直前の国民を愚弄するような、あるいはお金を無駄に使うようなやり方については、これは認めるわけにはいかない。そういう方針で臨んでいくことになるだろうと思います。

Q 定額給付金の問題は、国会では予算の成立がずれ込んでも徹底抗戦するというぐらいの意気込みか。もう一点、渡辺喜美氏(元行政改革相)が今日、記者団に対して、定額給付金を麻生内閣が撤回しなかった場合「自民党を離党してでも国民運動を起こしたい」と述べた。渡辺氏始め一部の自民党の反麻生勢力との連携も視野に入れていくのか。

A 定額給付金については、国民の皆さんも7割前後の人がこんな馬鹿げた政策はけしからんと反対している訳ですので、私どもは徹底抗戦ではありません、国民の皆さんの主張を断固、国会でも国民の皆さんに代わって主張していくいうことであります。渡辺喜美氏のことについては、私が直接聞いたお話でもありませんし、会って話をしたわけでもありませんし、まだ自民党の所属の議員としてのお話ですので、私どもが論評を加える立場でないと思います。

これのどこが「怪しい」のか?

民主党は、自民党が「定額給付金に充てる」2兆円を雇用対策に充当するべきだ、と主張している筈なのだ。

ところが、色付き太文字で強調した部分を読むと分かるとおり、小沢代表の考えでは、雇用対策だけが念頭にあるわけではないようだ。

それは、今一度抜粋するが、
2兆円のキャッシュがあれば、例えば高齢者の窓口負担のほぼ1兆円ちょいですか、1兆円ぐらいですか、(この)問題にも充てることができるし、小中学校の耐震構造をきちんと完成させる、

これも確か数千億でできる話ですし、あるいはまた高速道路の無料化という我々の主張も出来ることでありますし、いろんな意味でもっと有効な使い方があるであろうと思います。

という発言から、明らかだ。


それじゃ、「民主党の主張」と違うでしょ?

今、可及的速やかに対策を施さなければならないのが「雇用対策」だ、と主張しながら、小沢代表は2兆円を

「高齢者の窓口負担」、「小中学校の耐震構造をきちんと完成させる」、「高速道路の無料化」にも準用するようなことをいっている。

それでは、定額給付金を雇用対策に充てる、という民主党の案は、あれはウソなのか?と問いたくなる。

私は、「高齢者の窓口負担」や「小中学校の耐震構造」がどうでも良い、というつもりはないが、今回は違うでしょう。

まず、失業し、住居をも失った、非正規雇用労働者の雇用対策に2兆円を充てるつもりではなかったのか?

この小沢代表の発言が何故問題にならないのか分からない。要するに民主党は2兆円の定額給付金に反対しているものの、

その有効活用の方法に関して、具体案が確立していない、と思われる。


◆国会は政党と政党が政権獲得を目指して戦う場だ、というのは間違っている。

定額給付金の有効性を考えると、民主党の主張にも一理あるように見えるが、

上で見た通り、本当に国民のことを考えているのか、疑問に思えてくる。

政権を取るために、遅くとも今年の秋には行われる衆議院選挙(恐らくその前に解散するだろうが)で、政権を奪取するために、

自民党案に「反対の為の反対」を仕掛けているように見えるのである。


メディアなどに登場する「政治評論家」はしばしば、「国会は、政党が権力獲得を目指して戦う場であることに間違いは無い」

などというが、それは、政治家の「私欲」である。

政権を取っても政策が無ければ、国民は迷惑をするばかりである。こういう状態を「国民不在」というのである。

日本国憲法には、次の条文がある。

第四十一条  国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

国会は「国権の最高機関」であり、「法律を作るのが仕事」なのである。

政党とは、本源的には私的集団であり、その縄張り争いに国会を利用されては困る。
「自分の政党が与党になれば、美味しい思いが出来る」

という思いで、論争をするような人々は国会議員を辞めて頂きたいのである。

今日の通常国会の開会式には、憲法7条に従い(天皇の国事行為の一つに「国会の召集」があるでしょ?)陛下が開会のお言葉を述べられた。それは、いつもと同じで、
「国会が国権の最高機関として、その使命を十分に果たし、国民の信託に応えることを切に希望します。」

であったが、全くその通りで、「国民の信託に応えることを切に希望し」たい。

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コメント

大正デモクラシーの崩壊の道筋と、本当に似てきていますね。軍部の台頭を許したのは、政党が政治を弄んで、党利党略の権力争いに終始し、国民の支持を失ったことも1つの要因だったと記憶しています。

財閥の暴走と、政党の無為無策が国民生活をズタズタにし、民主主義や正統に絶望した人々はテロを歓迎して、民主主義を崩壊させてしまった。歴史に学ぼうという謙虚な姿勢もないのでしょうね。

投稿: TAC | 2009.01.06 02:47

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